JP2009176547A - アルミ電線への端子圧着構造 - Google Patents

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Koji Kawakami
耕司 川上
Keiko Chikasawa
啓子 近澤
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Abstract

【課題】アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との境界領域に亀裂の生じることのないアルミ電線への端子圧着構造を提供する。
【解決手段】アルミ電線導電圧着用バレル1aとアルミ電線被覆部圧着用インシュレーションバレル1bを備えた端子1をアルミ電線Wに圧着したアルミ電線への端子圧着構造において、端子1を圧着する際に端子圧着用クリンパ101が移動する方向と逆方向を端子1の高さ方向とした場合に端子圧着後にアルミ電線導電圧着用バレル1aの一部が高さの低いアルミ電線導通圧着部11として形成されるとともに、アルミ電線導電圧着用バレル1aの他の一部が高さの高いアルミ電線保持圧着部12として形成され、かつアルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との間が高さ方向でつながるような傾斜部を有するテーパ付き圧着部13として形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両のワイヤーハーネスに使用されるアルミ電線への端子圧着構造に関する。
近年、例えば車両に銅電線の代わりにアルミ電線でできたワイヤーハーネスが用いられるようになっている。この理由は、第1にアルミ電線の方が銅電線よりも軽量のため車両の軽量化を図ることができるとともに、ワイヤーハーネス組付け時の作業性やワイヤーハーネスの車両への取付け性向上を図ることにある。また、第2に車両のリサイクル時に従来の銅電線がボディに残って銅と鉄との分離が行い難かったのを、アルミ電線とすることでアルミが車両に残ってもリサイクル時に銅とアルミの分離が行い易くなるのでリサイクル性に優れることにある。また、第3にアルミ電線の方が銅電線よりもコスト的に廉価なことにある。
しかしながら、アルミ電線は従来の銅電線に比べて機械的強度や溶断温度が低く、また、電線を構成する撚り線1本1本が酸化被膜を形成し易いという特性を有している。そのため、特定の撚り線にのみ電流が流れて集中抵抗が発生しやすく、かかる集中抵抗による溶断の発生や導通不良が懸念される。
具体的には、各撚り線の酸化被膜を破壊して各撚り線間とワイヤーバレルが極度に密着するほど端子をアルミ電線に強く圧着すると、電気的導通特性については冷熱サイクルなどの環境試験にも耐えられるようになるが、端子圧着部に作用する過度の応力に起因して電線保持力が極端に低下し、端子と電線の接続構造として使用不適当となってしまうことがある。
この問題を解決したアルミ電線への端子圧着構造が例えば特許文献1に開示されている。このアルミ電線への端子圧着構造は、図14及び図15に示すように、アルミ電線導電圧着用バレル5aとアルミ電線被覆部圧着用インシュレーションバレル5bを備え、端子圧着後のインシュレーションバレル5bが圧着される絶縁被覆圧着部55に隣接してアルミ電線保持圧着部52が形成されるとともに、アルミ電線保持圧着部52に関してアルミ電線絶縁被覆圧着部55と反対側にアルミ電線導通圧着部51が形成されている。そして、端子5がアルミ電線Wに圧着された状態において、端子5を圧着する際に端子圧着用クリンパ(図示せず)が移動する方向と逆方向を端子の高さ方向とした場合にアルミ電線導通圧着部51がアルミ電線保持圧着部52よりも低い高さでアルミ電線Wの導体部Waに圧着された構成を有している。
このような構成を有することで、端子後方のアルミ電線保持圧着部52でアルミ電線Wの導体部Waをしっかりと保持しているので、端子前方のアルミ電線導通圧着部51おいて大きな圧縮率(減面率)で圧着することでアルミ電線Wの導体部Waの絶縁酸化膜を破壊し、かつ密着させて端子5とアルミ電線間で十分な電気的特性を得ることができる。
特開2005−50736号公報(段落(0035)〜(0038)、図7、図8)
