JP5801896B2 - コゲーション防止剤 - Google Patents

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Description

インクジェット印刷システムの使用は近年劇的に増加し、このような使用は、印刷解像度の実質的な改善、及びコストの大幅な減少と結びつく全般的な印刷品質に因る。かかる近年での成功にも関わらず、インクジェット印刷品質の改善、その一方での消費者に対するさらなるコストの低減に向けて集中的な研究及び開発の努力が続けられている。
インクジェット印刷を用いれば、ドットの正確なパターンがプリントヘッドとして知られるドット生成装置から印刷媒体上に吐出された時、所望の印刷画像が形成される。プリントヘッドは、インクジェットプリントヘッド基板に取り付けられたノズルプレート上に配置された正確に形成されたノズルのアレイを有する。インクジェットプリントヘッド基板は、1つ以上のインクリザーバとの流体連通によりインクジェットインクを受容する発射チャンバのアレイを組み込んでいる。各発射チャンバは、ノズルに対向して配置されている、発射抵抗体として知られる抵抗体エレメントを有する。抵抗体エレメントへのエネルギー付与によって、インクジェットインクの滴が、ノズルを通って印刷媒体に向かって排出される。直径約10μm〜40μmのノズルの小さな設計においては、インクがノズルを詰まらせないことが要求される。しかし、抵抗体エレメントは印刷カートリッジの寿命にわたり数百の発射に耐えるよう設計されている抵抗体エレメントが繰り返し発射されると、残滓による抵抗体エレメントの汚損が生じる。「コゲーション」という用語は、本明細書では、抵抗体エレメントの表面上での残滓、つまりコガの形成を指すものとして使用される。
したがって、高品質の画像を作り出すために、インクジェットインクは、オリフィスプレートを詰まらせることなくインクジェットオリフィスを通過することができなくてはならない。
インクジェットインクは、大抵の場合、水性ベースのインクビヒクル中に溶解又は分散された1つ以上の着色剤を含み、コゲーション防止剤も含有していてよい。このようなコゲーション防止剤は、コゲーション作用に対抗するために使用されてきた。しかし、このような薬剤は、インク組成物中で安定でなく、多くの場合、沈殿する傾向がある。このような沈殿現象によって、堆積現象がもたらされ、これによりノズルが詰まり易くなる。このような詰まりは、ノズルの前端部において起こり、これにより、噴射されるインクの方向及び量が不安定となる。この現象は、印刷性能の低下をもたらす。この詰まり現象はさらに、金属イオンがインク組成物を汚染すると強まってしまう。
よって、多くの場合、コゲーション作用を有さず、印刷機のノズルの詰まりを起こさせない、言い換えれば、インクジェット印刷技術により効果的に使用することができ、良好な画像印刷性能を提供するインク組成物を配合することが課題とされている。
本開示の態様を詳細に説明する前に、本開示が、別途記載がない限り、本明細書に開示の特定の材料及びプロセスに限定されるものではなく、ある程度変更可能であることを理解されたい。本明細書中で使用される専門用語が、特定の態様のみの説明を目的とするものであり、限定的な意図はなく、本発明の範囲は特許請求の範囲及びこれと同等のものによって規定されることも理解されたい。本願の例示的な組成物及び方法について説明し、特許請求する上で、以下の専門用語を使用する。「a」、「an」及び「the」が付された単数形を表す語は、文脈が明らかに別のものを記述しているのでなければ、複数の意味を含む。よって、例えば、「a pigment」という記載は、この材料の1つ以上という意味を含む。濃度、量及び他の数値データは、本明細書においては範囲の形式で示されていてよい。このような範囲の形式は、単に便宜及び簡潔さのために使用され、範囲の限界値として明記された数値のみならず、その範囲内に包含される個々の数値又は副次的な範囲の全てを、各数値及び副次的範囲が明記されているかのうように含むよう解釈されるべきことを理解されたい。例えば、約1重量%〜約20重量%の重量範囲は、1重量%〜約20重量%という明記された濃度限界のみならず、2重量%、3重量%、4重量%といった個々の濃度及び5重量%〜15重量%、10重量%〜20重量%等の副次的範囲をも含むと解釈すべきである。重量%は、本明細書によれば、重量基準のパーセントである。別途指示がなければ、全てのパーセントは重量基準である。標準の温度及び圧力は、20℃及び1気圧と規定されている。別途記載がなければ、粘性はcPで表され、25℃の温度で測定されている。
いくつかの態様では、本開示は、以下の式(I)又は(II)
Figure 0005801896
Figure 0005801896
[式中、Rは1〜10個の炭素原子のアルキル基であり、nは3〜10の整数である]を有するコゲーション防止剤を示す。いくつかの例では、コゲーション防止剤は、上記の式(I)及び/又は式(II)を有するモノエステル及びジエステルの混合物を指す。
いくつかの別の態様では、本開示は、インクビヒクル、着色剤を約0.1〜約10重量パーセント、及び以下の式(I)及び/又は式(II)
Figure 0005801896
Figure 0005801896
