以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態における遊技機1の一例を示す正面図である。遊技機1は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。この遊技機1は、透明ガラス板2aが嵌め込まれた窓部2を有する前枠部材3と、その前枠部材3の窓部2を介して視認可能に取り付けられた遊技盤10とを備えている。尚、遊技盤10は、前枠部材3の背面側に設けられる本体枠に対して着脱自在に取り付けられる。
前枠部材3は窓部2の下部右側に遊技者が操作するハンドルレバー4を備えており、遊技者がこのハンドルレバー4を時計方向に回転操作すると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤10の盤面に所定の時間間隔で打ち出されるようになっている。また前枠部材3は、窓部2の上部左右両側に設けられた一対のスピーカ5と、窓部2の上部および下部のそれぞれ中央に設けられた枠ランプ6とを備えており、スピーカ5は楽曲や音声、効果音などを発することで各種の演出を行い、枠ランプ6は点灯点滅のパターンや発光色の違いなどで各種の演出を行うように構成されている。
図2は、本実施形態における遊技盤10の一例を示す正面図である。遊技盤10は、正面側に相当する遊技盤面10aに、外側レール11と内側レール12とで囲まれた略円形の遊技領域13を有している。遊技者がハンドルレバー4を操作することによって打ち出される遊技球は、遊技領域13の左側に設けられた外側レール11と内側レール12の間の空隙から遊技領域13の上部に向かって打ち出される。
遊技領域13の内側には、遊技盤10の略中央に位置するように液晶表示デバイスなどで構成された画像表示器8が設けられており、さらにその画像表示器8の周縁にはセンター役物などとも呼ばれる飾り枠体14が設けられている。画像表示器8は、演出のための各種の画像を表示するためのものであり、遊技の進行に伴い、例えば大当たり抽選の結果を、1〜9などの数字を付した複数の装飾図柄によって報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したり、或いは、リーチ演出として各種の動画像を表示したりする。飾り枠体14は画像表示器8の画面枠を規定している。この飾り枠体14には種々のランプや可動物などの演出用役物が配置される。
遊技領域13の内側において飾り枠体14の周囲には、多数の釘15、スルーゲート16、風車17、普通入賞口18、第1始動口19、電動チューリップ20、第2始動口21、大入賞口22、大入賞口22を開閉する役物23、アウト口24等の公知の部材が配置されている。遊技領域13の外側で遊技盤面10aの右下部には、複数のLED表示素子で構成された表示器60が設けられている。この表示器60は、特別図柄の変動表示を行って大当たり抽選の結果に応じた特別図柄の表示を行ったり、普通図柄の変動表示を行って普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄の表示を行ったりするためのものである。また表示器60は、特別図柄の変動表示に関する保留数を表示したり、普通図柄の変動表示に関する保留数を表示したりすることもできるようになっている。尚、この表示器60の詳細については後述する。
図2の例において、スルーゲート16は飾り枠体14の右下部に設けられている。このスルーゲート16は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると普通図柄抽選が開始される。ここで普通図柄抽選とは、電動チューリップ20を開放するか否かを決定する抽選である。また普通入賞口18は飾り枠体14の左下部に複数設けられている。普通入賞口18は、遊技球が入球した場合、所定球数の賞球を払い出すための入賞口である。
第1始動口19は飾り枠体14の中央下方に設けられており、電動チューリップ20および第2始動口21は第1始動口19の更に下方に設けられている。電動チューリップ20は、第2始動口21への遊技球の入球を補助するための補助部材であり、左右に開閉する羽根部材を備えている。この電動チューリップ20が左右に開放していれば遊技球が第2始動口21に入球し易い状態となる。これに対し、電動チューリップ20が左右に開放していない閉鎖状態は、遊技球が第2始動口21に入球し難い状態となる。この電動チューリップ20は、遊技球がスルーゲート16を通過したことに伴って行われる普通図柄抽選に当選すると、左右の羽根部材が遊技状態に応じて所定時間および所定回数開放する。
第1始動口19および第2始動口21のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において大当たり抽選(大当たり判定)が行われる条件となる入賞口である。第1始動口19に遊技球が入球した場合には第1の大当たり判定が行われ、第2始動口21に遊技球が入球した場合には第2の大当たり判定が行われる。つまり、これら始動口19,21に遊技球が入球すると、遊技機1において大当たり乱数を含む各種乱数が遊技データとして取得され、その取得した遊技データに基づいて第1の大当たり判定又は第2の大当たり判定が行われる。そして遊技機1において大当たり判定が行われると、表示器60における特別図柄の変動表示が開始されると共に、画像表示器8において装飾図柄の変動表示が開始される。また画像表示器8においては装飾図柄の変動表示と共に、さまざまなキャラクタの出現などによる各種の予告演出なども表示される。
大入賞口22および役物23は、飾り枠体14の右下であって、スルーゲート16の下方に設けられている。役物23は、大入賞口22を開閉する役物であり、通常は大入賞口22を閉鎖した状態となっている。そして遊技球が第1始動口19又は第2始動口21に入球したことを条件として行われる大当たり判定において大当たり又は小当たりに当選すると、その当たりの種類に応じた大入賞口開放遊技において、役物23は、大入賞口22の下縁に沿って配置された略水平な回動軸周りに回動して大入賞口22を開放するように構成されている。
遊技領域13の外側で遊技盤面10aの右下部に設けられる表示器60は、遊技球がスルーゲート16を通過することによって行われる普通図柄の抽選結果を表示する普通図柄表示器61と、普通図柄抽選の保留数を表示する普通図柄保留表示器62と、遊技球が第1始動口19に入球したことによって行われる第1の大当たり判定の結果に対応した第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示器63と、第1始動口19に入球した保留数を表示する第1特別図柄保留表示器64と、遊技球が第2始動口21に入球したことによって行われる第2の大当たり判定の結果に対応した第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器65と、第2始動口21に入球した保留数を表示する第2特別図柄保留表示器66とを備えている。
普通図柄表示器61は、普通図柄の抽選において当選した場合には当選図柄(例えば○の図柄)を表示し、ハズレの場合にはハズレ図柄(例えば×の図柄)を表示する。この普通図柄表示器61は、遊技機1において普通図柄の抽選が行われると、当選図柄とハズレ図柄とを交互に点灯表示する変動表示を所定時間行った後、普通図柄の抽選結果に応じて当選図柄とハズレ図柄とのいずれか一方を点灯させる。そして普通図柄の抽選に当選した場合、普通図柄表示器61は当選図柄を表示した状態で停止し、遊技状態に応じて電動チューリップ20が所定時間および所定回数開放される。尚、普通図柄の抽選に当選する確率は、例えば9/10などの所定の確率となるように設定されている。
普通図柄保留表示器62は、普通図柄の変動表示中に遊技球がスルーゲート16を通過した場合に先の変動表示が終了するまで次の変動表示が保留されるので、その保留数を表示する。この普通図柄保留表示器62は、例えば複数のLED表示部の表示態様によって最大4つの保留数を表示することができるようになっている。
第1特別図柄表示器63は、第1始動口19に入球したことにより第1の大当たり判定が行われると、第1特別図柄の変動表示を所定時間行った後、その大当たり判定の結果を種々の態様で表示する。例えば、大当たり判定の結果、何らかの当たりに当選していれば、第1特別図柄表示器63は第1特別図柄の変動表示後にその当たりに対応した特別図柄(当選図柄)を表示した状態で停止し、遊技機1は大入賞口開放遊技に移行する。そしてその大入賞口開放遊技では、当たりの種類に応じて、役物23が大入賞口22を開放するラウンドが所定ラウンド数繰り返される。また大当たり判定の結果がハズレであれば、第1特別図柄表示器63は第1特別図柄の変動表示後に所定のハズレ図柄を表示した状態で停止する。
第2特別図柄表示器65は、第2始動口21に入球したことにより第2の大当たり判定が行われると、第2特別図柄の変動表示を所定時間行った後、その大当たり判定の結果を種々の態様で表示する。例えば、大当たり判定の結果、何らかの当たりに当選していれば、第2特別図柄表示器65は第2特別図柄の変動表示後にその当たりに対応した特別図柄(当選図柄)を表示した状態で停止し、遊技機1は大入賞口開放遊技に移行する。そしてその大入賞口開放遊技では、当たりの種類に応じて、役物23が大入賞口22を開放するラウンドが所定ラウンド数繰り返される。例えば本実施形態では、第2始動口21に遊技球が入球したことによって行われる第2の大当たり判定において小当たり及び大当たりのいずれか一方に必ず当選するようになっており、判定結果がハズレとなることはない。ただし、第2特別図柄表示器65は、所定条件下で、第2特別図柄の変動表示をハズレ図柄で停止させることがある。尚、これについては、後に詳しく説明する。
上記のように本実施形態の遊技機1は、第1始動口19に遊技球が入球することを条件として第1の大当たり判定を行い、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示を開始すると共に、それとは独立して、第2始動口21に遊技球が入球することを条件として第2の大当たり判定を行い、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示を開始する。つまり、遊技機1は、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示とを同時に行うことができるように構成される。そのため、画像表示器8においても、第1特別図柄に対応した第1装飾図柄と、第2特別図柄に対応した第2装飾図柄とを互いに区別して表示し、第1装飾図柄の変動表示と第2装飾図柄の変動表示とを同時に行うことができる構成となっている。
第1特別図柄保留表示器64は、遊技球が第1始動口19に入球したとき、第1特別図柄表示器63において第1特別図柄の変動表示中である場合、その入球に伴う第1特別図柄の変動表示が保留されるので、その保留数を表示するものである。この第1特別図柄保留表示器64は、例えば複数のLED表示部の表示態様によって最大4つまで保留して表示することができるようになっている。
第2特別図柄保留表示器66は、遊技球が第2始動口21に入球したとき、第2特別図柄表示器65において第2特別図柄の変動表示中である場合、その入球に伴う第2特別図柄の変動表示が保留されるので、その保留数を表示するものである。この第2特別図柄保留表示器66もまた、例えば複数のLED表示部の表示態様によって最大4つまで保留して表示することができるようになっている。
次に遊技領域13における遊技球の通過ルートおよびそれらの通過ルートとハンドルレバー4の操作態様との関係について説明する。遊技者によるハンドルレバー4の操作によって遊技領域13の上部に打ち出された遊技球は、飾り枠体14の左右いずれか一方のルートを通る。すなわち、遊技球は、図2に示すように、ルートF1およびルートF2のいずれか一方のルートを通って、各種入賞口が設けられた遊技領域13を下方に向かって転動していく。遊技球が飾り枠体14の右側に形成されたルートF1を通って遊技領域13を下方に向かって転動していくことを「右打ち」といい、ルートF1を通るように遊技者がハンドルレバー4を操作する(回転させる)ことを「右打操作」という。これに対し、遊技球が飾り枠体14の左側に形成されたルートF2を通って遊技領域13を下方に転動していくことを「左打ち(非右打ち)」といい、ルートF2を通るように遊技者がハンドルレバー4を操作することを「左打操作(非右打操作)」という。つまり、ハンドルレバー4の操作角度に応じた打球力で打ち出される遊技球が、遊技領域13の最上部に設けられた釘15aを超える場合、その遊技球は遊技領域13の右側の領域に進入してルートF1を通って流下する。これに対し、遊技球が、遊技領域13の最上部に設けられた釘15aを超えない場合、その遊技球は遊技領域13の左側の領域に留まり、ルートF2を通って流下する。
ハンドルレバー4の操作角度は所定角度範囲内に規制されており、その角度範囲内でハンドルレバー4を時計回りに略最大角度回転させた状態において「右打操作」状態となるように、発射ソレノイド等の発射機構の調整を行っている。また、本実施形態においては、ルートF2を通った遊技球がスルーゲート16または大入賞口22に至る可能性が低くなるように、飾り枠体14、釘15、その他の様々な部材を遊技盤10の盤面上に配置している。すなわちルートF1を通過する遊技球は、スルーゲート16または大入賞口22に至る可能性が高くなり、ルートF2を通過する遊技球はスルーゲート16または大入賞口22に至る可能性が極めて低くなるような盤面構成となっている。そのため、スルーゲート16に遊技球を通過させたり、または、大入賞口22に遊技球を入球させるためには、遊技者は、ハンドルレバー4を最大角度回転させた右打操作状態とし、遊技球がルートF1を通過するように操作するようになる。
一方、ルートF2を通る遊技球は、第1始動口19に向かって転動していくように、多数の釘15や風車17などが配置されている。つまり、ルートF2を通過する遊技球は、第1始動口19に入球する可能性はあるが、ルートF1を通過する遊技球が第1始動口19に入球する可能性は極めて低くなるような盤面構成となっている。
尚、電動チューリップ20および第2始動口21は、遊技領域13の中央下部(例えば、アウト口24の直上位置)に設けられており、ルートF1およびルートF2のいずれを通る場合でも、電動チューリップ20が左右に開放していれば遊技球が第2始動口21に入球する可能性がある。これに対し、電動チューリップ20が閉鎖していれば遊技球が第2始動口21に入球する可能性は低くなるように設定されている。
図3は第1始動口19および第2始動口21の構成を示す拡大図である。図3に示すように第1始動口19および第2始動口21は、遊技盤面10aに取り付けられる一体的な盤面部品40に設けられている。第1始動口19は盤面部品40の上部に設けられ、第2始動口21は盤面部品40の下部に設けられている。また第1始動口19と第2始動口21との間には、遊技球が転動する転動領域41が設けられている。
図3に示すように、遊技球B1が第1始動口19に入球すると、その遊技球B1は盤面部品40の背面側に設けられた図示しない遊技球案内部材によって遊技盤面10aの背面側に案内される。そして遊技球B1は、遊技盤面10aの背面側で盤面部品40の近傍に設けられた第1始動口スイッチ43(図4参照)に導かれる。この遊技球B1は第1始動口スイッチ43を通過する際、その第1始動口スイッチ43によって第1始動口19への入球として検知される。
転動領域41の正面側には装飾板41aが配置されている。転動領域41は、この装飾板41aと遊技盤面10aとの間に遊技球が転動可能な空間を形成することにより構成される。この転動領域41には、装飾板41aの背面側に遊技球の転動方向を規制する規制壁42が設けられている。この転動領域41に流入する遊技球B4は、規制壁42に沿って転動し、第2始動口21の左上に流出する。
第2始動口21は、図3に示すように左右に開閉する電動チューリップ20の中央に形成されている。そのため、電動チューリップ20が左右に開放しているとき、第2始動口21の左右両側から転動してくる遊技球B2,B3は、その開放された電動チューリップ20に補助されて第2始動口21に入球しやすい状態となる。また電動チューリップ20が開放していれば、転動領域41から流出する遊技球B4についても、その開放された電動チューリップ20に補助されて第2始動口21に入球しやすい状態となる。これに対し、電動チューリップ20が第2始動口21を閉鎖した状態であれば、上述した各方向から転動してくる遊技球B2,B3,B4のいずれも第2始動口21に入球する可能性は低くなる。
電動チューリップ20が開放して第2始動口21への入球が補助されている状態で、遊技球が第2始動口21に入球すると、その遊技球は、盤面部品40の背面側に設けられた遊技球案内通路を転動し、遊技盤面10aの背面側で盤面部品40の近傍に取り付けられた第2始動口スイッチ44(図4参照)を通って下方に排出される。そして遊技球が第2始動口スイッチ44を通過する際、その第2始動口スイッチ44によって第2始動口21への入球として検知される。
上記のようにして第1始動口スイッチ43及び第2始動口スイッチ44のそれぞれで遊技球の入球が検知されると、遊技機1において、各種乱数が遊技データとして取得される。その後、第1始動口19及び第2始動口21のそれぞれに対して個別に設定された判定テーブルに基づいてその取得された遊技データの判定が行われ、大当たり抽選が行われる。そして第1特別図柄表示器63及び第2特別図柄表示器65のそれぞれで特別図柄の変動表示が行われると共に、画像表示器8において第1装飾図柄及び第2装飾図柄のそれぞれが変動表示を開始する。
ここで本実施形態の遊技機1において大当たり抽選で当選する当たりの種別について説明する。本実施形態では、大当たり抽選において当選する当たりの種別として「大当たり」と「小当たり」の2種類の当たりがあり、「大当たり」の場合には更に「長当たり」と「短当たり」の2種類の当たりがある。これらうちのいずれの当たりに当選した場合でも、遊技機1は、大入賞口22を開放する大入賞口開放遊技(特別遊技状態)に移行する。ただし、当たりの種類に応じて大入賞口開放遊技で大入賞口22が開閉する回数(ラウンド数)や、大入賞口22の開放時間が異なっている。つまり、大入賞口開放遊技には、大当たりに当選した場合の大当たり遊技と、小当たりに当選した場合の小当たり遊技とがあり、大当たり遊技には更に「長当たり」の場合の長当たり遊技と、「短当たり」の場合の短当たり遊技とがある。そして大当たりに当選して「短当たり」となった場合の短当たり遊技における大入賞口22の開閉動作と、小当たりに当選した場合の小当たり遊技における大入賞口22の開閉動作とは、ほぼ同じ動作となっている。以下、さらに詳しく説明する。
「大当たり」の場合に「長当たり」が設定されると、その大入賞口開放遊技では、役物23が大入賞口22を開放する1回当たりの開放時間が比較的長い時間(例えば30秒など)に設定される。そして「長当たり」の大入賞口開放遊技では、その1回当たりの開放時間が経過するか或いは開放中に所定球数(例えば9個)の入球がカウントされれば大入賞口22を閉鎖するラウンドが所定回数(例えば15ラウンド)繰り返される。そのため、長当たり遊技に対応する大入賞口開放遊技では、役物23が大入賞口22を開放している間に遊技球が大入賞口22に入球する可能性が高くなり、遊技者にとっては多くの賞球を獲得し得る遊技状態となる。
「大当たり」の場合で「短当たり」が設定されると、その大入賞口開放遊技では、役物23が大入賞口22を開放する1回当たりの開放時間が比較的短い時間(例えば0.1秒など)に設定される。そして「短当たり」の大入賞口開放遊技では、その1回当たりの開放時間が経過するか或いは開放中に所定球数(例えば9個)の入球がカウントされれば大入賞口22を閉鎖するラウンドが所定回数(例えば15ラウンド又は1ラウンド)行われる。この短当たり遊技に対応する大入賞口開放遊技では、役物23が大入賞口22を開放する開放時間が遊技球の入球しにくい短い時間に設定されるため、大入賞口22が開放している間に遊技球が大入賞口22に入球する可能性は低く、遊技者にとっては多くの賞球を獲得することが困難な遊技状態となる。
一方、「小当たり」の場合、その大入賞口開放遊技では、「短当たり」の場合と同様に、役物23が大入賞口22を開放する1回当たりの開放時間が比較的短い時間(例えば0.1秒など)に設定される。そしてその1回当たりの開放時間が経過するか或いは開放中に所定球数(例えば9個)の入球がカウントされれば大入賞口22を閉鎖するラウンドが所定回数(例えば15ラウンド又は1ラウンド)行われる。したがって、小当たり遊技に対応する大入賞口開放遊技でも、「短当たり」の場合と同様に、大入賞口22の開放時間が遊技球の入球しにくい短い時間に設定されるので、大入賞口22の開放中に遊技球が大入賞口22に入球する可能性は低く、遊技者にとっては多くの賞球を獲得することが困難な遊技状態となる。
このように役物23が大入賞口22を開閉する動作は、小当たり遊技の場合と短当たり遊技の場合とで、ほぼ同じ動作となっているので、遊技者は役物23による大入賞口22の開閉動作からいずれの当たりに当選したのかを判別することが難しい動作態様となっている。
上記のように、本実施形態の遊技機1は、遊技盤10に設けられた第1始動口19及び第2始動口21に遊技球が入球したことを条件としてそれぞれの始動口に対応した大当たり判定を行い、大当たり又は小当たりに当選している場合にはその当たりの種類に応じて遊技盤10に設けられた大入賞口22を開放するように構成されている。また遊技機1は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に行うように構成されている。このような構成では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが同時に行われている場合に、先に変動表示が停止する一方の特別図柄が大入賞口22を開放させる当たり(大当たり又は小当たり)に当選していれば、それによる大入賞開放遊技が行われている最中に、他方の特別図柄が大入賞口22を開放させる当たりに当選したことを示す当選図柄で停止することを防止する必要がある。
そこで本実施形態の遊技機1は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に行う場合において、いずれか一方の特別図柄が大入賞口22を開放させる当たり(大当たり又は小当たり)に当選していれば、その一方の特別図柄の変動表示をその当たり種別に対応した当選図柄で停止させるとき、それとほぼ同じタイミングで他方の特別図柄の変動表示をハズレ図柄で強制的に停止させ、一方の特別図柄による当たり種別に対応した大入賞口開放遊技に移行させる。そして、その大入賞口開放遊技が終了するまで、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示が行われないように制御する。以下、このような遊技機1について更に詳しく説明する。
図4は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御するメイン制御基板100と、メイン制御基板100から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板200と、メイン制御基板100からホール(店舗)側のコンピュータや周辺機器であるカウンタ装置などの外部装置に対して遊技機1の状態などを通知するための外部接続端子板190とが設けられている。サブ制御基板200は、払出制御基板120、演出制御基板130、画像制御基板140、ランプ制御基板150等で構成されている。また外部接続端子板190には、外部装置を接続して各種信号の外部出力を行うためのコネクタ191が設けられている。
メイン制御基板100は、CPU101とROM102とRAM103とを備えている。このメイン制御基板100には、遊技球が第1始動口19に入球したことを検知する第1始動口スイッチ43、遊技球が第2始動口21に入球したことを検知する第2始動口スイッチ44、電動チューリップ20を開閉駆動する電チューソレノイド91、遊技球がスルーゲート16を通過したことを検知するゲートスイッチ92、遊技球が普通入賞口18に入球したことを検知する普通入賞口スイッチ93、遊技球が大入賞口22に入球したことを検知する大入賞口スイッチ94、役物23を開閉駆動する大入賞口ソレノイド95、普通図柄表示器61、普通図柄保留表示器62、第1特別図柄表示器63、第1特別図柄保留表示器64、第2特別図柄表示器65および第2特別図柄保留表示器66が接続されている。
メイン制御基板100は、第1始動口スイッチ43、第2始動口スイッチ44、普通入賞口スイッチ93および大入賞口スイッチ94のそれぞれが遊技球の入球を検知した場合、払出制御基板120に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板120は、CPU121とROM122とRAM123とを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モータ124を制御するように構成されており、メイン制御基板100から賞球コマンドを入力すると、入球した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
