<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれが図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルがベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲームに相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、投入可能時であればホッパ装置53へ導かれ、投入不可時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上にメダルの付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57と、を備えている。
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図3には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ1」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「リプレイ2」図柄(例えば、左リール32Lの11番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「リプレイ3」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の9種類がある。そして、図3に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
図4は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだラインである。規定数のメダルがベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、メダルの払い出しという特典、再遊技という特典及び遊技状態の移行という特典のいずれかが付与される。
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインではなく、折り曲げラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL4と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL5といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。なお、メインラインMLは1本に限定されることはなく2本、3本、4本又は5本以上であってもよく、このようにメインラインMLが複数設定されている構成においてはベット枚数に応じて有効化されるメインラインMLの数が相違する構成としてもよい。また、メインラインMLが折れ曲がりラインである構成に限定されることはなく、一直線に延びるラインであってもよい。
以下、図5〜図7を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図5は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図であり、図6(a)〜図6(g)及び図7(a)〜図7(g)は各入賞が発生した場合の停止図柄の態様を説明するための説明図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1〜第12補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞がある。
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1補填入賞〜第9補填入賞のいずれかとなる。また、メインラインML上において左から「赤7」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第10補填入賞となり、メインラインMLにおいて左から「BAR」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第11補填入賞となり、メインラインMLにおいて左から「スイカ」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第12補填入賞となる。第1補填入賞〜第12補填入賞のいずれかとなった場合、3枚ベット時であれば1枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1ベル入賞となる。第1ベル入賞となった場合、3枚ベット時であれば4枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
第1ベル入賞となる場合、図6(a)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。遊技者は、同一の図柄の組合せが一直線のライン上に停止表示されると入賞が成立したと認識し易い。この場合に、第1ベル入賞に際して同一の「ベル」図柄の組合せを停止表示させることにより、メインラインMLにおける入賞成立態様の多様化を図った構成において入賞の発生を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2ベル入賞となる。第2ベル入賞となった場合、3枚ベット時であれば9枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
第2ベル入賞となる場合、図6(b)に示すように、右上がりのサブラインSL5において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第2ベル入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL5であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1ベル入賞と第2ベル入賞とを区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。第1スイカ入賞となった場合、3枚ベット時であれば4枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
第1スイカ入賞となる場合、図6(c)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となり得る。これにより、第1スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32Lの停止タイミングによっては「スイカ」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。なお、「チェリー」図柄が上段、中段又は下段を通過するタイミングで左リール32Lを停止操作する場合には、第1スイカ入賞に際して、サブラインSL1にて「スイカ」図柄の組合せが停止表示される。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄及び「赤7」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第2スイカ入賞となった場合、3枚ベット時であれば4枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
第2スイカ入賞となる場合、図6(d)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となる。これにより、第2スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL4であり、第1スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1スイカ入賞と第2スイカ入賞とを区別させることが可能となる。
メダル(又は仮想メダル)をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1ベルリプレイ入賞、第2ベルリプレイ入賞、第1チェリーリプレイ入賞、第2チェリーリプレイ入賞、第1BARリプレイ入賞、第2BARリプレイ入賞、第1特殊リプレイ入賞、第2特殊リプレイ入賞、第3特殊リプレイ入賞、第1特別リプレイ入賞、第2特別リプレイ入賞及び第3特別リプレイ入賞がある。
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、通常リプレイ入賞となる。
通常リプレイ入賞となる場合、図6(e)に示すように、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかとなる。これにより、通常リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1ベルリプレイ入賞となる。
第1ベルリプレイ入賞となる場合、図6(f)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第1ベルリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第1ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4及び第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL5とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1ベルリプレイ入賞を第1ベル入賞及び第2ベル入賞に対して区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「赤7」図柄及び「BAR」図柄のいずれかである場合、第2ベルリプレイ入賞となる。
第2ベルリプレイ入賞となる場合、図6(g)に示すように、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第2ベルリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL3であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4、第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL5及び第1ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL2とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第2ベルリプレイ入賞を第1ベル入賞、第2ベル入賞及び第1ベルリプレイ入賞に対して区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1チェリーリプレイ入賞となる。
第1チェリーリプレイ入賞となる場合、図7(a)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第1チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32L又は右リール32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第1チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置66にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL1において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2チェリーリプレイ入賞となる。
第2チェリーリプレイ入賞となる場合、図7(b)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第2チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第2チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置66にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL2において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。また、第2チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1チェリーリプレイ入賞と第2チェリーリプレイ入賞とを区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「BAR」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第1BARリプレイ入賞となる。
第1BARリプレイ入賞となる場合、図7(c)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「BAR」図柄となり得る。これにより、第1BARリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「BAR」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。所定の遊技状態下において第1BARリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置66にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「BAR」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「BAR」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が所定の順序で停止操作されることにより、サブラインSL4において3個の「BAR」図柄が停止表示され得る。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「BAR」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ2」図柄である場合、第2BARリプレイ入賞となる。
第2BARリプレイ入賞となる場合、図7(d)に示すように、右上がりのサブラインSL5において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「BAR」図柄となり得る。これにより、第2BARリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「BAR」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。所定の遊技状態下において第2BARリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置66にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「BAR」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「BAR」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が所定の順序で停止操作されることにより、サブラインSL5において3個の「BAR」図柄が停止表示され得る。また、第2BARリプレイ入賞に際して「BAR」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL5であり、第1BARリプレイ入賞に際して「BAR」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1BARリプレイ入賞と第2BARリプレイ入賞とを区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1特殊リプレイ入賞となる。なお、第1特殊リプレイ入賞となるか否かに関して、中リール32Mの停止図柄は任意である。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第2特殊リプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第3特殊リプレイ入賞となる。
メインラインML上において中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第1特別リプレイ入賞となる。なお、第1特別リプレイ入賞となるか否かに関して、左リール32Lの停止図柄は任意である。
第1特別リプレイ入賞となる場合、図7(e)に示すように、右下がりのサブラインSL1及び右上がりのサブラインSL5のそれぞれにおいて各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「白7」図柄となり得る。これにより、第1特別リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「白7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第1特別リプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置66にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「白7」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「白7」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL1において3個の「白7」図柄が停止表示され得る。なお、当該演出は、第1特別リプレイ入賞に対応した役に当選していない場合にも実行され得る。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄及び「リプレイ1」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第2特別リプレイ入賞となる。
第2特別リプレイ入賞となる場合、図7(f)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「白7」図柄となり得る。また、これ以外にも、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「白7」図柄となり得る。これにより、第2特別リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「白7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第2特別リプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置66にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「白7」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「白7」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL2又はサブラインSL4において3個の「白7」図柄が停止表示され得る。また、第2特別リプレイ入賞に際して「白7」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2又はサブラインSL4であり、第1特別リプレイ入賞に際して「白7」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1及びサブラインSL5とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1特別リプレイ入賞と第2特別リプレイ入賞とを区別させることが可能となる。なお、当該演出は、第2特別リプレイ入賞に対応した役に当選していない場合にも実行され得る。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第3特別リプレイ入賞となる。
第3特別リプレイ入賞となる場合、図7(g)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「赤7」図柄となり得る。これにより、第3特別リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「赤7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第3特別リプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置66にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「赤7」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「赤7」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL4において3個の「赤7」図柄が停止表示され得る。なお、当該演出は、第3特別リプレイ入賞に対応した役に当選していない場合にも実行され得る。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、メダルを3枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら、3枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。また、メダルを2枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら、2枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、CB(チャレンジボーナス)入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
CB状態とは、メインラインMLで小役入賞に対応した図柄の組合せが停止すると、当選役の有無に関わらず入賞成立としてメダルの払い出しが行われる遊技状態である。例えば、第1ベル入賞に対応した当選フラグに「1」がセットされていない場合であっても、第1ベル入賞に対応した図柄の組合せがメインラインML上に停止すると、当該第1ベル入賞に対応した枚数のメダルが遊技者に付与される。一方、リプレイ入賞に関しては、抽選で対応する役に当選していることを条件として成立する。
CB状態では、CB状態ではない非CB状態とは異なるリール制御が行われる。非CB状態では、ストップボタン42〜44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が、各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、非CB状態では、ストップボタン42〜44が操作されてから規定時間(190msec)が経過するまでに停止させるリール制御が、各リール32L,32M,32Rについて行われるとも言える。一方、CB状態では、中リール32Mと右リール32Rについて上記リール制御、すなわち通常ゲームと同様のリール制御が行われるが、左リール32Lについて上記リール制御が行われない。左リール32Lについては、左ストップボタン42を操作されてから最大1図柄分までしか滑らせないリール制御が行われる。換言すれば、CBゲーム状態では、左ストップボタン42が操作されてから規定時間より短い規定時間(75msec)が経過するまでに停止させるリール制御が、左リール32Lについて行われるとも言える。
CB状態では、リプレイ入賞に対応した役に当選している場合にはリプレイ入賞が優先され、リプレイ入賞が不可であればいずれかの小役入賞が100%で発生する。また、リプレイ入賞に対応した役に当選していない場合にはいずれかの小役入賞が100%で発生する。この場合に、CB状態では、各ゲームのベット枚数が2枚に定められる。既に説明したとおりベット枚数が2枚である場合、いずれの小役入賞が成立したとしてもメダルの払い出し枚数は2枚となる。したがって、CB状態では小役入賞成立時のメダルの払い出し枚数は2枚のみとなる。また、CB状態においてリプレイ入賞が成立した場合、次のゲームにおけるベット枚数は2枚となる。したがって、CB状態では2枚ベットされた各ゲームにおいて2枚のメダルの払い出し及び2枚ベット状態での再遊技のいずれかが発生することとなり、CB状態においては遊技者の所有メダルの増減が発生しない。当該CB状態は、小役入賞が19回発生した場合に終了する。
なお、CBゲームにおいて、最大1図柄分までしか滑らないリール制御は、左リール32Lに限定されるものではなく、最初に操作されたストップボタンに対応したリールについて最大1図柄分までしか滑らない制御が行われてもよく、予め定められたリールについてのみ最大1図柄分しか滑らないリール制御が行われてもよい。さらには、2番目に操作されたストップボタン又は最後に操作されたストップボタンに対応したリールについて最大1図柄分までしか滑らないリール制御が行われるといったように、ある順番目に操作されたストップボタンに対応したリールについて最大1図柄分しか滑らないリール制御が行われてもよい。
<各種報知及び各種演出を実行するための装置>
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ64及びスピーカ65が設けられているとともに画像表示装置66が設けられている。上部ランプ64は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ64は、画像表示装置66における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ65は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ65は、画像表示装置66における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
画像表示装置66は表示面を有しており、スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置66は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面にて表示されるように表示制御される。
<各種制御装置>
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。
具体的には、図2に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主基板が基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスを開放する場合には、締結状態を解除する必要があり、当該締結状態の解除に際して破壊箇所が生じることとなる。当該破壊箇所の有無を確認することで、基板ボックスが開放されたか否かを簡易的に確認することが可能となる。
スロットマシン10には、主制御装置70以外にもサブ制御装置80が設けられている。サブ制御装置80は、前面扉12において画像表示装置66の後方に重ねて配置されている。サブ制御装置80は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66の制御を実行する。なお、サブ制御装置80は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図8のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70は、遊技の主たる制御を司る主制御基板71を具備している。主制御基板71には、MPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路75と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、リセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ56a、設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ57a等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、ホッパ装置53の払出モータ及びサブ制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われるとともに、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御がMPU72により行われる。また、サブ制御装置80には、各ゲームの各タイミングでMPU72からコマンドが送信される。
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
サブ制御装置80は、各種報知や各種演出の実行制御を実行するためのサブ制御基板81を具備している。サブ制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路85と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給され、当該バックアップ電力が供給されている状況(例えば1日や2日)ではRAM84においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM84に記憶保持されているデータは初期化される。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。
MPU82の出力側には、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66が接続されている。MPU82は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ64の発光制御、スピーカ65の音出力制御、及び画像表示装置66の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、サブ制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84をそれぞれサブ側MPU82、サブ側ROM83及びサブ側RAM84という。
<主側MPU72及びサブ側MPU82により実行される処理>
次に、主側MPU72及びサブ側MPU82により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72にて実行される基本的な処理の内容について説明する。
かかる主側MPU72の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されたメイン処理の実行後に繰り返し実行される通常処理と、当該通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後、通常処理を説明する。
<タイマ割込み処理>
図9は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS102では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS103に進み、停電時処理を実行する。
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74に保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドをサブ制御装置80へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS112では、先のステップS101にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS113にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について図10のフローチャートに基づき説明する。
ステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、開始待ち処理を実行する。開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかのリプレイ入賞が発生したか否かを判定する。いずれかのリプレイ入賞が発生していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。いずれのリプレイ入賞も発生していなかった場合には、精算ボタン51が操作されたか否かを判定し、精算ボタン51が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン51が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン47〜49の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン47〜49の操作との両方が行われていない場合にはそのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS203ではメダルのベット数が規定数(本実施の形態では「3」又は「2」)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS202の開始待ち処理に戻る。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS204にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。
スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS202の開始待ち処理に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、ステップS205にてセレクタ52を制御することによりベット受付を禁止する。その後、ステップS206にて、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行し、ステップS207にて、各リール32L,32M,32Rを駆動制御するためのリール制御処理を実行する。
その後、ステップS208にて、メダル払出処理を実行する。メダル払出処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した枚数のメダル又は仮想メダルを遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合には主側RAM74に設けられた仮想メダル用エリアに今回の小役入賞に対応した値を加算し、仮想メダル用エリアの値が最大値に達している場合にはその最大値を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
その後、ステップS209にて、CB状態を制御するためのCB状態処理を実行する。CB状態処理では、CB中状態ではない場合には、CB役に当選している状況においてCB入賞が成立したことを条件にCB状態フラグに「1」をセットすることでCB中状態を開始させる。また、CB中状態の開始に際して、主側RAM74に設けられたCB中カウンタに「19」をセットする。CB中カウンタは、CB中状態において発生した小役入賞の回数がCB終了条件回数に達したか否かを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。また、主側RAM74に設けられたベット規定数カウンタに「2」をセットする。これにより、通常処理のステップS203では、ベット数が「2」であるか否かが判定されることとなる。したがって、ベット数が「2」に達していないとスタートレバー41の操作が無効化されるとともに、3枚以上のベットが不可となる。また、CB中状態が開始されたことを示すデータを含むCB開始コマンドをサブ制御装置80への出力対象としてセットする。これにより、サブ側MPU82ではCB中状態に対応した演出が実行されるようにスピーカ65及び画像表示装置66などを制御する。
一方、CB中状態である場合には、小役入賞が成立した場合にCB中カウンタの値を1減算する。そして、CB中カウンタの値が「0」となっている場合にはCB状態フラグを「0」クリアすることでCB中状態を終了させる。この場合、主側RAM74のベット規定数カウンタに「3」をセットする。これにより、通常処理のステップS203では、ベット数が「3」であるか否かが判定されることとなる。したがって、ベット数が「3」に達していないとスタートレバー41の操作が無効化されるとともに、4枚以上のベットが不可となる。また、CB中状態が終了したことを示すデータを含むCB終了コマンドをサブ制御装置80への出力対象としてセットする。これにより、サブ側MPU82では、スピーカ65及び画像表示装置66などにおけるCB中状態に対応した演出を終了させる。
ステップS209にてCB状態処理を実行した後は、ステップS210にてフリーズ処理を実行した後に、ステップS201の処理に戻る。
<抽選処理>
図11は、通常処理(図10)におけるステップS206の抽選処理を示すフローチャートである。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す。本スロットマシン10では、主側MPU72において抽選テーブルが相違する遊技状態として、CB非内部状態と、CB内部後状態と、CB中状態との3種類が存在している。CB非内部状態とは、CB中状態ではない状態であってCB当選フラグに「1」がセットされていない状態であり、CB内部後状態とは、CB中状態ではない状態であってCB当選フラグに「1」がセットされている状態である。
ステップS302では、主側RAM74に設けられた遊技状態に対応したフラグの内容に基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。具体的には、現在の遊技状態がCB非内部状態である場合には非内部状態用抽選テーブルを選択し、現状の遊技状態がCB内部後状態である場合には内部後状態用抽選テーブルを選択し、現状の遊技状態がCB状態である場合にはCB状態用抽選テーブルを選択する。
また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。内部後状態用抽選テーブルは6段階の設定状態に1対1で対応させて用意されており、ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い内部後状態用抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い内部後状態用抽選テーブルを選択する。一方、非内部状態用抽選テーブル及びCB用抽選テーブルは全ての設定状態に共通となるように1種類のみ用意されている。
各抽選テーブルについて説明する。まず図12の説明図を参照しながら、非内部状態用抽選テーブルについて説明する。なお、以下の説明では図14の説明図を適宜参照する。