しかしながら、このような端子圧着方向において高さの異なるアルミ電線保持圧着部52とアルミ電線導通圧着部51を隣接して形成したのでは、この境界領域において段差部53が形成され、端子圧着時にこの段差部に過大な内部応力が発生してこの部分に亀裂が入る場合があり、製品の歩留まりを低下させていた。
本発明の目的は、アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との境界領域に亀裂の生じることのないアルミ電線への端子圧着構造を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係るアルミ電線への端子圧着構造は、
アルミ電線導電圧着用バレルとアルミ電線被覆部圧着用インシュレーションバレルを備えた端子をアルミ電線に圧着したアルミ電線への端子圧着構造において、
端子を圧着する際に端子圧着用クリンパが移動する方向と逆方向を端子の高さ方向とした場合に端子圧着後に前記アルミ電線導電圧着用バレルの一部が高さの低いアルミ電線導通圧着部として形成されるとともに、当該アルミ電線導電圧着用バレルの他の一部が高さの高いアルミ電線保持圧着部として形成され、かつ前記アルミ電線導通圧着部とアルミ電線保持圧着部との間が高さ方向でつながるような傾斜部を有するテーパ付き圧着部として形成されることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との境界領域に亀裂の生じることのないアルミ電線への端子圧着構造とすることができる。
また、本発明の請求項2に係るアルミ電線への端子圧着構造は、請求項1記載のアルミ電線への端子圧着構造において、
前記端子の高さ方向及び長手方向と垂直方向から見た場合に前記テーパ付き圧着部のテーパ面と前記端子の長手方向の軸線とのなす角θが、20°≦θ≦70°となっていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との境界領域に亀裂の生じることのないアルミ電線への端子圧着構造を確実に実現することができる。
また、本発明の請求項3に係るアルミ電線への端子圧着構造は、請求項1又は請求項2記載のアルミ電線への端子圧着構造において、
前記端子圧着前後のアルミ電線導体部の断面積の比率が、前記アルミ電線保持圧着部において82〜97%となっており、かつアルミ電線導通圧着部において50〜75%となっていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との境界領域に亀裂の生じることのないアルミ電線への端子圧着構造を確実に実現することができる。
また、本発明の請求項4に係るアルミ電線への端子圧着構造は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載のアルミ電線への端子圧着構造において、
前記アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との端子高さ方向の段差量をy mmとし、端子圧着前のアルミ電線の導体部の断面積をx mm2とした場合に、0.15 ln x +0.1≦y≦0.2 ln x +0.3の関係を満たすことを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との境界領域に亀裂の生じることのないアルミ電線への端子圧着構造を確実に実現することができる。
また、本発明の請求項5に係るアルミ電線への端子圧着構造は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のアルミ電線への端子圧着構造において、
前記アルミ電線保持圧着部と前記アルミ電線導通圧着部の端子長手方向の長さの比が、7:3〜3:7の範囲内であることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との境界領域に亀裂の生じることのないアルミ電線への端子圧着構造を確実に実現することができる。
