JP2018199963A - Pc鋼材の配線方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配線装置100を用いたPC鋼材の配線方法は、PC鋼材200に応じた曲率を備えたメインシーブ110の外径の略半周にPC鋼材200を沿わせた状態で、長尺の長手方向にPC鋼材200を矢示X方向へ進行させることにより、メインシーブ110の外径の形状に対応するようにPC鋼材200を曲げてPC鋼材200が矢示Y方向になるように曲げる曲げステップと、長手方向にPC鋼材200を進行させることにより、メインシーブ110に沿わされた状態からメインシーブ110から離隔した状態になったPC鋼材200を、コンクリート構造物300に埋設された中空のシース310へ挿入する挿入ステップとを含む。
【選択図】図1
Description
ところで、橋梁等の施工場所においてはその施工スペースが狭いために、シースの開口方向の延長線上にPC鋼より線を設置することができない場合が多い。たとえば、施工スペースとしてシースの開口方向と真逆の方向にしか空間がない場合、PC鋼より線を作業者の人力により曲げて(ここでは180度だけ方向を変化するようにU字状に曲げて)方向変換後のPC鋼より線をシースに挿入しなければならない。PC鋼より線の径が大きかったり、PC鋼より線の外層にエポキシ等の樹脂が被覆されていたりすると、PC鋼材の可撓性が非常に悪くなってしまい、治具を用いることなく人力のみでPC鋼材を曲げてシースに挿入することが困難になっているのが現状である。このような問題は、特許文献1に開示された送り出し装置を採用したところで解決できない。
、プレストレストコンクリート構造物をポストテンション方式により施工する際に、可撓性の悪いPC鋼材を好適にシースへ配線することのできるPC鋼材の配線方法を提供することである。
すなわち、本発明に係るPC鋼材の配線方法は、プレストレストコンクリート構造物をポストテンション方式により施工する際に緊張力を導入するための長尺のPC鋼材を配線する方法であって、前記PC鋼材に応じた曲率を備えた円板状部材の外径の少なくとも一部に前記PC鋼材を沿わせた状態で、前記長尺の長手方向に前記PC鋼材を進行させることにより、前記外径の形状に対応するように前記PC鋼材を曲げる曲げステップと、前記長手方向に前記PC鋼材を進行させることにより、前記円板状部材に沿わされた状態から前記円板状部材から離隔した状態になったPC鋼材を、コンクリート構造物に配置された中空シースへ挿入する挿入ステップと、を含む。
さらに好ましくは、前記円板状部材はメインシーブであって、前記曲げステップは、前記メインシーブの外径に前記PC鋼材をガイドローラーで挟持して前記PC鋼材を曲げるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記曲げステップの前に、前記メインシーブの外径に前記PC鋼材の始端を固定するとともに前記PC鋼材を前記ガイドローラーで挟持して前記メインシーブを回転させることにより、前記PC鋼材を前記メインシーブに仕掛ける準備ステップをさらに含むように構成することができる。
さらに好ましくは、前記曲げステップにおいて、前記機械動力を用いて前記長尺の長手方向に前記PC鋼材を押し出す方法、および、前記機械動力を用いて前記円板状部材を回転させる方法の少なくともいずれかの方法により、前記長尺の長手方向に前記PC鋼材を進行させるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記曲げステップは、前記PC鋼材に対して設定された最大許容曲率以上の曲率を備えた円板状部材を用いて前記PC鋼材を曲げるように構成することができる。
[配線装置および配線方法について]
本実施の形態に係るPC鋼材の配線方法を実現するためのPC鋼材の配線装置について図1を参照して説明するとともに、本実施の形態に係るPC鋼材の配線方法を説明する。なお、このPC鋼材200には、各種のPC鋼より線または各種の被覆PC鋼より線を含むものである。図1(A)として本実施の形態に係る配線方法を実現するための配線装置の全体的な構成を、図1(B)として図1(A)における配線装置100の拡大図を、図1(C)として図1(B)における配線装置100の側面図を、図1(D)として図1(C)に示す領域D部分の拡大図を、それぞれ示す。なお、図1(C)および図1(D)においては、PC鋼材200(のみ)は断面図で示している。
