JP5789701B1 - 伝送モード変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バランを介さずに差動線路と導波路とを接続することができる伝送モード変換装置を提供する。【解決手段】一対の広壁2a,2bと一対の狭壁2c,2dとを有する方形状の導波路2と、導波路2を構成する一方の広壁2aの面上に誘電体層3を介して互いに平行に並んだ状態で設けられた一対の差動線路4a,4bと、一対の差動線路4a,4bと導波路2との間で伝送モードの変換を行うモード変換器5と、を備える。モード変換器5は、一対の差動線路4a,4bのうち少なくとも一方の差動線路4aの一端側と接続された導体ピン12を有する。導体ピン12は、導波路2とは非接触な状態で、導波路2の内側に向かって突出して設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、伝送モード変換装置に関する。
ミリ波帯で動作するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やシリコンゲルマニウム(SiGe)技術等による無線通信IC(RFIC:Radio-Frequency Integrated Circuits)では、差動出力形式のものがノイズ耐性や低消費電力等のメリットがあるため主流になりつつある。しかしながら、アンテナ等の外部装置の信号入力は、依然として不平衡形成のものが多い。このため、無線通信ICから出力された差動信号を不平衡信号に変換するデバイスとしてバラン(平衡・不平衡変換器)を用いることが一般的に行われている。
バランは、IC内で構成されたものと、実装基板上で構成されたものとがある。前者は、IC内での専有面積の増加によるコスト上昇の問題や、伝送損失が大きいという問題がある(例えば、非特許文献1を参照。)。一方、後者は、60GHz帯におけるバランとしては世界最小レベルの損失及びサイズが実現されている(例えば、非特許文献2を参照。)。しかしながら、損失が0.6dB程度であるため、これよりも更に改善する必要性がある。また、実装基板上にバランを別途設ける手間や製造コスト等の解決すべき問題が依然として残っている。
無線装置では、無線通信ICからの出力信号を導波路へと伝送させる場合が多く存在する。このため、無線通信ICからの不平衡信号を導波路へと導く様々な構成が従来より提案されている(例えば、特許文献1〜4を参照。)。
なお、導波路については、ポスト壁導波路(PWW:Post-Wall Waveguide)により構成されたものであってもよい。ポスト壁導波路は、誘電体基板の両面に対向した状態で形成された一対の導体層と、誘電体基板を貫通する複数の導体ポストにより一対の導体層の間を接続し、これら複数の導体ポストを互いに平行に並べることによって形成された一対のポスト壁とから方形状の導波路を構成したものである。すなわち、このポスト壁導波路は、従来の中空方形状の導波路が備える一対の広壁と一対の狭壁とを、それぞれ一対の導体層と一対のポスト壁とに置き換えたものと解釈できる。
差動信号の場合、差動線路と不平衡信号伝送路との間にバランを介在させることによって、上述した無線通信ICから出力された差動信号を不平衡信号に変換し、導波路へと導くことができる。しかしながら、バランを新たに設けることは、損失、専有面積、コスト、工数の増加等の観点から好ましくないのは先に述べたとおりである。
したがって、バランを介さずに差動線路と導波路とを直接接続することが望まれる。これを実現した例としては、非特許文献3に記載のものを挙げることができる。この非特許文献3には、巧妙且つ複雑な多層基板構造を用いて、バランを介さずに差動線路と導波路とを直接接続する構造が記載されている。
しかしながら、この構造の場合、複数あるビア孔の長さを部分的に微調整する必要がある。また、導波路の内層にペア線路が存在するなど、多層基板構造を採用することが必須な構成となっている。このため、構造・実現方法が複雑過ぎることや、変換部の帯域内におけるミニマム通過損失値がシミュレーション結果として0.5dB程度と比較的大きいことなどが問題として挙げられる。
特開2011−61290号公報 特開平6−140815号公報 特許第2928154号公報 特許第4453696号公報
Low-loss and compact millimeter-wave balun on Si,Microwave Symposium Digest(MTT),2011 IEEE MTT-S International Y.Uemichi,etc. "A 60GHz millimeter-wave CMOS Marchand Balun,"IEEE RFIC-S,pp.445-448,2007,J-X.Liu,etc. A 79-GHz LTCC differential microstrip line to laminated waveguide transition using permittivity material,Microwave Conference Proceedings(APMC),2010 Asia-Pacific,Xin Wang,etc.
