JP2021034287A - 接続構造体 - Google Patents

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永吾 達川
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健作 篠崎
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隆寛 今村
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Abstract

【課題】断面積が大きい電線と板状導体とを超音波接合によって接合した部分において、機械強度の低下が抑制され、耐振動性が確保された接続構造体を提供すること。【解決手段】板状導体と電線の導体部とが互いに超音波接合によって接合された接合部を有する接続構造体であって、電線の断面積が20mm2以上80mm2以下であり、接合部の接合界面において電線の軸方向に沿った界面隙間率が典型的には5%以上25%未満、好適には5%以上10%未満であり、接合部の導体部の厚さの最小値に対する最大値の比が、1.05以上1.25以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、接続構造体に関する。
近年、自動車の多機能化および高性能化に伴い、自動車に様々な電装機器が搭載されてきている。そのため、自動車の電気回路は複雑化し、各電装機器に電力や電気信号を安定的に供給することが必要不可欠になっている。様々な電気機器が搭載された車両には、ワイヤーハーネスなどの配索体が配索されている。配索体は、例えば複数本の被覆電線を束ねることによって形成されたものである。自動車内では、配索体が電気機器に接続されたり、配索体同士がコネクタを介して接続されたりすることによって、電気機器に電力や電気信号が供給される。
また、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)における、バッテリ間などの高電圧部分やその他の低電圧部分などにおいて、バッテリの電力を様々な電気機器に供給するための電源ケーブルには、比較的太線の電線が用いられる。例えば特許文献1には、自動車の車体に沿って延設された板状の金属配線が開示されている。このような板状の導体は放熱性も高く、大電力を流すのに好適である。ところが、このような板状の金属配線は入り組んだ部分での取り回しが困難であることから、所望とする電気機器に必要な電力を供給するために、板状の金属配線の端部に板状の金属配線に比して取り回しが容易な大電流用ワイヤーハーネスを接合させる場合がある。
特開2017−95094号公報
そこで、金属配線と大電流用ワイヤーハーネスとを接合させる場合の接続技術、具体的には超音波接合の信頼性の向上が求められていた。ところが、大電流用ワイヤーハーネスは断面積が20sq(20mm2)以上の大径のワイヤーハーネスであり、断面積が20sq未満の小径のワイヤーハーネスに比して、板状の金属配線などの板状導体との超音波接合は、エネルギー不足や加圧不足などに起因して接合界面に隙間が生じやすく、耐久性が低下する問題があった。特に、耐振動性において、大径のワイヤーハーネスの方が小径のワイヤーハーネスよりも、導体の揺動による負荷が大きい。そのため、板状導体との接合界面に生じている隙間が同程度であっても、大径のワイヤーハーネスの方が小径のワイヤーハーネスよりも接続信頼性が低くなってしまう。
そこで、接続信頼性を向上させるために超音波接合を高いエネルギーで行ったり、接合時の圧力を高圧にしたりする方法が考えられる。しかしながら、超音波接合を高エネルギーで行うと、高出力の超音波接合装置が必要になったり、電力の消費が増加したり、超音波接合に用いる治具の摩耗によってコストが増加したり、導体が溶解して治具に固着したりする問題がある。また、接合時の圧力を高圧にすると、圧縮が過剰になりやすく、接合部の導体の厚さが小さくなるため、機械強度が低下する問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、断面積が大きい電線と板状導体とを超音波接合によって接合した部分において、機械強度の低下が抑制され、耐振動性が確保された接続構造体を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る接続構造体は、板状導体と電線の導体部とが互いに超音波接合によって接合された接合部を有する接続構造体であって、前記電線の断面積が20mm2以上80mm2以下であり、前記接合部の接合界面において前記電線の軸方向に沿った界面隙間率が5%以上25%未満であり、前記接合部の前記導体部の厚さの最小値に対する最大値の比が、1.05以上1.25以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る接続構造体は、上記の発明において、前記接合界面において前記界面隙間率が5%以上10%未満であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る接続構造体は、上記の発明において、前記電線の導体部が、複数の素線が撚られた芯線からなり、前記素線の素線径が0.5mm以上2mm以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る接続構造体は、上記の発明において、前記板状導体は車体に固定され、前記接合部の断面において、前記板状導体における、前記軸方向に沿った前記接合部の中央部および両端部の3点における平均の厚さが、1.5mm以上3mm以下であり、前記3点における平均の幅が15mm以上30mm以下であることを特徴とする。