以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図7は、本発明の現像剤補給装置、画像形成装置、現像剤補給方法及び現像剤補給プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の現像剤補給装置、画像形成装置、現像剤補給方法及び現像剤補給プログラムの一実施例を適用したカラー画像形成装置1の概略構成図である。
図1において、カラー画像形成装置1は、本体筐体2内に、給紙部10、給紙搬送部20、排紙搬送部30、両面搬送部40、定着部50、画像形成部60及び制御基板80等が収納され、本体筐体2の上部に、排紙トレイ3が設けられているとともに、図示しない操作パネル5(図2参照)等を備えている。
なお、以下の説明では、カラー画像形成装置(画像形成装置)1は、外部のコンピュータ等のホスト装置からLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して受信した印刷ジョブの印刷データを印刷処理するものとして説明するが、スキャナ部やファクシミリ部等の画像データ入力部を備えて、これらの画像データ入力部からの画像データに基づいて印刷処理(画像形成処理)を行ってもよい。
給紙部10は、給紙トレイ11、給紙ローラ12及び図示しない分離パッド等を備えており、給紙トレイ11内には、複数枚の用紙(被記録媒体)Pが収納される。給紙部10は、給紙トレイ11内の最上段の用紙Pを給紙ローラ12と分離パッドで1枚ずつ分離して、給紙搬送部20に送り出す。
給紙搬送部20は、排紙搬送部30に繋がっており、給紙部10から送り出されてきた用紙Pを排紙搬送部30に搬送する。給紙搬送部20には、レジストセンサ21とレジストローラ22が用紙Pの搬送方向(副走査方向)に沿って配設されており、レジストセンサ21は、給紙部10から給紙搬送部20上をレジストローラ22へ搬送される用紙Pを検出する。レジストローラ22は、レジストセンサ21による用紙Pの検出結果に基づいて、搬送されてきた用紙Pを一旦停止させた後、画像形成部60による用紙Pへのトナー画像の転写タイミングを調整して、搬送を再開するように駆動制御される。
排紙搬送部30には、定着部50、排紙センサ31及び排紙ローラ32等が配設されており、定着部50は、画像形成部60でトナー画像(現像剤像)の転写された用紙Pを加熱・加圧しつつ搬送してトナー画像を用紙Pに定着させる。排紙搬送部30は、定着部50でトナー画像の定着された用紙Pを排紙ローラ32へ搬送して、この定着部50から排紙ローラ32に搬送される用紙Pを排紙センサ31が検出し、排紙ローラ32は、トナー画像の定着の完了した用紙Pを排紙トレイ3上に排出する。
また、排紙搬送部30は、定着部50よりも下流側の排紙センサ31の配設されている位置付近で、両面搬送部40に繋がっており、両面搬送部40は、給紙搬送部20と給紙部10付近で繋がっている。
カラー画像形成装置1は、両面印刷モードのとき、片面への印刷の完了した用紙Pの後端が排紙センサ31を通過した時点で、排紙ローラ32の駆動を停止し、その後、排紙ローラ32を反転駆動させて、該用紙Pを両面搬送部40に送り込む。
両面搬送部40は、両面ローラ41及び両面センサ42等を備えており、排紙ローラ32によって送り込まれてきた用紙Pを、その表裏面を反転させながら両面ローラ41によって給紙搬送部20に送り込むとともに、該用紙Pを両面センサ42で検出する。なお、上記レジストセンサ21、排紙センサ31、両面センサ42及び手差し給紙部80の用紙センサ等としては、例えば、反射型または透過型のフォトカプラが用いられている。
給紙搬送部20は、両面搬送部40から送り込まれてきた用紙Pを、レジストローラ22を介して画像形成部60による画像形成に供させた後、排紙搬送部30へと搬送する。
画像形成部60は、いわゆるタンデムタイプの画像形成部であって、無端帯状でリング状に形成されて略水平方向に張り渡された中間転写ベルト61、該中間転写ベルト61に沿って、並んで配設されているK(ブラック)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、C(シアン)の各色用の現像ユニット62K、62M、62C、62Y、露光部63、トナーマーク(Toner Mark)センサ64、廃トナーボックス65、中間転写ベルトクリーナ66及び2次転写ローラ67等を備えており、中間転写ベルト61は、2次転写駆動ローラ68とテンションローラ69に張り渡されている。カラー画像形成装置1は、この中間転写ベルト61を挟んで、各現像ユニット62K、62M、62C、62Yに対応するCMYK各色用の1次転写ローラ70K、70M、70C、70Yが配設されている。
