<実施形態>
本発明の実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1について、図1〜図13を参照して説明する。
(構成)
スロットマシン1の構成の概略について図1、図2を参照して説明する。
この実施形態におけるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数(例えば、2枚や3枚)投入され、後述するスタートスイッチ19が操作されることを条件に一回の遊技が実行開始されるものであり、図1、図2のように構成されている。
このスロットマシン1では、前面に開口を有する筐体3の前面が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設される。操作板7の上方に正面板9が配設されている。正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13R、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示するテトラリール13T(本発明の「可動役物」に相当)が配置されている。
左・中・右リール13L,13M,13Rには、図3に示すように、複数種類の図柄(この実施形態では、「7」、「BR1」、「BR2」、「BE(ベル)」、「RP(リプレイ)」、「BL」、「CH(チェリー)」、「WM(スイカ)」)が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から20番までのコマ番号が順に付されている。この場合、例えば、コマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープが各リール13L,13M,13Rの周面に貼り付けられている。そして、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、この実施形態では、入賞判定に使用される表示窓11内の入賞ラインとして、左リール13Lの上段、中リール13Mの上段、右リール13Rの上段で構成されるいわゆる上段ライン、左リール13Lの中段、中リール13Mの中段、右リール13Rの中段で構成されるいわゆる中段ライン、左リール13Lの下段、中リール13Mの下段、右リール13Rの下段で構成されるいわゆる下段ライン、左リール13Lの上段、中リール13Mの中段、右リール13Rの下段で構成されるいわゆる右下がりライン、左リール13Lの下段、中リール13Mの中段、右リール13Rの上段で構成されるいわゆる右上がりラインの合計5ラインが設定されている。
また、各リール13L,13M,13Rを独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rそれぞれには、ステッピングモータで構成されるリールモータ14L,14M,14R(図5参照)が連結されている。
テトラリール13Tには、図4に示すように、複数種類の図柄(図柄が描かれていない場合もある。)が合計21個、所定の配列で設けられている。この場合、図4に示す21個の図柄が印刷されたリールテープがテトラリール13Tの周面に貼り付けられている。なお、テトラリール13Tでは各コマにコマ番号が通常付与されていないが、この実施形態では説明の便宜上テトラリール13Tにおいても各コマにコマ番号が付与されているものとして説明する。そして、テトラリール13Tが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。ただし、この実施形態では、テトラリール13Tが演出等で使用される使用状態後に停止する可能性がある位置(本発明の「可動役物が使用状態後に停止する可能性がある位置」に相当し、以下では「停止可能位置」と記載する。)は、コマ番号0からコマ番号21までのいずれかのコマの周面方向の中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置である。なお、停止可能位置は、図4において、実線矢印で示される位置である。また、この実施形態では、テトラリール13Tが初期動作(イニシャライズ動作)をして初期動作で停止する予め定められた位置(本発明の「規定位置」に相当し、以下では「規定位置」と記載する。)は、コマ番号2のコマとコマ番号3のコマとの境界が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置である。また、この境界は、リールテープの継ぎ目位置に相当する。したがって、この実施形態では、テトラリール13Tが初期動作をして初期動作で停止する規定位置は、テトラリール13Tが使用状態後に停止する可能性がある停止可能位置と異なっており、表示窓11に対してリールテープの継ぎ目が見える位置となっており、規定位置ではスロットマシン1正面からリールテープの継ぎ目の確認も容易となるようになっている。なお、規定位置が停止可能位置のいずれかに一致するようにしてもよい。
また、テトラリール13Tを回転駆動できるように、テトラリール13Tには、ステッピングモータで構成されるテトラリールモータ14T(図5参照)が連結されている。
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(ここでは3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定数)は、通常遊技時が3枚、ボーナス遊技が2枚の2種類が設定されている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画等による演出を行うための液晶表示器27が設けられている。また、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、図2に示すように、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、テトラリール13Tを照らし、テトラリール13Tを含むテトラリールユニット内にテトラリールランプ部91(図5参照)が設けられている。テトラリールランプ部91は例えばテトラリール13Tと連動した演出を行う。
上部ランプ部33とテトラリールランプ部91は、前面扉5が閉状態から開状態となった場合に、同色(例えば、赤色)で発光する。なお、上部ランプ部33が本発明の「第1発光手段」に相当し、テトラリールランプ部91が本発明の「第2発光手段」に相当する。
例えば、第1発光手段と第2発光手段の少なくとも一方が前面扉5の一側側に存在するときに、他方が前面扉5の前記一側側と直角またはほぼ直角をなす他側側にある。つまり、上記した実施形態では、第1発光手段としての上部ランプ部33が前面扉5の上部辺に存在し、第2発光手段としてのテトラリールランプ部91が右辺に存在する。なお、可動役物が上部にあれば、例えば、第1発光手段が前面扉5の右辺に存在し、第2発光手段が前面扉5の上部辺に存在する。
なお、少なくとも前面扉5の左右両側を覆う発光手段で第1発光手段と第2発光手段とを一体化して形成し、前面扉5が閉状態から開状態になると発光手段のうちの前面扉5の少なくとも左右側面部分が同色で発光するようにしてもよい。また、左右の一方に第2発光手段がある場合、少なくとも他方に第1発光手段を設けて同色で発光するようにしてもよい。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダルのメダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリール13L,13M,13Rに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
また、図2に示すように、各リール13L,13M,13R,13Tを支持する支持枠体13が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体13の下方には、図2に示すように、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、図2に示すように、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。なお、筐体3内部には、メダル通路が設けられており、メダルセレクタ48において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット43から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口39から払い出される。また、ホッパーユニット43の左側には、図2に示すように、操作ボックス49が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り替える電源スイッチ50(図5参照)が設けられるとともに、オンとオフとが切り替えられる設定変更開始処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(図5参照)、設定変更時の設定値の切り替えを行うのに用いられる設定変更ボタン52(図5参照)が設けられている。ただし、変更処理開始スイッチ56がオンの状態で電源スイッチ50がオンにされると、設定変更ボタン52を用いた設定変更処理が開始される。
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図5を参照して説明する。図5はスロットマシン1の電気的な構成を示すブロック図である。
図5に示すように、投入センサ53が、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。払出センサ54が、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出する。
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
ホッパーモータ57は、ホッパーユニット43に配設されて、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出す。また、筐体3の内部(例えば、内側面)には、前面扉5の開閉状態を検出する扉センサ95が配設されている。なお、扉センサ95は、例えば、マグネットセンサや光センサなどで構成することができる。
テトラリール位置センサ93は、テトラリール13Tの回転位置を検出するもので、例えばテトラリール13Tに設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、テトラリール13Tが回転すると、突起部を検出してその検出信号をサブ制御基板73に出力する。この実施形態では、例えばテトラリール位置センサ93が特定の突起部を検出したときに、テトラリール13Tの上記の規定位置が表示窓11の上下方向の中央と一致するように構成されている。なお、突起部は1つでもあってもよく、複数であってもよい。突起部が複数の場合、例えば、各コマ毎に突起部が設けられているようにしてもよい。
また、スロットマシン1には、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられ、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向に各種のデータが送信される。なお、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース内に厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に解放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。メイン制御基板63を収容した基板ケースは図2に示すように筐体3内の後壁に支持枠体13より高い位置に設置されており、サブ制御基板73を収容した基板ケースは図2に示すように筐体3内の左側壁にメイン制御基板63を収容した基板ケースと略同じ高さの位置に設置されている。