本発明のアルミ電線への端子圧着構造によれば、アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との境界領域に亀裂の生じることのないアルミ電線への端子圧着構造を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るアルミ電線への端子圧着構造について図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態に係るアルミ電線への端子圧着構造は、図4及び図5に示すアルミ電線導電圧着用バレル1aとアルミ電線被覆部圧着用インシュレーションバレル1bを備えた端子1を図1及び図2に示すようにアルミ電線Wに圧着するアルミ電線への端子圧着構造であり、端子1を圧着する際に端子圧着用クリンパ101が移動する方向(図6における矢印X参照)と逆方向を端子の高さ方向とした場合に端子圧着後にアルミ電線導電圧着用バレル1aの一部が高さの低いアルミ電線導通圧着部11として形成されるとともに、アルミ電線導電圧着用バレル1aの他の一部が高さの高いアルミ電線保持圧着部12として形成され、かつアルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との間が高さ方向でつながるような傾斜部を有するテーパ付き圧着部13として形成されている。
アルミ電線Wへの端子圧着構造に関して、アルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との間にこのようなテーパ付き圧着部13が形成されていることで、従来のようにアルミ電線導通圧着部51とアルミ電線保持圧着部52との間に段差部53が形成されなくなり、端子圧着時にこの部分に過大な応力が発生せず、亀裂を生じさせないようにできる。
ここで本実施形態におけるアルミ電線は、100%アルミニウムでできた電線だけを指すのではなく、2,3の元素を0.5%程度ずつ含んだアルミニウムが全体の98〜99%を占めるアルミニウム合金でできた電線も含んでいる。また、本実施形態における端子は黄銅でできている。
そして、本実施形態に係るアルミ電線Wへの端子圧着構造においては、その好ましい寸法関係を有する4つの形態に分けられている。以下にこの各形態について説明する。なお、これの形態が好ましい理由については、後述する4つの実施例における評価試験結果に基づいて詳しく説明する。
なお、以下の説明において圧縮率とは、(端子圧着後のアルミ電線導体部断面積/端子圧着前のアルミ電線導体部断面積)で規定される具体的数値であり、断面積残存率ともいわれる値である。従って、高圧縮部はアルミ電線導体部が高圧縮された部位をいい、圧縮率(断面積残存率)の数値が比較的小さくなる。なお、この場合、高圧縮部を減面率(端子圧着後に減少したアルミ電線導体部の断面積/端子圧着前のアルミ電線導体部断面積)で表すと、その数値が比較的大きくなる。
逆に、低圧縮部は、アルミ電線導体部が低圧縮された部位をいい、圧縮率(断面積残存率)の数値が比較的大きくなる。なお、この場合、低圧縮部を減面率で表すと、その数値が比較的小さくなる。
まず、第1の形態は、端子の高さ方向及び長手方向と垂直方向から見た場合にテーパ付き圧着部のテーパ面と端子の長手方向の軸線とのなす角θ(図3参照)が、20°≦ θ ≦70°となっている。
次いで、第2の形態は、端子圧着前後のアルミ電線導体部の断面積の比率(圧縮率)が、アルミ電線保持圧着部12において82〜97%、かつアルミ電線導通圧着部11において50〜75%となっている。
次いで、第3の形態は、アルミ電線保持圧着部12とアルミ電線導通圧着部11との端子高さ方向の段差量をy mm(図3におけるht−he)とし、端子圧着前のアルミ電線Wの導体部の断面積をx mm2とした場合に、0.15 ln x +0.1≦y≦0.2 ln x +0.3の関係を満たしている。
次いで、第4の形態は、アルミ電線保持圧着部12とアルミ電線導通圧着部11の端子長手方向の長さの比が、7:3〜3:7の範囲内となっている。なお、この場合のアルミ電線保持圧着部12の端子長手方向の長さとは、テーパ付き圧着部13の中点からアルミ電線保持圧着部12の後端部までの長さ(図3におけるlt)を指し、アルミ電線導通圧着部11の端子長手方向の長さとは、テーパ付き圧着部の中点からアルミ電線導通圧着部12の先端までの長さ(図3におけるle)を指す。
なお、本実施形態に係るアルミ電線への端子圧着構造の作用を効果的に発揮するためには、上述した第1の形態乃至第4の形態の内、少なくとも何れか1つの形態に記した寸法関係を満たしていれば良く、これら各形態の寸法関係を重複して満たしていても良いことは言うまでもない。
