JP5803633B2 - プレイバックシミュレーション試験システム - Google Patents

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Description

この発明は、プレイバックシミュレーション試験システムに関するものである。
一般にプラント設備を構成する各機器の動作を制御するコントローラを新しいものに置換する、あるいは、新たにコントローラを追加する際に、この新設したコントローラの制御によるプラント設備の動作確認や調整を実施することが必要である。
従来においては、このような場合に、現地において既設プラント設置に対して新設コントローラを接続し、既設コントローラによる制御と新設コントローラによる制御とにより平行してプラントを運転することにより、置換、更新する新設コントローラの新機能と既設コントローラの制御機能とにより出力される制御信号を比較照合して確認、調整するいわゆるパララン照合が実施されていた。
しかしながら、このようなプラント設備現地におけるパララン照合においては、パララン照合作業がプラントの操業計画や操業状態に左右されてしまうという問題や、プラントが稼動中であるため、任意を対象とした照合が困難であり効率が悪く、現地調整工数が増大してしまうという問題等があった。
そこで、既設コントローラ内部から時系列で採取した制御バスデータを時系列データとして取り込み、新設コントローラを模擬するソフトウェアを有する仮想コントローラに、この取り込んだ制御バスデータを共有メモリを介して入力し、仮想コントローラのソフトウェアにて実行してシミュレーションを行うプレイバックシミュレータ装置を用いて、新設コントローラの動作確認を行うことも従来において知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−163657号公報
このように、特許文献1に示された従来におけるプレイバックシミュレータ装置は、新設されるコントローラの有する機能をソフトウェアによって模擬的に計算機上に全て再現し、この模擬的な環境において新設コントローラの動作確認を行うものである。
しかしながら、このような特許文献1に示された従来におけるプレイバックシミュレータ装置においては、新設コントローラの機能や現地プラント設備の操業状態、機器の制御状態を模擬した信号をソフトウェアによって計算機上に全て再現するため、製作や試験に多大な費用と期間を要するという課題がある。また、ソフトウェアで製作された模擬的環境と、実際に現地の機器動作状態との乖離が発生する可能性があり、現地でのパララン照合環境との等価性の保証という観点から問題があるという課題もある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、現地でのパララン照合環境と等価なシミュレーション試験環境を容易に構築し、より正確に新設コントローラの動作確認や調整を実施することができるプレイバックシミュレーション試験システムを得るものである。
この発明に係るプレイバックシミュレーション試験システムにおいては、既設のプラント設備の構成機器と第1の制御系ネットワークを介して相互通信可能に接続され、前記構成機器を電気的に制御するための制御信号を出力する既設コントローラと、前記第1の制御系ネットワークに通信可能に接続され、前記第1の制御系ネットワークに伝送されている前記既設コントローラと前記構成機器との間で通信される少なくとも前記制御信号を含む信号データを収集するデータ収集装置と、データ収集装置により収集された前記信号データを蓄積保存するデータ蓄積手段と、第2の制御系ネットワークに通信可能に接続され、前記データ蓄積手段に蓄積保存されている前記信号データを、前記第2の制御系ネットワークに再生出力するデータ再生装置と、前記第2の制御系ネットワークに通信可能に接続され、前記構成機器を電気的に制御するための制御信号を出力する機能を有する新設コントローラと、前記第2の制御系ネットワークに通信可能に接続され、前記データ再生装置から再生出力された前記信号データと、前記新設コントローラから出力された制御信号とを比較照合するデータ比較照合装置と、を備えた構成とする。
この発明に係るプレイバックシミュレーション試験システムにおいては、現地でのパララン照合環境と等価なシミュレーション試験環境を容易に構築し、より正確に新設コントローラの動作確認や調整を実施することができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係るプレイバックシミュレーション試験システムにおいてデータを収集する際の構成を説明するブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るプレイバックシミュレーション試験システムにおいてデータを再生及び比較照合する際の構成を説明するブロック図である。
この発明を添付の図面に従い説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
実施の形態1.
