JP5791950B2 - 金型及び筆記用具の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂材料で形成された筆記用具の外郭を形成する樹脂成形品の金型及び筆記用具の製造方法に関する。
現在、筆記用具として、その外郭が樹脂材料で形成されるものが知られている。この筆記用具は、例えば、芯を突出及び収納可能な所謂ノック式又はスライド式と呼ばれるボールペンが知られている。このような筆記用具として、筆記体をノック又はスライドさせることで、外郭の先端を形成する大先の先端に設けられた小孔から筆記体の先端に設けられた筆記部であるチップを出没させる構成が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
このような筆記用具は、紙葉類等への筆記時において、筆運び方向であるチップ先端の移動方向と相対するチップの外周部が大先の先端の小孔の内径と当接してチップが小孔に支持されることで、チップ先端が所定の力で紙葉類と摺動し、紙葉類にインキが塗布される。
このため、小孔の内径とチップの外径との差が小さいほど、筆運び方向の変更に伴うチップの移動が少なく、このため、所謂筆記時のガタツキが低減される。このように、筆記用具は、小孔の内径とチップの外径との差が小さいほど、安定して小孔にチップが支持され、書き心地がよい。
このような筆記用具は、図8に示すような金型150が用いられ、その外郭部材が射出成形加工等により成形される。なお、図8に示す金型150は、図10に示すような筆記用具の樹脂成形品の一である大先116を成形する。
金型150は、例えば、大先116の先端側の外形状を成形するキャビティ151と、このキャビティ151に隣接して設けられ、大先116の後端側の外形状を成形するスライドコア152と、大先116の後端面を成形するエンドコア153と、を備えている。また、金型150は、大先116の内形状を成形するとともに、大先116の小孔122を形成する位置決めピン157を有するコアピン154と、位置決めピン157と嵌合することでコアピン154を支持する開口部160を有するコアピンブッシュ155と、を備えている。また、コアピンブッシュ155は、大先116の先端の外形状を成形する凹部である成形部161を有している。
このような金型150は、キャビティ151、スライドコア152及びコアピン154をコアピンブッシュ155及びエンドコア153により固定する閉状態とすることで、その内部に大先116状の空間Dを形成する。当該空間Dにスライドコア152の側面部に設けられたゲート156から樹脂材料を供給することで、大先116が成形される。
また、成形した大先116は、エンドコア153及びコアピンブッシュ155からキャビティ151、スライドコア152及びコアピン154を移動させて金型150を開状態とすることで取り出される。
なお、金型150の開閉において、コアピン154及びコアピンブッシュ155は、その位置決めピン157及び開口部160が摺動する。このため、位置決めピン157が摩耗することを防止するために、コアピンブッシュ155をコアピン154よりも低い硬度の材料で形成し、コアピンブッシュ155が摩耗した場合には、当該コアピンブッシュ155が交換される。
特開2006−264095号公報 特開2010−105292号公報
上述した筆記用具では、以下の問題があった。即ち、筆記用具の樹脂成形品の一である大先116を成形する金型150は、位置決めピン157及び開口部160の摺動により開口部160の内周面の一部が摩耗する。
また、樹脂材料を供給するゲート156は、スライドコア152にコアピン154の軸心方向と直交する方向に延設されるため、コアピン154は樹脂材料の供給方向に力が加わる。コアピンブッシュ155の開口部160は、位置決めピン157を支持する内周面の一部であって、ゲート156側とは相対する部位がより摩耗することとなる。また、このような摩耗は、図9の二点鎖線で示す摩耗部Eのように、開口部160の開口端側でより発生する。
コアピンブッシュ155が摩耗すると、当該摩耗部Eにも樹脂材料が供給されるため、図10に示すように、当該金型150で成形される樹脂成形品である大先116の先端の小孔122にバリGが発生する。このバリGは、図10に二点鎖線で示す筆記体の筆記部(チップ)132と小孔122との間に介在すると筆記部132の出没時に筆記部132と小孔122との間に介在して干渉することで、筆記体132の移動の抵抗や筆記部132の小孔122への噛付き等の要因となる。この噛付きが発生すると、筆記部132の移動が制限され、筆記体の移動が困難となる。
