以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置をプリンターに適用した場合の一実施形態について説明する。まず、プリンター1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンター1の全体構成を示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係るプリンター1は、主要な構成として、用紙搬送部10と、画像形成部30と、定着部40と、を備える。
用紙搬送部10は、第1送りローラー11と、第2送りローラー12と、レジストローラー対13と、第1ローラー対14と、第2ローラー対15と、用紙排出部16と、を備える。また、用紙Kが搬送される搬送路Lは、第1送りローラー11又は第2送りローラー12から画像形成部30(後述する転写ニップN)までの第1搬送路L1と、画像形成部30(後述する転写ニップN)から定着部40までの第2搬送路L2と、定着部40から用紙排出部16までの第3搬送路L3と、定着部40から排出された用紙Kをレジストローラー対13に戻す第4搬送路L4と、を備える。
第1送りローラー11は、給紙カセット17に収容される用紙K(被転写材)を第1搬送路L1に供給する。第2送りローラー12は、手差トレイ18に載置される用紙Kを第1搬送路L1に供給する。レジストローラー対13は、第1搬送路L1を搬送されてきた用紙Kを感光体ドラム31と転写ローラー38との間に形成される転写ニップNに供給して、感光体ドラム31に形成されたトナー画像を用紙Kに転写させるために、用紙Kの搬送又は用紙Kの搬送停止を行う。
また、レジストローラー対13は、用紙Kのスキュー(斜め給紙)補正を行う。第1ローラー対14は、第3搬送路L3に設けられ、定着部40から排出された用紙Kを用紙排出部16側に搬送する。第2ローラー対15は、第1ローラー対14により用紙排出部16側に搬送された用紙Kを第4搬送路L4に搬入させる。用紙排出部16は、トナー画像が定着された用紙Kをプリンター1の外部に排出する。用紙排出部16におけるプリンター1の外側には、排紙集積部19が形成される。排紙集積部19には、用紙排出部16から排出された用紙Kが集積される。
画像形成部30は、用紙Kにトナー画像を形成するための装置である。画像形成部30は、像担持体としての感光体ドラム31と、帯電部32と、レーザースキャナーユニット33と、現像部としての現像装置34と、除電器35と、クリーニング部36と、トナー収容部としてのトナーカートリッジ37と、転写部としての転写ローラー38と、を備える。
なお、本実施形態において、トナーカートリッジ37は、画像形成部30の一部を構成する。また、画像形成部30は、現像装置34(現像部)に収容されているトナー量を検出するセンサーを備えていない。すなわち、本実施形態の画像形成部30は、現像装置34に収容されているトナー量が検出不能に構成される。
感光体ドラム31は、現像ローラー343(トナー担持体)のトナー層からトナーが供給されることにより、表面に形成された静電潜像に沿った画像(トナー画像)が形成される。感光体ドラム31の周囲には、感光体ドラム31の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部32、レーザースキャナーユニット33、現像装置34、及びクリーニング部36が配置される。
帯電部32は、感光体ドラム31の表面を、一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
レーザースキャナーユニット33は、感光体ドラム31の表面から離れて配置される。レーザースキャナーユニット33は、外部に配置される外部機器(例えば、パーソナルコンピューター等)により送信された画像データ(原稿画像)に基づいて、感光体ドラム31の表面にレーザー光を連続又は間欠的に照射する。レーザースキャナーユニット33から感光体ドラム31にレーザー光を照射することにより、感光体ドラム31の表面において、露光された部分の電荷が除去されて、原稿画像に対応した静電潜像が形成される。
現像装置34は、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像に、単色(通常はブラック)のトナーを付着させて、静電潜像をトナー画像として現像する。現像装置34は、第1攪拌ローラー341と、第2攪拌ローラー342と、現像ローラー343と、を備える。第1攪拌ローラー341、第2攪拌ローラー342、及び現像ローラー343は、それぞれのローラー軸に連結された専用の駆動モーター(不図示)により回転力が付与される。
