JP5800138B2 - インクジェット捺染装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送される被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドを備えたインクジェット捺染装置に関する。
アパレル(衣服)メーカーやテキスタイル(布地)メーカーでは、従来から生地本体表面に図柄等をプリントする「捺染」が広く行われている。
そして、捺染を行う捺染装置として、捺染ヘッドから吐出されたインクを被捺染材に直接付着させて捺染を実行するインクジェット捺染装置も開発されている。
この様なインクジェット捺染装置に特有の技術的課題として、被捺染材(例えば、布帛)のセッティングがある。例えば、布帛は印刷用紙とは異なり伸縮し易い性質を有しており、また、皺も生じ易く、これらが捺染結果に悪影響を及ぼす虞がある。
特許文献1には、柔軟な素材に対しても正確かつ確実に印刷を施すことを目的として、多数の細孔を備えた支持面と、細孔を通して被印刷物を吸引する吸引手段と、を備えた印刷補助ガイドが示されている。この印刷補助ガイドによれば、多数の細孔を通して被印刷物を吸引することによって被印刷物を支持面に沿った姿勢に吸着保持できるので、この様な印刷補助ガイドに被印刷部をセットし、その印刷補助ガイドを搬送して印刷を行うことで、適切な印刷結果を得ることができる。
また、特許文献2には、プラテンの周囲に挿嵌してプラテンに載置された被印刷体に張力を与える枠を備えたプラテン装置が開示されている。このプラテン装置によれば、被印刷体をプラテンにセットすることが容易になると同時に、セット不良が起こりにくいといった作用効果が得られる。
特開2004−224496号公報 特開2003−312069号公報
ところで、布帛は印刷用紙とは異なり一方側の面から吸引を行うと他方側の面に気流の乱れを生じ易いため、特許文献1記載の印刷補助ガイドを利用した場合、インク着弾精度が低下し、所望する捺染結果が得られない虞がある。
また、特許文献2に記載のプラテン装置にあっては、被印刷体が載置されたプラテンに枠を嵌める構成であるので、厚手の被印刷体に対応できない場合があるとともに、枠のセット時に被印刷体が伸びてしまい、所望する捺染結果が得られない虞がある。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、被捺染材に不適切なテンションをかけることを防止し或いは前記テンションを抑えるとともに、インク着弾精度への悪影響を抑えた被捺染材のセット構造を備えたインクジェット捺染装置を提供することにある。
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係るインクジェット捺染装置は、被捺染材を吸引する吸引孔が複数形成された載置台と、前記載置台に載置された被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドと、を備え、前記吸引孔が、被捺染材へ捺染を行う捺染領域の外に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、被捺染材は載置台に形成された複数の吸引孔により吸引される構成であるので、被捺染材に不適切なテンションを付与することなく載置台上に保持することができる。また、前記吸引孔は被捺染材へ捺染を行う捺染領域の外に設けられているので、吸引孔による被捺染材の吸引が、捺染ヘッドから吐出されたインクの着弾精度に悪影響を抑える程度を軽減でき、或いは前記悪影響を防止でき、以上により適切な捺染結果を得ることができる。
尚、本明細書において「被捺染材」とは、捺染の対象となる「布地」や「衣服その他の服飾製品」等を意味する。「布地」には、綿、絹、羊毛等の天然繊維やナイロン等の化学繊維あるいはこれらを混ぜた複合繊維の織物、編物、不織布等が含まれる。
また、「衣服その他の服飾製品」には、縫製後のTシャツ、ハンカチ、スカーフ、タオル、手提げ袋、布製のバッグ、カーテン、シーツ、ベッドカバー等のファニチャーの類の等の他、縫製前の状態のパーツとして存在する裁断前後の布地等も含まれる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記吸引孔は、前記載置台において被捺染材を載置する載置面上に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、前記吸引孔は、前記載置台において被捺染材を載置する載置面上に設けられているので、被捺染材を載置面上に沿わせることで平坦性を確保でき、より適切な捺染結果を得ることができる。
