1.実施形態
(1)パチンコ遊技機の構造
実施形態のパチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技機枠2の内部に遊技盤11を取り付けて構成されている。遊技機枠2は、図2に示すように、外枠3、内枠4、及び、前枠5、を備えている。外枠3は、パチンコ遊技機1の外郭部となる枠体であり、内枠4は、遊技盤11が取り付けられる枠体であり、前枠5は、遊技盤面を保護するとともに発射ハンドル43等が配設される枠体である。この前枠5は、遊技盤11の前面側における遊技球の転動する遊技領域12や遊技球の転動を予定していない非遊技領域13を目視できるように、それらの前側を覆う透明なガラス部6aや、そのガラス部6aの下方の皿ユニット部6bを設けて、ガラス扉部6として、構成されている。
ガラス扉部6(前枠5)は、外枠3や内枠4に対してそれぞれ回動自在とされ、内枠4は、外枠3とガラス扉部6とに対してそれぞれ回動自在とされている。これらの回動は、遊技機枠2の左縁側の上下に配置されたヒンジ部7を利用して行われる。そして、内枠4に遊技盤11が取り付けられた状態において、障害釘31等により詰まった遊技球を取り除いたり、遊技盤11の前面側の障害釘31等の調整をする場合には、遊技機枠2のガラス扉部6のみを開いて、遊技盤11の前面側を露出させて行う。また、遊技盤11の裏面側の調整をする場合には、ガラス扉部6と内枠4とを共に開いて、遊技盤11の裏面側を露出させて行う。
ガラス扉部6の右上の後面側には、このような遊技機枠2の開放を検出するための扉開放SW(スイッチ)9が配設されている。扉開放SW9は、ガラス扉部6のみが開かれた場合、又は、ガラス扉部6が内枠4とともに開かれた場合に、ONされて、後述する払出制御基板52(図12参照)を経てメイン制御基板(メイン制御手段)50(図12参照)に対して扉開放信号を出力する。
なお、扉開放信号は、メイン制御基板50を介して、後述する演出制御基板56(図12参照)にも出力される。また、扉開放信号は、実施形態の場合、後述する可動役物装置60内への遊技球の進入が予測される進入予測信号と兼用とされている。
ガラス扉部6の前面側には、図1に示すように、ガラス部6aの下方の皿ユニット部6bに、球受け皿42、発射ハンドル43、皿球抜きボタン44、通路球抜きボタン45、及び、演出ボタン46が、配設されている。また、ガラス扉部6の前面側には、上下左右の四隅に、スピーカ47が配設され、ガラス部6aの上縁側に、複数の枠ランプ48が配設されている。
遊技盤11には、図1,3に示すように、発射ハンドル43の操作により発射された遊技球が転動する遊技領域12が、レール部材35で囲まれて形成されている。遊技領域12には、遊技球を誘導する多数の障害釘31や風車32が突設され、さらに、演出効果を高めるように、盤ランプ49が埋設されている。
遊技領域12の中央には、略円環状に囲む枠体部15aを備えたセンター役物装置15が、配設されている。センター役物装置15には、中央の後部側に、液晶画面からなる表示部20aを設けた画像表示装置20が、配設されている。画像表示装置20は、客待ち演出(客待ち用のデモ表示)、装飾図柄変動演出、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出等の各種演出を表示部20aに表示する。装飾図柄変動演出は、数字等の装飾図柄と装飾図柄以外の画像とにより構成されて、変動表示を経て停止表示された装飾図柄により、大当たり抽選(即ち、大当たり乱数の取得とその大当たり乱数を用いた判定)の結果を報知する演出である。この装飾図柄変動演出は、選択された所定の演出モードにより、特別図柄変動と並行して、枠ランプ48や盤ランプ49の点灯・消灯、スピーカ47からの効果音、さらには、後述する可動役物装置60の可動役物65の移動、とともに行われる。また、大当たり抽選は、遊技球の後述する第1始動口22や第2始動口23への入賞に対して行われる。
センター役物装置15の枠体部15aの左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部15cへ遊技球を流出するワープ部15bが配設されている(図4参照)。枠体部15aの下部のステージ部15cは、ワープ部15bから流入した遊技球を、上面で転動させて、後述する第1始動口22へと案内したり、あるいは、そのまま、第1始動口22の上方より左右にずれた位置から、落下させる。
センター役物装置15のステージ部15cの後方で、かつ、表示部20aの前側には、可動役物装置60が設けられている(図4参照)。この可動役物装置60は、実施形態の場合、大当り遊技を含めた普通の遊技時での遊技球に対して接触を予定していない非遊技領域13のエリア、としたステージ部15cの後方、に配設されている。
また、遊技領域12の左右方向における中央下部には、始動入賞装置21が設けられている。始動入賞装置21は、第1始動口22と、電動チューリップ(電チュー)24により開閉される第2始動口23と、を備えている。電チュー24は、電チューソレノイド24a(図12参照)により駆動される。第2始動口23は、電チュー24が開いているときのみ遊技球が入賞可能となる。
さらに、遊技領域12には、大入賞装置26が設けられている。大入賞装置26は、始動入賞装置21の右方に配置されており、大入賞口27と、大入賞口ソレノイド26a(図12参照)により動作する開閉部材26bとを備えている。大入賞口27は、開閉部材26bにより開閉される。
また、遊技領域12には、遊技球を通過可能なゲート28と、複数の普通入賞装置29と、が設けられている。ゲート28は、センター役物装置15の左方に配置されている。各普通入賞装置29は、始動入賞装置21の左方及び右方に配置されている。各普通入賞装置29に入った遊技球は、その普通入賞装置29内の普通入賞口30に入賞する。
遊技領域12の下端には、入賞しなかった遊技球が排出されるアウト口33が配設されている。
遊技領域12の外側には、普通図柄表示器37、第1特別図柄表示器39a、及び、第2特別図柄表示器39b、が設けられるとともに、普通図柄保留ランプ38、第1特別図柄保留ランプ40a、第2特別図柄保留ランプ40b、がそれぞれ4つ設けられている。
第1特別図柄表示器39a、第2特別図柄表示器39bは、それぞれ、遊技球の第1始動口22や第2始動口23への入賞を契機として行われる大当たり抽選の結果を、変動表示を経て停止表示された図柄により報知する(これを「特別図柄変動」という)ものである。第1特別図柄表示器39a、第2特別図柄表示器39bに停止表示された図柄(特別図柄)が大当たり図柄であれば、大入賞口27を所定回数開閉する特別遊技状態としての大当たり遊技が行われる。
遊技球が第1始動口22または第2始動口23に入賞すると、メイン制御基板50(図12参照)は、その入賞に対して取得した大当たり乱数を、第1始動口22への入賞であれば第1保留記憶部51a(図12参照)に、第2始動口23への入賞であれば第2保留記憶部51b(図12参照)に記憶する。そして、特別図柄変動を実行可能になったとき、即ち、前の入賞に対する特別図柄変動も、大当たり遊技も実行されていない状態になったときに、記憶しておいた大当たり乱数を用いて大当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。
第1特別図柄保留ランプ40a、第2特別図柄保留ランプ40bは、それぞれ、第1保留記憶部51a、第2保留記憶部51bに記憶されている大当たり乱数の個数を表示するものである。なお、第1保留記憶部51a、第2保留記憶部51bに記憶される大当たり乱数は、それぞれ4個が上限とされているため、第1保留記憶部51aに4個の大当たり乱数が記憶されている状態で遊技球が第1始動口22に入賞したときや、第2保留記憶部51bに4個の大当たり乱数が記憶されている状態で遊技球が第2始動口23に入賞したときは、その入賞に対する大当たり乱数の取得は行われない。
普通図柄表示器37は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄抽選の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知するものである。停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数、電チュー24を開く補助遊技が行われる。
普通図柄の変動表示中または補助遊技中に、遊技球がゲート28を通過すると、メイン制御基板50(図12参照)は、その通過に対して取得した当たり乱数を記憶する。そして、普通図柄の変動表示を開始可能な状態になったときに、記憶しておいた当たり乱数を用いて当たりか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示を開始して、その判定結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留ランプ38は、このように記憶されている当たり乱数の個数を表示するものである。なお、記憶される当たり乱数は4個が上限とされているため、4個の当たり乱数が記憶されている状態で遊技球がゲート28を通過しても、その通過に対する当たり乱数の取得は行われない。
(2)可動役物装置の構造
可動役物装置60は、図1,3〜5に示すように、遊技球との接触を予定していない非遊技領域13に、詳しくは、センター役物装置15のステージ部15cの後方であって、画像表示装置20の表示部20aの下部側の前方に配置されている。そして、可動役物装置60は、遊技球の振り分け等を含めた遊技球との接触を考慮しておらず、単に、演出動作だけを行う演出専用の可動役物(演出専用可動役物)65を左右方向に並設させている。実施形態の場合、演出専用可動役物65は、図5,9に示すように、着座した人型の本体66を座布団状の基部67から上方へ突出させて構成されて、5体分、配設させている。
これらの可動役物65の駆動機構70は、図5〜9に示すように、駆動源としての駆動モータ71と、運動伝達機構73と、を備えて構成されている。駆動モータ71は、駆動軸71bを可逆回転可能としたステッピングモータからなり、運動伝達機構73は、駆動軸71bに固定されたピニオン74と、ピニオン74に噛合するラック75と、を備えて構成されている。ラック75は、可動役物65の基部67の下面側から下方に延びるとともに、ハウジング61のベース部62に設けられたスリーブ部63の挿通孔63cを挿通し、挿通孔63cの内周面に上下動を案内されるように、配設されている。
そして、画像表示装置20の装飾図柄変動の演出時には、左右両側の可動役物65Aが、同時に上下動するように構成されるとともに(図5,6参照)、その内側の左右両側の可動役物65Bも、同時に上下動するように構成され(図7参照)、さらに、中央の可動役物65Cが、独立して上下動するように、構成されている(図8参照)。なお、各可動役物65(65A,65B,65C)は、上下動時の上端位置(繰出位置)TPと下端位置(初期位置・待機位置・退避位置・収納位置)EPとを、一致させるように配設されている。
各可動役物65の上下動は、対応する駆動モータ71が、演出制御基板56で選択された演出モードに基づく動作パターンの種類により、所定のパルス数を入力させて、所定方向に回転して、行われることとなる。
