JP2008302674A - 多芯筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】シールピールの外れや浮き上がりを確実に防止するようにした多芯筆記具を提供する。
【解決手段】本発明では、多芯筆記具を前提にして、シールピール20の外れや浮き上がりを確実に防止するために、軸筒3の先端孔3cの先端側を、皿ザグリ状に拡径している。さらに、このように構成すると、軸筒3を射出成形する際、軸筒3の先端孔3cを形成する壁面の前端角部23bから前方に向かってバリが発生しにくくなる。このようなバリが多く発生すると、軸筒3の外観を悪くすることは言うに及ばず、リフィール2を出没させる際にシールピール20がバリに引っ掛かる虞があり、このことは、シールピール20の外れや浮き上がりを発生させる要因にもなる。さらに、バリの発生を抑制する効果として、軸筒3の射出成形時に、軸筒3の全長寸法を許容誤差内に収め易くなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、シールピールが先端に固着されているリフィールを備えた多芯筆記具に関するものである。
従来、このような分野の技術として、特開2003−246183号公報がある。この公報に記載された多芯筆記具は、軸筒内に2本のリフィールが収容された回転タイプであり、リフィールの先端部分には、円錐部分をもったチップが設けられ、チップの先端にはボールが嵌め込まれている。さらに、店頭での販売状況や保管状況によって、ボールとチップの隙間からインクが蒸発したり漏れ出したりすることを防止するために、チップの先端にはホットメルト(シールピール)が固着されている。そして、店頭において、ユーザーが実際に筆記具の動作確認をすることが多く、このとき、ホットメルトの外れや浮き上がりを防止するために、軸筒の先端孔の前方角部に面取りが施されている。
特開2003−246183号公報
前述した従来の多芯筆記具では、軸筒の先端孔の前方角部に面取り部が形成され、この面取り部によってホットメルト(シールピール)の引っ掛かりを防止している。しかしながら、ホットメルトは、軸筒の先端孔からリフィールを出し入れする際に、面取り部の表面に押し付けられながら滑るように摺動するため、ホットメルトの形状によっては、面取り部でホットメルトに無理な負荷が加わってホットメルトが外れ易くなる虞がある。
本発明は、シールピールの外れや浮き上がりを確実に防止するようにした多芯筆記具を提供することを目的とする。
本発明に係る多芯筆記具は、軸筒の先端孔から選択的に出没する複数のリフィールと、それぞれのリフィールに連結されて軸筒の軸線方向にスライド自在な複数のノック部と、各ノック部を復帰させるバネとを有する多芯筆記具において、
各リフィールの先端にはシールピールが設けられ、軸筒の先端孔の先端側は、皿ザグリ状に拡径していることを特徴とする。
本発明は、インクの蒸発や逆流を防止するために、先端にシールピールが設けられたリフィールを選択的に出没させるタイプの多芯筆記具が前提になっている。さらに、本発明に係る多芯筆記具では、リフィールを軸筒の先端から出没させるときに、単芯の筆記具と異なり、リフィールは、軸筒の軸線に沿うことなく片側に寄った状態で移動することになるので、多芯筆記具特有の課題として、シールピールの外れや浮き上がりに着目してなされている。よって、本発明では、多芯筆記具を前提にして、シールピールの外れや浮き上がりを確実に防止するために、軸筒の先端孔の先端側を、皿ザグリ状に拡径している。さらに、このように構成すると、軸筒を射出成形する際、軸筒の先端孔を形成する壁面の前端角部から前方に向かってバリが発生しにくくなる。このようなバリが多く発生すると、軸筒の外観を悪くすることは言うに及ばず、リフィールを出没させる際にシールピールがバリに引っ掛かる虞があり、このことは、シールピールの外れや浮き上がりを発生させる要因にもなる。さらに、バリの発生を抑制する効果として、軸筒の射出成形時に、軸筒の全長寸法を許容誤差内に収め易くなる。
また、先端孔は、先端側に設けられて略円柱状をなす第1の孔と、これに連続して第1の孔より径の小さな略円柱状をなす第2の孔とで段状に形成されていると好適である。
このような構成は、簡単な構成であって、バリ発生の抑制効果が高い。
本発明によれば、シールピールの外れや浮き上がりを確実に防止することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る多芯筆記具の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、ペン先側を「前方側」として以下説明する。
図1に示すように、多芯筆記具1は、4色のボールペン型リフィールを有する多色筆記具である。このノック式多芯筆記具1は、水性インクが充填された4本のボールペン型のリフィール2と、各リフィール2を収容する樹脂製の軸筒3と、軸筒3の後端部に装着された樹脂製のキャップ4と、軸筒3の軸線L方向にスライド自在な開閉式クリップ6及びノック部9と、軸筒3に固定された滑り止め用のグリップ7とを備えている。
軸筒3の後部には4本のガイド溝8が形成され、4本のガイド溝8のうちの3本のガイド溝8aに沿って、軸筒3の軸線L方向に3本のノック部9がスライドし、各ノック部9の先端は、リフィール2の後端に差し込まれている。開閉式クリップ6は、残りの1本のガイド溝8bに沿って軸線L方向に可動し、クリップ6にU字状の板バネ10を介して連結されたスライダ部11の先端は、リフィール2の後端に差し込まれ、スライダ部11がガイド溝8bに沿って摺動する。
さらに、軸筒3内には、ノック部9及びクリップ6を復帰させるための螺旋バネ12a,12bが収容され、リフィール2は螺旋バネ12a,12b内に差し込まれている。そして、ノック部9及びクリップ6に復帰力を発生させるために、螺旋バネ12aの一端は軸筒3側で係止され、螺旋バネ12aの他端はノック部9の先端に係止させられ、螺旋バネ12bの一端は軸筒3側で係止され、螺旋バネ12bの他端はスライダ部11の先端に係止させられている。