各現像ユニット(現像手段)62K、62M、62C、62Yは、それぞれ、図1において時計方向に回転駆動される感光体(潜像担持体)71K、71M、71C、71Yを中心に、帯電器72K、72M、72C、72Y、現像部73K、73M、73C、73Y、クリーニング部74K、74M、74C、74Y及び符号を付さない現像ローラ、供給ローラ、現像ブレード、クリーナブレード等が配設された状態でユニットとして配設されていて、各現像部(現像容器)73K、73M、73C、73Yにトナー(現像剤)を供給するトナー収納部(現像剤補給容器)75K、75M、75C、75Yが配設されている。トナー収納部75K、75M、75C、75Yは、現像ユニット62K、62M、62C、62Yに対して着脱可能に装着され、収納しているトナーが無くなると、新しいトナー収納部75K、75M、75C、75Yに交換される。
各現像ユニット62K、62M、62C、62Yは、その感光体71K、71M、71C、71Yが上記中間転写ベルト61を挟んで、各色用の1次転写ローラ70K、70M、70C、70Yと対向して接触が可能な状態で、カラー画像形成装置1の本体筐体2内に収納されて装着され、各現像ユニット62K、62M、62C、62Yの感光体71K、71M、71C、71Yと1次転写ローラ70K、70M、70C、70Yとの間を中間転写ベルト61が搬送される。なお、1次転写ローラ70K、70M、70C、70Yは、感光体71K、71M、71C、71Y上のトナー画像を中間転写ベルト61に転写するのに使用されるが、転写動作タイミングの1次転写ローラ70K、70M、70C、70Yのみが、感光体71K、71M、71C、71Yと対向する位置に位置し、転写動作タイミング以外の1次転写ローラ70K、70M、70C、70Yは、感光体71K、71M、71C、71Yと対向する位置から離間した位置に退避する。
露光部63は、各色の画像データによって変調されたKMCY各色用の露光光Lk、Lm、Lc、Lyを、対応する色の感光体71K、71M、71C、71Yに照射する。
画像形成部60は、露光部63によって静電潜像の形成された感光体71K、71C、71M、71Yを時計方向に回転させつつ、現像部73K、73M、73C、73Yによって各色のトナー(現像剤)を感光体71K、71C、71M、71Y上に供給して静電潜像を現像して各色のトナー画像(現像剤像)を形成し、各色のトナー画像の形成された感光体71K、71C、71M、71Yに1次転写ローラ70K、70M、70C、70Yによって中間転写ベルト61上に順次重ね合わせて転写してカラーのトナー画像を形成する。画像形成部60は、トナー画像の転写の完了した各感光体71K、71C、71M、71Yをさらに回転させてクリーニング部74K、74M、74C、74Yで残留トナーを除去した後、再度、帯電器72K、72M、72C、72Yで帯電させて、画像形成に供する。
画像形成部60は、クリーニング部74K、74M、74C、74Yで除去された廃トナーを、廃トナーボックス65に送り、カラー画像形成装置1は、廃トナーボックス65内の廃トナーが満杯であることを、廃トナーフル検知センサ(図示略)が検知すると、新たな廃トナーボックス65との交換を促すメッセージを操作表示部に出力する。
中間転写ベルト61は、図示しない駆動モータによって回転駆動される2次転写駆動ローラ68によって、図1において反時計方向に回転駆動される。中間転写ベルト61は、2次転写駆動ローラ68部分で、2次転写ローラ67との間にレジストローラ22から搬送されてきた用紙Pに、2次転写ローラ67の転写電位によって、中間転写ベルト61上のトナー画像を転写する。
そして、上記定着部50は、回転可能に配設されている定着ローラ51と加圧ローラ52等を備えており、定着ローラ51は、図示しない定着ヒータによって所定の定着温度に加熱される。定着部50は、トナー画像の転写された用紙Pが定着ローラ51と加圧ローラ52との間に搬送されてくると、定着温度に加熱されている定着ローラ51と加圧ローラ52によって加熱・加圧しつつ用紙Pを搬送して、用紙P上のトナー画像を用紙Pに定着させる。
排紙搬送部30は、上述のように、定着部50でトナー画像の定着された用紙Pを排紙ローラ32へ搬送して、この定着部50から排紙ローラ32に搬送される用紙Pを排紙センサ31が検出し、片面印刷の場合や両面印刷の裏面への印刷が完了したときには、排紙ローラ32が、トナー画像の定着の完了した用紙Pを排紙トレイ3上に排出する。
制御基板80は、コントローラ90等を搭載しており、コントローラ90には、操作表示部、レジストセンサ21、排紙センサ31、両面センサ42等の各種センサ等が接続されている。コントローラ90は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、外部I/F(インターフェイス)94、操作パネルI/F95及びI/O(Input/Output)96等を備えており、各部はシステムバス97により接続されている。
I/O96には、トナー供給部100と各色の現像部内トナー残量センサ110K、110M、110C、110Yが接続されている。現像部内トナー残量センサ110K、110M、110C、110Yは、各現像部73K、73M、73C、73Y内に保存されているトナーの残量を検知してトナー残量信号をCPU91へ出力する。
