JP5786378B2 - 超音波溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波溶接方法に関する。
従来、表面にめっき膜が形成された金属端子と金属導体とを接続する超音波溶接方法において、金属端子表面のめっき膜が溶融しないように、あるいは溶融してもすぐに固まるように、金属導体及び金属端子を冷却しながら溶接する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、冷却しながら超音波振動を加えることで、溶接界面にめっき膜を残しながら溶接するものである。金属導体の冷却には冷却剤吹き付け装置が用いられ、冷却剤吹き付け装置から金属導体に冷却剤を吹き付けて、金属導体を冷却するようになっている。また、金属端子の冷却には冷却剤循環装置が用いられ、冷却剤循環装置でアンビルを冷却して、アンビル上の金属端子を冷却するようになっている。
特許第4541121号公報
しかし、特許文献1では、金属導体及び金属端子(溶接部材という)を冷却するようになっているので、溶接部材によっては、熱容量が大きく冷却に時間を要したり、温度分布が不均一になり溶接状態にばらつきが生じたりする恐れがある。また、溶接部材を冷却しながら溶接するので、多くのエネルギを必要とする。さらに、溶接界面にめっき膜が介在するので、なお安定した溶接状態を実現することが困難である。
そこで、本発明では、溶接部材の熱容量の影響を受け難く、かつ溶接作業時間が短く、安定した溶接状態を実現することが可能な超音波溶接方法を提供する。
本発明の一態様によれば、
金属導体と表面にめっき膜を有する金属端子とを接続する超音波溶接方法において、
前記金属導体を冷却機構により冷却させる工程と、
超音波チップにより、冷却された状態となっている前記金属導体を前記金属端子の表面に加圧することで前記金属導体で加圧された部分のめっき膜を冷却しつつ機械的に押しのける工程と、
前記金属導体および前記金属端子に前記超音波チップにより超音波を印加して、冷却されつつ機械的に押しのけられた前記めっき膜が超音波印加時に発生する熱によって溶融する前に、前記金属端子の表面と前記金属導体とを溶接する工程と、
前記金属導体を冷却させる工程と、前記金属端子の表面のめっき膜を冷却しつつ機械的に押しのける工程との間に、前記金属導体が冷却された状態となっている時間内に、前記金属導体を成形加工する工程と、
を含む超音波溶接方法が提供される。
好ましくは、前記めっき膜が錫又は錫合金を含み、前記金属導体がアルミ又はアルミ合金から構成される。
本発明によれば、金属端子の熱容量の影響を受け難く、かつ溶接作業時間が短く、安定した溶接状態を実現できる。
本発明の第1の実施の形態に係る金属導体を冷却する工程の説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る超音波溶接方法の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る加工温度と引張強さの関係(低温と室温の比)のグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る金属導体の低温成形プロセスの説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る超音波溶接方法の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る超音波溶接部断面構造の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る金属導体の低温成形プロセスの変形例の説明図である。 図7に対応する本発明の第2の実施の形態の変形例に係る超音波溶接方法の説明図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例に係る超音波溶接部断面構造の説明図である。 比較例のめっき付金属端子への溶接部の断面模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係る金属導体の低温成形プロセスの説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る超音波溶接方法の説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る超音波溶接部断面構造の説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る端子付き金属導体の模式図である。
以下に本発明の実施の形態について述べる。
[第1の実施の形態]
まず、金属導体と表面にめっき膜を有する金属端子とを接続する本実施の形態に係る超音波溶接方法について、その概要を説明する。