続いて、本実施形態にかかる端子1をアルミ電線Wに圧着する工程について説明する。図6に示すように、最初に端子1を基台100に固定し、アルミ電線Wを端子1の適所に位置決めする。即ち、アルミ電線Wの被覆部Wbをイン被覆部圧着用シュレーションバレル1bで挟まれた領域に位置決めするとともにアルミ電線導体部Waをアルミ電線導電圧着用バレル1aで挟まれた領域に位置決めする。この状態で、端子長手方向で見て逆V字型で先端がM字形状の圧着溝を有する端子圧着用クリンパ(圧着治具)101を端子1の上方から接近させる(図6の端子圧着方向を示す矢印X参照)。
端子圧着用クリンパ101には、圧着される4つの圧着部であるアルミ電線導通圧着部11、テーパ付き圧着部13、アルミ電線保持圧着部12、及び絶縁被覆圧着部15に対応する刃型をなす凹み部がそれぞれ形成されている。即ち、端子長手方向先端側から見てアルミ電線導通圧着部11に対応する端子圧着用クリンパ101の凹み部が端子圧着方向に最も突出して形成され、次いで、テーパ付き圧着部13に対応する端子圧着用クリンパ101の凹み部がこの圧着部に対応するテーパ状に形成され、次いで、アルミ電線保持圧着部12に対応する端子圧着用クリンパ101の凹み部が形成され、次いで、アルミ電線絶縁被覆圧着部15に対応する端子圧着用クリンパ101の凹み部が形成されている。
なお、アルミ電線導通圧着部11、テーパ付き圧着部13、アルミ電線保持圧着部12が上述した第1の形態乃至第4の形態のうち、少なくとも何れか1つの寸法関係で形成されるような形状を有している。そして、この端子圧着用クリンパ101を図示しないアクチュエータによって端子側に向かって下降させる(図7参照)。これに伴って、立設していたアルミ電線導電圧着用バレル1a及びアルミ電線被覆部圧着用インシュレーションバレル1bの上側部が端子圧着用クリンパ101の下降動作によって端子圧着用クリンパ101の逆V字型の圧着溝に沿ってしだいに屈曲され、やがては、端子圧着用クリンパ101のM字状先端部において図8(b)に示すように各バレル端部がアルミ電線Wの中心軸線方向に変形(カール)する。
そして、端子圧着用クリンパ101をさらに下降することで、アルミ電線導体部にアルミ電線導通圧着用バレル1aが圧着され、アルミ電線導通圧着部11、テーパ付き圧着部13、アルミ電線保持圧着部12が端子長手方向に連続して形成されるとともに、アルミ電線被覆部Wbにもアルミ電線被覆部圧着用インシュレーションバレル1bが圧着されてアルミ電線被覆圧着部15が形成される。この端子圧着作業が終わると、図9に示すように、端子圧着用クリンパ101を上昇(図中、矢印Y参照)させて端子圧着工程を完了する。
このような端子圧着工程によって圧着されたアルミ電線への端子圧着構造は、上述したアルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との境界領域に亀裂の生じることのないアルミ電線への端子圧着構造とすることができる効果を奏する。
続いて、本実施形態において好ましい寸法関係を規定した上述の4つの形態の有用性を裏付ける評価試験を行ったので、この評価試験結果をそれぞれの実施例として以下に説明する。
なお、以下の各評価試験においては、様々な寸法関係を有する端子を20個ずつアルミ電線に圧着し、この圧着後に機械的接続性及び電気的接続性に関する評価試験を行ってともに合格したものが18個以上(9割以上)の寸法関係を満たす端子1を○とし、これを満たさない端子1を×とした。
ここで、機械的接続性試験については、端子圧着後のアルミ電線の端子部を引張り試験機に装着し、所定の引っ張り力をかけても実用性に耐えるものを合格とした。また、電気的接続試験においては、端子圧着後のアルミ電線の端子部に所定電圧を印加し、この端子部が所定の抵抗値以下のものを合格とした。
最初に実施例1における評価試験について説明する。実施例1における評価試験においては、アルミ電線Wの導体部断面積1.5mmのアルミ電線に銅合金でできた端子1を圧着するにあたって、端子1の高さ方向及び長手方向と垂直方向から見た場合にテーパ付き圧着部13のテーパ面と端子1の長手方向の軸線とのなす角θ(図3参照)の角度が異なるように端子1をアルミ電線Wに圧着し、各端子圧着部の機械的接続性と電気的接続性をそれぞれ調べた。そして、図10に示す評価試験結果を得た。この評価試験結果から、テーパ付き圧着部13のテーパ面と端子の長手方向の軸線とのなす角θが、20°≦θ≦70°の範囲内のものが、20個中18個以上十分な機械的接続性及び電気的接続性を有しており、評価試験に合格として、○とした。