第1攪拌ローラー341及び第2攪拌ローラー342は、トナー供給ローラー371(後述)から供給されたトナーを攪拌する。第1攪拌ローラー341及び第2攪拌ローラー342は、例えば、スパイラルスクリュー形状の部材により構成される。第1攪拌ローラー341及び第2攪拌ローラー342は、回転軸を中心として回転することにより、現像装置34の内部に収容されたトナーを攪拌する。第1攪拌ローラー341及び第2攪拌ローラー342により攪拌されたトナーには、摩擦により静電気が発生する。これにより、トナーは帯電する。
現像ローラー343は、円筒形状の非磁性部材からなる現像スリーブにより構成される。現像ローラー343の内部には、複数の磁性部材が配置されている。現像ローラー343は、感光体ドラム31の表面に対向する位置において、現像スリーブの回転方向が第2攪拌ローラー342の回転方向と反対方向となるように駆動される。
現像ローラー343は、第2攪拌ローラー342から供給されるトナーにより表面にトナー層(不図示)が形成される。具体的には、現像ローラー343の表面には、第2攪拌ローラー342の層厚規制ブレード(不図示)により層厚が規制されたトナーのみが移動して、トナー層が形成される。なお、現像ローラー343には、電圧印加部(不図示)により所定のバイアス電圧が印加される。
除電器35は、感光体の表面に光を照射することにより、転写が行われた後の感光体ドラム31の表面を除電する(電荷を除去する)。
クリーニング部36は、除電器35によって感光体ドラム31の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーカートリッジ37は、トナー(磁性1成分トナー)を収容する容器である。トナーカートリッジ37の内部には、トナー供給ローラー371が設けられている。トナー供給ローラー371は、トナーカートリッジ37に収容されたトナーを現像装置34に供給する。トナー供給ローラー371は、例えば、スパイラルスクリュー形状の部材により構成される。トナー供給ローラー371は、回転軸を中心として回転することにより、現像装置34にトナーを供給する。トナー供給ローラー371と現像装置34との間は、トナー供給路(不図示)により接続されている。
トナーカートリッジ37は、現像装置34と隣接して設けられたトナーカートリッジ装着部(不図示)に着脱自在に装填される。すなわち、トナーカートリッジ37は、現像装置34に対して交換可能に構成されている。トナーカートリッジ37が交換されると、トナーカートリッジ装着部は、交換検出信号を制御部90に出力する。このように、トナーカートリッジ37(トナー収容部)は、トナーを現像装置34(現像部)に供給可能であり且つ画像形成部30に対して交換可能に構成される。
また、トナーカートリッジ37の近傍には、トナー量検出部としてのトナー量検出センサー20が設けられている。トナー量検出センサー20は、トナーカートリッジ37に収容されているトナー量を検出する。トナー量検出センサー20は、トナーカートリッジ37に収容されているトナー量を所定時間毎に検出し、検出したトナー量に基づく検出信号を制御部90に出力する。トナー量検出センサー20は、例えば、磁気センサーにより構成される。
転写ローラー38は、感光体ドラム31との間に用紙Kを挟み込むことにより、感光体ドラム31の表面に形成されたトナー画像を用紙Kに転写させる。転写ローラー38には、転写バイアス印加部(不図示)により、感光体ドラム31の表面に形成されたトナー画像を用紙Kに転写させるための転写バイアスが印加される。
定着部40は、加熱回転体41と、加圧回転体42と、を備える。加熱回転体41と加圧回転体42とは、トナー画像が転写された用紙Kを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Kに定着させる。
次に、本実施形態に係るプリンター1の機能的な構成について説明する。図2は、プリンター1の機能的な構成を示すブロック図である。なお、図1を用いて説明した構成については、その説明を適宜に省略する。
プリンター1は、上述した構成要素(用紙搬送部10、画像形成部30及び定着部40等)に加えて、更に、操作部50と、通知部としての表示部60と、インターフェイス部70と、記憶部80と、制御部90と、を備える。
操作部50は、複数のキー(不図示)を有する。これら複数のキーは、例えば、プリンター1の設定を変更する場合やジョブをリセットする場合等に操作される。操作部50は、いずれかのキーが操作されたときに、操作されたキーに対応する信号を制御部90に送信する。
表示部60は、設定モード、用紙サイズ、印刷枚数、出力先のほか、トナーの補給中であることを知らせるメッセージ、給紙カセット17内に用紙Kが収容されていないことを知らせるメッセージ等を表示する。また、表示部60は、トナーカートリッジ37に収容されるトナーの残量が少ないこと(トナーロー)を知らせるメッセージ、トナーローとなった場合に、その時点からトナー画像を形成可能な枚数(例えば、A4サイズ換算)を知らせるメッセージ、トナーカートリッジ37にトナーが無くなったこと(トナーエンプティー)を知らせるメッセージを表示する。
