JP5791742B2 - 編成機および編成方法 - Google Patents
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しかし、複数の主筋が所定位置に正確に配筋された鉄筋コンクリート構造体を構成するためには、せん断補強筋を複数の主筋に接合して複数の主筋の位置を保持することが望ましい。
せん断補強筋と主筋との溶接接合については特許文献1に開示されている。
特許文献1では、主筋をその軸方向に移動させながらせん断補強筋としてのスパイラル筋を巻付け、次に主筋とスパイラル筋との交点に電極を圧接し、印加することで、電気溶接(抵抗溶接)を行っている。
特許文献2では、鉄筋どうしの交点に針金などの線材(ワイヤー)を巻き回して捻ることで、鉄筋どうしを機械的に結束している。
また、プレストレスを導入した鉄筋コンクリート構造体に利用される複数の主筋には、前述したRC鉄筋ではなく、プレストレストコンクリート用の高強度の鉄筋(以下、PC鉄筋という)が採用される。
複数の主筋がPC鉄筋と曲げ応力対応用のRC鉄筋とで構成されると、引張強度と曲げ強度との両方に優れた複数の主筋を構成できる。しかも、PC鉄筋に比べて安価なRC鉄筋を部分的に採用するため、コスト削減が期待できる。
この構成の本発明では、複数の主筋にせん断補強筋を接合するため、複数の主筋の位置を保持することができ、これらが所定位置に配筋された鉄筋コンクリート構造体を構成できる。また、高強度鉄筋を備えるので、プレストレスを導入した鉄筋コンクリート構造体を採用できる。一方、複数の主筋の全てを高強度鉄筋とせずに鉄筋コンクリート構造体用の通常の鉄筋も採用したので、高強度鉄筋を形成するための表面焼入れなどの工数を減らすことができ、コストを抑えることができる。
また、せん断補強筋と鉄筋との交点を溶接接合するため、せん断補強筋と鉄筋とを短時間で確実に接合できる。一方、せん断補強筋と高強度鉄筋との交点を線材により機械的に結束するため、せん断補強筋と高強度鉄筋とを確実に接合できる。さらに、複数の主筋のうち、溶接接合された鉄筋を機械的に結束する必要をなくせるので、結束接合を短時間で行うことができる。
従って、複数の主筋にせん断補強筋を確実に接合できるとともに、接合作業効率の向上を図ることができる。
この構成の本発明では、引取り設備により引取られる複数の主筋に対して、巻付け設備によりせん断補強筋を巻付け、接合設備によりこれらの交点を接合するため、一連の作業で鉄筋籠を編成でき、作業効率の向上を図ることができる。
この構成の本発明では、結束設備が溶接設備よりも引取り設備側に配置されるため、結束接合よりも先に溶接接合を行える。このため、溶接設備の鉄筋支持部材(主筋電極)などの構成部材を結束接合に用いられる線材から回避動作させる必要がなく、溶接接合を速やかにかつ円滑に行うことができる。
この構成の本発明では、軟化部を有していない高強度鉄筋を利用した場合に比べ、耐遅れ破壊性に優れた鉄筋籠を編成できる。
この構成の本発明では、複数の主筋にせん断補強筋を接合するため、複数の主筋の位置を保持することができ、これらが所定位置に配筋された鉄筋コンクリート構造体を構成できる。また、高強度鉄筋を備えるので、プレストレスを導入した鉄筋コンクリート構造体を採用できる。一方、複数の主筋の全てを高強度鉄筋とせずに鉄筋コンクリート構造体用の通常の鉄筋も採用したので、高強度鉄筋を形成するための表面焼入れなどの工数を減らすことができ、コストを抑えることができる。
また、せん断補強筋と鉄筋との交点を溶接接合するため、せん断補強筋と鉄筋とを短時間で確実に接合できる。一方、せん断補強筋と高強度鉄筋との交点を線材により機械的に結束するため、機械的性質を低下させることなく、接合できる。さらに、複数の主筋のうち、溶接接合された鉄筋を機械的に結束する必要をなくせるので、結束接合を短時間で行うことができる。
従って、複数の主筋にせん断補強筋を確実に接合できるとともに、接合作業効率の向上を図ることができる。
この構成の本発明では、引取り工程で引取られる複数の主筋に対して、巻付け工程におけるせん断補強筋の巻付け、接合工程におけるこれらに交点の接合を行えるため、一連の作業で鉄筋籠を編成することができ、作業効率の向上を図ることができる。
