以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態およびその変形例を説明する。図面において、同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面において、各部材の大きさや比率は、実施形態およびその変形例の理解を容易にするために誇張し、実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
各図において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、燃料電池スタックを構成する部材の方位を示している。Xによって表す矢印の方向は、燃料電池スタックの短手方向Xを示している。Yによって表す矢印の方向は、燃料電池スタックの長手方向Yを示している。Zによって表す矢印の方向は、燃料電池スタックの積層方向Zを示している。
(実施形態)
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、実施形態の燃料電池スタック100を示す斜視図である。図2は、図1の燃料電池スタック100をカバー112とセルスタックアッセンブリー100Mおよび外部マニホールド111に分解した状態を示す斜視図である。図3は、図2のセルスタックアッセンブリー100Mをエアーシェルター110と上部エンドプレート109とスタック100Sおよび下部エンドプレート108に分解した状態を示す斜視図である。図4は、図3のスタック100Sを上部モジュールユニット100Pと複数の中部モジュールユニット100Qおよび下部モジュールユニット100Rに分解した状態を示す斜視図である。図5は、図4の上部モジュールユニット100Pを分解して示す斜視図である。図6は、図4の中部モジュールユニット100Qを分解して示す斜視図である。図7は、図4の下部モジュールユニット100Rを分解して示す斜視図である。
図8は、図5〜図7のセルユニット100Tをメタルサポートセルアッセンブリー101およびセパレータ102からなる接合体100Uと集電補助層103および封止部材104に分解して3組示す斜視図である。図9は、図5〜図7の一のセルユニット100Tを分解し、かつ、その一のセルユニット100Tの下方に位置する他のセルユニット100T(メタルサポートセルアッセンブリー101以外の構成)を分解して示す斜視図である。
図10は、図9のメタルサポートセルアッセンブリー101を分解して示す斜視図である。図11は、図9のメタルサポートセルアッセンブリー101を断面で示す側面図である。図12は、図9のセパレータ102をカソード側(図9と同じくセパレータ102を上方から視認した側)から示す斜視図である。図13は、図12のセパレータ102を部分的(図12中の領域13)に示す斜視図である。図14は、図9のセパレータ102をアノード側(図9と異なりセパレータ102を下方から視認した側)から示す斜視図である。図15は、図14のセパレータ102を部分的(図14中の領域15)に示す斜視図である。図16は、図9のメタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102および集電補助層103を積層した状態で部分的(図12中の領域15)に示す断面図である。
燃料電池スタック100は、複数の接合体100Uと、規制部101KKおよび102KKと、吸収部101BBおよび102BBと、を有する。複数の接合体100Uは、それぞれ、電解質101Sを燃料極(アノード101T)と酸化剤極(カソード101U)とで挟んでなり供給されたガス(アノードガスAGおよびカソードガスCG)によって発電する発電セル101Mを備えた発電セルアッセンブリー(メタルサポートセルアッセンブリー101)と、メタルサポートセルアッセンブリー101と積層するセパレータ102と、を備えた。規制部101KKおよび102KKは、ガスの流れの方向に沿った上流側および下流側の少なくともいずれか一方(実施形態では両方)に設け、積層方向Zに沿って隣り合う第1の接合体100U1と第2の接合体100U2の積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)への変位を規制する。吸収部101BBおよび102BBは、規制部101KKおよび102KKとガスの流れの方向に沿って隔てて設け、積層方向Zに沿って隣り合う第1の接合体100U1と第2の接合体100U2の積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)への変位を吸収する。
燃料電池スタック100は、図1および図2に示すように、セルスタックアッセンブリー100Mを、外部からガスを供給する外部マニホールド111と、セルスタックアッセンブリー100Mを保護するカバー112によって上下から挟み込んで、構成している。
セルスタックアッセンブリー100Mは、図2および図3に示すように、スタック100Sを、下部エンドプレート108と上部エンドプレート109によって上下から挟み込み、カソードガスCGを封止するエアーシェルター110によって覆って、構成している。スタック100Sは、図3および図4に示すように、上部モジュールユニット100P、複数の中部モジュールユニット100Qおよび下部モジュールユニット100Rを積層して、構成している。
燃料電池スタック100において、上部モジュールユニット100Pは、図5に示すように、複数積層したセルユニット100Tを、セルユニット100Tで発電された電力を外部に出力する上部集電板106と、エンドプレートに相当するモジュールエンド105によって上下から挟み込んで構成している。中部モジュールユニット100Qは、図6に示すように、複数積層したセルユニット100Tを、一対のモジュールエンド105によって上下から挟み込んで構成している。下部モジュールユニット100Rは、図7に示すように、複数積層したセルユニット100Tを、モジュールエンド105と下部集電板107によって上下から挟み込んで構成している。
燃料電池スタック100のユニット構造において、セルユニット100Tは、図8や図9に示すように、供給されたガスによって発電する発電セル101Mを設けたメタルサポートセルアッセンブリー101、積層方向Zに沿って隣り合うメタルサポートセルアッセンブリー101の発電セル101Mを隔てるセパレータ102、メタルサポートセルアッセンブリー101の発電セル101Mとセパレータ102との間にガスを通す空間を形成しつつ面圧を均等にする集電補助層103、およびメタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102のマニホールドの部分の縁を封止してガスの流れを制限する封止部材104を含んでいる。集電補助層103および封止部材104は、その構造上、積層方向Zに沿って隣り合うメタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102との間に配置するものである。
