<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係るポータブルトイレを図面に基づいて説明する。以下の説明において、前、後、左および右は、それぞれ便座に腰掛けた使用者から見た方向を意味しており、図面には、それぞれ符号F、Bk、L、Rが付されている。また、各図において同じ作用を奏する部材や部位には、同じ符号を付し、適宜に重複する説明を省略している。ここでは、まず、ポータブルトイレ10の概要を説明し、その後、ここで提案される脚500、600について説明する。
《ポータブルトイレ10》
図1から図4はそれぞれポータブルトイレ10の斜視図である。ここで、図1は、蓋20を上げた状態(蓋20が開いた状態)を示している。図2は、図1の状態から便座30を上げ、バケツ40の蓋42(バケツ蓋)と、左側の肘掛300とを取り外した状態を示している。図3は、図2の状態からバケツ40を取り外した状態を示している。さらに、図4は、図3の状態からトレイ50(受け板)を取り出した状態を示している。
本実施形態に係るポータブルトイレ10は、主に高齢者および身障者等のいわゆる要介護者に使用されるものであり、介護用に好適に使用されるトイレである。また、ポータブルトイレ10は、床に固定されるトイレではなく、移動可能なトイレである。本実施形態では、ポータブルトイレ10は、樹脂製(樹脂成形品)である。ポータブルトイレ10は、図1から図4に示すように蓋20と、便座30と、バケツ40と、トレイ50と、便器本体100と、背もたれ250と、肘掛300、400と、脚500、600と、脱臭装置750(図5参照)と、を備えている。ここでは、ポータブルトイレ10は、樹脂製(樹脂成形品)である。ここでは、ポータブルトイレ10の主な構造部材、例えば、便器本体100や脚500、600などは樹脂成形品である。
《蓋20》
蓋20は、ポータブルトイレ10の便座30に被せられる部材である。本実施形態では、蓋20は、図1に示すように、矩形の部材であり、後ろ側の縁にヒンジ21が取り付けられている。蓋20は、ヒンジ21を軸にして回動し、背もたれ250の前で便座30の上に配置された姿勢(蓋を閉じた姿勢(図示省略))から上方に引き上げられる。本実施形態では、蓋20は、前後方向の中間部に蝶番22が取り付けられている。蓋20は、蝶番22によって前後方向の中間部で折り曲げることができる。折り曲げられた蓋20は、背もたれ250に設けられた開口251を通すことができる。背もたれ250に設けられた開口251に蓋20を通すことによって、蓋20の姿勢は、背もたれ250の前で便座30の上に配置された姿勢(図示省略)と、背もたれ250の後ろに引き上げた姿勢(図1に示す状態)とで適宜に変えられる。なお、この蓋20は、人が座れるように所要の強度を持たせ、かつ、上部にクッションを備えていてもよい。この場合、ポータブルトイレ10は、便器として使用しない場合には便座30に蓋20を被せるとよい。これにより、臭いが拡散するのを防止でき、また、適宜に腰掛けとして利用できるようになる。
《便座30》
便座30は、図1に示すように、便器本体100の上面の中央部分に配置されている。本実施形態では、便座30は、後部の縁に設けられたヒンジ31を介して便器本体100に取り付けられている。そして、便座30の姿勢は、図1に示すように、便器本体100の上面に配置された姿勢と、図2に示すように、便器本体100の上面から引き上げられた姿勢とで適宜に変えられる。本実施形態では、便座30は、使用者がお尻を受ける座面を有する。便座30の中央には開口32が形成されている。
《バケツ40》
バケツ40は、使用者の排便を収容するバケツであり、「汚物受け」と称されうる。本実施形態では、バケツ40は、上部が開口した底が深い有底の容器である。図3および図4に示すように、便器本体100は、当該バケツ40を収容する窪んだ収容部101を有している。収容部101は、「汚水受け」とも称されうる。バケツ40と収容部101は、異形形状であり、バケツ40は予め定められた向きで収容部101に収められる。図2に示すように、バケツ40の上縁には取っ手41が取り付けられている。バケツ40が収容部101に収容された状態では、取っ手41はバケツ40の後方へ廻される。また、図1に示すように、バケツ40の開口には蓋42(バケツ蓋)が装着される。蓋42は、使用者が排便をするとき、バケツ40から外されるものである。ポータブルトイレ10を便器として使用しない場合には、バケツ40に蓋42を被せるとよい。これにより、臭いが拡散するのを防止できる。
《トレイ50》
本実施形態では、図3に示すように、便器本体100の収容部101を囲むように便器本体100の上部にトレイ50が置かれている。トレイ50は、便器本体100の上面に置かれている。トレイ50の上には便座30が配置される。トレイ50の中央部には、収容部101の上部開口に合わせた形状の開口51が形成されている。また、トレイ50には、便座30のヒンジ31を取り付ける基部が設けられている。
《便器本体100》
次に、便器本体100を説明する。ここで、図5は、便器本体100の平面図である。便器本体100は、図4および図5に示すように、収容部101と、上面部102と、外郭部103と、底部104とを有している。収容部101は、バケツ40が収められる窪んだ部位である。本実施形態では、図5に示すように、便器本体100の後部には、脱臭装置750を取り付ける脱臭装置取付部215が設けられている。収容部101の後部には、脱臭装置750へ臭気を導く脱臭ダクト700が取り付けられる。また、本実施形態では、収容部101の後部には、脱臭ダクト700からの排水を受ける受け部216および受け部216で受けた排水を収容部101へ導く溝状の排出路216aが設けられている。
上面部102は、図3および図4に示すように、収容部101の上部周辺に設けられている。上面部102の上には、図1に示すように、便座30が配置される。なお、本実施形態では、図2に示すように、上面部102の上には、トレイ50が配置され、図1に示すように、その上に便座30が配置されている。上面部102には、図5に示すように、肘掛取付部211、212と、背もたれ取付部213、214とが設けられている。肘掛取付部211、212と、背もたれ取付部213、214とについては、後で述べる。
外郭部103は、収容部101の少なくとも外側面を囲う部位である。底部104は、外郭部103の下端から連続し、便器本体100の底を形成する部位である。ポータブルトイレ10は、図3に示すように、便器本体100の少なくとも前面において、上面部102の周縁を形成する面112(本実施形態では、上面部102の周縁の周側面)と、外郭部103を形成する面113(本実施形態では、外郭部103の側面)とが連続している。さらに、外郭部103を形成する面113と、底部104を形成する面114とが連続している。そして、ポータブルトイレ10の脚500、600は、図1に示すように、便器本体100の底部104の左右にそれぞれ独立して取り付けられている。
なお、ここで、面が連続しているとは、外観上、面が一連に連なっていることをいう。例えば、ここでは、便器本体100の少なくとも前面において、ポータブルトイレ10の外郭部103を構成する上面部102の周縁を形成する面112と、外郭部103を形成する面113とは、一連に連なっている。また、本実施形態では、便器本体100は、後述するように上側部材210と下側部材220とで構成されている。ここで、上側部材210と下側部材220とは、外側面が一連に連なるように組み合わされている。かかる箇所では、「面が連続している」とする。また、意匠上の多少の凹凸や段差などは、問題としない。
《上側部材210と下側部材220》
本実施形態では、便器本体100は、図1に示すように、上側部材210と下側部材220とで構成されており、上側部材210と下側部材220とを上下に組み付けた構造を備えている。上側部材210の周縁は全周にわたって下方に屈曲している。上側部材210には、図5に示すように、バケツ40が収容される収容部101と、上面部102とが含まれている。また、上側部材210の周縁には、上側部材210と下側部材220とを組み付けるための複数のねじ穴210cが形成されている。