またメイン制御基板100は、上述の普通図柄の抽選や大当たり抽選(大当たり判定)を行うように構成されている。例えば遊技球がスルーゲート16を通過した場合、電動チューリップ20を開閉するための普通図柄抽選を行い、当選すれば電チューソレノイド91を所定時間及び所定回数駆動させて電動チューリップ20を開放させる。また遊技球が第1始動口19又は第2始動口21に入球したことを検知した場合には、その入球した始動口に応じて大当たり判定を行い、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を開始すると共に、その抽選結果に応じた演出を行わせるべく、演出制御基板130に対して信号やコマンドを送出する。また遊技球が第1始動口19又は第2始動口21に入球したことを検知したとき、その始動口に対応する特別図柄が既に変動表示中である場合は、その入球に伴う特別図柄の変動表示を保留する。そして第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方を大当たり又は小当たりの当選図柄で停止させた場合には、大入賞口ソレノイド95を駆動して役物23を作動させ、その当たり種別に対応した大入賞口開放遊技へと移行させると共に、その当たり種別に応じてサブ制御基板200の各部を制御する。またメイン制御基板100は、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方を当選図柄で停止させる際、他方の特別図柄が変動表示中である場合には、その他方の特別図柄を強制的にハズレ図柄で停止させて大入賞口開放遊技へと移行させる。
さらにメイン制御基板100は、外部接続端子板190に設けられたコネクタ191を介して遊技機1の状態を通知するための各種信号を出力する。この信号には、例えば第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が停止した場合の変動停止信号や、大当たりに当選した場合の大当たり信号、小当たりに当選した場合の小当たり信号などがある。
本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方を当選図柄で停止させる際に、他方の特別図柄の変動表示を強制的にハズレ図柄で停止させた場合、メイン制御基板100は、その強制停止に係る変動停止信号を出力しないように構成される。つまり、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方を当選図柄で停止させたことに伴う変動停止信号は外部出力され、他方をハズレ図柄で強制的に停止させたことに伴う変動停止信号は外部出力されない。そのため、メイン制御基板100は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を略同時に停止させた場合には、外部接続端子板190に設けられたコネクタ191により変動停止信号を1回だけ外部出力する。
また第2特別図柄が変動すると、小当たりに対応した当選図柄で停止する可能性が高いため、メイン制御基板100は、少なくとも第2特別図柄による小当たりが頻発するような遊技状態においては第2特別図柄によって小当たりに当選した場合でもそれに対応する小当たり信号を外部出力しないように構成される。尚、第2特別図柄によって小当たりに当選した場合、メイン制御基板100は、常に小当たり信号を外部出力しない構成としても良い。
また本実施形態では、遊技機1の遊技状態を移行させるためにメイン制御基板100において第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数をカウントするように構成されるが、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方を当選図柄で停止させる際に、他方の特別図柄の変動表示を強制的にハズレ図柄で停止させた場合には、その強制停止させた変動表示はカウント対象に含めないようになっている。つまり、この場合、当選図柄で停止する変動表示は1回分の変動表示としてカウントされるのに対し、強制的にハズレ図柄となって停止する変動表示は1回分の変動表示としてカウントされない。そのため、第1特別図柄と第2特別図柄がほぼ同時に停止する場合、特別図柄の変動表示回数は1回としてカウントされる。
演出制御基板130は、CPU131とROM132とRAM133とリアルタイムクロック(RTC)134とを備えており、メイン制御基板100からの信号やコマンドなどに基づいて具体的な演出内容を決定し、画像制御基板140とランプ制御基板150とを制御する。例えば、メイン制御基板100から変動開始コマンドを受信すると、演出制御基板130は、第1装飾図柄及び第2装飾図柄のうち、メイン制御基板100から指定された装飾図柄の変動パターンを決定してその装飾図柄の変動表示を開始する。そしてメイン制御基板100から変動停止コマンドを受信すると、演出制御基板130は、メイン制御基板100から指定された装飾図柄の変動表示を停止させる。
画像制御基板140は、CPU141と、ROM142と、RAM143と、VRAM144とを備えており、演出制御基板130からの指定に基づいて画像表示器8およびスピーカ5を制御することにより、第1装飾図柄及び第2装飾図柄の変動表示を行うと共に、リーチ演出などの各種の演出を行う。VRAM144は、画像表示器8に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU141はこのVRAM144に対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器8に対して、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示することができる。
ランプ制御基板150は、CPU151とROM152とRAM153とを備えており、演出制御基板130からの指示に基づいて上述した枠ランプ6などを含む各種ランプ97を点灯させると共に、演出用役物などを駆動するための役物駆動部98を制御するように構成されている。
図5は、メイン制御基板100における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。メイン制御基板100のCPU101は、所定のプログラムを実行することにより、遊技機1における動作全般を統括的に制御する遊技制御部110として機能する。この遊技制御部110は、遊技の進行状況に応じて種々の処理部として機能する。またメイン制御基板100のRAM103は、種々のデータを記憶するが、その一部について例を挙げると、図5に示すように、乱数格納領域104と第1特別図柄変動保留記憶部105と第2特別図柄変動保留記憶部106とを備えている。乱数格納領域104には遊技データとなる種々の乱数が格納されているが、図5においては大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2およびリーチ乱数RN3が格納されている場合を例示している。
遊技制御部110は、乱数格納領域104に格納された大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2、リーチ乱数RN3などの各種乱数を逐次更新する。そして遊技制御部110は、第1始動口スイッチ43又は第2始動口スイッチ44が遊技球の入球を検知した場合、乱数格納領域104において逐次更新されている大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2およびリーチ乱数RN3を遊技データとして取得する。このとき取得された大当たり乱数RN1の値によって大当たり判定における当否が確定する。また、取得した大当たり乱数RN1の値が大当たりである場合、それと同時に取得した図柄乱数RN2の値によって大当たりの種類が確定する。また、取得した大当たり乱数RN1の値がハズレである場合、それと同時に取得したリーチ乱数RN3の値によってリーチ演出を行うか否かが確定する。ただし、本実施形態では、第2始動口21に遊技球が入球した場合、リーチ演出は行わない。また第1始動口19に遊技球が入球して取得した大当たり乱数RN1の値が大当たりである場合、リーチ演出は必ず行われるので、それと同時に取得されたリーチ乱数RN3の値は無視される。
遊技制御部110は、上記のようにして取得した遊技データ(大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2およびリーチ乱数RN3)を、第1特別図柄変動保留記憶部105又は第2特別図柄変動保留記憶部106に格納することで、それに伴う変動表示を保留する。このとき、例えば、第1始動口スイッチ43が遊技球の入球を検知することにより取得された遊技データは、第1特別図柄変動保留記憶部105に格納される。また第2始動口スイッチ44が遊技球の入球を検知することにより取得された遊技データは、第2特別図柄変動保留記憶部106に格納される。尚、第1特別図柄変動保留記憶部105又は第2特別図柄変動保留記憶部106において既に4個の保留が記憶されている場合には、上述した遊技データの取得は行わない。
そして遊技制御部110は、第1特別図柄表示器63における先の変動表示が停止し、次の変動表示を開始することが可能となったタイミングで第1特別図柄変動保留記憶部105に格納されている遊技データを読み出し、第1の大当たり判定を行って変動パターンを決定し、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示を開始する。これと同様に、遊技制御部110は、第2特別図柄表示器65における先の変動表示が停止し、次の変動表示を開始することが可能となったタイミングで第2特別図柄変動保留記憶部106に格納されている遊技データを読み出し、第2の大当たり判定を行って変動パターンを決定し、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示を開始する。したがって、遊技制御部110は、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示とを同時に行うことがある。
ここで遊技制御部110が決定する変動パターンには、第1特別図柄表示器63において第1特別図柄の変動表示を継続する変動時間、又は、第2特別図柄表示器65において第2特別図柄の変動表示を継続する変動時間が含まれる。したがって、遊技制御部110は、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示を開始した場合、又は、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示を開始した場合には、その変動時間の計測を開始する。
通常、遊技制御部110は、この計測時間が変動パターンで定められた変動時間を経過した時点で第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を停止させ、第1特別図柄表示器63又は第2特別図柄表示器65に第1の大当たり判定又は第2の大当たり判定の結果に応じた図柄を表示する。ただし、第1特別図柄表示器63及び第2特別図柄表示器65のそれぞれが同時に変動表示を行っている状態で、先に停止する一方の特別図柄が大入賞口22を開放させる大当たり又は小当たりの当選図柄で停止する場合には、他方の特別図柄が変動パターンで定められた変動時間を経過していなくても、ハズレ図柄で強制的に停止させる。つまり、この場合、他方の特別図柄の大当たり判定において大当たり又は小当たりに当選していた場合でもその抽選結果は破棄される。そして一方の特別図柄が当選図柄で停止することに伴い、それとほぼ同時に、他方の特別図柄が強制的にハズレとなって停止する。
そして遊技制御部110は、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄及び第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の一方を当選図柄で停止させた場合、遊技機1における遊技状態を大入賞口開放遊技へと移行させ、その大入賞口開放遊技が終了するまで第1特別図柄表示器63及び第2特別図柄表示器65のそれぞれにおける次回の変動表示を中断する。
また第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方で大当たりに当選した場合、遊技制御部110は、それによる大当たり遊技(大入賞口開放遊技)が終了した後の遊技状態をその大当たりの種類に応じて制御する。また、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方で小当たりに当選した場合、遊技制御部110は、それによる小当たり遊技(大入賞口開放遊技)が終了した後の遊技状態を、小当たり当選前の元の遊技状態に戻すように制御する。
図6は、遊技機1における遊技状態の移行を示す状態遷移図である。この遊技機1には、主として、通常遊技状態ST1、大入賞口開放遊技状態ST2、時短遊技状態ST3、確変遊技状態ST4、及び、潜伏確変遊技状態ST5の5つの遊技状態がある。このうち、通常遊技状態ST1、時短遊技状態ST3、確変遊技状態ST4、及び、潜伏確変遊技状態ST5の4つの遊技状態は、第1始動口19又は第2始動口21に遊技球を入球させることによって大当たり抽選を行いながら遊技を進行させる遊技状態である。これに対し、大入賞口開放遊技状態ST2は、通常遊技状態ST1、時短遊技状態ST3、確変遊技状態ST4、及び、潜伏確変遊技状態ST5のそれぞれにおいて小当たり又は大当たりに当選した場合にそれらの遊技状態から移行し、大入賞口22を開放させる遊技状態である。
また遊技機1における大当たり抽選で大当たりに当選する確率状態として、例えば1/300程度の所定の確率で大当たりに当選する通常確率状態と、その通常確率状態よりも大当たりに当選する確率が高くなる高確率状態との2つの状態がある。図例では、通常遊技状態ST1と時短遊技状態ST3とが通常確率状態となっており、確変遊技状態ST4と潜伏確変遊技状態ST5とが高確率状態となっている。
遊技機1に電源が投入されると、遊技機1は通常遊技状態ST1として起動する。この通常遊技状態ST1では、大当たり抽選で大当たりに当選する確率は通常確率である。そのため、遊技者はハンドルレバー4を回転操作して第1始動口19又は第2始動口21に遊技球を入球させ、大当たりになることを期待しながら遊技を行う。この通常遊技状態ST1では、遊技球がスルーゲート16を通過することにより普通図柄の抽選が行われると、普通図柄の変動表示時間は比較的長い時間(例えば29秒)に設定される。また普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ20を開放させる開放時間は比較的短い時間(例えば0.2秒)に設定される。そのため、通常遊技状態ST1では、普通図柄の変動表示時間が長く、しかも普通図柄抽選に当選して電動チューリップ20が開放した場合でも遊技球が第2始動口21に入球する可能性は低くなっている。それ故、遊技機1が通常遊技状態ST1であるとき、遊技者はハンドルレバー4の操作角度を調整することにより、遊技領域13に打ち出す遊技球を図2に示したルートF2(左打)に導き、第1始動口19に遊技球を入球させることを狙って遊技を行うことになる。
通常遊技状態ST1において第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球して大当たり又は小当たりに当選すると、図6の矢印A1で示すように遊技機1は大入賞口開放遊技状態ST2へと移行する。この大入賞口開放遊技状態ST2には、上述したように、小当たりに当選した場合の小当たり遊技ST21と、大当たりに当選した場合の大当たり遊技ST22とがある。また大当たり遊技ST22には、長当たり遊技ST22aと短当たり遊技ST22bとがある。これらのうち、遊技者が多くの賞球を得られる遊技は長当たり遊技ST22aのみである。他の遊技(小当たり遊技ST21及び短当たり遊技ST22b)では多くの賞球を得ることは難しく、賞球数が0個の可能性もある。このような大入賞口開放遊技状態ST2では、遊技領域13の右下部に設けられた大入賞口22が開放されるため、遊技者はハンドルレバー4の操作角度を略最大角度に調整することにより、遊技領域13に打ち出す遊技球を図2に示したルートF1(右打)に導き、大入賞口22に遊技球を入球させることを狙って遊技を行うことになる。ただし、小当たり遊技ST21及び短当たり遊技ST22bの場合は、必ずしも遊技者が右打ち操作を行うとは限らない。
遊技制御部110は、大入賞口開放遊技状態ST2が終了した後、遊技状態を、通常遊技状態ST1、時短遊技状態ST3、確変遊技状態ST4及び潜伏確変遊技状態ST5のいずれかに移行させる。具体的に説明すると、小当たり遊技ST21が行われた場合、その大入賞口開放遊技状態ST2が終了すると、それ以前の遊技状態に移行させる。例えば、通常遊技状態ST1において小当たりに当選した場合、それに伴う小当たり遊技ST21が終了した後、遊技制御部110は、矢印A2で示すように大入賞口開放遊技状態ST2から通常遊技状態ST1へと移行させる。これに対し、大当たり遊技ST22が行われた場合、その大入賞口開放遊技状態ST2が終了すると、遊技制御部110は、その大当たりの種類に応じて大当たり遊技ST22の終了後、矢印A3,A4,A5に示すように、時短遊技状態ST3、確変遊技状態ST4及び潜伏確変遊技状態ST5のいずれかに移行させる。
ここで時短遊技状態ST3について説明する。時短遊技状態ST3では、遊技球がスルーゲート16を通過することにより普通図柄の抽選が行われると、普通図柄の変動表示時間は比較的短い時間(例えば3秒)に設定される。また普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ20を開放させる開放時間は比較的長い時間(例えば3.5秒)に設定される。そのため、時短遊技状態ST3では、普通図柄の変動表示時間が短く、しかも普通図柄抽選に当選して電動チューリップ20が開放されると、遊技球が第2始動口21に入球し易くなる。つまり、時短遊技状態ST3では、電動チューリップ20の開閉動作によって遊技球が第2始動口21に頻繁に入球するように補助される。したがって、時短遊技状態ST3では、遊技者はハンドルレバー4の操作角度を略最大角度に調整することにより、遊技領域13に打ち出す遊技球を図2に示したルートF1(右打)に導き、遊技球をスルーゲート16に頻繁に通過させることで、電動チューリップ20を頻繁に開放させ、第2始動口21に遊技球を入球させることを狙って遊技を行うことになる。この場合、開放した電動チューリップ20に補助されて遊技球が頻繁に第2始動口21に入球するので、遊技者は、持ち玉である遊技球をあまり減らすことなく、遊技を行うことができる。したがって、時短遊技状態ST3は、通常遊技状態ST1と比較すると、持ち玉をあまり減らすことなく遊技を進行させることができるという点で、遊技者にとって有利な遊技状態である。ただし、上述したように時短遊技状態ST3では、第1特別図柄及び第2特別図柄で大当たりに当選する確率は通常確率となっている。
このような時短遊技状態ST3は、第1特別図柄表示器63及び第2特別図柄表示器65における特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまで継続する。尚、この所定回数は、後述する時短変動回数Jによってカウントされる。そして特別図柄の変動表示回数が所定回数になると、遊技制御部110は、遊技機1の遊技状態を時短遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へと移行させる(図6の矢印A6)。遊技状態が時短遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へと移行すると、電動チューリップ20の開放間隔が長くなり、しかも1回当たりの開放時間が短くなるので、遊技球を第2始動口21に入球させることが難しい状態となる。
尚、時短遊技状態ST3において第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方が大当たり又は小当たりに当選すると、図6の矢印A7で示すように、遊技制御部110は、時短遊技状態ST3からそれに対応した大入賞口開放遊技状態ST2へと移行させる。
次に確変遊技状態ST4について説明する。確変遊技状態ST4では、遊技球がスルーゲート16を通過することにより普通図柄の抽選が行われると、普通図柄の変動表示時間は比較的短い時間(例えば3秒)に設定される。また普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ20を開放させる開放時間は比較的長い時間(例えば3.5秒)に設定される。そのため、確変遊技状態ST4では、時短遊技状態ST3と同様に、普通図柄の変動表示時間が短く、しかも普通図柄抽選に当選して電動チューリップ20が開放されると、遊技球が第2始動口21に入球し易くなる。つまり、確変遊技状態ST4においても、電動チューリップ20の開閉動作によって遊技球が第2始動口21に頻繁に入球するように補助される。したがって、確変遊技状態ST4では、遊技者はハンドルレバー4の操作角度を略最大角度に調整することにより、遊技領域13に打ち出す遊技球を図2に示したルートF1(右打)に導き、遊技球をスルーゲート16に頻繁に通過させることで、電動チューリップ20を頻繁に開放させ、第2始動口21に遊技球を入球させることを狙って遊技を行うことになる。この場合、開放した電動チューリップ20に補助されて遊技球が頻繁に第2始動口21に入球するので、遊技者は、持ち玉である遊技球をあまり減らすことなく、遊技を行うことができる。また確変遊技状態ST4では、上述したように、第1特別図柄及び第2特別図柄で大当たりに当選する確率が通常確率よりも高い高確率状態となっている。
このような確変遊技状態ST4は、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方で次回の大当たりが発生するまで継続する。そのため、大入賞口開放遊技後の遊技状態が確変遊技状態ST4に移行すると、遊技者は、次回の大当たり当選まで持ち玉である遊技球をあまり減らすことなく、遊技を行うことができる。特に確変遊技状態ST4は、大当たりの当選確率が高確率状態であるため、遊技者の持ち玉をあまり減らすことなく、しかも比較的早期に次回の大当たりに当選する可能性の高い遊技状態となっている。それ故、この確変遊技状態ST4は、遊技者にとって最も有利な遊技状態である。
そして確変遊技状態ST4において第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方が大当たり又は小当たりに当選すると、図6の矢印A8で示すように、遊技制御部110は、確変遊技状態ST4からそれに対応した大入賞口開放遊技状態ST2へと移行させる。
次に潜伏確変遊技状態ST5について説明する。潜伏確変遊技状態ST5では、上述したように、次回の大当たりに当選する確率が通常確率よりも高い高確率状態となるが、それ以外の遊技状態は通常遊技状態ST1と同様である。
ここで確変遊技状態ST4と潜伏確変遊技状態ST5との違いについて説明する。遊技機1の遊技状態が確変遊技状態ST4に移行すると、その確変遊技状態ST4では遊技機1において大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動したことを報知する演出が行われる。そのため、確変遊技状態ST4に移行した場合は、遊技者が大当たり抽選における当選確率が高確率状態に移行したことを容易に把握することができる遊技状態となる。また確変遊技状態ST4では、上述したように電動チューリップ20が頻繁に開放されるので、遊技者は持ち玉をあまり減らすことなく遊技を進行させていくことができる。これに対し、遊技機1の遊技状態が潜伏確変遊技状態ST5に移行すると、その潜伏確変遊技状態ST5では遊技機1において大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動したことは、通常、遊技者に対して報知されない。そのため、潜伏確変遊技状態ST5に移行した場合、遊技機1の遊技状態そのものは外見上、通常遊技状態ST1と何ら変わるところがないので、遊技者が潜伏確変遊技状態ST5に移行したことを明確には把握することができない遊技状態となる。また潜伏確変遊技状態ST5では、電動チューリップ20が頻繁に開放しないので、遊技者の持ち玉は遊技を進行させることに伴って減少する。尚、潜伏確変遊技状態ST5では、遊技者は、通常遊技状態ST1と同様、ハンドルレバー4の操作角度を調整することにより、遊技領域13に打ち出す遊技球を図2に示したルートF2(左打)に導き、第1始動口19に遊技球を入球させることを狙って遊技を行うことになる。
このような潜伏確変遊技状態ST5は、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方で次回の大当たりが発生するまで継続する。そのため、大入賞口開放遊技後の遊技状態が潜伏確変遊技状態ST5に移行すると、遊技者は、次回の大当たり当選まで持ち玉を減少させながら遊技を行うことになる。ただし、上述したように潜伏確変遊技状態ST5では、大当たりの当選確率が通常確率状態よりも高い高確率状態となっているため、遊技者にとっては、通常遊技状態ST1で遊技を進行する場合よりも比較的早期に次回の大当たりに当選する可能性の高い遊技状態となっている。そのため、潜伏確変遊技状態ST5は、通常遊技状態ST1と比較すると、遊技者にとって有利な遊技状態である。
