JP5804399B2 - 光学表示デバイスの生産方法および光学表示デバイスの生産システム - Google Patents

光学表示デバイスの生産方法および光学表示デバイスの生産システム Download PDF

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Description

この発明は、光学表示デバイスの生産方法および光学表示デバイスの生産システムに関するものである。
本願は、2012年08月08日に出願された日本国特願2012−175999号および2013年05月16日に出願された日本国特願2013−104404号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、液晶ディスプレイ等の光学表示デバイスの生産システムにおいて、液晶パネル(光学表示部品)に貼合する偏光板等の光学部材は、長尺の光学部材シートから液晶パネルに合わせて略矩形状に切り出された後、液晶パネルに貼合されている(例えば、特許文献1参照)。
日本国特開2003−255132号公報
しかし、上記従来の構成では、液晶パネルおよびシート片の各寸法バラツキ、並びに液晶パネルに対するシート片の貼合バラツキ(位置ズレ)を考慮して、液晶パネルの表示領域よりも若干大きめのシート片を切り出している。そのため、液晶パネルの周辺部に余分な領域(額縁部)が形成され、機器の小型化が阻害されるという問題がある。
ところで、特許文献1では、カッターを用いた切断加工により光学部材シートから光学部材を切り出す方法が採用されている。しかし、近年では、カッターを用いた切断加工に替えて、レーザー光を用いた切断加工により光学部材シートから光学部材を切り出す方法が採用されることがある。レーザー光を用いた切断加工は、カッター等の刃物を用いた切断加工に比べて、フィルム屑等の異物の発生が少なく、切断公差も少ない。そのため、製品歩留まりの向上を図ることが可能であるとされている。
一方、光学表示デバイスの性能を確保するため、光学部材は、光学表示部品を覆うように貼合される必要がある。この場合、光学部材は、光学部材シートから光学表示部品の形状に合わせて切り出される。このような場合に、光学部材は、光学部材シートからレーザー光を用いて切り出されることが考えられる。
しかし、レーザー光を用いて光学部材シートから光学部材を切り出す方法には、以下の課題がある。
レーザー光を用いて光学部材シートから光学部材を切り出す方法としては、まず、形成される光学部材の外形に沿って連続的にレーザー光を走査する方法がある。しかし、この方法では、光学部材の角部の形成時にレーザー光の走査速度が遅くなる。そのため、光学部材の角部へのレーザー光の照射時間が長くなる。
また、レーザー光を用いて光学部材シートから光学部材を切り出す方法としては、形成される光学部材の角部を挟む二辺のうち、一方の辺に沿ってレーザー光を走査した後、他方の辺に沿ってレーザー光を走査し、レーザー光による切断線を角部で交差させる方法がある。しかし、この方法では、光学部材の角部にレーザー光が重複して照射される。そのため、光学部材の角部へのレーザー光の照射時間が長くなる。
上記いずれの方法においても、光学部材の角部にレーザー光のエネルギーが集中するため、光学部材の角部が熱等により湾曲してR形状となるおそれがある。これにより、光学表示部品の表示領域に光学部材を貼合して光学表示デバイスを形成したとき、光学表示部品の表示領域から光が漏洩するなどし、光学表示デバイスの性能を確保できないおそれがある。
そこで本発明は、光学部材シートから光学部材を切り出す際に、光学部材の角部がR形状となるのを抑制できる光学表示デバイスの生産方法および光学表示デバイスの生産システムの提供を課題とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下を採用した。
(1)本発明の一態様に係る本発明の光学表示デバイスの生産方法は、光学表示部品に光学部材を貼合して形成される光学表示デバイスの生産方法であって、前記光学表示部品に前記光学表示部品の表示領域よりも大きい光学部材シートを貼り合わせて貼合体とする貼合工程と、前記貼合体における前記光学部材シートの前記表示領域との対向部分と、前記対向部分の外側の余剰部分とを切り離し、前記光学部材シートから前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材を形成する切断工程と、を含み、前記切断工程は、前記貼合体をテーブルの保持面に保持する保持工程と、前記テーブルとレーザー光を走査するスキャナーとを相対移動させつつ、前記保持面と平行な平面内で前記スキャナーにより2軸走査された前記レーザー光を前記貼合体の前記光学部材シートに照射して、前記光学部材シートを切断するレーザー光照射工程と、を含み、前記レーザー光照射工程では、前記光学表示部品の角部に前記レーザー光を照射する時に、前記光学表示部品の角部を内側に湾曲させた形状を有する相対移動軌跡に沿って前記テーブルに対して前記スキャナーが相対移動するとともに、前記光学部材シート上での前記レーザー光の移動軌跡が前記光学表示部品の角部に沿うように、前記スキャナーにより前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射することを特徴としている。
(2)上記(1)の態様においては、前記光学表示部品の角部における前記レーザー光の移動軌跡は、前記光学表示部品の角部を挟む二辺のうち、一方の辺に沿う前記レーザー光の移動軌跡の延長線と、他方の辺に沿う前記レーザー光の移動軌跡の延長線との交差部に形成される仮想屈曲形状の外側に膨出していることを特徴としている。
(3)本発明の別の一態様に係る光学表示デバイスの生産システムは、前記光学表示部品に前記光学表示部品の表示領域よりも大きい光学部材シートを貼り合わせて貼合体とする貼合装置と、前記貼合体を保持する保持面を有するテーブルと、前記保持面と平行な平面内でレーザー光を2軸走査可能なスキャナーと、前記テーブルと前記スキャナーとを相対移動可能な移動装置と、を有するレーザー光照射装置と、を備え、前記レーザー光照射装置は、前記貼合体における前記光学部材シートの前記表示領域との対向部分と、前記対向部分の外側の余剰部分とを切り離し、前記光学部材シートから前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材を形成し、前記光学表示部品の角部に前記レーザー光を照射する時に、前記移動装置は、前記光学表示部品の角部を内側に湾曲させた形状を有する相対移動軌跡に沿って前記テーブルと前記スキャナーとを相対移動させ、前記スキャナーは、前記光学部材シート上での前記レーザー光の移動軌跡が前記光学表示部品の角部に沿うように、前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射することを特徴としている。
(4)上記(3)の態様においては、本発明の光学表示デバイスの生産方法は、光学表示部品に光学部材を貼合して形成される光学表示デバイスの生産方法であって、前記光学表示部品に前記光学表示部品の表示領域よりも大きい光学部材シートを貼り合わせて貼合体とする貼合工程と、前記貼合体における前記光学部材シートの前記表示領域との対向部分と、前記対向部分の外側の余剰部分とを切り離し、前記光学部材シートから前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材を形成する切断工程と、を含み、前記切断工程は、前記貼合体をテーブルの保持面に保持する保持工程と、前記テーブルとレーザー光を走査する走査素子とを相対移動させつつ、前記保持面と平行な平面内で前記走査素子により2軸走査された前記レーザー光を前記貼合体の前記光学部材シートに照射して、前記光学部材シートを切断するレーザー光照射工程と、を含み、前記レーザー光照射工程では、前記光学表示部品の角部に前記レーザー光を照射する時に、前記光学表示部品の角部を内側に湾曲させた形状を有する相対移動軌跡に沿って前記テーブルに対して前記走査素子が相対移動するとともに、前記光学部材シート上での前記レーザー光の移動軌跡が前記光学表示部品の角部に沿うように、前記走査素子により前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射する。
(5)上記(4)の態様においては、前記光学表示部品の角部を挟む二辺のうち、一方の辺に沿う直線の延長線と、他方の辺に沿う直線の延長線と、を交差させて仮想的に形成される形状を仮想屈曲形状として、前記仮想屈曲形状を前記対向部分と前記余剰部分とを切り離す位置として設定し、前記光学表示部品の角部における前記相対移動軌跡を、前記仮想屈曲形状の内側に設定し、前記光学表示部品の角部において前記レーザー光を走査する位置が、前記仮想屈曲形状と一致するように、前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射する時の前記相対移動軌跡と前記レーザー光の移動軌跡とのずれ量を設定することとしてもよい。
(6)上記(5)の態様においては、前記切断工程に先立ち、前記貼合体において、前記光学部材シートと前記光学表示部品との貼合面の外周縁を検出する検出工程をさらに有し、前記対向部分と前記余剰部分とを切り離す位置が、検出した前記外周縁に沿って設定されることとしてもよい。