図6は、下側部材220の平面図である。本実施形態では、下側部材220は、全体として有底の略矩形の箱形状である。下側部材220は、一体的な成形品である。下側部材220には、図1に示すように、外郭部103と、底部104とが含まれている。底部104には、上側部材210の収容部101の底(図示せず)に対向する部位に開口(図示せず)が形成されている。また、便器本体100の底部104には、脚500、600の脚部501、502、601、602の上端が装着されるボス121〜124が設けられている。本実施形態では、ボス121〜124は、下側部材220の底部104の前後左右の隅部に設けられている。ボス121〜124は、略円筒形状である。ボス121〜124の周囲にはリブ121a〜124aが放射状に設けられおり、所要の強度が確保されている。また、下側部材220の周縁には、上側部材210に形成されたねじ穴210cに対応する位置にねじ穴220cが形成されている。本実施形態では、上側部材210の下縁と下側部材220の上縁とを互いに内外に嵌め合うことで、上側部材210と下側部材220とを取り付けている。
次に、便器本体100の肘掛取付部211、212に取り付けられる肘掛300、400を説明し、その後、肘掛取付部211、212を説明する。
《肘掛け300、400》
図7は、左側の肘掛300を示す斜視図である。肘掛300、400は、凡そ同様の構造を有している。以下の説明において、括弧内の符号は、右側の肘掛400の符号を示している。ここでは、左側の肘掛300には300番台の符号を付し、右側の肘掛400の各部位には、左側の肘掛300の各部位に対応させて400番台の符号を付している。
肘掛300(400)は、図7に示すように、肘掛ベース301(401)と、肘掛本体302(402)と、を備えている。
《肘掛ベース301(401)》
肘掛ベース301(401)は、基部311(411)と、2本の中空の支柱312、313(412、413)と、中空軸314(414)とを備えている。基部311(411)は、便器本体100の肘掛取付部211(212)の前後方向に沿って配置される長手のプレートである。2本の支柱312、313(412、413)は、基部311(411)の前後両端部に配置されている。基部311(411)は、2本の支柱312、313(412、413)の中間部の下端よりの位置に架け渡されている。
基部311(411)には、係合突起321(421)と、差込穴322(422)とがある。係合突起321(421)は、基部311(411)の下面から、基部311(411)の長手方向に沿って下方に突出した突起である。差込穴322(422)は、基部311(411)の中間部前よりに形成されており、肘掛300(400)を上側部材210に固定する固定ピン350(450)(図1参照)を挿し込む貫通した穴である。また、後側の支柱313(413)の外周面には、上下に連続して後方に突出した係合片323(423)が設けられている。肘掛ベース301(401)の中空軸314(414)は、基部311(411)よりも高い位置において、前後一対の支柱312、313(412、413)に架設されている。図1に示す例では、右側の肘掛ベース401の前側の支柱412に、トイレットペーパーホルダ60が取り付けられている。
《肘掛本体302(402)》
肘掛本体302(402)は、図1および図7に示すように、肘掛部341(441)と、可動軸342、343(442、443)とを備えている。肘掛部341(441)は、ポータブルトイレ10の使用者が肘を掛ける部位である。本実施形態では、肘掛部341(441)は、長手の形状を有しており、ポータブルトイレ10の左右において前後方向に延びた状態で設けられる。可動軸342、343(442、443)は、肘掛部341(441)の下部の前後に離れた位置において下方に延びている。肘掛本体302(402)の2本の可動軸342、343(442、443)は、肘掛ベース301(401)の2本の中空の支柱312、313(412、413)に挿入されている。
なお、本実施形態では、肘掛300(400)は、高さ調節機構303(403)によって、高さを調節することができる。高さ調節機構303(403)は、中空軸314(414)に内装されている。ここでは、かかる高さ調節機構303(403)によって、肘掛ベース301(401)の2本の支柱312、313(412、413)に対し、肘掛本体302(402)の可動軸342、343(442、443)が挿入された長さが変化する。これによって、便器本体100に対する肘掛部341(441)の高さが調整される。
《肘掛取付部211、212》
上側部材210には、かかる肘掛300、400が取り付けられる肘掛取付部211、212が設けられている。肘掛取付部211、212は、上側部材210の上面部102の左右において、それぞれ肘掛300、400を取り付ける位置に設けられている。肘掛取付部211、212は、それぞれ左右の肘掛300、400の下部に対応した形状を有している。
肘掛取付部211、212は、図5に示すように、それぞれ肘掛300、400の基部311、411が嵌る前後に延びた長手の窪み221、222を有している。当該窪み221、222には、縦穴223、224、225、226と、係合溝227、228と、鍵穴231、232が形成されている。上側部材210の裏面には、特に肘掛取付部211、212の裏面にリブが多く配置されている。かかるリブによって肘掛300、400のぐらつきが小さく抑えられるとともに所要の耐荷重を確保することができる。
ここで、左側の窪み221には、左側の肘掛300の基部311(図7参照)が嵌る。また、左側の窪み221に形成された縦穴223、225には、基部311から下方に突出した支柱312、313(図7参照)の下側部312a、313aがそれぞれ嵌る。左側の窪み221に形成された係合溝227には、左側の肘掛300の基部311の下面から下方に突出した係合突起321(図7参照)が嵌る。さらに、左側の窪み221に形成された鍵穴231は、左側の肘掛300の基部311に形成された差込穴322に対応する位置に形成されている。当該左側の肘掛300は、支柱312、313(図7参照)の下側部312a、313aを、便器本体100の肘掛取付部211の縦穴223、225に挿入し、基部311を窪み221に嵌める。そして、差込穴322および鍵穴231に固定ピン350(図1参照)を装着する。これによって、左側の肘掛300を便器本体100に固定することができる。
また、右側の窪み222には、右側の肘掛400の基部411が嵌る。また、右側の窪み222に形成された縦穴224、226には、基部411から下方に突出した支柱412、413(図7参照)の下側部412a、413aがそれぞれ嵌る。右側の窪み222に形成された係合溝228には、右側の肘掛400の基部411の下面から下方に突出した係合突起421(図7参照)が嵌る。さらに、右側の窪み222に形成された鍵穴232は、右側の肘掛400の基部411に形成された差込穴422に対応する位置に形成されている。そして、当該右側の窪み222に右側の肘掛400の基部411を嵌めて、差込穴422および鍵穴232に固定ピン450(図1参照)を装着することによって、右側の肘掛400を便器本体100に固定することができる。
本実施形態では、左右の肘掛300、400は、使用者や介護者のニーズに応じて適宜に取り外すことができる。また、ポータブルトイレ10は、便器本体100から肘掛300、400を取り外した際に、便器本体100の肘掛取付部211、212に被せることができるカバーを付属しているとよい。かかるカバーは、肘掛取付部211、212に取り付けられた際に、便器本体100の上面を平坦にする形状であるとよい。
また、肘掛ベース301(401)の後側の支柱313(413)の外周面に、上下に連続して後方に突出した係合片323(423)は、背もたれ250に形成された係合溝256、257(図1〜図4参照)にそれぞれ係合している。
《背もたれ250》
次に、ポータブルトイレ10の背もたれ250を説明する。便器本体10の背もたれ取付部213、214は、図5に示すように、便器本体100の上面において、後部の左右両側にそれぞれ設けられている。背もたれ250は、図1に示すように、便器本体100の後部に設けられている。背もたれ250は、便器本体100の上面において、蓋20を折り曲げた状態で後方に通すことができる開口251を有している。この背もたれ250は、左右の柱部252、253と、背もたれ部254と、クッション255とを備えている。柱部252、253は、ポータブルトイレ10の背部において、便器本体100の左右両側に設けられた背もたれ取付部213、214に取り付けられる。柱部252、253は、便器本体100の背もたれ取付部213、214から上方に立ち上がっている。背もたれ部254は、柱部252、253の上端に架け渡されている。クッション255は、背もたれ部254の前面に取り付けられている。
《脚500、600》
次に、脚500、600について説明する。本実施形態では、左側の脚500と右側の脚600とは凡そ同様な構成をしている。ここでは、左側の脚500には、500番台の符号を付し、右側の脚600には、左側の脚500の各部材および部位に対応させて600番台の符号を付している。以下において、左側の脚500について詳細に説明し、対応する右側の脚600の説明は左側の脚500の説明を参照することとし、重複した説明は適宜省略する。なお、括弧内の符号は、右側の脚600に対応した符号である。
