JP2012203999A - 燃料電池とその製造方法 - Google Patents

燃料電池とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012203999A
JP2012203999A JP2011064588A JP2011064588A JP2012203999A JP 2012203999 A JP2012203999 A JP 2012203999A JP 2011064588 A JP2011064588 A JP 2011064588A JP 2011064588 A JP2011064588 A JP 2011064588A JP 2012203999 A JP2012203999 A JP 2012203999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame
electrode
fuel cell
separators
power generation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011064588A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Wada
三喜男 和田
Kazutaka Iizuka
和孝 飯塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2011064588A priority Critical patent/JP2012203999A/ja
Publication of JP2012203999A publication Critical patent/JP2012203999A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

【課題】燃料電池の構成の簡略化と薄肉化との両立を図る。
【解決手段】燃料電池200は、ガス流路形成部材230と発電体層210を枠状フレーム240の窓部242に組み込み、枠部244で発電体層210の膜露出周縁部219を被覆してアノード・カソードの両電極間の通気を遮断する。また、枠部244をセパレーター220のプレート周縁部223まで延ばして両周縁部で挟持することで、この枠部244にて、セパレーター220の間を気密に区画する。その上で、枠部244の表層の第1流路溝246からガス流路形成部材230、カソード電極215に空気を分離供給し、枠部244の他方の表層の第2流路溝248からアノード電極214に水素を分離供給する。
【選択図】図7

Description

本発明は、膜電極接合体を含む発電体層を反応ガスの給排に関与する一対のセパレーターで挟持した燃料電池と、その製造方法に関する。
燃料電池は、これを積層したスタック構造とされ、車両等への搭載も図られている。例えば、車両への搭載に当たっては、軽量化や小型化のみならず、薄肉化も要請されている。薄肉化は、強度不足を来しやすいので、強度確保の上で、セパレーターとは別にフレームを用いる技術が提案されている(特許文献1)。
特開2003−159571号公報
上記の特許公報では、膜電極接合体を含む発電体層を一対のセパレーターで挟持するに当たり、発電体層の電極であるアノードとカソードの側でそれぞれフレームを介在させている。このため、個々のフレームの薄肉化は可能であるとしても、電池構成部材が増える分、一つの燃料電池構造からすれば、薄肉化の余地が残されていた。
本発明は、上記した課題を踏まえ、燃料電池の構成の簡略化と薄肉化との両立を図ることをその目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用1:燃料電池]
燃料電池であって、
電解質膜を挟んで各膜面に第1と第2の電極を接合した膜電極接合体を含む発電体層と、
該発電体層を挟持するよう配置され、前記発電体層の発電反応に供される第1と第2の反応ガスの給排に関与する一対のセパレーターと、
前記第1と第2の電極の間の通気を遮断した状態に前記発電体層が組み込まれる窓部とこれを取り囲む枠部とを有し、該枠部が前記一対のセパレーターの周縁部に重なるようにして該周縁部で挟持され、前記一対のセパレーターの間を前記枠部にて気密に区画する枠状フレームと、
該枠状フレームの前記枠部と前記一対のセパレーターの前記周縁部とに形成され、前記発電体層における前記第1の電極への給排の対象となる前記第1の反応ガスが通過する第1通過孔と、前記第2の電極への給排の対象となる前記第2の反応ガスが通過する第2通過孔とを備え、
前記枠状フレームは、
前記一対のセパレーターの内で前記第1の電極の側に位置する一方のセパレーターの側の前記枠部の表層に、前記第1通過孔を通過する前記第1の反応ガスを前記第1の電極に導く第1流路溝を備え、前記一対のセパレーターの内の他方のセパレーターの側の前記枠部の表層に、前記第2通過孔を通過する前記第2の反応ガスを前記第2の電極に導く第2流路溝を備える
ことを要旨とする。
上記構成の燃料電池では、一対のセパレーターにて発電体層を挟持するに当たり、枠状フレームの窓部に発電体を組み込んだ上で、窓部を取り囲んで発電体層の周縁に位置することになる枠状フレームの枠部を一対のセパレーターの周縁部に重ねて挟持する。この際、窓部に組み込まれた発電体層の第1と第2の電極の間の通気は、枠状フレームで遮断され、発電体層の第1、第2の電極の周囲、即ち枠状フレームの枠部は、セパレーターの周縁部で挟持されてセパレーター間を気密に区画する。このため、発電体層の第1と第2の電極との間においては、電解質膜を挟んで向かい合う領域のみならず、電極周囲にあっても、ガス通気の上から遮断されることになる。
こうした上で、上記構成の燃料電池は、枠状フレームの枠部と一対のセパレーターの周縁部とに形成された第1通過孔を第1の反応ガスを通過させ、この第1の反応ガスを、第1の電極の側に位置する一方のセパレーターの側の枠部の表層に設けた第1流路溝を経て第1の電極に導く。この場合、第1流路溝は、第1の電極の側に位置するセパレーターの側の枠部の表層に形成されているに過ぎないことから、第1の反応ガスが第2の電極側に流れることはない。第2の反応ガスについても同様であり、上記構成の燃料電池は、枠状フレームの枠部と一対のセパレーターの周縁部とに形成された第2通過孔を第2の反応ガスを通過させ、この第2の反応ガスを、第2の電極の側に位置する他方のセパレーターの側の枠部の表層に設けた第2流路溝を経て第2の電極に導き、この第2の反応ガスを第1の電極側に流すことはない。よって、上記構成の燃料電池では、枠状フレームを介してセパレーターに挟持された発電体層の第1と第2の電極に、第1の反応ガスと第2の反応ガスを分離供給して発電できる。つまり、上記構成の燃料電池によれば、発電に必要なガスの分離供給を単一の枠状フレームを用いることで達成できることから、燃料電池の構成部品点数を低減させて、構成の簡略化と薄肉化とを両立できる。
上記した燃料電池は、次のような態様とすることができる。例えば、前記発電体層の第1、第2の両電極については、これらを、前記第1の電極の電極周縁が前記電解質膜の周縁より電極面中央寄りとなるようにした上で、前記枠状フレームの前記窓部を前記発電体層の外郭形状より小さい形状とし、前記窓部の側の前記枠部の周縁にて、前記第1の電極の前記電極周縁から前記電解質膜の周縁に亘るまでの前記電解質膜の膜面を気密に被覆するようにできる。こうすれば、電解質膜を挟んだ前記第1と第2の電極の間の通気遮断が前記窓部の側の前記枠部の周縁にて達成でき、通気遮断領域は第1の電極の電極周縁の電解質膜の膜面となるので、通気遮断の信頼性を高めることができると共に、通気遮断が簡便となる。
