JP5785899B2 - トナー搬送装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

トナー搬送装置及びそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いられるトナー搬送装置に関するものである。
従来の画像形成装置においては、主に粉末の現像剤が使用され、現像装置を用いて感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を可視化し、その可視像(トナー像)を記録媒体上に転写した後、定着処理を行うプロセスが一般的である。像担持体表面に残存するトナーはクリーニング装置により除去され、新たなトナー像の形成が行われる。クリーニング装置によって除去された残留トナーは、廃トナーボトル内へ貯留される。所定枚数印字後に廃トナーボトルが満杯になると、ユーザーに通知されて廃トナーボトルの廃棄、交換が行われる。
クリーニング装置から廃トナーボトルへの廃トナー回収経路として、パイプ状の搬送路内に搬送スクリューを備えたトナー搬送経路を用いたものが知られている。このようなトナー搬送経路では、搬送スクリューの外径、及び搬送路の内径の寸法公差や搬送スクリューの反り等により、搬送スクリューの回転時における外周縁の軌道が搬送路の内径よりも大きくなると、摩擦により過大な回転負荷が発生して搬送スクリューが回転しなくなるおそれがある。そのため、通常は搬送スクリューの外径が搬送路の内径よりも小さくなるように寸法設定がなされる。
しかし、このような寸法設定を行うと、搬送スクリューと搬送路との間にクリアランス(隙間)が存在するため、搬送スクリューに反りがあった場合は搬送スクリューが径方向に振れながら(偏芯しながら)回転し、搬送路の内面に衝突して打撃音が発生する。
より具体的には、搬送スクリューに反りがあると、反りが下向きの時は搬送スクリューの自重による撓みが反りと同方向に加わり、変形量が大きくなる。一方、反りが上向きの時は搬送スクリューの自重による撓みが反りと反対方向に作用するため変形量は小さくなる。そのため、反りが上向きの状態から搬送スクリューが回転すると、変形量が小さくバランスがとれていた状態から搬送スクリューの自重による撓みが反りを大きくする方向に徐々に作用していくため、搬送スクリューは大きく波打つように変形しながら回転し、搬送路の内面に衝突する。このとき、発生する打撃音は、反りが大きいほど、搬送スクリューと搬送路の内面とのクリアランス(隙間)が大きいほど大きくなり、また搬送スクリューの重量が大きいほど大きくなる。
そこで、特許文献1には、搬送スクリューの螺旋状突起(螺旋羽)の外径と、筒状搬送路の内径とがきわめて近接した部分を設け、搬送スクリューの外径の一部が筒状搬送路の内側に当接しながら安定して回転できるようにしたトナー搬送装置が開示されている。
また、特許文献2には、半管状部分を有するパイプ本体と、半管状部分に接合される半管状蓋体とで構成され、パイプ本体と半管状蓋体との接合面を略平面とし、接合部を超音波溶着した、気密性、寸法精度に優れたトナー搬送用パイプが開示されている。
特開2002−132109号公報 特開2005−91809号公報
しかし、特許文献1、2の方法では、部品の寸法公差や組み立て公差により搬送スクリューと筒状搬送路とのクリアランスの設定には限界があり、搬送スクリューに生じる反りがクリアランスを超える場合は搬送路の内面に衝突してしまうため、打撃音を確実に防ぐことはできなかった。また、特許文献1では、搬送スクリューの螺旋羽のほぼ1周分に亘って螺旋羽の外径と筒状搬送路の内径とを近接させているため、螺旋羽のほぼ1周分が搬送路の内面と擦れて回転負荷が大きくなり、搬送スクリューと搬送路とのクリアランスにトナーが介在することで回転負荷がさらに上昇すると、摩擦熱によりトナーの流動性が低下して搬送効率が悪くなり、そのまま長期間放置した場合はトナーが固化してしまうおそれもあった。