また、カラー画像形成装置1は、システムバス97に、各色用の不揮発性メモリ(記憶手段)120K、120M、120C、120Yが接続されている。不揮発性メモリ120K、120M、120C、120Yは、それぞれ対応する色のトナー収納部75K、75M、75C、75Yに取り付けられている。不揮発性メモリ120K、120M、120C、120Yは、後述するように、トナー収納部75K、75M、75C、75Yの収納するトナーや現像部73K、73M、73C、73Yへ補給するトナー量の管理に必要なトナー関連情報を記憶する。
トナー供給部(補給手段)100は、トナー供給モータ101と各色毎のトナー供給クラッチ102K、102M、102C、102Y等を備えている。
トナー供給クラッチ102K、102M、102C、102Yは、CPU91によってオン/オフ動作されることで、トナー収納部75K、75M、75C、75Yから各現像部73K、73M、73C、73Yへのトナーの供給/供給停止を行う。
トナー供給モータ101は、CPU91の制御下で駆動動作し、トナー収納部75K、75M、75C、75Yのトナーを各現像部73K、73M、73C、73Yへ搬送する。
現像部内トナー残量センサ110K、110M、110C、110Yは、各現像部73K、73M、73C、73Yに取り付けられており、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー残量を検出して、CPU91に出力する。
ROM92は、カラー画像形成装置1としての基本プログラム、本発明の現像剤補給方法を実行する現像剤補給プログラム及びこれらのプログラムを実行するのに必要な各種データ等が格納されている。RAM93は、CPU91のワークメモリとして利用される。
CPU(消費量算出手段、補給制御手段)91は、ROM93内のプログラムに基づいてRAM93をワークメモリとして利用しつつ、カラー画像形成装置1の各部を制御して、カラー画像形成装置1としての基本処理を実行するとともに、本発明の現像剤補給方法を実行する。
外部I/F94には、専用ケーブルあるいはネットワーク等を介して外部装置としてのコンピュータ等が接続されている。外部I/F9は、CPU91の制御下で、外部装置からの印刷データや印刷設定等の印刷ジョブの受信及び外部装置への印刷結果や印刷状況情報の転送等のインターフェイスを行う。
操作パネルI/F95には、操作パネル5が接続されており、操作パネル5は、各種操作キーとディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。操作パネル5は、操作キーからカラー画像形成装置1に画像形成動作を行わせる上で必要な各種操作が行われ、特に、トナー補給処理で必要な各種設定操作が行われ、操作内容を操作パネルI/F95を介してCPU91に渡す。操作パネル5は、そのディスプレイに、CPU91の制御下で、カラー画像形成装置1からユーザに通知する各種情報、特に、トナー補給処理に関する各種情報を表示する。
上記CPU91、ROM92、RAM93、現像ユニット62K、62M、62C、62Y、現像部73K、73M、73C、73Y、トナー収納部75K、75M、75C、75Y及びトナー供給部100は、全体として、印刷性能の低下を抑制しつつトナー攪拌時間を短縮して現像剤であるトナーの劣化を抑制するトナー補給部(現像剤補給部、現像剤補給装置)130として機能している。
すなわち、カラー画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の現像剤補給方法を実行する現像剤補給プログラムを読み込んでROM92等に導入することで、後述する印刷性能の低下を抑制しつつトナー攪拌時間を短縮してトナーの劣化を抑制する現像剤補給方法を実行する現像剤補給装置であるトナー補給部130を搭載する画像形成装置として構築されている。この現像剤補給プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
そして、カラー画像形成装置1は、本発明のトナー補給プログラムがROM92に導入されることで、図3に示すようなトナー補給部130の機能ブロックが構築される。
すなわち、カラー画像形成装置1は、トナー補給プログラムが導入されることで、トナー補給部130として、現像部内トナー残量検出部131、トナー残量算出部132、トナー残量累計部133、ドットカウント算出部134、トナー消費量算出部135、トナー消費量累計部136、印字率算出部137、印字率累計部138及び記憶部139が構築される。カラー画像形成装置1は、このトナー補給部130が各色のトナー毎に構築されている。
記憶部139は、各色のトナー収納部75K、75M、75C、75Yに、それぞれ設けられた不揮発性メモリ120K、120M、120C、120Yで構築されている。