本発明の第3の態様は、被捺染材を吸引する吸引孔が複数形成された載置台と、前記載置台に載置された被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドと、を備え、前記捺染ヘッドからのインク吐出時には、少なくとも前記複数の吸引孔のうち被捺染材へ捺染を行う捺染領域内の吸引孔による吸引が行われないことを特徴とする。
本態様によれば、被捺染材は載置台に形成された複数の吸引孔により吸引される構成であるので、被捺染材に不適切なテンションを付与することなく載置台上に保持することができる。また、前記捺染ヘッドからのインク吐出時には、少なくとも前記複数の吸引孔のうち被捺染材へ捺染を行う捺染領域内の吸引孔による吸引が行われないので、吸引孔による被捺染材の吸引が、捺染ヘッドから吐出されたインクの着弾精度に悪影響を与える程度を軽減でき、或いは前記悪影響を防止でき、以上により適切な捺染結果を得ることができる。
本発明の第4の態様は、被捺染材を吸引する吸引孔が複数形成された載置台と、前記載置台に載置された被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドと、を備え、前記捺染ヘッドからのインク吐出時には、少なくとも前記複数の吸引孔のうち前記捺染ヘッドと対向する吸引孔による吸引が行われないことを特徴とする。
本態様によれば、被捺染材は載置台に形成された複数の吸引孔により吸引される構成であるので、被捺染材に不適切なテンションを付与することなく被捺染材を載置台上に保持することができる。また、前記捺染ヘッドからのインク吐出時には、少なくとも前記複数の吸引孔のうち前記捺染ヘッドと対向する吸引孔による吸引が行われないので、吸引孔による被捺染材の吸引が、捺染ヘッドから吐出されたインクの着弾精度に悪影響を与える程度を軽減でき、或いは前記悪影響を防止でき、以上により適切な捺染結果を得ることができる。
本発明の第5の態様は、第2から第4の態様のいずれかにおいて、前記載置台において被捺染材を載置する載置面上に設けられた複数の吸引孔は、前記載置面上の一端側から他端側に向かって吸引のオンオフ切り換えが可能に構成されており、前記吸引孔による被捺染材の吸引は、前記載置面上の一端側から他端側に向かって順次実行されることを特徴とする。
本態様によれば、前記複数の吸引孔は、前記載置面上の一端側から他端側に向かって吸引のオンオフ切り換えが可能に構成されており、前記吸引孔による被捺染材の吸引は、前記載置面上の一端側から他端側に向かって順次実行されるので、被捺染材を載置台に載置した際に皺が形成されていても、上記所定方向に沿った吸引の順次実行によって皺の伸ばし効果が期待でき、より適切な捺染結果を得ることができる。
本発明の第6の態様は、第1の態様において、前記吸引孔は、前記載置台の側面に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、前記吸引孔は、前記載置台の側面に設けられているので、前記載置台の載置面全域を捺染領域として利用することができ、載置台の小型化を図ることができる。
本発明に係るインクジェット捺染装置の外観斜視図。 本発明に係るインクジェット捺染装置の側面図。 被捺染材及び載置台に載置された被捺染材の状態を示す図。 第1実施形態に係る載置台の斜視図。 第2実施形態に係る載置台の斜視図。 (A)、(B)は第3実施形態に係る載置台の平面図。 第4実施形態に係る載置台の斜視図。 (A)〜(C)は第5実施形態に係る載置台の正面拡大図。 領域毎の吸引オンオフ切り換えを行う構成の一例を示すブロック図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、以下説明する実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることを前提として、以下本発明の一実施形態を説明するものとする。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェット捺染装置1の外観斜視図、図2は同側面図、図3は被捺染材P及び載置台17Aに載置された被捺染材Pの状態を示す図、図4は第1実施形態に係る載置台17Aの斜視図である。また、図5は第2実施形態に係る載置台17Bの斜視図、図6(A)、(B)は第3実施形態に係る載置台17Cの平面図、図7は第4実施形態に係る載置台17Dの斜視図、図8(A)〜(C)は第5実施形態に係る載置台17Eの正面拡大図である。更に、図9は領域毎の吸引オンオフ切り換えを行う構成の一例を示すブロック図である。
尚、図中においてx−y−z座標系は説明の便宜上方向を示したものであり、z方向は鉛直(重力)方向、y方向が被捺染材Pの搬送方向(載置台の移動方向)、x方向がy方向及びz方向と直交する方向である。