なお、θ=20度より小さい角度のテーパ付き圧着部13を有する端子1については、端子1の全長が端子1が嵌合されるコネクタとの関係で予め決まっているため、θ=20度より小さい角度になるとアルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との長さがかなり短くなるので、本評価試験から除外した。
これによって、上述した実施形態における高さの低いアルミ電線導通圧着部11、高さの高いアルミ電線保持圧着部12、及びアルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との間が高さ方向でつながるような傾斜部を有するテーパ付き圧着部13を有するアルミ電線への端子圧着構造であって、端子1の高さ方向及び長手方向と垂直方向から見た場合にテーパ付き圧着部13のテーパ面と端子1の長手方向の軸線とのなす角θが、20°≦θ≦70°となっているアルミ電線への端子圧着構造が、機械的接続性及び電気的接続性の双方について合格して○となっており、係る寸法関係を有するアルミ電線への端子圧着構造の有用性を裏付けることができた。
続いて、実施例2における評価試験について説明する。実施例2における評価試験においては、アルミ電線Wの導体部断面積が2mmのアルミ電線に銅合金でできた端子1を圧着するにあたって、図3に示すアルミ電線導通圧着部11の圧着率を%表示したhe部断面積比と、アルミ電線保持圧着部12の圧着率を%表示したht部断面積比とを組み合わせた様々な端子1をアルミ電線Wに圧着し、この圧着した端子1の機械的接続性と電気的接続性についてそれぞれ調べた。そして、図11に示す評価試験結果を得た。
この評価試験結果から、上述した実施形態における高さの低いアルミ電線導通圧着部11、高さの高いアルミ電線保持圧着部12、及びアルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との間が高さ方向でつながるような傾斜部を有するテーパ付き圧着部13を有するアルミ電線への端子圧着構造であって、端子圧着前後のアルミ電線導体部の断面積の比率が、アルミ電線保持圧着部において82〜97%となっており、かつアルミ電線導通圧着部11において50〜75%となっているアルミ電線Wへの端子圧着構造が、機械的接続性及び電気的接続性の双方について合格して○となっており、係る寸法関係を有するアルミ電線への端子圧着構造の有用性を裏付けることができた。
続いて、実施例3における評価試験について説明する。実施例3における評価試験においては、アルミ電線Wの導体部断面積が2mmのアルミ電線に銅合金でできた端子1を圧着するにあたって、アルミ電線サイズを横軸とし、アルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との段差(図3におけるht−he)を縦軸としたグラフ内の様々な寸法関係を有する端子をアルミ電線に圧着し、この圧着した端子の機械的接続性と電気的接続性についてそれぞれ調べた。なお、本実施例においては、テーパ付き圧着部13の端子長手方向中点からアルミ電線導通圧着部11の先端までの距離leとテーパ付き圧着部13の端子長手方向中点からアルミ電線保持圧着部12の後端までの距離lt(図3参照)の寸法関係については、le:lt=5:5として圧着した。
より具体的には、上述した実施形態における高さの低いアルミ電線導通圧着部11、高さの高いアルミ電線保持圧着部12、及びアルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との間が高さ方向でつながるような傾斜部を有するテーパ付き圧着部13を有するアルミ電線への端子圧着構造であって、端子圧着前のアルミ電線の導体部の断面積をx mm2を横軸とし、アルミ電線保持圧着部12とアルミ電線導通圧着部11との端子高さ方向の段差量をy mmを縦軸として図12に示す多数のスポットで規定される寸法関係を有する端子1をアルミ電線Wに圧着した。そして、この圧着した端子の機械的接続性と電気的接続性に問題のない寸法関係の端子を○とし、問題のある寸法関係の端子を×とした。そして、○が分布する範囲を規定(画定)する2つの近似曲線を求めた。