以上、パイプ状の搬送路内に搬送スクリューを備えたトナー搬送経路をクリーニング装置から廃トナーボトルへの廃トナー回収経路に用いた場合の問題点について説明したが、現像装置へトナーを補給するためのトナーカートリッジが搭載されており、現像装置内のトナー消費に応じてトナーカートリッジから現像装置へトナーを補給する際に用いるトナー補給経路においても、搬送パイプ内に搬送スクリューを備えたトナー搬送経路を用いる場合は同様の問題が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑み、搬送スクリューと搬送路内面との衝突による打撃音の発生を防止するとともに、長期間にわたり安定したトナー搬送性能を維持可能としたトナー搬送装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、回転軸と、該回転軸の外周面に形成される搬送羽とを有する搬送スクリューと、該搬送スクリューが内部に回転可能に配置される断面円形状のトナー搬送パイプと、を備えるトナー搬送装置において、前記搬送羽には、前記回転軸の軸方向から見た外周縁が前記回転軸の軸心を中心とする円弧状であるリブが、前記搬送羽の1ピッチ以上の間隔を隔てて複数形成されており、前記回転軸の軸心から前記各リブの外周縁までの距離は、前記トナー搬送パイプの内周面の半径と等しいか、または内周面の半径よりも僅かに小さく、前記各リブは前記搬送羽の1/2周以下の範囲に180°以内の範囲で位相をずらして形成されており、前記回転軸の軸方向から見た前記各リブの形成範囲を合わせると180°を超えることを特徴としている。
また本発明は、上記構成のトナー搬送装置において、前記各リブは、前記回転軸の軸方向から見て前記搬送羽の外周縁に均等に割りつけられるように形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成のトナー搬送装置において、前記回転軸の軸方向から見た前記各リブの形成範囲を合わせると360°以上となることを特徴としている。
また本発明は、上記構成のトナー搬送装置において、前記各リブは、前記回転軸の軸方向から見て端部が互いに重なり合うように形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成のトナー搬送装置において、前記搬送スクリューの長手方向における前記リブの形成範囲は、前記搬送スクリューの長手方向の略中央部であって、前記搬送スクリューの全長の1/3以内の範囲であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成のトナー搬送装置が搭載された画像形成装置である。
本発明の第1の構成によれば、搬送スクリューは搬送羽の外周面に回転軸の軸方向から見て180°を超える範囲に形成された複数のリブによって回転軸が略一直線状となるように支持された状態で回転するため、搬送スクリューの反りと自重による撓みとの相互作用による搬送スクリューの変形が抑制される。従って、搬送スクリューとトナー搬送パイプの内面との衝突による打撃音の発生を効果的に抑制することができる。また、各リブは搬送羽の1ピッチ以上の間隔を隔てて形成され、搬送羽の1/2周以下の範囲に180°以内の範囲で位相をずらして形成されるため、回転軸の撓みによって径方向に加わる負荷を逃がすことができる。従って、リブとトナー搬送パイプの内壁面との接触により搬送スクリューの回転負荷が上昇したり、搬送スクリューが回転不能となったりするおそれもない。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成のトナー搬送装置において、各リブを回転軸の軸方向から見て搬送羽の外周縁に均等に割りつけられるように形成したので、径方向のバランスが均一である回転ムラの少ない搬送スクリューとなる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成のトナー搬送装置において、回転軸の軸方向から見た各リブの形成範囲を合わせると搬送羽の1周以上となるようにしたので、搬送スクリューの径方向へのがたつきを確実に防止することができる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第3の構成のトナー搬送装置において、各リブは、回転軸の軸方向から見て端部が互いに重なり合うように形成したので、トナー搬送パイプが軸方向に二分割された半円筒状の部材を組み合わせて形成されている場合に、各部材の継ぎ目にリブの端部が引っ掛かり難くなり、搬送スクリューの回転が円滑なものとなる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1乃至第4のいずれかの構成のトナー搬送装置において、搬送スクリューの反りが発生し易い搬送スクリューの長手方向の略中央部において、搬送スクリューの全長の1/3以内の範囲にリブを形成することにより、搬送スクリューを円滑に回転させる効果が得られる必要最小限の範囲にリブを形成することができる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1乃至第5のいずれかの構成のトナー搬送装置を搭載することにより、搬送スクリューとトナー搬送パイプの内面との衝突による打撃音の発生、及びトナー搬送パイプ内のトナーの流動性の低下や固化を効果的に防止可能な、静音性及びメンテナンス性に優れた画像形成装置となる。