また、前記第1の電極と前記一方のセパレーターとの間に流路形成部材を配置し、この流路形成部材にて、前記第1の電極の電極面において該電極面に沿った前記第1の反応ガスの流路を形成するにした上で、この流路形成部材を前記枠状フレームの前記窓部にて位置決めすることができる。こうすれば、流路形成部材の位置決めのための治具が不要となるので、燃料電池の製造工程の簡略化やコスト低減を図ることができる。
更に、前記一方のセパレーターについては、これを少なくとも前記枠状フレームと接触する範囲を平面とでき、こうすれば、セパレーターの周縁部と枠状フレームの枠部との接触を面接触とできることから、両者の接着固定のための接着剤の塗布を簡便化できる。
また、窓部の側の枠部の周縁にて第1の電極の前記電極周縁から前記電解質膜の周縁に亘るまでの前記電解質膜の膜面を気密に被覆するに当たり、この第1の電極をカソード電極とできる。カソード電極は、アノード電極に比べて電極形成用の触媒を多く使用するので、カソード電極たる第1の電極の電極面積範囲が狭くなる分、触媒使用量の低減を図ることができる。
[適用2:燃料電池の製造方法]
燃料電池の製造方法であって、
電解質膜を挟んで各膜面に第1と第2の電極を接合した膜電極接合体を含み前記第1の電極をその電極周縁が前記第2の電極の周縁より電極面中央寄りとなるようにした発電体層と、該発電体層の発電反応に供される第1と第2の反応ガスの給排に関与する一対のセパレーターと、前記発電体層の外郭形状より小さい形状で開けられた窓部を取り囲む枠部を前記一対のセパレーターの周縁部にまで延在させて有する枠状フレームとを準備する準備工程と、
前記一対のセパレーターの内の一方のセパレーターに、該セパレーターの周縁部と前記枠状フレームの前記枠部とが重なるよう、前記枠状フレームを積層する第1の積層工程と、
前記枠状フレームの前記窓部の側の前記枠部の周縁にて、前記第1の電極の前記電極周縁から前記電解質膜の周縁に亘るまでの前記電解質膜の膜面が気密に覆われるよう、前記枠状フレームに前記発電体層を積層する第2の積層工程と、
前記一対のセパレーターの内の他方のセパレーターを、その周縁部が前記枠状フレームの前記枠部に重なるよう、前記枠状フレームに積層する第3の積層工程とを備え、
前記準備工程にて準備された前記一対のセパレーターは、前記周縁部に、前記発電体層における前記第1の電極への給排の対象となる前記第1の反応ガスが通過する第1通過孔と、前記第2の電極への給排の対象となる前記第2の反応ガスが通過する第2通過孔とを備え、
前記準備工程にて準備された前記枠状フレームは、前記枠部に前記第1通過孔と前記第2通過孔とを備えると共に、前記一方のセパレーターの側の前記枠部の表層に、前記第1通過孔を通過する前記第1の反応ガスを前記第1の電極に導く第1流路溝を備え、前記他方のセパレーターの側の前記枠部の表層に、前記第2通過孔を通過する前記第2の反応ガスを前記第2の電極に導く第2流路溝を備え、
前記第1と第3の積層工程では、前記セパレーターの前記第1通過孔と前記第2通過孔とが前記枠状フレームの前記第1通過孔と前記第2通過孔とが重なるようにされる
ことを要旨とする。
上記した手順を有する燃料電池の製造方法によれば、上記のように構成された発電体層と一対のセパレーターおよび枠状フレームとを準備した上で、一方のセパレーター、枠状フレーム、発電体層および他方のセパレーターを積層すればよいことから、燃料電池の製造工程の簡略化、延いてはコスト低減を図ることが容易となる。
本実施例の燃料電池スタック100の概略構成を燃料電池200の概略構成と合わせて平面視と1−1線断面視にて示す説明図である。 枠状フレーム240を平面視して示す説明図である。 図2における3−3線断面図である。 図2における4−4線断面図である。 図2における5−5線断面図である。 図2における6−6線断面図である。 枠状フレーム240を組み込み済みの燃料電池200を図2における7−7線に沿って断面視して示す説明図である。 枠状フレーム240を組み込み済みの燃料電池200を図2における8−8線に沿って断面視して示す説明図である。 枠状フレーム240を組み込み済みの燃料電池200を図2における9−9線に沿って断面視して示す説明図である。 枠状フレーム240を組み込み済みの燃料電池200を図2における10−10線に沿って断面視して示す説明図である。 燃料電池200と燃料電池スタック100の製造手順を示す工程図である。 枠状フレーム240の組み込みの様子を示す説明図である。 ガス流路形成部材230の組み込みの様子を示す説明図である。 発電体層210の組み込みの様子を示す説明図である。 向かい合うセパレーター220の組み付けの様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は本実施例の燃料電池スタック100の概略構成を燃料電池200の概略構成と合わせて平面視と1−1線断面視にて示す説明図である。図示するように、燃料電池スタック100は、固体高分子形の燃料電池200を複数積層し、その両端にターミナルおよびインシュレータ(図示省略)を配置して、これをエンドプレート(図示省略)で挟持して構成される。この燃料電池スタック100は、燃料ガスとしての水素ガスおよび酸化ガスとしての空気が水素供給マニホールド110in、空気供給マニホールド112inから燃料電池200に供給され、その排ガスが水素排出マニホールド110outおよび空気排出マニホールド112outから排出される。また、冷却水が冷却水供給マニホールド114inから燃料電池200に供給され、その排水が冷却水排出マニホールド114outから排出される。
これら給排のマニホールドは、図示するように矩形形状をなす燃料電池200の周縁に形成されており、水素供給マニホールド110inと水素排出マニホールド110outは、図1の平面図に示すように対角に配置されている。空気供給マニホールド112inと空気排出マニホールド112outは、長手方向の周縁に向かい合って配置されている。冷却水供給マニホールド114inと冷却水排出マニホールド114outは、水素の給排マニホールドと並んで配置されている。そして、水素供給マニホールド110inと水素排出マニホールド110outは、それぞれが単独でその周囲においてシール材121でシールされ、空気供給マニホールド112inと空気排出マニホールド112outは、供給用と排出用でまとめてその周囲においてシール材122でシールされている。冷却水供給マニホールド114inと冷却水排出マニホールド114outは、これらマニホールドが対向する領域を含めて、シール材120にてシールされている。
燃料電池200は、発電体層210と、これを挟持する一対のセパレーター220と、枠状フレーム240と、ガス流路形成部材230を備える。発電体層210は、矩形形状をなし、電解質膜・電極接合体としてのMEA(Membrane Electrode Assembly)212の両面にアノード側ガス拡散層216とカソード側ガス拡散層218を接合して構成される。MEA212は、電解質膜213の表面上に、アノード電極214とカソード電極215とを備える。電解質膜213は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子材料の薄膜である。本実施例では、電解質膜213には、ナフィオン(登録商標)を用いた。アノード電極214およびカソード電極215は、導電性を有する担体上に触媒を担持させた電極であり、本実施例においては、白金触媒を担持したカーボン粒子と、電解質膜213を構成する高分子電解質と同質の電解質とを備えている。