図8は、ポータブルトイレ10の左側を示す側面図である。図9は、左側の脚500の分解斜視図である。図10は、左側の脚500を前後方向に縦断した断面図である。脚500、600は、図1に示すように、便器本体100の下部において右側および左側にそれぞれ設けられている。脚500(600)は、図8から図10に示すように、前後一対の脚部501、502(601、602)と、ベース503(603)と、を備えている。一対の脚部501、502、601、602は、便器本体100の前後にそれぞれ配置されている。ベース503(603)は、一対の脚部501、502(601、602)の下端部を繋ぐように連続している。
《一対の脚部501、502(601、602)》
本実施形態では、一対の脚部501、502(601、602)は、図9に示すように、それぞれ円筒形状である。脚部501、502(601、602)は、上述した便器本体100の底部104に設けられたボス121〜124(図6参照)に取り付けられる。具体的には、脚部501、502(601、602)の上部は、便器本体100の底部104に設けられたボス121〜124に挿通され、適当な位置でボス部に固定されている。ここでは、図8に示された略リング状の連結部材501a、502a(601a、602a)によって、脚部501、502(601、602)が、ボス121、123(122、124)に固定されている。また、ボス121〜124および脚部501、502、601、602は、ボス121〜124に脚部501、502、601、602を固定する位置を調節する構造を備えている。かかる構造によって、ボス121,123(122、124)から延びる脚部501、502(601、602)の長さが調節される。ボス121,123(122、124)から延びる脚部501、502(601、602)の長さを調節することによって、ポータブルトイレ10は便座30の高さを調節することができる。
なお、本実施形態では、図8に示すように、一対の脚部501、502(601、602)のうち、前側の脚部501(601)は、肘掛300(400)の肘掛部341(441)の前端よりも後方に配置されている。言い換えると、肘掛300(400)の肘掛部341(441)の前端は、前側の脚部501(601)よりも前方に配置されている。
《ベース503(603)》
ベース503(603)は、脚部501、502(601、602)を支持するものである。本実施形態では、ベース503(603)は、図8に示すように、脚部501、502(601、602)の下端部を繋ぐように前後方向に延びている。ベース503(603)は、一対の脚部501、502(601、602)のうち、前側の脚部501(601)よりも前方に延びている。ベース503(603)の前端は、肘掛300(400)の肘掛部341(441)の前端よりも前方に配置されている。また、ベース503(603)は、後側の脚部502(602)よりも後方に延びている。以下の説明において、ベース503(603)のうち、前側の脚部501(601)よりも前方に延びた部位をフロントベース部511(611)、後側の脚部502(602)よりも後方に延びた部位をリヤベース部512(612)、脚部501、502(601、602)を繋ぐ部位を連結ベース部513(613)とそれぞれ称する。
ここでは、ベース503(603)のフロントベース部511(611)は、図9に示すように、平面視において、先端に向かうにつれて徐々に細くなっている。ベース503(603)のリヤベース部512(612)および連結ベース部513(613)は、平面視において、幅方向の長さが略同じである。また、ベース503(603)は、先端から後端に向かうに連れて徐々に厚く(高く)なっている。
ベース503(603)は、上下に組み付けられる複数の部材を備えている。この複数の部材には、一方の部材に対して他方の部材が上下反転可能に組み付けられることが可能な第1部材522(622)と第2部材523(623)とが少なくとも含まれている。そして、第1部材522(622)と第2部材523(623)とが上下に組み付けられた第1の状態と、当該第1の状態に対して、第1部材522(622)と第2部材523(623)とのうち、一方の部材に対して他方の部材を上下に反転させて組み付けられた第2の状態とで、ベース503(603)によって支持された一対の脚部501、502(601、602)の下端部の高さが、相対的に変更できる。
本実施形態では、ベース503(603)は、上側部材521(621)と、第1部材の一例である下側部材522(622)と、第2部材の一例である中間部材523(623)と、滑り止め板524、525(624、625)と、ベース固定ピン526(626)とを備えている。なお、上側部材521(621)は、便器本体100の上側部材210と区別するために、ベース上側部材521(621)と称され得る。同様に、下側部材522(622)は、便器本体100の下側部材220と区別するため、ベース下側部材522(622)と称され得る。ここでは、ベース503(603)は、上側部材521(621)と、下側部材522(622)と、中間部材523(623)とを組み付けることで所要の剛性が確保されている。
《上側部材521(621)(ベース上側部材)》
本実施形態では、上側部材521(621)は、ベース503(603)の上側の外郭を形成しており、上側に膨らみを有するものである。換言すると、上側部材521(621)は、ベース503(603)の上側を構成する半割型の形状である。本実施形態では、上側部材521(621)は、一対の脚部501、502(601、602)の下端部に設けられ、脚部501、502(601、602)から連続している。ここでは、上側部材521(621)と一対の脚部501、502(601、602)とが一体的に成形されている。
図11は、左側の上側部材521の底面図である。図11に示すように、上側部材521(621)の内面には、複数のリブ532(632)が形成されている。複数のリブ532(632)は、上側部材521(621)の内面から下方に向かって延びている。リブ532(632)は、上側部材521(621)の左右方向および前後方向に沿った格子状に設けられている。換言すれば、リブ532(632)は、上側部材521(621)の長手方向および幅方向に沿った格子状に設けられている。このように、上側部材521(621)にリブ532(632)が設けられていることによって、上側部材521(621)は撓みにくくなっている。
本実施形態では、上側部材521(621)には、固定板533(633)と、挿通孔534(634)と、折り返し部535(635)とがある。固定板533(633)は、図10に示すように、上側部材521(621)に連続した後側の脚部502(602)の下部に設けられている。この固定板533(633)は、後側の脚部502(602)の内周面に脚部502(602)の径方向に沿って延びている。挿通孔534(634)は、図11に示すように、かかる固定板533(633)に形成されている。挿通孔534(634)は、ベース固定ピン526(626)が挿通される孔である。当該挿通孔534(634)は、挿入されるベース固定ピン526(626)の挿入部の軸方向の投影形状に対応した形状である。ここでは、挿通孔534(634)は、上側部材521(621)の前後方向に延びた略長方形状である。挿通孔534(634)の長手方向の中央部分は、ベース固定ピン521(621)の軸が挿入されるため、若干外側に広がっている。
また、折り返し部535(635)は、上側部材521(621)の先端部が下側部材522(622)の先端部に対してずれるのを防止するための部位である。ここで、折り返し部535(635)は、上側部材521(621)の先端部に設けられている。本実施形態では、折り返し部535(635)は、上側部材521(621)の先端部の内側面において後方に突出した突出片である。
《下側部材522(622)(ベース下側部材)》
下側部材522(622)は、図9に示すように、ベース503(603)の底となる部材である。ここでは、下側部材522(622)は、上側部材521(621)の下に組み付けられる。下側部材522(622)は、一対の脚部501、502(601、602)に対して前後方向に延びた板状体である。下側部材522(622)は、前から後へ向かうにつれて高くなっている。
