JP5785737B2 - 鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の接近を告知するための告知音を出力する鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置に関する。
近年、開発が進んでいる電動車両やハイブリッド車両等のモータ車両においては、電動モータによって走行する際の走行音がエンジン車両の走行音に比して小さいため、歩行者等がモータ車両の接近を認知し難いという課題があり、この課題への適切な対処が求められている。
例えば下記特許文献1には、主に低速時に電動モータの駆動力で走行するハイブリッド四輪車において、車速が所定値以下でかつブレーキが操作されていることを検知すると、車体前部のバンパの内側に配設されたスピーカから告知音を出力することで、当該車両の接近を歩行者等に知らせるようにした車両接近告知装置が開示されている。
特開2008−195137号公報
しかしながら、四輪車に比して余剰スペースが少ない二輪車等の鞍乗り型車両にスピーカ(発音器)を取り付ける際には、あまり大きなスピーカを適用できないため、比較的小型のスピーカを用いた場合でも高い告知効果が得られる配置が望まれる。
また、比較的小型の鞍乗り型車両の場合、スピーカを運転者から離すのに限界があり、運転者への告知音の聞こえの低減と本来の目的である周辺への通報音量とのバランスが難しいという課題もある。
そこで本発明は、車両の接近を周囲に告知するための告知音を出力する発音器の配置を最適化した鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、動力機関(41,103,M,332)に電動モータを含む鞍乗り型電動車両(10,101,201,301)の車体に取り付けられた発音器(48,48’,160,160’,251,341)から周囲に対して前記鞍乗り型電動車両(10,101,201,301)の接近を周囲に告知するための告知音を出力する、鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置(40,140,250,340)であって、
前記鞍乗り型電動車両(10,101,201,301)は、その車体フレーム(11,111,234,305)のヘッドパイプ(12,112,236,312)の周囲を覆うフロントカバー(43A,121A,207A,324A)を備え、前記発音器(48,48’,160,160’,251,341)は、その発音方向(48a,48a’,160a,160a’,251a,341a)を斜め下前方に指向させて、前記フロントカバー(43A,121A,207A,324A)の内方に配置され
前記発音器(48,48’,160,160’,251,341)は、前記電動モータの回転数の上昇と比例して前記告知音の周波数を上昇させると共に、この告知音の周波数の上昇比率は、前記電動モータの回転数の上昇比率よりも小さくなるように設定されることを特徴とする。
なお、前記鞍乗り型電動車両には、運転者が車体を跨いで乗車する電動車両全般が含まれ、二輪車(スクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
請求項2に記載した発明は、前記発音器(48,251,341)からその発音方向(48a,251a,341a)に沿って斜め下前方に延びる発音ダクト(49,251c,342)を備え、前記発音器(48,251,341)は、前記フロントカバー(43A,207A,324A)内方にて前記車体フレーム(11,234,305)に取り付けられ、かつ前記発音ダクト(49,251c,342)を通じて前記フロントカバー(43A,207A,324A)外方に発音することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記発音器(48,48’,160,160’,341)は、前記ヘッドパイプ(12,112,312)よりも下方に配置されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記発音器(48,48’,160,341)は、前記鞍乗り型電動車両(10,101,301)のフロントフェンダ(16a,105a,307a)の外周方に配置されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記ヘッドパイプ(12,312)から斜め後下方に延びる車体フレーム部材(21,305f)を備え、前記ヘッドパイプ(12,312)には、前輪(16,307)を懸架するべく斜め前下方に延びるフロントフォーク(15,313)が転舵可能に支持され、前記発音器(48,48’,341)は、側面視で前記車体フレーム部材(21,305f)の前方かつ前記フロントフォーク(15,313)の後方に配置されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記ヘッドパイプ(112)には、前輪(105)を懸架するべく斜め前下方に延びるフロントフォーク(106)が転舵可能に支持され、前記発音器(160)は、側面視で前記フロントフォーク(106)の前方に配置されることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記発音器(48,48’,160,160’,251,341)の発音周波数は、100HZ〜800HZの間に設定されることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、発音器の発音方向を斜め下前方に指向させることで、地面の音反射も利用しながら告知音を効率よく周囲に伝播できる。
また、鞍乗り型電動車両における比較的前後に狭いフロントカバー内に告知音の反射を考慮した発音器の配置が可能となり、小型の発音器でも高い告知効果を得られる。
さらに、発音器を運転者から遠隔して配置し、かつその発音方向を運転者に対して反対方向に指向させることで、告知音の運転者への聞こえを低減できる。
そして、電動モータの回転数の上昇と比例して発音器の発音周波数を上昇させることで、車両の加減速の様子が歩行者等にも把握可能であり、発音器の配置と相俟って、小型の発音器でも高い告知効果を得ることができる。
また、電動モータの回転数の上昇比率よりも告知音の周波数の上昇比率を小さくすることで、車両の加速を周囲に認知させながらも、告知効果が高くかつ好感の持てる音域に告知音を設定することができる。
請求項2に記載した発明によれば、発音器をフロントカバー内方に配置しながらも、告知音を発音ダクトからフロントカバー外方へ効率よくかつ指向性を持って放音でき、告知効果をより高めると共に運転者への告知音の聞こえもより低減できる。
請求項3に記載した発明によれば、比較的部品の少ないヘッドパイプの下方空間を利用して発音器を運転者から遠隔してかつ地面に近付けて配置でき、運転者への告知音の聞こえを低減すると共に、地面からの音反射も利用して効率よく周囲に告知音を伝播できる。
請求項4に記載した発明によれば、発音器を運転者から遠隔して配置できると共に、前輪による泥はね等の掛かりが比較的少ない位置に発音器を配置することで、発音器の防水等に有利な配置にもできる。
請求項5に記載した発明によれば、ヘッドパイプの下方で車体フレーム部材及びフロントフォークを二辺とする側面視三角形状の空間内に発音器を配置することで、ヘッドパイプの下方に発音器を効率よく配置できると共に、発音器の保護が容易である。
請求項6に記載した発明によれば、ヘッドパイプの下方でフロントフォークの前方に発音器を配置することで、運転者に対して発音器をより遠隔して配置でき、告知音の運転者への聞こえをより低減できる。
請求項7に記載した発明によれば、告知音の周波数を100HZ〜800HZの間に設定することで、発音器の配置と相俟って、年齢等によらず聞き取り易くかつ好感の持てる音を小型の発音器で発することができる。
本発明の第一実施形態における鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置を適用した自動二輪車の左側面図である。 本発明の第二実施形態における鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置を適用した自動二輪車の左側面図である。 図2のA矢視図である。 本発明の第三実施形態における鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置を適用した自動二輪車の左側面図である。 本発明の第四実施形態における鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置を適用した自動三輪車の左側面図である。 各実施形態における告知音の周波数と電動モータの回転数との関係を示すグラフである。 各実施形態における告知音の音量と電動モータの回転数との関係を示すグラフである。 図6に示す制御の変形例として告知音の周波数と車速との関係を示すグラフである。 電動モータにおけるスピーカ制御ユニットの構成を示すブロック図である。 告知音出力制御の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。また、左右、前後は運転者から見た方向を意味する。