インターフェイス部70は、プリンター1の外部に設置された外部機器、例えば、パーソナルコンピューター等と有線(又は無線)により接続される。インターフェイス部70は、感光体ドラム31の表面に形成される静電潜像の画像データを取得する機能を有する。上述したパーソナルコンピューターから送信された画像データは、インターフェイス部
70で受信され、記憶部80(後述)に記憶される。
記憶部80は、ハードディスクや半導体メモリー等から構成される。記憶部80は、パーソナルコンピューターから受信した画像データを一時的に記憶する。また、記憶部80は、プリンター1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
制御部90は、CPU、RAM及びROMを備える。RAMは、各種データを一時的に記憶する機能や演算時の作業領域となる機能を有する記憶装置である。ROMは、各種プログラムを記憶するフラッシュメモリーとしての機能を有する記憶装置である。CPUは、ROMからプログラムを読み出して実行する演算装置である。CPU、RAM及びROMとは、データバス(不図示)を介してデータの送受信を行う。CPUは、ROM(又は記憶部80)から読み出したプログラムを実行することにより、そのプログラムの内容に応じた処理を実行する。
制御部90は、用紙搬送部10、画像形成部30、定着部40及び表示部60を制御する。
また、制御部90は、印字制御部91と、印字率算出部92と、印字枚数設定部93と、通知制御部94と、を含む。
印字制御部91は、原稿画像を印字する場合において、プリンター1の各部を制御する。ここで、印字制御部91において、プリンター1に原稿画像を印字させる場合の動作について説明する。なお、以下の説明では、用紙Kの片面にトナー画像を形成する場合を例とする。
まず、印字制御部91は、インターフェイス部70を介して受信された画像データを記憶部80に一時記憶させる。印字制御部91は、記憶部80に一時記憶された画像データに基づいて、用紙Kにトナー画像を形成するために、用紙搬送部10、画像形成部30及び定着部40をそれぞれ制御する。すなわち、印字制御部91は、第1送りローラー11又は第2送りローラー12を駆動させて、用紙Kを画像形成部30に搬送させる。
また、印字制御部91は、画像データに基づいて生成されたトナー画像を形成するためのデータをレーザースキャナーユニット33に供給し、レーザースキャナーユニット33から照射されるレーザー光により感光体ドラム31に静電潜像を形成させる。印字制御部91は、現像装置34より感光体ドラム31にトナー画像を形成させ、このトナー画像を転写ローラー38によって用紙Kに転写させる。印字制御部91は、加熱回転体41が所定の温度に加熱されるよう制御して、その加熱回転体41により用紙Kに転写されたトナー画像のトナーを溶融させると共に、加熱回転体41に圧接される加圧回転体42によりトナーを用紙Kに定着させる。更に、印字制御部91は、トナー画像が定着された用紙Kを用紙搬送部10により用紙排出部16から排出させる。
また、印字制御部91は、印字率算出部92(後述)において、トナーカートリッジ37のトナー量がトナーローであると判定された後、画像形成部30において、印字枚数設定部93により設定された印字可能枚数のトナー画像が印字された場合、すなわち、トナーカートリッジ37のトナー量がトナーローの状態からトナーエンプティーの状態となった場合に、プリンター1の動作を停止する。
次に、印字率算出部92、印字枚数設定部93、及び通知制御部94について説明する。
印字率算出部92は、トナーカートリッジ37が交換されてから、トナー量検出センサー20により検出されたトナー量が予め設定されたトナー量未満(トナーロー)となるまでの間に、画像形成部30において用紙Kに印字されたトナー画像の所定面積当たりにおける平均の面積を平均印字率として算出する。
印字率算出部92は、トナーカートリッジ37の交換の有無を、トナーカートリッジ装着部(不図示)から出力される交換検出信号により判定することができる。また、本実施形態において、予め設定されたトナー量未満(トナーロー)とは、トナー量検出センサー20によりトナーカートリッジ37内のトナーを検出できない程度までトナー量が少なくなった状態でのトナー量をいう。なお、予め設定されたトナー量未満とは、トナー量検出センサー20により検出されるトナー量として、トナーカートリッジ37がほぼ空になった状態とみなせる量に達したときのトナー量であればよい。
また、印字率算出部92は、トナー画像の印字(形成)に使用されたトナー量をドット数として累積加算し、その累積加算値を用紙Kの印字枚数の累積加算値で除算することにより、平均印字率を算出する。印字率算出部92は、トナー画像の印字に使用されたトナー量を、インターフェイス部70により取得された画像データ(原稿画像)に基づいて算出する。また、印字率算出部92は、印字枚数の累積加算値を、A4サイズを基準として算出する。例えば、A4サイズの用紙Kを1枚印字した場合には、印字枚数を「1」とし、A3サイズの用紙Kを1枚印字した場合には、係数(×2)を乗じて、印字枚数を「2」とする。