本実施形態では、下側部材522(622)は、上側部材521(621)の下面に嵌り得る部材である。下側部材522(622)のうち、先端部を除く外縁には、当該外縁に沿って上方に立ち上がった壁541(641)が設けられている。この壁541(641)は、下側部材522(622)の先端から後端に向かうに連れて上下方向に長くなっている。
本実施形態では、下側部材522(622)には、挿通孔542(642)と、ずれ防止軸543(643)と、リブ544(644)と、係止部545(645)と、突起549(649)とがある。挿通孔542(642)は、ベース固定ピン526(626)が挿通される孔である。ここでは、挿通孔542(642)は、下側部材522(622)の中央部分の後よりに形成されている。挿通孔542(642)は、上側部材521(621)と下側部材522(622)とを上下に組み付ける状態において、下側部材522(622)における上側部材521(621)の挿通孔534(634)に対応した位置に形成されている。詳しくは、図9に示すように、下側部材522(622)の中央部分の後よりの部位は、上方に盛り上がっている。かかる盛り上がった部位の上部は、平坦になっている。挿通孔542(642)は、当該盛り上がった部位の平坦な上部に形成されている。ここで、挿通孔542(642)は、上側部材521(621)の挿通孔534(634)と略同じ形状をしており、ベース固定ピン526(626)の挿入部の軸方向の投影形状に対応した形状である。つまり、挿通孔542(642)は、下側部材522(622)の前後方向に延びた略長方形状であり、挿通孔542(642)の長手方向の中央部分は若干外側に広がっている。
ずれ防止軸543(643)は、中間部材523(623)が下側部材522(622)に対してずれることを防止するための部位である。このずれ防止軸543(643)は、下側部材522(622)の中央部分の前よりに設けられている。このずれ防止軸543(643)は、下側部材522(622)の上面から上方に立ち上がっている。ずれ防止軸543(643)は、略円筒形状である。
リブ544(644)は、下側部材522(622)が中間部材523(623)に組み付けられる面において、当該組み付けられる方向に突出している。ここでは、リブ544(644)は、下側部材522(622)の上面から上方に延びている。また、リブ544(644)は、当該組み付けられた状態において、ベース503(603)の前後方向と左右方向とにそれぞれ延びている。リブ544(644)は、格子状に延びている。換言すると、リブ544(644)は、ベース503(603)または下側部材522(622)の長手方向および幅方向に沿った格子状となっている。このリブ544(644)は、下側部材522(622)の先端から後端に向かうにつれて高くなっている。
突起549(649)は、上側部材521(621)の先端部が下側部材522(622)の先端部に対してずれるのを防止するための部位である。ここで、上側部材521(621)の先端部に設けられた折り返し部535(635)は、上側部材521(621)の先端部の内側面において後方に突出した突出片である。これに対して、下側部材522(622)の先端部に前方に突出した突起549(649)が設けられている。
また、本実施形態では、下側部材522(622)の後端には、キャスター546(646)が取り付けられている。また、下側部材522(622)の裏面において、先端部および後端部には、それぞれ滑り止め板524、525(624、625)が取り付けられる滑り止め板取付部547、548(647、648)が設けられている。
《滑り止め板524、525(624、625)》
滑り止め板524、525(624、625)は、図9に示すように、脚500(600)が地面に対して滑ることを防止する部材である。滑り止め板524、525(624、625)は、下側部材522(622)の裏面の前後に設けられる。前側の滑り止め板524(624)は、下側部材522(622)の滑り止め取付部547(647)に取り付けられる。後側の滑り止め板525(625)は、下側部材522(622)の滑り止め取付部548(648)に取り付けられる。本実施形態では、滑り止め板524、525(624、625)は、ゴム製である。ただし、脚500(600)が地面に対して滑ることを防止するものであれば、滑り止め板524、525(624、625)の材料は特に限定されない。また、滑り止め板524、525(624、625)は、下側部材522(622)と一体ものであってもよく、下側部材522(622)の下面の全体にわたっているものであってもよい。なお、この滑り止め板524、525(624、625)は、省略することが可能である。
《中間部材523(623)》
次に、中間部材523(623)について説明する。中間部材523(623)は、一対の脚部501、502(601、602)に対して前後方向に延びた板状体である。中間部材523(623)は、上側部材521(621)と下側部材522(622)との間において、上側部材521(621)と下側部材522(622)とに上下に組み付けられる。この中間部材523(623)は、下側部材522(622)に対して上下に反転可能に組み付けることができる。つまり、中間部材523(623)は、上下反転した何れの状態においても、上側部材521(621)と下側部材522(622)との間に組み込むことができる。
本実施形態では、中間部材523(623)は、フロントベース部511(611)からリヤベース部512(612)まで延びた部材である。この中間部材523(623)は、前から後へ向かうに連れて厚くなっている。
以下の説明において、中間部材523(623)の上下の面のうち、一方の面を第1の面551(651)と称し、他方の面を第2の面552(652)と称する。また、ここでは、中間部材523(623)の第1の面551(651)を下にして中間部材523(623)を下側部材522(622)の上に設けている状態を第1の状態とする。また、第1の状態に対して中間部材523(623)を上下に反転させて、中間部材523(623)の第2の面552(652)を下にして、中間部材523(623)を下側部材522(622)の上に設けている状態を第2の状態とする。なお、ここで、図10は、第1の状態において、中間部材523の第1の面551を下にして、上側部材521と下側部材522と中間部材523とを組み付けた状態を示している。
図12は、中間部材523(623)の第1の面551(651)を示す図である。図13は、中間部材523(623)の第2の面552(652)を示す図である。本実施形態では、図12および図13に示すように、中間部材523(623)は、凹部555(655)と、当接面556(656)と、を備えている。
本実施形態では、図12に示すように、凹部555(655)は、中間部材523(623)の第1の面551(651)側に設けられている。凹部555(655)は、第1の状態において、下側部材522(622)のリブ544(644)が嵌る部位である。本実施形態では、下側部材522(622)のリブ544(644)は、下側部材522(622)の前後方向および左右方向に沿った格子状である。これに対し、凹部555(655)は、下側部材522(622)のリブ544(644)に対応するように、中間部材523(623)の前後方向および左右方向に延びた格子状の溝である。本実施形態では、図10に示すように、第1の状態において、第1の面551(651)を下にして中間部材523(623)が下側部材522(622)の上に組み付けられる。この状態では、中間部材523(623)の第1の面551(651)側に設けられた凹部555(655)に、下側部材522(622)のリブ544(644)が嵌る。そして、中間部材523(623)の凹部555(655)の底に、下側部材522(622)のリブ544(644)の上端が当接している。
次に、当接面556(656)は、図13に示すように、中間部材523(623)の第2の面552(652)側に設けられている。当接面556(656)は、第2の状態において、下側部材522(622)のリブ544(644)の上端面(突出端面)が当接可能な部位である。本実施形態では、当接面556(656)は、第1の面551(651)側に設けられた凹部555(655)の底の裏面によって構成されている。図14は、中間部材523の第2の面552を下にして、上側部材521と下側部材522と中間部材523とを組み付けた状態(第2の状態)における、左側の脚500を前後方向に縦断した断面図である。本実施形態では、図14に示すように、第2の状態において、第2の面552(652)を下にして中間部材523(623)が下側部材522(622)の上に組み付けられる。この状態では、中間部材523(623)の第2の面552(652)側に設けられた当接面556(656)に、下側部材522(622)のリブ544(644)の上端が当接している。