そして潜伏確変遊技状態ST5において第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方が大当たり又は小当たりに当選すると、図6の矢印A9で示すように、遊技制御部110は、潜伏確変遊技状態ST5からそれに対応した大入賞口開放遊技状態ST2へと移行させる。
次に、遊技制御部110による第1の大当たり判定及び第2の大当たり判定について説明する。図7は、第1始動口19及び第2始動口21に遊技球が入球して取得された大当たり乱数RN1に基づいて大当たり判定を行う際に参照するテーブルの一例を示す図である。図7(a)は、第1始動口19に遊技球が入球して取得された大当たり乱数RN1に基づいて第1の当たり判定を行うためのテーブルである。また、図7(b)は、第2始動口21に遊技球が入球して取得された大当たり乱数RN1に基づいて第2の当たり判定を行うためのテーブルである。
まず、第1始動口19に遊技球が入球した場合の第1の大当たり判定について説明する。図7(a)に示すように、大当たり乱数RN1は、例えば0〜299の範囲内で逐次更新される乱数である。遊技機1が通常確率状態である場合、第1始動口19に遊技球が入球したことによって遊技制御部110が取得する大当たり乱数RN1の値が「7」であれば、大当たりとなり、大当たりに当選する確率は1/300となっている。また、大当たり乱数RN1の値が「5,35,65,95,125,155,185,215,245,275」のいずれかであれば、小当たりとなり、小当たりに当選する確率は10/300となっている。尚、大当たり乱数RN1が上記以外の値であれば、ハズレとなり、通常確率状態において第1の大当たり判定がハズレとなる確率は289/300である。
また遊技機1が高確率状態である場合、第1始動口19に遊技球が入球したことによって遊技制御部110が取得する大当たり乱数RN1の値が「7、37,67,97,127,157,187,217,247,277」であれば、大当たりとなり、大当たりに当選する確率は10/300となっている。つまり、高確率状態では、大当たりに当選する確率が、通常確率状態の10倍となっており、通常確率状態よりも大当たりに当選し易くなる。また、小当たりの確率については変動せず、通常確率状態と同様に10個の値が小当たりとなり、小当たりに当選する確率は10/300となっている。尚、大当たり乱数RN1が上記以外の値であれば、ハズレとなり、高確率状態において第1の大当たり判定がハズレとなる確率は280/300である。
次に、第2始動口21に遊技球が入球した場合の第2の大当たり判定について説明する。図7(b)に示すように、遊技機1が通常確率状態である場合、第2始動口21に遊技球が入球したことによって遊技制御部110が取得する大当たり乱数RN1の値が「7」であれば、大当たりとなり、大当たりに当選する確率は1/300となっている。また、大当たり乱数RN1の値が「7」以外の値であれば、全て小当たりとなり、小当たりに当選する確率は299/300となっている。この場合、第2の大当たり判定がハズレとなる確率は0である。
また遊技機1が高確率状態である場合、第2始動口21に遊技球が入球したことによって遊技制御部110が取得する大当たり乱数RN1の値が「7、37,67,97,127,157,187,217,247,277」であれば、大当たりとなり、大当たりに当選する確率は10/300となっている。つまり、ここでも高確率状態において大当たりに当選する確率が、通常確率状態の10倍となっており、通常確率状態よりも大当たりに当選し易くなる。また大当たり乱数RN1の値が「7、37,67,97,127,157,187,217,247,277」以外の値であれば、全て小当たりとなり、小当たりに当選する確率は290/300となっている。この場合も、第2の大当たり判定がハズレとなる確率は0である。
このように本実施形態の遊技機1は、第1始動口19に遊技球が入球した場合に大当たりに当選する確率と、第2始動口21に遊技球が入球した場合に大当たりに当選する確率とが通常確率状態および高確率状態のそれぞれで同じ確率となっているのに対し、小当たりに当選する確率が異なっている。つまり、第1始動口19に遊技球が入球した場合には、通常確率状態において289/300の確率でハズレとなる可能性があり、高確率状態において280/300の確率でハズレとなる可能性があるのに対し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には、ハズレとなることはなく、全て小当たり以上で当選する。
遊技制御部110は、上記のように大当たり乱数RN1の値に基づいて大当たり判定を行い、大当たりに当選している場合は、更に図柄乱数RN2の値に基づいて大当たりの種類を判定する。図8は、第1始動口19及び第2始動口21に遊技球が入球して取得された図柄乱数RN2に基づいて大当たりの種類を判定する際に参照するテーブルの一例を示す図である。図8(a)は、第1始動口19に遊技球が入球して取得された図柄乱数RN2に基づいて大当たりの種類を判定するためのテーブルである。また、図8(b)は、第2始動口21に遊技球が入球して取得された図柄乱数RN2に基づいて大当たりの種類を判定するためのテーブルである。
まず、第1始動口19に遊技球が入球した場合の大当たりの種類の判定について説明する。図8(a)に示すように、図柄乱数RN2は、例えば0〜250の範囲内で逐次更新される乱数である。第1始動口19に遊技球が入球したことによって取得された大当たり乱数RN1が大当たりを示す値である場合、それと同時に取得された図柄乱数RN2の値が「0〜100」のいずれかであれば「確変遊技付き長当たり」となる。また図柄乱数RN2の値が「101〜200」のいずれかであれば「時短遊技付き長当たり」となる。また図柄乱数RN2の値が「201〜225」のいずれかであれば「確変遊技付き短当たり」となる。さらに図柄乱数RN2の値が「226〜250」のいずれかであれば「潜伏確変遊技付き短当たり」となる。
ここで、「確変遊技付き長当たり」は、大入賞口開放遊技状態ST2として長当たり遊技ST22aを設定し、その大入賞口開放遊技後の遊技状態を確変遊技状態ST4へと移行させる大当たりである。この場合、遊技者は、大入賞口開放遊技状態ST2で多くの賞球を獲得することができ、しかも次回の大当たりまで獲得した賞球を減らすことなく遊技を行うことができるようになる。また、「時短遊技付き長当たり」は、大入賞口開放遊技状態ST2として長当たり遊技ST22aを設定し、その大入賞口開放遊技後の遊技状態を時短遊技状態ST3へと移行させる大当たりである。この場合、遊技者は、大入賞口開放遊技状態ST2で多くの賞球を獲得することができ、大入賞口開放遊技後は時短遊技状態ST3が終了するまで獲得した賞球を減らすことなく遊技を行うことができるようになる。また、「確変遊技付き短当たり」は、大入賞口開放遊技状態ST2として短当たり遊技ST22bを設定し、その大入賞口開放遊技後の遊技状態を確変遊技状態ST4へと移行させる大当たりである。この場合、遊技者は、大入賞口開放遊技状態ST2において多くの賞球を獲得することはできないが、大入賞口開放遊技後は次回の大当たりに当選するまで持ち玉をあまり減らすことなく遊技を行うことができるようになる。さらに、「潜伏確変遊技付き短当たり」は、大入賞口開放遊技状態ST2として短当たり遊技ST22bを設定し、その大入賞口開放遊技後の遊技状態を潜伏確変遊技状態ST5へと移行させる大当たりである。この場合、遊技者は、大入賞口開放遊技状態ST2において多くの賞球を獲得することはできず、また大入賞口開放遊技後も次回の大当たりに当選するまで持ち玉を減少させながら遊技を行うことができるようになるが、大当たりの当選確率が高確率となるので、比較的早期に次回の大当たりに当選することができる。
このように第1始動口19に遊技球が入球して大当たりに当選した場合には、大入賞口開放遊技中に多くの賞球を獲得することが困難な「短当たり」となることがあるが、その場合は大入賞口開放遊技後において大当たりの当選確率を通常確率よりも高確率である高確率状態に移行させるので、遊技者は比較的早期に次回の大当たりに当選することができるという遊技価値を付与している。
次に、第2始動口21に遊技球が入球した場合の大当たりの種類の判定について説明する。図8(b)に示すように、第2始動口21に遊技球が入球したことによって取得された大当たり乱数RN1が大当たりを示す値である場合、それと同時に取得された図柄乱数RN2の値が「0〜150」のいずれかであれば「確変遊技付き長当たり」となる。また図柄乱数RN2の値が「151〜250」のいずれかであれば「時短遊技付き長当たり」となる。
したがって、第2始動口21に遊技球が入球して大当たりに当選した場合には、全て「長当たり」となるので、遊技者は、その大入賞口開放遊技状態ST2において多くの賞球を獲得することができる。そして大入賞口開放遊技後は、時短遊技状態ST3と確変遊技状態ST4とのいずれか一方に移行する。
上記のような大当たりの種類のうち、遊技者の最も期待する大当たりは、「確変遊技付き長当たり」である。なぜなら、「確変遊技付き長当たり」が設定されると、その大入賞口開放遊技状態ST2において多くの賞球を獲得することができ、しかも次回の大当たりまで獲得した賞球を減らすことなく遊技を行うことができると共に、次回の大当たりに当選する確率が高確率となるからである。ここで、第1始動口19に入球した場合に「確変遊技付き長当たり」となる確率と、第2始動口21に入球した場合に「確変遊技付き長当たり」となる確率とを比較すると、第1始動口19では101/251であるのに対し、第2始動口21では151/251であり、第2始動口21に入球した場合の方がその確率が高くなっている。それ故、遊技者は、第1始動口19に入球して大当たりに当選するよりも寧ろ第2始動口21に入球して大当たりに当選することを期待する。また遊技機1としても、遊技者に対してより有利な遊技状態を設定するためには、第1始動口19に入球して当選した大当たりを発生させるよりも寧ろ、第2始動口21に入球して当選した大当たりを優先的に発生させる構成とすることが望まれる。
そこで遊技制御部110は、上述したように、第1特別図柄表示器63及び第2特別図柄表示器65のそれぞれにおいて同時に変動表示を行っている状態で、先に停止する一方の特別図柄を、大入賞口22を開放させる当選図柄(つまり、小当たり図柄又は大当たり図柄)で停止させる場合には、それとほぼ同時に、他方の特別図柄をハズレ図柄で強制的に停止させるように制御する。また遊技制御部110は、第1特別図柄表示器63において第1特別図柄の変動表示を開始する際に設定する変動表示時間を所定時間(例えば15秒)以上に設定するのに対し、第2特別図柄表示器65において第2特別図柄の変動表示を開始する際に設定する変動表示時間をその所定時間よりも短い時間(例えば2秒)に設定する。これにより、仮に、第1始動口19と第2始動口21のそれぞれに対してほぼ同時に遊技球が入球した場合でも、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示を先に停止させることができるようになる。また第1始動口19に遊技球が入球して第1特別図柄の変動表示が開始された後、間もなく、第2始動口21に遊技球が入球して第2特別図柄の変動表示が開始された場合でも、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示を先に停止させることができるようになる。そして上述したように、第2始動口21に入球した場合に行われる第2の大当たり判定では、必ず小当たり以上の当たりに当選するので、第2特別図柄が第1特別図柄よりも先に停止する際には、第1特別図柄は第1の大当たり判定の結果にかかわらず、第2特別図柄が停止するのとほぼ同時に、ハズレ図柄で強制的に停止する。このとき、第2の大当たり判定の結果が大当たりであれば、遊技機1はそれによる大当たり遊技ST22へと移行する。したがって、本実施形態の遊技機1は、第1始動口19に入球して当選した大当たりよりも、第2始動口21に入球して当選した大当たりを優先的に発生させることができるようになる。
このことは、特に時短遊技状態ST3及び確変遊技状態ST4において有効となる。つまり、時短遊技状態ST3及び確変遊技状態ST4では、上述したように、スルーゲート16を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ20が比較的長時間開放し、しかも開放間隔が短くなる。それ故、遊技者は、ハンドルレバー4を略最大角度回転させて右打操作状態とすることにより、多くの遊技球をスルーゲート16に通過させて開放された電動チューリップ20により、第2始動口21に対して多くの遊技球を入球させるように遊技する。このような遊技状態では、第2特別図柄表示器65において第2特別図柄の変動表示が連続的に行われるようになる。そのため、仮に第1始動口19に遊技球が入球して第1特別図柄表示器63において第1特別図柄の変動表示が開始された場合であっても、その第1特別図柄の変動表示時間が経過するまでに、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示が先に停止する可能性が高くなる。そして第2特別図柄は小当たり以上の当選図柄で停止するので、第1特別図柄の変動表示開始時に行われる第1の大当たり判定において仮に大当たりに当選している場合であっても、第1特別図柄は、第2特別図柄の停止とほぼ同時に、ハズレ図柄で強制的に停止することになる。
このように本実施形態の遊技機1は、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示とを同時に行う場合、第2特別図柄の変動停止と同時に第1特別図柄がハズレ図柄で停止する可能性が高くなり、第2の大当たり判定の結果に対応した大入賞口開放遊技が行われる可能性が高くなる。そのため、第2特別図柄による大当たりが優先的に発生するので、大当たり発生時の大入賞口開放遊技状態ST2は長当たり遊技ST22aとなる可能性が高く、遊技者は多くの賞球を獲得することができる。
また遊技者の期待する「確変遊技付き長当たり」となる確率は、第1始動口19に入球して大当たりに当選する場合よりも、第2始動口21に入球して大当たりに当選した場合の方が高いため、第2始動口21に入球して当選した大当たりを優先的に発生させることで、大入賞口開放遊技(長当たり遊技ST22a)後の遊技状態を、より高い確率で確変遊技状態ST4に移行させることができるようになる。したがって、本実施形態の遊技機1は、遊技者にとって有利な遊技価値を効果的に付与することができるようになる。
一方、時短遊技状態ST3及び確変遊技状態ST4において、第2始動口21に頻繁に遊技球が入球するようになると、遊技機1において小当たり遊技ST21が連続的に発生する。そして上述したように小当たり遊技ST21では、遊技者は多くの賞球を獲得することが困難である。そのため、遊技制御部110は、特に時短遊技状態ST3及び確変遊技状態ST4において、小当たりに当選した場合、小当たり遊技ST21における大入賞口22の開放回数を1回に設定し、小当たり遊技ST21を速やかに終了させて、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留を効率的に消化していくように制御する。
ここで、小当たり遊技ST21で大入賞口22の開放回数を1回に設定するのは、第2特別図柄が小当たりに当選した場合のみであっても良いが、本実施形態では、時短遊技状態ST3及び確変遊技状態ST4において第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれで小当たりに当選した場合であっても、その小当たり遊技ST21における大入賞口22の開放回数を1回に設定するようにしている。また短当たり遊技ST22bは、小当たり遊技ST21と同じ動作となるように制御するため、時短遊技状態ST3及び確変遊技状態ST4において第1特別図柄が大当たりに当選し、且つ、「短当たり」となった場合にも、その短当たり遊技ST22bにおける大入賞口22の開放回数を1回に設定するようにしている。
また、時短遊技状態ST3及び確変遊技状態ST4において、第2始動口21に頻繁に遊技球が入球するようになると、第2特別図柄による小当たりが頻発することになるので、それに伴う小当たり信号は外部出力されないようになっている。
また、本実施形態では、上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を強制的にハズレ図柄で停止させた場合には、その強制停止させた変動表示を、特別図柄の変動表示回数にカウントしないようにしている。言い換えると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示をほぼ同時に停止させた場合には、特別図柄の変動表示回数を1回としてカウントする。これにより、大当たりの抽選結果が破棄されて強制的にハズレ図柄となって停止した変動表示が、特別図柄の変動表示回数のカウントに含まれることを防止している。そのため、本実施形態では、特別図柄の変動表示回数をカウントする際、大当たりの抽選結果が正常に表示された状態で停止する変動表示のみをカウントすることができるようになる。そしてその結果、例えば時短遊技状態ST3において、大当たりの抽選結果が破棄されたにもかかわらず、その強制停止が特別図柄の変動表示回数にカウントアップされてしまうことで、時短遊技状態ST3が比較的早期に通常遊技状態ST1に移行してしまうことを防止することが可能になる。
また、本実施形態では、上述したように、第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示をほぼ同時に停止させた場合、強制的にハズレ図柄で停止させたことに伴う変動停止信号は外部出力を行わないので、この場合は1回分の変動停止信号が外部出力される。これにより、遊技機1からほぼ同時に2つの変動停止信号が外部出力されることを防止でき、外部装置において遊技機1での変動回数が正常にカウントできなくなることを防止している。また、強制的にハズレ図柄となった大当たり判定結果は破棄されているため、1回分のみの変動停止信号を外部出力することとしても、何ら問題は生じない。
以下、このような遊技機1における詳細な動作について説明する。
まずメイン制御基板100における動作について説明する。図9は、遊技制御部110の主要動作を示すフローチャートである。遊技制御部110は、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除く通常の動作時において図9に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理が開始されると、遊技制御部110は、乱数更新処理(ステップS1)、第1始動口スイッチ処理(ステップS2)、第2始動口スイッチ処理(ステップS3)、ゲートスイッチ処理(ステップS4)、各種スイッチ処理(ステップS5)、賞球処理(ステップS6)、特別図柄処理(ステップS7)、普通図柄処理(ステップS8)、大入賞口処理(ステップS9)、電動チューリップ(電チュー)処理(ステップS10)および出力処理(ステップS11)が順次実行され、それらが終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS12)が繰り返し実行される。そして一定時間が経過し、タイマによる割込が発生すれば、再び乱数更新処理(ステップS1)以降の処理が実行され、以後これが繰り返される。
乱数更新処理(ステップS1)では、RAM103の乱数格納領域104に格納されている大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2、リーチ乱数RN3などの各種乱数の値に対して例えば「1」を加算することにより、その値を更新する。また第1始動口スイッチ処理(ステップS2)では、第1始動口スイッチ43の状態を監視し、第1始動口スイッチ43がオンとなった場合に乱数格納領域104から、大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2、リーチ乱数RN3などの遊技データを取得するための処理を実行する。また第2始動口スイッチ処理(ステップS3)では、第2始動口スイッチ44の状態を監視し、第2始動口スイッチ44がオンとなった場合に乱数格納領域104から、大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2、リーチ乱数RN3などの遊技データを取得するための処理を実行する。またゲートスイッチ処理(ステップS4)では、ゲートスイッチ92の状態を監視し、ゲートスイッチ92がオンとなった場合に普通図柄を抽選するための処理を実行する。また各種スイッチ処理(ステップS5)では、その他全てのスイッチ(例えば普通入賞口スイッチ93や大入賞口スイッチ94など)からの入力処理を行う。また賞球処理(ステップS6)では、各種入賞口への入球数をカウントし、そのカウント値に基づいて賞球コマンドを設定する。また特別図柄処理(ステップS7)では、遊技制御部110により第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示を開始する処理や停止する処理が行われる他、それら変動表示に伴う処理が行われる。また普通図柄処理(ステップS8)では、遊技制御部110により普通図柄の変動表示およびその変動表示に伴う処理が行われる。また大入賞口処理(ステップS9)では、役物23が大入賞口22を開閉する動作が制御される。電動チューリップ処理(ステップS10)では、遊技制御部110が所定の条件に基づいて電動チューリップ20の開閉動作を制御することにより、第2始動口21に遊技球が入球し易くなるような補助動作(補助遊技)を行う。また出力処理(ステップS11)では、遊技制御部110が払出制御基板120および演出制御基板130に対して各種コマンドやデータなどを出力する。各サブ制御基板200に出力するコマンドやデータは、ステップS2〜S10までの各処理において生成され、予めRAM103にセットされているので、この出力処理ではRAM103にセットされたコマンドやデータを読み出して出力する。また出力処理(ステップS11)では、外部接続端子板190を介してホール(店舗)側のコンピュータなどに各種信号が出力される。そして初期値乱数更新処理(ステップS12)では、遊技制御部110により、乱数格納領域104に格納されている大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2、リーチ乱数RN3などの各種乱数の初期値が更新される。プログラム実行における残余時間は、この初期値乱数更新処理(ステップS12)を繰り返し実行することにより、各種乱数の初期値をその繰り返しの都度更新することができる。ここでプログラムの残余時間は、遊技機1の状態によって毎回異なるので、各種乱数の初期値の更新が繰り返し行われる回数は不規則なものとなる。そのため、大当たりを不正に発生させようとした場合でも大当たり乱数RN1の初期値が不明なため、大当たり乱数RN1が次に大当たりの当選値となるタイミングを知ることができず、ひいては不正を防止することができる。
図10は、第1始動口スイッチ処理(図9のステップS2)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、第1始動口19に遊技球が入球して第1始動口スイッチ43がオンになったか否かを判断する(ステップS101)。ここで第1始動口スイッチ43がオンになっていない場合には第1始動口スイッチ処理を終了する。第1始動口スイッチ43がオンになっていれば、第1特別図柄変動保留記憶部105の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS102)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U1が上限値に達している場合には(ステップS102でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第1始動口スイッチ処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS102でYES)、保留数U1の値を1加算する(ステップS103)。そして第1始動口19に入球したことにより、第1の大当たり判定を行うための各種乱数(遊技データ:大当たり乱数RN1,図柄乱数RN2及びリーチ乱数RN3)を乱数格納領域104から読み出し、それら乱数値をRAM103に設けられた第1特別図柄変動保留記憶部105に格納する(ステップS104)。このとき読み出した大当たり乱数RN1の値によって、「大当たり」又は「小当たり」のいずれかに当選しているか、或いは「ハズレ」であるかが確定する。また「大当たり」である場合、読み出した図柄乱数RN2の値によってその「大当たり」の種類が確定する。また「ハズレ」である場合、読み出したリーチ乱数RN3の値によってリーチ演出が行われるか否かが確定する。
