JP7035367B2 - 燃料電池セルユニット、燃料電池スタックおよび燃料電池 - Google Patents

燃料電池セルユニット、燃料電池スタックおよび燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池セルユニット、燃料電池スタックおよび燃料電池に関する。
従来から、燃料電池は、電解質を両側から一対の電極で狭持してなり、供給されたガスによって発電する発電セルと、発電セルを支持する支持部材と、を有するセルユニットを複数積層して構成される(例えば、特許文献1参照)。
特表2009-525564号公報
上記燃料電池において、支持部材は電気的な絶縁性を備えておらず、積層された一のセルユニットの支持部材と他のセルユニットの支持部材とが接触すると、接触箇所を通じて短絡が起きる。そのため、セルユニットを積層する際には、一のセルユニットの支持部材と他のセルユニットの支持部材との間に、電気的な絶縁性を備えたスペーサー等の部材を配置する必要がある。よって、上記燃料電池には、セルユニットを積層する工程が複雑になるという問題がある。
本発明の目的は、支持部材同士の間の電気的な絶縁性を確保しつつセルユニットを容易に積層可能な燃料電池セルユニットおよび燃料電池スタックを提供することである。
上記目的を達成するための本発明の燃料電池セルユニットは、電解質を両側から一対の電極で挟持してなり、供給されたガスによって発電する発電セルと、前記発電セルを支持する支持部材と、前記発電セルとの間に前記ガスの流通路を区画形成するセパレータと、前記セパレータとは別体として構成され、前記支持部材の外周側から前記発電セルに前記ガスを誘導する流路部材と、を有する。前記支持部材は、前記発電セルの一の電極側から前記発電セルを支持する第1支持部材と、前記発電セルの他の電極側から前記発電セルを支持する第2支持部材と、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に配置され、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間を電気的に絶縁する絶縁部材と、を有する。前記絶縁部材は、前記第1支持部材および前記第2支持部材に当接する当接領域と、前記当接領域から面方向に突出する突出領域と、を備える。前記流路部材は、前記支持部材の外周部から前記発電セルに向かって延びている。
第1実施形態の燃料電池スタックを示す斜視図である。 図1の燃料電池スタックをカバーとセルスタックアッセンブリーおよび外部マニホールドに分解した状態を示す斜視図である。 図2のセルスタックアッセンブリーをエアーシェルターと上部エンドプレートとスタックおよび下部エンドプレートに分解した状態を示す斜視図である。 図3のスタックを上部モジュールユニットと複数の中部モジュールユニットおよび下部モジュールユニットに分解した状態を示す斜視図である。 図4の上部モジュールユニットを分解して示す斜視図である。 図4の中部モジュールユニットを分解して示す斜視図である。 図4の下部モジュールユニットを分解して示す斜視図である。 図5~図7のユニットアッシーを分解して示す斜視図である。 図8のメタルサポートセルアッセンブリーを分解して示す斜視図である。 図8のメタルサポートセルアッセンブリーを断面で示す側面図である。 図8のセパレータをカソード側(図8と同じくセパレータ102を上方から視認した側)から示す斜視図である。 図11のセパレータを部分的(図11中の領域12)に示す斜視図である。 図8のセパレータをアノード側(図8と異なりセパレータ102を下方から視認した側)から示す斜視図である。 図13のセパレータを部分的(図13中の領域14)に示す斜視図である。 実施形態に係るセルユニットの平面図である。 図8のメタルサポートセルアッセンブリーとセパレータを積層した状態で部分的(図11中の領域16)に示す断面図である。 図15のセルユニットを複数積層した状態の17A-17A線に沿う断面図である。 図15のセルユニットを複数積層した状態の17B-17B線に沿う断面図である。 燃料電池スタックにおけるアノードガスおよびカソードガスの流れを模式的に示す斜視図である。 燃料電池スタックにおけるカソードガスの流れを模式的に示す斜視図である。 燃料電池スタックにおけるアノードガスの流れを模式的に示す斜視図である。 改変例1に係る燃料電池の一部を分解して示す斜視図である。 改変例1に係る燃料電池の概略断面図である。 改変例1に係る燃料電池におけるカソードガスの流れを説明するための概略斜視図である。 改変例2に係るセルユニットの斜視図である。 改変例2に係るセルユニットの平面図である。 図20Bに示すセルユニットを複数積層した状態の21A-21A線に沿う断面図である。 図20Bに示すセルユニットを複数積層した状態の21B-21B線に沿う断面図である。 改変例3に係るセルユニットの斜視図である。 改変例3に係るセルユニットの平面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面において、同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面において、各部材の大きさや比率は、実施形態の理解を容易にするために誇張し、実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
各図において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、燃料電池スタックを構成する部材の方位を示している。Xによって表す矢印の方向は、燃料電池スタックの短手方向Xを示している。Yによって表す矢印の方向は、燃料電池スタックの長手方向Yを示している。Zによって表す矢印の方向は、燃料電池スタックの積層(高さ)方向Zを示している。
(燃料電池100の構成)
燃料電池100は、図1および図2に示すように、セルスタックアッセンブリー100Mを、外部からガスを供給する外部マニホールド111と、セルスタックアッセンブリー100Mを保護するカバー112によって上下から挟み込んで、構成している。
セルスタックアッセンブリー100Mは、図2および図3に示すように、燃料電池スタック100Sを、下部エンドプレート108と上部エンドプレート109によって上下から挟み込み、カソードガスCGを封止するエアーシェルター110によって覆って、構成している。
燃料電池スタック100Sは、図3および図4に示すように、上部モジュールユニット100P、複数の中部モジュールユニット100Qおよび下部モジュールユニット100Rを積層して、構成している。燃料電池スタック100Sは、積層方向Zに沿って延びており、燃料電池100から外部に電流を取り出すバスバBBを有する。
上部モジュールユニット100Pは、図5に示すように、複数積層したセルユニット100Tを、セルユニット100Tで発電された電力を外部に出力する上部集電板106と、エンドプレートに相当するモジュールエンド105によって上下から挟み込んで構成している。