図1、図2に示す様にインクジェット捺染装置1は、装置本体2の底部にガイドテーブル10を備え、このガイドテーブル10上を載置台17Aが移動するよう構成されている。より詳しくは、ガイドテーブル10にはy方向に平行なガイド軸11がx方向に所定間隔を空けて配置されており、このガイド軸11、11によって、ベース15がy方向にガイドされる様になっている。
2本のガイド軸11、11の間には、無端ベルト12が、y方向に沿って駆動プーリー13と従動プーリー14との間に係回されており、この無端ベルト12の一部にベース15が固定されている。駆動プーリー13は図示を省略するモーターによって回転駆動され、これにより無端ベルト12が稼働すると、ベース15がy方向に移動する様になっている。
このベース15には軸16が立設され、この軸16上に載置台17Aが取り付けられている。載置台17Aは、その上面が被捺染材Pを載置する載置面17aとなっており、載置面17a上に被捺染材Pを図3に示す様に載置し(図3の被捺染材Pは一例としてTシャツを示している)、被捺染材Pが載置された載置台17Aがy方向に移動することで、被捺染材Pは捺染ヘッドとしてのインクジェットヘッド23の下を通過できる様になっている。
載置台17Aの内側には空洞部17eが形成されており、ベース15上に配置された吸引ファン装置25と空洞部17eとがチューブ26によって接続されている。載置台17Aには、空洞部17eと連通する多数の吸引孔18(後述)が形成されており、吸引ファン装置25の稼働により、載置台17A上に載置された被捺染材Pが吸引される様になっている。
次いで、インクジェット捺染装置1の装置前面右側には各種操作を行う為の操作パネル6が配置されており、装置前面において載置台17Aを挟んで操作パネル6の反対側(装置左側)にはインクカートリッジを収容するインクカートリッジ収容部8が設けられている。
インクカートリッジ収容部8に収容されたインクカートリッジからインクが供給される、捺染実行部を構成するインクジェットヘッド23は、インクを吐出するためのノズル孔(不図示)が複数並んだノズル列(不図示)を複数有する、公知の構造のインクジェットヘッドである。そしてこのインクジェットヘッド23は搬送方向yと交差するx方向(図2において紙面面裏方向)に往復駆動されるキャリッジ22に搭載されている。
尚、インクジェット捺染装置1は、インクジェットヘッド23が搬送方向yと交差するx方向に移動しながらインクを吐出する所謂シリアル式として説明したが、インクジェットヘッド23はラインヘッドであってもよいし、またこのラインヘッドが固定的に設けられていても、或いは搬送方向yに移動可能に設けられていても、いずれであっても良いのは勿論である。
そして載置台17Aが仮想線及び符号17A’で示す位置にまで搬送され(捺染開始位置)、載置台17Aの装置前方側(図2において左側)への移動と、インクジェットヘッド23からのインク吐出と、が交互に行われ、捺染が実行される。被捺染材Pへのインクの吐出が終了すると、載置台17Aは図2の実線で示す位置(被捺染材Pのセット位置)にまで戻り、インクが吐出された被捺染材Pを取り出すことができる様になっている。
■■■第1実施形態■■■
続いて、載置台17Aについて図4を参照しつつ更に詳説する。図4において符号Saは、被捺染材Pへ捺染を行う捺染領域を示しており、本実施形態では捺染領域Saは載置面17aの面積より小さく、載置面17aの中央部に設定されている。上述したインクジェットヘッド23は、図示を省略する制御部の制御のもと、捺染領域Saに対してインクを吐出する。
そして本実施形態に係る載置台17Aは、被捺染材Pを吸引する吸引孔18が、載置面17a上に設けられており、且つ、捺染領域Saの外に設けられている。符号Sbは、吸引孔18が形成された吸引領域を示しており、この吸引領域Sbは、本実施形態では捺染領域Saを囲うようにして形成されている。
以上の構成により、被捺染材Pは載置台17Aに形成された複数の吸引孔18により吸引されるので、被捺染材Pに不適切なテンションを付与することなく載置台17A上に被捺染材Pを保持することができる。そして、吸引領域Sbは捺染領域Saの外に設けられているので、吸引孔18による被捺染材Pの吸引が、インクジェットヘッド23から吐出されたインクの着弾精度に悪影響を与える程度を抑え、或いは前記悪影響を防止することができ、以上により適切な捺染結果を得ることができる。
尚、本実施形態では吸引領域Sbは、捺染領域Saを囲うようにして形成しているが、捺染領域Sbに対し例えばy方向の両側や、或いはx方向の両側に形成するようにしても良い。
■■■第2実施形態■■■
