JP5796879B2 - 燃料電池スタック及び燃料電池スタックに用いる変形吸収部材 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型や固体酸化物型の単位セルを用いた燃料電池スタック及び燃料電池スタックに用いる変形吸収部材に関する。
この種の燃料電池スタックとして、特許文献1に開示された構成のものがある。
特許文献1に開示された燃料電池スタックは、アノード側電極とカソード側電極との間に電解質が介装されてなる接合体と前記接合体を挟持する1 組のセパレータとを有する単位セルを複数個積層したものであり、前記一組のセパレータのうちの少なくとも一つは、凹部と凸部が交互に連続する部位をそれぞれ有する一組の金属板を有し、その一組の金属板の間には板ばねが介装されている。
また、上記した板ばねには、前記一組の金属板の各凸部の頂部が当接するとともに、一方の金属板の凹部と他方の金属板の凸部とが板ばねを介して対向した構成になっている。
上記構成により、燃料電池の運転中における熱膨張,電解質膜の膨潤等による単位セルの寸法の変化を、板ばねを弾性変形させることにより吸収しようとしたものである。
特開2002−367665号公報
しかしながら、上記従来の燃料電池スタックでは、発電性能を維持したまま、単位セルのピッチを縮小しようとすると、ガス流路のピッチとともに冷却水流路のピッチも必然的に縮まることになる。
このために、板ばねのピッチも小さくなり、板ばねの剛性が上がって所定の荷重とストロークを確保できないために単位セルの膨縮変形の吸収が難しく、単位セルのピッチを縮小することが困難である。
そこで本発明は、単位セルの積層ピッチを縮小したときにも単位セルの膨縮変形を吸収させることにより、小型化を図ることができる燃料電池スタック及び燃料電池スタックに用いる変形吸収部材の提供を目的としている。
上記目的を達成するための燃料電池スタックは、アノード側電極とカソード側電極との間に電解質を接合した接合体を一対のセパレータ間に挟入した複数の単位セルを互いに積層させており、それら各単位セルの両電極に二種類の発電用ガスを互いに離隔して流接させることによる発電を行うものであり、上記単位セルを、これらの互いに対向する2つのセパレータ間に冷却媒体を一方向に流通させるための冷却層を区画形成して積層させているとともに、上記冷却層を区画形成する両セパレータに導通接触し、かつ、単位セルの膨縮変形を吸収するための導電性の変形吸収部材を、当該冷却層に介挿しており、前記変形吸収部材が、一対の縁部と複数の弾性変形部とから成り、前記冷却層内の冷却水の流通方向に直交する方向において、前記複数の弾性変形部を、前記一対の縁部の間に、少なくとも前記接合体が配設された発電エリアと同等の領域となるようにして連成し且つ所定のピッチで突設したものであると共に、前記直交する方向に変位可能に配置してあり、前記変形吸収部材が、前記2つのセパレータの間隔の増減に追従して積層荷重の増加や下がりすぎを防止するものであることを特徴としている。
同上の目的を達成するための燃料電池スタックに用いる変形吸収部材は、アノード側電極とカソード側電極との間に電解質を接合した接合体を一対のセパレータ間に介挿した複数の単位セルを有し、上記単位セルを、これらの互いに対向する2つのセパレータ間に冷却媒体を一方向に流通させるための冷却層を区画形成して積層させた燃料電池スタックに用いるものであり、
一対の縁部と複数の弾性変形部とから成り、前記冷却層内の冷却水の流通方向に直交する方向において、前記複数の弾性変形部を、前記一対の縁部の間に、少なくとも前記接合体が配設された発電エリアと同等の領域となるようにして連成し且つ所定のピッチで突設したものであると共に、前記直交する方向に変位可能に配置され、上記冷却層を区画形成する両セパレータに導通接触し、かつ、単位セルの膨縮変形を吸収する導電性材料によって形成し、前記2つのセパレータの間隔の増減に追従して積層荷重の増加や下がりすぎを防止するものであることを特徴としている。
本発明によれば、冷却媒体を流通させる冷却層に介挿した変形吸収部材が単位セルの膨縮変形を吸収するように変形するので、単位セルの積層ピッチを縮小したときにも単位セルの膨縮変形を吸収させることができ、小型化を図ることができる。また、燃料電池スタックは、冷却層に介挿した変形吸収部材が、互いに対向する2つのセパレータの間隔の増減に追従して積層荷重の増加や下がりすぎを防止するものであるから、従来の皿ばねやガス拡散層の変位吸収性を取り除いても、運転中の単位セルの増減変位を吸収し、発電に必要な積層荷重を安定して保持することができる。