JP5799900B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両前部構造に関する。
車両のカウル部構造において、フロントピラーの根元部に位置するカウルトップガーニッシュの車幅方向側端部と、フロントサスペンションタワー近傍のカウルトップサイドパネルの上部とが、車両上下方向にオフセットされた構造が開示されている(特許文献1参照)。
特開2011−31701号公報
しかしながら、上記した従来例では、例えば悪路走行により、フロントサスペンションタワーを介して左右のカウルトップサイドパネルに逆位相の入力があった場合、車両がねじれ変形を起こす。このとき、車両上方への入力を受けた側においては、上記したオフセットがあるために、フロントピラーの根元部を起点として、該フロントピラーが車両前方へ傾くと共に、カウルトップサイドパネルが車両上方へ傾くような変形(Z字変形)が生じる可能性があると考えられる。
本発明は、上記事実を考慮して、車両走行時における車両前部の変形を抑制することを目的とする。
請求項1の発明は、車両前部のフード後端側に配置され、車幅方向に延在してカウルの一部を構成するカウルインナパネルと、前記カウルインナパネルの上縁に沿って延設され、車幅方向端部がフロントピラーに結合されたカウルトップと、前記カウルインナパネルの車幅方向端部に結合され、フロントサスペンションタワーに連なる上面部が前記カウルトップの前記車幅方向端部の車両上下方向位置よりも車両下方にオフセットして配置されたカウルトップサイドパネルと、前記カウルトップサイドパネルの上部に設けられ、前記カウルインナパネルの車両前面側において前記カウルトップサイドパネルと前記フロントピラーのうち前記カウルトップの前記車幅方向端部との結合部とを連結する荷重伝達部材と、を有している。
請求項1に記載の車両前部構造では、カウルトップサイドパネルとフロントピラーのうちカウルトップの車幅方向端部との結合部とが、荷重伝達部材により連結されて補強されている。車両走行時には、カウルトップサイドパネルが、フロントサスペンションタワーを介して、車両上下方向の入力を受ける。このときの入力を、カウルトップサイドパネルから荷重伝達部材を介してフロントピラーへ伝達することができる。これにより、フロントピラーとカウルトップサイドパネルの結合部を起点として、該フロントピラーが車両前後方向へ傾くと共に、カウルトップサイドパネルが車両上下方向へ傾くような変形(Z字変形)を抑制できる。このため、車両走行時における車両前部の変形を抑制することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両前部構造において、前記荷重伝達部材は、車両上下方向に延びる稜線を有している。
請求項2に記載の車両前部構造では、車両上下方向に延びる稜線により、荷重伝達部材の曲げ剛性が向上している。これにより、荷重伝達部材を介したカウルトップサイドパネルからフロントピラーへの荷重伝達効率を高めることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両前部構造において、前記荷重伝達部材は、前記カウルトップサイドパネル及び前記フロントピラーと、車両上下方向と交差する方向に重なった状態で結合されている。
請求項3に記載の車両前部構造では、荷重伝達部材が、カウルトップサイドパネル及びフロントピラーと、車両上下方向と交差する方向に重なった状態で結合されているので、各々の結合部のせん断方向で車両上下方向の荷重伝達を行うことができる。このため、補強部材としての荷重伝達部材の性能を向上させることができる。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両前部構造において、前記荷重伝達部材は、車両平面視で、車幅方向外側の壁部、車幅方向内側の壁部及び車両前方側の壁部を有し車両後方側が開口するU字形に形成され、前記車幅方向内側の壁部における車幅後方側の端縁に設けられた内側フランジにおいて前記カウルインナパネルに結合されている。
請求項4に記載の車両前部構造では、フロントサスペンションタワーを介して、カウルトップサイドパネルに車両上下方向への入力があった場合、該入力をカウルインナパネルにも伝達して荷重を分散させることができる。
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両前部構造において、前記カウルトップサイドパネルと前記荷重伝達部材との結合部は、該カウルトップサイドパネルの前記上面部よりも車両下方に位置している。