<第一実施形態>
先ず、本発明の第一実施形態について図1を参照して説明する。
図1に示す鞍乗り型電動車両としての自動二輪車10は、車体前後中間部に低床部(跨ぎ部)Lを有するスクータ型車両であり、低床部Lの内方に走行用のメインバッテリ80を搭載すると共に、メインバッテリ80の直ぐ後方に走行用のモータユニット38を搭載し、メインバッテリ80からの電力によりモータユニット38を駆動させると共に、その駆動力を駆動輪である後輪35に伝達して走行する。なお、図中矢印FRは車両前方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
自動二輪車10の車体フレーム11は、その前端部に鉛直方向に対して後傾したヘッドパイプ12を備え、このヘッドパイプ12に回動自在に挿通されたステアリングステム14及びその下端に固定されたボトムブリッジ13を介して、前輪16を下端部に軸支する左右一対のフロントフォーク15の上部がヘッドパイプ12に繰向可能に支持される。ステアリングステム14の上部はヘッドパイプ12の上方に突出し、この突出部分に操向ハンドル17が取り付けられる。左右フロントフォーク15の下部には、前輪16が跳ね上げた泥や石の飛散を抑えるフロントフェンダ16aが取り付けられる。
車体フレーム11の後部下側には、水平方向に対して後下がりに傾斜したスイングアーム34の前端部が車幅方向(左右方向)に沿うピボット軸33を介して揺動自在に支持され、このスイングアーム34の後端部に後輪35が軸支される。ピボット軸33の直前には車両前後方向に沿う駆動軸42を有するモータユニット38が配置され、このモータユニット38の駆動軸42の後端部とスイングアーム34内に挿通されたドライブシャフト52の前端部とが等速ジョイント53を介して連結される。ドライブシャフト52の後端部は、例えば傘歯車機構57を介して後輪35に動力伝達可能に係合している。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12の後部から左右に分岐するように斜め下後方に延びる左右一対の上ダウンフレーム20と、これら各上ダウンフレーム20よりも下方でヘッドパイプ12の後部から左右に分岐するように斜め下後方に延びる左右一対の下ダウンフレーム21とを有する。
上ダウンフレーム20は、ヘッドパイプ12から斜め下後方に延びた後、低床部L内方に位置する上中間屈曲部20aにて傾斜を弱めるように屈曲した後、さらに斜め下後方に延びる。以下、上ダウンフレーム20の上中間屈曲部20aよりも前方の部位を上前傾斜部20b、後方の部位を上後傾斜部20cという。
下ダウンフレーム21は、ヘッドパイプ12から上前傾斜部20bよりもやや急傾斜をなして斜め下後方に延び、低床部L内方かつ上中間屈曲部20aの斜め上前方に位置する第一屈曲部21aにてさらに傾斜を強めるように屈曲した後、車体フレーム11の下端前側に位置する第二屈曲部21bにて後方に屈曲する。その後、下ダウンフレーム21は略水平をなして後方に延び、ピボット軸33の斜め下前方に位置する第三屈曲部21cにて斜め上後方に屈曲して延びた後、その後部上端を左右シートレール23の前後中間部下側に接合する。
以下、下ダウンフレーム21のヘッドパイプ12から第一屈曲部21aまでの部位を第一傾斜部22a、第一傾斜部22aから第二屈曲部21bまでの部位を第二傾斜部22b、第二屈曲部21bから第三屈曲部21cまでの部位を下端水平部22c、第三屈曲部21cからシートレール23までの部位を後傾斜部22dという。
下ダウンフレーム21の後部傾斜部の下部前側には、上ダウンフレーム20の後端が接合される。これにより、車体フレーム11にヘッドパイプ12及びピボット軸33間に渡る左右一対のループ構造が形成される。
上ダウンフレーム20の上後傾斜部20cの前後中間部上側には、後上がりに傾斜して延びるシートレール23の前端が接合される。左右シートレール23の前後中間部下側には、下ダウンフレーム21の後傾斜部22dの上端が接合され、もってピボット軸33の斜め前上方に側面視三角形状をなす左右一対のループ構造が形成される。
シートレール23は車体後端近傍まで延び、このシートレール23に乗員着座用のシート30及び後部車体カバー等が支持される。車体フレーム11における左右の各種フレーム部材は、不図示のクロス部材を介して適宜結合されている。
下ダウンフレーム21の下端水平部22cの後部には、略水平に配されたリヤクッションユニット67の前端部が揺動自在に支持され、このリヤクッションユニット67の後端部が、リンク機構62を介してスイングアーム34の前部下側に連結される。
上ダウンフレーム20の後端部の上方には、下ダウンフレーム21の後傾斜部22dに跨って接合されたガセットプレート26が配置され、これら左右ガセットプレート26間にモータユニット38が支持される。モータユニット38は、その外観を形成するユニットケース39内に電動モータ41を収容してなる。
モータユニット38の上方には、モータドライバであるPDU(power driver unit)50が近接配置される。PDU50は、シートレール23の前部、上ダウンフレーム20の第二傾斜部22bの後部及び下ダウンフレーム21の後傾斜部22dに囲まれた前記側面視三角形状のループ構造の内方に配置される。
車体フレーム11の内方には、上ダウンフレーム20の第二傾斜部22bの間並びに下ダウンフレーム21の第二傾斜部22b及び下端水平部22cの間に入り込むように、前後に長い直方体状をなすメインバッテリ80が配置される。メインバッテリ80は、電動モータ41に電力を供給するための48〜72Vの高電圧バッテリであり、同様の直方体状をなすバッテリケース70内に収納された状態で車体フレーム11に搭載される。
ここで、図中符号43はヘッドパイプ12の周囲を前方から覆うフロントカバー体を、符号44はヘッドパイプ12の周囲を後方から覆うフロントインナーカバーを、符号45は低床部Lの上部にて上下ダウンフレーム20,21の周囲を上方から覆うフロアカバーを、符号46は低床部Lの下部にて上下ダウンフレーム20,21の周囲を下方から覆うロアカバーを、符号47は低床部Lの後方かつシート30の下方にて車体後部を覆う車体後部カバーをそれぞれ示す。
フロントカバー体43及びフロントインナーカバー44は、互いに前後に合わさることで、ヘッドパイプ12の周囲を含む車体前部を覆うフロントカバー43Aを構成する。フロントカバー43Aは、上下方向では概ね車体カバー前部の上下に渡り、かつ前後方向では概ね車体カバーの前端から低床部Lの前端に渡る範囲に設けられる。
フロントカバー43Aには、前方に開口する吸気口83が設けられると共に、吸気口83に繋がる吸気ダクト84が設けられる。吸気ダクト84の後端部は、バッテリケース70の前部上端に接続される。バッテリケース70の後部下端には排気口85が設けられる。吸気口83から吸気ダクト84を通じてバッテリケース70内に導入された外気は、メインバッテリ80を冷却した後に排気口85よりケース外(車外)に排出される。
吸気ダクト84は、車両走行時にはバッテリケース70内に走行風を導入可能とする一方、車両停車時には内蔵した電動ファン86の駆動によりバッテリケース70に外気を導入する。
吸気ダクト84の内方かつ電動ファン86の上流側には、比較的発熱量の多いDC−DCコンバータ88が配置される。DC−DCコンバータ88の上方で例えば吸気ダクト84の外方には、後述するスピーカ48の出力制御用の制御ユニット89が配置される。低床部Lの内方かつバッテリケース70の上方には、12Vのサブバッテリ87が配置される。
フロントカバー43Aの前面部には、例えばAC100Vの外部電源のコンセントを着脱可能とする充電プラグ90が設けられると共に、フロントカバー43Aの内方でヘッドパイプ12の前方には、充電プラグ90に接続した外部電源を用いてメインバッテリ80を充電可能とする充電器91が設けられる。
ここで、自動二輪車10は、自車に取り付けた発音器から所定の告知音を出力することで、歩行者等に自車の接近を知らせる車両接近告知装置40を備える。