アノード側ガス拡散層216とカソード側ガス拡散層218は、ガス透過性を有する導電性部材、例えば、カーボンペーパやカーボンクロス、あるいは金属メッシュや発泡金属によって形成することができる。本実施例においては、アノード側ガス拡散層216とカソード側ガス拡散層218は、カーボンペーパを用いた。アノード側ガス拡散層216とカソード側ガス拡散層218は、酸化ガスまたは燃料ガスを拡散して、カソード電極215またはアノード電極214の全面に供給する。この両ガス拡散層は、後述するガス流路形成部材230と比べて小さい気孔率を有しており、ガス拡散機能の他に、集電機能や、MEA212の保護機能も担っている。
発電体層210は、MEA212における電解質膜213の両膜面のアノード電極214とカソード電極215、およびMEA212の両側のアノード側ガス拡散層216とカソード側ガス拡散層218について、その形成範囲を異なるものとした。この様子は、後に詳述するが図1の断面図に示されており、発電体層210は、カソード電極215を、その電極周縁が電解質膜213およびアノード電極214の周縁より電極面中央寄りとなるようにして備え、カソード側ガス拡散層218についてもアノード側ガス拡散層216と同様とされている。このため、発電体層210は、カソード電極215の側の発電体層周縁を、MEA212、詳しくは電解質膜213が発電体層周囲に亘って露出した膜露出周縁部219とする。つまり、カソード電極215とカソード側ガス拡散層218とがなす矩形形状は、電解質膜213とアノード電極214およびアノード側ガス拡散層216がなす矩形形状より小さくされている。
本実施例の燃料電池200は、カソード電極215の側にガス流路形成部材230を備える。このガス流路形成部材230は、発電体層210におけるMEA212のカソード電極215にガス(空気)を供給するガス流路を形成する。ガス流路形成部材230は、発電体層210のカソード電極215の側で、カソード側ガス拡散層218とセパレーター220との間(流路形成領域)に配設され、セパレーター220を介して供給された酸化ガス(ここでは空気)を、MEA212の電極面の側方の一方の側から他方の側に向けた流れで流しつつ、空気を発電体層210のカソード電極215に供給する。かかるガス流路形成部材230は、耐食性と導電性とを有する金属、例えば、ステンレス鋼やチタン、チタン合金などの薄板を用いたエキスパンドメタルとされ、カソード電極215とカソード側ガス拡散層218がなす矩形形状と同じ形状もしくはやや大きめの矩形形状とされている。
本実施例の燃料電池200は、アノード電極214への燃料ガス(ここでは水素)の供給流路と冷却水流路とを、アノード側ガス拡散層216の側においてセパレーター220にて形成する。以下、この点を含めてセパレーター220の構成を説明する。
セパレーター220は、発電体層210とこれにカソード電極215の側で重なったガス流路形成部材230とを挟持すべく向かい合って配置され、向かい合うセパレーター220で対をなす。セパレーター220は、カソード電極215の側に位置してガス流路形成部材230が積層される平板状のカソード側プレート222cと、発電体層210と対向する領域において凹凸を有するアノード側プレート222aとを有する。アノード側、カソード側の両プレートは、ガス不透過な導電性部材、例えば、ステンレス鋼やチタン、チタン合金などの薄板鋼板のシャーリング、凹凸プレスを経てそれぞれ形成される。アノード側プレート222aは、適宜な金属接合手法にて、凹凸の頂上部をカソード側プレート222cに気密且つ液密に接合され、凹凸の谷部を発電体層210のアノード側ガス拡散層216に当接させる。これにより、セパレーター220は、アノード側プレート222aにおける凹凸形成領域において、アノード側ガス拡散層216の側にアノード側流路224を形成し、カソード側プレート222cの側に冷却水流路226を形成する。この場合、アノード側プレート222aとカソード側プレート222cとを接合手法にて接合せず、燃料電池スタック100の締結用に用いる締結シャフトが及ぼす締結力にて接合するようにすることもできる。
アノード側流路224と冷却水流路226とは、アノード側プレート222aの凹凸領域において区画され、アノード側流路224は、図1の断面視における紙面手前から奥側に流れる流路と、紙面奥側から手前側に流れる流路とが交互に並んだ折り返し流路として形成される。このアノード側流路224は、水素供給マニホールド110inの側で当該マニホールドとガス流入部224inと繋がり、水素排出マニホールド110outの側でガス流出部224outと繋がっていることから、発電体層210のアノード電極214には、水素ガスが上記した折り返し流路のアノード側流路224を経て供給される。冷却水流路226についても同様であり、冷却水は、冷却水供給マニホールド114inから冷却水流入部226inを経て折り返し流路の冷却水流路226を通過して電池冷却を図り、冷却水流出部226outを経て冷却水排出マニホールド114outから排出される。
アノード側プレート222aとカソード側プレート222cとは、同じ矩形形状の外郭を備え、アノード側プレート222aにあっては、プレート周縁部の内部を、既述した凹凸の形成を経てアノード側流路224と冷却水流路226とをそれぞれ折り返し形成する。そして、アノード側プレート222aとカソード側プレート222cの両プレートは、その周縁部において向き合い、この向き合った周縁部において既述した水素供給マニホールド110in等のマニホールドを備え、各マニホールドを既述したシール材120〜122にてシールする。よって、燃料電池200が積層された燃料電池スタック100においては、その積層方向に沿って水素供給マニホールド110in等のマニホールドが形成され、各マニホールドは、燃料電池200ごとにシールされる。また、セパレーター220におけるアノード側プレート222aとカソード側プレート222cとの液密・気密性についても、プレート周縁部におけるシール材120〜122にて確保される。
上記した構成のセパレーター220は、発電体層210とガス流路形成部材230を間に挟んで向かい合う。そして、一方のセパレーター220のカソード側プレート222cと他方のアノード側プレート222aとが、本願における一対のセパレーターを構成し、水素および空気の給排に関与する。なお、アノード側およびカソード側の上記プレートは、その間に介在する枠状フレーム240と接着剤層130にて固定されるが、これについては、後述する。
次に、枠状フレーム240について説明する。図2は枠状フレーム240を平面視して示す説明図、図3は図2における3−3線断面図、図4は図2における4−4線断面図、図5は図2における5−5線断面図、図6は図2における6−6線断面図である。なお、図3と図4にあっては、上記の線に沿って切断した上で、その断面を右90度回転させて示している。
