JP5790410B2 - 有機el装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下部電極と有機EL(エレクトロルミネッセンス)層および上部電極を有する有機EL素子を封止膜によって保護する構造の有機EL装置およびその製造方法に関するものである。
従来、特許文献1において、有機EL素子を薄膜封止層によって覆うことで、有機EL素子に水分または酸素が浸透することを効果的に抑制できるようにした有機EL装置が開示されている。この有機EL装置では、薄膜封止層を下地層となる吸湿層とバリア層によって構成し、熱蒸着法によって吸湿層を成膜することで有機EL素子を被覆したのち、さらに原子層蒸着(ALD)法によってバリア層を形成することで吸湿層をバリア層によって被覆し、薄膜封止層を形成している。
特開2010−199064号公報
上記のような構造の薄膜封止層では、ALD法によってバリア層を形成しており、ALD法によれば基板表面の凹凸部分、例えば隔壁などのように厚み方向の上方よりも下方の方が内側に入り込むことで側面が傾斜させられた逆テーパ形状の部分でも十分にバリア層を被覆することができる。
しかしながら、逆テーパ形状のような凹凸部分では応力が集中し易いため、バリア層にクラックが入り易い。これに対して、下地層が応力緩和層として機能するが、平坦部では十分な応力緩和効果を発揮できるものの、凹凸部分では下地層による被覆が十分に行えない。例えば、下地層をポリイミドによって構成し、熱蒸着によって形成することができるが、有機EL素子および隔壁などの表面上に等方的にしか下地層を形成することができず、凹凸部分を下地層で被覆できなくなる。このため、凹凸部分において応力緩和効果を発揮できず、バリア層にクラックが入り、有機EL素子にダメージを与えることになる。
一方、凹凸部分の被覆が十分に行えるようにポリイミドなどで構成される下地層を印刷などによって塗布するという手法も考えられる。ところが、塗布によって下地層を形成する場合、ポリイミドなどを用いると下地層内に気泡が混入したり、下地層が塗布できていない未形成領域ができたりする。このため、結局、気泡が混入した箇所や下地層の未形成領域において応力緩和効果を発揮できず、バリア層にクラックが入ることになる。
本発明は上記点に鑑みて、凹凸部分を含めて有機EL素子を的確に下地層によって被覆でき、下地層の上に形成されるバリア層にクラックが入ることを抑制することができる有機EL装置およびその製造方法提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、下部電極(2)と発光層を含む有機EL層(3)および上部電極(4)とを有してなる有機EL素子が封止膜(7、8)によって被覆された有機EL装置であって、封止膜(7、8)は、有機材料にて構成された下地層(7)と該下地層(7)の上に形成された無機材料にて構成されたバリア層(8)とを含み、下地層(7)は、有機EL層(3)のガラス転位温度以下で流動性を発現する材料であるオキシビフェニル系もしくは直鎖化合物によって構成されていることを特徴としている。
このように、熱の印加によって流動性を発現する材料によって下地層(7)を構成するようにしているため、熱の印加によって下地層(7)を流動させることで平坦化され、凹凸部分などを含めた被覆したい領域の全域を下地層(7)によって被覆した状態にできる。また、下地層(7)の形成時に仮に気泡などが混入したり未形成領域ができたりしても、平坦化によって気泡や未形成領域を消失させられる。このため、凹凸部分などにおいても下地層(7)が応力緩和効果を発揮し、応力集中によってバリア層(8)にクラックが入ることを抑制することが可能となる。
また、下地層(7)としてオキシビフェニル系もしくは直鎖化合物を用いることで、アモルファス性が高くなり、メルト性を向上させることができる。
さらに、請求項1に記載の発明では、下地層(7)は、1Paでの蒸発温度が有機EL層(3)の構成材料のガラス転位温度以上であることを特徴としている。
下地層(7)を形成する工程がバリア層(8)を形成する工程で用いられるチャンバー内で減圧雰囲気において行われることがある。このような場合には、その減圧雰囲気、具体的には1Paでの蒸発温度が有機EL層(3)の構成材料のガラス転位温度以上の構成材料によって下地層(7)を形成するようにすれば、真空溶融中に昇華しないようにできる。
請求項2に記載の発明では、上部電極(4)は蒸着によって構成されており、上部電極(4)を画素毎に絶縁する隔壁(6)を有していることを特徴としている。