本実施形態では、告知音を発する発音器であるスピーカ48は、フロントカバー43Aの内方であってヘッドパイプ12の下端よりも下方に配置され、左右の下ダウンフレーム21の一方又は両方の第一傾斜部22aの前側に取り付けられる。スピーカ48は、側面視でフロントフォーク15と下ダウンフレーム21の第一及び第二傾斜部22a,22bとを上二辺とする三角形状の空間内に配置される。
スピーカ48の発音方向(放音方向、図中矢印48aで示す)は斜め下前方を指向しており、この放音方向48a(スピーカ48の斜め下前方)には、同放音方向48aに沿うように斜め下前方に向けて広がりながら延びるラッパ状の発音ダクト49が設けられる。発音ダクト49の先端はフロントカバー43Aの外方に開口し、スピーカ48が発する音に指向性を持たせつつこれをフロントカバー43Aの斜め下前方に放音する。
スピーカ48の放音方向48aは、概ね自動二輪車10の進行方向を指向しており、スピーカ48の音が歩行者等に認知され易い。一方、前記放音方向48aは、運転者の頭部Hからは遠ざかる方向を指向しているので、運転者へのスピーカ48の音の聞こえは抑えられる。スピーカ48の音量等は、前記制御ユニット89により車速等に応じて制御される。スピーカ48及び制御ユニット89にはサブバッテリ87から電力が供給される。
スピーカ48及び発音ダクト49は前輪16の斜め上後方に位置するが、前輪16の斜め上後方はフロントフェンダ16aに覆われている。すなわち、スピーカ48は、フロントフェンダ16aの外周方に位置するので、スピーカ48及び発音ダクト49に対して前輪16が跳ね上げた雨水等が掛かり難い。なお、スピーカ48の設置数は問わない。
以上説明したように、上記実施形態における鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置40は、自動二輪車10の車体に取り付けられたスピーカ48から周囲に対して前記自動二輪車10の接近を周囲に告知するための告知音を出力するものであって、前記自動二輪車10が、その車体フレーム11のヘッドパイプ12の周囲を覆うフロントカバー43Aを備え、前記スピーカ48が、その発音方向48aを斜め下前方に指向させて、前記フロントカバー43Aの内方に配置されるものである。
この構成によれば、スピーカ48の発音方向48aを斜め下前方に指向させることで、地面の音反射も利用しながら告知音を効率よく周囲に伝播できる。
また、自動二輪車10における比較的前後に狭いフロントカバー43A内に告知音の反射を考慮したスピーカ48の配置が可能となり、小型のスピーカ48でも高い告知効果を得られる。
さらに、スピーカ48を運転者から遠隔して配置し、かつその発音方向48aを運転者に対して反対方向に指向させることで、告知音の運転者への聞こえを低減できる。
また、上記車両接近告知装置40は、前記スピーカ48からその発音方向48aに沿って斜め下前方に延びる発音ダクト49を備え、前記スピーカ48が、前記フロントカバー43A内方にて前記車体フレーム11に取り付けられ、かつ前記発音ダクト49を通じて前記フロントカバー43A外方に発音するものである。
この構成によれば、スピーカ48をフロントカバー43A内方に配置しながらも、告知音を発音ダクト49からフロントカバー43A外方へ効率よくかつ指向性を持って放音でき、告知効果をより高めると共に運転者への告知音の聞こえもより低減できる。
また、上記車両接近告知装置40は、前記スピーカ48が、前記ヘッドパイプ12よりも下方に配置されるものである。
この構成によれば、比較的部品の少ないヘッドパイプ12の下方空間を利用してスピーカ48を運転者から遠隔してかつ地面に近付けて配置でき、運転者への告知音の聞こえを低減すると共に、地面からの音反射も利用して効率よく周囲に告知音を伝播できる。
また、上記車両接近告知装置40は、前記スピーカ48が、前記自動二輪車10のフロントフェンダ16aの外周方に配置されるものである。
この構成によれば、スピーカ48を運転者から遠隔して配置できると共に、前輪16による泥はね等の掛かりが比較的少ない位置にスピーカ48を配置することで、スピーカ48の防水等に有利な配置にもできる。なお、フロントフェンダの外周方とは、側面視でフロントフェンダの外周部の径方向外側方を意味する(以下同様)。
また、上記車両接近告知装置40は、前記ヘッドパイプ12から斜め後下方に延びる下ダウンフレーム21を備え、前記ヘッドパイプ12には、前輪16を懸架するべく斜め前下方に延びるフロントフォーク15が転舵可能に支持され、前記スピーカ48は、側面視で前記下ダウンフレーム21の第一及び第二傾斜部22a,22bの前方かつ前記フロントフォーク15の後方に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、ヘッドパイプ12の下方で下ダウンフレーム21の第一及び第二傾斜部22a,22b及びフロントフォーク15を二辺とする側面視三角形状の空間内にスピーカ48を配置することで、ヘッドパイプ12の下方にスピーカ48を効率よく配置できると共に、スピーカ48の保護が容易である。
なお、図中符号48’はフロントカバー43Aの前縁に配置したスピーカを、符号48a’はこのスピーカ48’の発音方向をそれぞれ示す。スピーカ48’の発音方向48a’は斜め下前方を指向しており、その音はフロントカバー43Aの外方(車両前方かつ進行方向)に向けて直接放音される。この構成によっても、上記同様の作用効果に加え、発音ダクトを無くした上でカバー外方にスピーカ48’の音を効率よく放音できる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について図2,3を参照して説明する。
図2に示す鞍乗り型電動車両としての自動二輪車101は、車体中央上部に走行用のメインバッテリ102を搭載すると共に、車体中央下部には走行用のモータユニット103を搭載し、メインバッテリ102からの電力によりモータユニット103を駆動させると共に、その駆動力を駆動輪である後輪104に伝達して走行する。なお、図中矢印FRは車両前方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
自動二輪車101は、運転者がニーグリップ(knee gripping)することが可能なスポーツタイプのモータサイクルとしての態様をなし、その前輪105は左右一対のフロントフォーク106の下端部に軸支され、左右フロントフォーク106の上部はステアリングステム(不図示)を介して車体フレーム111前端のヘッドパイプ112に操向可能に枢支される。ステアリングステム(又はフロントフォーク106)の上部には操向ハンドル108が取り付けられる。
ヘッドパイプ112からは左右一対のメインフレーム113が後下がりに後方に延出し、左右メインフレーム113の後端部からはそれぞれピボットフレーム114が下方に延出する。左右ピボットフレーム114にはピボット軸114aを介してスイングアーム115の前端部が上下揺動可能に枢支され、スイングアーム115の後端部には後輪104が軸支される。
自動二輪車101の車体前部は、その前方、側方及び下方からカウリング121により覆われる。以下、カウリング121におけるヘッドパイプ112の周囲を覆う部位(車両前方に臨む部位及び当該部位に後方から合わさる部位)をフロントカバー121Aという。
左右メインフレーム113の後端部及び左右ピボットフレーム114からは、シートフレーム116が後上がりに後方に延出する。シートフレーム116上には乗員着座用のシート109が支持される。シートフレーム116の周囲はシートカウル122により覆われる。シートフレーム116を含む車体フレーム111は、複数種の金属部材を溶接や締結等により一体に結合してなる。シート109の前方には、左右メインフレーム113の上縁よりも上方に膨出するシート前カバー123が配置される。シート前カバー123は、シート109に着座した乗員(運転者)の両膝間に挟み込まれる。
メインバッテリ102は、例えば前後に並ぶ複数(図では四つ)の単バッテリ102aからなり、これらを直列に結線することで48〜72Vの高電圧を発生させる。各単バッテリ102aは適宜充放電可能なエネルギーストレージであり、例えばリチウムイオンバッテリ、ニッケル水素バッテリ、鉛バッテリ等からなる。
メインバッテリ102は、その下部前側が左右メインフレーム113間に入り込んだ状態で、ダクト141を介して車体フレーム111に固定的に支持される。
メインバッテリ102の直下には前記モータユニット103が位置し、このモータユニット103が車体フレーム111に固定的に支持される。モータユニット103は、左右方向に沿う回転軸線C1を有し、このモータユニット103の駆動軸Jと後輪104とが、例えばチェーン式の伝動機構104aのみを介して連係される。なお、伝動機構104aがベルト式やシャフト式であってもよい。
