JP2015032435A - 燃料電池用の単セル、燃料電池、燃料電池用の単セルの積層方法、および燃料電池用の単セルの積層装置 - Google Patents

燃料電池用の単セル、燃料電池、燃料電池用の単セルの積層方法、および燃料電池用の単セルの積層装置 Download PDF

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岳史 塩見
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Abstract

【課題】積層部材の各々を積層方向と交差した面内において高精度で位置決めした燃料電池用の単セルを提供する。【解決手段】燃料電池100用の単セル1は、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30を有している。膜電極接合体は、第1のセパレータに積層し、供給される燃料媒体を用いて発電する。第2のセパレータは、膜電極接合体に積層する。変形吸収部材は、第2のセパレータに積層され、第1のセパレータ、膜電極接合体、または第2のセパレータ12の積層方向Xの変形を吸収する。ここで、第1のセパレータ、膜電極接合体、第2のセパレータ、および変形吸収部材の各々は、積層方向の同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池用の単セル、その単セルを設けた燃料電池、燃料電池用の単セルの積層方法、およびその積層方法を具現化した燃料電池用の単セルの積層装置に関する。
従来から、燃料電池用の単セルは、膜電極接合体の両面にセパレータを積層して構成している。膜電極接合体の少なくとも片面に積層するセパレータを、第1のセパレータと第2のセパレータからなるセパレータ対で構成し、その間に変形吸収部材を配設したものがある。変形吸収部材は、膜電極接合体やセパレータの積層方向に沿った変形を吸収する。
燃料電池は、複数積層した単セルを筺体に収納して構成している(たとえば、特許文献1参照。)。燃料電池は、単セルの積層数に応じて高出力を得られることから、その単セルの積層数を増加させることが望ましい。
ところで、単セルを構成する第1のセパレータと第2のセパレータを対にしたセパレータ対、膜電極接合体、および変形吸収部材は、所期の電池特性を得るために、積層方向と交差した面内において高精度で位置決めする必要がある。
特開2003−151611号公報
ところが、たとえば、セパレータ対と膜電極接合体とを位置決めしつつ、膜電極接合体と変形吸収部材とを位置決めするような構成では、複数種類の積層部材において共通となる位置決めの基準が存在しない。したがって、変形吸収部材を含む複数種類の積層部材における積層誤差が累積してしまい、位置決め精度を向上させることが困難である。このように、変形吸収部材を含む全ての積層部材を積層方向と交差した面内において高精度で位置決めした燃料電池用の単セルや、その単セルを設けた燃料電池が要請されている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、積層部材の各々を積層方向と交差した面内において高精度で位置決めした燃料電池用の単セルの提供を目的とする。さらに、その単セルを設けた燃料電池の提供を目的とする。さらに、燃料電池用の単セルの積層方法、およびその積層方法を具現化した燃料電池用の単セルの積層装置の提供を目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る燃料電池用の単セルは、第1のセパレータ、膜電極接合体、第2のセパレータ、および変形吸収部材を有している。膜電極接合体は、第1のセパレータに積層し、供給される燃料媒体を用いて発電する。第2のセパレータは、膜電極接合体に積層する。変形吸収部材は、第2のセパレータに積層され、第1のセパレータ、膜電極接合体、または第2のセパレータの積層方向の変形を吸収する。ここで、第1のセパレータ、膜電極接合体、第2のセパレータ、および変形吸収部材の各々は、積層方向の同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を備えている。
上記目的を達成する本発明に係る燃料電池は、上記の単セルと、複数積層した単セルを一体に保持する筺体と、を有している。
上記目的を達成する本発明に係る燃料電池用の単セルの積層方法は、複数の積層部材を積層方向と交差する面内において互いに位置決めしつつ積層する方法である。積層部材には、少なくとも第1のセパレータ、第1のセパレータに積層し供給される燃料媒体を用いて発電する膜電極接合体、膜電極接合体に積層する第2のセパレータ、および第2のセパレータに積層され第1のセパレータと膜電極接合体または第2のセパレータの積層方向の変形を吸収する変形吸収部材を用いる。燃料電池用の単セルの積層方法は、位置決め工程を有する。位置決め工程は、第1のセパレータ、膜電極接合体、第2のセパレータ、および変形吸収部材の各々を、積層方向の同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を介して位置決めする。
上記目的を達成する本発明に係る燃料電池用の単セルの積層装置は、複数の積層部材を積層方向と交差する面内において互いに位置決めしつつ積層する装置である。積層装置は、積層部材を移動させる移動部と、移動部材の作動を制御する制御部と、を有している。積層部材には、少なくとも第1のセパレータ、第1のセパレータに積層し供給される燃料媒体を用いて発電する膜電極接合体、膜電極接合体に積層する第2のセパレータ、および第2のセパレータに積層に積層され第1のセパレータと膜電極接合体または第2のセパレータの積層方向の変形を吸収する変形吸収部材を用いる。ここで、制御部は、移動部材によって、第1のセパレータ、膜電極接合体、第2のセパレータ、および変形吸収部材の各々を、積層方向の同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を介して位置決めする。
上記のように構成した単セルによれば、第1のセパレータ、膜電極接合体、第2のセパレータ、および変形吸収部材の各々が、積層方向の同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を備えていることから、それらの積層部材を互いに積層したときに位置決め誤差が累積したり特定の方向に偏ったりすることを防止できる。すなわち、燃料電池用の単セルは、積層部材の各々を積層方向と交差した面内において高精度で位置決めすることができる。したがって、単セルは、所期の電池特性を得ることができる。
上記のように構成した燃料電池によれば、積層部材の各々を積層方向と交差した面内において高精度で位置決めした単セルを用いていることから、その単セルを積層したときに、位置ずれを抑制することができる。したがって、燃料電池は、単セルの積層ずれに起因した電池特性の低下等を生じることなく、単セルを複数積層して高出力を得ることができる。
上記のように構成した燃料電池用の単セルの積層方法および積層装置によれば、積層部材の各々の位置決め部が積層方向の同軸上に沿うように位置していることから、各々の位置決め部が積層方向の同軸上に沿って位置していない場合と比較して、それらの積層部材の積層を簡便かつ高速で行うことができる。
第1実施形態に係る単セルを設けた燃料電池を示す斜視図である。 第1実施形態に係る単セルを設けた燃料電池の一部を構成部材毎に分解して示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る単セルを複数積層した状態の要部を側面から示す断面図である。 第1実施形態に係る単セルを設けた燃料電池の積層方法を示す斜視図である。 第1実施形態に係る単セルを複数積層した状態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る単セルを設けた燃料電池の積層方法の要部を示す上面図である。 第1実施形態の変形例に係る単セルを設けた燃料電池の積層方法の要部を示す上面図である。 第2実施形態に係る単セルを設けた燃料電池の積層方法を示す斜視図である。 第2実施形態に係る単セルの積層状態の要部を側面から示す断面図である。 第2実施形態の変形例に係る単セルの積層状態の要部を側面から示す断面図である。 第3実施形態に係る単セルを設けた燃料電池の積層方法の要部を示す斜視図である。 第3実施形態に係る単セルの積層状態の要部を側面から模式的に示す断面図である。 第4実施形態に係る単セルを設けた燃料電池の積層方法を示す斜視図である。 第4実施形態に係る単セルを設けた燃料電池の積層方法の要部を示す斜視図である。 第4実施形態に係る単セルを設けた燃料電池の積層方法の要部を示す上面図である。 第4実施形態の変形例に係る単セルを設けた燃料電池の積層方法の要部を示す斜視図である。 第4実施形態の変形例に係る単セルを設けた燃料電池の積層方法の要部を示す上面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明に係る第1〜第4実施形態について説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る単セル1、その単セル1を設けた燃料電池100、単セル1の積層方法、およびその積層方法を具現化した積層装置201について、図1〜図6を参照しながら説明する。