ここで、燃料電池スタック100の製造方法上、メタルサポートセルアッセンブリー101およびセパレータ102は、図9の中央に示すように、各々の外縁を接合ラインVに沿って環状に接合して接合体100Uを構成する。このため、積層方向Zに沿って隣り合う接合体100U(メタルサポートセルアッセンブリー101およびセパレータ102)の間に、集電補助層103および封止部材104を配置する構成としている。すなわち、集電補助層103および封止部材104は、図9の下方に示すように、一の接合体100Uのメタルサポートセルアッセンブリー101と、一の接合体100Uと積層方向Zに沿って隣り合う他の接合体100Uのセパレータ102との間に、配置している。
以下、燃料電池スタック100を構成毎に説明する。
メタルサポートセルアッセンブリー101は、図10および図11に示すように、供給されたガスによって発電する発電セル101Mを設けたものである。
メタルサポートセルアッセンブリー101は、図10に示すように、長手方向Yに沿って2つ並べて配置したメタルサポートセル101Nと、メタルサポートセル101Nを周囲から保持するセルフレーム101Wによって構成している。
メタルサポートセル101Nは、発電セル101Mと、発電セル101Mを一方から支持するサポートメタル101Vによって構成している。メタルサポートセルアッセンブリー101において、発電セル101Mは、図10および図11に示すように、電解質101Sをアノード101Tとカソード101Uで挟み込んで構成している。
アノード101Tは、図10および図11に示すように、燃料極であって、アノードガスAG(例えば水素)と酸化物イオンを反応させて、アノードガスAGの酸化物を生成するとともに電子を取り出す。アノード101Tは、還元雰囲気に耐性を有し、アノードガスAGを透過させ、電気伝導度が高く、アノードガスAGを酸化物イオンと反応させる触媒作用を有する。アノード101Tは、電解質101Sよりも大きい長方体形状から形成されている。アノード101Tは、例えば、ニッケル等の金属、イットリア安定化ジルコニア等の酸化物イオン伝導体を混在させた超硬合金からなる。アノード101Tは、図10および図11に示すように、薄板状であって長方形状からなる。
電解質101Sは、図10および図11に示すように、カソード101Uからアノード101Tに向かって酸化物イオンを透過させるものである。電解質101Sは、酸化物イオンを通過させつつ、ガスと電子を通過させない。電解質101Sは、長方体形状から形成されている。電解質101Sは、例えば、イットリア、酸化ネオジム、サマリア、ガドリア、スカンジア等を固溶した安定化ジルコニアなどの固体酸化物セラミックスからなる。電解質101Sは、図10および図11に示すように、薄板状であって、アノード101Tよりも若干大きい長方形状からなる。電解質101Sの外縁は、図21に示すように、アノード101Tの側に向かって屈折して、アノード101Tの積層方向Zに沿った側面に接触している。電解質101Sの外縁の先端は、サポートメタル101Vに接触している。
カソード101Uは、図10および図11に示すように、酸化剤極であって、カソードガスCG(例えば空気に含まれる酸素)と電子を反応させて、酸素分子を酸化物イオンに変換する。カソード101Uは、酸化雰囲気に耐性を有し、カソードガスCGを透過させ、電気伝導度が高く、酸素分子を酸化物イオンに変換する触媒作用を有する。カソード101Uは、電解質101Sよりも小さい長方体形状から形成されている。カソード101Uは、例えば、ランタン、ストロンチウム、マンガン、コバルト等の酸化物からなる。カソード101Uは、図10および図11に示すように、アノード101Tと同様に、薄板状であって長方形状からなる。カソード101Uは、電解質101Sを介して、アノード101Tと対向している。電解質101Sの外縁がアノード101T側に屈折していることから、カソード101Uの外縁は、アノード101Tの外縁と接触することがない。
サポートメタル101Vは、図10および図11に示すように、発電セル101Mをアノード101Tの側から支持するものである。サポートメタル101Vは、ガス透過性を有し、電気伝導度が高く、十分な強度を有する。サポートメタル101Vは、アノード101Tよりも十分に大きい長方体形状から形成されている。サポートメタル101Vは、例えば、ニッケルやクロムを含有する耐食合金や耐食鋼、ステンレス鋼からなる。
セルフレーム101Wは、図10および図11に示すように、メタルサポートセル101Nを周囲から保持するものである。セルフレーム101Wは、薄い長方形状から形成している。セルフレーム101Wは、一対の開口部101kを、長手方向Yに沿って設けている。セルフレーム101Wの一対の開口部101kは、それぞれ長方形状の貫通口からなり、サポートメタル101Vの外形よりも小さい。セルフレーム101Wは、金属からなり、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、セルフレーム101Wに酸化アルミニウムを固着させて構成する。セルフレーム101Wの開口部101kの内縁に、サポートメタル101Vの外縁を接合することによって、セルフレーム101Wにメタルサポートセルアッセンブリー101を接合している。
セルフレーム101Wは、図10および図11に示すように、長手方向Yに沿った一辺の右端と中央と左端から、面方向に延ばした円形状の延在部(第1延在部101p、第2延在部101qおよび第3延在部101r)を設けている。セルフレーム101Wは、長手方向Yに沿った他辺の中央から離間した2箇所から、面方向に延ばした円形状の延在部(第4延在部101sおよび第5延在部101t)を設けている。セルフレーム101Wにおいて、第1延在部101p、第2延在部101qおよび第3延在部101rと、第4延在部101sおよび第5延在部101tは、一対の開口部101kを隔てて、長手方向Yに沿って交互に位置している。
セルフレーム101Wは、図10および図11に示すように、アノードガスAGを通過(流入)させるアノード側第1流入口101a、アノード側第2流入口101b、アノード側第3流入口101cを、第1延在部101p、第2延在部101qおよび第3延在部101rに設けている。セルフレーム101Wは、アノードガスAGを通過(流出)させるアノード側第1流出口101dおよびアノード側第2流出口101eを、第4延在部101sおよび第5延在部101tに設けている。アノードガスAGのアノード側第1流入口101a、アノード側第2流入口101b、アノード側第3流入口101c、アノード側第1流出口101dおよびアノード側第2流出口101eは、いわゆる、マニホールドである。
セルフレーム101Wは、図10に示すように、カソードガスCGを通過(流入)させるカソード側第1流入口101fを、第1延在部101pと第2延在部101qの間の空間に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流入)させるカソード側第2流入口101gを、第2延在部101qと第3延在部101rの間の空間に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流出)させるカソード側第1流出口101hを、第4延在部101sよりも図10中の右側に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流出)させるカソード側第2流出口101iを、第4延在部101sと第5延在部101tの間の空間に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流出)させるカソード側第3流出口101jを、第5延在部101tよりも図10中の左側に設けている。セルフレーム101Wにおいて、カソード側第1流入口101f、カソード側第2流入口101g、カソード側第1流出口101h、カソード側第2流出口101iおよびカソード側第3流出口101jは、セルフレーム101Wの外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