図2に示すように、枠状フレーム240は、アノード側プレート222aとカソード側プレート222cの両プレートと同じ矩形形状の外郭形状とされ、その中央領域を、発電体層210が組み込まれる窓部242とし、当該窓部を枠部244で取り囲む。この枠状フレーム240は、燃料電池200の運転温度に対する耐熱性と気密性並びに電気絶縁性を有する樹脂成型品であり、種々のエンジニアリングプラスチック、例えば、ポリプロピレン、フェノール樹脂等から形成される。
枠状フレーム240は、枠部244の外郭形状をセパレーター220の上記両プレートと同じにするので、図1に示すように、枠状フレーム240は、向かい合う一対のセパレーター220、詳しくは向かい合うセパレーター220におけるアノード側プレート222aとカソード側プレート222cの周縁部に枠部244を重ねる。そして、枠状フレーム240は、セパレーター220における水素供給マニホールド110inと繋がる水素供給マニホールド110inを枠部244に有する。水素供給マニホールド110inの他の各マニホールドについても同様である。
窓部242は、ガス流路形成部材230がなす矩形形状と同一もしくは僅かに小さな矩形形状とされている。このため、枠状フレーム240へは、枠状フレーム240の窓部242に、カソード電極215とカソード側ガス拡散層218およびガス流路形成部材230とが嵌り込むようにして、発電体層210を組み込むことができる。このように発電体層210が組み込まれると、窓部242の側の枠部244の周縁は、発電体層210の膜露出周縁部219と接合し、樹脂接着剤、例えばポリイソブチレン等が硬化した接着剤層130(図1参照)により膜露出周縁部219と接着される。この接着により、枠状フレーム240は、窓部242の側の枠部244の周縁にて、カソード電極215の電極周縁から電解質膜213の周縁に亘る膜露出周縁部219において、電解質膜213の膜面を気密に被覆することになる(図1参照)。また、枠状フレーム240は、アノード側プレート222aとカソード側プレート222cの周縁部に重なる枠部244を接着剤層130にてこれら各プレートに接着させるので、上記の両プレートの間を枠部244にて気密に区画する。
枠状フレーム240への発電体層210の組み込みは、フレーム表裏のどちらの側からも可能であるが、後述するように枠状フレーム240でのアノードおよびカソードの両電極へのガスの分離供給を行うべく、枠状フレーム240に対しては、一方向からのみの組み込みを行うようにした。以下、説明の便宜上、図1に示す電池構成において、組み込み対象となる発電体層210の膜露出周縁部219と接合する枠部244の表面をアノード側表面242saと称し、その裏面をカソード側表面242scと称する。カソード側表面242scは、窓部242に組み込まれた発電体層210(図1参照)のカソード電極215の側に位置するカソード側プレート222cの側の枠部表面となる。アノード側表面242saは、カソード側プレート222cに向き合うアノード側プレート222aの側の枠部表面となる。
図2〜図6に示すように、枠状フレーム240は、枠部244において、そのカソード側表面242scの側に複数筋の有底の第1流路溝246を備え、アノード側表面242saの側に複数筋の有底の第2流路溝248を備える。第1流路溝246は、それぞれの空気供給マニホールド112inと空気排出マニホールド112outとについて形成され、これらマニホールドから窓部242に達する溝とされている。第2流路溝248は、水素供給マニホールド110inと水素排出マニホールド110outについて形成され、これらマニホールドから窓部242の側に延びるものの、窓部242には達しない溝とされている。
次に、上記した枠状フレーム240によるガスの分離供給について説明する。図7は枠状フレーム240を組み込み済みの燃料電池200を図2における7−7線に沿って断面視して示す説明図、図8は枠状フレーム240を組み込み済みの燃料電池200を図2における8−8線に沿って断面視して示す説明図、図9は枠状フレーム240を組み込み済みの燃料電池200を図2における9−9線に沿って断面視して示す説明図、図10は枠状フレーム240を組み込み済みの燃料電池200を図2における10−10線に沿って断面視して示す説明図である。なお、図7と図8にあっては、上記の線に沿って切断した上で、その断面を右90度回転させて示している。
図7に示すように、枠状フレーム240は、第1流路溝246をカソード側ガス拡散層218とこれに覆われたカソード電極215(図1参照)の側に位置するカソード側プレート222cの側で、枠部244の表層に備え、この第1流路溝246は、空気供給マニホールド112inから窓部242まで延びる。このため、空気供給マニホールド112inを通過する空気は、第1流路溝246に導かれて窓部242のガス流路形成部材230に流れ込んだ後、カソード側ガス拡散層218を経てカソード電極215に供給される。空気のオフガスは、ガス流路形成部材230から空気排出マニホールド112outの側の第1流路溝246を経て、この空気排出マニホールド112outに排出される。
図8では、枠状フレーム240にて空気供給マニホールド112inの側方が塞がれているので上記した空気の供給は起きないものの、これは第1流路溝246と第1流路溝246との間での現象であることから、空気供給マニホールド112inを通過する空気は、複数筋の第1流路溝246(図2参照)にて、カソード側ガス拡散層218とカソード電極215に支障なく供給される。この際、枠状フレーム240は、図におけるその上下面において、接着剤層130にてアノード側プレート222aとカソード側プレート222cに接着されて両プレート間を気密に区画した上で、第1流路溝246の底部部位にて、アノード側プレート222aが形成するアノード側流路224のガス流入部224inとガス流出部224outを塞いでいる。また、枠状フレーム240は、接着剤層130による発電体層210の膜露出周縁部219との接着による当該周縁部の被覆によって、カソード電極215と電解質膜213との間の通気も遮断する。つまり、枠状フレーム240は、空気が発電体層210のアノード電極214の側に入り込まないようにする。
その一方、水素の供給については、図9に示すように、枠状フレーム240は、第2流路溝248をアノード側プレート222aの側で、枠部244の表層に備え、この第2流路溝248は、水素供給マニホールド110inから延びるものの窓部242には到達せず、溝上部の開口を、アノード側プレート222aが形成するアノード側流路224のガス流入部224inに臨ませている。このため、水素供給マニホールド110inを通過する水素は、第2流路溝248に導かれてガス流入部224inからアノード側流路224に流れ込んだ後、アノード側ガス拡散層216を経てアノード電極214に供給される。水素のオフガスは、アノード側流路224の末端のガス流出部224outから第2流路溝248を経て、水素排出マニホールド110outに排出される。
図10では、枠状フレーム240にて水素供給マニホールド110inの側方が塞がれているので上記した水素の供給は起きないものの、これは第2流路溝248と第2流路溝248との間での現象であることから、水素供給マニホールド110inを通過する水素は、複数筋の第2流路溝248(図2参照)にて、アノード側ガス拡散層216とアノード電極214に支障なく供給される。この際、枠状フレーム240は、既述したようにアノード側プレート222aとカソード側プレート222cの両プレート間の気密な区画と、膜露出周縁部219の被覆によるカソード電極215と電解質膜213との間の通気遮断とにより、水素が発電体層210のカソード電極215の側に入り込まないようにする。