このため、大先116の成形後、大先116の先端を検査し、筆記部132に影響を与える程度の長さにバリGが形成されている場合には、当該バリGを除去する必要があった。このため、バリGの検査及び除去等の製造工程が増えるという問題がある。
また、コアピンブッシュ155は、消耗品として適宜交換されるが、当該交換時期は、バリGの突出寸法(長さ)等で管理される。しかし、バリGの長さの許容範囲等を定めることや管理することが難しい。このため、バリGの影響を防止するために、コアピンブッシュ155の交換時期が短くなり、ランニングコストが増大する、という問題がある。
そこで本発明は、製造コストを低減することが可能な金及び筆記用具の製造方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の金及び筆記用具の製造方法は次のように構成されている。
本発明の一態様の金型は、その先端に形成された、筆記体のインキを紙葉類に塗布する筆記部を支持する孔部及び前記孔部よりも先端側に形成された前記孔部よりも大径の環状溝を有し、筆記用具の外郭を構成し、且つ、前記筆記体を収納する大先を、樹脂材料により成形する金型であって、前記大先の内形状を形成するとともに、その一端に前記孔部を形成するピンを有するコアピンと、前記大先の胴部の先端側の外形状を形成するキャビティと、前記キャビティに隣接して設けられ、前記コアピンの軸方向に対して直交する方向に延設された前記樹脂材料を供給するゲートを有し、前記胴部の後端側の外形状を成形するスライドコアと、前記キャビティに隣接して設けられ、前記ピンと嵌合する開口部、前記大先の先端形状を形成する凹部、並びに、前記開口部及び前記凹部間に設けられ、前記環状溝を形成する凸部を有するコアピンブッシュと、を備える。
本発明の一態様の筆記用具の製造方法は、インキを紙葉類に塗布する筆記部を有する筆記体を収納するとともに、前記筆記体の筆記部をその先端の孔部により支持する、筆記用具の外郭を構成する大先の内形状を形成するとともに、その一端に前記孔部を形成するピンを有するコアピン、前記大先の胴部の先端側の外形状を形成するキャビティ、前記キャビティに隣接して設けられ、前記大先の軸方向に対して直交する方向に延設された樹脂材料を供給するゲートを有する、前記大先の前記胴部の後端側の外形状を成形するスライドコア、並びに、前記キャビティに隣接して設けられ、前記ピンと嵌合する開口部、前記大先の先端形状を形成する凹部及び前記開口部及び前記凹部間に設けられ、前記大先の前記孔部よりも先端側に形成された前記孔部よりも大径の環状溝を形成する凸部を有するコアピンブッシュを備える金型の、前記キャビティ、前記スライドコア、前記コアピン及び前記コアピンブッシュを一体に固定し、前記ゲートから前記樹脂材料を供給し、前記金型から成型した前記大先を取り出す。
本発明によれば、製造コストを低減することが可能な金及び筆記用具の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る筆記用具の構成を一部断面で示す説明図。 同筆記用具の要部構成を示す断面図。 同筆記用具の要部構成を拡大して示す断面図。 同筆記用具の金型の構成を示す断面図。 同金型の要部構成を示す断面図。 同筆記用具の要部構成を示す断面図。 同筆記用具の使用の一例を拡大して示す断面図。 従来の技術に係る筆記用具の金型の構成を示す断面図。 同金型の要部構成を拡大して示す断面図。 同筆記用具の要部構成を示す断面図。
以下、本発明の一実施の形態に係る筆記用具1を、図1乃至図7を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に関わる筆記用具1の構成を一部断面で示す説明図、図2は筆記用具1に用いられる大先16の構成を示す断面図、図3は大先16の先端の構成を拡大して示す断面図、図4は筆記用具1の大先16を成形する金型50の構成を示す断面図、図5は金型50のコアピンブッシュ55の構成を拡大して示す断面図、図6は大先16の先端の構成を拡大して示す断面図、図7は大先16及び筆記体11の筆記部32の構成であって、筆記用具1の使用の一例として大先16から筆記部32を突出させた構成を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、筆記用具1は、所謂ノック式及びスライド式と呼ばれるボールペン等である。本実施の形態においては、筆記用具1は、スライド式のボールペンを用いて説明する。筆記用具1は、外郭部材10と、複数の筆記体11と、これら筆記体11を外郭部材10から出没させる駆動機構12と、を備えている。
