JP2018156820A - 発電セル及び燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【課題】コストの低廉化を図ることができ、簡易な構成で効率的に精度よく位置決めすることができる発電セル及び燃料電池スタックを提供する。【解決手段】発電セル10Aは、MEA28と、セパレータ30、32と、樹脂枠部材34とを備える。樹脂枠部材34とセパレータ30、32とは、溶着により形成された接合部を介して接合されている。樹脂枠部材34には、複数の発電セル10Aを積層して燃料電池スタック12を構成する際に積層方向に延在する位置決めピン60a、60bに係合するように構成された位置決め部62a、62bが一体的に設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、電解質膜の両側に電極が配設されてなる電解質膜・電極構造体と、前記電解質膜・電極構造体の両側に配設されたセパレータと、前記電解質膜・電極構造体の外周部から外方に突出するとともに周回する樹脂枠部材と、を備えた発電セル及び燃料電池スタックに関する。
発電セルは、固体高分子電解質膜の両側に電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)と、MEAの両側に配設されたセパレータ(バイポーラ板)とを備えている。所定数の発電セルが積層されて燃料電池スタックが構成されており、前記燃料電池スタックは、例えば、燃料電池電気自動車等に搭載される車載用燃料電池スタックとして使用されている。
車載用燃料電池スタックでは、相当に多数の発電セルが積層されている。このため、各発電セル同士を正確に位置決めする必要がある。燃料電池スタックの組み立て作業では、通常、各発電セルに形成された位置決め孔に、ノックピン(位置決めピン)を一体に挿入して各発電セル同士を位置決めしている。
この際、例えば、特許文献1では、MEAと各セパレータのそれぞれの外周部に位置決め孔を形成している。そして、各セパレータの位置決め孔に円環状のブッシュを設け、これらブッシュを互いに嵌合させることによりMEAと各セパレータとを一体化している。複数の発電セルは、ブッシュの内孔に位置決めピンが挿通されることにより位置決めがなされる。
しかしながら、上述した従来技術では、各セパレータに位置決め孔を形成するとともにブッシュを設ける必要があるため、部品点数が増加し、コストが高騰化するという問題がある。また、各セパレータに円環状のブッシュを設けているため、組み付け誤差で積層時に位置ずれが生じるおそれがある。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、コストの低廉化を図ることができ、簡易な構成で精度よく位置決めすることができる発電セル及び燃料電池スタックを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る発電セルは、電解質膜の両側に電極が配設されてなる電解質膜・電極構造体と、前記電解質膜・電極構造体の両側に配設されたセパレータと、前記電解質膜・電極構造体の外周部から外方に突出するとともに前記外周部を周回する樹脂枠部材と、を備えた発電セルであって、前記樹脂枠部材と前記セパレータの外周部とは、溶着により形成された接合部を介して接合されており、前記樹脂枠部材には、複数の前記発電セルを積層して燃料電池スタックを構成する際に積層方向に延在する位置決めピンに係合するように構成された位置決め部が一体的に設けられていることを特徴とする。
上記の発電セルにおいて、前記位置決め部は、各前記セパレータよりも外側に位置していることが好ましい。
上記の発電セルにおいて、前記樹脂枠部材の外周は、四角形状に形成され、前記位置決め部は、前記位置決めピンが挿通するように構成された位置決め孔を有し、且つ前記樹脂枠部材の対角位置に設けられていることが好ましい。
上記の発電セルにおいて、各前記位置決め部は、前記樹脂枠部材の枠形状を構成する枠本体部の外周部から外方に突出するとともに前記位置決め孔が形成された突出部を有することが好ましい。
上記の発電セルにおいて、前記位置決め部は、前記樹脂枠部材の外周部に形成されて外方に開口する切り欠き部であることが好ましい。
上記の発電セルにおいて、前記切り欠き部は、前記樹脂枠部材における互いに反対側の各辺に設けられていることが好ましい。
上記の発電セルにおいて、前記樹脂枠部材の外周は、四角形状に形成され、前記切り欠き部は、前記樹脂枠部材における互いに反対側の一対の辺のうちの片方にのみ設けられていることが好ましい。
本発明に係る燃料電池スタックは、複数の発電セルが積層されて構成される燃料電池スタックであって、前記発電セルは、上述した発電セルであることを特徴とする。