また、各可動役物65は、基部67の下面67bがスリーブ部63の上面63aに当接されて、上端位置(繰出位置)TPに配置され、また、ラック75に設けられたストッパ68がスリーブ部63の下面63bに当接されて、下端位置(初期位置・待機位置・退避位置・収納位置)EPに配置されることとなる。
なお、各可動役物65(65A,65B,65C)には、下端位置EPを確認できるように、投光部78aと受光部78bとを備えた光センサ等からなる位置センサ78が、ラック75の下端に設けられた遮光板76の配置位置に対応して、配設されている。また、各可動役物65は、駆動モータ71の本体71a、駆動軸71b、あるいは、ピニオン74付近に設けられたレゾルバやエンコーダ等の角度センサ80により、駆動軸71bの回転角度をセンシングされている。そのため、位置センサ78の下端位置EPのセンシングにより、演出制御基板56は、各可動役物65が下端位置EPに配置された際、駆動モータ71への入力されたパルス数と角度センサ80からの回転角度との相互のずれが解消されるように、駆動モータ71と角度センサ80との初期設定を一致させて、リセットできる。その結果、その後の角度センサ80と駆動モータ71へ出力されるパルス数とにより、演出制御基板56は、可動役物65が、上端位置TPに配置されても、下端位置EPと上端位置TPとの間の中間位置に停止されても、容易に、その位置を検知でき、かつ、所定の位置で可動役物65を停止させることができるように構成されている。
ハウジング61は、左右方向の略水平方向に沿って配置されたベース部62を備え、ベース部62に駆動モータ71等を取り付けている。また、ハウジング61の左方側には、可動役物65の上面側に載った遊技球を流下させてアウト球とする排出部としての排出口64が配設されている。
(3)可動役物装置の動作
各可動役物65の動作パターンは、全ての可動役物65を下端位置EPで待機させておく図5に示すような状態の初期動作パターンP0の他、第1動作パターンP1、第2動作パターンP2、及び、第3動作パターンP3、の4つのものがある。
第1動作パターンP1は、図6に示すように、左右両側の可動役物65Aだけを上端位置TPまで移動させ、そして、下端位置EPに戻すものである。
第2動作パターンP2は、まず、左右両側の可動役物65A,65Aだけを上端位置TPまで移動させ(図6参照)、そして、可動役物65A,65Aを上端位置TPに配置させた状態で、その後、中央の可動役物65Cを下端位置EPに配置させたまま、図7に示すように、内側の可動役物65B,65Bを上端位置TPまで移動させ、そしてその後、上端位置TPに配置させた全ての可動役物65A,65Bを、下端位置EPに戻すものである。
第3動作パターンP3は、遊技者に最も大当りを期待させる演出、すなわち、特別遊技状態に移行する可能性の高いことを示唆報知する演出であり、第2動作パターンP2において、上端位置TPに配置させた全ての可動役物65A、65Bを、下端位置EPに戻す前に、図8に示すように、中央の可動役物65Cを下端位置EPから上端位置TPまで移動させ、その後、全ての可動役物65A,65B,65Cを下端位置EPに復帰させるものである。
これらの動作パターンと各可動役物65の配置位置とを示すと、図11に示す表のようになる。この表の各可動役物65A,65B,65Cの下方の欄が、各動作パターンのそれぞれの段階での各可動役物65A,65B,65Cの状態を表すものであり、P文字のつぎのA,B,Cは、各可動役物65A,65B,65Cに対応することを示し、さらに、その後の文字のEは、下端位置EPの配置状態を示し、Uは、下端位置EPから上端位置TPへの移動中の配置状態を示し、Tは、上端位置TPの配置状態を示し、Dは、上端位置TPから下端位置EPへの移動中の配置状態を示している。
これらの動作パターンP1,P2,P3は、可動役物65の上端位置TPへの配置数が多ければ、大当たりの期待が高まるように(P1<P3)、演出制御基板56が、画像表示装置20の表示部20aで表示する各種演出や、スピーカ47やランプ48,49の効果音・点灯とともに、選択して、演出することとなる。
そして、これらの動作パターンP1,P2,P3の各可動役物65の動作状態を詳しく述べれば、図11に示すように、第1動作パターンP1では、まず、全ての可動役物65が下端位置EPに配置されている第1段階P1−1(図5参照)、可動役物65Aが上昇中となる第2段階P1−2、可動役物65Aが上端位置TPに配置された第3段階P1−3(図6参照)、可動役物65Aが下降中の第4段階P1−4、の四段階がある。
第2動作パターンP2では、まず、全ての可動役物65が下端位置EPに配置されている第1段階P2−1(図5参照)、可動役物65Aが上昇中となる第2段階P2−2、可動役物65Aが上端位置TPに配置された第3段階P2−3(図6参照)、可動役物65Bが上昇中の第4段階P2−4、可動役物65Bが、可動役物65Aとともに上端位置TPに配置された第5段階P2−5(図7参照)、可動役物65A,65Bが下降中の第6段階P2−6、の六段階がある。
第3動作パターンP3では、まず、全ての可動役物65が下端位置EPに配置されている第1段階P3−1(図5参照)、可動役物65Aが上昇中となる第2段階P3−2、可動役物65Aが上端位置TPに配置された第3段階P3−3(図6参照)、可動役物65BAが上昇中の第4段階P3−4、可動役物65Bが、可動役物65Aとともに上端位置TPに配置された第5段階P3−5(図7参照)、可動役物65Cが上昇中の第6段階P3−6、可動役物65Cが、可動役物65A,65Bとともに上端位置TPに配置された第7段階P3−7(図8参照)、全ての可動役物65A,65B,65Cが下降中の第8段階P3−8、の八段階がある。
なお、初期動作パターンP0は、図5に示すように、全ての可動役物65が下端位置EPに配置されている状態であり、PAE,PBE,PCEと表示されることとなる。
また、この可動役物装置60では、図9に示すように、全ての可動役物65を、繰出位置、すなわち、上端位置TPに配置させた状態を、可動役物装置60内への遊技球の進入を防止できる防止位置GPに配置させた状態としている。全ての可動役物65を上端位置TPである防止位置GPに配置させた状態では、例えば、障害釘31等によって詰まった遊技球を解消しようとして、ガラス扉部6を開け、詰まりを解消した遊技球Bが可動役物装置60内へ進入しようとしても、左右方向に沿うように揃って配置された可動役物65の基部67が、一枚の板状となって、可動役物装置60内への遊技球Bの進入を、防止することができる。
ちなみに、隣り合う可動役物65の一方が、図6,7に示すように、下端位置EPに配置され、他方が、上端位置TPに配置されると、上端位置TP側の基部67と、下端位置EP側の可動役物65との間に、隙間Hが開き、その隙間Hから遊技球Bが可動役物装置60内に進入すれば、可動役物装置60の故障を招いてしまう。すなわち、可動役物装置60内に遊技球Bが進入した状態で、上端位置TPにあった可動役物65が下降すれば、基部67とハウジング61(ベース部62やスリーブ部63)との間で遊技球Bが挟まれ、その後の駆動モータ71に負荷がかかり、駆動源としての駆動モータ71や運動伝達機構73のピニオン74、ラック75等の駆動機構70の破損を招いて、その後の可動役物65の所定位置までの移動を困難にしてしまう。
また、実施形態の場合、可動役物65の上面側に載った遊技球を排出口64へ排出可能なように、各可動役物65は、図10に示すように、右端側から排出口64側に接近するにしたがって左下がりに傾斜するように、徐々に下降した状態の排出位置OP、に配置されるように構成されている。この排出位置OPへの配置状態は、排出口64から離れる側となる右隣の可動役物65との間に、遊技球が可動役物装置60内に入る隙間Hを開けることなく、各基部67が、右上がりに配置される状態とし、遊技球Bが、いずれかの基部67上に載っていれば、徐々に左隣の基部67上に、流下して、最終的に、排出部としての排出口64に排出されるように設定されている。
なお、基部67は、図10の二点鎖線に示すように、その上面67aを、左下がりに傾斜させるように構成して、積極的に、上面67aに載った遊技球を排出口64側に流下させ易いように構成してもよい。
(4)パチンコ遊技機の電気系統
次に、図12に基づいて実施形態のパチンコ遊技機1の電気系統について説明する。図12に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、メイン制御基板50、払出制御基板52、サブ制御基板55を備え、サブ制御基板55は、演出制御基板(演出制御手段として機能する)56、画像制御基板57、及び、ランプ制御基板58を備えている。そして、払出制御基板52及び演出制御基板56はメイン制御基板50に接続され、画像制御基板57及びランプ制御基板58は演出制御基板56に接続されている。各制御基板は、CPU、ROM、RAM等を備えている。また、メイン制御基板50は、RAM内に、第1保留記憶部51a及び第2保留記憶部51bを有する保留記憶部51を備えている。また、演出制御基板56は、RAM内に、演出モード記憶部56aと、可動役物65を、遊技球の可動役物装置60内への進入を防止できる防止位置GPに配置させる時点での動作パターンを記憶して保存する移動前パターン記憶部56bと、その時点での可動役物65の停止位置である移動前位置を記憶して保存する移動前位置記憶部56cと、を備えている。
メイン制御基板50は、大当たりの抽選や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものである。メイン制御基板50には、第1始動口22内に設けられて第1始動口22に入賞した遊技球を検出する第1始動口SW(スイッチ)22a、第2始動口23内に設けられて第2始動口23に入賞した遊技球を検出する第2始動口SW23a、電チュー24を駆動する電チューソレノイド24a、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するゲートSW28a、大入賞口27内に設けられて大入賞口27に入賞した遊技球を検出する大入賞口SW27a、開閉部材26bを駆動する大入賞口ソレノイド26a、各普通入賞口30内にそれぞれ設けられてその普通入賞口30に入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW30a、第1特別図柄保留ランプ40a、第2特別図柄保留ランプ40b、普通図柄保留ランプ38、第1特別図柄表示器39a、第2特別図柄表示器39b、普通図柄表示器37がそれぞれ接続され、図12に矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御基板50に信号が入力され、各ソレノイドやランプ等にはメイン制御基板50から信号が出力される。
また、メイン制御基板50は、払出制御基板52に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板52から信号を受信する。払出制御基板52には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ53が接続され、払出制御基板52は、メイン制御基板50から受信したコマンドに従って払出駆動モータ53を動作させ、賞球の払出を行わせる。