図11は、第2始動口スイッチ処理(図9のステップS3)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、第2始動口21に遊技球が入球して第2始動口スイッチ44がオンになったか否かを判断する(ステップS201)。ここで第2始動口スイッチ44がオンになっていない場合には第2始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口スイッチ44がオンになっていれば、第2特別図柄変動保留記憶部106の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS202)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U2が上限値に達している場合には(ステップS202でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第2始動口スイッチ処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS202でYES)、保留数U2の値を1加算する(ステップS203)。そして第2始動口21に入球したことにより、第2の大当たり判定を行うための各種乱数(遊技データ:大当たり乱数RN1,図柄乱数RN2及びリーチ乱数RN3)を乱数格納領域104から読み出し、それら乱数値をRAM103に設けられた第2特別図柄変動保留記憶部106に格納する(ステップS204)。このとき読み出した大当たり乱数RN1の値によって、「大当たり」又は「小当たり」のいずれかに当選しているかが確定する。また「大当たり」である場合、読み出した図柄乱数RN2の値によってその「大当たり」の種類が確定する。
図12は、ゲートスイッチ処理(図9のステップS4)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、スルーゲート16を遊技球が通過してゲートスイッチ92がオンになったか否かを判断する(ステップS301)。ここでゲートスイッチ92がオンになっていない場合にはゲートスイッチ処理を終了する。ゲートスイッチ92がオンになっていれば、普通図柄抽選の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップS302)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数Gが上限値に達している場合には(ステップS302でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップS302でYES)、保留数Gの値を1加算する(ステップS303)。そして遊技球がスルーゲート16を通過したことによる普通図柄の抽選のための乱数を読み出し、その乱数値を、RAM103に格納する(ステップS304)。尚、このとき読み出される乱数の値により、遊技球がスルーゲート16を通過したことによる普通図柄抽選の当否が確定する。
図13は、特別図柄処理(図9のステップS7)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が「大当たり」や「小当たり」に当選した後の大入賞口開放遊技中であるか否かを判断する(ステップS401)。大入賞口開放遊技中であれば、第1特別図柄表示器63及び第2特別図柄表示器65のいずれか一方が既に何らかの「大当たり」や「小当たり」を表す当選図柄で停止しており、且つ、他方がハズレ図柄で停止している状態なので、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップS401でYES)。
これに対し、大入賞口開放遊技中でない場合(ステップS401でNO)、遊技機1の現在の状態が第1特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS402)。第1特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS402でNO)、第1特別図柄変動保留記憶部105の保留数U1が1以上であるか否かを判断する(ステップS403)。ここで保留数U1が1以上である場合(ステップS403でYES)、第1特別図柄表示器63において第1特別図柄の変動表示を開始するべく、第1特別図柄変動開始処理を実行する(ステップS404)。尚、この第1特別図柄変動開始処理(ステップS404)の詳細については後述する。一方、保留数U1が0である場合(ステップS403でNO)は、第1特別図柄の変動開始の条件となる第1始動口19への入球が無いことを意味するため、第1特別図柄の変動表示を開始しない。また、第1特別図柄の変動表示中である場合(ステップS402でYES)、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示を停止させるための第1特別図柄変動停止処理を実行する(ステップS405)。尚、この第1特別図柄変動停止処理(ステップS405)の詳細については後述する。上記のようなステップS402〜S405の処理は、第1特別図柄の変動表示を制御するための処理となっている。
そして次に、遊技機1の現在の状態が第2特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS406)。第2特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS406でNO)、第2特別図柄変動保留記憶部106の保留数U2が1以上であるか否かを判断する(ステップS407)。ここで保留数U2が1以上である場合(ステップS407でYES)、第2特別図柄表示器65において第2特別図柄の変動表示を開始するべく、第2特別図柄変動開始処理を実行する(ステップS408)。尚、この第2特別図柄変動開始処理(ステップS408)の詳細については後述する。一方、保留数U2が0である場合(ステップS407でNO)は、第2特別図柄の変動開始の条件となる第2始動口21への入球が無いことを意味するため、第2特別図柄の変動表示を開始しない。また、第2特別図柄の変動表示中である場合(ステップS406でYES)、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示を停止させるための第2特別図柄変動停止処理を実行する(ステップS409)。尚、この第2特別図柄変動停止処理(ステップS409)の詳細については後述する。上記のようなステップS406〜S409の処理は、第2特別図柄の変動表示を制御するための処理となっている。
そして次に、変動停止コマンドがセットされているか否かを判断する(ステップS410)。ここでは、上述した第1特別図柄変動停止処理(ステップS405)及び第2特別図柄変動停止処理(ステップS409)の少なくとも一方が実行され、RAM103に変動停止コマンドがセットされているか否かが判断される。そして第1特別図柄及び第2特別図柄の少なくとも一方に対する変動停止コマンドがセットされていれば、YESとなり、停止中処理を実行する(ステップS411)。尚、この停止中処理(ステップS411)の詳細については後述する。一方、第1特別図柄及び第2特別図柄に対するいずれの変動停止コマンドもセットされていない場合には、NOとなり、特別図柄処理を終了する。
図14は、第1特別図柄変動開始処理(図13のステップS404)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、第1特別図柄変動保留記憶部105の所定の記憶領域に格納されている遊技データを読み出し、その保留数U1の値を1減算する(ステップS501)。そして第1特別図柄変動保留記憶部105に記憶されている他の保留の記憶領域をシフトさせる(ステップS502)。そして読み出した遊技データに基づいて第1の大当たり判定処理(ステップS503)と変動パターン選択処理(ステップS504)とを順に実行する。これら第1の大当たり判定処理及び変動パターン選択処理により、大当たり抽選の結果が判定され、演出制御基板130に出力するための変動開始コマンドに含まれる設定情報(図柄、遊技状態、変動パターンなど)が決定される。尚、第1の大当たり判定処理(ステップS503)及び変動パターン選択処理(ステップS504)の詳細については後述する。
そして遊技制御部110は、第1の大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定情報を含んだ第1特別図柄の変動開始コマンドを生成し、RAM103にセットする(ステップS505)。そしてこの設定情報に基づき、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS506)。また変動パターンで設定された変動表示時間が経過するまで第1特別図柄の変動表示を継続させるために、第1特別図柄の変動時間の計測を開始する(ステップS507)。尚、ステップS505でRAM103にセットされた第1特別図柄の変動開始コマンドは、図9の出力処理(ステップS11)で演出制御基板130に出力される。
このような第1特別図柄変動開始処理(ステップS404)により、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示は、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示とは別に独立して開始される。
図15は、第1の大当たり判定処理(図14のステップS503)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1において大当たりに当選する確率状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS601)、高確率状態であれば、大当たり乱数RN1を判定するためのテーブルとして高確率時の大当たり乱数判定テーブルを選択する(ステップS602)。すなわち、この場合、図7(a)に示したテーブルのうち高確率状態に対応するテーブルを選択する。一方、遊技機1の遊技状態が高確率状態でない場合は、通常確率時の大当たり乱数判定テーブルを選択する(ステップS603)。すなわち、この場合、図7(a)に示したテーブルのうち通常確率状態に対応するテーブルを選択する。
そして遊技制御部110は、選択したテーブルに基づいて、第1特別図柄変動保留記憶部105から読み出した大当たり乱数RN1の判定を行い(ステップS604)、大当たりに当選したか否かを判断する(ステップS605)。そして大当たりに当選していれば(ステップS605でYES)、続いて図柄乱数RN2の判定を行う(ステップS606)。ここでは、第1特別図柄変動保留記憶部105の保留から読み出した図柄乱数RN2を判定する。その際、図8(a)に示した判定テーブルを参照し、大当たりの種類を特定する。そして大当たりの種類が特定されると、遊技制御部110は、第1特別図柄表示器63において第1特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として、その大当たりの種類に対応した当選図柄(大当たり図柄)をセットする(ステップS607)。
一方、大当たりに当選していなかった場合(ステップS605でNO)、小当たりに当選したか否かを判断する(ステップS608)。そして小当たりに当選していれば(ステップS608でYES)、続いて図柄乱数RN2の判定を行い(ステップS609)、第1特別図柄表示器63において第1特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として図柄乱数RN2の判定結果に対応した当選図柄(小当たり図柄)をセットする(ステップS610)。また小当たりにも当選していなかった場合(ステップS608でNO)は、第1特別図柄表示器63において第1特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄としてハズレに対応したハズレ図柄をセットする(ステップS611)。
図16は、変動パターン選択処理(図14のステップS504及び図18のステップS804)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、画像表示器8において装飾図柄の変動表示を含む各種演出のための変動パターンが決定される。また、この処理は、第1特別図柄変動開始処理(図14)のステップS504として実行されると共に、後述する第2特別図柄変動開始処理(図18)のステップS804としても実行される。ただし、第1特別図柄変動開始処理(図14)のステップS504として実行される場合と、第2特別図柄変動開始処理(図18)のステップS804として実行される場合とで若干具体的な処理内容が異なる点がある。そのため、ここではまず、第1特別図柄変動開始処理(図14)のステップS504として実行される場合について説明すると、この処理では、第1特別図柄の変動表示時間と、画像表示器8において第1特別図柄に対応した第1装飾図柄の変動表示を含む各種演出のための変動パターンとが決定される。
図16に示すように、遊技制御部110は、変動パターンを決定するための乱数(図示を省略)を取得し、RAM103に格納する(ステップS1101)。そして大当たりに当選したか否かを判断する(ステップS1102)。この判断では、第1の大当たり判定処理(図14)におけるステップS503と同様の判定を行っても良いし、また第1の大当たり判定処理(図15)における判定結果を参照することで判断しても良い。その結果、大当たりであった場合(ステップS1102でYES)、その大当たりの種類が長当たりであるか否かを判断する(ステップS1103)。長当たりである場合(ステップS1103でYES)、遊技制御部110は、長当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS1104)。また長当たりでなかった場合には(ステップS1103でNO)、短当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS1105)。
一方、大当たりでなかった場合(ステップS1102でNO)、更に小当たりに当選したか否かを判断する(ステップS1106)。そして小当たりであった場合(ステップS1106でYES)、遊技制御部110は、小当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS1107)。また小当たりでもなかった場合(ステップS1106でNO)、遊技制御部110は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行う否かを決定するためのリーチ乱数RN3の判定を行う(ステップS1108)。リーチ演出を行うか否かは、第1特別図柄変動保留記憶部105から読み出したリーチ乱数RN3の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。そしてリーチ乱数判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップS1109でYES)、遊技制御部110は、リーチ演出用の変動パターンテーブルをROM102から読み出し、RAM103にセットする(ステップS1110)。またリーチ演出を行わない場合(ステップS1109でNO)、遊技制御部110は、ハズレ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS1111)。ここで変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターンと変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。また複数の変動パターンのそれぞれには、特別図柄及び装飾図柄の変動時間(変動表示時間)が含まれる。ここで、第1特別図柄に対して予め用意された複数の変動パターンは、それぞれが所定時間(例えば15秒)以上の変動時間となっており、例えば変動時間15秒、30秒、60秒、90秒などのパターンとなっている。
そして遊技制御部110は、ステップS1104,S1105,S1107,S1110又はS1111でセットされた変動パターンテーブルを用いて変動パターン乱数の判定を行う(ステップS1112)。ここでは、RAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照し、ステップS1101で取得した変動パターン乱数の値に応じた変動パターンを選択する。したがって、変動パターン乱数の値が同じ値であっても、大当たりに当選したか否か、大当たりに当選した場合には長当たりであるか否か、小当たりに当選したか否か、大当たり又は小当たりに当選していない場合にはリーチ演出を行うか否か、といった第1の大当たり判定の結果やリーチ乱数RN3の値などに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なることがある。ただし、第1特別図柄及び第1装飾図柄に対応した変動パターンとしては、変動時間が少なくとも所定時間(例えば15秒)以上の変動パターンが設定される。その後、遊技制御部110はステップS1112で選択した変動パターンを第1特別図柄及び第1装飾図柄の設定情報としてRAM103にセットする(ステップS1113)。尚、ここでセットされた変動パターンの設定情報は、第1特別図柄変動開始処理(図14)のステップS505でセットされる変動開始コマンドに含まれる。
図17は、第1特別図柄変動停止処理(図13のステップS405)の詳細を示すフローチャートである。この処理が開始されると、遊技制御部110は、第1特別図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS701)。ここでは第1特別図柄の変動表示開始に伴い、図14のステップS507で計測を開始した第1特別図柄の変動時間が、ステップS504の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。そして第1特別図柄の変動時間が終了している場合には(ステップS701でYES)、第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判断する(ステップS702)。ここで第2特別図柄が変動表示中であれば(ステップS702でYES)、第1特別図柄の停止フラグをセットする(ステップS703)。ここで第1特別図柄の停止フラグとは、第1特別図柄の変動表示を停止させることを示す情報であり、例えばRAM103の所定の記憶領域にセットされる。一方、第2特別図柄が変動表示中でない場合(ステップS702でNO)、第1特別図柄の停止フラグはセットされない。尚、後述するように、第1特別図柄の変動表示中に、第2特別図柄が先に停止する場合には、第2特別図柄の停止フラグがRAM103にセットされる。
そして遊技制御部110は、演出制御基板130によって行われている第1装飾図柄の変動表示を停止させるために第1特別図柄の変動停止コマンドをRAM103にセットする(ステップS704)。ここでセットされる変動停止コマンドは、図9の出力処理(ステップS11)で演出制御基板130に出力される。そして第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示を予めセットされた停止図柄で停止させ(ステップS705)、計測した変動時間をリセットする(ステップS706)。
一方、第1特別図柄の変動時間が終了していない場合(ステップS701でNO)、遊技制御部110は、第2特別図柄が停止したことを示す第2特別図柄の停止フラグがRAM103にセットされているか否かを判断する(ステップS707)。ここで第2特別図柄の停止フラグがセットされていない場合(ステップS707でNO)、第1特別図柄の変動表示は継続するので、そのまま第1特別図柄変動停止処理を終了する。
これに対し、第2特別図柄の停止フラグがセットされている場合(ステップS707でYES)、遊技制御部110は、RAM103にセットされている第2特別図柄の停止フラグを解除する(ステップS708)。ここで、第1特別図柄の変動表示中に、第2特別図柄が先に停止すると、第2特別図柄は小当たり又は大当たりの当選図柄で停止することになる。そのため、遊技制御部110は、第1特別図柄の変動表示後に停止させる第1特別図柄の停止図柄として、ハズレ図柄をセットする(ステップS709)。つまり、ここでの処理は、第1特別図柄の変動開始前に行われる第1の大当たり判定処理(図15)において大当たり図柄がセットされている場合、又は小当たり図柄がセットされている場合、それら大当たり図柄又は小当たり図柄をハズレ図柄に書き換える処理である。これにより、第1の大当たり判定処理において、大当たり又は小当たりに当選していた場合でもその当選結果は無効になる。尚、第1の大当たり判定処理(図15)において既にハズレ図柄がセットされている場合には、ここではハズレ図柄に書き換える必要なないが、別のハズレ図柄に書き換える処理を行っても良い。
そして遊技制御部110は、第1特別図柄の強制停止フラグをセットする(ステップS710)。第1特別図柄の強制停止フラグは、上述した第1特別図柄の停止フラグとは異なり、第1特別図柄の変動開始前に予め設定された変動時間が経過する前に、強制的に第1特別図柄を停止させることを示す情報であり、例えばRAM103の所定の記憶領域にセットされる。そして遊技制御部110は、上述したステップS704,S705,S706の処理を順次実行する。ただし、この場合、ステップS704においてRAM103にセットされる第1特別図柄の変動停止コマンドには、第1装飾図柄をハズレ図柄で停止させるための指示が含まれる。また、ステップS705において第1特別図柄の変動表示を停止させる際には、ステップS709でセットされたハズレ図柄が停止図柄となる。
次に図18は、第2特別図柄変動開始処理(図13のステップS408)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、第2特別図柄変動保留記憶部106の所定の記憶領域に格納されている遊技データを読み出し、その保留数U2の値を1減算する(ステップS801)。そして第2特別図柄変動保留記憶部106に記憶されている他の保留の記憶領域をシフトさせる(ステップS802)。そして読み出した遊技データに基づいて第2の大当たり判定処理(ステップS803)と変動パターン選択処理(ステップS804)とを順に実行する。これら第2の大当たり判定処理及び変動パターン選択処理により、大当たり抽選の結果が判定され、演出制御基板130に出力するための変動開始コマンドに含まれる設定情報(図柄、遊技状態、変動パターンなど)が決定される。尚、第2の大当たり判定処理(ステップS803)の詳細については後述する。
そして遊技制御部110は、第2の大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定情報を含んだ第2特別図柄の変動開始コマンドを生成し、RAM103にセットする(ステップS805)。そしてこの設定情報に基づき、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示を開始する(ステップS806)。また変動パターンで設定された変動表示時間が経過するまで第2特別図柄の変動表示を継続させるために、第2特別図柄の変動時間の計測を開始する(ステップS807)。尚、ステップS805でRAM103にセットされた第2特別図柄の変動開始コマンドは、図9の出力処理(ステップS11)で演出制御基板130に出力される。
このような第2特別図柄変動開始処理(ステップS408)により、第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示とは別に独立して開始される。
図19は、第2の大当たり判定処理(図18のステップS803)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1において大当たりに当選する確率状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS901)、高確率状態であれば、大当たり乱数RN1を判定するためのテーブルとして高確率時の大当たり乱数判定テーブルを選択する(ステップS902)。すなわち、この場合、図7(b)に示したテーブルのうち高確率状態に対応するテーブルを選択する。一方、遊技機1の遊技状態が高確率状態でない場合は、通常確率時の大当たり乱数判定テーブルを選択する(ステップS903)。すなわち、この場合、図7(b)に示したテーブルのうち通常確率状態に対応するテーブルを選択する。
そして遊技制御部110は、選択したテーブルに基づいて、第2特別図柄変動保留記憶部106から読み出した大当たり乱数RN1の判定を行い(ステップS904)、大当たりに当選したか否かを判断する(ステップS905)。そして大当たりに当選していれば(ステップS905でYES)、続いて図柄乱数RN2の判定を行う(ステップS906)。ここでは、第2特別図柄変動保留記憶部106の保留から読み出した図柄乱数RN2を判定する。その際、図8(b)に示した判定テーブルを参照し、大当たりの種類を特定する。そして大当たりの種類が特定されると、遊技制御部110は、第2特別図柄表示器65において第2特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として、その大当たりの種類に対応した当選図柄(大当たり図柄)をセットする(ステップS907)。
一方、大当たりに当選していなかった場合(ステップS905でNO)、小当たりとなる。そして遊技制御部110は、図柄乱数RN2の判定を行い(ステップS908)、第2特別図柄表示器65において第2特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として図柄乱数RN2の判定結果に対応した当選図柄(小当たり図柄)をセットする(ステップS909)。尚、第2の大当たり判定では大当たり及び小当たりのいずれか一方に当選するので、この処理において第2特別図柄にハズレ図柄がセットされることはない。