次に、上記した燃料電池200、延いては燃料電池スタック100の製造方法について説明する。図11は燃料電池200と燃料電池スタック100の製造手順を示す工程図、図12は枠状フレーム240の組み込みの様子を示す説明図、図13はガス流路形成部材230の組み込みの様子を示す説明図、図14は発電体層210の組み込みの様子を示す説明図、図15は向かい合うセパレーター220の組み付けの様子を示す説明図である。
図11に示す手順によれば、まず、燃料電池200の構成部材となるセパレーター220と、枠状フレーム240、ガス流路形成部材230、発電体層210を準備する(ステップS100)。これら構成部材の準備個数は、燃料電池スタック100に含まれる燃料電池200の数に応じて決定され、一つの燃料電池200については、向かい合う二つのセパレーター220と、一つの枠状フレーム240とガス流路形成部材230と発電体層210とが準備される。
この準備の対象となる発電体層210は、カソード電極215とカソード側ガス拡散層218の形成領域を電解質膜213とアノード電極214の周縁より電極面中央寄りに控えて、発電体層210の周囲に亘って電解質膜213を露出した膜露出周縁部219を有する(図14参照)。セパレーター220にあっては、図12に示すように、アノード側プレート222aとカソード側プレート222cとを、そのプレート周縁部223においてシール材120〜122を介在させた上で接合済みであって、プレート周縁部223に水素供給マニホールド110in等の各マニホールドを有する。ガス流路形成部材230にあっては、既述した矩形形状とされたエキスパンドメタルであり、枠状フレーム240は、既述した窓部242や、第1流路溝246、第2流路溝248の他、枠部244に水素供給マニホールド110in等の各マニホールドを有する(図12参照)。
構成部材の準備に続いては、一方のセパレーター220に枠状フレーム240を積層する(ステップS110)。この様子は図12に示されており、まず、セパレーター220における平板状のカソード側プレート222cに既述した接着剤層130となる接着剤(ポリイソブチレン等)を塗布する。カソード側プレート222cにおける接着剤塗布範囲は、枠状フレーム240の窓部242に相当する非塗布領域Prから外側のプレート周縁部223の上面である。接着剤を枠状フレーム240における枠部244に塗布することもできる。接着剤塗布後には、枠状フレーム240を図における下面側のカソード側表面242scがカソード側プレート222cの上面に接合するよう載置して、枠状フレーム240をセパレーター220に積層する。この積層の際には、セパレーター220のプレート周縁部223と枠状フレーム240の枠部244が重なり、各マニホールドが積層方向に繋がるようにし、その後の乾燥養生を経て、枠状フレーム240をセパレーター220に接着固定する。
次いで、ガス流路形成部材230を組み込む(ステップS120)。この様子は図13に示されており、ガス流路形成部材230を枠状フレーム240の窓部242に嵌め込む。窓部242は、既述したように、ガス流路形成部材230の矩形形状と同じもしくはこれより僅かに小さくされているので、ガス流路形成部材230は、窓部242に嵌合されてこの窓部242自体で位置決めされる。組み込まれたガス流路形成部材230は、枠状フレーム240がカソード側プレート222cに接合するカソード側表面242scの側に有する第1流路溝246と部材端面で繋がることになる。
ガス流路形成部材230の組み込みに続いては、発電体層210を組み込む(ステップS130)。この様子は図14に示されており、発電体層210は、カソード側ガス拡散層218とカソード電極215の形成が控えられた膜露出周縁部219が枠状フレーム240の枠部244の窓側周縁に重なり、カソード電極215とカソード側ガス拡散層218が窓部242に嵌り込むよう、枠状フレーム240に組み付けられる。この組み付けに先だち、枠部244の窓側周縁或いは膜露出周縁部219には上記の接着剤が塗布され、膜露出周縁部219は、窓部242の側の枠部244の周縁にて、気密に覆われる。接着剤の効果を経た接着剤層130により、この気密は確保される。また、窓部242へのカソード側ガス拡散層218の嵌り込みにより、発電体層210は、枠状フレーム240、延いてはセパレーター220に対して位置決めされることになり、枠状フレーム240の第2流路溝248を塞ぐことはない。
続いて、もう一つのセパレーター220を組み付け、発電体層210とガス流路形成部材230および枠状フレーム240を、対向するセパレーター220で挟持する(ステップS140)。この様子は図15に示されており、先のセパレーター220への枠状フレーム240の組み付けと同様、まず、積層対象のセパレーター220におけるアノード側プレート222aのプレート周縁部223或いは枠状フレーム240の枠部244に接着剤を塗布する。そして、接着剤塗布後には、積層対象のセパレーター220を、そのプレート周縁部223が枠状フレーム240の枠部244に重なり、各マニホールドが積層方向に繋がるように、枠状フレーム240に載置して、積層対象のセパレーター220を枠状フレーム240に積層する。その後、乾燥養生を経て、積層対象のセパレーター220を枠状フレーム240に接着固定する。これにより、向かい合うセパレーター220は、そのプレート周縁部223を枠状フレーム240の枠部244に接合させて接着剤層130にて接着固定されるので、水素供給マニホールド110in等の各マニホールドは、それぞれが積層方向に繋がり、枠状フレーム240にて、向かい合うセパレーター220の間が気密に区画される。また、ステップS140で積層されたセパレーター220は、そのアノード側プレート222aの凹凸の連続の凸部を発電体層210のアノード側ガス拡散層216に押し付けるので、このアノード側ガス拡散層216の表面の側にアノード側流路224と冷却水流路226とを形成する。このステップS140までで、個々の燃料電池200が得られる。
続いて、得られた燃料電池200を、図1に示すように積層してスタック化する(ステップS150)。このスタック化では、図示しないターミナルやインシュレータおよびエンドプレートをスタック済み燃料電池200の両端に配置して、積層方向に延びる図示しない締結シャフトにて、積層方向に締結力を及ぼして固定する。これにより、燃料電池200を積層した燃料電池スタック100が得られる。
以上説明したように、本実施例の燃料電池200では、発電体層210を挟持するよう向かい合うセパレーター220を同一構成として、平板状のカソード側プレート222cとガスおよび冷却水の流路形成のためのアノード側プレート222aで構成する。向かい合うセパレーター220にて、発電体層210とガス流路形成部材230および枠状フレーム240を挟持する。この際、枠状フレーム240には、その窓部242にガス流路形成部材230と発電体層210を組み込んで(図13〜図14参照)、ガス流路形成部材230とカソード側ガス拡散層218を242内に配置して、発電体層210の膜露出周縁部219を枠状フレーム240の枠部244にて気密に被覆する(図7〜図10参照)。その上で、窓部242を取り囲んで発電体層210の周縁に位置することになる枠状フレーム240の枠部244を、向かい合うセパレーター220のプレート周縁部223に重ねて挟持する。