次に、図5は第2実施形態に係る載置台17Bを示すものである。載置台17Bは、第1実施形態に係る載置台17Aと異なり、捺染領域Saにも吸引孔18が形成されている。しかしながら、少なくともインクジェットヘッド23からのインク吐出時には、捺染領域Sa内の吸引孔18による吸引が行われない様に制御される。
従って上述した第1実施形態と同様に、吸引孔18による被捺染材Pの吸引が、インクジェットヘッド23から吐出されたインクの着弾精度に悪影響を与える程度を抑え、或いは前記悪影響を防止することができ、以上により適切な捺染結果を得ることができる。
尚、捺染領域Saと吸引領域Sbの吸引の切り換えは、例えば以下の様にして行われる。載置台内部の空洞部17eは、捺染領域Sa用の空洞部(不図示)と吸引領域Sb用の空洞部(不図示)とで専用となる様に区画されており、各空洞部(各吸引領域)と吸引ファン装置25とがそれぞれ専用のチューブ26で接続されている。
そして、捺染領域Sa用の空洞部に至るチューブ26には、開閉バルブ(不図示)が介設されている。この開閉バルブのオンオフにより、捺染領域Sa内の吸引孔18による吸引オンオフ切り換えが実行可能となる。尚、吸引領域Sbに対しては、開閉バルブ(不図示)は必ずしも設ける必要はない。
図9は以上の構成を一般化して示したブロック図であり、上述した2つの領域(捺染領域Saと吸引領域Sb)に限らず、更に多くの領域(吸引孔領域1,2,3,・・・)を区画した場合であっても、それぞれの吸引孔領域と吸引ファン装置25とを結ぶエア流路に開閉バルブ(開閉バルブ1,2,3,・・・)を介在させることにより、所望するタイミングで吸引孔18による吸引のオンオフ切り換えが実行可能となる。尚、制御部27は、各開閉バルブ及び吸引ファン装置25を制御する制御手段である。
但し、各吸引孔領域の吸引オンオフ切り換えを実行する為の構成としては上記構成に限られないことは言うまでもなく、例えば吸引孔の内側にシャッターの様な遮蔽手段を設け、当該シャッターを駆動することで吸引オンオフ切り換えを行うように構成することもできる。
■■■第3実施形態■■■
次に、図6は第3実施形態に係る載置台17Cを示すものである。載置台17Cは、捺染領域Saにも吸引孔18が形成されているとともに、載置台17Cの移動方向(Y方向)に沿って複数領域(R1、R2、・・・、R8)毎に吸引オンオフ切り換えが可能に構成されている。
インクジェットヘッド23がx方向に移動しながらインクを吐出するとき、例えば図6(A)の場合には領域R1、R2がインクジェットヘッド23と対向することとなるので、この場合には領域R1、R2については吸引をオフとし、他の領域については吸引をオンとする。
即ち、インクジェットヘッド23からのインク吐出時には、少なくとも複数の吸引孔18のうちインクジェットヘッド23と対向する吸引孔18による吸引が行われない。これにより、吸引孔18による被捺染材Pの吸引がインクジェットヘッド23から吐出されたインクの着弾精度に悪影響を与える程度を抑え、或いは前記悪影響を防止することができ、以上により適切な捺染結果を得ることができる。加えて、インクジェットヘッド23と対向しない他の領域は吸引のオンが継続されるので、被捺染材Pがずれることなく確実に載置台上に保持される。
ところで、載置台17Cを利用した他の制御として、被捺染材Pへの捺染開始前に、載置面17a上の一端側から他端側に向かって吸引を順次実行することも好適である。例えば、ユーザーが被捺染材Pを載置台17Cにセットする際には領域R1〜R8のすべてについて吸引をオフとする。そして、ユーザーが被捺染材Pを載置台17Cにセットした後、被捺染材Pへの捺染開始前に、吸引を領域R1、R2、・・・の順に、順次開始する。この様に吸引を実行することで、被捺染材Pを載置台17Cに載置した際に形成された皺を伸ばす効果が期待でき、より適切な捺染結果を得ることができる。尚、この様な皺伸ばし効果を効果的に得る為には、載置面17aは滑りやすい面であることが好ましい。
■■■第4実施形態■■■
次に、図7は第4実施形態に係る載置台17Dを示すものである。載置台17Dは、吸引孔18が、載置面17a上ではなく、側面(載置台移動方向に対しての側面)17bに形成されている(一方側ではなく、両側の側面)。これにより、載置面17aの全域を捺染領域として利用することができるので、載置台の小型化を図ることができる。尚、本実施形態では吸引孔18を載置台移動方向に対する側面17bに形成したが、載置台移動方向に面する2つの側面17cに形成しても良いし、或いはすべての側面に形成しても良い。
■■■第5実施形態■■■