まず、第1実施形態に係る単セル1、その単セル1を設けた燃料電池100について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は、単セル1を設けた燃料電池100を示す斜視図である。図2は、単セル1を設けた燃料電池100の一部を構成部材毎に分解して示す分解斜視図である。図3は、単セル1を複数積層した状態の要部を側面から示す断面図である。
燃料電池100用の単セル1は、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30を有している。膜電極接合体20は、第1のセパレータ11に積層し、供給される燃料媒体を用いて発電する。第2のセパレータ12は、膜電極接合体20に積層する。変形吸収部材30は、第2のセパレータ12に積層され、第1のセパレータ、膜電極接合体20、または第2のセパレータ12の積層方向Xの変形を吸収する。ここで、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の各々は、積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を備えている。
燃料電池100は、上記の単セル1と、複数積層した単セル1を一体に保持する筺体40と、を有している。以下、単セル1と筺体40とについて、具体的に説明する。
単セル1は、積層方向Xに沿って複数積層し、供給された燃料ガス(水素)と酸化剤ガス(酸素を含有した空気または純酸素)から電力を生成する。単セル1は、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30を含んでいる。第1のセパレータ11および第2のセパレータ12は、セパレータ対10から構成される。
セパレータ対10は、隣り合う膜電極接合体20を隔離させつつ、膜電極接合体20で発生した電力を通電させ、かつ、燃料ガス(水素)または酸化剤ガス(酸素を含有した空気または純酸素)と冷却水との流路を備えている。セパレータ対10は、第1のセパレータ11と第2のセパレータ12とを備えている。第1のセパレータ11は、たとえばアノード側セパレータからなり、膜電極接合体20のアノード22に当接させている。第1のセパレータ11は、導電性材料を有する金属からなり、アノード22よりも大きい薄板状に形成している。
第1のセパレータ11の中央には、図3に示すように、燃料ガス(水素)と冷却水とを隔てて流す流路部11gを構成するように凹凸形状を一定の間隔で複数形成している。第1のセパレータ11は、凹凸形状のうち、アノード22と接触して形成された閉空間を、アノード22に対して水素を供給するアノードガス流路13として用いる。一方、第1のセパレータ11は、凹凸状の形状のうち、変形吸収部材30を介して第2のセパレータ12との間に形成された閉空間を、冷却水を供給する冷却水流路14として用いる。
第1のセパレータ11は、長方形状からなり、その長手方向の一端に、アノードガス供給口11a、冷却流体供給口11b、およびカソードガス供給口11cに相当する貫通孔を開口している。同様に、第1のセパレータ11は、その長手方向の他端に、カソードガス排出口11d、冷却流体排出口11e、およびアノードガス排出口11fに相当する貫通孔を開口している。
第2のセパレータ12は、たとえばカソード側セパレータからなり、膜電極接合体20のカソード23に当接させている。第2のセパレータ12は、導電性材料を有する金属からなり、カソード23よりも大きい薄板状に形成している。
第2のセパレータ12の中央には、図3に示すように、酸化剤ガス(酸素を含有した空気または純酸素)と冷却水とを隔てて流す流路部12gを構成するように凹凸形状を一定の間隔で複数形成している。第2のセパレータ12は、凹凸状の形状のうち、カソード23と接触して形成された閉空間を、カソード23に対して酸化剤ガスを供給するカソードガス流路15として用いる。一方、第2のセパレータ12は、凹凸状の形状のうち、変形吸収部材30を介して第2のセパレータ12との間に形成された閉空間を、冷却水を供給する冷却水流路14として用いる。隣接する単セル1において、一の単セル1の第1のセパレータ11の冷却水流路14と、他の単セル1の第2のセパレータ12に設けられた冷却水流路14は、1つの冷却水用の流路を形成する。
第2のセパレータ12は、長方形状からなり、その長手方向の一端に、アノードガス供給口12a、冷却流体供給口12b、およびカソードガス供給口12cに相当する貫通孔を開口している。同様に、第2のセパレータ12は、その長手方向の他端に、カソードガス排出口12d、冷却流体排出口12e、およびアノードガス排出口12fに相当する貫通孔を開口している。
膜電極接合体20は、第1のセパレータ11に積層し、供給される燃料媒体を用いて発電する。具体的には、膜電極接合体20は、供給された水素と酸素を化学反応させて電力を生成する。膜電極接合体20は、電解質膜21を介して対向するようにアノード22とカソード23とを接合した状態で、枠体24によって一体に保持して形成している。膜電極接合体20は、一般的にMEA(membrane electrode assembly)と称している。電解質膜21は、たとえば、固体の高分子材料からなり、薄板状に形成している。固体高分子材料には、たとえば、水素イオンを伝導し、湿潤状態で良好なイオン(プロトン)伝導性を有するフッ素系樹脂を用いている。
アノード22は、電極触媒層、撥水層、およびガス拡散層を積層して構成し、電解質膜21よりも若干小さい薄板状に形成している。カソード23は、電極触媒層、撥水層、およびガス拡散層を積層して構成し、アノード22と同様の大きさで薄板状に形成している。アノード22およびカソード23の電極触媒層は、導電性の担体に触媒成分が担持された電極触媒と高分子電解質を含んでいる。アノード22およびカソード23のガス拡散層は、たとえば、充分なガス拡散性および導電性を有する炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロス、カーボンペーパ、またはカーボンフェルト、あるいは金属材料からなる金属多孔体から形成している。
枠体24は、積層した電解質膜21、アノード22、およびカソード23の外周を一体に保持している。枠体24は、たとえば、電気絶縁性を有する樹脂からなり、セパレータ対10の外周部分の外形形状と同様の外形形状で形成している。枠体24は、その長手方向の一端に、アノードガス供給口24a、冷却流体供給口24b、およびカソードガス供給口24cに相当する貫通孔を開口している。同様に、枠体24は、その長手方向の他端に、カソードガス排出口24d、冷却流体排出口24e、およびアノードガス排出口24fに相当する貫通孔を開口している。
変形吸収部材30は、第2のセパレータ12に積層され、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、または第2のセパレータ12の積層方向Xの変形を吸収する。具体的には、変形吸収部材30は、燃料電池100の組み付け時において、第1のセパレータ11および第2のセパレータ12の燃料ガスと冷却水の流路をなす凹凸形状の製造誤差を、自ら変形して吸収する。
さらに、変形吸収部材30は、燃料電池100の運転中において、セパレータ対10が熱膨張または収縮することに起因した積層方向Xの変形、および膜電極接合体20が供給された媒体の水蒸気、あるいは発電に伴う生成水を吸収して膨張することに起因した積層方向Xの変形を、自ら変形して吸収する。したがって、複数積層した単セル1に高い圧力を掛けて互いに密着できる。複数積層した単セル1が互いに密着する程、単セル1間の通電抵抗が低下して、発電効率を向上させることができる。