メイン制御基板63のRAM65は、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、これにより、役抽選結果記憶手段651などの各種の記憶領域が形成される。
また、メイン制御基板63のROM67は、予め設定されたデータ(役抽選テーブル671、停止テーブル672など)を含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。このメインCPU61は、後述する役抽選手段103による抽選処理における役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータなどの種々のデータを、所定のコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(後述する役抽選手段103による抽選処理における役抽選結果、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行し、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27、スピーカ31L,31R、上部ランプ部33、テトラリール13Tの回転駆動を行うテトラリールモータ14T、テトラリールランプ部91などの演出機器の制御を行う。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について、図6を参照して詳細に説明する。図6に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)遊技制御手段100
図6の遊技制御手段100は、一般的な遊技である通常遊技が実行される通常遊技状態、および、遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技であるボーナス遊技が実行されるボーナス遊技状態を含む複数の遊技状態を制御するものであり、遊技状態設定手段100aを備えている。
a)遊技状態設定手段100a
遊技状態設定手段100aは、役抽選手段103による役抽選処理の結果や、図柄判定手段107による有効ライン上の図柄組合せの判定結果などに基づいて、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれか1つにスロットマシン1の遊技状態を設定するものである。
具体的には、図7に示すように、この実施形態において遊技状態は、初期RT(RT0)、ボーナス内部当選中(RT1)、ボーナス遊技(特別遊技状態)を含む。ここで、初期RT(RT0)およびボーナス内部当選中(RT1)により通常遊技が構成され、ボーナス遊技により特別遊技が構成される。なお、この実施形態では、ボーナス内部当選中(RT1)は、初期RT(RT0)よりも再遊技役の当選確率が高く設定されている。
この実施形態では、ボーナス遊技の種類として、役名称「赤7ビッグ(BB1)」と「BARビッグ(BB2)」の2種類が設定されており、初期RT(RT0)の遊技状態において、ボーナス(BB1,BB2)に当選すると、遊技状態設定手段100aにより遊技状態がボーナス内部当選中(RT1)に移行する。当該遊技状態(RT1)でボーナスに入賞すると、遊技状態設定手段100aにより遊技状態がボーナス遊技(BB1またはBB2)に設定され、遊技状態がボーナス遊技(BB1またはBB2)に移行する。ボーナス遊技(BB1またはBB2)において、所定の終了条件が成立すると、遊技状態設定手段100aにより遊技状態が初期RT(RT0)に設定され、遊技状態が初期RT(RT0)に移行する。この実施形態では、ボーナス遊技(BB1またはBB2)の終了条件として、払出枚数が規定値(BB1では300枚、BB2では100枚)になることが設定されている。
次に、スロットマシン1において実行される遊技の概略について説明する。
スロットマシン1は、3枚のメダルの投入により1回のゲーム(遊技)が行われるように構成され、投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルのスロットマシン1への投入が検出されると、各入賞ライン(5ライン)が有効となる。ここでスタートスイッチ19が操作されると、乱数を使用した抽選処理により、予め設定された役抽選結果のいずれかが役抽選手段103による抽選処理により選択される。また、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転が開始すると、表示窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄の判別が各リール13L,13M,13Rの回転角に基づいて開始される。
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速して、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となり、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となった後、左ストップスイッチ21Lの操作が検出されると左リール13Lが停止され、中ストップスイッチ21Mの操作が検出されると中リール13Mが停止され、右ストップスイッチ21Rの操作が検出されると右リール13Rが停止される。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止される。
3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rのすべてが操作されると、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。このとき、入賞ライン上の図柄組合せが、役(役名称)に設定された図柄組合せであった場合は当該役に入賞となり、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、メダル払出口39から払い出される。なお、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。この所定の利益としては、例えば、後述のボーナス役の入賞によるボーナス遊技(BB1、BB2)への移行や後述の再遊技役の入賞による新たなメダルを投入することなく当該入賞遊技と同じ賭数で次遊技を行うために自動的に設定される賭数および遊技状態の移行等が挙げられる。
図8に示すように、この実施形態では、役の種類として、ボーナス、再遊技、小役が予め設定されている。ボーナスは、ボーナス遊技(特別遊技)への移行役である。再遊技(以下、リプレイとも称することがある)は、入賞すると、新たなメダルを投入することなく当該入賞遊技と同じ賭数で次遊技行うことができる役である。小役は、入賞すると所定の配当(払出数)が得られる役である。
ボーナス役は、入賞にかかる図柄組合せの種類として、組合せ「RBB1」および「RBB2」の2種類設定されている。ここで、組合せ「RBB1」にかかる図柄組合せ(7−7−7)で各リール13L,13M,13Rが停止すると入賞となって、遊技状態がボーナス遊技(BB1)に移行する。組合せ「RBB2」にかかる図柄組合せ(7−7−BR1)で各リール13L,13M,13Rが停止すると入賞となって、遊技状態がボーナス遊技(BB2)に移行する。このとき、図柄組合せグループ「ビッグ1」により組合せ「RBB1」が形成され、図柄組合せグループ「ビッグ2」により組合せ「RBB2」が形成されている。なお、この実施形態では、入賞ラインのいずれかに組合せ「RBB1」および「RBB2」の図柄組合せが揃っても配当はないが、所定の枚数の配当を付与してもよい。組合せ「RBB1」および「RBB2」は、図3(a)に示すように、いずれも5コマ(操作タイミングのコマ+最大滑りの4コマ)以内に図柄組合せを構成する図柄がないリール13L,13M,13Rがあるため、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングが合わなければ入賞しない、いわゆる取りこぼしが発生する組合せとして設けられている。
再遊技役は、入賞態様にかかる図柄組合せの種類として、組合せ「NRP」の1種類が設定されている。組合せ「NRP」は、遊技状態の移行に無関係な再遊技役であり、図柄組合せグループ「Nリプ」により形成されている。組合せ「NRP」は、図3(a)に示すように、5コマ(操作タイミングのコマ+最大滑りの4コマ)以内に図柄組合せを構成する図柄がないリール13L,13M,13Rがないため、ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのようなタイミングで操作しても必ず入賞する、いわゆる取りこぼしがない組合せとして設けられている。
小役は、入賞にかかる図柄組合せの種類として、組合せ「NBE」、「NWM1」、「NWM2」、「CH」の複数種類が設定されている。このとき、組合せ「NBE」は図柄組合せグループ「Nベル」で形成され、組合せ「NWM1」および「NWM2」はいずれも図柄組合せグループ「Nスイカ」で形成され、組合せ「CH」は図柄組合せグループ「チェリー」で形成される。
組合せ「NBE」にかかる図柄組合せ「BE−BE−BE」がいずれかの入賞ラインに揃うと、通常遊技(RT0、RT1)では7枚、ボーナス遊技中は15枚の配当(払出枚数)が得られる。なお、図3(a)に示すように、組合せ「NBE」は、5コマ(操作タイミングのコマ+最大滑りの4コマ)以内に図柄組合せを構成する図柄がないリール13L,13M,13Rがないため、ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのようなタイミングで操作しても必ず入賞する、いわゆる取りこぼしがない組合せとして設けられている。
組合せ「NWM1」にかかる図柄組合せ「WM−WM−WM」がいずれかの入賞ラインに揃うと、通常遊技(RT0、RT1)では4枚、ボーナス遊技中は15枚の配当(払出枚数)が得られる。組合せ「NWM2」にかかる図柄組合せ「WM−WM−BR1」がいずれかの入賞ラインに揃うと、通常遊技(RT0、RT1)では4枚、ボーナス遊技中は15枚の配当(払出枚数)が得られる。組合せ「NWM1」および「NWM2」は、図3(a)に示すように、いずれも5コマ(操作タイミングのコマ+最大滑りの4コマ)以内に図柄組合せを構成する図柄がないリール13L,13M,13Rがあるため、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングが合わなければ入賞しない、いわゆる取りこぼしが発生する組合せとして設けられている。
組合せ「CH」にかかる図柄組合せ「CH−ANY−ANY」がいずれかの入賞ラインに揃うと、通常遊技(RT0、RT1)では2枚、ボーナス遊技中は15枚の配当(払出枚数)が得られる。ここで、「ANY」は図柄の種類を問わないことを意味している。なお、組合せ「CH」は、図3(a)に示すように、5コマ(操作タイミングのコマ+最大滑りの4コマ)以内に図柄組合せを構成する図柄がないリール13L,13M,13Rがあるため、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングが合わなければ入賞しない、いわゆる取りこぼしが発生する組合せとして設けられている。
(2)設定制御手段101