このように、隔壁(6)が形成される場合に特に大きな凹凸部分が形成されることになるため、単に下地層(7)を蒸着もしくは塗布により成膜しただけでは下地層(7)を形成できない領域ができる。このような場合に、下地層(7)を熱の印加によって流動性を発現する材料で構成することで、的確にバリア層(8)にクラックが入ることを抑制することが可能となる。
以上のような請求項1または2に記載の有機EL装置については、例えば請求項3または4に記載の製造方法によって製造することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる有機EL装置の断面図である。 図1に示す有機EL装置の製造工程を示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態にかかる有機EL装置の断面図である。この図を参照して、本実施形態にかかる有機EL装置の構成について説明する。
図1に示すように、基板1の上に、下部電極(陽極)2、有機EL層3、上部電極(陰極)4が順に形成された有機EL素子が複数個備えられ、各有機EL素子が絶縁膜5および隔壁6によって絶縁されている。これら絶縁膜5および隔壁6によって絶縁された1つ1つの有機EL素子を1画素として、所望の個数の有機EL素子が備えられることにより、所望の画素数の有機EL装置とされている。また、各有機EL素子や絶縁膜5および隔壁6を被覆するように下地層7およびバリア層8を含む封止膜が形成されている。このような構造によって有機EL装置が構成されている。
基板1は、例えば透明なガラス基板によって構成されている。下部電極2は、ホール注入電極としての役割を果たすものであり、ITOなどの透明電極によって構成されている。有機EL層3は、正孔輸送層(HTL:Hole Transfer Layer)や発光層を含む有機層によって構成されている。
本実施形態では、正孔輸送層としてTBPB (N,N,N',N'-tetrakis(4-biphenyl)-4,4'-diaminobiphenyl) (分子量793、ガラス転位温度131.8℃)を用いているが、他にもジフェニル.ナフチルジアミン(α−NPD:ガラス転位温度Tgが95℃)や、トリフェニルアミン誘導体材料、例えばN,N,N',N',N'',N''-Hexakis-(4'-methyl-biphenyl-4-yl)-benzene-1,3,5-triamine (分子量1119、ガラス転移点 観測されず、融点402℃)、N, N, N', N',-Tetrakis- (4'-methyl-biphenyl-4-yl)-N'',N'',-biskis-(4'-methyl-phenyl)benzene-1,3,5-triamine(分子量967、ガラス転移点180℃)、t-Bu-TBATA(N,N,N', N',N'',N''-Hexakis(4'-tert-butylbiphenyl -4-yl)-tris(4-aminophenyl)amine)(分子量1540、ガラス転移点203℃)、Spiro-1-TAD(2,2',7,7'-tetrakis(diphenylamino)spiro-9,9'-bifluorene)(分子量973、ガラス転移点133℃)、TBPB (N, N, N', N'-tetrakis(4-biphenyl)-4,4'-diaminobiphenyl) (分子量793、ガラス転移点131.8℃)などを用いることもできる。また、発光層としては、キ. ノリノールアルミ錯体 (Alq3:ガラス転位温度167℃)を用いているが、他の発光層材料、例えば高分子有機発光材料や高分子有機発光材料と低分子材料との混合物などを用いても良い。
また、上部電極4は、電子注入電極としての役割を果たすものであり、LiF/Alなどによって構成されている。
下地層7は、有機材料であって、熱処理による熱の印加によって流動性を発現する材料によって構成されている。熱の印加によって流動性を発現する材料には、分子構造が非対称なものを用いると、凝集、結晶性が低くなってアモルファス性が高くなり、メルト性が向上するため好ましい。このような熱の印加によって流動性を発現する材料としては、例えばテトラフェニルベンジジン化合物、テトラフェニルシラン化合物、ターフェニル化合物、スクロース化合物などのような周りにフェニル基を持つ化合物、炭化水素系材料、オキシビフェニル系および直鎖化合物が挙げられる。フェニル基を持つ化合物の場合、フェニルが中心原子に対してねじれるため、化学式上では対称的な構造で示されるものもあるが、実際の分子構造は非対称になる。また、フェニル基を持つ化合物の場合、基本的には蒸着によって形成されることになるが、炭化水素系材料の場合、蒸着以外にも塗布による形成も可能である。炭化水素系材料は、アモルファス性材料であり、有機EL層3にダメージを与えない無極性溶媒に溶ける材料であることから、下地層7の構成材料として好ましい。直鎖化合物は、分子同士が絡み合うため、アモルファス化され易く、アモルファス性が高くなるし、昇華性も低減される。