なお、図1においては、作業者Sの人力のみによって、PC鋼材200を進行させているが、本発明はこのような進行方法に限定されるものではなく、曲げステップにおいて、人力以外の機械動力を用いて長尺の長手方向にPC鋼材200を進行させる(すなわち、作業者Sの人力以外の機械動力を用いる)ものであっても構わない。このような態様として、たとえば、曲げステップにおいて、機械動力を用いて長尺の長手方向にPC鋼材200を押し出す方法(図2(B))、および、機械動力を用いて円板状部材(メインシーブ110)を回転させる方法(図2(C))の少なくともいずれかの方法により、長尺の長手方向にPC鋼材200を進行させる。
ように電動(電気動力)式のタイヤ式ストランドプッシャー600を用いたり、図2(C)に示すようにメインシーブ110を回転させる電動機(モータ)を用いたりすることが挙げられる。この場合において、作業者Sの人力以外とともに機械動力を用いても構わないし、他の種類の機械動力(たとえば押し出すのではなく引き出す力をPC鋼材200に付与する機械動力)を用いても、これらを適宜に組み合わせても構わない。
図2(C)に示すメインシーブ110を回転させる方法は、図1を用いて説明したガイドローラー120、130とともにPC鋼材200を挟持するメインシーブ110を電気動力(モータ)により矢示W(4)方向に回転させることにより、PC鋼材200を進行させる方法である。なお、このようにメインシーブ110を回転させる方法に代えて、または、加えて、ガイドローラー120、130を電気動力(モータ)によりそれぞれ所定の方向に回転させる方法を採用しても構わない。
図3に示すように、曲げステップの前に実行される準備ステップにおいて、メインシーブ110の外径にPC鋼材200を当接させて挿入側ガイドローラー140で挟持してメインシーブの外径に沿ってPC鋼材200が離隔する位置まで挿入側ガイドローラー140を移動させることにより、PC鋼材200をメインシーブ110に仕掛ける。より詳しくは、この場合においては、挿入側ガイドローラー130とは機能が異なる挿入側ガイドローラー140は、図3に示す矢示Z(1)方向に移動可能に構成され、時系列順の図3(A)〜図3(C)に示すように、PC鋼材200をメインシーブ110との間で挟持した挿入側ガイドローラー140が矢示Z(1)方向に(ここではメインシーブ110の略半回転分だけ)挿入側ガイドローラー140の自転軸が移動する。なお、引出側ガイドローラー120は自転するものの、挿入側ガイドローラー140のようにその自転軸が移動する必要はない。
入ステップとの間に、曲げステップにてPC鋼材200に付けられて曲げステップ後に残存している曲げくせを矯正する矯正ステップをさらに含むことも好ましい。
[具体的な配線装置および配線方法について]
従来技術を採用した配線方法を示す図7ならびに本実施の形態に係る配線方法を示す図
8および図9を参照して、さらに具体的に配線装置および配線方法について説明する。
まず、図7を参照して、従来技術を採用した配線方法について説明する。従来技術は、上述したような配線装置を用いた配線方法ではなく、たとえばポリエチレン製または鋼製の半円形状の配管800を固定しておいて、タイヤ式ストランドプッシャー600でPC鋼材200を挟持する一対の電動タイヤ610および電動タイヤ620を少なくとも1つの電動タイヤを電気動力(モータ)により矢示W(2)方向および矢示W(3)方向に回転させることにより、PC鋼材200を配管800内へ進行させて、PC鋼材200を略180度(図6(A)〜図6(D)における矢示X方向と矢示Y方向との角度)方向変換していた。
・PC鋼材200としてECFストランド28.6mm径を採用して、配管800として外径76mm曲率半径900mmのポリエチレン製配管を採用したところ、PC鋼材200が配管800の1/3程度進んだところでPC鋼材200の先端が配管800にめり込んでしまい、それ以上進行させることができず、
・PC鋼材200としてECFストランド28.6mm径を採用して、配管800として外径89.1mm曲率半径900mmの鋼製配管を採用したところ、(配管800の素材がPE製ではなく鋼製であるので)PC鋼材200の先端が配管800にめり込むことはないもののやはりPC鋼材200が配管800の1/3程度進んだところで進行させることができなかった。このため、図7に示す従来技術ではPC鋼材200を好適に曲げることができないために、狭い施工場所におけるPC鋼材200のシース310への挿入作業が困難であった。