めっき膜を有する金属端子と金属導体との接続を行う場合、金属端子表面のめっき膜が溶融しないように、あるいは溶融してもすぐに固まるように、金属導体のみならず金属端子も冷却しながら溶接する方法では、溶接部材(金属導体及び金属端子)の冷却に時間がかかるので、溶接作業時間を十分にとらなければならない。また溶接界面に金属膜が介在するため安定した溶接状態が得られない。そのため溶接作業時間を低減・抑制しながら、安定した溶接状態を実現する必要がある。
そこで、本実施の形態では、直接冷却するのは金属導体だけにし、しかも冷却によって金属導体を硬くする。冷えて硬くなった金属導体で金属端子を加圧しながら金属導体で加圧された部分のめっき膜を間接冷却し、加圧により金属導体と金属端子との界面から冷却されためっき膜を押し出す。冷却されためっき膜が界面から押し出された状態で、めっき膜が超音波で溶融しないうちに、金属導体と金属端子とを溶接している。
すなわち、本実施の形態は、前記金属導体を冷却機構により冷却させる工程と、超音波チップにより、冷却された状態となっている前記金属導体を前記金属端子の表面に加圧することで前記金属導体で加圧された部分のめっき膜を冷却しつつ機械的に押しのける工程と、前記金属導体および前記金属端子に超音波チップにより超音波を印加して、冷却され
つつ押し出された前記めっき膜が超音波印加時に発生する熱によって溶融する前に、前記金属端子の表面と前記金属導体とを溶接する工程と、を含むように構成されている。
金属導体の冷却温度は、−100℃以下とするのがよい。めっき膜を機械的に押しのけるに十分な硬さが得られる温度であり、かつこの程度の温度に金属導体を過冷却しておけば、冷却後、室温雰囲気下で、超音波印加によって発生する熱によってめっき膜が溶融するまでに、十分な溶接時間を確保できるからである。金属導体が銅やアルミであり、めっき膜が錫であると想定すると、十分な硬度としては、Hv(ビッカース硬さ)40以上がよい。また、めっき膜が溶融しにくくなる温度は、錫めっき膜の場合、その溶融温度が231.9℃であるから、めっき膜の温度は溶接中にこの温度より低い温度になっていればよい。
また、めっき膜を冷却しつつ機械的に押しのける工程と、金属端子表面と金属導体とを溶接する工程とは、先後に行っても同時に行ってもよい。
このような構成により、溶接部材(金属導体及び金属端子)全体を冷却する場合に比べて、金属導体及びめっき膜を短時間で冷却することができる。また、冷却により硬化されているため、金属導体と金属端子間のめっき膜を容易に押しのけることができる。さらに、めっき膜が超音波印加時の熱によって溶融する前に、金属端子と金属導体とを溶接するので、溶接界面にめっき膜がない状態で溶接することができる。その結果、金属端子と金属導体との溶接を、金属端子の熱容量の影響を受けずに、短時間で、安定して行うことができる。
この超音波溶接方法の実施の形態について図1及び図2を用いて具体的に説明する。
図1及び図2に、冷却した金属導体1を金属端子2上に超音波溶接する方法を示す。
図1は被覆電線としてのケーブルを冷却機構により冷却させる工程の説明図である。ケーブルは、芯線である金属導体1と、これを被覆した被覆3とから構成される。金属導体1は銅または銅合金、あるいはアルミまたはアルミ合金からなる。金属導体1は単線であっても、複数の素線を拠り合わせた撚り線であってもよい。この金属導体1を冷却する冷却機構は、冷媒を入れた容器、例えば液体窒素12を入れたデュワー瓶11で構成されている。このような構成により、ケーブル端部から被覆3を剥がして露出させた金属導体1を、デュワー瓶11内に入れて液体窒素12に浸すだけで、略−196℃に冷却できるようになっている。一般に、金属導体1の熱容量は小さいので、この冷却は急速に行われる。また、この冷却により金属導体1は硬化する。
金属導体1は、まず、超音波溶接する前に、上述したように冷却して硬化させる。
図2は金属導体1と金属端子2を超音波によって接続するための超音波溶接機を模式的に表した図であり、これにより、上述した金属導体を冷却して硬化させる工程の後に、金属端子表面のめっき膜を冷却しつつ機械的に押しのける工程と、金属端子表面と金属導体とを溶接する工程が順次実施される。ここでは、金属端子2は銅または銅合金からなり、金属端子2の表面には錫、錫合金などのめっき膜が施されている。また、めっき膜の膜厚は例えば0.5〜5μmである。
超音波溶接機は、めっき膜が形成された金属端子2と金属導体1とを互いの間に挟む超音波チップ18とアンビル17とを備えて構成されている。このような構成により、超音波溶接機は、超音波チップ18とアンビル17との間に金属端子2と金属導体1とを挟み、金属端子2と金属導体1とを互いに近づく方向に加圧しながら、めっき膜が溶融する温度に対するエネルギの超音波振動を付与するようになっている。