本発明の一つの態様は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、差動線路で伝送される差動信号を不平衡信号に変換し、導波路へと伝搬させる際に、バランを介さずに差動線路と導波路とを接続することができ、なお且つ、差動線路と導波路との間で伝送モードの変換を行うときの伝送損失の低減を図ることができる伝送モード変換装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様に係る伝送モード変換装置は、一対の広壁と一対の狭壁とを有する方形状の導波路と、前記導波路を構成する一方の広壁の面上に誘電体層を介して互いに平行に並んだ状態で設けられた一対の差動線路と、前記一対の差動線路と前記導波路との間で伝送モードの変換を行うモード変換器と、を備える。前記モード変換器は、前記一対の差動線路のうち一方の差動線路の一端側とのみ接続された導体ピンを有する。前記導体ピンは、前記導波路とは非接触な状態で、前記導波路の内側に向かって突出して設けられている。
また、本発明の一つの態様に係る伝送モード変換装置は、一対の広壁と一対の狭壁とを有する方形状の導波路と、前記導波路を構成する一方の広壁の面上に誘電体層を介して互いに平行に並んだ状態で設けられた一対の差動線路と、前記一対の差動線路と前記導波路との間で伝送モードの変換を行うモード変換器と、を備える。前記モード変換器は、前記一対の差動線路のうち一方の差動線路の一端側と接続された一方の導体ピンと、他方の差動線路の一端側と接続された他方の導体ピンと、有する。前記一方の導体ピン及び前記他方の導体ピンは、前記導波路とは非接触な状態で、前記導波路の内側に向かってそれぞれ突出して設けられている。なお且つ、前記一方の導体ピンと前記他方の導体ピンとの長さが異なっている。
また、前記伝送モード変換装置において、前記モード変換器は、前記一対の差動線路のうち少なくとも前記導体ピンが接続される差動線路の一端側に形成された差動ランド部を有し、前記差動ランド部は、前記導体ピンよりも拡径された平面形状を有する構成であってもよい。
また、前記伝送モード変換装置において、前記導体ピンは、前記一方の広壁に形成された孔部の内側を通ることによって、前記一方の広壁とは非接触とされている構成であってもよい。
また、前記伝送モード変換装置において、前記モード変換器は、前記導体ピンと一体に形成されたピンランド部を有し、前記ピンランド部は、前記孔部の内側に位置して、前記導体ピンよりも拡径された平面形状を有する構成であってもよい。
また、前記伝送モード変換装置において、前記導波路は、誘電体基板の両面に互いに対向した状態で形成された前記一対の広壁となる第1の導体層及び第2の導体層と、前記誘電体基板を貫通する複数の導体ポストにより前記第1の導体層と前記第2の導体層との間を接続し、これら複数の導体ポストを並べることによって形成された前記一対の狭壁となるポスト壁と、を有するポスト壁導波路である構成であってもよい。
また、前記伝送モード変換装置において、前記ポスト壁導波路は、単層の誘電体基板を有する構成であってもよい。
また、前記伝送モード変換装置において、前記ポスト壁導波路は、複層の誘電体基板を有する構成であってもよい。
また、前記伝送モード変換装置において、前記導波路は、前記モード変換器とは反対側に位置して、前記一方の広壁に形成された開口部を有する構成であってもよい。
また、前記伝送モード変換装置は、前記導波路の一方の広壁側の面上に実装されると共に、前記一対の差動線路に対して差動信号を出力する差動信号出力素子を備える構成であってもよい。
以上のように、本発明の一つの態様によれば、差動線路で伝送される差動信号を不平衡信号に変換し、導波路へと伝搬させる際に、バランを介さずに差動線路と導波路とを接続することができ、なお且つ、差動線路と導波路との間で伝送モードの変換を行うときの伝送損失の低減を図ることができる伝送モード変換装置を提供することが可能である。
本発明の一実施形態に係る伝送モード変換装置の透視斜視図である。 図1に示す伝送モード変換装置の透視平面図である。 図2に示す伝送モード変換装置のA−B断面図及びC−D断面図である。 図1に示す伝送モード変換装置で伝送される信号の強度分布を示す模式図である。 本発明の別の実施形態に係る伝送モード変換装置の断面図である。 本発明の実施形態に係る伝送モード変換装置の別の構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る伝送モード変換装置の応用例を示す断面図である。 実施例の伝送モード変換装置について周波数の変化に対する反射係数をシミュレーションにより計算した結果を示すグラフである。 実施例の伝送モード変換装置について周波数の変化に対する透過係数をシミュレーションにより計算した結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の全ての図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