外郭部材10は、軸筒15と、大先16と、グリッパー17と、を備えている。軸筒15は、樹脂材料により形成され、筆記体11の一部及び駆動機構12を収納する。軸筒15は、その一端が開口するとともに、他端が閉塞する筒状に形成されている。
軸筒15は、その一端側に大先16と螺合する雌螺子部19を有している。また、軸筒15は、その他端側に、駆動機構12の一部、具体的には後述する作動子42の移動を案内する直線的に延設された複数のレール部20を備えている。レール部20は、筆記体11と同数設けられる。
大先16は、樹脂材料により形成された樹脂成形品である。大先16は、その一端側が他端側よりも先細形状に形成され、両端が開口する筒状に形成されている。なお、大先16の一端側は、筆記用具1の先端を形成する。
具体的に説明すると、大先16は、先細形状の筒状に形成された胴部21と、胴部21の一端側に形成された小孔22と、胴部21の他端の開口に形成され、軸筒15の雌螺子部19と螺合する雄螺子部23と、を備えている。図2に示すように、胴部21は、外郭部材10の先端側の一部を形成するとともに、グリッパー17を挿入し、且つ、支持可能に形成されている。
図2及び図3に示すように、小孔22は、大先16の先端側の内径が大径となる異なる2つの内径により形成されている。具体的には、小孔22は、筆記体11の一部、さらに言えば後述するチップ32の外径と略同一径又は若干大径となる内径に形成された円筒状の孔部25と、大先16の先端に円環状に形成され、孔部25よりも大径に形成された環状溝26と、を備えている。
孔部25は、その軸心方向の長さが、チップ32の外周面の一部を支持可能な長さに形成されている。環状溝26は、その軸心方向の長さ、換言すると大先16の先端部から孔部25までの長さが、例えば、0.1mm〜1mm程度の所定の長さに形成されている。なお、環状溝26の軸心方向の長さは、後述する金型50のコアピンブッシュ55を、適切な交換時期に管理可能な長さであればよい。
グリッパー17は、例えばシリコンゴム等のエラストマー樹脂により形成されている。グリッパー17は、筆記用具1の使用者が当該筆記用具1を握持した際に、使用者の指とフィットし、且つ、適度な抵抗(摩擦力)を発生させて滑りを防止可能に形成されている。
筆記体11は、所謂リフィル等の芯体である。筆記体11は、インキ管31と、筆記部32と、を備えている。インキ管31は、その内部にインキ33を収容する。なお、複数の筆記体11は、異なる色のインキ33が収容されたインキ管31が用いられる。
筆記部32は、インキ管31に接続され、インキ33を紙葉類に塗布可能に形成されている。筆記部32は、その先端にボール34を回転可能に支持するチップである。以下、筆記部32をチップ32として説明する。
図1に示すように、駆動機構12は、固定子41と、作動子42と、付勢部材43と、支持部材44と、を備えている。固定子41は、レール部20の内側縁から互いに対向する内側縁に向かって突出し、且つ、レール部20の一端側から他端側中途部に向かって延設する作動子42を案内する突起である。
作動子42は、レール部20及び固定子41に沿って移動する移動体42aと、レール部20から外部に突出する移動体42aの一端側に設けられた操作部42bと、移動体42aの他端側に設けられ、付勢部材43を接続する鍔部42cと、移動体42aの他端に設けられ、インキ管31を嵌合固定可能な嵌合部42dと、を備えている。
また、作動子42は、移動体42aの他端に設けられた固定子41と係合可能な切欠部42eと、移動体42aの軸筒15の内部側に位置する側面に設けられ、他の移動体42aと当接する当接体42fと、を有している。
作動子42は、レール部20及び固定子41に沿って移動可能に形成されるとともに、固定子41の端部に移動すると、軸筒15の内部方向に進入し、切欠部42eと固定子41の端部とが係合してその移動が規制される。
また、作動子42は、固定子41の端部側に向かって移動した際に、その当接体42fが軸筒15の内部方向に進入し、切欠部42eが固定子41と係合した他の作動子42の当接体42fと当接可能に形成されている。当接体42fは、当該他の当接体42fと当接することで、当該他の当接体42fを介して他の作動子42を軸筒15の外部方向に移動させ、固定子41と切欠部42eとの規制を解除可能に形成されている。