[式中、Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、nが3〜10の整数である]を有するモノエステル及びジエステルの混合物であるコゲーション防止剤を約0.01〜約10重量パーセントを含有するインク組成物を指す。
本明細書で規定するコゲーション防止剤を含有するインク組成物は、内部インクチャネル、発射チャンバ又はノズルにおいて生じ得るコゲーション現象及び詰まり現象を低減する。このような組成物は、インクの濾過性にも良好な影響を与える。よって、前記コゲーション防止剤を含有するインク組成物は、良好なコゲーション防止性能を有しながら濾過性の問題及び/又は潜在的なノズル詰まりの問題を回避するための手段を提供する。
本明細書に記載のコゲーション防止剤の使用は、詰まりによるトラブルを被ることなく、コゲーションによるトラブルを回避する。実際、いかなる理論に縛られることなく、コゲーション防止剤が金属イオンと反応せず、よって不溶の塩を生成しないと考えられる。このような不溶な塩は、沈殿し、プリントヘッドに設けられたフィルタに充填され、最終的にはインクのノズルへの流れを詰まらせるものである。したがって、このようなコゲーション防止剤を含有するインク組成物は、良好な詰まり防止特性と合わせて良好なコゲーション防止特性を示す。
さらに、本明細書に記載のコゲーション防止剤を含有するインク組成物は、改善された印刷特性を有する。実際、コゲーション及び詰まりの問題は、滴速度及び滴重量を減少させ、滴吐出の効率を減少させる傾向がある。インクジェットペンの寿命にわたっての滴重量の損失は、滴配置の正確性を低下させ、印刷媒体上でのインクの光学濃度を減少させ、よって、印刷品質を低下させる。
コゲーション防止剤とは、本明細書では、コゲーション作用を防止又は減少させる任意の成分を意味する。いくつかの態様では、コゲーション防止剤は、以下の式(I)又は式(II)
Figure 0005801896
Figure 0005801896
[式中、Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは3〜10の整数である]を有する。本明細書で用いられる場合には、nは、式(I)中のエトキシル化基及び式(II)中の両エステル置換部の数を示す。いくつかの例では、コゲーション防止成分は、本明細書で規定された式(I)及び/又は式(II)を有するモノエステル及びジエステルの混合物である。
コゲーション防止成分は、本明細書において規定するような式(I)のモノエステルコゲーション防止剤及び式(II)のジエステルコゲーション防止剤の混合物であってよく、式(I)のコゲーション防止剤が混合物の100%までに相当する。いくつかの例では、式(I)のコゲーション防止剤は混合物の90%までに相当する。いくつかの別の例では、式(I)のコゲーション防止剤は混合物の80%までに相当し、さらにいくつかの別の例では、式(I)のコゲーション防止剤は混合物の70%までに相当する。
よって、いくつかの別の態様では、コゲーション防止剤は、式(I)
Figure 0005801896
[式中、Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは3〜10の整数である]を有するモノエステルである。
式(I)及び/又は(II)において、Rは、直鎖の又は分枝したアルキル基であってよい。Rは、直鎖のアルキル基であってよく、各基は1〜10個の炭素原子を含有している。いくつかの例では、Rは、直鎖のアルキル基であってよく、各基は1〜8個の炭素原子を含有している。いくつかの別の例では、Rは、直鎖の置換された又は未置換のアルキル基である。さらにいくつかの別の例では、Rは、直鎖の未置換のアルキル基である。式(I)及び/又は(II)においては、Rは、1、2、3又は4個の炭素原子を有する直鎖のアルキル基であってよい。いくつかの例では、Rは、4個の炭素原子を有する直鎖のアルキル基である。いくつかの別の例では、Rは、−(CHCHである。
式(I)及び/又は(II)においては、nは、3〜10又は3〜7の整数であってよい。いくつかの例では、nは3又は4である、つまり、コゲーション防止剤は、3又は4個のエトキシル化基を含む疎水性の尾部を含有する。いくつかの別の例では、nは3である、つまり、コゲーション防止剤が、3個のエトキシル化基を含む疎水性の尾部を含有する。
いくつかの例では、コゲーション防止剤は、式(I)及び/又は式(II)を有するモノエステル及びジエステルの混合物であり、式中、Rは、4個の炭素原子を有する直鎖のアルキル基であり、nは3である。いくつかの別の例では、コゲーション防止剤は、式(I)及び/又は式(II)を有するモノエステル及びジエステルの混合物であり、Rは、−(CHCH又は−CH−CHであり、nは3である。さらにいくつかの別の例では、コゲーション防止剤は式(I)を有し、式中、Rは−(CHCHであり、nは3である。つまり、コゲーション防止剤は、次式
Figure 0005801896
を有する。
コゲーション防止剤は、トリ又はテトラエトキシリン酸エステルを有する純粋な短いアルキル鎖の混合物であってもよい。いくつかの例では、コゲーション防止剤は、リン酸塩のアルキルエーテルエステルである。
