JP5789794B2 - エネルギー貯蔵システムの制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー貯蔵システムの制御方法に関する。
電気インフラによって、電気を供給源(発電によって、または電気貯蔵)から配電系統に送り、最終的にはユーザーに電気を送ることができる。現在、このシステムは、風力および光エネルギーなどのような、変動する再生可能エネルギーの生成が盛んに行われるようになるとともに大きく変化している。さらに、相互接続ネットワークにおいて、負荷が大きくなり続け、局所的な送電が増えることにより、電力系統の処理全般に負担がかかり、安全性も低くなる。
発電を伴う大規模な電気貯蔵システムでは、上記のような再生可能エネルギーによる発電には電力の出力変動を補償することが不可欠になり、またこのシステムに課せられるさらなる要件への対応も不可欠になるであろう。よって、電気貯蔵システムは、将来の電気インフラの重要な要素の一つとなる。
電気貯蔵システムには、電気化学電池、フロー電池、コンデンサ、圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES:compressed air energy storage)、フライホイールエネルギー貯蔵(FES:Flywheel Energy Storage)、揚水式電気貯蔵、超電導エネルギー貯蔵(SMES:Superconducting Magnetic Energy Storage)、または蓄熱貯蔵など様々な種類がある。よく知られている電池の技術には、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム(NiCad)電池、リチウムイオン(Li−Ion)電池、ナトリウム硫黄(NA/S)電池、亜鉛‐臭素(Zn/Br)電池、バナジウムレドックスフロー(VRF:Vanadium Redox Flow)電池等が含まれる。
また、これらの電気貯蔵システムは、高容量(例えば、VRF、Na/S)および高電力定格(フライホイール、鉛蓄電池、およびリチウムイオン電池)であるとも分類される。高容量貯蔵システムは、長時間にわたって(例:1日当たり数時間)電力を提供するように設計されている。それに対して、高電力定格貯蔵システムは、短時間の間(例:1時間当たり数分)、高い電力を提供するように設計されている。
一般的に商用の蓄電池エネルギー貯蔵システムは、類似の構成である。電池は、電池の変動する直流(DC)電圧を三相交流(AC)電圧に変換する電力調整部(PCU)に接続されている。生成されたAC電圧は、系統電圧と異なる場合が多いため、電力を電力系統に送るために変換が必要である。蓄電池エネルギー貯蔵システムと並行して、電池のモニタリングも電池管理部(BMU)を介して行ってもよい。BMUは、電池特有のパラメータ、例えば、充電率、電池の充放電工程または温度、PCU、および電力を供給または受ける電力系統への接続などを制御する。
本発明は、エネルギー貯蔵システムを適切に制御する方法を提供する。
本発明の一態様に係る方法は、電力系統に接続されたエネルギー貯蔵システムを制御する制御装置が行う制御方法であって、前記エネルギー貯蔵システムを運転するための少なくとも2つの異なるエネルギーサービスを決定するステップと、所定の基準に基づき、前記2つの異なるエネルギーサービスの優先順位を決定するステップと、前記エネルギー貯蔵システムを運転して前記2つの異なるエネルギーサービスを並行して行った場合に、前記2つの異なるエネルギーサービスに伴う総電力を前記エネルギー貯蔵システムから前記電力系統に提供するように前記エネルギー貯蔵システムを運転するステップと、前記総電力が前記エネルギー貯蔵システムの電力限度内でない場合、前記総電力を前記電力限度内に調整するために、前記2つの異なるエネルギーサービスのうち、優先順位の低いエネルギーサービスに伴う電力の提供を減らすステップとを含む。
なお、上記で開示したこれらの包括的および具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム、またはCD−ROMなどの非一時的なコンピュータ読み取り可能記録媒体を用いて実現してもよく、またはシステム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意の組み合わせを用いて実現してもよい。
エネルギー貯蔵システムを適切に制御することができる。
図1は、蓄電池エネルギー貯蔵システムの一例を示す。 図2は、エネルギー貯蔵システムの電力パラメータ、およびエネルギー貯蔵システムに対して予め定められた電力限度の概略図である。 図3は、エネルギー貯蔵システムのエネルギーパラメータ、およびエネルギー貯蔵システムに対して予め定められたエネルギー限度の概略図である。 図4は、本発明の一実施の形態に係るエネルギー貯蔵システムの制御方法を示す状態図である。 図5は、本発明の一実施の形態に係る、エネルギー貯蔵システムの今後の処理を設定するセットアップの(準備)段階を示す状態図である。 図6は、本発明の一実施の形態に係るエネルギー監視を示す状態図である。 図7は、蓄電池のエネルギー蓄積量の経時的変化を示し、さらに、エネルギー蓄積量がエネルギー限度を超えた場合、優先順位の低いサービスを無効にすることを示す。 図8は、2つのサービスの電力需要、およびその結果得られる総電力需要を示す。 図9は、本発明の一態様に係る電力監視を示す状態図である。 図10は、電力監視の一例の概略図である。 図11は、本発明の一態様に係るエネルギー貯蔵システムを制御する制御部の一例である。 図12は、本発明の一実施の形態に係るエネルギー監視を示す状態図であり、ここにおいては、エネルギー貯蔵システムのさらなる運転が可能になる追加のサービスが決定される。
以下に、添付の図面を参照しながら、本発明の実施の形態および態様をさらに詳細に説明する。図面において類似または対応する内容には、同じ符号を付す。
(本発明の基礎を形成する基本的知識)
発明者らは、電気貯蔵システムに課題を発見した。以下にその詳細を示す。
対応する蓄電池エネルギー貯蔵システムの一例を図1に示す。
このような電気貯蔵システムによって、発電システムは、単に電気の出力だけでなく、様々な用途またはサービスを提供することもできるようになる。このような用途またはサービスは、補助サービスとも呼ばれるが、この詳細については後述する。
電気貯蔵システムの定格を示すときの基準は複数あるが、言及する主な基準は電力およびエネルギーの二つである。電力は、電気貯蔵システムが供給かつ受け取ることができるエネルギーの速度を示し、エネルギーは、電力系統に供給される、または受け取られることができる電力量に関連している。貯蔵されるエネルギー量によって、システムがそのシステムの定格電力(出力)で放電可能な時間、すなわち放電時間が決まる。
貯蔵システムの電力定格は、システムの正常運転状態における名目上の電力定格であるとみなされる。使用される正常放電定格は、一般的にはシステムの「規格」または「公称」(電力)定格とも言われる。
緊急時には、貯蔵システムは定格電力を超えて、最大電力まで放電することができる。最大電力は、蓄電池貯蔵システムが損傷する可能性があるが、この貯蔵システムから供給または受け取ることができる物理的に可能な最大電力と定義することができる。貯蔵システムの種類によっては、比較的短い時間(例:数分から最大で30分)、比較的高いレートで(例:公称定格の1.5から2倍)放電することができる。その一例は、Na/S電池を用いる貯蔵システムであり、比較的短い時間、定格(正常)出力の2倍を生成することができる。
この特徴は、装置の「緊急」定格と呼ばれることが多いが、短時間で高い電力出力を緊急に要するという稀な状況に役立つものである。重要なことは、高いレートで放電する時、貯蔵効率が(公称放電レートでの放電効率と比べて)低下し、(正常放電レートで発生する損傷と比べて)貯蔵装置の損傷が増加することである。
つまり、簡単に言うと、緊急電力を提供可能な貯蔵装置は、通常発生するニーズ(例えばピーク需要の削減)に必要な公称電力量を提供するために用いることができ、一方、頻繁に起こらず、一度に数分間しか持続しない緊急のニーズに対しては、追加電力を提供することができる。
放電時間は、貯蔵装置が再充電せずに定格出力(電力)を放電することができる時間である。放電時間は、所定用途に対する所定貯蔵システムの技術的実現性、および貯蔵プラントのコストに影響を与える重要な基準である。
エネルギーの移送および変換時には、すべて損失が発生し、エネルギーの貯蔵もまた同様である。貯蔵システムの往復効率(効率)は、貯蔵装置に入るエネルギー量に対して、貯蔵装置から出力されるエネルギー量を表す。効率性の標準値には、以下が含まれる。従来の電気化学電池は60%〜75%、高度な電気化学電池は75%〜85%、CAESは73%〜80%、揚水式電気貯蔵は75%〜78%、フライホイール貯蔵装置は80%〜90%、コンデンサおよびSMESは95%である。
ほとんどのエネルギー貯蔵媒体は、使用することによって(すなわち充放電サイクル毎に)、多少は劣化する。劣化の速度は、貯蔵技術の種類、運転条件、および他の可変要素に依存する。電気化学電池にとっては、これは特に重要である。貯蔵技術によって、特に電池に関しては、どの程度システムが空にされる(放電される)かも、その貯蔵媒体の耐用年数に影響する。貯蔵エネルギーのごく一部を放電することは、「浅い」放電であり、貯蔵エネルギーの大部分またはすべてを放電することは、「深い」放電である。これらの技術においては、深い放電よりも浅い放電の方が貯蔵媒体の損傷が少ない。
当然のことながら、より優れた性能には、通常、それに対応して費用が増加する。貯蔵媒体が劣化し、予想耐用年数の間に貯蔵媒体の交換が必要になる程度によって、その交換のコストを貯蔵システムの運転コストの可変要素として追加すべきである。
電力定格および放電時間のように、貯蔵システムの信頼度要件は、状況に特有のものである。それを導くことはほとんどできない。プロジェクトデザインエンジニアは、十分な電力を提供し、特定の用途の提供に必要な信頼性がある発電所を設計する責任がある。
貯蔵装置の応答時間は、無放電から全放電までに要する時間のことである。極端に言うと、ほぼすべての条件下において、送電および分配容量の代わりに超過容量を提供するために貯蔵装置が用いられる場合、貯蔵装置は非常に迅速に応答する必要がある。これは、設備機器(すなわちワイヤおよび変圧器)からの出力が、需要に応じてほぼ瞬時に変わるからである。これに対して、発電容量の代わりに用いられる貯蔵装置については、需要の変化に対する発電の応答は比較的遅い傾向があるため、上記貯蔵装置のように迅速に応答する必要はない。具体的には、エンジンおよび燃焼タービン等の発電においては、全出力で発電するまでに数秒から数分かかる。他の種類の発電、例えば、石炭燃料による発電および核エネルギーによる発電等は、応答時間は数時間に及ぶことがある。