本発明によれば、各セパレータの外周部に樹脂枠部材が溶着されることにより接合部が形成されているため、MEAと各セパレータとを一体化するためのブッシュ等の部品が不要となる。そのため、部品点数が削減されるためコストの低廉化を図ることができる。また、位置決め部が樹脂枠部材に一体的に設けられ、セパレータにはブッシュ等の部品は設けられていないため、簡易な構成で精度よく位置決めすることができる。
以下、本発明に係る発電セル及び燃料電池スタックについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態に係る燃料電池スタック12は、例えば、車載用燃料電池スタックを構成し、図示しない燃料電池車両(燃料電池電気自動車)に搭載される。
図1に示すように、燃料電池スタック12は、複数の発電セル10Aが積層された積層体14を備える。発電セル10Aの積層方向(矢印A方向)の一端には、ターミナルプレート16a、インシュレータ18a及びエンドプレート20aが、外方に向かって、順次、配設される。発電セル10Aの積層方向他端には、ターミナルプレート16b、インシュレータ18b及びエンドプレート20bが、外方に向かって、順次、配設される。各ターミナルプレート16a、16bの略中央には、積層方向外方に延在する端子部22a、22bが設けられる。端子部22a、22bは、エンドプレート20a、20bの外部に突出する。
エンドプレート20a、20bは、矩形状を有するとともに、各辺間には、連結バー24が配置される。各連結バー24は、両端をエンドプレート20a、20bの内面にボルト26を介して固定され、複数の積層された発電セル10Aに積層方向(矢印A方向)の締め付け荷重を付与する。なお、燃料電池スタック12では、エンドプレート20a、20bを端板とする筐体を備え、筐体内に複数個の発電セル10Aを収容するように構成してもよい。
図2に示すように、発電セル10Aは、複数積層されることによって燃料電池スタック12を構成するものであって(図1参照)、電解質膜・電極構造体(MEA28)と、MEA28の両側に配設された一対のセパレータ30、32と、MEA28の外周部に設けられた四角形の枠形状の樹脂枠部材34とを備える。
発電セル10A(MEA28及び各セパレータ30、32)の長辺方向(矢印B方向)の一端部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス供給連通孔36a、冷却媒体供給連通孔38a及び燃料ガス排出連通孔40bが設けられている。酸化剤ガス供給連通孔36aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する。冷却媒体供給連通孔38aは、冷却媒体を供給する。燃料ガス排出連通孔40bは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。酸化剤ガス供給連通孔36a、冷却媒体供給連通孔38a及び燃料ガス排出連通孔40bは、発電セル10Aの短辺方向(矢印C方向)に配列して設けられている。
発電セル10A(MEA28及び各セパレータ30、32)の長辺方向の他端部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガス供給連通孔40a、冷却媒体排出連通孔38b及び酸化剤ガス排出連通孔36bが設けられている。燃料ガス供給連通孔40aは、燃料ガスを供給し、冷却媒体排出連通孔38bは、冷却媒体を排出し、酸化剤ガス排出連通孔36bは、酸化剤ガスを排出する。燃料ガス供給連通孔40a、冷却媒体排出連通孔38b及び酸化剤ガス排出連通孔36bは、矢印C方向に配列して設けられている。
図2及び図3に示すように、MEA28は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜42(陽イオン交換膜)と、固体高分子電解質膜42を挟持するアノード電極44及びカソード電極46とを有する。固体高分子電解質膜42は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を使用してもよい。
図3に示すように、アノード電極44は、固体高分子電解質膜42の一方の面42aに接合される第1電極触媒層44aと、第1電極触媒層44aに積層される第1ガス拡散層44bとを有する。第1ガス拡散層44bは、固体高分子電解質膜42及び第1電極触媒層44aよりも大きな外形寸法を有するが、固体高分子電解質膜42及び第1電極触媒層44aと同一の外形寸法を有してもよい。
カソード電極46は、固体高分子電解質膜42の他方の面42bに接合される第2電極触媒層46aと、第2電極触媒層46aに積層される第2ガス拡散層46bとを有する。第2ガス拡散層46bは、固体高分子電解質膜42及び第2電極触媒層46aよりも大きな外形寸法を有するが、固体高分子電解質膜42及び第2電極触媒層46aと同一の外形寸法を有してもよい。なお、アノード電極44とカソード電極46の平面の大きさは、互いに異なっていてもよい。