コゲーション防止剤は、純粋な溶剤、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、及びテトラエチレングリコールモノメチルエーテルの使用によって合成することができる。よって、このような純粋な溶剤は、ポリリン酸又は塩化ホスホリル(POCl)と混合することができる。いくつかの例では、このようなプロセスにより、ポリエトキシル化オリゴマーの混合物でなく、純粋な単一のオリゴマー成分を得ることができる。いくつかの例では、本明細書で規定されている式(I)及び/又は式(II)を有するコゲーション防止剤の製造方法は、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つの純粋な溶剤を、ポリリン酸又は塩化ホスホリル(POCl)と反応させることを含む。
本明細書に記載のコゲーション防止剤は、インク組成物中で使用することができる。いくつかの例では、インク組成物は、インクジェットインク印刷組成物である。インクジェット組成物という意味は、本明細書では、当該組成物が、インクジェット装置及び/又はインクジェット印刷プロセスでの使用のために極めて十分に適合されていることを指す。
いくつかの例では、インク組成物が、インクビヒクル、着色剤を約0.1〜約10重量パーセント、及びコゲーション防止剤を約0.01〜約10重量パーセント含有し、当該コゲーション防止剤が、式(I)及び/又は式(II)
Figure 0005801896
Figure 0005801896
[式中、Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは3〜10の整数である]を有するモノエステル及びジエステルの混合物である。 いくつかの別の例では、インク組成物が、インクビヒクル、着色剤を約0.1〜約10重量パーセント、及び式(I)
Figure 0005801896
[Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは3〜10の整数である]を有するコゲーション防止剤を約0.01〜約10重量パーセントを含有する。さらにいくつかの別の例では、インク組成物は、インクビヒクル、着色剤を約0.1〜約10重量パーセント、及び式(I)を有するコゲーション防止剤を約0.01〜約10重量パーセント含有し、式中、Rは−(CHCHであり、nは3である。
コゲーション防止剤は、インク組成物中に、インク組成物の全重量の約0.01〜約10重量パーセント(重量%)を示す量で存在していてよい。いくつかの例では、コゲーション防止剤は、約0.2〜約3重量パーセントを示す量で存在する。いくつかの別の例では、コゲーション防止剤は、インク組成物の全重量の約0.4〜約1重量パーセントを示す量で存在する。
インクのpHは、使用される着色剤の種類に応じて、約3〜約11の範囲にあってよい。いくつかの例では、本願のインクのpHは、約5〜約9であり、いくつかの別の例では、約5.5〜約7.5である。インク組成物のpHは、有機又は無機の酸又は塩基、つまり、pH調整剤を添加することによって調節することができる。このようなpH調整剤は、無機酸、例えば塩酸、リン酸及び硫酸を含む。有機酸は、非限定的に、メタンスルホン酸、酢酸及び乳酸を含む。無機塩基は、非限定的に、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸塩を含む。いくつかの例では、pH調整剤は、水酸化アンモニウムを含む。pH調整剤は、組成物の約0.1〜約1重量パーセントを示す量で使用することができ、又は組成物の約0.3〜約0.7重量パーセントを示す量で使用することができる。
インク組成物は、25℃で測定して、約1.0〜約10cps、又は約1.0〜約7.0cpsの粘性を有していてよく、これにより、所望のレオロジー的性質を達成することができる。インク組成物の粘性は、いわゆる当業者が扱いやすいように、例えば、有機溶剤、ワックス又は他の薬剤の量及び分子量の適切な選択をすることによって調整される。
インク組成物は、印刷後の伝達物に所望の色を付与する1つ以上の着色剤を含む。本明細書で用いられる場合、「着色剤」は、インクビヒクル中に懸濁又は溶解されていてよい染料、顔料、及び/又は他の粒子を含む。着色剤系は、約0.1〜約10重量パーセント(重量%)の量で又は約1〜約6重量パーセントの量で存在していてよい。いくつかの例では、着色剤系は、インク組成物の約1〜約4重量パーセントの量で存在している。
インクは、着色剤として顔料を含有していてよい。本明細書で用いられる場合には、「顔料」は、それが液体ビヒクル中で用いられる場合に当該液体ビヒクルに実質的に不溶である着色剤粒子を指す。顔料は、別個の分散剤を使用して分散されていてよいし、顔料の表面に結合された分散剤を有する自己分散性のものであってもよい。本明細書で用られる場合には、「自己分散性の」とは、例えば顔料の表面へ分散剤を化学的に結合させることによって、分散剤で機能化されている顔料を指す。分散剤は、小さな分子又はポリマー又はオリゴマーであってよい。分散剤は、そのような顔料に結合されて、顔料の外殻が電荷で終端するようになっていてよく、これにより、液体ビヒクル内で顔料粒子の凝集を低減する反発性を生じさせる。カーボンブラックを分散させる別の方法は、炭素の表面処理(例えばオゾンによる)を行い、炭素自体の表面上に帯電した官能基を形成することである。使用できる顔料は、自己分散性顔料、及び分散性顔料、例えば、表面に共有結合していない別個の分散剤によって分散された顔料の両方を含む。自己分散性顔料の場合には、分散剤は、典型的には前駆体の形態で調製され、その後、その前駆体を顔料に結合させて、顔料の表面を化学的に修飾する。分散剤は、様々な前駆体材料、例えばp−アミノ安息香酸、イソフタル酸、トリカルボン酸、カルボキシル基、スルホニル基、リン酸塩、オリゴマー、ポリマー、及びそれらの異性体を使用して、顔料に結合させることもできる。