中部モジュールユニット100Qは、図6に示すように、複数積層したセルユニット100Tを、一対のモジュールエンド105によって上下から挟み込んで構成している。
下部モジュールユニット100Rは、図7に示すように、複数積層したセルユニット100Tを、モジュールエンド105と下部集電板107によって上下から挟み込んで構成している。
バスバBBは、上部集電板106に接続されたアノード側バスバBB1と、下部集電板107に接続されたカソード側バスバBB2と、を有する。
セルユニット100Tは、図8および図9に示すように、供給されたガスによって発電する発電セル101Mを設けたメタルサポートセルアッセンブリー101、隣り合う発電セル101Mを隔てるセパレータ102、セルフレーム101Wとセパレータ102との間に配置されるスペーサー104を含んでいる。
以下、燃料電池スタック100Sを構成毎に説明する。
メタルサポートセルアッセンブリー101は、図8~図10に示すように、供給されたガスによって発電する発電セル101Mを設けたものである。
メタルサポートセルアッセンブリー101において、発電セル101Mは、図9および図10に示すように、電解質101Sを燃料極側の電極(アノード101T)と酸化剤極側の電極(カソード101U)で挟み込んで構成している。メタルサポートセル101Nは、発電セル101Mと、発電セル101Mを一方から支持するサポートメタル101Vによって構成している。メタルサポートセルアッセンブリー101は、一対のメタルサポートセル101Nと、一対のメタルサポートセル101Nを周囲から保持するセルフレーム101W(支持部材に相当)によって構成している。セルフレーム101Wは、サポートメタル101Vを介して発電セル101Mを支持する。
電解質101Sは、図9および図10に示すように、カソード101Uからアノード101Tに向かって酸化物イオンを透過させるものである。電解質101Sは、酸化物イオンを通過させつつ、ガスと電子を通過させない。電解質101Sは、長方体形状から形成されている。電解質101Sは、例えば、イットリア、酸化ネオジム、サマリア、ガドリア、スカンジア等を固溶した安定化ジルコニアなどの固体酸化物セラミックスからなる。
アノード101Tは、図9および図10に示すように、燃料極であって、アノードガスAG(例えば水素)と酸化物イオンを反応させて、アノードガスAGの酸化物を生成するとともに電子を取り出す。アノード101Tは、還元雰囲気に耐性を有し、アノードガスAGを透過させ、電気伝導度が高く、アノードガスAGを酸化物イオンと反応させる触媒作用を有する。アノード101Tは、電解質101Sよりも大きい長方体形状から形成されている。アノード101Tは、例えば、ニッケル等の金属、イットリア安定化ジルコニア等の酸化物イオン伝導体を混在させた超硬合金からなる。
カソード101Uは、図9および図10に示すように、酸化剤極であって、カソードガスCG(例えば空気に含まれる酸素)と電子を反応させて、酸素分子を酸化物イオンに変換する。カソード101Uは、酸化雰囲気に耐性を有し、カソードガスCGを透過させ、電気伝導度が高く、酸素分子を酸化物イオンに変換する触媒作用を有する。カソード101Uは、電解質101Sよりも小さい長方体形状から形成されている。カソード101Uは、例えば、ランタン、ストロンチウム、マンガン、コバルト等の酸化物からなる。
サポートメタル101Vは、図9および図10に示すように、発電セル101Mをアノード101Tの側から支持するものである。サポートメタル101Vは、ガス透過性を有し、電気伝導度が高く、十分な強度を有する。サポートメタル101Vは、アノード101Tよりも十分に大きい長方体形状から形成されている。サポートメタル101Vは、例えば、ニッケルやクロムを含有する耐食合金や耐食鋼、ステンレス鋼からなる。
セルフレーム101Wは、図8~図10に示すように、メタルサポートセル101Nを周囲から保持するものである。セルフレーム101Wは、薄い長方形状から形成している。セルフレーム101Wは、一対の開口部101kを、長手方向Yに沿って設けている。セルフレーム101Wの一対の開口部101kは、それぞれ長方形状の貫通口からなり、サポートメタル101Vの外形よりも若干小さい。セルフレーム101Wは、金属からなり、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、セルフレーム101Wに酸化アルミニウムを固着させて構成する。セルフレーム101Wの開口部101kの内縁に、サポートメタル101Vの外縁を接合することによって、セルフレーム101Wにメタルサポートセルアッセンブリー101を接合している。
セルフレーム101Wは、図9および図10に示すように、長手方向Yに沿った一辺の右端と中央と左端から、面方向に延ばした円形状の延在部(第1延在部101p、第2延在部101qおよび第3延在部101r)を設けている。セルフレーム101Wは、長手方向Yに沿った他辺の中央から離間した2箇所から、面方向に延ばした円形状の延在部(第4延在部101sおよび第5延在部101t)を設けている。セルフレーム101Wにおいて、第1延在部101p、第2延在部101qおよび第3延在部101rと、第4延在部101sおよび第5延在部101tは、一対の開口部101kを隔てて、長手方向Yに沿って交互に位置している。
セルフレーム101Wは、図9および図10に示すように、セルフレーム101Wを連通し、アノードガスAGが通過する開口部120を有する。開口部120は、流入口121と、流出口122と、を有する。流入口121および流出口122は、いわゆる、マニホールドである。
流入口121は、アノードガスAGを通過(流入)させるアノード側第1流入口101aと、アノード側第2流入口101bと、アノード側第3流入口101cと、を有する。
アノードガスAGを通過(流入)させるアノード側第1流入口101a、アノード側第2流入口101b、アノード側第3流入口101cは、第1延在部101p、第2延在部101qおよび第3延在部101rに設けている。
流出口122は、アノードガスAGを通過(流出)させるアノード側第1流出口101dと、アノード側第2流出口101eと、を有する。
アノードガスAGを通過(流出)させるアノード側第1流出口101dおよびアノード側第2流出口101eは、第4延在部101sおよび第5延在部101tに設けている。
セルフレーム101Wは、図9に示すように、カソードガスCGを通過(流入)させるカソード側第1流入口101fを、第1延在部101pと第2延在部101qの間の空間に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流入)させるカソード側第2流入口101gを、第2延在部101qと第3延在部101rの間の空間に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流出)させるカソード側第1流出口101hを、第4延在部101sよりも図9中の右側に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流出)させるカソード側第2流出口101iを、第4延在部101sと第5延在部101tの間の空間に設けている。セルフレーム101Wは、カソードガスCGを通過(流出)させるカソード側第3流出口101jを、第5延在部101tよりも図9中の左側に設けている。セルフレーム101Wにおいて、カソードガスCGの流入口および流出口は、セルフレーム101Wの外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