このような構成の多芯筆記具1では、ノック部9及びクリップ6の何れかを押し下げることによって、軸筒3の先端からリフィール2の先端が突出し、残りのノック部9又はクリップ6を押し下げることで、リフィール2の先端を軸筒3内に格納することができる。
このような多芯筆記具1に利用される軸筒3は、前軸3aと後軸3bとからなり、前軸3aの後側に設けられた雄ネジ部と後軸3bの前側に設けられた雌ネジ部との螺合によって、前軸3aと後軸3bは連結される。なお、前軸3bにグリップ7が固定されている。
軸筒3の先端孔3cから選択的に出没するリフィール2の先端には、ステンレスからなるチップ2aが設けられ、チップ2aの先端にはボールが嵌め込まれている。さらに、店頭での販売状況や保管状況によって、ボールとチップ2aの隙間から水性インクが蒸発したり漏れ出したりすることを防止するために、チップ2aの先端には、ボールを封入するための球状のシールピール20が固着されている。シールピール20の材質としては、例えば、ホットメルトが好適である。
店頭において、ユーザーが実際に筆記具の動作確認をすることが多く、このとき、シールピール20の外れや浮き上がりを防止する必要がある。そこで、図2に示すように、軸筒3の先端孔3cの先端側は、皿ザグリ状に拡径している。そして、先端孔3cは、先端側に設けられて略円柱状をなす第1の孔21と、これに連続して第1の孔21より径の小さな略円柱状をなす第2の孔22とで段状に形成され、第2の孔22は、球状のシールピール20の直径より大きな直径を有している。
図2に示すように、多芯筆記具1では、リフィール2が軸筒3の先端から出没するときに、単芯の筆記具と異なり、リフィール2は、軸筒3の軸線Lに沿うことなく片側に寄った状態で移動することになるので、シールピール20は、軸筒3の前端側の内壁面3d及び先端孔3cを形成する壁面3eに沿って摺動する。そして、図2の一点鎖線で示すように、シールピール20が、第1の孔21と第2の孔22との境界角部23aと、第1の孔21の前端角部23bとに接触しても、シールピール20に無理な負荷が加わりにくく、シールピール20が外れ難い。このような先端孔3cは、球形に限らず様々な形状のシールピール20に効果的である。これに対し、図4の一点鎖線で示すように、従来の先端孔100の先端角部100aにシールピール20が押し当てられると、シールピール20は外れ易くなる。
特に、この多芯筆記具1では、螺旋バネ12a,12bのバネ力によって、シールピール20は、高速で先端孔3c内に引き戻されるため、シールピール20に加わる負荷に関して、図4に示された従来の先端孔100に比べて図2に示された先端孔3cの方が有利である。
さらに、構成が簡単な第1及び第2の孔21,22を採用することで、軸筒3を射出成形する際、軸筒3の先端孔3cを形成する壁面3eの前端角部23bから前方に向かってバリが発生しにくくなる。このようなバリが多く発生すると、軸筒3の外観を悪くすることは言うに及ばず、リフィール2を出没させる際にシールピール20がバリに引っ掛かる虞があり、このことは、シールピール20の外れや浮き上がりを発生させる要因にもなる。さらに、バリの発生を抑制する効果として、軸筒3の射出成形時に、軸筒3の全長寸法を許容誤差内に収め易くなる。
さらに、シールピール20は、ボールペン利用開始時にあって利用者により取り外される。従って、図3に示すように、チップ2aの先端からインクが滲み出してできたインク玉Pは、軸筒3の先端面3fに付着し難く、利用者の手や衣服にインクが付着しにくくなる。
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、多芯筆記具1は、シャープペンシル型のリフィールを備えていてもよい。
本発明に係る多芯筆記具の一実施形態を示す断面図である。 シールピールと先端孔との関係を示す要部拡大断面図である。 チップと先端孔との関係を示す要部拡大断面図である。 従来技術を示す断面図である。
符号の説明
1…多芯筆記具、2…リフィール、3…軸筒、3c…先端孔、9…ノック部、12a…バネ、20…シールピール、21…第1の孔、22…第2の孔、L…軸線。

Claims (2)

  1. 軸筒の先端孔から選択的に出没する複数のリフィールと、それぞれの前記リフィールに連結されて前記軸筒の軸線方向にスライド自在な複数のノック部と、前記各ノック部を復帰させるバネとを有する多芯筆記具において、
    前記各リフィールの先端にはシールピールが設けられ、前記軸筒の前記先端孔の先端側は、皿ザグリ状に拡径していることを特徴とする多芯筆記具。
  2. 前記先端孔は、先端側に設けられて略円柱状をなす第1の孔と、これに連続して第1の孔より径の小さな略円柱状をなす第2の孔とで段状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の多芯筆記具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012228790A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Sailor Pen Co Ltd:The 樹脂成形品、筆記用具、及び、金型

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JP2005014552A (ja) * 2003-06-30 2005-01-20 Pentel Corp ボールペンチップ及び、そのボールペンチップを取り付けた複合筆記具

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