印字枚数設定部93は、トナー量検出センサー20により検出されたトナー量がトナーローとなった場合に、その時点から画像形成部30においてトナー画像を印字可能な用紙Kの枚数(以下、「印字可能枚数」という)を、印字率算出部92で算出された平均印字率に基づいて設定する。
本実施形態において、印字枚数設定部93は、印字率算出部92で算出された平均印字率が1%未満であれば、印字可能枚数を500枚に設定する。また、印字枚数設定部93は、印字率算出部92で算出された平均印字率が1%以上且つ3%未満であれば、印字可能枚数を1000枚に設定する。また、印字枚数設定部93は、印字率算出部92で算出された平均印字率が3%以上であれば、印字可能枚数を1500枚に設定する。
上述のように印字枚数設定部93は、平均印字率が低くなるほど印字可能枚数を少なく設定する。平均印字率が低い場合には、現像装置34内に帯電量の高いトナーが多く残るため、交換後のトナーカートリッジ37から帯電量の低いトナーが現像装置34に多く供給されると、地肌かぶり等の画像不良が発生しやすくなる。そこで、平均印字率が低い場合には、交換後のトナーカートリッジ37から帯電量の低いトナーが現像装置34に多く供給されないようにするため、印字可能枚数を少なく設定して、現像装置34のトナー消費量を少なくする。これにより、トナーカートリッジ37を交換した後の印字において、地肌かぶり等の画像不良が発生しにくくなる。
一方、印字枚数設定部93は、平均印字率が高くなるほど印字可能枚数を多く設定する。平均印字率が高い場合には、現像装置34内に残る帯電量の高いトナーは少なくなるため、交換後のトナーカートリッジ37から帯電量の低いトナーが現像装置34に多く供給されても、地肌かぶり等の画像不良が発生しにくくなる。そのため、平均印字率が高い場合には、交換後のトナーカートリッジ37から帯電量の低いトナーが現像装置34に多く供給されるようにするため、印字可能枚数を多く設定して、現像装置34のトナー消費量を多くする。これにより、トナーカートリッジ37を交換した後の印字において、地肌かぶり等の画像不良が発生しにくくなるだけでなく、使用済みのトナーカートリッジ37に残るトナー量を出来る限り少なくできる。
通知制御部94は、トナー量検出センサー20により検出されたトナー量がトナーローとなった後、画像形成部30において、印字枚数設定部93により設定された枚数の用紙Kにトナー画像を印字した場合に、トナーカートリッジ37の交換を促すメッセージを表示部60に表示させる。例えば、通知制御部94は、表示部60に「トナーカートリッジを交換してください」というメッセージを表示させる。
また、通知制御部94は、トナー量検出センサー20により検出されたトナー量がトナーローとなった場合に、印字枚数設定部93により設定された印字可能枚数に関するメッセージを表示部60に表示させる。例えば、通知制御部94は、表示部60に、「トナーカートリッジ交換までの印字可能枚数は1000枚です」というメッセージを表示させる。
次に、制御部90において、トナーカートリッジ37が交換されてから、トナー量検出センサー20によりトナーローが検出されるまでの間の印字可能枚数を設定する場合の動作を、図3を参照しながら説明する。図3は、制御部90において、印字可能枚数を設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図3に示すステップST101において、制御部90(印字率算出部92)は、トナーカートリッジ装着部(不図示)から交換検出信号を受信したか否かを判定する。このステップST101において、制御部90(印字率算出部92)により、交換検出信号を受信した(YES)と判定された場合に、処理はステップST102へ移行する。また、ステップST101において、制御部90(印字率算出部92)により、交換検出信号を受信していない(NO)と判定された場合には、ステップST101の処理が繰り返される。
ステップST102(ステップST101:YES)において、制御部90(印字率算出部92)は、トナー画像の印字に使用されたトナー量をドット数として累積加算する。
ステップST103において、制御部90(印字率算出部92)は、用紙Kの印字枚数を累積加算する。
ステップST104において、制御部90(印字率算出部92)は、トナー量検出センサー20から出力された検出信号に基づいて、トナーカートリッジ37のトナー量がトナーローか否かを判定する。このステップST104において、制御部90(印字率算出部92)により、トナーカートリッジ37のトナー量がトナーローである(YES)と判定された場合に、処理はステップST105へ移行する。また、ステップST104において、制御部90(印字率算出部92)により、トナーカートリッジ37のトナー量がトナーローでない(NO)と判定された場合に、処理はステップST102へ戻る。