まず、金属端子表面のめっき膜を冷却しつつ機械的に押しのける工程では、室温のアンビル17上に金属端子2を設置し、その金属端子2の上に液体窒素で冷却硬化した金属導体1を設置して、金属導体1と金属端子2とを互いに重ねる。これにより、金属導体1と金属端子2の表面との間のめっき膜が冷却されて硬化される。互いに重ねた金属導体1と金属端子2とを、室温の超音波チップ18により上から加圧する。この加圧により、硬くなった金属導体1が同様に硬くなっためっき膜を金属端子2の表面に押し付けるため、めっき膜が金属端子2の表面から機械的に押しのけられて、金属導体1と金属端子2の表面との間から排除される。これにより金属端子2の表面と金属導体1とが直接接触する。
そして、金属端子表面と金属導体とを溶接する工程では、超音波チップ18で金属導体1を上から加圧した状態で、超音波チップ18の振動方向を金属導体1の長手方向に向けることにより、金属導体1と金属端子2とに超音波を印加する。印加する超音波の周波数は、例えば15〜50kHzとする。そして、押しのけられためっき膜が超音波印加時に発生する熱によって溶融する温度まで上昇する前に、金属端子2の表面と金属導体1とを直接溶接する。
このようにして冷却した金属導体1を金属端子2上に超音波溶接する。
上述した構成によれば、金属導体1を冷却機構によって冷却し、冷却した金属導体1で金属端子2のめっき膜を冷却するようにしたので、溶接部材全体を冷却する場合に比べて、溶接部材の寸法形状と関係なく、金属導体1及びめっき膜を短時間で冷却し、硬化させることができる。また、金属端子2のめっき膜は冷却した金属導体1によって冷却されるので、金属端子2のみならず金属端子2を載せているアンビル17を冷却する必要がない。
また、冷却機構は、液体窒素12が入ったデュワー瓶11だけという簡単な構成で実現できるので、溶接方法を実施するための装置価格を抑制できる。また、金属導体はデュワー瓶11内の液体窒素12に浸すだけで冷却でき、めっき膜はそのように冷却した金属導体を金属端子に押し付けるだけで冷却できるので、溶接部材の冷却作業が容易である。
また、金属導体やめっき膜といった比較的小さい熱容量の溶接部材を冷却するので、比較的熱容量の大きなアンビルまでも冷却する場合と比べて、溶接部材の温度分布を均一化できる。また、金属導体1と金属端子2のめっき膜とは冷却によって硬くなっているので、金属導体1と金属端子2とを加圧すれば、金属導体1と金属端子2間のめっき膜を容易に押しのけることができる。さらに、金属導体1によって冷却されて溶融しにくくなっているめっき膜が、超音波印加時の熱によって溶融する前に、金属端子2と金属導体1とを溶接するので、溶接界面にめっき膜がない状態で溶接することができる。その結果、金属端子2と金属導体1との溶接を、溶接部材全体の熱容量の影響やめっき膜の影響を受けずに、短時間で、安定して行うことができる。
[第2の実施の形態]
次に、冷却した金属導体が室温に戻る前に、成形加工を行ったその金属導体と表面にめっき膜を有する金属端子とを接続する本実施の形態に係る超音波溶接方法について、その概要を説明する。
本実施の形態は、第1の実施の形態において、金属導体を冷却して硬化させる工程と、金属端子表面のめっき膜を冷却しつつ機械的に押しのける工程との間に、金属導体が冷却されている時間内に、金属導体を成形加工する工程を含むように構成されている。
このような構成により、金属導体の引張強度および硬さが増加するので、金属導体と金
属端子表面間のめっき膜を確実に押しのけ、金属導体と金属端子表面とを直接接触させることができる。その結果、金属端子と金属導体との溶接を、金属端子の熱容量の影響を受けずに、短時間で、安定して行うことができる。
この超音波溶接方法の第2の実施の形態について図3〜図9を用いて具体的に説明する。ここでは、金属導体1がアルミ導体、めっき膜4が錫めっき膜、金属端子2が銅端子からそれぞれ構成されている場合を例示する。
冷却した金属導体を室温に戻る前に成形加工すると、その引張強度および硬さが増加する理由は次の通りである。
図3は、ある温度(低温)で成形加工したアルミ導体(なまし材)の引張強さと、室温におけるアルミ導体の引張強さとの比を、その成形加工したある温度に対して表したグラフである。このグラフより、成形加工温度が低下するにしたがって引張強さの比が増していき、成形加工温度が室温(約293K)では1.0となる引張強さの比が、成形加工温度が液体窒素温度(約77K)になると2倍以上になっていることがわかる。
また、金属の硬さと引張強さの関係はHv≒Aσ+Cとなることが知られている。ここでHvはビッカース硬さ、σは引張強さ(kgf/mm)、AとCは定数である。アルミの場合、Aはおおよそ3程度である。このことから、低温において成形加工したアルミ導体は引張強さのみならず硬さも増加することがわかる。