ブラックを使用する場合には、ブラック顔料は、許容可能な光学濃度及び印刷特性を提供する任意の市販のブラック顔料であってよい。このようなブラック顔料は、様々な公知の方法、例えば、チャネル法、接触法、ファーネス法、アセチレン法、サーマル法によって製造することができ、Cabot Corporation、Columbian ChemicalsCompany、 Evonik、Mitsubishi及びE.I.DuPont de Nemours and Companyのような業者から市販されている。例えば、市販のカーボンブラック顔料は、Color Black FW 200、Color Black FW 2V、Color Black FW1、 Color Black FW18、 Color Black FW S160、 Color Black FW S170、95、85、75、55、45、300、35、25、 200、12を含むPrintex、及び4A、4、5、6、550、350、250を含むSpecial Black、BPll00、BP900、BP800、Ml100、M900、M800;Monarch 1400、Monarch 1300、Monarch 1000、Monarch 900、Monarch 880、及びMonarch 700;Cab−O−Jet 200及びCab−O−Jet 300;Raven 2500ultra、Raven 2000、Raven 7000、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、及びRaven3500;45B、並びにこれらの組合せを含む。
ブラックに加えて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブルー、オレンジ、グリーン、ピンク等の他の顔料着色剤を使用することができる。適切な有機顔料は、例えば、ジアゾ顔料及びモノアゾ顔料を含むアゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニンブルー及びフタロシアニングリーン、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジコ顔料、イソインドリノン顔料、ピラントロン顔料、及びキノフタロン顔料のようなフタロシアニン顔料)、不溶性染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート及び酸性染料型キレート)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アンサントロン顔料、例えばPR168、並びにこれらに類するものを含む。フタロシアニンブルー及びグリーンの代表的な例は、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン及びこれらの誘導体(Pigment Blue 15及びPigment Green 36)を含む。キナクリドンの代表的な例は、Pigment Orange 48、 Pigment Orange 49、Pigment Red 122、 Pigment Red 192、Pigment Red 202、 Pigment Red 206、Pigment Red 209、 Pigment Violet 19及びPigment Violet 42を含む。アントラキノンの代表的な例は、Pigment Red 43、 Pigment Red 194、Pigment Red 177、PigmentRed 216及びPigment Red 226を含む。ペリレンの代表的な例は、Pigment Red 123、Pigment Red 190、Pigment Red 189及びPigment Red 224を含む。チオインディゴイドのの代表的な例は、Pigment Red 86、 Pigment Red 87、Pigment Red 198、Pigment Violet 36、及びPigment Violet 38を含む。複素環式イエローの代表的な例は、Pigment Yellow 1、Pigment Yellow 12、Pigment Yellow 13、Pigment Yellow 14、Pigment Yellow 17、Pigment Yellow 73、Pigment Yellow 90、Pigment Yellow 110、Pigment Yellow 117、Pigment Yellow 120、Pigment Yellow128、Pigment Yellow 138、Pigment Yellow 150、Pigment Yellow 151、Pigment Yellow 155、及びPigment Yellow 213を含む。このような顔料は、粉体、プレスケーク又は分散液の形態で、多数の業者から市販されている。