記憶部139は、トナー収納部75K、75M、75C、75Yの収納するトナーや現像部73K、73M、73C、73Yへ補給するトナー量の管理に必要なトナー関連情報を記憶する。特に、記憶部139は、トナー収納部75K、75M、75C、75Yが交換されると、対応する現像部73K、73M、73C、73Yに残留するトナー残量が、累積トナー残量139aとして格納され、また、後述する累積トナー消費量139bと累積印字率情報139cが格納される。
現像部内トナー残量検出部131は、現像部内トナー残量センサ110K、110M、110C、110Yによって構築され、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー残量を検出して、トナー残量算出部132に出力する。
トナー残量算出部132は、記憶部139に保存されている累計トナー残量139aを基に、現像部内トナー残量検出部131の検出するトナー残量から現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー残量を算出する。
トナー残量累計部133は、トナー消費量算出部135で算出されたトナー消費量を記憶部139の累計トナー残量139aから減算することで累計トナー残量を求め、記憶部139の累計トナー残量139aを更新して格納する。
ドットカウント算出部134は、各現像ユニット62K、62M、62C、62Yにより印字された画像のドットカウントを算出する。
トナー消費量算出部135は、ドットカウント算出部134の算出したドットカウントから画像の印字に使用されたトナー消費量を計算するとともに、印刷外で消費されるトナー量を考慮してトナー消費量を算出する。
トナー消費量累計部136は、トナー消費量算出部135が算出したトナー消費量を、記憶部139に記憶されている累積トナー消費量139bに加算して、加算した累計トナー消費量で記憶部139内の累積トナー消費量139bを更新して格納する。
印字率算出部137は、外部I/F94が外部装置から取得した印刷ジョブの画像情報に基づいて、1ページにおける色毎の印字率を算出する。また、印字率算出部137は、エンジン調整処理等で消費されたトナー量を考慮して印字率を補正する。印字率累計部138は、印字率算出部137で算出された印字率の累計を算出し、トナー収納部75K、75M、75C、75Yの累計印字率情報139cを更新して格納する。
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例のカラー画像形成装置1は、そのトナー補給部130が、印刷性能の低下を抑制しつつトナー(現像剤)攪拌時間を短縮してトナーの劣化を抑制する。
カラー画像形成装置1は、外部I/F94が外部装置から印刷データや印刷設定等の印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブの印刷データや印刷設定等の画像情報に基づいて、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量を、所定サイズのトナー画像を所定の印字率で現像ユニット62K、62M、62C、62Yが形成可能なトナー量(目標トナー量:目標現像剤量)に維持する量のトナーを、トナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Kに供給する。
すなわち、カラー画像形成装置1は、給紙部10からの用紙Pを、給紙搬送部20によって、画像形成部60の中間転写ベルト61と2次転写ローラ67との間に搬送する。画像形成部60は、各現像ユニット62K、62M、62C、62Yで各色のトナー画像を中間転写ベルト61上に順次重ね合わせてカラートナー画像を形成し、中間転写ベルト61と2次転写ローラ67とのニップ部で、用紙Pに転写する。
カラー画像形成装置1は、トナー画像の転写された用紙Pを、排紙搬送部30によって定着部50に搬送し、定着部50で加熱・加圧しつつ搬送して、トナー画像を用紙Pに定着させた後、排紙トレイ3上に排出する。
そして、カラー画像形成装置1は、上記現像ユニット62K、62M、62C、62Yにおいて各色のトナーを用いて静電潜像を現像してトナー画像を感光体71K〜71Y上に形成するのに使用するトナー量を求める。そして、カラー画像形成装置1は、そのトナー補給部130が、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナーを、所定サイズのトナー画像を所定の印字率で現像ユニット62K、62M、62C、62Yが形成可能なトナー量(目標トナー量)に維持するのに必要な量のトナーをトナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yに供給する。
すなわち、トナー補給部130は、トナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yへのトナーの補給において、図4に示すようなトナー補給制御処理を行う。
トナー補給部130は、まず、トナー補給量算出処理を行って、印字率と印刷状態に応じたトナー補給量を算出する(ステップS101)。なお、このトナー補給量算出処理については、後述する。