図6の設定制御手段101は、スロットマシン1の出玉率(払出枚数÷投入枚数×100[%])を決めるための設定値(設定1〜設定6)を設定するものである。この設定値は、後述するテーブル選択手段102により選択される役抽選テーブル671を選択するためのものであり、ROM67に格納された複数の役抽選テーブル671のそれぞれに各設定値のいずれかが対応付けられている。そして、設定制御手段101は、電源投入時(電源スイッチ50をON)に変更処理開始スイッチ56(いわゆる設定キー)のON、OFF状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がON状態(第1操作状態)で電源が投入されると、遊技の設定値の変更が可能な設定変更状態に移行させる。設定変更状態は、設定変更は可能であるが遊技を行うことは不可能な状態となる。
ここで、設定値を変更するための基本操作について説明する。例えば、前面扉5を開け、スロットマシン1の電源が投入する前に変更処理開始スイッチ56(設定キー)をON状態にし、電源を投入すると、設定変更処理が開始する。このとき、設定変更ボタン52(リセットスイッチ)を1回押すと、電源投入前に設定された設定値から1つ上位の設定値に仮設定される(例えば、設定3から設定4に仮設定)。その後は、設定変更ボタン52を押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。但し、仮設定値が6の場合に設定変更ボタン52を押すと、設定値が1に戻って仮設定される。そして、スタートスイッチ19をON操作すると、その後に設定変更ボタン52を押下しても仮設定値が変更されない状態になる。仮設定値が変更されない状態となった後、前面扉5が開いた状態で設定キーをON状態からOFF状態にすると遊技可能状態に移行し、このときの仮設定値を変更後の設定値として確定する。その後に前面扉5を閉めることで通常の状態として遊技が行える状態となる。なお、確定した設定値は、例えば、RAM65により記憶され、設定変更が行われる度に書き換えられる。
設定制御手段101は、上述の基本操作に基づいて設定変更を行うが、この実施形態では、遊技が可能な遊技可能状態から遊技が不可能な設定変更状態への移行と、設定変更状態に移行してから遊技可能状態への移行も制御する。具体的には、設定制御手段101は、電源スイッチ50、変更処理開始スイッチ56および扉センサ95それぞれのON/OFF状態に基づいて、設定変更状態への移行を許可するか否かを決定する。まず、電源スイッチ50がON状態になったときの扉センサ95のON/OFF状態を判定し、ON状態(開状態)の場合は、さらに変更処理開始スイッチ56のON/OFF状態を判定する。ここで、変更処理開始スイッチ56がON状態であった場合、設定制御手段101は設定変更状態への移行を許可する。一方、変更処理開始スイッチ56がOFF状態であった場合、設定制御手段101は設定変更状態への移行を禁止する。なお、判定する順番は、変更処理開始スイッチ56のON/OFF状態を先に確認し、変更処理開始スイッチ56がON状態であることを条件に、扉センサ95のON/OFF状態を判定するようにしてもよい。
また、設定制御手段101は、変更処理開始スイッチ56および扉センサ95のON/OFF状態に基づいて、設定変更状態から遊技可能状態への移行を許可するか否かを決定する。上述のように、仮設定値は、スタートスイッチ19がON操作されると、その後設定変更ボタン52を押下しても変更されない。設定制御手段101は、このように仮設定値が変更できない状態において、変更処理開始スイッチ56がON状態からOFF状態に立ち下がったときの扉センサ95のON/OFF状態を判定し、このときの扉センサ95の状態がON状態(開状態)である場合は、設定変更状態から遊技可能状態への移行を許可する。一方、このときの扉センサ95がOFF状態(閉状態)であった場合は遊技可能状態への移行を禁止する。なお、前面扉5が開状態のときに、遊技可能状態に移行することを許可しないように構成した場合には、前面扉5の閉鎖後に遊技可能状態に移行することになる。
(3)テーブル選択手段102
図6のテーブル選択手段102は、メイン制御基板63における遊技制御手段100により制御される遊技の種類(RT0,RT1,BB1,BB2など)、設定制御手段101により設定される設定値(設定1から設定6)に基づき、図6に示す複数の役抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択するものである。すなわち、例えば通常遊技では、テーブル選択手段102は、役抽選テーブルとして、設定値(設定1〜設定6)に応じて役抽選テーブル671(通常遊技用抽選テーブル)を選択する。
(4)役抽選手段103
図6の役抽選手段103は、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで、複数の当選役グループのいずれかに当選したか否かを決定する役抽選を行うものであり、乱数発生手段103a、乱数抽出手段103bおよび役抽選判定手段103cを備え、ROM67に記憶されている役抽選テーブル671を用いる。ここで、乱数発生手段103aは、抽選用の乱数を、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜16383)で発生させるものであり、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成されている。また、乱数抽出手段103bは、乱数発生手段103aが発生させた乱数を、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。なお、乱数発生手段103aは、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段103aが発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただし、スタートスイッチ19が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段103bが抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、乱数発生器により乱数を生成してもよい。
さらに、役抽選テーブル671は、乱数発生手段103aが発生させる範囲内の各乱数について、予め設定されている当選役グループの当選範囲が予め定められたものである。また、役抽選判定手段103cは、乱数抽出手段103bにより抽出された乱数と、役抽選テーブル671とを照合して、抽出された乱数が、複数の当選役グループのうちのいずれの当選範囲に該当するかを判定する。
役抽選手段103による役抽選は、図9に示す当選役グループ単位で当否が決定される。各当選役グループは1または複数種類の役名称で構成されている。この実施形態では、図10に示すように、役名称として、「赤7ビッグ」、「BARビッグ」、「リプレイ」、「ベル」、「確定チェリー」、「確定スイカ」、「チャンス役」、「BB中役」の複数種類が設定されている。これらの役名称は、1または複数種類の図柄組合せグループで構成されている。ここで、複数の図柄組合せグループで構成される役名称を含む当選役グループに当選した場合は、当該役名称を構成する図柄組合せグループの全てが入賞ラインに揃うことを許容している状態となっていることを意味する。例えば、役名称「チャンス役」に当選した場合は、図柄組合せグループ「チェリー」、「Nスイカ」のいずれかの図柄組合せが入賞ラインに揃うことを許容している状態となっていることを意味する。
各役名称について具体的に説明すると、役名称「赤7ビッグ」および「BARビッグ」は、ボーナス役にかかる役名称として設けられている。役名称「リプレイ」は遊技状態の移行に無関係な再遊技役にかかる役名称で、当選役グループ「リプレイ」、「リプレイ+赤7ビッグ」を構成する役名称として設定されている。役名称「ベル」は、メダルの払い出しにかかる役名称で、当選役グループ「ベル」を構成する役名称として設定されている。役名称「確定チェリー」は、メダルの払い出しにかかる役名称で、当選役グループ「確定チェリー+赤7ビッグ」を構成する役名称として設定されている。役名称「確定スイカ」は、メダルの払い出しにかかる役名称で、当選役グループ「確定スイカ+赤7ビッグ」、「確定スイカ+BARビッグ」を構成する役名称として設定されている。役名称「チャンス役」は、メダルの払い出しにかかる役名称で、当選役グループ「チャンス役」、「チャンス役+赤7ビッグ」、「チャンス役+BARビッグ」を構成する役名称として設定されている。役名称「BB中役」は、ボーナス遊技中のみ抽選対象となる当選役グループ「BB中役」を構成する役名称として設定されている。役名称「BB中役」の当選時の停止し得る図柄組合せグループは「全小役」であるが、該図柄組合せグループは図柄組合せグループ「Nベル」、「Nスイカ」、「チェリー」の3種類を含んでおり、これらの図柄組合せグループを構成する図柄組合せのいずれかが入賞ラインに揃うと入賞となる。上述のようにボーナス遊技中は2枚賭けで遊技を行うように構成されており、役名称「BB中役」に入賞すると15枚の配当が得られる。
図9に示すように、役抽選手段103の役抽選の対象となる当選役グループの中で、例えば、当選役グループ「確定チェリー+赤7ビッグ」に当選した場合、役名称「確定チェリー」および「赤7ビッグ」の両役名称にかかる図柄組合せが入賞ラインに揃うことが許容された状態であることを意味する。すなわち、図柄組合せグループ「ビッグ1」、「チェリー」にかかる図柄が入賞ラインに揃う可能性がある。なお、複数種類の役名称で構成されるその他の当選役グループは、「リプレイ+赤7ビッグ」、「確定スイカ+赤7ビッグ」、「確定スイカ+BARビッグ」、「チャンス役+赤7ビッグ」、「チャンス役+BARビッグ」である。したがって、図柄組合せグループ「チェリー」、「Nスイカ」、「Nリプ」にかかる図柄組合せが入賞ラインに揃うと、ボーナス役への入賞の期待度が上がる。その他の当選役グループは、1種類の役名称で構成されている。
なお、ボーナス内部当選中(RT1)は、ボーナス役への当選状態が持ち越されている状態のため、当選役グループ「リプレイ+赤7ビッグ」、「確定チェリー+赤7ビッグ」、「確定スイカ+赤7ビッグ」、「確定スイカ+BARビッグ」、「チャンス役+赤7ビッグ」、「チャンス役+BARビッグ」のいずれかに当選した場合は、新たな種類のボーナス役が当選することはなく、持ち越されているボーナス役以外の役名称にかかる図柄組合せのみが入賞ラインに揃うことが許容される。例えば、ボーナス内部当選中(RT1)に当選役グループ「リプレイ+赤7ビッグ」に当選した場合は、ボーナス役以外の役名称「リプレイ」にかかる図柄組合せのみが入賞ラインに揃うことが許容される。
また、図10に示すように、各役名称には、それぞれ固有の上位役番号または下位役番号が16進数で対応付けされている。そして、役抽選手段103の抽選結果に基づいて、当選した当選役グループに属する役名称に上位役番号が対応付けされていれば、当該役名称に対応付けされている上位役番号が役抽選結果記憶手段651の上位記憶領域に格納される。また、当選した当選役グループに属する役名称に下位役番号が対応付けされていれば、当該役名称に対応付けされている下位役番号が役抽選結果記憶手段651の下位記憶領域に格納される。
具体的には、この実施形態では、役抽選結果記憶手段651は、RAM65に2バイトのデータ領域として割当てられており、この中の1バイトのデータ領域が割当てられた、ボーナス役に関する役抽選結果を記憶する上位記憶領域と、小役、再遊技役およびBB2中役に関する役抽選結果を記憶する下位記憶領域とを備えている。
