JP5790604B2 - 密閉型電池の製造方法 - Google Patents
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Description
その後、特許文献1に開示される技術では、電解液注液口を封口し、ヘリウム漏洩検出器を用いて電池缶から漏れたリークガスに含まれるヘリウムの量を確認することで、リーク検査工程を行う。
このときの電解液の電極体に対する浸透度、つまり、前記ガスが排出される量は、ヘリウムを導入してからリーク検査工程を行うまでの時間がばらつくこと等によってばらついてしまう。
つまり、特許文献1に開示される技術では、電解液の電極体に対する浸透度のばらつきの影響で、リークガスのヘリウム濃度(リーク検査工程時における電池缶内のヘリウム濃度)がばらついてしまう。
従って、リークガスのヘリウム濃度が高い場合には、ヘリウム濃度が低い場合の検査閾値M1に対応するリークガス漏出量Nよりも少ないリークガス漏出量であるにも関わらず、ヘリウム漏洩検出器の出力値が検査閾値M1を超えてしまう可能性がある(図7に示す範囲R1参照)。
特許文献1に開示される技術のように、リークガスのヘリウム濃度がばらついた場合には、当該ばらつきの分だけ検査閾値M1を小さくする必要があるため、比較的高い割合で良品が不良品であると過判定されてしまう。
電池10は、その製造工程において、電池容器の密閉性を確認するために、電池容器内に導入された検知ガスの漏れを検知するリーク検査工程が行われるものである。
集電端子51・51は、発電要素20の正極板、負極板と接続されている。集電端子51・51の材料としては、例えば正極側にアルミニウム、負極側に銅を採用することができる。
締結固定する際、外部端子50・50には締結トルクがかかるとともに、ねじ締結によって軸方向へ外力が付与される。このため、外部端子50・50の材料としては、鉄等の高強度材料を採用することが好ましい。
次に、集電体の表面上の合剤に対してプレス加工を施すことで、集電体の表面に合剤層(正極合剤層および負極合剤層)を形成する。
このとき、製造方法は、例えば、外装30をチャンバー111内に収納するとともに、所定の注液ユニットを外装30にセットして、チャンバー111内を真空引きする。その後、製造方法では、チャンバー111内に大気を導入してチャンバー111内を大気圧に戻す。製造方法は、このときの差圧を利用して、電解液Eを外装30に注液する。
シール部材122は、上側の小径部分が封入ノズル121に外嵌される。シール部材122は、下側の大径部分が封入ノズル121の噴射口121aよりも下側に突出し、当該突出端面が蓋部32の注液孔33の周囲に当接する。これにより、シール部材122は、注液孔33および封入ノズル121をシールする。
このような導入装置120には、外装30内の圧力を測定可能な圧力計が設けられる。
このとき、製造方法は、前記圧力計で外装30内の圧力を確認し、外装30内を所定の圧力まで減圧する。
これにより、本実施形態の製造方法は、前記圧力計で外装30内の圧力を確認し、外装30内を大気圧に戻す。
これにより、製造方法は、電解液Eが沸騰することなく、外装30内にヘリウムHを導入できる。
これにより、製造方法は、より多くのヘリウムHを外装30内に導入できるため、外装30内にヘリウムHを高濃度に導入できる。
このとき、製造方法では、キャップ40を注液孔33に載置して、レーザー溶接機によってキャップ40の外縁部に沿ってレーザーを照射し、注液孔33を封止する。
このとき、製造方法は、所定のチャンバー131に外装30を収納し、チャンバー131内を真空引きする。その後、製造方法では、外装30からチャンバー131内にヘリウムHが漏れているかどうかを、市販のヘリウムリーク検査器で検出する。
すなわち、製造方法は、図4に示すように、外装30からチャンバー131内に漏出したリークガスに含まれるヘリウムHの量を前記ヘリウムリーク検査器で検出し、前記ヘリウムリーク検査器の出力値が所定の検査閾値Mを超えた場合に、外装30に漏れがあると判定する。
製造方法は、このようにして密閉型の電池10を製造する。