請求項5に記載の車両前部構造では、フロントサスペンションタワーを介して、カウルトップサイドパネルに車両上下方向への入力があった場合、該入力を、より直接的にフロントピラーへ伝達することができる。このため、悪路等における比較的大きな入力を、より効率的にフロントピラーへ伝達することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の車両前部構造によれば、車両走行時における車両前部の変形を抑制することができる、という優れた効果が得られる。
請求項2に記載の車両前部構造によれば、荷重伝達部材を介したカウルトップサイドパネルからフロントピラーへの荷重伝達効率を高めることができる、という優れた効果が得られる。
請求項3に記載の車両前部構造によれば、補強部材としての荷重伝達部材の性能を向上させることができる、という優れた効果が得られる。
請求項4に記載の車両前部構造によれば、車両上下方向の入力を、荷重伝達部材を介してカウルインナパネルにも分散させることができる、という優れた効果が得られる。
請求項5に記載の車両前部構造によれば、悪路等における比較的大きな入力を、より効率的にフロントピラーへ伝達することができる、という優れた効果が得られる。
車両右側における車両前部構造を示す斜視図である。 車両前部構造における荷重伝達経路を示す拡大斜視図である。 車両右側における車両前部構造を車両右前方から見た状態を示す斜視図である。 車両右側における車両前部構造を車両前方から見た状態を示す斜視図である。 車両右側における車両前部構造を車両左前方から見た状態を示す斜視図である。 (A)荷重伝達部材を示す左側面図である。(B)荷重伝達部材を示す正面図である。(C)荷重伝達部材を示す右側面図である。(D)荷重伝達部材を示す平面図である。 (A)図2における7A−7A矢視断面図である。(B)図2における7B−7B矢視断面図である。(C)図2における7C−7C矢視断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。図1において、本実施形態に係る車両前部構造Sは、カウルインナパネル10と、カウルトップ12と、カウルトップサイドパネル14と、荷重伝達部材16とを有している。図面では、車両右側における車両前部構造Sが示されている。車両左側における車両前部構造Sは、図示の構成に対して左右対称となる。
図1において、カウルインナパネル10は、車両前部のフード後端側に配置され、車幅方向に延在してカウルの一部を構成する部材である。
図1において、カウルトップ12は、カウルインナパネル10の上縁に沿って延設され、車幅方向端部12Aがフロントピラー24における例えば根元部24Aに結合されている。フロントピラー24は、図示しない運転席と助手席の斜め前方に設けられた柱部であり、Aピラーとも呼ばれる。また、本実施形態においてフロントピラー24の根元部24Aとは、該フロントピラー24のアウタパネルのうち、カウルトップ12やカウルインナパネル10の車幅方向端部と結合される部位である。
図3において、カウルトップサイドパネル14は、車両上下方向に配列された結合部P1,P8において、カウルインナパネル10の車幅方向端部10Aに結合されている。このカウルトップサイドパネル14は、上面部14Aと縦壁部14Bとを有し、車両正面視で略L字形に形成されている。上面部14Aは、エプロンアッパメンバ26の上面(図1)に重ねて結合される部位であり、カウルトップ12の車幅方向端部12Aの車両上下方向位置よりも車両下方にオフセットして配置されている。縦壁部14Bは、エプロンアッパメンバ26の車幅方向内側の側面に重ねて配置される部位であり、上面部14Aの車幅方向内側の端縁から車両下方側に延びている。
エプロンアッパメンバ26は、車両前部のコンパートメント20の車幅方向両側において車両前後方向に延びる車両骨格部材である。カウルインナパネル10よりも車両前方側におけるエプロンアッパメンバ26の車幅方向内側には、フロントサスペンションタワー28が結合されている。