そして、図9に示す、ボーナス役(役名称「赤7ビッグ」、「BARビッグ」)を含む当選役グループのいずれかに当選した場合には、図10に示すように、当選したボーナス役に対応付けされている“01h”または“02h”のいずれかが上位記憶領域に記憶される。また、図9に示す、役名称「リプレイ」、「ベル」、「確定チェリー」、「確定スイカ」、「チャンス役」、「BB中役」を含む当選役グループのいずれかに当選した場合には、図10に示すように、当該役名称に対応付けされている“01h”〜“06h”のいずれかが下位記憶領域に記憶される。
なお、当選役グループ「ハズレ」は、役抽選手段103による役抽選結果がハズレである場合を示し、この場合は、図10に示すように、役抽選結果記憶領域651の上位記憶領域および下位記憶領域の両方に“00h”が格納される。また、ボーナス役と、小役または再遊技役との同時当選の当選役グループに当選した場合は、ボーナス役に対応する上位役番号が上位記憶領域に記憶されるとともに、小役または再遊技役に対応する下位役番号が下位記憶領域に記憶される。例えば、当選役グループ「確定スイカ+赤7ビッグ」に当選した場合、上位記憶領域には“01h”が記憶されるとともに、下位記憶領域には“04h”が記憶される。
(5)リール制御手段104
図6のリール制御手段104は、遊技者によりスタートスイッチ19の操作に基づき、各リール13L,13M,13Rの回転開始制御や、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様と役抽選手段103の役抽選結果とに基づき、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行うものである。リール制御手段104は、役抽選手段103が決定した当選役グループに属する役名称に入賞させるために、基本的にリール13L,13M,13Rの全てで、引き込み可能範囲内において構成図柄を入賞ラインに停止させる停止制御を行う。なお、各リール13L,13M,13Rには、許容されるすべりコマ数(引き込み可能範囲:通常、最大4コマ)が設定されているため、操作タイミングが合わなければ入賞ラインに当選役にかかる図柄を揃えることができない場合があり、このような場合は、取りこぼし(非入賞)が発生する。
当選役グループ「リプレイ」は、図柄組合せグループ「Nリプレイ」で構成されている。上述のように図柄組合せグループ「Nリプ」は取りこぼしが発生する可能性がないため、必ず図柄組合せグループ「Nリプ」にかかる図柄組合せが入賞ラインに揃うように、リール制御手段104がリール制御を行う。
当選役グループ「リプレイ+赤7ビッグ」は、図柄組合せグループ「ビッグ1」および「Nリプ」の2種類で構成されている。この実施形態では、複数の役名称で構成される当選役グループに当選した場合、優先順序が(a)再遊技役(役名称「リプレイ」)、(b)小役(役名称「ベル」、「確定チェリー」、「確定スイカ」、「チャンス役」)、(c)ボーナス役(役名称「赤7ビッグ」、「BARビッグ」)の順序で引き込むようにリール制御が行われる。したがって、当該当選役グループに当選した遊技では、取りこぼしがない役名称「リプレイ」に必ず入賞する。
当選役グループ「確定チェリー+赤7ビッグ」は、図柄組合せグループ「ビッグ1」および「チェリー」の2種類で構成されている。この場合、リール制御手段104は、役名称「確定チェリー」が優先して入賞するようにリール制御を行うが、上述のように、役名称「確定チェリー」を構成する図柄組合せグループ「チェリー」は取りこぼしが発生する可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、役名称「赤7ビッグ」に入賞する場合がある。また、役名称「赤7ビッグ」を構成する図柄組合せグループ「ビッグ1」も取りこぼす可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、両方を取りこぼす場合もある。
当選役グループ「確定スイカ+赤7ビッグ」は、図柄組合せグループ「ビッグ1」および「Nスイカ」の2種類で構成されている。この場合、リール制御手段104は、役名称「確定スイカ」が優先して入賞するようにリール制御を行うが、上述のように、役名称「確定スイカ」を構成する図柄組合せグループ「Nスイカ」は取りこぼしが発生する可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、役名称「赤7ビッグ」に入賞する場合がある。また、役名称「赤7ビッグ」を構成する図柄組合せグループ「ビッグ1」も取りこぼす可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、両方を取りこぼす場合もある。
当選役グループ「確定スイカ+BARビッグ」は、図柄組合せグループ「ビッグ2」および「Nスイカ」の2種類で構成されている。この場合、リール制御手段104は、役名称「確定スイカ」が優先して入賞するようにリール制御を行うが、上述のように、役名称「確定スイカ」を構成する図柄組合せグループ「Nスイカ」は取りこぼしが発生する可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、役名称「BARビッグ」に入賞する場合がある。また、役名称「BARビッグ」を構成する図柄組合せグループ「ビッグ2」も取りこぼす可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、両方を取りこぼす場合もある。
当選役グループ「チャンス役」は、図柄組合せグループ「チェリー」および「Nスイカ」の2種類で構成されている。この場合、両方が小役にかかる図柄組合せグループとなるが、どちらを優先して入賞させるかは適宜設定することができる。なお、上述のように、役名称「チャンス役」を構成する図柄組合せグループ「チェリー」、「Nスイカ」はいずれも取りこぼしが発生する可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、両方を取りこぼす場合がある。
当選役グループ「チャンス役+赤7ビッグ」は、図柄組合せグループ「ビッグ1」、「チェリー」、「Nスイカ」の3種類で構成されている。この場合、リール制御手段104は、役名称「チャンス役」が優先して入賞するようにリール制御を行うが、上述のように、役名称「チャンス役」を構成する図柄組合せグループ「チェリー」、「Nスイカ」はいずれも取りこぼしが発生する可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、役名称「赤7ビッグ」に入賞する場合がある。また、役名称「赤7ビッグ」を構成する図柄組合せグループ「ビッグ1」も取りこぼす可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、両方を取りこぼす場合もある。
当選役グループ「チャンス役+BARビッグ」は、図柄組合せグループ「ビッグ2」、「チェリー」、「Nスイカ」の3種類で構成されている。この場合、リール制御手段104は、役名称「チャンス役」が優先して入賞するようにリール制御を行うが、上述のように、役名称「チャンス役」を構成する図柄組合せグループ「チェリー」、「Nスイカ」はいずれも取りこぼしが発生する可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、役名称「BARビッグ」に入賞する場合がある。また、役名称「BARビッグ」を構成する図柄組合せグループ「ビッグ2」も取りこぼす可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、両方を取りこぼす場合もある。
当選役グループ「ベル」は、図柄組合せグループ「Nベル」で構成されている。上述のように図柄組合せグループ「Nベル」は取りこぼしが発生する可能性がないため、必ず図柄組合せグループ「Nベル」にかかる図柄組合せが入賞ラインに揃うように、リール制御手段104がリール制御を行う。
当選役グループ「赤7ビッグ」は、図柄組合せグループ「ビッグ1」で構成されている。上述のように、役名称「赤7ビッグ」を構成する図柄組合せグループ「ビッグ1」は取りこぼしが発生する可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、取りこぼしが発生する場合がある。
当選役グループ「BARビッグ」は、図柄組合せグループ「ビッグ2」で構成されている。上述のように、役名称「BARビッグ」を構成する図柄組合せグループ「ビッグ21」は取りこぼしが発生する可能性があるため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、取りこぼしが発生する場合がある。
当選役グループ「BB中役」は、ボーナス遊技中のみ役抽選の対象となる当選グループであり、図柄組合せグループ「Nベル」、「チェリー」、「Nスイカ」で構成されている。上述のように、図柄組合せグループ「Nベル」は取りこぼしが発生する可能性がないため、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによらずに、必ず15枚の配当が得られる。
ここで、リール制御手段104の具体的なリール制御の一例について第1停止が左リール13Lの場合について説明する。
役名称「確定チェリー」に当選した場合は、原則として、引き込み範囲(操作タイミングのコマ+最大滑りの4コマ)内で左リール13Lの中段に図柄「CH」を引き込むようにリール制御を行う。ただし、役名称「BARビッグ」の内部当選中(RT1)に役名称「確定チェリー」に当選した場合は、左リール13Lの中段に引き込み可能な範囲でストップスイッチ21Lが操作されていても、左リール13Lの上段か下段に図柄「CH」が停止するようなリール制御を行う。
役名称「チャンス役」に当選した場合は、「チェリー」、「スイカ」の優先順序でリール制御を行う。このとき、引き込み範囲内で左リール13Lの上段か下段に図柄「CH」を引き込むようにリール制御を行うが、ストップスイッチ21Lが操作されたタイミングで図柄「CH」が引き込み範囲にない場合、次の優先順序である「スイカ」の図柄「WM」が引き込み範囲内にあれば左リール13Lの上段、中段、下段のいずれかに図柄「WM」が停止するようにリール制御を行う。第2、第3停止については第1停止の停止図柄に応じて入賞可能な図柄組合せを引き込むようにリール制御を行う。この構成によると、図柄「CH」が左リール13Lの上段か下段に停止(図柄組合せグループ「チェリー」に入賞)することで、2枚×2ライン=4枚の配当が得られ、図柄組合せグループ「Nスイカ」に入賞して4枚×1ライン=4枚の配当が得られる。すなわち、いずれの図柄組合せグループに入賞しても同じ配当が得られるようになっている。なお、リール制御手段104は、図柄「CH」、「WM」のいずれも引き込むことができなかった場合は、ハズレとなるようにリール制御を行う。
次に、小役等の「取りこぼし」を少なくするためのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作方法の一例を説明する。例えば、左リール13Lの図柄番号16の「CH」を、「中段」に目押しする。このようにすると、取りこぼしが発生するおそれがある図柄組合せグループのうち、図柄組合せグループ「チェリー」にかかる図柄「CH」、図柄組合せグループ「Nスイカ」にかかる図柄「WM」の両方が左リール13Lの上段、中段、下段のいずれかに引き込み可能(操作タイミングのコマ+最大滑りの4コマの範囲内に図柄「CH」、「WM」がある)になるため、ボーナス役以外の取りこぼしをなくすことができる。このようなストップスイッチ21L,21M,21Rの操作方法(小役回収打法)は、一般的に「DDT打法」(または、「KKK打法」)と呼ばれている。