次に、トナー補給部130は、トナー供給部100を駆動させて、トナー補給量算出処理で算出したトナー補給量に応じた量のトナーを、トナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yへ補給するトナー補給処理を実行する(ステップS102)。このトナー補給は、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー残量が、所定サイズのトナー画像(現像剤像)を所定の印字率でカラー画像形成装置1、すなわち、現像ユニット62K、62M、62C、62Yにおいて形成可能なトナー残量(現像剤量)、例えば、最大サイズ1ページ分(印刷で必要な最低限)のトナー残量(目標トナー量)を維持するのに必要な量のトナーをトナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yへ補給する。
カラー画像形成装置1は、露光部63が、各色の画像データによって変調されたKMCY各色用の露光光Lk、Lm、Lc、Lyを、対応する色の感光体71K、71M、71C、71Yに照射して露光する露光処理を行う(ステップS103)。カラー画像形成装置1は、露光処理を行うと、現像ユニット62K、62M、62C、62Yによって、感光体71K、71M、71C、71Y上の静電潜像にトナーを付与して現像してトナー画像を形成する。カラー画像形成装置1は、各色の感光体71K、71M、71C、71Y上のトナー画像を中間転写ベルト61上に順次重ね合わせて転写することで、カラートナー画像を中間転写ベルト61上に形成する。
カラー画像形成装置1は、中間転写ベルト61上に形成されたカラートナー画像及び印字領域外に形成した濃度調整パターンを、図示しない濃度センサで測定する濃度測定処理を行う(ステップS104)。CPU91は、濃度センサの測定した濃度調整パターンの濃度を基準濃度値と比較して、濃度調整パターンの濃度が基準範囲内にあるか判断する。CPU91は、濃度調整パターンの濃度が基準濃度値を下回る等のように基準範囲から外れていると、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量が不足または過剰である可能性があると判断して、次回トナー補給量を加算または減算する補正量(トナー補給量補正量)を算出するトナー補給量補正量算出処理を行う(ステップS105)。CPU91は、濃度調整パターンの濃度が基準範囲内に到達しない場合は、毎印刷後に補正処理を行う。
次に、CPU91が、トナー残量算出部132として、ステップS101でのトナー補給量を基に、現像部73K、73M、73C、73Yに残留するトナー残量を算出する。トナー残量累計部133としてのCPU91が、トナー残量算出部132の算出したトナー残量を記憶部139の累計トナー残量139aに加算して、記憶部139の累計トナー残量139aを更新するトナー残量算出処理を行う(ステップS106)。また、トナー消費量算出部135が、ドットカウント算出部134の算出したドットカウントから画像の印字に使用されたトナー消費量を計算するとともに、印刷外で消費されるトナー量を考慮してトナー消費量を算出する。そして、トナー消費量累計部136は、トナー消費量算出部135が算出したトナー消費量を、記憶部139に記憶されている累積トナー消費量139bに加算して、加算しある移籍トナー消費量で記憶部139内の累積トナー消費量139bを更新して格納するトナー残量算出処理を行う。なお、このトナー残量算出処理については、後で詳細に説明する。
次に、CPU91は、感光体71K、71C、71M、71Yの走行距離が、予め設定されている走行距離閾値Aを越えたか判断する(ステップS107)。この感光体71K、71C、71M、71Yの走行距離閾値Aは、トナーが現像部73K、73M、73C、73Y内に滞留し続けた場合に劣化しないように実験データに基づいて予め設定される。感光体71K、71C、71M、71Yの走行距離閾値Aは、印刷状態により、現像状態が変わるため、図示しない不揮発メモリに保存し変更できるようになっている。
ステップS107で、感光体走行距離が走行距離閾値A以上であると(ステップS107で、YESのとき)、CPU91は、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナーを排出するトナー排出処理を行う(ステップS108)。CPU91は、このトナー排出処理では、トナー補給を実施せず、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナーがなくなるように、感光体71K、71C、71M、71Y上に画像を形成しながら、感光体71K、71C、71M、71Yを一定距離回転動作させる。CPU91は、このトナー排出処理を、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナーが全て無くなるまで行い、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナーを最新の状態に保つ。CPU91は、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナーを全て排出すると、トナー供給モータ101及びトナー供給クラッチ102K、102M、102C、102Yを駆動させて、トナー補給を実行する。CPU91は、このトナー補給処理で、トナー残量が印刷可能用紙サイズの最大サイズ1ページ分(印刷に必要な最低限)となるトナー量を現像部73K、73M、73C、73Yに充填する。