第1電極触媒層44aは、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が第1ガス拡散層44bの表面に一様に塗布されて形成される。第2電極触媒層46aは、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が第2ガス拡散層46bの表面に一様に塗布されて形成される。第1ガス拡散層44b及び第2ガス拡散層46bは、カーボンペーパ、カーボンクロス等からなる。第1電極触媒層44a及び第2電極触媒層46aは、固体高分子電解質膜42の両方の面42a、42bに形成される。
図2及び図3において、各セパレータ30、32は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、チタン鋼板あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板の断面を凹凸状にプレス成形して構成される。なお、各セパレータ30、32は、金属セパレータに代えて、例えば、カーボンセパレータを使用してもよい。
セパレータ30のMEA28に向かう面30aには、酸化剤ガス供給連通孔36aと酸化剤ガス排出連通孔36bとを連通する酸化剤ガス流路48が形成される。酸化剤ガス流路48は、矢印B方向に延在する複数本の波状流路溝(又は直線状流路溝)により形成される。
セパレータ32のMEA28に向かう面32aには、燃料ガス供給連通孔40aと燃料ガス排出連通孔40bとを連通する燃料ガス流路50が形成される。燃料ガス流路50は、矢印B方向に延在する複数本の波状流路溝(又は直線状流路溝)により形成される。
セパレータ30の面30bと隣接するセパレータ32の面32bとの間には、冷却媒体供給連通孔38aと冷却媒体排出連通孔38bとに連通する冷却媒体流路52が形成される。冷却媒体流路52は、矢印B方向に延在する複数本の波状流路溝(又は直線状流路溝)により形成される。
図3に示すように、セパレータ30の面30aには、セパレータ30の外周部を周回してシール部材54が一体的又は個別に設けられる。セパレータ32の面32aには、セパレータ32の外周部を周回してシール部材56が一体的又は個別に設けられる。シール部材54、56としては、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。なお、樹脂枠部材34とセパレータ30との間は、セパレータ30の面30aの凸部が樹脂枠部材34に直接接触することによりシールされていてもよい。また、樹脂枠部材34とセパレータ32との間は、セパレータ32の面32aの凸部が樹脂枠部材34に直接接触することによりシールされていてもよい。
図2において、樹脂枠部材34は、セパレータ30、32と略同一の外形寸法を有する。なお、樹脂枠部材34は、セパレータ30、32よりも外形寸法が大きく構成されてもよい。樹脂枠部材34の外周は、四角形状に形成されている。樹脂枠部材34は、MEA28の外周部から外方に突出するとともに周回するように延在している。樹脂枠部材34の内周部は、第1ガス拡散層44b及び第2ガス拡散層46bの外周部に重なり部を有して挟持される(図3参照)。なお、樹脂枠部材34と第1ガス拡散層44b及び第2ガス拡散層46bとの接合構造は、本構造に限定されるものではなく、良好に接合されていれば、如何なる構造を採用してもよい。
樹脂枠部材34は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、POM(ポリオキシメチレン)、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、又はm−PPE(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)等で構成される。樹脂枠部材34は、その他、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、変性ポリオレフィン、又は樹脂フィルムに限らず、エラストマー材となるEPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン、アクリルゴム等のシール材、クッション材、パッキン材で構成してもよい。
図2及び図3に示すように、樹脂枠部材34には、セパレータ30、32の外周部に樹脂枠部材34が抵抗溶接により加熱され溶着されることにより形成された接合部58が設けられる。接合部58は、セパレータ30とセパレータ32の対向位置に設けられる。接合部58は、樹脂枠部材34の各角部に、合計4カ所設定される。なお、接合部58の個数や位置は、種々変更可能である。また、樹脂枠部材34は、セパレータ30、32の外周部に高周波加熱により溶着されることにより接合部58を設けてもよい。セパレータ30、32に樹脂枠部材34が溶着されれば加熱方法は限定されない。さらに、接合部58は、樹脂枠部材34の外周部を周回するように延在していてもよい。