図8および図9に示すように、この配線装置1000は、ともに自転軸(この自転軸は垂直軸)の位置が固定された引出側ガイドローラー1120(引出側ガイドローラー120に相当)および挿入側ガイドローラー1130(挿入側ガイドローラー130に相当)と、これらの引出側ガイドローラー1120および挿入側ガイドローラー1130に対してメインシーブ1110(メインシーブ110に相当)を矢示A(1)方向に前進または矢示A(2)方向に後退させる空気圧機器(ここではエアシリンダ1100)とを備える。ここで、図8ではメインシーブ1110の外径周長の略1/3が、図9ではメインシーブ1110の外径周長の略1/3または略1/2がPC鋼材200に沿わされて、PC鋼材200の進行方向が変換(図8では図6(C)に対応する略120度変換、図9では図6(C)に対応する略120度変換または図6(D)に対応する略180度変換)されている。
・エアシリンダ1100のストローク長が図示したL(B)であると、メインシーブ11
10は初期位置1110Aから第1前進位置1110Bまで前進することができ、PC鋼材200をメインシーブ1110の外径周長の1/3程度沿わせて、初期状態200AのPC鋼材200を曲げステップにより変換状態200Bとして示すPC鋼材200へ、その進行方向が略120度方向変換させたPC鋼材200へ変化させることができ、
・エアシリンダ1100のストローク長が図示したL(C)であると、メインシーブ1110は初期位置1110Aから第2前進位置1110Cまで前進することができ、PC鋼材200をメインシーブ1110の外径周長の1/2程度沿わせて、初期状態200AのPC鋼材200を曲げステップにより変換状態200Cとして示すPC鋼材200へ、その進行方向が略180度方向変換させたPC鋼材200へ変化させることができる(いずれのストローク長においてもメインシーブ1110と引出側ガイドローラー1120および挿入側ガイドローラー1130とでPC鋼材200が挟持されているものとする)。
この配線方法は、プレストレストコンクリート構造物をポストテンション方式により施工する際に緊張力を導入するための長尺のPC鋼材200を配線する方法であって、
・メインシーブ1110がその初期位置1110Aにない場合には、エアシリンダ1100を矢示A(2)方向へ後退させて、メインシーブ1110をその初期位置1110Aまで移動させて、
・初期状態200Aとして示したPC鋼材200をメインシーブ1110へセットして、・エアシリンダ1100を矢示A(1)方向へ前進させて、メインシーブ1110を第2前進位置1110Cまで移動させて、引出側ガイドローラー1120および挿入側ガイドローラー1130と、メインシーブ1110とでPC鋼材200を挟持して、
このようにしてPC鋼材200に応じた曲率を備えたメインシーブ1110の外径の少なくとも一部(図9のストローク長がL(C)であるために略1/2)にPC鋼材200を沿わせた状態で、長尺の長手方向にPC鋼材200をタイヤ式ストランドプッシャー600によって矢示X方向へ進行させることにより、円板状部材(メインシーブ110)の外径の形状に対応するようにPC鋼材200を変換状態200Cで示す状態まで曲げて、PC鋼材200の進行方向が矢示Y方向になるように曲げて(曲げステップ)、
・長手方向にPC鋼材200をタイヤ式ストランドプッシャー600によって進行させることにより、メインシーブ1110に沿わされた状態からメインシーブ1110から離隔した状態になったPC鋼材200を、コンクリート構造物300に配置(埋設)された中空のシース310へ挿入する(挿入ステップ)とを含む。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
際に緊張力を導入するための長尺のPC鋼材を配線する技術に好ましく、PC鋼材が可撓性の悪くかつ狭い施工場所であっても、施工する際にPC鋼材を好適にシースへ配線することのできる点で特に好ましい。
110 メインシーブ
112 回転軸
120 引出側ガイドローラー
130 挿入側ガイドローラー
200 PC鋼材
300 コンクリート構造物