本実施形態では、図10に示すように、中間部材523(623)は、凹部555(655)および当接面556(656)が格子状に設けられている。このため、中間部材523(623)は、長手方向および幅の断面において凸凹を有する形状である。かかる凸凹形状は、中間部材523(623)におけるリブ557(657)として機能しうる。
本実施形態では、図9に示すように、中間部材523(623)には、挿通孔558(658)と、ずれ防止孔559(659)と、突起561(661)とがある。挿通孔558(658)は、ベース固定ピン526(626)が挿通される孔である。ここでは、挿通孔558(658)は、中間部材523(623)の中央部分の後よりに形成されている。挿通孔558(658)は、上側部材521(621)の挿通孔534(634)および下側部材522(622)の挿通孔542(642)と、略同じ形状をしている。ここでは、挿通孔558(658)は、ベース固定ピン526(626)の挿入部の軸方向の投影形状に対応した形状である。つまり、挿通孔542(642)は、下側部材522(622)の前後方向に延びた略長方形状であり、挿通孔542(642)の長手方向の中央部分は若干外側に広がっている。また、中間部材523(623)の挿通孔558(658)の縁には、上下にそれぞれ延びた壁558a(658a)が設けられている。
ずれ防止孔559(659)は、中間部材523(623)に形成され、下側部材522(622)のずれ防止軸543(643)が挿通される孔である。ここでは、ずれ防止孔559(659)は、中間部材523(623)の中央部分の前よりに形成されている。詳しくは、ずれ防止孔559(659)は、中間部材523(623)と下側部材522(622)とを組み付ける状態において、中間部材523(623)における下側部材522(622)のずれ防止軸543(643)に対応した位置に形成されている。ずれ防止孔559(659)は、略円形状である。
突起561(661)は、下側部材522(622)の先端に設けられた係止部545(645)の凹部545a(645a)に嵌る部位である。ここでは、下側部材522(622)の係止部545(645)は、後側の側面に凹部545a(645a)が設けられている。これに対し、突起561(651)は、中間部材523(623)の先端から前方に突出している。
《ベース固定ピン526(626)》
ベース固定ピン526(626)は、上側部材521(621)と、下側部材522(622)と、中間部材523(623)とを固定するための部材である。本実施形態では、ベース固定ピン526(626)は、挿通軸571(671)と、つまみ573(673)と、第1固定片574、575(674、675)と、第2固定片576、577(676、677)と、を備えている。
挿通軸571(671)は、円筒棒状である。つまみ573(673)は、挿通軸571(671)の一端に設けられている。第1固定片574、575(674、675)は、挿通軸571(671)の他端側の外周面から径方向の外方に延びており、互いが対向している。第1固定片574、575(674、675)は、互いが同じ形状であり、挿通軸571(671)の他端に向かうに連れて挿通軸571(671)に向かって外縁が曲がっている。第2固定片576、577(676、677)は、挿通軸571(671)の軸方向の中心部分の他端側よりに設けられ、挿通軸571(671)から径方向の外方に延びている。第2固定片576、577(676、677)は、互いが対向しており、平面視において、第1固定片574、575(674、675)と重なっている。第2固定片576、577(676、677)と第1固定片574、575(674、675)との間には、それぞれ隙間がある。ここでは、第2固定片576、577(676、677)は、四角形状である。
《ロック機構》
本実施形態では、脚500(600)は、上下に組み付けられた中間部材523(623)と下側部材522(622)とを固定するロック機構を備えている。本実施形態のロック機構では、まず、上側部材521(621)と下側部材522(622)と中間部材523(623)とを上下に組み付ける。そして、ベース固定ピン526(626)は、上側部材521(621)の挿通孔534(634)、下側部材522(622)の挿通孔542(642)および中間部材523(623)の挿通孔558(658)に挿通された状態で、上側部材521(621)と下側部材522(622)と中間部材523(623)とに係合している。詳しくは、ベース固定ピン526(626)の挿通軸571(671)は、挿通孔534、542、558(634、642、658)に挿通される。そして、ベース固定ピン526(626)は、ベース固定ピン526(626)のつまみ573(673)が下側部材522(622)に当接した状態で回転する。その後、ベース固定ピン526(626)は、ベース固定ピン526(626)の第1固定片574、575(674、675)または第2固定片576、577(676、677)が上側部材521(621)に当接することで、上側部材521(621)と下側部材522(622)とに係合する。
《ずれ防止機構》
また、本実施形態では、脚500(600)は、中間部材523(623)が下側部材522(622)に対してずれることを防止する、ずれ防止機構を備えている。本実施形態のずれ防止機構では、下側部材522(622)から上方に延びたずれ防止軸(643)が、中間部材523(623)に形成されたずれ防止孔559(659)に挿通されることで、ずれを防止している。
次に、脚500(600)のベース503(603)の上側部材521(621)と、下側部材522(622)と、中間部材523(623)との組み付けについて説明する。ここでは、まず、図10に示すように、第1の状態において、第1の面551(651)を下にして中間部材523(623)を、上側部材521(621)と下側部材522(622)との間に組み付けた態様について説明する。
第1の状態では、中間部材523(623)は、第1の面551(651)を下にし、中間部材523(623)の先端に設けられた突起561(661)を、下側部材522(622)の先端に設けられた係止部545(645)の凹部545a(645a)に嵌める。そして、この状態において、中間部材523(623)が下側部材522(622)の上に組み付けられる。このとき、中間部材523(623)の先端は下側部材522(622)の係止部545(645)によって位置決めされる。このように先端が位置決めされた状態では、中間部材523(623)のずれ防止孔559(659)は、下側部材522(622)のずれ防止軸543(643)にスムーズに挿入される。また、中間部材523(623)の第1の面551(651)に設けられた凹部555(655)は、下側部材522(622)のリブ544(644)に嵌る。このように、中間部材523(623)は各部位が係合することによって、下側部材522(622)の所定の位置に配置されるとともに、中間部材523(623)が下側部材522(622)に対してずれることが防止される。
次に、中間部材523(623)が配置された下側部材522(622)に上側部材521(621)を被せる。この場合、まず、上側部材521(621)の先端に設けられた折り返し部535(635)を、下側部材522(622)の先端部に設けられた突起549(649)に引っ掛ける。次に、下側部材522(622)の縁に設けられた壁541(641)に上側部材521(621)の内側面が沿うように、上側部材521(621)を下側部材522(622)に被せる。このとき、上側部材521(621)のリブ532(632)が、中間部材523(623)の上面(第2の面552(652)側の面)に当接する。また、上側部材521(621)の挿通孔534(634)は、下側部材522(622)の挿通孔542(642)と中間部材523(623)の挿通孔558(658)とに、平面視において重なる。脚500(600)のベース503(603)を構成する上側部材521(621)と、下側部材522(622)と、中間部材523(623)とは、第1の状態において、このように組み付けられる。