(7)本発明の別の一態様に係る光学表示デバイスの生産システムは、光学表示部品に光学部材を貼合して形成される光学表示デバイスの生産システムであって、前記光学表示部品に前記光学表示部品の表示領域よりも大きい光学部材シートを貼り合わせて貼合体とする貼合装置と、レーザー光を発振するレーザー光発振機と、前記貼合体を保持する保持面を有するテーブルと、前記保持面と平行な平面内で前記レーザー光を2軸走査可能な走査素子と、前記テーブルと前記走査素子とを相対移動可能な移動装置と、を有するレーザー光照射装置と、を備え、前記レーザー光照射装置は、前記貼合体における前記光学部材シートの前記表示領域との対向部分と、前記対向部分の外側の余剰部分とを切り離し、前記光学部材シートから前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材を形成し、前記光学表示部品の角部に前記レーザー光を照射する時に、前記移動装置は、前記光学表示部品の角部を内側に湾曲させた形状を有する相対移動軌跡に沿って前記テーブルと前記走査素子とを相対移動させ、前記走査素子は、前記光学部材シート上での前記レーザー光の移動軌跡が前記光学表示部品の角部に沿うように、前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射する。
(8)上記(7)の態様においては、前記光学表示部品の角部を挟む二辺のうち、一方の辺に沿う直線の延長線と、他方の辺に沿う直線の延長線と、を交差させて仮想的に形成される形状を仮想屈曲形状として、前記仮想屈曲形状を前記対向部分と前記余剰部分とを切り離す位置として設定し、前記光学表示部品の角部における前記相対移動軌跡を、前記仮想屈曲形状の内側に設定し、前記光学表示部品の角部において前記レーザー光を走査する位置が、前記仮想屈曲形状と一致するように、前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射する時の前記相対移動軌跡と前記レーザー光の移動軌跡とのずれ量を設定することとしてもよい。
(9)上記(8)の態様においては、前記貼合体において、前記光学部材シートと前記光学表示部品との貼合面の外周縁を検出する検出部をさらに有し、前記対向部分と前記余剰部分とを切り離す位置が、検出した前記外周縁に沿って設定されることとしてもよい。
本発明によれば、光学表示部品の角部の内側に湾曲した形状を有する相対移動軌跡に沿ってテーブルに対してスキャナーが相対移動するので、テーブルとスキャナーとの相対移動速度の低下を抑制できる。さらに、レーザー光の移動軌跡が光学表示部品の角部に沿うように、スキャナーにより相対移動軌跡の外側にむけてレーザー光を照射するので、テーブルおよびスキャナーの相対移動軌跡と、スキャナーによるレーザー光の照射軌跡とを組み合わせたときに得られるレーザー光の移動軌跡を、光学表示部品の角部に沿った形状とすることができる。しかも、スキャナーによりレーザー光を走査するので、レーザー光の移動軌跡を精度よく制御できる。したがって、貼合体における光学部材シートの表示領域との対向部分と、対向部分の外側の余剰部分とを切り離し、光学部材シートから角部を有する光学部材を切り出す際に、光学部材の角部が内側に湾曲することがないので、光学部材の角部がR形状となるのを防止できる。
なお、上記における「表示領域の対向部分」とは、表示領域の大きさ以上、光学表示部品の外形状の大きさ以下の領域で、かつ電気部品取り付け部等の機能部分を避けた領域を示す。すなわち、上記においては、光学表示部品の外周縁に沿って余剰部分をレーザーカットする場合を含む。本明細書においては、レーザー光を用いた切断加工のことを「レーザーカット」と称することがある。
また、上記構成中の「光学部材シートと光学表示部品との貼合面」とは、光学表示部品の光学部材シートと対向する面を指し、「貼合面の外周縁」とは、具体的には、光学表示部品において光学部材シートが貼合された側の基板の外周縁を指す。
本発明の光学部材貼合体の製造装置の一実施形態を示す模式図である。 同、レーザー光照射装置の斜視図である。 同、第2切断装置の内部構成を示す斜視図である。 同、光学部材貼合体の製造装置の第2貼合装置周辺の斜視図である。 同、光学部材貼合体の製造装置中の第1貼合シートの断面図である。 同、光学部材貼合体の製造装置の第2切断装置中の第2貼合シートの断面図である。 同、光学部材貼合体の製造装置の第3切断装置中の第3貼合シートの平面図である。 図7のA−A断面図である。 同、光学部材貼合体の製造装置を経た両面貼合パネルの断面図である。 液晶パネルに貼合した光学部材シートのレーザーによる切断端を示す断面図である。 光学部材シート単体のレーザーによる切断端を示す断面図である。 本発明のレーザー光照射方法の一実施形態を示すフローチャートである。 レーザー光照射工程の説明図であり、テーブルと第2切断装置との相対移動による移動軌跡の説明図である。 レーザー光照射工程の説明図であり、光学部材シートにおける実際のレーザー光の移動軌跡の説明図である。 貼合面の外周縁を検出する第1検出部の模式図である。 貼合面の外周縁を検出する第1検出部の変形例を示す模式図である。 貼合面の外周縁を検出する位置を示す平面図である。 貼合面の外周縁を検出する第2検出部の模式図である。 レーザー光照射工程の変形例の説明図であり、光学部材シートにおける実際のレーザー光の移動軌跡の説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明および図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。本実施形態においては、光学表示部品(液晶パネル)の幅方向をX方向としており、液晶パネルの面内においてX方向に直交する方向(液晶パネルの搬送方向)をY方向、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向としている。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、光学部材貼合体の製造装置として光学表示デバイスの生産システムを例示し、光学表示デバイスの生産システムの一部を構成するフィルム貼合システムについて説明する。
図1は、本実施形態のフィルム貼合システム1の概略構成を示す。フィルム貼合システム1は、例えば液晶パネルや有機ELパネルといったパネル状の光学表示部品に、偏光フィルムや位相差フィルム、輝度上昇フィルムといったフィルム状の光学部材を貼合するものである。フィルム貼合システム1は前記光学表示部品および光学部材を含んだ光学部材貼合体を製造する。フィルム貼合システム1では、前記光学表示部品として液晶パネルPを用いる。フィルム貼合システム1の各部は、電子制御装置としての制御装置20により統括制御される。
フィルム貼合システム1は、始発位置から終着位置まで、例えば駆動式のローラコンベヤ5を用いて液晶パネルPを搬送しつつ、液晶パネルPに順次所定の処理を施す。液晶パネルPは、その表裏面を水平にした状態でローラコンベヤ5上を搬送される。
なお、図中左側(−Y方向側)は液晶パネルPの搬送方向上流側(以下、パネル搬送上流側という)を、図中右側(+Y方向側)は液晶パネルPの搬送方向下流側(以下、パネル搬送下流側という)をそれぞれ示す。
図7に示すように、液晶パネルPは平面視で長方形状をなし、その外周縁よりも所定幅だけ内側に、前記外周縁に沿う外形状を有する表示領域P4を形成する。液晶パネルPは、後述する第2アライメント装置14よりもパネル搬送上流側では、表示領域P4の短辺を概ね搬送方向に沿わせた向きで搬送される。また、液晶パネルPは、前記第2アライメント装置14よりもパネル搬送下流側では、表示領域P4の長辺を概ね搬送方向に沿わせた向きで搬送される。
この液晶パネルPの表裏面に対して、長尺帯状の第1光学部材シートF1、第2光学部材シートF2および第3光学部材シートF3からそれぞれ切り出した第1光学部材F11、第2光学部材F12および第3光学部材F13が適宜貼合される。図9に示すように、本実施形態において、液晶パネルPのバックライト側および表示面側の両面には、偏光フィルムとしての第1光学部材F11および第3光学部材F13がそれぞれ貼合される。また、液晶パネルPのバックライト側の面には、第1光学部材F11に重ねて輝度向上フィルムとしての第2光学部材F12がさらに貼合される。
図1に示すように、フィルム貼合システム1は、上流工程からローラコンベヤ5のパネル搬送上流側上に液晶パネルPを搬送する。フィルム貼合システム1は、第1アライメント装置11と、第1貼合装置12と、第1切断装置13と、第2アライメント装置14と、第2貼合装置15と、第2切断装置16と、第3アライメント装置17と、第3貼合装置18と、第3切断装置19と、を備えている。
第1アライメント装置11は、液晶パネルPを保持し、垂直方向(Z方向)および水平方向(XY方向)で液晶パネルPを自在に搬送する。第1アライメント装置11は、例えば液晶パネルPのパネル搬送上流側および下流側の端部を撮像する一対のカメラを有する。カメラの撮像データは制御装置20に送られる。制御装置20は、前記撮像データと予め記憶した光学軸方向の検査データとに基づき、第1アライメント装置11を作動させる。なお、第2アライメント装置14および第3アライメント装置17も同様に前記カメラを有し、このカメラの撮像データをアライメントに用いる。
第1アライメント装置11は、制御装置20の制御により、第1貼合装置12に対する液晶パネルPのアライメントを行う。このとき、液晶パネルPは、搬送方向(Y方向)と直交する水平方向(X方向)(以下、部品幅方向という)での位置決めと、垂直軸回り(Z軸周り)の旋回方向(以下、単に旋回方向という)での位置決めとがなされる。この状態で、液晶パネルPが第1貼合装置12の貼合位置に導入される。
第1貼合装置12は、第1アライメント装置11よりもパネル搬送下流側に設けられている。第1貼合装置12は、貼合位置に導入された長尺の第1光学部材シートF1の下面に対して、その下方を搬送される液晶パネルPの上面(バックライト側)を貼合する。
第1貼合装置12は、搬送装置12aと、挟圧ロール12bとを備える。搬送装置12aは、第1光学部材シートF1を巻回した第1原反ロールR1から第1光学部材シートF1を巻き出しつつ第1光学部材シートF1をその長手方向に沿って搬送する。挟圧ロール12bは、搬送装置12aが搬送する第1光学部材シートF1の下面にローラコンベヤ5が搬送する液晶パネルPの上面を貼合する。