図1及び図2は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1はプレイバックシミュレーション試験システムにおいてデータを収集する際の構成を説明するブロック図、図2は同試験システムにおいてデータを再生及び比較照合する際の構成を説明するブロック図である。
(データの収集)
まず、この発明に係るプレイバックシミュレーション試験システムにおいてデータを収集する際の構成を図1を参照しながら説明する。この図1において、1は、既設のプラント設備において当該プラント設備を構成する各種の機器の間で、動作制御等に必要な信号をやり取りするための既設制御系ネットワークである。この既設制御系ネットワーク1は、例えばTCP/IP等を利用したLAN(Local Area Network)から構成されている。
既設制御系ネットワーク1には、既設プラント設備の構成機器である既設上位計算機2、既設コントローラ3、インバータ4、センサ/アクチュエータ5及びフィールド機器6が、通信可能に接続されている。
既設上位計算機2には、当該プラント設備で実施される工程のそれぞれについて既設コントローラ3での制御に用いるパラメータ設定値が予め設定されている。そして、既設上位計算機2は、各工程の開始時等の適時に、その工程で用いられるパラメータ設定値を既設制御系ネットワーク1を介して既設コントローラ3へと送信する。また、既設上位計算機2には、当該プラント設備で実施される工程のタイムスケジュールについても予め設定されており、各工程の開始・終了時等には、各プラント構成機器の動作タイミングを同期するためのタイミング信号を既設制御系ネットワーク1へと出力する。
既設コントローラ3は、インバータ4、センサ/アクチュエータ5やフィールド機器6に対して制御信号を出力し、これらの機器の動作を時間的に適切な相互関係を保った状態で電気的に制御するためのものである。この既設コントローラ3は、例えばプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC:Programable Logic Controller)からなっている。
既設コントローラ3は、既設上位計算機2から出力されたパラメータ設定信号及びタイミング信号、並びに、センサ/アクチュエータ5やフィールド機器6から出力されたフィードバック信号に基づいて、出力すべき制御信号を演算して、既設制御系ネットワーク1を介して必要な機器へと制御信号を送信している。
インバータ4はプラント設備を駆動する電動モータ等へと例えば可変電圧可変周波数の電力を供給するためのものである。センサ/アクチュエータ5は、プラント制御に必要な物理量を計測するセンサやプラント機器を駆動するアクチュエータである。フィールド機器6は、センサ/アクチュエータ5とほぼ同様、プラント設備の構成要素を総称したものであり、例えば圧力計、流量計やバルブ等が含まれる。
これらのプラント構成機器群は、既設コントローラ3からの制御信号に従って動作し、また、センサ/アクチュエータ5やフィールド機器6による計測結果はフィードバック信号として既設制御系ネットワーク1へと出力される。
このようにして、既設プラント設備の操業中においては、既設制御系ネットワーク1上には、パラメータ設定信号、タイミング信号、制御信号及びフィードバック信号の各種の信号が、相互に関連した関係を保持しつつ時間的に同期性を有した状態で伝送されている。
既設制御系ネットワーク1には、このように既設制御系ネットワーク1上に伝送されている各種の信号データを収集するデータ収集装置7が通信可能に接続されている。このデータ収集装置7には、収集装置信号処理部7a、収集装置画面表示部7b及び収集装置データ圧縮解凍処理部7cが備えられており、さらに、収集装置信号処理部7aにはデータ蓄積手段8が接続されている。
収集装置信号処理部7aは、既設制御系ネットワーク1に伝送されている信号の受信処理及び受信した信号データのデータ蓄積手段8への蓄積処理を実行する中心部分である。
収集装置画面表示部7bは、データ収集装置7の操作者へのGUI(Graphical User Interface)を提供するもので、データ収集装置7の操作者は、この収集装置画面表示部7bの表示によって、データ収集装置7における信号データの蓄積の進行状況やデータ蓄積手段8に蓄積保存されているデータの内容等を確認することができる。