付勢部材43は、鍔部42c及び支持部材44間に配置され、作動子42に鍔部42cを介して付勢可能に形成されたコイルバネである。即ち、付勢部材43は、作動子42が移動し、切欠部42eと固定子41の端部とが係合した場合に、作動子42がレール部20の一端側へと移動する方向に作動子42を付勢する。
支持部材44は、軸筒15内に固定される。支持部材44は、インキ管31を挿通可能、且つ、付勢部材43を支持可能に形成されている。
次に、このように構成された外郭部材10の樹脂成形品である大先16の成型を行う金型50について、図4及び図5を用いて説明する。
図4及び図5に示すように、金型50は、キャビティ51と、スライドコア52と、エンドコア53と、コアピン54と、コアピンブッシュ55と、を備えている。金型50は、射出成型等に用いられる型であり、コアピンブッシュ55に対してキャビティ51、スライドコア52、エンドコア53及びコアピン54を往復動可能に形成されている。
金型50は、キャビティ51、スライドコア52、エンドコア53及びコアピンブッシュ55と、コアピン54との間に、大先16と同形状の空間Cを形成する。金型50は、これらキャビティ51、スライドコア52、エンドコア53及びコアピン54を移動させることで、金型50を開閉し、樹脂材料を供給する空間Cを形成可能、且つ、形成した樹脂成形品である大先16を取り出し可能に形成されている。
キャビティ51は、その内部形状が大先16の胴部21先端側の外形状を形成する。キャビティ51は、コアピンブッシュ55に対して往復動可能に形成されている。スライドコア52は、キャビティ51に隣接して設けられ、その内部形状が大先16の胴部21の後端側の外形状、及び、雄螺子部23を成形する。
スライドコア52は、成形する大先16の軸心方向に対して直交する方向に延設された、樹脂材料を供給するゲート56を備えている。また、スライドコア52は、コアピンブッシュ55に対して往復移動可能に形成されている。
エンドコア53は、スライドコア52に隣接して設けられ、その端面により大先16の胴部21の他端面を成形する。エンドコア53は、キャビティ51及びスライドコア52がコアピンブッシュ55に移動後、キャビティ51及びスライドコア52を固定可能に形成されている。
コアピン54は、その外形状が、大先16の胴部21の内形状と同一に形成されている。具体的には、コアピン54は、その先端に設けられ、その外径が大先16の孔部25の内径と同一径に形成されるとともに、コアピンブッシュ55にその一部が嵌合する位置決めピン(ピン)57と、位置決めピン57から連続し、大先16の内形状を形成する胴体58と、を備えている。
図4及び図5に示すように、コアピンブッシュ55は、キャビティ51に隣接して設けられ、大先16の先端の外形状を成形する。具体的には、コアピンブッシュ55は、コアピン54の位置決めピン57を嵌合可能、且つ、コアピン54を支持する開口部60と、大先16の先端部の外形状及び環状溝26を成形する成形部61と、を備えている。
また、コアピンブッシュ55は、コアピン54よりも硬度が低い材料により形成されている。成形部61は、大先16の先端外形状に窪む凹部61a及び環状溝26状に突出する凸部61bである。
次に、このように構成された金型50を用いた大先16の射出成形方法について説明する。
先ず、金型50を閉じる。即ち、コアピンブッシュ55に対してキャビティ51、スライドコア52、エンドコア53及びコアピン54を移動させ、位置決めピン57を開口部60に嵌合させてコアピン54を固定するとともに、エンドコア53によりコアピンブッシュ55にキャビティ51及びスライドコア52を固定する。
次に、この状態で、ゲート56に溶融した樹脂材料を射出し、当該ゲート56から金型50内に樹脂材料を供給し、空間Cに樹脂材料を充填する。充填された樹脂材料が硬化後、キャビティ51、スライドコア52、エンドコア53及びコアピン54を移動させて金型50を開き、形成された樹脂成形品である大先16を取り出す。このようにして、大先16が射出成形される。
このように構成された筆記用具1は、作動子42をスライドさせることで、筆記体11が付勢部材43に抗って移動し、筆記体11のチップ32が大先16の先端の小孔22から突出する。このとき、作動子42は、切欠部42eが固定子41により係止されることで、チップ32は、小孔22から突出した状態が維持される。
