JP5787913B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、アクリル樹脂、メラミン化合物、帯電防止剤、およびオキサゾリン化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する塗布液から形成された塗布層を有することを必須の要件とし、優れた帯電防止性を有するとともに、塗膜強度に優れ、加工ラインの汚染を抑制するよう設計されたものである。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
塗布層の表面をRuO4で染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片をRuO4染色し、塗布層断面をTEM(Hitachi社製 H−7650、加速電圧100V)を用いて測定した。
ウレタン樹脂の溶液もしくは水分散液を、乾燥後の膜厚が500μmになるように、テフロン(登録商標)製のシャーレ内で乾燥させ皮膜を得る。乾燥条件は、室温で1週間乾燥させた後、120℃で10分間さらに乾燥させる。得られた皮膜を幅5mmに切り出し、アイティー計測制御(株)製動的粘弾性測定装置(DVA−200型)にチャック間20mmとなるように測定装置にセットし、−100℃から200℃まで、10℃/分の速度で昇温させながら、周波数10Hzで測定する。E’’が最大となる点をTgとした。
日本ヒューレット・パッカード製高抵抗測定器:HP4339Bおよび測定電極:HP16008Bを使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気でサンプルを30分間調湿後、表面固有抵抗値を測定した。
村上色彩技術研究所製ヘーズメーターHM−150を使用して、JIS K 7136で測定した。
太平理化工業株式会社製ラビングテスター専用治具(荷重300g)に太平理化工業株式会社製ラビングテスター用フェルト(幅1cm)を取りつけ、塗布層の表面を10往復(7.5cm長の範囲)で擦ってサンプルを作成した。その後、擦った箇所を目視で観察し、下記の基準にて評価した。
○:擦った部分の塗布層の削れがない
○△:擦った部分の20%未満の面積で塗布層の削れがみられる
△:擦った部分の20%以上50%未満の面積で塗布層の削れがみられる
×:擦った部分の50%以上の面積で塗布層の削れがみられる
ポリエステルフィルムの塗膜形成面に下記塗布剤組成から構成される活性エネルギー線硬化樹脂を#16ワイヤーバーにより塗布し、80℃で1分間乾燥し溶剤を除去した後、紫外線照射機から紫外線をメタルハライドランプ120Wで180mJ/cm2照射し、厚み5μmのハードコート層を形成した。得られたフィルムに対して、100個の升目状の切り傷を、隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を升目上の切り傷面に貼り付け、2.0kgのローラーを20往復して完全に付着させた後、180度の剥離角度で急激に剥がした後の剥離面を観察し、剥離面積が5%未満ならば○、5%以上20%未満なら○△、20%以上50%未満なら△、50%以上ならば×とした。
《活性エネルギー線硬化樹脂組成》
KAYARAD−DPHA(日本化薬(株)製)24部、R−128H(日本化薬(株)製)6部、Irgacure 651(BASF(株)製)1.5部、トルエン(和光純薬(株)製)70部
<ポリエステル(1)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加した後、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、固有粘度0.65に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、固有粘度0.65のポリエステル(1)を得た。
ポリエステル(1)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加後、平均粒径2.3μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を0.3重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、固有粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止させた以外は、ポリエステル(1)の製造方法と同様の方法を用いて固有粘度0.65のポリエステル(2)を得た。
(E1):下記式1−1の構成単位と、下記式1−2の構成単位とを重量比率で95/5の重量比率で共重合した、数平均分子量20000の4級アンモニウム基含有化合物
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(重量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
(A2):下記の組成で重合した、ガラス転移点が25℃のアクリル樹脂水分散体
エチルアクリレート/メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/28/3/2/2(重量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
(C2):オキサゾリン化合物
オキサゾリン基含有アクリルポリマー、エポクロスWS−500(オキサゾリン基量4.5mol/g)(株式会社日本触媒製)
(C3):イソシアネート系化合物
ヘキサメチレンジイソシアネート1000部を60℃で攪拌し、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエート0.1部を加えた。4時間後、リン酸0.2部を添加して反応を停止させ、イソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物を得た。得られたイソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物100部、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール42.3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート29.5部を仕込み、80℃で7時間保持した。その後反応液温度を60℃に保持し、イソブタノイル酢酸メチル35.8部、マロン酸ジエチル32.2部、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液0.88部を添加し、4時間保持した。n−ブタノール58.9部を添加し、反応液温度80℃で2時間保持し、その後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.86部を添加して得られたブロックポリイソシアネート。
(C4):カルボジイミド化合物
ポリカルボジイミド化合物 カルボジライト SV−02(カルボジイミド当量:430)(日清紡株式会社製)
ポリエステル(1)とポリエステル(2)とを重量比で82/18でブレンドしたものを表層、およびポリエステル(1)のみを中間層の原料として、押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融し、2種三層の層構成で、押出条件で厚み構成比が表層/中間層/表層=5/90/5となるよう共押出し、表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させ、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール郡を通過させながら長手方向に3.5倍延伸し、一軸配向フィルムとした。この一軸延伸フィルムの片面に、下記表1に示す水系の塗布液1を塗布し、次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、100℃で幅方向に4.2倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、幅方向に2%の弛緩処理を行い、塗布層の膜厚(乾燥後)が0.03μmの塗布層を有する、厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
比較例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は比較例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。これらの特性を下記表2に示す。
比較例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は比較例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは、塗膜強度が低く、耐擦傷性が劣るものであった。
Claims (3)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、オキサゾリン化合物、イソシアネート系化合物、およびカルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、アクリル樹脂、塗布層の全不揮発成分に対して15〜30重量%のメラミン化合物、および帯電防止剤とを含有する塗布液から形成された塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
- 帯電防止剤がイオン導電性である請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
- イオン導電性の帯電防止剤が4級アンモニウム基を有する化合物である請求項1または2に記載の積層ポリエステルフィルム。
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