本発明のトナー搬送装置30を備えた画像形成装置1の全体構成を示す概略断面図 本発明の一実施形態に係るトナー搬送装置30及びこれに連結されるクリーニング装置7付近の構成を示す側面断面図 本発明のトナー搬送装置30を構成するトナー搬送パイプ31を長手方向の略中央部で切断した状態を示す斜視図 本発明のトナー搬送装置30に用いられる搬送スクリュー35の拡大斜視図 トナー搬送パイプ31をリブ40aに対応する位置で切断した断面を搬送スクリュー35の軸方向から見た正面図 トナー搬送パイプ31をリブ40bに対応する位置で切断した断面を搬送スクリュー35の軸方向から見た正面図 トナー搬送パイプ31をリブ40cに対応する位置で切断した断面を搬送スクリュー35の軸方向から見た正面図 トナー搬送パイプ31をリブ40dに対応する位置で切断した断面を搬送スクリュー35の軸方向から見た正面図 搬送羽35aの約1/3周(120°)の範囲にリブ40a〜40cを形成した搬送スクリュー35及びトナー搬送パイプ31を、リブ40aに対応する位置で切断した断面を搬送スクリュー35の軸方向から見た正面図 搬送羽35aの約1/2周(180°)の範囲にリブ40a、40bを形成した搬送スクリュー35及びトナー搬送パイプ31を、リブ40aに対応する位置で切断した断面を搬送スクリュー35の軸方向から見た正面図
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の画像形成装置1の構成を示す概略断面図である。画像形成装置(例えばモノクロプリンター)1では、画像形成動作を行う場合、帯電ユニット2により図1の時計回り方向に回転する感光体ドラム3が一様に帯電され、画像データに基づく露光ユニット(レーザー走査ユニット等)4からのレーザービームにより感光体ドラム3上に静電潜像が形成され、現像ユニット5により静電潜像に現像剤(以下、トナーという)が付着されてトナー像が形成される。
この現像ユニット5へのトナーの供給はトナーコンテナ6から行われる。なお、画像データはパーソナルコンピューター(図示せず)等から送信される。また、感光体ドラム3の表面の残留電荷を除去する除電装置(図示せず)が、感光体ドラム3の回転方向に対しクリーニング装置7の下流側に設けられている。
上記のようにトナー像が形成された感光体ドラム3に向けて、シート(転写紙、OHP等)が給紙カセット8からシート搬送路9を経由して搬送され、レジストローラー対10で転写ローラー11(画像転写部)への給送タイミングが調整される。そして、転写ローラー11により感光体ドラム3の表面に形成されたトナー像がシートに転写される。トナー像が転写されたシートは感光体ドラム3から分離され、定着ローラー対12を有する定着部13に搬送されてトナー像が定着される。定着部13を通過したシートは、シート搬送路14により装置上部に搬送され、排出ローラー対15より排出トレイ16に排出される。
一方、感光体ドラム3の表面に残留しているトナーはクリーニング装置7により除去される。そして、感光体ドラム3は除電装置(図示せず)により除電された後、帯電ユニット2によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われる。
感光体ドラム3は、例えばアルミドラムの外周面にアモルファスシリコン(a−Si)や有機感光層(OPC)から成る感光層が積層されたものであり、帯電ユニット2により、表面を帯電させるようになっている。そして、露光ユニット4からのレーザービームを受けた表面に帯電を減衰させた静電潜像を形成する。帯電ユニット2は、放電(例えばコロナ放電)することで感光体ドラム3の表面を帯電させるものであり、例えば細いワイヤー等を電極として、高電圧を印加されることで放電するようになっている。
露光ユニット4は、画像データに基づいて、光ビーム(例えばレーザービーム)を感光体ドラム3に照射し、感光体ドラム3の表面に静電潜像を形成する。現像ユニット5は、感光体ドラム3に対向配置された現像ローラーを備え、内部に収容された現像剤を現像ローラーにより感光体ドラム3の静電潜像に付着させて、トナー像を形成する。