モータユニット103は、例えばVVVF(variable voltage variable frequency)制御による可変速駆動がなされて、前記伝動機構104aのみを介して後輪104を駆動するが、手動又は自動の変速機やクラッチを介して後輪104を駆動するようにしてもよい。また、図中符号135はECU(electric control unit)やモータドライバであるPDU(power driver unit)を含む制御ユニットを示す。
ダクト141は、車体の前後端部に渡って延設されてその長手方向に沿って外気を流通させるもので、その前後中間部にて流路を拡大するように形成される電装収容部142と、この電装収容部142の前端下部から前方に延出する吸気ダクト143と、電装収容部142の後端下部から後方に延びる排気ダクト144とを一体に有する。
電装収容部142は、左右メインフレーム113間かつモータユニット103の上方に位置し、その上部を前記シート前カバー123内に入り込ませる。電装収容部142は、その下部内側に略水平な板状の隔壁145を固設し、この隔壁145の上方の空間はメインバッテリ102を収容するバッテリ収容部146とされ、隔壁145の下方の空間は制御ユニット135を収容するドライバ収容部147とされる。
ダクト141は、その管形成部分が例えば樹脂成形品で構成されるのに対し、前記隔壁145はアルミ合金等の比較的熱伝導率の高い部材で構成される。隔壁145はメインバッテリ102のヒートシンクでもあり、この隔壁145上にメインバッテリ102が直接載置される。隔壁145には各収容部146,147間を連通する複数の連通孔148が形成される。連通孔148の開口面積は各収容部146,147の流路面積よりも十分に小さくされる。
隔壁145の前端部には、バッテリ収容部146前端の上吸気入口146aを開閉する前ルーバー138が設けられる。一方、電装収容部142の下壁の後端部には、ドライバ収容部147後端の下排気出口147bを開閉する後ルーバー139が設けられる。各ルーバー138,139は電動とされ、その作動はメインバッテリ102の温度情報等に基づき制御ユニット135により制御される。
吸気ダクト143は、カウリング121(フロントカバー121A)の内方を前方に延び、その前端開口(吸気口143a)をカウリング121の前端部にて車両前方(カウル外方)に向けて開口させる。吸気口143aは、車両走行時には走行風導入口として機能する。
吸気ダクト143は、車体フレーム111(ヘッドパイプ112)等を避けるべく左右に分岐して、又は左右何れかに偏倚して前方に延びる。吸気ダクト143は、車両側面視でフロントフォーク106及びヘッドパイプ112と交差している。
排気ダクト144はシートカウル122の内方を後方に延び、その後端開口(排気口144a)をシートカウル122の後端部にて車両後方に向けて開口させる。排気ダクト144の例えば基端部(前端部)の内方には、ダクト141内の空気を吸気口143a側から排気口144a側へ強制的に流通させるファン137が設けられる。
各ルーバー138,139は、メインバッテリ102の低温時(メインバッテリ102の充放電に適した所定温度未満の場合)には、前記上吸気入口146aを閉じると共に下排気出口147bを閉じる。これにより、ダクト141内に取り入れた外気は、まずドライバ収容部147のみに流入し、制御ユニット135を冷却しつつその熱を奪った後、各連通孔148を通じてバッテリ収容部146に流入し、各単バッテリ102aの周囲を流れつつこれらを加温した後にダクト141外に排出される。
一方、各ルーバー138,139は、メインバッテリ102の高温時(前記所定温度以上の場合)には、前記上吸気入口146aを開くと共に下排気出口147bを開く。これにより、ダクト141内に取り入れた外気は、バッテリ収容部146及びドライバ収容部147にそれぞれ流入し、メインバッテリ102及び制御ユニット135をそれぞれ冷却した後にダクト141外に排出される。後ルーバー139は、下排気出口147bを開いた際には12Vのサブバッテリ128を収容した凹部の上部開口を閉塞する。
ここで、自動二輪車101は、自車に取り付けられた発音器から所定の告知音を出力することで、歩行者等に自車の接近を知らせる車両接近告知装置140を備える。
本実施形態では、告知音を発する発音器であるスピーカ160は、フロントカバー121Aの内方であってヘッドパイプ112の下端よりも下方に配置され、例えばフロントカバー121Aの内面側に取り付けられる。スピーカ160は、側面視で前輪105のほぼ真上(フロントフェンダ105aの外周部の外方)に位置している。
スピーカ160の発音方向(放音方向、図中矢印160aで示す)は斜め下前方を指向しており、その音はフロントカバー121Aの外方(車両前方かつ進行方向)に向けて直接放音される。
スピーカ160の放音方向160aは、概ね自動二輪車101の進行方向を指向しており、スピーカ160の音が歩行者等に認知され易い。一方、前記放音方向160aは、運転者の頭部Hからは遠ざかる方向を指向しているので、運転者への聞こえは抑えられる。スピーカ160の音量等は、吸気ダクト143上の制御ユニット161により車速等に応じて制御される。スピーカ160及び制御ユニット161にはサブバッテリ128から電力が供給される。
スピーカ160は前輪105の上方に位置するが、前輪105の上方はフロントフェンダ105aに覆われており、その背面側に位置するスピーカ160には前輪105からの跳ね上げ等が掛かり難い。なお、スピーカ160の設置数は問わない。
スピーカ160の出力制御用の制御ユニット161は、吸気ダクト143の後部(側面視でヘッドパイプ112よりも後方の部位)の上壁部に取り付けられている。
以上説明したように、上記実施形態における鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置140も、第一実施形態と同様、告知音を出力するスピーカ160が、その発音方向160aを斜め下前方に指向させて、ヘッドパイプ112の周囲を覆うフロントカバー121Aの内方に配置されるものであるため、地面の音反射も利用しながらスピーカ160の発音を効率よく周囲に伝播させることができる。また、スピーカ160が運転者から遠隔すると共にその発音方向160aが運転者に対して反対方向を指向することで、スピーカ160が発する音の運転者への聞こえを低減することができる。
また、上記車両接近告知装置140は、前記スピーカ160が、前記ヘッドパイプ112よりも下方に配置されることで、スピーカ160を運転者から遠隔してかつ地面に近付けて配置でき、運転者への告知音の聞こえを低減すると共に、地面からの音反射も利用して効率よく周囲に告知音を伝播できる。
また、上記車両接近告知装置140は、前記スピーカ160が、前記自動二輪車101のフロントフェンダ105aの外周方に配置されることで、比較的部品の少ないヘッドパイプ112の下方空間を利用してスピーカ160を運転者から遠隔して配置できると共に、前輪105による泥はね等の掛かりが比較的少ない位置にスピーカ160を配置することで、スピーカ160の防水等に有利な配置にもできる。
また、上記車両接近告知装置140は、前記ヘッドパイプ112には、前輪105を懸架するべく斜め前下方に延びるフロントフォーク106が転舵可能に支持され、前記スピーカ160が、側面視で前記フロントフォーク106の前方に配置されることで、運転者に対してスピーカ160をより遠隔して配置でき、告知音の運転者への聞こえをより低減できる。
なお、図中符号160’はフロントカバー121Aの下端に配置したスピーカを、符号160a’はこのスピーカ160’の発音方向を、符号121bはフロントカバー121Aの下端でスピーカ160’の直前に設けた保護壁(防水壁)を、符号121cは側面視で前輪105の下部後側の外周縁から延びて保護壁121bの上端を通るタイヤ接線をそれぞれ示す。スピーカ160’の発音方向160a’は斜め下前方を指向しており、その音はフロントカバー121Aの外方(車両前方かつ進行方向)に向けて直接放音される。スピーカ160’は、側面視で保護壁121bの後方かつタイヤ接線121cの下方に位置している。また、図3に示す正面視(前面視)において、スピーカ160’の下部と保護壁121bの上部とはオーバーラップしている。
この構成によれば、上記同様の作用効果に加え、前輪105による泥はね等のスピーカ160’への掛かりを保護壁121bにより比較的少なくしながら、地面の音反射をより利用可能としてスピーカ160’の発音を効率よく周囲に伝播できると共に、スピーカ160’を運転者からより遠隔させてスピーカ160’が発する音の運転者への聞こえをより低減できる。また、前記スピーカ160を併設し、各スピーカ160,160’を併せて発音させて音の配分を調整することで、運転者への聞こえを最小にしながら、周囲への音の伝播効率を向上させることも可能である。なお、第一実施形態の如くスピーカ160,160’のそれぞれに又は何れか一方に発音ダクトを設けてもよい。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について図4を参照して説明する。