ほとんどの種類の貯蔵システムの応答時間は、数秒またはそれ以下である。CAESおよび揚水式電気貯蔵は、システムの慣性応答時間があるため、応答が遅い傾向にある。しかしながら、CAESおよび揚水式電気貯蔵は、上記貯蔵システムとは異なった、市場におけるいくつかの重要な用途に対しては、十分に迅速に応答する。いずれにしても、エネルギー貯蔵システムの応答時間は、エネルギー生成の応答時間よりも大幅に少ない。
貯蔵システムのいくつかの用途に対する重要な特性の1つは、ランプレートであり、これは電力出力を変えることができる速度である。一般的に、貯蔵のランプレートは速く1秒以内であるが(すなわち、出力は非常に迅速に変化する)、CAESおよび揚水式電気貯蔵は、システムの慣性が大きいため、例外である。貯蔵装置が充電される速度である充電速度は、重要な基準の1つである。なぜなら、モジュラーエネルギー貯蔵装置(MES:modular energy storage)については、次の日に必要な電力を提供できるように再充電しなければならないことが多いからである。貯蔵装置を十分に速く再充電することができなければ、必要なサービスを提供するために十分なエネルギーがないということになる。ほとんどの場合、貯蔵装置は放電速度と同様の速度で充電される。一部の場合においては、貯蔵装置は、電力調整装置の性能と、エネルギー貯蔵媒体の条件および/または化学的性質および/または物理的特性とに応じて、より速くまたは遅く充電されることもある。
ほとんどの貯蔵装置の種類において、多かれ少なかれ、ある種の電力調整(すなわち変換)サブシステムが必要である。電力調整に用いられる装置は、電力調整部(PCU:power conditioning unit)と呼ばれ、必要な電圧と必要な形態(すなわち、交流(AC)または直流(DC)のどちらか)を有するように、電気を変更する。PCUは、また、内蔵の制御システムと連携して、貯蔵装置の出力と電力系統からのAC電力の振幅とを同期させなくてはならない。
補助サービスは、相互接続された適切に機能する電力システムにとっては不可欠な部分であり、非常に多くの種類の用途において構築可能かつ運転可能である。現在、種々のサービスがあり、新たなサービスも将来生まれるであろう。また、このような種々のサービスには、公認の標準名称はないため、電力システムおよび電力系統との関連で、一貫した完全なサービス概要を示すことが困難である。これに応じて、サービスの特定の名前は記述的であってもよいが、これに限るものではない。
サービスの概要およびその定義は、「Revisiting Energy Storage−There is a Business Case」(Boston Consulting Group、Cornelius Pieper および Holger Rubel)および「Energy Storage for the Electricity Grid:Benefits and Market Potential Assessment Guide, A Study for the DOE Energy Storage Systems Program」(Sandia Report、Jim Eyer および Garth Corey)に含まれる。
以下に、すべてではないが、いくつかの重要なサービスをさらに詳細に説明する。しかしながら、これは本願を以下に述べるサービスのみに限定するものではない。より正確に言うと、以下は、上記の先行技術に述べられた、エネルギー貯蔵システムによって提供されるサービスの例、または将来出現すると思われるサービスの例であると理解されるべきである。
(エネルギー裁定取引(Arbitration))
エネルギー裁定取引は、価格裁定取引または電気エネルギータイムシフトとも知られており、一般的には、価格が低い時にエネルギーを貯蔵し、価格が高い時に放電することによって、ピーク時間とオフピーク時間との電気の価格差を利用することである。言い換えると、この利用法においては、電気エネルギー卸売市場から、貯蔵装置を充電するために安価なエネルギーを購入する傾向にある。エネルギーの放電時には、卸売市場を介して再度売却することができ、または卸売から購入する必要があるエネルギーを埋め合わせ、かつ/またはエネルギーを生成して、エンドユーザのニーズに応えることができる。
再生可能エネルギーを生成する供給源の多くは、一般的にオフピーク時と言われるエネルギーの価格価値が低い時(例えば、夜間、週末、および休暇期間中)に大部分の電気エネルギーを生成する。再生可能エネルギー生成と関連して用いられるエネルギー貯蔵装置については、再生可能エネルギーの生成による低価格のエネルギーを用いて充電し、このエネルギーを他の購入分を埋め合わせるために用いるか、価格が高くなった時に売却することができる。
このタイムシフトを利用するため、追加のエネルギーの貯蔵(放電時間)にかかるコストの増加分に対して、安く買って高く売ることができる取引をさらに行うことによって得られる年間の利益の増加分に基づき、貯蔵システムの放電時間が決定される。
(エネルギーとの関連の無い)貯蔵において変動する運転コストおよび貯蔵効率は、どちらもこの利用法には特に重要である。なぜなら、電気エネルギーのタイムシフトには多くの取引が発生する可能性があり、その経済的利益は、エネルギーの購入、貯蔵、および放電にかかるコスト(放電コスト)と、エネルギーを放電した時に得られる利益との差額に基づいているからである。変動する運転コストの増加または効率の低下により、利益がコストを上回る取引回数が減る。この取引回数は、放電コストの影響を非常に受けやすいため、放電コストの少しの増加により、実行可能な取引回数が大きく減少する可能性がある。
貯蔵において変動する運転コストに大きな影響を与える2つの性能特性は、効率性、および使用によって貯蔵性能が低下する速度である。
(予測偏差)
予測偏差は、運転中に発生するエネルギーの不均衡をすべて調整する必要があるため、エネルギー均衡化とも言われる。予測偏差は、基本的には予測の誤差を補償するために用いられ、エネルギー市場へのエネルギーの供給を改善するものである。
エネルギー貯蔵システムが提供した予測偏差により、発電予測と実際の発電電力量との間のずれが減少し、電力均衡化のコストが減少するため、収入が得られる。電力均衡化のコストは、再生可能エネルギーにとっては不利益であると言ってもよい。一般的には、消費ユニットまたは生産プラントを運用する各関係者は、自身の消費量または発電量を予測する必要がある。
予測偏差は、主に風力予測と取引に関連しているが、一般的に発電に影響を与える他の条件(発電所の突然な技術的故障など)も含まれるものである。例えば、24〜36時間の風力予測は、1日先の取引に用いると10%の誤差があり、4〜6時間の風力予測は、日中の取引に用いると5%の誤差がある。配電は、1時間毎の終わりに計算される。
このような予測の誤差を補償するために、エネルギー貯蔵システムが、貯蔵システム内に十分な蓄えを備えるとともに超過エネルギーの貯蔵を可能にすることによって、柔軟性が得られる。これにより、エネルギーの正の方向および負の方向の均衡化を実現する。予測偏差サービスの特徴の一つは、長時間(数日)の使用には、通常、巨大なエネルギー貯蔵が必要である。一方、電力供給量は、例えば、エネルギーと比較して小さい。これは、予測誤差が少ないとも言え、その誤差は風力発電機の取引電力の約5%である。今日において、最も大きな風力発電機は、最大電力出力が約5MWである。最大運転時においてのみ、この予測誤差は1台の風力発電機に対して約250kWとなる。さらに、予測偏差サービスを提供するエネルギー貯蔵システムの要件は、反応時間が遅くてもよいと結論づけてもよい。風力発電機の電力出力の変動は、数分から15分までのタイムラインで起こる。非常に大容量の風力発電機が連結された場合にのみ、システムに重大な電力勾配が発生する。
(周波数応答)
電力系統における発電電力および電力需要は、完全に一致することがない。発電電力は、例えば、再生可能エネルギーの方式に固有の変動、または電力生成システムにおける突然の技術的故障により、変動する可能性がある。電力需要も、突然増加または減少する可能性がある。このような突然の負荷変動に追従する電力発電機の性能は、通常、負荷変動の時間よりも非常に遅いため、発電および配電システムは、負荷と発電される電力とが一致しないという課題に常に直面している。当該技術分野において知られているように、電気負荷が発電される総電力を超える場合、システムAC周波数が低下する。または、発電される総電力が所要電気負荷を超える場合、周波数が上昇する。よって、「周波数応答」のサービスにより、系統周波数の変化に対応して、電気の供給と需要との不一致を補償することが可能になるため、系統周波数を既定のレベルで安定させることができる(例えば、ヨーロッパでは50Hz、米国では60Hz)。
周波数応答は、一次周波数規制(Primary Frequency Regulation)、一次予備力(Primary Reserve)、一次制御電力(Primary Control Power)、電力均衡化(Balancing Power)、または運転予備力(Spinning Reserve)という用語でも知られている。
周波数応答サービスの特徴は、特に、反応時間が短く(数秒以内)、持続時間が短い(例えば数分以内)ことであるが、高電力出力を要し、上述したように発電と需要との不一致のため一日中サービスが作動される。しかしながら、周波数応答は、ある一定の周波数偏差においてのみ作動する。これは、ENTSO−E(欧州送電系統運用者ネットワーク)グリッドコードによると、電力系統は、50Hz+/−20mHzの範囲であると安定していると定義されている。この帯域内においては、周波数応答の提供は必要ない。これより高い偏差においてのみ、周波数応答が作動され、周波数応答を提供する必要がある。一方、必要なエネルギー容量は、予測偏差と比較して小さい。
(ピークシフト)