本実施例の燃料電池200は、上記した膜露出周縁部219の被覆により、窓部242に組み込み済みの発電体層210において、電解質膜213を挟んだアノード電極214とカソード電極215との間の通気を、枠状フレーム240の枠部244で遮断する。しかも、発電体層210のアノード電極214とカソード電極215の両電極の周囲においては、枠状フレーム240の枠部244をセパレーター220のプレート周縁部223で挟持することで、この枠部244にて、セパレーター220の間を気密に区画する。このため、本実施例の燃料電池200は、発電体層210のアノード電極214とカソード電極215との間において、電解質膜213を挟んで向かい合う領域のみならず、電極周囲、具体的には膜露出周縁部219にあっても、ガス通気の上から遮断する。
また、本実施例の燃料電池200は、向かい合うセパレーター220とセパレーター間を気密に区画する枠状フレーム240とに、重なり合うプレート周縁部223と枠部244とを貫通する水素供給マニホールド110in等のガス供給のためのマニホールドを繋げて備える。その上で、セパレーター間を気密に区画する枠状フレーム240には、カソード側プレート222cの側の枠部244に、空気供給マニホールド112inから、ガス流路形成部材230とカソード側ガス拡散層218が嵌合済みの窓部242まで達する第1流路溝246を備える(図7参照)。これにより、本実施例の燃料電池200は、空気供給マニホールド112inを通過する空気を、第1流路溝246を経てガス流路形成部材230、延いてはカソード側ガス拡散層218とカソード電極215に導く。この第1流路溝246は、カソード電極215の側に位置するカソード側プレート222cの側の枠部244の表層に有底状に形成されているに過ぎないことから、空気をアノード電極214の側に流すことはない。
水素供給についても同様であり、本実施例の燃料電池200は、セパレーター間を気密に区画する枠状フレーム240には、アノード側プレート222aの側の枠部244に、水素供給マニホールド110inから窓部242の手前まで延びて溝開口をガス流入部224inに臨ませた第2流路溝248を備える(図9参照)。これにより、本実施例の燃料電池200は、水素供給マニホールド110inを通過する水素を、第2流路溝248を経てアノード側プレート222aのアノード側流路224からアノード側ガス拡散層216とアノード電極214に導く。この第2流路溝248は、アノード電極214の側に位置するアノード側プレート222aの側の枠部244の表層に有底状に形成されているに過ぎないことから、水素をカソード電極215の側に流すことはない。よって、本実施例の燃料電池200では、向かい合うセパレーター220の間に枠状フレーム240を介して挟持された発電体層210のアノード電極214とカソード電極215に、水素と空気を分離供給して発電できる。この結果、本実施例の燃料電池200によれば、発電に必要な水素と空気の分離供給を単一の枠状フレーム240を用いることで達成できることから、燃料電池の構成部品点数の低減を通して、構成の簡略化と薄肉化とを両立できる。
また、本実施例の燃料電池200では、発電体層210において、カソード電極215とカソード側ガス拡散層218を電解質膜213の周縁から控えて形成するようにして膜露出周縁部219を設けた上で、窓部242にカソード側ガス拡散層218を嵌合させた。こうすることで、膜露出周縁部219の範囲において、電解質膜213を含めて枠部244にて気密に被覆するので、気密な被覆領域を広くでき、通気遮断の信頼性の向上と、簡便な通気遮断を図ることができる。この際、膜露出周縁部219と枠部244とを接着剤層130により接着するので、通気遮断の信頼性は、より高まる。
また、本実施例の燃料電池200では、カソード電極215に重なるカソード側ガス拡散層218とカソード側プレート222cとの間にガス流路形成部材230を組み込み、このガス流路形成部材230にてカソード電極215の電極面において電極面に沿った空気の流路を形成する。その上で、ガス流路形成部材230を枠状フレーム240の窓部242に嵌合させて、ガス流路形成部材230を窓部242にて位置決めする。このため、ガス流路形成部材230の組み込みに際しての当該部材の位置決めのための治具が不要となるので、燃料電池200の製造工程の簡略化やコスト低減を図ることができる。具体的には、図13に示すように、ガス流路形成部材230については、これを窓部242に嵌り込むよう積層するだけでよいので、位置決め用の治具が不要なばかりか、作業内容も簡便となって作業工程が簡略となる。
また、本実施例の燃料電池200では、枠状フレーム240を発電体層210とは別体として、これらを図12〜図14に示すように、順次、積層することで、枠状フレーム240を介して発電体層210を保持し、その後のセパレーター220の積層により、発電体層210をセパレーター220にて挟持する。このため、燃料電池200の製造の際に、予め発電体層210を枠状フレーム240に形成したいわゆるサブアッシー品とする必要がない。通常、サブアッシー品化は、本実施例の枠状フレーム240に代わる枠状フレームに電解質膜213を形成し、その両膜面にアノード電極214とカソード電極215を形成する。こうした枠状フレームへの膜形成や膜面への電極形成の際には、電解質膜213に撓みやシワが発生することがある。ところが、本実施例の燃料電池200では、上記したようにサブアッシー品化は無用であるばかりか、枠状フレーム240に発電体層210を積層すれば足りるので、電解質膜213に撓みやシワを起き難くできる。
加えて、本実施例の燃料電池200では、カソード側プレート222cについては、これを平板状としたので、接着剤層130による枠状フレーム240の固定のための接着剤塗布は、平板状のカソード側プレート222cのプレート周縁部223に行えば済む。このため、カソード側プレート222cの側における接着剤塗布の均一化が簡便となり、接着剤層130もほぼ同じ厚みとできる。また、アノード側プレート222aについても、そのプレート周縁部223については枠状フレーム240の枠部244と重なるよう平板状とできるので、接着剤塗布の均一化や接着剤層130の厚みの均一化も達成できる。そして、発電体層210の膜露出周縁部219と枠部244との接着にあっても、膜露出周縁部219がほぼ平面であることから、接着剤塗布の均一化や接着剤層130の厚みの均一化を図ることができる。
また、本実施例の燃料電池200では、向かい合うカソード側プレート222cとアノード側プレート222aのプレート周縁部223を平板状とした上で、この向かい合うプレート周縁部223の間に枠状フレーム240の枠部244を介在させる。枠状フレーム240の枠部244は、燃料電池スタック100のそれぞれの積層位置の燃料電池200において、プレート周縁部間の間隙を維持するよう作用する。このため、燃料電池スタック100における積層位置が異なる燃料電池200であっても、水素供給マニホールド110in等のマニホールドのシールのためのシール材120〜122の圧縮変形の程度をほぼ同じとできるので、燃料電池スタック100を分解した際のシール材の再利用性を高めることができる。