セパレータ102は、図15および図16に示すように、発電セル101Mとの間にアノードガスAGおよびカソードガスCGの流通路である流路部102Lを区画形成する。
セパレータ102は、メタルサポートセルアッセンブリー101と対向して配置している。セパレータ102は、メタルサポートセルアッセンブリー101と同様の外形形状からなる。セパレータ102は、金属からなり、一対の発電セル101Mと対向する領域(流路部102L)を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、セパレータ102に酸化アルミニウムを固着させて構成する。セパレータ102は、一対の流路部102Lを、一対の発電セル101Mと対向するように長手方向Yに並べて設けている。
セパレータ102において、流路部102Lは、図8および図11~図15に示すように、ガスの流れの方向(短手方向X)に沿って延ばした流路を、ガスの流れの方向(短手方向X)と直交する方向(長手方向Y)に並べることによって形成している。流路部102Lは、図12、図14および図15に示すように、長手方向Yおよび短手方向Xの面内において平坦な平坦部102xから下方に突出するように、凸状のアノード側突起102yを一定の間隔で設けている。アノード側突起102yは、ガスの流れの方向(短手方向X)に沿って延びている。アノード側突起102yは、セパレータ102の下端から下方に向かって若干突出している。流路部102Lは、図12、図14および図15に示すように、平坦部102xから上方に突出するように、凸状のカソード側突起102zを一定の間隔で設けている。カソード側突起102zは、ガスの流れの方向(短手方向X)に沿って延びている。カソード側突起102zは、セパレータ102の上端から上方に向かって若干突出している。流路部102Lは、アノード側突起102yと凸状のカソード側突起102zを、平坦部102xを隔てて、長手方向Yに沿って交互に設けている。
セパレータ102は、図15に示すように、流路部102Lと、その下方(図15中では右方)に位置するメタルサポートセルアッセンブリー101との隙間175を、アノードガスAGの流路として構成している。アノードガスAGは、図13に示すセパレータ102のアノード側第2流入口102b等から、図13および図14に示す複数の溝102qを通り、アノード側の流路部102Lに流入する。セパレータ102は、図13および図14に示すように、複数の溝102qを、アノード側第1流入口102a、アノード側第2流入口102b、アノード側第3流入口102cから、それぞれアノード側の流路部102Lに向かって放射状に形成している。セパレータ102は、図12および図15に示すように、流路部102Lと、その上方(図15中では左方)に位置するメタルサポートセルアッセンブリー101との隙間175を、カソードガスCGの流路として構成している。カソードガスCGは、図11に示すセパレータ102のカソード側第1流入口102fおよびカソード側第2流入口102gから、図11および図12に示すセパレータ102のカソード側の外縁102pを越えて、カソード側の流路部102Lに流入する。セパレータ102は、図12に示すように、カソード側の外縁102pを、他の部分よりも肉薄に形成している。
セパレータ102は、図8、図11および図13に示すように、メタルサポートセルアッセンブリー101と積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口102a、アノード側第2流入口102b、アノード側第3流入口102c、アノード側第1流出口102dおよびアノード側第2流出口102eを設けている。セパレータ102は、メタルサポートセルアッセンブリー101と積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口102f、カソード側第2流入口102g、カソード側第1流出口102h、カソード側第2流出口102iおよびカソード側第3流出口102jを設けている。セパレータ102において、カソードガスCGの流入口および流出口は、セパレータ102の外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
スペーサー104は、図17Aおよび図17Bに示すように、セパレータ102とセルフレーム101Wとの間に配置される。スペーサー104は、一のセルフレーム101Wと、一のセルフレームWに隣接する他のセルフレームWとの間の距離を規制する。
モジュールエンド105は、図5~図7に示すように、複数積層したセルユニット100Tの下端または上端を保持するプレートである。
モジュールエンド105は、複数積層したセルユニット100Tの下端または上端に配置している。モジュールエンド105は、セルユニット100Tと同様の外形形状からなる。モジュールエンド105は、ガスを透過させない導電性材料からなり、発電セル101Mおよび他のモジュールエンド105と対向する一部の領域を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、モジュールエンド105に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
モジュールエンド105は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口105a、アノード側第2流入口105b、アノード側第3流入口105c、アノード側第1流出口105dおよびアノード側第2流出口105eを設けている。モジュールエンド105は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口105f、カソード側第2流入口105g、カソード側第1流出口105h、カソード側第2流出口105iおよびカソード側第3流出口105jを設けている。モジュールエンド105において、カソードガスCGの流入口および流出口は、モジュールエンド105の外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
上部集電板106は、図5に示し、セルユニット100Tで発電された電力を外部に出力するものである。
上部集電板106は、上部モジュールユニット100Pの上端に配置している。上部集電板106は、セルユニット100Tと同様の外形形状からなる。上部集電板106は、外部の通電部材と接続される端子(不図示)を設けている。上部集電板106は、ガスを透過させない導電性材料からなり、セルユニット100Tの発電セル101Mと対向する領域および端子の部分を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、上部集電板106に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