顔料は、約5nm〜約10μmの粒径を有していてよく、いくつかの例では、顔料は、10nm〜約500nmの粒径を有していてよいが、顔料が分散された状態を維持でき且つ適切な印刷特性を提供できるのであれば、この範囲外のサイズも使用できる。
インク組成物は、着色剤として染料を含有していてもよい。インク組成物の調製における使用に適した染料の例は、非限定的に、イエロー染料、例えば、C.I.Yellow 19(C.I.13900A)、C.I.Yellow 21(C.I.18690)、C.I.Yellow 61、C.I.Yellow 80、FD&C Yellow #5、及びこれらに類するもの、オレンジ染料、例えば、C.I.Orange 1(C.I.11920)、C.I.Orange 37、及びこれらに類するもの、レッド染料、例えばC.I.Solvent Red 8、C.I.Red 81、C.I.Solvent Red 82、及びこれらに類するもの、ピンク染料、例えば、Diaresin Pink M(三菱化成工業社)、及びこれらに類するもの、ヴァイオレット染料、例えば、C.I.Solvent 8、及びこれらに類するもの、ブルー染料、例えば、C.I.Solvent Blue 2、C.I.Solvent Blue 11、及びこれらに類するもの、ブラック染料、例えばC.I.Solvent Black 3、Acid Black 123、及びこれらに類するものを含む。いくつかの顔料及び染料は、扱いやすい分散液で市販されており、本開示の態様によるインク組成物の調製において使用することができる。
本明細書において用いられる場合には、「液体ビヒクル」は、顔料を含む着色剤を基材へと運ぶために使用される任意の液体組成物を含むよう規定される。広範な液体ビヒクル成分を、本発明で使用することができる。このような液体ビヒクルは、様々な異なる薬剤の混合物を含んでいてよく、そのような薬剤は、非限定的に、他の界面活性剤、溶剤及び共溶剤、緩衝剤、殺生物剤、粘度調整剤並びに水を含む。いくつかの例では、液体ビヒクルは、インクジェット液体ビヒクルである。
有機溶剤は、液体ビヒクルの一部であってよい。有機溶剤は、多くの場合、組成物中に存在していてよい樹脂又は着色剤溶解度又は分散性を増大させるために使用される。任意の適切な有機溶剤を使用することができる。適切な類の有機溶剤の例は、極性溶剤、例えば、アミド、エステル、ケトン、ラクトン及びエーテルを含む。有機溶剤の例は、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド、スルホラン及びグリコールエーテルも含む。いくつかの例では、溶剤は、2−ピロリドン又は2−ピロリドンの誘導体、例えば、l−(2ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンである。いくつかの別の例では、液体ビヒクルは複数の溶剤を含む。
溶剤は、インク組成物の約0.1〜約30重量パーセントを示す量で使用することができるか、又はインク組成物の約8〜約25重量パーセントを示す量で使用することができる。
インク組成物は、水を含んでいてよい。このような水は、組成物のためのインクキャリアとして使用することができ、液体ビヒクルの一部となり得る。水は、インク組成物の残量を占め、重量基準で全組成物の約40〜約90重量パーセントを示す量で、又は約50〜約80重量パーセントを示す量で存在していてよい。水中で溶解された塩によるインクジェット先端の詰まりを防止するために、インク組成物の調製において脱イオン水を使用することができる。
水に加えて、様々な種類の薬剤をインク組成物中で利用することができ、これにより、インク組成物の特性が特定の用途のために最適化される。インク組成物は、任意の数の緩衝剤及び/又は殺生物剤を含んでいてもよい。一般に知られている任意の数の緩衝剤を、インク系において所望のpHレベルを構築するために使用することができる。加えて、様々な殺生物剤使用することができ、これにより、望ましくない微生物の成長が阻害される。適した殺生物剤のいくつかの例は、非限定的に、安息香酸塩、ソルビン酸塩、市販の製品、例えばNuosept(登録商標)(ISP)、 Ucarcide(登録商標)(Dow)、 Vancide(登録商標)(RT Vanderbilt Co.)、及びProxel(登録商標)(Avecia)、Kordek(登録商標)MLX(Rohm and Haas)及び公知の殺生物剤を含む。このような殺生物剤は、インク組成物の約5重量パーセント未満を示す量で含有されていてよい。いくつかの例では、殺生物剤は、インク組成物の約0.05〜約2重量パーセントを示す。
界面活性剤を使用することもでき、当該界面活性剤は、標準的な水溶性の界面活性剤、例えばアルキルポリエチレンオキサイド、アルキルフェニルポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド(PEO)ブロックコポリマー、アセチレン性PEO、PEOエステル、PEOアミン、PEOアミド、ジメチコンコポリオール、エトキシル化界面活性剤、フルオロ界面活性剤、及びそれらの混合物を含んでいてよい。いくつかの例では、界面活性剤として、フルオロ界面活性剤又はエトキシル化界面活性剤を使用することができる。使用する場合には、界面活性剤は、約0.001〜約10重量パーセントで存在していてよく、いくつかの例では、インク組成物の約0.001〜約0.1重量パーセントで存在していてよい。