図4は、前述のように冷却したアルミ導体31を成形加工機を用いて押しつぶす工程の説明図である。成形加工機は、対となった成形治具13、14を備えて構成される。成形治具13の上に例えば断面円形のアルミ導体31を設置し(図4(a))、成形治具13、14の間にアルミ導体31をはさみ、成形治具13、14に強い力を加えることで、アルミ導体31を押しつぶし(図4(b))、断面楕円形に成形加工されたアルミ導体31aが得られるようになっている(図4(c))。この成形加工は、アルミ導体31が冷却されて硬化された状態となっている時間内に実施される。
なお、図4及び後述する図7、図11に示す成形加工の工程では、成形治具全体を液体窒素中に浸し、その中でアルミ導体31等を成形加工しても良い。これによれば、事前にアルミ導体31等を冷却する必要がなくなり、アルミ導体31等が冷却された状態となっている時間内に成形加工を実施しなければならないという制約もなくなる。
このように低温状態のアルミ導体を成形加工することによって、アルミ導体の引張強度が増加するとともに硬さも増加する。
図5は、図4に示したように、型なしの成形治具13で成形した断面楕円形のアルミ導体31aをめっき付の銅端子32に超音波溶接する図である。この図5は、前述したように低温中で成形加工したアルミ導体31aを、表面32aにめっき膜4を有するめっき付の銅端子32に、超音波溶接する様子を断面方向から表したものである。アンビル17と超音波チップ18とに与えられる超音波振動の向きは紙面に対し垂直方向である。断面楕円形のアルミ導体31aとめっき付の銅端子32とは室温雰囲気で超音波溶接される。
図6は、図5に示す方法で溶接したアルミ導体31aと銅端子32の溶接部断面図である。アルミ導体31のビッカース硬さは柔らかく、室温においてアルミ導体31で銅端子32の表面を加圧しても、銅端子32の表面32aの錫めっき膜34を取り除くことが難しい。本実施の形態のように低温で加工硬化することによりアルミ導体31の硬さが増す。第1の実施の形態とは異なり、アルミ導体が室温に戻っても硬さは維持される。超音波
印加時に、アルミ導体31aで銅端子32の面を加圧することにより、アルミ導体31aと銅端子32の表面32aとの間の錫めっき膜34を、加圧方向と直交する方向に機械的に押しのけ、アルミ導体31aと銅端子32の表面32aとの間から除去する。したがって、加圧した状態で、アルミ導体31aと銅端子32とに超音波を印加することにより、銅端子32の表面32aとアルミ導体31aとを直接溶接することができる。なお、錫めっき膜34の下地としてニッケルめっきを施している場合などにはアルミ導体31aはニッケルめっき膜と接続する。
この溶接の際、超音波チップ18に接触していたアルミ導体31aは加圧と超音波印加とにより伸びが生じ、その断面積が減少する。それに伴って、アルミ導体31aの引張強度も低下する。しかし、アルミ導体31aは低温加工で強度を増加していることにより、その断面積が減少したとしても、引張強度の低下を抑制することが出来る。
図7〜図9は、図4〜図6の変形例を示す。図7は、同様に冷却したアルミ導体31を所望の形状に成形する工程の説明図である。成形加工機は、例えば断面矩形の型のある成形治具15と、この型にはまる成形治具16とが対となって構成される。成形治具15の型に冷却したアルミ導体31をはめ込み(図7(a))、このはめ込まれたアルミ導体31を成形治具16で押し込むことにより(図7(b))、断面矩形に成形加工されたアルミ導体31bが得られるようになっている(図7(c))。
図8は、同様に、図7に示した型付きの成形治具15で成形加工した断面矩形のアルミ導体31bをめっき付の銅端子32に超音波溶接する図であり、図9は溶接部断面図である。同様にアルミ導体31bが硬くなることにより、錫めっき膜34が溶接界面から容易に押し出され、アルミ導体31bと銅端子32の表面32aが直接接続する。
本実施の形態によれば、金属導体と金属端子との接続部分のめっき膜を排除してめっき膜が溶融する前に、金属導体と金属端子の表面とを直接溶接するようにしたことにより、めっき膜が柔らかい錫または錫合金を含んでいても、錫が溶融して接続界面に錫や錫合金が点在することもなく、空隙が多く見られることもなくなる。
また、金属導体を冷却するので、金属導体が柔らかいアルミ又はアルミ合金から構成されていても、金属導体の硬さ及び引張強度を増加することが可能である。また、加圧によるアルミ又はアルミ合金の伸びに伴う金属導体の引張強度の低下も抑制することが出来る。その結果、金属端子と金属導体との溶接を、金属端子の熱容量の影響を受けずに、短時間で、安定して行うことができる。
[比較例]