この構成の本発明では、結束接合よりも先に溶接接合が行われるため、溶接工程で用いられる鉄筋支持部材(主筋電極)などの構成部材を結束接合に用いられる線材から回避動作させる必要がなく、溶接接合を速やかにかつ円滑に行うことができる。
この構成の本発明では、周方向に沿って配置された結束装置を使用することで、鉄筋籠の編成の一作業であるせん断補強筋と高強度鉄筋との結束を速やかに行うことができる。
この構成の本発明では、高強度鉄筋とせん断補強筋との複数箇所の交点をそれぞれ併行して結束接合できるため、結束接合にかかる時間を短縮できる。
また、結合工程で併行して結束接合する交点の箇所が、溶接工程で併行して溶接接合する箇所よりも多い場合、溶接接合と結束接合との作業時間の差分を少なくできるか、または差分をなくすことができる。従って、編成機全体の作業効率の向上を図ることができる。
この構成の本発明では、軟化部を有していない高強度鉄筋を利用した場合に比べ、耐遅れ破壊性に優れた鉄筋籠を編成できる。
[実施形態の構成]
本発明の実施形態に係る編成機1は、プレストレスが導入された鉄筋コンクリート製の電柱に利用される軸方向Xに延びた鉄筋籠2を編成するものである。
図1において、機枠3,4および引取り設備5が軸方向Xで並んで配置されている。機枠3は、鉄筋籠2を編成するための複数の主筋6の挿入側に配置されている。引取り設備5は、複数の主筋6の引取り側に配置されている。機枠4は、機枠3と引取り設備5との間に配置されている。
駆動機構52は、図示しないが、保持ヘッド51を軸方向Xに引取り移動させるボールねじ機構やリニアモータ機構などで構成される引取り駆動機構と、保持ヘッド51を円周方向Rに回転させる回転機構とを備えている。
駆動機構52は、回転機構により保持ヘッド51を円周方向Rに回転させながら、引取り駆動機構により保持ヘッド51を軸方向Xで引取り移動させる。
なお、引取り設備5は、保持ヘッド51に近接して複数の主筋6の内周側に配置されるリング状スペーサ53をさらに備える。
巻付け設備7は、引取り設備5により軸方向Xで引取られる複数の主筋6に対して円周方向Rに相対回転することで、ドラム71からスパイラル筋91を繰り出し、連続して螺旋状に複数の主筋6の外周に巻付け可能である。
溶接設備81と結束設備82とは、軸方向Xで互いに隣接配置される。溶接設備81は巻付け設備7側に配置される。結束設備82は、引取り設備5側に配置される。
電極接触子812は、軸方向Xに直交する方向に移動可能であり、RC鉄筋61とスパイラル筋91との交点P1が主筋電極811との間に位置する際に交点P1に接近移動し、圧接し、印加する。この印加によりRC鉄筋61とスパイラル筋91とは交点P1で溶接される。
結束装置821は、針金などの鋼線で構成される線材82AをPC鉄筋62とスパイラル筋91との交点P2の周囲に巻き回す巻き回し装置82Bと、巻き回し装置82Bにより巻き回した線材82Aの二箇所を把持して捻る捻り装置82Cとを備える。
把持部材82Fは、PC鉄筋62に巻き回された線材82Aの先端と繰出し側の一部とを把持する。
回転装置82Gは、線材82Aを把持した把持部材82Fをr方向に回転させる。これにより、線材82Aは環状部を形成してPC鉄筋62とスパイラル筋91との交点P2を機械的に結束する。
以下、前述した編成機1を用いた鉄筋籠2の編成方法を詳細に説明する。この編成方法は、引取り工程と、巻付け工程と、接合工程とを備える。
結束装置821は次のように動作する。先ず、ガイド部材82D,82Eを待機位置からガイド位置へ移動させ、次に線材82Aを繰り出し、ガイド部材82D,82EにガイドさせてPC鉄筋62とスパイラル筋91との交点P2に巻き回す。つづいて、把持部材82Fにより線材82Aの先端と繰出し側の一部とを把持し、この把持部材82Fを回転装置82Gによりr方向に回転させて、線材82Aを捻り止めする。
結束装置822,823も前述同様に動作する。このようにして、PC鉄筋62とスパイラル筋91との交点P2を線材82Aを用いて機械的に自動結束する。