(伝送モード変換装置)
先ず、本発明の一実施形態として図1、図2及び図3示す伝送モード変換装置1について説明する。なお、図1は、伝送モード変換装置1の透視斜視図である。図2は、伝送モード変換装置1の透視平面図である。図3(A)は、図2中の線分A−Bによる伝送モード変換装置1の断面図であり、図3(B)は、図2中の線分C−Dによる伝送モード変換装置1の断面図である。
また、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。具体的には、各図中における伝送モード変換装置1の長さ方向(前後方向)をX軸方向とし、各図中における伝送モード変換装置1の幅方向(左右方向)をY軸方向とし、各図中における伝送モード変換装置1の高さ方向(上下方向)をZ軸方向とする。
伝送モード変換装置1は、図1,図2及び図3に示すように、方形状の導波路2と、導波路2の面上に誘電体層3を介して互いに平行に並んだ状態で設けられた一対の差動線路4a,4bと、一対の差動線路4a,4bと導波路2との間で伝送モードの変換を行うモード変換器5とを備えている。このうち、導波路2は、ポスト壁導波路基板6Aにより構成されている。また、一対の差動線路4a,4b及びモード変換器5は、ポスト壁導波路基板6Aと一体に形成されている。
具体的に、このポスト壁導波路基板6Aは、誘電体基板7の両面に互いに対向した状態で形成された第1の導体層8及び第2の導体層9と、誘電体基板7を貫通する複数の導体ポスト10により第1の導体層8と第2の導体層9との間を接続し、これら複数の導体ポスト10を並べることによって形成されたポスト壁11とを有している。
導波路2は、一対の広壁2a,2bとしての第1の導体層8及び第2の導体層9と、一対の狭壁2c,2dとしてのポスト壁11とからポスト壁導波路6を構成している。なお、図示を省略するものの、第1の導体層8及び第2の導体層9は、接地(グランド)電位となるように外部と接続可能とされている。
誘電体基板7としては、例えば、樹脂、ガラス、セラミックス、又はこれらの複合体等の誘電体からなるものを用いることができるが、これらに必ずしも限定されるものではない。第1の導体層8及び第2の導体層9としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属、又はこれらの合金等の導電体からなるものを用いることができるが、これらに必ずしも限定されるものではない。導体ポスト10は、誘電体基板7を厚み方向(Z軸方向)に貫通する孔部(スルーホール)に例えば銅等の金属めっきを施すことによって形成することができる。また、ポスト壁導波路6は、プリント回路基板(PCB:Print Circuit Board)のような両面銅張積層板を加工して作製することもできる。
ポスト壁導波路6は、ポスト壁11で囲まれた導波路構造を有している。ポスト壁11は、このポスト壁導波路6の長さ方向(X軸方向)に平行な一対の第1のポスト壁11a,11aと、このポスト壁導波路6の幅方向(Y軸方向)に平行な第2のポスト壁11b及び第3のポスト壁11cとを有して構成されている。
このうち、一対の第1のポスト壁11a,11aは、複数の導体ポスト10が一定の幅で互いに平行に並ぶことによって形成されている。第2のポスト壁11bは、一対の第1のポスト壁11a,11aの一端(先端)側の端部の間に複数の導体ポスト10が並ぶことによって形成されている。第3のポスト壁11cは、一対の第1のポスト壁11a,11aの他端(基端)側の端部の間に複数の導体ポスト10が並ぶことによって形成されている。
なお、ポスト壁11を構成する各導体ポスト10の間隔については、ポスト壁導波路6の内部を伝搬する信号がポスト壁導波路6の外部に漏洩しない間隔となるように設定されている。例えば、互いに隣接する導体ポスト10の間隔(中心間距離)については、導体ポスト10の直径の2倍以下とすることが望ましい。また、導波路2は、ポスト壁導波路6からなるものに限らず、方形状の導波路の内側に誘電体を充填したものであってもよい。