CPU91は、トナー排出処理を行うと、次の印刷要求がないかチェックし(ステップS109)、印刷要求があると(ステップS109で、NOのとき)、ステップS101に戻って、上記同様の処理を行う(ステップS101〜S109)。
ステップS107で、感光体走行距離が走行距離閾値A未満であると(ステップS107で、NOのとき)、CPU91は、トナー排出処理を行うことなく、次の印刷要求がないかチェックする(ステップS109)。
ステップS109で、次の印刷要求がないとき(ステップS109で、YESのとき)には、CPU91は、トナー補給制御処理を終了する。
そして、CPU91は、上記ステップS101のトナー補給量算出処理を、図5に示すように実行する。
すなわち、CPU91は、外部I/F94から取得した画像データと印刷設定等の画像情報からページ毎に、印字率情報を取得する(ステップS201)。
CPU91は、取得した印字率情報に基づいて印字率算出部137としてドットをカウントし、カウントしたドットをトナー量(トナー補給量)に変換する変換処理を行う(ステップS202)。
CPU91は、印字率累計部138として、取得した印字率情報を、不揮発性メモリ120K、120M、120C、120Yである記憶部139の累計印字率情報139cに加算して更新する(ステップS203)。
CPU91は、トナー消費量算出部135として、ステップS202で算出したトナー補給量を基に、図4のステップS105で算出したトナー補給量補正量を加算して補正するトナー補給量差分算出処理を行う(ステップS204)。
次に、CPU91は、トナー消費量算出部135として、ステップS204で求めたトナー補給量に、使用環境と感光体走行距離を考慮したトナー消費量を加算・減算し、トナー補給量を算出するトナー補給量エンジン特性算出処理を行う(ステップS205)。すなわち、カラー画像形成装置1は、現像ユニット62K、62M、62C、62Yの使用環境により、上記濃度センサで読み取った測定値などで、現像バイアスを可変させて、用紙P上のトナー濃度を一定に保つよう制御していることから、現像ユニット62K、62M、62C、62Yから排出されるトナー量が使用環境により可変するようになっている。また、感光体71K、71C、71M、71Yの走行距離によっても、トナー付着量が変わるため、カラー画像形成装置1は、使用環境と同様に現像バイアスを可変させて、トナー付着量を制御していることから、トナー消費量が変わってくる。そこで、CPU91は、印字率から求めたトナー補給量に対して、使用環境と感光体走行距離を考慮したトナー消費量を加算・減算して、トナー補給量を算出する。
次に、CPU91は、ステップS205で算出したトナー補給量を、不揮発性メモリ120K、120M、120C、120Yで構築されている記憶部139の累計トナー消費量139bに加算して、更新する累計トナー消費量加算処理を行う(ステップS206)。カラー画像形成装置1は、現像で消費したトナー消費量に見合うトナー量を、トナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yに補給するので、トナー消費量とトナー補給量はほぼ同じ量となる。
そして、CPU91は、図4のステップS106のトナー残量算出処理を、図6に示すように実行する。
すなわち、CPU91は、トナー残量算出部132として、不揮発メモリ120K、120M、120C、120Yで構築されている記憶部139に保存されている累計トナー残量139aから、次回トナー補給量を減算する。CPU91は、算出した累計トナー残量を、トナー残量累計部133として、記憶部139の累計トナー残量139aを更新して格納する(ステップS301)。
CPU91は、感光体走行距離に応じたトナー消費量を算出する(ステップS302)。カラー画像形成装置1は、感光体の走行距離に応じて、印刷以外で、画像位置合わせ、濃度調整等の調整動作のために感光体71K、71C、71M、71Yを回転させたり、ウェイト動作(Wait動作)で感光体71K、71C、71M、71Yを空回転させることにより感光体71K、71C、71M、71Y上に残っている電位により、感光体71K、71C、71M、71Yと現像ローラ間の電位差で現像部73K、73M、73C、73Yからトナーが消費される。そこで、CPU91は、感光体71K、71C、71M、71Yの走行距離に応じたトナーの消費量を補正している。