また、図示は省略しているが、データ収集装置7には操作者からの入力を受け付ける入力装置(例えば、キーボード、マウスやタッチパネル等)も備えられており、操作者は、この入力装置を操作することによって、収集装置画面表示部7bの表示内容を変更したり、あるいは、再生装置画面表示部12bの表示内容を確認しながら、データ収集装置7での蓄積対象となる信号の条件を任意に設定したりすることが可能である。
収集装置データ圧縮解凍処理部7cは、データ蓄積手段8の記憶容量を有効に活用するため、データ蓄積手段8に信号データを記憶する際に、記憶する信号データにデータ圧縮処理を施すためのものである。また、逆に、データ蓄積手段8に記憶されているデータを取り出す際には、収集装置データ圧縮解凍処理部7cは、データ解凍(データ伸長)処理を行って元の信号データへと復元する。
データ蓄積手段8(データアキュムレータ)は、データ収集装置7により収集された信号データ(パラメータ設定信号、タイミング信号、制御信号及びフィードバック信号)を、これら信号データがデータ収集装置7において受信された順序及び時間間隔並びに信号データの内容を正確に反映した状態で蓄積保存するものである。
すなわち、データ蓄積手段8に蓄積保存されるデータテーブルの構成要素には、データ収集装置7における受信時刻、信号種別及び信号の値が少なくとも含まれている。ここで、データ収集装置7における受信時刻はデータ蓄積手段8に蓄積保存されるデータテーブルの時間軸を規定するものであるが、例えば単位時間毎(例えば1ミリ秒毎)に、データ収集装置7において受信された信号の種別及びその値を記憶していくようにしてもよい。
なお、データ蓄積手段8に蓄積する対象とする期間や、対象とする信号の種別等は、前述したように収集装置画面表示部7b等を用いて任意に条件設定可能である。この際に、全ての信号種別毎に1つ1つ設定するのは煩雑に過ぎる場合が考えられるので、蓄積対象とする信号の種別を、プラント設備の構成要素を単位として一括して選択できるようにしてもよい。
ここで、データ蓄積手段8に蓄積する対象期間(収集期間)の設定方法としては、例えば、対象プラント設備における各イベント毎(各工程毎)に自動的に収集を行うようにすることもできる。各イベント(各工程)の開始、終了については既設制御系ネットワーク1に伝送されているタイミング信号の内容を確認することで、自動的に判断可能である。あるいは、予め収集期間のタイムスケジュールを設定しておいてもよいし、(データ蓄積手段8の記憶容量に余裕があるのであれば)単純に必要十分なデータが得られるであろう一定時間の間(例えば2週間程度)、収集を継続して行うようにしてもよい。
以上のようにして、データ収集装置7は、既設制御系ネットワーク1に伝送されている各種の信号データを任意に設定された条件(収集期間、収集対象データ)に従って収集し、データ収集装置7において受信された順序及び時間間隔並びに信号データの内容を正確に反映した状態でデータ蓄積手段8に蓄積保存する。
(データの再生)
次に、この発明に係るプレイバックシミュレーション試験システムにおいて、収集したデータを再生する際の構成を図2を参照しながら説明する。この図2において、9は、後述する新設コントローラ11の試験環境を構成する各種の機器の間で、必要な信号をやり取りするための試験用制御系ネットワークである。この試験用制御系ネットワーク9も、既設制御系ネットワーク1と同様に、例えばTCP/IP等を利用したLAN(Local Area Network)から構成されている。
ただし、既設制御系ネットワーク1と試験用制御系ネットワーク9とは、別個に用意される。また、試験用制御系ネットワーク9は、典型的には試験を実施する会社の社内等に敷設された試験用ネットワークであるが、既設制御系ネットワーク1と別個の制御系ネットワークであれば社内LAN等に限られない。
試験用制御系ネットワーク9には、既設プラントにおいてデータ収集装置7によってデータ蓄積手段8に蓄積保存された信号の伝送状態を、試験環境(試験用制御系ネットワーク9)において再現するためのデータ再生装置12が通信可能に接続されている。このデータ再生装置12は、再生装置信号処理部12a、再生装置画面表示部12b及び再生装置データ解凍処理部12cを備えており、さらに、再生装置信号処理部12aにはデータ蓄積手段8が接続されている。