「ピークシフト」のサービスは、ピークシェイビングとしても知られており、発電および電力消費のピークを平滑化することを目的としている。具体的には、ほとんどの市場においては、電力料金には、任意の時点で要求される最大またはピーク電力によって決定される固定要素と、実際のエネルギー消費量である変動要素とが含まれている。認定された最大電力を超えると、契約内容によっては重いペナルティが課せられることもあり、消費ピークを削ることにより、固定要素を大幅に減らすことができる。配電の契約に従って、電力系統から受け取ることができる電力量を超える電力量が必要であれば、ここにおいては、電池が超過電力の一時的な供給源となる。
(ランプレート削減)
既存の貯蔵施設は、今日の多くのエネルギー市場の中核となる用途に対して用いられることが多く、近い将来には、ますますそうなるであろう。その用途とは、従来および再生可能電力の生成を最大限利用するために、電力生成を安定化させることである。これは、(従来の発電所の場合)ランピングを最小限にし、(再生可能エネルギーの発電所の場合)スロットリング(throttling)を最小限にすることによって達成することができる。
いずれのエネルギー生成システムであっても、負荷と発電の変化に対して柔軟に対応可能であるべきである。この柔軟性の一部は、周波数応答サービスおよび予測偏差サービスに関して上記に述べたように、エネルギーを均衡化することによって得られ、これによって再生可能エネルギー発電機の電力出力を平滑化する。数時間または数日間にわたる長い変動に対しては、従来の発電をランプアップまたはランプダウンすることによって、または、再生可能エネルギーの生成においては、ピークをスロットリングすることによって、容易に対応することができる。ピーク負荷発電所は、1日の間で数回、急速にランプアップ、ランプダウンするように設計されているが、従来の古い発電所は、このような性能に制限がある。この場合、エネルギー貯蔵システムによって、ランピング性能を向上することができ、古いシステムの設備への負担を減らすことができる。
(エネルギー市場)
この基本的サービスは、必要時にエネルギー市場に電気を購入かつ売却することができる機能である。例えば、十分なエネルギーが生成できず、電気貯蔵システムが足りないエネルギーを補償することができない場合、それに相当するエネルギー量をエネルギー市場を介して購入することができる。逆に、発電側で生成されたエネルギーが過剰にあり、電気貯蔵システムが超過エネルギーを保存できない場合、エネルギー市場を介してエネルギーを売却して発電所および貯蔵システムを適切に機能させることができる。さらに、エネルギー市場を利用して、摩耗を減らしてライフサイクルを長く維持するようにエネルギー貯蔵システムの充電率を最適化することができる。
(負荷追従)
負荷追従能力は、数分毎のように頻繁に変化する電力出力によって特徴付けられる。出力は、特定の領域または地域内における、電気の供給(一次発電)とエンドユーザの需要(負荷)とのバランスの変化に応じて変化する。従来の発電ベースの負荷追従リソースの出力は、系統負荷が増加するに従って、需要の増加に追従するため、増加する。逆に、負荷追従リソースの出力は、系統負荷が減少するに従って、需要の低下に追従するため、減少する。通常は、上昇方向への負荷追従(上昇負荷追従)が必要な量は、午前中に負荷が増加するに従って毎日増加する。夜間では、下降方向への負荷追従(下降負荷追従)が必要な量は、電力系統における総負荷が減少するに従って増加する。
(地域規制)
地域規制とは、エネルギー貯蔵システムに特に適切である思われる補助サービスの一つである。この規制は、他の制御地域に対する電力融通の流れを管理して、制御地域内での予定された電力融通の流れおよび需要の経時変動に近づけるようにすることを含む。
より基本的な表現で言うと、規制は供給と需要との瞬時差を調整するために用いられる。すなわち、ある任意の瞬間において、運転中の電気供給容量は、負荷を超える、または負荷を下回る可能性がある。この差を抑制するために規制が用いられる。規制は、通常、複数の発電部によって行われ、発電部は、ネットワークに接続されており、必要であれば電力を増やす、または減らすことができる状態である。電気供給容量に瞬間不足分がある場合は、規制供給源からの出力を増やして上昇規制を行う。逆に、電気供給容量に瞬間超過分がある場合は、規制供給源からの出力を減らして下降規制を行う。
(他のサービス)
上述のように、他のサービスも以下のように多数あるが、これらの詳細は省略する。他のサービスとは、電力供給予備能力(Electric Supply Reserve Capacity)、電圧支援(Voltage Support)、送電支援(Transmission Support)、送電混雑解消(Transmission Congestion Relief)、送配電設備更新延期(Transmission and Distribution Upgrade Deferral)、変電所オンサイト電力(Substation On−Site Power)、時間帯別料金に基づくコスト管理(Time−of−Use Energy Cost Management)、需要電力管理(Demand Charge Management)、電力サービス信頼性(Electric Service Reliability)、再生可能エネルギー能力安定化(Renewables Capacity Firming)、自力起動サービス提供(Provision of Black−Start Services)、住宅貯蔵(Residential Storage)などである。
比較的新しい技術としての電気貯蔵システムは非常に高価であるため、経済的な方法でこのシステムを運転することは困難である。現在、貯蔵システムの管理においては、最も価値のあるサービスに従って貯蔵システムを運転しようとされている。さらに、最も価値のある2つのサービスを提供するために、2つの別個の電気貯蔵システムが用いられ、このそれぞれのシステムは2つのサービスのいずれかによって運転されているため、各サービスを提供する信頼度は高いがコストが高い。
これに対応して、エネルギー貯蔵システムを制御するために、知的な制御方法が必要とされている。
したがって、上記に鑑み、本発明の目的の一つは、上述の先行技術の欠点を克服する蓄電池エネルギー貯蔵システムを制御する方法を提供することである。
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決される。好適な実施の形態は、従属請求項の対象となる。
本発明の一態様は、エネルギー貯蔵システムの制約を維持できるようにするアルゴリズムに従って、複数のサービスを並行に用いて同一のエネルギー貯蔵システムを運転することによって、電気貯蔵システムを最大限に利用することである。
これに対応して、計画段階において(実際の運転前のセットアップ段階)、貯蔵システムによって提供される複数のサービスが決定される。この目的を達成するために、例えば、市場において取引されるサービスを評価し、これらのサービスの相対的な優先順位を決定するために適切な基準を算出し、この予め定められた基準に基づいてサービスの優先順位を決定する。
さらに、例えば、このように決定されたサービスをエネルギー貯蔵システムの性能と比較する。この比較は、各サービスについて、および/またはこれらのサービスの組み合わせについて行う。したがって、エネルギー貯蔵システムによって複数のサービスを提供することができる見込みがあるか否かを、すでに計画段階において決定してもよい。
運転段階において、エネルギー貯蔵システムは、計画段階の終了時に決定されたすべてのサービスに同時に従って運転される。複数のサービスを同時に確実に対応可能であるか否かを時刻ごとに決定するために、エネルギー貯蔵システムの電力およびエネルギーの状態を定期的に監視する。
エネルギー貯蔵システムは、エネルギー貯蔵システムの電力およびエネルギーの制約を満たす限り、すべてのサービスに並列に従って運転されてもよい。電力およびエネルギーの制約を満たす場合とは、すなわち、電力およびエネルギーを監視することによって、エネルギー貯蔵システムのエネルギー蓄積量が十分に高く、かつすべてのサービスの総電力需要が当該エネルギー貯蔵システムに対して予め決定された電力限度を超えないという結果が得られた場合のことである。
複数のサービスによって電力および/またはエネルギー限度を超えた場合、少なくとも1つのサービスを中断して、エネルギー貯蔵システムを電力/エネルギー限度内で再び運転可能にする。この中断されたサービス(複数可)は、電力/エネルギー限度を満たす時に再開される。
さらに、または代替案として、サービスを中断する(すなわち停止する)代わりに、少なくとも(優先順位の低い)サービスのエネルギー貯蔵システムによって提供される電力を、電力限度内にするために必要な分だけ減らす。電力が監視されている時刻毎に、エネルギー貯蔵システムの電力状態に応じて、減らした電力をさらに減らす、または再び増やしてもよい。したがって、エネルギー貯蔵システムを常に電力限度内で運転することができる。
本発明は、電力系統に接続された蓄電池エネルギー貯蔵システムを制御する制御方法を提供し、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムは、少なくとも2つの異なるサービス方法に従って、前記電力系統にエネルギーを供給および/または前記電力系統からエネルギーを受け取るように運転される。セットアップモードにおいて、蓄電池エネルギー貯蔵システムを運転するための少なくとも2つの異なるサービス方法が決定され、少なくとも1つの所定の基準に基づき、前記少なくとも2つの異なるサービス方法の相対的な優先順位が決定される。稼働モードにおいて、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムは、前記少なくとも2つの異なるサービス方法に並行に従って運転される。前記蓄電池エネルギー貯蔵システムのエネルギー蓄積量が監視され、前記少なくとも2つの異なるサービス方法のそれぞれに従って、前記電力系統に提供される電力需要が監視される。総電力需要が算出され、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの前記所定の電力限度と比較される。算出された前記総電力需要が前記所定の電力限度内でない場合、かつ/または、監視された前記エネルギー蓄積量が前記所定のエネルギー限度内でない場合、前記少なくとも2つの異なるサービス方法のうち、優先順位の高い方から少なくとも1つのサービス方法に従って前記蓄電池エネルギー貯蔵システムが運転される。