図2において、樹脂枠部材34の外周部には、発電セル10Aを積層する際に位置決めピン60a、60b(ノックピン)に係合する2つの位置決め部62a、62bが設けられている。2つの位置決め部62a、62bは、樹脂枠部材34の中心を基準に点対称に配置されている。具体的に、各位置決め部62a、62bは、樹脂枠部材34の対角位置に設けられている。すなわち、位置決め部62aは、一方の長辺の一端部に設けられ、酸化剤ガス供給連通孔36aの近傍に位置している。位置決め部62bは、他方の長辺の他端部に設けられ、酸化剤ガス排出連通孔36bの近傍に位置している。つまり、位置決め部62a、62bは、接合部58の近傍に位置している。これにより、隣接する発電セル10AとMEA28とを精度よく位置決めできる。なお、位置決め部62a、62bの個数や位置は、種々変更可能である。
位置決め部62a、62bは、樹脂枠部材34の枠形状を構成する枠本体部35の外周縁から外方に突出し、位置決めピン60a、60bが挿通する位置決め孔64が形成された突出部66を有する。図1に示すように、位置決めピン60a、60bは、複数の発電セル10Aを互いに位置決めするためのものであって、各発電セル10Aの位置決め孔64に挿通される。位置決めピン60a、60bの一端部は、エンドプレート20aの内面に形成された穴部68aに挿入され、位置決めピン60a、60bの他端部はエンドプレート20bの内面に形成された穴部68bに挿入される。
図2に示すように、突出部66は、各セパレータ30、32よりも外方に位置している(図4参照)。突出部66は、樹脂枠部材34に一体的に設けられている。すなわち、枠本体部35と突出部66とは、樹脂製のシート材をトリム加工することによって一体的に成形される。換言すれば、枠本体部35と突出部66とを有する樹脂枠部材34は、一枚の連続した樹脂製のシート材からなる一体成形品である。ただし、枠本体部35と突出部66とを別部品で準備して互いに接合するようにしてもよい。
次に、複数の発電セル10Aを積層して燃料電池スタック12を組み立てる作業について説明する。まず、樹脂枠部材34の外周部を各セパレータ30、32の外周部に溶着することにより、樹脂枠部材34付きのMEA28と一対のセパレータ30、32とが一体化された発電セル10Aを複数製造する。
続いて、図4に示すように、支持台70の上にエンドプレート20a、インシュレータ18a及びターミナルプレート16aをこの順に配置する。エンドプレート20aの各穴部68aには、各位置決めピン60a、60bの一端部が挿入される。
そして、所定数の発電セル10Aを位置決めピン60a、60bと位置決め部62a、62bとの案内作用下に位置決めしながら積層する。すなわち、位置決め部62aの位置決め孔64に位置決めピン60aが挿通されるとともに位置決め部62bの位置決め孔64に位置決めピン60bが挿通されるように、発電セル10Aを位置決めピン60a、60bの軸方向(図4の上方)から重ねる。
所定数の発電セル10Aを積層して積層体14を組み立てた後、最上位の発電セル10Aにターミナルプレート16b及びインシュレータ18bをこの順に配置する。その後、図1に示すように、エンドプレート20bの各穴部68bに各位置決めピン60a、60bの他端部が挿入されるようにインシュレータ18bの上にエンドプレート20bを配置する。この際、エンドプレート20aとエンドプレート20bの各辺間に連結バー24を配置する。次いで、連結バー24をボルト26によってエンドプレート20a、20bの内面に固定し、燃料電池スタック12の組み立て作業が終了する。
なお、燃料電池スタック12において、位置決めピン60a、60bが不要であり、燃料電池スタック12から位置決めピン60a、60bを取り外すことができる構成である場合には、複数の発電セル10Aの積層が完了した後で各位置決めピン60a、60bを各発電セル10Aの位置決め部62a、62bから取り外してもよい。
次に、このように構成される燃料電池スタック12の動作について説明する。
まず、図1に示すように、エンドプレート20aの酸化剤ガス供給連通孔36aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス供給連通孔40aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体供給連通孔38aには、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される(図3参照)。
このため、図2に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔36aからセパレータ30、32の酸化剤ガス流路48に導入される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路48に沿って矢印B方向に移動し、MEA28のカソード電極46に供給される(図3参照)。