さらに、払出制御基板52には、扉開放SW9が接続されており、払出制御基板52は、扉開放SW9から扉開放信号を受信すると、メイン制御基板50に対して扉開放信号を送信する。なお、扉開放信号は、メイン制御基板50から演出制御基板56に対しても送信される。
また、メイン制御基板50は、演出制御基板56に対し、演出モードを含めた各種コマンドを送信し、演出制御基板56は、画像制御基板57との間でコマンドや信号の送受信を行う。画像制御基板57には画像表示装置20及びスピーカ47が接続され、画像制御基板57は、演出制御基板56から受信した演出モードのコマンドに従って、画像表示装置20の表示部20aに装飾図柄その他の画像を表示し、かつ、スピーカ47から音声を出力する。また、演出制御基板56は、ランプ制御基板58との間でコマンドや信号の送受信を行う。特に、演出制御基板56は、可動役物装置60の位置センサ78や角度センサ80からの信号を受信するように、構成されている。
また、ランプ制御基板58には、枠ランプ48、盤ランプ49、及び、可動役物装置60が接続され、ランプ制御基板58は、演出制御基板56から受信したコマンドに従って、枠ランプ48や盤ランプ49を点灯・消灯し、さらに、可動役物装置60を動作させる。また、演出制御基板56には、演出ボタン46が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW46aが接続されており、演出ボタン46(図1参照)が押下されると、演出ボタン検出SW46aから演出制御基板56に対して信号が出力される。
(5)遊技状態等の説明
次に、実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態等について説明する。実施形態のパチンコ遊技機1は、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態、潜確遊技状態の4つの遊技状態と、大当たり遊技、小当たり遊技とを有している。
時短遊技状態とは、通常遊技状態よりも第2始動口23へ遊技球が入賞し易い状態をいい、通常遊技状態では、例えば、普通図柄抽選の当選確率が約1/10、普通図柄変動時間が4秒、電チュー24の開放時間が0.15秒、電チュー24の開放回数が1回であるのに対して、時短遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率が約9/10、普通図柄変動時間が1.5秒、電チュー24の開放時間が1.80秒、電チュー24の開放回数が3回となっている。
確変遊技状態とは、通常遊技状態よりも大当たりに当選しやすく、かつ第2始動口23へ遊技球が入賞し易い状態をいい、通常遊技状態では、例えば、大当たり当選確率が約1/300であるのに対して、確変遊技状態では、大当たり当選確率が約1/30となっている。また、確変遊技状態では、例えば、時短遊技状態と同様、普通図柄抽選の当選確率が約9/10、普通図柄変動時間が1.5秒、電チュー24の開放時間が1.80秒、電チュー24の開放回数が3回となっている。
潜確遊技状態とは、通常遊技状態よりも大当たりに当選しやすい状態をいい、潜確遊技状態では、確変遊技状態と同様、すなわち、大当たり当選確率が約1/30となっている。また、潜確遊技状態では、通常遊技状態と同様、すなわち、普通図柄抽選の当選確率が約1/10、普通図柄変動時間が4秒、電チュー24の開放時間が0.15秒、電チュー24の開放回数が1回となっている。
そして、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)通常遊技状態であり、大当たりが発生すれば、大入賞口27を所定回数開閉する大当たり遊技を経て、その大当たりの種類に応じた遊技状態に遷移する。大当たりの種類には、ほとんど賞球の獲得が望めない短当たりとして、例えば、2R(ラウンド)潜確大当たりがあり、多くの賞球を獲得可能な長当たりとして、15R(ラウンド)確変大当たり、15R(ラウンド)通常大当たりがある。また、これら大当たりの他に小当たりがある。なお、ラウンドとは大入賞口27の開放期間を言う。2R潜確大当たりでは、大入賞口27を極短時間2回開放する大当たり遊技を行った後、潜確遊技状態に遷移し、15R確変大当たりでは、大入賞口27を15回開放する大当たり遊技を行った後、確変遊技状態に遷移し、15R通常大当たりでは、大入賞口27を15回開放する大当たり遊技を行った後、時短遊技状態に遷移する。また、小当たりは、見かけ上2R潜確大当たりと変わらない動作をするもので、大入賞口27を極短時間2回開放する小当たり遊技を行うが、遊技状態は遷移しない。なお、時短遊技状態において途中で大当たりが発生することなく100回の特別図柄変動が行われたときも、通常遊技状態に遷移する。
なお、大当たり及び小当たりの抽選は大当たり乱数を用いて行われ、大当たりに当選した場合に当選した大当たりがいずれの種類の大当たりとなるかの抽選は、大当たり図柄乱数を用いて行われる。
(6)パチンコ遊技機の動作
次に、図12〜21に基づいてメイン制御基板50の制御動作について説明し、図22〜33に基づいて演出制御基板56の制御動作について説明する。まず、メイン制御基板50の制御動作について説明する。なお、後述する各カウンタは、RAMに設けられ、パチンコ遊技機1の電源投入時にゼロクリアされる。
[メイン側タイマ割込処理]
メイン制御基板50は、図13に示すメイン側タイマ割込処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、メイン制御基板50は、扉開放信号受信処理を行い(ステップS101)、ついで、メイン制御基板50は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たり図柄の種類を決めるための図柄乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる当たり乱数等を更新する乱数更新処理を行う(ステップS102)。
次に、メイン制御基板50は、後述する始動口SW処理(S103)、ゲートSW処理(S104)の他、大入賞口SW処理(S105)及び普通入賞口SW処理(S106)を行う。大入賞口SW処理は、大入賞口SW27aがONしていれば、大当たり遊技中又は小当たり遊技中(後述する当たり遊技フラグがON)か否かを判定して、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であれば、入賞個数カウンタの値Cに1を加算するとともに、大入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。普通入賞口SW処理は、普通入賞口SW30aがONしていれば普通入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。
続いて、メイン制御基板50は、後述する特別図柄処理(S107)、普通図柄処理(S108)、大入賞口処理(S109)、及び、電チュー処理(S110)を行う。そして、メイン制御基板50は、大入賞口カウンタの値に応じた数の賞球、及び、普通入賞口カウンタの値に応じた数の賞球を払い出すためのコマンドをセットして、それらのカウンタをゼロクリアする賞球処理(S111)を行い、以上の各処理においてセットしたコマンドを払出制御基板52及び演出制御基板56に出力する出力処理(S112)を行う。
[扉開放信号受信処理]
図14に示すように、扉開放信号受信処理では、メイン制御基板50は、ガラス扉部6を開けた際の扉開放SW9が出力した進入予測信号を受信したか否かを判定し(S201)、進入予測信号を受信していなければ、ステップS203に進み、受信していれば、扉開放フラグをONして(S202)して、ステップS203に進む。
そして、ステップS203では、ガラス扉部6を閉じた際の扉開放SW9がONからOFFとなって、進入予測の解除信号となる扉閉鎖信号を受信したか否かを判定し、受信していなければ、扉開放信号受信処理を終え、受信していれば、扉開放フラグをOFFして(S204)、扉開放信号受信処理を終える。
[始動口SW処理]
図15に示すように、始動口SW処理では、メイン制御基板50は第1始動口SW22aがONしたか否かを判定し(S301)、ONしていなければステップS306に進み、ONしていれば、第1保留記憶部51aに記憶されている大当たり乱数の個数を数える第1始動口保留カウンタの値U1が、上限値の4未満か否かを判定する(S302)。そして、4未満でない場合はステップS306に進み、4未満の場合は、U1に1を加算して(S303)、大当たり乱数を取得して第1保留記憶部51aに格納するとともに、大当たり図柄乱数等を取得して所定記憶域に記憶し(S304)、第1保留数増加コマンドをセットする(S305)。
ステップS306では、メイン制御基板50は第2始動口SW23aがONしたか否かを判定し、ONしていなければ始動口SW処理を終え、ONしていれば、第2保留記憶部51bに記憶されている大当たり乱数の個数を数える第2始動口保留カウンタの値U2が、上限値の4未満か否かを判定する(S307)。そして、4未満でない場合は始動口SW処理を終え、4未満の場合は、U2に1を加算して(S308)、大当たり乱数を取得して第2保留記憶部51bに格納するとともに、大当たり図柄乱数等を取得して所定記憶域に記憶し(S309)、第2保留数増加コマンドをセットして(S310)、始動口SW処理を終える。
[ゲートSW処理]
図16に示すように、ゲートSW処理では、メイン制御基板50はゲートSW28aがONしたか否かを判定し(S401)、ONしていなければゲートSW処理を終え、ONしていれば、ゲート保留カウンタの値Gが上限値の4未満か否かを判定する(S402)。そして、4未満でない場合はゲートSW処理を終え、4未満であればGに1を加算して(S403)、普通図柄抽選に用いる当たり乱数を取得して所定記憶域に格納し(S404)、ゲートSW処理を終える。
[特別図柄処理]
図17に示すように、特別図柄処理では、メイン制御基板50は、当たり遊技中か否かを示す当たり遊技フラグ(即ち、小当たり遊技フラグ、長当たり遊技フラグ、又は、短当たり遊技フラグ)がONか否かを判定し(S501)、ONであれば特別図柄処理を終え、ONでなければ特別図柄の変動中か否かを判定する(S502)。そして、変動中であればステップS503に進み、ステップS503で、扉開放フラグがONであれば、特別図柄処理を終え、扉開放フラグがONでなければ、ステップS516に進む。
一方、ステップS502で特別図柄が変動中でなければ、第2始動口保留カウンタの値U2又は第1始動口保留カウンタの値U1が1以上か否かを判定する(S504,S506)。そして、U2,U1が共に1以上でなければ、客待ち状態中か否かを示す客待ちフラグがONであるか否かを判定し(S508)、ONであれば特別図柄処理を終え、ONでなければ客待ちコマンドをセットして(S509)、客待ちフラグをONした後(S510)、特別図柄処理を終える。あるいは、U2又はU1が1以上であればU2又はU1から1を減算して(S505,S507)、客待ちフラグをOFFした後(S511)、ステップS304又はS309で格納しておいた大当たり乱数を用いて大当たり判定処理を行う(S512)。