この実施形態の構成で小役回収打法を実践すると、左リール13Lの停止図柄の位置と種類によって、以下のような遊技性を創出することができる。(1)図柄「CH」が左リール13Lの中段に停止した場合は、役名称「赤7ビッグ」の当選が確定する。(2)図柄「CH」が左リール13Lの上段か下段に停止すると、ボーナス役(役名称「赤7ビッグ」、「BARビッグ」)の当選に期待できる。(3)役名称「確定スイカ」を取りこぼしたときには、ハズレ時には出ないリーチ目が出現することがあり、この場合はボーナス役の当選が確定する。このようなリーチ目は、例えば、左リール13Lの中段に図柄番号18の図柄RPが位置するときにストップスイッチ21Lを操作した場合のように、図柄番号16の図柄「CH」を早めに狙ってしまった場合などに出現する。(4)図柄組合せグループ「Nスイカ」に入賞すると役名称「確定スイカ」の当選が確定し、ボーナス役の当選も確定する。(チャンス役の場合は「チェリー」が優先して引き込まれるため)(5)左リール13Lの中段に図柄番号16の図柄「CH」を目押しすると、図柄「7」を引き込めないため、当該ゲームでは役名称「赤7ビッグ」、「BARビッグ」の両方が入賞しない。そのため、単独ボーナス(当選役グループ「赤7ビッグ」、「BARビッグ」)の場合もリーチ目が出現することがある。(6)当選役グループ「リプレイ+赤7ビッグ」があり、当該当選役グループの当選時にはリプレイが必ず揃うため、リプレイが揃ってもボーナス役の当選に期待できる。
(6)コマンド作成手段105
図6のコマンド作成手段105は、役抽選手段103の役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報、前面扉5の開閉状態に関する情報などをサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段105により生成されたコマンドは、後述するようにコマンド送信手段110によりサブ制御基板73に送信される。サブ制御基板73では、メイン制御基板63から送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段105により作成される。
(7)リール検出手段106
図6のリール検出手段106は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するものである。この場合、リール検出手段106は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
(8)図柄判定手段107
図6の図柄判定手段107は、各リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置に基づき、リール制御手段104により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるかどうかの判定を行うものであり、リール13L,13M,13Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかを判定する。
(9)払出制御手段108
図6の払出制御手段108は、図柄判定手段107による判定結果に基づき、遊技者に所定の特典(利益)を付与するものであり、図柄判定手段107により、いずれかの役に入賞したと判定されたときに、メダル払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させ、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出して遊技者に利益を付与する。また、払出制御手段108は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出数だけクレジットメダルを増加させる。
さらに、払出制御手段108は、図柄判定手段107により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定数のメダルが投入されたものとして次遊技の入賞ラインを有効とする。
(10)メダル制御手段109
図6のメダル制御手段109は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切換えるものである。
(11)コマンド送信手段110
図6のコマンド送信手段110は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段105により作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。この場合、通常遊技状態および特別遊技状態などの遊技状態、役抽選手段103の役抽選結果、図柄判定手段107による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段108によるメダルの払出状態などのスロットマシン1の状態を表す情報を含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
また、コマンド送信手段110は、投入センサ53による投入メダルの検出状態、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17の操作状態などを表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、コマンド送信手段110は、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、コマンド送信手段110は、後述する扉開閉状態検出手段111による前面扉5の開閉状態の判定結果に基づく前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
(12)扉開閉状態判定手段111
図6の扉開閉状態判定手段111は、扉センサ95からの検出信号に基づいて、前面扉5が開状態であるか、閉状態であるかを判定するものである。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について詳細に説明する。図6のサブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73は、メモリ75(図5参照)に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)コマンド受信手段200
コマンド受信手段200は、メイン制御基板63のコマンド送信手段110により送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段200は、メイン制御基板63から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段201
図6の演出内容決定手段201は、コマンド受信手段200により受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段103の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、テトラリール13Tの可動内容を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したり、テトラリールランプ部91の光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
例えば、この実施形態では、演出内容決定手段201は、コマンド受信手段200により受信したコマンドが示す役抽選手段103の役抽選結果に応じて、テトラリール13Tを用いた演出を行うか、テトラリール13Tを用いた演出を行う場合にはゲームが進行してテトラリール13Tの使用時の停止予定タイミング(この実施形態では、第3リール停止タイミングであり、本発明の「遊技が進行して可動役物の使用時の停止予定タイミング」に相当)に基づくテトラリール13Tの停止予定位置(本発明の「停止予定タイミングに基づく可動役物の停止予定位置」に相当)を含む演出内容(テトラリール13Tを正回転させたり、逆回転させたりする演出内容)を決定する。
この実施形態では、テトラリール13Tにおいて、コマ番号8のコマの中央が停止予定位置として表示窓11の中央に停止する可能性があるのは役抽選結果が当選役グループ「BARビッグ」の場合であるとする。この場合に、当選役グループ「BARビッグ」の当選時の所定の確率(第1の確率)でコマ番号8のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、それ以外の場合はコマ番号1、3、8、11、13、16以外のコマ番号のコマの中央が表示窓11の中央に停止するとする。
また、テトラリール13Tにおいて、コマ番号16のコマの中央が停止予定位置として表示窓11の中央に停止する可能性があるのは役抽選結果が当選役グループ「赤7ビッグ」の場合であるとする。この場合に、当選役グループ「赤7ビッグ」の当選時の所定の確率(第2の確率)でコマ番号16のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、それ以外の場合はコマ番号1、3、8、11、13、16以外のコマ番号のコマの中央が表示窓11の中央に停止するとする。
遊技者は、テトラリール13Tにおいて、コマ番号8のコマの中央が表示窓11の中央に停止した場合や、コマ番号16のコマの中央が表示窓11の中央に停止した場合に、当該ゲームでボーナス役に当選したことを把握して、以降のゲームで多くのメダルの獲得を期待できる。
また、テトラリール13Tにおいて、コマ番号1のコマの中央が停止予定位置として表示窓11の中央に停止する可能性があるのは役抽選結果が当選役グループ「リプレイ」、「リプレイ+赤7ビッグ」の場合であるとする。この場合に、当選役グループ「リプレイ」の当選時の所定の確率(第3の確率)でコマ番号1のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、当選役グループ「リプレイ+赤7ビッグ」の当選時の所定の確率(第4の確率)でコマ番号1のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、それ以外の場合はコマ番号1、3、8、11、13、16以外のコマ番号のコマの中央が表示窓11の中央に停止するとする。
また、テトラリール13Tにおいて、コマ番号3のコマの中央が停止予定位置として表示窓11の中央に停止する可能性があるのは役抽選結果が当選役グループ「リプレイ」、「リプレイ+赤7ビッグ」の場合であるとする。この場合に、当選役グループ「リプレイ」の当選時の所定の確率(第5の確率)でコマ番号3のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、当選役グループ「リプレイ+赤7ビッグ」の当選時の所定の確率(第6の確率)でコマ番号3のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、それ以外の場合はコマ番号1、3、8、11、13、16以外のコマ番号のコマの中央が表示窓11の中央に停止するとする。
遊技者は、図柄組合せグループ「Nリプ」の図柄が揃った場合に、テトラリール13Tにおいてコマ番号1のコマまたはコマ番号3のコマの中央が表示窓11の中央に停止した場合に、遊技者は当該ゲームでボーナス役に当選したことを期待できる。
ここで、第3〜第6の確率は、コマ番号1のコマの中央が表示窓11の中央に停止した時の当選役グループ「リプレイ+赤7ビッグ」の割合が、コマ番号3のコマの中央が表示窓11の中央に停止した時の当選役グループ「リプレイ+赤7ビッグ」の割合より高くなるように、設定されるとする。この場合、図柄組合せグループ「Nリプ」の図柄が揃った場合に、テトラリール13Tにおいて、コマ番号3のコマの中央が表示窓11の中央に停止したときよりも、コマ番号1のコマの中央が表示窓11の中央に停止したときに、遊技者は当該ゲームでボーナス役に当選したことをより期待できる。