図4に示す鞍乗り型電動車両としての自動二輪車201は、低床フロア215を有するスクータ型車両であり、スイングアーム221に内蔵された電動モータMが発揮する回転動力によって、車軸223で軸支された後輪WRが回転駆動されて走行する。なお、図中矢印FRは車両前方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
自動二輪車201の車体フレーム234は、上部が後方に位置するように傾斜したヘッドパイプ236と、このヘッドパイプ236から後下がりに延びるメインフレーム235と、このメインフレーム235の下部に湾曲部238を介して連結されて後方に延びる左右一対のアンダーフレーム239と、各アンダーフレーム239の後端のそれぞれに一体に連なって後上がりに延びる左右一対のリヤフレーム240とを備える。
ヘッドパイプ236は、ステアリングステム237を回動自在に軸支しており、このステアリングステム237の上端に操向ハンドル209が固定される。一方、ステアリングステム237の下端には、左右一対のフロントフォーク202の上端部を支持するアンダーブラケット268が固定される。各フロントフォーク202の下端部には前輪WFが軸支される。
車体フレーム234の各リヤフレーム240の前部には、左右一対のピボットプレート219がそれぞれ設けられる。各ピボットプレート219には、スイングアーム221の前部がピボット軸258を介して揺動可能に支承される。スイングアーム221は、車幅方向左側のアームのみで後輪WRを軸支する片持ち式とされる。左側のリヤフレーム240の後部とスイングアーム221の後部との間には、リヤクッションユニット231が設けられる。スイングアーム221内には、電動モータMの他に、回転駆動力の断接機構としての遠心クラッチ及び減速機構(何れも不図示)、並びに電動モータMの出力を制御するPDU(パワー・ドライブ・ユニット)252が集中配置されている。
自動二輪車201は、ヘッドパイプ236周辺を前方から覆うフロントカバー体207と、ヘッドパイプ236周辺を後方から覆うレッグシールド210と、シート224に座った乗員の足を載せるようにレッグシールド210の下部後方に連なると共にバッテリケース247を上方から覆う前記低床フロア215と、各アンダーフレーム239の外側方を覆うように低床フロア215の外側から垂下する左右一対のフロアサイドカバー217と、各フロアサイドカバー217の下縁間を結ぶように設けられるアンダーカバー218と、シート224の下方空間を前方から覆うように低床フロア215の後端から立ち上がるシート下前部カバー216と、シート224の下方空間を両側から覆うようにシート下前部カバー216の外側後方に連なる左右一対のサイドカバー225と、後輪WRを上方から覆うように各サイドカバー225の後方に連なるリヤカバー228とを備える。
車体前方に臨むフロントカバー体207とこれに後方から合わさるレッグシールド210とは、互いに一体的に結合されて、ヘッドパイプ236の周囲を含む車体前部を覆うフロントカバー207Aを構成する。
バッテリケース247は、電動モータMに電力を供給するための48〜72Vの高電圧バッテリ248を収納する。
バッテリケース247の前部には、左右一対の冷却空気導入ダクト245の下流側端部が接続管246を介して接続される。各冷却空気導入ダクト245は、フロントカバー207A内でメインフレーム235を外側方から挟むようにして、メインフレーム235に沿って上方に延びた後に前方に湾曲し、フロントカバー207A内にて先端開口を前方に向けて開口させる。
バッテリケース247の後部上面には冷却ファン253が取り付けられ、この冷却ファン253の作動により、冷却空気導入ダクト245から吸入された空気がバッテリケース247内に導入されて、バッテリケース247内の高電圧バッテリ248を冷却する。
ここで、自動二輪車201は、自車に取り付けられた発音器から所定の告知音を出力することで、歩行者等に自車の接近を知らせる車両接近告知装置250を備える。
本実施形態では、告知音を発する発音器であるスピーカ251は、フロントカバー207Aの内方であってヘッドパイプ236の上端よりも上方かつステアリングステム237の側方に配置され、ステー等を介してヘッドパイプ236に取り付けられる。
スピーカ251の発音方向(放音方向、矢印Eで示す)は斜め下前方を指向しており、フロントカバー207Aにおける前記放音方向に位置する部位には、スピーカの音をフロントカバー207Aの外方(車両前方かつ進行方向)に向けて放音するための開口251bが適宜形成される。
これにより、スピーカの放音方向が概ね自動二輪車の進行方向を指向し、スピーカの音が歩行者等に認知され易く、かつ前記放音方向が運転者の頭部(図示略)から遠ざかる方向を指向することで、運転者へのスピーカの音の聞こえは抑えられる。なお、スピーカ251及び開口251bの設置数は問わない。
シート224の下方には、このシート224により開閉可能な物品収納ボックス249が配置され、この物品収納ボックス249の底部に、12Vの低電圧バッテリ255及びスピーカ251の出力制御用の制御ユニット260が配置される。この制御ユニット260により、スピーカの音量等が車速等に応じて制御される。
以上説明したように、上記実施形態における鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置250も、第一実施形態と同様、告知音を出力するスピーカ251が、その発音方向251aを斜め下前方に指向させて、ヘッドパイプ236の周囲を覆うフロントカバー207Aの内方に配置されるものであるため、地面の音反射も利用しながらスピーカ251の発音を効率よく周囲に伝播させることができる。また、スピーカ251が運転者から遠隔すると共にその発音方向251aが運転者に対して反対方向を指向することで、スピーカ251が発する音の運転者への聞こえを低減することができる。なお、スピーカ251から開口251bまでの間に第一実施形態の如く発音ダクト251cを設けてもよい。
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態について図5を参照して説明する。
図5に示す鞍乗り型電動車両としての自動三輪車301は、前部にウインドスクリーン302を有すると共に底部に低床フロア303を有するルーフ付きのキャビン304を備える。キャビン304は単一の前輪(操向輪)307を備える前車体FBに支持され、この前車体FBが左右一対の後輪(駆動輪)308を備える後車体RBに左右揺動(ローリング動)可能に連結される。すなわち、自動三輪車301は、前後車体FB,RBが相対揺動可能な揺動式車両として構成される。
前車体FBの骨格をなす車体フレーム305は、その前端部に鉛直方向に対して後傾したヘッドパイプ312を備え、このヘッドパイプ312にはステアリングステム314が回動自在に挿通される。ステアリングステム314の下端部には、左右一対のフロントフォーク313の上端部が一体的に連なる。ステアリングステム314の上端には操向ハンドル315が一体的に取り付けられる。
左右フロントフォーク313の下端からは、それぞれ斜め下後方に向けて左右一対のトレーリングアーム313aが延び、これら左右トレーリングアーム313aの先端部に前輪307が軸支される。左右トレーリングアーム313aと左右フロントフォーク313との間には左右一対のクッションユニット313bが介設される。左右フロントフォーク313にはフロントフェンダ307aが取り付けられる。
車体フレーム305は、ヘッドパイプ312の下部後側から斜め後下方に延びる単一の前部フレーム305fと、前部フレーム305fの下端から左右に分岐して低床フロア303に沿って互いに平行をなして後方に延びる左右一対の下部フレーム305bと、左右下部フレーム305bの後端から斜め後上方に湾曲して延びる左右一対の後部フレーム305rと、左右後部フレーム305rの後端から斜め上後方に湾曲して延びる左右一対の荷台フレーム305nとを有する。
左右下部フレーム305bの後部には、後車体RBを揺動可能に連結するスイングジョイント317の前端部がリンク部材316を介して連結される。リンク部材316は左右下部フレーム305bの下方に突出し、所定角度だけ前後揺動可能とされる。このリンク部材316の下端に、前後に延在するスイングジョイント317の前端部が車幅方向に沿うスイング軸Sを介して上下揺動可能に支持される。