さらに、変形吸収部材を発電エリアに配設することにより、発熱の多い発電エリア以外へ無駄に冷却水が流れるのを防ぐことができ、また、燃料電池スタックの性能に重要な発電エリアの荷重管理を適切に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックの外観斜視図である。 同上の一実施形態に係る燃料電池スタックの分解斜視図である。 同上の燃料電池スタックの一部をなす一例に係る単位セルの概略正面図である。 隣り合う一例に係る単位セル間に区画形成された冷却層を説明するための断面斜視図である。 隣り合う一例に係る単位セル間に区画形成された冷却層を示すものであり、単位セルが膨張変形した状態を示す部分断面図である。 (A)は、第一の実施形態に係る変形吸収部材の側面図、(B)は、その正面図、(C)は、(A)に示す包囲線Iで示す部分を拡大して示す部分拡大図である。 第二の実施形態に係る変形吸収部材と、これに接触する一例に係る単位セルを部分的に拡大して示す部分拡大側面図である。 第一の実施形態に係る変形吸収部材と、これに接触する他例に係る単位セルを部分的に拡大して示す部分拡大側面図である。 第三の実施形態に係る変形吸収部材と、これに接触する他例に係る単位セルを部分的に拡大して示す部分拡大側面図である。 第四の実施形態に係る変形吸収部材の部分斜視図である。 第四の実施形態に係る変形吸収部材の正面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックの外観斜視図、図2は、その燃料電池スタックの分解斜視図、図3は、その燃料電池スタックの一部をなす一例に係る単位セルの概略正面図、図4は、隣り合う一例に係る単位セル間に区画形成された冷却層を説明するための断面斜視図である。なお、図4においては、一対のセパレータのうち、一方のものを略示している。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックAは、複数の単位セル10を互いに積層した直方体形のセル積層体Bを、ケース20に収容したものである。
図2に示すように、単位セル10は、一対のセパレータ30,31間に接合体40を挟入した構造になっている。
図2,4に示すように、セパレータ30,31は正面視において長方形に形成した、例えばステンレス鋼、アルミ、アルミ合金、マグネシウム、銅、チタン等の金属板であり、電気伝導性を確保するための表面処理が施されている。
このセパレータ30,31は、両端部間にわたり一定の幅にして形成した長辺縁部30b,30b、31b,31b間の所要の領域に、複数の整流部30a,31aを形成している。
また、両端部に、一方の発電用ガスである水素含有ガス、冷却媒体及び他方の発電用ガスである酸素含有ガスをそれぞれ流通させるための流入孔32I,33I,34I、流出孔32O,33O,34Oを方形にして開口形成している。
なお、本実施形態においては、水素含有ガスとして水素ガス、酸素含有ガスとして空気、冷却媒体として冷却水を一例として説明する。
整流部30a,31aを形成した所要の領域は、詳細を後述する冷却層Sに臨む面であり、本実施形態においては、それらの整流部30a,31aを、互いに同形同大にした矩形の凸部とし、かつ、流通方向αに直交する方向において一定のピッチP1で形成している。
本実施形態において示すように、整流部30a,31aを矩形に形成することにより、詳細を後述する変形吸収部材50との接触面積を高めることができるが、その形状に限る趣旨のものではなく、他の公知の形状にしてもよいことは勿論である。要するに、冷却層Sを流通する冷却水を整流できるものであればよい。
流入孔32I,33I,34I、流出孔32O,33O,34Oの外周縁部には、それら流入孔32I,33I,34Iから流出孔32O,33O,34Oに向けて流通する水素ガス、空気及び冷却水を、それぞれ所要の経路に巡らせるための経路形成壁(図示しない)が突設されている。
図4に示すように、接合体40は、アノード側電極41とカソード側電極42との間に電解質43を介挿接合した構造のものであり、フレーム44に取り付けられている。なお、フレーム44は必要に応じて配設すればよいものである。
この接合体40は、それらアノード側電極41とカソード側電極42に、上記した二種類の発電用ガスを互いに離隔して流接させることによる発電を行うようになっている。
フレーム44は、上記したセパレータ30,31と同形同大にした長方形に形成されているとともに、これの両端部に、上記した流入孔32I,33I,34I、流出孔32O,33O,34Oがそれぞれ方形にして開口形成されている。
このフレーム44において、接合体40を配設した所要の領域を「発電エリア」とも称する。