搬送装置12aは、保持部12cと、回収部12dとを有する。保持部12cは、第1光学部材シートF1を巻回した第1原反ロールR1を保持するとともに第1光学部材シートF1をその長手方向に沿って繰り出す。回収部12dは、第1光学部材シートF1の上面に重なって第1光学部材シートF1とともに繰り出されたプロテクションフィルムpfを第1貼合装置12のパネル搬送下流側で回収する。搬送装置12aは、第1貼合装置12における貼合位置で、第1光学部材シートF1の液晶パネルPとの貼合面が下方を向くように、第1光学部材シートF1の搬送経路を設定する。
挟圧ロール12bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成される。この間隙内が第1貼合装置12の貼合位置となる。前記間隙内には、液晶パネルPおよび第1光学部材シートF1が重なり合って導入される。これら液晶パネルPおよび第1光学部材シートF1が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。このような操作を、順次搬送される複数の液晶パネルPに対してそれぞれ行うことにより、第1貼合装置12は、複数の液晶パネルPを所定の間隔を空けつつ長尺の第1光学部材シートF1の下面に連続的に貼合した第1貼合シートF21を形成する。
第1切断装置13は回収部12dよりもパネル搬送下流側に位置する。第1切断装置13は、第1貼合シートF21の第1光学部材シートF1から液晶パネルPよりも大きいシート片F1S(図6参照)を形成するべく、第1光学部材シートF1の所定箇所(搬送方向で並ぶ液晶パネルPの間)を前記部品幅方向の全幅にわたって切断する。なお、第1切断装置13として切断刃を用いるかレーザーカッターを用いるかは問わない。第1切断装置13は、前記切断により、液晶パネルPの上面に液晶パネルPよりも大きい前記シート片F1Sが貼合された第1片面貼合パネルP11を形成する。
なお、シート片F1Sにおいて、液晶パネルPの外側にはみ出る部分の大きさ(シート片F1Sの余剰部分の大きさ)は、液晶パネルPのサイズに応じて適宜設定される。例えば、シート片F1Sを5インチ〜10インチの中小型サイズの液晶パネルPに適用する場合は、シート片F1Sの各辺においてシート片F1Sの一辺と液晶パネルPの一辺との間の間隔を2mm〜5mmの範囲の長さに設定する。
第2アライメント装置14は、第1貼合装置12および第1切断装置13よりもパネル搬送下流側に設けられている。第2アライメント装置14は、例えばローラコンベヤ5上の第1片面貼合パネルP11を保持して垂直軸回りに90°旋回させる。これにより、表示領域P4の短辺と略平行に搬送されていた第1片面貼合パネルP11が、表示領域P4の長辺と略平行に搬送されるように方向転換する。なお、前記旋回は、第1光学部材シートF1の光軸方向に対して、液晶パネルPに貼合する他の光学部材シートの光学軸方向が直角に配置される場合になされる。
第2アライメント装置14は、前記第1アライメント装置11と同様のアライメントを行う。すなわち、第2アライメント装置14は、制御装置20に記憶された光学軸方向の検査データおよび前記カメラCの撮像データに基づき、第2貼合装置15に対する第1片面貼合パネルP11の部品幅方向での位置決めおよび旋回方向での位置決めを行う。この状態で、第1片面貼合パネルP11が第2貼合装置15の貼合位置に導入される。
第2貼合装置15は、第2アライメント装置14よりもパネル搬送下流側に設けられている。第2貼合装置15は、貼合位置に導入された長尺の第2光学部材シートF2の下面に対して、その下方を搬送される第1片面貼合パネルP11の上面(液晶パネルPのバックライト側)を貼合する。
第2貼合装置15は、搬送装置15aと、挟圧ロール15bとを備える。搬送装置15aは、第2光学部材シートF2を巻回した第2原反ロールR2から第2光学部材シートF2を巻き出しつつ第2光学部材シートF2をその長手方向に沿って搬送する。挟圧ロール15bは、搬送装置15aが搬送する第2光学部材シートF2の下面にローラコンベヤ5が搬送する第1片面貼合パネルP11の上面を貼合する。
搬送装置15aは、保持部15cと、回収部15dとを有する。保持部15cは、第2光学部材シートF2を巻回した第2原反ロールR2を保持するとともに第2光学部材シートF2をその長手方向に沿って繰り出す。回収部15dは、第2切断装置16を経た第2光学部材シートF2の余剰部分を回収する。搬送装置15aは、第2貼合装置15における貼合位置で、第2光学部材シートF2の第1片面貼合パネルP11との貼合面が下方を向くように、第2光学部材シートF2の搬送経路を設定する。
挟圧ロール15bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成される。この間隙内が第2貼合装置15の貼合位置となる。前記間隙内には、第1片面貼合パネルP11および第2光学部材シートF2が重なり合って導入される。これら第1片面貼合パネルP11および第2光学部材シートF2が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。このような操作を、順次搬送される複数の第1片面貼合パネルP11に対してそれぞれ行うことにより、第2貼合装置15は、複数の第1片面貼合パネルP11を所定の間隔を空けつつ長尺の第2光学部材シートF2の下面に連続的に貼合した第2貼合シートF22を形成する。
第2切断装置16は挟圧ロール15bよりもパネル搬送下流側に位置する。第2切断装置16は、第2光学部材シートF2と、第2光学部材シートF2の下面に貼合した第1片面貼合パネルP11が有する第1光学部材シートF1のシート片F1Sとを当時に切断する(図4参照)。第2切断装置16は、第2光学部材シートF2と第1光学部材シートF1のシート片F1Sとを液晶パネルPの外周縁に沿って無端状に切断する。
第2切断装置16は、各光学部材シートF1,F2を液晶パネルPに貼合した後に各光学部材シートF1,F2をまとめてカットすることで、各光学部材シートF1,F2の光学軸方向の精度が高まるとともに、各光学部材シートF1,F2間の光学軸方向のズレが無くなり、かつ第1切断装置13での切断が簡素化される。
なお、本実施形態においては、第2光学部材シートF2とシート片F1Sとを当時に切断する場合を挙げているが、これに限らない。例えば、第2光学部材シートF2のみを切断する場合においても本発明を適用可能である。具体的には、第2光学部材シートF2を第1片面貼合パネルP11に対して大きめに貼合した後に、第2光学部材シートF2のみを切断することもできる。この方法によれば、第2光学部材シートF2を第1片面貼合パネルP11に貼合する際の貼り付け精度は不要となり、額縁切断対応も可能となる。
図8に示すように、第2切断装置16は、上述のように各光学部材シートF1,F2を切断することにより、液晶パネルPの上面に第1光学部材F11および第2光学部材F12が重ねて貼合された第2片面貼合パネルP12を形成する。
またこのとき、図4に示すように、第2貼合シートF22は、第2片面貼合パネルP12と、液晶パネルP(図1参照)の表示領域P4との対向部分(各光学部材F11,F12)が切り取られて枠状に残る各光学部材シートF1,F2の余剰部分と、に分離する。第2光学部材シートF2の余剰部分は複数連なって梯子状をなす。この余剰部分は第1光学部材シートF1の余剰部分とともに回収部15dに巻き取られる。ここで、「表示領域P4との対向部分」とは、表示領域P4の大きさ以上、液晶パネルPの外形状の大きさ以下の領域で、かつ電気部品取り付け部P5等の機能部分を避けた領域を示す。すなわち、上記においては、液晶パネルPの外周縁に沿って余剰部分をレーザーカットする場合を含む。
図1に戻り、第3アライメント装置17は、第2貼合装置15および第2切断装置16よりもパネル搬送下流側に設けられている。第3アライメント装置17は、液晶パネルPのバックライト側を上面にした第2片面貼合パネルP12を表裏反転させて液晶パネルPの表示面側を上面にするとともに、前記第1アライメント装置11および第2アライメント装置14と同様のアライメントを行う。すなわち、第3アライメント装置17は、制御装置20に記憶された光学軸方向の検査データおよび前記カメラの撮像データに基づき、第3貼合装置18に対する第2片面貼合パネルP12の部品幅方向での位置決めおよび旋回方向での位置決めを行う。この状態で、第2片面貼合パネルP12が第3貼合装置18の貼合位置に導入される。
第3貼合装置18は、第3アライメント装置17よりもパネル搬送下流側に設けられている。第3貼合装置18は、貼合位置に導入された長尺の第3光学部材シートF3の下面に対して、その下方を搬送される第2片面貼合パネルP12の上面(液晶パネルPの表示面側)を貼合する。
第3貼合装置18は、搬送装置18aと、挟圧ロール18bと、を備える。搬送装置18aは、第3光学部材シートF3を巻回した第3原反ロールR3から第3光学部材シートF3を巻き出しつつ第3光学部材シートF3をその長手方向に沿って搬送する。挟圧ロール18bは、搬送装置18aが搬送する第3光学部材シートF3の下面にローラコンベヤ5が搬送する第2片面貼合パネルP12の上面を貼合する。
搬送装置18aは、保持部18cと、回収部18dと、を備える。保持部18cは、第3光学部材シートF3を巻回した第3原反ロールR3を保持するとともに第3光学部材シートF3をその長手方向に沿って繰り出す。回収部18dは、挟圧ロール18bよりもパネル搬送下流側に位置する第3切断装置19を経た第3光学部材シートF3の余剰部分を回収する。
搬送装置18aは、第3貼合装置18における貼合位置で、第3光学部材シートF3の第2片面貼合パネルP12との貼合面が下方を向くように、第3光学部材シートF3の搬送経路を設定する。