インク組成物は、ラテックスを含有していてよい。ラテックスは、ラテックス粒子、並びにラテックス粒子が分散されている水性媒体の両方を含む。ラテックスは、液体(例えば、水及び/又は別の液体)及びサイズ約20nm〜約500nmのポリマー粒子を含む液体懸濁液である。一例として、ポリマー粒子は、液体中に約0.5〜約20重量パーセントで存在していてよい。このようなポリマー粒子は、大抵の場合ランダム重合しており且つ架橋していてよい複数のモノマーを含有していてよい。自己分散性であり且つ機能化されたラテックスポリマーを含む市販の任意のラテックスポリマーを、インク組成物中で使用できる。ラテックスポリマーを、コモノマーを分散させ、エマルジョンの不連続相中で重合させる多数の公知の乳化重合技術のうち任意のものを使用して、調製することができる。使用可能なモノマーは、エチルアクリレート又はメタクリレート;ベンジルアクリレート;ベンジルメタクリレート;プロピルアクリレート;プロピルメタクリレート;ブチルアクリレート;ブチルメタクリレート;ヘキシルアクリレート;ヘキシルメタクリレート;オクタデシルメタクリレート又はオクタデシルアクリレート;ラウリルメタクリレート又はラウリルアクリレート;ヒドロキシエチルアクリレート又はヒドロキシエチルメタクリレート;ヒドロキシヘキシルアクリレート又はヒドロキシヘキシルメタクリレート;ビニルエチルケトン;ビニルプロピルケトン;ビニルヘキシルケトン;ビニルオクチルケトン;ビニルブチルケトン;シクロヘキシルアクリレート;メトキシシラン;トリフルオロメチルスチレン;トリフルオロメチルアクリレート;トリフルオロメチルメタクリレート;イソブチルアクリレート;イソブチルメタクリレート;2−エチルヘキシルアクリレート;2−エチルヘキシルメタクリレート;イソオクチルアクリレート;イソオクチルメタクリレート等を含む。
いくつかの例では、インクビヒクル、着色剤を約0.1〜約10重量パーセント、及び式(I)及び/又は式(II)
Figure 0005801896
Figure 0005801896
[Rは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは3〜10の整数である]を有するモノエステル及びジエステルの混合物であるコゲーション防止成分を約0.01〜約10重量パーセントを含有するインク組成物を、加熱された環境中に基材上に印刷画像を形成する方法において使用できる。本方法は、インク組成物の滴の流れを媒体基材上に発射し、所望の印刷画像を形成することを含む。インクジェットインク組成物は、任意の適切なインクジェット印刷技術によって、基材上に構築することができる。このようなインクジェット印刷技術の非限定的な例は、サーマル式、音響式、及び圧電式のインクジェット印刷を含む。いくつかの例では、本明細書に記載のインク組成物は、サーマル式インクジェットプリンタにおいて使用される。
画像は、多孔質の及び非多孔質の基材上に、いくつかの例では多孔質の基材上に、本明細書に記載のインク組成物を使用して印刷することができる。いくつかの別の例では、基材は、紙(その非限定的な例は、普通コピー用紙若しくはその中に再生繊維を有する紙を含む)又は写真紙(その非限定的な例は、紙の片面又は両面上にポリエチレン又はポリプロピレンが押し出されたものを含む)、及び/又はこれらの組合せである。基材は、実質的に全長に沿って約0.025mm〜約0.5mmの厚みを有していてよい。いくつかの例では、印刷された基材は、任意のプラスチックのコート媒体(屋外の看板で使用されるような)及びトレース媒体(建築図面用の)であってよい。本明細書で用いられる場合には、「画像」とは、可視性の又は非可視性のインク組成物によって基材上に堆積させた、マーク、記号、符号、図形、標識及び/又は外観を指す。画像の例は、文字、単語、数字、英数字、句読点、テキスト、線、下線、ハイライト及びこれらに類するものを含み得る。
いくつかの例では、長期間にわたりインクジェット印刷する方法は、媒体基材上にインクジェットインクを噴射させることを含み、当該インクジェットインクが、インクビヒクル、着色剤を約0.1〜約10重量パーセント、及び式(I)及び/又は式(II)
Figure 0005801896
Figure 0005801896
[式中、Rは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは3〜10の整数である]を有するモノエステル及びジエステルの混合物であるコゲーション防止成分を約0.01〜約10重量パーセントを含む。いくつかの例では、コゲーション防止成分は、式(I)及び/又は式(II)[式中、Rは−(CHCHであり、nは3である]を有するモノエステル及びジエステルの混合物を指定する。
インクジェットプリントヘッドの耐用年数を長期化する方法は、オリフィスからインクを吐出させることを含み、当該インクは、インクビヒクル、着色剤を約0.1〜約10重量パーセント、式(I)及び/又は式(II)
Figure 0005801896
Figure 0005801896
[式中、Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは3〜10の整数である]を有するモノエステル及びジエステルの混合物であるコゲーション防止成分を約0.01〜約10重量パーセント含有する。