アノード側電極41及びカソード側電極42は、カーボンクロス又はカーボンペーパー等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されてなる電極触媒層(図示せず)とをそれぞれ有し、電極触媒層どうしが固体高分子電解質膜43を介して対向するように、その固体高分子電解質膜43に接合されている。
ガス拡散層としては、多孔質を有する基材等、ガスを流通させても圧力損失を低減できる部材とするとよい。
固体高分子電解質膜43は、例えばパーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸されてなるものである。
上記した単位セル10は、互いに隣り合うセパレータ30,31の外縁に沿って巻回されたシール材11(図4)を介して互いに気密的に積層することにより、それら互いに対向するセパレータ30,31間に上記した冷却水を流通させるための冷却層Sを区画形成している。
なお、シール材11は、単位セル10の膨縮変形に従って弾性変形可能な材質のものである。
「単位セル10の膨縮変形」とは、単位セル10の主に積層方向の膨張,収縮に伴う寸法変化をいう。
本実施形態においては、隣り合う単位セル10,10毎に区画形成された各冷却層Sに、それら単位セル10の膨縮変形を吸収するための一実施形態に係る導電性の変形吸収部材50を両セパレータ30,31に導通接触させて介挿している。
図5は、隣り合う一例に係る単位セル間に区画形成された冷却層を示すものであり、単位セルが膨張変形した状態を示す部分断面図、図6(A)は、第一の実施形態に係る変形吸収部材の側面図、(B)は、その正面図、(C)は、(A)に示す包囲線Iで示す部分の拡大図である。なお、図5,図6(A),(C)においては、図面に直交する方向がそれぞれ冷却水の流通方向である。
第一の実施形態に係る変形吸収部材50は、図6(B)に示すように、正面視において長方形に形成した金属製のものであり、上記した冷却層S内の冷却水の流通方向αに直交する複数の弾性変形部51を、所要幅にした長辺縁部52,52間に、上記した発電エリアと同等の領域となるようにして一体に連成したものである。上記の構成からなる弾性変形部51により、冷却層Sを流通する冷却水の妨げとなることがなく、また、製造が容易である。
なお、複数の弾性変形部51を、冷却層S内の冷却水の流通方向αに直交するように形成したものに限らず、例えばその流通方向αに交差するように形成してもよい。
弾性変形部51は、上記したセパレータ30,31と導通接触しかつ単位セル10の膨縮変形に従って弾性変形するものであり、(C)に示すように、本実施形態においては略正弦波形の断面形状になっている。
隣り合う弾性変形部51,51どうしは、流通方向αと直交する方向において所定のピッチで形成されており、具体的には、流通方向αと直交する方向において一定のピッチP2で突設している。
さらに、本実施形態においては、弾性変形部51,51のピッチP2を整流部30a,31aのピッチP1よりも大きくしている。これにより、整流部30a,31aに変形吸収部材50の弾性変形部51が嵌入して、所要のばね機能が損なわれることを防ぐことができる。
なお、弾性変形部51のピッチP2は、冷却水の流通状態を勘案して、広狭設定することができるとともに、当該ピッチを規則的に変えるようにしてもよい。
例えば両長辺縁部52,52側から中央部にかけて次第に狭いピッチとなるように、また、両長辺縁部52,52から中央部にかけて次第に広いピッチとなるように形成する等である。
なお、上述したように、変形吸収部材50を全ての冷却層Sに介挿することなく、単位セル10の膨縮変形を勘案して、少なくともいずれか一つの冷却層Sに介挿していればよい。これにより、製造コストを下げることができる。
上述したように、単位セル10,10間に形成した冷却層Sに、変形吸収部材50を介挿することにより、次の効果を得ることができる。
まず、変形吸収部材50を発電エリアのみに限定して配設することにより、発熱の多い発電エリア以外へ無駄に冷却水が流れるのを防ぐことができる。すなわち、無駄に冷却水が流れる量が多いと、単位セル10内での温度ばらつきが大きくなり、発電中にドライアウトしやすくなる。
また、燃料電池スタックAのスタッキング構造部品、及び特に発電エリアに配置される膜・電極触媒層、ガス拡散層は、積層荷重が上がりすぎると破損しやすい一方、積層荷重が低すぎるとガス拡散層と膜・電極触媒層との間、ガス拡散層とセパレータとの間、セパレータと変形吸収部材との接触抵抗が上がり、発電時のセル抵抗が上昇して性能が低下する。
すなわち、本実施形態に示すように、発電エリアに対応して変形吸収部材50を介挿配設することにより、燃料電池スタックAの性能に重要な発電エリアの荷重管理を適切に行うことができる。