セパレータ102は、図9および図12〜図15に示すように、積層するメタルサポートセルアッセンブリー101の各々の発電セル101Mと発電セル101Mとの間に設け、隣り合う発電セル101Mを隔てるものである。
セパレータ102は、メタルサポートセルアッセンブリー101と対向して配置している。セパレータ102は、メタルサポートセルアッセンブリー101と同様の外形形状からなる。セパレータ102は、金属からなり、発電セル101Mと対向する領域(流路部102L)を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、セパレータ102に酸化アルミニウムを固着させて構成する。セパレータ102は、流路部102Lを、発電セル101Mと対向するように長手方向Yに並べて設けている。
セパレータ102において、流路部102Lは、図9および図12〜図16に示すように、ガスの流れの方向(短手方向X)に沿って延ばした流路を、ガスの流れの方向(短手方向X)と直交する方向(長手方向Y)に並べることによって形成している。流路部102Lは、図13、図15および図16に示すように、長手方向Yおよび短手方向Xの面内において平坦な伸長部102xから下方に突出するように、凸状のアノード側突起102yを一定の間隔で設けている。アノード側突起102yは、ガスの流れの方向(短手方向X)に沿って延びている。アノード側突起102yは、セパレータ102の下端から下方に向かって突出している。流路部102Lは、図13、図15および図16に示すように、伸長部102xから上方に突出するように、凸状のカソード側突起102zを一定の間隔で設けている。カソード側突起102zは、ガスの流れの方向(短手方向X)に沿って延びている。カソード側突起102zは、セパレータ102の上端から上方に向かって突出している。流路部102Lは、アノード側突起102yと凸状のカソード側突起102zを、伸長部102xを隔てて、長手方向Yに沿って交互に設けている。
セパレータ102は、図16に示すように、流路部102Lと、その下方(図16中では右方)に位置するメタルサポートセルアッセンブリー101との隙間を、アノードガスAGの流路として構成している。アノードガスAGは、図14に示すセパレータ102のアノード側第2流入口102b等から、図14および図15に示す複数の溝102qを通り、アノード側の流路部102Lに流入する。セパレータ102は、図14および図15に示すように、複数の溝102qを、アノード側第1流入口102a、アノード側第2流入口102b、アノード側第3流入口102cから、それぞれアノード側の流路部102Lに向かって放射状に形成している。セパレータ102は、図13および図16に示すように、流路部102Lと、その上方(図16中では左方)に位置するメタルサポートセルアッセンブリー101との隙間を、カソードガスCGの流路として構成している。カソードガスCGは、図12に示すセパレータ102のカソード側第1流入口102fおよびカソード側第2流入口102gから、図12および図13に示すセパレータ102のカソード側の外縁102pを越えて、カソード側の流路部102Lに流入する。セパレータ102は、図13に示すように、カソード側の外縁102pを、他の部分よりも肉薄に形成している。
セパレータ102は、図9、図12および図14に示すように、メタルサポートセルアッセンブリー101と積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口102a、アノード側第2流入口102b、アノード側第3流入口102c、アノード側第1流出口102dおよびアノード側第2流出口102eを設けている。セパレータ102は、メタルサポートセルアッセンブリー101と積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口102f、カソード側第2流入口102g、カソード側第1流出口102h、カソード側第2流出口102iおよびカソード側第3流出口102jを設けている。セパレータ102において、カソードガスCGのカソード側第1流入口102f、カソード側第2流入口102g、カソード側第1流出口102h、カソード側第2流出口102iおよびカソード側第3流出口102jは、セパレータ102の外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
集電補助層103は、図9に示すように、発電セル101Mとセパレータ102との間にガスを通す空間を形成しつつ面圧を均等にして、発電セル101Mとセパレータ102との電気的な接触を補助するものである。
集電補助層103は、いわゆる、エキスパンドメタルである。集電補助層103は、発電セル101Mとセパレータ102の流路部102Lとの間に配置している。集電補助層103は、発電セル101Mと同様の外形形状からなる。集電補助層103は、菱形等の開口を格子状に設けた金網状からなる。
封止部材104は、図9に示すように、メタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102との隙間を部分的に封止してガスの流れを制限するものである。
封止部材104は、スペーサーとシールの機能を備え、いわゆるガスケットである。封止部材104は、セパレータ102のアノード側流入口(例えばアノード側第1流入口102a)およびアノード側流出口(例えばアノード側第1流出口102d)から、セパレータ102のカソード側の流路に向かって、アノードガスAGが混入することを防止する。封止部材104は、リング状に形成している。封止部材104は、セパレータ102のカソード側の面に臨んでいるアノード側流入口(例えばアノード側第1流入口102a)、およびアノード側流出口(例えばアノード側第1流出口102d)の内周縁に接合する。封止部材104は、例えば、耐熱性およびシール性を有するサーミキュライトからなる。
モジュールエンド105は、図5〜図7に示すように、複数積層したセルユニット100Tの下端または上端を保持するプレートである。
モジュールエンド105は、複数積層したセルユニット100Tの下端または上端に配置している。モジュールエンド105は、セルユニット100Tと同様の外形形状からなる。モジュールエンド105は、ガスを透過させない導電性材料からなり、発電セル101Mおよび他のモジュールエンド105と対向する一部の領域を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、モジュールエンド105に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