次に、再び図16を参照し、変動パターン選択処理が第2特別図柄変動開始処理(図18)のステップS804として実行される場合について説明する。この場合、変動パターン選択処理では、第2特別図柄の変動表示時間と、画像表示器8において第2特別図柄に対応した第2装飾図柄の変動表示を含む各種演出のための変動パターンとが決定される。
図16に示すように、遊技制御部110は、変動パターンを決定するための乱数(図示を省略)を取得し、RAM103に格納する(ステップS1101)。そして大当たりに当選したか否かを判断する(ステップS1102)。この判断では、第2の大当たり判定処理(図19)におけるステップS903と同様の判定を行っても良いし、また第2の大当たり判定処理(図19)における判定結果を参照することで判断しても良い。その結果、大当たりであった場合(ステップS1102でYES)、その大当たりの種類が長当たりであるか否かを判断する(ステップS1103)。長当たりである場合(ステップS1103でYES)、遊技制御部110は、長当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS1104)。尚、図8(b)に示すように第2特別図柄で大当たりに当選した場合には短当たりとなることがないため、第2特別図柄で大当たりに当選していれば、常に長当たり用の変動パターンテーブルがRAM103にセットされる(ステップS1104)。
一方、大当たりでなかった場合(ステップS1102でNO)、更に小当たりに当選したか否かを判断する(ステップS1106)。そして小当たりであった場合(ステップS1106でYES)、遊技制御部110は、小当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS1107)。尚、図7(b)に示すように第2特別図柄が大当たりに当選しなかった場合は必ず小当たりに当選するため、第2特別図柄で大当たりに当選していなければ、常に小当たり用の変動パターンテーブルがRAM103にセットされる(ステップS1107)。
このように変動パターン選択処理が第2特別図柄変動開始処理(図18)のステップS804として実行される場合、RAM103にセットされる変動パターンテーブルは、長当たり用の変動パターンテーブルと小当たり用の変動パターンテーブルとのいずれか一方となる。
ここで変動パターンテーブルとは、上述したように、予め用意されている複数の変動パターンと変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。また上述したように、複数の変動パターンのそれぞれには、特別図柄及び装飾図柄の変動時間(変動表示時間)が含まれる。ここで、第2特別図柄に対して予め用意された複数の変動パターンは、それぞれが所定時間(例えば15秒)よりも短い時間(例えば2秒)の変動時間となっている。したがって、変動パターン選択処理が第2特別図柄変動開始処理(図18)のステップS804として実行される場合、第2特別図柄及び第2装飾図柄の変動時間(変動表示時間)が2秒程度の短い時間に設定される。
そして遊技制御部110は、ステップS1104又はS1107でセットされた変動パターンテーブルを用いて変動パターン乱数の判定を行い(ステップS1112)、その後、ステップS1112で選択した変動パターンを第2特別図柄及び第2装飾図柄の設定情報としてRAM103にセットする(ステップS1113)。尚、このようにしてセットされた変動パターンの設定情報は、第2特別図柄変動開始処理(図18)のステップS805でセットされる変動開始コマンドに含まれる。
図20は、第2特別図柄変動停止処理(図13のステップS409)の詳細を示すフローチャートである。この処理が開始されると、遊技制御部110は、第2特別図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS1001)。ここでは第2特別図柄の変動表示開始に伴い、図18のステップS807で計測を開始した第2特別図柄の変動時間が、ステップS804の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。そして第2特別図柄の変動時間が終了している場合には(ステップS1001でYES)、第1特別図柄が変動表示中であるか否かを判断する(ステップS1002)。ここで第1特別図柄が変動表示中であれば(ステップS1002でYES)、第2特別図柄の停止フラグをセットする(ステップS1003)。ここで第2特別図柄の停止フラグとは、第2特別図柄の変動表示を停止させることを示す情報であり、例えばRAM103の所定の記憶領域にセットされる。一方、第1特別図柄が変動表示中でない場合(ステップS1002でNO)、第2特別図柄の停止フラグはセットされない。尚、上述したように、第2特別図柄の変動表示中に、第1特別図柄が停止する場合には、第1特別図柄の停止フラグがRAM103にセットされる。
そして遊技制御部110は、演出制御基板130によって行われている第2装飾図柄の変動表示を停止させるために第2特別図柄の変動停止コマンドをRAM103にセットする(ステップS1004)。ここでセットされる変動停止コマンドは、図9の出力処理(ステップS11)で演出制御基板130に出力される。そして第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示を予めセットされた停止図柄で停止させ(ステップS1005)、計測した変動時間をリセットする(ステップS1006)。
一方、第2特別図柄の変動時間が終了していない場合(ステップS1001でNO)、遊技制御部110は、第1特別図柄が停止したことを示す第1特別図柄の停止フラグがRAM103にセットされているか否かを判断する(ステップS1007)。ここで第1特別図柄の停止フラグがセットされていない場合(ステップS1007でNO)、第2特別図柄の変動表示は継続するので、そのまま第2特別図柄変動停止処理を終了する。
これに対し、第1特別図柄の停止フラグがセットされている場合(ステップS1007でYES)、遊技制御部110は、RAM103にセットされている第1特別図柄の停止フラグを解除する(ステップS1008)。ここで、第2特別図柄の変動表示中に、第1特別図柄が先に停止すると、その第1特別図柄は小当たり又は大当たりに当選したことを示す当選図柄で停止する可能性がある。そのため、遊技制御部110は、第1特別図柄が小当たり又は大当たりに当選しているか否かを判断する(ステップS1009)。ここでの判断は、上述した第1の大当たり判定処理(図15)におけるステップS605と同様に行っても良いし、また第1の大当たり判定処理(図15)の結果を参照することによって行っても良い。そして第1特別図柄が小当たり又は大当たりに当選していない場合(ステップS1009でNO)、第2特別図柄の変動表示は継続するので、そのまま第2特別図柄変動停止処理を終了する。
一方、第1特別図柄が小当たり又は大当たりに当選している場合(ステップS1009でYES)、遊技制御部110は、第2特別図柄の変動表示後に停止させる第2特別図柄の停止図柄として、ハズレ図柄をセットする(ステップS1010)。つまり、ここでの処理は、第2特別図柄の変動開始前に行われる第2の大当たり判定処理(図19)において大当たり図柄がセットされている場合、又は小当たり図柄がセットされている場合、それら大当たり図柄又は小当たり図柄をハズレ図柄に書き換える処理である。これにより、第2の大当たり判定処理において、大当たり又は小当たりに当選していた場合でもその当選結果は無効になる。尚、第2の大当たり判定処理(図19)では第2特別図柄の停止図柄としてハズレ図柄がセットされることはないが、ここでハズレ図柄に書き換える処理が行われることによって、第2特別図柄の停止図柄としてハズレ図柄がセットされることがある。
そして遊技制御部110は、第2特別図柄の強制停止フラグをセットする(ステップS1011)。第2特別図柄の強制停止フラグは、上述した第2特別図柄の停止フラグとは異なり、第2特別図柄の変動開始前に予め設定された変動時間(例えば2秒)が経過する前に、強制的に第2特別図柄を停止させることを示す情報であり、例えばRAM103の所定の記憶領域にセットされる。そして遊技制御部110は、上述したステップS1004,S1005,S1006の処理を順次実行する。ただし、この場合、ステップS1004においてRAM103にセットされる第2特別図柄の変動停止コマンドには、第2装飾図柄をハズレ図柄で停止させるための指示が含まれる。また、ステップS1005において第2特別図柄の変動表示を停止させる際には、ステップS1010でセットされたハズレ図柄が停止図柄となる。
次に図21は、停止中処理(図13のステップS411)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方又は双方の変動表示が停止した後、いずれか一方の停止図柄が大当たり又は小当たりの当選図柄であれば、遊技機1の遊技状態をその当たり種別に応じた大入賞口開放遊技状態ST2に移行させる処理を行う。また遊技機1の遊技状態が時短遊技状態ST3である場合には、その時短遊技状態ST3を通常遊技状態ST1に移行させる処理も行う。
この停止中処理が開始すると、遊技制御部110は、変動停止コマンドがセットされている第1特別図柄又は第2特別図柄が大当たりに当選しているか否かを判断する(ステップS1201)。そして大当たりに当選している場合(ステップS1201でYES)、その大当たりの種類に対応した遊技状態を設定すべく、大当たり設定処理を実行する(ステップS1202)。この大当たり設定処理(ステップS1202)では、大当たり遊技ST22において大入賞口22を開放する回数(ラウンド数)や1回当たりの開放時間などが設定されると共に、大当たり遊技ST22が終了した後の遊技状態として、時短遊技状態ST3,確変遊技状態ST4及び潜伏確変遊技状態ST5のうちのいずれかが設定される。尚、この大当たり設定処理(ステップS1202)の詳細については後述する。
そして遊技制御部110は、大当たり遊技ST22が終了した後の遊技状態が時短遊技状態ST3に移行するか否かを判断する(ステップS1203)。ここでは、第1の大当たり判定処理(図15)のステップS606、又は、第2の大当たり判定処理(図19)のステップS906において図柄判定が行われた結果、「時短遊技付き長当たり」が特定されていればYESとなる。そして時短遊技状態ST3に移行する場合(ステップS1203でYES)、時短遊技による第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数をカウントするための時短変動回数Jに100をセットする(ステップS1204)。尚、この例では、時短変動回数を100回に設定しているが、これに限られるものではない。一方、時短遊技状態ST3に移行しない場合(ステップS1203でNO)には、時短変動回数Jのセットは行わない(つまり、J=0となる)。大当たり遊技ST22が終了した後の遊技状態が確変遊技状態ST4に移行する場合や、潜伏確変遊技状態ST5に移行する場合は、次回の大当たりに当選するまでその遊技状態が継続するので、変動回数をカウントする必要がないからである。
そして遊技制御部110は、大当たり開始コマンドをRAM103にセットして(ステップS1205)、大当たりの動作制御を開始する(ステップS1206)。これにより、遊技機1は大当たり中となって大入賞口開放遊技状態ST2に移行する。遊技機1が大当たり遊技ST22の大入賞口開放遊技状態ST2に移行すると、その大当たりの種類に対応した所定のオープニングが開始され、そのオープニングが終了した後、大当たり設定処理(ステップS1202)で設定された開放回数及び開放時間に基づいて役物23が大入賞口22を開放するようになる。
一方、大当たりでなかった場合(ステップS1201でNO)、遊技制御部110は、変動停止コマンドがセットされている第1特別図柄又は第2特別図柄が小当たりに当選しているか否かを判断する(ステップS1207)。そして小当たりに当選している場合(ステップS1207でYES)、その小当たりに対応した遊技状態を設定すべく、小当たり設定処理を実行する(ステップS1208)。この小当たり設定処理(ステップS1208)では、小当たり遊技ST21において大入賞口22を開放する回数(ラウンド数)や1回当たりの開放時間などが設定される。遊技機1において小当たりに当選した場合、その小当たりの前後における遊技状態は変化することがなく、小当たり遊技ST21が終了した後の遊技状態は小当たり当選前の元の遊技状態に戻るだけであるので、小当たり設定処理(ステップS1208)では小当たり遊技後の遊技状態は設定されない。尚、この小当たり設定処理(ステップS1208)の詳細については後述する。
そして遊技制御部110は、小当たり開始コマンドをRAM103にセットして(ステップS1209)、小当たりの動作制御を開始する(ステップS1210)。これにより、遊技機1は小当たり中となって大入賞口開放遊技状態ST2に移行する。遊技機1が小当たり遊技ST21の大入賞口開放遊技状態ST2に移行すると、その小当たりに対応した所定のオープニングが開始され、そのオープニングが終了した後、小当たり設定処理(ステップS1208)で設定された開放回数及び開放時間に基づいて役物23が大入賞口22を開放するようになる。
また変動停止コマンドがセットされている第1特別図柄又は第2特別図柄が小当たりにも当選していない場合(ステップS1207でNO)、遊技制御部110は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が停止したことに伴い、遊技状態を移行させる必要があるか否かを判定するための遊技状態移行判定処理を実行する(ステップS1211)。この遊技状態移行判定処理では、特別図柄の変動表示回数をカウントするために上述した時短変動回数Jを更新する処理が行われ、その更新される時短変動回数Jの値に基づいて時短遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へと遊技状態を移行させる処理が行われる。尚、この遊技状態移行判定処理の詳細については後述する。
図22は、大当たり設定処理(図21のステップS1202)の詳細を示すフローチャートである。変動停止コマンドがセットされている第1特別図柄又は第2特別図柄が大当たりである場合、遊技制御部110は、まず、その大当たりが「長当たり」であるか否かを判断する(ステップS1301)。そして「長当たり」である場合(ステップS1301でYES)、遊技制御部110は、大入賞口22の開放回数を規定する最大ラウンド数Rmaxの値に「15」を設定する。これにより、大入賞口開放遊技状態ST2において役物23が大入賞口22を15回開放するようになる。次に遊技制御部110は、1回当たりの大入賞口22の開放時間として長当たり遊技ST22aに対応した時間を設定する(ステップS1303)。ここでは、例えば、大入賞口22の1回当たりの開放時間が30秒に設定される。そして遊技制御部110は、その「長当たり」が「確変遊技付き長当たり」であるか否かを判断し(ステップS1304)、「確変遊技付き」であれば(ステップS1304でYES)、大当たり遊技後の遊技状態を、確変遊技状態ST4に設定する(ステップS1305)。これにより、大入賞口開放遊技状態ST2が終了すると、遊技機1の遊技状態は確変遊技状態ST4へと移行する。また、「確変遊技付き」でなかった場合(ステップS1304でNO)、大当たり遊技後の遊技状態を、時短遊技状態ST3に設定する(ステップS1305)。これにより、大入賞口開放遊技状態ST2が終了すると、遊技機1の遊技状態は時短遊技状態ST3へと移行する。
一方、大当たりが「長当たり」でなかった場合(ステップS1301でNO)には短当たりと判断される。この場合、遊技制御部110は、大入賞口22の開放回数を規定する最大ラウンド数Rmaxの値を、遊技状態に応じて異なる値に設定するため、遊技機1の遊技状態を判断する。すなわち、遊技制御部110は、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であるか否かを判断する(ステップS1307)。そして現在の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であれば(ステップS1307でYES)、大入賞口22の開放回数を規定する最大ラウンド数Rmaxの値に「1」を設定する(ステップS1308)。これに対し、現在の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4でない場合、すなわち通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5であれば(ステップS1307でNO)、大入賞口22の開放回数を規定する最大ラウンド数Rmaxの値に「15」を設定する(ステップS1309)。そして次に遊技制御部110は、1回当たりの大入賞口22の開放時間として短当たり遊技ST22bに対応した時間を設定する(ステップS1310)。ここでは、例えば、大入賞口22の1回当たりの開放時間が0.1秒に設定される。
したがって、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4において「短当たり」に当選すると、その大入賞口開放遊技状態ST2では大入賞口22が1回開放し、その開放時間は0.1秒となる。これに対し、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5において「短当たり」に当選すると、その大入賞口開放遊技状態ST2では大入賞口22が15開放し、その1回当たりの開放時間は0.1秒となる。このように「短当たり」に当選した場合に設定される大入賞口22の開閉動作は、後述する「小当たり」に当選した場合に設定される大入賞口22の開閉動作と同じ動作となる。
そして遊技制御部110は、その「短当たり」が「確変遊技付き短当たり」であるか否かを判断し(ステップS1311)、「確変遊技付き」であれば(ステップS1311でYES)、大当たり遊技後の遊技状態を、確変遊技状態ST4に設定する(ステップS1312)。これにより、大入賞口開放遊技状態ST2が終了すると、遊技機1の遊技状態は確変遊技状態ST4へと移行する。また、「確変遊技付き」でなかった場合(ステップS1311でNO)、大当たり遊技後の遊技状態を、潜伏確変遊技状態ST5に設定する(ステップS1313)。これにより、大入賞口開放遊技状態ST2が終了すると、遊技機1の遊技状態は潜伏確変遊技状態ST5へと移行する。
図23は、小当たり設定処理(図21のステップS1208)の詳細を示すフローチャートである。変動停止コマンドがセットされている第1特別図柄又は第2特別図柄が小当たりである場合、遊技制御部110は、その小当たり遊技ST21における大入賞口22の開放回数を規定する最大ラウンド数Rmaxの値を、遊技状態に応じて異なる値に設定するため、遊技機1の遊技状態を判断する。すなわち、遊技制御部110は、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であるか否かを判断する(ステップS1401)。そして現在の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であれば(ステップS1401でYES)、大入賞口22の開放回数を規定する最大ラウンド数Rmaxの値に「1」を設定する(ステップS1402)。これに対し、現在の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4でない場合、すなわち通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5であれば(ステップS1401でNO)、大入賞口22の開放回数を規定する最大ラウンド数Rmaxの値に「15」を設定する(ステップS1403)。そして次に遊技制御部110は、1回当たりの大入賞口22の開放時間として小当たり遊技ST21に対応した時間を設定する(ステップS1404)。ここでは、例えば、大入賞口22の1回当たりの開放時間が0.1秒に設定される。
したがって、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4において「小当たり」に当選すると、その大入賞口開放遊技状態ST2では大入賞口22が1回開放し、その開放時間は0.1秒となる。これに対し、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5において「小当たり」に当選すると、その大入賞口開放遊技状態ST2では大入賞口22が15開放し、その1回当たりの開放時間は0.1秒となる。
上記のように、「小当たり」に当選した場合に設定される大入賞口22の開閉動作は、「短当たり」に当選した場合に設定される大入賞口22の開閉動作とほぼ同じ動作となっている。つまり、大入賞口22の開閉動作からは、「小当たり」と「短当たり」のいずれに当選したのかを判別することが困難な動作態様となっている。ここで、上述したように「短当たり」の場合には、次回の大当たりに当選する確率状態が通常確率状態よりも高い高確率状態に移行する。そのため、「小当たり」に当選して大入賞口22が開閉動作する場合でも、遊技者にとっては、その開閉動作からは「小当たり」と「短当たり」のいずれであるのかを判別することが難しいので、「短当たり」に当選して高確率状態に移行したかも知れないという期待感を高揚させることができる。そしてその結果、遊技の興趣性を高めることができる。
また上記のように、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4において「小当たり」又は「短当たり」に当選した場合には、その大入賞口開放遊技状態ST2における大入賞口22の開放回数が1回となる。これは、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4において第2特別図柄の変動表示が行われる機会が増加することから、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示の保留を効率的に消化させるためである。つまり、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4では、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5と比較すると、電動チューリップ20が頻繁に開放し、第2始動口21に遊技球が入球する可能性が高くなる。そのため、第2始動口21に対して連続的に遊技球が入球し、その結果、第2特別図柄の変動表示が連続的に行われる可能性が高くなる。ところが、第2特別図柄の変動表示は「小当たり」に当選する確率が高く、ほぼ毎回「小当たり」に当選する。このような状態のとき、第2特別図柄で当選した小当たり遊技ST21を毎回15ラウンド行っていると、大入賞口開放遊技ST2が終了するまでの時間が長くなり、第2特別図柄の変動表示を効率的に消化していくことが難しくなる。特に、小当たり遊技ST21では、大入賞口22の1回当たりの開放時間が0.1秒と短く、遊技球が入球する可能性は極めて低いので、遊技者にとっても小当たり遊技ST21が長時間行われることによるメリットは少ない。寧ろ、遊技者にとっては、賞球を得ることが困難な小当たり遊技ST21を早期に終了させ、第2特別図柄の次の変動表示を速やかに開始することが好ましい。それ故、本実施形態では、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4において「小当たり」又は「短当たり」に当選した場合の大入賞口22の開放回数を1回とし、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示の保留を効率的に消化していくように構成される。
また、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5において「小当たり」に当選した場合には、その大入賞口開放遊技状態ST2における大入賞口22の開放回数は、大当たりに当選した場合の開放回数と同じ15回となる。これは、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5において第2特別図柄の変動表示が行われる機会が極めて少ないことから、小当たり遊技ST21を速やかに終了させる必要性が低いことによる。また通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5において「小当たり」に当選した場合の大入賞口22の開放回数を15回とすることにより、遊技者がその開閉動作を知覚する可能性が高まる。そのため、「短当たり」に当選したかも知れないという遊技者の期待感を高揚させる効果も発揮する。
尚、図23のフローチャートでは、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれで小当たりに当選した場合であっても、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であれば、大入賞口22の開放回数を1回に設定する場合を例示したが、これに限らず、例えば、第2特別図柄が小当たりに当選した場合にのみ、大入賞口22の開放回数を1回に設定するようにしても良い。