このように、ステップST104において、トナーカートリッジ37のトナー量がトナーローである(YES)と判定されるまでの間、用紙Kに印字されたトナー画像のドット数及び印字枚数がそれぞれ累積加算される(ステップST102及びST103)。
ステップST105(ステップST104:YES)において、制御部90(印字率算出部92)は、トナー画像の印字に使用されたドット数の累積加算値を、用紙Kの印字枚数の累積加算値で除算することにより、平均印字率Aを算出する。これにより、トナーカートリッジ37が交換されてから、トナー量検出センサー20により検出されたトナー量がトナーローとなるまでの間に、画像形成部30において用紙Kに形成されたトナー画像の所定面積当たりにおける平均の面積が平均印字率Aとして算出される。
ステップST106において、印字枚数設定部93は、ステップST105において算出された平均印字率Aが1%未満か否かを判定する。このステップST106において、印字枚数設定部93により、平均印字率Aが1%未満である(YES)と判定された場合に、処理はステップST107へ移行する。また、ステップST106において、印字枚数設定部93により、平均印字率Aが1%未満ではない(NO)と判定された場合に、処理はステップST108へ移行する。
ステップST107(ステップST106:YES)において、印字枚数設定部93は、印字可能枚数を500枚に設定する。
一方、ステップST108に(ステップST106:NO)おいて、印字枚数設定部93は、ステップST105において算出された平均印字率Aが1%以上且つ3%未満か否かを判定する。このステップST108において、印字枚数設定部93により、平均印字率Aが1%以上且つ3%未満である(YES)と判定された場合に、処理はステップST109へ移行する。また、ステップST108において、印字枚数設定部93により、平均印字率Aが1%以上且つ3%未満ではない(NO)と判定された場合、すなわち平均印字率Aが3%以上である場合に、処理はステップST110へ移行する。
ステップST109(ステップST108:YES)において、印字枚数設定部93は、印字可能枚数を1000枚に設定する。
また、ステップST110(ステップST108:NO)において、印字枚数設定部93は、印字可能枚数を1500枚に設定する。
ステップST111において、制御部90(通知制御部94)は、ステップST107、ステップST109、又はステップST110で設定された印字可能枚数に関するメッセージを表示部60に表示させる。
ステップST112において、制御部90(通知制御部94)は、画像形成部30において、ステップST107、ステップST109、又はステップST110で設定された印字可能枚数のトナー画像を印字したか否かを判定する。このステップST112において、制御部90(通知制御部94)により、設定された印字可能枚数のトナー画像を印字した(YES)と判定された場合に、処理はステップST113へ移行する。また、ステップST112において、制御部90(通知制御部94)により、設定された印字可能枚数のトナー画像を印字していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST111へ戻る。
ステップST113(ステップST112:YES)において、制御部90(印字制御部91)は、プリンター1の動作を停止する。
ステップST114において、制御部90(通知制御部94)は、トナーカートリッジ37の交換を促すメッセージを表示部60に表示させる。制御部90は、ステップST114の処理が終了した時点において、本フローチャートの処理を終了する。
次に、本実施形態のプリンター1において、トナーカートリッジ37のトナー量がトナーローであると判定された後、画像形成部30において、印字枚数設定部93により設定された印字可能枚数のトナー画像の印字が終了した時点で、現像装置34内に残ったトナー量を測定した実験結果について説明する。
図4は、本実施形態の係るプリンター1において、平均印字率により印刷可能枚数を設定した場合の実験結果を示すグラフである。図4において、横軸は、トナーカートリッジ37におけるトナーの収容状態を示す。「定常状態」とは、トナーカートリッジ37にトナーが十分に収容されている状態でのトナー量である。「トナーロー」とは、先に説明したように、トナー量検出センサー20によりトナーカートリッジ37内のトナーを検出できない程度までトナー量が少なくなった状態でのトナー量である。「トナーエンプティー」とは、上述した印字枚数設定部93により設定された印字可能枚数のトナー画像の印字が終了した時点でのトナー量であり、トナーカートリッジ37のトナー量が無くなったと考えられる状態である。また、縦軸は、現像装置34に残ったトナー量(g)である。また、平均印字率として、「1%」、「2%」、「3%」の3パターンを設定した。