また、本実施例の燃料電池200では、膜露出周縁部219を形成するために電極形成範囲を控える電極をカソード電極215とした。カソード電極215は、アノード電極214に比べて電極形成用の触媒を多く使用するので、膜露出周縁部219の形成のためにカソード電極215の電極面積範囲を狭くできる分、触媒使用量の低減を図ることができる。
また、図11の製造手順とその様子を示す図12〜図15に示したように、本実施例の製造方法によれば、発電に必要な水素と空気の分離供給を単一の枠状フレーム240を用いることで達成できる燃料電池200を、セパレーター220、枠状フレーム240、ガス流路形成部材230、発電体層210およびセパレーター220を順に積層することで製造できる。よって、燃料電池200の製造工程の簡略化、延いてはコスト低減を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態を実施例にて説明したが、本発明は上記した実施例や変形例の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、上記の実施例では、発電体層210において電解質膜213の膜露出周縁部219を形成するに当たり、カソード電極215のみを電極形成範囲を控えるようにしたが、アノード電極214にあってもその形成範囲を控えるようにすることもできる。こうすれば、カソード電極215の形成を控えた膜露出周縁部219の反対側では、アノード電極214は形成されず、アノード側ガス拡散層216が電解質膜213に形成されることになる。この場合には、アノード電極214の形成を控える分についても、触媒使用量を抑制できる。
また、セパレーター220を準備するに当たっては、図12に示すように、アノード側プレート222aとカソード側プレート222cとを、そのプレート周縁部223においてシール材120〜122を介在させた上で接合済みのセパレーター220を準備したが、次のようにすることもできる。ステップS110の準備手順では、カソード側プレート222cとアノード側プレート222aおよびシール材120〜122をそれぞれ個別に準備する。そして、カソード側プレート222cへの枠状フレーム240の積層(ステップS110)、ガス流路形成部材230の積層(ステップS120)、発電体層210の積層(ステップS130)、アノード側プレート222aの積層(ステップS140)を順次行う。これに続く、ステップS150では、ステップS140で積層済みのアノード側プレート222aに、シール材120〜122をセットした上で、カソード側プレート222cを積層し、その後は、上記した枠状フレーム240の積層(ステップS110)、ガス流路形成部材230の積層(ステップS120)、発電体層210の積層(ステップS130)、アノード側プレート222aの積層(ステップS140)を順次繰り返した後、締結シャフトにて締結固定すればよい。
100…燃料電池スタック
110in…水素供給マニホールド
110out…水素排出マニホールド
112in…空気供給マニホールド
112out…空気排出マニホールド
114in…冷却水供給マニホールド
114out…冷却水排出マニホールド
120〜122…シール材
130…接着剤層
200…燃料電池
210…発電体層
212…MEA
213…電解質膜
214…アノード電極
215…カソード電極
216…アノード側ガス拡散層
218…カソード側ガス拡散層
219…膜露出周縁部
220…セパレーター
222a…アノード側プレート
222c…カソード側プレート
223…プレート周縁部
224…アノード側流路
224in…ガス流入部
224out…ガス流出部
226…冷却水流路
226in…冷却水流入部
226out…冷却水流出部
230…ガス流路形成部材
240…枠状フレーム
242…窓部
242sa…アノード側表面
242sc…カソード側表面
244…枠部
246…第1流路溝
248…第2流路溝
Pr…非塗布領域

Claims (6)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜を挟んで各膜面に第1と第2の電極を接合した膜電極接合体を含む発電体層と、
    該発電体層を挟持するよう配置され、前記発電体層の発電反応に供される第1と第2の反応ガスの給排に関与する一対のセパレーターと、
    前記第1と第2の電極の間の通気を遮断した状態に前記発電体層が組み込まれる窓部とこれを取り囲む枠部とを有し、該枠部が前記一対のセパレーターの周縁部に重なるようにして該周縁部で挟持され、前記一対のセパレーターの間を前記枠部にて気密に区画する枠状フレームと、
    該枠状フレームの前記枠部と前記一対のセパレーターの前記周縁部とに形成され、前記発電体層における前記第1の電極への給排の対象となる前記第1の反応ガスが通過する第1通過孔と、前記第2の電極への給排の対象となる前記第2の反応ガスが通過する第2通過孔とを備え、
    前記枠状フレームは、
    前記一対のセパレーターの内で前記第1の電極の側に位置する一方のセパレーターの側の前記枠部の表層に、前記第1通過孔を通過する前記第1の反応ガスを前記第1の電極に導く第1流路溝を備え、前記一対のセパレーターの内の他方のセパレーターの側の前記枠部の表層に、前記第2通過孔を通過する前記第2の反応ガスを前記第2の電極に導く第2流路溝を備える
    燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記発電体層は、前記第1の電極を、その電極周縁が前記電解質膜の周縁より電極面中央寄りとなるようにして備え、
    前記枠状フレームは、前記窓部を前記発電体層の外郭形状より小さい形状で備えた上で、前記窓部の側の前記枠部の周縁にて、前記第1の電極の前記電極周縁から前記電解質膜の周縁に亘るまでの前記電解質膜の膜面を気密に被覆する
    燃料電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池であって、
    前記第1の電極と前記一方のセパレーターとの間に配置され、前記第1の電極の電極面において該電極面に沿った前記第1の反応ガスの流路を形成する流路形成部材を備え、該流路形成部材は前記枠状フレームの前記窓部にて位置決めされている
    燃料電池。
  4. 前記一方のセパレーターは、少なくとも前記枠状フレームと接触する範囲を平面としている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料電池。
  5. 前記第1の電極は、カソード電極である請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の燃料電池。
  6. 燃料電池の製造方法であって、
    電解質膜を挟んで各膜面に第1と第2の電極を接合した膜電極接合体を含み前記第1の電極をその電極周縁が前記第2の電極の周縁より電極面中央寄りとなるようにした発電体層と、該発電体層の発電反応に供される第1と第2の反応ガスの給排に関与する一対のセパレーターと、前記発電体層の外郭形状より小さい形状で開けられた窓部を取り囲む枠部を前記一対のセパレーターの周縁部にまで延在させて有する枠状フレームとを準備する準備工程と、
    前記一対のセパレーターの内の一方のセパレーターに、該セパレーターの周縁部と前記枠状フレームの前記枠部とが重なるよう、前記枠状フレームを積層する第1の積層工程と、