また、テトラリール13Tにおいて、コマ番号11のコマの中央が停止予定位置として表示窓11の中央に停止する可能性があるのは役抽選結果が当選役グループ「確定チェリー+赤7ビッグ」、「確定スイカ+赤7ビッグ」、「確定スイカ+BARビッグ」、「チャンス役」、「チャンス役+赤7ビッグ」、「チャンス役+BARビッグ」の場合であるとする。この場合に、当選役グループ「確定スイカ+赤7ビッグ」の当選時の所定の確率(第7の確率)でコマ番号11のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、当選役グループ「確定スイカ+BARビッグ」の当選時の所定の確率(第8の確率)でコマ番号11のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、当選役グループ「チャンス役」の当選時の所定の確率(第9の確率)でコマ番号11のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、当選役グループ「チャンス役+赤7ビッグ」の当選時の所定の確率(第10の確率)でコマ番号11のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、当選役グループ「チャンス役+BARビッグ」の当選時の所定の確率(第11の確率)でコマ番号11のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、それ以外の場合はコマ番号1、3、8、11、13、16以外のコマ番号のコマの中央が表示窓11の中央に停止するとする。
また、テトラリール13Tにおいて、コマ番号13のコマの中央が停止予定位置として表示窓11の中央に停止する可能性があるのは役抽選結果が当選役グループ「確定チェリー+赤7ビッグ」、「確定スイカ+赤7ビッグ」、「確定スイカ+BARビッグ」、「チャンス役」、「チャンス役+赤7ビッグ」、「チャンス役+BARビッグ」の場合であるとする。この場合に、当選役グループ「確定スイカ+赤7ビッグ」の当選時の所定の確率(第12の確率)でコマ番号13のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、当選役グループ「確定スイカ+BARビッグ」の当選時の所定の確率(第13の確率)でコマ番号13のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、当選役グループ「チャンス役」の当選時の所定の確率(第14の確率)でコマ番号13のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、当選役グループ「チャンス役+赤7ビッグ」の当選時の所定の確率(第15の確率)でコマ番号11のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、当選役グループ「チャンス役+BARビッグ」の当選時の所定の確率(第16の確率)でコマ番号13のコマの中央が表示窓11の中央に停止し、それ以外の場合はコマ番号1、3、8、11、13、16以外のコマ番号のコマの中央が表示窓11の中央に停止する。
なお、演出内容決定手段201がテトラリール13Tの停止位置をコマ番号11またはコマ番号13のコマの中央が表示窓11の中央に決定した場合に、当選した当選役グループに含まれる図柄組合せグループの図柄が揃わなかった場合には、テトラリール13Tの停止位置をコマ番号1、3、8、11、13、16以外のコマ番号のコマの中央が表示窓11の中央に停止するように変更する。
遊技者は、図柄組合せグループ「チェリー」、「Nスイカ」の図柄が揃った場合に、テトラリール13Tにおいてコマ番号11のコマまたはコマ番号13のコマの中央が表示窓11の中央に停止した場合に、遊技者は当該ゲームでボーナス役に当選したことを期待できる。
ここで、第7〜第16の確率は、コマ番号13のコマの中央が表示窓11の中央に停止した時の当選役グループ「確定チェリー+赤7ビッグ」、「確定スイカ+赤7ビッグ」、「確定スイカ+BARビッグ」、「チャンス役+赤7ビッグ」、「チャンス役+BARビッグ」の割合の合計が、コマ番号11のコマの中央が表示窓11の中央に停止した時の当選役グループ「確定チェリー+赤7ビッグ」、「確定スイカ+赤7ビッグ」、「確定スイカ+BARビッグ」、「チャンス役+赤7ビッグ」、「チャンス役+BARビッグ」の割合の合計より高くなるように、設定されるとする。この場合、図柄組合せグループ「チェリー」、「Nスイカ」の図柄が揃った場合に、テトラリール13Tにおいて、コマ番号11のコマの中央が表示窓11の中央に停止したときよりも、コマ番号13のコマの中央が表示窓11の中央に停止したときに、遊技者は当該ゲームでボーナス役に当選したことをより期待できる。
なお、当選役グループ「ハズレ」の当選時にも所定の割合でテトラリール13Tを用いた演出を行って、テトラリール13Tがコマ番号1、3、8、11、13、16以外のコマ番号のコマの中央が表示窓11の中央に停止するようにしてもよい。
そして、演出内容決定手段201は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を表示制御手段202、音声制御手段203、上部・下部ランプ点灯制御手段204、テトラリール制御手段206、テトラランプ点灯制御手段207などに送信する。
(3)表示制御手段202
図6の表示制御手段202は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器27に動画表示したり、静止画を表示したりするなどの制御を行うものである。
(4)音声制御手段203
図6の音声制御手段203は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。
(5)上部・下部ランプ点灯制御手段204
図6の上部・下部ランプ点灯制御手段204は、演出内容決定手段201から送信される信号に含まれるデータに基づいて、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点灯したりするなどの演出を実行するものである。
また、上部・下部ランプ点灯制御手段204は、コマンド受信手段200が受信した前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドに基づいて、前面扉5が閉状態から開状態になったと判断した場合に、上部ランプ部33を所定期間(例えば、当該判断してから所定時間経過するまでの期間、当該判断してからコマンド受信手段200が受信した前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドに基づいて前面扉5が開状態から閉状態になったと判断するまでの期間)、所定色(例えば赤色)で発光させる制御を行うものである。
(6)テトラリール検出手段205
図6のテトラリール検出手段205は、テトラリール位置センサ93の検出信号と、テトラリールモータ14Tを駆動するテトラリールモータ14Tへの供給パルス数とに基づき、テトラリール13Tの回転位置を検出するものである。
(7)テトラリール制御手段206
図6のテトラリール制御手段206は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータとテトラリール検出手段205によるテトラリール13Tの検出位置等に基づいて、テトラリールモータ14Tの駆動を制御してテトラリール13Tの回転を制御するものである。
例えば、テトラリール制御手段206は、テトラリール13Tを使用するゲームでは、テトラリール13Tを回転させ、ゲーム中に前面扉5が開放されることなくゲームが進行してテトラリール13Tの使用時の停止予定タイミング(この実施形態では第3リール停止タイミング)になったと判断すると、テトラリール13Tの回転をテトラリール13Tの停止予定タイミングに基づくテトラリール13Tの停止予定位置で停止させる。
また、テトラリール制御手段206は、テトラリール13Tを使用しないゲームにおいて、ゲーム中に前面扉5が開放された場合には、図11を参照して後述するテトラリール13Tの初期動作を含むテトラリール13Tの回転制御を行う。また、テトラリール制御手段206は、テトラリール13Tを使用するゲームにおいて、テトラリール13Tを回転させ、例えばゲームが進行してテトラリール13Tの停止予定タイミングになる前に前面扉5が開放された場合には、図12および図13を参照して後述するテトラリール13Tの初期動作を含むテトラリール13Tの回転制御を行う。
ただし、テトラリール制御手段206は、テトラリール13Tを使用するゲームにおいて、例えば、ゲームが進行してテトラリール13Tの使用時の停止予定タイミングになると、メモリ75のテトラリール停止位置記憶部208(本発明の「遊技機に設けられた可動役物の停止位置を特定する領域」に相当)に記憶(設定)されているテトラリール13Tの特定停止位置を示す停止位置データを当該ゲームで演出内容決定手段201により決定されたテトラリール13Tの停止予定位置を示す停止位置データに更新する。つまり、テトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づいた特定停止位置は、テトラリール13Tを使用するゲームでは、停止予定タイミングになるまではテトラリール13Tの前回使用終了後の停止位置であり、停止予定タイミングになってからはテトラリール13Tの当該ゲームでの停止予定位置である。
なお、テトラリール制御手段206が本発明の「可動役物制御手段」に相当する。
なお、テトラリール制御手段206によるテトラリールモータ14Tの駆動制御によりテトラリール13Tが初期動作を行うのは、例えば、(1)電源投入時、(2)前面扉5の開放時、(3)エラー発生時、(4)清算時、(5)停止動作命令と実際の位置が所定量以上ずれている場合、(5)テトラリールモータ14Tに所定時間以上励磁指令があった場合である。
(8)テトラランプ点灯制御手段207
図6のテトラランプ点灯制御手段207は、演出内容決定手段201から送信される信号に含まれるデータに基づいて、テトラリールランプ部91の光源を一斉にあるいは個別に点灯したりするなどの演出を実行するものである。
また、テトラランプ点灯制御手段207は、コマンド受信手段200が受信した前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドに基づいて、前面扉5が閉状態から開状態になったと判断した場合に、テトラリールランプ部91を所定期間(例えば、当該判断してから所定時間経過するまでの期間、当該判断してからコマンド受信手段200が受信した前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドに基づいて前面扉5が開状態から閉状態になったと判断するまでの期間)、上部ランプ部33と同じ発光色で発光させる制御を行うものである。
(テトラリールの回転制御)
次に、テトラリール制御手段206によるテトラリール13Tの回転制御について、テトラリール13Tの不使用時に前面扉5が開放された場合と、テトラリール13Tの使用時に前面扉5が開放された場合について説明する。
(テトラリール不使用時)