その結果、上述した実施形態における高さの低いアルミ電線導通圧着部11、高さの高いアルミ電線保持圧着部12、及びアルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との間が高さ方向でつながるような傾斜部を有するテーパ付き圧着部13を有するアルミ電線への端子圧着構造であって、0.15 ln x +0.1≦y≦0.2 ln x +0.3で規定される寸法関係を有するアルミ電線への端子圧着構造が、機械的接続性及び電気的接続性の双方について合格して○となっており、係る寸法関係を有するアルミ電線への端子圧着構造の有用性を裏付けることができた。
続いて、実施例4における評価試験について説明する。実施例4における評価試験においては、アルミ電線の導体部断面積が1mmのアルミ電線に銅合金でできた端子1を圧着したアルミ電線Wへの端子圧着構造であって、アルミ電線保持圧着部12の断面積に対するアルミ電線導通圧着部11の断面積の比が73%、アルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との段差比が0.2mm、テーパ付き圧着部13のテーパ面と端子の軸線とのなす角は30度となるように圧着した。
ここで本実施例では、テーパ付き圧着部13の端子長手方向中点からアルミ電線導通圧着部11の先端までの距離leとテーパ付き圧着部13の端子長手方向中点からアルミ電線保持圧着部12の後端までの距離lt(図3参照)について、それぞれの長さ比を変えて端子1をアルミ電線に圧着Wし、その機械的接続性と電気的接続性について評価試験を行った。その結果、図13に示すような評価試験結果が得られ、上述した実施形態における高さの低いアルミ電線導通圧着部11、高さの高いアルミ電線保持圧着部12、及びアルミ電線導通圧着部11とアルミ電線保持圧着部12との間が高さ方向でつながるような傾斜部を有するテーパ付き圧着部13を有するアルミ電線への端子圧着構造であって、アルミ電線保持圧着部12とアルミ電線導通圧着部11の端子長手方向の長さの比が、7:3〜3:7の寸法関係を有するアルミ電線への端子圧着構造が、機械的接続性及び電気的接続性の双方について合格して○となっており、係る寸法関係を有するアルミ電線への端子圧着構造の有用性を裏付けることができた。
以上説明したように、本発明にかかるアルミ電線への端子圧着構造によると、アルミ電線導電圧着用バレルとアルミ電線被覆部圧着用インシュレーションバレルを備えた端子をアルミ電線に圧着したアルミ電線への端子圧着構造において、端子を圧着する際に端子圧着用クリンパが移動する方向と逆方向を端子の高さ方向とした場合に端子圧着後にアルミ電線導電圧着用バレルの一部が高さの低いアルミ電線導通圧着部として形成されるとともに、当該アルミ電線導電圧着用バレルの他の一部が高さの高いアルミ電線保持圧着部として形成され、かつアルミ電線導通圧着部とアルミ電線保持圧着部との間が高さ方向でつながるような傾斜部を有するテーパ付き圧着部として形成されることで、アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との境界領域に亀裂の生じることのないアルミ電線への端子圧着構造とすることができることが分かった。
そして、好ましくは、このようなアルミ電線への端子圧着構造において端子の高さ方向及び長手方向と垂直方向から見た場合にテーパ付き圧着部のテーパ面と端子の長手方向の軸線とのなす角θが、20°≦θ≦70°となっているのが良いことが分かった。
また、好ましくは、このようなアルミ電線の端子圧着構造において、端子圧着前後のアルミ電線導体部の断面積の比率が、アルミ電線保持圧着部において82〜97%となっており、かつアルミ電線導通圧着部において50〜75%となっているのが良いことが分かった。
また、好ましくは、このようなアルミ電線の端子圧着構造において、アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との端子高さ方向の段差量をy mmとし、端子圧着前のアルミ電線の導体部の断面積をx mm2とした場合に、0.15 ln x +0.1≦y≦0.2 ln x +0.3の関係を満たすのが良いことが分かった。
