JP2009176428A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】電解質膜が膨張して膜厚が増加した時に、電解質膜から受ける圧力を吸収して、電解質膜が積層される面における圧力を一定に保つことが可能な燃料電池のセパレータを提供することである。
【解決手段】燃料電池のセパレータ10は、平行に配置される二枚の平板19と、二枚の平板19に接触して挟持される隔壁27と、隔壁27により冷媒が流れる空洞部が形成される独立した複数の冷媒流路26と、を備えるパネル構造であり、二枚の膜電極接合体13の間に積層されて用いられる。隔壁27は、弾性変形可能であり、膜電極接合体13の電解質膜14の膨張時に隔壁27の弾性変形により二枚の平板19の間隙を縮小して電解質膜14の膨張を許容する。さらに、隔壁27は、冷媒流路26の外側に向かって湾曲する形状からなり、冷媒流路26は、隣接する冷媒流路26との間に、隔壁27の変形による隔壁同士の接触を防止するスペースを設けて配置される。
【選択図】図3
【解決手段】燃料電池のセパレータ10は、平行に配置される二枚の平板19と、二枚の平板19に接触して挟持される隔壁27と、隔壁27により冷媒が流れる空洞部が形成される独立した複数の冷媒流路26と、を備えるパネル構造であり、二枚の膜電極接合体13の間に積層されて用いられる。隔壁27は、弾性変形可能であり、膜電極接合体13の電解質膜14の膨張時に隔壁27の弾性変形により二枚の平板19の間隙を縮小して電解質膜14の膨張を許容する。さらに、隔壁27は、冷媒流路26の外側に向かって湾曲する形状からなり、冷媒流路26は、隣接する冷媒流路26との間に、隔壁27の変形による隔壁同士の接触を防止するスペースを設けて配置される。
【選択図】図3
Description
本発明は、燃料電池のセパレータに係り、特に二枚の平板に接触して挟持される隔壁とその隔壁により形成される冷媒流路とを有する燃料電池のセパレータに関する。
車両等に搭載される燃料電池は、複数の膜電極接合体とそれを分離する複数のセパレータとが交互に積層された燃料電池スタックとして使用されている。膜電極接合体は、電解質膜を介してカソード電極とアノード電極とが積層された構造を有している。膜電極接合体中の電解質膜は、硫酸基を結合したフッ素系樹脂膜等の高分子イオン交換膜から構成されるので、電池反応により生成する水の吸水等により膨張して膜厚が大幅に増加することがある。電解質膜の膜厚が増加すれば、電解質膜と接触しているカソード電極、アノード電極およびセパレータは、電解質膜から圧力を受けることになり、電解質膜や電極の劣化、燃料電池の出力低下およびクロスリークの増加といった不具合を引き起こす。ゆえに、各電極またはセパレータが、電解質膜から加わる圧力を吸収して、電解質膜が積層される面における圧力を一定に保つことが望まれている。しかし、電極は、いずれも多孔質の炭素材料から構成されるので、弾力性を有さず、電解質膜から加わる圧力を吸収することは困難である。
セパレータには、幾つかの異なる形態が存在する。例えば、プレスメタルセパレータは、ステンレスの平板をプレスして、平板の表面と裏面とに、ガス流路と冷媒流路の溝となる凹部を形成したものである。プレスにより形成されるガス流路と冷媒流路の溝は、セパレータの表裏面で完全に反転した構造となるので、ガス流路の面積が小さくなり発電密度が低くなる。さらに、流路の設計が難しいといった課題もある。なお、冷媒流路は、二つのセパレータを積層して、その凹部を重ね合わせることにより形成されるので、二枚の膜電極接合体の間には二枚のセパレータが積層されることになる。
一方、平行に配置された二枚の平板の間に冷媒流路のみを備えるセパレータも存在し、ガス流路は、膜電極接合体の各電極層に設けられる。本セパレータを使用すれば、プレスメタルセパレータを使用する場合に比べて発電密度が高くなり、セパレータの構成材料の選択性が広がるなどのメリットがある。しかし、いずれの形態においても、冷媒流路を形成する隔壁は、剛性の高い材料からなり、かつ、平板等に対してほぼ垂直に設けられている。