本実施形態では、以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態の編成機1では、複数の主筋6にせん断補強筋9を接合するため、複数の主筋6の位置を保持することができ、これらが所定位置に配筋された柱状の鉄筋コンクリート構造体としての電柱を構成できる。また、PC鉄筋62を備えるので、プレストレスを導入した鉄筋コンクリート構造体を採用できる。一方、複数の主筋6の全てをPC鉄筋62とせずに鉄筋コンクリート構造体用の通常のRC鉄筋61も採用したので、PC鉄筋62を形成するための表面焼入れなどの工数を減らすことができ、コストを抑えることができる。
(2)編成機1では、せん断補強筋9とRC鉄筋61との交点P1を溶接接合するため、せん断補強筋9とRC鉄筋61とを短時間で確実に接合できる。一方、せん断補強筋9とPC鉄筋62との交点P2を線材82Aにより機械的に結束するため、せん断補強筋9とPC鉄筋62とを確実に接合できる。さらに、複数の主筋6のうち、溶接接合されたRC鉄筋61を機械的に結束する必要をなくせるので、結束接合を短時間で行うことができる。
従って、複数の主筋6にせん断補強筋9を確実に接合できるとともに、接合作業効率の向上を図ることができる。
(3)編成機1では、引取り設備5により引取られる複数の主筋6に対して、巻付け設備7によりせん断補強筋9を巻付け、接合設備8によりこれらの交点P1,P2を接合するため、一連の作業で鉄筋籠2を編成でき、作業効率の向上を図ることができる。
(4)結束設備82が溶接設備81よりも引取り設備5側に配置されるため、結束接合よりも先に溶接接合を行える。このため、溶接設備81の鉄筋支持部材(主筋電極811)などの構成部材を結束接合に用いられる線材82Aから回避動作させる必要がなく、溶接接合を速やかにかつ円滑に行うことができる。
(5)結束装置821,822,823が円周方向Rに沿って配置されるため、鉄筋籠2の編成の一作業であるせん断補強筋9とPC鉄筋62との結束を速やかに行うことができる。
(6)結束設備82が複数の結束装置821,822,823を備えるため、PC鉄筋62とせん断補強筋9との複数箇所の交点P2をそれぞれ併行して結束接合できる。このため、結束接合にかかる時間を短縮できる。また、結束設備82により併行して結束接合する交点P2の箇所が、溶接設備81により併行して溶接接合する箇所よりも多い場合、溶接接合と結束接合との作業時間の差分を少なくできるか、または差分をなくすことができる。従って、編成機1全体の作業効率の向上を図ることができる。
(7)本実施形態の編成方法では、複数の主筋6にせん断補強筋9を接合するため、複数の主筋6の位置を保持することができ、これらが所定位置に配筋された柱状の鉄筋コンクリート構造体としての電柱を構成できる。また、PC鉄筋62を備えるので、プレストレスを導入した鉄筋コンクリート構造体を採用できる。一方、複数の主筋6の全てをPC鉄筋62とせずに鉄筋コンクリート構造体用の通常のRC鉄筋61も採用したので、PC鉄筋62を形成するための表面焼入れなどの工数を減らすことができ、コストを抑えることができる。
(8)せん断補強筋9とRC鉄筋61との交点P1を溶接接合するため、せん断補強筋9とRC鉄筋61とを短時間で確実に接合できる。一方、せん断補強筋9とPC鉄筋62との交点P2を線材82Aにより機械的に結束するため、せん断補強筋9とPC鉄筋62とを確実に接合できる。さらに、複数の主筋6のうち、溶接接合されたRC鉄筋61を機械的に結束する必要をなくせるので、結束接合を短時間で行うことができる。
従って、複数の主筋6にせん断補強筋9を確実に接合できるとともに、接合作業効率の向上を図ることができる。
(9)さらに、本実施形態の編成方法では、前述した作用効果に加えて、編成機1と同様の作用効果を発揮できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、RC鉄筋61とPC鉄筋62とを交互に配筋して複数の主筋6を構成したが、これに限定されず、例えば、円周方向RでRC鉄筋61を二本以上並べてもよく、また、PC鉄筋62を二本以上並べてもよい。
また、前記実施形態では、RC鉄筋61とPC鉄筋62とを三本ずつ並べたが、これに限定されず、それぞれの本数が三本より多くても少なくてもよい。
また、軟化部は、全断面焼戻しマルテンサイト組織となっており、かつ、その表層部の硬さがHV380以下であり、かつJISZ2201の2号試験片で引張試験を行った場合の引張強さが1420N/mm2以上であり、表層よりも中心側の硬さが均一であってもよい。