まず、テトラリール13Tの不使用時に前面扉5が開放された場合におけるテトラリール13Tの回転制御について図11を参照して説明する。なお、図11の例では、ゲーム開始時のテトラリール13Tの停止位置(図6のテトラリール停止位置記憶部208に記憶(設定)されている停止位置データに基づくテトラリール13Tの特定停止位置)はコマ番号2の中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置であり、当該ゲームではテトラリール13Tを用いた演出を行わないとする。ただし、図11の例では、ゲーム開始時の特定停止位置は前回のテトラリール13Tの使用終了時の停止位置である。なお、以下では、前回のテトラリール13Tの使用終了時の停止位置を「前回停止位置」と記載する。
前面扉5が閉状態のときに、遊技者によりスタートスイッチ19が操作されることによりゲームが開始し、当該ゲームでは、演出内容決定手段201によりテトラリール13Tを用いた演出が行われないことが決定される(テトラリール13Tの不使用)。スロットマシン1では左・中・右リール13L,13M,13Rが回転する。ただし、テトラリール13Tは使用されず、テトラリール13Tはコマ番号2のコマの中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置(図6のテトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づく特定停止位置に対応、図11の例ではテトラリール13Tの前回停止位置)で停止した状態を維持する(図11(a)の点線矩形300内を参照)。
図11(a)の状態で、コマンド受信手段200が受信した前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドに基づいて前面扉5が閉状態から開状態になったとテトラリール制御手段206、上部・下部ランプ点灯制御手段204、およびテトラランプ点灯制御手段207が判断した場合、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは図11(b)に示すように初期動作を開始するとともに、上部ランプ部33およびテトラリールランプ部91はそれぞれ上部・下部ランプ点灯制御手段204およびテトラランプ点灯制御手段207による点灯制御により同色(例えば、赤色)に発光する。このテトラリール13Tの初期動作はテトラリール13Tの使用の有無及び使用時の使用状態(例えば、正回転、逆回転)に関わらず行われる。ただし、上部ランプ部33およびテトラリールランプ部91の同色発光は、例えば、点灯でもよいし、点滅でもよい。なお、図11(b)中の波線矢印301はテトラリール13Tが初期動作での回転を開始したことを示している。
テトラリール13Tの初期動作では、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは、メモリ75に設定されている規定位置データに基づいて規定位置(この実施形態では、コマ番号2のコマとコマ番号3のコマとの境界が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置;規定位置については図4参照)に向けて回転し、図11(c)の点線矩形302内に示されるように規定位置で回転を停止する。
図11(c)の状態で、コマンド受信手段200が受信した前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドに基づいて前面扉5が開状態から閉状態になったとテトラリール制御手段206が判断した場合、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは図11(d)に示すように回転を開始する。なお、図11(d)中の直線矢印303はテトラリール13Tが初期動作と異なる動作での回転を開始したことを示している。
ただし、図11の例では、テトラリール13Tが規定位置に停止した後に前面扉5が開状態から閉状態になる場合であるが、テトラリール13Tが規定位置で停止する前に前面扉5が開状態から閉状態になることもある。この場合、前面扉5が開状態から閉状態になった後もテトラリール13Tは初期動作を継続して行って規定位置で回転を停止し、停止後に回転を再開する。
なお、コマンド受信手段200が受信した前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドに基づいて前面扉5が開状態から閉状態になったと上部・下部ランプ点灯制御手段204、およびテトラランプ点灯制御手段207が判断した場合、上部・下部ランプ点灯制御手段204およびテトラランプ点灯制御手段207は上部ランプ部33およびテトラリールランプ部91の同色発光制御を終了する。
テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは、図6のテトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づく特定停止位置(図11の例ではコマ番号2の中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置であって、テトラリール13Tの前回停止位置)に向けて回転し、図11(e)の点線矩形304内に示されるように停止位置データに基づく特定停止位置で回転を停止する。
なお、図11の例では、テトラリール13Tが特定停止位置に相当する前回停止位置で停止した後、左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rが遊技者により操作されて、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。
このように、テトラリール制御手段206は、前面扉5が開状態から閉状態になると、テトラリール13Tの不使用の場合には、テトラリール13Tを規定位置からスロットマシン1がテトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づいて特定停止位置(ここでは、前回停止位置)に向けて回転し、特定停止位置(ここでは、前回停止位置)で回転を停止するように、テトラリールモータ14Tの駆動を制御することによってテトラリール13Tの回転を制御する。
ただし、図11のようにテトラリール13Tの不使用時に前面扉5が開放された場合には、テトラリール停止位置記憶部208に記憶されているテトラリール13Tの特定停止位置を示す停止位置データが更新されない。
なお、ゲームが行われていない場合に、前面扉5が閉状態から開状態となり、また、開状態から閉状態になった場合、テトラリール13Tの回転制御、上部ランプ部33の点灯制御、テトラリールランプ部91の点灯制御に関しては、図11を用いて説明した内容と同様である。
(テトラリール使用時)
次に、テトラリール13Tの使用時に、ゲームが進行してテトラリール13Tの使用時の停止予定タイミングに到達する前に前面扉5が開放された場合におけるテトラリール13Tの回転制御について図12および図13を参照して説明する。なお、図12および図13の例では、ゲーム開始時のテトラリール13Tの停止位置(図6のテトラリール停止位置記憶部208に記憶(設定)されている停止位置データに基づくテトラリール13Tの特定停止位置)はコマ番号2の中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置であり、当該ゲームではテトラリール13Tを用いた演出を行ってテトラリール13Tの停止予定位置はコマ番号12の中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置であるとする。ただし、図12および図13の例では、ゲーム開始時の特定停止位置は前回のテトラリール13Tの使用終了時の停止位置である。なお、図12および図13の例において、表示窓11内の○は左・中・右リール13L,13M,13Rが停止していることを示している。
ゲームが図12(a)の状態で終了する。図12および図13の例では、テトラリール13Tの停止位置は図12(a)の点線矩形400内に示すようにコマ番号2の中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置であり、この停止位置(スロットマシン1が図12(a)の状態にある場合には特定停止位置に相当)にテトラリール13Tを停止させるための停止位置データが図6のテトラリール停止位置記憶部208に記憶されている。
前面扉5が閉状態のときに、遊技者によりスタートスイッチ19が操作されることによりゲームが開始し、当該ゲームでは、演出内容決定手段201によりテトラリール13Tを用いた演出を行うことが決定され(テトラリール13Tの使用)、テトラリール13Tの停止予定位置がコマ番号12のコマの中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置であると決定される。スロットマシン1では左・中・右リール13L,13M,13Rが回転するとともに、テトラリール制御手段206によるテトラリールモータ14Tの駆動制御によりテトラリール13Tが回転する。この状態が図12(b)に示されている。なお、図12(b)中の直線矢印401はテトラリール13Tが演出のための回転中であることを示している。
図12(b)の状態で、テトラリール13Tの使用時の停止予定タイミング(この実施形態では、第3リール停止タイミング)に到達する前に、コマンド受信手段200が受信した前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドに基づいて前面扉5が閉状態から開状態になったとテトラリール制御手段206、上部・下部ランプ点灯制御手段204、およびテトラランプ点灯制御手段207が判断した場合、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは図12(c)に示すように初期動作を開始するとともに、上部ランプ部33およびテトラリールランプ部91はそれぞれ上部・下部ランプ点灯制御手段204およびテトラランプ点灯制御手段207による点灯制御により同色(例えば、赤色)に発光する。このテトラリール13Tの初期動作はテトラリール13Tの使用の有無及び使用時の使用状態(例えば、正回転、逆回転)に関わらず行われる。ただし、上部ランプ部33およびテトラリールランプ部91の同色発光は、例えば、点灯でもよいし、点滅でもよい。なお、図12(c)中の波線矢印402はテトラリール13Tが初期動作での回転を開始したことを示している。
テトラリール13Tの初期動作では、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは、メモリ75に設定されている規定位置データに基づいて規定位置(この実施形態では、コマ番号2のコマとコマ番号3のコマとの境界が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置;規定位置については図4参照)に向けて回転し、図12(d)の点線矩形403内に示されるように規定位置で停止する。
図12(d)の状態で、コマンド受信手段200が受信した前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドに基づいて前面扉5が開状態から閉状態になったとテトラリール制御手段206が判断した場合、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは図12(e)に示すように回転を開始する。なお、図12(e)中の直線矢印404はテトラリール13Tが初期動作と異なる動作での回転を開始したことを示している。
ただし、図12および図13の例では、テトラリール13Tが規定位置に停止した後に前面扉5が開状態から閉状態になる場合であるが、テトラリール13Tが規定位置で停止する前に前面扉5が開状態から閉状態になることもある。この場合、前面扉5が開状態から閉状態になった後もテトラリール13Tは初期動作を継続して行って規定位置で回転を停止し、停止後に回転を再開する。