カウルトップサイドパネル14の上面部14Aは、フロントサスペンションタワー28に連なっている。上記したように、カウルトップサイドパネル14は、エプロンアッパメンバ26に結合され、該エプロンアッパメンバ26にはフロントサスペンションタワー28が結合されている。即ち、カウルトップサイドパネル14は、エプロンアッパメンバ26を介してフロントサスペンションタワー28と結合されている。また、上面部14Aの車両上下方向位置は、フロントサスペンションタワー28の上端部の車両上下方向位置と同等となっている。この結果、カウルトップサイドパネル14の上面部14Aが、フロントサスペンションタワー28に連なった状態となっている。
なお、例えば上面部14Aがフロントサスペンションタワー28まで延び、該フロントサスペンションタワー28に直接連なる構造であってもよい。即ち、カウルトップサイドパネル14の上面部14Aとフロントサスペンションタワー28との連なりは、双方の間で荷重伝達可能な構造であればよく、直接的な連なりでも、また間接的な連なりであってもよい。
カウルトップサイドパネル14の上面部14Aには、フードヒンジマウント30が結合され、閉断面が構成されている。フードヒンジマウント30は、例えば鋼板を折曲げ加工することにより、車幅方向の縦断面において逆U字形に形成された強度部材である。このフードヒンジマウント30には、車両前部のコンパートメント20を覆うフードのヒンジ(図示せず)が取り付けられるようになっている。
図1から図7において、荷重伝達部材16は、カウルインナパネル10の車両前面側においてカウルトップサイドパネル14とフロントピラー24とを連結する補強部材である。図6(D)に示されるように、荷重伝達部材16は、車両平面視で、車幅方向外側の壁部16A、車幅方向内側の壁部16B及び車両前方側の壁部16Cを有し、車両後方側が開口するU字形に形成されている。図6(A)〜(D)に示されるように、車幅方向外側の壁部16Aにおける車幅後方側の端縁には、外側フランジ16Dが設けられている。また、車幅方向内側の壁部16Bの車両後方側の端縁には、内側フランジ16Fが設けられている。一例として、外側フランジ16Dは上部寄りに設けられ、内側フランジ16Fは下部寄りに設けられている。また内側フランジ16Fは、略三角形に形成されており、車幅方向内側に向かうに従って高さ寸法が減少している。
図6(A)〜(D)に示されるように、荷重伝達部材16は、車両上下方向に例えば直線的に延びる稜線L1,L2を有している。稜線L1は、車幅方向外側の壁部16Aと車両前方側の壁部16Cとの境界に位置している。この稜線L1は、車両前方側から見ても、車幅方向外側から見ても、車両上下方向に延びている。一方、稜線L2は、車両前方側の壁部16Cと車幅方向内側の壁部16Bとの境界に位置している。この稜線L2は、車両前方側から見ても、車幅方向内側から見ても、車両上下方向に延びている。
図6(D)に示されるように、車両前方側の壁部16Cには、例えば3箇所の軽め孔16Hが、車両上下方向に直列に形成されている。また、図6(B),(C)に示されるように、車幅方向内側の壁部16Bにも、例えば1箇所の軽め孔16Jが形成されている。
図6(B),(D)に示されるように、車両前方側の壁部16Cにおいて、軽め孔16Hよりも車幅方向内側には、補強用のビード16Rが設けられている。
なお、エプロンアッパメンバ26がカウルトップサイドパネル14を兼ねる構造であってもよい。
(主な結合部)
ここで、主な結合部P1〜P7について説明する。結合部P1〜P7は、例えばスポット溶接の打点であるが、結合手段はスポット溶接に限られるものではなく、他の溶接方法の他、接着、締結等の各種手段により行うことが可能である。
図3から図5に示されるように、荷重伝達部材16は、結合部P1〜P7において、カウルトップサイドパネル14及びフロントピラー24と、車両上下方向と交差する方向に重なった状態で結合されている。これは、車両上下方向の荷重を各結合部における主にせん断方向で伝達することを意図したものである。従って、車両上下方向と交差する方向とは、車両上下方向と直交する方向には限られず、車両上下方向と直交する方向に対して傾斜する方向であってもよい。
具体的には、図5に示されるように、結合部P1においては、荷重伝達部材16の車幅方向外側の壁部16Aと、カウルトップサイドパネル14の縦壁部14Bと、カウルインナパネル10の車幅方向端部10Aとが、3枚重ねで結合されている。この結合部P1では、カウルトップサイドパネル14の縦壁部14Bが最も車幅方向外側に位置し、荷重伝達部材16が最も車幅方向内側に位置している。カウルインナパネル10の車幅方向端部10Aは、カウルトップサイドパネル14と荷重伝達部材16とによって挟まれている。車幅方向における稜線L1の位置は、カウルトップサイドパネル14の車幅方向内側端の位置と略一致している。