変形吸収部材30は、通電性を備えた金属からなり、薄板状に形成している。変形吸収部材30は、第1のセパレータ11と第2のセパレータ12との間に配設し、薄板状の基材31と、基材31の一面31aから格子状にそれぞれ起立して設けた複数の起立片32と、を備えている。
変形吸収部材30は、一枚の薄板に相当する基材31からコの字形状に打ち抜いた後に片持ち梁となるように起ち上げた起立片32を、格子状に形成している。起立片32は、基材31に対して片持ち梁の構造を有していることから、弾性変形可能なバネの機能を備えている。起立片32は、図3に示すように、基材31の一面31aに設けた起立片32の基端側の固定端部32aから延在させた先端側の自由端部32bを、第1のセパレータ11に対して当接させている。変形吸収部材30は、その長手方向の一端に、冷却流体供給口30bに相当する貫通孔を開口している。同様に、変形吸収部材30は、その長手方向の他端に、冷却流体排出口30eに相当する貫通孔を開口している。
ここで、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の各々は、積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を備えている。具体的には、位置決め部は、一例として、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30における、冷却流体供給口11b、24b、12b、および30bの内周縁に相当する。同様に、位置決め部は、一例として、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30における、冷却流体排出口11e、24e、12e、および30eの内周縁に相当する。これらの冷却流体供給口11b、24b、12b、および30bの内周縁の位置を互いに一致させ、かつ、冷却流体排出口11e、24e、12e、および30eの内周縁の位置を互いに一致させる。
単セル1は、互いに密封した状態で複数積層する必要がある。このため、隣り合う単セル1の外周を封止部材によって封止する。封止部材は、たとえば、熱硬化性樹脂を用いる。熱硬化性樹脂は、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等から選択する。
筺体40は、図1に示し、複数積層した単セル1を一体に保持する。
筺体40は、一対のエンドプレート41および42、一対の集電板43および44、スペーサ45、一対の締結板46、一対の補強板47、およびネジ48を含んでいる。
一対のエンドプレート41および42は、図2に示すように、複数積層された単セル1の両端に配設した一対の集電板43および44を挟持して付勢している。一対のエンドプレート41および42の外形形状は、一部の形状を除いて、層厚を増した膜電極接合体20の外形形状と同様である。一対のエンドプレート41および42は、たとえば、金属からなり、一対の集電板43および44と当接する部分に絶縁体を設けている。一対のエンドプレート41および42のうち、エンドプレート41のみ、その長手方向の一端に、アノードガス供給口41a、冷却流体供給口41b、およびカソードガス供給口41cに相当する貫通孔を開口している。同様に、エンドプレート41のみ、その長手方向の他端に、カソードガス排出口41d、冷却流体排出口41e、およびアノードガス排出口41fに相当する貫通孔を開口している。一対のエンドプレート41および42は、前述した一対の集電板43および44の突起部43iおよび44iを挿通させる貫通孔41jおよび42jを開口している。
一対の集電板43および44は、単セル1で生成された電力を外部に取り出す。一対の集電板43および44は、図2に示すように、複数積層された単セル1の両端に、それぞれ配設している。一対の集電板43および44の外形形状は、一部の形状を除いて、層厚を少し厚くした膜電極接合体20の外形形状と同様である。一対の集電板43および44のうち、集電板43のみ、その長手方向の一端に、アノードガス供給口43a、冷却流体供給口43b、およびカソードガス供給口43cに相当する貫通孔を開口している。同様に、集電板43のみ、その長手方向の他端に、カソードガス排出口43d、冷却流体排出口43e、およびアノードガス排出口43fに相当する貫通孔を開口している。
一対の集電板43および44は、その中央に集電部43hおよび44hを備えている。集電部43hおよび44hは、たとえば、ガスを透過させない緻密質カーボンのような導電性部材からなり、アノード22およびカソード23の外形よりも若干小さい薄板状に形成している。集電部43hおよび44hは、複数積層した最外層の単セル1に設けた膜電極接合体20に当接している。集電部43hおよび44hは、その一面から導電性を備えた円柱形状の突起部43iおよび44iを突出して設けている。突起部43iおよび44iは、図2に示すように、一対のエンドプレート41および42の貫通孔41jおよび42jを挿通して、外部に臨んでいる。
スペーサ45は、複数積層した単セル1の積層方向Xに対する長さを調整するためのものである。スペーサ45は、エンドプレート42と集電板44との間に配設している。スペーサ45は、絶縁性の材質からなり、板状に形成している。スペーサ45は、集電板44の突起部44iを挿通させる貫通孔45jを開口している。一対の締結板46は、たとえば、金属からなり、板状に形成している。一対の締結板46は、一対のエンドプレート41および42を、その長手方向の両側から対向するように保持している。一対の補強板47は、たとえば、金属からなり、一対の締結板46よりも細長い板状に形成している。一対の補強板47は、一対のエンドプレート41および42を、その短手方向の両側から対向するように保持している。複数のネジ48は、一対の締結板46および一対の補強板47を、一対のエンドプレート41および42に固定している。
つぎに、第1実施形態に係る単セル1の積層方法、およびその積層方法を具現化した積層装置201について、図4〜図6を参照しながら説明する。
図4は、単セル1を設けた燃料電池100の積層方法を示す斜視図である。図5は、単セル1を複数積層した状態を示す斜視図である。図6は、単セル1を設けた燃料電池100の積層方法の要部を示す上面図である。
燃料電池100用の単セル1の積層方法は、複数の積層部材を積層方向Xと交差する面内において互いに位置決めしつつ積層する方法である。積層部材には、少なくとも第1のセパレータ11、第1のセパレータ11に積層し供給される燃料媒体を用いて発電する膜電極接合体20、膜電極接合体20に積層する第2のセパレータ12、および第2のセパレータ12に積層され第1のセパレータと膜電極接合体20、または第2のセパレータ12の積層方向Xの変形を吸収する変形吸収部材30を用いる。燃料電池100用の単セル1の積層方法は、位置決め工程を有する。位置決め工程は、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ、および変形吸収部材30の各々を、積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を介して位置決めする。
燃料電池100用の単セル1を積層する積層装置201は、複数の積層部材を積層方向Xと交差する面内において互いに位置決めしつつ積層する装置である。積層装置201は、積層部材を移動させる移動部230と、移動部材の作動を制御する制御部240と、を有している。積層部材には、少なくとも第1のセパレータ11、第1のセパレータ11に積層し供給される燃料媒体を用いて発電する膜電極接合体20、膜電極接合体20に積層する第2のセパレータ12、および第2のセパレータ12に積層され第1のセパレータと膜電極接合体20または第2のセパレータ12の積層方向Xの変形を吸収する変形吸収部材30を用いる。ここで、制御部は、移動部材によって、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ、および変形吸収部材30の各々を、積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を介して位置決めする。