下部集電板107は、図7に示し、セルユニット100Tで発電された電力を外部に出力するものである。
下部集電板107は、下部モジュールユニット100Rの下端に配置している。下部集電板107は、上部集電板106と同様の外形形状からなる。下部集電板107は、外部の通電部材と接続される端子(不図示)を設けている。下部集電板107は、ガスを透過させない導電性材料からなり、セルユニット100Tの発電セル101Mと対向する領域および端子の部分を除いて、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、下部集電板107に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
下部集電板107は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口107a、アノード側第2流入口107b、アノード側第3流入口107c、アノード側第1流出口107dおよびアノード側第2流出口107eを設けている。下部集電板107は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口107f、カソード側第2流入口107g、カソード側第1流出口107h、カソード側第2流出口107iおよびカソード側第3流出口107jを設けている。下部集電板107において、カソードガスCGの流入口および流出口は、下部集電板107の外周面とエアーシェルター110の内側面との空間に相当する。
下部エンドプレート108は、図2および図3に示すように、燃料電池スタック100Sを下方から保持するものである。
下部エンドプレート108は、燃料電池スタック100Sの下端に配置している。下部エンドプレート108は、一部を除いて、セルユニット100Tと同様の外形形状からなる。下部エンドプレート108は、カソードガスCGの流入口および排出口を形成するために、長手方向Yに沿った両端を直線状に伸長させて形成している。下部エンドプレート108は、セルユニット100Tよりも十分に厚く形成している。下部エンドプレート108は、例えば、金属からなり、下部集電板107と接触する上面を、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、下部エンドプレート108に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
下部エンドプレート108は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口108a、アノード側第2流入口108b、アノード側第3流入口108c、アノード側第1流出口108dおよびアノード側第2流出口108eを設けている。下部エンドプレート108は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソードガスCGを通過させるカソード側第1流入口108f、カソード側第2流入口108g、カソード側第1流出口108h、カソード側第2流出口108iおよびカソード側第3流出口108jを設けている。
上部エンドプレート109は、図2および図3に示すように、燃料電池スタック100Sを上方から保持するものである。
上部エンドプレート109は、燃料電池スタック100Sの上端に配置している。上部エンドプレート109は、下部エンドプレート108と同様の外形形状からなる。上部エンドプレート109は、下部エンドプレート108と異なり、ガスの流入口および排出口を設けていない。上部エンドプレート109は、例えば、金属からなり、上部集電板106と接触する下面を、絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、上部エンドプレート109に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
エアーシェルター110は、図2および図3に示すように、燃料電池スタック100Sとの間において、カソードガスCGの流路を形成するものである。
エアーシェルター110は、下部エンドプレート108と上部エンドプレート109によって挟み込まれた燃料電池スタック100Sを上方から覆っている。エアーシェルター110は、エアーシェルター110の内側面と燃料電池スタック100Sの側面との隙間175の部分によって、燃料電池スタック100Sの構成部材のカソードガスCGの流入口と流出口を形成する。エアーシェルター110は、箱形状からなり、下部の全てと側部の一部を開口している。エアーシェルター110は、例えば、金属からなり、内側面を絶縁材またはコーティングを用いて絶縁している。絶縁材は、例えば、エアーシェルター110に酸化アルミニウムを固着させて構成する。
外部マニホールド111は、図1および図2に示し、外部から複数のセルユニット100Tにガスを供給するものである。
外部マニホールド111は、セルスタックアッセンブリー100Mの下方に配置している。外部マニホールド111は、下部エンドプレート108の形状を単純化した外形形状からなる。外部マニホールド111は、下部エンドプレート108よりも十分に厚く形成している。外部マニホールド111は、例えば、金属からなる。
外部マニホールド111は、セルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、アノードガスAGを通過させるアノード側第1流入口111a、アノード側第2流入口111b、アノード側第3流入口111c、アノード側第1流出口111dおよびアノード側第2流出口111eを設けている。外部マニホールド111は、カソードガスCGを通過させるセルユニット100Tと積層方向Zに沿って相対的な位置が合うように、カソード側第1流入口111f、カソード側第2流入口111g、カソード側第1流出口111h、カソード側第2流出口111iおよびカソード側第3流出口111jを設けている。
カバー112は、図1および図2に示すように、セルスタックアッセンブリー100Mを被覆して保護するものである。
カバー112は、セルスタックアッセンブリー100Mを、外部マニホールド111とともに上下から挟み込んでいる。カバー112は、箱形状からなり、下部を開口させている。カバー112は、例えば、金属からなり、内側面を絶縁材によって絶縁している。
(セルフレーム101W)
図8および図17A、図17Bに示すように、セルフレーム101Wは、発電セル101Mのアノード101T(電極に相当)側から発電セル101Mを支持する第1セルフレーム130(第1支持部材に相当)と、発電セル101Mのカソード101U(電極に相当)側から発電セル101Mを支持する第2セルフレーム140(第2支持部材に相当)と、第1セルフレーム130と第2セルフレーム140との間に配置され、第1セルフレーム130と第2セルフレーム140との間を電気的に絶縁する絶縁シート150(絶縁部材に相当)と、を有する。