大当たり判定処理(S512)では、図18に示すように、メイン制御基板50は、大当たり判定用テーブルを用いてステップS304又はS309で格納した大当たり乱数が大当たりか否かの判定を行い(S601)、大当たりであれば大当たり図柄乱数がどの大当たり図柄を示すものかを判定して、その大当たり図柄をセットし(S602でYES,S603,S604)、小当たりであれば小当たり図柄をセットし(S602でNO、S605でYES、S606)、大当たりでも小当たりでもなければハズレ図柄をセットする(S605でNO、S607)。なお、大当たり図柄によって、大当たりの種類が決まる。
続いて、メイン制御基板50は、図17に示すように、変動パターン選択処理を行う(S513)。変動パターン選択処理では、直前の大当たり判定処理において大当たりと判定していれば、乱数値と変動パターンとの対応を示す変動パターンテーブルとして大当たり用テーブルを参照し、小当たりと判定していれば小当たり用テーブルを参照し、大当たりでも小当たりでもないと判定していればハズレ用テーブルを参照して、ステップS304又はS309で格納しておいた変動パターン乱数がいずれの変動パターンを示すかの判定を行い、変動パターンをセットする。なお、変動パターンには変動時間を示す情報が含まれている。
その後、メイン制御基板50は、第1特別図柄表示器39aまたは第2特別図柄表示器39bにおいて特別図柄の変動を開始し(S514)、変動開始コマンドをセットして(S515)、ステップS516に進む。
ステップS516では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ特別図柄処理を終えるが、経過していれば特別図柄の変動を停止して、大当たり判定処理でセットされた図柄で特別図柄を確定表示し(S517)、変動停止コマンドをセットする(S518)。そして、停止中処理(S519)として、各種遊技フラグ(時短遊技フラグ、確変遊技フラグ、潜確遊技フラグ、小当たり遊技フラグ、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ)のON/OFFに関する処理をし、大当たり又は小当たりであれば、オープニングを開始するとともに、オープニングコマンドをセットして、特別図柄処理を終える。
以上のように、特別図柄処理では、メイン制御基板50は、扉開放フラグがONされている状態で、特別図柄が変動すれば、その変動を停止させずに、変動を続行させることから、ガラス扉部6を開いた際、その状態を維持する状態、換言すれば、特別図柄処理を一旦停止させ、その状態を保存する状態、とすることとなる(特別図柄処理の停止保存手段を実行している状態となる)。そしてその後、メイン制御基板50は、ステップS204で扉開放フラグがOFFされていれば(S503でNO)、一旦停止されていた状態から、ステップS516に進んで、特別図柄処理を再開する状態となる(特別図柄処理の再開手段を実行している状態となる)。
[普通図柄処理]
図19に示すように、普通図柄処理では、メイン制御基板50は、補助遊技中か否かを示す補助遊技フラグがONか否かを判定し(S701)、ONであれば普通図柄処理を終え、ONでなければ普通図柄の変動中か否かを判定する(S702)。そして、変動中の場合には、ステップS703に進み、扉開放フラグがONであれば普通図柄処理を終え、扉開放フラグがONでなければ、ステップS710に進む。また、ステップS702で普通図柄が変動中でない場合には、ゲート保留カウンタの値Gが1以上か否かを判定し(S704)、Gが1以上でなければ普通図柄処理を終え、Gが1以上であればGから1を減算して(S705)、ステップS404で格納しておいた当たり乱数が当たりか否かを判定して(S706)、停止図柄を選択する(S707)。そして、遊技状態に応じた変動時間(実施形態では、通常遊技状態または潜確遊技状態であれば4秒、時短遊技状態または確変遊技状態であれば1.5秒)を選択し(S708)、普通図柄の変動を開始して(S709)、ステップS710に進む。
ステップS710では、メイン制御基板50は、変動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ普通図柄処理を終えるが、経過していれば、普通図柄の変動を停止して停止図柄を表示する(S711)。そして、停止図柄が当たりを示す図柄であれば(S712でYES)、補助遊技フラグをONし(S713)、ハズレを示す図柄であれば(S712でNO)、普通図柄処理を終える。
以上のように、普通図柄処理では、メイン制御基板50は、扉開放フラグがONされている状態で、普通図柄が変動すれば、その変動を停止せずに、変動を続行させることから、ガラス扉部6を開いた際、その状態を維持する状態、換言すれば、普通図柄処理を一旦停止させ、その状態を保存する状態、とすることとなる(普通図柄処理の停止保存手段を実行している状態となる)。そしてその後、メイン制御基板50は、ステップS204で扉開放フラグがOFFされていれば(S703でNO)、一旦停止されていた状態から、ステップS710に進んで、普通図柄処理を再開する状態となる(普通図柄処理の再開手段を実行している状態となる)。
[大入賞口処理]
図20に示すように、大入賞口処理では、メイン制御基板50は、まず、当たり遊技フラグがONか否かを判定し(S801)、ONでなければ大入賞口処理を終えるが、ONであれば、オープニング中であるか否かを判定する(S802)。オープニングとは、大当たり遊技の開始から第1ラウンドの開始までの期間をいう。メイン制御基板50は、オープニング中と判定した場合には、オープニング時間が経過したか否かを判定し(S803)、経過していなければ大入賞口処理を終え、経過していれば、大当たりの種類に応じた最大R数(ラウンド数)と作動パターンとを設定する(S804)。そして、入賞個数カウンタの値Cをゼロクリアし(S805)、ラウンドカウンタの値Rに1を加算し(S806)、大入賞口27の作動(開放)を開始する(S807)。
次に、メイン制御基板50は、大入賞口27の作動時間(開放時間。例えば、長当たりであれば29.5秒、短当たりまたは小当たりであれば0.1秒等)が経過したか否かを判定し(S808)、経過していれば、扉開放フラグがONしていないことを確認して(S810でNO)、大入賞口27を閉口する(S811)。ステップS810で、扉開放フラグがONしていれば(S810でYES)、大入賞口処理を終える。また、ステップS808で、大入賞口27の作動時間が経過していなければ、入賞個数カウンタの値Cが規定個数であるか否かを判定して(S809)、規定個数でなければ大入賞口処理を終え、規定個数であれば大入賞口27を閉口する(S811)。
そして、メイン制御基板50は、ラウンドカウンタの値Rが最大R数であるか否かを判定し(S812)、最大R数でなければ大入賞口処理を終え、最大R数であれば、エンディングを開始して(S813)、エンディングコマンドをセットし(S814)、ラウンドカウンタの値Rをゼロクリアする(S815)。なお、エンディングとは、最終ラウンドの終了から大当たり遊技の終了までの期間をいう。次に、メイン制御基板50は、エンディング時間が経過したか否かを判定し(S818)、経過していなければ大入賞口処理を終え、経過していれば遊技状態設定処理を行って(S819)、当たり遊技フラグをOFFする(S820)。遊技状態設定処理では、メイン制御基板50は、今終了した当たり遊技が、小当たりであれば、遊技状態を遷移させないので遊技状態設定処理を終え、15R通常大当たりであれば、時短遊技状態に遷移させるため時短遊技フラグをONし、15R確変大当たりであれば、確変遊技状態に遷移させるため確変遊技フラグをONし、2R潜確大当たりであれば、潜確遊技状態に遷移させるため潜確遊技フラグをONする。
一方、メイン制御基板50は、ステップS802においてオープニング中でないと判定したときは、大入賞口27がエンディング中であるか否かを判定し(S816)、エンディング中であればステップS818に移行し、エンディング中でなければ大入賞口27の作動中か否かを判定する(S817)。そして、作動中でなければステップS805に移行し、作動中であればステップS808に移行する。
以上のように、大入賞口処理では、メイン制御基板50は、扉開放フラグがONされている状態で、大入賞口27が開口されていれば、作動時間を経過していても、閉口させずに、その開口状態を続行させることから、ガラス扉部6を開いた際、その状態を維持する状態、換言すれば、大入賞口27を開口させた状態で一旦停止させ、その状態を保存する状態、とすることとなる(大入賞口処理の停止保存手段を実行している状態となる)。そしてその後、メイン制御基板50は、ステップS204で扉開放フラグがOFFされていれば(S810でNO)、一旦停止されていた状態から、ステップS811に進んで、大入賞口処理を再開する状態となる(大入賞口処理の再開手段を実行している状態となる)。
なお、この時、ガラス扉部6を開いた際、大入賞口27が開いていれば、遊技者にサービスするように、ホールの店員等は、大入賞口27に所定数の遊技球を投入可能となる。
[電チュー処理]
図21に示すように、電チュー処理では、メイン制御基板50は、補助遊技フラグがONか否かを判定し(S901)、ONでないと判定すれば電チュー処理を終える。一方、ONと判定すれば、電チュー24が作動中か否かを判定し(S902)、作動中でなければ、現在の遊技状態に応じた電チュー24の作動パターン(本実施形態では、通常遊技状態または潜確遊技状態であれば0.15秒の開放を1回、時短遊技状態または確変遊技状態であれば1.80秒の開放を3回)を選択して(S904)、その作動パターンに則った作動を開始し(S905)、ステップS906に進む。
また、ステップS902で、電チュー24が作動中であれば、扉開放フラグがONか否かを判定して(S903)、ONであれば、電チュー処理を終え、ONでなければ、ステップS906に進む。
そして、メイン制御基板50は、ステップS906で、電チュー24の作動時間(複数回の電チュー24の開放を含む作動パターンでは、開放間のインターバル時間を含む。)が経過したか否かを判定し、経過していなければ電チュー処理を終え、経過していれば補助遊技フラグをOFFして(S907)、電チュー処理を終える。
以上のように、電チュー処理では、メイン制御基板50は、扉開放フラグがONされている状態で、電チュー24が作動中であれば、その作動を停止せずに、作動を続行させることから、ガラス扉部6を開いた際、その状態を維持する状態、換言すれば、電チュー処理を一旦停止させ、その状態を保存する状態、とすることとなる(電チュー処理の停止保存手段を実行している状態となる)。そしてその後、メイン制御基板50は、ステップS204で扉開放フラグがOFFされていれば(S903でNO)、一旦停止されていた状態から、ステップS906に進んで、電チュー処理を再開する状態となる(電チュー処理の再開手段を実行している状態となる)。
なお、この時、ガラス扉部6を開いた際、電チュー24からなる第2始動口23が開いていれば、遊技者にサービスするように、ホールの店員等は、第2始動口23に所定数の遊技球を投入可能となる。