非内部状態用抽選テーブルには、図12に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
具体的には、IV=1には、第2ベル当選データと、第1補填当選データと、第5補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=1で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
IV=2には、図12に示すように、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=2で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
IV=3には、図12に示すように、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第6補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。IV=3で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
IV=4には、図12に示すように、第2ベル当選データと、第3補填当選データと、第5補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。IV=4で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
IV=5には、図12に示すように、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第3補填当選データと、第4補填当選データと、第5補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=5で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、IV=1〜4の場合よりも低い。
IV=6には、図12に示すように、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第6補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=6で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、IV=1〜4の場合よりも低い。
IV=7には、図12に示すように、第1スイカ当選データと、第2スイカ当選データと、第10補填当選データと、第11補填当選データと、第12補填当選データとが設定されている。IV=7で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第1スイカ入賞又は第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第10補填入賞、第11補填入賞及び第12補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第10補填入賞、第11補填入賞及び第12補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
IV=8には、図12に示すように、通常リプレイ当選データが設定されている。IV=8で当選となった場合、図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に発生する。
IV=9には、図12に示すように、CB当選データが設定されている。IV=9で当選となった場合、各リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくCB入賞が発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、CB入賞が発生しない可能性がある。
非内部状態用抽選テーブルが選択される場合、IV=1の際に当選となる確率、IV=2の際に当選となる確率、IV=3の際に当選となる確率、IV=4の際に当選となる確率は、それぞれ約1/9.3であり、IV=5の際に当選となる確率、及びIV=6の際に当選となる確率は、それぞれ約1/11.6であり、IV=7の際に当選となる確率は約1/66.7であり、IV=8の際に当選となる確率は約1/7であり、IV=9の際に当選となる確率は約1/4.3である。
次に、図13の説明図を参照しながら、内部後状態用抽選テーブルについて説明する。なお、以下の説明では図14の説明図を適宜参照する。
内部後状態用抽選テーブルには、図13に示すように、非内部状態用抽選テーブルと同様に、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
IV=1〜8に設定されている当選データは、非内部状態用抽選テーブルの場合と同様である。
IV=9には、通常リプレイ当選データと、第1BARリプレイ当選データと、第1特殊リプレイ当選データと、第3特殊リプレイ当選データとが設定されている。IV=9で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が左リール32L又は中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。それ以外の場合には、第1BARリプレイ入賞、第1特殊リプレイ入賞又は第3特殊リプレイ入賞が発生する。IV=9で当選となり右リール32Rが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第1BARリプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第1BARリプレイ入賞の発生が優先され、第1BARリプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1特殊リプレイ入賞又は第3特殊リプレイ入賞が発生する。
IV=10には、図13に示すように、通常リプレイ当選データと、第2BARリプレイ当選データと、第1特殊リプレイ当選データとが設定されている。IV=10で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が左リール32L又は中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。それ以外の場合には、第2BARリプレイ入賞又は第1特殊リプレイ入賞が発生する。IV=10で当選となり右リール32Rが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2BARリプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2BARリプレイ入賞の発生が優先され、第2BARリプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1特殊リプレイ入賞が発生する。
IV=11には、図13に示すように、第1ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データとが設定されている。IV=11で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第1ベルリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1チェリーリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。
IV=12には、図13に示すように、第2ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データと、第1特殊リプレイ当選データとが設定されている。IV=12で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第2ベルリプレイ入賞又は第1特殊リプレイ入賞が発生する。この場合、第2ベルリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1特殊リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=12で当選となり左リール32Lが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2ベルリプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2ベルリプレイ入賞の発生が優先され、第2ベルリプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1特殊リプレイ入賞が発生する。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第1チェリーリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。
IV=13には、図13に示すように、第1ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データと、第2特別リプレイ当選データと、第3特別リプレイ当選データとが設定されている。IV=13で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第1ベルリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。それ以外の場合には、第1チェリーリプレイ入賞、第2特別リプレイ入賞又は第3特別リプレイ入賞が発生する。この場合、第2特別リプレイ入賞及び第3特別リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1チェリーリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=13で当選となり中リール32M又は右リール32Rが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2特別リプレイ入賞又は第3特別リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2特別リプレイ入賞又は第3特別リプレイ入賞の発生が優先され、第2特別リプレイ入賞及び第3特別リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1チェリーリプレイ入賞が発生する。
IV=14には、図13に示すように、第2ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データと、第1特殊リプレイ当選データと、第2特別リプレイ当選データとが設定されている。IV=14で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第2ベルリプレイ入賞又は第1特殊リプレイ入賞が発生する。この場合、第2ベルリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1特殊リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=14で当選となり左リール32Lが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2ベルリプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2ベルリプレイ入賞の発生が優先され、第2ベルリプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1特殊リプレイ入賞が発生する。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第1チェリーリプレイ入賞又は第2特別リプレイ入賞が発生する。この場合、第2特別リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1チェリーリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=14で当選となり中リール32M又は右リール32Rが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2特別リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2特別リプレイ入賞の発生が優先され、第2特別リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1チェリーリプレイ入賞が発生する。
IV=15には、図13に示すように、第2ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データと、第1特殊リプレイ当選データと、第1特別リプレイ当選データとが設定されている。IV=15で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第2ベルリプレイ入賞又は第1特殊リプレイ入賞が発生する。この場合、第2ベルリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1特殊リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=15で当選となり左リール32Lが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2ベルリプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2ベルリプレイ入賞の発生が優先され、第2ベルリプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1特殊リプレイ入賞が発生する。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第1チェリーリプレイ入賞又は第1特別リプレイ入賞が発生する。この場合、第1特別リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1チェリーリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=15で当選となり中リール32M又は右リール32Rが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第1特別リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第1特別リプレイ入賞の発生が優先され、第1特別リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1チェリーリプレイ入賞が発生する。
IV=16には、図13に示すように、第1チェリーリプレイ当選データが設定されている。IV=16で当選となった場合、図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
IV=17には、図13に示すように、第2チェリーリプレイ当選データが設定されている。IV=17で当選となった場合、図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第2チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
IV=18には、図13に示すように、第1特殊リプレイ当選データと、第2特殊リプレイ当選データとが設定されている。IV=18で当選となった場合、図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1特殊リプレイ入賞又は第2特殊リプレイ入賞が発生する。この場合、第2特殊リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1特殊リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=18で当選となった場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2特殊リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2特殊リプレイ入賞の発生が優先され、第2特殊リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1特殊リプレイ入賞が発生する。
内部後状態用抽選テーブルが選択される場合、IV=1の際に当選となる確率、IV=2の際に当選となる確率、IV=3の際に当選となる確率、IV=4の際に当選となる確率は、それぞれ約1/9.3であり、IV=5の際に当選となる確率、及びIV=6の際に当選となる確率は、それぞれ約1/11.6であり、IV=7の際に当選となる確率は約1/66.7であり、IV=8の際に当選となる確率は約1/3.5であり、IV=9の際に当選となる確率は約1/21.8であり、IV=10の際に当選となる確率は約1/85.6であり、IV=11の際に当選となる確率は約1/65であり、IV=12の際に当選となる確率は約1/135であり、IV=13の際に当選となる確率は約1/3277であり、IV=14の際に当選となる確率は約1/1456であり、IV=15の際に当選となる確率は約1/1456であり、IV=16の際に当選となる確率は約1/212であり、IV=17の際に当選となる確率は約1/185であり、IV=18の際に当選となる確率は約1/328である。
次に、CB状態用抽選テーブルについて説明する。
CB状態用抽選テーブルには、非内部状態用抽選テーブル及び内部後状態用抽選テーブルと同様に、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。当該CB状態用抽選テーブルでは、IV=1として通常リプレイ当選データが設定されているのみであり、それ以外の当選データは設定されていない。また、その当選確率は、内部後状態用抽選テーブルの場合と同一となっている。但し、これに限定されることはなく、内部後状態用抽選テーブルの場合よりも通常リプレイ役の当選確率が高い構成としてもよく、低い構成としてもよい。
CB状態用抽選テーブルには、上記のとおり通常リプレイ役のみが設定されているが、既に説明したとおり、CB状態では通常リプレイ役に当選していない状況では抽選処理の結果に関係なく小役入賞を発生させることが可能であり、さらには通常リプレイ役に当選していない状況ではいずれかの小役入賞が確実に発生するようにリール制御が実行される。したがって、CB状態では、通常リプレイ役に当選している場合には通常リプレイ入賞が確実に発生し、通常リプレイ役に当選していない場合にはいずれかの小役入賞が確実に発生する。
抽選処理(図11)の説明に戻り、ステップS302にて抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS306の処理を実行した場合、又はステップS308にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、ステップS309にて抽選結果コマンドをセットする。抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべくサブ制御装置80に送信されるコマンドであり、当該抽選結果コマンドには役の当否判定の結果に対応したデータが含まれる。その後、ステップS310にて、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を行い、本抽選処理を終了する。
<リール制御処理>
次に、通常処理(図10)におけるステップS207のリール制御処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、まずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、主側RAM74に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理におけるステップS106のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、主側MPU72は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップボタン42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS402では、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップボタン42〜44も操作されていない場合には、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中のリールと対応するストップボタンが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令コマンドをセットする。
停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン42〜44が操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべくサブ制御装置80に送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS405〜ステップS411に示す停止制御処理を行う。
ステップS405では、ストップボタンの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS406では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS406では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として「0」「〜「4」のいずれかの値を算出する。
その後、ステップS407では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS408では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS409にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS410では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS411にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、抽選処理(図11)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42〜44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」〜「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
上記停止情報を設定するための処理として、抽選処理(図11)のステップS310にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(図15)のステップS411にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、抽選処理結果に応じて停止情報を設定する。この場合に設定される停止情報は、CB非内部状態におけるIV=1〜7であれば、図14に示すような第1停止と入賞役との関係に対応した停止情報を設定し、CB内部後状態におけるIV=1〜7,9〜15であれば、図14に示すような第1停止と入賞役との関係に対応した停止情報を設定する。
停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74に格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、CB非内部状態及びCB内部後状態においてIV=1〜7,9〜15の際に当選となった場合(図14参照)に、セットされている当選データと、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序と、停止出目とによって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
ちなみに、第1ベル入賞、第2ベル入賞、通常リプレイ入賞、第1ベルリプレイ入賞、第1チェリーリプレイ入賞、第2チェリーリプレイ入賞又は第1特殊リプレイ入賞に対応した図柄組合せを形成する図柄は、対応する各リール32L,32M,32Rにおいて周回方向に離間される最大の図柄数が4図柄分となるように配置されている。かかる構成において、抽選処理の結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序の組合せが、第1ベル入賞、第2ベル入賞、通常リプレイ入賞、第1ベルリプレイ入賞、第1チェリーリプレイ入賞、第2チェリーリプレイ入賞及び第1特殊リプレイ入賞のいずれかの入賞発生に対応している場合、各ストップボタン42〜44の操作順序に関係なく当該入賞が発生するように停止情報が設定される。
また、CB内部後状態においてはCB当選フラグに「1」がセットされている状況下でいずれかの小役又はリプレイ役に当選することになるが、この場合、その当選に対応した小役入賞又はリプレイ入賞がCB入賞よりも優先されるように停止情報が設定される。例えば、CB内部後状態においてIV=1で当選となった場合、CB入賞を発生させることが可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されたとしても、停止情報との関係で小役入賞が優先されるスベリ数が選択されることで小役入賞が発生してCB入賞は発生しない。但し、所謂取りこぼしが発生するIVの値で当選となった場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングによってはCB入賞が発生し得る。また、例えば、CB内部後状態においてリプレイ役に当選となった場合、CB入賞を発生させることが可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されたとしても、停止情報との関係でリプレイ入賞が優先されるスベリ数が選択されることでリプレイ入賞が発生してCB入賞は発生しない。
リール制御処理(図15)の説明に戻り、ステップS410にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS412にて入賞判定処理を実行し、続くステップS413にて当該入賞判定処理の結果に対応したデータを含む入賞結果コマンドをサブ制御装置80への出力対象としてセットした後に、本リール制御処理を終了する。なお、当該入賞結果コマンドには、入賞判定処理の結果に対応したデータだけではなく、今回のゲームの開始時に実行された役の抽選処理の結果に対応したデータも含まれる。
入賞判定処理では、左リール32L、中リール32M及び右リール32RのそれぞれにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握する。この図柄の種類の把握に際しては、図柄の種類毎に設定されている2バイトデータを主側ROM73から読み出す。そして、図柄組合せの論理演算処理として、各2バイトデータを同一の順番のビット同士でAND処理することで、図柄の組合せに対応した2バイトデータを導出する。この導出した2バイトデータのうちいずれかのビットに入賞データが存在している場合には、当該入賞データに対応した当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、「1」がセットされていない場合には異常コマンドをサブ制御装置80への出力対象としてセットする。サブ側MPU82では、当該異常コマンドを受信することにより、不正入賞に対応した異常報知をスピーカ65及び画像表示装置66により実行する。上記対応した当選フラグに「1」がセットされている場合には、その入賞が小役入賞であればメダル払出処理においてメダル又は仮想メダルの付与を可能とするように払出対象となるメダルの数を主側RAM74の払出対象カウンタにセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、通常処理(図10)における次回のステップS202にて、今回のベット数と同一数のベット設定を可能とするためのフラグ設定処理を実行する。
<主側MPU72の制御下で発生する遊技状態の移行の態様>
次に、主側MPU72の制御下で発生する遊技状態の移行の態様について、図16の説明図を参照しながら説明する。
主側RAM74が初期化された場合、又はCB当選フラグが「0」である状況下で設定変更が行われた場合には、CB非内部状態ST1となる。例えば、遊技ホールの営業開始時などにCB非内部状態ST1となる。CB非内部状態ST1では、通常リプレイ確率(IV=8で当選となる確率)が約1/7である。なお、CB非内部状態ST1では、他のリプレイ役が抽選役として設定されていない。また、CB非内部状態ST1では、CB確率が約1/4.3となっているとともに、払出発生確率が約1/1.6となっている。但し、CB非内部状態ではサブ側MPU82においてAT状態用の制御が実行されることはなく、さらに第1ベル入賞には1/4となるストップボタン42〜44の押し順に正解する必要があるとともに第2ベル入賞には1/2となるストップボタン42〜44の押し順に正解する必要があるため、払出発生確率が約1/1.6と比較的高確率であったとしても、払い出される枚数は基本的に1枚となる。この枚数は、ベット枚数の規定数である3枚よりも少ない枚数である。
CB非内部状態ST1においてCB役に当選し且つCB入賞が発生しなかった場合には、CB内部後状態ST2に移行する。また、CB内部後状態ST2には、CB当選フラグが「1」である状況下で設定変更が行われた場合にも移行する。CB内部後状態ST2では、通常リプレイ確率(IV=8〜10のいずれかで当選となる確率)がCB非内部状態ST1よりも高く、約1/2.9となる。また、CB内部後状態ST2では、通常リプレイ役以外にもリプレイ役が存在しているため、リプレイ発生確率はより高くなる。また、CB内部後状態ST2では、CB当選フラグに既に「1」がセットされている状況であるため、CB役が抽選役として設定されていない。
また、CB内部後状態ST2では、払出発生確率が約1/1.6となっている。ここで、CB内部後状態ST2では、詳細は後述するように、サブ側MPU82においてAT状態用の制御が実行され得る。AT状態用の制御が実行されていない状況では、CB非内部状態ST1の場合と同様に、払出発生確率が約1/1.6と比較的高確率であったとしても、払い出される枚数は基本的に1枚となる。この枚数は、ベット枚数の規定数である3枚よりも少ない枚数である。一方、サブ側MPU82においてAT状態用の制御が実行されている状況では、第1ベル入賞とするためのストップボタン42〜44の押し順が報知されるとともに、第2ベル入賞とするためのストップボタン42〜44の押し順が報知される。これにより、AT状態では、払出発生確率が約1/1.6と比較的高確率であるとともに、払い出される枚数は基本的に9枚又は4枚となる。この枚数は、ベット枚数の規定数である3枚よりも多い枚数である。
CB内部後状態ST2においてCB入賞が発生した場合、又はCB非内部状態ST1においてCB役に当選し且つそのゲームでCB入賞が発生した場合には、CB中状態ST3に移行する。CB中状態ST3では、既に説明したとおり、各ゲームにおいて小役入賞又はリプレイ入賞が発生する。但し、CB中状態ST3では、ベット枚数の規定数が「2」に制限されるため、小役入賞が発生したとしても払い出される枚数は2枚に制限される。したがって、CB中状態ST3では、遊技者が所有するメダルが減少することもないが、増加することもない。CB中状態ST3において小役入賞が19回発生した場合には、CB非内部状態ST1に移行する。
<サブ側MPU82における各種報知及び各種演出の実行制御>
次に、各種報知及び各種演出を実行するためのサブ側MPU82の処理構成について説明する。
<周期処理>
まず、サブ側MPU82において定期的(例えば2msec周期)に実行される周期処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS501では、主側MPU72から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS501にて肯定判定をした場合には、ステップS502にて、サブ側RAM84に設けられたリングバッファに、今回受信したコマンドを格納する。リングバッファは、複数のコマンドを格納することが可能なバッファであり、書き込みポインタが示すエリアへのコマンドの書き込み処理が実行されるとともに書き込み処理が実行される度に当該書き込みポインタが更新され、読み出しポインタが示すエリアからのコマンドの読み出し処理が実行されるとともに読み出し処理が実行される度に当該読み出しポインタが更新される。なお、読み出しポインタの更新は、周期処理の1処理回においてコマンドの読み出しが行われた場合においてその次の処理回の周期処理が開始された場合に行われる。
ステップS501にて否定判定をした場合、又はステップS502の処理を実行した場合には、ステップS503にて、CB内部後状態であるか否かを判定する。サブ側MPU82では、主側MPU72からCB役当選に対応した抽選結果コマンドを受信することでCB内部後状態が開始されたことを特定し、CB開始コマンドを受信することでCB内部後状態が終了したことを特定する。
ステップS503にて肯定判定をした場合には、ステップS504にて、サブ側RAM84に設けられたAT状態カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。AT状態カウンタは、サブ側MPU82にてAT状態であるか否かを特定するとともにAT状態である場合にはAT状態の滞在モードを特定するためのカウンタである。非AT状態である場合はAT状態カウンタの値が「0」であり、AT状態である場合にはAT状態カウンタの値が1以上である。ステップS504にてAT状態カウンタの値が「0」であることを特定した場合、ステップS505にて非AT中処理を実行し、AT状態カウンタの値が1以上であることを特定した場合、ステップS506にてAT中処理を実行する。
ステップS503にて否定判定をした場合、ステップS505の処理を実行した場合、又はステップS506の処理を実行した場合には、ステップS507にて演出用データの設定処理を実行する。演出用データの設定処理では、各ゲームにおける役の抽選結果又は入賞結果に応じた演出、AT状態の移行期待度を示す演出、及びAT状態の進行状況に応じた演出を、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて行わせるための処理を実行する。その後、本周期処理を終了する。
<非AT中処理>
次に、周期処理(図17)のステップS505にて実行される非AT中処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS601では、主側MPU72から抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。抽選結果コマンドを受信している場合には、ステップS602にて、その抽選結果コマンドに対応した当選役データをサブ側RAM84に書き込む。
ステップS601にて否定判定をした場合、又はステップS602の処理を実行した場合には、ステップS603にて、主側MPU72から停止指令コマンドを受信しているか否かを判定する。停止指令コマンドを受信している場合には、ステップS604にて、今回のゲームにおける各リール32L,32M,32Rの停止順序を記憶するために停止順序データをサブ側RAM84に書き込む。
ステップS603にて否定判定をした場合、又はステップS604の処理を実行した場合には、ステップS605にて、主側MPU72から入賞結果コマンドを受信しているか否かを判定する。入賞結果コマンドを受信していない場合にはそのまま本非AT中処理を終了し、入賞結果コマンドを受信している場合にはステップS606に進む。
ステップS606では、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する。ペナルティ事象とは、CB内部後状態であって非AT状態において第1停止として中リール32M又は右リール32Rを停止させるとともに、いずれかの入賞が発生する事象のことである。ペナルティ事象が発生すると、スロットマシン10の設計段階において設定されている非AT状態中のメダルの付与率よりも、実際のメダルの付与率の方が高くなってしまう可能性がある。そこで、ペナルティ事象が発生した場合には、遊技者に不利益を与えることにより、非AT状態中においては第1停止として左リール32Lを停止させることを促すようにしている。
なお、ペナルティ事象が発生した場合には、周期処理(図17)における演出用データの設定処理(ステップS507)にてペナルティ用の表示データが設定されるとともに、ペナルティ用の音データが設定される。これにより、ペナルティ事象が発生したことが遊技者に報知される。
ペナルティ事象が発生した場合には、ステップS607にて、サブ側RAM84に設けられたペナルティカウンタへの加算処理を実行する。当該加算処理では、ペナルティ対応ゲーム数に対応した値である「5」をペナルティカウンタの値に加算する。ペナルティカウンタの値が1以上の場合、ペナルティカウンタの値分だけAT状態への移行が遅延される。その後、本非AT中処理を終了する。
ステップS606にて否定判定をした場合には、ステップS608にて移行チャンス管理処理を実行するとともに、ステップS609にて天井ゲーム管理処理を実行する。そして、ステップS610にて入賞対応処理を実行した後に、本非AT中処理を終了する。
移行チャンス管理処理(ステップS608)では、非AT状態において主側MPU72における役の抽選処理にてIV=7,11〜18のいずれかにて当選となった場合にAT状態への移行抽選処理を実行する。移行抽選処理にて当選となった場合には所定ゲーム数(例えば32ゲーム)に亘って、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて前兆演出が実行された後にAT状態への移行が発生する。当該AT状態への移行は、サブ側RAM84のAT状態カウンタに「1」がセットされることにより発生する。
天井ゲーム管理処理(ステップS609)では、AT状態が前回終了する場合に設定された天井ゲーム数分のゲームがAT状態への新たな移行が発生することなく消化された場合にAT状態に移行させるための処理を実行する。但し、ペナルティカウンタの値が1以上である場合には、ゲームが消化されたとしてもペナルティカウンタの値のみが減算され、天井ゲーム数の消化は発生しない。また、天井ゲーム数の残りゲーム数が32以下となった場合には天井ゲーム前兆状態となり、当該残りゲーム数に亘って、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて前兆演出が実行された後にAT状態への移行が発生する。当該AT状態への移行は、サブ側RAM84のAT状態カウンタに「1」がセットされることにより発生する。