本明細書に開示のコゲーション防止剤をインク組成物中に導入することによって、抵抗体のコゲーション現象が低減し、加えて、内部のインクチャネル、発射チャンバ又はプリントヘッドのノズル中で起こり得る詰まり現象が改善し、又は実質的になくなりさえする。よって、このようなインク組成物の使用によって、そのようなインクを担持するインクジェットペン(及び特に、サーマル式インクジェットペン)の寿命が概して延びる。
以下の例に、現時点で最良として知られる開示のいくつかの態様を例示する。しかし、以下の例が、本発明の原理の応用の例示にすぎないことを理解されたい。
式(I)及び/又は(II)[式中、RはCであり、nは3である]を有するコゲーション防止剤(化合物I)を合成する。2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エチルホスフェートを、ポリリン酸と純粋な溶剤トリエチレングリコールモノエチルエーテルとの反応により調製する。ポリリン酸6.09g及びトリエチレングリコールモノエチルエーテル(99%溶剤)10.67gを合わせ、マグネチックスターラーで混合しながら76℃まで21時間加熱する。水0.30gを添加し、混合物を、さらに76℃でさらなる24時間加熱する。そして、反応混合物の一部を水で希釈し、分取HPLC(semi−preparative HPLC)で脱塩する。そして、前記反応混合物5.49gを、水(計27.49g)中に溶解し、200mg/gの溶液を得る。各300μLの計81回の注入をそれぞれ、9.4×250mm、5μmのZorbax(登録商標)XDB−C8 semi−prepHPLCカラムに対し、次の条件、つまりカラム温度40℃;流量3.6mL/分であり、グラジエント条件:Aq.(水相)=水中でギ酸20mM;Org(有機相)=メタノール、0.0分で10%Org、3.5分で10.0%Org、4.0分で98.0%Org、12.0分で98.0%Orgで行った。ポストラン再平衡化時間は、6.0分である。生成物は、5.80分〜9.00分でカラム流出液を回収することによって分離する。収集された留分は丸底フラスコ中に集められ、ロータリーエバポレータにより蒸発乾固し、3.58gの薄い黄色の油性の残滓が得られる。分離した生成物の分析によれば、その生成物は、ホスフェートのモノエステル89%及びホスフェートのジエステル11%を含有する。
式(I)及び/又は(II)[式中、RはCであり、nは3である]を有するコゲーション防止剤(化合物III)を合成する。2−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]エチルホスフェートを、ポリリン酸と純粋な溶剤トリエチレングリコールモノブチルエーテルとの反応によって調製する。ポリリン酸7.06g及びトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(99%純粋溶剤)22.24gを合わせ、マグネチックスターラーで混合しながら90℃まで20時間加熱する。未処理の反応混合物9.87gを、酸塩基抽出によりさらに精製し、残滓の遊離アルコール及びリン酸を除去する。前記混合物9.87gを水50mL及び1M水酸化ナトリウム70mLで希釈し、pHを12とする。水溶液を、分離漏斗に入れ、ジクロロメタン100mLを用いて抽出を行う。2相をシェイク撹拌した後、それを一晩にわたり分離させる。過剰のアルコール、疎水性の不純物、及び色のほとんどを含有するジクロロメタン層を廃棄する。分離漏斗中の水溶液を、4M塩酸40mLを添加して酸性化する。塩化ナトリウム10.08gを添加し、溶解させ、これにより、イオン強度を増大させ、抽出収率を向上させる。そして、溶液を、ジクロロメタン各100mLによって7回抽出し、回収されたジクロロメタン抽出物の全てを集める。そして、ジクロロメタンをロータリー真空エバポレータにより蒸発乾固させ、薄い黄色の油性の残滓4.66gを得る。分離された生成物の分析によれば、当該生成物は、ホスフェートのモノエステル75%及びホスフェートのジエステル25%を含有する。
いくつかのコゲーション防止剤(I、II、III、IV及びV)を上述のようなプロセスにしたがって合成する。その各コゲーション防止剤の式を、表1に示す。成分VIは、Croda Inc.から入手可能なCrodafos(登録商標)N3Aである。成分VIIは、Croda Inc.から入手可能なCrodafos(登録商標)N10Aである。
Figure 0005801896
インク組成物A〜Hを、以下の表2にしたがって調製する。全ての数値は、インク組成物の全重量に対する各成分の重量パーセントを指す。実施例1で説明したコゲーション防止剤をインク組成物A〜Gにおいて使用する。インク配合物Hは、比較インク配合物であり、コゲーション防止剤を何も含有していない。
Figure 0005801896