本発明の一態様に係る接続構造体は、この構成において、前記車体に固定される前記板状導体および前記電線は、前記車体の振動負荷の近傍に固定されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る接続構造体は、上記の発明において、前記電線の前記軸方向に直交する断面において、前記接合部における前記導体部の扁平率は、4以上7以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る接続構造体は、上記の発明において、前記板状導体および前記導体部の材料が、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする。
本発明に係る接続構造体によれば、断面積が大きい電線と板状導体とを超音波接合で接合した部分において、機械強度の低下が抑制され、耐振動性を確保することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態による接続構造体の概略構成を示す模式図である。 図2は、幅方向の界面隙間率の定義を説明するための、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、軸方向の界面隙間率の定義を説明するための、図1のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、配索体の使用形態の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する一実施形態によって限定されるものではない。
まず、本発明の実施形態について説明する前に、本発明者が行った鋭意検討について説明する。本発明者は、断面積が20sq(20mm2)以上の大電流用ワイヤーハーネスと、板状の金属配線などの板状導体との超音波接合について種々検討を行った。本発明者は、超音波接合による接合部に着目し、接合界面に生じる隙間の発生率が接合部の機械特性や耐久性に大きな影響を与えることを知見した。接合界面に隙間が生じると、機械強度が低下して耐久性が低下することから耐振動性も低下する。本発明者は、接合界面に生じる隙間に着目して、種々実験および検討を行い、振動負荷が電線長の影響を受けることや、曲げ引張方向に負荷がかかることから、ワイヤーハーネスの軸方向に沿った隙間の存在割合が、接合部の機械強度や耐久性にとって特に重要な要因になると想到した。
本発明者は、上述した観点から種々実験を行い、大電流用ワイヤーハーネスと板状導体との接合界面において、ワイヤーハーネスの軸方向に沿った隙間の発生率(以下、界面隙間率)を、5%以上25%未満、好適には10%以上25%未満にすることを見出した。なお、断面積が20sq未満の小径のワイヤーハーネスと板状導体との接合においては、軸方向隙間率が10%〜45%であっても、耐振動性は十分に確保されていた。
さらに、本発明者は、上述した隙間率を制御するために、接合部の形状についても検討を行った。その結果、本発明者は、接合部における大電流用ワイヤーハーネスの導体厚の最小値Tminに対する最大値Tmaxの比(導体厚比T=Tmax/Tmin)を1.05以上1.25以下にすることを見出した。これによって、接合界面に生じる応力を略均一にでき、接合界面の軸方向の界面隙間率を制御できる。なお、大電流用ワイヤーハーネスと板状導体との超音波接合における圧力は、接合部の面積や導体の寸法にも影響されるが、300kPa以上650kPa以下が好ましいことも確認された。以下に説明する一実施形態は、以上の本発明者による鋭意検討に基づいて案出されたものである。
(実施形態)
本発明の一実施形態による接続構造体について説明する。図1は、一実施形態による電線と板状導体との接続構造体を示す。図1に示すように、接続構造体1は、被覆電線10と配索体20とを、接合部30において超音波接合によって電気的かつ機械的に接続させた構造体である。なお、接合部30は例えば熱収縮チューブ(図示せず)などによって被覆されている。