さらに、軟化部は、全断面焼戻しマルテンサイト組織となっており、かつ、その表層部の硬さがHV420以下であり、かつJIS2201の2号試験片で引張試験を行った場合の引張強さが1600N/mm2以上であり、表層よりも中心側の硬さが均一であってもよい。
Claims (10)
- 周方向に並んで配置された複数の主筋にせん断補強筋が巻付けられて構成される鉄筋籠の前記複数の主筋と前記せん断補強筋との交点をそれぞれ接合する接合設備を備え、
前記複数の主筋は、鉄筋コンクリート構造体用の鉄筋と前記鉄筋よりも高強度の高強度鉄筋とが周方向に配筋されて構成され、前記鉄筋と前記高強度鉄筋とが交互に配置され、
前記接合設備は、前記せん断補強筋と前記鉄筋との交点を溶接する溶接設備と、前記せん断補強筋と前記高強度鉄筋との交点を線材により機械的に結束する結束設備とを備え、
前記溶接設備は、機枠と、前記複数の主筋の内周側に配置された主筋電極と、前記主筋電極に対向した電極接触子と、前記主筋電極を支持し前記主筋電極から主筋の長さ方向に離れた位置に配置された支持機構とを有し、
前記支持機構は、前記主筋電極に軸を介して連結され前記主筋の円周方向の回転とともに回転可能な支持ドラムと、前記支持ドラムを前記機枠に連結しているローラとを有し、前記支持ドラムには、前記複数の主筋が挿通される複数の貫通孔が形成され、
前記結束設備は、機枠と、前記機枠に設けられ前記高強度鉄筋と前記せん断補強筋との複数箇所の交点を併行して結束する複数の結束装置とを備え、
前記結束装置は、前記機枠に円筒状の支持部材を介して支持され、前記支持部材は、前記主筋電極を挟んで前記支持機構とは離れて配置され、かつ、内周に前記せん断補強筋が接合された前記複数の主筋が挿通される
ことを特徴とする編成機。 - 請求項1に記載の編成機において、
前記複数の主筋の端部を保持して軸方向に引取る引取り設備と、
前記引取り設備により引取られる複数の主筋に前記せん断補強筋を巻付けて巻付け設備とを備え、
前記接合設備は、前記引取り設備により引取られる前記複数の主筋と前記せん断補強筋との交点をそれぞれ接合する
ことを特徴とする編成機。 - 請求項2に記載の編成機において、
前記結束設備は、前記溶接設備よりも前記引取り設備側に配置される
ことを特徴とする編成機。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の編成機において、
前記高強度鉄筋は、その全体に対する硬さよりも低くされた軟化部を有する
ことを特徴とする編成機。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載された編成機を用いた編成方法であって、
前記複数の主筋にせん断補強筋が巻き付けられて構成される鉄筋籠の前記複数の主筋と前記せん断補強筋との交点をそれぞれ接合する接合工程を備え、
前記接合工程は、前記せん断補強筋と前記鉄筋との交点を溶接する溶接工程と、前記せん断補強筋と前記高強度鉄筋との交点を線材により機械的に結束する結束工程とを備える
ことを特徴とする編成方法。 - 請求項5に記載の編成方法において、
前記複数の主筋の端部を保持して軸方向に引取る引取り工程と、
引取り工程で引取られる複数の主筋に前記せん断補強筋を巻付ける巻付け工程とを備え、
前記接合工程は、前記引取り工程で引取られる前記複数の主筋と前記せん断補強筋との交点をそれぞれ接合する
ことを特徴とする編成方法。 - 請求項6に記載の編成方法において、
前記溶接工程は、前記引取り工程で軸方向に引取られる複数の主筋に対し、前記結束工程よりも先に行われる
ことを特徴とする編成方法。 - 請求項6から請求項7のいずれかに記載の編成方法において、
前記結束工程は、前記線材を前記せん断補強筋と前記高強度鉄筋との交点の周囲に巻き回し、巻き回した前記線材を捻る
ことを特徴とする編成方法。 - 請求項6から請求項8のいずれかに記載の編成方法において、
前記結束工程は、前記高強度鉄筋と前記せん断補強筋との複数箇所の交点を併行して結束する
ことを特徴とする編成方法。 - 請求項6から請求項9のいずれかに記載の編成方法において、
前記高強度鉄筋は、その全体に対する硬さよりも低くされた軟化部を有する
ことを特徴とする編成方法。
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