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、まず、前記少なくとも2つの異なるサービス方法のうち優先順位の低い方から少なくとも1つのサービス方法に従って前記蓄電池エネルギー貯蔵システムによって提供される電力を減らし、次に、前記少なくとも1つのサービス方法に従って提供される電力を増やすことによって、前記所定の電力限度を満たすように、前記少なくとも1つのサービス方法に従った前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの運転を制御することが好ましい。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、算出された前記総電力需要が前記所定の電力限度内でない場合、かつ/または、監視された前記蓄電池エネルギー蓄積量が前記所定のエネルギー限度内でない場合、前記少なくとも2つの異なるサービス方法のうち、優先順位の低い方から少なくとも1つのサービス方法に従った前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの運転が中断される。前記少なくとも2つのサービス方法のうちの残りのサービス方法に従って、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムが運転され、前記中断するステップの後、算出された前記総電力需要が前記所定の電力限度内であり、かつ、監視された前記エネルギー蓄積量が前記所定のエネルギー限度内である場合、前記2つの異なるサービス方法のうち、前記少なくとも1つの中断されたサービス方法に従った前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの運転が再開される。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記セットアップモードにおいて、複数の異なるサービス方法が特定され、前記複数の異なるサービス方法のそれぞれについて、前記少なくとも1つの所定の基準が算出される。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムがサービス方法に従って運転可能であるか否かを決定するために、特定された前記複数の異なるサービス方法のそれぞれについて、サービス方法の複数の要件と前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの複数のパラメータとが比較される。さらに、前記サービス方法の複数の要件と前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの複数のパラメータとを比較した結果に基づき、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムを運転するための前記少なくとも2つの異なるサービス方法が決定される。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記所定のエネルギー限度は、前記エネルギー貯蔵システムの最小および最大の所定エネルギー蓄積量限度を含む。前記稼働モードにおいて、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの監視された前記エネルギー蓄積量と、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの前記最小および最大の所定エネルギー蓄積量限度とが比較される。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記所定の電力限度は、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムが前記電力系統に提供可能な最大放電電力と最大充電電力とによって定められる。前記総電力需要と前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの前記所定の電力限度とを比較するステップは、算出された前記総電力需要と前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの前記最大放電電力および前記最大充電電力とを比較するステップを含む。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムが少なくとも1つのサービス方法に従った運転が不能であるか否かを判定することによって、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムが遮断されるか否かを判定することが好ましい。前記蓄電池エネルギー貯蔵システムが遮断される場合、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの遮断が解除されるように、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムを運転するための少なくとも1つのサービス方法が決定される。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、総電力需要は、前記2つの異なるサービス方法のそれぞれに従って電力系統に提供される電力需要の合算であり、1つのサービス方法の電力需要は、放電電力需要または充電電力需要のいずれかである。放電電力需要は負の電力値を用いて定め、充電電力需要は正の電力値を用いて定めることが好ましい。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、総電力需要と蓄電池エネルギー貯蔵システムの最大電力とを比較するステップは、エネルギー蓄積量と所定のエネルギー限度とを比較するステップよりも頻繁に行われる。
本発明は、さらに、電力系統に接続される蓄電池エネルギー貯蔵システムを制御する制御部を提供する。前記蓄電池エネルギー貯蔵システムは、少なくとも2つの異なるサービス方法に従って、電力系統へエネルギーを提供および/または電力系統からエネルギーを受け取るように運転される。前記制御部は、セットアップモードにおいて、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムを運転するための少なくとも2つの異なるサービス方法を決定するステップと、少なくとも1つの所定の基準に基づき、前記少なくとも2つの異なるサービス方法の相対的な優先順位を決定するステップとを実行可能な処理部を備える。前記制御部の第1監視部は、蓄電池エネルギー貯蔵システムのエネルギー蓄積量を監視する。前記制御部の第2監視部は、前記少なくとも2つの異なるサービス方法のそれぞれに従って、電力系統に提供される電力需要を監視する。前記処理部は、さらに、稼働モードにおいて、前記少なくとも2つの異なるサービス方法に並行に従って前記蓄電池エネルギー貯蔵システムを運転するステップと、総電力需要を算出するステップと、前記総電力需要と前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの前記所定の電力限度とを比較するステップと、算出された前記総電力需要が前記所定の電力限度内でない場合、かつ/または、監視された前記エネルギー蓄積量が前記所定のエネルギー限度内でない場合、前記少なくとも2つの異なるサービス方法のうち、優先順位の高い方から少なくとも1つのサービス方法に従って前記蓄電池エネルギー貯蔵システムを運転するステップを実行可能である。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記稼働モードにおいて、前記処理部は、前記少なくとも2つの異なるサービス方法のうち、優先順位の低い方から少なくとも1つのサービス方法に従った前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの運転を制御する。これは、まず、前記少なくとも2つの異なるサービス方法のうち少なくとも1つのサービス方法に従って前記エネルギー貯蔵システムによって提供される電力を減らし、次に、前記少なくとも1つのサービス方法に従って提供される電力を増やすことによって、好適に行われる。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記稼働モードにおいて、前記処理部は、前記少なくとも2つの異なるサービス方法のうち、優先順位の低い方から少なくとも1つのサービス方法に従った前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの運転を中断する。算出された前記総電力需要が前記所定の電力限度内でない場合、かつ/または、監視された前記エネルギー蓄積量が前記所定のエネルギー限度内でない場合、前記少なくとも2つのサービス方法のうちの残りのサービス方法に従って、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムが運転される。前記中断するステップの後、算出された前記総電力需要が前記所定の電力限度内であり、かつ、監視された前記エネルギー蓄積量が前記所定のエネルギー限度内である場合、前記2つの異なるサービス方法のうち、前記少なくとも1つの中断されたサービス方法に従った前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの運転が再開される。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記セットアップモードにおいて、前記処理部は、複数の異なるサービス方法を特定し、前記複数の異なるサービス方法のそれぞれについて、前記少なくとも1つの所定の基準を算出する。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記セットアップモードにおいて、前記処理部は、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムがサービス方法に従って運転可能であるか否かを決定するために、特定された前記複数の異なるサービス方法のそれぞれについて、サービス方法の複数の要件と前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの複数のパラメータとを比較し、前記サービス方法の複数の要件と前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの複数のパラメータとを比較した結果に基づき、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムを運転するための前記少なくとも2つの異なるサービス方法を決定することができる。