モジュールエンド105は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口105a、アノード側第2流入口105b、アノード側第3流入口105c、アノード側第1流出口105dおよびアノード側第2流出口105eを設けている。モジュールエンド105は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口105f、カソード側第2流入口105g、カソード側第1流出口105h、カソード側第2流出口105iおよびカソード側第3流出口105jを設けている。モジュールエンド105において、カソード側第1流入口105f、カソード側第2流入口105g、カソード側第1流出口105h、カソード側第2流出口105iおよびカソード側第3流出口105jは、モジュールエンド105の外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
上部集電板106は、図5に示し、セルユニット100Tで発電された電力を外部に出力するものである。
上部集電板106は、図5に示すように、上部モジュールユニット100Pの上端に配置している。上部集電板106は、セルユニット100Tと同様の外形形状からなる。上部集電板106は、外部の通電部材と接続される端子(不図示)を設けている。上部集電板106は、ガスを透過させない導電性材料からなり、セルユニット100Tの発電セル101Mと対向する領域および端子の部分を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、上部集電板106に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
下部集電板107は、図7に示し、セルユニット100Tで発電された電力を外部に出力するものである。
下部集電板107は、図7に示すように、下部モジュールユニット100Rの下端に配置している。下部集電板107は、上部集電板106と同様の外形形状からなる。下部集電板107は、外部の通電部材と接続される端子(不図示)を設けている。下部集電板107は、ガスを透過させない導電性材料からなり、セルユニット100Tの発電セル101Mと対向する領域および端子の部分を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、下部集電板107に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
下部集電板107は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口107a、アノード側第2流入口107b、アノード側第3流入口107c、アノード側第1流出口107dおよびアノード側第2流出口107eを設けている。下部集電板107は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口107f、カソード側第2流入口107g、カソード側第1流出口107h、カソード側第2流出口107iおよびカソード側第3流出口107jを設けている。下部集電板107において、カソード側第1流入口107f、カソード側第2流入口107g、カソード側第1流出口107h、カソード側第2流出口107iおよびカソード側第3流出口107jは、下部集電板107の外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
下部エンドプレート108は、図2および図3に示すように、スタック100Sを下方から保持するものである。
下部エンドプレート108は、スタック100Sの下端に配置している。下部エンドプレート108は、一部を除いて、セルユニット100Tと同様の外形形状からなる。下部エンドプレート108は、カソードガスCGの流入口および排出口を形成するために、長手方向Yに沿った両端を直線状に伸長させて形成している。下部エンドプレート108は、セルユニット100Tよりも十分に厚く形成している。下部エンドプレート108は、例えば、金属からなり、下部集電板107と接触する上面を、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、下部エンドプレート108に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
下部エンドプレート108は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口108a、アノード側第2流入口108b、アノード側第3流入口108c、アノード側第1流出口108dおよびアノード側第2流出口108eを設けている。下部エンドプレート108は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口108f、カソード側第2流入口108g、カソード側第1流出口108h、カソード側第2流出口108iおよびカソード側第3流出口108jを設けている。
上部エンドプレート109は、図2および図3に示すように、スタック100Sを上方から保持するものである。
上部エンドプレート109は、スタック100Sの上端に配置している。上部エンドプレート109は、下部エンドプレート108と同様の外形形状からなる。上部エンドプレート109は、下部エンドプレート108と異なり、ガスの流入口および排出口を設けていない。上部エンドプレート109は、例えば、金属からなり、上部集電板106と接触する下面を、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、上部エンドプレート109に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
エアーシェルター110は、図2および図3に示すように、スタック100Sとの間において、カソードガスCGの流路を形成するものである。
エアーシェルター110は、図2および図3に示すように、下部エンドプレート108と上部エンドプレート109によって挟み込まれたスタック100Sを上方から覆っている。エアーシェルター110は、エアーシェルター110の内側面とスタック100Sの側面との隙間の部分によって、スタック100Sの構成部材のカソードガスCGの流入口と流出口を形成する。エアーシェルター110は、箱形状からなり、下部の全てと側部の一部を開口している。エアーシェルター110は、例えば、金属からなり、内側面を絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、エアーシェルター110に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
外部マニホールド111は、図1および図2に示すように、外部から複数のセルユニット100Tにガスを供給するものである。
外部マニホールド111は、セルスタックアッセンブリー100Mの下方に配置している。外部マニホールド111は、下部エンドプレート108の形状を単純化した外形形状からなる。外部マニホールド111は、下部エンドプレート108よりも十分に厚く形成している。外部マニホールド111は、例えば、金属からなる。