    前記枠状フレームの前記窓部の側の前記枠部の周縁にて、前記第1の電極の前記電極周縁から前記電解質膜の周縁に亘るまでの前記電解質膜の膜面が気密に覆われるよう、前記枠状フレームに前記発電体層を積層する第2の積層工程と、
    前記一対のセパレーターの内の他方のセパレーターを、その周縁部が前記枠状フレームの前記枠部に重なるよう、前記枠状フレームに積層する第3の積層工程とを備え、
    前記準備工程にて準備された前記一対のセパレーターは、前記周縁部に、前記発電体層における前記第1の電極への給排の対象となる前記第1の反応ガスが通過する第1通過孔と、前記第2の電極への給排の対象となる前記第2の反応ガスが通過する第2通過孔とを備え、
    前記準備工程にて準備された前記枠状フレームは、前記枠部に前記第1通過孔と前記第2通過孔とを備えると共に、前記一方のセパレーターの側の前記枠部の表層に、前記第1通過孔を通過する前記第1の反応ガスを前記第1の電極に導く第1流路溝を備え、前記他方のセパレーターの側の前記枠部の表層に、前記第2通過孔を通過する前記第2の反応ガスを前記第2の電極に導く第2流路溝を備え、
    前記第1と第3の積層工程では、前記セパレーターの前記第1通過孔と前記第2通過孔とが前記枠状フレームの前記第1通過孔と前記第2通過孔とが重なるようにされる
    燃料電池の製造方法。
JP2011064588A 2011-03-23 2011-03-23 燃料電池とその製造方法 Withdrawn JP2012203999A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011064588A JP2012203999A (ja) 2011-03-23 2011-03-23 燃料電池とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011064588A JP2012203999A (ja) 2011-03-23 2011-03-23 燃料電池とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012203999A true JP2012203999A (ja) 2012-10-22

Family

ID=47184819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011064588A Withdrawn JP2012203999A (ja) 2011-03-23 2011-03-23 燃料電池とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012203999A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014186906A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Honda Motor Co Ltd 燃料電池及びその製造方法
JP2016096015A (ja) * 2014-11-14 2016-05-26 トヨタ自動車株式会社 燃料電池セル
JP2017525098A (ja) * 2014-07-10 2017-08-31 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフトDaimler AG 反応物の流れを改善する燃料電池組立体
JP2019036446A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 日産自動車株式会社 燃料電池セルユニット、燃料電池スタックおよび燃料電池

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014186906A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Honda Motor Co Ltd 燃料電池及びその製造方法
JP2017525098A (ja) * 2014-07-10 2017-08-31 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフトDaimler AG 反応物の流れを改善する燃料電池組立体
JP2016096015A (ja) * 2014-11-14 2016-05-26 トヨタ自動車株式会社 燃料電池セル
JP2019036446A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 日産自動車株式会社 燃料電池セルユニット、燃料電池スタックおよび燃料電池
JP7035367B2 (ja) 2017-08-10 2022-03-15 日産自動車株式会社 燃料電池セルユニット、燃料電池スタックおよび燃料電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109148913B (zh) 燃料电池和制造燃料电池的方法
CN110224154B (zh) 装备框架的膜电极组件及其生产方法,以及燃料电池
JP4931103B2 (ja) 燃料電池用構成部材
US9130206B2 (en) Method for manufacturing resin-framed membrane electrode assembly for fuel cell
JP2006244765A (ja) 燃料電池スタック
JP4634933B2 (ja) 燃料電池
JP2008123883A (ja) 燃料電池、燃料電池の製造方法、および、単セルアッセンブリ
JP2006236957A (ja) 燃料電池用構成部材
JP2020140933A (ja) 燃料電池、およびその製造方法
JP2019192579A (ja) 燃料電池スタック、燃料電池スタック用のダミーセル及びダミーセルの製造方法
JP2008171613A (ja) 燃料電池
JP5716613B2 (ja) 燃料電池
JP6547731B2 (ja) 燃料電池スタック
AU2003231755B2 (en) Membrane based electrochemical cell stacks
WO2017006403A1 (ja) 燃料電池
JP2012203999A (ja) 燃料電池とその製造方法
JP5286895B2 (ja) 単セルアセンブリ、および燃料電池
WO2018217586A1 (en) Sealing arrangement for a solid polymer electrolyte fuel cell
JP2008140740A (ja) 燃料電池のセパレータ及びその製造方法
JP7257851B2 (ja) 燃料電池用弾性体セルフレームおよびその製造方法とそれを用いた単位セル
JP2010040169A (ja) 燃料電池および燃料電池の製造方法
JPH10289722A (ja) 固体高分子型燃料電池およびその製造方法
KR20200072198A (ko) 연료전지용 탄성체 셀 프레임 및 그 제조방법과 이를 이용한 단위 셀
JP2009093838A (ja) 燃料電池及びセパレータの製造方法
JP2004335179A (ja) 燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140603