そして、上側部材521(621)と、下側部材522(622)と、中間部材523(623)とは、ベース固定ピン526(626)によって一体的に固定される。ここで、ベース固定ピン526(626)は、下側部材522(622)の底側から下側部材522(622)の挿通孔542(642)に挿入される。この際、ベース固定ピン526(626)の第1固定片574、575(674、675)および第2固定片576、577(676、677)が下側部材522(622)の挿通孔542(642)に挿入される。そして、つまみ573(673)が下側部材522(622)の底面に当接したところで、ベース固定ピン526(626)を90度回転させる。このとき、図10に示すように、ベース固定ピン526(626)の第2固定片576、577(676、677)は、下側部材522(622)の挿通孔542(642)、中間部材523(623)の挿通孔558(658)および上側部材521(621)の挿通孔534(634)を貫通している。そして、ベース固定ピン526(626)を90度回転させることによって、ベース固定ピン526(626)の第2固定片576、577(676、677)の端面が上側部材521(621)の固定板533(633)に当接する。このように、第1の状態において、中間部材523(623)は、第1の面551(651)を下にして組み付けられた場合には、ベース固定ピン526(626)の第2固定片576、577(676、677)によって、上側部材521(621)が下側部材522(622)および中間部材523(623)に固定されている。
次に、図14に示すように、第2の状態において、第2の面552(652)を下にして中間部材523(623)を、上側部材521(621)と下側部材522(622)との間に組み付けた態様について説明する。
第2の状態において、中間部材523(623)は、第2の面552(652)を下にし、中間部材523(623)の先端に設けられた突起561(661)を、下側部材522(622)の先端に設けられた係止部545(645)の凹部545a(645a)に嵌める。そして、この状態において、中間部材523(623)が下側部材522(622)の上に組み付けられる。このとき、中間部材523(623)の先端は下側部材522(622)の係止部545(645)に位置決めされる。そして、中間部材523(623)のずれ防止孔559(659)は、下側部材522(622)のずれ防止軸543(643)にスムーズに挿入される。また、中間部材523(623)の第2の面552(652)に設けられた当接面556(656)は、下側部材522(622)のリブ544(644)の上端面に当り、中間部材523(623)が下側部材522(622)のリブ544(644)の上端面に乗った状態になる。このように、中間部材523(623)は、各部位が係合することによって、下側部材522(622)の所定の位置に配置されるとともに、下側部材522(622)に対してずれることが防止される。
次に、中間部材523(623)が配置された下側部材522(622)に上側部材521(621)を被せる。下側部材522(622)に対する上側部材521(621)の組み付けは、中間部材523(623)の第1の面551(651)を下にする場合(第1の状態)と、中間部材523(623)の第2の面552(652)を下にする場合(第2の状態)とで、基本的な工程は同じである。ただし、第2の状態では、中間部材523(623)が下側部材522(622)のリブ544(644)の上端面に乗った状態になる。このため、下側部材220に対して中間部材523(623)が高くなり、それに応じて、上側部材210が高くなる。
次に、組み付けられた上側部材521(621)と下側部材522(622)と中間部材523(623)とは、ベース固定ピン526(626)によって一体的に固定される。ここで、ベース固定ピン526(626)は、下側部材522(622)の底側から下側部材522(622)の挿通孔542(642)に挿入される。この際、ベース固定ピン526(626)の先端側に設けられた第1固定片574、575(674、675)は、上側部材210の挿通孔534(634)を貫通する。しかし、上側部材210が高くなっているので、ベース固定ピン526(626)の基端側に設けられた第2固定片576、577(676、677)は、上側部材210の挿通孔534(634)に達しない。
ベース固定ピン526(626)は、つまみ573(673)が下側部材522(622)の底面に当接したところで90度回転させる。このとき、図14に示すように、ベース固定ピン526(626)の先端側に設けられた第1固定片574、575(674、675)の端面が上側部材521(621)の固定板533(633)に当接する。このように、第2の状態において、第2の面552(652)を下にして中間部材523(623)を組み付けた場合でも、ベース固定ピン526(626)によって、上側部材521(621)、下側部材522(622)および中間部材523(623)が固定される。
上述したように、中間部材523(623)は、第1の面551(651)および第2の面552(652)をそれぞれ下にして、上側部材521(621)と下側部材522(622)との間に組み付けることができる。さらに、何れの場合にも、上側部材521(621)のリブ532(632)が中間部材523(623)の上面に当たる位置で上側部材521(621)の位置が定まる。
第1の面551(651)を下にして中間部材523(623)を組み付けた場合(第1の状態)、図10に示すように、中間部材523(623)の凹部555(655)が下側部材522(622)のリブ544(644)に嵌る。これに対して、第2の面552(652)を下にして中間部材523(623)を組み付けた場合(第2の状態)には、図14に示すように、中間部材523(623)の当接面556(656)が下側部材522(622)のリブ544(644)の上端面の上に乗る。
このため、第2の面552(652)を下にして中間部材523(623)を組み付けた場合の第2の状態に比べて、第1の面551(651)を下にして中間部材523(623)を組み付けた場合の第1の状態には、下側部材522(622)のリブ544(644)が凹部555(655)に嵌る分、上側部材521(621)が低くなる。また、本実施形態では、中間部材523(623)は、先端から後端に向かうにつれて厚くなっている。このため、第1の面551(651)を下にして中間部材523(623)を組み付けた場合(第1の状態)に比べて、第2の面552(652)を下にして中間部材523(623)を組み付けた場合(第2の状態)には、特に、上側部材521(621)の後部が高くなる。
つまり、中間部材523(623)を上下反転させて、上側部材521(621)と下側部材522(622)との間に組み付けることで、上側部材521(621)の後部の高さが変わる。このため、第2の面552(652)を下にして中間部材523(623)を組み付けた場合(第1の状態)には、第1の面551(651)を下にして中間部材523(623)を組み付けた場合(第2の状態)に比べて、便器本体100の便座30の前に傾いた状態になる。このように、本実施形態では、左右のベース503、603に組み込まれた中間部材523、623の上下の向きをそれぞれ変えることによって、便器本体100の前傾角度を変更することができる。本実施形態では、第1の状態における一対の脚部501、502(601、602)の下端部の相対的な高さの差は、第2の状態における一対の脚部501、502(601、602)の下端部の相対的な高さの差よりも小さくなる。
また、本実施形態では、脚500、600は樹脂成形品である。ここでは、上側部材521(621)、下側部材522(622)および中間部材523(623)は、それぞれ樹脂成形品である。ベース503(603)は、所要の強度が確保されていることが好ましい。そのため、ベース503(603)を構成している上側部材521(621)、下側部材522(622)および中間部材523(623)は、剛性が高い樹脂が用いられるとよい。本実施形態では、上側部材521(621)と下側部材522(622)と中間部材523(623)とは、比較的剛性が高いABS樹脂が用いられている。中間部材523(623)は、樹脂製以外、例えば金属製であってもよい。
ただし、上側部材521(621)、下側部材522(622)および中間部材523(623)にABS樹脂を用いると、コストが高くなり、かつ、ポータブルトイレ10が重くなってしまう。そこで、ベース503(603)に所要の強度が確保されるならば、上側部材521(621)、下側部材522(622)および中間部材523(623)のうち少なくとも一つにABS樹脂が用いられていてもよい。例えば、上側部材521(621)にABS樹脂が用いられ、下側部材522および中間部材523(623)に、ABS樹脂よりも剛性が低いポリプロピレン等が用いられていてもよい。また、下側部材522(622)のみにABS樹脂が用いられていてもよいし、中間部材523(623)のみにABS樹脂が用いられていてもよい。また、上側部材521(621)および下側部材522(622)にABS樹脂が用いられ、中間部材523(623)にポリプロピレン等が用いられてもよい。また、上側部材521(621)および中間部材523(623)、もしくは、下側部材522(622)および中間部材523(623)のみにABS樹脂が用いられていてもよい。