被覆電線10は、軸方向に延伸する導体部としての例えば円形状や楕円形状の導体11、および導体11の外周に形成された被覆部としての絶縁性の被覆12とを有する。なお、軸方向は、接合部30における被覆電線10の長手方向であり、幅方向は、この軸方向に対して直交し、かつ接合部30における配索体20の幅広側の面に平行な方向である。被覆電線10は、被覆電線10の軸方向において、前方側が接合側であり、後方側が他の配索体20や電気機器などに接続される側である。被覆電線10は、先端部において導体11の外周の被覆12が除去されて、所定の長さの導体11が露出している。
導体11は、例えば複数の素線を撚って構成した芯線である。導体11を構成する各素線は、アルミニウム素線であり、例えば純度の高いアルミニウムやアルミニウム合金からなる。本実施形態において被覆電線10は、導体断面積が例えば20mm2(20sq)以上80mm2(80sq)以下の電線である。被覆12は、絶縁性を有する例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、またはノンハロゲン材料などの樹脂からなる。被覆12を構成する樹脂には、可塑剤などの添加材が添加されていてもよい。
配索体20は、例えば車両の車体に沿って延設される配索体であって、例えば扁平形状の金属板21と、金属板21の外周に形成された絶縁性の被覆22とを有する。配索体20は、先端部において外周の被覆22が除去されて、所定の長さの金属板21が露出している。板状導体として金属板21は、例えば純度の高いアルミニウムやアルミニウム合金からなる。被覆22は、被覆12と同様に構成され、絶縁性を有する例えばPVC、PE、またはノンハロゲン材料などの樹脂からなる。被覆22を構成する樹脂には、可塑剤などの添加材が添加されていてもよい。
また、被覆電線10の他方の端部は車両に搭載された電気機器や他の配索体に接続されている。配索体20の他方の端部は、例えば接続端子(いずれも図示せず)などを介して、他の電線、例えばバスバーや被覆電線10の露出された導体11などに接続されたり、他の接続端子に接続されたり、接続コネクタに接続されたり、車両に搭載された電気機器に接続されたりする。配索体20の金属板21は、電気機器、電線、接続端子、および接続コネクタの少なくともいずれか一つに接続される。なお、電気機器としては、バッテリーや、車両の動力源を制御するエンジンルームや、電動機や、電動機を制御するインバータや、ECU(Electric Control Unit)や、各種補機などがあるが、特に限定はされない。
図2は、幅方向の界面隙間率の定義を説明するための、被覆電線と金属板との接合部における被覆電線の幅方向に平行な、図1のII−II線に沿った断面図である。図3は、軸方向の界面隙間率の定義を説明するための、被覆電線と金属板との接合部における被覆電線の軸方向に平行な、図1のIII−III線に沿った断面図である。
図2に示すように、導体11と金属板21とが接合された接合部30の接合界面31において、幅方向に沿って複数個の隙間32、例えばn個(nは自然数)の隙間32が形成されている。これらの隙間32の部分は、導体11と金属板21とが接触していない状態である。ここで、幅方向の界面隙間率ρWは、以下の(1)式に示す幅方向に沿った隙間幅の総和δWに基づいて、以下の(2)式で定義される。なお、隙間幅wi(i=1,2,……,n)は、各隙間32の接合界面31における幅方向の長さを示す。W0は、超音波接合において超音波振動するホーンによって圧力が印加される部分の幅方向に沿った長さを示し、被覆電線10の導体11が押しつぶされた後の幅に該当する。本実施形態において幅方向の界面隙間率ρWは、例えば、25%以上40%以下(25%≦ρW≦40%)である。
δW=(w1+w2+w3+……+wn-1+wn)……(1)
ρW={(W0−δ)/W0}×100 ……(2)
同様に、図3に示すように、導体11と金属板21とが接合された接合部30の接合界面31において、軸方向に沿って複数個の隙間32、例えばm個(mは自然数)の隙間32が形成されている。ここで、軸方向の界面隙間率ρLは、以下の(3)式に示す軸方向に沿った隙間長の総和δLに基づいて、以下の(4)式で定義される。なお、隙間長lj(j=1,2,……,m)は、各隙間32の接合界面31における軸方向の長さを示す。L0は、超音波接合において超音波振動するホーンが導体11の上部を押圧している範囲の軸方向に沿った長さを示す。
δL=(l1+l2+l3+……+lm-1+lm) ……(3)
ρL={(L0−δL)/L0}×100 ……(4)
本実施形態において軸方向の界面隙間率ρLは、典型的には、5%以上25%未満(5%≦ρL<25%)である。軸方向の界面隙間率が5%以下になると、可撓性が不良になったり、接合部30の導体11の厚さが小さくなって強度が低下したりすることが確認された。一方、軸方向の隙間率が25%以上になると、接合部30において接合不足が生じ、耐振動性が低下することが確認された。また、軸方向の界面隙間率ρLが5%以上10%未満の場合、接合部30における軸方向に隙間32の偏りは見られないことから、軸方向の界面隙間率ρLは、好適には、5%以上10%未満(5%≦ρL<10%)である。これに対し、軸方向の界面隙間率ρLが10%以上になると、接合部30の軸方向の前後に隙間32の偏りが生じる可能性がある。そのため、接合部30の軸方向に沿った中央部CLより被覆電線10側、すなわち端部EL1側において、接合界面31の界面隙間率ρLが5%以上25%未満を満たすことが望ましい。これにより、被覆電線10が振動した場合であっても、接合部30の耐振動性を確保できる。