クリーニング装置7は、トナー像がシートに転写された後に、感光体ドラム3の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。クリーニング装置7の詳細な構成については後述する。
定着部13は、内部にハロゲンランプ等が配設された図1の時計回り方向に回転する加熱ローラー、及び反時計回り方向に回転する加圧ローラーから成る定着ローラー対12がハウジング内に収納されている。転写ローラー11によりトナー像が転写されたシートは、定着部13内に搬入されて定着ローラー対12の定着ニップ部を通過する。このとき所定の温度及び圧力により加熱、加圧され、シート上のトナー像が溶融定着されて永久像とされる。
図2は、本発明のトナー搬送装置30を含むクリーニング装置7付近の構成を示す要部断面図である。クリーニング装置7のハウジング7a内にはスプリング(図示せず)により感光体ドラム3の長手方向に線接触する摺擦ローラー21、クリーニングブレード22、及び回収スクリュー23を備えている。
摺擦ローラー21は感光体ドラム3に所定の圧力で圧接されており、図示しない駆動手段により感光体ドラム3との当接面において同一方向に回転(順回転)するが、その周速は感光体ドラム3の周速よりも速くなるように(ここでは1.2倍)制御されている。摺擦ローラー21としては、例えば金属シャフトの周囲にローラー体としてEPDMゴム製でアスカC硬度55°の発泡体層を形成した構造が挙げられる。ローラー体の材質としてはEPDMゴムに限定されず、他の材質のゴムや発泡ゴム体であっても良く、アスカC硬度が10〜90°の範囲のものが好適に使用される。
感光体ドラム3表面の、摺擦ローラー21との当接面よりも回転方向下流側には、クリーニングブレード22が感光体ドラム3に当接した状態で固定されている。クリーニングブレード22としては、例えばJIS硬度が78°のポリウレタンゴム製のブレードが用いられ、その当接点において感光体ドラム3の接線方向に対し所定の角度で取り付けられている。なお、クリーニングブレード22の材質及び硬度、寸法、感光体ドラム3への食い込み量及び圧接力等は、感光体ドラム3の仕様に応じて適宜設定される。
摺擦ローラー21或いはクリーニングブレード22により感光体ドラム3表面から掻き落とされた残留トナーは重力により落下し、ハウジング7a内に徐々に堆積する。そして、回収スクリュー23が回転することにより、ハウジング7a内のトナーはハウジング7aの長手方向(図2の紙面と垂直な方向)に順次搬送され、ハウジング7aの底面の一端に設けられたトナー排出部25からクリーニング装置7の外部に排出される。
トナー搬送装置30は、トナー搬送パイプ31及び搬送スクリュー33を含む構成である。トナー搬送パイプ31の両端にはトナー搬入口32、トナー排出口33が形成されており、トナー搬入口32はクリーニング装置7のトナー排出部25に、トナー排出口33は廃トナーボトル37にそれぞれ連結されている。搬送スクリュー35は、搬送羽(螺旋羽)35a及びその中心を貫通する回転軸35bから構成されており、トナー搬送パイプ31内に回転可能に支持されている。回転軸35bの一端はトナー搬送パイプ31の外部に延長されており、その先端には駆動入力ギア39が付設されている。駆動入力ギア39は駆動モーター(図示せず)に連結されており、搬送スクリュー35は所定の速度で回転駆動される。搬送スクリュー35が図中矢印A方向に回転することにより、クリーニング装置7からトナー搬入口32を介してトナー搬送パイプ31内に搬入されたトナーはトナー搬送パイプ31内を矢印B方向に順次搬送され、トナー排出口33を介して廃トナーボトル37内へ貯留される。
図3は、本発明のトナー搬送装置30に用いられるトナー搬送パイプ31を長手方向の略中央部で切断した状態を示す斜視図、図4は、本発明のトナー搬送装置30に用いられる搬送スクリュー35の拡大斜視図である。図3に示すように、トナー搬送パイプ31は、断面半円弧状の上パイプ31aと下パイプ31bとを組み合わせて円筒状に形成されている。図4に示すように、搬送スクリュー35は、搬送羽35aの外周縁にリブ40a、40b、40c、及び40dが一体形成されている。なお、図4ではリブ40dは図示していない。