再生装置信号処理部12aは、データ蓄積手段8に蓄積保存されている信号データ(パラメータ設定信号、タイミング信号、制御信号及びフィードバック信号)を、試験用制御系ネットワーク9へと出力する処理を実行する中心部分である。
再生装置画面表示部12bは、データ再生装置12の操作者へのGUIを提供するもので、データ再生装置12の操作者は、この再生装置画面表示部12bの表示によって、データ蓄積手段8に蓄積保存されているデータの内容やデータ再生装置12における信号出力の再生の進行状況等を確認することができる。
また、図示は省略しているが、データ再生装置12には操作者からの入力を受け付ける入力装置も備えられており、操作者は、この入力装置を操作することによって、再生装置画面表示部12bの表示内容を変更したり、あるいは、再生装置画面表示部12bの表示内容を確認しながら、データ再生装置12による再生対象となる信号データの条件を任意に設定したりすることが可能である。
再生装置データ解凍処理部12cは、データ蓄積手段8に記憶されているデータを取り出す際に、データ解凍(データ伸長)処理を行って元の信号データへと復元するためのものである。
データ蓄積手段8は、図1のデータ収集装置7に備えられていたものそのものである。すなわち、データ蓄積手段8はデータ収集装置7に着脱自在に設けられており、データの収集後、データ収集装置7から取り外したデータ蓄積手段8をデータ再生装置12に着脱自在に取り付けて用いる。
前述したように、データ蓄積手段8には、既設制御系ネットワーク1に伝送されていた信号が、その内容並びにデータ収集装置7において受信された順序及び時間間隔を正確に反映した状態で蓄積保存されている。データ再生装置12の再生装置信号処理部12aは、このデータ蓄積手段8に保存されている信号データを、(必要に応じて再生装置データ解凍処理部12cでの復元を経て、)データ蓄積時における順序及び時間間隔並びに値を正確に維持した状態で、試験用制御系ネットワーク9へと出力する。
なお、この際には、データ再生装置12から試験用制御系ネットワーク9へと再生出力される信号について、対象期間や対象信号種別等を、前述した再生装置画面表示部12b等を用いて任意に条件設定可能である。例えば、再生対象期間に、データ収集装置7によってデータ蓄積手段8に記録されている全期間を指定することもできるし、記録されている期間のうちの一部の期間を指定することもできる。
以上のようにして、データ再生装置12は、データ蓄積手段8に蓄積保存されている(すなわち、データ収集装置7において受信された)順序及び時間間隔並びに信号の内容を正確に反映した状態で、試験用制御系ネットワーク9に既設制御系ネットワーク1での信号伝送状態を再現する。換言すれば、出力される信号に注目すれば、データ再生装置12は、あたかもこのデータ再生装置12の接続部分に、既設上位計算機2、既設コントローラ3、インバータ4、センサ/アクチュエータ5及びフィールド機器6が接続されているかのように振る舞う。
(データの比較照合)
続いて、この発明に係るプレイバックシミュレーション試験システムにおけるデータの比較照合について同じく図2を参照しながら説明する。試験用制御系ネットワーク9には、前述したデータ再生装置12に加え、さらに、新設上位計算機10及び新設コントローラ11が通信可能に接続されている。
新設上位計算機10は、図1の既設上位計算機2に相当するものであり、後述する新設コントローラ11への更新に伴って上位計算機についても追加や置換を行う場合に用いられる。上位計算機の追加や置換を行わない場合は、新設上位計算機10として既設上位計算機2同一のものを用いてもよい。
新設コントローラ11は、図1の既設コントローラ3に相当するものであり、制御対象のプラント設備を構成する機器(既設プラントで新設コントローラ11の新設・置換を終えた後におけるインバータ4、センサ/アクチュエータ5やフィールド機器6)に対して制御信号を出力し、これらの機器の動作を時間的に適切な相互関係を保った状態で電気的に制御するためのものである。この設コントローラ11は、既設コントローラ3と同じく例えばPLCである。