結合部P1は、カウルトップサイドパネル14の上面部14Aよりも車両下方に位置している。具体的には、図6(A)〜(C)に示されるように、荷重伝達部材16の車幅方向外側の壁部16Aは、例えば内側フランジ16Fよりも車両下方まで延設されており、その部分に結合部P1が設定されている。
結合部P2においては、車幅方向内側に位置する荷重伝達部材16と、車幅方向外側に位置するフードヒンジマウント30とが、2枚重ねで結合されている。
図4,図5に示されるように、結合部P3においては、荷重伝達部材16の内側フランジ16Fと、カウルインナパネル10の一般面10Gとが、2枚重ねで結合されている。ここで、一般面10Gとは、カウルインナパネル10のうち、車幅方向端部10Aよりも車幅方向内側に位置する比較的平坦な部位である。荷重伝達部材16の内側フランジ16Fは、カウルインナパネル10の一般面10Gの車両前方側に配置される。
図3から図5に示されるように、結合部P4,P5においては、荷重伝達部材16とカウルトップ12とが2枚重ねで結合されている。結合部P4においては、荷重伝達部材16の上にカウルトップ12が重なっている。結合部P5においては、荷重伝達部材16の車両前方側にカウルトップ12が重なっている。
結合部P6においては、荷重伝達部材16の外側フランジ16Dと、カウルトップ12の車幅方向端部12Aと、フロントピラー24の根元部24Aとが、3枚重ねで結合されている。この結合部P6では、カウルトップ12の車幅方向端部12Aが最も車幅方向外側に位置し、フロントピラー24の根元部24Aが最も車幅方向内側に位置している。荷重伝達部材16の外側フランジ16Dは、カウルトップ12とフロントピラー24とによって挟まれている。
結合部P7においては、荷重伝達部材16の車幅方向外側の壁部16Aと、フードヒンジマウント30における車幅方向内側の縦壁部30Aと、カウルインナパネル10の車幅方向端部10Cとが、3枚重ねで結合されている。この結合部P7では、フードヒンジマウント30の縦壁部30Aが最も車幅方向外側に位置し、荷重伝達部材16が最も車幅方向内側に位置している。カウルインナパネル10の車幅方向端部10Cは、フードヒンジマウント30と荷重伝達部材16とによって挟まれている。
(他の結合部)
ここで、他の結合部P8〜P14について簡単に説明する。図3,図5に示されるように、結合部P8においては、カウルトップサイドパネル14の縦壁部14Bと、カウルインナパネル10の車幅方向端部10Aとが、2枚重ねで結合されている。この結合部P8では、カウルトップサイドパネル14の縦壁部14Bが車幅方向外側に位置し、カウルインナパネル10の車幅方向端部10Aが車幅方向内側に位置している。
結合部P9においては、カウルトップサイドパネル14の縦壁部14Bと、フードヒンジマウント30における車幅方向内側の縦壁部30Aとが、2枚重ねで結合されている。この結合部P9では、カウルトップサイドパネル14の縦壁部14Bが車幅方向外側に位置し、フードヒンジマウント30の縦壁部30Aが車幅方向内側に位置している。これにより、フードヒンジマウント30の縦壁部30Aは、車両前後方向に配列された2点の結合部P2,P9において、カウルトップサイドパネル14の縦壁部14Bに結合されている。
図3,図4に示されるように、結合部P10においては、荷重伝達部材16の外側フランジ16Dと、フロントピラー24の根元部24Aとが、2枚重ねで結合されている。この結合部P10では、荷重伝達部材16の外側フランジ16Dが車幅方向外側に位置し、フロントピラー24の根元部24Aが車幅方向内側に位置している。なお、結合部P10において、フードヒンジマウント30の縦壁部30Aを更に重ねて3枚重ねで結合してもよい。
図4に示されるように、結合部P11〜P14においては、フロントピラー24の根元部24Aに設けられたフランジ24Bと、カウルインナパネル10とが、2枚重ねで結合されている。結合部P11〜P14は、例えば車両上下方向に直列に配置されている。
図4に示されるように、荷重伝達部材16は、車幅方向外側の壁部16Aに連なる外側フランジ16Dにおいてフロントピラー24の根元部24A等に結合されている。また荷重伝達部材16は、車幅方向内側の壁部16Bに連なる内側フランジ16Fにおいてカウルインナパネル10の一般面10Gに結合されている。車幅方向内側の壁部16Bとカウルインナパネル10の一般面10Gとの結合は、内側フランジ16Fにおける結合部P3に限定されている。車幅方向内側の壁部16Bにおける他の部位は、カウルインナパネル10の一般面10Gに結合されていない。これにより、図5に示されるように、結合部P3以外の位置における車幅方向内側の壁部16Bとカウルインナパネル10の一般面10Gとの間には、隙間22が形成されている。一方、図7(A)〜(C)に示されるように、荷重伝達部材16の車両前方側の壁部16Cは、カウルインナパネル10と車両前後方向に離間している。