AT状態は1実行回が50ゲームに亘って継続することとなるが、移行チャンス管理処理又は天井ゲーム管理処理にてAT状態への移行設定が行われる場合、実行回の抽選処理が実行される。実行回の抽選処理では、1実行回、2実行回、3実行回、4実行回及び5実行回のいずれかが選択され、その選択された実行回の値が、サブ側RAM84に設けられたAT実行カウンタにセットされる。また、AT状態への移行設定が行われる場合、サブ側RAM84に設けられた通常ATゲームカウンタに1実行回の継続ゲーム数である「50」をセットする。
入賞対応処理(ステップS610)では、今回の入賞役に対応した画像が画像表示装置66にて表示されるようにするための処理を実行するとともに、入賞の発生に対応した音がスピーカ65を通じて出力されるようにするための処理を実行する。
<AT中処理>
次に、周期処理(図17)のステップS506にて実行されるAT中処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS701では、主側MPU72から抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。抽選結果コマンドを受信している場合には、ステップS702にて、その抽選結果コマンドに対応した当選役データをサブ側RAM84に書き込む。その後、ステップS703にて、第1ベル役又は第2ベル役に当選しているか否かを判定する。ステップS703にて肯定判定をした場合には、ステップS704にて、第1ベル入賞又は第2ベル入賞の発生を可能とする各ストップボタン42〜44の押し順データを、今回受信している抽選結果コマンドの内容から読み出し、サブ側RAM84に書き込む。つまり、AT状態においては、第1ベル役又は第2ベル役に当選した場合には各ストップボタン42〜44の押し順が報知される。これにより、当該AT状態下においては、それ以外の遊技状態の場合よりもメダル付与の期待度が高い。
なお、AT状態において報知された順序で各リール32L,32M,32Rが停止操作されなかったとしても、ベル入賞は発生しないもののそれがペナルティ事象として扱われることはない。つまり、AT状態において報知された順序で各リール32L,32M,32Rが停止操作されなかったとしても、AT状態の終了、AT状態の一時的な中断、及び通常リプレイ役の当選確率の低下といった事象は発生しない。
ステップS703にて否定判定をした場合には、ステップS705にてリプレイ用処理を実行する。リプレイ用処理では、詳細は後述するが、IV=9又は10にて当選となった場合に各ストップボタン42〜44の押し順を報知するための処理を実行する。
ステップS701にて否定判定をした場合、ステップS704の処理を実行した場合又はステップS705の処理を実行した場合には、ステップS706にて、主側MPU72から入賞結果コマンドを受信しているか否かを判定する。入賞結果コマンドを受信している場合には、ステップS707にて入賞対応処理を実行する。入賞対応処理では、今回の入賞役に対応した画像が画像表示装置66にて表示されるようにするための処理を実行するとともに、入賞の発生に対応した音がスピーカ65を通じて出力されるようにするための処理を実行する。
その後、ステップS708にてAT状態中のペナルティ事象が発生したか否かを判定する。AT状態中のペナルティ事象とは、IV=9又は10で当選となった場合に画像表示装置66にて報知されている押し順とは異なる順序で各リール32L,32M,32Rが停止される事象のことである。AT状態中のペナルティ事象が発生している場合には、ステップS709にてサブ側RAM84のAT状態カウンタを「0」クリアする。つまり、AT状態中のペナルティ事象が発生した場合には現状の滞在モードがいずれであるかに関係なくAT状態が終了して非AT状態に復帰することとなる。但し、これに限定されることはなく、例えばIV=9で当選となった場合に報知されている押し順とは異なる順序で各リール32L,32M,32Rが停止されたとしてもペナルティ事象の発生とはされずに、IV=10で当選となった場合に報知されている押し順とは異なる順序で各リール32L,32M,32Rが停止された場合にペナルティ事象の発生とされる構成としてもよい。上記のようにAT状態中のペナルティ事象が設定されていることにより、AT状態中において報知された押し順に従って各リール32L,32M,32Rを操作するように遊技者に促すことが可能となる。
ステップS706にて否定判定をした場合、又はステップS708にて否定判定をした場合には、ステップS710にて、サブ側RAM84のAT状態カウンタの値を把握する。既に説明したとおり、AT状態カウンタは、AT状態における滞在モードをサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。
AT状態においてサブ側MPU82にて実行される処理として、ベースAT状態の実行制御を行うためのベースAT状態処理(ステップS711)と、分岐AT状態の実行制御を行うための分岐AT状態処理(ステップS712)と、第1上乗せ状態の実行制御を行うための第1上乗せ状態処理(ステップS713)と、第2上乗せ状態の実行制御を行うための第2上乗せ状態処理(ステップS714)と、引き戻し状態の実行制御を行うための引き戻し状態処理(ステップS715)と、が設定されている。
このような処理構成において、サブ側MPU82は上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをAT状態カウンタの値から特定する。かかる特定に際してはサブ側ROM83に設けられたAT中アドレステーブルが参照される。当該AT中アドレステーブルには、AT状態カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。以下、ステップS711〜ステップS715の各処理について詳細に説明する。
<ベースAT状態>
AT中処理(図19)のステップS711にて実行されるベースAT状態処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
主側MPU72から抽選結果コマンドを受信している場合(ステップS801:YES)、ステップS802にて、主側MPU72における役の抽選処理にて上乗せ契機役に当選しているか否かを判定する。具体的には、内部後状態用抽選テーブル(図13)においてIV=7,11〜18のいずれかにて当選しているか否かを判定する。上乗せ契機役に当選している場合、ステップS803にて分岐発生抽選処理を実行する。分岐発生抽選処理では、分岐発生抽選テーブルをサブ側ROM83から読み出すとともに、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタの値を上記分岐発生抽選テーブルに対して照合する。分岐発生抽選テーブルは、IV=13〜15のいずれかである場合には100%分岐発生当選となり、IV=7,11,12,16〜18のいずれかである場合には100%未満であって0%よりも高い所定の確率で分岐発生当選となるように設定されている。
分岐発生抽選処理にて分岐発生当選となった場合(ステップS804:YES)、サブ側RAM84に設けられた通常ATゲームカウンタの値を10加算する(ステップS805)。これにより、AT状態の今回の実行回における継続ゲーム数が10ゲーム増加することとなる。また、今回のゲームが終了する場合にAT状態の滞在モードをベースAT状態から分岐AT状態に移行させる必要があることをサブ側MPU82にて特定するためにサブ側RAM84に設けられた分岐AT移行フラグに「1」をセットする(ステップS806)。なお、ステップS806の処理が実行された場合、分岐発生当選となったことを示す演出に対応する演出テーブルがサブ側ROM83から読み出される。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該演出テーブルが参照されることにより、分岐発生当選となったことを示す演出が、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。
一方、分岐発生当選ではない場合(ステップS804:NO)、ステップS807にて上乗せ抽選処理を実行する。上乗せ抽選処理では、今回の上乗せ契機役に対応した上乗せ抽選テーブルをサブ側ROM83から読み出すとともに、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタの値を上記分岐発生抽選テーブルに対して照合する。当該上乗せ抽選処理では、通常ATゲームカウンタの値を加算するか否かが決定されるとともに、通常ATゲームカウンタの値を加算する場合にはその加算対象となる値が5ゲーム、10ゲーム、20ゲーム、30ゲーム、50ゲーム及び100ゲームの中から選択される。上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合(ステップS808:YES)、今回の上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数を通常ATゲームカウンタの値に加算する(ステップS809)。これにより、AT状態の今回の実行回における継続ゲーム数が上乗せゲーム数分増加することとなる。なお、ステップS809の処理が実行された場合、上乗せ当選となったことを示す演出に対応する演出テーブルがサブ側ROM83から読み出される。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該演出テーブルが参照されることにより、上乗せ当選となったことを示す演出が、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。
ベースAT状態において入賞結果コマンドを受信している場合(ステップS810:YES)、通常ATゲームカウンタの値を1減算する(ステップS811)。その後、ステップS812にて、サブ側RAM84の分岐AT移行フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。分岐AT移行フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS812:NO)であって通常ATゲームカウンタの値が「0」である場合(ステップS813:YES)、サブ側RAM84に設けられたAT実行カウンタの値を1減算する(ステップS814)。そして、その減算後におけるAT実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS815:YES)、AT状態カウンタの値を「5」にセットすることで、AT状態の滞在モードを引き戻し状態とする(ステップS816)。
AT実行カウンタの値が1以上である場合には(ステップS815:NO)、ステップS817にてAT継続処理を実行する。AT継続処理では、AT状態の新たな実行回を開始させるべく通常ATゲームカウンタに「50」をセットする。また、AT継続処理では、AT状態の新たな実行回が開始されたことを示す演出に対応する演出テーブルをサブ側ROM83から読み出す。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該演出テーブルが参照されることにより、AT状態の新たな実行回が開始されたことを示す演出が、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。
一方、入賞結果コマンドを受信した場合であってサブ側RAM84の分岐AT移行フラグに「1」がセットされている場合(ステップS810及びステップS812:YES)、AT状態カウンタの値を1加算する。これにより、AT状態カウンタの値は「1」から「2」に変更されることとなり、AT状態の滞在モードがベースAT状態から分岐AT状態に移行する。その後、ステップS819にて分岐AT状態の設定処理を実行する。
<分岐AT状態>
次に、分岐AT状態について説明する。既に説明したとおりベースAT状態において実行された分岐発生抽選処理にて分岐発生当選となった場合、AT状態の滞在モードが分岐AT状態に移行する。分岐AT状態への移行が発生する場合、後述するようにAT状態の滞在モードを第1上乗せ状態に移行させるか否かを決定するための昇格抽選処理が実行される。そして、昇格抽選処理にて昇格当選となった場合には分岐AT状態において複数のゲーム数として設定された継続ゲーム数分のゲームが消化された場合に第1上乗せ状態への移行が発生し、昇格抽選処理にて昇格当選とならなかった場合には分岐AT状態において継続ゲーム数分のゲームが消化された場合にベースAT状態に復帰する。
分岐AT状態は上記のとおり複数のゲーム数に亘って継続することとなるが、当該分岐AT状態ではベースAT状態への復帰及び第1上乗せ状態への移行のうちいずれが発生するのかを示す演出が実行される。当該演出としては、画像表示装置66にて表示されている味方キャラクタが敵キャラクタと対決する対決演出、味方キャラクタがスポーツなどの競技を行う競技演出、及び味方キャラクタが所定の対象を捜索するなどのミッション演出などが挙げられる。対決演出の場合、第1上乗せ状態への移行が発生する場合には味方キャラクタが敵キャラクタに最終的に勝利するように演出が進行し、ベースAT状態への復帰が発生する場合には味方キャラクタが敵キャラクタに最終的に敗北するように演出が進行する。また、競技演出の場合、第1上乗せ状態への移行が発生する場合には味方キャラクタが最終的に競技で成功するように演出が進行し、ベースAT状態への復帰が発生する場合には味方キャラクタが最終的に競技で失敗するように演出が進行する。また、ミッション演出の場合、第1上乗せ状態への移行が発生する場合には味方キャラクタが最終的にミッションに成功するように演出が進行し、ベースAT状態への復帰が発生する場合には味方キャラクタが最終的にミッションに失敗するように演出が進行する。
本スロットマシン10では、上記演出として対決演出が採用されている。当該対決演出に対応した画像の内容について、図21(a)及び図21(b)を参照しながら説明する。図21(a)及び図21(b)は分岐AT状態において画像表示装置66にて実行される対決演出の内容を示す説明図である。
図21(a)及び図21(b)に示すように、対決演出が実行される場合、画像表示装置66では味方キャラクタCH1と敵キャラクタCH2,CH3とが対峙している様子の画像が表示される。この場合、敵キャラクタCH2,CH3は複数種類存在しており、対決演出の開始に際して1種類の敵キャラクタが選択され、その選択された種類の敵キャラクタが1回の分岐AT状態の対決演出において味方キャラクタCH1の対決対象となる。例えば、図21(a)では第1敵キャラクタCH2が選択されており、図21(b)では第2敵キャラクタCH3が選択されている。敵キャラクタは、第1敵キャラクタCH2及び第2敵キャラクタCH3を含めて3種類設定されており、いずれの敵キャラクタが選択されるかによって第1上乗せ状態への移行期待度が示唆される。つまり、対決演出において選択された敵キャラクタの種類によって当該対決演出が終了する前に遊技者は第1上乗せ状態への移行期待度が相対的に高いか否かを推測することが可能となる。また、複数回の分岐AT状態間における敵キャラクタの選択態様によっても第1上乗せ状態への移行期待度が示唆される。これら対決演出の内容と第1上乗せ状態への移行期待度との関係は後に詳細に説明する。
図21(a)又は図21(b)に示すように、画像表示装置66にて味方キャラクタCH1と敵キャラクタCH2,CH3とが表示された状態において、分岐AT状態が継続する複数ゲームに亘って味方キャラクタCH1が敵キャラクタCH2,CH3に攻撃するような動画表示や、敵キャラクタCH2,CH3が味方キャラクタCH1に攻撃するような動画表示が行われる。そして、第1上乗せ状態への移行が発生する場合には分岐AT状態の最終ゲームにおいて味方キャラクタCH1が敵キャラクタCH2,CH3に勝利する動画表示が行われ(勝利結果)、ベースAT状態に復帰する場合には分岐AT状態の最終ゲームにおいて味方キャラクタCH1が敵キャラクタCH2,CH3に敗北する動画表示が行われる(敗北結果)。
<分岐AT状態の設定処理>
以下、分岐AT状態を実行制御するための処理内容について説明する。図22は、ベースAT状態処理(図20)のステップS819にて実行される分岐AT状態の設定処理を示すフローチャートである。分岐AT状態の設定処理は、ベースAT状態から分岐AT状態への移行に際して第1上乗せ状態への移行有無、及び分岐AT状態における演出内容を決定するための処理である。
まずステップS901にて、分岐AT状態の設定処理を今回実行する契機となった上乗せ契機役の種類が、前回の分岐AT状態の実行契機となった上乗せ契機役と同一であるか否かを判定する。具体的には、サブ側RAM84には上乗せ契機役の種類に対応した情報を記憶するための契機役用記憶領域として第1契機役用記憶領域と第2契機役用記憶領域とが設けられている。ベースAT状態処理(図20)の分岐発生抽選処理(ステップS803)にて分岐発生当選となった場合には、その時点で第1契機役用記憶領域に記憶されている上乗せ契機役の種類に対応した情報が第2契機役用記憶領域に上書きされた後に、今回の分岐発生抽選処理の実行契機、すなわち今回の分岐AT状態の実行契機となった上乗せ契機役の種類に対応した情報が第1契機役用記憶領域に上書きされる。
第1契機役用記憶領域に記憶されている上乗せ契機役の種類に対応した情報と、第2契機役用記憶領域に記憶されている上乗せ契機役の種類に対応した情報とが同一である場合(ステップS901:YES)、サブ側RAM84に設けられた契機連続カウンタの値を1加算する(ステップS902)。一方、上乗せ契機役の種類に対応した情報が同一ではない場合(ステップS901:NO)、契機連続カウンタの値を「0」クリアする(ステップS903)。契機連続カウンタは、複数回の分岐AT状態間において同一種類の上乗せ契機役が実行契機となった連続回数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。
ステップS902の処理を実行した場合、又はステップS903の処理を実行した場合、サブ側ROM83から昇格抽選テーブル83aを読み出す(ステップS904)。昇格抽選テーブル83aは、ステップS905の昇格抽選処理を実行する場合に参照されるテーブルである。図23(a)は昇格抽選テーブル83aを説明するための説明図である。なお、昇格抽選テーブル83aにおいては実際には昇格当選となる乱数値が設定されているが、図23(a)では説明の便宜上、昇格当選となる確率を示す。
昇格抽選テーブル83aでは、上乗せ契機役の種類に対応させて昇格当選となる確率が定められているとともに、契機連続カウンタの値に対応させて昇格当選となる確率が定められている。具体的には、契機連続カウンタの値が「0」である場合、IV=7,11,12,16〜18であれば昇格当選となる確率が0%よりも大きく100%未満となるように設定されているのに対して、IV=13〜15であれば昇格当選となる確率が100%となるように設定されている。この場合、上乗せ契機役がIV=13〜15のいずれかである場合には確実に昇格当選となる。また、既に説明したとおり上乗せ契機役がIV=13〜15のいずれかである場合、確実に分岐AT状態が発生する。つまり、ベースAT状態においてIV=13〜15のいずれかで当選となった場合には、第1上乗せ状態が確実に発生することとなる。また、IV=13〜15のいずれかである場合は契機連続カウンタの値に関係なく昇格当選となる確率が100%であるのに対して、IV=7,11,12,16〜18のいずれかである場合は契機連続カウンタの値が大きくなるほど昇格当選となる確率が高くなる。このように契機連続カウンタの値が大きくなるほど昇格当選となる確率が高くなることにより、他の上乗せ契機役が実行契機となることなく同一種類の上乗せ契機役を実行契機として昇格抽選処理が実行される回数が多くなるほど昇格当選となる確率が高くなる。したがって、契機連続カウンタの値が「0」の場合に昇格当選となる確率が低い所定の上乗せ契機役に当選となった場合であっても、当該所定の上乗せ契機役に連続して当選となった場合には、契機連続カウンタの値が「0」の場合において当該所定の上乗せ契機役よりも昇格当選となる確率が高い特定の上乗せ契機役よりも昇格当選となる確率が高くなり得る。よって、当該所定の上乗せ契機役に当選した場合における期待感を好適に高めることが可能となる。
分岐AT状態の設定処理(図22)の説明に戻り、昇格抽選テーブルを読み出した後は、ステップS905にて昇格抽選処理を実行する。昇格抽選処理では、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタの値を昇格抽選テーブルに対して照合する。
昇格抽選処理の結果が昇格当選である場合(ステップS906:YES)、サブ側RAM84に設けられた昇格当選フラグに「1」をセットし(ステップS907)、さらに今回の上乗せ契機役の種類に対応した情報をサブ側RAM84に設けられた昇格当選契機領域に記憶させる(ステップS908)。その後、契機連続カウンタの値を「0」クリアするとともに、第1契機役用記憶領域及び第2契機役用記憶領域を初期化して上乗せ契機役の種類に対応した情報が記憶されていない状態とする(ステップS909)。
ステップS906にて否定判定をした場合、又はステップS909の処理を実行した場合には、ステップS910にてキャラクタ選択テーブルを読み出す。キャラクタ選択テーブルは、分岐AT状態の対決演出において敵キャラクタの種類を選択するためのテーブルである。敵キャラクタとしては、既に説明したとおり、第1敵キャラクタ、第2敵キャラクタ及び第3敵キャラクタの3種類が設定されている。これら敵キャラクタの各選択率は昇格抽選処理にて昇格当選となったか否かによって異なっている。また、各敵キャラクタの選択率は、前回の分岐AT状態における対決演出において敗北結果となった場合に選択されていた敵キャラクタの種類によって変動する。
当該選択率について図23(b)の説明図を参照しながら説明する。スロットマシン10への電源投入後に初めて発生した分岐AT状態又は第1上乗せ状態の終了後に初めて発生した分岐AT状態においては、各敵キャラクタが選択された場合に昇格抽選処理の結果が昇格当選となっている確率、すなわち対決演出で勝利結果となる確率は、第1敵キャラクタは20%であり、第2敵キャラクタは50%であり、第3敵キャラクタは80%である。つまり、この場合、第3敵キャラクタが選択された場合が勝利結果となる期待度が最も高く、第1敵キャラクタが選択された場合が勝利結果となる期待度が最も低い。
また、前回の分岐AT状態にて対決演出が敗北結果となった場合と同一の敵キャラクタが選択された場合において昇格抽選処理の結果が昇格当選となっている確率、すなわち対決演出で勝利結果となる確率は、第1敵キャラクタは30%であり、第2敵キャラクタは65%であり、第3敵キャラクタは100%である。また、前回及び前々回の分岐AT状態にて対決演出が敗北結果となった場合と同一の敵キャラクタが選択された場合において昇格抽選処理の結果が昇格当選となっている確率、すなわち対決演出で勝利結果となる確率は、第1敵キャラクタは45%であり、第2敵キャラクタは85%である。つまり、第1敵キャラクタ及び第2敵キャラクタについては、勝利結果となる対決演出を間に挟むことなく前回敗北結果となった場合の敵キャラクタと同一の敵キャラクタが選択された場合の方が勝利結果となる期待度が高くなるとともに、勝利結果となる対決演出を間に挟むことなく3回に亘って同一の敵キャラクタが選択された場合には勝利結果となる期待度がより高くなる。一方、第3敵キャラクタについては、勝利結果となる対決演出を間に挟むことなく前回敗北結果となった場合の敵キャラクタと同一の敵キャラクタが選択された場合には勝利結果となることが確定する。つまり、このような状況下においては昇格抽選処理の結果が昇格当選となった場合にのみ第3敵キャラクタが選択される。また、勝利結果となる対決演出を間に挟むことなく前回敗北結果となった場合の敵キャラクタと同一の敵キャラクタが選択された場合における勝利結果となる確率の上昇分は、勝利結果となる期待度が最も高い第3敵キャラクタが最も多く、勝利結果となる期待度が最も低い第1敵キャラクタが最も少ない。これにより、勝利結果となる期待度が高い敵キャラクタが選択された場合における遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。また、各敵キャラクタのうち勝利結果となる期待度が最も低い第1敵キャラクタが連続して選択された場合であっても上記のとおり当該期待度が高くなるため、期待度が最も低い第1敵キャラクタが選択されたとしても遊技者の期待感を損なわないようにすることが可能となる。
分岐AT状態の設定処理(図22)の説明に戻り、ステップS910では、スロットマシン10への電源投入後又は第1上乗せ状態の終了後に初めて実行される分岐AT状態の設定処理である場合、当該状況に対応するキャラクタ選択テーブルであって今回の昇格抽選処理の結果に対応するキャラクタ選択テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。一方、スロットマシン10への電源投入後及び第1上乗せ状態の終了後に初めて実行される分岐AT状態の設定処理ではない場合には、前回の対決演出において選択された敵キャラクタの種類に対応するキャラクタ選択テーブルであって今回の昇格抽選処理の結果に対応するキャラクタ選択テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。
その後、ステップS910にて読み出したキャラクタ選択テーブルを参照しながらキャラクタ抽選処理を実行する(ステップS911)。キャラクタ抽選処理では、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタの値をキャラクタ選択テーブルに対して照合する。そして、その照合結果に対応する敵キャラクタの種類の情報をサブ側RAM84に書き込む。
その後、ステップS912にてキャラクタカウンタの更新処理を実行する。サブ側RAM84には敵キャラクタの種類に1対1で対応させてキャラクタカウンタが設けられている。昇格抽選処理にて昇格当選となっている場合には全てのキャラクタカウンタを「0」クリアする。昇格当選となっていない場合には、今回選択された敵キャラクタに対応するキャラクタカウンタの値を1加算するとともに、それ以外のキャラクタカウンタの値を「0」クリアする。これらキャラクタカウンタは、上記ステップS910において、前回及び前々回の敗北演出において選択された敵キャラクタの種類に対応するキャラクタ選択テーブルを読み出す場合に参照される。
その後、今回の分岐AT状態における対決演出においてどのような演出を行うのかを決定付ける分岐AT状態用の演出テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS913)。当該分岐AT状態用の演出テーブルは、昇格抽選処理の結果及び敵キャラクタの種類の組み合わせに対応させて設定されているとともに、同一の組み合わせにおいても異なる演出内容となり得るように一の組み合わせに対しても複数種類設定されている。ステップS913では、昇格抽選処理の結果及び敵キャラクタの種類に対応したテーブル群を選択する。そして、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出し、当該カウンタ値に対応する演出テーブルを今回選択しているテーブル群の中から選択する。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該演出テーブルが参照されることにより、今回の対決演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。なお、対決演出が複数ゲームに亘って実行されることに対応させて、分岐AT状態用の演出テーブルには当該複数ゲーム分の演出内容が定められている。
その後、ステップS914にてサブ側RAM84に設けられた分岐AT中カウンタに「6」をセットする。分岐AT中カウンタは、対決演出の残りの継続ゲーム数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。つまり、対決演出は6ゲームに亘って実行され、6ゲーム目となる最終ゲームにおいて対決演出の結果が明示される。
<分岐AT状態処理>
次に、分岐AT状態処理について図24のフローチャートを参照しながら説明する。なお、分岐AT状態処理は、AT中処理(図19)におけるステップS712にて実行される。
抽選結果コマンドを受信している場合であって主側MPU72における役の抽選処理にて上乗せ契機役に当選した場合(ステップS1001及びステップS1002:YES)、ステップS1003にて分岐AT中抽選処理を実行する。なお、上乗せ契機役は、ベースAT状態処理(図20)におけるステップS802にて説明した上乗せ契機役と同一である。分岐AT中抽選処理では、今回の上乗せ契機役に対応した分岐AT中抽選テーブルをサブ側ROM83から読み出すとともに、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタの値を上記分岐AT中抽選テーブルに対して照合する。分岐AT中抽選処理では、IV=13〜15の場合には確実に当選となり、IV=7,11,12,16〜18の場合には0%よりも大きく100%未満の確率で当選となるとともにIVの値が大きいほど当選となる確率が高い。
分岐AT中抽選処理にて当選結果となった場合(ステップS1004:YES)、サブ側RAM84の昇格当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1005)。つまり、今回の分岐AT状態の開始に際して実行された昇格抽選処理(ステップS905)にて昇格当選となっているか否かを判定する。昇格当選フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1005:NO)、昇格当選フラグに「1」をセットし(ステップS1006)、さらに今回の上乗せ契機役の種類に対応した情報をサブ側RAM84の昇格当選契機領域に記憶させる(ステップS1007)。その後、ステップS1008にて修正用の演出テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。修正用の演出テーブルは、今回の分岐AT状態の開始に際して敗北演出を実行すべく読み出されている分岐AT状態用の演出テーブルに代わって参照されるテーブルであり、当該修正用の演出テーブルが周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて参照されることにより、最終的に勝利結果となる対決演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。
一方、分岐AT中抽選処理にて当選結果となった場合であって、昇格当選フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS1004及びステップS1005:YES)、ステップS1009にてサブ側RAM84に設けられたランクアップカウンタの値を1加算する。ランクアップカウンタは、第1上乗せ状態における上乗せモードを決定する場合にサブ側MPU82により参照されるカウンタであり、ランクアップカウンタの値が大きいほど、第1上乗せ状態においてより多くのゲーム数が上乗せされ易くなる。
その後、ステップS1010にて、サブ側RAM84の昇格当選契機領域に記憶されている上乗せ契機役よりも今回の上乗せ契機役の方が有利であるか否かを判定する。上乗せ契機役は既に説明したとおりIV=7,11,12,16〜18であるが、これらのうちIV=13〜15が最も有利とされており、それ以外はIVの値が大きいほど有利とされている。今回の上乗せ契機役の方が有利である場合(ステップS1010:YES)、サブ側RAM84の昇格当選契機領域に今回の上乗せ契機役を上書きする(ステップS1011)。
ステップS1002にて否定判定をした場合、ステップS1004にて否定判定をした場合、ステップS1008の処理を実行した場合、ステップS1010にて否定判定をした場合、又はステップS1011の処理を実行した場合には、ステップS1012にて、対決演出を実行すべく読み出されている演出テーブルのうち今回のゲーム数目に対応するテーブル範囲が参照対象となるようにする。これにより、複数ゲームに亘って継続する対決演出のうち今回のゲーム数目に対応した内容の演出が実行されることとなる。
分岐AT状態処理では抽選結果コマンドを受信していない場合(ステップS1001:NO)であって入賞結果コマンドを受信している場合(ステップS1013:YES)、通常ATゲームカウンタの値及び分岐AT中カウンタの値をそれぞれ1減算する(ステップS1014)。その後、ステップS1015にてサブ側RAM84の昇格当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
昇格当選フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1015:NO)、サブ側RAM84に設けられた累積敗北カウンタの値を1加算する(ステップS1016)。累積敗北カウンタは、分岐AT状態への移行が発生したものの第1上乗せ状態への移行が発生しなかった連続回数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。その後、ステップS1017にてサブ側RAM84のAT状態カウンタを「1」にセットする。これにより、AT状態の滞在モードが分岐AT状態からベースAT状態に復帰する。
一方、昇格当選フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1015:YES)、ステップS1018にて第1上乗せ状態の設定処理を実行する。また、ステップS1019にてサブ側RAM84の契機連続カウンタ、各キャラクタカウンタ、累積敗北カウンタ及びランクアップカウンタを「0」クリアする。その後、ステップS1020にて、サブ側RAM84のAT状態カウンタの値を1加算することで、AT状態の滞在モードを分岐AT状態から第1上乗せ状態とする。
<第1上乗せ状態>
次に、第1上乗せ状態について説明する。第1上乗せ状態は、複数ゲームに亘って滞在するモードであり、当該複数ゲームの間にベースAT状態の継続ゲーム数が上乗せされる。当該継続ゲーム数の上乗せは、第1上乗せ状態が開始される場合に選択される上乗せ回数分発生する。
図25(a)は、サブ側RAM84の昇格当選契機領域に記憶されている上乗せ契機役がIV=7である場合における上乗せモードの振分態様を説明するための説明図である。図25(a)に示すように、上乗せモードとして、上乗せ回数が3回に設定された3個モードと、上乗せ回数が4回に設定された4個モードと、上乗せ回数が5回に設定された5個モードと、上乗せ回数が6回に設定された6個モードと、上乗せ回数が7回に設定された7個モードと、が存在している。また、各上乗せモードに1対1で対応させて第1上乗せ状態の継続率が定められている。具体的には、3個モードの場合には54%で継続し、4個モードの場合には64%で継続し、5個モードの場合には72%で継続し、6個モードの場合には79%で継続し、7個モードの場合には83%で継続する。第1上乗せ状態の開始時に決定された上乗せ回数分の上乗せが発生した場合、対応する上乗せモードの継続率で継続抽選処理が実行され、継続当選となった場合には第1上乗せ状態が再度開始される。この場合、直前の上乗せモードがそのまま適用されるため、同一の上乗せ回数及び継続率が設定される。但し、これに限定されることはなく、上乗せモードの上昇抽選処理を実行し、当該上昇抽選処理にて上昇当選となった場合には上乗せモードが直前の上乗せモードよりも有利なモードに変更される構成としてもよい。また、第1上乗せ状態の開始に際しては、サブ側RAM84のランクアップカウンタの値に対応した態様で上乗せモードの抽選処理が実行される。ランクアップカウンタの値が大きいほど、有利な上乗せモードが選択され易くなる。
上乗せの発生契機は主側MPU72における役の抽選処理にてIV=1〜7,11〜18のいずれかにて当選となることであり、上乗せの発生契機が成立した場合に上乗せすることとなる継続ゲーム数が抽選により決定される。各上乗せ実行回に対しては上乗せの段階数が設定されており、上乗せの段階数が高い段階数であるほど抽選に際して多い継続ゲーム数が選択され易い。段階数について具体的には、図25(b)の説明図に示すように最も低い第1段階である場合には継続ゲーム数が3ゲーム〜5ゲームのいずれかとなり、次に高い第2段階である場合には継続ゲーム数が5ゲーム〜10ゲームのいずれかとなり、次に高い第3段階である場合には継続ゲーム数が10ゲーム〜20ゲームのいずれかとなり、次に高い第4段階である場合には継続ゲーム数が20ゲーム〜100ゲームのいずれかとなり、最も高い第5段階である場合には継続ゲーム数が100ゲーム、200ゲーム及び300ゲームのいずれかとなる。
各上乗せ実行回の段階数は、第1上乗せ状態の開始時に決定される。図25(c)は、サブ側RAM84の昇格当選契機領域に記憶されている上乗せ契機役がIV=7である場合における段階数の振分態様を説明するための説明図である。段階数のパターンとしては、図25(c)の説明図に示すように第1パターン〜第5パターンが設定されている。第1パターンである場合、全ての上乗せ実行回の段階数が第1段階となり、第2パターンである場合、全ての上乗せ実行回の段階数が第2段階となり、第3パターンである場合、全ての上乗せ実行回の段階数が第3段階となり、第4パターンである場合、全ての上乗せ実行回の段階数が第4段階となり、第5パターンである場合、全ての上乗せ実行回の段階数が第5段階となる。なお、これに限定されることはなく、各上乗せ実行回毎に異なる段階数となるパターンが存在していてもよい。例えば、上乗せモードが3個モードである場合において1回目の上乗せ実行回が第1段階であり、2回目の上乗せ実行回が第2段階であり、3回目の上乗せ実行回が第3段階であるパターンが存在していてもよい。
図26(a)及び図26(b)は第1上乗せ状態における上乗せ実行回数と各上乗せ実行回の段階数とが画像表示装置66にて表示されている様子を説明するための説明図である。画像表示装置66には、上乗せ実行回数及び各上乗せ実行回の段階数を示す上乗せ単位画像UG1,UG2が表示されている。上乗せ単位画像UG1,UG2は、残りの上乗せ実行回数に対応する数分表示されるとともに、各上乗せ実行回の段階数に対応した色で表示される。具体的には、上乗せ単位画像UG1,UG2は、第1段階である場合には白色で表示され、第2段階である場合には青色で表示され、第3段階である場合には黄色で表示され、第4段階である場合には赤色で表示され、第5段階である場合には金色で表示される。ちなみに、図26(a)においては上乗せ実行回数が3回であって各上乗せ実行回の段階数が第1段階である場合の表示内容を示し、図26(b)においては上乗せ実行回数が5回であって各上乗せ実行回の段階数が第5段階である場合の表示内容を示す。
第1上乗せ状態において継続ゲーム数の上乗せが実行される様子について、図27のタイムチャートを参照しながら説明する。図27(a)は上乗せ回数カウンタの値を示し、図27(b)は非上乗せ発生契機のゲーム(IV=8〜10のいずれかで当選のゲーム)の実行期間を示し、図27(c)は上乗せ発生契機のゲーム(IV=1〜6のいずれかで当選のゲーム)の実行期間を示し、図27(d)は段階数を高くする契機となるとともに上乗せ発生契機のゲーム(IV=7,11〜18のいずれかで当選のゲーム)の実行期間を示し、図27(e)は段階数が高くなるタイミングを示し、図27(f)は継続ゲーム数の上乗せタイミングを示す。