外部マニホールド111は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口111a、アノード側第2流入口111b、アノード側第3流入口111c、アノード側第1流出口111dおよびアノード側第2流出口111eを設けている。外部マニホールド111は、カソードガスCGを通過させるセルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソード側第1流入口111f、カソード側第2流入口111g、カソード側第1流出口111h、カソード側第2流出口111iおよびカソード側第3流出口111jを設けている。
カバー112は、図1および図2に示すように、セルスタックアッセンブリー100Mを被覆して保護するものである。
カバー112は、セルスタックアッセンブリー100Mを、外部マニホールド111とともに上下から挟み込んでいる。カバー112は、箱形状からなり、下部を開口させている。カバー112は、例えば、金属からなり、内側面を絶縁材によって絶縁している。
(燃料電池スタック100におけるガスの流れ)
図17Aは、燃料電池スタック100におけるアノードガスAGおよびカソードガスCGの流れを模式的に示す斜視図である。図17Bは、燃料電池スタック100におけるカソードガスCGの流れを模式的に示す斜視図である。図17Cは、燃料電池スタック100におけるアノードガスAGの流れを模式的に示す斜視図である。
アノードガスAGは、外部マニホールド111、下部エンドプレート108、モジュールエンド105、セパレータ102、およびメタルサポートセルアッセンブリー101の各々の流入口を通過して、各々の発電セル101Mのアノード101Tに供給される。すなわち、アノードガスAGは、外部マニホールド111から終端の上部集電板106に至るまで、交互に積層されたセパレータ102とメタルサポートセルアッセンブリー101との隙間に設けられたアノード側の流路に分配して供給される。その後、アノードガスAGは、発電セル101Mで反応し、上記の各構成部材の各々の流出口を通過して排ガスの状態で排出される。
アノードガスAGは、図17Aに示すように、セパレータ102を隔てて、カソードガスCGと交差するように、流路部102Lに供給される。アノードガスAGは、図17Cにおいて、図17Cの下方に位置するセパレータ102のアノード側第1流入口102a、アノード側第2流入口102bおよびアノード側第3流入口102cを通過し、メタルサポートセルアッセンブリー101のアノード側第1流入口101a、アノード側第2流入口101bおよびアノード側第3流入口101cを通過した後、図17Cの上方に位置するセパレータ102の流路部102Lに流入して、メタルサポートセルアッセンブリー101の発電セル101Mのアノード101Tに供給される。アノード101Tで反応した後のアノードガスAGは、排気ガスの状態で、図17Cの上方に位置するセパレータ102の流路部102Lから流出して、メタルサポートセルアッセンブリー101のアノード側第1流出口101dおよびアノード側第2流出口101eを通過し、図17C中の下方に位置するセパレータ102のアノード側第1流出口102dおよびアノード側第2流出口102eを通過して外部に排出される。
カソードガスCGは、外部マニホールド111、下部エンドプレート108、モジュールエンド105、セパレータ102、およびメタルサポートセルアッセンブリー101の各々の流入口を通過して、発電セル101Mのカソード101Uに供給される。すなわち、カソードガスCGは、外部マニホールド111から終端の上部集電板106に至るまで、交互に積層されたメタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102との隙間に設けられたカソード側の流路に分配して供給される。その後、カソードガスCGは、発電セル101Mで反応し、上記の各構成部材の各々の流出口を通過して排ガスの状態で排出される。上記の各構成部材におけるカソードガスCGの流入口および流出口は、各々の構成部材の外周面と、エアーシェルター110の内側面との間の隙間によって、構成している。
カソードガスCGは、図17Bにおいて、図17Bの下方に位置するセパレータ102のカソード側第1流入口102fおよびカソード側第2流入口102gを通過し、そのセパレータ102の流路部102Lに流入して、メタルサポートセルアッセンブリー101の発電セル101Mのカソード101Uに供給される。カソード101Uで反応した後のカソードガスCGは、排気ガスの状態で、図17B中の下方に位置するセパレータ102の流路部102Lから流出して、そのセパレータ102のカソード側第1流出口102h、カソード側第2流出口102iおよびカソード側第3流出口102jを通過して外部に排出される。
(燃料電池スタック100の規制部)
図19に示す規制部101KKおよび102KKは、積層方向Zに沿って隣り合う接合体100U同士の積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)への変位を規制する。具体的には、規制部101KKおよび102KKは、ガスの流れの方向に沿った上流側および下流側の両方に設け、積層方向Zに沿って隣り合う第1の接合体100U1と第2の接合体100U2の積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)への変位を規制する。ガスの流れの方向に沿って加熱による膨張が発生することから、規制部101KKおよび102KKは、特にガスの流れの方向に沿った短手方向Xへの変位を規制する。
規制部101KKおよび102KKの構成について、図18〜図20Bを参照して説明する。
図18は、図8のセルユニット100Tを示す上面図である。図19は、図18のセルユニット100T(図18中の19−19線)の一部を模式的に示す断面図である。図20Aは、図8の接合体100Uの要部(円弧状の外縁の部分)を示す斜視図である。図20Bは、図20Aを示す端面図である。
図19に示すように、メタルサポートセルアッセンブリー101は、規制部101KKを設けている。図19に示す規制部101KKは、図20Bに示すメタルサポートセルアッセンブリー101の第1リブ101Xによって構成している。具体的には、図19に示す規制部101KKは、図10等に示すセルフレーム101Wの外縁において、図20Bに示すように積層方向Zに沿って上方に突出した中央部101x1と、その中央部101x1の両側から下方に突出した一対の端部101x2を連ねた第1リブ101Xによって構成している。第1リブ101Xは、本来の機能であるメタルサポートセルアッセンブリー101の補強に加えて、後述する第2リブ102Sと共にメタルサポートセルアッセンブリー101の変位を規制する機能を有する。セパレータ102の規制部102KKは、図20Bに示すように、そのセパレータ102の外縁から積層方向Zに沿って上方に突出した第2リブ102Sによって構成している。第2リブ102Sは、本来の機能であるセパレータ102の補強に加えて、前述した第1リブ101Xと共にセパレータ102の変位を規制する機能を有する。すなわち、メタルサポートセルアッセンブリー101の規制部101KK(第1リブ101X)は、図20Bに示すように、セパレータ102の規制部102KK(第2リブ102S)と、積層方向Zに沿って嵌合することによって、互いに変位を規制している。