テトラフェニルベンジジン化合物としては、例えば、化学式1に示すN,N,N'N'−テトラフェニルベンジジン(固形状態での融点:233℃)、化学式2に示すN,N'−ジフェニル−N,N'−ジ(m−トリル)ベンジジン(固形状態での融点:171℃)、化学式3に示すN,N,N',N'−テトラキス(p−トリル)ベンジジン(固形状態での融点:218℃)などが挙げられる。テトラフェニルシラン化合物としては、例えば、化学式4に示すテトラフェニルシラン(固形状態での融点:238℃)などが挙げられる。ターフェニル化合物としては、例えば、化学式5に示すp−ターフェニル(固形状態での融点:211℃)、などが挙げられる。スクロース化合物としては、例えば、化学式6に示すアルブチン(固形状態での融点:198℃)、化学式7に示すグルコシド(固形状態での融点:170℃)、化学式8に示すフコース(固形状態での融点:137℃)が挙げられる。また、化学式9に示す3,3-ジフェニル-3H-ナフト[2,1-b]ピラン(固形状態での融点:160℃)や、化学式10に示す3,3-ジフェニルプロピオン酸(固形状態での融点:153℃)などもフェニル基を持つ化合物として挙げられる。
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また、炭化水素系材料としては、例えば、化学式11に示す2−フェニルナフタレン(固形状態での融点:105℃、沸点/沸騰範囲:358℃)、化学式12に示す4−tert−ブチルビフェニル(固形状態での融点:52℃、沸点/沸騰範囲310℃)、化学式13に示すendo−テトラヒドロジシクロペンタジエン(固形状態での融点:75℃、沸点192℃)、化学式14に示すp−(1−アダマンチル)トルエン(固形状態での融点:99℃)などを挙げることができる。また、炭化水素系材料としては、化学式15に示す1H-シクロペンタ[l]フェナントレン(固形状態での融点151℃)、化学式16に示す2-メチルシクロペンタ[l]フェナントレン(固形状態での融点166℃)、化学式17に示す4H-シクロペンタ[def]フェナントレンも挙げられる。
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さらに、オキシビフェニル系および直鎖化合物としては、化学式18に示す4,4'-ジアミルオキシビフェニル(固形状態での融点136℃)、化学式19に示す4,4'-ジヘキシルオキシジフェニル(固形状態での融点128℃)、化学式20に示すヘキサトリアコンタン(固形状態での融点76℃)が挙げられる。
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なお、ここでは下地層7を構成する熱の印加によって流動性を発現する材料の一例を挙げたが、具体的に下地層7の構成材料として採用している材料については、バリア層8の構成材料(より詳しくはバリア層8の形成温度)と有機EL層4の構成材料に基づいて決定している。すなわち、下地層7の構成材料には、その構成材料が流動性を発現する温度が、バリア層8の形成温度以上かつ有機EL層4のガラス転位温度以下である材料を用いるようにしている。このため、上記した下地層5の構成材料の一例の中でも、上記した有機EL層4の構成材料と後述するバリア層8の構成材料を加味して、下地層5の構成材料を選択している。
バリア層8は、無機材料であって、酸化アルミ(Al2O3)などにより構成される。例えば、バリア層8を酸化アルミによって構成する場合、ALD法により、形成温度90℃でトリメチルアルミニウム(TMA)と水(H2O)を反応させることによって酸化アルミを形成することでバリア層8を構成するようにしている。
以上のようにして、本実施形態にかかる有機EL装置が構成されている。このように構成される有機EL装置は、上部電極4と下部電極2との間に所望の電圧を印加することによって有機EL層3に含まれる発光層が発光させられるという動作を行う。
次に、このように構成された有機EL装置の製造方法について説明する。図2は、図1に示す本実施形態の有機EL装置の製造工程を示した断面図である。この図を参照して、本実施形態の有機EL装置の製造方法を説明する。
〔図2(a)に示す工程〕