以上のように、本実施形態では、図1に示すように、ポータブルトイレ10は、便器本体100と、便器本体100の下部において右側および左側にそれぞれ設けられた脚500、600と、を備えている。便器本体100と前記脚500、600とは、樹脂成形品である。脚500(600)は、便器本体100の前後にそれぞれ配置された少なくとも一対の脚部501、502(601、602)と、一対の脚部501、502(601、602)の下端部を繋ぐように前後方向に延びたベース503(603)と、を備えている。ベース503(603)は、図9に示すように、上下に組み付けられる複数の部材を備えている。複数の部材には、一方の部材に対して他方の部材が上下に反転可能に組み付けられることが可能な第1部材522(622)と第2部材523(623)とが含まれている。そして、第1部材522(622)と第2部材523(623)とが上下に組み付けられた第1の状態(図10参照)と、上記第1の状態に対して、第1部材522(622)と第2部材522(622)とのうち、一方の部材に対して他方の部材を上下に反転させて組み付けられた第2の状態(図14参照)とで、ベース503(603)によって支持された一対の脚部501、502(601、602)の下端部の高さが、相対的に変更できる。
本実施形態では、図9に示すように、脚500(600)の上記複数の部材は、上側部材521(621)と、上側部材521(621)の下に組み付けられる下側部材522(622)と、上側部材521(621)と下側部材522(622)との間において、上側部材521(621)と下側部材522(622)とに上下に組み付けられる中間部材523(623)と、を備えている。中間部材523(623)は、上側部材521(621)と下側部材522(622)とに対して上下に反転可能に組み付けることができ、上側部材521(621)または下側部材522(622)を第1部材522(622)とした場合に、第2部材523(623)として機能する。ここでは、下側部材522(622)が第1部材522(622)である。
このことによって、中間部材523(623)を上下反転させて上側部材521(621)と下側部材522(622)との間に組み込むことによって、ベース503(603)によって支持された一対の脚部501、502(601、602)の下端部の高さが相対的に変更できる。よって、本実施形態では、使用者の好みに応じて便器本体100を前に傾けることができる。なお、この便器本体100を前に傾ける角度は、2度〜5度(例えば、3度)が好ましい。この角度にすることによって、使用者が便座30に座って排便を行うとき、使用者にとって楽な姿勢となり、体の負担が軽減するような姿勢となる。
また、本実施形態では、ベース503(603)は、上側部材521(621)、下側部材522(622)および中間部材523(623)を上下に組み付けたものであって、3層構造である。このことによって、ベース503(603)の強度が確保されるとともに、ベース503(603)が撓みにくくなっている。
本実施形態では、下側部材522(622)と中間部材523(623)とのうち、一方の部材(下側部材522(622))が他方の部材(中間部材523(623))に組み付けられる面には、組み付けられる方向に突出したリブ544(644)が設けられている。そして、他方の部材(中間部材523(623))は、図10に示すように、第1の状態において、一方の部材(下側部材522(622))に設けられたリブ544(644)が嵌まる凹部555(655)と、図14に示すように、第2の状態において、一方の部材に設けられたリブ544(644)の突出端面が当接可能な当接面556(656)と、を備えている。そして、第1の状態における一対の脚部501、502(601、602)の下端部の相対的な高さの差は、第2の状態よりも小さくなる。このように、本実施形態では、リブ544(644)によって、下側部材522(622)が補強されている。よって、リブ544(644)によって、ベース503(603)が撓みにくくなっている。また、中間部材523(623)の凹部555(655)と下側部材522(622)のリブ544(644)とを嵌め合わせたり(第1の状態)、中間部材523(623)の当接面556(656)と下側部材522(622)のリブ544(644)の上端面とを当接させたり(第2の状態)する。このことによって、一対の脚部501、502(601、602)の下端部の高さを相対的に変更することができるとともに、ポータブルトイレ10の便座30の角度を変更することができる。よって、複雑なベース503(603)の構成にすることなく、簡単なベース503(603)の構成によって、ポータブルトイレ10の便座30の角度を調節することができる。
また、本実施形態では、図9に示すように、下側部材522(622)に設けられたリブ544(644)は、格子状に延びている。このことによって、特に、リブ544(644)が格子状に延びた方向に対してベース503(603)が撓みにくくなっている。
また、本実施形態では、下側部材522(622)に設けられたリブ544(644)は、第1部材(下側部材522(622))と第2部材(中間部材523(623))とを組み付けた状態において、ベース503(603)の前後方向と左右方向とにそれぞれ延びている。このことによって、ベース503(603)は、特に、ベース503(603)の前後方向と左右方向とに撓みにくくなっている。
本実施形態では、下側部材522(622)と中間部材523(623)とは、一対の脚部501、502(601、602)に対して前後方向に延びた板状体である。下側部材522(622)と中間部材523(623)とのうち少なくとも一方は、前から後へ向かうにつれて厚くなっている。このことによって、中間部材523(623)を上下反転させて上側部材521(621)と下側部材522(622)との間に組み付けることで、便器本体100の便座30を適宜前に傾けることができる。よって、使用者の好みに応じて、使用者が前屈みになって容易に排便をすることができる。
また、本実施形態では、脚500(600)は、上下に組み付けられた複数の部材を固定するロック機構を備えている。ここでは、ロック機構は、上側部材521(621)と下側部材522(622)と中間部材523(623)とが上下に組み付けられた状態で固定している。このように、上側部材521(621)と下側部材522(622)と中間部材523(623)とを固定することでベース503(603)の強度が確保される。
本実施形態では、上側部材521(621)と下側部材522(622)と中間部材523(623)には、それぞれ挿通孔534、542、558(634、642、658)が形成されている。脚500(600)は、挿通孔534、542、558(634、642、658)に挿通される挿通軸571(671)を備えている。図10に示すように、挿通軸571(671)は、上側部材521(621)と下側部材522(622)と中間部材523(623)とを上下に組み付け、かつ、挿通孔534、542、558(634、642、658)に貫通された状態で、上側部材521(621)と下側部材522(622)とに係合する。このことによって、工具等を使用することなく、簡単な構成でロック機構を実現することができる。
また、本実施形態では、挿通軸571(671)は、図9に示すように、一端に設けられたつまみ573(673)と、他端に設けられ、挿通軸571(671)から径方向に延びた第1固定片574、575(674、675)と、を備えている。上側部材521(621)と下側部材522(622)と中間部材523(623)に形成された挿通孔534、542、558(634、642、658)は、第1固定片574、575(674、675)が形成された位置における挿通軸571(671)の外縁に沿った形状である。挿通軸571(671)は、挿通孔534、542、558(634、642、658)に挿通されてつまみ573(673)が下側部材522(622)に当接した状態で回転して、第1固定片574、575(674、675)または第2固定片576、577(676、677)が上側部材521(621)に当接することで、上側部材521(621)と下側部材522(622)とに係合する。このことによって、挿通軸571(671)を回転させることによって、上側部材521(621)と、下側部材522(622)と、中間部材523(623)とを固定することができる。よって、本実施形態では、工具等を使用することなく、ロック機構を簡単な構成で実現することができる。