そして、実施形態のメイン制御基板50の処理では、既述したように、扉開放信号(進入予測信号)を受信(検出)すれば、各種処理が一旦停止されて、その状態を保存されるように、停止保存手段(停止保存処理)が実行され、そして、扉閉塞信号(扉開放信号若しくは進入予測信号のONからOFFとなった信号、換言すれば、進入予測の解除信号)を受信すれば、一旦停止されていた各種処理が再開されて、再開手段(再開処理)が実行されることとなり、遊技者は、違和感無く、遊技を続行できる。
そしてまた、以上のメイン制御基板50における処理と並行して、演出制御基板56では図22〜33に示す処理を行う。以下、演出制御基板56の制御動作について説明する。
[サブ側タイマ割込処理]
演出制御基板56は、図22に示すようなサブ側タイマ割込処理を所定(例えば4msec)の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割込処理では、演出制御基板56での後述する扉開放信号受信処理(S1101)を終えた後、扉開放フラグがONか否かを判定し(S1102)、ONであれば、サブ側タイマ割込処理を終え、ONでなければ、コマンド受信処理(S1103)、演出ボタン処理(S1104)を行い、続いて、コマンド受信処理(S1103)や演出ボタン処理(S1104)でセットしたコマンドを画像制御基板57やランプ制御基板58に送信するコマンド送信処理(S1105)を行う。コマンド送信処理が実行されると、各種コマンドを受信した画像制御基板57やランプ制御基板58は、各種演出装置(実施形態では、画像表示装置20、スピーカ47、枠ランプ48、盤ランプ49、可動役物装置60が相当する)を用いて各種演出(図柄変動演出や大当たり演出等)を実行する。
[扉開放信号受信処理]
図23に示すように、扉開放信号受信処理では、演出制御基板56は、扉開放SW9が出力した扉開放信号を受信したか否か判定し(S1201)、扉開放信号を受信していなければ、ステップS1207に進む。扉開放信号を受信していれば、扉開放フラグがONか否かを判定して(S1202)、ONされていなければ、扉開放フラグをONし(S1203)、さらに、演出停止保存処理が終了されているか否かを、演出停止保存処理終了フラグがONか否かにより判定して(S1204)、ONされていなければ、演出停止保存処理を行い(S1205)、さらに、可動役物移動処理を行って(S1206)、ステップS1207に進む。
ステップS1207では、演出制御基板56は、扉開放SW9がONからOFFとなった扉閉鎖信号、換言すれば、進入予測の解除信号、を受信したか否かを判定し、受信していなければ、扉開放信号受信処理を終え、受信していれば、演出再開処理を行って(S1208)、扉開放信号受信処理を終える。
[演出停止保存処理]
図24に示すように、演出停止保存処理では、演出制御基板56は、画像ポーズ処理を行って(S1301)、画像制御基板57とランプ制御基板58とに一旦停止信号を出力して、画像表示装置20の表示部20aで表示していた演出を一旦停止させるとともに、スピーカ47からの効果音を停止させ、また、枠ランプ48や盤ランプ49の点灯や消灯の状態を維持する。また、演出制御基板56は、可動役物停止処理(S1302)により、可動役物装置60の可動役物65の移動を停止させるように、駆動機構70の各駆動モータ71を停止させ、さらに、可動役物移動前パターン保存処理(S1303)により、停止時の可動役物65の動作パターン(移動前パターン)を移動前パターン記憶部56bに保存し、さらに、可動役物移動前位置保存処理(S1304)により、停止時の各可動役物65の停止位置(移動前位置)を移動前位置記憶部56cに保存し、そして、停止保存処理終了フラグをONして(S1305)、演出停止保存処理を終える。
なお、移動前パターンの保存は、例えば、図11に示すように、停止時に各動作パターンP0,P1,P2,P3のいずれであるか、さらに、その際の各可動役物65が、停止中か、下降中か、あるいは、上昇中か、のいずれの段階(例えば、P1−1か、P1−2か、P1−3か、あるいは、P1−4か等)であるかを保存する。また、移動前位置の保存は、各可動役物65の下端位置EPや上端位置TPのみならず、駆動モータ71に出力した正転若しくは逆転のパルス数を基準に、角度センサ80の信号をフィードバッグさせて、下端位置EPと上端位置TPとの間の停止位置でも、その位置データを保存することとなる。
[可動役物移動処理]
図25に示すように、可動役物移動処理では、可動役物65を防止位置GPに配置させる防止側移動手段を実行するものであり、演出制御基板56は、まず、防止移動フラグがONか否かを判定して(S1401)、移動処理を実行中か否か判定し、ONであれば、ステップS1407に進み、ONでなければ、駆動モータ71が停止中か否かを判定し(S1402)、停止中であれば、ステップS1404に進み、停止中でなければ、可動役物65を停止させるように、駆動モータ71を停止させて(S1403)、ステップS1404に進む。ステップS1404では、可動役物65の停止位置が防止位置GP(上端位置TP)であるか否かを判定し、防止位置GPであれば、可動役物移動処理を終え、防止位置GPでなければ、駆動モータ71を作動させて(S1405)、防止移動フラグをONさせ(S1406)、ステップS1407に進む。
ステップS1407では、駆動モータ71の作動により、可動役物65が防止位置GPに配置されたか否かを判定し、配置されていなければ、移動処理を終え、配置されていれば、駆動モータ71の作動を停止させ(S1408)、そして、防止移動フラグをOFFして(S1409)、可動役物移動処理を終える。
この可動役物移動処理では、演出制御基板56は、ステップS1407で、可動役物65が防止位置GPに配置されていなければ、駆動モータ71を停止させることなく作動させ続け(S1407でNO)、最終的に、全ての可動役物65を防止位置GPに配置させて(S1407でYES)、駆動モータ71を停止させ(S1408)、可動役物移動処理を終えることとなる。
この時、演出制御基板56は、ステップS1405での駆動モータ71の作動時、動作パターンのいずれの段階で停止したかを、ステップS1303,S1304で記憶した可動役物65の停止時における動作パターンや停止位置を参照して、迅速に、各可動役物65を防止位置GPに配置させている(図11の「GPへの駆動モータ」の欄(防止位置GPへの配置時の駆動モータの種類の欄)を参照)。
例えば、第1動作パターンP1の第1段階P1−1であれば、全ての駆動モータ71A,71B,71Cを正転させて、全ての可動役物65A,65B,65Cを上端位置TPに配置させる。なお、駆動モータの符号71A,71B,71Cは、アルファベットを共通させた可動役物65A,65B,65Cを移動させる駆動モータ71に対応させたものである。
そして、停止時の各動作パターンの段階において、第3動作パターンの第7段階P3−7では、全ての可動役物65が上端位置TPに配置されていることから、この場合では、全駆動モータ71A,71B,71Cを駆動させなくともよい(ステップS1401でNO、ステップS1402でYES、ステップS1404でYES)。しかし、第2動作パターンの第5段階P2−5、第3動作パターンの第5,6段階P3−5,P3−6では、可動役物65A,65Bが上端位置TPに配置されている状態で、可動役物65Cが上端位置TPにないことから、駆動モータ71Cが正転して、可動役物65Cを上端位置TPに配置させて、全可動役物65A,65B,65Cを上端位置TPに配置させることとなる。
同様に、第1動作パターンの第3段階P1−3、第2動作パターンの第3,4段階P2−3,P2−4、第3動作パターンの第3,4段階P3−3,P3−4では、可動役物65Aが上端位置TPに配置されている状態で、可動役物65B,65Cが上端位置TPに配置されていないことから、駆動モータ71B,71Cが正転方向に回転して、可動役物65B,65Cを上端位置TPに配置させて、全可動役物65A,65B,65Cを上端位置TPに配置させることとなる。
さらに、残りのケース、すなわち、第1動作パターンの第1,2,4段階P1−1,P1−2,P1−4、第2動作パターンの第1,2,6段階P2−1,P2−2,P2−6、第3動作パターンの第1,2,6段階P3−1,P3−2,P3−6では、全可動役物65A,65B,65Cが上端位置TPに配置されていないことから、全駆動モータ71A,71B,71Cを正転させて、全可動役物65A,65B,65Cを上端位置TPに配置させることとなる。
そして、可動役物装置60が、全可動役物65A,65B,65Cを上端位置TPに配置させた防止位置GPに、配置されれば、図8に示すように、障害釘31等に詰まっていた遊技球Bが、ガラス扉部6の開きで、詰まりを解消して、可動役物装置60内に進入しようとしても、全可動役物65A,65B,65Cの基部67が、一枚の板状に連なって、ベース部62の上方のエリアを覆うことから、可動役物装置60内への遊技球Bの進入が防止される。
[演出再開処理]
演出再開処理は、既述したように、ステップS1208において、扉閉鎖信号を受信した後に行うものであって(S1207でYES)、図26に示すように、演出制御基板56は、扉開放フラグがOFFか否かを判定して(S1501)、OFFであれば、演出再開処理を終え、OFFでなければ、復帰移動フラグがONか否かを判定し(S1502)、ONであれば、ステップS1514に進み、ONでなければ、排出フラグがONか否かを判定する(S1503)。ステップS1503で、既に、排出フラグがONであれば、ステップS1506に進み、排出フラグがONでなければ、駆動モータ71を作動させて、防止位置GPに配置させていた可動役物65A,65B,65Cを排出位置OP(図10参照)に配置させるように、駆動モータ71を作動させて、排出側移動手段を実行する排出側移動処理を行って(S1504)、排出フラグをONさせ(S1505)、ステップS1506に進む。
ステップS1506では、可動役物65A,65B,65Cが排出位置OPに配置されているか否かを判定し、配置されていなければ、演出再開処理を終え、配置されていれば、駆動モータ71が停止中か否かを判定して(S1507)、停止中でなければ(S1507でNO)、排出側移動処理を終了させるように駆動モータ71を停止させて(S1508)、ステップS1509に進み、停止中であれば(S1507でYES)、そのまま、ステップS1509に進み、ステップS1509で、排出位置OPでの停止後、所定時間経過しているかを判定して、所定時間を経過していれば、排出フラグをOFFして(S1510)、ステップS1511に進む。
なお、ステップS1509での所定時間は、防止位置GPに配置された可動役物装置60の可動役物65A,65B,65C上に遊技球Bが載ったまま、扉閉塞信号を受信した際において(例えば、詰まった遊技球の詰まりを解消して、ガラス扉部6を閉じた際、遊技球Bが可動役物65A,65B,65C上に載ったままとなっていた場合等において)、遊技球Bが、排出位置OPに配置されて左下がりに傾斜するように並んだ可動役物65A,65B,65Cの基部67や本体66上を、転動して、十分に、排出口64に流下できる時間(例えば、10秒)として、設定すればよい。