(燃料電池スタック100の吸収部)
図19に示す吸収部101BBおよび102Bは、積層方向Zに沿って隣り合う接合体100U同士の積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)への変位を吸収する。具体的には、吸収部101BBおよび102BBは、規制部101KKおよび102KKとガスの流れの方向(特に短手方向X)に沿って隔てて設け、積層方向Zに沿って隣り合う第1の接合体100U1と第2の接合体100U2の積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)への変位を吸収するものである。ガスの流れの方向に沿って加熱による膨張が発生することから、吸収部101BBおよび102Bは、特にガスの流れの方向に沿った短手方向Xへの変位を吸収する。
吸収部101BBおよび102BBの構成について、図21A〜図21Eを参照して説明する。
図21A〜図21Eは、図8の接合体100Uの要部(流路部102Lの下流側において吸収部101BBおよび102BBを含む部分)を模式的に示す側面図である。
図21Aは、図8の接合体100Uの要部(流路部102Lの下流側において吸収部を含む部分)を模式的に示す側面図であって、メタルサポートセルアッセンブリー101およびセパレータ102の吸収部に撓みが発生していない状態を示している。メタルサポートセルアッセンブリー101の吸収部101BB、およびセパレータ102の吸収部102BBは、セパレータ102の流路部102Lよりもガスの流れの下流側に設けている。具体的には、メタルサポートセルアッセンブリー101の吸収部101BB、およびセパレータ102の吸収部102BBは、いわゆるアクティブエリアの下流側に位置する平板部分の一部に相当し、周囲よりも、弾性率が高くしたり、厚みを薄くしたり、接合強度を下げたりして、構成している。吸収部101BB、およびセパレータ102の吸収部102BBは、短手方向Xに沿って伸長している。
図21Bは、図21Aに示す状態から短手方向Xに向かって応力が作用することによって、メタルサポートセルアッセンブリー101およびセパレータ102の吸収部が同一の方向(積層方向Zの上方)に撓んでいる状態を示している。メタルサポートセルアッセンブリー101の吸収部101BB、およびセパレータ102の吸収部102BBは、それぞれ積層方向Zの上方に向かって湾曲している。
図21Cは、図21Aに示す状態から短手方向Xに向かって応力が作用することによって、メタルサポートセルアッセンブリー101およびセパレータ102の吸収部が異なる方向(積層方向Zの上方と下方)に撓んでいる状態を示している。メタルサポートセルアッセンブリー101の吸収部101BBは、積層方向Zの下方に向かって湾曲している。セパレータ102の吸収部102BBは、積層方向Zの上方に向かって湾曲している。メタルサポートセルアッセンブリー101の吸収部101BBは、予め、積層方向Zの下方に向かって若干湾曲させて形成している。セパレータ102の吸収部102BBは、予め、積層方向Zの上方に向かって若干湾曲させて形成している。
図21Dは、図21Aに示す状態から短手方向Xに向かって応力が作用することによって、メタルサポートセルアッセンブリー101の吸収部101BBに撓みが発生せずセパレータ102の吸収部102BBに撓みが発生している状態を示している。吸収部101BBは、短手方向Xに沿って伸長している。セパレータ102の吸収部102BBは、積層方向Zの上方に向かって湾曲している。メタルサポートセルアッセンブリー101の吸収部101BBは、セパレータ102の吸収部102BBよりも曲げ応力を大きく構成(例えば厚みを調整)している。セパレータ102の吸収部102BBは、予め、積層方向Zの上方に向かって若干湾曲させて形成している。
図21Eは、図21Aに示す状態から短手方向Xに向かって応力が作用することによって、メタルサポートセルアッセンブリー101の吸収部101BBに撓みが発生しセパレータ102の吸収部102BBに撓みが発生していない状態を示している。吸収部101BBは、積層方向Zの下方に向かって湾曲している。セパレータ102の吸収部102BBは、短手方向Xに沿って伸長している。メタルサポートセルアッセンブリー101の吸収部101BBは、セパレータ102の吸収部102BBよりも曲げ応力を小さく構成(例えば厚みを調整)している。メタルサポートセルアッセンブリー101の吸収部101BBは、予め、積層方向Zの下方に向かって若干湾曲させて形成している。
(燃料電池スタック100の規制部と吸収部の配置)
図18および図19に示すように、規制部101KKおよび102KKと吸収部101BBおよび102Bとを供給されるガス(アノードガスAGおよびカソードガスCG)の流れ方向に独立して配置している。このような構成によって、ガス(アノードガスAGおよびカソードガスCG)の流れ方向に沿って、規制部101KKおよび102KKは、第1の接合体100U1と第2の接合体100U2の変位を規制する。さらに、吸収部101BBおよび102BBは、第1の接合体100U1と第2の接合体100U2の短手方向X等に対する変位を吸収する。
以上説明した実施形態の作用効果を説明する。
燃料電池スタック100は、複数の接合体100Uと、規制部101KKおよび102KKと、吸収部101BBおよび102Bと、を有する。複数の接合体100Uは、電解質101Sを狭持する燃料極(アノード101T)と酸化剤極(カソード101U)とに一対のセパレータ102から燃料ガス(アノードガスAG)と酸化剤ガス(カソードガスCG)を供給する発電セル101Mを含む。規制部101KKおよび102KKは、積層方向Zに沿って隣り合う接合体100U同士の積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)への変位を規制する。吸収部101BBおよび102Bは、積層方向Zに沿って隣り合う接合体100U同士の積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)への変位を吸収する。ここで、規制部101KKおよび102KKと吸収部101BBおよび102Bとを供給されるガス(アノードガスAGおよびカソードガスCG)の流れ方向に独立して配置した。
かかる燃料電池スタック100によれば、規制部101KKおよび102KKが接合体100U同士の変位を規制するとともに、規制部101KKおよび102KKと独立した配置した吸収部101BBおよび102Bが接合体100U同士の変位を吸収する。したがって、燃料電池スタック100は、構成部材(メタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102)の組み付け性を維持しつつ相対的な位置ずれを防止することができる。
また、かかる燃料電池スタック100によれば、構成部材は、必要とされる公差を緩和させて、相対的に廉価に製造することができる。
燃料電池スタック100において、規制部101KKおよび102KKは、少なくともガスの流れの方向に沿った上流側に設けた。