まず、ガラス基板などによって構成される基板1を用意し、この基板1の表面上に、所望のマスクを用いてITO膜などからなる下部電極2を形成する。続いて、所望のマスクを用いて画素毎に各下部電極2を分離するように樹脂にて構成される絶縁膜5および隔壁6を形成する。そして、所望のマスクを用いて絶縁膜4および隔壁5によって区画された画素毎にTBTB(ガラス転位温度131.8℃)にて構成される正孔輸送層およびAlq3(ガラス転位温度167℃)にて構成される発光層を含む有機EL層3およびLiF/Alにて構成される上部電極4を蒸着により成膜することで有機EL素子を構成すると共に、例えばフェニル基を持つ化合物もしくは炭化水素系材料のような熱の印加によって流動性を発現する材料にて構成される下地層7を蒸着もしくは塗布により成膜する。このとき、有機EL層3や上部電極4および下地層7は、隔壁6の表面上にも同時に形成されるが、隔壁6などの凹凸部分において下地層7が形成されていない部分が生じた状態になっている。
〔図2(b)に示す工程〕
下地層7に対して熱を印加し、下地層7に流動性を発現させる工程を行う。これにより、下地層7の流動性に基づいて下地層7が平坦化させられ、有機EL素子および隔壁6上や隔壁6による凹凸部分など、被覆したい領域の全域が下地層7によって被覆される。
下地層7に対する熱の印加については、どのような手法によって行っても良いが、熱の印加を行ったときの下地層7の温度がバリア層8の形成温度以上かつ有機EL層4のガラス転位温度以下となるようにしている。例えば、本実施形態の場合、バリア層8の形成温度を後述するように80〜90℃としており、有機EL層4のうち正孔輸送層を構成するTBTBのガラス転位温度が131.8℃であることから、その温度範囲内において流動性を発現する材料を選択して下地層7としている。
なお、下地層7の構成材料としては、上記した材料が挙げられるが、各材料の融点として記載した温度は固形状態での融点を示したものである。下地層7は薄膜によって構成されることになるが、薄膜状態だと、固形状態のときよりも流動性を発現する温度が融点よりも低くなる。このため、下地層7の構成材料としては、熱の印加時に想定される下地層7の温度よりも融点が高いものを選択するのが好ましい。
また、下地層7に対する熱の印加については、熱の印加のための熱処理装置を用いて行うこともできるが、この後に形成するバリア層6の形成に用いるALDチャンバー内での熱処理によって行うようにすれば製造工程の簡略化を図ることができる。バリア層7の形成直前に下地層7への熱の印加を行う場合、バリア層7の形成時にチャンバー内が減圧雰囲気にされることから、その減圧雰囲気(例えば1Pa)での下地層7の構成材料の蒸発温度が有機EL層3の構成材料のガラス転位温度以上となるように、下地層7の構成材料を選択するようにすると好ましい。このようにすれば、真空溶融中で下地層7が昇華することを抑制することができる。
〔図2(c)に示す工程〕
続いて、平坦化された下地層7の表面上にバリア層8を形成する工程を行う。具体的には、ALDチャンバー内に各層を形成した基板1を接地し、ALDチャンバー内を例えば1Paの減圧雰囲気にすると共に80〜90℃に加熱し、TMAとH2Oを導入してこれらを反応させることによって酸化アルミを形成することでバリア層8を形成する。上記図2(b)に示す工程において、下地層7の平坦化工程をALDチャンバー内で行った場合には、そのまま80〜90℃の温度に制御した後でTMAとH2Oを導入することで、バリア層8を形成するようにしている。
このとき、図2(b)に示す下地層7の平坦化工程により、下地層7によって有機EL素子および隔壁6上や隔壁6による凹凸部分など全域を被覆していることから、隔壁6による凹凸部分なども含めてバリア層8の下層には下地層7が介在することになる。
以上のようにして、本実施形態にかかる有機EL装置が完成する。このように、本実施形態では、熱の印加によって流動性を発現する材料によって下地層7を構成するようにしているため、熱の印加によって下地層7を流動させることで平坦化され、隔壁6による凹凸部分などを含めた被覆したい領域の全域を下地層7によって被覆した状態にできる。また、下地層7の形成時に仮に気泡などが混入したり未形成領域ができたりしても、平坦化によって気泡や未形成領域を消失させられる。このため、隔壁6による凹凸部分などにおいても下地層7が応力緩和効果を発揮し、応力集中によってバリア層8にクラックが入ることを抑制することが可能となる。したがって、バリア層8のクラックを通じて有機EL素子にダメージが加わることを抑制することが可能となる。
特に、上部電極4などを蒸着によって形成する場合には、各画素を分断して絶縁するために隔壁6を備えた構造となり、隔壁6が大きな凹凸部分となることから、単に下地層7を蒸着もしくは塗布により成膜しただけでは下地層7を形成できない領域ができる。このような場合に、下地層7を熱の印加によって流動性を発現する材料で構成することで、的確にバリア層8にクラックが入ることを抑制することが可能となる。