積層装置201は、載置台210、一対の位置決め材221および222、移動部230、および制御部240を有している。
載置台210は、板状に形成している。載置台210の上部は、平滑に形成している。載置台210は、長手方向の両側に丸穴を1個ずつ備えている。一対の位置決め材221および222は、積層部材の積層方向Xに沿って互いに並行に起立するように、それぞれ丸穴に挿入して固定している。一対の位置決め材221および222は、それぞれ円柱形状からなり、その外周面を平滑に形成している。
移動部230は、積層部材を移動させる。具体的には、移動部230は、一対のハンドリング用ハンド231および232を備え、第1のセパレータ11、第2のセパレータ12、膜電極接合体20、および変形吸収部材30の長手方向の両端を挟持する。一対のハンドリング用ハンド231および232は、図示せぬ3軸の移動ステージによって、水平方向および垂直方向の任意の場所に移動自在としている。移動部230は、積層部材のたとえば冷却流体供給口を位置決め材221に挿通させつつ、たとえば冷却流体排出口を位置決め材222に挿通させる。さらに、移動部230は、位置決め部に相当する冷却流体供給口の一隅を位置決め材221に当接させつつ、位置決め部に相当する冷却流体排出口の一隅を位置決め材222に当接させて、積層部材の位置決めを行う。
制御部240は、一対のハンドリング用ハンド231および232の作動を制御し、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ、および変形吸収部材30の各々を、積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を用いて位置決めする。制御部240は、ROM、CPU、およびRAMを含んでいる。ROM(Read Only Memory)は、積層部材の位置決めに係る制御プログラムを格納している。CPU(Central Processing Unit)は、積層部材の位置決めに係る制御プログラムに基づき、一対のハンドリング用ハンド231および232等の作動を制御する。RAM(Random Access Memory)は、制御中の各種データを一時的に記憶する。制御部240は、載置台210の一端に取り付けている。
位置決め工程は、移動部230および制御部240による積層部材の位置決めに相当する。位置決め工程は、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ、および変形吸収部材30の各々を、積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を介して位置決めする。位置決め部は、たとえば、冷却流体供給口の予め設定した一隅と、冷却流体排出口の予め設定した一隅に相当する。
上述した第1実施形態によれば、以下のような構成によって作用効果を奏する。
燃料電池100用の単セル1は、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30を有している。膜電極接合体20は、第1のセパレータ11に積層し、供給される燃料媒体を用いて発電する。第2のセパレータ12は、膜電極接合体20に積層する。変形吸収部材30は、第2のセパレータ12に積層され、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、または第2のセパレータ12の積層方向Xの変形を吸収する。ここで、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の各々は、積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を備えている。
このような構成によれば、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の各々が、積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を備えていることから、それらの積層部材を互いに積層したときに位置決め誤差が累積したり特定の方向に偏ったりすることを防止できる。すなわち、燃料電池100用の単セル1は、積層部材の各々を積層方向Xと交差した面内(一の方向Yおよび他の方向Z)において高精度で位置決めすることができる。したがって、単セル1は、所期の電池特性を得ることができる。具体的には、たとえば、第2のセパレータ12と変形吸収部材30とを高精度で位置決めすることによって、互いに当接する面積を一定に保つことができることから、オーム損失を低減させることができる。さらに、第1のセパレータ11と膜電極接合体20、および第2のセパレータ12と膜電極接合体20を、それぞれ高精度で位置決めすることによって、膜電極接合体20に対して均等に応力が掛かることから、膜電極接合体20の耐久性を向上させることができる。
燃料電池100は、単セル1と、複数積層した単セル1を一体に保持する筺体40と、を有している。
このような構成によれば、積層部材の各々を積層方向Xと交差した面内(一の方向Yおよび他の方向Z)において高精度で位置決めした単セル1を用いていることから、その単セル1を積層したときに、位置ずれを抑制することができる。したがって、燃料電池100は、単セル1の積層ずれに起因した電池特性の低下等を生じることなく、単セル1を複数積層して高出力を得ることができる。
燃料電池100用の単セル1の積層方法は、複数の積層部材を積層方向Xと交差する面内において互いに位置決めしつつ積層する方法である。積層部材には、少なくとも第1のセパレータ11、第1のセパレータ11に積層し供給される燃料媒体を用いて発電する膜電極接合体20、膜電極接合体20に積層する第2のセパレータ12、および第2のセパレータ12に積層され第1のセパレータ11と膜電極接合体20または第2のセパレータ12の積層方向Xの変形を吸収する変形吸収部材30を用いる。燃料電池100用の単セル1の積層方法は、位置決め工程を有する。位置決め工程は、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ、および変形吸収部材30の各々を、積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を介して位置決めする。
燃料電池100用の単セル1を積層する積層装置201は、複数の積層部材を積層方向Xと交差する面内において互いに位置決めしつつ積層する装置である。燃料電池100用の単セル1を積層する積層装置201は、積層部材を移動させる移動部と、移動部材の作動を制御する制御部と、を有している。積層部材には、少なくとも第1のセパレータ11、第1のセパレータ11に積層し供給される燃料媒体を用いて発電する膜電極接合体20、膜電極接合体20に積層する第2のセパレータ12、および第2のセパレータ12に積層され第1のセパレータ11と膜電極接合体20または第2のセパレータ12の積層方向Xの変形を吸収する変形吸収部材30を用いる。ここで、制御部は、移動部材によって、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ、および変形吸収部材30の各々を、積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を介して位置決めする。
このような燃料電池100用の単セル1の積層方法および積層装置201によれば、積層部材の各々の位置決め部が積層方向Xの同軸上に沿うように位置していることから、各々の位置決め部が積層方向Xの同軸上に沿って位置していない場合と比較して、それらの積層部材の積層を簡便かつ高速で行うことができる。たとえば、積層部材の各々の位置決め部をCCD等によって画像認識する場合に、複数のCCDを設けて広範囲を撮像したり、1台のCCDをステージ等によって移動させて広範囲を撮像したりする必要がない。また、たとえば、積層部材の各々の移動において、一対のハンドリング用ハンド231および232の動作を積層方向Xおよび面内(一の方向Yおよび他の方向Z)で共通化することができる。さらに、積層部材の各々が積層方向Xの同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を備え、積層部材の各々を同様の条件で積層できることから、特定の積層部材に過度な応力が掛かり損傷するようなことを防止できる。