挟圧ロール18bは、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラを有する。一対の貼合ローラ間には所定の間隙が形成される。この間隙内が第3貼合装置18の貼合位置となる。前記間隙内には、第2片面貼合パネルP12および第3光学部材シートF3が重なり合って導入される。これら第2片面貼合パネルP12および第3光学部材シートF3が、前記貼合ローラ間で挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。このような操作を、順次搬送される複数の第2片面貼合パネルP12に対してそれぞれ行うことにより、第3貼合装置18は、複数の第2片面貼合パネルP12を所定の間隔を空けつつ長尺の第3光学部材シートF3の下面に連続的に貼合した第3貼合シートF23を形成する。
第3切断装置19は挟圧ロール18bよりもパネル搬送下流側に位置し、第3光学部材シートF3を切断する。第3切断装置19は第2切断装置16と同様のレーザー光照射装置30(図2、図3参照)である。第3切断装置19は、第3光学部材シートF3を液晶パネルPの外周縁に沿って無端状に切断する。
図9に示すように、第3切断装置19は、上述のように第3光学部材シートF3を切断することにより、第2片面貼合パネルP12の上面に第3光学部材F13が貼合された両面貼合パネルP13を形成する。
またこのとき、第3貼合シートF23は、両面貼合パネルP13と、表示領域P4との対向部分(第3光学部材F13)が切り取られて枠状に残る第3光学部材シートF3の余剰部分とに分離する。第3光学部材シートF3の余剰部分は第2光学部材シートF2の余剰部分と同様に複数連なって梯子状をなす。第3光学部材シートF3の余剰部分は回収部18dに巻き取られる。
ここで、「表示領域P4との対向部分」とは、第2切断装置16による切断と同様に、表示領域P4の大きさ以上、液晶パネルPの外形状の大きさ以下の領域で、かつ電気部品取り付け部P5等の機能部分を避けた領域を示す。すなわち、上記においては、液晶パネルPの外周縁に沿って余剰部分をレーザーカットする場合を含む。
両面貼合パネルP13は、不図示の欠陥検査装置を経て欠陥(貼合不良等)の有無が検査された後、下流工程に搬送されて他の処理がなされる。
図5に示すように、液晶パネルPは、例えばTFT基板からなる長方形状の第1基板P1と、第1基板P1に対向して配置される同じく長方形状の第2基板P2と、第1基板P1と第2基板P2との間に封入される液晶層P3とを有する。なお、図示都合上、断面図の各層のハッチングを略すことがある。
図7,8に示すように、第1基板P1は、その外周縁の三辺を第2基板P2の対応する三辺に沿わせるとともに、外周縁の残りの一辺を第2基板P2の対応する一辺よりも外側に張り出させる。これにより、第1基板P1の前記一辺側に第2基板P2よりも外側に張り出す電気部品取り付け部P5が設けられる。
図6,8に示すように、第2切断装置16は、液晶パネルPの外周縁をカメラ16a等の検出部で検出しつつ、液晶パネルPの外周縁の内側に沿って第1および第2光学部材シートF1,F2を切断する。また、第3切断装置19は、同じく液晶パネルPの外周縁をカメラ19a等の検出部で検出しつつ、液晶パネルPの外周縁の内側に沿って第3光学部材シートF3を切断する。液晶パネルPの外周縁の内側には、第1基板P1および第2基板P2を接合するシール剤等を配置する所定幅の額縁部Gが設けられている。各切断装置16,19は、この額縁部Gの幅内でレーザーカットを行う。
図11に示すように、樹脂製の光学部材シートFXを単独でレーザーカットすると、光学部材シートFXの切断端tは、熱変形により膨れたり波打ったりすることがある。このため、レーザーカット後の光学部材シートFXを光学表示部品PXに貼合する場合には、光学部材シートFXにエア混入や歪み等の貼合不良が生じ易い。
一方、図10に示すように、光学部材シートFXを液晶パネルPに貼合した後に光学部材シートFXをレーザーカットする本実施形態では、光学部材シートFXの切断端tが液晶パネルPのガラス面にバックアップされる。そのため、レーザーカット後の光学部材シートFXは、光学部材シートFXの切断端tの膨れや波打ち等が生じ難い。また、かつ液晶パネルPへの貼合後であることから前記貼合不良も生じ得ない。
レーザー加工機の切断線の振れ幅(公差)は切断刃の公差よりも小さい。したがって本実施形態のフィルム貼合システム1では、切断刃を用いて光学部材シートFXを切断する場合と比べて、前記額縁部Gの幅を狭めることが可能である。その結果、本実施形態のフィルム貼合システム1に適用する液晶パネルPは、液晶パネルPの小型化および(又は)表示領域P4の大型化が可能である。これは、近年のスマートフォンやタブレット端末のように、筐体のサイズが制限される中で表示画面の拡大が要求される高機能モバイルへの適用に有効である。
また、光学部材シートFXを液晶パネルPに整合するシート片にカットした後に液晶パネルPに貼合する場合、前記シート片および液晶パネルPそれぞれの寸法公差、並びにこれらの相対貼合位置の寸法公差が重なる。そのため、液晶パネルPの額縁部Gの幅を狭めることが困難になる(表示エリアの拡大が困難になる)。
一方、光学部材シートFXを液晶パネルPに貼合した後にカットする場合、切断線の振れ公差のみを考慮すればよい。そのため、本実施形態のフィルム貼合システム1では、額縁部Gの幅の公差を小さくすることができる(±0.1mm以下)。この点においても、液晶パネルPの額縁部Gの幅を狭めることができる(表示エリアの拡大が可能となる)。
さらに、本実施形態のフィルム貼合システム1では、光学部材シートFXを刃物ではなくレーザー光でカットしている。そのため、フィルム貼合システム1では、切断時の力が液晶パネルPに入力されず、液晶パネルPの基板の端縁にクラックや欠けが生じ難くなり、ヒートサイクル等に対する耐久性が向上する。同様に、フィルム貼合システム1では、光学部材シートFXをカットする際に液晶パネルPに非接触であるため、電気部品取り付け部P5に対するダメージも少ない。
図7に示すように、光学部材シートFX(図7では第3光学部材シートF3)をレーザーカットする場合、第3切断装置19は、例えば表示領域P4の一長辺の延長上にレーザーカットの始点pt1を設定し、この始点pt1からまず前記一長辺の切断を開始する。また、第3切断装置19は、レーザーカットの終点pt2を、レーザー光が液晶パネルPの外縁の内側を一周して、表示領域P4の始点側の短辺の延長上に至る位置に設定する。始点pt1および終点pt2は、光学部材シートFXの余剰部分に所定の接続代を残し、光学部材シートFXを巻き取る際の張力に耐え得るように設定される。
図1に戻り、本実施形態の制御装置20は、コンピュータシステムを含んで構成されている。このコンピュータシステムは、CPU等の演算処理部20aと、メモリやハードディスク等の記憶部20bとを備える。本実施形態の制御装置20は、コンピュータシステムの外部の装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。制御装置20には、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。上記の入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいはコンピュータシステムの外部の装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。制御装置20は、フィルム貼合システム1の各部の動作状況を示す液晶表示ディスプレイ等の表示装置を含んでいてもよいし、表示装置と接続されていてもよい。
制御装置20の記憶部20bには、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされている。制御装置20の記憶部20bには、演算処理部20aにフィルム貼合システム1の各部を制御させることによって、フィルム貼合システム1の各部に偏光フィルムFを精度よく搬送させるための処理を実行させるプログラムが記録されている。記憶部20bに記録されているプログラムを含む各種情報は、制御装置20の演算処理部20aが読み取り可能である。制御装置20は、フィルム貼合システム1の各部の制御に要する各種処理を実行するASIC等の論理回路を含んでいてもよい。
記憶部20bは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などといった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROM読取り装置、ディスク型記憶媒体などといった外部記憶装置などを含む概念である。記憶部20bは、機能的には、移動装置32の動作や第1照射位置調整装置161、第2照射位置調整装置162の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域、図3に示す所望の軌跡を実現するための光学部材シートFX内における照射位置を座標データとして記憶するための記憶領域、図2におけるXYZの各方向への第2切断装置16の移動量を記憶するための記憶領域、その他各種の記憶領域が設定される。
(レーザー光照射装置)
図2は、光学部材シートの切断部として用いられるレーザー光照射装置30の一例を示す斜視図である。
図2に示すように、レーザー光照射装置30は、テーブル31と、第2切断装置16(請求項の「スキャナー」に相当。)と、移動装置32と、レーザー光制御装置33と、を備えている。レーザー光照射装置30は、光学部材シートFXにレーザー光を照射して光学部材シートFXを所定サイズの光学部材FSに切断するための装置である。なお、図2では、レーザー光照射装置30として第2切断装置16を挙げて説明するが、レーザー光照射装置30として第3切断装置19も適用可能である。