スイングジョイント317は、前端がリンク部材316に支持されるジョイントケース318と、このジョイントケース318の後端側に後下がりの軸線Rを中心に回動可能に挿通支持されるジョイントシャフト319とを備える。
ジョイントシャフト319は、自動三輪車301の原動機であるパワーユニット309の下部前側にハンガープレート320を介して連結される。パワーユニット309は、その両側に支持する左右後輪308等と共に後車体RBを構成する。すなわち、前後車体FB,RBはスイングジョイント317を介して軸線Rを中心に相対揺動可能に連結される。
ジョイントケース318の上部にはリヤクッション321の下端が連結され、このリヤクッション321の上端が左右後部フレーム305rに連結される。これにより、前車体FBに対してスイングジョイント317及び後車体RBを上下揺動させるリヤサスペンションが構成される。
前車体FBが備える車体カバーは、ヘッドパイプ312の周囲を前方から覆うフロントカバー体324と、ヘッドパイプ312の周囲を後方から覆うフロントインナーカバー325と、左右下部フレーム305bの周囲を覆う前記低床フロア303と、左右後部フレーム305rの周囲を覆う後部カバー326と、左右荷台フレーム305nの周囲を覆う荷台327とを有する。
フロントカバー体324及びフロントインナーカバー325は、互いに前後に合わさることで、ヘッドパイプ312の周囲を含む車体前部を覆うフロントカバー324Aを構成する。フロントカバー324Aは、ウインドスクリーン302の下端から低床フロア303の前端に渡る範囲に設けられ、キャビン304の前部下側を構成する。キャビン304の上部は、ウインドスクリーン302、ルーフ302a及びルーフ後支持部302bにより構成される。キャビン304の下部は、低床フロア303及び後部カバー326により構成される。後部カバー326の後端上には、ルーフ後支持部302bの下方に連なる荷台前壁部328が立設される。
キャビン304の内方かつ荷台327の前方には乗員着座用のシート329が配置され、このシート329が後部カバー326からキャビン304内方に張り出すように設けられたシート下カバー329a上に支持される。
荷台327及び荷台フレーム305nは、その基部側(前端側)に設けられた車幅方向に沿うヒンジ軸327aを介して、後部カバー326及び後部フレーム305rに回動可能に連結される。これにより、荷台327及び荷台フレーム305nが、略水平に配された使用状態と略垂直に立ち上がった格納状態との間で回動可能とされる。これら荷台327及び荷台フレーム305nを前記格納状態とすることで、これらの下方に位置するパワーユニット309等のメンテナンスが容易になる。なお、図中符号327bは荷台327上に取り付け可能な物品収納ボックスを示す。
パワーユニット309は、左右後輪308の車軸334を支持するモータユニット330と、モータユニット330の上部に配置、固定されるバッテリユニット331とを備える。
モータユニット330は、左右後輪308を駆動する走行用の電動モータ332と、この電動モータ332とカウンタギヤ336を介して係合するディファレンシャル機構(不図示)とを有し、これらがモータケース333内に収納される。モータケース333の下部前側には前記ハンガープレート320が固定される。
バッテリユニット331は、モータケース333上に一体的に連なるバッテリケース350と、このバッテリケース350内に収容された例えばリチウムイオンタイプのバッテリ351とを備える。
バッテリ351は、左右後輪308の車軸334の上方に位置する例えば前後一対の上部バッテリ352と、左右後輪308間であって車軸334の前方(又は後方)に落とし込まれる下部バッテリ353とに振り分けて構成される。これら各バッテリ352,353が直列に接続されることで、48〜72Vの高電圧を発生させる。
バッテリケース350の上部蓋体358には、その前部には空気取り入れダクト370が、上部後側には冷却ファンを内蔵する空気排出ダクト372がそれぞれ設けられる。空気取り入れダクト370からケース内に取り入れられた外気は、バッテリ351の周囲を流れてこれを冷却した後、空気排出ダクト372よりケース外に排出される。
バッテリケース350の両側には、左右後輪308の上部外周を覆う左右リヤフェンダ366が一体的に設けられる。
低床フロア303の後端部かつシート下カバー329aの下端部の内方には、12V補機類や制御用デバイス等に電力を供給する12Vのサブバッテリ377が収納される。
バッテリケース350の前壁外面には、バッテリ351の電圧を降圧してサブバッテリ377の充電等を行うDC−DCコンバータ394が取り付けられる。DC−DCコンバータ394の前面には放熱用の縦フィン395が設けられる。
バッテリケース350の内方かつ上部バッテリ352の前方には、電動モータ332の駆動回路をオン・オフするコンタクタ396と、このコンタクタ396の下方に配置されてバッテリ351の充放電制御を行うバッテリマネージングユニット(BMU)397とが収納される。
モータケース333の前壁外面でDC−DCコンバータ394の下方に配置される制御ユニット398は、電動モータ332を駆動するスイッチングユニット(ドライバ)であるパワードライブユニット(PDU)と、バッテリマネージングユニット397及びパワードライブユニットを制御するECUとを一体に有する(何れも不図示)。
ECUには操向ハンドル315に設けたアクセルグリップによるアクセル開度信号が入力され、このアクセル開度信号に基づいてバッテリマネージングユニット397及び前記パワードライブユニットが制御される。なお、前記ECUは、アクセル開度信号のみならず各種センサー類からの信号を受け入れ、様々な補機類の制御信号を出力する。
バッテリ351から出力された電力は、図示しないメインスイッチと連動するコンタクタ396を介して前記パワードライブユニットに供給され、このパワードライブユニットにて直流から三相交流に変換された後に、三相交流モータである電動モータ332に供給される。また、バッテリ351から出力された電力は、DC−DCコンバータ394を介して降圧されて、サブバッテリ377等にも供給される。
バッテリ351の充放電状況や温度等はバッテリマネージングユニット397が監視し、かつその情報は前記ECUと共有される。前記ECUには、アクセル開度信号に加えて各種センサー類からの信号情報が入力され、これらの情報に基づき、このECUが前記パワードライブユニットを介して電動モータ332を駆動制御する。バッテリ351は、例えば外部電源から電力を供給することで充電可能である。なお、AC100Vの商用電源からバッテリ351を充電する際には別途インバータを設ければよい。
ここで、自動三輪車301は、自車に取り付けた発音器から所定の告知音を出力することで、歩行者等に自車の接近を知らせる車両接近告知装置340を備える。
本実施形態では、告知音を発する発音器であるスピーカ341は、フロントカバー324Aの内方であってヘッドパイプ312の下端よりも下方に配置され、前部フレーム305fの前側に取り付けられる。スピーカ341は、側面視でフロントフォーク313及びクッションと前部フレーム305fとを上二辺とする三角形状の空間内に配置されている。
スピーカ341の発音方向(放音方向、図中矢印341aで示す)は、斜め下前方を指向しており、この放音方向341a(スピーカ341の斜め下前方)には、同放音方向341aに沿うように斜め下前方に向けて広がりながら延びるラッパ状の発音ダクト342が設けられる。発音ダクト342の先端はフロントカバー324Aの外方に開口し、スピーカ341が発する音に指向性を持たせつつこれをフロントカバー324Aの斜め下前方に放音する。
スピーカ341の放音方向341aは、概ね自動三輪車301の進行方向を指向しており、スピーカ341の音が歩行者等に認知され易い。一方、前記放音方向341aは、運転者の頭部(図示略)からは遠ざかる方向を指向しているので、運転者へのスピーカ341の音の聞こえは抑えられる。スピーカ341の音量等は、前記制御ユニット398により車速等に応じて制御される。
スピーカ341及び発音ダクト342は前輪307の斜め上後方に位置するが、前輪307の斜め上後方はフロントフェンダ307aに覆われており、その背面側に位置するスピーカ341及び発音ダクト342に対して前輪307が跳ね上げた雨水等が掛かり難い。なお、スピーカ341の設置数は問わない。
以上説明したように、上記実施形態における鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置340も、第一実施形態と同様、告知音を出力するスピーカ341が、その発音方向341aを斜め下前方に指向させて、ヘッドパイプ312の周囲を覆うフロントカバー324Aの内方に配置されるものであるため、地面の音反射も利用しながらスピーカ341の発音を効率よく周囲に伝播させることができる。また、スピーカ341が運転者から遠隔すると共にその発音方向341aが運転者に対して反対方向を指向することで、スピーカ341が発する音の運転者への聞こえを低減することができる。