さらに、位置決め部は、積層方向Xと交差する方向において、膜電極接合体20が電気化学反応によって発電する領域に相当するアクティブエリアの外部まで延長した部分に形成することができる。
このような構成によれば、隣接する積層部材間において、高い位置決め精度が要求されるアクティブエリアから延長した部分に対し、位置決め部を備えている。したがって、積層部材に備える位置決め部の基準を、高精度で位置決めする必要があるアクティブエリアを考慮したものとすることによって、積層部材の各々を効果的に位置決めすることができる。
さらに、位置決め部は、燃料媒体または冷却媒体を流通させるマニホールド部を構成する開口形状から形成することができる。
このような構成によれば、大部分の積層部材に必須であり既存の構成であるマニホールド部を、位置決め部として兼用することができる。したがって、大部分の積層部材においては、位置決め部を新たに備える必要がない。大部分の積層部材において、位置決め部は外形形状に影響しないことから、材料のコストを増大させることなく、かつ、金型の変更を必要としない。ここで、位置決め部を、たとえば積層部材の長手方向の両端に設けられた冷却流体供給口と冷却水排出口にそれぞれ備えた場合、それらの位置決め部の間の距離が十分に長いことから、積層部材を高精度で位置決めすることができる。しかも、それらの位置決め部は、積層部材において高い位置決め精度が必要なアクティブエリアを挟むように位置していることから、積層部材の各々を効果的に位置決めすることができる。
さらに、少なくとも第1のセパレータ11または第2のセパレータ12のいずれかは、変形吸収部材30と接合して接合部を形成することができる。
このような構成によれば、高精度で位置決めした後の積層部材の各々が、互いに位置ずれすることを防止できる。
さらに、接合部は、溶接によって形成することができる。
このような構成によれば、接合部は、汎用性が有り実施が容易な溶接によって形成することができる。具体的には、たとえば隣接する第2セパレータの流路部12gと変形吸収部材30の基材31とが接触している部分に対し、たとえば集光したレーザ光を照射して溶接することによって、十分な接合力を備えた接合部31bを形成することができる。
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態の変形例に係る単セル1の積層方法、およびその積層方法を具現化した積層装置202〜204について、図7を参照しながら説明する。
図7は、単セル1を設けた燃料電池100の積層方法の要部を示す上面図である。
第1実施形態の変形例に係る単セル1は、位置決め部をマニホールド部に備えているものの、そのマニホールド部における位置決め方法が、前述した第1実施形態と異なる。
第1実施形態の変形例においては、前述した第1実施形態と同様の構成からなるものについて、同一の符号を使用し、前述した説明を省略する。
図7(a)に示す積層装置202を用いる場合、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の各々は、たとえばアノードガス供給口とカソードガス供給口に位置決め部を備えている。具体的には、位置決め材221に対して、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30における、アノードガス供給口11a、24a、12a、および30aの内周縁の一隅を当接させて位置決めする。同様に、位置決め材222に対して、カソードガス供給口11c、24c、12c、および30cの内周縁の一隅を当接させて位置決めする。積層装置202において、位置決め材221と位置決め材222は、アノードガス供給口とカソードガス供給口を含む領域のうち、互いに最も離間して対角をなす位置に配設している。なお、位置決め材221および222は、いずれも円柱形状であることから、アノードガス供給口とカソードガス供給口において、それぞれ一隅に対応する2辺に点接触する。
図7(b)に示す積層装置203を用いる場合、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の各々は、たとえば冷却水供給口に位置決め部を備えている。具体的には、位置決め材221に対して、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30における、冷却流体供給口11b、24b、12b、および30bの内周縁の一隅を当接させて位置決めする。同様に、位置決め材222に対して、冷却流体供給口11b、24b、12b、および30bの内周縁の他の隅を当接させて位置決めする。積層装置203において、位置決め材221と位置決め材222は、冷却流体供給口における4隅のうちの対角をなす2隅に位置するように配設している。なお、位置決め材221および222は、いずれも円柱形状であることから、冷却流体供給口において、各々の隅に対応する2辺に点接触する。
図7(c)に示す積層装置204を用いる場合、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の各々は、たとえば冷却水供給口に位置決め部を備えている。具体的には、位置決め材223に対して、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30における、冷却流体供給口11b、24b、12b、および30bの内周縁の一隅を突き当てるように当接させて位置決めする。位置決め材223は、角柱形状であることから、冷却水供給口において、それぞれ一隅に対応する2辺に線接触する。積層装置204において、位置決め材223は、冷却流体供給口における4隅のうちの1隅に位置するように配設している。角柱形状の位置決め材223は、不要な干渉を防止するために、4隅を面取りしている。
上述した第1実施形態の変形例によれば、以下のような構成によって作用効果を奏する。
図7(a)に示す積層装置202では、円柱形状からなる位置決め材221および222に対して、積層部材の短手方向の一端側に備えた2種類のマニホールド部(たとえばアノードガス供給口およびカソードガス供給口)の内周縁の1隅をそれぞれ突き当てるように当接させて、積層部材を位置決めする。図7(b)に示す積層装置203では、円柱形状からなる位置決め材221および222に対して、積層部材の1種類のマニホールド部(たとえば冷却流体供給口)の内周縁の対角をなす2隅をそれぞれ当接させて、積層部材を位置決めする。図7(c)に示す積層装置204では、角柱形状からなる位置決め材223に対して、積層部材の1種類のマニホールド部(たとえば冷却流体供給口)の内周縁の1隅を突き当てるように当接させて、積層部材を位置決めする。
このように、位置決め部は、燃料媒体または冷却媒体を流通させるマニホールド部に対して、様々な構成によって備えることができる。したがって、積層部材のマニホールド部の仕様に応じて、位置決め部の構成を決定することができる。たとえば、積層部材において複数のマニホールド部が異なる大きさから形成されている場合、位置精度を向上させるために、相対的に大きな一のマニホールド部を選択し、その一のマニホールド部に位置決め部を備えてもよい。ここで、1個のマニホールド部の内周縁が十分に大きければ、位置決め材221および222に対して、1個のマニホールド部の内周縁の対角をなす2隅をそれぞれ当接させることによって、積層部材を精度良く位置決めすることができる。また、1個のマニホールド部の内周縁の形状が矩形状からなり十分に大きければ、角柱形状からなる1個の位置決め材223に対して、1個のマニホールド部の内周縁の1隅を突き当てるように当接させるだけで、積層部材を精度良く位置決めすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る単セル2、その積層方法、およびその積層方法を具現化した積層装置205について、図8および図9を参照しながら説明する。
図8は、単セル2を設けた燃料電池の積層方法を示す斜視図である。図9は、単セル2の積層状態の要部を側面から示す断面図である。
第2実施形態の単セル2は、位置決め部11m、20m、12m、および30m等を、ディフューザ部11u、20u、12u、および30uに備えた構成が、前述した第1実施形態と異なる。
第2実施形態においては、前述した第1実施形態と同様の構成からなるものについて、同一の符号を使用し、前述した説明を省略する。