テーブル31は、光学部材シートFX(照射対象物)を保持する保持面31aを有する。
第2切断装置16は、テーブル31に保持された光学部材シートFXを切断するために光学部材シートFXにレーザー光を射出する。
第2切断装置16は、テーブル31の保持面31aと平行な平面内(XY平面内)でレーザー光を2軸走査可能である。すなわち、第2切断装置16は、テーブル31に対してX方向とY方向に独立に相対移動可能となっている。これにより、テーブル31上の任意の位置に第2切断装置16を移動させ、テーブル31に保持された光学部材シートFXの任意の位置に精度よくレーザー光を照射することが可能となっている。
移動装置32は、テーブル31と第2切断装置16とを相対移動可能である。移動装置32は、テーブル31に対して第2切断装置16を、保持面31aに平行な第1の方向V1(X方向)、保持面31aに平行かつ第1の方向V1に直交する第2の方向V2(Y方向)、保持面31aの法線方向である第3の方向V3(Z方向)に相対移動させる。本実施形態において、移動装置32は、テーブル31を移動させずに、第2切断装置16のみを移動させる。
例えば、第2切断装置16には、当該第2切断装置16をXYZの各方向へ移動可能にするスライダ機構(図示略)が設けられている。移動装置32は、スライダ機構が内蔵するリニアモータを作動させて第2切断装置16を、XYZの各方向へ移動させる。スライダ機構内においてパルス駆動されるリニアモータは、当該リニアモータに供給されるパルス信号によって出力軸の回転角度制御を精細に行うことができる。従って、スライダ機構に支持された第2切断装置16のXYZの各方向上の位置を高精度に制御できる。なお、第2切断装置16の位置制御はパルスモータを用いた位置制御に限られず、サーボモータを用いたフィードバック制御や、その他任意の制御方法によって実現することもできる。
なお、移動装置による相対移動の形態は、これに限らない。例えば、第2切断装置16を移動させずにテーブル31のみを移動させたり、テーブル31および第2切断装置16の双方を移動させたりすることにより、テーブル31に対して第2切断装置16を相対移動させる形態においても本発明を適用することができる。
図3は、レーザー光照射装置30における第2切断装置16の内部構成を示す斜視図である。なお、図3においては、便宜上、移動装置32、レーザー光制御装置33の図示を省略している。
図3に示すように、第2切断装置16は、レーザー光発振機160、第1照射位置調整装置161、第2照射位置調整装置162、集光レンズ163を備えている。
レーザー光発振機160は、レーザー光Lを発振する部材である。例えば、レーザー光発振機160としては、COレーザー光発振機(二酸化炭素レーザー光発振機)、UVレーザー光発振機、半導体レーザー光発振機、YAGレーザー光発振機、エキシマレーザー光発振機等の発振機を用いることができる。しかし、具体的な構成は特に限定されるものではない。前記例示の発振機の中でもCOレーザー光発振機は、例えば偏光フィルムの切断加工に好適な高出力でレーザー光を発振することができるので、より好ましい。
第1照射位置調整装置161および第2照射位置調整装置162は、レーザー光発振機160から発振されたレーザー光を保持面31aと平行な平面内で2軸走査可能な走査素子を構成している。第1照射位置調整装置161および第2照射位置調整装置162としては、例えば、ガルバノスキャナーを用いる。第1照射位置調整装置161、第2照射位置調整装置162は、レーザー光発振機160と集光レンズ163との間におけるレーザー光の光路上にこの順に配置されている。なお、走査素子としては、ガルバノスキャナーに限らず、ジンバルを用いることもできる。
第1照射位置調整装置161は、ミラー161aと、ミラー161aの設置角度を調整するアクチュエータ161bと、を備えている。アクチュエータ161bは、Z方向に平行な回転軸161cを有している。回転軸161cは、ミラー161aに連結されている。アクチュエータ161bは、レーザー光制御装置33の制御に基づいて、ミラー161aをZ軸回りに回転させる。
第2照射位置調整装置162は、ミラー162aと、ミラー162aの設置角度を調整するアクチュエータ162bと、を備えている。アクチュエータ162bは、Y方向に平行な回転軸162cを有している。回転軸162cは、ミラー162aに連結されている。アクチュエータ162bは、レーザー光制御装置33の制御に基づいて、ミラー162aをY軸回りに回転させる。
レーザー光発振機160から発振されたレーザー光Lは、ミラー161a、ミラー162a、集光レンズ163を経由してテーブル31に保持された光学部材シートFXに照射される。第1照射位置調整装置161、第2照射位置調整装置162は、レーザー光制御装置33の制御に基づいて、レーザー光発振機160からテーブル31に保持された光学部材シートFXにむけて照射されるレーザー光の照射位置を調整する。
アクチュエータ161b,162bは、レーザー光制御装置33の制御に基づいて、ミラー161a,162aを回転させ、光学部材シートFXにむけて照射されるレーザー光Lの光路を調整する。例えば、レーザー光Lの光路を、図3において実線で示す状態から1点鎖線で示す状態または2点差線で示す状態に変更する。
ミラー161aおよびミラー162aの回転により、レーザー光Lの光路が実線で示す状態に位置付けられている場合には、レーザー光発振機160から発振されたレーザー光Lは集光点Qaに集光される。
ミラー161aおよびミラー162aの回転により、レーザー光Lの光路が一点鎖線で示す状態に位置付けられている場合には、レーザー光発振機160から発振されたレーザー光Lは集光点Qaから所定量変位した集光点Qbに集光される。
ミラー161aおよびミラー162aの回転により、レーザー光Lの光路が二点鎖線で示す状態に位置付けられている場合には、レーザー光発振機160から発振されたレーザー光Lは集光点Qaから所定量変位した集光点Qcに集光される。
このような構成により、第1照射位置調整装置161、第2照射位置調整装置162は、レーザー光制御装置33の制御に基づいて、集光レンズ163によってテーブル31に保持された光学部材シートFXに集光されるレーザー光Lの集光点位置(Qa,Qb,Qc)を調整する。
集光レンズ163は、第2切断装置16の先端部(光学部材シートFXと対向する部分)に配置されている。集光レンズ163は、レーザー光発振機160から発振され、第1照射位置調整装置161、第2照射位置調整装置162により光路が調整されたレーザー光Lを光学部材シートFXの所定位置に集光する。
例えば、集光レンズ163としては、fθレンズを用いる。これにより、ミラー162aから集光レンズ163に平行に入力された実線と1点鎖線および2点鎖線で示すレーザー光Lを光学部材シートFXに平行に集光させることができる。
レーザー光制御装置33は、第2切断装置16から射出されるレーザー光Lがテーブル31に保持された光学部材シートFXにおいて所望の軌跡を描くように、移動装置32、第1照射位置調整装置161、第2照射位置調整装置162を制御する。
(光学表示デバイスの生産方法)
図12は、光学表示デバイスの生産方法の一実施形態を示すフローチャートである。
本実施形態の光学表示デバイスの生産方法は、図2に示すレーザー光照射装置30を用いて、光学部材シートFXを所定サイズ(本実施形態では、液晶パネルと同サイズ)の光学部材FSに切断するための方法である。以下、レーザー光照射装置30を用いて光学部材シートFXを所定サイズの光学部材FSに切断するまでの動作を説明する。
図12に示すように、光学表示デバイスの生産方法は、貼合工程S10と切断工程S20とを備えている。以下では、貼合工程S10として第2貼合装置15による工程を例に説明し、切断工程S20として第2切断装置16による工程を例に説明をする。なお、第3貼合装置18による貼合工程および第3切断装置19による切断工程も、以下の説明と同様に行うことができる。
(貼合工程)
図1に示すように、貼合工程S10は、液晶パネルPよりも大きい第2光学部材シートF2を貼り合わせて、第2貼合シートF22を形成する。
貼合工程S10では、第2光学部材シートF2の下面に対して、第1片面貼合パネルP11の上面を貼合する。まず、第2貼合装置15の搬送装置15aにより、第1片面貼合パネルP11および第2光学部材シートF2を互いに重ねた状態で搬送し、挟圧ロール15bの貼合ローラ間に導入する。続いて、挟圧ロール15bの貼合ローラにより、第1片面貼合パネルP11および第2光学部材シートF2を挟圧する。これにより、第1片面貼合パネルP11および第2光学部材シートF2が貼合された第2貼合シートF22が形成される。
(切断工程)
続いて、切断工程S20を行う。切断工程S20は、図2に示すように、光学部材シートFXをテーブル31の保持面31aで保持する保持工程S20Aと、テーブル31と第2切断装置16を相対移動させつつ第2切断装置16から保持面31aと平行な平面内で2軸走査されたレーザー光を光学部材シートFXに照射するレーザー光照射工程S20Bと、を有する。レーザー光照射工程S20Bにおいては、第2切断装置16から照射されるレーザー光がテーブル31に保持された光学部材シートFXにおいて所望の軌跡を描くように、テーブル31に対して第2切断装置16を、保持面31aに平行な第1の方向V1と保持面31aに平行かつ第1の方向V1に直交する第2の方向V2とに相対移動させる。かつ、テーブル31に保持された光学部材シートFXに照射されるレーザー光の照射位置を調整させる。
以下、レーザー光照射装置30を用いて光学部材シートFXを所定サイズの光学部材FSに切断するまでの動作を説明する。
(保持工程)
保持工程S20Aでは、搬送装置15a(図1参照)により搬送される液晶パネルPが所定の位置で停止される。そして液晶パネルPは、制御装置20の制御に基づいて、テーブル31の保持面31aに保持される。