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記所定のエネルギー限度は、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの最小および最大の所定エネルギー蓄積量限度を含み、前記処理部は、前記稼働モードにおいて、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの監視された前記エネルギー蓄積量と、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの前記最小および最大の所定エネルギー蓄積量限度とを比較する。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、プロセッサは、前記稼働モードにおいて、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムが少なくとも1つのサービス方法に従った運転が不能であるかを決定することによって、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの運転が遮断されているかを決定することが好ましい。次に、前記制御部のプロセッサは、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムが遮断されている場合、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの遮断が解除されるように、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムを運転するための少なくとも1つのサービス方法を決定する。
上記に追加してまたは代替的に用いることができる、本発明の好適な実施の形態によると、前記所定の電力限度は、前記蓄電池エネルギー貯蔵システムが前記電力系統に提供可能な最大放電電力と最大充電電力とによって定められる。前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの前記総電力需要と前記所定の電力限度とを比較するステップは、算出された前記総電力需要と前記蓄電池エネルギー貯蔵システムの前記最大放電電力および前記最大充電電力とを比較するステップを含む。
本発明は、少なくとも1つの蓄電池と、上述の制御部とを備える蓄電池エネルギー貯蔵システムを提供する。
さらに、例えば、電力系統に接続されるエネルギー貯蔵システムを制御する制御装置(コントローラまたは制御部)は、プロセッサと通信回路とを備える。前記プロセッサは、複数のサービス方法を決定する。前記プロセッサは、前記複数のサービス方法に従って、前記複数のサービス方法に伴う総電力を前記エネルギー貯蔵システムから電力系統に提供するように、前記エネルギー貯蔵システムを運転する。
さらに、前記プロセッサは、前記複数のサービス方法の優先順位を決定してもよい。前記総電力が前記エネルギー貯蔵システムの前記所定の電力限度内でない場合、前記プロセッサは、前記少なくとも2つの異なるサービス方法のうち、優先順位の高い方から1つのサービス方法に従って、前記エネルギー貯蔵システムを運転する。この場合、前記プロセッサは、前記総電力を前記所定の電力限度内に調整するために、前記複数のサービス方法のうち、優先順位の低い方から少なくとも1つのサービス方法に伴う優先順位の低い電力の提供を減らしてもよい。
さらに、前記総電力が調整可能な範囲を超える場合、前記プロセッサは前記優先順位の低い電力の提供を停止してもよい。前記プロセッサは、前記サービス方法の優先順位を、投資収益率(RoI:Return on Investment)が高いサービス方法ほど、高い優先順位が付けられるように決定してもよい。
本発明の種々の実施の形態を詳細に説明する前に、以下の用語を定義する。
請求項および明細書全体に用いられる「蓄電池エネルギー貯蔵システム」は、電池に基づくエネルギー貯蔵システムのことを指す。請求項は、蓄電池エネルギー貯蔵システムに限定する可能性があるが、本発明は、背景技術において述べたように、フライホイールエネルギー貯蔵、CAES、SMES等の他のエネルギー貯蔵システムにも適用可能である。同様に、後述の種々の実施の形態の詳細な説明は、主に蓄電池エネルギー貯蔵システムまたは「蓄電池」との関連で述べているが、他の電気エネルギー貯蔵システムでも可能である。
請求項および明細書全体で用いられている「サービス方法」とは、電力系統に提供されるサービスのことを指し、背景技術において説明したように、補助サービスという用語でも知られている。
請求項において、「需要」という語を「電力需要」という表現で用いているが、これは蓄電池エネルギー貯蔵システムが、サービスに従って、ある特定の時点で電力系統に強制的に提供しなければならない充電電力または放電電力である。
請求項および明細書全体において、1以上の特定のサービスの関連で用いられている「停止するステップ」または「中断するステップ」は、前記特定のサービスによって電力系統へエネルギーを供給しない、または電力系統からエネルギーを受け取らないようにする工程を示している。この用語は、蓄電池エネルギー貯蔵システムのすべての運転を停止することを意味しておらず、蓄電池エネルギー貯蔵システムを、単に残りのサービスに従って制御するだけである。
エネルギー貯蔵システムの2つの主な特徴である、貯蔵システムの電力およびエネルギーについて以下に考察して説明する。背景技術において説明したように、電力パラメータは、貯蔵システムが電力系統に電気エネルギーを供給できる速度、または電力系統から電気エネルギーを受け取る(すなわち電力系統へ提供する)ことができる速度に関する。
図2は、貯蔵システムに対して定められた電力の概略図である。一般的に、電力は、放電電力、すなわち電気エネルギーが貯蔵システムから電力系統に供給される速度のことを指し、または充電電力、すなわち電気エネルギーを電力系統からエネルギー貯蔵システムにおいて受け取る速度のことを指す。本実施の形態においては、放電電力はマイナス記号で表しており、充電電力はプラス記号で表している。当然、この逆であってもよい。
図2は、蓄電池(SB:storage battery)に関連するさまざまな電力制限も示す。PSBmaxは、蓄電池の物理的に可能な最大充電電力を定義する。PSBminは、蓄電池の物理的に可能な最大放電電力を定義する。minと示されているものは、数学上の最小値である。PSB_rated_chargeは、蓄電池の定格/規格/公称充電電力を示す。PSB_rated_dischargeは、蓄電池の定格/規格/公称放電電力を示す。電力限度PSB_rated_dischargeおよびPSB_rated_chargeは、PSB_rated_dischargeおよびPSB_rated_chargeの間での電力の充電/放電工程によって蓄電池が損傷しない範囲として定められる。一方、電力限度PSBmaxおよびPSBminは、PSBmaxおよびPSB_rated_chargeの間での電力の充電工程と、PSBminおよびPSB_rated_dischargeの間での電力の放電工程とによって、蓄電池システムが損傷する可能性がある範囲として定められる。
図3は、蓄電池の電気エネルギー蓄積量(SoC:State of Charge、充電率)および対応するエネルギー蓄積量限度の概略図である。図2の関連で説明した電力限度と同様に、蓄電池について4つのエネルギー限度を定義してもよい。エネルギー蓄積量ESBmaxおよびESBminは、それぞれ、蓄電池の物理的に可能な最大充電率および物理的に可能な最小充電率を定義する。エネルギー蓄積量限度ESBupおよびESBlowは、蓄電池における充電率を定義し、これらは、蓄電池にESBupおよびESBlowの間で電気エネルギー量が蓄積されても蓄電池が損傷しない範囲として定められる。一方、ESBmaxおよびESBminは、蓄電池の充電率がESBmaxからESBupの間、およびESBminからESBlowの間であれば、蓄電池に損傷を与える可能性がある範囲として予め定められる。
上記で説明した電力およびエネルギーのパラメータは、以下に説明する種々の実施の形態全体を通して用いられる。
図4は、本発明の実施の形態の一例を示しており、本実施の形態に係る蓄電池の運転の全体像を示す。なお、実際に貯蔵システムを運転する前に、複数のサービスを特定し、蓄電池をどのサービスに従って運転するかを決定する。言い換えると、蓄電池は、複数のサービスによって、電力系統にエネルギーを供給、および/または電力系統からエネルギーを受け取ってもよい。本発明においては、別個の貯蔵システムをそれぞれ1つのサービスに従って運転するのではなく、エネルギー貯蔵システムを運転するために並行して利用する少なくとも2つのサービスを特定して認定することが想定されている。本願の背景技術において、さまざまなサービスについて述べている。
それに対応して、第1のステップにおいて(蓄電池のセットアップとも呼ぶ)、蓄電池貯蔵システムの運転を開始する前にこれらのサービスを特定し、確立させる必要がある。本発明のいくつかの実施の形態において、この工程には、図4に示すように、サービスの計画、算出、および優先順位の決定を含み、またこれらのサービスが蓄電池貯蔵システムによって実際に提供可能か否かを再度確認する工程も含む。
その後、計画されたさまざまなサービスに従って、蓄電池の運転を開始することができる。それに応じて、エネルギー貯蔵システムは、複数のサービスに並行に従って、エネルギーを電力系統に供給および/または電力系統からエネルギーを受け取るように制御される。蓄電池の運転中には、蓄電池が適切かつ安全に運転するように、アルゴリズムにより蓄電池の電力およびエネルギーのパラメータが所定の限度内であるかを定期的に確認する。これは、図4において、「蓄電池のエネルギーがエネルギー限度内であるかを確認する」および「サービスの電力需要が蓄電池の電力限度内であるかを確認する」というボックスで示されている。貯蔵システムによって提供される電力およびエネルギーは、特定のサービスに応じて経時的に変動し、また各サービスに従って提供される電力およびエネルギーによっても経時的に変動する。