また、上記車両接近告知装置340は、前記スピーカ341からその発音方向341aに沿って斜め下前方に延びる発音ダクト342を備え、前記スピーカ341が、前記フロントカバー324A内方にて前記車体フレーム305に取り付けられ、かつ前記発音ダクト342を通じて前記フロントカバー324A外方に発音することで、スピーカ341をフロントカバー324A内方に配置しながらも、告知音を発音ダクト342からフロントカバー324A外方へ効率よくかつ指向性を持って放音でき、告知効果をより高めると共に運転者への告知音の聞こえもより低減できる。
また、上記車両接近告知装置340は、前記スピーカ341が、前記ヘッドパイプ312よりも下方に配置されることで、スピーカ341を運転者から遠隔してかつ地面に近付けて配置でき、運転者への告知音の聞こえを低減すると共に、地面からの音反射も利用して効率よく周囲に告知音を伝播できる。
また、上記車両接近告知装置340は、前記スピーカ341が、前記自動三輪車301のフロントフェンダ307aの外周方に配置されることで、比較的部品の少ないヘッドパイプ312の下方空間を利用してスピーカ341を運転者から遠隔して配置できると共に、前輪307による泥はね等の掛かりが比較的少ない位置にスピーカ341を配置することで、スピーカ341の防水等に有利な配置にもできる。
また、上記車両接近告知装置340は、前記ヘッドパイプ312から斜め後下方に延びる前部フレーム305fを備え、前記ヘッドパイプ312には、前輪307を懸架するべく斜め前下方に延びるフロントフォーク313が転舵可能に支持され、前記スピーカ341が、側面視で前記前部フレーム305fの前方かつ前記フロントフォーク313の後方に配置されることで、ヘッドパイプ312の下方で車体フレーム部材及びフロントフォーク313を二辺とする側面視三角形状の空間内にスピーカ341を配置することとなり、ヘッドパイプ312の下方にスピーカ341を効率よく配置できると共に、スピーカ341の保護が容易である。
なお、図中符号341’はパワーユニット309の前端部に配置したスピーカを、符号341a’はこのスピーカ341’の発音方向をそれぞれ示す。パワーユニット309の前端部には、バッテリケース350及びモータケース333の前方に一体的に連なる延長カバー358aが設けられ、この延長カバー358a内に前記DC−DCコンバータ394及び制御ユニット398と共にスピーカ341’が収納される。
スピーカ341’の発音方向341a’は斜め下前方を指向しており、下方に開放する延長カバー358aの下部開口から地面に向けて放音される。これにより、地面の音反射を利用しながらスピーカ341’の発音を効率よく周囲に伝播できると共に、スピーカ341’が運転者から遠隔することで告知音の運転者への聞こえも低減できる。
以下、各実施形態におけるスピーカの告知音の周波数制御について説明する。
図6は、電動モータから後輪までの伝動経路に遠心クラッチを有する場合の電動モータの回転数rpmとスピーカの告知音の周波数Hzとの関係を示すグラフである。
各実施形態において、前記告知音は四つの周波数の合成音(協和音、不協和音含む)として出力される。詳細には、前記告知音は、基準音となる第一音と、基準音の1.18倍の周波数を有する第二音と、基準音の1.23倍の周波数を有する第二音と、基準音の1.33倍の周波数を有する第四音とを有する。各音は、第一音が全体の30%、第二音が全体の25%、第三音が全体の25%、第四音が全体の5%の割合で出力される。なお、残りの15%はノイズ音が占める。
図6において、第一音の傾きは48Hz/1000rpmで、1000rpm時に288Hzの切片を有する。
すなわち、1000rpm時の第一音の周波数は、下記式(1)から得られる。
1000×48/1000+288=336(Hz)・・・(1)
このとき、第二音の周波数は396Hz、第三音の周波数は413Hz、第四音の周波数は447Hzとなり、これら各音を含んだ合成音がスピーカ160から出力される。告知音を合成音としたのは、特定周波数のみの単音に対して周囲に聞こえ易くするためである。なお、単音の告知音を出力するようにしてもよい。
前記告知音は、電動モータの回転数が1000〜4400rpmの範囲にあるときに出力される。電動モータの1000rpmは前記遠心クラッチの接続回転数すなわち車両の発進回転数に相当し、4400rpmは告知音が不要な車速となる回転数に相当する。
告知音は、モータ回転数の上昇と比例して高周波にシフトする。これは、車両の加減速の様子を把握可能とするためである。
また、モータ回転数の上昇比率よりも告知音周波数の上昇比率を小さくすることで、告知音の周波数の変動幅が抑えられ、一番高い周波数でも特定周波数(800Hz)よりも小さくなる。これにより、年齢等によらず音を聞き取り易くすると共に、好感の持てる音域に告知音を設定できる。なお、告知音の一番低い周波数は、聞き取り易さを考慮すると100Hzよりも大きいことが望ましい。
すなわち、スピーカの発音周波数を100HZ〜800HZの間に設定することで、聞き取り易い音域を利用して告知音を発することができる。
ここで、第一音(基準音)の周波数に対する第二音の周波数の比率をa2、第三音の周波数の比率をa3、第四音の周波数の比率をa4とすると、これらは下記式(2)に示す関係を有する。
a2−1>a3−a2・・・(2)
なお、上記「a3−a2」を0.05以下にすることで、告知音にゆらぎやうねりを持たせて好感の持てる音にできることがわかった。
図7に示すように、前記告知音は、車両発進回転数X1(各実施形態では1000rpm)から一定の音量で出力されるが、途中の中折れ回転数X2(各実施形態では2000rpm)から放物線状に音量が減少し始め、音停止回転数X3(各実施形態では4400rpm)で出力が停止するように設定される。
なお、図8に示すように、電動モータの回転数に代わり、車速の変化に応じて告知音の周波数等を制御するようにしてもよい。この場合、例えば停車状態(車速0km/h)から車輪の回転を検知した時点で告知音を発するようにすればよい。
図9は、スピーカ用の制御ユニットの構成を示すブロック図である。制御ユニットには、REG(レギュレータ)回路270、内燃機関車両のエンジン音等の音源及び音量が記録された疑似エンジン音量記憶手段としてのEEPROM271、システムの正常な運用を保持するためのWDT(ウォッチドッグタイマ)272、オーディオプロセッサ275及びアンプ276が含まれる。
制御ユニットには、第一カプラ277を介してPDU(モータドライバ)からの情報が入力される。また、制御ユニットのREG回路270には、二ピン式の第二カプラ279を介してスピーカ電源であるサブバッテリが接続される。さらに、制御ユニットのアンプ276には、第二カプラ279を介してスピーカが接続される。オーディオプロセッサ275には、EEPROM271、WDT272の出力情報及びPDUから入力されたモータ回転数Nm及び車速Vが入力される。
オーディオプロセッサ275は、モータ回転数Nm及び車速Vの情報に基づいて、EEPROM271から所定の音源を呼び出し、アンプ276を介して所定の音量でスピーカから告知音を出力する。
なお、この図では、サブバッテリからの入力部分とアンプ276からの出力部分とを分離して記載したが、これら両部分は四ピン式の第二カプラ279に集約されている。また、オーディオプロセッサ275に対しては、雨滴センサ273や照度センサ274の出力情報をさらに入力することができる。この場合、例えば、四ピン式の第二カプラ279を六ピン式に換装することで対処できる。
オーディオプロセッサ275は、雨滴センサ273によって降雨中であることが検知された場合には、雨音によって告知音の認知効果が低減しないように、通常時より告知音の音量を大きくすることができる。また、照度センサ274によって夜間であることが検知された場合には、通常時より告知音の音量を小さくするように設定できる。さらに、騒音センサ等を適用することにより、例えば、交通量が多い等で周囲の騒音が大きい場合に告知音の音量を大きくするように設定することもできる。
図10は、接近告知音出力制御の手順を示すフローチャートである。ステップS1では、PDUからの情報に基づいてモータ回転数Nmが検知され、ステップS2では、PDUからの情報に基づいて車速Vが検知される。ステップS3では、モータ回転数Nmが上限値NL以下であるか否かが判定される。この上限値NLは、電動モータの出力伝達経路に配設された遠心クラッチの接続回転数に設定されている。