ディフューザ部11u、20u、12u、および30uは、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30において、それぞれマニホールド部とアクティブエリアとの間の領域に相当する。ディフューザ部11u、20u、12u、および30uは、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30において、それぞれアクティブエリアを介して長手方向の両端に設けている。マニホールドから供給された燃料媒体等は、アクティブエリアに到達する前に、ディフューザ部11u、20u、12u、および30uにおいて十分に拡散される。燃料媒体と同様に、冷却媒体(たとえば、冷却水)も十分に拡散される。
単セル2を積層して形成するときに、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の一方のディフューザ部11u、20u、12u、および30uにそれぞれ備えている位置決め部11m、20m、12m、および30mによって位置決めする。同様に、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の他方のディフューザ部11u、20u、12u、および30uにそれぞれ備えている位置決め部11n、20n、12n、および30nによって位置決めする。位置決め部11m、20m、12m、および30mと、位置決め部11n、20n、12n、および30nは、それぞれ積層方向Xに向かう方向に凸状に形成している。ディフューザ部11u、20u、12u、および30uは、燃料媒体等を十分に拡散させるために、複数の凸部を格子状に形成することが一般的である。したがって、凸状からなる位置決め部が、燃料媒体等の流通や拡散を妨げることはない。
第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30によって、単セル2を構成している。その単セル2を積層する毎に凸状からなる位置決め部を段階的に大きくすることによって、隣接する単セル2における位置決め部が互いに嵌合可能なように構成している。このため、積層する単セル2は、所定の組毎にサブユニット化している。そのサブユニットによって、凸状からなり段階的に大きく形成した位置決め部の大きさをリセットすることができる。このように、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30は、アクティブエリアを介して形成した2つの位置決め部(たとえば11mと11n)を用いて、積層方向Xと交差する面内(一の方向Yおよび他の方向Z)で互いに位置決めする。
上述した第2実施形態によれば、以下のような構成によって作用効果を奏する。
位置決め部11m、20m、12m、および30m等は、燃料媒体を拡散させるディフューザ部11u、20u、12u、および30uを構成する凸状に形成している。
このような構成によれば、ディフューザ部11u、20u、12u、および30uにおいて、燃料媒体等を十分に拡散させるために形成している凸部を、位置決め部11m、20m、12m、および30mに兼用することができる。凸状からなる位置決め部11m、20m、12m、および30m等は、燃料媒体等を拡散させつつ、その燃料媒体等の流通を妨げることがない。位置決め部11m、20m、12m、および30m等は、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の外形形状に影響しないことから、材料のコストを増大させることなく、かつ、金型の大幅な変更を必要としない。位置決め部11m、20m、12m、および30m等は、互いに嵌合し合うことから、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30を互いに位置決めした後に、その位置がずれることを防止できる。
さらに、このような構成によれば、ディフューザ部11u、20u、12u、および30uは、積層部材間において高い位置決め精度が要求されるアクティブエリアに隣接している。したがって、積層部材は、アクティブエリアにおける位置精度を高めることができる。すなわち、積層部材における位置決め部11m、20m、12m、および30m等を、高精度で位置決めする必要があるアクティブエリアに隣接させることによって、積層部材の各々を効果的に位置決めすることができる。
さらに、接合部は、第1のセパレータ11または第2のセパレータ12において、燃料媒体を拡散させるディフューザ部11u、20u、12u、および30uに形成することができる。
このような構成によれば、ディフューザ部11u、20u、12u、および30uに起因した容積の変動を抑制することができることから、媒体の流通用のポンプの性能を過度にする必要が無い。また、ポンプに接続する配管の負圧耐性等に係る仕様を過度にする必要がない。このように、補機類のコストを低減させることができる。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態の変形例に係る単セルについて、図10を参照しながら説明する。
図10は、単セルの積層状態の要部を側面から示す断面図である。
第2実施形態の変形例に係る単セルは、凸状、凹状、および孔状の形状を組み合わせることによって、位置決め部11p、20p、12p、および30pを構成していることが、前述した第2実施形態と異なる。
第2実施形態の変形例においては、前述した第2実施形態と同様の構成からなるものについて、同一の符号を使用し、前述した説明を省略する。
第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30は、アクティブエリアを介して長手方向の両端に設けたディフューザ部11u、20u、12u、および30uに対して、位置決め部11p、20p、12p、および30pを備えている。
位置決め部11pは、積層方向Xと反対側に向かって凸状に形成している。位置決め部30pは、孔状に形成している。位置決め部12pおよび20pは、積層方向Xに向かって凸状に形成している。凸状の位置決め部11pは、孔状の位置決め部30pに挿入して位置決めしている。それぞれ凸状の位置決め部12pおよび20pは、互いに嵌合している。位置決め部11pと位置決め部12pとは、たとえばレーザ等によって接合することができる。このように、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30は、アクティブエリアを介して長手方向の両端に設けた位置決め部11p、20p、12p、および30pによって、積層方向Xと交差する面内(一の方向Yおよび他の方向Z)で互いに位置決めする。
上述した第2実施形態の変形例によれば、以下の作用効果を奏する。
位置決め部11p、20p、12p、および30pは、燃料媒体を拡散させるディフューザ部11u、20u、12u、および30uに備え、凸状、凹状、および孔状を組み合わせて形成している。
このような構成によれば、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30における、位置決め部11p、20p、12p、および30pは、互いに嵌合させた状態で位置決め部11pと位置決め部12pとを接合すれば、その位置がずれることがない。特に、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30を複数組積層する場合に、その組毎に位置決め部11p、20p、12p、および30pの形状を変更する必要がない。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る単セル3、その積層方法、およびその積層方法を具現化した積層装置206について、図11および図12を参照しながら説明する。
図11は、単セル3を設けた燃料電池の積層方法の要部を示す斜視図である。図12は、単セル3の積層状態の要部を側面から模式的に示す断面図である。
第3実施形態の単セル3は、位置決め部11r、20r、12r、および30rをアクティブエリアの縁部に備えた構成が、前述した第1および第2実施形態と異なる。
第3実施形態においては、前述した第1または第2実施形態と同様の構成からなるものについて、同一の符号を使用し、前述した説明を省略する。