(レーザー光照射工程)
レーザー光照射工程S20Bでは、テーブル31に保持された光学部材シートFXにレーザー光を照射して光学部材シートから所定のサイズの光学部材FS(図2参照)を切り出す。レーザー光制御装置33は、制御装置20(図1参照)の制御に基づいて、第2切断装置16から照射されるレーザー光がテーブル31に保持された光学部材シートFXにおいて所望の軌跡を描くように、移動装置32と第1照射位置調整装置161(図3参照)、第2照射位置調整装置162(図3参照)との制御を行う。
図13は、レーザー光照射工程S20Bの説明図であり、テーブル31と第2切断装置16(図2参照)との相対移動による移動軌跡の説明図である。
図14は、レーザー光照射工程S20Bの説明図であり、光学部材シートFXにおける実際のレーザー光の移動軌跡の説明図である。
なお、図13および図14において、符号Tr1は、テーブル31(図2参照)と第2切断装置16(スキャナー)との相対移動による移動軌跡を光学部材シートFXに投影した軌跡(請求項の「相対移動軌跡」に相当。以下、「光源相対移動軌跡」ということがある)である。すなわち、光源相対移動軌跡Tr1は、第2切断装置16が有する走査素子(第1照射位置調整装置161、第2照射位置調整装置162)を一定の姿勢に固定した状態で、テーブル31と第2切断装置16とを相対移動させながらレーザー光を照射したとき、レーザー光が光学部材シートFX上に描く軌跡に相当する。「一定の姿勢」とは、例えば、照射するレーザー光の中心軸が、光学部材シートFXの法線と平行となる姿勢である。
また、符号SA1は液晶パネルPの角部C1以外の直線区間であり、符号SA2は液晶パネルPの角部C1の屈曲区間である。
また、図14において、符号Trは、光学部材シートFX上における実際のレーザー光の移動軌跡(以下、「レーザー光移動軌跡」ということがある)である。レーザー光移動軌跡Trは、切り出される光学部材FSの外形に対応している。
また、符号Frは、液晶パネルPの角部C1を挟む二辺のうち、一方の辺に沿うレーザー光移動軌跡Trの延長線と、他方の辺に沿うレーザー光移動軌跡Trの延長線との交差部CRに形成される仮想屈曲形状である。
また、符号Tr2は、第2切断装置16(図2参照)がレーザー光を走査したとき、仮想屈曲形状Frから光源相対移動軌跡Tr1の外側に向かってどの程度ずらされるか(調整されているか)を示す曲線(以下、「調整曲線」ということがある)である。レーザー照射位置のずれ量(調整量)は、光源相対移動軌跡Tr1の接線と直交する方向における調整曲線Tr2と仮想屈曲形状Frとの間の距離で示されている。
図13に示すように、テーブル31と第2切断装置16(図2参照)とは、液晶パネルPの外縁よりも内側において、直線区間SA1および屈曲区間SA2を相対移動する。
直線区間SA1では、液晶パネルPの外縁に対応した直線状の光源相対移動軌跡Tr1に沿って、テーブル31に対して第2切断装置16が相対移動する。
図14に示すように、第2切断装置16が直線区間SA1を移動しているときは、切り出される光学部材FSの形状と光源相対移動軌跡Tr1とが一致している。したがって、レーザー光制御装置33は、レーザー光の照射位置を第1照射位置調整装置161(図3参照)および第2照射位置調整装置162(図3参照)によりレーザー光を調整せずに(走査素子を一定の姿勢に固定した状態で)、そのまま第2切断装置16から光学部材シートFXにレーザー光を照射させる。
これに対して、屈曲区間SA2では、液晶パネルPの角部C1を内側に湾曲させた形状を有する光源相対移動軌跡Tr1に沿って、テーブル31に対して第2切断装置16が相対移動する。理由は、以下のとおりである。
屈曲区間SA2において光源相対移動軌跡Tr1が矩形形状をしていると、矩形の角部で第2切断装置16の移動速度が遅くなり、切り出される光学部材FSの角部がレーザー光の熱によって膨れたり波打ったりするおそれがある。そこで、液晶パネルPの角部C1を内側に湾曲させた光源相対移動軌跡Tr1に沿って、テーブル31と第2切断装置16とを相対移動させている。これにより、屈曲区間SA2では、テーブル31と第2切断装置16との相対移動速度の低下を抑制し、一定速度でテーブル31と第2切断装置16とを相対移動させることができる。
第2切断装置16が屈曲区間SA2を移動しているときは、光源相対移動軌跡Tr1とレーザー光移動軌跡Trとが一致しない。そこで、本実施形態では、第2切断装置16が屈曲区間SA2を相対移動するとき、第1照射位置調整装置161および第2照射位置調整装置162により、照射位置が仮想屈曲形状Frの角部(すなわち交差部CR)に近付くように、例えば、仮想屈曲形状Frの角部(すなわち交差部CR)よりも外側に膨出するようにレーザー光を走査する。
具体的には、第2切断装置16が屈曲区間SA2を移動しているとき、第1照射位置調整装置161および第2照射位置調整装置162により、レーザー光の照射位置が仮想屈曲形状Frの角部(すなわち交差部CR)よりも外側に膨出するようにずらされる。
例えば、第2切断装置16が符号M1で示す位置を移動しているときには、第1照射位置調整装置161および第2照射位置調整装置162によりレーザー光の照射位置が光源相対移動軌跡Tr1と直交する方向N1に、仮想屈曲形状Frの角部(すなわち交差部CR)から距離W1だけずらされる。
ここで、光源相対移動軌跡Tr1と直交する方向N1におけるレーザー光移動軌跡Trと仮想屈曲形状Frの角部(すなわち交差部CR)との距離をW2とする。このとき、W2は以下の(1)式を満足するように設定される。
W1−W2>0・・・(1)
上記(1)式を満足するようにW1およびW2を設定することにより、光源相対移動軌跡Tr1と調整曲線Tr2とを組み合わせたとき、レーザー光の照射位置であるレーザー光移動軌跡Trが仮想屈曲形状Frの外側に膨出して配置されるようになる。これにより、テーブル31に保持された光学部材シートFXから、角部が膨出した光学部材FSを切り出すことができる。
なお、以上のような切断は、平面視矩形状の液晶パネルPにおける機能部分を除いた三辺では、液晶パネルPの外周縁に沿って余剰部分をレーザーカットし、機能部分に相当する一辺では、液晶パネルPの外周縁から表示領域P4側に適宜入り込んだ位置で余剰部分をレーザーカットする構成を採用できる。例えば、第1基板P1がTFT基板の場合、機能部分に相当する一辺では機能部分を除くよう液晶パネルPの外周縁から表示領域P4側に所定量ずれた位置でカットする構成を採用できる。
(効果)
本実施形態によれば、液晶パネルPの角部C1の内側に湾曲した形状を有する光源相対移動軌跡Tr1に沿ってテーブル31に対して第2切断装置16(スキャナー)が相対移動する。そのため、テーブル31と第2切断装置16との相対移動速度の低下を抑制できる。さらに、レーザー光移動軌跡Trが液晶パネルPの角部C1に沿うように、第2切断装置16により光源相対移動軌跡Tr1の外側にむけてレーザー光を照射する。そのため、テーブル31および第2切断装置16の光源相対移動軌跡Tr1と、第2切断装置16による調整曲線Tr2とを組み合わせたときに得られるレーザー光移動軌跡Trを、液晶パネルPの角部C1に沿った形状とすることができる。しかも、第2切断装置16によりレーザー光を走査するので、レーザー光移動軌跡Trを精度よく制御できる。したがって、光学部材シートFXから光学部材FSを切り出す際に、光学部材FSの角部が内側に湾曲することがないので、光学部材FSの角部がR形状となるのを防止できる。
(変形例)
なお、上記実施形態では、レーザー光発振機160を含む第2切断装置16の全体がテーブル31に対して相対移動することとして説明したが、上記構成に限らない。
例えば、レーザー光発振機160が大きく、移動させるには不向きである場合には、レーザー光発振機160を固定し、走査素子(第1照射位置調整装置161および第2照射位置調整装置162)をテーブル31に対して相対移動させる構成を採用することができる。この場合、走査素子に追随して集光レンズ163も移動させるとよい。
また、上記実施形態においては、第2切断装置16は、液晶パネルPの外周縁をカメラ16a等の検出部で検出しつつ、液晶パネルPの外周縁の内側に沿って第1及び第2光学部材シートF1,F2を切断することとした。また第3切断装置19は、液晶パネルPの外周縁をカメラ19a等の検出部で検出しつつ、液晶パネルPの外周縁の内側に沿って第3光学部材シートF3を切断することとした。より詳細には、次のような構成とすることができる。
すなわち、以下に説明する構成を用いた方法では、液晶パネルと光学部材シートとの貼合面の外周縁を検出することで、検出すべき液晶パネルの外周縁を検出する。図15〜18は、フィルム貼合システムの変形例の説明図であり、貼合面の外周縁の検出を詳細に説明する図である。
図15は、貼合面の外周縁を検出する第1検出部61の模式図である。本実施形態のフィルム貼合システム1が備える第1検出部61は、第2貼合シートF22における、液晶パネルPとシート片F1Sとの貼合面(以下、第1貼合面TA1と称することがある。)の外周縁EDの画像を撮像する撮像装置63と、外周縁EDを照明する照明光源64と、撮像装置63で撮像した画像の記憶や、画像に基づいて外周縁EDを検出するための演算を行う制御部65と、を有する。
このような第1検出部61は、図1における第2切断装置16のパネル搬送上流側であって、挟圧ロール15bと第2切断装置16との間に設けられている。
撮像装置63は、外周縁EDよりも第1貼合面TA1の内側に固定して配置されており、第1貼合面TA1の法線と、撮像装置63の撮像面63aの法線とが、角度θ(以下、撮像装置63の傾斜角度θと称する)をなすように傾斜した姿勢となっている。撮像装置63は、撮像面63aを外周縁EDに向け、第2貼合シートF22においてシート片F1Sが貼合された側から外周縁EDの画像を撮像する。