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔40aからセパレータ30、32の燃料ガス流路50に供給される。燃料ガスは、燃料ガス流路50に沿って矢印B方向に、酸化剤ガスの流れ方向とは対向するように移動し、MEA28のアノード電極44に供給される。
従って、MEA28では、カソード電極46に供給される酸化剤ガスと、アノード電極44に供給される燃料ガスとが、電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、MEA28のカソード電極46に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔36bに沿って矢印A方向に排出される。一方、MEA28のアノード電極44に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔40bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体供給連通孔38aに供給された冷却媒体は、セパレータ30、32及びセパレータ30、32間の冷却媒体流路52に導入される。冷却媒体は、矢印B方向に移動してMEA28を冷却する。この冷却媒体は、冷却媒体排出連通孔38bに沿って矢印A方向に排出される。
次に、本実施形態の効果について以下に説明する。
図2に示すように、燃料電池スタック12を構成する発電セル10Aは、固体高分子電解質膜42の両側にアノード電極44及びカソード電極46が配設されてなるMEA28と、MEA28の両側に配設されたセパレータ30、32と、MEA28の外周部から外方に突出するとともに周回する樹脂枠部材34とを備える。樹脂枠部材34とセパレータ30、32の外周部とは、溶着により形成された接合部58を介して接合されており、樹脂枠部材34には、複数の発電セル10Aを積層して燃料電池スタック12を構成する際に積層方向に延在する位置決めピン60a、60bに係合するように構成された位置決め部62a、62bが一体的に設けられている。
この場合、各セパレータ30、32の外周部に樹脂枠部材34が溶着されることにより接合部58が形成されているため、MEA28と各セパレータ30、32とを一体化するためのブッシュ等の部品が不要となる。そのため、部品点数が削減されるためコストの低廉化を図ることができる。また、位置決め部62a、62bが樹脂枠部材34に一体的に設けられ、セパレータ30、32にはブッシュ等の部品は設けられていないため、簡易な構成で精度よく位置決めすることができる。つまり、セパレータ30、32に前記部品を組み付けると、組み付け誤差で積層時に位置ずれが生じる可能性があるが、樹脂枠部材34に一体的に位置決め部62a、62bが設けられることにより、このような組み付け誤差を少なくすることができる。
図4に示すように、位置決め部62a、62bは、各セパレータ30、32よりも外側に位置しているため、位置決めピン60a、60bを位置決め部62a、62bに係合させる際に各セパレータ30、32が邪魔になることを抑えることができる。
樹脂枠部材34の外周は、四角形状に形成され、位置決め部62a、62bは、位置決めピン60a、60bが挿通するように構成された位置決め孔64を有し、且つ樹脂枠部材34の対角位置に設けられている。そのため、発電セル10Aを一層精度よく位置決めすることができる。
各位置決め部62a、62bは、樹脂枠部材34の枠形状を構成する枠本体部35の外周部から外方に突出するとともに位置決め孔64が形成された突出部66を有する。これにより、簡易な構成で位置決め部62a、62bを各セパレータ30、32の外側に位置させることができる。また、位置決め孔64に位置決めピン60a、60bを挿通させることにより、発電セル10Aを精度よく位置決めすることができる。
燃料電池スタック12は、発電セル10Aに代えて図5及び図6に示す第1変形例に係る発電セル10B又は図7及び図8に示す第2変形例に係る発電セル10Cを備えていてもよい。なお、発電セル10B、10Cにおいて、上述した発電セル10Aと同一の構成には同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
図5及び図6に示すように、第1変形例に係る発電セル10Bは、MEA28と、セパレータ30、32と、樹脂枠部材80とを有する。樹脂枠部材80の外周は、四角形状に形成されている。樹脂枠部材80は、短辺方向(矢印C方向)の寸法がセパレータ30、32の矢印C方向の寸法よりも大きい。つまり、樹脂枠部材80は、セパレータ30、32に対して矢印C方向の両側に突出している。そして、突出した部分の各外周部(外縁部)には、位置決め部82a、82bが設けられている。つまり、位置決め部82a、82bは、互いに反対側の各長辺に設けられている。