次に、CPU91は、記憶部139の累計トナー残量139aから、ステップS302で求めたトナー消費量を減算する(ステップS303)。
CPU91は、累計トナー残量139aと累計トナー消費量139bを比較し、消費量が多い場合は、現像部内トナー残量センサ110K、110M、110C、110Yによって構築される現像部内トナー残量検出部131の検出結果がトナーエンプティ(所定量以下)であるかチェックする(ステップS304)。すなわち、CPU91は、ステップS304で、トナー残量無しであって、かつ、トナーエンプティであるかチェックしている。
ステップS304で、トナー残量無しであって、かつ、トナーエンプティであると(ステップS304で、YESのとき)、CPU91は、トナー量が不足していると判断して、強制的にトナー供給モータ101及びトナー供給クラッチ102K、102M、102C、102Yを駆動させてトナー補給動作を実行して、トナー残量算出処理を終了する(ステップS305)。
CPU91は、ステップS304で、トナー残量無しであって、かつ、トナーエンプティであるという条件を満たさないとき(ステップS304で、NOのとき)には、図5で求めたトナー補給量に基づく通常のトナー供給処理を行って、トナー算出処理を終了する(ステップS306)。
したがって、本実施例のカラー画像形成装置1は、基本的に、現像部73K、73C、73M、73Kに、所定サイズのトナー画像(現像剤像)を所定の印字率で現像部73K、73C、73M、73Kが形成可能なトナー量(現像剤量)を目標トナー量として、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量を該目標トナー量に維持する量のトナーを、トナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yへ補給している。その結果、図7に示すように、図7(a)に示す従来の現像ユニット62Kaに比較して、Wで示す高さ分だけ、図7(b)に示す本実施例の現像ユニット62Kの方が、小型化することができる。なお、図7においては、現像ユニット62K、62C、62M、62Yのうち、現像ユニット62Kのみについて、従来の現像ユニット62Kaと比較して示している。図7では、従来の現像ユニット62Kaは、本実施例の現像ユニット62Kに対して、添え字aを付与して、相関関係を明確にしている。
このように、本実施例のカラー画像形成装置1は、トナー補給部(現像剤補給装置)130が、画像データに応じて静電潜像の形成されている感光体(潜像担持体)71K、71C、71M、71Yへ、現像部(現像容器)73K、73M、73C、73Y内に収納するトナー(現像剤)を付与してページ毎にトナー画像(現像剤像)を形成する現像ユニット(現像手段)62K、62M、62C、62Yと、トナーを収納するトナー収納部(現像剤補給容器)75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yへ該現像剤を補給するトナー補給部(補給手段)100と、画像データの現像ユニット62K、62M、62C、62Yにおける1ページ当たりの画像量である印字率からページ毎にトナー消費量(現像剤消費量)を算出するCPU(消費量算出手段)91と、所定サイズのトナー画像を所定の印字率で現像ユニット62K、62M、62C、62Yが形成可能なトナー量(現像剤量)を目標トナー量(目標現像剤量)として、前記トナー消費量に基づいて、トナー供給部100の駆動を制御して、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量を該目標トナー量に維持する量のトナーを、トナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yへ補給させるCPU(補給制御手段)91と、を備えている。
したがって、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量を、次のページの画像形成を速やかに行うことができる最低限度のトナー量に維持することができる。その結果、印刷性能の低下を抑制しつつトナー攪拌時間(現像剤攪拌時間)を短縮してトナー(現像剤)の劣化を抑制することができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、トナー補給部130が、画像データに応じて静電潜像の形成されている感光体71K、71M、71C、71Yへ、現像部73K、73M、73C、73Y内に収納するトナーを付与してページ毎にトナー画像を形成する現像処理ステップと、トナーを収納するトナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yへ該トナーを補給する補給処理ステップと、前記画像データの前記現像処理ステップにおける1ページ当たりの画像量である印字率からページ毎にトナー消費量を算出する消費量算出処理ステップと、所定サイズのトナー画像を所定の印字率で前記現像処理ステップにおいて形成可能なトナー量を目標トナー量として、前記トナー消費量に基づいて、前記補給処理ステップの動作を制御して、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量を該目標トナー量に維持する量のトナーを、トナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yへ補給させる補給制御処理ステップと、を有する現像剤補給方法を実行している。