なお、コマンド受信手段200が受信した前面扉5の開閉状態を表すデータを含むコマンドに基づいて前面扉5が開状態から閉状態になったと上部・下部ランプ点灯制御手段204、およびテトラランプ点灯制御手段207が判断した場合、上部・下部ランプ点灯制御手段204およびテトラランプ点灯制御手段207は上部ランプ部33およびテトラリールランプ部91の同色発光制御を終了する。
この図12および図13の例では、図6のテトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づく特定停止位置はゲーム開始後に更新されておらず前回停止位置であり、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは、図6のテトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づく特定停止位置(図12および図13の例ではコマ番号2の中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置)に向けて回転し、図12(f)の点線矩形405内に示されるように停止位置データに基づく特定停止位置で回転を停止する。
テトラリール制御手段206により、テトラリール停止位置記憶部208に記憶されているテトラリール13Tの停止位置データに基づく特定停止位置と、ゲームが進行してテトラリール13Tの使用時の停止予定タイミング(図12および図13の例では第3リール停止タイミング)に基づくテトラリール13Tの停止予定位置(演出内容決定手段201によって決定された当該ゲームでのテトラリール13Tの停止位置であって、図12および図13の例では、コマ番号12の中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置)とが同じであるか異なるかが判断され、図12および図13の例では両者は異なると判断される。
なお、テトラリール停止位置記憶部208に記憶されているテトラリール13Tの停止位置データに基づく特定停止位置と停止予定位置が同じである場合には、例えば、当該ゲームではテトラリール13Tが特定停止位置(つまり、停止予定位置)に停止した以降は回転動作を行わないようにしてもよい。
ゲームが進行して第3リール停止タイミング(本発明の「遊技が進行して可動役物の使用時の停止タイミング」に相当)になったときに、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは図13(g)に示すように初期動作を開始する。なお、図13(g)中の波線矢印406はテトラリール13Tが初期動作での回転を開始したことを示している。
テトラリール13Tの初期動作では、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは、メモリ75に設定されている規定位置データに基づいて規定位置(この実施形態では、コマ番号2のコマとコマ番号3のコマとの境界が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置;規定位置については図4参照)に向けて回転し、図13(h)の点線矩形407内に示されるように規定位置で停止する。
テトラリール13Tが規定位置で停止し、例えば予め定められた時間が経過した後、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは図13(i)に示すように回転を開始する。なお、図13(i)中の直線矢印408はテトラリール13Tが初期動と異なる動作での回転を開始したことを示している。
テトラリール制御手段206はテトラリール13Tの使用時の停止予定タイミング(図12および図13の例では第3リール停止タイミング)にテトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づく特定停止位置が当該ゲームでの停止予定位置になるように当該停止位置データを更新しており、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの制御により、テトラリール13Tは、テトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づく特定停止位置としての停止予定位置(図12および図13の例ではコマ番号12の中央が表示窓11の上下方向の中央に一致する位置)に向けて回転し、図13(j)の点線矩形409内に示されるように停止予定位置で回転を停止する。
このように、テトラリール制御手段206は、前面扉5が開状態から閉状態になると、テトラリール13Tの使用時における当該使用時の停止予定タイミングである特定の遊技進行状態に達していない場合には、テトラリール13Tを規定位置からスロットマシン1がテトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づいて特定停止位置(ここでは、前回停止位置)に向けて回転し、特定停止位置(ここでは、前回停止位置)で回転を停止するように、テトラリールモータ14Tの駆動を制御することによってテトラリール13Tの回転を制御する。
なお、図12および図13の例では、テトラリール13Tの使用時の停止予定タイミング(図12および図13の例では第3リール停止タイミング)になる前に前面扉5が閉状態から開状態になる場合であるが、テトラリール13Tの使用時の停止予定タイミング(図12および図13の例では第3リール停止タイミング)になってからテトラリール13Tが停止予定位置で停止するまでに前面扉5が閉状態から開状態になる場合がある。
この場合、テトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づく特定停止位置はテトラリール13Tの使用時の停止予定タイミング(図12および図13の例では第3リール停止タイミング)に前回停止位置から当該ゲームでの停止予定位置に更新されている。したがって、テトラリール13Tは、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの駆動制御により、前面扉5が閉状態から開状態になった場合に初期動作を開始して初期動作で規定位置に向けて回転して当該規定位置で回転を停止し、前面扉5が開状態から閉状態になるとテトラリール14Tは回転を開始し、テトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づいた特定停止位置(ここでは、前回停止位置ではなくて、当該ゲームでの停止予定位置)に向けて回転し、特定停止位置(ここでは、当該ゲームでの停止予定位置)で停止する。
また、テトラリール13Tの使用時の停止予定タイミングが第3リール停止タイミングでなくて、例えば、スタートスイッチ19の操作タイミングであってもよく、この場合にテトラリール13Tが回転開始後所定時間経過後に回転を停止するようにしてもよい。
この場合、テトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づく特定停止位置はテトラリール13Tの使用時の停止予定タイミング(ここでは、スタートスイッチ19の操作タイミング)で前回停止位置から当該ゲームでの停止予定位置に更新されている。したがって、テトラリール13Tは、テトラリール制御手段206のテトラリールモータ14Tの駆動制御により、前面扉5が閉状態から開状態になった場合に初期動作を開始して初期動作で規定位置に向けて回転して当該規定位置で回転を停止し、前面扉5が開状態から閉状態になるとテトラリール14Tは回転を開始し、テトラリール停止位置記憶部208に記憶されている停止位置データに基づいた特定停止位置(ここでは、前回停止位置ではなくて、当該ゲームでの停止予定位置)に向けて回転し、特定停止位置(ここでは、当該ゲームでの停止予定位置)で停止する。
したがって、上記した実施形態によれば、前面扉5が閉状態から開状態になるとテトラリール13Tは初期動作を開始して当該初期動作で規定位置に停止し、前面扉5が開状態から閉状態になるとテトラリール13Tは特定停止位置に向けて可動して特定停止位置で可動を停止するようになっており、スロットマシン1は規定位置とテトラリール13Tを特定停止位置に停止させるための停止位置データを用いるだけでよくなる。これにより、スロットマシン1の処理負担の増大を招くことなくテトラリール13Tを用いた遊技性を損なわないようにすることができる。
また、テトラリール13Tに異常な可動があった場合でも、前面扉5を開け閉めだけでテトラリール13Tは初期動作を行うため、前面扉5の開け閉めという簡単な作業でテトラリール13Tの不具合を解消することができる。
また、特定停止位置と停止予定位置とが異なる場合には、テトラリール13Tが特定停止位置で回転を停止した後、テトラリール13Tは再度初期動作を行って当該初期動作で規定位置に停止してから停止予定位置に向けて回転して当該停止予定位置で回転を停止するため、テトラリール13Tの回転が異常であるとの遊技者の誤解を招くことを防止することができる。
また、前面扉5が閉状態から開状態になった場合の上部ランプ部33の発光色とテトラリールランプ部91の発光色と同色にすることにより、前面扉5が開状態であることを容易に把握することができる。
また、テトラリール13Tが初期動作で停止する規定位置とテトラリール13Tの使用状態後に停止する可能性がある位置とが異なることにより、遊技者はテトラリール13Tが初期動作で停止したことを容易に把握することができ、テトラリール13Tの回転が異常であるとの遊技者の誤解を招くことを防止することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記した実施形態では、可動役物がテトラリール13Tであるが、これに限定されるものではなく、例えば、前面扉5に取り付けられた可動役物等であってもよい。
なお、テトラリール13Tの停止位置を記憶する領域だけでなく、テトラリール13Tの演出として用いられるテトラリールランプ部91の演出態様データについても記憶する領域をメモリ75に設けておき、前面扉5が開状態から閉状態となったときに、演出態様データ用の記憶領域に記憶されている演出態様データに基づいてテトラリールランプ部91の点灯等の制御を行ってもよい。これにより、テトラリールランプ部91の動作確認も併せて行うことができる。ただし、演出内容決定手段201がテトラリールランプ部91を用いた演出を行うと決定したゲームにおいて、演出態様データ用の記憶領域の記憶内容を当該ゲームで演出内容決定手段201により決定されたテトラリールランプ部91の演出内容用の演出態様データに更新するタイミングは、例えば、テトラリール停止位置記憶部208の記憶内容の更新タイミングと同じであり、演出内容決定手段201がテトラリールランプ部91を用いた演出を行わないことを決定したゲームでは演出態様データ用の記憶領域の記憶内容の更新は行われない。なお、前面扉5が開状態から閉状態となったときのテトラリールランプ部91の点灯等以外の通常のランプ演出は、演出態様データ用の記憶領域の記憶内容の更新後に行われる。
また、上記した実施形態では、遊技機がスロットマシン1であるが、これに限定されるものではなく、例えばパチンコ遊技機や、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせた所謂パロットであってもよい。
また、上記した実施形態や上記した変形例等の内容を適宜組み合わせることができる。
そして、本発明は、前面に開口を有する筐体と、前記開口を開閉可能に設けられる前面扉とを備えるとともに、可動役物と前記可動役物の可動を制御する可動役物制御手段とを備える遊技機に広く適用することができる。