一対の差動線路4a,4bは、一方の広壁2aとなる第2の導体層9の面上に誘電体層3を介して積層されている。一対の差動線路4a,4bは、一定の幅で互いに直線状に並んで設けられている。一対の差動線路4a,4bは、互いの幅方向の中心を一対の第1のポスト壁11a,11aの幅方向の中心と一致させた状態で配置されている。また、一対の差動線路4a,4bは、第2のポスト壁11bの上を跨ぐように配置されている。なお、一対の差動線路4a,4bとしては、例えば、銅、銀、金、アルミニウム等の金属、又はこれらの合金等の導電体からなるものを用いることができるが、これらに必ずしも限定されるものではない。
モード変換器5は、一方の差動線路4aの一端(先端)側と接続された導体ピン12を有している。導体ピン12は、第2の導体層9とは非接触な状態で、ポスト壁11で囲まれた導波路構造の内側(下方)に向かって突出して設けられている。
具体的に、導体ピン12は、誘電体基板7に形成されたビア7aに埋め込まれた下部導体12aと、誘電体層3を貫通するビア3aに埋め込まれた上部導体12bとを有して、全体として有底円筒状に形成されている。また、導体ピン12(上部導体12b)は、第2の導体層9に形成された孔部13aの内側を通ることによって、第2の導体層9とは誘電体層3を介して非接触とされている。すなわち、孔部13aは、導体ピン12(上部導体12b)の周囲を囲むように形成されている。
モード変換器5は、一方の差動線路4aの一端(先端)側に形成された差動ランド部14aを有している。差動ランド部14aは、誘電体層3の面上において、導体ピン12(上部導体12b)よりも拡径された円形状を有している。
また、モード変換器5は、導体ピン12(下部導体12a)と一体に形成されたピンランド部15aを有している。ピンランド部15aは、誘電体基板7の面上において、孔部13aの内側に位置して、導体ピン12(下部導体12a)よりも拡径された円形状を有している。
一方、モード変換器5は、他方の差動線路4bの一端(先端)側に形成された差動ランド部14bを有している。差動ランド部14bは、誘電体層3の面上において、差動ランド部14bと対称な形状(円形状)を有している。また、第2の導体層9には、孔部13bが形成されている。この孔部13bは、差動ランド部14bと対向する位置に、この差動ランド部14bよりも大きな径を有して形成されている。
以上のような構成を有する伝送モード変換装置1では、一対の差動線路4a,4bで伝送される差動信号をモード変換器5により不平衡信号に変換し、この不平衡信号をポスト壁導波路6(導波路2)へと伝搬させることが可能である。
ここで、伝送モード変換装置1において伝送される信号(電界)の強度分布を図4に示す。伝送モード変換装置1では、主に、導体ピン12から差動ランド部14aに向かう電界と、導体ピン12から第1の導体層8に向かう電界とが、TEモード(特にTE10モード)を誘起すると考えられる。また、伝送損失が小さいことは、伝送モード変換装置1を実現するための構造物(伝送線路)が少ないことに起因すると考えられる。
すなわち、ポスト壁導波路6内の構造物としては、導体ピン12が唯一の構造物であり、従来に比べて構造が格段にシンプルである。また、ポスト壁導波路6内にペア配線を配置する必要もない。
したがって、本実施形態の伝送モード変換装置1では、バランを介さずに一対の差動線路11a,11bとポスト壁導波路6(導波路2)とを接続することが可能である。また、一対の差動線路11a,11bとポスト壁導波路6(導波路2)との間で伝送モードの変換を行うときの伝送損失の低減を図ることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、一対の差動線路4a,4bのうち一方の差動線路4aの一端側と接続された導体ピン12を有するモード変換器5を備えた構成となっているが、このような構成に限定されるものではなく、例えば図5に示すような一方の差動線路4aの一端側と接続された第1の導体ピン12と、他方の差動線路4bの一端側と接続された第2の導体ピン16とを有するモード変換器5Aを備えた構成であってもよい。
具体的に、このモード変換器5Aは、一対の差動線路4a,4bのうち一方の差動線路4a側の構成は、上記モード変換器5が備える導体ピン12、差動ランド部14a及びピンランド部15aと同じ構成であるため、図5において同じ符号を付すと共に、その説明を省略するものとする。
一方、第2の導体ピン16は、第2の導体層9とは非接触な状態で、ポスト壁11で囲まれた導波路構造の内側(下方)に向かって突出して設けられている。具体的に、第2の導体ピン16は、誘電体層3を貫通するビア3bに埋め込まれた導体16aを有して、円筒状に形成されている。すなわち、第1の導体ピン12と第2の導体ピン16とは長さが異なっており、第2の導体ピン16は第1の導体ピン12よりも短い長さで形成されている。