t1のタイミングで第1上乗せ状態が開始されることにより、図27(a)に示すようにサブ側RAM84に設けられた上乗せ回数カウンタに今回の上乗せ実行回数がセットされる。今回は上乗せモードとして3個モードが選択されているため、上乗せ回数カウンタには「3」がセットされる。その後、t2のタイミングで、図27(b)に示すように、非上乗せ発生契機のゲームが終了する。この場合、上乗せ回数の消化が行われないとともに段階数の変更も行われない。
その後、t3のタイミングで、図27(c)に示すように、上乗せ発生契機のゲームが終了する。これにより、図27(f)に示すように継続ゲーム数の上乗せが発生するとともに、図27(a)に示すように上乗せ回数カウンタの値が1減算される。この場合、当該継続ゲーム数の上乗せまでに段階数を向上させる条件が成立していないため、第1上乗せ状態の開始時に決定された段階数に対応した態様で継続ゲーム数の抽選処理が実行される。
その後、t4のタイミング及びt5のタイミングで、図27(b)に示すように、非上乗せ発生契機のゲームが終了する。この場合、t2のタイミングの場合と同様に、上乗せ回数の消化が行われないとともに段階数の変更も行われない。その後、t6のタイミングで、図27(d)に示すように段階数を高くする契機となるとともに上乗せ発生契機のゲームが終了する。これにより、図27(e)に示すように、今回消化される上乗せ実行回に対応する段階数が1段階高くなるとともに、図27(f)に示すように、その変更された段階数に対応した態様で継続ゲーム数の抽選処理が実行される。また、図27(a)に示すように上乗せ回数カウンタの値が1減算される。
その後、t7のタイミングで、図27(c)に示すように、上乗せ発生契機のゲームが終了する。これにより、図27(f)に示すように継続ゲーム数の上乗せが発生する。この場合、前回の上乗せ実行回の消化タイミングから今回の上乗せ実行回の消化タイミングまでに段階数を向上させる条件が成立していないため、第1上乗せ状態の開始時に決定された段階数に対応した態様で継続ゲーム数の抽選処理が実行される。また、図27(a)に示すように上乗せ回数カウンタの値が1減算され、上乗せ回数カウンタの値が「0」となる。これにより、今回の第1上乗せ状態の実行回が終了することとなる。この場合、第1上乗せ状態の継続条件が成立しておらず、さらに継続抽選処理にて継続当選とならなかった場合、AT状態の滞在モードが第1上乗せ状態からベースAT状態に移行する。一方、第1上乗せ状態の継続条件が成立している場合、又は継続抽選処理にて継続当選となった場合、今回の第1上乗せ状態が開始された場合と同じ条件で第1上乗せ状態の新たな実行回が開始される。
<第1上乗せ状態の設定処理>
以下、第1上乗せ状態を実行制御するための処理内容について説明する。図28は、分岐AT状態処理(図24)のステップS1018にて実行される第1上乗せ状態の設定処理を示すフローチャートである。第1上乗せ状態の設定処理は、分岐AT状態から第1上乗せ状態への移行に際して、上乗せモードの選択及び各上乗せ実行回の段階数を決定するための処理である。
まずステップS1101では、サブ側RAM84の累積敗北カウンタの値がランクアップの基準値である「4」以上であるか否かを判定する。累積敗北カウンタは、既に説明したとおり、分岐AT状態への移行が発生したものの第1上乗せ状態への移行が発生しなかった連続回数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。累積敗北カウンタの値がランクアップの基準値以上である場合(ステップS1101:YES)、サブ側RAM84のランクアップカウンタの値を1加算する(ステップS1102)。ランクアップカウンタは、既に説明したとおり、第1上乗せ状態における上乗せモードを決定する場合にサブ側MPU82により参照されるカウンタであり、ランクアップカウンタの値が大きいほど、第1上乗せ状態においてより多くのゲーム数が上乗せされ易くなる。
ステップS1101にて否定判定をした場合、又はステップS1102の処理を実行した場合、サブ側RAM84の昇格当選契機領域から今回の第1上乗せ状態に対応する上乗せ契機役の情報を読み出す(ステップS1103)。
その後、ステップS1104にて上乗せモードの抽選処理を実行する。上乗せモードの抽選処理では、今回の上乗せ契機役に対応した上乗せモードの抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出すとともに、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出す。そして、当該サブ側抽選用カウンタの値を上記上乗せモードの抽選テーブルに対して照合することにより、今回の上乗せモードを選択する。
上乗せモードの抽選テーブルは、有利な上乗せ契機役ほど有利な上乗せモードが選択され易くなるように設定されている。具体的には、上乗せ契機役は既に説明したとおりIV=7,11,12,16〜18であるが、これらのうちIV=13〜15が最も有利とされており、それ以外はIVの値が大きいほど有利とされている。例えば、上乗せ契機役がIV=7である場合には図25(a)に示すような上乗せモードの選択率となるテーブルが選択されるため、サブ側RAM84のランクアップカウンタの値が「0」である場合には3個モードの選択率が最も高くなり、6個モード及び7個モードは選択されない。これに対して、最も有利であるIV=13〜15に対応する上乗せモードの抽選テーブルでは、ランクアップカウンタの値が「0」である場合に3個モードは選択されずに、4個モード〜7個モードのいずれかが選択される。
また、既に説明したとおり、上乗せモードの選択態様は、サブ側RAM84のランクアップカウンタの値が大きいほど、有利な上乗せモードが選択され易くなる。ここで、既に説明したとおり、ランクアップカウンタは、サブ側RAM84の累積敗北カウンタの値がランクアップの基準値以上である場合に1加算される。これにより、分岐AT状態への移行が発生したものの第1上乗せ状態への移行が発生しない事象が繰り返された後に第1上乗せ状態に移行した場合には、その第1上乗せ状態において有利な上乗せモードが選択され易くなる。これにより、分岐AT状態の対決演出において敗北結果となった場合における遊技続行への意欲の低下を軽減することが可能となる。また、ランクアップカウンタは、既に説明したとおり、既に第1上乗せ状態への移行が確定している状況における分岐AT状態中において上乗せ契機役に当選した場合にも加算され得る。これにより、分岐AT状態中において上乗せ契機役に当選することの価値を高めることが可能となる。
続くステップS1105では、今回の上乗せモードの抽選処理にて選択された上乗せモードに対応する上乗せ実行回数を、サブ側RAM84に設けられた上乗せ回数カウンタにセットする。上乗せ回数カウンタは、第1上乗せ状態における残りの上乗せ実行回数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。また、ステップS1106にて、今回の上乗せモードの抽選処理にて選択された上乗せモードに対応する継続率の情報を、サブ側RAM84に設けられた継続率記憶領域にセットする。
続くステップS1107では、上乗せ段階数の抽選処理を実行する。上乗せ段階数の抽選処理では、今回の上乗せ契機役に対応した段階数の抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出すとともに、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出す。そして、当該サブ側抽選用カウンタの値を上記段階数の抽選テーブルに対して照合することにより、今回の段階数のパターンを選択する。
段階数の抽選テーブルは、有利な上乗せ契機役ほど有利な上乗せモードが選択され易くなるように設定されている。具体的には、上乗せ契機役は既に説明したとおりIV=7,11,12,16〜18であるが、これらのうちIV=13〜15が最も有利とされており、それ以外はIVの値が大きいほど有利とされている。例えば、上乗せ契機役がIV=7である場合には図25(c)に示すような段階数のパターンの選択率となるテーブルが選択されるため、サブ側RAM84のランクアップカウンタの値が「0」である場合には全ての上乗せ実行回の段階数が第1段階となる第1パターンの選択率が最も高くなり、全ての上乗せ実行回の段階数が第4段階となる第4パターン及び全ての上乗せ実行回の段階数が第5段階となる第5パターンは選択されない。これに対して、最も有利であるIV=13〜15に対応する段階数の抽選テーブルでは、ランクアップカウンタの値が「0」である場合に第1パターンは選択されずに、第2パターン〜第5パターンのいずれかが選択される。
また、既に説明したとおり、段階数のパターンの選択態様は、サブ側RAM84のランクアップカウンタの値が大きいほど、有利な段階数のパターンが選択され易くなる。ここで、既に説明したとおり、ランクアップカウンタは、サブ側RAM84の累積敗北カウンタの値がランクアップの基準値以上である場合に1加算される。これにより、分岐AT状態への移行が発生したものの第1上乗せ状態への移行が発生しない事象が繰り返された後に第1上乗せ状態に移行した場合には、その第1上乗せ状態において有利な段階数が選択され易くなる。これにより、分岐AT状態の対決演出において敗北結果となった場合における遊技続行への意欲の低下を軽減することが可能となる。また、ランクアップカウンタは、既に説明したとおり、既に第1上乗せ状態への移行が確定している状況における分岐AT状態中において上乗せ契機役に当選した場合にも加算され得る。これにより、分岐AT状態中において上乗せ契機役に当選することの価値を高めることが可能となる。
ステップS1107にて上乗せ段階数の抽選処理を実行した後は、ステップS1108にて上乗せ段階数の設定処理を実行する。サブ側RAM84には、図29の説明図に示すように、各上乗せ実行回の段階数を個別に記憶することを可能とするための段階数記憶領域84aが設けられている。段階数記憶領域84aには、第1上乗せ状態の新たな実行回を開始する場合に選択され得る上乗せ実行回の最大回数と同数の対象エリアRE1〜RE7が設けられている。具体的には、第1上乗せ状態の新たな実行回を開始する場合に選択され得る上乗せ実行回の最大回数は7回であるため、段階数記憶領域84aには第1対象エリアRE1〜第7対象エリアRE7が設けられている。第1上乗せ状態の新たな実行回が開始される場合には上乗せ実行回数分の対象エリアRE1〜RE7のそれぞれに各上乗せ実行回に対応する段階数の情報がセットされる。そして、上乗せ実行回が消化される度に、第n対象エリアの情報が第n−1対象エリアにシフトされるように、各対象エリアRE1〜RE7の情報がシフトされる。上乗せ段階数の設定処理では、上乗せ段階数の抽選処理にて選択した段階数のパターンに対応した段階数を、今回の上乗せ実行回数分の対象エリアRE1〜RE7にセットする。例えば、上乗せ実行回数が3回であって段階数のパターンが第1パターンである場合には第1対象エリアRE1、第2対象エリアRE2及び第3対象エリアRE3のそれぞれに第1段階数に対応した情報をセットし、上乗せ実行回数が5回であって段階数のパターンが第2パターンである場合には第1〜第5対象エリアRE1〜RE5のそれぞれに第2段階数に対応した情報をセットし、上乗せ実行回数が7回であって段階数のパターンが第5パターンである場合には第1〜第7対象エリアRE1〜RE7のそれぞれに第5段階数に対応した情報をセットする。これにより、各上乗せ実行回における初期の段階数が設定されることとなる。
その後、ステップS1109にて、ステップS1104における上乗せモードの抽選処理にて選択された上乗せモードに対応する上乗せ実行回数の情報と、ステップS1107における上乗せ段階数の抽選処理にて選択された段階数のパターンの情報とを、サブ側RAM84に設けられた上乗せ継続態様の別保存領域にセットする。残りの上乗せ実行回数が「0」となった場合であって第1上乗せ状態の新たな実行回が開始される場合には、上記別保存領域にセットされている上乗せ実行回数と段階数のパターンとに対応した上乗せ態様で第1上乗せ状態の新たな実行回が開始される。
その後、ステップS1110にて、今回の第1上乗せ状態においてどのような演出を行うのかを決定付ける第1上乗せ状態の演出テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。第1上乗せ状態の演出テーブルは、上乗せモード及び段階数のパターンの種類の組み合わせに対応させて設定されている。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該演出テーブルが参照されることにより、今回の上乗せモード及び段階数のパターンに対応した内容の演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。但し、当該演出テーブルは所定期間に亘って継続する所定の演出内容に対応しており、第1上乗せ状態においては当該演出テーブルが繰り返し参照されることにより、当該所定の演出内容の演出が繰り返し実行されることとなる。
<第1上乗せ状態処理>
次に、第1上乗せ状態処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。なお、第1上乗せ状態処理は、AT中処理(図19)におけるステップS713にて実行される。
抽選結果コマンドを受信している場合(ステップS1201:YES)、当該抽選結果コマンドに含まれる当選役の情報から主側MPU72における今回の役の抽選処理の結果を特定し、その特定した抽選結果に対応した演出テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS1202)。当該演出テーブルが周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて参照されることにより、第1上乗せ状態の設定処理(図28)におけるステップS1110にて読み出された演出テーブルに対応する演出に対して、今回の役の抽選結果に対応する演出が付加される。
入賞結果コマンドを受信している場合であって(ステップS1203:YES)、当該入賞結果コマンドに含まれる当選役の情報がIV=1〜7,11〜18のいずれかである場合(ステップS1204:YES)、ステップS1205にて上乗せゲーム数の設定処理を実行する。図31は上乗せゲーム数の設定処理を示すフローチャートである。
当選役の情報がIV=1〜6である場合、すなわち画像表示装置66にて報知された停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1ベル入賞又は第2ベル入賞が成立する役に当選したゲームである場合(ステップS1301:YES)、ステップS1302〜ステップS1304に示す段階数のステップアップ用の処理を実行することなく、ステップS1305以降の上乗せ実行回の消化処理を実行する。一方、当選役の情報がIV=7,11〜18のいずれかである場合(ステップS1301:NO)、ステップS1302〜ステップS1304に示す段階数のステップアップ用の処理を実行する。
段階数のステップアップ用の処理について詳細には、まずステップS1302にてステップアップ抽選処理を実行する。ステップアップ抽選処理では、今回の当選役に対応したステップアップ抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出すとともに、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタの値を上記ステップアップ抽選テーブルに対して照合する。ステップアップ抽選処理では、IV=13〜15の場合には確実に当選となり、IV=7,11,12,16〜18の場合には0%よりも大きく100%未満の確率で当選となるとともにIVの値が大きいほど当選となる確率が高い。
ステップアップ当選となった場合(ステップS1303:YES)、サブ側RAM84の段階数記憶領域84a(図29参照)において今回の上乗せ実行回に対応した対象エリア、すなわち第1対象エリアRE1から段階数の情報を読み出し、その段階数に対して1段階高い段階数の情報を第1対象エリアRE1に上書きする(ステップS1304)。これにより、今回の上乗せ実行回に対応した段階数が1段階高くなる。
ステップS1301にて肯定判定をした場合、ステップS1303にて否定判定をした場合、又はステップS1304の処理を実行した場合には、ステップS1305以降の上乗せ実行回の消化処理を実行する。ステップS1305では、上乗せゲーム数の選択処理を実行する。
上乗せゲーム数の選択処理では、サブ側RAM84の段階数記憶領域84aにおける第1対象エリアRE1にセットされている段階数の情報を読み出し、その段階数に対応した上乗せゲーム数の抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。また、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出す。そして、当該サブ側抽選用カウンタの値を上記上乗せゲーム数の抽選テーブルに対して照合することで、今回の上乗せ実行回における上乗せゲーム数を特定する。既に説明したとおり段階数に応じて上乗せゲーム数の選択範囲は異なっている。詳細には、図25(b)に示すように、第1段階であれば3ゲーム〜5ゲームであり、第2段階であれば5ゲーム〜10ゲームであり、第3段階であれば10ゲーム〜20ゲームであり、第4段階であれば20ゲーム〜100ゲームであり、第5段階であれば100ゲーム、200ゲーム及び300ゲームのいずれかである。上乗せゲーム数の抽選テーブルは各段階数に1対1で対応させて設けられており、各上乗せゲーム数の抽選テーブルは、対応する上乗せゲーム数の選択範囲に含まれる各上乗せゲーム数のそれぞれが同一の選択率となるように設定されている。
続くステップS1306では、ステップS1305における上乗せゲーム数の選択処理にて選択された上乗せゲーム数分の値を、サブ側RAM84の通常ATゲームカウンタに加算する。これにより、今回の上乗せ実行回が消化されるとともに、今回の上乗せ実行回に対応したゲーム数がベースAT状態の残りの継続ゲーム数に対して加算されることとなる。また、ステップS1306では、今回の上乗せゲーム数が画像表示装置66にて表示されるように演出テーブルの調整処理を実行する。これにより、ベースAT状態の残りの継続ゲーム数に対して上乗せされたゲーム数を遊技者が明確に把握することができる。
ちなみに、ステップアップ抽選処理(ステップS1302)にてステップアップ当選となった後に、ステップS1306の上乗せゲーム数の加算処理が実行される場合、画像表示装置66にて表示されている今回の上乗せ実行回に対応する上乗せ単位画像UG1,UG2の色がステップアップ後の段階数に対応した色に変更された後に、上乗せゲーム数の報知が実行される。これにより、段階数のステップアップが発生したことを遊技者に明確に認識させた後に、上乗せゲーム数を認識させることが可能となるため、より多くの上乗せゲーム数が発生することへの期待感を好適に高めることが可能となる。
その後、ステップS1307にてサブ側RAM84の上乗せ回数カウンタの値を1減算する。そして、ステップS1308にて、その1減算後の上乗せ回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。上乗せ回数カウンタの値が「0」である場合には、ステップS1309にて、サブ側RAM84に設けられた継続回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。継続回数カウンタは、第1上乗せ状態の残りの実行回数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタであり、後述する第1上乗せ状態の継続確定条件が成立した場合に継続回数カウンタへの加算が発生する。
継続回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS1309:NO)、ステップS1310にて継続抽選処理を実行する。継続抽選処理では、第1上乗せ状態の設定処理(図28)におけるステップS1106にてサブ側RAM84の継続率記憶領域にセットされた継続率の情報を読み出し、その継続率の情報に対応した継続抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。また、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出す。そして、当該サブ側抽選用カウンタの値を上記継続抽選テーブルに対して照合することで、第1上乗せ状態の新たな実行回を開始させるか否かを決定する。
継続抽選処理の結果が外れ結果であった場合(ステップS1311:NO)、サブ側RAM84のAT状態カウンタの値を「1」にする(ステップS1312)。これにより、AT状態の滞在モードが第1上乗せ状態からベースAT状態に復帰することとなる。また、ステップS1313では、ベースAT状態用の演出テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該演出テーブルが参照されることにより、ベースAT状態に対応する演出が、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。
継続抽選処理の結果が当選結果であった場合(ステップS1311:YES)、ステップS1314にて第1上乗せ状態の再設定処理を実行する。当該再設定処理では、第1上乗せ状態の設定処理(図28)におけるステップS1109にてサブ側RAM84の別保存領域にセットした上乗せ実行回数の情報と、段階数のパターンの情報とを読み出す。そして、第1上乗せ状態の設定処理(図28)におけるステップS1105及びステップS1108と同様に、その読み出した上乗せ実行回数の情報をサブ側RAM84の上乗せ回数カウンタにセットするとともに、その読み出した段階数のパターンの情報に対応した段階数の情報をサブ側RAM84の段階数記憶領域84aにおける対応する各対象エリアRE1〜RE7にセットする。また、サブ側RAM84の継続回数カウンタの値が1以上である場合(ステップS1309:YES)、ステップS1315にてその継続回数カウンタの値を1減算した後に、ステップS1316にて第1上乗せ状態の再設定処理を実行する。第1上乗せ状態の再設定処理が実行されることにより、第1上乗せ状態の新たな実行回が開始されることとなる。
第1上乗せ状態処理(図30)の説明に戻り、入賞結果コマンドを受信している場合であって(ステップS1203:YES)、当該入賞結果コマンドに含まれる当選役の情報がIV=8である場合(ステップS1206:YES)、サブ側RAM84に設けられた昇格期間中フラグに「1」がセットされていることを条件に(ステップS1207:YES)、ステップS1208にて昇格期間中処理を実行する。昇格期間中フラグは、後述するように第1上乗せ状態において主側MPU72における役の抽選処理にてIV=9又は10で当選となった場合に「1」がセットされるフラグである。第1上乗せ状態において昇格期間中フラグに「1」がセットされている期間は昇格期間となり、昇格期間においては、IV=8で当選となるゲームが連続した回数に応じて、現状の上乗せ実行回における段階数がより高い段階数に昇格することとなる。
かかる段階数の昇格を行うための処理である昇格期間中処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。まずサブ側RAM84に設けられた再遊技連続カウンタの値を「1」加算する(ステップS1401)。そして、その「1」加算後の再遊技連続カウンタの値がステップアップ対応値に該当しているか否かを判定する(ステップS1402)。かかる判定処理の内容について詳細に説明する。サブ側ROM83には図33の説明図に示すようにステップアップ対応テーブル83bが設けられており、ステップアップ対応テーブル83bでは、IV=8で当選となるゲームの連続回数と段階数との関係が定められている。この場合、IV=8で当選となるゲームの連続回数が「2」である場合に対応させて段階数として第2段階が設定されており、IV=8で当選となるゲームの連続回数が「4」である場合に対応させて段階数として第3段階が設定されており、IV=8で当選となるゲームの連続回数が「6」である場合に対応させて段階数として第4段階が設定されており、IV=8で当選となるゲームの連続回数が「8」である場合に対応させて段階数として第5段階が設定されている。ステップS1402では、現状の再遊技連続カウンタの値に対応した段階数をステップアップ対応テーブルから読み出し、その読み出した段階数が現状の上乗せ実行回に対応する段階数、すなわち段階数記憶領域84aの第1対象エリアRE1に記憶されている段階数よりも有利度が高い段階数である場合に、肯定判定をする。
ステップS1402にて肯定判定をした場合、ステップS1403にてステップアップ処理を実行する。ステップアップ処理では、ステップアップ対応テーブルから読み出した段階数を段階数記憶領域84aの第1対象エリアRE1に上書きすることにより、今回の上乗せ実行回に対応する段階数を有利度が高い段階数に変更する。ステップS1403のステップアップ処理が実行された場合、画像表示装置66にて表示されている今回の上乗せ実行回に対応する上乗せ単位画像UG1,UG2(図26参照)の色が今回変更された段階数の色に変更される。これにより、段階数が変更されたことが遊技者に報知され、より多くの上乗せゲーム数が発生することへの期待感を好適に高めることが可能となる。また、IV=8で当選となるゲームの連続回数が増加していくことに従って、今回の上乗せ実行回の段階数が徐々にステップアップしていくとともに、それに伴って、今回の上乗せ実行回に対応する上乗せ単位画像UG1,UG2の色が徐々に変更されていくため、段階数のステップアップ過程を遊技者に認識させることが可能となる。よって、IV=8で当選となるゲームが連続している状況において、さらにIV=8に当選することへの期待感を好適に高めることが可能となる。さらにまた、IV=8はCB内部後状態における役の抽選処理(図11)にて当選確率が最も高い役であり、このような当選確率が最も高い役に当選したことの連続回数に応じて段階数のステップアップを発生させることで、ステップアップが発生し易いのではないかと遊技者に認識させ易くなり、ステップアップ発生への期待感を高めることが可能となる。
第1上乗せ状態処理(図30)の説明に戻り、入賞結果コマンドを受信している場合であって(ステップS1203:YES)、当該入賞結果コマンドに含まれる当選役の情報がIV=9又は10である場合(ステップS1206:NO)、ステップS1209にて継続用処理を実行する。継続用処理では、第1上乗せ状態の新たな実行回の開始を担保するための処理を実行するとともに、昇格期間の開始を担保するための処理を実行する。また、IV=10で当選となった場合における継続用処理では、AT状態の滞在モードを第1上乗せ状態から第2上乗せ状態に移行させるための処理を実行する。
当該継続用処理は、既に説明したとおり、第1上乗せ状態においてIV=9又は10で当選となった場合に実行される。IV=9に設定されている当選データは、既に説明したとおり、通常リプレイ当選データ、第1BARリプレイ当選データ、第1特殊リプレイ当選データ及び第3特殊リプレイ当選データであり、IV=10に設定されている当選データは、通常リプレイ当選データ、第2BARリプレイ当選データ及び第1特殊リプレイ当選データである(図13参照)。そして、IV=9で当選となった場合には第1停止が右リール32Rの場合に限り第1BARリプレイ入賞が成立し得るとともに、IV=10で当選となった場合には第1停止が右リール32Rの場合に限り第2BARリプレイ入賞が成立し得る(図14参照)。
かかる構成において、継続用処理が実行された場合の恩恵はIV=9又は10で当選となったゲームにおいて第1停止で右リール32Rが停止された場合に生じる。これに対応させて、第1上乗せ状態ではIV=9又は10にて当選となった場合、サブ側MPU82のAT中処理(図19)にてリプレイ用処理(ステップS705)が実行されることにより、右リール32Rを第1停止させるべきことが画像表示装置66にて報知される。一方、AT状態であって第1上乗せ状態ではない状況においてIV=9又は10にて当選となった場合、サブ側MPU82のAT中処理(図19)にてリプレイ用処理(ステップS705)が実行されることにより、右リール32Rを第1停止させないようにするための報知が画像表示装置66にて実行される。なお、非AT状態においては既に説明したとおり、第1停止として左リール32L以外のリール32M,32Rを停止させた場合にはペナルティ事象の発生と扱われ得るため、遊技者は左リール32Lを第1停止させることが期待され、それに伴ってIV=9又は10で当選となったとしても右リール32Rを第1停止させないようにするための報知は実行されない。
<リプレイ用処理>
サブ側MPU82のAT中処理(図19)におけるステップS705にて実行されるリプレイ用処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。なお、リプレイ用処理では、IV=9又は10で当選となった場合だけでなく、IV=13〜15のいずれかで当選となった場合及びIV=8で当選となった場合にもリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理が実行される。
今回受信した抽選結果コマンドに含まれる役の抽選処理の結果に対応する情報がIV=13〜15のいずれかに対応している場合(ステップS1501:YES)、AT状態の滞在モードに関係なく、成立用の押し順データを設定する(ステップS1502)。成立用の押し順データが周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて参照されることにより、第1停止として右リール32Rを停止させるべきことを示す押し順報知画像、及び対象となる特別リプレイ入賞に対応する図柄の種類報知画像が画像表示装置66にて表示される。
IV=13〜15には、当選データとして第1特別リプレイ当選データ、第2特別リプレイ当選データ及び第3特別リプレイ当選データのいずれかが設定されている(図13参照)。そして、IV=13〜15のいずれかで当選となった場合には第1停止として中リール32M又は右リール32Rが停止された場合に限り第1特別リプレイ入賞、第2特別リプレイ入賞及び第3特別リプレイ入賞のうち対応する特別リプレイ入賞が成立し得る(図14参照)。その一方、AT状態においてIV=13〜15のいずれかで当選となった場合には、他の役で当選となった場合よりも有利な特典が遊技者に付与される。そこで、AT状態においてIV=13〜15のいずれかで当選となった場合にはリプレイ用処理(図34)のステップS1502が実行されることにより、第1特別リプレイ入賞、第2特別リプレイ入賞及び第3特別リプレイ入賞のうち対象となる特別リプレイ入賞の成立を可能とするためのストップボタン42〜44の押し順報知画像、及び対象となる特別リプレイ入賞に対応する図柄の種類報知画像が、画像表示装置66にて表示される。これにより、対象となる特別リプレイ入賞が成立する機会を高めることが可能となる。
なお、AT状態においてIV=13〜15のいずれかで当選となった場合の特典は、対象となる特例リプレイ入賞の成立有無に関係なく遊技者に付与されるが、その際に対象となる特別リプレイ入賞がリール32L,32M,32Rの停止結果として成立している場合の方がIV=13〜15のいずれかにて当選となったことの遊技者の優越感を高めることが可能となる。
今回受信した抽選結果コマンドに含まれる役の抽選処理の結果に対応する情報がIV=9又は10に対応している場合(ステップS1503:YES)、ステップS1504にてサブ側RAM84のAT状態カウンタの値が「3」であるか否かを判定することで、AT状態の滞在モードが第1上乗せ状態であるか否かを判定する。
AT状態の滞在モードが第1上乗せ状態である場合(ステップS1504:YES)、成立用の押し順データを設定する(ステップS1505)。成立用の押し順データが周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて参照されることにより、第1BARリプレイ入賞又は第2BARリプレイ入賞のうち対象となるBARリプレイ入賞の成立を可能とするためのストップボタン42〜44の押し順報知画像、及び対象となる特別リプレイ入賞に対応する図柄の種類報知画像が、画像表示装置66にて表示される。具体的には、右リール32Rから停止すべきことを示す画像と、各リール32L,32M,32Rにおいて「BAR」図柄を狙うべきことを示す画像とが画像表示装置66にて表示される。かかる報知画像を確認した遊技者がその報知内容通りに各ストップボタン42〜44の停止操作を行うことにより、サブラインSL4において3個の「BAR」図柄が停止表示される第1BARリプレイ入賞、又はサブラインSL5において3個の「BAR」図柄が停止表示される第2BARリプレイ入賞を成立させることが可能となる。
一方、AT状態の滞在モードが第1上乗せ状態以外である場合(ステップS1504:NO)、外れ用の押し順データを設定する(ステップS1506)。外れ用の押し順データが周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて参照されることにより、第1BARリプレイ入賞又は第2BARリプレイ入賞のうち対象となるBARリプレイ入賞の成立を不可とするためのストップボタン42〜44の押し順報知画像が画像表示装置66にて表示される。具体的には、左リール32Lから停止すべきことを示す画像が画像表示装置66にて表示される。ここで、IV=9又は10で当選となった場合には第1停止として左リール32L又は中リール32Mが停止された場合、通常リプレイ入賞が確実に成立する(図14参照)。これにより、外れ用の押し順データに対応する報知画像を確認した遊技者がその報知内容通りに各ストップボタン42〜44の停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞が確実に成立することとなる。よって、第1上乗せ状態以外において第1BARリプレイ入賞又は第2BARリプレイ入賞が成立することを回避することができるだけでなく、第1上乗せ状態以外においてIV=9又は10で当選となった場合には第1停止として右リール32Rが停止されることも回避することができる。さらにまた、第1上乗せ状態以外においてIV=9又は10にて当選となった場合には第1停止として左リール32Lを停止させるべきことを示す報知に従ってリール32L,32M,32Rを停止させた場合には通常リプレイ入賞が成立するため、IV=9又は10にて当選となったことを遊技者が認識しづらくなる。
今回受信した抽選結果コマンドに含まれる役の抽選処理の結果に対応する情報がIV=8に対応している場合(ステップS1507:YES)、サブ側RAM84のAT状態カウンタの値が「3」であること(ステップS1508:YES)、及びサブ側RAM84に設けられた継続発生済みフラグに「1」がセットされていないこと(ステップS1509:NO)を条件に、演出用の押し順データを設定する(ステップS1510)。演出用の押し順データが周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて参照されることにより、第1上乗せ状態においてIV=9又は10にて当選となった場合と同様に、右リール32Rから停止すべきことを示す画像と、各リール32L,32M,32Rにおいて「BAR」図柄を狙うべきことを示す画像とが画像表示装置66にて表示される。ここで、IV=8で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する(図14参照)。したがって、演出用の押し順データに対応する報知画像を確認した遊技者がその報知内容通りに各ストップボタン42〜44の停止操作を行ったとしても、通常リプレイ入賞が確実に成立することとなる。第1上乗せ状態においてIV=8で当選となった場合に演出用の押し順データに対応する報知を行うことにより、第1BARリプレイ入賞又は第2BARリプレイ入賞が成立するのではないかと遊技者に期待させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
その一方、演出用の押し順データの設定は、サブ側RAM84の継続発生済みフラグに「1」がセットされている場合には行われない(ステップS1509:YES)。継続発生済みフラグは後述するように、第1上乗せ状態の1実行回の範囲内において既にIV=9又は10で当選となり、さらにそのゲームで第1停止として右リール32Rが停止されてIV=9又は10にて当選となったことの利益が遊技者に既に付与されている場合に「1」がセットされる。この場合に、継続発生済みフラグに「1」がセットされている場合には演出用の押し順データの設定を行わないようにすることにより、第1上乗せ状態の1実行回の範囲内においてIV=9又は10で当選することの利益が遊技者に既に付与されている場合には、IV=8で当選となった場合にIV=9又は10で当選したのではないかと遊技者に期待させる演出が実行されない。これにより、当該演出が過剰に実行されてしまわないようにすることが可能となる。
<継続用処理>
次に、第1上乗せ状態処理(図30)のステップS1209にて実行される継続用処理について図35のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1601では、今回のゲームにおいて主側MPU72から受信した停止指令コマンドの内容から、第1停止として右リール32Rが停止されたか否かを判定する。既に説明したとおり継続用処理は第1上乗せ状態においてIV=9又は10にて当選となった場合に実行されるため、ステップS1601では、第1上乗せ状態においてIV=9又は10にて当選となり、さらに第1停止として右リール32Rが停止されたか否かを判定していることになる。
ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602にて、サブ側RAM84の継続発生済みフラグに「1」をセットするとともに、サブ側RAM84の昇格期間中フラグに「1」をセットする。継続発生済みフラグに「1」がセットされることにより、既に説明したとおり、第1上乗せ状態の今回の実行回においてIV=8で当選となったとしても演出用の押し順データは設定されない。また、昇格期間中フラグに「1」がセットされることにより、第1上乗せ状態においては昇格期間となり、既に説明したとおり、IV=8で当選となったゲームの連続回数に応じて今回の上乗せ実行回の段階数がランクアップされる。続くステップS1603では、サブ側RAM84の継続回数カウンタの値を「1」加算する。これにより、第1上乗せ状態の実行回が1回分加算される。つまり、第1上乗せ状態においてIV=9又は10で当選となり第1停止として右リール32Rが停止された場合には、第1上乗せ状態の継続条件が1回成立したこととなる。なお、第1上乗せ状態の1実行回においてIV=9又は10で当選となり第1停止として右リール32Rが停止される事象が複数回発生した場合にはその発生回数分の値が継続回数カウンタに加算される。