また、接合部30を超音波接合によってより効率良く接合させるために、導体11の上部は軸方向に凹凸形状が形成される。この場合、導体11の凹部の最小の厚さTmin(導体厚の最小値Tmin)に対する凸部の最大の厚さTmax(導体厚の最大値Tmax)の導体厚比Tは、1.05以上1.25以下(1.05≦T≦1.25)が好ましい。これにより、界面に生じる応力を均一にして、接合界面の軸方向の隙間を制御できる。ここで、導体厚比Tが1.05未満になると超音波接合における振動が導体11に効率良く伝達されず、酸化被膜の除去が不足したり、タクトタイムが増加したりすることが確認された。一方、導体厚比Tが1.25より大きい場合には接合界面31に生じる応力分布が大きくなり、導体厚が小さい部分と大きい部分との間の領域に隙間32が生じやすくなることが確認された。
また、図2に示す被覆電線10の軸方向に直交する断面において、接合部30における導体11の扁平率は、4以上7以下が好ましい。すなわち、扁平率が4未満の場合、接合界面31のみならず、導体11の断面においても隙間32が多くなることから、抵抗不良が生じる。一方、扁平率が7より大きい場合、導体11を扁平にしすぎることで導体11の断面積が減少するため、単純引張強度が低下して、耐振動特性も低下する。ここで、扁平率は、以下の(5)式で定義される。なお、平均導体厚Taveは、上述した導体11の導体厚の最小値Tminと最大値Tmaxとの平均である。
扁平率=平均導体厚/導体幅=Tave/W0 ……(5)
配索体20は、接続端子や被覆電線10を介して、電気機器、電線、接続端子、および接続コネクタなどに好適に接続できる。これにより、配索体20を用いて、電子機器間で電力や電気信号などの伝送を行うことができる。このとき、配索体20は、可撓性、接続性、および放熱性の高さを利用して、車両の車体に沿って様々な態様で延設される配索体として使用することができる。
例えば、図4は、配索体20の使用形態の一例を示す図である。2本の配索体20は、車両100において、バッテリー101からエンジンルーム102に電力を伝送するために、車体に沿って延設され、ワイヤーハーネスとしてクランプ固定されている。ここで、上述した接続構造体1は、振動負荷の高い部分に設けられる。具体的は、振動負荷の高いエンジンルーム102の内部の金属基板103と、被覆電線10の導体11とが超音波接合によって接続され、接続部30が形成されている。また、車輪のサスペンションアームの近傍に接続構造体1の接合部30が配置されている。
また、金属板21が車両100の車体に固定されている場合、図3に示す接合部30の断面において、軸方向に沿った接合部30の中央部CLおよび両端部EL1,EL2の3点における金属板21の平均の厚さが、1.5mm以上3mm以下であり、平均の幅が15mm以上30mm以下である。
また、本発明者は、被覆電線10の導体11を構成する素線の素線径にも着目した。すなわち、接合部30における導体11は、導体11を構成する素線径を大きくすることによって溶解しにくくなる。そのため、素線の素線径を大きくすることで、素線の溶融に起因する治具の固着を抑制できる。また、素線径を大きくすることで、素線径が小さい素線に比して、耐振動性をさらに向上できる。さらに、素線径を大きくすることで、素線の表面積が減少するため、酸化被膜が付着する表面積が細い素線に比して小さくなり、素線の表面に生じる酸化被膜を効率的に除去できるので、導体11の接続信頼性も向上して電気接続特性も向上できる。具体的には、20〜80mm2(20〜80sq)のいわゆる太物の被覆電線10において、導体11の素線径を0.5mm以上2.0mm以下とすることによって、断面積が同じ被覆電線10であっても撚数を低減できる。これにより、高出力で超音波接合を行っても素線が溶融しにくくなるため、導体11が治具に固着することを抑制できる。また、超音波接合において隙間32を低減させるためのエネルギーを低減できる。
(サンプル例)
次に、従来技術および上述した一実施形態に基づいた接続構造体1のサンプル例を示す。以下の表1〜表4においては、超音波接合における接合圧力を300kPa以上650kPa以下、幅方向の界面隙間率ρWを25%以上40%以下にしている。その上で、表1においては、断面積を8mm2以上20mm2未満、素線径を0.18mm以上0.5mm未満、導体厚比Tを1.25より大きく1.45未満にした。表2においては、表1と異なり、断面積を20mm2以上80mm2以下とし、その他のパラメータは表1と同様にした。表3においては、表2と異なり、導体厚比Tを1.05以上1.25以下とし、その他のパラメータは表2と同様にした。表4においては、表3と異なり、素線径を0.5mm以上2.0mm以下にし、その他のパラメータは表3と同様にした。なお、軸方向の界面隙間率ρLの範囲に関して、「a〜b」は、「a以上b未満」を意味する。