さらに、変形吸収部材50の両側部に上記した長辺縁部52を、また、セパレータ30,31にも長辺縁部30b,31bを形成しているので、変形吸収部材50が圧縮されて積層方向と直交する方向に変位するときにも、長辺縁部52,52がセパレータ30,31の長辺縁部30b,31bに当接して変位量が制限され、セパレータ30,31の発電エリア内の位置に変形吸収部材50を留めておくことができる。
また、シール材11の弾性が小さければ、発電に伴うセパレータ30,31が変位したとき、シール材11が突っ張らずに変形吸収部材50を機能させられる一方、シール材11の弾性が大きかったとしても、セパレータ30,31の面剛性が低ければ、それらのセパレータ30,31が撓んでばねを機能させることも可能である。理想的には、シール材11の弾性もセパレータ30,31の面弾性も双方ともにできるだけ小さくするとよい。
次に、ケース20について、上記した図1,2をも参照して説明する。
図1,2に示すように、ケース20は、締結板21,21、補強板22,22及びエンドプレート23,24によってセル積層体Bを収容する内容積の直方体形に形成されている。
セル積層体Bの両端面とエンドプレート23,24間には、集電板60,61が配設されているとともに、一方の集電板61とエンドプレート24との間には、スペーサ62が介設されている。なお、「a」は、ボルトである。
一方のエンドプレート23には、単位セル10の流入孔32I,33I,34I、流出孔32O,33O,34Oにそれぞれ対向する位置に、それらとほぼ同形同大のプレート側流入孔23a,23b,23c、プレート側流出孔23d,23e,23fが形成されている。
集電板60は、単位セル10と同形同大に形成されており、その単位セル10の流入孔32I,33I,34I、流出孔32O,33O,34Oにそれぞれ対向する位置に、それらとほぼ同形同大のプレート側流入孔60a,60b,60c、プレート側流出孔60d,60e,60fが形成されている。
上記の構成からなる燃料電池スタックAの動作について、図4,5を参照して説明する。
図4に示す各単位セル10が熱によって膨張し、また、それらの固体高分子電解質膜43が膨潤すると、隣り合う単位セル10,10の対向するセパレータ30,31が、図4に示す間隔L1から図5に示す間隔L2に減少する。
隣り合う単位セル10,10の対向するセパレータ30,31の間隔が減少すると、冷却層S内の変形吸収部材50が、図5に示すように弾性変形して、積層荷重が増加することを防止する。
一方、運転中の熱収縮や固体高分子電解質膜43の乾燥、構成部品のクリープ等により積層荷重が抜ける方向に変位が発生したときには、その変位に追従して変形吸収部材50が積層荷重が下がりすぎることを防止する。
「積層荷重が抜ける方向」は、セパレータ30,31の間隔、換言すると、冷却層Sの高さ寸法が増大することと同義である。
これにより、従来の皿ばねやガス拡散層の変位吸収性を取り除いても、運転中の単位セル10の増減変位を吸収し、発電に必要な積層荷重(上限側は構成部品の強度で決まり、下限側は接触抵抗確保に必要な荷重で決まる)を安定して保持することができる。
また、冷却層S内に変形吸収部材50を介挿することによって、水素ガス、空気を流通させる流通層と冷却層Sの高さを互いに独立して最適に設計することができる。
そのため、流通層と冷却層Sの高さ(間隔)を双方ともに減少させることができ、単位セル10の積層方向における寸法を縮小させて、燃料電池スタックA自体の小型化を実現できる。
さらに、流通層と冷却層Sとを互いに独立して形成することができるので、冷却水の流通方向と空気,水素ガスの流通方向とを互いに異ならせることができ、従って設計の自由度を高めることができる。
例えば、冷却水の流入方向及び整流部30a,31aを、空気,水素ガスの流通方向と交差する方向に形成する等である。
次に、第二の実施形態に係る変形吸収部材について、図7を参照して説明する。図7は、第二の実施形態に係る変形吸収部材と、これに接触する一例に係る単位セルを部分的に拡大して示す部分拡大側面図である。なお、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
第二の実施形態に係る変形吸収部材70は、正面視において長方形に形成した金属製のものであり、上記した冷却層S内の冷却水の流通方向αに直交する複数の弾性変形部71を、長方形にした基板(図示しない)に一体に突出させて連成したものである。
弾性変形部71は、セパレータ30,31、図7においてはセパレータ31と導通接触しかつ単位セル10の膨縮変形に従って弾性変形するものであり、本実施形態においては、セパレータ30,31に接触する面積が大きくなるように、平坦な面接触部71aを形成した略正弦波形の断面形状になっている。