また、好ましくは、このようなアルミ電線の端子圧着構造において、アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部の端子長手方向の長さの比が、7:3〜3:7の範囲内であるのが良いことが分かった。
本発明の一実施形態に係るアルミ電線への端子圧着構造を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るアルミ電線への端子圧着構造を示す平面図である。 図1に示したアルミ電線への端子圧着構造の寸法関係を含んだ部分的拡大図である。 図1に示した端子のアルミ電線への圧着前の側面図である。 図1に示した端子のアルミ電線への圧着前の平面図である。 本発明の一実施形態に係るアルミ電線の端子圧着構造を実現する工程図であり、図6(a)は、その長手方向に対して側方から示しており、図6(b)は、アルミ電線の軸線方向から示している。 図6に続く工程図である。 図7に続く工程図である。 図8に続く工程図である。 本発明の一実施形態に係るアルミ電線の端子圧着構造の第1の態様の寸法関係を規定した根拠となる評価試験結果である。 本発明の一実施形態に係るアルミ電線の端子圧着構造の第2の態様の寸法関係を規定した根拠となる評価試験結果である。 本発明の一実施形態に係るアルミ電線の端子圧着構造の第3の態様の寸法関係を規定した根拠となる評価試験結果である。 本発明の一実施形態に係るアルミ電線の端子圧着構造の第4の態様の寸法関係を規定した根拠となる評価試験結果である。 従来のアルミ電線の端子圧着構造を示す図1に対応する側面図である。 従来のアルミ電線の端子圧着構造を示す図2に対応する平面図である。
符号の説明
1 端子
1a アルミ電線導電圧着用バレル
1b アルミ電線被覆部圧着用インシュレーションバレル
11 アルミ電線導通圧着部
12 アルミ電線保持圧着部
13 テーパ付き圧着部
15 絶縁被覆圧着部
5 端子
5a アルミ電線導電圧着用バレル
5b アルミ電線被覆部圧着用インシュレーションバレル
51 アルミ電線導通圧着部
52 アルミ電線保持圧着部
53 段差部
55 絶縁被覆圧着部
100 基台
101 端子圧着用クリンパ
W アルミ電線
Wa 導体部
Wb 被覆部

Claims (5)

  1. アルミ電線導電圧着用バレルとアルミ電線被覆部圧着用インシュレーションバレルを備えた端子をアルミ電線に圧着したアルミ電線への端子圧着構造において、
    端子を圧着する際に端子圧着用クリンパが移動する方向と逆方向を端子の高さ方向とした場合に端子圧着後に前記アルミ電線導電圧着用バレルの一部が高さの低いアルミ電線導通圧着部として形成されるとともに、当該アルミ電線導電圧着用バレルの他の一部が高さの高いアルミ電線保持圧着部として形成され、かつ前記アルミ電線導通圧着部とアルミ電線保持圧着部との間が高さ方向でつながるような傾斜部を有するテーパ付き圧着部として形成されていることを特徴とするアルミ電線への端子圧着構造。
  2. 前記端子の高さ方向及び長手方向と垂直方向から見た場合に前記テーパ付き圧着部のテーパ面と前記端子の長手方向の軸線とのなす角θが、20°≦θ≦70°となっていることを特徴とする請求項1記載のアルミ電線への端子圧着構造。
  3. 前記端子圧着前後のアルミ電線導体部の断面積の比率が、前記アルミ電線保持圧着部において82〜97%となっており、かつアルミ電線導通圧着部において50〜75%となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアルミ電線への端子圧着構造。
  4. 前記アルミ電線保持圧着部とアルミ電線導通圧着部との端子高さ方向の段差量をy mmとし、端子圧着前のアルミ電線の導体部の断面積をx mm2とした場合に、0.15 ln x +0.1≦y≦0.2 ln x +0.3の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のアルミ電線への端子圧着構造。
  5. 前記アルミ電線保持圧着部と前記アルミ電線導通圧着部の端子長手方向の長さの比が、7:3〜3:7の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のアルミ電線への端子圧着構造。
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