つまり、この場合には、電解液Eの電極体Dに対する浸透度のばらつきの影響で、外装30内を一定のヘリウム濃度にできないため、リークガスのヘリウム濃度がばらついてしまう。
より詳細には、製造方法では、外装30に注液した電解液Eがある程度(例えば、ヘリウム導入後に電極体Dの内側に噛み込んでいたガスがさらに排出されても、リーク検査工程に影響がない程度)電極体Dに浸透した後で、外装30内を一旦減圧する。
すなわち、製造方法は、電解液Eの液面が低い場合に、外装30内の空気30Aを多く排出し、電解液Eの液面が高い場合に、外装30内の空気30Aを多く排出しない。
すなわち、製造方法は、電解液Eの液面が低い場合に、多くのヘリウムHを導入し、電解液Eの液面が高い場合に、多くのヘリウムHを導入しない。
本実施形態のように減圧後に大気圧に戻す場合、外装30内のヘリウム濃度は、減圧時の圧力に相当する濃度となる。
つまり、製造方法は、リークガスのヘリウム濃度に応じたヘリウムリーク検査器の出力値のばらつきを低減させることができる。
従って、製造方法は、リークガスのヘリウム濃度が高い場合に、リークガスのヘリウム濃度が低い場合の検査閾値Mに対応するリークガス漏出量Nよりも少ないリークガス漏出量であるにも関わらず、ヘリウムリーク検査器の出力値が検査閾値Mを超えてしまい、良品が不良品であると過判定されてしまうことを抑制できる(図4に示す範囲R参照)。
つまり、製造方法では、電解液Eの揮発成分をある程度排出してからヘリウムHを導入するため、外装30内にヘリウムHを多く導入できるとともに、電解液Eを外装30内に沈殿させることができる。
これにより、製造方法は、外装30内のヘリウム濃度が高い状態で、つまり、リークガスのヘリウム濃度が高い状態でリーク検査工程を行うことができるため、精度よくリーク検査工程を行うことができる。
このため、製造方法は、リーク検査工程に要するコストを低減できる。
例えば、製造方法は、外装内にヘリウムを導入して、外装内を数kPa程度加圧した状態、または外装内を数kPa程度減圧した状態にしても構わない。
すなわち、前記所定の圧力に対応する量は、排出した外装内の空気の量よりも多い量、あるいは排出した外装内の空気の量よりも少ない量でもあっても構わない。
また、排出した外装内の空気よりも少ない量のヘリウムを導入した場合、製造方法は、排出した外装内の空気の量と同じ量だけヘリウムを導入した場合と比較して、導入するヘリウムの量を低減できるため、リーク検査工程に要するコストを低減できる。
測定では、外装30内を減圧せずにヘリウムHを外装30内に導入し、その後注液孔33を封止して、複数の比較例のテストピースを作製した(図6参照)。
本実施形態の製造方法を用いてヘリウムHを導入したテストピースのヘリウム濃度のばらつきは、比較例のテストピースのヘリウム濃度のばらつきと比較して小さくなった。
このため、製造方法は、精度よくリーク検査工程を行うことができるとともに、リーク検査工程における過判定率を改善できることがわかる。
つまり、製造方法によれば、ヘリウム導入時における電解液Eの電極体Dへの浸透度に関わらず、外装30内のヘリウム濃度が、ヘリウム導入時の外装30内の圧力変化に相当する濃度となったことがわかる。
また、製造方法は、ヘリウムを導入するときに、ヘリウムとヘリウム以外のガスとを混合した混合ガスを導入しても構わない。
30 外装(電池容器)
H ヘリウム(検知ガス)
Claims (1)
- 電池容器内に導入された検知ガスの漏れを検知するリーク検査工程が行われる密閉型電池の製造方法であって、
電解液を前記電池容器に注液した後で、前記電池容器内を所定の圧力まで減圧し、前記電池容器内に前記所定の圧力に対応する量の前記検知ガスを導入する導入工程、
を行い、
前記所定の圧力には、
前記電解液の飽和水蒸気圧よりも高い圧力が設定され、
前記電池容器内を所定の圧力まで減圧する際、および前記電池容器内に前記所定の圧力に対応する量の前記検知ガスを導入する際には、前記電池容器内の圧力を確認する、
密閉型電池の製造方法。
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