冷媒流路に改良を加えたセパレータが幾つか開示されている。例えば、特許文献1には、冷媒流を有するセパレータと膜電極接合体を重ねて単セルを構成し、隣接するモジュールのセパレータの冷媒流路を単セル積層方向に対向させてモジュールを重ねスタックとした燃料電池、即ち、隣接するセパレータの冷媒流路の少なくとも一部に中空パイプからなるシャフト部材を配置した燃料電池が開示されている。
特開2005−44620号公報
しかしながら、シャフト部材は、冷媒流路の中において、膜電極接合体が積層される方向に対してスペースを設けて配置されるので、電解質膜から加わる圧力を受容することができない。シャフト部材は、二枚のセパレータの凹部を重ね合わせて冷媒流路を成形する際に、凹部の位置ずれを防止するために設けられるものであり、電解質膜が積層される面における圧力を一定に保つために設けられたものではなく、そのような機能を発揮することはできない。上記のように、従来技術によれば、電解質膜から受ける圧力を吸収して、電解質膜が積層される面における圧力を一定に保つことは困難である。
本発明の目的は、電解質膜が膨張して膜厚が増加した時に、電解質膜から受ける圧力を吸収して、電解質膜が積層される面における圧力を一定に保つことが可能な燃料電池のセパレータを提供することである。
本発明に係る燃料電池のセパレータは、平行に配置される二枚の平板と、二枚の平板に接触して挟持される隔壁と、隔壁により冷媒が流れる空洞部が形成される独立した複数の冷媒流路と、を備えるパネル構造であり、二枚の膜電極接合体の間に積層され、膜電極接合体を分離する燃料電池のセパレータにおいて、隔壁は、弾性変形可能であり、膜電極接合体の電解質膜の膨張時に隔壁の弾性変形により二枚の平板の間隙を縮小して電解質膜の膨張を許容することを特徴とする。
また、隔壁は、冷媒流路の外側に向かって湾曲する形状からなり、隔壁により形成される冷媒流路は、隣接する冷媒流路との間に、隔壁の変形による隔壁同士の接触を防止するスペースを設けて配置されることが好ましい。
本発明に係る燃料電池のセパレータによれば、二枚の平板に接触して挟持される隔壁が、弾性変形可能であり、膜電極接合体の電解質膜の膨張時に隔壁の弾性変形により二枚の平板の間隙を縮小して電解質膜の膨張を許容するので、電解質膜から受ける圧力を隔壁の弾性変形により吸収することができる。したがって、電解質膜が積層される面における圧力を一定に保つことが可能となる。
また、隔壁は、冷媒流路の外側に向かって湾曲する形状からなり、隔壁により形成される冷媒流路は、隣接する冷媒流路との間に、隔壁の変形による隔壁同士の接触を防止するスペースを設けて配置されるので、隔壁が弾性変形し易くなり、電解質膜から受ける圧力をさらに吸収し易くなる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。
図1は、セパレータ10(以下、セパレータ10とする)を適用した燃料電池スタック11の構成を示す図である。図2は、セパレータ10の平面図である。
図1に示すように、燃料電池スタック11は、膜電極接合体13とセパレータ10とを交互に積層し、両側を図示しない一対のエンドプレートで挟持することにより構成されている。
膜電極接合体13は、電解質膜14を介してアノード電極15とカソード電極16とが積層された構造である。セパレータ10は、ガス流路を備えていないのでこれを別途設ける必要がある。一般的には、セパレータ10とアノード電極15との間には、燃料ガスを流通させる燃料ガス側多孔質体17が設けられる。セパレータ10とカソード電極16との間には、酸化ガスを流通させる酸化ガス側多孔質体18が設けられる。
膜電極接合体中13の電解質膜14は、硫酸基を結合したフッ素系樹脂膜等の高分子イオン交換膜から構成される。燃料電池の電池反応では水が生成するが、電解質膜14は、硫酸基等の極性基を有するので、水を吸収し易く容易に膨潤して膜厚が増加する現象が起こる。
アノード電極15およびカソード電極16は、図示しない白金等の触媒が担持された触媒層とガスを拡散する拡散層からなる。燃料ガス側多孔質体17および酸化ガス側多孔質体18は、導電性があり、燃料ガスおよび酸化ガスを各電極に供給するために多数の気孔或いはガス流路を有している。電極15・16と多孔質体17・18とは、いずれも多孔質炭素材料または多孔質金属から構成されるので、弾力性を有さず、電解質膜14から加わる圧力を吸収することは困難である。