蓄電池の運転中にエネルギー限度および/または電力限度を満たさない場合、蓄電池はセットアップ時に認定したすべてのサービスに対応することができず、その後は最も優先されるサービスのみを提供する。言い換えると、蓄電池の電力および/またはエネルギーが所定の範囲内でない場合、事前に定められた電力およびエネルギー限度内で蓄電池を再度運転することができるように、1以上のサービスの提供を停止する(すなわち中断する)。優先度が低いサービスの中断は、当然のことながら規制が必要な時間だけ維持される。すなわち、停止された1以上のサービスの提供は、蓄電池の電力およびエネルギーのサービスの再開が許可された直後に再開される。これに対応するアルゴリズムは、繰り返しかつ周期的に実行される。図4に示すように、上記の本発明の実施の形態の一例において、このアルゴリズムは、まず、蓄電池のエネルギー制約を確認し、次に、電力制約を確認すると想定されている。しかしながら、これは単なる例であり、本発明のさらなる実施の形態によると、まず、電力が電力限度を満たしているかを判定した後、エネルギーがエネルギー限度を満たしているかを判定することも可能である。または、これらの2つの確認を並行して行ってもよい。
(蓄電池とともに利用するサービスのセットアップ)
上述したように、サービスを計画するステップ、算出するステップ、および優先順位を決定するステップの実現方法に関する例を以下に示す。
図5は、蓄電池の運転を設定するために行ってもよい種々のステップが図示されている状態図である。上記で説明したように、以下は、蓄電池を運転するために並行して利用する少なくとも2つの特定のサービスを決定して優先順位を決定する方法の例である。
始めに、周波数応答、予測偏差、裁定取引、またはピークシフトなどの利用可能なサービスが特定される。利用可能なサービスは、いくつかの方法で特定することができる。例えば、必要なサービスを決定するために、電気市場を分析してもよい。または、エネルギー貯蔵システムは、電力系統の安全性および安定性を向上させるサービスを提供することが可能なこともある。これは、市場を介して必然的に提供されるものではない。これに対応して、いくつかのサービスは系統オペレータに直接提供される。もう一つの例としては、エネルギー貯蔵システムに合致する既存のビジネスモデルを分析することである。以下においては、例として、周波数応答、予測偏差、および裁定取引のサービスが特定されたと仮定する。
すべての「可能な」サービスが特定されると、これらのサービスの優先順位を決定してもよい。通常は、各サービスの所定の基準を比較してもよい。比較方法の一つの選択肢としては、投資収益率(RoI)が提供するサービスを用いることである。これを達成するために、各サービスについて対応するRoIが算出される。
RoIを算出する方法の一例を以下に示すが、これはRoIの一例にすぎない。RoIの算出方法は他にもあり、それらを用いることも可能であるが、説明は省略する。しかしながら、本発明の種々の実施の形態に適用可能である。
RoIの算出は、非常に簡易なモデルから洗練されたモデルに至るまで可能である。簡易なRoIの算出は、耐用年数間の収益を投資収益そのもので割ることによって得られる、推定年間収益の傾向を考慮してもよい。さらに洗練されたRoIのモデルは、1日当たりの総運転時間、運転を行ったサイクル、および年間利益率などを推定することによって、市場の収益の傾向をさらに詳細に算出したものに基づいて作成することができる。エネルギー貯蔵システムについては、より詳細に算出するために、システム効率、1日当たりの充放電サイクル数、およびシステム寿命の充放電サイクル数等のパラメータが推定可能である。
通常は、異なるサービスを評価してこれらのサービスの相対的な優先順位を決定するために、他の適切な所定の基準を用いることが可能である。1つの所定の基準(または複数の基準)によって、電力系統へサービスを提供することによって企業が得る可能性がある金銭的価値を示すことができるようになることが好ましい。所定の基準の他の例としては、サービス利用毎のコスト、性能毎のコスト、または電池寿命サイクル毎のコストがある。
図5を参照すると、図5のRoIの例において、次のステップは、特定されたサービスに対して、実際に所定の基準に従って優先順位を決定することである。
優先順位の決定結果は、以下のサービス優先順位表で確認することができ、ここでは、例示のため、以下のリストのように予め特定された周波数応答、予測偏差、および裁定取引のサービスの優先順位が決定されている。
Figure 0005789794
その後、または優先順位を決定するステップの前に、特定されたサービス(周波数応答、予測偏差、および裁定取引)を、蓄電池の性能と照合する。さらに詳細には、運転中に実際に提供可能であると思われる特定のサービス(複数可)を、蓄電池のセットアップ中のこの時点で確認することが好ましい。なお、認定したサービスを、セットアップ段階の後で電力系統に提供する。そうでなければ企業にペナルティが課せられる。したがって、実際の蓄電池の運転中に課せられる、特定された各サービスの要件を、蓄電池の性能と比較する。この関連で、各サービスの要件を個別に考慮するだけでなく、蓄電池に課せられる、すべての特定されたサービスの要件の組み合わせについても考慮してもよい。
各サービスにおいて、エネルギー蓄電池がそのサービスを提供できるように、順守しなければならない特定の要件が蓄電池に課せられる。一例として、各サービスの要件は、ピーク時の要件ではなく、運転中のシステムに要求される平均的なサービス要件を反映してもよい。通常は、ピーク時の方が要求は厳しい可能性がある。ただし、上記表において各サービスに対して挙げた「特徴」は、サービスのピーク値である。
例えば、特定のサービスが、PSBmaxより高い相対放電電力を要求している場合、蓄電池によって、そのようなサービスを提供できない。または、ある特定のサービス(例えば裁定取引サービス)が大容量のエネルギーを要求している場合、かつ蓄電池のSoCが低すぎるとすでに予測できる場合、そのような特定のサービスに対応することはできない。電力変化の速度が、電力調整部が対応可能な速度よりも速い場合、サービスに対応することはできない。また、市場の観点から、サービスを提供する際、配電時間およびゲートクローズが短い方がはるかに良い。そうすると、決定をさらに頻繁に変更することが可能であり、異なるサービスを提供することができる。
さらに、特定されたすべてのサービスによって課せられている要件の概要をまとめて、貯蔵システムの性能と比較する場合、この1つの蓄電池エネルギー貯蔵システムによって、すべてのサービスを電力系統に同時に(すなわち並行に)提供することができないことがすでに明らかである可能性がある。この場合、ここでも、その他の残りのサービスの要件と貯蔵システムの性能とが互いに一致するように、少なくとも1つのサービスを除外することが好ましい。貯蔵システムの性能と比較する前にサービスの優先順位を決定することによって、最も優先順位の低いサービス(複数可)を最初に除外することができるので、企業にとって、(RoIの観点から)最も利益が低いサービスを除外することができる。
例えば、3つのサービス、周波数応答、予測偏差、および裁定取引(上記表を参照)を蓄電池の性能と照合した結果、その蓄電池は、3つのサービスにすべて同時に対応できないかもしれない(図5の照合結果は「No」になる)。その結果、アルゴリズムにより、最も優先順位の低いサービス、この例では裁定取引を除外することを決定する。
図5において、このステップを「優先順位を決定したサービスを更新する」というボックスで示している。
それに対応して、優先順位を決定し更新されたサービス優先順位テーブルは、以下のようになる。
Figure 0005789794
その結果、残りのサービスである、周波数応答および予測偏差によって課せられる要件を、再度蓄電池システムの性能と照合し、この2つのサービスに従って、貯蔵システムがエネルギーを確実に提供できるようにする(少なくとも予測可能な限り)。その後、この照合の結果は肯定される(図5において「Yes」)。すなわち、残りのサービスはどちらも蓄電池によって並行に提供可能である。
上記で説明したように、可能なサービスを特定(あるいは優先順位を決定)した後、少なくとも蓄電池の性能と一致するかを確認し、必要であればサービスを除外することが好ましい。
その結果、このように決定されたサービスに基づいて、対応する入札を市場に行ってもよく、その入札は市場に受け入れられると想定される。
これによって、準備段階が完了し、このように決定されたサービスに基づいて、蓄電池エネルギー貯蔵システムの実際の運転が開始可能である。
(運転段階)
運転段階において、認定されたそれぞれのサービスに従って、電気エネルギーを電力系統へ供給、および/または電気エネルギーを電力系統から受け取るように蓄電池貯蔵システムを制御する。各サービスに従った当該エネルギー貯蔵システムの制御は、並行に行われる。
エネルギー貯蔵システムの運転を、周波数応答および予測偏差のサービスに基づいて、以下の例で説明する。
系統周波数が測定される。系統周波数は、50Hz+/−20mHzの帯域内に維持する必要がある。この運転帯域内では、エネルギー貯蔵システムは運転しなくてもよいし、周波数応答も提供しなくてもよい。系統周波数が49.98Hzを下回った場合、所定のパターンに従って、エネルギー貯蔵システムは電力を電力系統に提供(蓄電池の放電)しなければならない。電力を電力系統に提供する要求は、系統周波数が上記周波数帯域外である限り維持される。
同時に、エネルギー貯蔵システムによって予測偏差サービスが提供される。確定した市場への入札と比較して、風力エネルギーが多く生成された場合、エネルギー貯蔵システムは、風力エネルギーを電池に充電するよう要求される。
どちらのサービスも同時に行われるため、エネルギー貯蔵システムは、電力を電力系統に提供することによって放電し、かつ風力エネルギーの超過分を取り込むことによって充電しなければならない。各サービスの電力の価格/量によって、両サービスをまとめた結果、エネルギー貯蔵システムの運転は、電力を提供しない(周波数応答に対する電力要求が予測偏差の電力要求に等しい場合)、充電電力を提供する(予測偏差が周波数応答より大きい場合)、または放電電力を提供する(予測偏差が周波数応答より小さい場合)ようになる可能性がある。
(エネルギー監視)
図6は、本発明の一実施の形態に係るエネルギー監視を示す。明らかであるが、充電率、すなわち、エネルギー貯蔵システムのエネルギー蓄積量は、エネルギー貯蔵システムに対して定められたエネルギー限度と比較される。このエネルギー監視の例において、エネルギー限度ESBminおよびESBmaxが用いられる。すなわち、蓄電池の損傷さえも許容されている。あるいは、エネルギー限度ESBlowおよびESBupは、蓄電池エネルギー貯蔵システムのSoCを比較するための限度として用いることもできるので、蓄電池エネルギー貯蔵システムが運転中に損傷しないようにすることができる。また、あるいは、ESBminおよびESBup、または、ESBlowおよびESBmaxを、エネルギー限度として組み合わせて用いてもよい。