Surfynol SEFは、Air Productsより入手可能な界面活性剤である。Joncryl 683は、Johnson Waxより入手可能なアクリル樹脂である。Proxel(登録商標)GXLは、Zenecaから入手可能な殺生物剤である。Crodafos(登録商標)N−3 acidは、Croda Incから入手可能である。Liponic(登録商標)EG−1は、Dow Corningから入手可能な界面活性剤である。Kordek(登録商標)MLXは、Rohm and Haasから入手可能な殺生物剤である。Dissolvine(登録商標)EDG及びDissolvine(登録商標)45 Sは、AkzoNobel Corpから入手可能である。Trilon(登録商標)Mは、BASF Corpから入手可能である。
a−コゲーション性能
インク組成物を、そのコゲーションを低減する能力について評価する。インク配合物A〜Hを、3つの異なるサーマル式インクジェット機構に充填し、まず、安定状態の滴重量に関連するベースラインの読みで発射する。各インク組成物を、各印刷機によって、1000MDPN(ノズル当たり百万滴)で(ノズル当たり10億で)印刷する。ノズルサイズは約20μmである。コゲーション性能は、多量の体積のインクが発射された後、維持されている滴重量を測定することによって判定される。コゲーション試験は、複数のマルチリピートペンによって行い、平均の結果を得る。滴重量データは、2、4、6、8、10、20、50、60、70、80、90及び100MNDPで収集した。滴重量変化は、インク組成物A〜Hそれぞれについて測定され、100百万滴/ノズル以上で、パーセント(%DW変化)で表現される。結果を表3に示す。
Figure 0005801896
b−濾過性能
表2のインク配合物A〜Hを、その濾過特性について分析する。濾過性能は、インク組成物の詰まり防止の利点、つまり、プリントヘッドに存在するノズル及びフィルタを詰まらせない能力を表す。
インク組成物の濾過時間は、各インク15gを1μm孔サイズフィルタを通すことによって評価される。そして、インク組成物には、金属塩溶液(Ca2+)を混ぜる。カルシウムのこのような添加によって、フィルタを詰まらせ得る沈殿物の量が様々得られる。濾過性能はインクを詰まらせる傾向と関連しており、濾過時間がより短いほど詰まり防止作用はより良い。結果を下の表4にまとめる。表4は、フィルタインク15グラムを濾過するのに必要な時間(単位は秒)を表す。
Figure 0005801896

Claims (11)

  1. 式(I)又は(II)
    Figure 0005801896

    Figure 0005801896

    [式中、Rは3個もしくは4個の炭素原子を有する直鎖の非置換のアルキル基であり、nは3もしくは4の整数である]を有するコゲーション防止剤。
  2. 前記式(I)及び/又は(II)中、Rは−(CHCHであり、nは3である、請求項1に記載のコゲーション防止剤。
  3. a.インクビヒクル、
    b.着色剤を0.1〜10重量パーセント、
    c.コゲーション防止剤を0.01〜10重量パーセント
    を含むインク組成物であって、
    前記コゲーション防止剤が、式(I)及び/又は(II)
    Figure 0005801896
    Figure 0005801896
    [式中Rは3個もしくは4個の炭素原子を有する直鎖の非置換のアルキル基であり、nは3もしくは4の整数である]を有する化合物の混合物である、インク組成物。
  4. 前記コゲーション防止剤が(I)及び/又は(II)を有し、式中、Rが−(CHCHであり、nが3である、請求項3に記載のインク組成物。
  5. 前記コゲーション防止剤が、前記インク組成物の0.2〜3重量パーセントを示す量で存在する、請求項3もしくは4に記載のインク組成物。
  6. 前記着色剤が、インク組成物の1〜6重量パーセントを示す量で存在する、請求項3〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 前記着色剤が顔料である、請求項3〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 前記インク組成物が、ラテックスをさらに含む、請求項3〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
  9. 請求項1もしくは2に記載のコゲーション防止剤の製造方法であって、
    トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つの純粋な溶剤を、ポリリン酸又は塩化ホスホリル(POCl)と反応させることを含む、方法。
  10. 印刷画像を媒体基材上に形成する方法であって、
    インク組成物の滴の流れを発射することを含み、当該インク組成物が、インクジェットビヒクル、着色剤を0.1〜10重量パーセント、及びコゲーション防止剤を0.01〜10重量パーセントを含有し、前記コゲーション防止剤が、式(I)及び/又は(II)
    Figure 0005801896

    Figure 0005801896

    [式中、Rは、3個もしくは4個の炭素原子を有する直鎖の非置換のアルキル基であり、nは3もしくは4の整数である]を有する化合物の混合物である、方法。
  11. 前記インク組成物が、サーマル式インクジェットプリンタによって、媒体基材上に構築される、請求項10に記載の印刷画像を媒体基材上に形成する方法。
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