セパレータ10は、パネル構造からなり、上記のように、二枚の膜電極接合体13の間に積層されて膜電極接合体13を分離する機能を備えている。セパレータ10は、平行に配置される二枚の平板19を有し、その平板20の中央部に膜電極接合体13が積層される。セパレータ10と膜電極接合体13との間には、燃料ガス側多孔質体17または酸化ガス側多孔質体18が設けられるので、膜電極接合体13は、これを介してセパレータ10の両側に積層されていることになる。
セパレータ10は、膜電極接合体13を分離する役割以外にも、直列に接続され膜電極接合体13によって発電された電気を取り出す役割、膜電極接合体13のカソード電極16側触媒層にて発生する反応熱を排熱する役割および燃料ガス側多孔質体17および酸化ガス側多孔質体18に燃料ガスおよび酸化ガスを提供する役割等を果たす。セパレータ10は、膜電極接合体13によって発電された電気を取り出す役割を有するため、導電性のある金属材料を主要構成材料として構成され、主にステンレスやチタン或いはカーボンが使用される。
図2に示すように、セパレータ10の平板19の左側端部には、燃料ガス供給マニホールド孔20および燃料ガス排気マニホールド孔21が設けられる。燃料ガス供給マニホールド孔20と燃料ガス排出マニホールド孔21は、隣接するセパレータ10のそれぞれの孔と接続され、燃料ガス供給マニホールドと燃料ガス排気マニホールドを構成する。これらのマニホールドは、燃料電池スタック11の片側のエンドプレートに設けられる燃料ガス入口および燃料ガス出口に接続される。燃料ガス入口から導入される燃料ガスは、燃料ガス供給マニホールドを通り、各単セル12の燃料ガス側多孔質体17に供給され、膜電極接合体13で電池反応に使用される。使用されなかった残りの燃料ガスは、燃料ガス排気マニホールドから燃料ガス出口に排気される。
平板19の右側端部には、酸化ガス供給マニホールド孔22および酸化ガス排気マニホールド孔23が設けられ、燃料ガスマニホールド孔の場合と同様に、隣接するセパレータ10のそれぞれの孔と接続され、酸化ガスマニホールドを構成する。冷媒供給マニホールド孔24は、平板19の下端部に、冷媒排出マニホールド孔25は、平板19の上端部に設けられ、燃料ガスマニホールド孔の場合と同様に、隣接するセパレータ10のそれぞれの孔と接続され、冷媒マニホールドを構成する。
平板19の中央部には、膜電極接合体13が積層されるとともに、それを冷却する冷媒流路26が備えられている。具体的には、平板19の中央部であって二枚の平板19の間隙に設けられる。冷媒流路26は、複数設けられており、それぞれが独立した流路を形成している。また、冷媒流路26は、平板19の膜電極接合体13が積層される面の全てをカバーするように設けられている。
冷媒流路26は、冷媒供給マニホールド孔24および冷媒排出マニホールド孔25に対してストレートに接続され、冷媒は、冷媒供給マニホールド孔24から冷媒流路26に供給され、冷媒流路26を通り、冷媒排出マニホールド孔25から排出される。冷媒マニホールド孔24および25は、上記のように、冷媒マニホールドに接続されており、冷媒マニホールドは、燃料電池スタック11の片側のエンドプレートに設けられる冷媒入口および冷媒出口に接続されている。
図3は、図2のA-A断面の一部を示す図であり、冷媒が流通する方向に対して直交する方向に切断した冷媒流路26の流路断面の形状が示されている。以下では、特に断らない限り、流路断面は、冷媒が流通する方向に対して直交する方向に切断した冷媒流路26の流路断面として説明する。冷媒流路26は、二枚の平板19に接触して挟持される隔壁27により冷媒が流れる空洞部が形成される。この空洞部自体が、冷媒流路26である。
冷媒流路26の配置および形状は、隔壁27の配置および形状によって決定される。図2および図3に示すように、隔壁27により形成される冷媒流路26は、隣接する冷媒流路26との間に、スペース28を設けて配置される。また、流路断面の形状は、中心角30が180度以上の弓形であり、弓形の弦の部分は、膜電極接合体13のカソード電極16側を向いており、弓形の円弧の部分は、アノード電極15側を向いている。膜電極接合体13において最も発熱量が多いのは、カソード電極16の触媒層であるから、冷媒流路26の設置面積が大きな弦の部分をカソード電極16側に向けることが好ましい。