図24は、遊技状態移行判定処理(図21のステップS1211)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、まず遊技制御部110は、時短変動回数Jが0であるか否かを判断する(ステップS1212)。ここで、時短変動回数Jが0であれば(ステップS1212でYES)、遊技状態移行判定処理をそのまま終了する。つまり、この場合は、時短遊技状態ST3ではないことになるので、特別な処理は行われない。
また時短変動回数Jが0でない場合(ステップS1212でNO)、遊技制御部110は、第1特別図柄の変動停止コマンドがセットされているか否かを判断する(ステップS1213)。そして第1特別図柄の変動停止コマンドがセットされている場合(ステップS1213でYES)、次に遊技制御部110は、第1特別図柄の強制停止フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1214)。ここで、第1特別図柄の強制停止フラグがセットされていない場合(ステップS1214でNO)、特別図柄の変動表示回数をカウントするために時短変動回数Jの値を1減算する(ステップS1215)。つまり、この場合、第1特別図柄の変動停止は、予め設定された変動時間が正常に終了して停止するものであるので、第1の大当たり判定の結果が正常に表示されていることから特別図柄の変動表示回数にカウントされる。そしてステップS1216へと進む。
これに対し、第1特別図柄の強制停止フラグがセットされている場合(ステップS1214でYES)、特別図柄の変動表示回数にはカウントしないので、時短変動回数Jの値は更新しない。つまり、第1特別図柄が強制的にハズレ図柄となって停止する場合には、時短変動回数Jは更新されないことになる。そしてステップS1216へと進む。
また、第1特別図柄の変動停止コマンドがセットされていない場合(ステップS1213でNO)、上記ステップSS1214及びS1215の処理はスキップし、そのままステップS1216へと進む。
次に遊技制御部110は、第2特別図柄の変動停止コマンドがセットされているか否かを判断する(ステップS1216)。そして第2特別図柄の変動停止コマンドがセットされている場合(ステップS1216でYES)、遊技制御部110は、第2特別図柄の強制停止フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1217)。ここで、第2特別図柄の強制停止フラグがセットされていない場合(ステップS1217でNO)、特別図柄の変動表示回数をカウントするために時短変動回数Jの値を1減算する(ステップS1218)。つまり、この場合、第2特別図柄の変動停止は、予め設定された変動時間が正常に終了して停止するものであるので、第2の大当たり判定の結果が正常に表示されていることから特別図柄の変動表示回数にカウントされる。そしてステップS1219へと進む。
これに対し、第2特別図柄の強制停止フラグがセットされている場合(ステップS1217でYES)、特別図柄の変動表示回数にはカウントしないので、時短変動回数Jの値は更新しない。つまり、第2特別図柄が強制的にハズレ図柄となって停止する場合には、時短変動回数Jは更新されないことになる。そしてステップS1219へと進む。
また、第2特別図柄の変動停止コマンドがセットされていない場合(ステップS1216でNO)、上記ステップSS1217及びS1218の処理はスキップし、そのままステップS1219へと進む。
そして遊技制御部110は、再度、時短変動回数Jが0以下の値となったか否かを判断する(ステップS1219)。そして時短変動回数Jが0以下の値になっていない場合(ステップS1219でNO)、時短遊技状態ST3が継続するので、遊技状態移行判定処理を終了する。また時短変動回数Jが0以下の値になっている場合(ステップS1219でYES)、時短遊技状態ST3が終了するので、遊技制御部110は、遊技機1を通常遊技状態ST1に移行させるべく通常遊技状態ST1をRAM103にセットする(ステップS1220)。これにより、遊技機1の遊技状態は、時短遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へと移行する。
上記のような遊技状態移行判定処理(ステップS1211)では、強制停止フラグがセットされていれば、特別図柄の変動表示回数をカウントするための時短変動回数Jを更新しないようにしている。第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方に対して強制停止フラグがセットされている場合、その変動停止は、他方の特別図柄が停止したことによってそれと同時に強制的に停止したものであり、しかも第1の大当たり判定又は第2の大当たり判定の判定結果が無効になって破棄されたものである。それ故、強制停止フラグがセットされている場合には、上述したように時短変動回数Jの値を更新しないようにすることで、時短遊技状態ST3は、第1又は第2の大当たり判定の判定結果が正常に所定回数(例えば100回)表示されるまで継続するようになり、それよりも早期に時短遊技状態ST3から通常遊技状態ST1に移行してしまうことを防止している。
次に図25は、普通図柄処理(図9のステップS8)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS1501)。補助遊技中とは、遊技球がスルーゲート16を通過することによって行われる普通図柄の抽選に当選し、その時点で電動チューリップ20の開放動作が行われている最中であることを意味している。補助遊技中であれば(ステップS1501でYES)、普通図柄の変動表示を開始することなく普通図柄処理を終了する。また補助遊技中でない場合(ステップS1501でNO)、遊技機1の現在の状態が普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS1502)。そして普通図柄が変動表示中でない場合(ステップS1502でNO)、遊技制御部110は普通図柄抽選の保留数Gが1以上であるか否かを判断する(ステップS1503)。保留数Gが0である場合には(ステップS1503でNO)、普通図柄抽選の条件となる入賞(すなわち、スルーゲート16への遊技球の通過)が無いことを意味するため、普通図柄の変動表示を開始せずに普通図柄処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上であれば(ステップS1503でYES)、遊技制御部110は、保留数Gの値を1減算し(ステップS1504)、今回の普通図柄抽選における乱数の判定を行い、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS1505)。ここでの判断は、ゲートスイッチ処理(図12)のステップS304で取得した乱数の値が予め設定された当選値と一致したか否かを判断することによって行われる。普通図柄抽選に当選すると(ステップS1505でYES)、遊技制御部110は、当選したことを示す図柄(当たり図柄)をRAM103にセットする(ステップS1506)。また普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップS1505でNO)、遊技制御部110は、普通図柄抽選に外れたことを示す図柄(ハズレ図柄)をRAM103にセットする(ステップS1507)。
そして遊技制御部110は、遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態(ただし、ここでは通常遊技状態ST1と潜伏確変遊技状態ST5との双方を含む)であるか否かを判断する(ステップS1508)。この判断では、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であればNOとなり、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5であればYESとなる。つまり、潜伏確変遊技状態ST5では大当たりの当選確率は高確率状態となるが、その他の遊技機1の状態は通常遊技状態ST1と同じであるので、ここでは潜伏確変遊技状態ST5は通常遊技状態ST1と同様に判断される。そして通常遊技状態と判断した場合(ステップS1508でYES)、普通図柄の変動時間を長時間(例えば29秒)に設定する(ステップS1509)。また通常遊技状態でないと判断した場合(ステップS1508でNO)、普通図柄の変動時間を短時間(例えば3秒)に設定する(ステップS1510)。そして遊技制御部110は、ステップS1506又はS1507でセットされた内容に基づき、普通図柄表示器61における普通図柄の変動表示を開始し(ステップS1511)、ステップS1509又はS1510でセットされた時間だけ普通図柄の変動表示を行うために変動時間の計測を開始する(ステップS1512)。
また普通図柄の変動表示中であった場合(ステップS1502でYES)、遊技制御部110は、普通図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS1513)。つまり、ステップS1512で計測が開始された変動時間が、ステップS1509又はS1510でセットされた変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していない場合(ステップS1513でNO)、普通図柄の変動表示が継続されるので、そのまま普通図柄処理を終了する。また変動時間が終了した場合(ステップS1513でYES)、遊技制御部110は、普通図柄の変動表示を停止させ、ステップS1506又はS1507でセットされた図柄を表示する(ステップS1514)。その後、計測された変動時間をリセットする(ステップS1515)。そして普通図柄抽選に当選したか否かを判断し(ステップS1516)、当選していれば(ステップS1516でYES)、電動チューリップ20を開放させて補助遊技を開始させるための補助遊技フラグをセットすることにより、補助遊技を開始する(ステップS1517)。これにより、遊技状態は、補助遊技中となる。一方、普通図柄抽選に当選していなければ(ステップS1516でNO)、遊技機1の現在の状態を保持したまま普通図柄処理を終了する。
次に図26および図27は、大入賞口処理(図9のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、大当たり又は小当たりとなった場合の大入賞口開放遊技状態ST2として、大入賞口22の開閉動作が制御される。遊技制御部110は、遊技機1の現在の状態が大当たり中或いは小当たり中であるかを判断する(ステップS1601)。大当たり中又は小当たり中でない場合(ステップS1601でNO)、大入賞口22の開閉動作は行わないため、大入賞口処理を終了する。これに対し、大当たり中又は小当たり中である場合(ステップS1601でYES)、遊技制御部110は、遊技機1が停止中処理(図21)で開始させた大当たり時又は小当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中であるか否かを判断する(ステップS1602)。
遊技機1がオープニング中である場合(ステップS1602でYES)、遊技制御部110は予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS1603)。オープニング時間を経過していない場合(ステップS1603でNO)、オープニング動作が継続されるので大入賞口処理を終了する。またオープニング時間を経過している場合(ステップS1603でYES)、遊技制御部110は、大入賞口22の開放回数をカウントするためのラウンド数Rの現在の値に対して1加算する(ステップS1604)。そして役物23を駆動して大入賞口22を開放する(ステップS1605)。尚、大入賞口22の開放パターンは、上述した停止中処理(図21)の大当たり設定処理(ステップS1202)又は小当たり設定処理(ステップS1208)において当たりの種類に応じて予めRAM103にセットされている。
そして役物23による大入賞口22の開放時間がRAM103にセットされた開放パターンによって予め設定された時間(開放時間)を経過したか否かを判断する(ステップS1606)。開放時間が経過していない場合(ステップS1606でNO)、遊技制御部110は、開放された大入賞口22への入賞個数Cが9個以上であるか否かを判断する(ステップS1607)。開放時間が経過しておらず、かつ、入賞個数Cが9個未満である場合(ステップS1607でNO)、大入賞口22を開放した状態が継続されるので、大入賞口処理を終了する。これに対し、役物23による大入賞口22の開放時間が予め設定された開放時間を経過した場合(ステップS1606でYES)、又は入賞個数Cが9個に達した場合(ステップS1607でYES)、遊技制御部110は、役物23を駆動して大入賞口22を閉鎖する(ステップS1608)。
次に遊技制御部110は、現時点での大入賞口22の開放回数を示すラウンド数Rが予め設定された最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判断する(ステップS1609)。尚、最大ラウンド数Rmaxは、上述した大当たり設定処理(ステップS1202)又は小当たり設定処理(ステップS1208)で予め設定されている。そして現在のラウンド数Rが最大ラウンド数Rmaxに達していないならば(ステップS1609でNO)、大当たり時の動作制御が継続するので、大入賞口処理を終了する。これに対し、現在のラウンド数Rが最大ラウンド数Rmaxに達した場合(ステップS1609でYES)、遊技制御部110は、ラウンド数Rを0にリセットし(ステップS1610)、大当たり時又は小当たり時の動作制御におけるエンディング動作を開始する(ステップS1611)。
そして予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS1612)。エンディング時間を経過していない場合(ステップS1612でNO)、エンディング動作が継続されるので大入賞口処理を終了する。またエンディング時間を経過した場合(ステップS1612でYES)、遊技制御部110は、大当たり又は小当たりに伴う大入賞口開放遊技を終了させるべく、大当たりの動作制御或いは小当たりの動作制御を終了して大入賞口処理を終了する(ステップS1613)。またこのとき、大当たり又は小当たりの終了コマンドがRAM103にセットされる。これにより、遊技機1は大入賞口開放遊技を終了し、その後の遊技状態を予め設定された遊技状態へと移行させる。
一方、ステップS1602の判断において遊技機1がオープニング中でないと判断した場合(ステップS1602でNO)、図27のフローチャートに進み、遊技制御部110は、大入賞口22が開放中であるか否かを判断する(ステップS1621)。そして大入賞口22が開放中である場合は(ステップS1621でYES)、上述のステップS1606以降の処理を実行する。また大入賞口22が開放中でない場合は(ステップS1621でNO)、遊技機1がエンディング中であるか否かを判断する(ステップS1622)。そしてエンディング中である場合は(ステップS1622でYES)、上述のステップS1612以降の処理を実行する。またエンディング中でない場合は(ステップS1622でNO)、役物23が大入賞口22を閉鎖した後の経過時間が開放パターンによって予め設定された開放ラウンドの実施間隔(インターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップS1623)。つまり、インターバル時間は、大入賞口22を複数回開放する場合において前回の閉鎖タイミングから次回の大入賞口22を開放するまでの間隔を規定した時間である。そしてインターバル時間を経過していない場合は(ステップS1623でNO)、まだ次のラウンドを実施するタイミングではないので、大入賞口処理を終了する。これに対し、インターバル時間が経過した場合は(ステップS1623でYES)、次のラウンドを実施して大入賞口22を開放させるべく、上述のステップS1604以降の処理を実行する。
上記のような大入賞口処理により、遊技機1において大当たり又は小当たりが開始された大入賞口開放遊技状態ST2において役物23が大入賞口22を開放するラウンドが実行される。そして大入賞口開放遊技状態ST2が長当たり遊技ST22aであれば、各ラウンドにおいて最大9個のカウントがされるまで遊技球を大入賞口22に入球させることができるため、遊技者は多くの賞球を得ることができる。これに対し、大入賞口開放遊技状態ST2が小当たり遊技ST21又は短当たり遊技ST22bであれば、各ラウンドにおいて大入賞口22が瞬時に閉鎖されてしまうため、遊技者は多くの賞球を得ることは難しい。
ここで時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4において「小当たり」又は「短当たり」となった場合には、最大ラウンド数Rmaxが「1」となるため、上述した大入賞口処理は比較的短時間で上述した処理を終了する。そして「小当たり」の場合は、その後、小当たり発生時の元の遊技状態に戻る。また「短当たり」の場合は、その後、確変遊技状態ST4及び潜伏確変遊技状態ST5のいずれか一方に移行する。ただし、短当たり発生時の元の遊技状態が確変遊技状態ST4又は潜伏確変遊技状態ST5であった場合には、「短当たり」であっても大入賞口開放遊技後の遊技状態に変化が生じないこともある。
また特に、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4において、第2始動口21に遊技球が連続して入球し、遊技機1において大入賞口開放遊技が連続的に行われる場合でも、最大ラウンド数Rmaxが「1」であるため、上述した大入賞口処理は比較的短時間で上述した処理を終了し、次の第2特別図柄の変動表示を速やかに開始することができるので、効率良く遊技を進行させていくことができる。
次に図28は、電動チューリップ処理(図9のステップS10(電チュー処理))の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS1701)。ここでは、補助遊技フラグがセットされているか否かにより、補助遊技中であるか否かを判断する。そして補助遊技中でない場合(ステップS1701でNO)、電動チューリップ20は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する。一方、補助遊技中である場合(ステップS1701でYES)、補助遊技時の動作制御におけるオープニング動作の最中であるか否かを判断する(ステップS1702)。遊技機1がオープニング中である場合(ステップS1702でYES)、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS1703)。オープニング時間が経過していない場合(ステップS1703でNO)、オープニング動作が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する。
これに対し、オープニング時間が経過している場合は(ステップS1703でYES)、現在の遊技機1の遊技状態が通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5であるか否かを判断する(ステップS1704)。ここでの判断は、普通図柄処理(図25)のステップS1508と同様であり、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であればNOとなり、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5であればYESとなる。そして通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5であると判断した場合(ステップS1704でYES)、遊技制御部110は、電動チューリップ20の開放時間を短時間(例えば0.2秒)に設定する(ステップS1705)。また通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5でないと判断した場合(ステップS1704でNO)、遊技制御部110は、電動チューリップ20の開放時間を長時間(例えば3.5秒)に設定する(ステップS1706)。したがって、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であれば、電動チューリップ20の開放時間は長時間(例えば3.5秒)に設定される。そして遊技制御部110は、電動チューリップ20を開放し(ステップS1707)、開放後の経過時間の計測を開始する(ステップS1708)。
そしてステップS1705又はS1706でセットされた開放時間を経過したか否かを判断する(ステップS1709)。開放時間を経過していない場合(ステップS1709でNO)、電動チューリップ20の開放が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する。また開放時間を経過した場合(ステップS1709でYES)、遊技制御部110は、電動チューリップ20を閉鎖し(ステップS1710)、補助遊技時の動作制御を終了して電動チューリップ処理を終了する(ステップS1711)。尚、補助遊技を終了するときには、補助遊技フラグを解除する。
また補助遊技中であって(ステップS1701でYES)、且つ、オープニング中でない場合(ステップS1702でNO)、電動チューリップ20は開放された状態であるので、ステップS1709に進み、開放時間が経過していれば、電動チューリップ20を閉鎖して補助遊技を終了させる。
以上のような電動チューリップ処理により、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であれば、電動チューリップ20の開放時間が長くなり、開放中の電動チューリップ20によって遊技球が第2始動口21に入球し易くなる。その結果、特に時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4では第2特別図柄の変動表示が頻繁に行われるようになる。
次に図29は、出力処理(図9のステップS11)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、メイン制御基板100からサブ制御基板200に対して各種データやコマンドなどが出力されると共に、ホール(店舗)側のコンピュータや周辺機器であるカウンタ装置などの外部装置に対して各種信号が出力される。まず遊技制御部110は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、画像表示器8における第1装飾図柄又は第2装飾図柄の変動表示を開始させると共に、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴う各種演出動作の開始を指示する(ステップS1801)。尚、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始コマンドがセットされていなければ、ステップS1801の送信処理は行われない。
次に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動停止コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、画像表示器8における第1装飾図柄又は第2装飾図柄の変動表示を停止させ、遊技者に対して大当たり抽選の結果を報知させる指示を行う(ステップS1802)。第1特別図柄又は第2特別図柄を強制的に停止させた場合には、このとき送信される変動停止コマンドにハズレ図柄の指示が含まれる。尚、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動停止コマンドがセットされていなければ、ステップS1802の送信処理は行われない。
次に大当たり開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、大当たり時の大入賞口開放遊技状態ST2に対応した各種の演出動作の開始を指示する(ステップS1803)。尚、大当たり開始コマンドがセットされていなければ、ステップS1803の送信処理は行われない。
次に大当たり終了コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、大当たり時の大入賞口開放遊技状態ST2に対応した各種の演出動作を終了させる(ステップS1804)。尚、大当たり終了コマンドがセットされていなければ、ステップS1804の送信処理は行われない。
次に小当たり開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、小当たり時の大入賞口開放遊技状態ST2に対応した各種の演出動作の開始を指示する(ステップS1805)。尚、小当たり開始コマンドがセットされていなければ、ステップS1805の送信処理は行われない。
次に小当たり終了コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、小当たり時の大入賞口開放遊技状態ST2に対応した各種の演出動作を終了させる(ステップS1806)。尚、小当たり終了コマンドがセットされていなければ、ステップS1806の送信処理は行われない。