モード変換器5Aは、他方の差動線路4bの一端(先端)側に形成された差動ランド部14bを有している。差動ランド部14bは、誘電体層3の面上において、第2の導体ピン16(導体16a)よりも拡径された円形状を有している。
また、モード変換器5Aは、第2の導体ピン16(導体16a)に接続されたピンランド部15bを有している。ピンランド部15bは、誘電体基板7の面上において、第2の導体ピン16(導体16a)よりも拡径された平面形状を有している。また、ピンランド部15bは、第2の導体層9に形成された孔部13bの内側に位置することによって、第2の導体層9とは誘電体層3を介して非接触とされている。すなわち、孔部13bは、第2の導体ピン16(導体16a)の周囲を囲むように形成されている。なお、孔部13a,13bは、互い近接することによって、互いに連続した孔部(アンチパッド部)を形成している。
なお、第1及び第2の導体ピン12,16としては、例えば銅、銀、金等の金属、又はこれらの合金等の導電体からなるものを用いることができるが、これらに必ずしも限定されるものではない。また、第1及び第2の導体ピン12,16は、筒状に形成されたものに限らず、柱状に形成されたものであってもよい。さらに、筒状に形成された場合は、その内側に誘電体が充填されていてもよい。
また、第1の導体ピン12は、誘電体基板7の深さ方向(−Z軸方向)の中途部に至る長さで形成されているが、誘電体基板7を貫通していてもよい。第1の導体ピン12が誘電体基板7を貫通する場合、第1の導体層8に第1の導体ピン12の先端を外方に臨ませる孔部(図示せず。)を形成する。これにより、第1の導体ピン12と第1の導体層8との非接触化を図ることができる。また、第1の導体ピン12は、下部導体12aと上部導体12bとの2層構造に限らず、1層の導体により形成してもよい。
また、差動ランド部14a,14b及びピンランド部15a,15bは、その平面形状や大きさに等ついて特に限定されるものではなく、上述した円形状でなくてもよい。また、互いに異なる平面形状や大きさ等で形成されていてもよい。
また、上記ポスト壁導波路基板6Aは、単層の誘電体基板7を有する構成に限らず、図6に示すように、複層の誘電体基板7A,7Bを積層した多層基板からなる構成であってもよい。具体的には、低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)基板や、多層樹脂基板などを挙げることができる。
また、上記伝送モード変換装置1は、図7に示すように、導波路2(ポスト壁導波路6)の一方の広壁2a(第2の導体層9)側の面上に、一対の差動線路4a,4bに対して差動信号を出力する差動信号出力素子17が実装(フリップチップ実装)された構成とすることも可能である。
さらに、上記伝送モード変換装置1は、モード変換器5とは反対側に位置して、導波路2(ポスト壁導波路6)の一方の広壁2a(第2の導体層9)に開口部(誘電体露出部)18を形成し、この開口部18に対向する位置に方形状の導波路19を接続した構成とすることも可能である。
この場合、差動信号出力素子17から一対の差動線路4a,4bへと出力された差動信号がモード変換器5により不平衡信号に変換された後、ポスト壁導波路6の内部を伝搬しながら、開口部18を通して導波路19の内側へと伝搬され、導波路19の内部をTEモードとして伝搬することになる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本実施例において、ポスト壁導波路基板6Aの比誘電率は3.8、厚みは850μm、導波路幅は2mmである。上記図2に示す線分ABと線分EFとの間の距離は0.615mmである。一対の差動線路4a,4bの線幅は20μm、長さは0.75mm、間隔は80μmである。誘電体層3の比誘電率は3.4、厚みは20μmである。差動ランド部14a,14bの外径は100μm、中心間距離は0.18mm、孔部13a,13bとの間の距離が50μmである。第1の導体ピン12の長さは450μmである。
そして、本実施例の伝送モード変換装置1について、周波数[GHz]の変化に対する反射係数(S11)[dB]をシミュレーションにより計算した結果を図8に示す。また、周波数[GHz]の変化に対する透過係数(S21)[dB]をシミュレーションにより計算した結果を図9に示す。
図8に示すシミュレーション結果において、差動信号入力ポートの設定基準インピーダンスは、一般的な差動ICの出力インピーダンスである100Ωに設定した。例えば、60GHzバンドでは、ワールドワイドで最も広い帯域が要求される、日本や欧州のフリーライセンスバンドの9GHz帯域(57GHz〜66GHz)内で−10dBを満たしており、十分に実用に耐える特性であることがわかる。