第1セルフレーム130および第2セルフレーム140は、金属で構成される。第1セルフレーム130および第2セルフレーム140を構成する金属の材料は、特に限定されない。
絶縁シート150を構成する材料は、第1セルフレーム130と第2セルフレーム140との間を電気的に絶縁し得る限りにおいて特に限定されないが、例えば、マイカシートを用いて構成できる。絶縁シート150を構成する材料は、弾性材料であることが好ましい。
第2セルフレーム140は、カソードガスCGを通す複数の孔145a(図8参照)を備え、発電セル101Mに導通接触する集電補助層145(集電補助部材に相当)と、集電補助層145に接続され、集電補助層145を介して発電セル101Mを支持する枠体146(図16参照)と、を有する。セパレータ102は、発電セル101Mとの間に集電補助層145を挟み込んだ状態で、当該発電セル101Mに向かって押し付けられる(図16参照)。
集電補助層145は、いわゆる、エキスパンドメタルである。集電補助層145は、発電セル101Mと同様の外形形状からなる。集電補助層145は、菱形等の孔145aを格子状に設けた金網状からなる。
図17Aおよび図17Bに示すように、絶縁シート150は、第1セルフレーム130および第2セルフレーム140に当接する当接領域155と、当接領域155から面方向に突出する突出領域160と、を有する。
絶縁シート150は、当接領域155において、第1セルフレーム130と第2セルフレーム140とに接合される。絶縁シート150と第1セルフレーム130および第2セルフレーム140との接合方法は特に限定されないが、例えば、低融点ガラスを用いた接合方法やろう付けによる接合方法を使用できる。
突出領域160は、開口部120内に突出する開口側突出領域161と、セルフレーム101Wの外周側から突出する外周側突出領域162と、を有する。
開口側突出領域161は、第1セルフレーム130および第2セルフレーム140において開口部120に臨む端部130E、140Eを保護する。
開口側突出領域161は、第1セルフレーム130において開口部120に臨む端部130Eと、第2セルフレーム140においてマニホールドに臨む端部140Eとの間において短絡が生じないように、当該端部130E、140Eを保護する。開口側突出領域161の突出量は特に限定されない。開口側突出領域161は、開口部120内を流通するアノードガスAGから受ける力によって弾性変形する。
外周側突出領域162は、バスバBBを支持する。外周側突出領域162は、バスバBBを支持する支持開口部162a(支持部に相当)を備える。
支持開口部162aは、バスバBBを挿通させることによってバスバBBを支持する。一のセルユニット100Tの支持開口部162aと、一のセルユニット100Tに隣接する他のセルユニット100Tの支持開口部162aとは、積層方向Zにおいて重なる位置に配置されている(図5~図7参照)。
支持開口部162aの内径は、バスバBBの外径以上である。支持開口部162aの突出量は、支持開口部162aを形成し得る限りにおいて特に限定されない。
(燃料電池スタック100Sにおけるガスの流れ)
図18Aは、燃料電池スタック100SにおけるアノードガスAGおよびカソードガスCGの流れを模式的に示す斜視図である。図18Bは、燃料電池スタック100SにおけるカソードガスCGの流れを模式的に示す斜視図である。図18Cは、燃料電池スタック100SにおけるアノードガスAGの流れを模式的に示す斜視図である。
アノードガスAGは、外部マニホールド111、下部エンドプレート108、モジュールエンド105、セパレータ102、およびメタルサポートセルアッセンブリー101の各々の流入口を通過して、各々の発電セル101Mのアノード101Tに供給される。すなわち、アノードガスAGは、外部マニホールド111から終端の上部集電板106に至るまで、交互に積層されたセパレータ102とメタルサポートセルアッセンブリー101との隙間175に設けられたアノード側の流路に分配して供給される。その後、アノードガスAGは、発電セル101Mで反応し、上記の各構成部材の各々の流出口を通過して排ガスの状態で排出される。
アノードガスAGは、図18Aに示すように、セパレータ102を隔てて、カソードガスCGと交差するように、流路部102Lに供給される。アノードガスAGは、図18Cにおいて、図18Cの下方に位置するセパレータ102のアノード側第1流入口102a、アノード側第2流入口102bおよびアノード側第3流入口102cを通過し、メタルサポートセルアッセンブリー101のアノード側第1流入口101a、アノード側第2流入口101bおよびアノード側第3流入口101cを通過した後、図18Cの上方に位置するセパレータ102の流路部102Lに流入して、メタルサポートセルアッセンブリー101の発電セル101Mのアノード101Tに供給される。アノード101Tで反応した後のアノードガスAGは、排気ガスの状態で、図18Cの上方に位置するセパレータ102の流路部102Lから流出して、メタルサポートセルアッセンブリー101のアノード側第1流出口101dおよびアノード側第2流出口101eを通過し、図18C中の下方に位置するセパレータ102のアノード側第1流出口102dおよびアノード側第2流出口102eを通過して外部に排出される。
カソードガスCGは、外部マニホールド111、下部エンドプレート108、モジュールエンド105、セパレータ102、およびメタルサポートセルアッセンブリー101の各々の流入口を通過して、発電セル101Mのカソード101Uに供給される。すなわち、カソードガスCGは、外部マニホールド111から終端の上部集電板106に至るまで、交互に積層されたメタルサポートセルアッセンブリー101とセパレータ102との隙間175に設けられたカソード側の流路に分配して供給される。その後、カソードガスCGは、発電セル101Mで反応し、上記の各構成部材の各々の流出口を通過して排ガスの状態で排出される。上記の各構成部材におけるカソードガスCGの流入口および流出口は、各々の構成部材の外周面と、エアーシェルター110の内側面との間の隙間175によって、構成している。
カソードガスCGは、図18Bにおいて、図18Bの下方に位置するセパレータ102のカソード側第1流入口102fおよびカソード側第2流入口102gを通過し、そのセパレータ102の流路部102Lに流入して、メタルサポートセルアッセンブリー101の発電セル101Mのカソード101Uに供給される。カソード101Uで反応した後のカソードガスCGは、排気ガスの状態で、図18B中の下方に位置するセパレータ102の流路部102Lから流出して、そのセパレータ102のカソード側第1流出口102h、カソード側第2流出口102iおよびカソード側第3流出口102jを通過して外部に排出される。
以上説明した実施形態の作用効果を説明する。
セルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100は、電解質101Sを両側からアノード101Tおよびカソード101Uで狭持してなり、供給されたアノードガスAGおよびカソードガスCGによって発電する発電セル101Mと、発電セル101Mを支持するセルフレーム101Wと、を有する。セルフレーム101Wは、アノード101T側から発電セル101Mを支持する第1セルフレーム130と、カソード101U側から発電セル101Mを支持する第2セルフレーム140と、第1セルフレーム130と第2セルフレーム140との間に配置され、第1セルフレーム130と第2セルフレーム140との間を電気的に絶縁する絶縁シート150と、を有する。そして、絶縁シート150は、第1セルフレーム130および第2セルフレーム140に当接する当接領域155と、当接領域155から面方向に突出する突出領域160と、を有する。
かかるセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、一のセルフレーム101Wと他のセルフレーム101Wとの間に、電気的な絶縁性を備えたスペーサー等の部材を配置する必要がない。従って、かかるセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、セルフレーム101W同士の間の電気的な絶縁性を確保しつつセルユニット100Tを容易に積層できる。
また、絶縁シート150が突出領域160を有することによって、突出領域160を、特定の機能を発揮する付加機能部として用いることができる。そのため、かかるセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、燃料電池100の品質を容易に向上させることができる。
また、セルフレーム101Wは、発電セル101Mが発電時に熱を放出することに起因して高温になる。電気的な絶縁性を備えた材料は、一般に、高温になると脆化して剛性が低下し易い。本実施形態に係るセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100において、第1セルフレーム130および第2セルフレーム140は金属で構成され、絶縁シート150は、第1セルフレーム130と第2セルフレーム140との間に配置される。そのため、高温状態において絶縁シート150の剛性が低下しても、セルフレーム101W自体の剛性は維持できるから、発電セル101Mの支持力の低下を防止できる。
特に、固体酸化物セラミックスを用いた固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)は、固体高分子膜形燃料電池等と比較して、稼働温度が約700~1000℃と非常に高い。上記効果は、セルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100を固体酸化物形燃料電池に適用した場合において特に顕著である。
また、かかるセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100において、突出領域160は、開口部120内に突出する開口側突出領域161を有する。そして、開口側突出領域161は、セルフレーム101Wにおいて開口部120に臨む端部130E、140Eを保護する。
かかるセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、開口側突出領域161を付加機能部として用いることによって、第1セルフレーム130において開口部120に臨む端部130Eと第2セルフレーム140において開口部120に臨む端部140E同士が接触して短絡することを防止できる。そのため、第1セルフレーム130と第2セルフレーム140との間の電気的な絶縁性をより確実に確保できる。
また、かかる燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100において、突出領域160は、セルフレーム101Wの外周部101WAから突出する外周側突出領域162を有する。そして、外周側突出領域162は、バスバBBを支持する支持開口部162aを有する。
かかる燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、外周側突出領域162を付加機能部として用いることによって、バスバBBを支持する部品を別途設ける必要がなくなる。従って、かかる燃料電池スタック100Sによれば、燃料電池100を構成する部品点数を削減できるから、燃料電池100の製造が容易になるとともにコストを削減できる。
また、かかるセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100は、発電セル101Mとの間にガスの流通路である流路部102Lを区画形成するセパレータ102を有する。第2セルフレーム140は、カソードガスCGを通す複数の孔145aを備え、発電セル101Mに導通接触する集電補助層145と、集電補助層145に接続され、当該集電補助層145を介して発電セル101Mを支持する枠体146と、を有する。そして、セパレータ102は、発電セル101Mとの間に集電補助層145を挟み込んだ状態で、当該発電セル101Mに向かって押し付けられる。
かかるセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、セパレータ102は、発電セル101Mとの間に集電補助層145を挟み込んだ状態で、当該発電セル101Mに向かって押し付けられる。これにより、セパレータ102と発電セル101Mとの間の実質的な接触面積が増加するとともに面圧がより均一になる。そのため、セパレータ102と発電セル101Mとの間の接触抵抗に起因した集電抵抗を低減させることができる。従って、かかるセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、燃料電池100の発電性能が向上する。
(改変例1)
図19A、図19Bおよび図19Cに示すように、積層されたセルユニット100Tとカバー112との間には、空間210が形成される。カソードガスCGは、空間210に供給される。空間210に供給されたカソードガスCGは、空間210内を流動しながら積層方向Zに移動する。
外周側突出領域162は、積層方向Zに沿って空間210を区画する区画部221と、区画部221によって区画された一の空間210から他の空間210にカソードガスCGを通過させる流通部222と、を備えてもよい。
図19A、図19Bおよび図19Cに示す例では、流通部222は、外周側突出領域162の一部を切り欠いて構成している。しかしながら、流通部222は、外周側突出領域162を積層方向Zに貫通する開口によって構成してもよい。
外周側突出領域162は、流通部222を有する第1外周側突出領域162Aと、流通部222を有していない第2外周側突出領域162Bと、を有する。一の第1外周側突出領域162Aと、一の第1外周側突出領域162Aに隣接する他の第1外周側突出領域162Aとは、積層方向Zにおいて所定の間隔を空けて配置されている。