次に、図8は第5実施形態に係る載置台17Eを示すものである。載置台17Eは、上記第4実施形態と同様に吸引孔18が載置面17a上ではなく両側面17bに形成されているが、上部に弾性材20が、y方向に沿って(y方向全域に亘って)設けられている。図8(A)は被捺染材Pのセット前の状態であり、この状態から、図8(B)に示す様に被捺染材Pをセットする際に弾性材20を圧縮させながら(矢印F)、被捺染材Pを側面17b(吸引孔18)に吸着させる。
そしてユーザーが手を離すと、弾性材20が元の大きさに復帰しようとするので、これが図8(C)の矢印fで示す様に被捺染材Pを伸ばすように作用し、これにより被捺染材Pに形成された皺が伸ばされ、良好な捺染結果を得ることができる。尚、弾性材20の材料、大きさ等の調整により、被捺染材Pに過剰な引っ張りを与えることを防止できる。
以上説明した各実施形態は一例であり、本発明がこれら各実施形態に限られないことは言うまでもない。尚、上記各実施形態では、吸引孔18は載置台17に形成されているが、必ずしも載置台17に形成されている必要はない。例えば、載置台17の周囲に吸引孔18を形成した吸引部を設けても良く、一例としては載置台17の側面17bと対向する位置に吸引孔18を形成した吸引部を設けても良い。これにより、被捺染材Pを或る程度引っ張る効果が期待でき、即ち皺伸ばし効果が期待できる。
また加えて、本発明は布帛等の被捺染材にインクを吐出するインクジェット捺染装置に対して適用したが、記録用紙等の被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置に適用することも可能である。
1 インクジェット捺染装置、2 装置本体、6 操作部、8 インクカートリッジ収容部、10 ガイドテーブル、11 ガイド軸、12 無端ベルト、13 駆動プーリー、
14 従動プーリー、15 ベース、16 軸、17A〜17E 載置台、17a 載置面、17b、17c 側面、18 吸引孔、20 弾性材、22 キャリッジ、23 インクジェットヘッド、25 吸引ファン装置、26 チューブ、27 制御部、P 被捺染材

Claims (6)

  1. 被捺染材を吸引する吸引孔が複数形成された載置台と、
    前記載置台に載置された被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドと、を備え、
    前記吸引孔が、被捺染材へ捺染を行う捺染領域の外に設けられている、
    ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット捺染装置において、前記吸引孔は、前記載置台において被捺染材を載置する載置面上に設けられている、
    ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
  3. 被捺染材を吸引する吸引孔が複数形成された載置台と、
    前記載置台に載置された被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドと、を備え、
    前記捺染ヘッドからのインク吐出時には、少なくとも前記複数の吸引孔のうち被捺染材へ捺染を行う捺染領域内の吸引孔による吸引が行われない、
    ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
  4. 被捺染材を吸引する吸引孔が複数形成された載置台と、
    前記載置台に載置された被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドと、を備え、
    前記捺染ヘッドからのインク吐出時には、少なくとも前記複数の吸引孔のうち前記捺染ヘッドと対向する吸引孔による吸引が行われない、
    ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
  5. 請求項2から4のいずれか1項に記載のインクジェット捺染装置において、前記載置台において被捺染材を載置する載置面上に設けられた複数の吸引孔は、前記載置面上の一端側から他端側に向かって吸引のオンオフ切り換えが可能に構成されており、
    前記吸引孔による被捺染材の吸引は、前記載置面上の一端側から他端側に向かって順次実行される、
    ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
  6. 請求項1に記載のインクジェット捺染装置において、前記吸引孔は、前記載置台の側面に設けられている、
    ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
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