いずれの場合でも、蓄電池のエネルギー蓄積量は、蓄電池に対して予め定められたエネルギー制約を維持しているかについて監視される。
どちらの場合も、エネルギー蓄積量がエネルギー限度内と決定された場合(図6において「No」)、蓄電池の(エネルギー)充電率に関して、すべてのサービスを継続して提供可能である。
一方、エネルギー蓄積量がエネルギー限度内でないと決定された場合(すなわち、どちらの限度も満たされない、図6において「Yes」の場合)、すべてのサービスを継続して提供することができない。そのような場合、優先順位の低いサービス(複数可)に対応せず、蓄電池エネルギー貯蔵システムは、優先順位の高いサービス(複数可)のみに従って継続して運転される。
具体的には、単なる例示のために、2つのサービス、すなわち周波数応答および予測偏差のみが蓄電池エネルギー貯蔵システムによって供給されると仮定してもよい。このように仮定すると、蓄電池のエネルギー制約が満たされない場合(すなわち図6において「Yes」)、優先順位の低いサービスの運転(つまり予測偏差に対する運転)が中断され、蓄電池エネルギー貯蔵システムの運転は、周波数応答サービスのみに基づいて継続される。
図7に、この運転が例示される。図7は、エネルギー貯蔵システムのエネルギー蓄積量の経時的変化を示す図である。この図から明らかなように、複数のエネルギー制限が示されており、ESBup限度がエネルギー監視に関連のある限度であると仮定される。本発明のこの特定の実施の形態に対して、エネルギーの比較は、全時間インスタンス毎ではなく、5番目毎の時間インスタンスにおいてのみ実施される。これは、通常、SoCは、急激に変化しないため、全時間インスタンス毎でなくてもx番目毎の時間インスタンスに確認すれば十分であり、処理電力を節約することができる。しかしながら、これは単なる好適な実施の形態であり、エネルギー監視を全時間インスタンス毎に実施してもよい。
図7から分かるように、蓄電池システムのエネルギー蓄積量は、所定の上限ESBupを超えるまで増加している(電池システムは充電されている。これは例えば、正の予測誤差を補償するためである)。対応して、優先順位の低い予測偏差サービスが休止されており(すなわち中断/停止)、優先順位の高い周波数応答サービスは休止されていない。
また、図7から分かるように、エネルギー蓄積量が限度を下回る(または一般的に言うと、所定の限度内である)と判定されると、以前休止された予測サービスを再開することができる。これに対応して、両方のサービスに従って、蓄電池貯蔵システムを再度運転することができる。
(電力監視)
図9は、本発明の一実施の形態に係る、蓄電池の電力監視を示す。蓄電池によって提供される各サービスは、ある特定の電力需要(放電または充電)があると仮定する。
すべてのサービスの総電力需要は、蓄電池が提供すべきすべてのサービスの総電力需要の合算に対応しており、この特定の例においては、予測偏差および周波数応答の電力需要の合算である。図8に2つの電力需要の組み合わせを示す。
図9に示すように、総電力需要(PMS、マルチサービスの電力)は、蓄電池に対して予め定められた2つの電力限度と比較され、この場合、PSBmaxおよびPSBminである。電力限度はPSB_rated_chargeおよびPSB_rated_dischargeであってもよく、または図2に定義された4つの電力限度のいずれの組み合わせでもよい。
総電力需要が電力限度内である場合(図9において「No」)、蓄電池によって総電力需要をすべてのサービスに対して提供可能であるとみなされる。よって、電力に関して、蓄電池はすべてのサービスに同時に従って運転可能である。
一方、総電力需要が2つの電力限度のいずれかを超える場合、蓄電池はすべてのサービスに同時に対応することができず、再度電力限度内にするためには、少なくとも1つのサービスを中断する必要がある。好適な実施の形態において、最も優先順位の低いサービスは、電力限度を超えている間は休止され、総電力需要がその後電力限度内になれば再度再開されると決定される。
図10は、電力監視の概略図である。単なる例示の目的から、周波数応答(FR)および予測偏差(FD)のどちらのサービスも正の電力需要があるとみなされ、互いに相殺されず、合算される。図から分かるように、総電力需要が電力限度PSBmaxを超えると、予測偏差(FD)サービスが停止され(図10の「0」を参照)、電力限度を超えなくなった時に再開される。
なお、あるサービスは必須、すなわち、そのサービスをシステムによって提供しなければならない場合がある。これを反映して、このサービスに与えられる優先順位が、(RoIとは関係なく)最も高くなる場合、またはRoIによる優先順位が低い場合であっても、このような必須のサービスを停止することは不可能である。その代わりに、必要であれば、おそらく優先順位が高い他のサービスを停止しなければならない。
(貯蔵システム)
図11は、蓄電池貯蔵システムを制御し、サーバーネットワークと通信する制御部の一例を示す。図から分かるように、発電は風力に基づいており、基本的に、予測偏差および周波数応答のサービスのみ提供されると仮定する。これに対応して、風力発電データ部は、長期間および短期間の予測データを市場取引部に提供し、リアルタイムデータを予測偏差部に提供する。市場取引部および予測偏差部は、誤差に関するデータと、追加取引可能な電力量に関するデータとを交換する。予測偏差部は、リアルタイムの発電と予定されている運転とを比較することによって、発電の超過分および不足分を補償する。系統周波数偏差部は、蓄電池から要求される電力を推定する。
市場調整部は、規制、技術的要件、および価格に関する情報を提供する。エネルギー貯蔵パラメータ部は、電力、容量、SoC、および応答時間に関するデータを含む。最適化部は、エネルギー市場と蓄電池の限度(例えば電力およびエネルギー)とを考慮して、蓄電池の最適な運転を決定する。
エネルギー貯蔵制御部は、蓄電池の運転を管理する。サーバーネットワークにより、天気、電力系統、および市場に関するデータを制御部と交換することができる。
(さらなる実施の形態)
本発明の上記実施の形態において、運転中にエネルギー限度または電力限度を満たさない場合、最も優先順位の低いサービスが中断される。本発明のより好適な実施の形態によれば、サービスの提供を中断する代わりに、エネルギー/電力限度を満たす範囲まで単にサービスの提供を減らしてもよい。これについては、以下に詳細に説明する。
例えば、電力監視によって、すべてのサービスの総電力需要が最大電力限度を超えると判定された場合、エネルギー貯蔵システムによってすべてのサービスを同時に提供できなくなる。この場合、電力限度を再び満たすように、少なくとも1つのサービスに提供される電力を減らす。当然のことながら、そのサービスに提供される電力を0まで(すなわち最小まで)減らさなければならない場合もあり、その時にはサービスの提供は基本的に中断されるため、上述の実施の形態と同様の動作になる。
また、総電力需要に応じて、1つのサービスを中断しなければならない可能性があるが、単に他のサービスに従った電力提供を減らすことによって、エネルギー貯蔵システムによって要求される電力要件を満たすようにしてもよい。したがって、サービスの提供中断に関する前述の実施の形態は、サービスの提供を減らす本実施の形態と組み合わせてもよい。
「減らした電力」のサービスに対して、蓄電池貯蔵システムの電力限度が許す範囲内において、後で電力の提供を増やしてもよい。エネルギー貯蔵システムは、このように常に電力限度内で運転し、エネルギー貯蔵システムの効率を向上させることが好ましい。
これは、時間インスタンス毎に行ってもよい。
総電力需要が電力限度内になるとすぐに、エネルギー貯蔵システムによってすべてのサービスを完全に提供することが可能である。これは、前述の実施の形態における中断されたサービスの運転を再開することと同様である。
本発明のさらなる実施の形態において、エネルギー貯蔵システムの運転中のエネルギー監視を変更する。具体的には、さらなる実施の形態において、図6のアルゴリズムに従ってエネルギー貯蔵システムの運転が運転中に遮断される状況に対処する。
例えば、エネルギー貯蔵システムのエネルギー蓄積量がエネルギー限度の上限である場合、基本的に、エネルギー貯蔵システムに(深刻な)損傷を与えることなく、エネルギー貯蔵システムでこれ以上エネルギーを受け取ることができない。さらに、エネルギー貯蔵システムを運転するすべてのサービスにおいて、エネルギー貯蔵システムがエネルギーを受け取る場合、SoCがすでに限度に達しているため、サービスを一切提供することができない。よって、エネルギー貯蔵システムの運転が遮断される。
その逆の例において、エネルギー貯蔵システムのエネルギー蓄積量がエネルギー限度の下限である場合、これ以上電力系統にエネルギーを供給することはできない。エネルギー貯蔵システムを運転するすべてのサービスにおいて、エネルギー貯蔵装置がエネルギーを提供しなければならない場合、運転は一切不可能である。
上記から分かるように、状況および提供すべき特定のサービスに応じて、エネルギー貯蔵システムの運転が遮断される場合がある。このような場合、エネルギー貯蔵システムを、必要に応じて充電または放電することが好ましいと思われる。
以下の実施の形態によると、必要に応じて電池を充電または放電できるさらなるサービスを決定することによって、エネルギー貯蔵システムの運転を構成しなおすことが可能になる。
図12は、本発明の実施の形態の一例を示す。この例において、エネルギー貯蔵システムが遮断されているか否かの確認は、エネルギー監視において行われ、具体的には、サービスが中断された場合に行われる。または、この確認をエネルギー監視と並行して行ってもよい。
いずれの場合においても、「蓄電池が遮断されたか?」という確認によって、エネルギー貯蔵システムが少なくとも1つのサービスに従って運転し続けているかを判定する。エネルギー限度の超過により、すべてのサービスを連続して中断することが決定された場合、少なくとも1つの追加のサービスが決定される。エネルギー貯蔵システムに対する遮断の原因を排除するために、エネルギー貯蔵システムの遮断を解除するように追加のサービスを決定してもよい。例えば、エネルギー市場サービスにより、電気エネルギーを市場で売却または購入することが可能であるため(背景技術を参照)、エネルギー貯蔵システムを充電または放電することが可能である。