IV=10で当選となり第1停止として右リール32Rが停止された場合(ステップS1601及びステップS1604:YES)、ステップS1602及びステップS1603の処理に加えて、ステップS1605〜ステップS1607に示す第2上乗せ状態の設定処理を実行する。
詳細には、まずステップS1605にてサブ側RAM84のAT状態カウンタの値を1加算する。これにより、AT状態の滞在モードが第1上乗せ状態から第2上乗せ状態に移行する。また、ステップS1606にて、第2上乗せ状態を開始することを示す開始報知用の演出を行うための開始報知用テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該テーブルが参照されることにより、開始報知用の演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。但し、当該テーブルは所定期間に亘って継続する所定の演出内容に対応しており、開始報知の終了条件が成立するまでは当該テーブルが繰り返し参照されることにより、当該所定の演出内容の演出が繰り返し実行されることとなる。その後、ステップS1607にて、サブ側RAM84に設けられた開始報知フラグに「1」をセットする。開始報知フラグは、開始報知を実行している状況であることをサブ側MPU82にて特定するためのフラグである。
<第2上乗せ状態>
第2上乗せ状態は、既に説明したとおり、第1上乗せ状態においてIV=10で当選となるとともに第1停止として右リール32Rが停止された場合に移行する。第2上乗せ状態は、複数ゲームに亘って継続するのではなく、第1上乗せ状態においてIV=10で当選となるとともに第1停止として右リール32Rが停止されたゲームにおいて全リール32L,32M,32Rが停止した後に、主側MPU72にて新たなゲームの開始、すなわちリール32L,32M,32Rの回転開始が禁止されたフリーズ期間において進行するとともに、遊技者の操作に基づく終了条件が成立するまで継続する。
第2上乗せ状態には、図36の説明図に示すように複数種類の継続モードと固定モードとが存在している。継続モードは、第1クレジット投入ボタン47が1回操作される度に、ベースAT状態の継続ゲーム数に対して所定ゲーム数分が上乗せされるとともに、第1クレジット投入ボタン47が操作された場合に主側MPU72にて実行される主側継続抽選処理にて継続外れとなるまでは第1クレジット投入ボタン47の操作による新たな上乗せ機会が生じるモードである。
継続モードは、第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対する上乗せ単位ゲーム数と主側継続抽選処理において継続当選となる確率との組み合わせが相互に異なるように複数種類設定されている。具体的には、第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対する上乗せ単位ゲーム数が1ゲームであって主側継続抽選処理において継続当選となる確率が99%である第1継続モードと、第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対する上乗せ単位ゲーム数が10ゲームであって主側継続抽選処理において継続当選となる確率が90%である第2継続モードと、第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対する上乗せ単位ゲーム数が25ゲームであって主側継続抽選処理において継続当選となる確率が75%である第3継続モードと、第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対する上乗せ単位ゲーム数が50ゲームであって主側継続抽選処理において継続当選となる確率が50%である第4継続モードとが設定されている。これら第1〜第4継続モードは、上乗せ単位ゲーム数が少ないほど主側継続抽選処理の継続率が高く、上乗せ単位ゲーム数が多いほど主側継続抽選処理の継続率が低くなっている。
但し、上乗せ単位ゲーム数と継続率との関係で導出される各継続モードにおいて期待される上乗せゲーム数の合計はいずれも100ゲームとなる。つまり、上乗せ単位ゲーム数をaゲーム、継続率をb%とした場合、合計上乗せゲーム数の期待値はa×(1/(1−b/100))となる。そして、当該計算式に従って各継続モードにおける合計上乗せゲーム数の期待値を計算すると100ゲームとなる。
第1継続モード〜第4継続モードに対しては最低補償ゲーム数が設定されており、いずれの継続モードであったとしてもベースAT状態の継続ゲーム数に対して最低補償ゲーム数分の上乗せが担保されている。最低補償ゲーム数は複数ゲーム以上として設定されており、具体的には第1継続モード〜第4継続モードのそれぞれに対して共通の50ゲームに設定されている。当該最低補償ゲーム数は、第1継続モード〜第3継続モードの上乗せ単位ゲーム数よりも多いゲーム数となっており、第4継続モードの上乗せ単位ゲーム数と同一となっている。また、最低補償ゲーム数は、いずれの上乗せ単位ゲーム数であっても割り切れる値となっている。ここで、既に説明したとおり、各継続モードにおける合計上乗せゲーム数の期待値は100ゲームとなる。そうすると、最低補償ゲーム数は、各継続モードにおいて共通となる合計上乗せゲーム数の期待値よりも少ないゲーム数となる。
第1継続モード〜第4継続モードのいずれかの継続モードである場合、図37(a)の説明図に示すように、画像表示装置66にて第1クレジット投入ボタン47を操作すべきことを促す画像が表示される。そして、第1クレジット投入ボタン47の操作に対して上乗せ単位ゲーム数分の上乗せが発生する度に、当該上乗せが発生したことを示す画像が表示される。但し、継続モードが継続している状況、すなわち第1クレジット投入ボタン47の操作に対して上乗せ単位ゲーム数分の上乗せが発生する状況においては、今回の第2上乗せ状態における合計の上乗せゲーム数は報知されない。その後、主側継続抽選処理にて継続外れとなり、第1クレジット投入ボタン47の操作に対して上乗せ単位ゲーム数分の上乗せが発生しない状況となった場合に、図37(b)の説明図に示すように、今回の第2上乗せ状態において獲得した合計の上乗せゲーム数が画像表示装置66にて表示される。
固定モードは、第1クレジット投入ボタン47が操作される度に上乗せ単位ゲーム数分の加算を行うモードではなく、ベースAT状態の継続ゲーム数に対して予め定められた固定ゲーム数分の上乗せが発生するモードである。固定ゲーム数は、第1継続モード〜第4継続モードのいずれの上乗せ単位ゲーム数よりも多いゲーム数に設定されている。また、第1継続モード〜第4継続モードに対して共通の最低補償ゲーム数よりも多いゲーム数に設定されている。具体的には、固定ゲーム数は100ゲームに設定されている。このように固定ゲーム数が、継続モードの上乗せ単位ゲーム数よりも多く、さらに継続モードの最低補償ゲーム数よりも多く設定されていることにより、確実に固定ゲーム数分の上乗せを獲得したい遊技者は継続モードよりも固定モードに魅力を感じることとなる。その一方、継続モードにおいては主側継続抽選処理にて継続当選となり続ける限り、第1クレジット投入ボタン47の操作に対する上乗せ単位ゲーム数分の上乗せが無制限で発生するため、固定ゲーム数よりも多くの上乗せゲーム数の獲得を目論む遊技者は固定モードよりも継続モードに魅力を感じることとなる。但し、既に説明したとおり、各継続モードにおける合計上乗せゲーム数の期待値は100ゲームであり、当該期待値のゲーム数は固定モードの固定ゲーム数と同一である。したがって、いずれのモードを選択した場合であっても上乗せゲーム数の期待値は同一となる。
第2上乗せ状態の実行対象モードを第1継続モード〜第4継続モード及び固定モードのうちいずれとするのかは、遊技者の選択操作によって決定される。具体的には、第2上乗せ状態において開始報知が終了した後はモード選択期間となり、モード選択期間では画像表示装置66にて実行対象のモードを遊技者が選択するための画像表示が行われる。この場合、左ストップボタン42又は右ストップボタン44が操作された場合に、画像表示装置66において示されている選択対象のモードが第1継続モード、第2継続モード、第3継続モード、第4継続モード及び固定モードの中で順次変更され、第1クレジット投入ボタン47が操作された場合に画像表示装置66において選択対象となっているモードが今回の実行対象モードとして決定される。
ちなみに、当該モード選択に際しては画像表示装置66において第1継続モード、第2継続モード、第3継続モード、第4継続モード及び固定モードのそれぞれに1対1で対応するモード対応キャラクタ画像が表示される。モード選択に際して遊技者はいずれかのモード対応キャラクタ画像を選択することとなる。そして、その選択されたモード対応キャラクタ画像を利用した表示演出が、その後の第2上乗せ状態の実行期間において実行されることとなる。なお、モード選択期間において選択対象となっているモードを変更するために操作される操作部は、左ストップボタン42及び右ストップボタン44に限定されることはなく、主側MPU72と電気的に接続されている他の操作部であってもよく、例えばスタートレバー41が操作された場合に選択対象のモードが変更される構成としてもよく、実行対象モードの決定が第1クレジット投入ボタン47とは異なる操作部の操作によって行われる構成においては第1クレジット投入ボタン47が操作された場合に選択対象のモードが変更される構成としてもよい。
第2上乗せ状態が進行していく様子について、図38のタイムチャートを参照しながら説明する。図38(a)は第2上乗せ状態の実行期間を示し、図38(b)は第2上乗せ状態が開始された後であって当該第2上乗せ状態の実行対象モードが選択されるまでの選択前期間を示し、図38(c)は第2上乗せ状態において実行対象モードが選択された後の選択後期間を示し、図38(d)は第2上乗せ状態を途中でキャンセルすることが可能な期間を示し、図38(e)はスタートレバー41が操作されたタイミングを示し、図38(f)は第1クレジット投入ボタン47が操作されたタイミングを示し、図38(g)は上乗せ分のゲーム数が加算されるタイミングを示す。
まず第2上乗せ状態の実行が途中でキャンセルされない場合について説明する。
t1のタイミングで図38(a)に示すように第2上乗せ状態が開始される。第2上乗せ状態のt1のタイミングからt3のタイミングまでは、図38(b)に示すように選択前期間となる。選択前期間においては第2上乗せ状態が開始されることを報知するための開始報知が行われるとともに、その後、第2上乗せ状態の実行対象モードを遊技者が選択可能な期間となる。ここで、第2上乗せ状態の実行対象モードが選択された後である選択後期間においては、スタートレバー41が操作された場合に第2上乗せ状態の実行が途中でキャンセルされることとなるが、選択前期間においてスタートレバー41が操作されたとしても当該キャンセルは発生しない。したがって、選択前期間中であるt2のタイミングで図38(e)に示すようにスタートレバー41が操作されているが、第2上乗せ状態はキャンセルされない。
t3のタイミングで第2上乗せ状態の実行対象モードが選択されることにより、図38(c)に示すように、当該t3のタイミングで選択後期間が開始される。今回選択された実行対象モードは第4継続モードである。また、第2上乗せ状態の実行対象モードが選択されたt3のタイミング以降は図38(d)に示すようにキャンセル可能期間となる。これにより、スタートレバー41が操作された場合には第2上乗せ状態の実行が途中でキャンセルされることとなる。
その後、t4のタイミングで図38(f)に示すように第1クレジット投入ボタン47が操作される。これにより、上乗せ可能なゲーム数が50ゲームとなる。但し、このタイミングでは通常ATゲームカウンタへの50ゲームの加算は行われない。また、当該t4のタイミングでは継続外れとならないため、第2上乗せ状態が継続することとなる。
その後、t5のタイミングで図38(f)に示すように第1クレジット投入ボタン47が再度操作される。これにより、上乗せ可能なゲーム数が50ゲーム分加算されて100ゲームとなる。また、このタイミングで継続外れとなる。したがって、当該t5のタイミングで、図38(g)に示すように現時点の上乗せ可能なゲーム数である100ゲーム分が通常ATゲームカウンタに上乗せされ、図38(a)に示すように第2上乗せ状態が終了することとなる。
次に、第2上乗せ状態の実行が途中でキャンセルされる場合について説明する。
t6のタイミングで図38(a)に示すように第2上乗せ状態が開始され、当該t6のタイミングからt7のタイミングに亘って図38(b)に示すように選択前期間となる。t7のタイミングで第2上乗せ状態の実行対象モードが選択されることにより、図38(c)に示すように選択後期間が開始されるとともに、図38(d)に示すようにキャンセル可能期間が開始される。今回選択された実行対象モードも第4継続モードである。
その後、t8のタイミング及びt9のタイミングのそれぞれで図38(f)に示すように第1クレジット投入ボタン47が操作されることにより、上乗せ可能なゲーム数がそれぞれ50ゲーム分加算されて合計で100ゲームとなる。但し、これらt8のタイミング及びt9のタイミングでは継続外れとならないため、第2上乗せ状態は継続することとなる。
その後、t10のタイミングで図38(e)に示すようにスタートレバー41が操作される。これにより、第2上乗せ状態の実行が途中でキャンセルされることとなる。したがって、当該t10のタイミングで、図38(g)に示すように通常ATゲームカウンタへの上乗せが発生するとともに、図38(a)に示すように第2上乗せ状態が終了することとなる。
<フリーズ処理及び第2上乗せ状態処理>
以下、第2上乗せ状態を実行制御するための処理内容について説明する。図39は、主側MPU72における通常処理(図10)のステップS210にて実行されるフリーズ処理を示すフローチャートである。第2上乗せ状態は、既に説明したとおりリール32L,32M,32Rの回転が禁止された状況において進行することとなるが、当該フリーズ状態は主側MPU72にてフリーズ処理が実行されることにより設定される。また、図40は、サブ側MPU82におけるAT中処理(図19)のステップS714にて実行される第2上乗せ状態処理を示すフローチャートである。
フリーズ処理では、図39に示すように、今回のゲームの開始に際して実行された役の抽選処理にてIV=10で当選するとともに第1停止で右リール32Rが停止された場合(ステップS1701及びステップS1702:YES)、ステップS1703以降の処理に進むことでフリーズ状態に設定する。フリーズ状態では、IV=10にて当選となりリプレイ入賞が成立している状況においてスタートレバー41が操作されたとしてもリール32L,32M,32Rの回転は開始されない。
ステップS1703以降の処理内容について詳細には、ステップS1703では主側RAM74に設けられたタイマカウンタに開始報知時間に対応した値をセットする。既に説明したとおり第2上乗せ状態が開始される場合には第2上乗せ状態が開始されることを報知するための開始報知が画像表示装置66などにて行われる。開始報知時間は当該開始報知が実行される期間に対応しており、具体的には約10secに設定されている。なお、主側RAM74のタイマカウンタにセットされた開始報知時間の値は、タイマ割込み処理(図9)が1回起動される度にステップS108のタイマ減算処理にて1減算される。
主側RAM74のタイマカウンタの値が1以上である状況、すなわち開始報知時間が経過するまでは、ステップS1704にて待機する。開始報知時間が経過した場合(ステップS1704:YES)、ステップS1705にて主側RAM74のタイマカウンタにモード選択時間に対応した値をセットする。既に説明したとおり第2上乗せ状態では、開始報知が終了した後は、第1継続モード、第2継続モード、第3継続モード、第4継続モード及び固定モードの中から今回の実行対象モードを選択するためのモード選択期間となる。モード選択時間は当該モード選択期間に対応しており、具体的には20secに設定されている。なお、主側RAM74のタイマカウンタにセットされたモード選択時間の値は、タイマ割込み処理(図9)が1回起動される度にステップS108のタイマ減算処理にて1減算される。
続くステップS1706では、モード選択中コマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットする。サブ側MPU82はモード選択中コマンドを受信することにより、開始報知の実行期間が終了してモード選択期間となったことを認識し、それに対応した制御を開始する。
図40を参照しながら、サブ側MPU82にて実行される第2上乗せ状態処理について説明する。既に説明したとおりサブ側MPU82は第2上乗せ状態の開始に際してサブ側RAM84の開始報知フラグに「1」をセットする。そして、開始報知フラグに「1」がセットされている状況では、継続用処理(図35)のステップS1606にてサブ側RAM84に読み出した開始報知用テーブルを参照することで、開始報知用の演出を画像表示装置66などにて実行させる。
当該開始報知フラグに「1」がセットされている状況において(ステップS1801:YES)、主側MPU72からモード選択中コマンドを受信した場合(ステップS1802:YES)、モード選択期間用の演出を行うためのモード選択用テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS1803)。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該テーブルが参照されることにより、モード選択期間用の演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。但し、当該テーブルは所定期間に亘って継続する所定の演出内容に対応しており、モード選択期間が終了するまでは当該テーブルが繰り返し参照されることにより、当該所定の演出内容の演出が繰り返し実行されることとなる。
ちなみに、モード選択用テーブルは、選択対象のモードのそれぞれに対応したモード対応キャラクタ画像を表示させることを可能とするように選択対象のモードに対応させて複数種類のテーブルデータを有しており、選択対象のモードに応じて参照対象となるテーブルデータが変更される。モード選択期間が開始されたタイミングにおいては第1継続モードに対応したテーブルデータが参照対象とされる。これにより、画像表示装置66においては第1継続モードに対応したモード対応キャラクタ画像が選択対象として表示される。
モード選択用テーブルを読み出した後は、サブ側RAM84の開始報知フラグを「0」クリアするとともに、サブ側RAM84に設けられたモード選択中フラグに「1」をセットする(ステップS1804)。モード選択中フラグは、モード選択期間であることをサブ側MPU82にて特定するためのフラグである。
フリーズ処理(図39)の説明に戻り、ステップS1707では、モード変更操作が行われたか否かを判定する。具体的には、左ストップボタン42又は右ストップボタン44が操作されたか否かを判定する。モード変更操作が行われている場合には、ステップS1708にて対象モード変更処理を実行する。対象モード変更処理では、選択対象のモードを第1継続モード、第2継続モード、第3継続モード、第4継続モード及び固定モードの中で順次変更するための処理を実行する。具体的には、主側RAM74にはモード選択用カウンタが設けられている。モード選択用カウンタは、「0」〜「4」の数値範囲でループするループカウンタであり、「0」が第1継続モードに対応し、「1」が第2継続モードに対応し、「2」が第3継続モードに対応し、「3」が第4継続モードに対応し、「4」が固定モードに対応している。第2上乗せ状態が開始されたタイミングにおいてはモード選択用カウンタの値は「0」となっており、モード選択期間において左ストップボタン42が操作された場合にはモード選択用カウンタの値が1減算され、モード選択期間において右ストップボタン44が操作された場合にはモード選択用カウンタの値が1加算される。なお、「0」の状態で1減算された場合には「4」となり、「4」の状態で1加算された場合には「0」となる。
また、対象モード変更処理では、現状のモード選択用カウンタの値に対応した情報を含むモード変更コマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットする。サブ側MPU82はモード変更コマンドを受信することにより、画像表示装置66における選択対象のモードを示す表示内容を現状の選択対象のモードに対応した表示内容に変更する。
図40を再度参照しながら、サブ側MPU82にて実行される第2上乗せ状態処理について説明する。モード選択中フラグに「1」がセットされている状況において(ステップS1805:YES)、主側MPU72からモード変更コマンドを受信した場合(ステップS1806:YES)、選択モード変更用処理を実行する(ステップS1807)。選択モード変更用処理では、モード変更コマンドに含まれるモード選択用カウンタの値に対応した情報を抽出する。そして、サブ側RAM84に読み出されているモード選択用テーブルにおいて参照対象とするテーブルデータをその抽出した情報に対応するテーブルデータに変更する。これにより、画像表示装置66においては今回選択された選択対象のモードに対応するモード対応キャラクタ画像が選択対象として表示される。
フリーズ処理(図39)の説明に戻り、ステップS1707にて否定判定をした場合、又はステップS1708の処理を実行した場合には、ステップS1709にて、モード決定操作が行われたか否かを判定する。具体的には、第1クレジット投入ボタン47が操作されたか否かを判定する。モード決定操作が行われていないと判定した場合には、ステップS1710にて、ステップS1705において主側RAM74のタイマカウンタにセットされた値が「0」となっているか否かを判定することで、モード選択時間が経過したか否かを判定する。
モード決定操作が行われておらず、さらにモード選択時間が経過していない場合には(ステップS1709及びステップS1710:NO)、ステップS1707の処理に戻る。一方、モード決定操作が行われた場合(ステップS1709:YES)、又はモード選択時間が経過した場合(ステップS1710:YES)、ステップS1711にてモード決定処理を実行する。
図41は、モード決定処理を示すフローチャートである。第1継続モードが実行対象モードとして選択された場合(ステップS1901:YES)、主側RAM74に設けられた継続率カウンタに第1継続モードに対応した値をセットするとともに(ステップS1902)、主側RAM74に設けられた最低操作回数カウンタに第1継続モードに対応した最低操作回数の情報として「50」をセットする(ステップS1903)。継続率カウンタは、後述する主側抽選処理において参照すべき主側継続抽選テーブルの種類を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。最低操作回数カウンタは、各継続モードにおいて共通して設定されている最低補償ゲーム数に到達するまでに必要な第1クレジット投入ボタン47の操作回数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。第1継続モードの場合、既に説明したとおり第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対する上乗せ単位ゲーム数が1ゲームである。これに対して、各継続モードにおいて共通して設定されている最低補償ゲーム数は50ゲームである。したがって、第1継続モードの最低操作回数は50回に設定される。
第2継続モードが実行対象モードとして選択された場合(ステップS1904:YES)、主側RAM74の継続率カウンタに第2継続モードに対応した値をセットするとともに(ステップS1905)、主側RAM74の最低操作回数カウンタに第2継続モードに対応した最低操作回数の情報として「5」をセットする(ステップS1906)。第2継続モードの場合、既に説明したとおり第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対する上乗せ単位ゲーム数が10ゲームである。これに対して、各継続モードにおいて共通して設定されている最低補償ゲーム数は50ゲームである。したがって、第2継続モードの最低操作回数は5回に設定される。
第3継続モードが実行対象モードとして選択された場合(ステップS1907:YES)、主側RAM74の継続率カウンタに第3継続モードに対応した値をセットするとともに(ステップS1908)、主側RAM74の最低操作回数カウンタに第3継続モードに対応した最低操作回数の情報として「2」をセットする(ステップS1909)。第3継続モードの場合、既に説明したとおり第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対する上乗せ単位ゲーム数が25ゲームである。これに対して、各継続モードにおいて共通して設定されている最低補償ゲーム数は50ゲームである。したがって、第3継続モードの最低操作回数は2回に設定される。
第4継続モードが実行対象モードとして選択された場合(ステップS1910:YES)、主側RAM74の継続率カウンタに第4継続モードに対応した値をセットするとともに(ステップS1911)、主側RAM74の最低操作回数カウンタに第4継続モードに対応した最低操作回数の情報として「1」をセットする(ステップS1912)。第4継続モードの場合、既に説明したとおり第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対する上乗せ単位ゲーム数が、各継続モードにおいて共通して設定されている最低補償ゲーム数と同数の50ゲームである。したがって、第4継続モードの最低操作回数は1回に設定される。
一方、固定モードが実行対象として選択された場合(ステップS1910:NO)、主側RAM74の継続率カウンタへの値のセット、及び主側RAM74の最低操作回数カウンタへの値のセットは行われない。固定モードは、既に説明したとおり、第1クレジット投入ボタン47が操作される度に上乗せ単位ゲーム数分の加算を行うモードではなく、ベースAT状態の継続ゲーム数に対して予め定められた固定ゲーム数分の上乗せが発生するモードだからである。
ステップS1903の処理を実行した場合、ステップS1906の処理を実行した場合、ステップS1909の処理を実行した場合、ステップS1912の処理を実行した場合、又はステップS1910にて否定判定をした場合、今回の実行対象モードに対応した情報を含むモード決定コマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットする。サブ側MPU82はモード決定コマンドを受信することにより、今回の実行対象モードが決定されたことを把握するとともに今回の実行対象モードに対応した処理を実行する。
図40を再度参照しながら、サブ側MPU82にて実行される第2上乗せ状態処理について説明する。サブ側RAM84のモード選択中フラグに「1」がセットされている状況において(ステップS1805:YES)、主側MPU72からモード決定コマンドを受信した場合(ステップS1808:YES)、モードの記憶処理を実行する(ステップS1809)。モードの記憶処理では、サブ側RAM84に設けられたモード記憶カウンタに今回の実行対象モードに対応した値をセットする。
今回の実行対象モードが第1〜第4継続モードのいずれかである場合(ステップS1810:NO)、実行対象モードとして継続モードが選択されたことに対応する処理を実行する。具体的には、まず継続モードの選択後期間用の演出を行うための選択後演出テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS1811)。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該テーブルが参照されることにより、選択後期間用の演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。但し、当該テーブルは所定期間に亘って継続する所定の演出内容に対応しており、選択後期間が終了するまでは当該テーブルが繰り返し参照されることにより、当該所定の演出内容の演出が繰り返し実行されることとなる。
ちなみに、選択後演出テーブルは、継続モードのそれぞれに対応したモード対応キャラクタ画像を表示させることを可能とするように各継続モードに対応させて複数種類用意されている。今回の実行対象となった継続モードに対応する選択後演出テーブルが参照されることにより、画像表示装置66においては今回の実行対象モードに対応したモード対応キャラクタ画像を利用した表示演出が実行される。
その後、ステップS1812にて補償ゲーム数の決定処理を実行した後に、ステップS1813にてサブ側RAM84のモード選択中フラグを「0」クリアするとともに、サブ側RAM84に設けられた選択後フラグに「1」をセットする。選択後フラグは、いずれかの種類の継続モードが選択された後の期間であることをサブ側MPU82にて特定するためのフラグである。
補償ゲーム数とは、実行対象モードとしていずれかの継続モードが選択された場合の選択後期間の途中で第2上乗せ状態のキャンセル操作が行われた場合に、それまでに主側MPU72において把握した合計の上乗せゲーム数よりも多くのゲーム数の上乗せが発生する機会を担保するためのものである。サブ側MPU82では、いずれかの継続モードが選択された段階で補償ゲーム数の決定処理を実行することで、今回の第2上乗せ状態用の補償ゲーム数を決定する。
当該補償ゲーム数の決定処理について図42のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。まずステップS2001にて、実行対象モードに対応した補償抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。図43は、各継続モードに対応した補償抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。図43に示すように、いずれの継続モードであっても選択され得る補償ゲーム数は、各継続モードにおいて共通の最低補償ゲーム数(具体的には50ゲーム)以上となっている。これにより、サブ側MPU82にて決定される補償ゲーム数においても最低補償ゲーム数以上の上乗せが担保されている。
補償ゲーム数として選択され得る最高補償ゲーム数は各継続モードにおいて異なっている。当該最高補償ゲーム数は、上乗せ単位ゲーム数が多い継続モードほど多いゲーム数となっているとともに、主側継続抽選処理において継続当選となる確率(継続率)が高い継続モードほど多いゲーム数となっている。具体的には、第1継続モードにおいて選択され得る最高補償ゲーム数は150ゲームであり、第2継続モードにおいて選択され得る最高補償ゲーム数は200ゲームであり、第3継続モードにおいて選択され得る最高補償ゲーム数は300ゲームであり、第4継続モードにおいて選択され得る最高補償ゲーム数は450ゲームである。これにより、1回の上乗せ単位ゲーム数が多いものの継続率が低い継続モードほど、選択され得る最高補償ゲーム数は多くなる。
但し、補償ゲーム数として最低補償ゲーム数が選択される確率は、上乗せ単位ゲーム数が多い継続モードほど高くなっているとともに、主側継続抽選処理において継続当選となる確率(継続率)が低い継続モードほど高くなっている。具体的には、第1継続モードにおいて最低補償ゲーム数が選択される確率は10%であり、第2継続モードにおいて最低補償ゲーム数が選択される確率は30%であり、第3継続モードにおいて最低補償ゲーム数が選択される確率は34%であり、第4継続モードにおいて最低補償ゲーム数が選択される確率は83%である。これにより、1回の上乗せ単位ゲーム数が多いものの継続率が低い継続モードほど、最低補償ゲーム数がそのまま補償ゲーム数として選択される確率が高くなる。換言すれば、1回の上乗せ単位ゲーム数が少ないものの継続率が高い継続モードほど、補償ゲーム数として最低補償ゲーム数よりも多いゲーム数が選択される確率が高くなる。
また、最も少ない最高補償ゲーム数(具体的には150ゲーム)の範囲内において最低補償ゲーム数よりも多い各補償ゲーム数の選択確率は、1回の上乗せ単位ゲーム数が少ないものの継続率が高い継続モードの方が、1回の上乗せ単位ゲーム数が多いものの継続率が低い継続モードよりも低くならないように設定されている。例えば、75ゲームの選択確率は、第1継続モードが最も高く、第4継続モードが最も低く設定されている。
また、固定モードにおける上乗せゲーム数として設定されている固定ゲーム数以上のゲーム数が選択される確率は、1回の上乗せ単位ゲーム数が少ないものの継続率が高い継続モードの方が、1回の上乗せ単位ゲーム数が多いものの継続率が低い継続モードよりも高く設定されている。具体的には、補償ゲーム数として100ゲーム以上が選択される確率は、第1継続モードは14%であり、第2継続モードは11%であり、第3継続モードは11%であり、第4継続モードは8%である。
上記のように補償ゲーム数の選択確率が設定されていることにより、1回の上乗せ単位ゲーム数が多いものの継続率が低い継続モードの方が、選択され得る最高補償ゲーム数は多くなるが、最低補償ゲーム数が選択される確率が高く、さらに固定モードの固定ゲーム数以下となる確率が高くなる。逆に、1回の上乗せ単位ゲーム数が少ないものの継続率が高い継続モードの方が、選択され得る最高補償ゲーム数は少なくなるが、最低補償ゲーム数が選択される確率が低く、さらに固定モードの固定ゲーム数以下となる確率が低くなる。
ここで、第1継続モードにおける補償ゲーム数の期待値は約78ゲームとなっており、第2継続モードにおける補償ゲーム数の期待値は約74ゲームとなっており、第3継続モードにおける補償ゲーム数の期待値は約73ゲームとなっており、第4継続モードにおける補償ゲーム数の期待値は約70ゲームとなっている。つまり、補償ゲーム数の期待値は選択され得る最高補償ゲーム数が少ない第1継続モードの方が高くなる。
また、各継続モードにおける補償ゲーム数の期待値は、上乗せ単位ゲーム数と継続率との関係から導かれる合計上乗せゲーム数の期待値である100ゲームよりも少ない。したがって、いずれの継続モードであったとしても第2上乗せ状態のキャンセルを行わない方が遊技者にとって有利である。さらにまた、各継続モードにおける補償ゲーム数の期待値は、固定モードの固定ゲーム数である100ゲームよりも少ない。したがって、いずれかの継続モードを選択して途中で第2上乗せ状態をキャンセルするよりも、固定モードを選択した方が遊技者にとって有利である。
補償ゲーム数の決定処理(図42)の説明に戻り、ステップS2001にて補償抽選テーブルを読み出した後は、ステップS2002にて補償ゲーム数の抽選処理を実行する。補償ゲーム数の抽選処理では、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタの値を上記読み出した補償抽選テーブルに対して照合する。そして、その照合結果によって得た補償ゲーム数を、サブ側RAM84に設けられた補償ゲーム数カウンタにセットする(ステップS2003)。補償ゲーム数カウンタは、実行対象モードが決定した段階で選択された補償ゲーム数を第2上乗せ状態の終了時まで記憶しておくためのカウンタである。これにより、サブ側MPU82において今回の第2上乗せ状態における補償ゲーム数が決定される。
第2上乗せ状態処理(図40)の説明に戻り、主側MPU72からモード決定コマンドを受信した場合(ステップS1808:YES)であって、今回の実行対象モードが固定モードである場合(ステップS1810:YES)、サブ側RAM84の通常ATゲームカウンタに固定モードの固定ゲーム数に対応する値(具体的には「100」)を加算する(ステップS1814)。そして、固定モードに対応した演出を行うための固定ゲームテーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS1815)。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該テーブルが参照されることにより、固定モードが選択されたことに対応する演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行される。但し、当該テーブルは所定期間に亘って継続する所定の演出内容に対応しており、新たなゲームが開始されるまでは当該テーブルが繰り返し参照されることにより、当該所定の演出内容の演出が繰り返し実行されることとなる。その後、サブ側RAM84のAT状態カウンタの値を「3」にセットする(ステップS1816)。これにより、AT状態の滞在モードが第2上乗せ状態から第1上乗せ状態に復帰することとなる。
フリーズ処理(図39)の説明に戻り、ステップS1711にてモード決定処理を実行した後は、ステップS1712にて、今回の実行対象モードが固定モードであるか否かを判定する。固定モードである場合にはそのまま本フリーズ処理を終了する。これにより、実行対象モードとして固定モードが選択された場合には、その時点でフリーズ状態が解除される。よって、スタートレバー41が操作された場合には各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて新たなゲームが開始されることとなる。一方、いずれかの継続モードである場合(ステップS1712:NO)、ステップS1713にて主側選択処理を実行する。また、サブ側MPU82においては、今回の実行対象モードがいずれかの継続モードである場合、第2上乗せ状態処理(図40)のステップS1817にて肯定判定をすることで、サブ側選択後処理(ステップS1818)を実行することとなる。
<主側選択後処理及びサブ側選択後処理>
以下、実行対象モードがいずれかの継続モードとなり選択後期間となった場合における主側MPU72及びサブ側MPU82の処理内容について説明する。図44は主側MPU72にて実行される主側選択後処理を示すフローチャートである。
スタートレバー41が操作されていない場合、すなわち第2上乗せ状態のキャンセル操作が行われていない場合(ステップS2101:NO)、ステップS2102にて、第1クレジット投入ボタン47が操作されたか否かを判定する。すなわち上乗せを発生させるための上乗せ単位操作が行われたか否かを判定する。上乗せ単位操作が行われている場合(ステップS2102:YES)、主側RAM74の最低操作回数カウンタの値を1減算する(ステップS2103)。なお、1減算後における最低操作回数カウンタの値が0未満となった場合には当該最低操作回数カウンタの値を「0」クリアする。
その後、ステップS2104にて、主側RAM74に設けられた継続外れフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。継続外れフラグは、後述する主側継続抽選処理にて既に継続外れ結果となっているか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。継続外れフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2104:NO)、ステップS2105にて主側継続抽選処理を実行する。主側継続抽選処理では、主側RAM74の継続率カウンタの値を参照することで今回の実行対象モードとなっている継続モードに対応した主側継続抽選テーブルを主側ROM73から主側RAM74に読み出す。そして、主側RAM74において定期的(例えば1.49msec周期)に更新される主側抽選用カウンタの値を読み出し、当該主側抽選用カウンタの値を上記読み出した主側継続抽選テーブルに対して照合する。これにより、今回の継続モードに対応した継続率(図36参照)で、第2上乗せ状態を継続させるか否かが抽選される。