かかる燃料電池スタック100によれば、構成部材(メタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102)の組み付け性が向上することから、必要とされる公差を緩和させて、相対的に廉価に製造することができる。
燃料電池スタック100において、規制部101KKおよび102KKは、発電セル101Mの外方に位置する部分(メタルサポートセルアッセンブリー101の外周の)縁とセパレータ102の外周の縁に設けた。
かかる燃料電池スタック100によれば、規制部101KKおよび102KKを構成部材(メタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102)の広範囲に設けることによって、組み付け性を十分に維持しつつ相対的な位置ずれを効果的に防止することができる。
燃料電池スタック100において、規制部101KKおよび102KKは、発電セル101Mの外方に位置する部分(メタルサポートセルアッセンブリー101の)縁から積層方向Zに沿って突出した第1リブと、セパレータ102の縁から積層方向Zに沿って突出した第2リブと、を積層方向Zに嵌合させて構成した。
かかる燃料電池スタック100によれば、規制部101KKおよび102KKを、設計の自由度が高く、製造コストが特段増加しない構成によって、具現化することができる。
(実施形態の変形例)
規制部または吸収部の構成を異ならせた実施形態の変形例1〜7の燃料電池スタックを順に説明する。
(実施形態の変形例1)
図22Aは、実施形態の変形例1の燃料電池スタックにおける接合体200U(第1の接合体200U1と第2の接合体200U2)と封止部材203の要部(外縁の部分)を示す側面図である。図22Bは、図22Aを分解して示す側面図である。
メタルサポートセルアッセンブリー201の吸収部は、セルフレーム201Wの外縁から積層方向Zに沿って上方に突出した中央部201x1と、その中央部201x1の両側から下方に突出した一対の端部201x2を連ねた第1リブ201Xによって構成している。セパレータ202の吸収部は、そのセパレータ202の外縁から積層方向Zに沿って上方に突出した第2リブ202Sによって構成している。メタルサポートセルアッセンブリー201の吸収部(第1リブ201X)は、封止部材203を介して、セパレータ202の吸収部(第2リブ202S)と、積層方向Zに沿って嵌合している。
以上説明した実施形態の変形例1の作用効果を説明する。
燃料電池スタックは、第1リブ201Xと第2リブ202Sとの間を封止する封止部材203を、さらに有する。
かかる燃料電池スタックによれば、封止部材203に対して、構成部材(メタルサポートセルアッセンブリー201とセパレータ202)に起因する応力が掛かっても、歪み等の変形の発生を防止できる。
(実施形態の変形例2)
図23Aは、実施形態の変形例2の第1例の燃料電池スタックにおける接合体310U(第1の接合体310U1と第2の接合体310U2)と封止部材203の要部(外縁の部分)を示す側面図である。図23Bは、実施形態の変形例2の第2例の燃料電池スタックにおける接合体320U(第1の接合体320U1と第2の接合体320U2)と封止部材203の要部(外縁の部分)を示す側面図である。図23Cは、実施形態の変形例2の第3例の燃料電池スタックにおける接合体330U(第1の接合体330U1と第2の接合体330U2)と封止部材203の要部(外縁の部分)を示す側面図である。
例えば、図23Aにおいて、メタルサポートセルアッセンブリー311の伸長部311Yと、セパレータ312の第3リブ312Tが、積層方向Zに沿って当接している。
以上説明した実施形態の変形例2の作用効果を説明する。
燃料電池スタックにおいて、吸収部は、発電セル101Mの外方に位置する部分(メタルサポートセルアッセンブリー)から積層方向Zに沿って突出した第3リブと、セパレータの積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)に伸長させた伸長部と、を積層方向Zに沿って当接させて構成した。
かかる燃料電池スタックによれば、構成部材(メタルサポートセルアッセンブリー311等とセパレータ312等)の積層方向に沿った変形を抑制して、構成部材(メタルサポートセルアッセンブリー311等とセパレータ312等)の組み付け性を維持することができる。特に、かかる燃料電池スタックによれば、封止部材への応力の入力を緩和して、変形等の発生を抑制できる。
(実施形態の変形例3)
図24は、実施形態の変形例3の燃料電池スタックにおける接合体400U(第1の接合体400U1と第2の接合体400U2)と封止部材203の要部(外縁の部分)を示す側面図である。
メタルサポートセルアッセンブリー401の吸収部は、セルフレーム401Wに形成している。メタルサポートセルアッセンブリー401の吸収部は、セルフレーム401Wの外縁から積層方向Zに沿って上方に突出した中央部401x1と、その中央部401x1の両側から下方に突出した一対の端部401x2を連ねた第3リブ401Xによって構成している。セパレータ402の吸収部は、上方に突出した中央部402s1と、その中央部402s1の両側から上方に突出した一対の端部402s2を連ねた第4リブ402Sによって構成している。メタルサポートセルアッセンブリー401の吸収部(第3リブ401X)は、セパレータ402の吸収部(第4リブ402S)と、積層方向Zに沿って嵌合している。第3リブ401Xの端部401x2と第4リブ402Sの端部402s2とは、積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)に沿って接近離間自在に構成している。
以上説明した実施形態の変形例3の作用効果を説明する。
燃料電池スタックにおいて、吸収部は、発電セル101Mの外方に位置する部分(メタルサポートセルアッセンブリー401)から積層方向Zに沿って突出した第3リブ401Xと、セパレータ402から積層方向Zに沿って突出した第4リブ402Sと、を積層方向Zに当接させて構成し、第3リブ401Xと第4リブ402Sとは、積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)に沿って接近離間自在に構成した。
かかる燃料電池スタックによれば、構成部材(メタルサポートセルアッセンブリーとセパレータ102)の積層方向と交差する方向(特に短手方向X)に沿った一定以上の変形を抑制して、構成部材(メタルサポートセルアッセンブリーとセパレータ102)の組み付け性を維持することができる。特に、かかる燃料電池スタックによれば、封止部材への一定以上の応力の入力を緩和して、変形等の発生を抑制できる。
(実施形態の変形例4)
図25Aは、実施形態の変形例4の第1例の燃料電池スタックにおける接合体510U(第1の接合体510U1と第2の接合体510U2)と封止部材210の要部(外縁の部分)を示す側面図である。図25Bは、実施形態の変形例4の第2例の燃料電池スタックにおける接合体520U(第1の接合体520U1と第2の接合体520U2)と封止部材210の要部(外縁の部分)を示す側面図である。図25Cは、実施形態の変形例4の第3例の燃料電池スタックにおける接合体530U(第1の接合体530U1と第2の接合体530U2)と封止部材210の要部(外縁の部分)を示す側面図である。