リブ40a〜40dの外周縁は、回転軸35bの軸方向から見たとき、回転軸35bの軸心O(図5参照)を中心とする円弧状である。軸心Oからリブ40a〜40dの外周縁までの距離は、トナー搬送パイプ31の内周面の半径と等しいか、内周面の半径よりも僅かに小さく形成されている。また、各リブ40a〜40dは、搬送羽35aの約1/4周(90°)の範囲に形成されており、搬送羽35aの2ピッチ毎に90°ずつ位相をずらして形成されている。
図5〜図8は、トナー搬送パイプ31の断面を搬送スクリュー35の軸方向から見た正面図であり、それぞれリブ40a〜40dに対応する位置の断面を示している。なお、図5〜図8において、軸心Oから上パイプ31aに延びる垂線方向を0°とし、時計回り方向に角度が大きくなるものとする。図5では、リブ40aが約0°〜90°の範囲でトナー搬送パイプ31の内壁面と接触または近接しており、搬送スクリュー35はリブ40aの形成方向(図5の右上方向)への移動が規制される。
同様に、図6〜図8では、リブ40b〜40dがそれぞれ約90°〜180°、約180°〜270°、約270°〜360°の範囲でトナー搬送パイプ31の内壁面と接触または近接しており、搬送スクリュー35はそれぞれリブ40b〜40dの形成方向への移動が規制される。即ち、搬送スクリュー35は回転軸35bの全周(360°)に亘って径方向への移動が規制されており、回転軸35bの軸心Oは、トナー搬送パイプ31の中心軸と略一致している。
この構成により、搬送スクリュー35に反りがある場合に、搬送スクリュー35の回転に伴い反りの方向が最上点を越え、自重による撓みで反りを大きくする方向(径方向外側)に振れようとしても、搬送羽35aの外周縁に形成されたリブ40a〜リブ40dがトナー搬送パイプ31の内壁面に接触するため、反りと自重による撓みとの相互作用による搬送スクリュー35の径方向における波打つような変形が抑制される。従って、搬送スクリュー35はリブ40a〜40dによって回転軸35bが略一直線状となるように支持された状態で回転し、搬送スクリュー35とトナー搬送パイプ31の内面との衝突による打撃音の発生も効果的に抑制することができる。
ここで、リブ40a〜40dは、搬送羽35aの2ピッチ毎に90°ずつ位相をずらして形成されているため、搬送スクリュー35全体で見ると回転軸35b周りの全周において径方向への移動が規制されているが、搬送羽35aの1ピッチの範囲で見ると回転軸35b周りの1方向(90°の範囲)しか規制されておらず、他の方向(270°の範囲)には所定のクリアランスCが確保されている。
このクリアランスCは、トナー搬送パイプ31や搬送スクリュー35の寸法公差や組み立て公差を吸収できる程度に設定されているため、搬送スクリュー35は回転軸35bの撓みによって径方向に加わる負荷を逃がすことができる。従って、リブ40a〜40dとトナー搬送パイプ31の内壁面との接触により搬送スクリュー35の回転負荷が上昇したり、搬送スクリュー35が回転不能となったりするおそれもない。
従って、搬送スクリュー35の回転負荷が上昇することなく円滑に回転するため、搬送スクリュー35の回転に起因する摩擦熱の発生を抑制することができ、トナー搬送パイプ31内におけるトナーの流動性の低下や固化を効果的に抑制することができる。また、搬送スクリュー35を回転させる駆動モーターの負荷も低減することができる。
また、各リブ40a〜40dを回転軸35bの軸方向から見て搬送羽35aの外周縁に均等に割りつけることにより、径方向のバランスが均一である回転ムラの少ない搬送スクリュー35となる。さらに、各リブ40a〜40dの形成範囲を合わせると搬送羽35aの1周(360°)以上となるようにすることで、搬送スクリュー35の径方向へのがたつきを確実に防止することができる。
このとき、図5〜図8に示すように、回転軸35bの軸方向から見た各リブ40a〜40dの端部が互いに重なるように形成し、回転軸35bの軸方向から見たときリブ40a〜40dの隙間が無い状態にしておくことで、上パイプ31aと下パイプ31bとの継ぎ目にリブ40a〜40dの端部が引っ掛かり難くなり、搬送スクリュー35の回転が円滑なものとなる。
なお、本実施形態では搬送羽35aの約1/4周(90°)の範囲にリブ40a〜40dを形成し、各リブ40a〜40dの位相を90°ずつずらしているが、これに限らず、搬送羽35aの1/2周(180°)以下の範囲にリブを形成し、各リブの位相を180°以内の任意の角度でずらすことができる。そして、回転軸35bの軸方向から見た各リブの形成範囲を合わせると180°を超えるようにすることで、搬送スクリュー35の径方向への移動を規制しつつ、搬送スクリュー35の回転負荷の上昇も抑制することができる。