主側継続抽選処理の結果が継続当選ではない場合(ステップS2106:NO)、主側RAM74の継続外れフラグに「1」をセットする(ステップS2107)。これにより、第1クレジット投入ボタン47に対して最低操作回数分の操作が行われていないことで第2上乗せ状態が継続する場合であっても、主側継続抽選処理は実行されない状態となる。
ステップS2104にて肯定判定をした場合、ステップS2106にて肯定判定をした場合、又はステップS2107の処理を実行した場合には、ステップS2108にて上乗せコマンドのセット処理を実行する。上乗せコマンドのセット処理では、主側RAM74の継続率カウンタの値を参照することで今回の実行対象モードとなっている継続モードに対応した上乗せコマンドを主側ROM73から読み出し、その読み出した上乗せコマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットする。サブ側MPU82は上乗せコマンドを受信することにより、今回の継続モードに対応した上乗せ単位ゲーム数分を通常ATゲームカウンタに加算することを可能とするための処理を実行する。
図45を参照しながら、サブ側MPU82にて実行されるサブ側選択後処理について説明する。主側MPU72から上乗せコマンドを受信した場合(ステップS2201:YES)、ステップS2202にて獲得ゲーム数カウンタの加算処理を実行する。当該加算処理では、今回受信した上乗せコマンドに対応する上乗せ単位ゲーム数をサブ側ROM83から読み出す。そして、その読み出した上乗せ単位ゲーム数を、サブ側RAM84に設けられた獲得ゲーム数カウンタの値に加算する。獲得ゲーム数カウンタは、今回の第2上乗せ状態において第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき付与可能となった合計上乗せゲーム数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。
ここで、上乗せ単位操作が行われたか否かの監視処理、及び上乗せ単位操作が行われた後に第2上乗せ状態を継続させるか否かを決定するための抽選処理が主側MPU72にて実行される構成であっても、第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき付与可能となった合計上乗せゲーム数の計測はサブ側MPU82にて行われる。この場合に、既に説明したとおり、第2上乗せ状態が途中でキャンセルされた場合に遊技者に付与され得る補償ゲーム数の管理もサブ側MPU82にて行われる。これにより、第2上乗せ状態において上乗せするゲーム数の管理をサブ側MPU82にて集約して行うことが可能となる。
また、合計上乗せゲーム数又は補償ゲーム数が加算されることとなる通常ATゲームカウンタは、サブ側RAM84に設けられている。この場合に、合計上乗せゲーム数の計測をサブ側MPU82にて行う構成とすることで、第2上乗せ状態の終了に際して合計上乗せゲーム数の値に対応したコマンドを主側MPU72からサブ側MPU82に送信する必要がなくなる。仮に、当該合計上乗せゲーム数の値に対応したコマンドを主側MPU72から送信する構成を想定すると、発生し得る合計上乗せゲーム数に対応した分のデータをコマンドにおいて指定する必要が生じる。そうすると、当該コマンドのデータ容量は大きなものとなってしまう。これに対して、主側MPU72は継続モードに対応した上乗せコマンドを送信するだけで、合計上乗せゲーム数の計測はサブ側MPU82にて行われる構成であるため、そのようなデータ容量の大きなコマンドを送信する必要が生じない。
サブ側選択後処理では、ステップS2202の処理を実行した後は、ステップS2203にて加算時の演出調整処理を実行する。当該演出調整処理では、第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき付与可能な合計上乗せゲーム数が増加したことを示す画像が画像表示装置66にて表示されるようにするためのデータ設定を行う。これにより、画像表示装置66においては図37(a)に示すように、上乗せが発生したことを示す画像が表示される。
主側選択後処理(図44)の説明に戻り、ステップS2108にて上乗せコマンドのセット処理を実行した後は、ステップS2109にて、主側RAM74の最低操作回数カウンタの値が「0」であって主側RAM74の継続外れフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、今回の実行対象モードとなっている継続モードに対応する最低操作回数分以上の操作が第1クレジット投入ボタン47に対して行われ、さらに主側継続抽選処理にて既に継続外れ結果となっているか否かを判定する。ステップS2109にて否定判定をした場合にはステップS2101に戻る。これにより、主側MPU72における第2上乗せ状態の選択後期間を制御するための処理が継続されるとともに、フリーズ状態が継続される。
一方、ステップS2109にて肯定判定をした場合には、ステップS2110にて継続終了コマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットした後に、本主側選択後処理を終了する。そして、主側選択後処理を終了した場合には、フリーズ処理(図39)を終了することとなる。これにより、主側MPU72における第2上乗せ状態の選択後期間を制御するための処理が終了されるとともに、フリーズ状態が解除される。よって、スタートレバー41が操作された場合には各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて新たなゲームが開始されることとなる。
サブ側MPU82は、ステップS2110にてセットされた継続終了コマンドを受信することにより、今回の第2上乗せ状態が途中でキャンセルされることなく終了したことを認識し、それに対応した制御を実行する。図45を再度参照しながら、サブ側MPU82にて実行されるサブ側選択後処理について説明する。
主側MPU72から継続終了コマンドを受信した場合(ステップS2204:YES)、ステップS2205にて通常ATゲームカウンタへの加算処理を実行する。当該加算処理では、サブ側RAM84における獲得ゲーム数カウンタの値をサブ側RAM84における通常ATゲームカウンタに加算する。これにより、今回の第2上乗せ状態において第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき付与可能となった合計上乗せゲーム数が通常ATゲームカウンタに実際に加算される。
その後、ステップS2206にて、復帰用の演出テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該テーブルが参照されることにより、今回の合計上乗せゲーム数を報知するための画像(図37(b)参照)が画像表示装置66にて所定期間(例えば5sec)に亘って表示された後に、第1上乗せ状態に対応した演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて再開される。また、ステップS2207では、サブ側RAM84のAT状態カウンタの値を「3」にセットする。これにより、AT状態の滞在モードが第2上乗せ状態から第1上乗せ状態に復帰することとなる。
主側選択後処理(図44)の説明に戻り、スタートレバー41が操作された場合、すなわち第2上乗せ状態のキャンセル操作が行われた場合(ステップS2101:YES)、ステップS2111にてキャンセルコマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットした後に、本主側選択後処理を終了する。そして、主側選択後処理を終了した場合には、フリーズ処理(図39)を終了することとなる。これにより、主側MPU72における第2上乗せ状態の選択後期間を制御するための処理が終了されるとともに、フリーズ状態が解除される。よって、スタートレバー41が操作された場合には各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて新たなゲームが開始されることとなる。
サブ側MPU82は、ステップS2111にてセットされたキャンセルコマンドを受信することにより、第2上乗せ状態が途中でキャンセルされたことを認識し、それに対応した制御を実行する。図45を再度参照しながら、サブ側MPU82にて実行されるサブ側選択後処理について説明する。
主側MPU72からキャンセルコマンドを受信した場合(ステップS2208:YES)、ステップS2209にて各ゲーム数カウンタの比較処理を実行する。具体的には、サブ側RAM84の補償ゲーム数カウンタにセットされた値と、サブ側RAM84の獲得ゲーム数カウンタにセットされた値とを比較し、いずれの値が大きいかを特定する。つまり、第2上乗せ状態の実行対象モードがいずれかの継続モードに選択された場合にサブ側MPU82にて決定された補償ゲーム数と、今回の第2上乗せ状態において第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき付与可能となった合計上乗せゲーム数とのうちいずれの値が大きいかを特定する。そして、ステップS2210における通常ATゲームカウンタへの加算処理では、その比較処理の結果が同一である場合にはその同一となった値をサブ側RAM84の通常ATゲームカウンタに加算し、いずれか一方の値が大きい場合にはその大きい側の値をサブ側RAM84の通常ATゲームカウンタに加算する。このように比較処理の結果に応じて通常ATゲームカウンタへの加算処理を実行することにより、第2上乗せ状態が途中でキャンセルされた場合に極力遊技者にとって有利となるようにすることが可能となる。
その後、ステップS2211にて、復帰用の演出テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。周期処理(図17)のステップS507における演出用データの設定処理にて当該テーブルが参照されることにより、今回上乗せされたゲーム数を報知するための画像(図37(b)参照)が画像表示装置66にて所定期間(例えば5sec)に亘って表示された後に、第1上乗せ状態に対応した演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて再開される。また、ステップS2212では、サブ側RAM84のAT状態カウンタの値を「3」にセットする。これにより、AT状態の滞在モードが第2上乗せ状態から第1上乗せ状態に復帰することとなる。
次に、図46のタイムチャートを参照しながら、いずれかの継続モードが実行対象モードとなった場合に第1クレジット投入ボタン47の最低操作回数以上の実行が担保される様子について説明する。図46(a)は第2上乗せ状態の実行期間を示し、図46(b)は選択前期間(開始報知の期間及びモード選択期間)を示し、図46(c)は選択後期間を示し、図46(d)は主側RAM74の最低操作回数カウンタの状態を示し、図46(e)は第1クレジット投入ボタン47の操作実行タイミングを示し、図46(f)は主側継続抽選処理(ステップS2105)にて継続外れ結果となったタイミングを示す。
まず第1クレジット投入ボタン47の操作が最低操作回数以上行われた後に、主側継続抽選処理の結果が継続外れ結果となる場合について説明する。
t1のタイミングで図46(a)に示すように第2上乗せ状態が開始される。第2上乗せ状態が開始された場合、t1〜t2のタイミングに亘って、図46(b)に示すように選択前期間となる。そして、t2のタイミングで実行対象モードが決定される。本タイムチャートの例では第2継続モードが選択される。したがって、当該t2のタイミングで、図46(c)に示すように選択後期間が開始される。
その後、t3〜t7のタイミングのそれぞれで図46(e)に示すように第1クレジット投入ボタン47が操作される。これにより、t3〜t7の各タイミングで第2継続モードに対応した上乗せ単位ゲーム数がサブ側RAM84の獲得ゲーム数カウンタに加算される。この場合、t3〜t7のタイミングのそれぞれで主側MPU72において主側継続抽選処理が実行されているが、図46(f)に示すようにいずれも継続当選結果となっている。
t3〜t7の各タイミングで第1クレジット投入ボタン47が操作されることにより、選択後期間において今回の最低操作回数である5回の操作が第1クレジット投入ボタン47に対して行われたこととなる。したがって、t7のタイミングで、図46(d)に示すように、主側RAM74の最低操作回数カウンタの値が「0」となる。
その後、t8のタイミングで、図46(e)に示すように第1クレジット投入ボタン47が再度操作される。この場合、第2継続モードに対応した上乗せ単位ゲーム数がサブ側RAM84の獲得ゲーム数カウンタに再度加算される。ここで、当該t8のタイミングにおける第1クレジット投入ボタン47の操作を契機として実行された主側継続抽選処理の結果が、図46(f)に示すように継続外れ結果となる。したがって、当該t8のタイミングで、図46(c)に示すように選択後期間が終了するとともに、図46(a)に示すように第2上乗せ状態が終了する。
次に、第1クレジット投入ボタン47の操作が最低操作回数行われる前に、主側継続抽選処理の結果が継続外れ結果となる場合について説明する。
t9のタイミングで図46(a)に示すように第2上乗せ状態が開始されて、t9〜t10のタイミングに亘って図46(b)に示すように選択前期間となる。そして、t10のタイミングから実行対象モードが第2継続モードである選択後期間が開始される。その後、t11〜t15のタイミングのそれぞれで図46(e)に示すように第1クレジット投入ボタン47が操作される。これにより、t11〜t15の各タイミングで第2継続モードに対応した上乗せ単位ゲーム数がサブ側RAM84の獲得ゲーム数カウンタに加算される。
この場合、t13のタイミングにおける主側継続抽選処理の結果が、図46(f)に示すように継続外れ結果となる。但し、当該t13のタイミングでは今回の最低操作回数が未だ消化されていないため、第2上乗せ状態は継続される。そして、t15のタイミングで第1クレジット投入ボタン47に対する最低操作回数の操作が完了することで、図46(d)に示すように主側RAM74の最低操作回数カウンタの値が「0」となる。上記のとおりt13のタイミングで既に主側継続抽選処理の結果が継続外れ結果となっているため、最低操作回数カウンタの値が「0」となったt15のタイミングで、図46(c)に示すように選択後期間が終了するとともに、図46(a)に示すように第2上乗せ状態が終了する。
<引き戻し状態>
引き戻し状態は、既に説明したとおり、ベースAT状態においてAT実行カウンタの値が「0」である状況で通常ATゲームカウンタの値が「0」となることにより移行する状態である。引き戻し状態となった場合、AT中処理(図19)においてステップS715の引き戻し状態処理が実行されることにより、複数ゲーム(例えば10ゲーム)に亘ってベースAT状態への復帰可能状態となる。引き戻し状態においては、単位ゲーム数当たりでAT状態に移行する確率が、非AT状態において移行チャンス管理処理が実行される場合よりも高くなる。
具体的には、主側MPU72における役の抽選処理(図11)にてIV=7,11〜18のいずれかにて当選となった場合に引き戻し抽選処理を実行する。そして、引き戻し当選となった場合には、AT状態カウンタに「1」をセットする。これにより、ベースAT状態の新たな実行回が開始される。引き戻し抽選処理にて当選結果となる確率は役の抽選処理の結果に応じて異なっており、具体的にはIV=13〜15のいずれかである場合には100%引き戻し当選となり、IV=7,11,12,16〜18のいずれかである場合には100%未満であって0%よりも高い所定の確率で引き戻し当選となるように設定されている。また、引き戻し抽選処理にて当選結果となる確率は、非AT状態におけるサブ側MPU82の移行チャンス管理処理(ステップS608)にて当選結果となる確率よりも高くなるように設定されている。引き戻し抽選処理にて当選結果となることなく引き戻し状態の終了条件が成立した場合には、AT状態カウンタが「0」クリアされる。これにより、非AT状態に移行することとなる。
なお、引き戻し状態の終了条件は予め定められたゲーム数が消化されることに限定されることはなく、例えば主側MPU72における役の抽選処理(図11)にて終了条件対応となる役に当選した場合としてもよく、1ゲームが終了した場合に終了条件対応となる入賞が成立した場合としてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1上乗せ状態においては主側MPU72における役の抽選処理(図11)にてIV=1〜7,11〜18のいずれかにて当選となった場合に(以下、当該当選結果となることを上乗せ発生契機ともいう)、ベースAT状態の継続ゲーム数が上乗せされる(以下、その上乗せされるゲーム数を上乗せゲーム数ともいう)。そして、複数回に設定された上乗せ回数分の上乗せが発生した場合に第1上乗せ状態が終了する。当該構成において、第1上乗せ状態が開始されてから最初に上乗せ発生契機が生じるまで、及び一の第1上乗せ状態において上乗せ発生契機が発生してから次の上乗せ発生契機が生じるまでを上乗せ実行回とした場合に、各上乗せ実行回における上乗せゲーム数は当該上乗せ実行回において上乗せ発生契機が生じるまでの各ゲームにおける役の抽選処理の結果に応じて変動し得る。これにより、上乗せ発生契機となった場合における上乗せゲーム数の発生態様に対してそれまでのゲームの内容が影響を与えることになる。この場合、遊技者は上乗せ発生契機となるか否かにだけでなく上乗せ発生契機となるまでのゲームの内容にも注目することとなるため、遊技の興趣向上が図られる。また、上記のとおり第1上乗せ状態においては上乗せ実行回が複数回発生するため、上乗せ発生契機が生じるまではゲームの内容がその後の上乗せゲーム数の決定に際して有利となる内容となることを期待し、上乗せ発生契機が生じた場合には上乗せゲーム数を確認するという遊技が、第1上乗せ状態において複数回発生することとなる。この点からも、遊技の興趣向上が図られる。
第1上乗せ状態においては上乗せ発生契機が発生した場合、サブ側MPU82における上乗せゲーム数の選択処理にて上乗せゲーム数が抽選で決定される。これにより、上乗せゲーム数の付与態様を多様化することが可能となる。また、当該抽選の態様は、対応する上乗せ実行回において上乗せ発生契機が発生するまでのゲームの内容に応じて変動し得るため、上乗せゲーム数が抽選によりランダムに決定される構成であったとしても、上乗せ発生契機が発生するまでのゲームの内容を踏まえた態様で上乗せゲーム数を生じさせることが可能となる。
上乗せ発生契機が発生するまでのゲームの内容が上乗せゲーム数の付与態様に影響を与え得る構成において、一の上乗せ実行回中におけるゲームの内容は同一実行回の第1上乗せ状態であったとしても、その後の上乗せ実行回における上乗せゲーム数の付与態様に影響を与えない。これにより、上乗せ発生契機が発生するまでのゲームの内容の累積的な影響を各上乗せ実行回の単位でとどめることが可能となる。よって、各上乗せ実行回の独立性を高めることが可能となり、上乗せ実行回のそれぞれに対する遊技者の期待感を同様に高めることが可能となる。
第1上乗せ状態においては上乗せ実行回のそれぞれに対応させて開始時の上乗せの段階数が決定されるとともに、上乗せ実行回中におけるゲームの内容に応じて当該上乗せの段階数が変更される。そして、上乗せ発生契機が発生した場合には、対応する上乗せ実行回のその時点の上乗せの段階数に対応する態様で上乗せゲーム数が決定される。これにより、遊技者は上乗せ実行回の開始時における上乗せの段階数に注目するとともに、上乗せ実行回において上乗せの段階数が遊技者にとって有利となる側に変更されることに注目することとなり、上乗せ実行回のそれぞれに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
第1上乗せ状態においては画像表示装置66にて上乗せ実行回に1対1で対応させて上乗せ単位画像UG1,UG2が表示され、各上乗せ実行回における上乗せの段階数が報知される。これにより、遊技者は上乗せ実行回のそれぞれにおいて現状の上乗せの段階数を認識しながら遊技を行うことが可能となる。
第1上乗せ状態において上乗せの段階数は上乗せ発生契機が生じた場合にも遊技者にとって有利な側に変更され得る。これにより、上乗せ発生契機が発生するまでのゲームの内容が上乗せの段階数との関係で遊技者にとって好ましくない内容であったとしても、最終的に上乗せゲーム数の付与態様が遊技者にとって好ましいものとなる機会を担保することが可能となる。よって、上乗せ実行回の最後まで遊技者の期待感を維持させることが可能となる。
上乗せの段階数が変更される場合、遊技者にとって有利となる段階数に変更される。これにより、上乗せ実行回中におけるゲームの内容への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
第1上乗せ状態において主側MPU72における役の抽選処理にてIV=9又は10で当選となった場合、昇格期間となる。昇格期間においては、IV=8で当選となるゲームが連続した回数に応じて、現状の上乗せ実行回における段階数がより高い段階数に昇格することとなる。これにより、遊技者は上乗せの段階数を高くするための契機の発生に注目するだけでなく、IV=8で当選となることの連続回数に注目することとなる。よって、遊技の興趣向上が図られる。
昇格期間においてはIV=8で当選となるゲームの連続発生回数が多くなるほど、上乗せの段階数がより高い段階数に変更される。これにより、IV=8で当選となるゲームの連続発生回数が多くなるに従って遊技者の期待感を高めることが可能となる。さらにまた、IV=8はCB内部後状態における役の抽選処理(図11)にて当選確率が最も高い役であり、このような当選確率が最も高い役に当選したことの連続回数に応じて段階数のステップアップを発生させることで、ステップアップが発生し易いのではないかと遊技者に認識させ易くなり、ステップアップ発生への期待感を高めることが可能となる。
第2上乗せ状態において継続モードが選択された場合、第1クレジット投入ボタン47が1回操作されることに基づき、ベースAT状態の継続ゲーム数として加算可能な上乗せゲーム数として上乗せ単位ゲーム数が加算される。また、第1クレジット投入ボタン47が1回操作されたことに基づき実行される主側継続抽選処理にて継続外れ結果とならない限り、第1クレジット投入ボタン47の操作に対する上乗せ単位ゲーム数の加算が行われる。これにより、遊技者は第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき上乗せゲーム数を増加させることができるだけでなく、その操作を契機として実行される主側継続抽選処理にて継続当選結果を発生させることができれば第2上乗せ状態を継続させることが可能となり、第1クレジット投入ボタン47を操作することへの重要度を高めることが可能となる。よって、遊技への積極参加を促すことが可能となり、遊技の興趣向上が図られる。
当該構成において、上乗せ単位ゲーム数と主側継続抽選処理における継続率との組合せの内容を相違させて継続モードが複数種類用意されている。これにより、継続モードにおいて上乗せゲーム数を増加させる態様の多様化が図られる。そして、継続モードの種類を遊技者自身が選択することが可能となっている。これにより、遊技者が好ましいと思う継続モードを遊技者自身が決定することが可能となり、第2上乗せ状態における遊技に積極参加させることが可能となる。
複数種類の継続モードの上乗せ単位ゲーム数及び主側継続抽選処理の継続率は、上乗せ単位ゲーム数が多くなるほど継続率が低くなり、上乗せ単位ゲーム数が少なくなるほど継続率が高くなるように設定されている。これにより、各継続モードの遊技者にとっての有利度を同程度とすることが可能となる。本スロットマシン10では、1回の第2上乗せ状態における合計上乗せゲーム数の期待値は各継続モードにおいて共通の100ゲームとなっている。これにより、遊技者がいずれの継続モードを選択したとしても、遊技者の有利度をある程度に抑えることが可能となる。
各継続モードには最低補償ゲーム数が設定されており、主側継続抽選処理にて継続外れ結果となったタイミングに関係なく最低補償ゲーム数以上の上乗せゲーム数が遊技者に付与される。これにより、主側継続抽選処理にて継続当選結果となったことに基づき第2上乗せ状態が継続する構成であったとしても、遊技者に対してある程度の上乗せゲーム数の付与を担保することが可能となる。また、最低補償ゲーム数の付与が担保されるため、主側継続抽選処理の継続率が相対的に低い継続モードであっても遊技者が選択し得ることとなる。
最低補償ゲーム数は継続モードの種類に関係なく一定となっている。これにより、いずれの継続モードを遊技者が選択した場合であっても最低補償ゲーム数の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
各継続モードには上乗せ単位ゲーム数分の加算を伴う第1クレジット投入ボタン47の操作回数として最低操作回数が設定されている。これにより、第2上乗せ状態においていずれかの継続モードが選択された場合には上乗せ単位ゲーム数分の加算を伴う第1クレジット投入ボタン47の操作を最低操作回数分は少なくとも行うことが可能となり、継続モードにおける遊技を遊技者に確実に提供することが可能となる。
また、上述した最低補償ゲーム数は最低操作回数との関係で担保されている。つまり、最低補償ゲーム数が各継続モードにおいて一定となるように、最低操作回数が各継続モードの種類に応じて設定されている。これにより、継続モードにおける遊技を遊技者に確実に提供しながら、遊技者の利益をある程度担保することが可能となる。
第2上乗せ状態の実行対象となり得るモードとして継続モード以外にも、主側継続抽選処理が実行されることなく、予め定められたゲーム数が上乗せゲーム数として付与される固定モードが設定されている。そして、複数種類の継続モードだけでなく固定モードを実行対象のモードとして遊技者が選択することが可能である。これにより、第2上乗せ状態においてある程度の上乗せゲーム数の付与を確実に発生させたいと思う遊技者に自身の好みのモードを積極的に選択させることが可能となる。
固定モードにおける上乗せ単位ゲーム数は、各継続モードにおける合計上乗せゲーム数の期待値と同一となっている。これにより、継続モード及び固定モードのいずれを遊技者が選択した場合であっても上乗せゲーム数の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
固定モードにおける上乗せ単位ゲーム数は、各継続モードの最低補償ゲーム数よりも多いゲーム数に設定されている。これにより、固定モードを選択することの意義を生じさせることが可能となる。
いずれかの継続モードが選択された場合において第2上乗せ状態の途中でスタートレバー41が操作された場合には(以下、当該操作をキャンセル操作ともいう)、主側継続抽選処理の結果に関係なく第2上乗せ状態が途中で終了される。このように第2上乗せ状態を途中で終了可能とすることにより、第2上乗せ状態を早期に終了させたい遊技者の要望に応えることが可能となる。また、第2上乗せ状態が途中で終了された場合には、サブ側MPU82において決定された補償ゲーム数が上乗せゲーム数として付与され得る。これにより、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して上乗せゲーム数の付与に関して救済措置を与えることが可能となる。
補償ゲーム数は、第2上乗せ状態が開始されてからの第1クレジット投入ボタン47の操作回数とは無関係に決定される。これにより、例えば誤って早期にキャンセル操作が行われた場合に補償ゲーム数が極端に少なくなるといった事象の発生を阻止することが可能となる。
補償ゲーム数は実行対象となっている継続モードの種類に応じた態様で決定される。これにより、遊技者が選択した継続モードの種類に対応させた内容で補償ゲーム数を遊技者に付与することが可能となる。
第2上乗せ状態が開始された場合には実行対象となるモードを選択する期間が開始され、いずれかの継続モードが選択された場合に第1クレジット投入ボタン47の操作に基づく上乗せ単位ゲーム数の加算が開始される。この場合に、継続モードを選択する期間においてはスタートレバー41が操作されたとしてもそれがキャンセル操作として有効とされない。これにより、継続モードの種類に対応した内容での補償ゲーム数の付与を確実に行うことが可能となる。
補償ゲーム数は上記最低補償ゲーム数以上に設定されているため、この点からも救済措置としての役割を高めることが可能となる。
補償ゲーム数は、各継続モードにおける合計上乗せゲーム数の期待値以上のゲーム数となり得るため、救済措置としての役割だけでなく、敢えてキャンセル操作を行うという遊技性を追加することが可能となる。同様に、補償ゲーム数は、固定モードにおける固定ゲーム数以上のゲーム数となり得るため、救済措置としての役割だけでなく、敢えてキャンセル操作を行うという遊技性を追加することが可能となる。
いずれかの継続モードが選択された第2上乗せ状態の途中でキャンセル操作が行われた場合、それまでの第1クレジット投入ボタン47の操作回数との関係で導出される合計上乗せゲーム数と、サブ側MPU82にて第1クレジット投入ボタン47の操作回数とは無関係に決定された補償ゲーム数とのうちいずれかが遊技者に付与される。これにより、キャンセル操作の発生時における上乗せゲーム数の付与態様を多様化することが可能となる。
特に、本スロットマシン10では、それまでの第1クレジット投入ボタン47の操作回数との関係で導出される合計上乗せゲーム数と、サブ側MPU82にて第1クレジット投入ボタン47の操作回数とは無関係に決定された補償ゲーム数とのうちゲーム数が多い側が遊技者に付与される。これにより、キャンセル操作が行われた場合であっても付与される上乗せゲーム数の内容が遊技者にとって極力有利な内容となるようにすることが可能となる。
第2上乗せ状態において第1クレジット投入ボタン47が操作された場合の主側継続抽選処理は主側MPU72にて実行され、キャンセル操作が行われた場合に付与し得る補償ゲーム数の決定はサブ側MPU82にて実行される。これにより、主側MPU72の処理負荷の軽減を図りながら、補償ゲーム数を付与することが可能となる。
主側継続抽選処理が主側MPU72にて実行される。また、キャンセル操作の対象となるスタートレバー41は主側MPU72に電気的に接続されているとともに、そのキャンセル操作が有効であるか否かの判定が主側MPU72にて実行される。これにより、いずれかの継続モードが選択された場合における第2上乗せ状態の終了契機を、サブ側MPU82からの情報の送信を要することなく主側MPU72にて特定することが可能となる。
特に、本スロットマシン10ではリール32L,32M,32Rの新たな回転が阻止されたフリーズ状態において第2上乗せ状態が実行される。これにより、第2上乗せ状態における遊技に遊技者を集中させることが可能となる。この場合に、上記のとおり第2上乗せ状態の終了契機が主側MPU72にて特定されるため、主側MPU72とサブ側MPU82との間の通信に関する構成の複雑化を抑制しながら主側MPU72においてフリーズ状態の解除を好適に行うことが可能となる。
主側継続抽選処理が主側MPU72にて実行される構成において、第1クレジット投入ボタン47の操作に対する上乗せ単位ゲーム数の加算は、主側MPU72から送信される上乗せコマンドに基づきサブ側MPU82において行われる。これにより、主側MPU72の処理負荷を軽減しながら、上乗せ単位ゲーム数の加算を行うことが可能となる。また、キャンセル操作の発生時における補償ゲーム数の決定もサブ側MPU82にて行われる。これにより、最終的に付与する上乗せゲーム数の特定をサブ側MPU82にて集約して行うことが可能となり、当該上乗せゲーム数の特定に際して主側MPU72とサブ側MPU82との間で通信を要しないようにすることが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、サブ側MPU82にて実行されるサブ側選択後処理の処理内容が、上記第1の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図47は、本実施形態におけるサブ側選択後処理を示すフローチャートである。
本実施形態のサブ側選択後処理では、主側MPU72から上乗せコマンドを受信した場合(ステップS2301:YES)、ステップS2302にて上記第1の実施形態におけるサブ側選択後処理(図45)のステップS2202と同様に、獲得ゲーム数カウンタの加算処理を実行する。その後、ステップS2303にて差の算出処理を実行する。具体的には、サブ側RAM84の補償ゲーム数カウンタにセットされた値に対するサブ側RAM84の獲得ゲーム数カウンタにセットされた値の差を算出する。続くステップS2304にて、その算出した差に対応した示唆内容の抽選処理を実行する。
ここで、本実施形態では、図48(a)の説明図に示すように、第2上乗せ状態の選択後期間において画像表示装置66にて、今回の第2上乗せ状態において決定された補償ゲーム数と、第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき付与可能となった合計上乗せゲーム数との差を遊技者に示唆するための示唆画像領域Gが表示される。当該示唆画像領域Gでは青色、黄色、赤色及び虹色のいずれかが表示され、補償ゲーム数に対する合計上乗せゲーム数の差に応じて各表示色の選択率が異なっている。具体的には、図48(b)の説明図に示すように、補償ゲーム数に対する合計上乗せゲーム数の差が大きい値ほど青色の選択率が高く、当該差が小さい値ほど虹色の選択率が高くなる。例えば、両ゲーム数の差が100以上である場合には、65%の確率で青色が選択され、25%の確率で黄色が選択され、9%の確率で赤色が選択され、1%の確率で虹色が選択される。また、両ゲーム数の差が−50未満である場合には、5%の確率で青色が選択され、15%の確率で黄色が選択され、30%の確率で赤色が選択され、50%の確率で虹色が選択される。これにより、遊技者は示唆画像領域Gの表示色を確認することで、合計上乗せゲーム数が補償ゲーム数よりも少ないゲーム数であるのか多いゲーム数であるのかといったことや、両ゲーム数がどの程度離れているのかといったことを予測することが可能となる。
示唆内容の抽選処理では、まずステップS2303にて算出した差に対応した示唆内容の抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。そして、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタの値を上記読み出した示唆内容の抽選テーブルに対して照合する。これにより、示唆画像領域Gに今回表示させる表示色を決定する。
その後、ステップS2305にて、加算時の演出調整処理を実行する。当該演出調整処理では、第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき付与可能な合計上乗せゲーム数が増加したことを示す画像が画像表示装置66にて表示されるようにするためのデータ設定を行う。また、ステップS2304にて決定した表示色が示唆画像領域Gにて表示されるようにするためのデータ設定を行う。これにより、画像表示装置66においては図48(a)に示すような画像が表示される。
なお、本実施形態におけるサブ側選択後処理のステップS2306〜ステップS2314の処理内容は、上記第1の実施形態におけるサブ側選択後処理(図45)のステップS2204〜ステップS2212の処理内容と同一である。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果を奏することが可能である。
いずれかの継続モードが選択された第2上乗せ状態においては、サブ側MPU82にて決定された補償ゲーム数と、第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき付与可能となった合計上乗せゲーム数との差に応じて決定された示唆画像が画像表示装置66にて表示される。これにより、遊技者は示唆画像領域Gの表示色を確認することで、合計上乗せゲーム数が補償ゲーム数よりも少ないゲーム数であるのか多いゲーム数であるのかといったことや、両ゲーム数がどの程度離れているのかといったことを推測することが可能となり、その予測結果に基づき、キャンセル操作を行わずに第2上乗せ状態の継続モードを続行するか、又はキャンセル操作を敢えて行うかといった判断を行うことが可能となる。
また、合計上乗せゲーム数と補償ゲーム数との差が直接表示されるのではなく、その差に応じて決定された示唆画像が表示される構成であるため、遊技者が推測する余地を高めることが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、サブ側MPU82における補償ゲーム数の決定処理(図42)において選択され得る補償ゲーム数の内容が上記第1の実施形態と異なっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図49は、本実施形態における各継続モードに対応した補償抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。本実施形態においても各継続モードに応じて補償ゲーム数の選択態様が異なっている。また、いずれの継続モードであっても、選択され得る補償ゲーム数は、各継続モードにおいて共通の最低補償ゲーム数(具体的には50ゲーム)以上となっている。また、補償ゲーム数として選択され得る最高補償ゲーム数は上記第1の実施形態と同様に、第1継続モード<第2継続モード<第3継続モード<第4継続モードの順で多くなる。
但し、本実施形態では、補償ゲーム数として選択され得る最高補償ゲーム数はいずれの継続モードであっても固定モードの固定ゲーム数(具体的には100ゲーム)よりも少ないゲーム数となっている。かかる構成であることにより、実行対象モードとしていずれかの継続モードを選択した場合において第2上乗せ状態を途中でキャンセルすると、固定モードを選択した場合よりも遊技者にとって不利となり易くなる。よって、第2上乗せ状態を途中でキャンセルしづらくなることが期待され、第2上乗せ状態の遊技への面白みを遊技者に理解させる機会を多くすることが可能となる。
また、各継続モードにおいて上乗せ単位ゲーム数と継続率との関係から導かれる合計上乗せゲーム数の期待値はいずれも100ゲームである。そうすると、補償ゲーム数として選択され得る最高補償ゲーム数はいずれの継続モードであっても上記合計上乗せゲーム数の期待値よりも低くなる。この点からも、実行対象モードとしていずれかの継続モードを選択した場合において第2上乗せ状態を途中でキャンセルすると、遊技者にとって不利となり易くなる。よって、第2上乗せ状態を途中でキャンセルしづらくなることが期待され、第2上乗せ状態の遊技への面白みを遊技者に理解させる機会を多くすることが可能となる。
なお、補償ゲーム数として選択され得る最高補償ゲーム数が固定モードの固定ゲーム数以下である構成としてもよく、補償ゲーム数として選択され得る最高補償ゲーム数が上記合計上乗せゲーム数の期待値以下である構成としてもよい。
<第4の実施形態>
本実施形態では、主側MPU72における主側選択後処理の処理構成が上記第1の実施形態における主側選択後処理(図44)の処理構成となっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図50は、本実施形態における主側選択後処理を示すフローチャートである。スタートレバー41が操作されていない場合、すなわち第2上乗せ状態のキャンセル操作が行われていない場合(ステップS2401:NO)、ステップS2402にて、第1クレジット投入ボタン47が操作されたか否かを判定する。すなわち上乗せを発生させるための上乗せ単位操作が行われたか否かを判定する。上乗せ単位操作が行われている場合(ステップS2402:YES)、主側RAM74の最低操作回数カウンタの値を1減算する(ステップS2403)。