なお、表1〜表4において、軸方向の界面隙間率ρLは、接合部30を幅方向に4等分したうちの3箇所を抽出して、それぞれの軸方向の界面隙間率ρLを計測して平均化したものである。また、耐振動特性を評価するための振動試験は、JASO規格およびJIS規格に基づいて、JISD1601に準拠した掃引振動耐久試験を行った。振動条件の分類は、1種(主に乗用車系)およびB種(車体または懸架装置のばね上に取り付けられ、比較的振動の大きい場合)とした。雰囲気温度を80℃、振動の周波数を200Hz、および加速度を45m/s2として、軸方向および幅方向のいずれにも直交する上下方向に1000時間振動を与えた。その上で、機械特性は、振動試験後における初期のピール強度(引き剥がし強さ)に対する劣化が10%未満のものを「◎」、10%以上20%未満のものを「〇」、20%以上30%未満のものを「△」、30%以上のものを「×」とした。また、製造性は、界面隙間率の制御が容易であり、治具への固着がなく、過剰な圧力が不要である場合に「○」とした。
Figure 2021034287
Figure 2021034287
Figure 2021034287
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表1〜表4から、上述した一実施形態による接続構造体1の条件に該当するサンプルNo.14,No.15,No.20,No.21の接続構造体1において、良好な機械特性が得られていることが分かる。さらに、素線径を0.5mm以上2.0mm以下とし、かつ軸方向の界面隙間率ρLを5%以上10%未満にしたサンプルNo.20の接続構造体1においては、機械特性がさらに向上していることが分かる。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、被覆電線10の導体11と配索体20の金属板21とが互いに超音波接合によって接合された接合部30を有する接続構造体1を、被覆電線10の断面積を20mm2以上80mm2以下、接合界面31において被覆電線10の軸方向に沿った界面隙間率を5%以上25%未満、さらには5%以上10%未満、接合部30の導体11における導体厚比Tを1.05以上1.25以下としていることにより、接続構造体1の接合部30において、機械強度の低下を抑制して、耐振動性を確保することが可能になる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
1 接続構造体
10 被覆電線
11 導体
12,22 被覆
20 配索体
21 金属板
30 接合部
31 接合界面
32 隙間
100 車両
101 バッテリー
102 エンジンルーム
103 金属基板

Claims (7)

  1. 板状導体と電線の導体部とが互いに超音波接合によって接合された接合部を有する接続構造体であって、
    前記電線の断面積が20mm2以上80mm2以下であり、
    前記接合部の接合界面において前記電線の軸方向に沿った界面隙間率が5%以上25%未満であり、
    前記接合部の前記導体部の厚さの最小値に対する最大値の比が、1.05以上1.25以下である
    ことを特徴とする接続構造体。
  2. 前記接合界面において前記界面隙間率が5%以上10%未満である
    ことを特徴とする請求項1に記載の接続構造体。
  3. 前記電線の導体部が、複数の素線が撚られた芯線からなり、前記素線の素線径が0.5mm以上2mm以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の接続構造体。
  4. 前記板状導体は車体に固定され、
    前記接合部の断面において、前記板状導体における、前記軸方向に沿った前記接合部の中央部および両端部の3点における平均の厚さが、1.5mm以上3mm以下であり、前記3点における平均の幅が15mm以上30mm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続構造体。
  5. 前記車体に固定される前記板状導体および前記電線は、前記車体の振動負荷の近傍に固定されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の接続構造体。
  6. 前記電線の前記軸方向に直交する断面において、前記接合部における前記導体部の扁平率は、4以上7以下である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続構造体。
  7. 前記板状導体および前記導体部の材料が、アルミニウムまたはアルミニウム合金である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の接続構造体。
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