新設コントローラ11は、新設上位計算機10から出力されたパラメータ設定信号及びタイミング信号、並びに、データ再生装置12から再生出力された信号データ(パラメータ設定信号、タイミング信号及びフィードバック信号)に基づいて、出力すべき制御信号を演算して、この演算した制御信号を試験用制御系ネットワーク9へと出力する。
そして、さらに、試験用制御系ネットワーク9には、こうして新設コントローラ11が出力された制御信号を、データ再生装置12から再生出力された信号と比較照合するためのデータ比較照合装置13が通信可能に接続されている。
このデータ比較照合装置13には、比較照合装置信号処理部13a、比較照合装置画面表示部13b、比較照合装置データ圧縮解凍処理部13c、データ比較照合処理部13d及びデータ記憶部13eが備えられている。
比較照合装置信号処理部13aは、試験用制御系ネットワーク9に伝送されている信号の受信処理を実行するためのものである。
比較照合装置画面表示部13bは、データ比較照合装置13の操作者へのGUIを提供するもので、データ比較照合装置13の操作者は、この比較照合装置画面表示部13bの表示によって、信号データの比較照合結果等を確認することができる。
また、図示は省略しているが、データ比較照合装置13には操作者からの入力を受け付ける入力装置も備えられており、操作者は、この入力装置を操作することによって、比較照合装置画面表示部13bの表示内容を変更したり、あるいは、比較照合装置画面表示部13bの表示内容を確認しながら、データ比較照合装置13による比較照合対象となる信号データの条件を任意に設定したりすることが可能である。
比較照合装置データ圧縮解凍処理部13cは、比較照合装置信号処理部13aにより受信された信号や、後述するデータ比較照合処理部13dにおける比較照合結果データを、データ記憶部13eに記憶する際にデータ圧縮処理を施すためのものである。また、逆に、データ記憶部13eからデータを取り出す際にはデータ解凍(データ伸長)処理を行って元のデータに復元する。
データ比較照合処理部13dは、比較照合装置信号処理部13aにより受信した試験用制御系ネットワーク9に伝送されている信号のうち、特に、データ再生装置12から出力された制御信号(再生現地制御信号)と、新設コントローラ11から出力された制御信号(新制御信号)とを比較照合するものである。この比較照合においては、必要に応じて、他の信号データ(パラメータ設定信号、タイミング信号やフィードバック信号)も参照されるようにしてもよい。
データ比較照合処理部13dによる比較照合結果は、比較照合装置画面表示部13bに例えば、グラフ形式や比較表形式等で表示することができる。また、比較照合結果や受信信号データは、例えばCSV形式等で外部に出力(エクスポート)することが可能なようにしてもよい。このCSV形式等によるデータの外部出力機能は、データ収集装置7やデータ再生装置12にも備えるようにしてもよい。
また、データ比較照合処理部13dにおける比較照合の対象については、データ収集装置7における収集対象やデータ再生装置12における再生対象と同様に、対象期間や対象データ種別を任意に条件設定することが可能である。
データ記憶部13eは、比較照合装置信号処理部13aにより受信された信号や、データ比較照合処理部13dにおける比較照合結果データを、記憶するためのものである。
以上のようにして、既設プラント設備におけるコントローラの置換、更新作業において、既設コントローラから新設コントローラへの円滑な移行や新機能追加を図るため、現地でのパララン照合環境と等価なシミュレーション試験環境を構築することができる。そして、シミュレーション試験環境において新設コントローラから出力される新制御信号を既設プラント環境における現地制御信号と比較照合し、新設コントローラから出力される新制御信号の欠損等の異常がないかどうかを確認することができる。
なお、以上においてはコントローラの上位に上位計算機(既設上位計算機2、新設上位計算機10)が設置されている構成を前提としてきたが、特に規模が比較的小さいプラント等の場合、上位計算機が設置されていなくともよい。