したがって、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量を、次のページの画像形成を速やかに行うことができる最低限度のトナー量に維持することができる。その結果、印刷性能の低下を抑制しつつトナー攪拌時間(現像剤攪拌時間)を短縮してトナー(現像剤)の劣化を抑制することができる。
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、トナー補給部130が、CPU91等の制御プロセッサに、画像データに応じて静電潜像の形成されている感光体71K、71M、71C、71Yへ、現像部73K、73M、73C、73Y内に収納するトナーを付与してページ毎にトナー画像を形成する現像処理と、トナーを収納するトナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yへ該トナーを補給する補給処理と、前記画像データの前記現像処理における1ページ当たりの画像量である印字率からページ毎にトナー消費量を算出する消費量算出処理と、所定サイズのトナー画像を所定の印字率で前記現像処理において形成可能なトナー量を目標トナー量として、前記トナー消費量に基づいて、前記補給処理の動作を制御して、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量を該目標トナー量に維持する量のトナーを、トナー収納部75K、75M、75C、75Yから現像部73K、73M、73C、73Yへ補給させる補給制御処理と、を実行させる現像剤補給プログラムを搭載している。
したがって、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量を、次のページの画像形成を速やかに行うことができる最低限度のトナー量に維持することができる。その結果、印刷性能の低下を抑制しつつトナー攪拌時間(現像剤攪拌時間)を短縮してトナー(現像剤)の劣化を抑制することができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、消費量算出手段としてのCPU91が、前記画像データに基づく現像ユニット62K、62M、62C、62Yでのトナー消費量以外のトナー消費量を含めたトナー消費量を前記トナー消費量として算出している。
したがって、感光体71K、71M、71C、71Yの走行距離等の種々の状況から使用されるトナー消費量を考慮してトナー補給を行うことができ、より一層目標トナー量に調整することができる。その結果、印刷性能の低下を抑制しつつトナー攪拌時間(現像剤攪拌時間)をより一層短縮してトナー(現像剤)の劣化をより一層抑制することができる。
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、前記目標トナー量(目標現像剤量)を、現像ユニット62K、62M、62C、62Yが形成可能な最大サイズの1ページ分のトナー画像を所定の印字率で形成可能なトナー量としている。
したがって、印刷性能の低下を確実に抑制しつつトナー攪拌時間(現像剤攪拌時間)を短縮してトナー(現像剤)の劣化を抑制することができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、前記トナー収納部75K、75M、75C、75Yが、トナー補給部(現像剤補給部)130、具体的には、現像ユニット62K、62M、62C、62Yに対して、取り外し可能に装着され、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量を前記目標トナー量に維持するのに必要な情報を記憶する不揮発性メモリ(記憶手段)120K、120M、120C、120Yを搭載し、前記消費量算出手段としてのCPU91が、トナー収納部75K、75M、75C、75Yの不揮発性メモリ120K、120M、120C、120Yを利用して、トナー消費量を算出している。
したがって、収納しているトナーが無くなると交換されるトナーカートリッジ等のトナー収納部75K、75M、75C、75Yに搭載されている不揮発性メモリ120K、120M、120C、120Yを利用してトナー管理を行うことができる。その結果、現像部73K、73M、73C、73Y内のトナー量を、安価にかつ適切に目標トナー量に調整することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。