この状態で、筆記用具1の使用者が紙体等の紙葉類にチップ32の先端のボール34を当接させ、任意の筆運び方向に筆記用具1を移動させることで、筆運び方向と相対するチップ32の外周部が小孔22の孔部25内周面の一部と当接してチップ32が孔部25に支持される。このため、チップ32は、所定の力で紙葉類に当接することとなり、ボール34が回転することで紙葉類と摺動し、当該回転によりボール34の表面に付着したインキ管31内のインキ33が紙葉類上に塗布される。
このような筆記用具1は、大先16の小孔22に、チップ32の外径と略同一の内径に形成された孔部25を設けることで、当該孔部25によりチップ32を支持することができる。また、筆記用具1は、孔部25と隣接するように大先16の先端部に環状溝26を設けることで、図6及び図7に示すように、当該環状溝26が金型50の使用により大先16の先端に発生するバリGの逃げ部となり、当該バリGが曲折して孔部25に位置することを防止することが可能となる。
具体的に説明すると、金型50は、コアピン54の位置決めピン57がコアピンブッシュ55の開口部60に嵌合することでコアピン54の位置決め及び支持がなされる。また、金型50は、大先16の成形後、大先16を取り外すために位置決めピン57を開口部60から取り外す。このため、金型50は、大先16の成形毎に、位置決めピン57と開口部60とが摺動することとなる。
コアピンブッシュ55は、位置決めピン57の摩耗や、位置決めピン57及び開口部60の噛付きを防止するため、コアピン54よりも低い硬度の材料により成形されており、当該摺動により、開口部60の内周面が摺動により摩耗することとなる。
また、金型50は、ゲート56がコアピン54(大先16)の軸心方向に対して直交する方向に設けられていることから、ゲート56に樹脂材料が射出された際に、当該ゲート56の延設方向の力がコアピン54に印加される。
このため、コアピン54を支持する開口部60内面であって、ゲート56の延設方向上の部位に樹脂材料の射出による圧力印加により、当該部位の摩耗も発生する。このように、摺動及び圧力印加の繰り返しにより、開口部60の開口端側の凸部61b側から摩耗が進行する。
この凸部61bの摩耗した部位にも樹脂材料が充填されるため、図6及び図7に示すように、大先16には、環状溝26内であって、孔部25の端部にバリGが形成されることとなる。
しかし、凸部61bの摩耗した部位に形成されるバリGは、大先16の環状溝26内に位置する。このため、環状溝26は、その摩耗により発生するバリGの長さが、環状溝26の軸心方向の長さを超えるまでバリGを収納する。
即ち、バリGは、金型50の使用期間(大先16の成形数)の増加により摩耗が進行しても環状溝26の軸心方向の長さまではバリGが大先16の先端から外部に突出することがなく、外部の干渉により曲折することがない。このように、環状溝26は、金型50の使用により大先16の先端に発生するバリGの逃げ部となり、当該バリGが曲折して孔部25に位置することを防止可能となる。
このように構成された筆記用具1によれば、金型50の使用期間により、開口部60の一部が摩耗することで、大先16の先端にバリGが発生しても、当該バリGを環状溝26内に位置させることで、バリGの曲折を防止することが可能となる。バリGの曲折の防止により、チップ32の外周面と孔部25内周面と間にバリGが介在することで発生する、バリGの干渉による筆記体11の移動抵抗の増加やチップ32の孔部25への噛付き等がなく、バリGによる筆記体11の移動規制を防止可能となり、信頼性の高い筆記用具1とすることが可能となる。
また、筆記体11は、外郭部材10の外周側から中心側に向かって斜めに移動し、図7に示すように、チップ32は、大先16の軸心方向に対して傾斜して小孔22から突出する。このため、チップ32がバリGと干渉したとしても、バリGは、孔部25の端部側から環状溝26の内周面側に向かって、孔部25から離間する方向に曲折する。このため、バリGがチップ32により曲折されても、孔部25とチップ32との間に介在することがない。
このため、バリGが発生しても、バリGによる孔部25とチップ32との噛付き等を防止可能となることから、当該バリGを除去する必要がなく、製造コストを低減することが可能となる。
また、金型50の使用を継続することで開口部60の摩耗が進行した場合には、大先16に発生したバリGの長さが環状溝26の軸心方向の長さを超えて、大先16の端部から突出することとなる。このため、バリGの長さの管理(検査)は、大先16の先端から突出しているか否かを目視検査すればよく、単純な検査により、バリGの長さ管理が可能となる。