図10は、比較例を示す。比較例が第2の実施の形態と異なる点は、アルミ導体31を冷却せず、めっき膜付きの銅端子32と室温で溶接した点である。図10は、錫めっき膜34を表面32aに形成した銅端子32上に、断面楕円形のアルミ導体31cを、室温で溶接したサンプルを側面から模式的に表した図である。図10(b)は図10(a)の点線で囲った溶接界面の拡大図である。
図10(b)に示すように、接続界面には錫めっき膜34を構成する錫や錫合金が点在し、また、空隙5が多数見られる。錫や錫合金が点在し、多数の空隙5が見られるのは、もともとアルミ導体31cのビッカース硬さが30以下で柔らかく、錫めっき膜34を取り除くことが難しいこと、また、柔らかい錫が超音波印加時に塑性流動し、さらなる超音波印加で錫の融点以上まで温度が上がり、錫が溶融することに起因している。
[第3の実施の形態]
つぎに、アルミ導体31を側壁付銅端子6に超音波溶接する方法に係る本実施の形態を説明する。ここで側壁付銅端子6は、図14に示すように、銅や銅合金から一体成形されたもので、貫通孔が形成されたリング形状の締結部36aと、左右側壁に挟まれた溝を有する接続部36bとが連結した状態に構成されている。この側壁付銅端子6の表面全面に錫めっき膜34が施されている。
図11は、アルミ導体31が撚り線35からなる成形加工の工程を示す。同図に示すように、成形治具19は断面略矩形の型を有し、その型内に成形治具20がはまるように構成される。冷却した撚り線35を、成形治具19の型内に入れ(図11(a))、成形治具19、20で押し固め(図11(b))、断面略矩形状に成形加工された撚り線35を得る(図11(c))。なお、成形治具19、20を、超音波印加用のアンビルとホーンに置き換え、撚り線35を低温状態で超音波印加し、撚り線同士をあらかじめ接続することでより強固にしておいてもよい。低温で成形加工することにより撚り線35は引張強度および硬さが増加する。
図12は、低温で略断面矩形に成形したアルミ導体からなる撚り線35を、側壁付銅端子6に超音波溶接する図である。超音波印加方向は紙面に対して垂直方法である。アンビル17上に側壁付銅端子6を設置する。左右側壁の間に挟まれた溝に撚り線35を設置する。撚り線35をばらけさせることなく側壁付銅端子6の溝に納めることが出来る。この状態で上から超音波チップ18で加圧しながら超音波を印加する。
図13は、図12で説明した方法を用いた溶接部を模式的に表した図である。アルミ導体からなる撚り線35同士は隙間無く接続し、また、錫めっき膜34を押しのけて側壁付銅端子6の表面と接続する。これによれば、撚り線は単線に比べて熱容量が大きいが、冷却に液体窒素を用いるので、撚り線を短時間で冷却できる。また、冷却によって撚り線が硬く、また、撚り線により錫めっき膜が冷却硬化されて錫の溶融が抑えられるので、錫めっき膜34が不均一な厚さで点在することがなく、また、空隙の少ない接続が可能である。
図14は、前記方法で溶接した側壁付銅端子6が接続された銅端子付アルミケーブルの斜視図である。本実施の形態の方法により溶接した状態は、溶接断面観察により溶接界面からの錫めっき膜の排除具合やアルミ導体の硬さ測定により確認することができる。
なお、本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、前記実施の形態ではアルミ導体を液体窒素で冷却するが、冷凍機を用いて冷却してもよい。
1:金属導体
2:金属端子
3:被覆
4:めっき膜
5:空隙
6:側壁付銅端子
11:デュワー瓶(冷却機構)
12:液体窒素
13、14、15、16、19、20:成形治具
17:アンビル
18:超音波チップ
31:アルミ導体
32:銅端子
34:錫めっき膜

Claims (2)

  1. 金属導体と表面にめっき膜を有する金属端子とを接続する超音波溶接方法において、
    前記金属導体を冷却機構により冷却させる工程と、
    超音波チップにより、冷却された状態となっている前記金属導体を前記金属端子の表面に加圧することで前記金属導体で加圧された部分のめっき膜を冷却しつつ機械的に押しのける工程と、
    前記金属導体および前記金属端子に前記超音波チップにより超音波を印加して、冷却されつつ機械的に押しのけられた前記めっき膜が超音波印加時に発生する熱によって溶融する前に、前記金属端子の表面と前記金属導体とを溶接する工程と、
    前記金属導体を冷却させる工程と、前記金属端子の表面のめっき膜を冷却しつつ機械的に押しのける工程との間に、前記金属導体が冷却された状態となっている時間内に、前記金属導体を成形加工する工程と、
    を含むことを特徴とする超音波溶接方法。
  2. 前記めっき膜が錫又は錫合金を含み、前記金属導体がアルミ又はアルミ合金から構成される請求項1記載の超音波溶接方法。
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