ステップS1511では、ステップS1303とステップS1304とで移動前パターン記憶部56bと移動前位置記憶部56cとに保存させたおいた可動役物65の移動前パターンと移動前位置とを参照する移動前情報参照処理を行う。ついで、演出制御基板56は、各可動役物65が移動前パターンで移動前位置から動作を再開可能に、まず、可動役物65を排出位置OPから移動前位置に復帰させるように、所定の駆動モータ71を作動させる可動役物復帰配置処理を行って(S1512)、復帰移動フラグをONして(S1513)、ステップS1514に進む。
ステップS1514では、可動役物65A,65B,65Cが移動前位置に復帰しているかを判定し、復帰していなければ、演出再開処理を終え、復帰していれば、復帰配置処理を終了するように駆動モータ71の作動を停止し(S1514)、移動前パターン記憶部56bや移動前位置記憶部56cに記憶させていた移動前パターンや移動前位置のデータである移動前情報をクリアするとともに(S1516)、停止保存フラグをOFFする(S1517)。さらに、防止位置GPに移動させるように停止させた際のその後の動作パターンを続行させるように、駆動モータ71を動作させる可動役物再開動作をONさせて(S1518)、可動役物65A,65B,65Cの演出を再開し、そして、画像ポーズを解除する画像ポーズ解除処理を行い(S1519)、扉開放フラグをOFFして(S1520)、演出再開処理を終える。
なお、画像ポーズ解除処理では、演出制御基板56は、画像制御基板57とランプ制御基板58とに再開信号を出力して、画像表示装置20の表示部20aで一旦停止させていた画像の表示を続行させるとともに、スピーカ47から効果音等の音声を出し、かつ、枠ランプ48や盤ランプ49の点灯や消灯の停止状態から点灯や消灯の作動を再開させる。
これにより、遊技者は、可動役物装置60、画像表示装置20の表示部20a、スピーカ47からの効果音や枠ランプ48や盤ランプ49の点灯や消灯等の演出がガラス扉部6の開き時前の状態に戻って再開(リスタート)されることから、違和感なく、遊技することができる。
[コマンド受信処理]
図28に示すように、コマンド受信処理では、演出制御基板56は、メイン制御基板50から変動開始コマンドを受信していれば後述する演出選択処理を行い(S1601,S1602)、変動停止コマンドを受信していれば後述する変動演出終了中処理を行う(S1603,1604)。そして、演出制御基板56は、オープニングコマンドを受信していれば、後述する当たり演出選択処理を行い(S1605,1606)、エンディングコマンドを受信していれば、エンディングコマンドを解析し、モードフラグを参照してエンディング演出パターンを選択し、エンディング演出開始コマンドをセットするエンディング演出選択処理を行う(S1607,1608)。続いて、演出制御基板56は、後述する客待ちコマンド受信処理を行って(S1609)、コマンド受信処理を終える。
[演出選択処理]
図29に示すように、演出選択処理では、演出制御基板56は、メイン制御基板50から受信した変動開始コマンドを解析する(S1701)。変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報、大当たり判定処理においてセットされた図柄を示す情報、及び、変動パターンを示す変動パターン情報が含まれている。次に、演出制御基板56は、演出モードを示すモードフラグを参照して(S1702)、装飾図柄変動演出のパターンを選択する変動演出パターン選択処理を行い(S1703)、また、可動役物装置60の可動役物56の演出動作となる既述の動作パターンP0,P1,P2,P3の何れかを選択する役物動作パターン選択処理を行う(S1704)。そして、演出制御基板56は、変動演出パターン選択処理で選択した演出パターンに対応した装飾図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S1705)、また、役物動作パターン選択処理で選択した動作パターンでの可動役物の動作を開始するための役物動作パターン開始コマンドをセットし(S1706)、演出選択処理を終える。
なお、演出モードとは、演出モード記憶部56aに記憶されている演出の一つであり、画像表示装置20の表示部20aで表示する演出の他に、既述したように、スピーカ47からの効果音、枠ランプ48や盤ランプ49の点灯・消灯を含み、さらに、可動役物装置60の演出動作(動作パターン)を含むものである。
[変動演出終了中処理]
図30に示すように、変動演出終了中処理では、演出制御基板56は、変動停止コマンドを解析し(S1801)、モードフラグを参照する(S1802)。次に、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たり(大当たりまたは小当たり)を報知するものか否かを判定して(S1803)、当たりを報知するものであればモードフラグ変更処理を行う(S1808)。モードフラグ変更処理では、その当たりの種類に応じた演出モードを示すものにモードフラグを変更するとともに、変更後の演出モードが通常モードでない場合には、その演出モードに対応するカウンタの値Mに上限回数をセットする。
一方、演出制御基板56は、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たりを報知するものでなければ(S1803でNO)、モードフラグが0か否かを判定し(S1804)、0であればステップS1809に進む。なお、モードフラグが0とは通常モードであることを示し、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)モードフラグは0である。一方、モードフラグが0でなければ、現在の演出モード用のカウンタの値Mを1減少させて(S1805)、その値Mが0にならなければ(S1806でNO)、ステップS1809に進むが、0になれば(S1806でYES)、通常モードに戻すためにモードフラグを0として(S1807)、ステップS1809に進む。ステップS1809では、演出制御基板56は、装飾図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
[当たり演出選択処理]
図31に示すように、当たり演出選択処理では、演出制御基板56は、オープニングコマンドを解析して(S1901)、解析したオープニングコマンドに基づいて、当たり演出のパターンを選択する当たり演出パターン選択処理を行う(S1902)。そして、演出制御基板56は、当たり演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットする(S1903)。なお、当たり演出とは、小当たり遊技又は大当たり遊技時に実行される演出をいう。
[客待ちコマンド受信処理]
図32に示すように、客待ちコマンド受信処理では、演出制御基板56は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定し(S2101)、受信していれば、客待ち演出を実行するまでの時間の計測を開始するとともに計測フラグをONして(S2102、S2103)、ステップS2105に進む。一方、受信していなければ、計測フラグがONされているか否か判定し(S2104)、ONされていなければ、客待ち演出実行までの時間の計測中ではないので処理を終え、ONされていればタイムアップか、すなわち、いま計測している時間が客待ち演出実行までの時間として設定した所定時間に達したか否か判定する(S2105)。そして、タイムアップでなければ、処理を終え、タイムアップであれば、計測フラグをOFFするとともに(S2106)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをセットする(S2107)。
[演出ボタン処理]
図33に示すように、演出ボタン処理では、演出制御基板56は、演出ボタン検出SW46aからの信号により、演出ボタン46が押下操作されたか(ONされたか)否かを判定し(S2201)、ONされていなければ処理を終え、ONされていれば、装飾図柄変動演出中か否かを判定する(S2202)。そして、装飾図柄変動演出中でなければ処理を終え、装飾図柄変動演出中であれば、その装飾図柄変動演出において演出ボタン46を操作するよう指示がでているか否かを判定する(S2203)。そして、演出ボタン46の操作指示中でなければ処理を終え、演出ボタン46の操作指示中であれば、ステップS2204に進み、大当りであれば、ボタン専用演出開始コマンドをセットし(S2205)、処理を終え、ステップS2204で大当りでなければ、ボタン専用演出開始コマンドをセットすることなく、処理を終える。
なお、実施形態の場合、ボタン専用演出は、大当りの達成感を助長するような演出であって、画像表示装置20の表示部20aで表示する専用の画像演出とともに、スピーカ47からの専用の効果音と枠ランプ48や盤ランプ49の点灯・消灯の専用の演出とで、行っている。
(7)実施形態の効果
以上説明したように、実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技球Bが可動役物装置60内に進入しようとしても、進入予測信号としての扉開放信号のON信号を入力(検出)した演出制御手段(演出制御基板)56が、防止側移動手段(可動役物移動処理)を実行する。すなわち、演出制御基板56が、可動役物65の移動前位置の位置データや、移動時の角度センサ80から可動役物65A,65B,65Cの位置データを参照しつつ、ステップS1206,S1401〜S1408のように、駆動モータ71を駆動させて、図8に示すように、可動役物65A,65B,65Cを、可動役物装置60内への遊技球の進入を防止できる防止位置GPに、配置させる。その結果、遊技球Bの可動役物装置60内への進入が防止される。
すなわち、例えば、遊技球Bの障害釘31等の詰まりの解消やメンテナンス等で、ガラス扉部6を開けた際に、詰まった遊技球Bが可動役物装置60内に進入しようとしても、可動役物装置60の可動役物65が、防止位置GPに配置されることから、遊技球Bの可動役物装置60内への進入が防止される。
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技球Bの可動役物装置60への進入を防止するように、可動役物65を覆うカバー壁を設けなくともよいことから、可動役物65を露出させ易く、可動役物65の意匠性を低下させない。
さらに、実施形態のパチンコ遊技機1では、演出制御基板56が、進入予測の解除信号としての扉閉鎖信号を受信(検出)した際に、再開手段(演出再開処理)を実行する。すなわち、演出制御基板56が、可動役物65A,65B,65Cを、ステップS1205,S1301〜S1306,S1208,S1511〜S1514のように、防止位置GPへ移動させる前の移動前位置保存手段(移動前パターン記憶部56bや移動前位置記憶部56c)により記憶させていた位置(移動前位置や移動前パターン)に、復帰させて、可動役物65A,65B,65Cの演出を再開させる。そのため、遊技者は、可動役物65A、65B,65Cが、防止位置GPに移動しても、その後、移動前の位置に復帰して、演出動作を再開するため、違和感無く、遊技を続行することができる。
したがって、実施形態のパチンコ遊技機1では、可動役物65の意匠性を阻害することなく、可動役物装置60の遊技球Bの進入を防止することができる。また、遊技者は、一旦、防止位置GPに配置された可動役物65が、移動前の位置に復帰して、演出を再開するため、違和感無く、遊技を続行できる。