以上のように構成されたプレイバックシミュレーション試験システムは、第1の制御系ネットワーク(既設制御系ネットワーク1)に接続された既設プラント設備の構成機器、既設コントローラ、及び、第1の制御系ネットワークに伝送されている少なくとも制御信号を含む信号データを収集するデータ収集装置と、データ収集装置により収集された信号データを蓄積保存するデータ蓄積手段と、第2の制御系ネットワーク(試験用制御系ネットワーク9)接続された、前記構成機器を電気的に制御するための制御信号を出力する機能を有する新設コントローラ、データ蓄積手段に蓄積保存されている信号データを再生出力するデータ再生装置、及び、データ再生装置から再生出力された信号データと新設コントローラから出力された制御信号とを比較照合するデータ比較照合装置と、を備えたものである。
このため、現地でのパララン照合環境と等価なシミュレーション試験環境を容易に構築し、より正確に新設コントローラの動作確認や調整を実施することができる。
1 既設制御系ネットワーク
2 既設上位計算機
3 既設コントローラ
4 インバータ
5 センサ/アクチュエータ
6 フィールド機器
7 データ収集装置
7a 収集装置信号処理部
7b 収集装置画面表示部
7c 収集装置データ圧縮解凍処理部
8 データ蓄積手段
9 試験用制御系ネットワーク
10 新設上位計算機
11 新設コントローラ
12 データ再生装置
12a 再生装置信号処理部
12b 再生装置画面表示部
12c 再生装置データ解凍処理部
13 データ比較照合装置
13a 比較照合装置信号処理部
13b 比較照合装置画面表示部
13c 比較照合装置データ圧縮解凍処理部
13d データ比較照合処理部
13e データ記憶部

Claims (5)

  1. 既設のプラント設備の構成機器と第1の制御系ネットワークを介して相互通信可能に接続され、前記構成機器を電気的に制御するための制御信号を出力する既設コントローラと、
    前記第1の制御系ネットワークに通信可能に接続され、前記第1の制御系ネットワークに伝送されている前記既設コントローラと前記構成機器との間で通信される少なくとも前記制御信号を含む信号データを収集するデータ収集装置と、
    前記データ収集装置により収集された前記信号データを蓄積保存するデータ蓄積手段と、
    第2の制御系ネットワークに通信可能に接続され、前記データ蓄積手段に蓄積保存されている前記信号データを、前記第2の制御系ネットワークに再生出力するデータ再生装置と、
    前記第2の制御系ネットワークに通信可能に接続され、前記構成機器を電気的に制御するための制御信号を出力する機能を有する新設コントローラと、
    前記第2の制御系ネットワークに通信可能に接続され、前記データ再生装置から再生出力された前記信号データと、前記新設コントローラから出力された制御信号とを比較照合するデータ比較照合装置と、を備えたことを特徴とするプレイバックシミュレーション試験システム。
  2. 前記データ蓄積手段は、前記データ収集装置に前記信号データが受信された順序及び時間間隔の関係を維持した状態で前記信号データを記憶し、
    前記データ再生装置は、前記データ蓄積手段に蓄積保存されている前記信号データの順序及び時間間隔の関係を維持した状態で前記信号データを再生出力することを特徴とする請求項1に記載のプレイバックシミュレーション試験システム。
  3. 前記データ蓄積手段は、前記データ収集装置及び前記データ再生装置の双方に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のプレイバックシミュレーション試験システム。
  4. 前記データ収集装置は、信号データを収集する期間及び収集する信号データ種別を任意に設定可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のプレイバックシミュレーション試験システム。
  5. 前記データ再生装置は、前記データ蓄積手段に蓄積保存されている信号データのうち、再生出力する期間及び信号データ種別を任意に設定可能であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のプレイバックシミュレーション試験システム。
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