第1のセパレータ11は、その長手方向の両端の少なくとも一方に、凸部からなる位置決め部11rを形成している。膜電極接合体20は、その長手方向の両端の少なくとも一方に、凹部からなる位置決め部20rを形成している。第1のセパレータ11の凸部からなる位置決め部11rと、膜電極接合体20の凹部からなる位置決め部20rは、積層方向Xに沿って互いに嵌合している。第2のセパレータ12は、その長手方向の両端の少なくとも一方に、凸部からなる位置決め部12rを形成している。膜電極接合体20の凹部からなる位置決め部20rと、第2のセパレータ12の凸部からなる位置決め部12rは、積層方向Xに沿って互いに嵌合している。
変形吸収部材30は、その長手方向の両端の少なくとも一方に、位置決め部30rを形成している。位置決め部30rは、一の方向Yに沿って凸部に形成して構成している。変形吸収部材30の位置決め部30rは、第2のセパレータ12の位置決め部12rに対して、一の方向Yに沿って突き当てた状態で嵌合している。
上述した第3実施形態によれば、以下のような構成によって作用効果を奏する。
位置決め部11r、20r、12r、および30rは、膜電極接合体20が電気化学反応によって発電する領域に相当するアクティブエリアの縁部を構成する凹部および凸部を組み合わせて形成している。
このような構成によれば、積層方向Xに沿った方向に対して膜電極接合体20のアクティブエリアに近接した位置決め部11r、20r、12r、および30rを用い、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30を、互いに高精度で位置決めすることができる。すなわち、たとえば、高い位置決め精度が要求される、第1のセパレータ11のアクティブエリアの流路部11gと、変形吸収部材30のアクティブエリアの起立片32の自由端部32bとを、高精度で位置決めすることができる。位置決め部11r、20r、12r、および30rは、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の外形形状に影響しないことから、材料のコストを増大させることなく、かつ、金型の大幅な変更を必要としない。位置決め部11r、20r、12r、および30rは、互いに嵌合し合うことから、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30を互いに位置決めした後に、その位置がずれることを防止できる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る単セル4、その積層方法、およびその積層方法を具現化した積層装置207について、図13〜図15を参照しながら説明する。
図13は、単セル4を設けた燃料電池の積層方法を示す斜視図である。図14は、単セル4を設けた燃料電池の積層方法の要部を示す斜視図である。図15は、単セル4を設けた燃料電池の積層方法の要部を示す上面図である。
第4実施形態の単セル4は、位置決め部11s、20s、12s、および30sを外周縁に備えた構成が、前述した第1〜第3実施形態と異なる。
第4実施形態においては、前述した第1〜第3のいずれかの実施形態と同様の構成からなるものについて、同一の符号を使用し、前述した説明を省略する。
第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30は、それぞれ位置決め部11s、20s、12s、および30sを外周縁に備えている。位置決め部11s、20s、12s、および30sは、たとえば、それぞれ2個の突起状部を所定の間隔を隔てることによって窪状部を構成している。積層装置207において、位置決め材223および224を、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の長手方向に沿って離間した状態で配設している。位置決め材223および224は、積層方向Xに対して長尺からなり、円柱形状に形成している。
第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の長手方向の外周縁を、位置決め材223に対して点接触させる。一方、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の位置決め部11s、20s、12s、および30sを、位置決め材224に対して嵌め込むように接触させる。このように、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30は、外周縁に備えた位置決め部11s、20s、12s、および30sを基準として、積層方向Xと交差する面内(一の方向Yおよび他の方向Z)で互いに位置決めする。
上述した第4実施形態によれば、以下のような構成によって作用効果を奏する。
位置決め部は、積層方向Xと交差する方向の外周縁を構成する突起状、窪状、またはそれらの形状を組み合わせて形成している。
このような構成によれば、積層部材の長手方向の外周縁を位置決め材223に対して点接触させつつ、その積層部材の位置決め部11s、20s、12s、および30sを位置決め材224に対して嵌め込むように接触させることによって、互いに精度良く位置決めすることができる。位置決め材223および位置決め材224に対して、積層部材のマニホールド部を挿通させる必要がないことから、位置決めが容易である。各々の積層部材は、位置決め材223および位置決め材224に対して、その長手方向の外周縁を接触させるように他の方向Zに沿って移動させることから、接触の良否を目視またはCCD等を介した画像認識によって把握し易い。積層部材の位置決め部11sまたは12sは、セル電圧を測定するための電極端子を兼用することができる。
(第4実施形態の変形例)
第4実施形態の変形例に係る単セル、その積層方法、およびその積層方法を具現化した積層装置208について、図16および図17を参照しながら説明する。
図16は、単セルを設けた燃料電池の積層方法の要部を示す斜視図である。図17は、単セルを設けた燃料電池の積層方法の要部を示す上面図である。
第4実施形態の変形例に係る単セルは、位置決め部11t、20t、12t、および30tを外周縁に備えているものの、その外周縁における位置決め方法が、前述した第4実施形態と異なる。
第4実施形態の変形例においては、前述した第4実施形態と同様の構成からなるものについて、同一の符号を使用し、前述した説明を省略する。
第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30は、それぞれ位置決め部11tおよび30t等を外周縁に備えている。位置決め部11tおよび30t等は、それぞれ2個の突起状部を所定の間隔で隔てて構成している。位置決め部11tおよび30t等は、前述した位置決め部11s、20s、12s、および30sと相似形であるが、形状が相対的に小さい。積層装置208において、位置決め材225および226を、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の長手方向に沿って離間した状態で配設している。位置決め材225および226は、他の方向Zに対して長尺からなり、起立した板状に形成している。位置決め材225および226の長手方向は、他の方向Zに沿っている。
位置決め材225および226の長手方向の面に対して、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30の長手方向の外周縁を、線接触させる。位置決め材225および226の互いに対面する短手方向の面によって、位置決め部11tおよび30t等を挟持するように線接触させる。このように、第1のセパレータ11、膜電極接合体20、第2のセパレータ12、および変形吸収部材30は、外周縁に備えた位置決め部11tおよび30t等を基準として、積層方向Xと交差する面内(一の方向Yおよび他の方向Z)で互いに位置決めする。
上述した第4実施形態の変形例によれば、以下のような構成によって作用効果を奏する。
板状からなる位置決め材225および226の長手方向の面に対して、積層部材の長手方向の外周縁を線接触させる。さらに、位置決め材225および226の対面する短手方向の面に対して、位置決め部11tおよび30t等を挟持するように線接触させる。
このような構成によれば、板状からなる位置決め材225および226の長手方向の面に対して、積層部材の長手方向の外周縁を線接触させることになることから、点接触させる場合と比較して、接触時の応力を緩和させることができる。したがって、積層部材の損傷を防止することができる。さらに、位置決め材225および226の対面する短手方向の面に対して、位置決め部11tおよび30t等を線接触させることから、点接触させる場合と比較した場合、接触時の応力を緩和させ易くなる。したがって、積層部材の位置決め部11tおよび30t等の形状を小さくすることができる。