2つの位置決め部82a、82bは、樹脂枠部材80の中心を基準に点対称に設けられている。位置決め部82aは、樹脂枠部材80の矢印B方向の中央よりも一端側に位置し、位置決め部82bは、樹脂枠部材80の矢印B方向の中央よりも他端側に位置している。なお、位置決め部82a、82bの個数は、種々変更可能である。
位置決め部82a、82bは、樹脂枠部材80の外周部に形成されて外方(矢印C方向)に開口する半円状の切り欠き部84a、84bである。切り欠き部84aは、位置決めピン60aが挿通可能な大きさに形成されている。具体的には、切り欠き部84aの開口幅wは、位置決めピン60aの直径d(外径)よりも僅かに大きい(図5参照)。切り欠き部84bは、切り欠き部84aと同様に構成されている。
第1変形例に係る発電セル10Bでは、図6に示すように、複数の発電セル10Bを互いに位置決めして積層する際に、切り欠き部84aに位置決めピン60aが挿通されるとともに切り欠き部84bに位置決めピン60bが挿通されるように、発電セル10Bを位置決めピン60a、60bの軸方向から重ねる。
第1変形例によれば、上述した発電セル10Bと同様の効果を奏する。また、位置決め部82a、82bは、樹脂枠部材80の外周部に形成されて外方に開口する切り欠き部84a、84bであるため、複数の発電セル10Bを積層して燃料電池スタック12を組み立てた後で燃料電池スタック12から位置決めピン60a、60bを取り外す場合であっても、位置決めピン60a、60bを円形の孔に挿入したものと比較して摩擦抵抗を小さくすることができる。よって、位置決めピン60a、60bを積層体14から容易に取り外すことができる。
さらに、各切り欠き部84a、84bは、樹脂枠部材80における互いに反対側の各辺に設けられている。そのため、発電セル10Bの面方向の位置ずれを効果的に抑えることができる。
図7及び図8に示すように、第2変形例に係る発電セル10Cは、MEA28と、セパレータ30、32と、樹脂枠部材90とを有する。樹脂枠部材90の外周は、四角形状に形成されている。樹脂枠部材90は、短辺方向(矢印C方向)の寸法がセパレータ30、32の矢印C方向の寸法よりも大きい。つまり、樹脂枠部材90は、セパレータ30、32に対して矢印C方向の片側に突出している。そして、突出した部分の外周部(樹脂枠部材90の片方の長辺)には、2つの位置決め部92a、92bが設けられている。換言すれば、位置決め部92a、92bは、樹脂枠部材90における互いに反対側の一対の長辺のうちの片方にのみ設けられている。位置決め部92a、92bは、樹脂枠部材90の長辺の両端部に位置している。ただし、位置決め部92a、92bは、樹脂枠部材90における互いに反対側の一対の辺のうちの片方にのみ設けられる構成であれば、その個数及び位置を種々変更可能である。
位置決め部92a、92bは、樹脂枠部材90の外周部に形成されて外方(矢印C方向)に開口する半円状の切り欠き部94a、94bである。切り欠き部94a、94bは、切り欠き部84a、84bと同様に構成されている。
第2変形例に係る発電セル10Cでは、図8に示すように、複数の発電セル10Cを互いに位置決めして積層する際に、切り欠き部94aに位置決めピン60aが挿通されるとともに切り欠き部94bに位置決めピン60bが挿通されるように、発電セル10Cを位置決めピン60a、60bの軸方向と交差する方向(例えば、直交する方向)からスライドさせて重ねる。
第2変形例によれば、上述した発電セル10Aと同様の効果を奏する。また、樹脂枠部材90の外周は、四角形状に形成され、切り欠き部94a、94bは、樹脂枠部材90における互いに反対側の一対の辺のうちの片方にのみ設けられている。これにより、複数の発電セル10Cを積層する際に位置決めピン60a、60bの軸方向と交差する方向から切り欠き部94a、94b内に位置決めピン60a、60bを挿入することができるため、複数の発電セル10Cを一層効率的に位置決めすることができる。
位置決め部82a、82b、92a、92bは、図9に示す切り欠き部96であってもよい。この切り欠き部96は、半円状の第1切り欠き部96aと、第1切り欠き部96aから直線状に延在して外方に開口する第2切り欠き部96bとから構成されている。切り欠き部96a、96bの長さLは、位置決めピン60a、60bの外径よりも大きい。そのため、切り欠き部96内に位置決めピン60a、60bが挿通された状態で発電セル10B、10Cの位置ずれを効果的に抑えることができる。
本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10A〜10C…発電セル 12…燃料電池スタック
28…MEA(電解質膜・電極構造体)
30、32…セパレータ 34、80、90…樹脂枠部材
42…固体高分子電解質膜 44…アノード電極