隔壁27は、上記のように、冷媒が流れる空洞部、即ち、冷媒流路26を形成する部材であるとともに、電解質膜14が膨張して膜厚が増加した時に、電解質膜14から受ける圧力を吸収する役割を有する。したがって、隔壁27は、その圧力を受容するために、セパレータ10において圧力が最初に加わる二枚の平板19に接触して挟持されている。
前述のように、電解質膜14とセパレータ10との間には、電極15・16と多孔質体17・18が存在するので、電極15・16と多孔質体17・18にも電解質膜14からの圧力が加わることになる。しかし、電極15・16と多孔質体17・18とは、弾力性を有さず、電解質膜14から加わる圧力を吸収できないため、その圧力は電極15・16、多孔質体17・18および平板19を介して、そのままの力で隔壁27に伝わることになる。
隔壁27は、導電性のある薄板状の金属材料から構成され、金属材料としては、ステンレス鋼、チタン、アルミニウムおよび各種合金等が使用される。超弾性合金と称されるチタン合金(例えば、ニッケル・チタン合金、ニッケル・チタン・コバルト合金、ニッケル・チタン・銅合金)を使用することもできる。金属製の薄板は、容易に折り曲げることが可能であり、大きな力、具体的には、塑性変形を起こす降伏点を越える力を加えない限り、弾性変形し元の形状を復元する。薄板の厚みは、弾性変形において極めて重要な要素であり、隔壁27により形成される冷媒流路26の構造強度等に問題がない限りにおいて、薄いほうが好ましい。
隔壁27の冷媒流路26を冷媒が流通する方向に対して直交する方向に切断した隔壁断面の形状は、冷媒流路26の外側に向かって湾曲する形状からなる。以下では、特に断らない限り、隔壁断面は、冷媒が流通する方向に対して直交する方向に切断した隔壁27の隔壁断面として説明する。具体的には、湾曲する隔壁27は、隔壁断面の形状が円弧である筒状の構造を有している。湾曲する隔壁27によって形成される冷媒流路26の流路断面の形状は、上記のように、中心角30が180度以上の弓形となる。弓形の弦の部分には、隔壁27は存在しない。ゆえに、冷媒流路26は、隔壁27と平板19とにより構成されていることになる。なお、隔壁27は、導電性接着剤や溶接等によって、平板19に結合される。
湾曲する隔壁27は、構成材料である金属製の薄板を塑性加工することにより作製することができる。塑性加工法としては、ロール成形や型曲げ成形などを適用することができる。ロール成形は、三本のロールを用いて薄板を円弧状に曲げるロールフォーミングにより行われ、具体的には、薄板を介してロール二本を同一面側、ロール一本を反対の面側にセッティングし、ロールの軸間距離を制御して薄板面に圧力を加えながらローリングすることにより行われる。型曲げ成形は、半円形状の凹部を有する金型に薄板を押し込み、薄板をカーリングさせることにより行われる。いずれの成形方法によっても、成形後に薄板の切断を行い、一本の冷媒流路26を形成する隔壁27が作製される。
隔壁27の湾曲の程度は、各加工パラメータを調整することにより容易に変更することが可能で、例えば、ロール成形においては、ロールの軸間距離を狭くし、加える圧力を強くすることによって、湾曲の程度が強い隔壁27を作製することができる。湾曲の程度は、円弧の部分の長さまたは中心角30によって表現することができ、湾曲の程度が強い方が、円弧の部分の長さが長くなり、中心角30が大きくなる。隔壁27の弾性変形をよりし易くするために、隔壁27の湾曲の程度は強い方が好ましい。但し、湾曲の程度が強くなれば、平板19に接触する冷媒流路26の面積が小さくなるので、冷却効率が低下することになる。したがって、湾曲の程度、即ち、中心角30は冷却効率と弾性変形とを調整して決定され、概ね180度〜360度の範囲内に設定される。
上記では、隔壁27は湾曲したものについて説明したが、隔壁27は弾性変形が可能であれば、折れ曲がっているものや平板19に対して垂直に設置されるもの等であってもよい。
上記構成のセパレータ10の作用、特に隔壁の作用について、図3に加えて図4を用いて以下詳細に説明する。図4は、図2のA-A断面の一部を示す図において、電解質膜14から圧力が加わった状態を示す図である。電解質膜14から加わる圧力をαで示す。