撮像装置63の傾斜角度θは、第1貼合面TA1をなす第1基板P1の外周縁を確実に撮像できるように設定することが好ましい。例えば、液晶パネルPが、マザーパネルを複数枚の液晶パネルに分割する、いわゆる多面取りで形成されている場合、液晶パネルPを構成する第1基板P1と第2基板P2との外周縁にずれが生じ、第2基板P2の端面が第1基板P1の端面よりも外側にずれることがある。このような場合、撮像装置63の傾斜角度θは、撮像装置63の撮像視野内に第2基板P2の外周縁が入り込まないように設定することが好ましい。
このような場合、撮像装置63の傾斜角度θは、第1貼合面TA1と撮像装置63の撮像面63aの中心との間の距離H(以下、撮像装置63の高さHと称する)に適合するように設定されることが好ましい。例えば、撮像装置63の高さHが50mm以上100mm以下の場合、撮像装置63の傾斜角度θは、5°以上20°以下の範囲の角度に設定されることが好ましい。ただし、経験的にずれ量が分かっている場合には、そのずれ量に基づいて撮像装置63の高さH及び撮像装置63の傾斜角度θを求めることができる。本実施形態では、撮像装置63の高さHが78mm、撮像装置63の傾斜角度θが10°に設定されている。
撮像装置63の傾斜角度θは、0°であってもよい。図16は、第1検出部61の変形例を示す模式図であり、撮像装置63の傾斜角度θが0°である場合の例である。この場合、撮像装置63及び照明光源64の各々が、第1貼合面TA1の法線方向に沿って外周縁EDに重なる位置に配置されていてもよい。
第1貼合面TA1と撮像装置63の撮像面63aの中心との間の距離Ha(以下、撮像装置63の高さHaと称する)は、第1貼合面TA1の外周縁EDを検出しやすい位置に設定されることが好ましい。例えば、撮像装置63の高さHaは、50mm以上150mm以下の範囲に設定されることが好ましい。
照明光源64は、第2貼合シートF22におけるシート片F1Sが貼合された側とは反対側に固定して配置されている。照明光源64は、外周縁EDよりも第1貼合面TA1の外側に配置されている。本実施形態では、照明光源64の光軸と撮像装置63の撮像面63aの法線とが平行になっている。
なお、照明光源64は、第2貼合シートF22におけるシート片F1Sが貼合された側(すなわち、撮像装置63と同じ側)に配置されていてもよい。
また、照明光源64から射出される照明光により、撮像装置63が撮像する外周縁EDが照明されていれば、照明光源64の光軸と撮像装置63の撮像面63aの法線とが交差していてもよい。
図17は、貼合面の外周縁を検出する位置を示す平面図である。図に示す第2貼合シートF22の搬送経路上には、検査領域CAが設定されている。検査領域CAは、搬送される液晶パネルPにおける、第1貼合面TA1の外周縁EDに対応する位置に設定されている。図では、検査領域CAは、平面視矩形の第1貼合面TA1の4つの角部に対応する4箇所に設定されており、第1貼合面TA1の角部を外周縁EDとして検出する構成となっている。図では、第1貼合面TA1の外周縁のうち、角部に対応する鉤状の部分を外周縁EDとして示している。
図15の第1検出部61は、4箇所の検査領域CAにおいて外周縁EDを検出する。具体的には、各検査領域CAには、それぞれ撮像装置63および照明光源64が配置されており、第1検出部61は、搬送される液晶パネルPごとに第1貼合面TA1の角部を撮像し、撮像データに基づいて外周縁EDを検出する。検出された外周縁EDのデータは、図15に示す制御部65に記憶される。
なお、第1貼合面TA1の外周縁が検出可能であれば、検査領域CAの設定位置はこれに限らない。例えば、各検査領域CAが、第1貼合面TA1の各辺の一部(例えば各辺の中央部)に対応する位置に配置されていてもよい。この場合、第1貼合面TA1の各辺(四辺)を外周縁として検出する構成となる。
また、撮像装置63および照明光源64は、各検査領域CAに配置されている構成に限らず、第1貼合面TA1の外周縁EDに沿うように設定された移動経路を移動可能である構成であってもよい。この場合、撮像装置63と照明光源64とが各検査領域CAに位置した際に外周縁EDを検出する構成とすることで、撮像装置63と照明光源64とがそれぞれ1つずつ設けられていれば、外周縁EDの検出が可能となる。
図18は、貼合面の外周縁を検出する第2検出部62の模式図である。本実施形態のフィルム貼合システム1が備える第2検出部62は、第3貼合シートF23における、液晶パネルPと第3光学部材シートF3との貼合面(以下、第2貼合面TA2と称することがある。)の外周縁EDの画像を撮像する撮像装置63と、外周縁EDを照明する照明光源64と、撮像装置63で撮像した画像を記憶し、画像に基づいて外周縁EDを検出するための演算を行う制御部65と、を有する。第2検出部62は、上述の第1検出部61と同様の構成を有している。
このような第2検出部62は、図1における第3切断装置19のパネル搬送上流側であって、挟圧ロール18bと第3切断装置19との間に設けられている。第2検出部62は、第3貼合シートF23の搬送経路上において設定された検査領域において、上述の第1検出部61と同様にして第2貼合面TA2の外周縁EDを検出する。
以上のような構成では、液晶パネルと光学部材シートとの貼合面の外周縁を検出することで、好適に液晶パネルの外周縁を検出することができる。
また、レーザー光照射工程S20Bは、上記実施形態で説明したものに限らず、次のような構成であってもよい。図19は、レーザー光照射工程S20Bの変形例の説明図であり、図14に対応する図である。
ここでは、液晶パネルPの角部を挟む二辺のうち、一方の辺に沿う直線の延長線と、他方の辺に沿う直線の延長線と、を交差させて仮想的に形成される形状を仮想屈曲形状Frとし、この仮想屈曲形状Frを、光学部材FSを切り離す位置として設定する。そして、液晶パネルPの角部における光源相対移動軌跡Tr1を、仮想屈曲形状Frの内側に設定する。液晶パネルPの角部においてレーザー光を走査する位置(すなわち、レーザー光移動軌跡Tr)が、光学部材FSを切り離す位置である仮想屈曲形状Frと一致するように、光源相対移動軌跡Tr1の外側にむけてレーザー光を照射する時の光源相対移動軌跡Tr1とレーザー光移動軌跡Trとのずれ量を設定する。
また、上述のように光学部材シートと液晶パネルとの貼合面の外周縁を検出し、検出した外周縁に沿って、光学部材FSを切り離す位置(すなわち、仮想屈曲形状Fr)を設定する。切り離す位置の設定は、検出した外周縁のデータに基づいて、例えば制御部65や、別体の計算部により適宜行う。
図19に示すように、本変形例においては、光源相対移動軌跡Tr1は、角部が湾曲した略矩形の移動軌跡となっている。光源相対移動軌跡Tr1とレーザー光移動軌跡Trとは概ね(角部を除いて)一致しており、角部の狭い領域でのみ両者の形状が異なっている。光源相対移動軌跡Tr1が矩形形状をしていると、矩形の角部で第2切断装置16の移動速度が遅くなり、角部がレーザー光の熱によって膨れたり波打ったりすることがある。そのため、図19では、光源相対移動軌跡Tr1の角部を湾曲させて第2切断装置16の移動速度が光源相対移動軌跡Tr1全体で概ね一定となるようにしている。
第2切断装置16が直線区間SA1を移動しているときは、光源相対移動軌跡Tr1とレーザー光移動軌跡Trとが一致している。そのため、制御装置33は、レーザー光の照射位置を第1照射位置調整装置161および第2照射位置調整装置162により調整せずに、そのまま第2切断装置16から光学部材シートにレーザー光を照射させる。
一方、第2切断装置16が屈曲区間SA2を移動しているときは、光源相対移動軌跡Tr1とレーザー光移動軌跡Trとが一致しない。そのため、制御装置33は、ので、第1照射位置調整装置161および第2照射位置調整装置162によりレーザー光の照射位置を制御し、レーザー光の照射位置がレーザー光移動軌跡Tr上に配置されるようにする。
例えば、第2切断装置16が符号M1で示す位置を移動しているときには、第1照射位置調整装置161および第2照射位置調整装置162によりレーザー光の照射位置が光源相対移動軌跡Tr1と直交する方向N1に距離(ずれ量)W1だけずらされる。距離W1は、光源相対移動軌跡Tr1と直交する方向N1における調整曲線Tr2とレーザー光移動軌跡Trとの距離W2と同じとなるように設定されている。光源相対移動軌跡Tr1はレーザー光移動軌跡Trよりも内側に配置されているが、レーザー光の照射位置が第1照射位置調整装置161および第2照射位置調整装置162によってレーザー光移動軌跡Trよりも外側にずらされる。そのため、制御装置33は、それらのずれが相殺してレーザー光の照射位置がレーザー光移動軌跡Tr上に配置されるようになる。
以上のようにすることで、光学部材シートFXから、液晶パネルPの外周縁に沿った形状の光学部材FSを切り出すことができる。
上記実施形態のフィルム貼合システムでは、検出部を用いて複数の液晶パネルPごとに貼合面の外周縁を検出し、検出した外周縁に基づいて、個々の液晶パネルPごとに貼合したシート片F1S、第2光学部材シートF2、第2光学部材シート3の切断位置を設定する。これにより、液晶パネルPやシート片F1Sの大きさの個体差によらず所望の大きさの光学部材を切り離すことができるため、液晶パネルPやシート片F1Sの大きさの個体差による品質バラツキをなくし、表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本実施形態に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1 フィルム貼合システム(光学デバイスの生産システム)
12 第1貼合装置(貼合装置)
15 第2貼合装置(貼合装置)
18 第3貼合装置(貼合装置)
13 第1切断装置
16 第2切断装置(スキャナー)
19 第3切断装置(スキャナー)
30 レーザー光照射装置
31 テーブル
31a 保持面
61 第1検出部(検出部)