隣り合う弾性変形部71,71どうしは、流通方向αと直交する方向において所定のピッチで形成され、また、流通方向αと直交する方向において一定のピッチで突設していることは上記したものと同様である。
本実施形態においては、セパレータ30,31側又は変形吸収部材70側の接触面の面粗度を大きくしている。すなわち、面粗度が増加すると接触面積が増えるために接触抵抗が減り、ある点を極小値として再び増加する傾向になる。
また、面接触部71aを平坦(平面)とすることにより面接触となって、接触面積が同様に増加して接触抵抗が下がり、従ってまた、発電性能を向上させることができる。
図8を参照して、他例に係る単位セルについて説明する。図8は、第一の実施形態に係る変形吸収部材と、これに接触する他例に係る単位セルを部分的に拡大して示す部分拡大側面図である。なお、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
他例に係る単位セル80は、整流部を形成しない、換言すると、両面を平坦に形成したセパレータ81,81を採用したものである。
この場合、上記した変形吸収部材50の弾性変形部51のピッチP2を、整流部30a,31aのピッチに関わらずに設定することができ、また、面接触部を設けなくてもセパレータ81,81との摺動を容易に行わせることができる。
図9は、第三の実施形態に係る変形吸収部材と、これに接触する他例に係る単位セルを部分的に拡大して示す部分拡大側面図である。なお、上記図8において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
第三の実施形態に係る変形吸収部材90は、正面視において長方形に形成した基板(図示しない)に、上記した冷却層S内の冷却水の流通方向αに直行する複数の弾性変形部91を一体に突出させて連成したものである。
本実施形態においては、弾性変形部91を冷却水の流通方向αと直交する方向に等間隔に形成している。
弾性変形部91は、セパレータと導通接触しかつ単位セル80の膨縮変形に従って弾性変形するものであり、本実施形態においては、これに生じる応力を分散させるための応力分散部92を、接触部91aの両側に形成した略正弦波形の断面形状になっている。
応力分散部92は、上方に突出した折曲げ部分92aと、下方に突出した折曲げ部分92bとを有するものであるが、一つ又は三つ以上の折曲げ部分を有するものとしてもよい。
このような応力分散部92を設けることにより、変形箇所(ばね要素)が増えて歪エネルギーを蓄える部位が増える。すなわち、応力が分散化されることで、荷重に対するストロークを増やすことができる。
隣り合う弾性変形部91,91どうしは、流通方向αと直交する方向において所定のピッチで形成され、また、流通方向αと直交する方向において一定のピッチで突設していることは上記したものと同様である。
図10は、第四の実施形態に係る変形吸収部材の部分斜視図、図11は、その第四の実施形態に係る変形吸収部材の正面図である。なお、上述した各実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
第四の実施形態に係る変形吸収部材100は、上記した単位セル10の部分的な膨縮変形に対応させて、複数の弾性変形部101を配設したものである。
本実施形態においては、一定幅にした長辺縁部102,102間に、冷却水の流通方向αと直交させて、複数の弾性変形部101を一定のピッチP2で形成した弾性帯103を、互いに一定の間隔Tをおいて架設したものである。
この構成によれば、面圧のばらつきを均等にすることができるとともに、ばねの変位吸収機能として、所定の荷重とストロークを確保することができる。
「ストローク」は、単位セル10の積層方向における変位可能な寸法のことである。
また、互いに一定の間隔Tを入れることにより、その間隔Tにおける面積分(ばね山数×ばね長さ)だけ、あるストロークに対するばね反力が低下する。このため、狙っている積層荷重を低い領域にシフトさせることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
・上述した実施形態においては、弾性変形部を略正弦波形のものを例として説明したが、矩形波、三角波、鋸歯形等に形成してもよい。
・上記図10,11に示す第四の実施形態に係る変形吸収部材90は、冷却水の流通方向αと直交させて複数の弾性変形部91を一定のピッチで形成した弾性帯93を、互いに一定の間隔Tをおいて架設したものを例として説明したが、単位セル10の部分的な膨縮変形に対応させて、弾性変形部91を配設してもよい。
例えば、冷却水の流通方向αに直交する方向において、長辺縁部92,92から中央部分に向けて、弾性変形部91,91のピッチが大きくなるようし、また、そのピッチが小さくする。