一方、図9に示すシミュレーション結果から、帯域内でのミニマム通過損失は、0.25dB程度であり、日本や欧州のフリーライセンスバンド帯域内で0.5dB未満を満足することがわかる。これは、上述した従来に比べて格段によい結果である。すなわち、構造が格段に単純で損失が少なく、サイズの小さいバランレス差動線路導波路変換装置を提供できる。
1…伝送モード変換装置 2…導波路 2a,2b…一対の広壁 2c,2d…一対の狭壁 3…誘電体層 4a,4b…一対の差動線路 5,5A…モード変換器 6…ポスト壁導波路 6A…ポスト壁導波路基板 7…誘電体基板 8…第1の導体層 9…第2の導体層 10…導体ポスト 11…ポスト壁 11a…第1のポスト壁 11b…第2のポスト壁 11c…第3のポスト壁 12…(第1の)導体ピン 13a,13b…孔部(アンチパッド部) 14a,14b…差動ランド部 15a,15b…ピンランド部 16…第2の導体ピン 17…差動信号出力素子 18…開口部(誘電体露出部) 19…導波路

Claims (10)

  1. 一対の広壁と一対の狭壁とを有する方形状の導波路と、
    前記導波路を構成する一方の広壁の面上に誘電体層を介して互いに平行に並んだ状態で設けられた一対の差動線路と、
    前記一対の差動線路と前記導波路との間で伝送モードの変換を行うモード変換器と、を備え、
    前記モード変換器は、前記一対の差動線路のうち一方の差動線路の一端側とのみ接続された導体ピンを有し、
    前記導体ピンは、前記導波路とは非接触な状態で、前記導波路の内側に向かって突出して設けられていることを特徴とする伝送モード変換装置。
  2. 一対の広壁と一対の狭壁とを有する方形状の導波路と、
    前記導波路を構成する一方の広壁の面上に誘電体層を介して互いに平行に並んだ状態で設けられた一対の差動線路と、
    前記一対の差動線路と前記導波路との間で伝送モードの変換を行うモード変換器と、を備え、
    前記モード変換器は、前記一対の差動線路のうち一方の差動線路の一端側と接続された一方の導体ピンと、他方の差動線路の一端側と接続された他方の導体ピンと、有し、
    前記一方の導体ピン及び前記他方の導体ピンは、前記導波路とは非接触な状態で、前記導波路の内側に向かってそれぞれ突出して設けられ、なお且つ、前記一方の導体ピンと前記他方の導体ピンとの長さが異なっていることを特徴とする伝送モード変換装置。
  3. 前記モード変換器は、前記導体ピンが接続される差動線路の一端側に形成された差動ランド部を有し、
    前記差動ランド部は、前記導体ピンよりも拡径された平面形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の伝送モード変換装置。
  4. 前記導体ピンは、前記一方の広壁に形成された孔部の内側を通ることによって、前記一方の広壁とは非接触とされていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の伝送モード変換装置。
  5. 前記モード変換器は、前記導体ピンと一体に形成されたピンランド部を有し、
    前記ピンランド部は、前記孔部の内側に位置して、前記導体ピンよりも拡径された平面形状を有することを特徴とする請求項に記載の伝送モード変換装置。
  6. 前記導波路は、誘電体基板の両面に互いに対向した状態で形成された前記一対の広壁となる第1の導体層及び第2の導体層と、前記誘電体基板を貫通する複数の導体ポストにより前記第1の導体層と前記第2の導体層との間を接続し、これら複数の導体ポストを並べることによって形成された前記一対の狭壁となるポスト壁と、を有するポスト壁導波路であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の伝送モード変換装置。
  7. 前記ポスト壁導波路は、単層の誘電体基板を有することを特徴とする請求項に記載の伝送モード変換装置。
  8. 前記ポスト壁導波路は、複層の誘電体基板を有することを特徴とする請求項に記載の伝送モード変換装置。
  9. 前記導波路は、前記モード変換器とは反対側に位置して、前記一方の広壁に形成された開口部を有することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の伝送モード変換装置。
  10. 前記導波路の一方の広壁側の面上に実装されると共に、前記一対の差動線路に対して差動信号を出力する差動信号出力素子を備えることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の伝送モード変換装置。
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