本実施形態では、脚500(600)は、肘掛本体302(402)が下側部材522(622)に対してずれることを防止する、ずれ防止機構を備えている。ここでは、ずれ防止機構は、下側部材522(622)から上方に延びた、ずれ防止軸543(643)と、中間部材523(623)に形成され、ずれ防止軸543(643)が挿通される、ずれ防止孔559(659)とを備えている。このことによって、中間部材523(623)のずれ防止孔559(659)に下側部材522(622)のずれ防止軸543(643)を挿通させることで、中間部材523(623)が下側部材522(622)に対してずれることを防止することができる。本実施形態では、ずれ防止機構を簡単な構成で実現することができる。
また、本実施形態では、ベース503(603)は、一対の脚部501、502(601、602)のうち前側の脚部501(601)よりも前方に延びている。ポータブルトイレ10を使用する使用者が便器本体100の前部に体重を掛けて立ち上がろうとする場合、前部に荷重が掛かる。本実施形態では、ベース503(603)が前側の脚部501(601)よりも前方に延びているため、その荷重を支えることができる。よって、ポータブルトイレ10が前方に倒れることを確実に防止することができる。
以上、第1実施形態に係るポータブルトイレ10について説明した。しかし、本発明に係るポータブルトイレは、第1実施形態に係るポータブルトイレ10に限定されない。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るポータブルトイレ10Aについて説明する。本実施形態では、ポータブルトイレ10Aにおける脚500(600)のベース503(603)は、2層構造になっている。
図15は、第2実施形態の第1の状態における左側の脚500を縦断した断面図である。図16は、第2実施形態の第2の状態における左側の脚500を縦断した断面図である。 本実施形態では、図15および図16に示すように、ベース503(603)は、上側部材521(621)と、下側部材522(622)とを備えている。下側部材522(622)は、上側部材521(621)の下に組み付けられるものである。ここでは、下側部材522(622)は、上側部材521(621)に対して上下に反転可能に組み付けることができる。上側部材521(621)を本発明の第1部材とした場合に、下側部材522(622)は、第2部材として機能する。
ここでは、上側部材521(621)には、下側部材522(622)に組み付けられる面に、組み付けられる方向に突出したリブ532(632)が設けられている。詳しくは、リブ532(632)の内側面から下方に延びている。このリブ532(632)は、前後方向および左右方向に沿った格子状となっている。
下側部材522(622)は、板状の部材であり、第1実施形態の中間部材523(623)と同様の構成をしている。ここでは、下側部材522(622)の第1の面551(651)には、凹部555(655)が設けられており、第2の面552(652)には、当接面556(656)が設けられている。本実施形態では、図15に示すように、第1の状態において、下側部材522(622)の第1の面551(651)を上にして、下側部材522(622)を上側部材521(621)に組み付けた場合、上側部材521(621)のリブ532(632)が下側部材522(622)の凹部555(655)に嵌る。
一方、図16に示すように、第2の状態において、下側部材522(622)の第2の面552(652)を上にして、上側部材521(621)と下側部材522(622)とを組み付けた場合、上側部材521(621)のリブ532(632)の突出端面が下側部材522(622)の当接面556(656)に当接する。この場合、上側部材521(621)が下側部材522(622)の上に載置される。
本実施形態では、下側部材522(622)は、先端から後端に向かうに連れて厚くなっているため、下側部材522(622)を上下反転させて、下側部材522(622)を上側部材521(621)に組み付けることで、脚部501、502(601、602)の下端の高さを相対的に変更することができる。よって、本実施形態では、使用者の好みに応じて便器本体100の便座30を前に傾けることができる。
また、本実施形態では、脚500、600は樹脂成形品である。ここでは、上側部材521(621)および下側部材522(622)は、それぞれ樹脂成形品である。ベース503(603)は、所要の強度が確保されていることが好ましい。そのため、ベース503(603)を構成している上側部材521(621)および下側部材522(622)は、剛性が高い樹脂が用いられるとよい。本実施形態では、上側部材521(621)と下側部材522(622)とは、比較的剛性が高いABS樹脂が用いられている。ただし、上側部材521(621)および下側部材522(622)にABS樹脂を用いると、コストが高くなり、かつ、ポータブルトイレ10が重くなってしまう。そこで、ベース503(603)に所要の強度が確保されるならば、上側部材521(621)または下側部材522(622)のみにABS樹脂が用いられていてもよい。例えば、上側部材521(621)にABS樹脂が用いられ、下側部材522(622)に、ABS樹脂よりも剛性が低いポリプロピレン等が用いられていてもよい。例えば、下側部材522(622)にABS樹脂が用いられ、上側部材521(621)にポリプロピレン等が用いられてもよい。
第2実施形態のポータブルトイレ10Aであっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上、ここで提案されるポータブルトイレの一実施形態を例示したが、本発明は、特に言及されない限りにおいて、上述した実施形態に限定されるものではない。
上述した第1実施形態では、ベース503(603)の上下に組み付けられた複数の部材の第1部材と第2部材のうち、下側部材522(622)が第1部材として機能し、中間部材523(623)が第2部材として機能していた。ただし、中間部材523(623)が第1部材として機能し、下側部材522(622)が第2部材として機能してもよい。この場合、中間部材523(623)には、下側部材522(622)と組み付けられる方向に突出したリブが設けられるとよい。また、下側部材522(622)は、第1の状態において、中間部材523(623)のリブが嵌まる凹部と、第2の状態において、中間部材523(623)のリブの突出端面が当接可能な当接面と、を備えているとよい。
また、上述した第1実施形態において、上側部材521(621)が第1部材として機能してもよい。この場合、上側部材521(621)のリブ532(632)が、中間部材523(623)の凹部555(655)に嵌ったり、中間部材523(623)の当接面556(656)に当接したりすることによって、一対の脚部501、502(601、602)の下端部の高さが、相対的に変更できればよい。
上述した第1実施形態では、ベース503(603)は、3層構造であり、第2実施形態では、ベース503(603)は、2層構造であった。しかし、ベース503(603)は、4層構造以上であってもよい。例えば、ベース503(603)は、上側部材521(621)と下側部材522(622)との間に2つの中間部材523(623)を組み付けた構造であってもよい。
また、上述した実施形態では、上側部材521(621)、中間部材523(623)、下側部材522(622)は、それぞれリブが設けられている。ここでは、リブは、長さ方向および幅方向に格子状に配されている。これに対して、リブは、これらの部材の剛性を高めるために設けられており、リブの配置は、これに限定されない。リブは、長さ方向および幅方向に対して斜めに沿った格子状に配してもよい。また、リブは、例えば、各部材の長さ方向に沿って、いわゆるフィッシュボーン状に配されていてもよい。また、上述した実施形態では、上側部材521(621)、中間部材523(623)、下側部材522(622)の各部材には、リブが設けられている。しかし、これらの部材に所要の剛性を確保するという観点において、リブが設けられていなくても、これらの部材が所要の剛性を備えている場合には、各部材にリブが設けられていなくてもよい。
上述した実施形態では、脚部501、502(601、602)は、ベース503(603)に対して前後に2本設けられている。しかし、ベース503(603)に対して設けられる脚部の数は2本に限定されない。例えば、ベース503(603)に対して設けられる、前後に3本以上、脚部が設けられていてもよい。