次にその他各種コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130や払出制御基板120に送信することで、各部を制御する(ステップS1807)。遊技球が各種入賞口に入球したことに伴う賞球コマンドは、このとき払出制御基板120に対して送信される。また遊技制御部110は、例えば第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球して取得した遊技データ(大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2及びリーチ乱数RN3)や、第1特別図柄変動保留記憶部105及び第2特別図柄変動保留記憶部106の保留状態なども、このとき、演出制御基板130に対して送信する。尚、その他の各種コマンドがセットされていなければ、ステップS1807の送信処理は行われない。
そして最後に、遊技制御部110は、外部出力処理を行う(ステップS1808)。この外部出力処理では、外部装置に対して遊技機1の状態などを示す各種信号が外部出力される。
図30及び図31は、外部出力処理(図29のステップS1808)の詳細を示すフローチャートである。まず、遊技制御部110は、第1特別図柄の変動停止を行ったか否かを判断する(ステップS1901)。そして第1特別図柄の変動停止を行った場合(ステップS1901でYES)、第1特別図柄の強制停止フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1902)。ここで第1特別図柄の強制停止フラグがセットされていれば(ステップS1902でYES)、その強制停止フラグを解除する(ステップS1903)。一方、第1特別図柄の強制停止フラグがセットされていなければ(ステップS1902でNO)、外部接続端子板190のコネクタ191を介して、外部装置に変動停止信号を出力する(ステップS1904)。また、第1特別図柄の変動停止を行っていない場合(ステップS1901でNO)、ステップS1902,S1903,S1904の処理はスキップする。したがって、遊技制御部110は、第1特別図柄の変動停止を行った場合において、その変動停止がハズレ図柄での強制停止でなければ、第1特別図柄の変動停止に伴う変動停止信号を外部出力する。これに対し、その変動停止がハズレ図柄での強制停止であれば、第1特別図柄の変動停止に伴う変動停止信号は外部出力されない。
次に、遊技制御部110は、第2特別図柄の変動停止を行ったか否かを判断する(ステップS1905)。そして第2特別図柄の変動停止を行った場合(ステップS1905でYES)、第2特別図柄の強制停止フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1906)。ここで第2特別図柄の強制停止フラグがセットされていれば(ステップS1906でYES)、その強制停止フラグを解除する(ステップS1907)。一方、第2特別図柄の強制停止フラグがセットされていなければ(ステップS1906でNO)、外部接続端子板190のコネクタ191を介して、外部装置に変動停止信号を出力する(ステップS1908)。また、第2特別図柄の変動停止を行っていない場合(ステップS1905でNO)、ステップS1906,S1907,S1908の処理はスキップする。したがって、遊技制御部110は、第2特別図柄の変動停止を行った場合において、その変動停止がハズレ図柄での強制停止でなければ、第2特別図柄の変動停止に伴う変動停止信号を外部出力する。これに対し、その変動停止がハズレ図柄での強制停止であれば、第2特別図柄の変動停止に伴う変動停止信号は外部出力されない。
ここで、第2特別図柄の変動停止に伴って出力される変動停止信号と、第1特別図柄の変動停止に伴って出力される変動停止信号とは同じ信号である。そのため、外部装置では、この変動停止信号を受信することにより、遊技機1における第1特別図柄及び第2特別図柄の変動回数を累計することができる。そしてその累計結果を遊技者に表示したりすることもできる。ここで、上述のように、第1特別図柄又は第2特別図柄が強制的にハズレ図柄で停止した場合には、遊技制御部110による変動停止信号は出力されないため、遊技機1からほぼ同時に2つの変動停止信号が出力されることを防止することができると共に、強制的にハズレ図柄で停止した変動表示が、外部装置において変動回数としてカウントされることを防止することもできる。
次に図31のフローチャートに進み、遊技制御部110は、小当たりに当選したか否かを判断する(ステップS1909)。ここでの判断は、例えば、遊技機1の状態が小当たり遊技ST21に移行したか否かによって行われる。そして小当たりに当選した場合(ステップS1909でYES)、その当選時の遊技機1の遊技状態を確認し、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であるか否かを判断する(ステップS1910)。そして小当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4である場合(ステップS1910でYES)、遊技制御部110は、第1特別図柄によって小当たりに当選したか否かを判断する(ステップS1911)。そして第1特別図柄による小当たり当選である場合(ステップS1911でYES)、外部接続端子板190のコネクタ191を介して、外部装置に小当たり信号を出力する(ステップS1912)。また小当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4でない場合(ステップS1910でNO)、遊技制御部110は、いずれに特別図柄による小当たりであるかを判断することなく、外部接続端子板190のコネクタ191を介して、外部装置に小当たり信号を出力する(ステップS1912)。これに対し、小当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であり、且つ、第2特別図柄による小当たり当選である場合(ステップS1911でNO)、遊技制御部110は、小当たり信号の外部出力を行わない。また、小当たりに当選していない場合にも(ステップS1909でNO)、小当たり信号は出力されない。
このように遊技制御部110は、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4において第2特別図柄で小当たりに当選した場合には、小当たり信号の外部出力を行わない。つまり、本実施形態の遊技機1は、第2特別図柄が変動表示を行うと、ほぼ毎回小当たりとなり、特に遊技機1の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であれば遊技機1において小当たりが連続的に発生することになるので、第2特別図柄によって小当たりに当選した場合にはそれに伴う小当たり信号を外部出力しない構成となっている。したがって、遊技機1において頻発する小当たりが外部装置において当たり発生回数としてカウントされていくことを防止することができる。
一方、遊技状態にかかわらず、第1特別図柄で小当たりに当選した場合には、必ず小当たり信号が外部出力される。そして外部装置は、遊技機1から小当たり信号を受信すると、遊技機1における小当たり当選回数を累計することができる。またその累計結果を遊技者に表示したりすることもできる。
尚、図31では、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4において第2特別図柄で小当たりに当選した場合には、小当たり信号の外部出力を行わないようにした処理手順の例を示しているが、遊技状態に関係なく、第2特別図柄で小当たりに当選した場合には常に小当たり信号の外部出力を行わないような処理手順としても良い。この場合、図31のフローチャートからステップS1910の処理を省略すれば良い。そしてこの場合には、外部装置が第1特別図柄によって当選した小当たりのみをカウントするので、小当たり当選回数の累計値が膨大な値になることを防止することができる。
そして次に遊技制御部110は、大当たりに当選したか否かを判断する(ステップS1913)。ここでの判断は、例えば、遊技機1の状態が大当たり遊技ST22に移行したか否かによって行われる。そして大当たりに当選した場合(ステップS1913でYES)、遊技制御部110は、その大当たりに対応した大当たり信号を外部装置に対して外部出力する(ステップS1914)。一方、大当たりに当選していない場合(ステップS1913でNO)、大当たり信号の外部出力は行わない。その後、遊技制御部110は、その他の外部出力処理を行い(ステップS1915)、外部出力処理を終了する。
メイン制御基板100において上述した処理が行われることにより、第1始動口19に入球して当選した大当たりよりも、第2始動口21に入球して当選した大当たりを優先的に発生させることができるようになる。図32は、遊技機1における第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを示すタイミングチャートである。図32に示すように、例えばタイミングT1で第1始動口19に遊技球が入球し、第1始動口スイッチ43がオンになった場合、タイミングT2で第1特別図柄表示器63における第1特別図柄の変動表示が開始される。この第1特別図柄の変動表示を開始する際には、変動表示時間TAとして所定時間(例えば15秒)以上の時間が設定される。したがって、タイミングT2で開始した第1特別図柄の変動表示は、図32に示すタイミングT10まで継続する変動パターンとして設定される。
一方、第1特別図柄の変動表示が開始された後、タイミングT3において、スルーゲート16を遊技球が通過してゲートスイッチ92がオンすると、それに伴い、タイミングT4で普通図柄抽選が行われる。その普通図柄抽選に当選すると、タイミングT5で電動チューリップ20が開放する。そして電動チューリップ20が開放されている状態のタイミングT6で第2始動口21に遊技球が入球し、第2始動口スイッチ44がオンになった場合、タイミングT7で第2特別図柄表示器65における第2特別図柄の変動表示が開始される。この第2特別図柄の変動表示を開始する際には、変動表示時間TBとして所定時間(例えば15秒)よりも短い時間(例えば2秒)が設定される。つまり、タイミングT7で開始した第2特別図柄の変動表示は、図32に示すタイミングT8まで継続する変動パターンとして設定される。
図32に示すように、第2特別図柄の変動表示が停止するタイミングT8が、第1特別図柄の変動表示が停止するタイミングT10よりも早い場合、第2特別図柄の変動表示は、小当たり又は大当たりの当選図柄で停止するため、第1特別図柄の変動表示は変動表示時間TAが経過する前であっても、第2特別図柄が停止するタイミングT8とほぼ同じタイミングで強制的に停止する。このとき第1特別図柄の変動表示は、第1の大当たり判定において大当たり又は小当たりに当選している場合であっても、その当選図柄が強制的にハズレ図柄に置き換えられて停止する。そして遊技機1は、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方を停止させた後、タイミングT9で第2特別図柄によって当選した小当たり遊技ST21を行い、大入賞口22を開放する。
このとき、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であれば、大入賞口22の開放時間は0.1秒の1回開放となる。そのため、大入賞口開放遊技状態ST2は早期に終了し、速やかに第1特別図柄又は第2特別図柄の次の変動表示を開始することができる。
そして遊技機1において上記のような動作が繰り返し実行されることにより、第2始動口21に入球して当選した大当たりを優先的に発生させることができる。そのため、特に時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4である場合には、第2始動口21に入球して行われる第2特別図柄の変動表示によって大当たりが発生する可能性が高くなり、遊技者に対して特に有利な遊技価値を付与することができるようになる。
一方、遊技機1が通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5である場合には、電動チューリップ20が開放したときに遊技球が第2始動口21に入球する可能性は低いので、第1始動口19に遊技球が入球して行われる第1特別図柄の変動表示が予め設定された変動表示時間TAが経過するまで行われる可能性が高く、それ故、第1特別図柄が当選図柄で停止することによって大当たりが発生する可能性が高くなる。
特に本実施形態の遊技機1では、遊技盤10の盤面構成が、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4のときには遊技者に右打操作を行わせ、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5のときには遊技者に左打操作を行わせる構成となっている。そのため、特に、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5において、遊技者が左打操作を行っているときには、第2始動口21に遊技球が入球する可能性は極めて低くなる。それ故、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5において、第1始動口19に遊技球が入球して行われる第1の大当たり判定において大当たりに当選している場合に、その第1特別図柄の変動表示が強制的にハズレ図柄となって停止する可能性は極めて低く、遊技者に対して大きな不利益を与えるものではない。
次に演出制御基板130について説明する。図33は、演出制御基板130における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。演出制御基板130のCPU131は、所定のプログラムを実行することにより、遊技機1における演出動作の全般を制御するために種々の処理部として機能するが、その一部について例を挙げると、図33に示すようにコマンド受信部201、保留管理部202及び演出制御部203として機能する。演出制御基板130においてこれら各部が機能することにより、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に関する保留数を管理すると共に、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に対応させた各種の演出を行うように構成されている。また演出制御基板130のRAM133は保留記憶領域133aを備えており、この保留記憶領域133aには第1変動表示保留記憶部211と第2変動表示保留記憶部212とが設けられている。この第1変動表示保留記憶部211は、メイン制御基板100における第1特別図柄変動保留記憶部105に対応するものである。また第2変動表示保留記憶部212は、メイン制御基板100における第2特別図柄変動保留記憶部106に対応するものである。
コマンド受信部201は、メイン制御基板100から送信される各種コマンドや遊技データなどを受信する処理部である。コマンド受信部201は、例えば、メイン制御基板100から遊技データを受信すると、その遊技データをRAM133の保留記憶領域133aに格納する。遊技データを保留記憶領域133aに格納する際、その遊技データが第1始動口19に入球して取得されたデータであれば、その遊技データを第1変動表示保留記憶部211に格納する。また第2始動口21に入球して取得されたデータであれば、その遊技データを第2変動表示保留記憶部212に格納する。
保留管理部202は、第1特別図柄(第1装飾図柄)の変動表示の保留数及び第2特別図柄(第2装飾図柄)の変動表示の保留数を管理する処理部である。例えばコマンド受信部201が第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始コマンドを受信すると、保留管理部202は、第1変動表示保留記憶部211又は第2変動表示保留記憶部212に記憶している保留を消化させて更新する。そのため、保留管理部202は、メイン制御基板100における保留状態と整合させて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示の保留数を管理することができるようになっている。
演出制御部203は、メイン制御基板100からの指令に基づいて、画像制御基板140及びランプ制御基板150に対して各種コマンドや制御信号などを出力することにより、遊技機1における演出を制御する処理部である。
例えば、コマンド受信部201が第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始コマンドを受信すると、演出制御部203は、それに基づいて画像表示器8に表示するための第1装飾図柄の変動表示パターン又は第2装飾図柄の変動表示パターンなどを決定し、画像制御基板140に対して装飾図柄の変動開始を指示する。これにより、画像表示器8では、第1特別図柄の変動表示に対応して第1装飾図柄の変動表示が行われると共に、第2特別図柄の変動表示に対応して第2装飾図柄の変動表示が行われるようになる。
またこのとき、演出制御部203は、保留管理部202によって管理されている第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示の保留状態に基づいて、画像表示器8において第1装飾図柄の変動表示を行う領域と、第2装飾図柄の変動表示を行う領域とを決定し、画像制御基板140に対して各領域を指示する。これにより、画像表示器8では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示の保留状態を反映した表示態様で、第1特装飾柄の変動表示と第2装飾図柄の変動表示が行われる。
図34は、画像表示器8における保留状態を反映した表示態様の一例を示す図である。この例では、画像表示器8の表示画面を、上下2つの表示領域に分割しており、2つの表示領域の間に例えば境界線などが表示される。そして表示画面の上部にある第1の表示領域8aを第1特別図柄の変動表示に対応して第1装飾図柄81の変動表示を行う領域としている。また表示画面の下部にある第2の表示領域8bを第2特別図柄の変動表示に対応して第2装飾図柄82の変動表示を行う領域としている。そして、これら2つの表示領域8a,8bの分割位置が、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示の保留状態に応じて変動するようになっている。尚、図例では、第1装飾図柄81及び第2装飾図柄のいずれも、数字などを付した3列の図柄が表示される場合を示している。そして、それら3列の図柄が全て同じ図柄で揃った状態で停止すれば「大当たり」となる。また例えば、左右2つの図柄が揃った状態で停止し、中央の図柄が左右の図柄に対して1だけ異なる数字の図柄で停止すれば「小当たり」となる。
例えば、図34(a)は、第1特別図柄の変動表示の保留数と、第2特別図柄の変動表示の保留数とが同数である場合を示している。したがって、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の保留数が同数であれば、第1の表示領域8aと第2の表示領域8bとはほぼ同じ表示サイズとなり、第1装飾図柄81と第2装飾図柄82のそれぞれもほぼ同じ大きさで表示される。
また、図34(b)は、例えば、第1特別図柄の変動表示の保留数が4個であり、第2特別図柄の変動表示の保留数が1個である場合を示している。このように、第1特別図柄の変動表示の保留数が、第2特別図柄の変動表示の保留数よりも多い場合には、第1の表示領域8aが第2の表示領域8bよりも大きな表示サイズとなり、第1装飾図柄81は第2装飾図柄82よりも大きく表示される。
また、図34(c)は、例えば、第1特別図柄の変動表示の保留数が2個であり、第2特別図柄の変動表示の保留数が3個である場合を示している。このように、第2特別図柄の変動表示の保留数が、第1特別図柄の変動表示の保留数よりも多い場合には、第2の表示領域8bが第1の表示領域8aよりも大きな表示サイズとなり、第2装飾図柄82は第1装飾図柄81よりも大きく表示される。
また、図34(d)は、例えば、第1特別図柄の変動表示の保留数が0個であり、第2特別図柄の変動表示の保留数が1個以上である場合を示している。このように、第1特別図柄の変動表示の保留数が0個となった場合には、第1の表示領域8aが画像表示器8の画面右上に小さく表示された状態となり、画像表示器8の大部分が第2の表示領域8bとなる。例えば時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4において第2始動口21に遊技球が連続的に入球し、第1始動口19に遊技球が入球しない場合には、画像表示器8は図34(d)に示すような表示態様となる。
また、図34(e)は、例えば、第1特別図柄の変動表示の保留数が1個以上であり、第2特別図柄の変動表示の保留数が0個である場合を示している。このように、第2特別図柄の変動表示の保留数が0個となった場合には、第2の表示領域8bが画像表示器8の画面右下に小さく表示された状態となり、画像表示器8の大部分が第1の表示領域8aとなる。例えば通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5において第2始動口21に遊技球が入球しない場合には、画像表示器8は図34(e)に示すような表示態様となる。
このように、演出制御部203は、画像表示器8における表示態様を、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の保留状態に応じて制御する。
また例えば、コマンド受信部201が第1特別図柄又は第2特別図柄の変動停止コマンドを受信すると、演出制御部203は、それに基づいて画像制御基板140に指示を与えることにより、画像表示器8における第1装飾図柄の変動表示又は第2装飾図柄の変動表示を停止させる。
また例えば、コマンド受信部201が大当たり又は小当たりの開始コマンドを受信すると、演出制御部203は、それに基づいて画像制御基板140及びランプ制御基板150に指示を与えることにより、遊技機1における大当たり用又は小当たり用の各種演出を実行する。そしてコマンド受信部201が大当たり又は小当たりの終了コマンドを受信すると、演出制御部203は、それに基づいて画像制御基板140及びランプ制御基板150に指示を与えることにより、遊技機1における大当たり用又は小当たり用の各種演出を終了させる。
次に演出制御基板130における詳細な動作について説明する。図35は、演出制御基板130のCPU131による主要動作を示すフローチャートである。この処理は、例えば遊技機1に電源が投入されると、演出制御基板130のCPU131によって実行が開始され、その後、繰り返し実行される処理である。この処理を開始すると、CPU131は、図35に示すように、保留表示状態更新処理(ステップS2001)、第1装飾図柄変動開始処理(ステップS2002)、第2装飾図柄変動開始処理(ステップS2003)、第1装飾図柄演出移行処理(ステップS2004)、第1装飾図柄変動停止処理(ステップS2005)、第2装飾図柄変動停止処理(ステップS2006)、及び、遊技状態演出処理(ステップS2007)を順次実行する。
保留表示状態更新処理(ステップS2001)では、上述したように、画像表示器8における表示態様を、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の保留状態に応じて変化させる。図36は、この保留表示状態更新処理(ステップS2001)の詳細を示すフローチャートである。CPU131は、保留記憶領域133aを読み出し(ステップS2101)、第1変動表示保留記憶部211及び第2変動表示保留記憶部212に記憶されている保留状態を確認する。そして、その保留状態に応じて、画像表示器8において第1装飾図柄の変動表示を行う第1の表示領域8aと、第2装飾図柄の変動表示を行う第2の表示領域8bとを決定する(ステップS2102)。そしてCPU131は、決定した表示領域に変更があるか否かを判断し(ステップS2103)、変更がある場合(ステップS2103でYES)、画像制御基板140に対して表示領域設定コマンドを出力する(ステップS2104)。これに対し、表示領域に変更がない場合(ステップS2103でNO)、画像表示器8における第1の表示領域8aと第2の表示領域8bとの表示サイズを変更する必要はないため、表示領域設定コマンドの出力は行わない。以上で、保留表示状態更新処理(ステップS2001)が終了する。
次に、第1装飾図柄変動開始処理(ステップS2002)では、画像表示器8に表示される第1の表示領域8aにおいて第1装飾図柄の変動表示を開始する。図37は、この第1装飾図柄変動開始処理(ステップS2002)の詳細を示すフローチャートである。CPU131は、第1特別図柄の変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS2201)。第1特別図柄の変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS2201でNO)、第1装飾図柄変動開始処理は終了する。一方、第1特別図柄の変動開始コマンドを受信している場合(ステップS2201でYES)、第1特別図柄に対応した第1装飾図柄81の変動表示を開始するための処理を行う。すなわち、保留記憶領域133aの第1変動表示保留記憶部211に記憶されている各保留をシフトさせることにより、第1特別図柄の変動表示に対応した保留状態を更新する(ステップS2202)。そして第1特別図柄の変動開始コマンドに基づいて第1装飾図柄の演出パターンを決定する(ステップS2203)。