具体的に説明すると、環状溝26内にバリGが位置する場合には、当該バリGは外部と干渉することを防止できる。しかし、環状溝26の長さよりもバリGが長くなり、大先16の端面から突出した場合には、当該バリGが外部と干渉し、曲折する虞がある。
このため、当該バリGは、環状溝26の長さよりも長く形成される場合に、コアピンブッシュ55の交換時期として管理すればよい。また、バリGが環状溝26内に位置している間は、コアピンブッシュ55の使用を継続することが可能であるから、コアピンブッシュ55の寿命を長くすることが可能となる。さらに、コアピンブッシュ55の寿命や、バリGの長さ等の管理は、使用材料や大先16の形状等によって、適宜環状溝26の軸心方向の長さを調整することで容易に変更可能である。
上述したように本発明の一実施の形態に係る筆記用具1によれば、大先16の先端にチップ32を支持する孔部25よりも大径の環状溝26を設けることで、コアピンブッシュ55の摩耗によりバリGが発生しても、バリGが外部と干渉することを防止可能となる。また、環状溝26の軸心方向の長さだけバリGの発生を許容可能となり、コアピンブッシュ55の交換時期(寿命)を長くすることが可能となる。
また、バリGは、環状溝26からの突出により検査及びコアピンブッシュ55の管理を行えばよく、当該検査及び管理が容易となる。
これらのことから、筆記用具1の製造コストを低減することが可能となるとともに、信頼性の高い筆記用具1とすることが可能となる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、筆記用具1をボールペンとして説明したがこれに限定されない。即ち、大先16の先端に環状溝26を設けるとともに、孔部25により筆記体11の筆記部32を支持可能な筆記用具であれば、ボールペン以外の筆記用具1であってもよい。例えば、筆記体11として、蛍光ペンやシャープペン等であってもよい。
また、上述した例では、筆記用具1は、駆動機構12として、スライド式を説明したがこれに限定されず、ノック式であっても、他の構成であってもよい。即ち、駆動機構12は、筆記体11の筆記部32を大先16の先端の小孔22から出没可能であって、且つ、当該突出及び没入状態を維持可能であればよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 筆記用具に用いられ、筆記体のインキを紙葉類に塗布する筆記部を支持する樹脂成形品であって、
前記筆記用具の外郭の一部を構成する胴部と、
その内面により前記筆記部の側面を支持する孔部、及び、前記孔部の端部であって、前記胴部の先端部に設けられ、前記孔部よりもその内径が大に形成された環状溝を有する、前記胴部の先端に設けられた小孔と、
を備えることを特徴とする樹脂成形品。
[2] 前記胴部及び前記小孔は、前記胴部の内形状を成形する胴体及び前記胴体の先端に設けられた前記孔部を成形するピンを有するコアピン、及び、前記ピンを支持する開口部を有し、前記環状溝及び前記胴部の先端を成形するコアピンブッシュを具備する金型により成形されることを特徴とする[1]に記載の樹脂成形品。
[3] 前記コアピンブッシュは、前記コアピンよりも硬度が低い材料で形成されていることを特徴とする[2]に記載の樹脂成形品。
[4] インキを紙葉類に塗布する筆記部を有する筆記体と、
その先端が先細形状の筒状に樹脂材料で形成され胴部、前記胴部の先端に設けられた前記筆記部を支持する孔部、及び、前記孔部の端部であって、前記胴部の先端部に設けられ、前記孔部よりもその内径が大に形成された環状溝を有する外郭部材と、
前記筆記体を前記小孔から出没させる駆動機構と、
を備えることを特徴とする筆記用具。
[5] 前記外郭部材は、
前記駆動機構を操作可能に収納する軸筒と、
前記胴部、前記孔部及び前記環状溝を有し、前記軸筒に接続される大先と、
を備え、
前記大先は、前記胴部の内形状を成形する胴体及び前記胴体の先端に設けられた前記孔部を成形するピンを有するコアピン、及び、前記ピンを支持する開口部を有し、前記環状溝及び前記胴部の先端を成形するコアピンブッシュを具備する金型により成形されることを特徴とする[4]に記載の筆記用具。
[6] 前記コアピンブッシュは、前記コアピンよりも硬度が低い材料で形成されていることを特徴とする[5]に記載の筆記用具。