この結果、図1,図2において、結合部P3の位置には、荷重伝達部材16と、フロントピラー24と、カウルインナパネル10とによる閉断面が構成されているが、他の部位は閉断面とはなっていない。また内側フランジ16Fは略三角形に形成され、車幅方向内側に向かうに従って高さ寸法が減少しているので、車両上下方向位置によって、荷重伝達部材16の断面構造が変化している。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1において、本実施形態に係る車両前部構造Sでは、カウルトップサイドパネル14とフロントピラー24とが、荷重伝達部材16により連結されて補強されている。車両走行時には、カウルトップサイドパネル14が、フロントサスペンションタワー28を介して、車両上下方向の入力を受ける。このときの入力を、カウルトップサイドパネル14から荷重伝達部材16を介してフロントピラー24へ伝達することができる。
特に、図2に示されるように、車両上下方向に延びる稜線L1,L2により、荷重伝達部材16の曲げ剛性が向上している。従って、カウルトップサイドパネル14への車両上下方向の入力を、荷重伝達部材16の稜線L1,L2を通じて矢印A方向及びB方向に伝達することができるので、このため、荷重伝達部材16を介したカウルトップサイドパネル14からフロントピラー24への荷重伝達効率を高めることができる。
また、荷重伝達部材16が、カウルトップサイドパネル14及びフロントピラー24と、車両上下方向と交差する方向に重なった状態で結合されているので、各々の結合部のせん断方向で車両上下方向の荷重伝達を行うことができる。このため、補強部材としての荷重伝達部材16の性能を向上させることができる。
更に荷重伝達部材16の内側フランジ16Fは、結合部P3においてカウルインナパネル10の一般面10Gに結合されている。また、荷重伝達部材16は、車両後方側が開口したU字形に形成されている。フロントサスペンションタワー28を介して、カウルトップサイドパネル14に車両上下方向への入力があった場合、この荷重伝達部材16が開く変形が促される。このため、入力をカウルインナパネル10にも伝達して(矢印C方向及びD方向)、荷重を分散させることができる。
荷重伝達部材16と、フロントピラー24と、カウルインナパネル10とによる閉断面は、車幅方向内側の壁部16Bに連なる内側フランジ16Fの結合部P3の位置に限定されている。結合部P3以外の位置における車幅方向内側の壁部16Bとカウルインナパネル10の一般面10Gとの間には、隙間22(図5)が形成されている。これにより、荷重伝達部材16からカウルインナパネル10への荷重分散の際における、該カウルインナパネル10の変形を抑制することができる。換言すれば、荷重伝達部材16を介した荷重伝達は、主にカウルトップサイドパネル14からフロントピラー24へと行われ、付加的にカウルインナパネル10へと行われる。
一方、カウルインナパネル10に対して、車両上方から衝撃荷重の入力があった場合には、該カウルインナパネル10の変形を誘発して、衝撃を吸収することができる。このため、歩行者保護性能を確保することができる。
また、図5に示されるように、カウルトップサイドパネル14と荷重伝達部材16との結合部P1は、該カウルトップサイドパネル14の上面部14Aよりも車両下方に位置している。従って、フロントサスペンションタワー28を介して、カウルトップサイドパネル14に車両上下方向への入力があった場合、該入力を、より直接的にフロントピラー24へ伝達することができる。このため、悪路等における比較的大きな入力を、より効率的にフロントピラー24へ伝達することができる。
本実施形態では、このようにして、フロントピラー24の根元部24Aを起点として、該フロントピラー24が車両前後方向へ傾くと共に、カウルトップサイドパネル14が車両上下方向へ傾くような変形(Z字変形)を抑制できる。このため、車両走行時における車両前部の変形を抑制することができる。