上述したように、第1特別図柄の変動表示時間は、所定時間(例えば15秒)以上の時間に設定される。そのため、第1装飾図柄の演出パターンとしては、第1特別図柄の変動表示時間に対応したパターンが決定される。またリーチ演出を行う場合は、変動開始コマンドにリーチ演出の指定が含まれる。この場合、第1装飾図柄の演出パターンとしては、第1特別図柄の変動表示時間に対応したパターンであって、且つ、リーチ演出を行うパターンが決定される。リーチ演出を行う演出パターンとしては、例えば、始めに3列の図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後に左右の2つの図柄が揃った状態で停止して通常リーチ演出に移行するパターンや、通常リーチへ移行した後さらに所定時間が経過したタイミングで特別なキャラクタなどが登場して演出を行う第1のスーパーリーチ演出に移行するパターン、或いは、その後さらに所定時間が経過したタイミングで実写映像などを表示して演出を行う第2のスーパーリーチ演出に移行するパターンなどがある。尚、リーチ演出の内容は、例えば変動表示時間の長さに応じて決定され、例えば30秒の場合は通常リーチのみを行う演出、60秒の場合は通常リーチから第1のスーパーリーチへ移行する演出、90秒の場合は通常リーチから第2のスーパーリーチへ移行する演出、120秒の場合は通常リーチから第1のスーパーリーチへ移行し、その後さらに第2のスーパーリーチへ移行する演出などが決定される。また、このようにして決定される演出パターンにより、第1装飾図柄を変動表示させた後の停止図柄も決定される。
そしてCPU131は、上記のようにして決定した演出パターンをRAM133にセットし(ステップS2204)、その決定した演出パターンに基づいて第1装飾図柄の変動表示を開始させる(ステップS2205)。つまり、演出制御基板130が、演出パターンに基づいて画像制御基板140及びランプ制御基板150に対してコマンドや信号を出力する。これにより、画像表示器8において第1装飾図柄81の変動表示が開始されると共に、遊技機1においてそれに対応した各種の演出が行われるようになる。そしてCPU131は、第1装飾図柄81の変動表示を、第1特別図柄の変動開始コマンドで指定された変動表示時間が経過するまで行うべく、変動時間の計測を開始する(ステップS2206)。以上で、第1装飾図柄変動開始処理(ステップS2002)が終了する。
次に、第2装飾図柄変動開始処理(ステップS2003)では、画像表示器8に表示される第2の表示領域8bにおいて第2装飾図柄の変動表示を開始する。図38は、この第2装飾図柄変動開始処理(ステップS2003)の詳細を示すフローチャートである。CPU131は、第2特別図柄の変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS2301)。第2特別図柄の変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS2301でNO)、第2装飾図柄変動開始処理は終了する。一方、第2特別図柄の変動開始コマンドを受信している場合(ステップS2301でYES)、第2特別図柄に対応した第2装飾図柄82の変動表示を開始するための処理を行う。すなわち、保留記憶領域133aの第2変動表示保留記憶部212に記憶されている各保留をシフトさせることにより、第2特別図柄の変動表示に対応した保留状態を更新する(ステップS2302)。そして第2特別図柄の変動開始コマンドに基づいて第2装飾図柄の演出パターンを決定する(ステップS2203)。
上述したように、第2特別図柄の変動表示時間は、所定時間(例えば15秒)よりも短い時間(例えば2秒)に設定される。そのため、第2装飾図柄の演出パターンとしては、第2特別図柄の変動表示時間に対応した例えば2秒の演出パターンが決定される。このように第2装飾図柄の演出パターンは、第1装飾図柄の演出パターンと比較するとその時間が極めて短いため、第1装飾図柄の演出パターンのように3列の図柄の変動表示をリーチ演出に移行させて効果的な演出を行うことが難しい。そこで、本実施形態では、第2装飾図柄の演出パターンにおいてリーチ演出は行わないようにしている。また、このようにして決定される演出パターンにより、第2装飾図柄を変動表示させた後の停止図柄も決定される。
そしてCPU131は、上記のようにして決定した演出パターンをRAM133にセットし(ステップS2304)、その決定した演出パターンに基づいて第2装飾図柄の変動表示を開始させる(ステップS2305)。つまり、演出制御基板130が、演出パターンに基づいて画像制御基板140及びランプ制御基板150に対してコマンドや信号を出力する。これにより、画像表示器8において第2装飾図柄82の変動表示が開始されると共に、遊技機1においてそれに対応した各種の演出が行われるようになる。そしてCPU131は、第2装飾図柄82の変動表示を、第2特別図柄の変動開始コマンドで指定された変動表示時間が経過するまで行うべく、変動時間の計測を開始する(ステップS2306)。以上で、第2装飾図柄変動開始処理(ステップS2003)が終了する。
次に、第1装飾図柄演出移行処理(ステップS2004)では、第1装飾図柄81の変動表示中に、上述した各種リーチ演出に移行させる処理を行う。図39は、この第1装飾図柄演出移行処理(ステップS2004)の詳細を示すフローチャートである。CPU131は、第1装飾図柄81の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS2401)。ここでは例えば、第1装飾図柄81の変動開始に伴って計測している変動時間が、第1特別図柄の変動開始コマンドで指定された変動表示時間を経過しているか否かにより判断する。そして第1装飾図柄81の変動表示中でない場合は、第1装飾図柄演出移行処理を終了する。また第1装飾図柄81の変動表示中である場合(ステップS2401でYES)、その第1装飾図柄81の演出パターンにリーチ演出が含まれているか否かを判断する(ステップS2402)。そしてリーチ演出が含まれていない場合は、第1装飾図柄演出移行処理を終了する。またリーチ演出が含まれている場合(ステップS2402でYES)、第1装飾図柄81の3列の図柄の変動表示をリーチ演出に移行させるタイミングとなっているか否かを判断する(ステップS2403)。ここでは例えば、第1装飾図柄81の変動開始に伴って計測している変動時間が、予め設定された演出移行タイミングとなったか否かにより判断する。そして演出移行タイミングとなっていない場合は、第1装飾図柄演出移行処理を終了する。また演出移行タイミングとなっている場合(ステップS2403でYES)、CPU131は、第1装飾図柄81の演出パターンで指定されているリーチ演出に移行させるべく、リーチ演出移行処理を行う(ステップS2404)。ここでは、画像制御基板140及びランプ制御基板150に対してリーチ演出に対応したコマンドや信号を出力することにより、第1装飾図柄81の変動表示に伴って行われる各種の演出をリーチ演出に移行させる。以上で、第1装飾図柄演出移行処理(ステップS2004)が終了する。
次に、第1装飾図柄変動停止処理(ステップS2005)では、画像表示器8の第1の表示領域8aにおける第1装飾図柄の変動表示を停止させる処理を行う。図40は、この第1装飾図柄変動停止処理(ステップS2005)の詳細を示すフローチャートである。CPU131は、メイン制御基板100から第1特別図柄の変動停止コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS2501)。第1特別図柄の変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS2501でNO)、第1装飾図柄変動停止処理は終了する。一方、第1特別図柄の変動停止コマンドを受信している場合(ステップS2501でYES)、その変動停止コマンドにハズレ図柄の指示が含まれているか否かを判断する(ステップS2502)。変動停止コマンドにハズレ図柄の指示が含まれている場合(ステップS2502でYES)、第1装飾図柄の演出パターンで決定された停止図柄を破棄し、第1装飾図柄の停止図柄をハズレ図柄に差し替える(ステップS2503)。これに対し、変動停止コマンドにハズレ図柄の指示が含まれない場合(ステップS2502でNO)、第1装飾図柄の演出パターンで決定された停止図柄がそのまま採用される。
そしてCPU131は、第1装飾図柄の変動表示を停止させ、第1の表示領域8aに対して停止図柄を表示する(ステップS2504)。このとき、計測中の時間が、変動開始コマンドで指定された変動表示時間に至っていない場合でも、第1装飾図柄の変動表示は停止図柄を表示した状態となって停止する。したがって、変動開始コマンドで指定された変動表示時間が経過するまでに変動停止コマンドを受信し、その変動停止コマンドにハズレ図柄の指示が含まれている場合には、第1装飾図柄の変動表示は強制的に終了し、ハズレ図柄を表示して停止する。尚、変動開始コマンドで指定された変動表示時間が経過した後に、変動停止コマンドを受信した場合には、第1装飾図柄の演出パターンで決定された停止図柄が表示された状態で停止する。そしてCPU131は、計測時間をリセットし(ステップS2505)、第1装飾図柄変動停止処理(ステップS2005)を終了する。
次に、第2装飾図柄変動停止処理(ステップS2006)では、画像表示器8の第2の表示領域8bにおける第2装飾図柄の変動表示を停止させる処理を行う。図41は、この第2装飾図柄変動停止処理(ステップS2006)の詳細を示すフローチャートである。CPU131は、メイン制御基板100から第2特別図柄の変動停止コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS2601)。第2特別図柄の変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS2601でNO)、第2装飾図柄変動停止処理は終了する。一方、第2特別図柄の変動停止コマンドを受信している場合(ステップS2601でYES)、その変動停止コマンドにハズレ図柄の指示が含まれているか否かを判断する(ステップS2602)。変動停止コマンドにハズレ図柄の指示が含まれている場合(ステップS2602でYES)、第2装飾図柄の演出パターンで決定された停止図柄を破棄し、第2装飾図柄の停止図柄をハズレ図柄に差し替える(ステップS2603)。これに対し、変動停止コマンドにハズレ図柄の指示が含まれない場合(ステップS2602でNO)、第2装飾図柄の演出パターンで決定された停止図柄がそのまま採用される。
そしてCPU131は、第2装飾図柄の変動表示を停止させ、第2の表示領域8bに対して停止図柄を表示する(ステップS2604)。このとき、計測中の時間が、変動開始コマンドで指定された変動表示時間に至っていない場合でも、第2装飾図柄の変動表示は停止図柄を表示した状態となって停止する。したがって、変動開始コマンドで指定された変動表示時間が経過するまでに変動停止コマンドを受信し、その変動停止コマンドにハズレ図柄の指示が含まれている場合には、第2装飾図柄の変動表示は強制的に終了し、ハズレ図柄を表示して停止する。尚、変動開始コマンドで指定された変動表示時間が経過した後に、変動停止コマンドを受信した場合には、第2装飾図柄の演出パターンで決定された停止図柄が表示された状態で停止する。そしてCPU131は、計測時間をリセットし(ステップS2605)、第2装飾図柄変動停止処理(ステップS2006)を終了する。
次に、遊技状態演出処理(ステップS2007)では、メイン制御基板100からの指令に基づいて遊技機1の遊技状態に関する演出処理を実行する。例えば、大当たり開始コマンドを受信した場合には、それに基づいて大当たり遊技ST22に対応した演出を開始する。そして大当たり終了コマンドを受信した場合には、それに基づいて大当たり遊技ST22に対応した演出を終了させる。また小当たり開始コマンドを受信した場合には、それに基づいて小当たり遊技ST21に対応した演出を開始する。そして小当たり終了コマンドを受信した場合には、それに基づいて小当たり遊技ST21に対応した演出を終了させる。通常遊技状態ST1、時短遊技状態ST3、確変遊技状態ST4及び潜伏確変遊技状態ST5においては、それぞれの遊技状態に対応した演出を行うように制御する。
演出制御基板130が上記のような処理を行うことにより、例えば図42(a)に示すように、画像表示器8において第1装飾図柄81と第2装飾図柄82とが同時に変動表示を行っている状態で、第2装飾図柄82の変動表示が先に停止する場合には、図42(b)に示すように、第2装飾図柄82の停止とほぼ同時に、第1装飾図柄81の変動表示がハズレ図柄となって停止する。つまり、第2装飾図柄82は小当たり又は大当たりに対応した図柄で停止するので、それに対応する大入賞口開放遊技状態ST2を開始する前に、第1装飾図柄81を強制的にハズレ図柄で停止させる。したがって、第1装飾図柄の変動開始時において停止図柄として大当たり図柄や小当たり図柄が決定されていた場合であっても、第2装飾図柄82が先に停止することに伴い、それら当選図柄は強制的にハズレ図柄に差し替えられて停止する。その結果、遊技者は、第1装飾図柄81がハズレとなり、第2装飾図柄82が小当たり又は大当たりに当選したことを把握することができる。
以上のように本実施形態の遊技機1は、第1始動口19に入球して当選した大当たりよりも、第2始動口21に入球して当選した大当たりを優先的に発生させることができる。このことは、第1特別図柄及び第2特別図柄の同時変動が連続的に行われる場合でも同様である。
図43は、第1特別図柄及び第2特別図柄の同時変動が連続的に行われる場合の一例を示すタイミングチャートである。この図43では、例えば、大入賞口開放遊技状態ST2(長当たり遊技ST22a)において第1特別図柄の変動表示の保留数が4個となり、且つ、第2特別図柄の変動表示の保留数も4個となった場合のその後の変動表示を示している。図43に示すように、大入賞口開放遊技状態ST2が終了し、タイミングT11で第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが同時に開始される。ここで第1特別図柄の変動表示時間TA1は、第2特別図柄の変動表示時間TBよりも長く設定される。そのため、第2特別図柄はタイミングT12で停止し、その停止図柄は大当たり又は小当たりの当選図柄となる。そのため、第1特別図柄は、予め設定された変動表示時間TA1が経過する前に、第2特別図柄が停止するタイミングT12とほぼ同じタイミングで停止し、その停止図柄は必ずハズレ図柄となる。その後、タイミングT13において第2特別図柄が当選したことによる大入賞口開放遊技が開始される。
長当たり遊技ST22aが終了した後は、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4であるので、タイミングT13で開始する大入賞口開放遊技が小当たりの場合、大入賞口22の開放時間は0.1秒となり、且つ、1回だけの開放となる。そのため、この場合の大入賞口開放遊技は速やかに終了する。
そして、その大入賞口開放遊技が終了すると、タイミングT21において第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが再び同時に開始される。ここでも第1特別図柄の変動表示時間TA2は、第2特別図柄の変動表示時間TBよりも長く設定される。そのため、第2特別図柄はタイミングT22で停止し、その停止図柄は大当たり又は小当たりの当選図柄となる。そのため、第1特別図柄は、予め設定された変動表示時間TA2が経過する前に、第2特別図柄が停止するタイミングT22とほぼ同じタイミングで停止し、その停止図柄は必ずハズレ図柄となる。その後、タイミングT23において第2特別図柄が当選したことによる大入賞口開放遊技が開始される。そしてタイミングT23で開始する大入賞口開放遊技が小当たりであれば、大入賞口22の開放時間は0.1秒となり、且つ、1回だけの開放となる。そのため、この場合の大入賞口開放遊技も速やかに終了する。以後、これと同様の処理が繰り返され、第2特別図柄で大当たりに当選すれば、それによる大入賞口開放遊技(長当たり遊技ST22a)が行われる。
上記のような同時変動は、例えば時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4に移行した直後に生じ得る。そして上記のような同時変動が繰り返し実行されることにより、遊技機1において次回の大当たりが発生するのは、第2特別図柄による大当たりである。したがって、遊技者は、次回の大当たりにおいて多くの賞球を獲得することができるようになる。しかも、第2特別図柄による大当たりでは、第1特別図柄による大当たりよりも、「確変遊技付き長当たり」となる確率が高いので、その後の遊技状態としても、遊技者に対してより有利な遊技価値を付与することができる。
特に時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4に移行して第2特別図柄による小当たりが頻繁に発生する状態では、第2特別図柄で小当たりに当選した場合でも遊技機1から外部装置に対して小当たり信号を外部出力しないので、遊技機1において頻発する小当たりが外部装置によってカウントされることを有効に防止することができる。
以上のように、本実施形態の遊技機1は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に行うことができるように構成されている。そして第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に行う場合において、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、先に変動表示が停止する一方の特別図柄が大入賞口22を開放させる当たりに当選していれば、当該一方の変動表示をその当たり種別に対応した図柄で停止させると共に、他方の変動表示をハズレ図柄で停止させる。そして大入賞口22を一方の特別図柄により当選した当たり種別に応じて開閉駆動する大入賞口開放遊技へと移行させる構成である。
また本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄の変動表示時間は所定時間以上に設定されるのに対し、第2特別図柄の変動表示時間は所定時間よりも短い時間に設定されるようになっている。これにより、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に行う場合において、第2特別図柄の変動表示が先に停止する可能性を高めている。そして本実施形態の遊技機1は、第2の大当たり判定においてハズレとなる確率よりも、小当たりに当選する確率が高くなるように設定されているので、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが同時に行われる場合でも、第2特別図柄が先に小当たりとなって停止することにより、第1特別図柄の変動表示をハズレ図柄で強制的に停止させることができるようになっている。
したがって、本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に行うように構成しつつ、第2特別図柄による大当たりを優先的に発生させることができるので、遊技者に対して有利な遊技価値を付与することができるようになる。
そして本実施形態の遊技機1は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を強制的にハズレ図柄で停止させた場合には、それを特別図柄の変動表示回数にカウントしないように構成されている。つまり、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示をほぼ同時に停止させた場合には、特別図柄の変動表示回数は1回としてカウントされるようになる。そのため、大当たりの抽選結果が破棄されて、強制的にハズレ図柄で停止した変動表示をカウントすることなく、正常に大当たりの抽選結果が表示された変動表示のみをカウントして遊技状態を移行させるか否かを判断することができる。それ故、遊技者は正常に大当たりの抽選結果が所定回数(例えば100回)表示されるまで、有利な遊技状態(例えば時短遊技状態ST3)で遊技を進行させることができるようになる。
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば、上述した実施形態では、第2始動口21に遊技球が入球することによって行われる第2の大当たり判定において大当たり及び小当たりのいずれか一方に必ず当選する場合を説明した。つまり、上述した実施形態では第2の大当たり判定においてハズレとなることがない。しかしながら、本発明は、これに限られるものではなく、第2の大当たり判定においてハズレとなることがあっても良い。ただし、その場合には、第2の大当たり判定においてハズレとなる確率が、大当たり又は小当たりとなる確率よりも低いことが好ましい。
図44は、第2始動口21に遊技球が入球して取得された大当たり乱数RN1に基づいて第2の当たり判定を行うためのテーブルであって、図7(b)に示したテーブルとは異なるテーブルを示す図である。
まず図44(a)に示すテーブルでは、遊技機1が通常確率状態である場合、第2始動口21に遊技球が入球して取得される大当たり乱数RN1の値により、大当たりに当選する確率は1/300であり、小当たりに当選する確率は298/300である。これに対し、遊技機1が高確率状態である場合、大当たりに当選する確率は10/300であり、小当たりに当選する確率は289/300である。したがって、図44(a)に示すテーブルでは、第2始動口21に遊技球が入球して取得された大当たり乱数RN1がハズレと判定される確率は、1/300である。
次に図44(b)に示すテーブルでは、遊技機1が通常確率状態である場合、第2始動口21に遊技球が入球して取得される大当たり乱数RN1の値により、大当たりに当選する確率は1/300であり、小当たりに当選する確率は150/300である。これに対し、遊技機1が高確率状態である場合、大当たりに当選する確率は10/300であり、小当たりに当選する確率は141/300である。したがって、図44(b)に示すテーブルでは、第2始動口21に遊技球が入球して取得された大当たり乱数RN1がハズレと判定される確率は、149/300である。
このように図44(a)又は(b)に示したテーブルでは、ハズレとなる確率が、大当たり又は小当たりとなる確率よりも低く設定されているため、第2の大当たり判定において、これらのテーブルを参照するようにしても良い。
また遊技機1の遊技状態に応じて、第2の大当たり判定での小当たりに当選する確率を変化させるようにしても良い。例えば、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4においては、第2始動口21に遊技球が入球して取得された大当たり乱数RN1に基づいて第2の当たり判定を行う際、大当たり以外の全ての乱数値を小当たりと判定したり、或いは、大当たり以外の大部分の乱数値を小当たりと判定する。これに対し、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5においては、第2始動口21に遊技球が入球して取得された大当たり乱数RN1に基づいて第2の当たり判定を行う際、小当たりの発生確率が10/300程度となるように判定する。このように遊技機1の遊技状態に応じて小当たりに当選する確率を変化させる場合であっても、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4においては上記実施形態において説明した作用効果が得られるようになり、遊技者に有利な遊技価値を付与することが可能である。
また上記実施形態では、特別図柄の変動表示回数をカウントして遊技状態を移行させる遊技機の一例として、大入賞口開放遊技後の時短遊技状態ST3において特別図柄の変動表示回数が所定回数となれば、時短遊技状態ST3から通常遊技状態ST1へと移行させる遊技機を例示した。しかしながら、本発明は、これに限られるものではない。例えば、大入賞口開放遊技が終了した後、特別図柄の変動表示が所定回数行われるまで高確率状態を継続するようにし、その所定回数の変動表示が終了すると、高確率状態から通常確率状態へと移行させるような遊技機であっても構わない。また、大入賞口開放遊技が終了した後に必ず高確率状態となり、特別図柄の変動表示がカウントされる都度、高確率状態から通常確率状態へ移行させるか否かを抽選する転落抽選を行い、その転落抽選の結果に基づいて高確率状態から通常確率状態へと移行させる遊技機であっても良い。
また上記実施形態では、遊技盤10の盤面構成の一例として、時短遊技状態ST3又は確変遊技状態ST4のときには遊技者に右打操作を行わせ、通常遊技状態ST1又は潜伏確変遊技状態ST5のときには遊技者に左打操作を行わせる構成である場合を例示した。しかしながら、本発明における盤面構成は必ずしもこれに限られるものではない。例えば遊技機1がいずれの遊技状態である場合であっても、遊技者に常に左打操作を行わせる盤面構成であっても構わない。