ステップS4では、モータ回転数Nmの増大に応じて音量が大きくなるようにスピーカから告知音が出力される。そして、ステップS5では、モータ回転数Nmが上限値NLを超えたか否かが判定され、肯定判定されるとステップS6に進み、否定判定されるとステップS4に戻る。すなわち、遠心クラッチが接続されるまでの非走行状態では、電動モータの回転数に応じて大きくなるように告知音が出力されることとなる。
ステップS6では、車速Vが上限値VL以下であるか否かが判定される。各実施形態では、この上限値VLが車速20km/hに設定されている。ステップS6で肯定判定されると、ステップS7に進み、車速Vの増大に応じて目標音量との差を埋めるように告知音が出力される。各実施形態では、電動モータの二輪車と内燃機関の二輪車との音量差を埋めるように告知音が出力される。
各所定車速における告知音の音量は、実験等により各車両に合わせて音量データとして予め設定することができ、これらの設定データは、制御ユニットのEEPROM271に収納することができる。各実施形態では、各車両の車格に対応する50ccエンジンを搭載した原動機付き一種車両と同等の走行音が出力されるように設定されているが、例えば、各車両の車格が普通二輪車に相当する場合には、400ccエンジンを搭載した普通二輪車と同等の走行音を出力させることができる。なお、各車両の車格と告知音の音量との関係は、道路交通法上の車両区分や免許区分等に応じて任意に設定することができる。
そして、ステップS8では、車速Vが上限値VLを超えたか否かが判定され、肯定判定されると、ステップS9に進んで告知音の出力を停止して、一連の制御を終了する。なお、ステップS6で否定判定されると、ステップS9に進み、一方、ステップS8で否定判定されると、ステップS7に戻ることとなる。
上記したような接近告知音出力制御によれば、単にモータ回転数や車速の増加に基づいて音量を大きくするような制御方法に比して、実際の内燃機関車両の走行音に沿った音量で接近告知音を出力することが可能となる。具体的には、各車両の車格または車両区分に対応した内燃機関車両と同等の走行音を出力するように制御することができる。さらに、接近告知音の音色は、各車両の車格または車両区分に対応する内燃機関車両による録音データのほか、各種の音色を選択できるようにしてもよい。
また、前記発音器が、前記電動モータの回転数の上昇と比例して前記告知音の周波数を上昇させることで、車両の加減速の様子が歩行者等にも把握可能であり、発音器の配置と相俟って、小型の発音器でも高い告知効果を得ることができる。
さらに、前記告知音の周波数の上昇比率が、前記電動モータの回転数の上昇比率よりも小さくなるように設定されることで、車両の加速を周囲に認知させながらも、告知効果が高くかつ好感の持てる音域に告知音を設定することができる。
しかも、前記発音器の発音周波数が、100HZ〜800HZの間に設定されることで、発音器の配置と相俟って、年齢等によらず聞き取り易くかつ好感の持てる音を小型の発音器で発することができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限られるものではなく、例えば前記したように、電動二輪車及び電動三輪車以外にも、運転者が車体を跨いで乗車する電動車両であれば、前二輪かつ後一輪の三輪車や四輪車に適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を適宜組み合わせたり入れ替えたりすることも可能である。
そして、上記各実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10,101,201 自動二輪車(鞍乗り型電動車両)
301 自動三輪車(鞍乗り型電動車両)
41,M,332 電動モータ(動力機関)
103 モータユニット(電動モータ、動力機関)
40,140,250,340 鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置
48,48’,160,160’,251,341 スピーカ(発音器)
48a,48a’,160a,160a’,251a,341a 発音方向
49,251c,342 発音ダクト
11,111,234,305 車体フレーム
12,112,236,312 ヘッドパイプ
43A,121A,207A,324A フロントカバー
16a,105a,307a フロントフェンダ
21 下ダウンフレーム(車体フレーム部材)
305f 前部フレーム(車体フレーム部材)
15,106,313 フロントフォーク
105 前輪

Claims (7)

  1. 動力機関(41,103,M,332)に電動モータを含む鞍乗り型電動車両(10,101,201,301)の車体に取り付けられた発音器(48,48’,160,160’,251,341)から周囲に対して前記鞍乗り型電動車両(10,101,201,301)の接近を周囲に告知するための告知音を出力する、鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置(40,140,250,340)であって、
    前記鞍乗り型電動車両(10,101,201,301)は、その車体フレーム(11,111,234,305)のヘッドパイプ(12,112,236,312)の周囲を覆うフロントカバー(43A,121A,207A,324A)を備え、
    前記発音器(48,48’,160,160’,251,341)は、その発音方向(48a,48a’,160a,160a’,251a,341a)を斜め下前方に指向させて、前記フロントカバー(43A,121A,207A,324A)の内方に配置され
    前記発音器(48,48’,160,160’,251,341)は、前記電動モータの回転数の上昇と比例して前記告知音の周波数を上昇させると共に、この告知音の周波数の上昇比率は、前記電動モータの回転数の上昇比率よりも小さくなるように設定されることを特徴とする鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置。
  2. 前記発音器(48,251,341)からその発音方向(48a,251a,341a)に沿って斜め下前方に延びる発音ダクト(49,251c,342)を備え、
    前記発音器(48,251,341)は、前記フロントカバー(43A,207A,324A)内方にて前記車体フレーム(11,234,305)に取り付けられ、かつ前記発音ダクト(49,251c,342)を通じて前記フロントカバー(43A,207A,324A)外方に発音することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置。
  3. 前記発音器(48,48’,160,160’,341)は、前記ヘッドパイプ(12,112,312)よりも下方に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置。
  4. 前記発音器(48,48’,160,341)は、前記鞍乗り型電動車両(10,101,301)のフロントフェンダ(16a,105a,307a)の外周方に配置されることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置。
  5. 前記ヘッドパイプ(12,312)から斜め後下方に延びる車体フレーム部材(21,305f)を備え、
    前記ヘッドパイプ(12,312)には、前輪(16,307)を懸架するべく斜め前下方に延びるフロントフォーク(15,313)が転舵可能に支持され、
    前記発音器(48,48’,341)は、側面視で前記車体フレーム部材(21,305f)の前方かつ前記フロントフォーク(15,313)の後方に配置されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置。
  6. 前記ヘッドパイプ(112)には、前輪(105)を懸架するべく斜め前下方に延びるフロントフォーク(106)が転舵可能に支持され、
    前記発音器(160)は、側面視で前記フロントフォーク(106)の前方に配置されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置。
  7. 前記発音器(48,48’,160,160’,251,341)の発音周波数は、100HZ〜800HZの間に設定されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の鞍乗り型電動車両の車両接近告知装置。
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