その後、ステップS2404にて、その1減算後の最低操作回数カウンタの値が0以下であるか否かを判定する。つまり、実行対象モードとしていずれかの継続モードが選択された場合にセットされた最低操作回数分、第1クレジット投入ボタン47が既に操作されたか否かを判定する。
最低操作回数分の操作が既に行われている場合(ステップS2404:YES)、ステップS2405にて主側継続抽選処理を実行する。主側継続抽選処理の処理内容は、上記第1の実施形態における主側選択後処理(図44)のステップS2105と同様である。主側継続抽選処理の結果が継続当選ではない場合(ステップS2406:NO)、主側RAM74の継続外れフラグに「1」をセットする(ステップS2407)。
ステップS2404にて否定判定をした場合、ステップS2406にて肯定判定をした場合、又はステップS2407の処理を実行した場合には、上記第1の実施形態における主側選択後処理(図44)のステップS2108と同様に、上乗せコマンドのセット処理を実行する(ステップS2408)。その後、ステップS2409にて、主側RAM74の継続外れフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、最低操作回数分以上の操作が第1クレジット投入ボタン47に対して行われた後に実行された主側継続抽選処理にて継続外れ結果となったか否かを判定する。ステップS2409にて否定判定をした場合にはステップS2401に戻る。これにより、主側MPU72における第2上乗せ状態の選択後期間を制御するための処理が継続されるとともに、フリーズ状態が継続される。
一方、ステップS2409にて肯定判定をした場合には、ステップS2410にて継続終了コマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットした後に、本主側選択後処理を終了する。また、第2上乗せ状態においてスタートレバー41が操作された場合(ステップS2401:YES)には、ステップS2411にてキャンセルコマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットした後に、本主側選択後処理を終了する。主側選択後処理を終了した場合には、フリーズ処理(図39)を終了することとなる。これにより、主側MPU72における第2上乗せ状態の選択後期間を制御するための処理が終了されるとともに、フリーズ状態が解除される。よって、スタートレバー41が操作された場合には各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて新たなゲームが開始されることとなる。
なお、上乗せコマンド、継続終了コマンド及びキャンセルコマンドを受信した場合におけるサブ側MPU82の処理内容は上記第1の実施形態と同様である。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果を奏することが可能である。
いずれかの継続モードが選択された第2上乗せ状態においては、第1クレジット投入ボタン47の操作回数が最低操作回数となるまでは主側継続抽選処理が実行されることなく第2上乗せ状態が継続される。これにより、第1クレジット投入ボタン47の操作回数が最低操作回数となっていなくても主側継続抽選処理が実行される構成に比べて、第2上乗せ状態が継続し易くなる。
<第5の実施形態>
上記第1の実施形態では第2上乗せ状態においていずれかの継続モードが選択された場合、第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対して、実行対象モードの継続モードに対応する一定の上乗せ単位ゲーム数の上乗せが発生する構成としたが、本実施形態では当該継続モードが存在しておらず、第1クレジット投入ボタン47の1回の操作に対する上乗せ単位ゲーム数が抽選により決定される。また、本実施形態では第2上乗せ状態を途中でキャンセルすることが不可となっている。このような構成であることにより、主側MPU72における主側選択後処理の処理構成が上記第1の実施形態における主側選択後処理(図44)の処理構成となっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図51は、本実施形態における主側選択後処理を示すフローチャートである。第1クレジット投入ボタン47が操作された場合であって主側RAM74の継続外れフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2501:YES、ステップS2502:NO)、ステップS2503にて上乗せゲーム数の抽選処理を実行する。上乗せゲーム数の抽選処理では、上乗せゲーム抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される主側抽選用カウンタの値を読み出し、当該主側抽選用カウンタの値を上記上乗せゲーム抽選テーブルに対して照合する。上乗せゲーム抽選テーブルにおいては、30%の確率で5ゲームが選択され、20%の確率で10ゲームが選択され、15%の確率で15ゲームが選択され、15%の確率で20ゲームが選択され、10%の確率で25ゲームが選択され、10%の確率で30ゲームが選択されるように上乗せゲーム数の選択率が設定されている。上乗せゲーム数の抽選処理にて選択された上乗せゲーム数は、主側RAM74に設けられた上乗せゲーム数カウンタに加算する(ステップS2504)。上乗せゲーム数カウンタは、今回の第2上乗せ状態において発生した合計上乗せゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
その後、ステップS2505にて、上乗せゲーム数カウンタに記憶されている合計上乗せゲーム数が最低補償ゲーム数以上となっているか否かを判定する。具体的には、合計上乗せゲーム数が50ゲーム以上となっているか否かを判定する。最低補償ゲーム数未満である場合(ステップS2505:NO)、ステップS2506にて、今回の上乗せゲーム数の抽選処理(ステップS2503)にて選択された上乗せゲーム数が、主側ROM73に予め記憶された分配対象ゲーム数を超えているか否かを判定する。具体的には、分配対象ゲーム数は15ゲームに設定されており、当該分配対象ゲーム数は上乗せゲーム数の抽選処理において選択され得る上乗せゲーム数の最小ゲーム数よりも多いゲーム数であって最大ゲーム数よりも少ないゲーム数である。
今回の上乗せゲーム数が分配対象ゲーム数よりも多いゲーム数である場合(ステップS2506:YES)、ステップS2507にて分配対象カウンタの加算処理を実行する。分配対象カウンタは主側RAM74に設けられており、上乗せゲーム数カウンタに記憶された合計上乗せゲーム数のうち今回の第2上乗せ状態において発生した上乗せゲーム数として遊技者に報知されていない分のゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。分岐対象カウンタの加算処理では、分配対象ゲーム数である15ゲームを主側RAM74に設けられた分配対象カウンタに加算する。
ステップS2506にて否定判定をした場合、又はステップS2507の処理を実行した場合には、ステップS2508にて報知対象のゲーム数を特定する。報知対象のゲーム数とは、上乗せゲーム数の抽選処理にて選択された今回の上乗せゲーム数のうち、遊技者が獲得した上乗せゲーム数として画像表示装置66にて表示されるゲーム数のことである。ステップS2506にて否定判定をした後のステップS2508では、抽選処理にて選択された今回の上乗せゲーム数の全体を報知対象のゲーム数とする。一方、ステップS2507の処理を実行した後のステップS2508では、抽選処理にて選択された今回の上乗せゲーム数から分配対象ゲーム数である15ゲームを引いた分のゲーム数を報知対象のゲーム数とする。
一方、ステップS2505にて肯定判定をした場合、すなわち合計上乗せゲーム数が最低補償ゲーム数以上である場合、ステップS2509にて主側継続抽選処理を実行する。主側継続抽選処理では、継続抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される主側抽選用カウンタの値を読み出し、当該主側抽選用カウンタの値を上記継続抽選テーブルに対して照合する。この場合、50%の確率で継続当選結果となるように設定されているが、継続当選結果となる確率は任意である。
主側継続抽選処理の結果が継続外れ結果であった場合(ステップS2510:NO)、ステップS2511にて主側RAM74の継続外れフラグに「1」をセットする。これにより、主側継続抽選処理にて既に継続外れ結果となっていることを主側MPU72にて特定することが可能となる。
ステップS2510にて肯定判定をした場合、又はステップS2511の処理を実行した場合、ステップS2512にて、分配条件が成立しているか否かを判定する。主側RAM74の分配対象カウンタの値が1以上であって抽選処理にて選択された今回の上乗せゲーム数が分配対象ゲーム数である15ゲーム以下である場合に、分配条件が成立する。分配条件が成立している場合(ステップS2512:YES)、主側RAM74の分配対象カウンタの値が10以上であれば当該カウンタの値を「10」減算し、10未満であれば当該カウンタの値を「0」クリアする(ステップS2513)。
ステップS2512にて否定判定をした場合、又はステップS2513の処理を実行した場合、ステップS2514にて、報知対象のゲーム数を特定する。ステップS2512にて否定判定をした後のステップS2514では、抽選処理にて選択された今回の上乗せゲーム数の全体を報知対象のゲーム数とする。一方、ステップS2513の処理を実行した後のステップS2514では、抽選処理にて選択された今回の上乗せゲーム数に対して、ステップS2513にて減算した分の値を加算したゲーム数を報知対象のゲーム数とする。
ステップS2508の処理を実行した場合、又はステップS2514の処理を実行した場合、ステップS2515にて上乗せコマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットする。当該上乗せコマンドには、抽選処理にて選択された今回の上乗せゲーム数の情報は含まれずに、今回の報知対象のゲーム数の情報が含まれる。サブ側MPU82は、上乗せコマンドを受信した場合、今回の報知対象のゲーム数が画像表示装置66にて報知されるようにデータ設定を行う。
その後、ステップS2516にて、主側RAM74の継続外れフラグに「1」がセットされているとともに、主側RAM74の分配対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。つまり、主側継続抽選処理にて継続外れ結果となっているとともに合計上乗せゲーム数のうち報知対象となっていないゲーム数が残っているか否かを判定する。ステップS2516にて否定判定をした場合にはステップS2501に戻り、第2上乗せ状態を継続させる。ステップS2516にて肯定判定をした場合には、ステップS2517にて継続終了コマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットした後に、本主側選択後処理を終了する。これにより、第2上乗せ状態が終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果を奏することが可能である。
第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき付与可能となった合計上乗せゲーム数が最低補償ゲーム数以上となるまでは、上乗せゲーム数の抽選処理にて選択された上乗せゲーム数が分配対象ゲーム数よりも多いゲーム数である場合、画像表示装置66ではその上乗せゲーム数のうち一部のゲーム数のみが加算された表示を行い、残りのゲーム数はその後のゲーム数において加算表示の対象となる。これにより、上乗せゲーム数の抽選処理にて比較的多い上乗せゲーム数の加算表示が行われたにも関わらず、最終的に付与される上乗せゲーム数が最低補償ゲーム数程度となってしまうといった事態の発生を阻止することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)第1上乗せ状態においては上乗せ回数が複数回に設定される構成としたが、上乗せ回数が1回に設定される又は設定され得る構成としてもよい。この場合であっても、上乗せ発生契機が発生するまでのゲームの内容が、上乗せ発生契機が発生した場合における上乗せゲーム数の発生態様に影響を与え得る構成とすることで、上乗せ発生契機が発生するまでのゲームの内容に遊技者を注目させることが可能となる。
(2)第1上乗せ状態において上乗せ発生契機が発生した場合には対応する上乗せ実行回の上乗せの段階数に対応する態様で抽選処理が実行される構成としたが、上乗せの段階数に対して1対1で対応した上乗せゲーム数が付与される構成としてもよい。
(3)同一の第1上乗せ状態であっても一の上乗せ実行回におけるゲームの内容が他の上乗せ実行回における上乗せの段階数に影響を与えない構成としたが、一の上乗せ実行回におけるゲームの内容が他の上乗せ実行回における上乗せの段階数に影響を与える又は与え得る構成としてもよい。例えば、一の上乗せ実行回において上乗せの段階数が遊技者にとって有利となる側に変更される場合には、それに合わせて残りの上乗せ実行回に対応する上乗せの段階数も遊技者にとって有利となる側に変更される又は変更され得る構成としてもよい。この場合、上乗せ実行回のゲームの内容がより重要となる。
(4)第1上乗せ状態が開始される場合に複数の上乗せ実行回における最初の上乗せの段階数が決定される構成としたが、上乗せ実行回が開始されるまでに当該上乗せ実行回の最初の上乗せの段階数が決定されるのであれば、その決定タイミングは任意である。例えば、上乗せ実行回が開始されるタイミングで当該上乗せ実行回の最初の上乗せの段階数が決定される構成としてもよい。また、この決定に際して、先に完了した上乗せ実行回の最終的な上乗せの段階数が考慮される構成としてもよい。具体的には、先に完了した上乗せ実行回の最終的な上乗せの段階数が、新たに開始される上乗せ実行回の最初の段階数とされる構成としてもよく、先に完了した上乗せ実行回の最終的な上乗せの段階数に応じた態様で実行される抽選処理により、新たに開始される上乗せ実行回の最初の段階数が選択される構成としてもよい。
(5)第1上乗せ状態における上乗せの段階数間で、選択され得る上乗せゲーム数が一部重複する構成としたが、選択され得る上乗せゲーム数が全て重複しない構成としてもよい。これにより、各段階数の差異を明確なものとすることが可能となる。
(6)第1上乗せ状態において上乗せの段階数が最初の段階数から不利な側に変更されない構成に代えて、不利な側に変更され得る構成としてもよい。この場合、段階数が有利な側及び不利な側の両方に変更され得ることとなるため、段階数の変更態様が多様化される。
(7)第1上乗せ状態の継続抽選処理(ステップS1310)を実行する前に第1上乗せ状態の継続率のステップアップ抽選を行い、ステップアップ当選となった場合にはステップアップ後の継続率で継続抽選処理を実行する構成としてもよい。
(8)第1上乗せ状態において全ての上乗せ実行回の上乗せの段階数が最も高い段階数である第5段階となった場合には、さらなる利益が遊技者に付与される構成としてもよい。例えば、メダルの払出枚数が払出上限枚数以上となるまで、ベースAT状態の継続ゲーム数を消化させることなくAT状態が維持されるボーナス状態が付与される構成が考えられる。
(9)第1上乗せ状態のような遊技性で付与される特典の内容は、ベースAT状態の継続ゲーム数の上乗せゲーム数に限定されることはなく、例えばメダルの払出枚数が払出上限枚数以上となるまで単位ゲーム数当たりのメダルの獲得期待値が高くなる有利遊技状態における払出上限枚数の上乗せ枚数としてもよい。
(10)第2上乗せ状態においては実行対象となるモードを遊技者が選択する構成としたが、実行対象となるモードが遊技者により選択されるのではなくスロットマシン10の内部制御により選択される構成としてもよい。この場合であっても、第2上乗せ状態の途中でキャンセル操作された場合には、上記各実施形態のように、補償ゲーム数が付与され得る構成、最低補償ゲーム数が設定されている構成、又は最低操作回数が設定されている構成を適用することが好ましい。
(11)第2上乗せ状態において遊技者は継続モード及び固定モードのうちいずれかを選択するだけで、継続モード及び固定モードのうち実行対象となったモードの種類はスロットマシン10の内部制御により決定される構成としてもよい。当該構成において、継続モード内において遊技者にとって有利なモードと不利なモードとが存在する構成としてもよく、固定モード内において遊技者にとって有利なモードと不利なモードとが存在する構成としてもよい。これらの場合、遊技者は有利なモードが選択されることを期待することとなる。
(12)第2上乗せ状態において継続モードが選択されている場合、第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき上乗せ単位ゲーム数の加算が行われる度に主側継続抽選処理が実行される構成としたが、上乗せ単位ゲーム数の加算が複数回行われた場合に主側継続抽選処理が実行される構成としてもよい。また、継続モードとして上乗せ単位ゲーム数及び継続率の少なくとも一方が同一であって、主側継続抽選処理が実行される契機となる上乗せ単位ゲーム数の加算の実行回数が相違する複数種類のモードが設定されている構成としてもよい。
(13)第2上乗せ状態の各継続モードの上乗せ単位ゲーム数及び継続率は合計上乗せゲーム数の期待値が同一となるように設定されている構成としたが、当該期待値が略同一となるように設定されている構成としてもよく、大きく異なるように設定されている構成としてもよい。
(14)いずれかの継続モードが選択された第2上乗せ状態においては、主側継続抽選処理にて継続外れ結果となったタイミングに関係なく、最低補償ゲーム数以上の上乗せゲーム数が付与される構成としたが、当該最低補償ゲーム数が設定されていない構成としてもよい。この場合、第2上乗せ状態において付与され得る上乗せゲーム数の範囲を広く設定することが可能となる。
(15)第2上乗せ状態における各継続モードの最低補償ゲーム数がいずれの継続モードであっても同一である構成としたが、少なくとも一部の継続モードの最低補償ゲーム数が他の継続モードの最低補償ゲーム数と異なる構成としてもよい。この場合、最低補償ゲーム数の相違によって、継続モードの有利度に差を与えることが可能となる。
(16)第2上乗せ状態の実行対象となり得るモードとして継続モード以外にも固定モードが設定されている構成に代えて、固定モードが設定されておらず継続モードのみが設定されている構成としてもよい。
(17)第2上乗せ状態における固定モードにおいて上乗せ単位ゲーム数の付与が1回のみ行われる構成に限定されることはなく、上乗せ単位ゲーム数の付与が複数回行われる構成としてもよい。この場合、固定モードが選択された場合においてより多くの上乗せゲーム数が付与されることへの遊技者の期待感を長く持続させることが可能となる。また、固定モードにおいて発生する上乗せ単位ゲーム数の付与回数が、スロットマシン10の内部抽選により決定される構成としてもよい。これにより、固定モードであっても最終的に付与される上乗せゲーム数を多様化することが可能となる。また、固定モードであっても上乗せ単位ゲーム数の付与が複数回発生する構成においては、固定モードの途中でキャンセル操作が可能である構成としてもよい。この場合、キャンセル操作が行われたとしても最終的に付与される合計上乗せゲーム数がキャンセル操作が行われなかった場合と同一である構成としてもよく、キャンセル操作されたタイミングで既に発生している合計上乗せゲーム数のみが付与される構成としてもよい。
(18)第2上乗せ状態における固定モードの上乗せ単位ゲーム数と、各継続モードの合計上乗せゲーム数の期待値とが同一である構成に限定されることはなく、これらが略同一であってもよく、大きく異なっていてもよい。
(19)第2上乗せ状態を途中で終了させることが可能な構成に代えて、第2上乗せ状態を途中で終了させることが不可である構成としてもよい。この場合、継続モードにおける遊技を最後まで遊技者に行わせることが可能となる。
(20)第2上乗せ状態において実行対象の継続モードが選択されるまでは第2上乗せ状態のキャンセル操作が無効化される構成に代えて、実行対象の継続モードを選択可能な期間であってもキャンセル操作が有効化され、当該キャンセル操作に基づき第2上乗せ状態が途中で終了される構成としてもよい。この場合、モード選択期間においてキャンセル操作が行われた場合に対応させて予め定められた補償ゲーム数が遊技者に付与されるようにしてもよい。
(21)第2上乗せ状態においてキャンセル操作が行われた場合に、その時点までの上乗せ単位ゲーム数の付与の発生回数に応じて補償ゲーム数の決定態様が変更される構成としてもよい。例えば、上乗せ単位ゲーム数の付与の発生回数が多いタイミングでキャンセル操作が行われた場合の方が、上乗せ単位ゲーム数の付与の発生回数が少ないタイミングでキャンセル操作が行われた場合よりも補償ゲーム数として多いゲーム数が付与される又は付与され易い構成としてもよい。これにより、第2上乗せ状態が長く継続している状況で誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対する救済措置としての効果を高めることが可能となる。
(22)第2上乗せ状態においてキャンセル操作が行われた場合に付与され得る補償ゲーム数の決定態様が、実行対象となっている継続モードの種類に応じて異なる構成としたが、いずれの継続モードであっても同一の決定態様で補償ゲーム数が決定される構成としてもよい。
(23)第2上乗せ状態においてキャンセル操作が行われた場合に付与対象となる補償ゲーム数が変動する構成に限定されることはなく、補償ゲーム数が一定である構成としてもよい。この場合、補償ゲーム数が継続モードの種類に応じて異なるものの、各継続モードのそれぞれの補償ゲーム数が一定である構成としてもよく、全ての継続モードにおいて同一の補償ゲーム数が設定されている構成としてもよい。
(24)第2上乗せ状態においてキャンセル操作が行われた場合には、その時点までの第1クレジット投入ボタン47の操作に基づき付与可能となった合計上乗せゲーム数、及びサブ側MPU82により決定された補償ゲーム数のうち多いゲーム数側が遊技者に付与される構成に限定されることはなく、いずれのゲーム数を付与対象とするのかを遊技者が選択可能な構成としてもよい。この場合、遊技者はいずれのゲーム数がより多いのかを予測しながら、付与対象となるゲーム数の選択操作を行うこととなるため、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、当該構成を上記第2の実施形態に適用した場合、遊技者は画像表示装置66にて表示されている示唆画像を確認しながら、いずれのゲーム数の方が多いのかを推測することが可能となる。また、第2上乗せ状態においてキャンセル操作が行われた場合には、確実に補償ゲーム数が付与される構成としてもよい。
(25)第2上乗せ状態を継続させるか否かを決定する抽選処理が主側継続抽選処理として主側MPU72にて実行される構成に限定されることはなく、当該抽選処理がサブ側MPU82にて実行される構成としてもよい。当該構成において、上記各実施形態と同様に第2上乗せ状態ではリール32L,32M,32Rの回転の開始が禁止されたり、上記各実施形態とは異なるもののリール32L,32M,32Rの回転の停止が禁止される構成においては、主側MPU72にて第2上乗せ状態の終了契機を把握する必要があるため、上記抽選処理の結果がサブ側MPU82から主側MPU72に送信されるようにすることが好ましい。一方、リール32L,32M,32Rの駆動制御に関して上記のようなフリーズ状態の設定が行われない場合には、上記抽選処理の結果がサブ側MPU82から主側MPU72に送信される必要がない。
(26)第2上乗せ状態においてキャンセル操作が行われた場合に付与され得る補償ゲーム数の抽選処理がサブ側MPU82にて行われる構成としたが、当該抽選処理が主側MPU72にて行われる構成としてもよい。また、実行対象モードがいずれかの継続モードである状況における第2上乗せ状態において第1クレジット投入ボタン47が操作されたことに対する上乗せ単位ゲーム数の計測が主側MPU72にて行われる構成としてもよい。これら両方の構成を備えた場合、第2上乗せ状態において最終的に遊技者に付与するための上乗せゲーム数の決定及び計測がいずれも主側MPU72にて集約して行われることとなる。
(27)第2上乗せ状態はリール32L,32M,32Rの回転の開始が禁止された状態において行われる構成としたが、リール32L,32M,32Rの回転の開始後であってリール32L,32M,32Rの新たな停止制御が禁止された状態において行われる構成としてもよい。また、第2上乗せ状態がリール32L,32M,32Rに対する回転開始制御及び回転停止制御のいずれもが禁止されていない状態において行われる構成としてもよい。
(28)実行対象モードとしていずれかの継続モードが選択された第2上乗せ状態において上乗せ単位ゲーム数分の加算を発生させるべく操作される操作部は、第1クレジット投入ボタン47に限定されることはなく、リール32L,32M,32Rの動作状態を変化させるために操作される他の操作部であってもよい。例えば、当該操作部を、ストップボタン42〜44としてもよい。また、当該操作部を、リール32L,32M,32Rの動作状態を変化させるために操作される操作部とは異なる操作部としてもよい。例えば、画像表示装置66における演出の内容を変化させるために操作される演出用操作部が上記操作部として兼用される構成としてもよく、上記操作部として専用の操作部を設ける構成としてもよい。また、第2上乗せ状態のキャンセル操作がスタートレバー41とは異なる操作部の操作によって行われる構成、又は第2上乗せ状態をキャンセル不可な構成においては、第2上乗せ状態において上乗せ単位ゲーム数分の加算を発生させるべく操作される操作部をスタートレバー41としてもよい。
(29)第2上乗せ状態のような遊技性で付与される特典の内容は、ベースAT状態の継続ゲーム数の上乗せゲーム数に限定されることはなく、例えばメダルの払出枚数が払出上限枚数以上となるまで単位ゲーム数当たりのメダルの獲得期待値が高くなる有利遊技状態における払出上限枚数の上乗せ枚数としてもよい。
(30)所定の分岐AT状態における対決演出において敗北結果となり、その次の分岐AT状態における対決演出において直前の対決演出にて選択された敵キャラクタとは異なる種類の敵キャラクタが選択された場合には、同一種類の敵キャラクタが選択された場合よりも勝利結果となる期待度が高くなる構成としてもよい。
(31)上記実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(32)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はARTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
(33)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(34)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、パチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技回の内容が所定内容(IV=1〜7,11〜18のいずれかにて当選となること)となった場合に、遊技者に特典を付与するための処理を実行する特典付与手段(サブ側MPU82におけるステップS1306の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定内容となるまでの遊技回の内容に応じて当該所定内容となった場合における前記特典付与手段による特典の付与態様が相違し得ることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、所定内容となるまでの遊技回の内容に応じて所定内容となった場合における特典の付与態様が相違し得るため、所定内容となった場合における特典の付与態様に対してそれまでの遊技内容が影響を与えることになる。これにより、遊技者は所定内容となるか否かにだけでなく所定内容となるまでの遊技内容にも注目することとなるため、遊技の興趣向上が図られる。
特徴A2.前記特典付与手段は、前記所定内容となった場合に特典付与抽選処理(サブ側MPU82におけるステップS1305の処理)を実行し、その抽選結果に対応した特典を遊技者に付与するものであり、
前記特典付与抽選処理の態様は、当該特典付与抽選処理の実行契機となった所定内容となるまでの遊技回の内容に応じて変動し得ることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、所定内容となるまでの遊技内容に応じた特典の付与が単に行われるのではなく、所定内容となるまでの遊技内容に応じた態様で特典付与抽選処理が実行されてその抽選結果に対応した特典が付与される構成であるため、特典の付与態様の多様化が図られる。
特徴A3.開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
所定遊技状態(第1上乗せ状態)において遊技回の内容が所定内容(IV=1〜7,11〜18のいずれかにて当選となること)となることが複数回発生した後に当該所定遊技状態を終了させる状態終了手段(サブ側MPU82におけるステップS1312の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において遊技回の内容が前記所定内容となった場合に、遊技者に特典を付与するための処理を実行する特典付与手段(サブ側MPU82におけるステップS1306の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定遊技状態において前記所定内容となるまでの遊技回の内容に応じて当該所定内容となった場合における前記特典付与手段による特典の付与態様が相違し得ることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、所定内容となるまでの遊技回の内容に応じて所定内容となった場合における特典の付与態様が相違し得るため、所定内容となった場合における特典の付与態様に対してそれまでの遊技内容が影響を与えることになる。これにより、遊技者は所定内容となるか否かにだけでなく所定内容となるまでの遊技内容にも注目することとなるため、遊技の興趣向上が図られる。
また、遊技回の内容が所定内容となることが複数回発生した後に所定遊技状態が終了する場合、遊技回の内容が所定内容となるまでは遊技内容がその後の特典の付与に際して有利となる遊技内容となることを期待し、所定内容となった場合に特典の付与態様を確認するという遊技が、所定遊技状態において複数回発生することとなる。これにより、遊技の興趣向上が図られる。
特徴A4.前記特典付与手段は、前記所定遊技状態において前記所定内容となった場合に特典付与抽選処理(サブ側MPU82におけるステップS1305の処理)を実行し、その抽選結果に対応した特典を遊技者に付与するものであり、
前記特典付与抽選処理の態様は、当該特典付与抽選処理の実行契機となった所定内容となるまでの遊技回の内容に応じて変動し得ることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、所定内容となるまでの遊技内容に応じた特典の付与が単に行われるのではなく、所定内容となるまでの遊技内容に応じた態様で特典付与抽選処理が実行されてその抽選結果に対応した特典が付与される構成であるため、特典の付与態様の多様化が図られる。
特徴A5.前記所定遊技状態が開始されてから当該所定遊技状態において最初に前記所定内容となるまで又は前記所定遊技状態において前記所定内容となってから次に前記所定内容となるまでを単位実行回とした場合に、一の単位実行回において前記所定内容となるまでの遊技内容が次の単位実行回において前記所定内容となった場合における特典の付与態様に影響を与えないことを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、一の単位実行回において所定内容となるまでの遊技内容が次の単位実行回において所定内容となった場合における特典の付与態様に影響を与えないため、所定内容となるまでの遊技内容の累積的な影響を各単位実行回の単位でとどめることが可能となる。これにより、各単位実行回の独立性を高めることが可能となり、単位実行回のそれぞれに対する遊技者の期待感を同様に高めることが可能となる。
特徴A6.前記所定遊技状態が開始されてから当該所定遊技状態において最初に前記所定内容となるまで又は前記所定遊技状態において前記所定内容となってから次に前記所定内容となるまでを単位実行回とした場合に、少なくとも対応する単位実行回が開始されるまでに当該単位実行回の開始時における前記特典の段階数を決定する決定手段(サブ側MPU82におけるステップS1107の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態における遊技回の内容に応じて、対応する単位実行回における前記特典の段階数を変更する変更手段(サブ側MPU82におけるステップS1304及びステップS1403の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特典付与手段は、前記所定遊技状態において遊技回の内容が前記所定内容となった場合、対応する単位実行回のその時点の特典の段階数に応じて前記特典を付与することを特徴とする特徴A3乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、単位実行回のそれぞれに対応させて開始時の特典の段階数が決定されるとともに、単位実行回中における遊技内容に応じて当該特典の段階数が変更される。そして、所定内容となった場合には、対応する単位実行回のその時点の特典の段階数に応じて特典が付与される。これにより、遊技者は単位実行回の開始時における特典の段階数に注目するとともに、単位実行回において特典の段階数が遊技者にとって有利となる側に変更されることに注目することとなり、単位実行回のそれぞれに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴A7.前記特典の段階数を遊技者に報知する報知手段(画像表示装置66)を備えていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、特典の段階数が遊技者に報知されるため、遊技者は単位実行回のそれぞれにおいて現状の段階数を認識しながら遊技を行うことが可能となる。
特徴A8.前記特典付与手段は、前記所定遊技状態において前記所定内容となった場合、対応する単位実行回のその時点の特典の段階数に応じた態様で特典付与抽選処理(サブ側MPU82におけるステップS1305の処理)を実行し、その抽選結果に対応した特典を遊技者に付与することを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、所定内容となった場合における特典の段階数に応じた特典の付与が単に行われるのではなく、段階数に応じた態様で特典付与抽選処理が実行されてその抽選結果に対応した特典が付与される構成であるため、特典の付与態様の多様化が図られる。
特徴A9.前記変更手段は、前記所定遊技状態において前記所定内容となった場合に前記特典の段階数を変更し得ることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、所定内容となった場合にも特典の段階数が変更され得るため、所定内容となるまでの遊技内容が特典の段階数との関係で遊技者にとって好ましくない内容であったとしても、最終的に特典の付与態様が遊技者にとって好ましいものとなる機会を担保することが可能となる。よって、単位実行回の最後まで遊技者の期待感を維持させることが可能となる。
特徴A10.前記変更手段は、遊技者にとって有利となる側に前記特典の段階数を変更することを特徴とする特徴A6乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、特典の段階数が変更される場合には遊技者にとって有利となる側に変更されるため、単位実行回中における遊技回の遊技内容への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴A11.前記変更手段は、前記所定遊技状態において遊技回の内容が特定内容(IV=8にて当選となること)となることが変更契機回数に亘って連続して発生したことに基づいて、前記特典の段階数を変更することを特徴とする特徴A6乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、遊技回の内容が特定内容となることが変更契機回数に亘って連続した場合に特典の段階数が変更されるため、遊技者は単に特典の段階数が有利側となる遊技内容の発生に注目するだけでなく、特定内容となることの連続回数に注目することとなる。よって、遊技の興趣向上が図られる。
特徴A12.前記変更手段は、
前記所定遊技状態において遊技回の内容が前記特定内容となることが第1変更契機回数に亘って連続して発生した場合に、前記特典の段階数を第1態様で変更する第1変更手段(サブ側MPU82におけるIV=8にて当選となることが2回連続した場合にステップS1403の処理を実行する機能)と、
前記所定遊技状態において遊技回の内容が前記特定内容となることが前記第1変更契機回数よりも多い第2変更契機回数に亘って連続して発生した場合に、前記特典の段階数を第2態様で変更する第2変更手段(サブ側MPU82におけるIV=8にて当選となることが4回連続した場合にステップS1403の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、特定内容となることの連続回数が多くなるほど段階数が複数段階で変更されることとなるため、特定内容となることの連続回数が多くなるに従って遊技者の期待感を高めることが可能となる。
特徴A13.前記特定内容となった場合、遊技媒体の新たな賭け操作を要することなく次回の遊技回を開始させることを可能とさせる再遊技制御手段(主側MPU72におけるステップS202の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A11又はA12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、再遊技内容となることへの期待感を高めることが可能となる。
特徴A14.前記所定遊技状態において移行契機が発生することで、遊技回の内容が特定内容となることが前記変更契機回数に亘って連続して発生したことに基づいて前記特典の段階数が変更される状態に移行させる移行手段(サブ側MPU82におけるステップS1602の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A11乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、遊技者は所定遊技状態において移行契機が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、所定遊技状態における遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A15.絵柄の変動表示を行う複数の変動表示領域(リール32L,32M,32R)と、