その結果、エネルギー限度の上限に達したことによって(かつすべてのサービスが電力系統からエネルギーを受け取ることを要求していることによって)、エネルギー貯蔵システムが遮断された場合、エネルギー市場サービスは、エネルギーを市場に売却するように、すなわちエネルギー貯蔵システムを放電するように構成される。エネルギー貯蔵システムは、もはやエネルギー限度に達していないため、他のサービス(または少なくともサービスの一部)に基づいてエネルギー貯蔵システムの運転を再開することができる。
同様に、エネルギー限度の下限に達したことによって(かつすべてのサービスが電力系統にエネルギーを供給することを要求していることによって)、エネルギー貯蔵システムが遮断された場合、エネルギー市場サービスは、エネルギーを市場から購入するように、すなわちエネルギー貯蔵システムを充電するように構成される。
図11に例として示したように、エネルギー貯蔵システムの制御部は、本発明の実施の形態を実現させるために必要な種々のステップを実行するハードウェア部を含んでもよい。
または、図4〜10および12に関連して上記で説明した制御方法を、1以上のコンピュータ読み取り可能媒体に格納されたソフトウェアモジュールまたはコンピュータ読み取り可能な指示によって実現してもよい。このようなソフトウェアモジュールまたはコンピュータ読み取り可能な指示は、プロセッサまたはデバイスコンポーネントによって実行された場合、上述の本発明の種々の実施の形態を実現する。同様に、ソフトウェアモジュール、コンピュータ読み取り可能媒体、およびハードウエアコンポーネントのいずれの組み合わせも本発明において想定されている。ソフトウェアモジュールは、あらゆる種類のコンピュータ読み取り可能記憶媒体に格納してもよく、これは例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVD等である。

Claims (16)

  1. 電力系統に接続されたエネルギー貯蔵システムを制御する制御装置が行う制御方法であって、
    前記エネルギー貯蔵システムを運転するための少なくとも2つの異なるエネルギーサービスを決定するステップと、
    所定の基準に基づき、前記2つの異なるエネルギーサービスの優先順位を決定するステップと、
    前記エネルギー貯蔵システムを運転して前記2つの異なるエネルギーサービスを並行して行った場合に、前記2つの異なるエネルギーサービスに伴う総電力を前記エネルギー貯蔵システムから前記電力系統に提供するように前記エネルギー貯蔵システムを運転するステップと、
    前記総電力が前記エネルギー貯蔵システムの電力限度内でない場合、前記総電力を前記電力限度内に調整するために、前記2つの異なるエネルギーサービスのうち、優先順位の低いエネルギーサービスに伴う電力の提供を減らすステップとを含む
    制御方法。
  2. 前記総電力が前記電力限度内でない場合、前記2つの異なるエネルギーサービスのうち、優先順位の高いエネルギーサービスに従って、前記エネルギー貯蔵システムから電力の提供を行う
    請求項1に記載の制御方法。
  3. 前記総電力が、前記電力限度を超える場合、前記優先順位の低いエネルギーサービスに伴う電力の提供を停止する
    請求項1または2に記載の制御方法。
  4. 前記2つの異なるエネルギーサービスの優先順位は、投資収益率(RoI:Return on Investment)が高いエネルギーサービスほど、高い優先順位が付けられるように決定される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御方法。
  5. 前記制御方法は、さらに、
    前記エネルギー貯蔵システムのエネルギー蓄積量を監視するステップと、
    前記2つの異なるエネルギーサービスのそれぞれに従って、前記電力系統に提供される電力に対応する電力需要を監視するステップと、
    前記2つの異なるエネルギーサービスに対する総電力需要であって、前記総電力に相当する総電力需要を算出するステップと、
    前記総電力需要と前記電力限度とを比較するステップとを含み、
    セットアップモードにおいて、前記制御方法は、前記エネルギーサービスを決定するステップと前記優先順位を決定するステップとを含み、
    稼働モードにおいて、前記制御方法は、前記運転するステップと、前記エネルギー蓄積量を監視するステップと、前記電力需要を監視するステップと、前記算出するステップと、前記比較するステップとを含み、
    前記運転するステップは、
    算出された前記総電力需要が前記電力限度内であり、かつ、監視された前記エネルギー蓄積量が所定のエネルギー限度内である場合、前記2つの異なるエネルギーサービスに並行に従って前記エネルギー貯蔵システムを運転するステップと、
    算出された前記総電力需要が前記電力限度内でない場合、または、監視された前記エネルギー蓄積量が前記所定のエネルギー限度内でない場合、前記2つの異なるエネルギーサービスのうち、優先順位の高いエネルギーサービスに従って前記エネルギー貯蔵システムを運転するステップとを含む
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御方法。
  6. 前記稼働モードにおいて、さらに、
    まず、前記2つの異なるエネルギーサービスのうち優先順位の低いエネルギーサービスに従って前記エネルギー貯蔵システムによって提供される電力を減らし、次に、前記優先順位の高いエネルギーサービスに従って提供される電力を増やすことによって、前記電力限度を満たすように前記エネルギー貯蔵システムの運転を制御するステップを含む
    請求項5に記載の制御方法。
  7. 前記稼働モードにおいて、さらに、
    算出された前記総電力需要が前記電力限度内でない場合、または、監視された前記エネルギー蓄積量が前記所定のエネルギー限度内でない場合、前記2つの異なるエネルギーサービスのうち、優先順位の低いエネルギーサービスに従った前記エネルギー貯蔵システムの運転を中断するステップと、
    前記2つの異なるエネルギーサービスのうちの残りのエネルギーサービスに従って、前記エネルギー貯蔵システムを運転するステップと、
    前記エネルギー貯蔵システムの運転を中断するステップの後、算出された前記総電力需要が前記電力限度内であり、かつ、監視された前記エネルギー蓄積量が前記所定のエネルギー限度内である場合、前記2つの異なるエネルギーサービスのうち、前記中断されたエネルギーサービスに従った前記エネルギー貯蔵システムの運転を再開するステップとを含む
    請求項5または6に記載の制御方法。
  8. 前記セットアップモードにおいて、さらに
    前記2つの異なるエネルギーサービスを含む複数の異なるエネルギーサービスのそれぞれについて、前記所定の基準を算出するステップとを含む
    請求項5〜7のいずれか1項に記載の制御方法。
  9. 前記セットアップモードにおいて、さらに、
    記複数の異なるエネルギーサービスのそれぞれについて、前記エネルギー貯蔵システムがエネルギーサービスに従って運転可能であるか否かを決定するために、エネルギーサービスの複数の要件と前記エネルギー貯蔵システムの複数のパラメータとを比較するステップと、
    前記エネルギーサービスの複数の要件と前記エネルギー貯蔵システムの複数のパラメータとを比較した結果に基づき、前記エネルギー貯蔵システムを運転するための前記2つの異なるエネルギーサービスを決定するステップとを含む
    請求項8に記載の制御方法。
  10. 前記所定のエネルギー限度は、前記エネルギー貯蔵システムの最小または最大の所定エネルギー蓄積量限度を含み、
    前記稼働モードにおいて、さらに、
    前記エネルギー貯蔵システムの監視された前記エネルギー蓄積量と、前記エネルギー貯蔵システムの前記最小または最大の所定エネルギー蓄積量限度とを比較するステップを含む
    請求項5〜9のいずれか1項に記載の制御方法。
  11. 前記電力限度は、前記エネルギー貯蔵システムが前記電力系統に提供可能な最大放電電力と最大充電電力とによって定められ、
    前記総電力需要と前記電力限度とを比較するステップは、算出された前記総電力需要と前記エネルギー貯蔵システムの前記最大放電電力および前記最大充電電力とを比較するステップを含む
    請求項5〜10のいずれか1項に記載の制御方法。
  12. 前記稼働モードにおいて、さらに、
    前記エネルギー貯蔵システムが少なくとも1つのエネルギーサービスに従った運転が不能であるか否かを判定することによって、前記エネルギー貯蔵システムが遮断されるか否かを判定するステップと、
    前記エネルギー貯蔵システムが遮断される場合、前記エネルギー貯蔵システムの遮断が解除されるように、前記エネルギー貯蔵システムを運転するための少なくとも1つのエネルギーサービスを決定するステップとを含む
    請求項5〜11のいずれか1項に記載の制御方法。
  13. 電力系統に接続されるエネルギー貯蔵システムを制御し、プロセッサ、メモリ、および通信回路を備える制御装置であって、前記プロセッサは、
    前記エネルギー貯蔵システムを運転するための少なくとも2つの異なるエネルギーサービスを決定し、
    所定の基準に基づき、前記2つの異なるエネルギーサービスの優先順位を決定し、
    前記エネルギー貯蔵システムを運転して前記2つの異なるエネルギーサービスを並行して行った場合に、前記2つの異なるエネルギーサービスに伴う総電力を前記エネルギー貯蔵システムから前記電力系統に提供するように前記エネルギー貯蔵システムを運転し、
    前記総電力が前記エネルギー貯蔵システムの電力限度内でない場合、前記総電力を前記電力限度内に調整するために、前記2つの異なるエネルギーサービスのうち、優先順位の低いエネルギーサービスに伴う電力の提供を減らす
    制御装置。
  14. 前記プロセッサは、前記総電力が前記電力限度内でない場合、前記2つの異なるエネルギーサービスのうち、優先順位の高いエネルギーサービスに従って、前記エネルギー貯蔵システムから電力の提供を行う
    請求項13に記載の制御装置。
  15. 前記プロセッサは、前記総電力が前記電力限度を超える場合、前記優先順位の低いエネルギーサービスに伴う電力の提供を停止する
    請求項13または14に記載の制御装置。
  16. 少なくとも1つの蓄電池と、請求項13〜15のいずれか1項に記載の制御装置とを備える
    エネルギー貯蔵システム。
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