62 第2検出部(検出部)
C1 角部
F1 第1光学部材シート(光学部材シート)
F2 第2光学部材シート(光学部材シート)
F3 第3光学部材シート(光学部材シート)
F11 第1光学部材(光学部材)
F12 第2光学部材(光学部材)
F13 第3光学部材(光学部材)
Fr 仮想屈曲形状
FS 光学部材
FX 光学部材シート
F21 第1貼合シート(貼合体)
F22 第2貼合シート(貼合体)
F23 第3貼合シート(貼合体)
L レーザー光
P 液晶パネル(光学表示部品)
S10 貼合工程
S20 切断工程
S20A 保持工程
S20B レーザー光照射工程
Tr レーザー光移動軌跡
Tr1 光源相対移動軌跡(相対移動軌跡)
CR 交差部
ED 外周縁
TA1 第1貼合面(貼合面)
TA2 第2貼合面(貼合面)

Claims (9)

  1. 光学表示部品に光学部材を貼合して形成される光学表示デバイスの生産方法であって、
    前記光学表示部品に前記光学表示部品の表示領域よりも大きい光学部材シートを貼り合わせて貼合体とする貼合工程と、
    前記貼合体における前記光学部材シートの前記表示領域との対向部分と、前記対向部分の外側の余剰部分とを切り離し、前記光学部材シートから前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材を形成する切断工程と、
    を含み、
    前記切断工程は、
    前記貼合体をテーブルの保持面に保持する保持工程と、
    前記テーブルとレーザー光を走査するスキャナーとを相対移動させつつ、前記保持面と平行な平面内で前記スキャナーにより2軸走査された前記レーザー光を前記貼合体の前記光学部材シートに照射して、前記光学部材シートを切断するレーザー光照射工程と、
    を含み、
    前記レーザー光照射工程では、前記光学表示部品の角部に前記レーザー光を照射する時に、前記光学表示部品の角部を内側に湾曲させた形状を有する相対移動軌跡に沿って前記テーブルに対して前記スキャナーが相対移動するとともに、前記光学部材シート上での前記レーザー光の移動軌跡が前記光学表示部品の角部に沿うように、前記スキャナーにより前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射し、
    前記相対移動軌跡において内側に湾曲させた前記光学表示部品の角部に対応する部分は、外方向に凸であることを特徴とする光学表示デバイスの生産方法。
  2. 請求項1に記載の光学表示デバイスの生産方法であって、
    前記光学表示部品の角部における前記レーザー光の移動軌跡は、前記光学表示部品の角部を挟む二辺のうち、一方の辺に沿う前記レーザー光の移動軌跡の延長線と、他方の辺に沿う前記レーザー光の移動軌跡の延長線との交差部に形成される仮想屈曲形状の外側に膨出していることを特徴とする光学表示デバイスの生産方法。
  3. 光学表示部品に光学部材を貼合して形成される光学表示デバイスの生産システムであって、
    前記光学表示部品に前記光学表示部品の表示領域よりも大きい光学部材シートを貼り合わせて貼合体とする貼合装置と、
    前記貼合体を保持する保持面を有するテーブルと、前記保持面と平行な平面内でレーザー光を2軸走査可能なスキャナーと、前記テーブルと前記スキャナーとを相対移動可能な移動装置と、を有するレーザー光照射装置と、
    を備え、
    前記レーザー光照射装置は、前記貼合体における前記光学部材シートの前記表示領域との対向部分と、前記対向部分の外側の余剰部分とを切り離し、前記光学部材シートから前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材を形成し、
    前記光学表示部品の角部に前記レーザー光を照射する時に、前記移動装置は、前記光学表示部品の角部を内側に湾曲させた形状を有する相対移動軌跡に沿って前記テーブルと前記スキャナーとを相対移動させ、前記スキャナーは、前記光学部材シート上での前記レーザー光の移動軌跡が前記光学表示部品の角部に沿うように、前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射し、
    前記相対移動軌跡において内側に湾曲させた前記光学表示部品の角部に対応する部分は、外方向に凸であることを特徴とする光学表示デバイスの生産システム。
  4. 光学表示部品に光学部材を貼合して形成される光学表示デバイスの生産方法であって、
    前記光学表示部品に前記光学表示部品の表示領域よりも大きい光学部材シートを貼り合わせて貼合体とする貼合工程と、
    前記貼合体における前記光学部材シートの前記表示領域との対向部分と、前記対向部分の外側の余剰部分とを切り離し、前記光学部材シートから前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材を形成する切断工程と、
    を含み、
    前記切断工程は、
    前記貼合体をテーブルの保持面に保持する保持工程と、
    前記テーブルとレーザー光を走査する走査素子とを相対移動させつつ、前記保持面と平行な平面内で前記走査素子により2軸走査された前記レーザー光を前記貼合体の前記光学部材シートに照射して、前記光学部材シートを切断するレーザー光照射工程と、
    を含み、
    前記レーザー光照射工程では、前記光学表示部品の角部に前記レーザー光を照射する時に、前記光学表示部品の角部を内側に湾曲させた形状を有する相対移動軌跡に沿って前記テーブルに対して前記走査素子が相対移動するとともに、前記光学部材シート上での前記レーザー光の移動軌跡が前記光学表示部品の角部に沿うように、前記走査素子により前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射し、
    前記相対移動軌跡において内側に湾曲させた前記光学表示部品の角部に対応する部分は、外方向に凸であることを特徴とする光学表示デバイスの生産方法。
  5. 請求項4に記載の光学表示デバイスの生産方法であって、
    前記光学表示部品の角部を挟む二辺のうち、一方の辺に沿う直線の延長線と、他方の辺に沿う直線の延長線と、を交差させて仮想的に形成される形状を仮想屈曲形状として、前記仮想屈曲形状を前記対向部分と前記余剰部分とを切り離す位置として設定し、
    前記光学表示部品の角部における前記相対移動軌跡を、前記仮想屈曲形状の内側に設定し、
    前記光学表示部品の角部において前記レーザー光を走査する位置が、前記仮想屈曲形状と一致するように、前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射する時の前記相対移動軌跡と前記レーザー光の移動軌跡とのずれ量を設定することを特徴とする光学表示デバイスの生産方法。
  6. 請求項5に記載の光学表示デバイスの生産方法であって、
    前記切断工程に先立ち、前記貼合体において、前記光学部材シートと前記光学表示部品との貼合面の外周縁を検出する検出工程をさらに有し、
    前記対向部分と前記余剰部分とを切り離す位置が、検出した前記外周縁に沿って設定されることを特徴とする光学表示デバイスの生産方法。
  7. 光学表示部品に光学部材を貼合して形成される光学表示デバイスの生産システムであって、
    前記光学表示部品に前記光学表示部品の表示領域よりも大きい光学部材シートを貼り合わせて貼合体とする貼合装置と、
    レーザー光を発振するレーザー光発振機と、前記貼合体を保持する保持面を有するテーブルと、前記保持面と平行な平面内で前記レーザー光を2軸走査可能な走査素子と、前記テーブルと前記走査素子とを相対移動可能な移動装置と、を有するレーザー光照射装置と、
    を備え、
    前記レーザー光照射装置は、前記貼合体における前記光学部材シートの前記表示領域との対向部分と、前記対向部分の外側の余剰部分とを切り離し、前記光学部材シートから前記表示領域に対応する大きさの前記光学部材を形成し、
    前記光学表示部品の角部に前記レーザー光を照射する時に、前記移動装置は、前記光学表示部品の角部を内側に湾曲させた形状を有する相対移動軌跡に沿って前記テーブルと前記走査素子とを相対移動させ、前記走査素子は、前記光学部材シート上での前記レーザー光の移動軌跡が前記光学表示部品の角部に沿うように、前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射し、
    前記相対移動軌跡において内側に湾曲させた前記光学表示部品の角部に対応する部分は、外方向に凸であることを特徴とする光学表示デバイスの生産システム。
  8. 請求項7に記載の光学表示デバイスの生産システムであって、
    前記光学表示部品の角部を挟む二辺のうち、一方の辺に沿う直線の延長線と、他方の辺に沿う直線の延長線と、を交差させて仮想的に形成される形状を仮想屈曲形状として、前記仮想屈曲形状を前記対向部分と前記余剰部分とを切り離す位置として設定し、
    前記光学表示部品の角部における前記相対移動軌跡を、前記仮想屈曲形状の内側に設定し、
    前記光学表示部品の角部において前記レーザー光を走査する位置が、前記仮想屈曲形状と一致するように、前記相対移動軌跡の外側にむけて前記レーザー光を照射する時の前記相対移動軌跡と前記レーザー光の移動軌跡とのずれ量を設定することを特徴とする光学表示デバイスの生産システム。
  9. 請求項8に記載の光学表示デバイスの生産システムであって、
    前記貼合体において、前記光学部材シートと前記光学表示部品との貼合面の外周縁を検出する検出部をさらに有し、
    前記対向部分と前記余剰部分とを切り離す位置は、検出した前記外周縁に沿って設定されることを特徴とする光学表示デバイスの生産システム。
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