第1外周側突出領域162Aと第2外周側突出領域162Bとは、その突出量が異なる。第1外周側突出領域162Aの突出量は、第2外周側突出領域162Bの突出量よりも大きい。第1外周側突出領域162Aの突出量は、第1外周側突出領域162Aの端部162Eとカバー112との間の隙間を通過するカソードガスCGの量よりも、流通部222を通過するカソードガスCGの量の方が大きくなるように調節される。
一の流通部222と、一の流通部222に隣接する他の流通部222とは、セルユニット100Tの平面視において異なる位置に配置されている。
改変例に係る燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、外周側突出領域162を付加機能部として用いることによって、一の区画空間211から他の区画空間211へと、カソードガスCGを還流させながら流動させることができる。これにより、発電セル101Mが発電時に放出する熱によって、カソードガスCGをより効率的に昇温できる。そのため、燃料電池100の運転開始時において、発電性能をより短時間で安定させることができる。
(改変例2)
図20A、図20B、図21Aおよび図21Bに示すように、セルユニット100Tは、セパレータ102とは別体として構成され、セルフレーム101Wの外周部101WAから発電セル101MにカソードガスCGを誘導する流路部材300をさらに有してもよい。
流路部材300は、発電セル101Mとの間に集電補助層145を挟み込んだ状態において、発電セル101Mに押し付けられる。
カソードガスCGは、セルフレーム101Wの外周側の一の端部101WE1から一の当該端部101WEに対向する他の端部101WE2に向かって流動する。
流路部材300は、セルフレーム101Wの外周部101WAから発電セル101Mに向かって延びている。流路部材300は、セルフレーム101Wの端部101WE1から端部101WE2にわたって延びている。流路部材300は、開口部120との干渉を避けるための切り欠き部301を有する。
改変例に係るセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、流路部材300によって、セルフレーム101Wの外周部101WAに存在するカソードガスCGを、より効率的に発電セル101Mへと誘導できる。そのため、改変例に係るセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、燃料電池100の発電性能が向上する。
また、改変例に係るセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、流路部材300は、セパレータ102とは別体として構成される。これにより、流路部材300については、セルフレーム101Wの外周側から発電セル101MへとカソードガスCGを誘導するという機能に特化した設計が可能になる。そのため、改変例に係るセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、セルフレーム101Wの外周側に存在するガスを発電セル101Mへと誘導し易くなるから、燃料電池100の発電性能が向上する。
また、耐熱性を備えた材料は、加工が難しい傾向にある。改変例に係るセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、流路部材300は、セパレータ102とは別体として構成される。これにより、セパレータ102と流路部材300とを独立して加工できる。そのため、耐熱性を備えた材料を用いてセパレータ102と流路部材300を構成した場合において、セパレータ102および流路部材300の加工がより容易になる。当該効果は、セルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100を固体酸化物形燃料電池に適用した場合において、耐熱性を備えた材料を用いてセパレータ102および流路部材300を構成するときに特に顕著である
なお、セルフレーム101Wの外周部101WAに流路部材300を配置する構成は、上述した実施形態および改変例に係るセルフレーム101Wが絶縁性を備えているから可能となるものである。すなわち、セルフレーム101Wが絶縁性を備えていない場合において、セルフレーム101Wの外周部101WAに流路部材300を配置すると、一のセルフレーム101Wと他のセルフレーム101Wとが流路部材を300介して短絡する虞がある。一方、上述した実施形態に係るセルフレーム101Wは、絶縁シート150を第1セルフレーム130と第2セルフレーム140とによって挟持する構成のため、セルフレーム101W自体が絶縁性を備える。そのため、一のセルフレーム101Wと他のセルフレーム101Wとが流路部材300を介して短絡する虞がないから、セルフレーム101Wの外周部101WAに流路部材300を配置できる。
(改変例3)
上記改変例2では、流路部材300は、単一の部材から構成された。しかしながら、流路部材300は、図22Aおよび図22Bに示すように、複数の分割流路部材310から構成されていてもよい。
複数の分割流路部材310は、開口部120との干渉を避けるように、カソードガスCGの流れ方向に互いにオフセットして配置される。
複数の分割流路部材310は、同一の形状を備える。複数の流路部材300のカソードガスCGの流れ方向における長さは等しい。また、複数の流路部材300のカソードガスCGの流れ方向に交差する方向における長さは等しい。
改変例に係るセルユニット100T、燃料電池スタック100Sおよび燃料電池100によれば、開口部120との干渉を避けるように流路部材300を配置することを容易にできる。また、カソードガスCGの流れ方向における分割流路部材310の長さが等しいことから、カソードガスCGの流れ方向における分割流路部材310の長さが異なっている場合と比較して、流路部材300の製造が容易になる。
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
例えば、上述した実施形態および改変例では、燃料電池セルユニットは、固体酸化物形燃料電池(SOFC、Solid Oxide Fuel Cell)に適用する燃料電池セルユニットとして説明したが、固体高分子膜形燃料電池(PEMFC、Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)、リン酸形燃料電池(PAFC、Phosphoric Acid Fuel Cell)または溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC、Molten Carbonate Fuel Cell)として構成してもよい。すなわち、燃料電池セルユニットは、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に加えて、固体高分子膜形燃料電池(PEMFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)または溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)に適用することができる。