また、この構造により、下地層7の形成から流動性を発現させる工程の間に付着した異物も下地層7により固定、被覆できることから、前記異物がバリア層8の形成後に応力集中などにより脱離することを抑えることができ、前記異物に起因したピンホール、クラックを低減することもできる。特に、本実施形態のようにALDチャンバー内でバリア層8の形成直前に熱処理を行えば、前記異物に起因したピンホール、クラック発生を大幅に低減できる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、有機EL素子が備えられた有機EL装置の一例について説明したが、上記実施形態とは異なる構造や材料によって構成される有機EL素子を有する有機EL装置に対しても、本発明を適用することができる。すなわち、下部電極2と発光層を含む有機EL層3と上部電極4とを有する有機EL素子を備え、この有機EL素子を下地層7およびバリア層8を有する封止膜によって封止した有機EL装置であれば、どのような構造のものであっても構わない。例えば、下地層7やバリア層8は1層構造でなくても良く、複数層の積層構造であっても良い。
また、上記実施形態で説明したように、下地層7については、被覆したい領域の全域に濡れ広がるようにすることで、より平坦化することが可能になることから、濡れ性を向上させるために、下地層7の形成前に、UVもしくは酸素プラズマにより、下地層7の形成面を処理しておくと好ましい。
1 基板
2 下部電極
3 有機EL層
4 上部電極
5 絶縁膜
6 隔壁
7 下地層
8 バリア層

Claims (4)

  1. 下部電極(2)と、
    前記下部電極(2)の上に形成された発光層を含む有機EL層(3)と、
    前記有機EL層(3)の上に形成された上部電極(4)とを有してなる有機EL素子を有し、
    前記有機EL素子が封止膜(7、8)によって被覆された有機EL装置であって、
    前記封止膜(7、8)は、有機材料にて構成された下地層(7)と該下地層(7)の上に形成された無機材料にて構成されたバリア層(8)とを含み、
    前記下地層(7)は、前記有機EL層(3)のガラス転位温度以下で流動性を発現する材料であるオキシビフェニル系もしくは直鎖化合物によって構成されており、かつ、1Paでの蒸発温度が前記有機EL層(3)の構成材料のガラス転位温度以上であることを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記上部電極(4)は蒸着によって構成されており、
    前記上部電極(4)を画素毎に絶縁する隔壁(6)を有していることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 下部電極(2)と、
    前記下部電極(2)の上に形成された発光層を含む有機EL層(3)と、
    前記有機EL層(3)の上に形成された上部電極(4)とを有してなる有機EL素子を有し、
    前記有機EL素子が封止膜(7、8)によって被覆された有機EL装置の製造方法であって、
    前記封止膜(7、8)の形成工程として、有機材料にて構成される下地層(7)を形成する工程と、所定温度での原子層堆積法により、前記下地層(7)の上に無機材料にて構成されるバリア層(8)を形成する工程とを行い、
    前記下地層(7)を形成する工程では、前記バリア層(8)の形成温度以上かつ前記有機EL層(3)のガラス転位温度以下で流動性を発現する材料となるオキシビフェニル系もしくは直鎖化合物によって前記下地層(7)を形成し、
    前記バリア層(8)を形成する工程は、チャンバー内を1Paの減圧雰囲気にして原子層堆積法によって前記バリア層(8)を形成する工程であり、
    前記下地層(7)を形成する工程は前記バリア層(8)を形成する工程で用いられる前記チャンバー内で前記減圧雰囲気において行われ、1Paでの蒸発温度が前記有機EL層(3)の構成材料のガラス転位温度以上の構成材料によって前記下地層(7)を形成する工程であることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  4. 前記上部電極(4)を形成する前に、画素毎に区画する隔壁(6)を形成する工程を有し、
    前記上部電極(4)を形成する際には、前記隔壁(6)によって画素毎に区画された領域に前記上部電極(4)を蒸着によって形成することを特徴とする請求項に記載の有機EL装置の製造方法。
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