[7] 筆記体を収納するとともに、前記筆記体の筆記部をその先端の小孔により支持する、筆記用具の外郭を構成する樹脂材料により成形された大先を成形する金型であって、
前記大先の内形状を形成するとともに、その一端に前記孔部を形成するピンを有するコアピンと、
前記ピンと嵌合する開口部、前記大先の先端形状を形成する凹部、及び、前記開口部及び前記凹部間に設けられ、前記大先の先端に前記孔部よりも大径の嵌合溝を形成する凸部を有するコアピンブッシュと、
を備えることを特徴とする金型。
[8] 前記コアピンブッシュは、前記コアピンよりも硬度が低い材料で形成されていることを特徴とする[7]に記載の金型。
1…筆記用具、10…外郭部材、11…筆記体、12…駆動機構、15…軸筒、16…樹脂成形品(大先)、17…グリッパー、19…雌螺子部、20…レール部、21…胴部、22…小孔、23…雄螺子部、25…孔部、26…環状溝、31…インキ管、32…筆記部(チップ)、33…インキ、34…ボール、41…固定子、42…作動子、42a…移動体、42b…操作部、42c…鍔部、42d…嵌合部、42e…切欠部、42f…当接体、43…付勢部材、44…支持部材、50…金型、51…キャビティ、52…スライドコア、53…エンドコア、54…コアピン、55…コアピンブッシュ、56…ゲート、57…ピン、58…胴体、60…開口部、61…成形部、61a…凹部、61b…凸部、116…大先、122…小孔、132…筆記部、150…金型、151…キャビティ、152…スライドコア、153…エンドコア、154…コアピン、155…コアピンブッシュ、156…ゲート、157…ピン、160…開口部、161…成形部、G…バリ。

Claims (5)

  1. その先端に形成された、筆記体のインキを紙葉類に塗布する筆記部を支持する孔部及び前記孔部よりも先端側に形成された前記孔部よりも大径の環状溝を有し、筆記用具の外郭を構成し、且つ、前記筆記体を収納する大先を、樹脂材料により成形する金型であって、
    前記大先の内形状を形成するとともに、その一端に前記孔部を形成するピンを有するコアピンと、
    前記大先の胴部の先端側の外形状を形成するキャビティと、
    前記キャビティに隣接して設けられ、前記コアピンの軸方向に対して直交する方向に延設された前記樹脂材料を供給するゲートを有し、前記胴部の後端側の外形状を成形するスライドコアと、
    前記キャビティに隣接して設けられ、前記ピンと嵌合する開口部、前記大先の先端形状を形成する凹部、並びに、前記開口部及び前記凹部間に設けられ、前記環状溝を形成する凸部を有するコアピンブッシュと、
    を備えることを特徴とする金型。
  2. 前記コアピンブッシュは、前記コアピンよりも硬度が低い材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の金型。
  3. インキを紙葉類に塗布する筆記部を有する筆記体を収納するとともに、前記筆記体の筆記部をその先端の孔部により支持する、筆記用具の外郭を構成する大先の内形状を形成するとともに、その一端に前記孔部を形成するピンを有するコアピン、前記大先の胴部の先端側の外形状を形成するキャビティ、前記キャビティに隣接して設けられ、前記大先の軸方向に対して直交する方向に延設された樹脂材料を供給するゲートを有する、前記大先の前記胴部の後端側の外形状を成形するスライドコア、並びに、前記キャビティに隣接して設けられ、前記ピンと嵌合する開口部、前記大先の先端形状を形成する凹部及び前記開口部及び前記凹部間に設けられ、前記大先の前記孔部よりも先端側に形成された前記孔部よりも大径の環状溝を形成する凸部を有するコアピンブッシュを備える金型の、前記キャビティ、前記スライドコア、前記コアピン及び前記コアピンブッシュを一体に固定し、
    前記ゲートから前記樹脂材料を供給し、
    前記金型から成型した前記大先を取り出す、
    ことを特徴とする筆記用具の製造方法。
  4. 前記金型から取り出した前記大先に前記筆記体を収容する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の筆記用具の製造方法。
  5. 前記コアピンブッシュは、前記コアピンよりも硬度が低い材料で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の筆記用具の製造方法。
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