310 シース
400 既設構造物
500 足場
510 架台
600 タイヤ式ストランドプッシャー
1000 配線装置
Claims (10)
- プレストレストコンクリート構造物をポストテンション方式により施工する際に緊張力を導入するための長尺のPC鋼材を配線する方法であって、
前記PC鋼材に応じた曲率を備えた円板状部材の外径の少なくとも一部に前記PC鋼材を沿わせた状態で、前記長尺の長手方向に前記PC鋼材を進行させることにより、前記外径の形状に対応するように前記PC鋼材を曲げる曲げステップと、
前記長手方向に前記PC鋼材を進行させることにより、前記円板状部材に沿わされた状態から前記円板状部材から離隔した状態になったPC鋼材を、コンクリート構造物に配置された中空シースへ挿入する挿入ステップと、
を含む、PC鋼材の配線方法。 - 前記曲げステップは、前記円板状部材の外径周長の少なくとも1/6に前記PC鋼材を沿わせて、前記円板状部材に前記PC鋼材を沿わせ始めた方向と前記円板状部材から前記PC鋼材が離隔し始めた方向とが60度以上変更される、請求項1に記載のPC鋼材の配線方法。
- 前記円板状部材はメインシーブであって、
前記曲げステップは、前記メインシーブの外径に前記PC鋼材をガイドローラーで挟持して前記PC鋼材を曲げる、請求項1または請求項2に記載のPC鋼材の配線方法。 - 前記曲げステップの前に、前記メインシーブの外径に前記PC鋼材を当接させて前記ガイドローラーで挟持して前記メインシーブの外径に沿って前記離隔する位置まで前記ガイドローラーを移動させることにより、前記PC鋼材を前記メインシーブに仕掛ける準備ステップをさらに含む、請求項3に記載のPC鋼材の配線方法。
- 前記曲げステップの前に、前記メインシーブの外径に前記PC鋼材の始端を固定するとともに前記PC鋼材を前記ガイドローラーで挟持して前記メインシーブを回転させることにより、前記PC鋼材を前記メインシーブに仕掛ける準備ステップをさらに含む、請求項3に記載のPC鋼材の配線方法。
- 前記曲げステップにおいて、人力以外の機械動力を用いて前記長尺の長手方向に前記PC鋼材を進行させる、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のPC鋼材の配線方法。
- 前記曲げステップにおいて、前記機械動力を用いて前記長尺の長手方向に前記PC鋼材を押し出す方法、および、前記機械動力を用いて前記円板状部材を回転させる方法の少なくともいずれかの方法により、前記長尺の長手方向に前記PC鋼材を進行させる、請求項6に記載のPC鋼材の配線方法。
- 前記曲げステップと前記挿入ステップとの間に、前記曲げステップにて前記PC鋼材に付けられて前記曲げステップ後に残存している曲げくせを矯正する矯正ステップをさらに含む、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のPC鋼材の配線方法。
- 前記曲げステップは、前記PC鋼材に対して設定された最大許容曲率以上の曲率を備えた円板状部材を用いて前記PC鋼材を曲げる、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のPC鋼材の配線方法。
- 前記PC鋼材は、エポキシ樹脂被覆PC鋼より線であって、
前記曲げステップは、前記エポキシ樹脂被覆PC鋼より線に対して設定された前記最大
許容曲率である前記エポキシ樹脂被覆PC鋼より線の径の32倍以上の曲率を備えた円板状部材を用いて前記PC鋼材を曲げる、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のPC鋼材の配線方法。
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CN111517170A (zh) * | 2020-04-07 | 2020-08-11 | 福建福清核电有限公司 | 一种倒u型预应力编束的布线装置 |
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- 2017-05-29 JP JP2017105479A patent/JP6927489B2/ja active Active
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