図4に示すように、トナーカートリッジ37におけるトナー量が定常状態のときは、平均印字率に係わらず、現像装置34に残ったトナー量はほぼ同じであった。また、トナーカートリッジ37におけるトナー量がトナーローの状態になると、現像装置34に残ったトナー量は少なくなるものの、平均印字率に係わらず、現像装置34に残ったトナー量はほぼ同じとなった。一方、トナーカートリッジ37がトナーエンプティーになると、平均印字率が2%及び3%のパターンでは、印字枚数設定部93で設定される印字可能枚数が多くなるため、現像装置34に残ったトナー量は少なくなった。しかし、平均印字率が1%のパターンでは、印字枚数設定部93で設定される印字可能枚数が少なくなるため、現像装置34に残ったトナー量は多くなった。
このように、印字可能枚数が少なく設定されると、トナーカートリッジ37の交換時に、現像装置34内に残るトナーが多くなるため、交換後のトナーカートリッジ37から現像装置34に供給されるトナーの量が少なくなる。現像装置34に新たに供給されるトナーの量が少なければ、現像装置34内に残るトナーの帯電量と新たに供給されたトナーの帯電量との差が小さくなる。そのため、トナーカートリッジ37を交換した後の印字において、地肌かぶり等の画像不良が発生しにくくなる。
上述した本実施形態のプリンター1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本実施形態のプリンター1において、印字枚数設定部93は、トナー量検出センサー20(トナー量検出部)により検出されたトナー量がトナーロー(予め設定されたトナー量未満)となった場合に、その時点から画像形成部30においてトナー画像を印字(形成)可能な用紙K(被転写材)の印字可能枚数を、印字率算出部92で算出された平均印字率に基づいて設定する。本実施形態の印字枚数設定部93は、平均印字率が低くなるほど印字可能枚数を少なく設定し、平均印字率が高くなるほど印字可能枚数を多く設定する。
これによれば、トナーカートリッジ37が交換されてからトナーローとなるまでの間に印字されたトナー画像の平均印字率が低い場合には、印字可能枚数が少なく設定されるため、交換後のトナーカートリッジ37から帯電量の低いトナーが現像装置34に多く供給されることがない。従って、トナーカートリッジ37を交換した後の印字において、地肌かぶり等の画像不良が発生しにくくなる。
また、本実施形態のプリンター1において、通知制御部94は、トナー量検出センサー20(トナー量検出部)により検出されたトナー量がトナーロー(予め設定されたトナー量未満)となった後、画像形成部30において、印字枚数設定部93により設定された枚数の用紙K(被転写材)にトナー画像を印字(形成)した場合に、トナーカートリッジ37(トナー収容部)の交換を促すメッセージ(情報)を表示部60(通知部)に表示(通知)させる。そのため、ユーザーは、トナーカートリッジ37を交換するタイミングを確実に把握することができる。
また、本実施形態のプリンター1において、通知制御部94は、トナー量検出センサー20(トナー量検出部)により検出されたトナー量がトナーロー(予め設定されたトナー量未満)となった場合に、印字枚数設定部93において設定された印字可能枚数(トナー画像を形成可能な被転写材の枚数)に関するメッセージ(情報)を表示部60(通知部)に表示(通知)させる。そのため、ユーザーは、トナーローの状態からトナーカートリッジを交換するまでの間に印字できる枚数を容易に理解することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、通知制御部94において、印字枚数設定部93により設定された印字可能枚数に関するメッセージを表示部60に表示させないようにして、トナーカートリッジの交換を促すメッセージのみを表示部60に表示させるようにしてもよい。また、印字枚数設定部93により設定された印字可能枚数に関するメッセージを表示部60に表示させた場合に、そのメッセージに含まれる印字可能枚数を、それ以後の印字枚数に応じてカウントダウンするように表示してもよい。
また、本実施形態で説明したプリンター1は、モノクロプリンターである。しかし、本発明は、この形態に限定されることはなく、カラープリンターであってもよい。
また、本実施形態で説明したプリンター1は、感光体ドラム31に形成されたトナー画像を直接に用紙Kに転写する形態(直接転写方式)である。しかし、本発明は、この形態に限定されることはなく、中間転写ベルトを介して用紙にトナー画像を転写する形態(間接転写方式)であってもよい。
また、本発明に係る画像形成装置の実施形態は、上述したプリンター1に限定されない。すなわち、本発明に係る画像形成装置は、コピー機、ファクシミリのほか、コピー機、ファクシミリ及びプリンターの機能を備えた複合機にも適用することができる。