ここで、位置決め材223および位置決め材224は、第4実施形態と同様に、積層部材のマニホールド部を挿通させる必要がないことから、位置決めが容易である。各々の積層部材は、第4実施形態と同様に、位置決め材225および位置決め材226に対して、その長手方向の外周縁を接触させるように他の方向Zに沿って移動させることから、接触の良否を、目視またはCCD等を介した画像認識によって把握し易い。積層部材の位置決め部11tまたは12tは、第4実施形態と同様に、セル電圧を測定するための電極端子を兼用することができる。
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
たとえば、変形吸収部材30の一面側に、変形吸収部材30を挟持したセパレータ対10(第1のセパレータ11および第2のセパレータ)を配設し、かつ、変形吸収部材30の他面側に、変形吸収部材を挟持しない単独のセパレータを配設することができる。すなわち、変形吸収部材30の積層方向Xに沿った両面のうちのいずれか片面のみに、変形吸収部材30を挟持したセパレータ対10(第1のセパレータ11および第2のセパレータ)を配設すればよい。
変形吸収部材30は、弾性変形可能なバネの機能を有する起立片32を基材31に複数備えた構成に限定されることなく、たとえば伸縮性を備えた凸部を基材31に複数備える構成によって、積層部材の変形を吸収することができる。
第1〜第4実施形態に係る位置決め部を、任意に組み合わせて構成することができる。具体的には、第1実施形態に係るマニホールド部に備えた位置決め部と、第2実施形態に係るディフューザ部11u、20u、12u、および30uに備えた位置決め部と、を組み合わせて構成することができる。
1,2,3,4 単セル、
10 セパレータ対、
11 第1のセパレータ、
12 第2のセパレータ、
13 アノードガス流路、
14 冷却水流路、
15 カソードガス流路、
20 膜電極接合体、
21 電解質膜、
22 アノード、
23 カソード、
24 枠体、
30 変形吸収部材、
31 基材、
31a 一面、
31b 接合部、
32 起立片、
32a 固定端部、
32b 自由端部、
11a,12a,24a,41a,43a アノードガス供給口、
11b,12b,24b,30b,41b,43b 冷却流体供給口、
11c,12c,24c,41c,43c カソードガス供給口、
11d,12d,24d,41d,43d カソードガス排出口、
11e,12e,24e,30e,41e,43e 冷却流体排出口、
11f,12f,24f,41f,43f アノードガス排出口、
11g,12g 流路部、
11m,11n,11p,11r,11s,11t,12m,12n,12p,12r,12s,20m,20n,20p,20r,20s,30m,30n,30p,30r,30s,30t 位置決め部、
11u,12u,20u,30u ディフューザ部、
40 筺体、
41,42 エンドプレート、
41j,42j 貫通孔、
43,44 集電板、
43h,44h 集電部、
43i,44i 突起部、
45 スペーサ、
45j 貫通孔、
46 締結板、
47 補強板、
48 ネジ、
100 燃料電池、
201,202,203,204,205,206,207,208 積層装置、
210 載置台、
221,222,223,224,225,226 位置決め材、
230 移動部、
231,232 ハンドリング用ハンド、
240 制御部、
X 積層方向、
Y 一の方向、
Z 他の方向。

Claims (13)

  1. 第1のセパレータと、
    前記第1のセパレータに積層し、供給される燃料媒体を用いて発電する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体に積層する第2のセパレータと、
    前記第2のセパレータに積層され、前記第1のセパレータ、前記膜電極接合体、または前記第2のセパレータの積層方向の変形を吸収する変形吸収部材と、を有し、
    前記第1のセパレータ、前記膜電極接合体、前記第2のセパレータ、および前記変形吸収部材の各々は、積層方向の同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を備えた燃料電池用の単セル。
  2. 前記位置決め部は、積層方向と交差する方向において、前記膜電極接合体が電気化学反応によって発電する領域に相当するアクティブエリアの外部まで延長した部分に形成した請求項1に記載の燃料電池用の単セル。
  3. 前記位置決め部は、前記燃料媒体または冷却媒体を流通させるマニホールド部を構成する開口形状から形成した請求項1または2に記載の燃料電池用の単セル。
  4. 前記位置決め部は、前記燃料媒体を拡散させるディフューザ部を構成する凸状、凹状、孔状、またはそれらの形状を組み合わせて形成した請求項1または2に記載の燃料電池用の単セル。
  5. 前記位置決め部は、前記膜電極接合体が電気化学反応によって発電する領域に相当するアクティブエリアの縁部を構成する凹部および凸部を組み合わせて形成した請求項1に記載の燃料電池用の単セル。
  6. 前記位置決め部は、積層方向と交差する方向の外周縁を構成する突起状、窪状、またはそれらの形状を組み合わせて形成した請求項1または2に記載の燃料電池用の単セル。
  7. 少なくとも前記第1のセパレータまたは前記第2のセパレータのいずれかは、前記変形吸収部材と接合して接合部を形成した請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池用の単セル。
  8. 前記接合部は、前記第1のセパレータまたは前記第2のセパレータにおいて、前記燃料媒体を拡散させるディフューザ部に形成した請求項7に記載の燃料電池用の単セル。
  9. 前記接合部は、溶接によって形成した請求項7または8に記載の燃料電池用の単セル。
  10. 前記変形吸収部材は、薄板状の基材と、前記基材の一面から格子状にそれぞれ起立し変形自在な複数の起立片と、を備え、
    前記位置決め部は、前記基材から積層方向と交差する方向に沿って延在した部分に形成した請求項1〜9に記載の燃料電池用の単セル。
  11. 請求項1に記載の単セルと、
    複数積層した前記単セルを一体に保持する筺体と、を有する燃料電池。
  12. 複数の積層部材を積層方向と交差する面内において互いに位置決めしつつ積層する燃料電池用の単セルの積層方法であって、
    前記積層部材には、少なくとも第1のセパレータと、前記第1のセパレータに積層し供給される燃料媒体を用いて発電する膜電極接合体と、前記膜電極接合体に積層する第2のセパレータと、前記第2のセパレータに積層され前記第1のセパレータと前記膜電極接合体または前記第2のセパレータの積層方向の変形を吸収する変形吸収部材と、を用い、
    前記第1のセパレータ、前記膜電極接合体、前記第2のセパレータ、および前記変形吸収部材の各々を、積層方向の同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を介して位置決めする位置決め工程を有する燃料電池用の単セルの積層方法。
  13. 複数の積層部材を積層方向と交差する面内において互いに位置決めしつつ積層する燃料電池用の単セルの積層装置であって、
    前記積層部材を移動させる移動部と、
    前記移動部材の作動を制御する制御部と、を有し、
    前記積層部材には、少なくとも第1のセパレータと、前記第1のセパレータに積層し供給される燃料媒体を用いて発電する膜電極接合体と、前記膜電極接合体に積層する第2のセパレータと、前記第2のセパレータに積層され前記第1のセパレータと前記膜電極接合体または前記第2のセパレータの積層方向の変形を吸収する変形吸収部材と、を用い、
    前記制御部は、前記移動部材によって、前記第1のセパレータ、前記膜電極接合体、前記第2のセパレータ、および前記変形吸収部材の各々を、積層方向の同軸上に沿って共通した基準となる位置決め部を介して位置決めする燃料電池用の単セルの積層装置。
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