さらに、実施形態では、画像表示装置20の演出画像や、スピーカ47からの音声、枠ランプ48や盤ランプ49の点灯・消灯等を含めた演出も、可動役物65の防止位置GPへの移動前の状態から、再開されることから、一層、遊技者は、違和感無く、遊技を続行できる。
さらにまた、実施形態では、メイン制御手段(メイン制御基板)50でも、各種処理が、進入予測信号としての扉開放信号のON信号の入力時、一旦停止され、進入予測の解除信号としての扉閉鎖信号の受信時、再開されることから、一層、遊技者は、違和感無く、遊技を続行できる。
そしてさらに、実施形態のパチンコ遊技機1では、可動役物装置制御手段としての演出制御手段(演出制御基板56)が、可動役物65上に載った遊技球Bを可動役物装置60から可動役物装置60外に排出可能な排出位置OPに、可動役物65を配置可能な排出側移動手段(可動役物排出側移動処理)を備えて、排出側移動手段を、進入予測の解除信号を入力した際に、作動させ、ついで、再開手段を作動させている。
すなわち、演出制御基板56が、可動役物65の防止位置GPの位置データや、移動時の角度センサ80から可動役物65A,65B,65Cの位置データを参照しつつ、ステップS1501〜S1510のように、駆動モータ71を駆動させて、図10に示すように、可動役物65A,65B,65Cを、排出位置OPに配置させている。
そのため、実施形態のパチンコ遊技機1では、可動役物65上に載った遊技球Bを、排出位置OPに配置させた可動役物65により、可動役物装置60外への排出部としての排出口64へ排出できて、確実に、可動役物装置60への遊技球Bの進入を防止できる。
さらに、実施形態のパチンコ遊技機1では、演出制御手段(演出制御基板)56が、可動役物装置60の制御手段として構成されて、既述の防止側移動手段、再開手段、排出側移動手段等を実行できることから、メイン制御手段(メイン制御基板)50側で新たに可動役物装置の制御コマンドを発行するという処理を行う必要が無く、メイン制御手段の処理の軽減を図ることができる。
なお、可動役物装置60の制御は、上記の点を考慮しなければ、メイン制御手段が行ってもよい。さらに、可動役物装置60の制御は、実施形態のように、演出制御基板56自体で無く、他のランプ制御基板58等が、行ってもよい。
2.変形例
実施形態では、可動役物装置60内への遊技球Bの進入を防止する防止位置GPとして、全可動役物65を上端位置(繰出位置)TPに配置させる状態を示したが、隣り合う可動役物65,65の間に、遊技球Bの進入を許容する隙間Hを作らなければ、遊技球Bの進入の防止位置とすることができる。そのため、防止位置は、隙間Hを設けなければ、複数設定してもよい。そして、実施形態の場合には、各可動役物65が基部67を一枚の板状に並べる配置状態が、全ての可動役物65を上端位置TPに並べる状態の他に、各動作パターンの第1段階の配置である下端位置(初期位置・待機位置・退避位置・収納位置)EPに並べる状態と、の二つあり、それぞれ、可動役物65を上端位置TPに配置させる繰出側防止位置GP1と、全ての可動役物65を下端位置EPに収納させる待機側防止位置GP2と、の二つを防止位置として設定できる。そして、この変形例のパチンコ遊技機1Aでは、進入予測信号の入力時、全ての可動役物65を繰出側防止位置GP1若しく待機側防止位置GP2の何れかに、迅速に配置させるように、構成してもよい。
この場合、演出制御基板56は、ステップS1206の可動役物移動処理において、図34に示すように、処理すればよい。
すなわち、演出制御基板56は、まず、防止移動フラグがONか否かを判定して(S2301)、移動処理を実行中か否か判定し、ONであれば、ステップS2310に進み、ONでなければ、駆動モータ71が停止中か否かを判定し(S2302)、停止中であれば、ステップS2304に進み、停止中でなければ、可動役物65を停止させるように、駆動モータ71を停止させて(S2303)、ステップS2304に進む。ステップS2404では、既に、移動先設定フラグがONか否か、すなわち、移動先位置が設定されているか否か、を判定し、ONであれば、ステップS2307に進み、ONでなければ(ステップS2404でNO)、判定処理して(S2305)、移動先位置を設定するとともに、移動先設定フラグをONして(S2306)、ステップS2307に進む。
判定処理(S2305)では、各可動役物65の停止した位置が、上端位置TP、下端位置EP、あるいは、上端位置TPと下端位置EPとの間のどの位置に配置されているかを記憶した記憶部56b,56cの位置データ(移動前位置情報)、を参照して、各可動役物65を移動させる際に、繰出側防止位置GP1となる上端位置TP、あるいは、待機側防止位置GP2となる下端位置EP、のどちらに揃えるのが迅速に行えるかを判定して、移動先位置を設定し、そして、設定した移動先情報を演出制御基板56のRAMに記憶させておくこととなる。
そして、移動先情報を基準に、ステップ2307において、各可動役物65が移動先位置に配置されているか否かを判定し、配置されていなければ、駆動モータ71を作動させるとともに(S2308)、防止移動フラグをONさせ(S2309)、ステップS2310に進む。ステップ2307において、各可動役物65が移動先位置に配置されていれば、ステップS2313に進む。
ステップS2310では、駆動モータ71を作動させた後の可動役物65が、移動先位置に配置されているか否かを判定し、配置されていなければ、駆動モータ71を停止させずに、処理を終え、配置されていれば、駆動モータ71を停止させ(S2311)、防止移動フラグをOFFして(S2312)、ステップS2313において、移動先設定フラグをOFFするとともに、演出制御基板56のRAMに記憶させておいた移動先情報をクリアして、可動役物移動処理(排出側移動手段)を終える。
なお、移動前パターンや移動前位置のデータを参照して行なう変形例の可動役物移動処理(排出側移動手段)を詳しく述べれば、つぎのようになる(図11の「GP1、GP2への駆動モータ」の欄(防止位置GP1,GP2への配置時の駆動モータの種類の欄)を参照)。
例えば、停止時の動作パターンの段階が、初期動作パターンP0や、各第1,第2,第3動作パターンの第1段階のP1−1,P2−1,P3−1であれば、可動役物65A,65B,65Cが、全て、下端位置EPに配置されており、ステップS2305で移動先位置を下端位置EPと判定(設定)して、ステップS2307で位置を確認して、駆動モータ71を作動させずに、可動役物65をその待機側防止位置GP2に配置させる状態を維持すればよい(ステップS2301でNO、ステップS2302でYES、ステップS2304でNO、ステップS2305,S2306を経て、ステップS2307でYES、ステップS2313を経て、終了)。
また、停止時の動作パターンの段階が、第3動作パターンの第7段階P3−7では、可動役物65A,65B,65Cが、全て、上端位置TPに配置されており、ステップS2305で移動先位置を上端位置TPと判定して、ステップS2307で位置を確認して、駆動モータ71を作動させずに、可動役物65をその繰出側防止位置GP1に配置させる状態を維持すればよい(ステップS2301でNO、ステップS2302でYES、ステップS2304でNO、ステップS2305,S2306を経て、ステップS2307でYES、ステップS2313を経て、終了)。
そして、停止時の動作パターンの段階が、第1移動パターンの第2,3,4段階のP1−2.P1−3,P1−4、第2移動パターンの第2,3段階のP2−2,P2−3、第3移動パターンの第2,3段階のP3−2,P3−3では、可動役物65Aが、下端位置EPに配置されておらず、他の可動役物65B,65Cは、下端位置EPに配置されていることから、ステップS2305で移動先位置を下端位置EPとして判定し、そして、可動役物65Aを下端位置EPに配置させれば、全ての可動役物65A,65B,65Cを待機側防止位置GP2に揃えることができるため、ステップS2308〜S2311で、駆動モータ71Aを作動・停止させて、可動役物65Aを下端位置EPに配置させ、可動役物65A,65B,65Cを、全て下端位置EPに揃えて、待機側防止位置GP2に配置させればよい。
同様に、停止時の動作パターンの段階が第2動作パターンの第6段階P2−6では、既に、一つの可動役物65Cが下端位置EPに配置され、かつ、他の4つの可動役物65A,65Bが上端位置TPから離れた下降途中位置であり、上端位置TPに可動役物65A,65B,65Cを揃えようとすれば全ての駆動モータ71を作動させなければならない。逆に、下端位置EPに揃える場合には、4つの可動役物65A,65Bを移動させるだけで済むことから、ステップS2305で迅速に揃え可能な側となる移動先位置を下端位置EPと設定し、そして、ステップS2308〜S2311で、駆動モータ71A,71Bを作動・停止させて、可動役物65A,65Bを下端位置EPに配置させ、可動役物65A,65B,65Cを、全て下端位置EPに揃えて、待機側防止位置GP2に配置させればよい。
また、停止時の動作パターンの段階が、第2動作パターンの第5段階のP2−5、第3動作パターンの第5,6段階のP3−5,P3−6では、可動役物65Cだけが上端位置TPになく、他の可動役物65A,65Bが上端位置TPに配置されていることから、ステップS2305で迅速に揃え可能な側となる移動先位置を上端位置TPと設定し、そして、ステップS2308〜S2311で、駆動モータ71Cを作動・停止させて、可動役物65Cを上端位置TPに配置させ、可動役物65A,65B,65Cを、全て上端位置TPに揃えて、繰出側防止位置GP1に配置させればよい。
さらに、停止時の動作パターンの段階が、第2動作パターンの第4段階のP2−4と第3動作パターンの第4段階P3−4は、共に、二つの可動役物65Aが上端位置TPに配置され、かつ、一つの可動役物65Cが下端位置EPに配置された状態で、二つの可動役物65Bが上昇中となっている。この場合、停止位置から移動させる可動役物65の数を少なくできる側は、二つの可動役物65Aが上端位置TPに配置されており、二つの可動役物65Bと一つの可動役物65Cの計三つの可動役物65を上端位置TPに移動させる方が、逆の、下端位置EP側に揃える場合の4つの可動役物65A,65Bの移動に比べて、数の少ない分、手間なく迅速に配置できると予測されることから、ステップS2305で迅速に揃え可能な側となる移動先位置を上端位置TPと判定(設定)し、そして、ステップS2308〜S2311で、駆動モータ71B,71Cを駆動・停止させて、可動役物65B,65Cを上端位置TPに配置させ、可動役物65A,65B,65Cを、全て上端位置TPに揃えて、繰出側防止位置GP1に配置させればよい。
そして、停止時の動作パターンの段階が第3動作パターンの第8段階のP3−8では、全ての可動役物65A,65B,65Cが下降中であって、繰出側防止位置GP1若しくは待機側防止位置GP2のいずれに配置させる場合も、全ての可動役物65を移動させる必要がある。そのため、この場合は、演出制御基板56が、可動役物65の移動前位置の位置データに基づいて、繰出側防止位置GP1若しくは待機側防止位置GP2のどちら側に移動させる方が移動距離を短くできるか、を判定して、ステップS2305で迅速に揃え可能な側となる移動先位置を上端位置TPあるいは下端位置EPと判定し、そして、ステップS2308〜S2311で、駆動モータ71A,71B,71Cを駆動・停止させて、可動役物65A,65B,65Cを上端位置TP若しくは下端位置EPに揃えて、繰出側防止位置GP1若しくは待機側防止位置GP2に配置させればよい。