また、冷却水の流通方向αに沿う方向において、両端部から中央部分に向けて弾性変形部91,91のピッチが大きくなるようし、また、そのピッチが小さくする。
上述した実施形態においては、変形吸収部材を、合体が配設された発電エリアに配置した例について説明したが、その発電エリアを含む広い領域に配設するようにしてもよい。
以上詳細に説明したが、いずれにしても、上記各実施形態において説明した各構成は、それら各実施形態にのみ適用することに限らず、一の実施形態において説明した構成を、他の実施形態に準用若しくは適用し、さらには、それを任意に組み合わせることができるものである。
10 単位セル
30,31 セパレータ
30a,31a 整流部
40 接合体
41 アノード側電極
42 カソード側電極
43 電解質
50,90,100 変形吸収部材
51,91 弾性変形部
92 応力分散部
A 燃料電池スタック
S 冷却層
α 冷却媒体の流通方向

Claims (7)

  1. アノード側電極とカソード側電極との間に電解質を接合した接合体を一対のセパレータ間に挟入した複数の単位セルを互いに積層させており、それら各単位セルの両電極に二種類の発電用ガスを互いに離隔して流接させることによる発電を行う燃料電池スタックにおいて、
    上記単位セルを、これらの互いに対向する2つのセパレータ間に冷却媒体を一方向に流通させるための冷却層を区画形成して積層させているとともに、
    上記冷却層を区画形成する両セパレータに導通接触し、かつ、単位セルの膨縮変形を吸収するための導電性の変形吸収部材を、当該冷却層に介挿しており、
    前記変形吸収部材が、一対の縁部と複数の弾性変形部とから成り、前記冷却層内の冷却水の流通方向に直交する方向において、前記複数の弾性変形部を、前記一対の縁部の間に、少なくとも前記接合体が配設された発電エリアと同等の領域となるようにして連成し且つ所定のピッチで突設したものであると共に、前記直交する方向に変位可能に配置してあり、
    前記変形吸収部材が、前記2つのセパレータの間隔の増減に追従して積層荷重の増加や下がりすぎを防止するものであることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 隣り合う単位セル間に形成されている冷却層のうち、少なくともいずれか一つの冷却層に、変形吸収部材を介挿していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 変形吸収部材の弾性変形部が互いに所定のピッチで突設されているとともに、セパレータには、冷却媒体を整流するための整流部が冷却層に臨む面に所定のピッチで形成されており、
    弾性変形部のピッチを整流部のピッチよりも大きくしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池スタック。
  4. 変形吸収部材に、これに生じる応力を分散させるための応力分散部を形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
  5. 単位セルの部分的な膨縮変形に対応させて、変形吸収部材の弾性変形部を配設していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
  6. 変形吸収部材は、複数の弾性変形部を冷却媒体の流通方向と交差する方向に列設した弾性帯を、冷却媒体の流通方向に沿って所定の間隔に配列していることを特徴とする請求項に記載の燃料電池スタック。
  7. アノード側電極とカソード側電極との間に電解質を接合した接合体を一対のセパレータ間に介挿した複数の単位セルを有し、
    上記単位セルを、これらの互いに対向する2つのセパレータ間に冷却媒体を一方向に流通させるための冷却層を区画形成して積層させた燃料電池スタックに用いる変形吸収部材であって、
    一対の縁部と複数の弾性変形部とから成り、前記冷却層内の冷却水の流通方向に直交する方向において、前記複数の弾性変形部を、前記一対の縁部の間に、少なくとも前記接合体が配設された発電エリアと同等の領域となるようにして連成し且つ所定のピッチで突設したものであると共に、前記直交する方向に変位可能に配置され、
    上記冷却層を区画形成する両セパレータに導通接触し、かつ、単位セルの膨縮変形を吸収するように導電性材料によって形成し、前記2つのセパレータの間隔の増減に追従して積層荷重の増加や下がりすぎを防止するものであることを特徴とする燃料電池スタックに用いる変形吸収部材。
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