膜電極接合体13の電解質膜14は、上記のように、硫酸基を結合したフッ素系樹脂膜等の高分子イオン交換膜から構成されるので、電池反応により生成する水の吸水等により膨張して膜厚が大幅に増加することがある。燃料電池スタック11は、両端をエンドプレートにて挟持されているので、電解質膜14が膨張して膜厚が増加しても全体の長さが増加することはない。ゆえに、電解質膜14の膜厚が増加すれば、電解質膜14と接触しているアノード電極15、カソード電極16、セパレータ10、燃料ガス側多孔質体17および酸化ガス側多孔質体18は、電解質膜14から圧力を受けることになる。電極15・16と多孔質体17・18とは、弾力性を有さないので、電解質膜14から加わる圧力を吸収できず、その圧力はそのまま平板19に伝わることになる。
セパレータ10は、二枚の平板19と二枚の平板19に接触して挟持される隔壁27とを備えるため、膜電極接合体13の電解質膜14の膜厚が増加すれば、まず、平板19に電解質膜14からの圧力が加わり、平板19を介してそれと接触する隔壁27にその圧力が伝わる。即ち、隔壁27が電解質膜14からの圧力を受容することになる。
隔壁27は、弾性変形可能な金属製の薄板から構成され、冷媒流路26の外部に対して湾曲した構造を有するので、その圧力を受容すると、容易に弾性変形を開始する。図4に示すように、隔壁27は、電解質膜14から加わる圧力αを弾性変形により吸収することができる。
隔壁27は、隔壁断面の形状が、冷媒流路26の外側に向かって湾曲する形状であるため、極めて弾性変形し易いように設計されている。また、隔壁27は、冷媒流路27の外側に向かって変形し、その変形によって冷媒流路26を流れる冷媒の量は影響を受けず、冷却効率が変化することがない。
さらに、隔壁27により形成される冷媒流路26は、隣接する冷媒流路26との間に、スペース28を設けて配置されるので、隔壁27が冷媒流路26の外側に向かって変形しても隔壁26同士の接触を防止することができる。したがって、電解質膜14の膜厚が大幅に増加した場合にも隔壁27の弾性変形の制限を排除することができ、電解質膜14から加わる圧力αを全て吸収することができる。
図4に示すように、隔壁27が弾性変形すると、隔壁27と接触する二枚の平板19の間隙が縮小することになる。平板19の間隙が縮小すれば、セパレータ10の隔壁27以外には、電解質膜14からの圧力は実質的には加わらないことになる。したがって、電解質膜14と接触しているアノード電極15、カソード電極16、セパレータ10、燃料ガス側多孔質体17および酸化ガス側多孔質体18は、過加圧状態を回避でき、電解質膜14が積層される面における圧力を一定に保つことが可能となる。
なお、電解質膜14の膜厚が元の膜厚に戻るときには、上記の作用と逆の作用が働いて、隔壁27と接触する二枚の平板19の間隙が元の幅に復元されることになる。
10 セパレータ、11 燃料電池スタック、13膜電極接合体、14 電解質膜、15 アノード電極、16 カソード電極、17 燃料ガス側多孔質体、18 酸化ガス側多孔質体、19 平板、20 燃料ガス供給マニホールド孔、21 燃料ガス排気マニホールド孔、22 酸化ガス供給マニホールド孔、23 酸化ガス排気マニホールド孔、24 冷媒供給マニホールド孔、25 冷媒排出マニホールド孔、26 冷媒流路、27 隔壁、28 スペース、30 中心角。
Claims (2)
- 平行に配置される二枚の平板と、二枚の平板に接触して挟持される隔壁と、隔壁により冷媒が流れる空洞部が形成される独立した複数の冷媒流路と、を備えるパネル構造であり、二枚の膜電極接合体の間に積層され、膜電極接合体を分離する燃料電池のセパレータにおいて、
隔壁は、弾性変形可能であり、膜電極接合体の電解質膜の膨張時に隔壁の弾性変形により二枚の平板の間隙を縮小して電解質膜の膨張を許容することを特徴とする燃料電池のセパレータ。 - 請求項1に記載の燃料電池のセパレータにおいて、
隔壁は、冷媒流路の外側に向かって湾曲する形状からなり、
隔壁により形成される冷媒流路は、隣接する冷媒流路との間に、隔壁の変形による隔壁同士の接触を防止するスペースを設けて配置されることを特徴とする燃料電池のセパレータ。
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