100 燃料電池スタック、
100M セルスタックアッセンブリー、
100S スタック、
100T セルユニット、
100P 上部モジュールユニット、
100Q 中部モジュールユニット、
100R 下部モジュールユニット、
101 メタルサポートセルアッセンブリー、
101M 発電セル、
101N メタルサポートセル、
101S 電解質、
101T アノード(燃料極)、
101U カソード(酸化剤極)、
101V サポートメタル、
101W セルフレーム(支持部材)、
101k 開口部、
102 セパレータ、
102L 流路部、
102p 外縁、
102q 溝、
102x 平坦部、
102y アノード側突起、
102z カソード側突起、
103 集電補助層、
104 封止部材、
105 モジュールエンド、
106 上部集電板、
107 下部集電板、
108 下部エンドプレート、
109 上部エンドプレート、
110 エアーシェルター、
111 外部マニホールド、
101a,102a,105a,107a,108a,111a アノード側第1流入口、
101b,102b,105b,107b,111b,108b アノード側第2流入口、
101c,102c,105c,107c,111c,108c アノード側第3流入口、
101d,102d,108d,107d,111d,105d アノード側第1流出口、
101e,102e,105e,107e,111e,108e アノード側第2流出口、
101f,108f,102f,105f,107f,111f カソード側第1流入口、
101g,102g,105g,107g,108g,111g カソード側第2流入口、
101h,102h,111h,105h,107h,108h カソード側第1流出口、
101i,102i,105i,107i,108i,111i カソード側第2流出口、
101j,102j,105j,107j,108j,111j カソード側第3流出口、
112 カバー、
120 開口部、
130 第1セルフレーム(第1支持部材)、
140 第2セルフレーム(第2支持部材)、
145 集電補助層(集電補助部材)、
150 絶縁シート(絶縁部材)、
155 当接領域、
160 突出領域、
161 開口側突出領域、
162 外周側突出領域、
162E 外周側突出領域の端部、
162a 支持開口部(支持部)、
210 燃料電池スタックとカバーとの間の空間、
221 区画部、
222 流通部、
300 流路部材、
310 分割流路部材、
V 接合ライン、
AG アノードガス、
CG カソードガス、
X (燃料電池スタックの)短手方向、
Y (燃料電池スタックの)長手方向、
Z (燃料電池スタックの)積層方向。

Claims (8)

  1. 電解質を両側から一対の電極で狭持してなり、供給されたガスによって発電する発電セルと、
    前記発電セルを支持する支持部材と、
    前記発電セルとの間に前記ガスの流通路である流路部を区画形成するセパレータと、
    前記セパレータとは別体として構成され、前記支持部材の外周側から前記発電セルに前記ガスを誘導する流路部材と、を有し、
    前記支持部材は、前記発電セルの一の電極側から前記発電セルを支持する第1支持部材と、前記発電セルの他の電極側から前記発電セルを支持する第2支持部材と、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に配置され、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間を電気的に絶縁する絶縁部材と、を有し、
    前記絶縁部材は、前記第1支持部材および前記第2支持部材に当接する当接領域と、前記当接領域から面方向に突出する突出領域と、を備え、
    前記流路部材は、前記支持部材の外周部から前記発電セルに向かって延びている燃料電池セルユニット。
  2. 前記支持部材は、前記第1支持部材の側から前記第2支持部材の側に向かって当該支持部材を連通し、前記ガスが通過する開口部を有し、
    前記突出領域は、前記開口部内に突出する開口側突出領域を有し、
    前記開口側突出領域は、前記支持部材において前記開口部に臨む端部を保護する、請求項1に記載の燃料電池セルユニット。
  3. 複数の前記流路部材を有し、
    前記支持部材は、前記外周部において、前記第1支持部材の側から前記第2支持部材の側に向かって当該支持部材を連通し、前記ガスが通過する複数の開口部を有し、
    前記ガスは、前記支持部材の外周側の一の端部から、一の当該端部に対向する外周側の他の端部に向かって流動し、
    複数の前記流路部材は、複数の前記開口部との干渉を避けるように、前記ガスの流れ方向にオフセットして配置され、
    複数の前記流路部材の前記ガスの流れ方向における長さは等しい、請求項に記載の燃料電池セルユニット。
  4. 前記第1支持部材および前記第2支持部材の少なくとも一方は、前記ガスを通過する複数の孔を備え、前記発電セルに導通接触する集電補助部材と、前記集電補助部材に接続され、当該集電補助部材を介して前記発電セルを支持する枠体と、を有し、
    前記セパレータは、前記発電セルとの間に前記集電補助部材を挟み込んだ状態で、当該発電セルに向かって押し付けられる、請求項1~のいずれか1項に記載の燃料電池セルユニット。
  5. 固体酸化物電解質型の燃料電池セルユニットであり、
    前記第1支持部材および前記第2支持部材は金属で構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の燃料電池セルユニット。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の燃料電池セルユニットを複数積層してなる燃料電池スタック
  7. 前記燃料電池セルユニットの積層方向に沿って延びており、当該燃料電池スタックから外部に電流を取り出すバスバをさらに有し、
    前記突出領域は、前記支持部材の外周側から突出する外周側突出領域を有し、
    前記外周側突出領域は、前記バスバを支持する支持部を備える、請求項6に記載の燃料電池スタック。
  8. 請求項6に記載の燃料電池スタックと、積層された前記燃料電池セルユニットを覆うカバーと、を有し、
    前記ガスは、積層された前記燃料電池セルユニットと前記カバーとの間の空間に供給され、前記空間内を流動しながら前記燃料電池セルユニットの積層方向に移動し、
    前記突出領域は、前記支持部材の外周部から突出する外周側突出領域を有し、
    前記外周側突出領域は、前記積層方向に前記空間を区画する区画部と、前記区画部によって区画された一の前記空間から他の前記空間に前記ガスを通過させる流通部と、を、備え、
    一の前記流通部と、一の前記流通部に隣接する他の前記流通部とは、前記燃料電池セルユニットの平面視において異なる位置に配置される、燃料電池。
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