なお、この変形例のパチンコ遊技機1Aでは、他の構成をパチンコ遊技機1と同様な構成として、同様な処理を行っている。
そして、この変形例のパチンコ遊技機1Aでは、演出制御手段56が進入予測信号としての扉開放信号を受信した後、極力、短時間で、各可動役物65を所定の繰出側防止位置GP1若しくは待機側防止位置GP2に配置させることができる。すなわち、例えば、ガラス扉部6の開き時、障害釘等によって詰まっていた遊技球が、直ちに可動役物装置60内に進入しようとしても、各可動役物65を迅速に隙間Hを無くした防止位置GP1,GP2に配置させることができて、可動役物装置60内への遊技球の進入を的確に防止することができる。
なお、可動役物65を迅速に繰出側防止位置GP1若しくは待機側防止位置GP2に配置させる際の時間の判別(判定)は、例えば、移動させる可動役物の数とそれらの移動距離との総和を比較し、それらの総和の小さい側を、短時間で揃えられる側として、選択すればよい。そして、変形例のパチンコ遊技機1Aでは、各可動役物65が下端位置(初期位置、若しくは、待機位置、若しくは、退避位置)EPから上端位置(繰出位置)TPまでの移動距離が等しく、また、各可動役物65が下端位置EPと上端位置TPとの間を同時間で移動できる構成であることから、演出制御基板56の扉開放信号の受信時、繰出側防止位置GP1若しくは待機側防止位置GP2のどちらかに、可動役物65が多く接近若しくは配置されていれば、数を多く接近させている側に、全ての可動役物65を配置させることとなる。
また、実施形態や変形例では、進入予測信号を発信させる手段として、扉開放SW9を利用し、進入予測信号として、ガラス扉部6の開き時における扉開放SW9のON信号を利用しているが、他に、ガラス扉部6を開けた際に露出される非遊技領域13、あるいは、内枠4を開いた遊技盤11の裏面側、に配置された所定の扉開放報知SW若しくは進入予測報知SW9A(図12の二点鎖線参照)を、進入予測信号の発信手段とし、扉開放報知SW若しくは進入予測報知SW9AをONさせて、そのON信号を、ステップS1201での進入予測信号として、採用し、扉開放報知SW若しくは進入予測報知SW9AをOFFさせた際の信号を、ステップS1205での扉閉鎖信号(進入予測の解除信号)として、採用してもよい。
さらに、実施形態のパチンコ遊技機では、可動役物65を排出位置OPに配置させるように構成したが、演出再開処理(演出再開手段)の実行時、可動役物65を排出位置OPに配置させずに、演出を再開させてもよい。
すなわち、図35に示すように、演出再開処理では、演出制御基板56は、まず、扉開放フラグがOFFか否かを判定して(S2401)、OFFであれば、演出再開処理を終え、OFFでなければ、復帰移動フラグがONか否かを判定し(S2402)、ONであれば、ステップS2406に進み、ONでなければ、ステップS2403に進む。
ステップS2403では、ステップS1303とステップS1304とで移動前パターン記憶部56bと移動前位置記憶部56cとに保存させたおいた可動役物65の移動前パターンと移動前位置とを参照する移動前情報参照処理を行い、ついで、演出制御基板56は、各可動役物65が移動前パターンで移動前位置から動作を再開可能に、まず、可動役物65を防止位置GP(GP1,GP2)から移動前位置に復帰させるように、所定の駆動モータ71を作動させる可動役物復帰配置処理を行って(S2404)、復帰移動フラグをONし(S2405)、ステップS2406に進む。
ステップS2406では、可動役物65A,65B,65Cが移動前位置に復帰しているかを判定し、復帰していなければ、演出再開処理を終え、復帰していれば、復帰配置処理を終了するように駆動モータ71の作動を停止し(S2407)、移動前パターン記憶部56bや移動前位置記憶部56cに記憶させていた移動前パターンや移動前位置のデータである移動前情報をクリアするとともに(S2408)、停止保存フラグをOFFする(S2409)。さらに、防止位置GP(GP1,GP2)に移動させるように停止させた際のその後の動作パターンを続行させるように、駆動モータ71を動作させる可動役物再開動作をONさせて(S2410)、可動役物65A,65B,65Cの演出を再開し、そして、画像ポーズを解除する画像ポーズ解除処理を行い(S2411)、扉開放フラグをOFFして(S2412)、演出再開処理を終えればよい。
また、実施形態では、演出制御手段(演出制御基板)56が、可動役物65A,65B,65Cを排出位置OPに移動させる排出側移動手段(排出側移動処理)を、進入予測の解除信号としての扉閉鎖信号を受信した際、自動的に行っているが、別途、排出ボタン(排出操作SW)の操作により、可動役物65A,65B,65Cを排出位置OPに配置させて、演出再開処理を実行してもよい。この場合の排出ボタンは、例えば、ガラス扉部6を開けた際の非遊技領域13に露出するように配設させておく。そして、この排出ボタンの排出ボタンSW(排出操作SW)10は、例えば、演出ボタンSW46aと同様に、演出制御基板56に接続させておく(図12の二点鎖線参照)。
そして、この場合の可動役物排出側移動処理は、サブ側タイマ割込処理の扉開放信号受信処理(S1101)において、図36に示すように、可動役物移動処理(S1204)のつぎに、ステップS1206-1,S1206-2を設けて行うようにすればよい。
なお、図36に示すステップS1208で行う演出再開処理は、この処理中に、図26の可動役物排出側移動処理(S1503〜S1510)を行わないことから、既述の図35に示す演出再開処理を行なうこととなる。
そして、排出ボタンを操作するステップS1206-1の可動役物排出側移動処理では、図37に示すように、演出制御基板56は、まず、排出側移動処理を続行中か否かを判定するように、排出フラグがONか否かを判定し(S2501)、ONであれば、ステップS2506に進み、ONでなければ、他の処理、例えば、可動役物移動処理中で、駆動モータが作動中であるか否かを判定するように、駆動モータ71が停止中か否かを判定する(S2502)。そして、停止中でなく、駆動モータ71が作動中であれば(S2502でNO)、排出側移動処理を終え、停止中であれば(S2502でYES)、排出ボタンがONか否かを判定する(S2503)。そして、排出ボタンがONでなければ、処理を終え、ONであれば、可動役物65を排出位置OPに配置させるように、駆動モータ71を作動させるとともに(S2504)、排出フラグをONして(S2505)、ステップS2506に進む。
ステップS2506では、駆動モータ71の作動により、可動役物65A,65B,65Cが排出位置OPに配置されているか否かを判定し、配置されていなければ、処理を終え、配置されていれば、駆動モータ71を停止させるとともに(S2507)、排出フラグをOffして(S2508)、排出側移動処理を終える。
このように、演出制御基板56は、別途、排出ボタンの手動操作により、可動役物65A,65B,65Cを排出位置OPに配置させて、可動役物65上に載っていた遊技球Bを、排出部としての排出口64を経て、可動役物装置60外に排出させてもよい。
また、実施形態では、排出位置OPの可動役物65A,65B,65Cでも、可動役物装置60内への遊技球Bの進入を防止できることから、この排出位置OPを防止位置GPとして設定して、図23のステップS1206の可動役物移動処理を図25に示すように行い、そして、図23のステップS1208で行う演出再開処理に関して、別途、可動役物排出側移動処理を行わず、図35に示す演出再開処理を行うように、構成してもよい。
さらに、実施形態では、各可動役物65が、動作パターンで移動する通常移動範囲内で、防止位置GP,GP1,GP2や排出位置OPに配置される位置を、設定されているが、演出時の通常移動範囲を越えて、別途、防止位置や排出位置を設定してもよく、所定時、駆動源としての駆動モータ71を作動させて、可動役物65を移動させて、通常移動範囲を越えた防止位置や排出位置に配置させてもよい。
さらにまた、実施形態では、可動役物装置の独立して移動する可動役物65が、複数(実施形態では5つ)、設けられた場合を例示したが、移動する可動役物は、一つでも、本発明を適用できる。
例えば、図38〜40に示すパチンコ遊技機1Bでは、可動役物装置60Bの可動役物69が、刀形状として構成されて、演出制御基板の制御により、歯車機構を有してなる運動伝達機構73B及び駆動源としての駆動モータ72を備えてなる駆動機構70Bを利用して、駆動されて、左端69a側を回動中心として右端69bを上方に持ち上げるように回動する動作パターンとして、演出動作を行っている。そして、このパチンコ遊技機1Bでは、可動役物69が右端69b側を上方に持ち上げる動作を、特別遊技状態に移行する可能性の高いことを示唆報知する可動役物装置60Bの演出動作としている。
この可動役物装置60Bでは、可動役物69が、繰出位置TPに配置された右端69bを持ち上げている状態で、可動役物69の下方に遊技球Bを進入させれば、右端69bを下方に下げた初期位置(退避位置、収納位置)EPに復帰しようとする際、遊技球Bを噛み込むことから、故障の原因となる。そのため、このパチンコ遊技機1Bでは、遊技球Bの進入を防止する防止位置GPを、右端69bを下げた初期位置(退避位置)EPとすれば、遊技球Bの可動役物装置60B内への進入を防止できる。また、このパチンコ遊技機1Bは、可動役物69の左端69aの左方に、遊技球Bを可動役物装置60B外に排出可能な排出部としての排出口64を設け、また、右端69bを持ち上げた繰出位置TPを排出位置OPと設定して、構成されている。そのため、このパチンコ遊技機1Bでは、遊技球Bが刀形状の可動役物69の上に載っていた際、可動役物69を排出位置OPに配置させれば、可動役物69上の遊技球Bを転動させて、排出口64から遊技球Bを排出することができる。
なお、この刀形状の可動役物69は、上縁69cから下がった部位に、下方へ凹むように湾曲して左右方向に延びる受け座面69dを備えて、構成され、この受け座面69dが、進入しようとする遊技球Bを上面で受け止め、そして、右端69b側の上昇時、左端69a側に遊技球Bを転動可能に構成されている。
また、このパチンコ遊技機1Bでも、実施形態のパチンコ遊技機1と同様に、可動役物装置制御手段としての演出制御基板の制御により、図示しない角度センサや位置センサからの可動役物69の位置データに基づき、駆動モータ72を作動させて、進入予測信号のON信号やOFF信号に基づいて、可動役物69の移動を停止させ、そして、可動役物69を防止位置GPに配置させ、ついで、排出位置OPに配置させ、そして、防止位置GPに配置させる前の移動前位置に復帰させて、演出動作を再開するように、構成されている。
なお、実施例や変形例の扉開放SW9、進入予測報知SW9A、あるいは、排出ボタンSW10に関し、リモコン等の外部装置から発信される信号を受信可能な受信装置により、代替してもよい。