図25Aにおいて、メタルサポートセルアッセンブリー511の規制部は、セルフレームに形成している。メタルサポートセルアッセンブリー511の規制部は、セルフレームの外縁から積層方向Zに沿って上方に突出した中央部511x1と、その中央部511x1の両側から下方に突出した一対の端部511x2を連ねた第1リブ511Xによって構成している。セパレータ512の規制部は、上方に突出した中央部512s1と、その中央部512s1の両側から上方に突出した一対の端部512s2を連ねた第2リブ512Sによって構成している。メタルサポートセルアッセンブリー511の規制部(第1リブ511X)は、セパレータ512の規制部(第2リブ512S)と、積層方向Zに沿って嵌合している。
図25Aに示すように、第1の接合体510U1のメタルサポートセルアッセンブリー511と、第2の接合体510U2のセパレータ512の中央部512s1によって突き当て部510Mを形成している。さらに、第1の接合体510U1のメタルサポートセルアッセンブリー511の端部511x2と、第2の接合体510U2のセパレータ512の中央部512s1において、短手方向Xに沿った隙間に相当するクリアランス部510Nを設けている。このような構成によって、突き当て部510Mを用いて積層方向Zの高さを保ちつつ、クリアランス部510Nによって積層方向Zと交差する短手方向X等における部品の組み付け性を維持して、シール部材等の破損を防止することができる。
以上説明した実施形態の変形例4の作用効果を説明する。
燃料電池スタックにおいて、規制部の第1リブ511Xおよび第2リブ512Sは、封止部材と積層方向Zと交差する方向(特に短手方向X)に沿って折り返した凹凸形状から構成した。
かかる燃料電池スタックによれば、構成部材(メタルサポートセルアッセンブリーとセパレータ102)を嵌合させるときの相対的な位置ずれを吸収して、組み付け性を維持することができる。かかる燃料電池スタックによれば、封止部材を含む構成部材(メタルサポートセルアッセンブリーとセパレータ102)の変形等の発生を抑制できる。
(実施形態の変形例5)
図26は、実施形態の変形例5の燃料電池スタックにおける接合体600Uの要部を模式的に示す側面図である。
燃料電池スタックにおいて、規制部は、メタルサポートセルアッセンブリー601およびセパレータ602を互いに接合して嵌合するときに、縁を積層方向Zに沿って屈折させることによって構成している。
以上説明した実施形態の変形例5の作用効果を説明する。
燃料電池スタックにおいて、規制部は、発電セル101Mの外方に位置する部分(メタルサポートセルアッセンブリー601)およびセパレータ602は、縁を積層方向Zに沿って屈折させて構成した。
かかる燃料電池スタックによれば、構成部材(メタルサポートセルアッセンブリーとセパレータ102)を接合した後に嵌合できることから、嵌合させる部分の公差を緩和することによって、廉価に構成できる。
(実施形態の変形例6)
図27は、実施形態の変形例6の燃料電池スタックにおける接合体700Uの要部を模式的に示す上面図である。
燃料電池スタックにおいて、規制部は、メタルサポートセルアッセンブリー701およびセパレータ702は、積層方向Zと交差する方向(短手方向Xおよび長手方向Y)の縁に沿って断続的に構成している。すなわち、規制部は、メタルサポートセルアッセンブリー701およびセパレータ702は、縁を積層方向Zに沿ってフィンのように一定の間隔で折り曲げて構成している。
以上説明した実施形態の変形例6の作用効果を説明する。
燃料電池スタックにおいて、規制部は、積層方向Zと交差する方向(短手方向Xおよび長手方向Y)に沿って断続的に構成した。
かかる燃料電池スタックによれば、発電セル101Mに供給するガスをスムーズに流通させることができる。
(実施形態の変形例7)
図28Aは、実施形態の変形例7の燃料電池スタックにおける接合体810U(第1の接合体810U1と第2の接合体810U2)と封止部材811の要部(流入口側の外縁の部分)を示す側面図である。図28Bは、実施形態の変形例7の燃料電池スタックにおける接合体810U(第1の接合体810U1と第2の接合体810U2)と封止部材812の要部(流出口側の外縁の部分)を示す側面図である。
メタルサポートセルアッセンブリー801の規制部は、セルフレーム801Wの外縁から積層方向Zに沿って上方に突出した中央部801x1と、その中央部801x1の両側から下方に突出した一対の端部801x2を連ねた第1リブ801Xによって構成している。セパレータ802の規制部は、上方に突出した中央部802s1と、その中央部802s1の両側から上方に突出した一対の端部802s2を連ねた第2リブ802Sによって構成している。メタルサポートセルアッセンブリー801の規制部(第1リブ801X)は、封止部材203を介して、セパレータ802の規制部(第2リブ802S)と、積層方向Zに沿って嵌合している。ガスの流れの方向に沿った下流側に配置した封止部材203Nの幅W2は、ガスの流れの方向に沿った上流側に配置した封止部材203Mの幅W1よりも、ガスの流れの方向に沿って広く構成している。
以上説明した実施形態の変形例7の作用効果を説明する。
燃料電池スタックにおいて、封止部材は、ガスの流れの方向に沿った上流側よりも下流側の方が幅が広い。
かかる燃料電池スタックによれば、封止部材の構成部材(メタルサポートセルアッセンブリーとセパレータ102)へのせん断力に関する接合強度を向上させることができる。せん断力は、吸収部に発生する座屈荷重よりも大きい値を基準にして規定する。
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
実施形態において、燃料電池スタックは、固体酸化物形燃料電池(SOFC、Solid Oxide Fuel Cell)として説明したが、固体高分子膜形燃料電池(PEMFC、Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)、リン酸形燃料電池(PAFC、Phosphoric Acid Fuel Cell)または溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC、Molten Carbonate Fuel Cell)として構成してもよい。すなわち、燃料電池スタックは、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に加えて、固体高分子膜形燃料電池(PEMFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)または溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)に適用することができる。
燃料電池スタック100において、基本的に、規制部は、メタルサポートセルアッセンブリーの外周の縁とセパレータ102の外周の縁に設ける構成としたが、メタルサポートセルアッセンブリーにガスを流通させるマニホールド孔の内周の縁とセパレータ102にガスを流通させるマニホールド穴の内周の縁に設ける構成としてもよい。
燃料電池スタックは、実施形態の各々の変形例1〜7の仕様を適宜組み合わせて構成してもよい。