更には、フロントピラー24の根元部24Aに隣接した位置に、荷重伝達部材16による閉断面が形成されているので、該根元部24A周辺の剛性が向上している。これにより、衝突安全性能、特に前面オフセット衝突時の安全性能を高めることができる。また根元部24Aの周辺のねじり剛性も向上しているので、レーンチェンジや旋回時の操縦安定性能を高めることができる。更には、カウルインナパネル10の面外変形による異音や振動の発生を抑制して、NV性能(ノイズ及びバイブレーション性能)を高めることができる。
更に荷重伝達部材16を用いるにあたり、特別な生産技術や設備を必要としないため、該荷重伝達部材16による補強構造を、様々な車種に用いることが可能である。
[他の実施形態]
上記実施形態では、荷重伝達部材16が車両上下方向に延びる稜線L1,L2を有するものとしたが、稜線L1,L2を有しない構成であってもよい。
また、荷重伝達部材16は、カウルトップサイドパネル14及びフロントピラー24と、車両上下方向と交差する方向に重なった状態で結合されるものとしたが、各部材を重ねる方向はこれに限られない。
更に、荷重伝達部材16が、車両平面視でU字形に形成されるものとしたが、荷重伝達部材16の形状はこれに限られず、補強部材としての性能を満たす形状であれば、どのような形状であってもよい。また荷重伝達部材16が、内側フランジ16Fにおいてカウルインナパネル10に結合されるものとしたが、荷重伝達部材16がカウルインナパネル10に結合されていなくてもよい。
また、カウルトップサイドパネル14と荷重伝達部材16との結合部P1が、該カウルトップサイドパネル14の上面部14Aよりも車両下方に位置するものとしたが、結合部P1の位置はこれに限られず、上面部14Aと同等の車両上下方向位置や、上面部14Aよりも車両上方に位置していてもよい。
更に、荷重伝達部材16における車両前方側の壁部16Cに軽め孔16Hが3箇所形成されるものとしたが、軽め孔16Hの数はこれに限られるものではなく、また軽め孔16Hがない構成としてもよい。車幅方向内側の壁部16Bにおける軽め孔16Jについても同様である。
10 カウルインナパネル
10A 車幅方向端部
12 カウルトップ
12A 車幅方向端部
14 カウルトップサイドパネル
14A 上面部
16 荷重伝達部材
16A 車幅方向外側の壁部
16B 車幅方向内側の壁部
16C 車両前方側の壁部
16F 内側フランジ
24 フロントピラー
28 フロントサスペンションタワー
L1 稜線
L2 稜線
P1 結合部
P6 結合部
S 車両前部構造

Claims (5)

  1. 車両前部のフード後端側に配置され、車幅方向に延在してカウルの一部を構成するカウルインナパネルと、
    前記カウルインナパネルの上縁に沿って延設され、車幅方向端部がフロントピラーに結合されたカウルトップと、
    前記カウルインナパネルの車幅方向端部に結合され、フロントサスペンションタワーに連なる上面部が、前記カウルトップの前記車幅方向端部の車両上下方向位置よりも車両下方にオフセットして配置されたカウルトップサイドパネルと、
    前記カウルトップサイドパネルの上部に設けられ、前記カウルインナパネルの車両前面側において前記カウルトップサイドパネルと前記フロントピラーのうち前記カウルトップの前記車幅方向端部との結合部とを連結する荷重伝達部材と、
    を有する車両前部構造。
  2. 前記荷重伝達部材は、車両上下方向に延びる稜線を有する請求項1に記載の車両前部構造。
  3. 前記荷重伝達部材は、前記カウルトップサイドパネル及び前記フロントピラーと、車両上下方向と交差する方向に重なった状態で結合されている請求項1又は請求項2に記載の車両前部構造。
  4. 前記荷重伝達部材は、車両平面視で、車幅方向外側の壁部、車幅方向内側の壁部及び車両前方側の壁部を有し車両後方側が開口するU字形に形成され、前記車幅方向内側の壁部における車幅後方側の端縁に設けられた内側フランジにおいて前記カウルインナパネルに結合されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両前部構造。
  5. 前記カウルトップサイドパネルと前記荷重伝達部材との結合部は、該カウルトップサイドパネルの前記上面部よりも車両下方に位置している請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両前部構造。
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