例えば、図9に示すように、搬送羽35aの約1/3周(120°)の範囲にリブ40aを形成し、搬送羽35aの2ピッチ毎に120°ずつ位相をずらしてリブ40b、40c(破線で表示)を形成しても良い。また、図10に示すように、搬送羽35aの約1/2周(180°)の範囲にリブ40aを形成し、2ピッチ離れた搬送羽35aに位相を180°ずらしてリブ40b(破線で表示)を形成しても良い。
また、各リブを形成する軸方向の間隔も搬送羽35aの2ピッチ毎に限らず、搬送羽35aの1ピッチ毎に形成しても良いし、3ピッチ毎に形成しても良い。
また、本実施形態ではリブ40a〜40dを搬送スクリュー35の長手方向の略中央部のみに形成したが、リブ40a〜40dを搬送スクリュー35の長手方向全域に亘って所定の間隔で複数個所に形成しても良い。しかし、搬送スクリュー35の反りは長手方向の中央部に発生する場合がほとんどであり、リブ40a〜リブ40dを長手方向の両端部近傍に形成しても搬送スクリュー35の変形を抑制する効果はあまり期待できない。リブ40a〜40dは、搬送スクリュー35の長手方向の略中央部において、搬送スクリュー35の全長の1/3以内の範囲に対向するように形成すれば十分な効果が期待できる。
その他、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態においては、摺擦ローラー21及びクリーニングブレード22を備えたクリーニング装置7について説明したが、本発明のトナー搬送装置30は、例えばクリーニングブレード22のみを備えたクリーニング装置7や、クリーニングブレード22に代えてファーブラシを備えたクリーニング装置7等、種々の構成のクリーニング装置に適用することができる。
また、上記実施形態においては回転軸35bの周囲に螺旋状の搬送羽35aが連続的に設けられた搬送スクリュー35を用いているが、搬送羽35aは螺旋形状に限定されず、例えば複数の半月状板体(円形の板を2分割したもの)を、回転軸35bの周囲に所定の傾斜角度で交互に配設して搬送羽35aとしたものを搬送スクリュー35として用いても良い。
また上記各実施形態では、本発明のトナー搬送装置30をクリーニング装置7から廃トナーボトル37までの廃トナー搬送経路に配置した例について説明したが、例えばトナーコンテナ6から現像ユニット5までのトナー搬送経路にも全く同様に適用可能である。
本発明は、トナー搬送パイプと、トナー搬送パイプ内に配置される搬送スクリューとを有するトナー搬送装置に利用可能である。本発明の利用により、搬送スクリューとトナー搬送パイプの内面との衝突による打撃音の発生を抑制するとともに、搬送スクリューの回転負荷の上昇によるトナーの流動性の低下や固化を効果的に防止することができる。
1 画像形成装置
3 感光体ドラム
7 クリーニング装置
21 摺擦ローラー
22 クリーニングブレード
30 トナー搬送装置
31 トナー搬送パイプ
31a 上パイプ
31b 下パイプ
32 トナー搬入口
33 トナー排出口
35 搬送スクリュー
35a 搬送羽
35b 回転軸
37 廃トナーボトル
40a〜40d リブ
O 軸心

Claims (3)

  1. 回転軸と、該回転軸の外周面に形成される搬送羽とを有する搬送スクリューと、
    該搬送スクリューが内部に回転可能に配置される断面円形状のトナー搬送パイプと、
    を備えるトナー搬送装置において、
    前記搬送羽には、前記回転軸の軸方向から見た外周縁が前記回転軸の軸心を中心とする円弧状であるリブが、前記搬送羽の1ピッチ以上の間隔を隔てて複数形成されており、
    前記回転軸の軸心から前記各リブの外周縁までの距離は、前記トナー搬送パイプの内周面の半径と等しいか、または内周面の半径よりも僅かに小さく、前記各リブは前記搬送羽の1/2周以下の範囲に180°以内の範囲で位相をずらして形成されており、前記回転軸の軸方向から見た前記各リブの形成範囲を合わせると360°以上となることを特徴とするトナー搬送装置。
  2. 前記各リブは、前記回転軸の軸方向から見て前記搬送羽の外周縁に均等に割りつけられるように形成されることを特徴とする請求項1に記載のトナー搬送装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のトナー搬送装置が搭載された画像形成装置
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