46…カソード電極 58…接合部
62a、62b、82a、82b、92a、92b…位置決め部
28…MEA(電解質膜・電極構造体)
30、32…セパレータ 34、80、90…樹脂枠部材
42…固体高分子電解質膜 44…アノード電極
46…カソード電極 58…接合部
62a、62b、82a、82b、92a、92b…位置決め部
Claims (8)
- 電解質膜の両側に電極が配設されてなる電解質膜・電極構造体と、
前記電解質膜・電極構造体の両側に配設されたセパレータと、
前記電解質膜・電極構造体の外周部から外方に突出するとともに前記外周部を周回する樹脂枠部材と、を備えた発電セルであって、
前記樹脂枠部材と前記セパレータの外周部とは、溶着により形成された接合部を介して接合されており、
前記樹脂枠部材には、複数の前記発電セルを積層して燃料電池スタックを構成する際に積層方向に延在する位置決めピンに係合するように構成された位置決め部が一体的に設けられている、
ことを特徴とする発電セル。 - 請求項1記載の発電セルにおいて、
前記位置決め部は、各前記セパレータよりも外側に位置している、
ことを特徴とする発電セル。 - 請求項1又は2に記載の発電セルにおいて、
前記樹脂枠部材の外周は、四角形状に形成され、
前記位置決め部は、前記位置決めピンが挿通するように構成された位置決め孔を有し、且つ前記樹脂枠部材の対角位置に設けられている、
ことを特徴とする発電セル。 - 請求項3記載の発電セルにおいて、
各前記位置決め部は、前記樹脂枠部材の枠形状を構成する枠本体部の外周部から外方に突出するとともに前記位置決め孔が形成された突出部を有する、
ことを特徴とする発電セル。 - 請求項1又は2に記載の発電セルにおいて、
前記位置決め部は、前記樹脂枠部材の外周部に形成されて外方に開口する切り欠き部である、
ことを特徴とする発電セル。 - 請求項5記載の発電セルにおいて、
前記切り欠き部は、前記樹脂枠部材における互いに反対側の各辺に設けられている、
ことを特徴とする発電セル。 - 請求項5記載の発電セルにおいて、
前記樹脂枠部材の外周は、四角形状に形成され、
前記切り欠き部は、前記樹脂枠部材における互いに反対側の一対の辺のうちの片方にのみ設けられている、
ことを特徴とする発電セル。 - 複数の発電セルが積層されて構成される燃料電池スタックであって、
前記発電セルは、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発電セルである、
ことを特徴とする燃料電池スタック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017052356A JP2018156820A (ja) | 2017-03-17 | 2017-03-17 | 発電セル及び燃料電池スタック |
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JP2017052356A JP2018156820A (ja) | 2017-03-17 | 2017-03-17 | 発電セル及び燃料電池スタック |
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JP2017052356A Pending JP2018156820A (ja) | 2017-03-17 | 2017-03-17 | 発電セル及び燃料電池スタック |
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JP (1) | JP2018156820A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021072162A (ja) * | 2019-10-29 | 2021-05-06 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池シート体の積層方法及び積層装置 |
-
2017
- 2017-03-17 JP JP2017052356A patent/JP2018156820A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021072162A (ja) * | 2019-10-29 | 2021-05-06 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池シート体の積層方法及び積層装置 |
JP7178979B2 (ja) | 2019-10-29 | 2022-11-28 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池シート体の積層方法及び積層装置 |
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