これら変動表示領域に対応させて設けられ、対応する変動表示領域における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42〜44)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、前記開始条件が成立した場合に前記各変動表示領域における絵柄の変動表示を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に対応する変動表示領域における絵柄の変動表示を停止させ、
当該遊技機は、前記絵柄の変動表示の停止順序が所定順序である場合に、所定の利益を付与する利益付与手段(主側MPU72におけるステップS208の処理を実行する機能)を備え、
前記所定遊技状態は、前記絵柄の変動を停止させることが可能となるまでに前記所定順序が報知される状態であることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の特徴を備えていることにより、所定順序が報知される状態における遊技の興趣向上を高めることが可能となる。
なお、特徴A1〜A15の構成に対して、特徴A1〜A15、特徴B1〜B30、特徴C1〜C22、特徴D1〜D21、特徴E1〜E6、特徴F1〜F6、特徴G1〜G8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.特定遊技状態(第2上乗せ状態)において特定契機(第1クレジット投入ボタン47の操作)が発生したことに基づいて遊技者に特典を付与するための処理を実行する特典付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2202及びステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2302及びステップS2312の処理を実行する機能)と、
前記特定契機が発生した場合に特定継続率で継続抽選処理(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2105の処理、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2405の処理、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS2509の処理)を行い、継続当選結果となった場合に前記特定遊技状態を継続させる継続決定手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2106にて肯定判定をする機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2406にて肯定判定をする機能、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS2510にて肯定判定をする機能)と、
前記特定契機が発生した場合における前記特典の付与態様と前記特定継続率との組合せを、複数種類の組合せ(第1継続モード〜第4継続モード)の中から遊技者の操作に基づき決定する対象決定手段(主側MPU72におけるモード決定処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、特典の付与態様と特定継続率との組合せが複数種類設定されていることにより、特定遊技状態において特典が付与される状況の多様化が図られる。また、特定遊技状態において実行対象となる組合せの種類が遊技者の操作に基づき決定されるため、遊技者が好ましいと思う組合せを遊技者自身が決定することが可能となり、特定遊技状態における遊技に積極参加させることが可能となる。以上より、遊技の興趣向上が図られる。
特徴B2.前記特典の付与態様が第1付与態様よりも遊技者にとって有利な第2付与態様である組合せは、前記特典の付与態様が前記第1付与態様である組合せよりも前記特定継続率が低く設定されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第1付与態様である組合せと第2付与態様である組合せとで遊技者にとっての有利度を同程度とすることが可能となる。これにより、遊技者がいずれの組合せの種類を選択したとしても、遊技者の有利度をある程度に抑えることが可能となる。
特徴B3.前記特典付与手段は、前記継続抽選処理にて継続外れ結果となったタイミングに関係なく、最低補償の内容の特典(最低補償ゲーム数)以上となる内容の特典を付与するものであることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、最低補償の内容の特典が付与されるため、継続当選結果となった場合に特定遊技状態が継続する構成であったとしても、遊技者に対してある程度の特典を担保することが可能となる。また、最低補償の内容の付与が担保されるため、特定継続率が相対的に低い組合せであっても遊技者が選択し得ることとなる。
特徴B4.前記最低補償の内容の特典は前記組合せの種類に関係なく決定されることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、最低補償の内容の特典が組合せの種類に関係なく決定されるため、いずれの組合せを遊技者が選択した場合であっても最低補償の内容の特典に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴B5.前記特典の付与態様と前記特定継続率との関係で導かれる特典内容の期待値がいずれの種類の前記組合せであっても同一又は略同一となるように、各組合せにおける前記特典の付与態様及び前記特定継続率が設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、特典内容の期待値がいずれの種類の組合せであっても同一又は略同一であるため、各組合せにおいて特典の付与態様を相違させながらも、いずれの組合せを遊技者が選択した場合であっても特典の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴B6.前記対象決定手段は、前記特定遊技状態における実行対象モードとして、前記継続抽選処理が実行されることなく特典の付与が特定回数行われる特定モード(固定モード)及び複数種類の前記組合せを含めた複数種類のモードのうちいずれかを遊技者の操作に基づき決定することを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、継続抽選処理の結果との関係で特定契機の発生回数が変動するモードだけでなく、継続抽選処理が実行されることなく特典の付与が特定回数行われる特定モードも選択対象に含まれていることにより、特定遊技状態において所定量の特典の付与を確実に受けたいと思う遊技者に自身の好みのモードを積極的に選択させることが可能となる。
特徴B7.前記特定モードにおいて遊技者に付与される特典は、前記組合せのいずれが選択された場合であっても1回の特定契機の発生に対して遊技者に付与可能となる特典よりも遊技者にとって有利であることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、いずれかの組合せを選択する場合よりも特定モードを選択する場合の方が遊技者にとって不利とならないようにすることが可能となる。
特徴B8.前記特典の付与態様と前記特定継続率との関係で導かれる特典内容の期待値がいずれの種類の前記組合せであっても同一又は略同一となるように、各組合せにおける前記特典の付与態様及び前記特定継続率が設定されており、
前記特定モードにおいて遊技者に付与される特典は、前記特典内容の期待値と同一又は略同一となるように設定されていることを特徴とする特徴B6又はB7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、特典内容の期待値がいずれの種類の組合せであっても同一又は略同一であるため、各組合せにおいて特典の付与態様を相違させながらも、いずれの組合せを遊技者が選択した場合であっても特典の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。また、特定モードにおいて遊技者に付与される特典は、組合せを選択した場合における特典内容の期待値と同一又は略同一であるため、特定モード及び組合せのいずれを遊技者が選択した場合であっても特典の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴B9.前記特定遊技状態が開始された場合に前記組合せを決定することが可能な決定期間を生じさせる手段(主側MPU72におけるステップS1705及びステップS1710の処理を実行する機能)と、
当該決定期間の後に前記特定契機の発生に基づき特典を付与するための処理が実行される特典付与可能期間を生じさせる手段(主側MPU72における主側選択後処理を実行する機能)と、
を備え、
少なくとも前記組合せが決定されるまでは、遊技者のキャンセル操作(スタートレバー41の操作)に基づく前記特定遊技状態の途中での終了が不可となるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、特定遊技状態を途中で終了可能であるため、特定遊技状態を早期に終了させたい遊技者の要望に応えることが可能となる。但し、特定遊技状態のキャンセル操作は組合せの種類を決定することが可能な決定期間においては無効であり、組合せの種類が決定された後の特典付与可能期間において有効となる。これにより、キャンセル操作が行われた場合には実行対象として設定されている組合せの種類に応じた態様で特定遊技状態を途中で終了させることが可能となる。
特徴B10.遊技者によりキャンセル操作が行われたことに基づいて前記特定遊技状態を途中で終了させる途中終了手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2101にて肯定判定をする機能及びサブ側MPU82におけるステップS2212の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2314の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2401にて肯定判定をする機能)と、
当該途中終了手段により前記特定遊技状態が途中で終了された場合、途中終了対応の特典の付与を可能とするための途中終了付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82における補償ゲーム数の決定処理及びステップS2209〜ステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2311〜ステップS2312の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、特定遊技状態を途中で終了可能であるため、特定遊技状態を早期に終了させたい遊技者の要望に応えることが可能となる。また、特定遊技状態が途中で終了された場合には途中終了対応の特典の付与が可能であるため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して特典の付与に関して救済措置を与えることが可能となる。
特徴B11.前記途中終了付与手段は、前記特定契機の発生回数とは無関係に前記途中終了対応の特典の内容を決定することを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、特定契機の発生回数とは無関係に途中終了対応の特典が付与されるため、例えば誤って早期にキャンセル操作が行われた場合であってもその時点の特定契機の発生回数とは無関係に決定された途中終了対応の特典を付与することが可能となる。
特徴B12.前記途中終了付与手段は、前記対象決定手段により決定された組合せの種類に応じた態様で、前記途中終了対応の特典を付与することを特徴とする特徴B10又はB11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、キャンセル操作が行われた場合における途中終了対応の特典の内容を、実行対象となっている組合せの種類に対応させることが可能となる。これにより、遊技者が選択した組合せの種類に対応させた内容で途中終了対応の特典を付与することが可能となる。
特徴B13.前記特定遊技状態が開始された場合に前記組合せを決定することが可能な決定期間を生じさせる手段(主側MPU72におけるステップS1705及びステップS1710の処理を実行する機能)と、
当該決定期間の後に前記特定契機の発生に基づき特典を付与するための処理が実行される特典付与可能期間を生じさせる手段(主側MPU72における主側選択後処理を実行する機能)と、
を備え、
前記途中終了手段は、前記組合せが決定されるまでは、前記キャンセル操作に基づく前記特定遊技状態の途中での終了を不可とすることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
特徴B13によれば、組合せの種類が決定されるまではキャンセル操作が無効化されるため、組合せの種類に対応した内容での途中終了対応の特典の付与を確実に行うことが可能となる。
特徴B14.前記途中終了手段により前記特定遊技状態が途中で終了された場合、それまでの前記特定契機の発生回数との関係で導出される特典と、前記途中終了付与手段により決定された前記途中終了対応の特典とのうちいずれかが遊技者に付与されるようにする選択的付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2209の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2311の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B10乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B14によれば、キャンセル操作が行われた場合には、特定契機の発生回数との関係で導出される特典と、それとは関係なく決定された途中終了対応の特典とのうちいずれかが遊技者に付与される。これにより、キャンセル操作時における特典の付与態様を多様化することが可能となる。
特徴B15.前記選択的付与手段は、前記導出される特典及び前記途中終了対応の特典のうち遊技者にとって有利な側の特典が遊技者に付与されるようにすることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
特徴B15によれば、キャンセル操作が行われた場合であっても付与される特典の内容が遊技者にとって有利な内容となるようにすることが可能となる。
特徴B16.前記選択的付与手段は、前記導出される特典及び前記途中終了対応の特典のうち遊技者の選択操作によって選択された側の特典が遊技者に付与されるようにすることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
特徴B16によれば、キャンセル操作が行われた場合において、いずれの特典が付与されるようにするのかを遊技者が選択するという遊技を生じさせることが可能となる。
特徴B17.前記キャンセル操作が行われる前においてその時点における前記導出される特典と前記途中終了対応の特典との有利度合の差を示唆する示唆手段(サブ側MPU82におけるステップS2303〜ステップS2304の処理を実行する機能及び画像表示装置66)を備えていることを特徴とする特徴B15又はB16に記載の遊技機。
特徴B17によれば、遊技者は示唆手段の内容との関係でキャンセル操作を実行するか否かを決定することが可能となる。これにより、キャンセル操作を行った場合における遊技性を高めることが可能となる。
特徴B18.前記特典付与手段は、前記継続抽選処理にて継続外れ結果となったタイミングに関係なく、最低補償の内容の特典以上となる内容の特典を付与するものであり、
前記途中終了対応の特典は、遊技者の有利度が前記最低補償の内容の特典以上に設定されていることを特徴とする特徴B10乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B18によれば、キャンセル操作が行われた場合には最低補償の内容の特典以上が遊技者に付与されるため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して最低限以上の特典を付与することが可能となる。
特徴B19.前記対象決定手段は、前記特定遊技状態における実行対象モードとして、前記継続抽選処理が実行されることなく特典の付与が特定回数行われる特定モード(固定モード)及び複数種類の前記組合せを含めた複数種類のモードのうちいずれかを遊技者の操作に基づき決定し、
前記途中終了付与手段は、前記途中終了対応の特典として、前記特定モードにおいて遊技者に付与される特典よりも有利な特典を付与し得ることを特徴とする特徴B10乃至B18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B19によれば、キャンセル操作が行われた場合であっても特定モードにおいて遊技者に付与される特典よりも有利な特典が付与され得るため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった場合であっても遊技者の想定以上の特典が付与される機会を担保することが可能となる。また、本構成によれば、敢えてキャンセル操作を行うという遊技性を追加することが可能となる。
特徴B20.前記途中終了付与手段は、前記途中終了対応の特典として、前記特典の付与態様と前記特定継続率との関係で導かれる特典内容の期待値よりも有利な特典を付与し得ることを特徴とする特徴B10乃至B19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B20によれば、キャンセル操作が行われた場合であってもキャンセル操作を行うことなく特定遊技状態を継続した場合よりも有利な特典が付与され得るため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった場合であっても遊技者の想定以上の特典が付与される機会を担保することが可能となる。また、本構成によれば、敢えてキャンセル操作を行うという遊技性を追加することが可能となる。
特徴B21.前記継続決定手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
前記途中終了対応の特典の内容を決定する第2制御手段(サブ側MPU82)と、
を備えていることを特徴とする特徴B10乃至B20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B21によれば、各制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、キャンセル操作が行われることなく特定遊技状態が完了した場合の特典、及びキャンセル操作が行われた場合の特典のいずれかを遊技者に付与することが可能となる。
特徴B22.前記第1制御手段は、
開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、前記遊技回用の制御の開始又は前記遊技回用の制御の終了を阻止する阻止手段(主側MPU72におけるフリーズ処理を実行する機能)と、
前記キャンセル操作が行われたか否かの監視を実行する監視実行手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2101の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2401の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B21に記載の遊技機。
特徴B22によれば、特定遊技状態にて遊技回用の制御の開始又は遊技回用の制御の終了が阻止されるようにするための制御を行う第1制御手段において継続抽選処理を実行するとともにキャンセル操作が行われたか否かの監視を実行する構成とすることで、第2制御手段から第1制御手段への情報の送信を必要としなくても第1制御手段において特定遊技状態の終了契機を把握することが可能となる。
特徴B23.前記特定契機は、特定操作手段(第1クレジット投入ボタン47)が操作された場合に発生し、
前記特定操作手段が操作されたか否かの監視は、前記第1制御手段により行われることを特徴とする特徴B21又はB22に記載の遊技機。
特徴B23によれば、継続抽選処理が実行される第1制御手段において特定操作手段が操作されたか否かの監視が実行されるため、継続抽選処理の実行に際して第2制御手段から第1制御手段への情報の送信を必要としない。
特徴B24.前記第1制御手段は、前記特定契機が発生した場合に前記継続決定手段による前記継続抽選処理の結果に対応した結果対応情報(上乗せコマンド及び継続終了コマンド)を送信し、
前記第2制御手段は、当該結果対応情報を受信した場合、前記組合せの種類に対応する前記特典の付与態様による特典の付与を可能とすることを特徴とする特徴B21乃至B23のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B24によれば、継続抽選処理が第1制御手段にて実行される構成であったとしても、特典の付与自体は第2制御手段にて一括管理することが可能となる。
特徴B25.前記特定遊技状態における前記特定契機の最低発生回数(最低操作回数)が設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B24のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B25によれば、特定遊技状態においては特定契機が少なくとも最低発生回数は発生することとなるため、特定遊技状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、特定契機が少なくとも最低発生回数は発生する構成であるため、ある程度以上の特典を遊技者に付与することが可能となる。
特徴B26.前記特定契機が最低発生回数のみ発生して前記特定遊技状態が終了した場合における遊技者の利益が前記組合せの種類がいずれであっても同一又は略同一となるように、前記特定契機の最低発生回数は前記組合せの種類に対応させて設定されていることを特徴とする特徴B25に記載の遊技機。
特徴B26によれば、所定の利益以上の特典が付与されるように各組合せの最低発生回数が設定されているため、いずれの組合せを遊技者が選択した場合であっても特典の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴B27.前記特定遊技状態における前記特典の内容が最低補償の内容の特典以上となるように、前記特定遊技状態における前記特定契機の最低発生回数が設定されていることを特徴とする特徴B25又はB26に記載の遊技機。
特徴B27によれば、最低発生回数との関係で最低補償の内容の特典を設定することが可能となる。
特徴B28.前記最低補償の内容が前記組合せの種類に関係なく一定となるように、前記特定契機の最低発生回数は前記組合せの種類に対応させて設定されていることを特徴とする特徴B27に記載の遊技機。
特徴B28によれば、所定の利益以上の特典が付与されるように各組合せの最低発生回数が設定されているため、いずれの組合せを遊技者が選択した場合であっても特典の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴B29.前記特典付与手段は、前記特典の付与として、遊技者にとって有利な有利遊技状態の継続ゲーム数を増加させるものであって、前記特定契機が発生した場合、前記組合せの種類に対応した継続ゲーム数を増加させるものであることを特徴とする特徴B1乃至B28のいずれか1に記載の遊技機。
特定契機の発生回数に応じて継続ゲーム数の増加分が増える遊技性において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴B30.開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、前記遊技回用の制御の開始又は前記遊技回用の制御の終了を阻止する阻止手段(主側MPU72におけるフリーズ処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B29のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B30によれば、遊技回用の制御の開始又は遊技回用の制御の終了が阻止された状態において特定遊技状態が生じることとなるため、遊技者を特定遊技状態における遊技に集中させることが可能となる。
なお、特徴B1〜B30の構成に対して、特徴A1〜A15、特徴B1〜B30、特徴C1〜C22、特徴D1〜D21、特徴E1〜E6、特徴F1〜F6、特徴G1〜G8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.特定遊技状態(第2上乗せ状態)において特定契機(第1クレジット投入ボタン47の操作)が発生したことに基づいて遊技者に特典を付与するための処理を実行する特典付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2202及びステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2302及びステップS2312の処理を実行する機能)と、
前記特定契機が発生した場合に特定継続率で継続抽選処理(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2105の処理、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2405の処理、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS2509の処理)を行い、継続当選結果となった場合に前記特定遊技状態を継続させる継続決定手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2106にて肯定判定をする機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2406にて肯定判定をする機能、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS2510にて肯定判定をする機能)と、
前記特定遊技状態における実行対象モードとして、前記特定の付与態様と前記特定継続率との組合せが設定された継続モード(第1継続モード〜第4継続モード)、及び前記継続抽選処理が実行されることなく特典の付与が特定回数行われる特定モード(固定モード)を含めた複数種類のモードのうちいずれかを遊技者の操作に基づき決定する対象決定手段(主側MPU72におけるモード決定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、継続抽選処理の結果との関係で特定契機の発生回数が変動する継続モードだけでなく、継続抽選処理が実行されることなく特典の付与が特定回数行われる特定モードも選択対象に含まれている。これにより、ギャンブル性が高いモードと安定したモードとのいずれをも遊技者自身が選択することが可能となり、遊技者の多様な嗜好に対応することが可能となる。よって、遊技者を特定遊技状態における遊技に積極参加させることが可能となる。以上より、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴C2.前記特定モードにおいて遊技者に付与される特典は、前記継続モードにおいて1回の特定契機の発生に対して遊技者に付与可能となる特典よりも遊技者にとって有利であることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、継続モードを選択する場合よりも特定モードを選択する場合の方が遊技者にとって不利とならないようにすることが可能となる。
特徴C3.前記特定モードにおいて遊技者に付与される特典は、前記特典の付与態様と前記特定継続率との関係で導かれる特典内容の期待値と同一又は略同一となるように設定されていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、特定モードにおいて遊技者に付与される特典は、継続モードを選択した場合における特典内容の期待値と同一又は略同一であるため、特定モード及び継続モードのいずれを遊技者が選択した場合であっても特典の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴C4.前記特典付与手段は、前記継続抽選処理にて継続外れ結果となったタイミングに関係なく、最低補償の内容の特典(最低補償ゲーム数)以上となる内容の特典を付与するものであることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、最低補償の内容の特典が付与されるため、継続当選結果となった場合に特定遊技状態が継続する構成であったとしても、遊技者に対してある程度の特典を担保することが可能となる。。
特徴C5.前記特定遊技状態が開始された場合に前記モードを決定することが可能な決定期間を生じさせる手段(主側MPU72におけるステップS1705及びステップS1710の処理を実行する機能)と、
当該決定期間の後に前記特定契機の発生に基づき特典を付与するための処理が実行される特典付与可能期間を生じさせる手段(主側MPU72における主側選択後処理を実行する機能)と、
を備え、
少なくとも前記モードが決定されるまでは、遊技者のキャンセル操作(スタートレバー41の操作)に基づく前記特定遊技状態の途中での終了が不可となるように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、特定遊技状態を途中で終了可能であるため、特定遊技状態を早期に終了させたい遊技者の要望に応えることが可能となる。但し、特定遊技状態のキャンセル操作はモードを決定することが可能な決定期間においては無効であり、モードが決定された後の特典付与可能期間において有効となる。これにより、キャンセル操作が行われた場合には実行対象として設定されているモードに応じた態様で特定遊技状態を途中で終了させることが可能となる。
特徴C6.遊技者によりキャンセル操作が行われたことに基づいて前記特定遊技状態を途中で終了させる途中終了手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2101にて肯定判定をする機能及びサブ側MPU82におけるステップS2212の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2314の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2401にて肯定判定をする機能)と、
当該途中終了手段により前記特定遊技状態が途中で終了された場合、途中終了対応の特典の付与を可能とするための途中終了付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82における補償ゲーム数の決定処理及びステップS2209〜ステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2311〜ステップS2312の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、特定遊技状態を途中で終了可能であるため、特定遊技状態を早期に終了させたい遊技者の要望に応えることが可能となる。また、特定遊技状態が途中で終了された場合には途中終了対応の特典の付与が可能であるため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して特典の付与に関して救済措置を与えることが可能となる。
特徴C7.前記途中終了付与手段は、前記途中終了対応の特典として、前記特定モードにおいて遊技者に付与される特典よりも有利な特典を付与し得ることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、キャンセル操作が行われた場合であっても特定モードにおいて遊技者に付与される特典よりも有利な特典が付与され得るため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった場合であっても遊技者の想定以上の特典が付与される機会を担保することが可能となる。また、本構成によれば、敢えてキャンセル操作を行うという遊技性を追加することが可能となる。
特徴C8.前記途中終了付与手段は、前記特定契機の発生回数とは無関係に前記途中終了対応の特典の内容を決定することを特徴とする特徴C6又はC7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、特定契機の発生回数とは無関係に途中終了対応の特典が付与されるため、例えば誤って早期にキャンセル操作が行われた場合であってもその時点の特定契機の発生回数とは無関係に決定された途中終了対応の特典を付与することが可能となる。
特徴C9.前記途中終了手段により前記特定遊技状態が途中で終了された場合、それまでの前記特定契機の発生回数との関係で導出される特典と、前記途中終了付与手段により決定された前記途中終了対応の特典とのうちいずれかが遊技者に付与されるようにする選択的付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2209の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2311の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C6乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C9によれば、キャンセル操作が行われた場合には、特定契機の発生回数との関係で導出される特典と、それとは関係なく決定された途中終了対応の特典とのうちいずれかが遊技者に付与される。これにより、キャンセル操作時における特典の付与態様を多様化することが可能となる。
特徴C10.前記選択的付与手段は、前記導出される特典及び前記途中終了対応の特典のうち遊技者にとって有利な側の特典が遊技者に付与されるようにすることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、キャンセル操作が行われた場合であっても付与される特典の内容が遊技者にとって有利な内容となるようにすることが可能となる。
特徴C11.前記選択的付与手段は、前記導出される特典及び前記途中終了対応の特典のうち遊技者の選択操作によって選択された側の特典が遊技者に付与されるようにすることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
特徴C11によれば、キャンセル操作が行われた場合において、いずれの特典が付与されるようにするのかを遊技者が選択するという遊技を生じさせることが可能となる。
特徴C12.前記キャンセル操作が行われる前においてその時点における前記導出される特典と前記途中終了対応の特典との有利度合の差を示唆する示唆手段(サブ側MPU82におけるステップS2303〜ステップS2304の処理を実行する機能及び画像表示装置66)を備えていることを特徴とする特徴C10又はC11に記載の遊技機。
特徴C12によれば、遊技者は示唆手段の内容との関係でキャンセル操作を実行するか否かを決定することが可能となる。これにより、キャンセル操作を行った場合における遊技性を高めることが可能となる。
特徴C13.前記特典付与手段は、前記継続抽選処理にて継続外れ結果となったタイミングに関係なく、最低補償の内容の特典以上となる内容の特典を付与するものであり、
前記途中終了対応の特典は、遊技者の有利度が前記最低補償の内容の特典以上に設定されていることを特徴とする特徴C6乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、キャンセル操作が行われた場合には最低補償の内容の特典以上が遊技者に付与されるため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して最低限以上の特典を付与することが可能となる。
特徴C14.前記途中終了付与手段は、前記途中終了対応の特典として、前記特典の付与態様と前記特定継続率との関係で導かれる特典内容の期待値よりも有利な特典を付与し得ることを特徴とする特徴C6乃至C13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C14によれば、キャンセル操作が行われた場合であってもキャンセル操作を行うことなく特定遊技状態を継続した場合よりも有利な特典が付与され得るため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった場合であっても遊技者の想定以上の特典が付与される機会を担保することが可能となる。また、本構成によれば、敢えてキャンセル操作を行うという遊技性を追加することが可能となる。
特徴C15.前記継続決定手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
前記途中終了対応の特典の内容を決定する第2制御手段(サブ側MPU82)と、
を備えていることを特徴とする特徴C6乃至C14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C15によれば、各制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、キャンセル操作が行われることなく特定遊技状態が完了した場合の特典、及びキャンセル操作が行われた場合の特典のいずれかを遊技者に付与することが可能となる。
特徴C16.前記第1制御手段は、
開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、前記遊技回用の制御の開始又は前記遊技回用の制御の終了を阻止する阻止手段(主側MPU72におけるフリーズ処理を実行する機能)と、
前記キャンセル操作が行われたか否かの監視を実行する監視実行手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2101の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2401の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C15に記載の遊技機。
特徴C16によれば、特定遊技状態にて遊技回用の制御の開始又は遊技回用の制御の終了が阻止されるようにするための制御を行う第1制御手段において継続抽選処理を実行するとともにキャンセル操作が行われたか否かの監視を実行する構成とすることで、第2制御手段から第1制御手段への情報の送信を必要としなくても第1制御手段において特定遊技状態の終了契機を把握することが可能となる。
特徴C17.前記特定契機は、特定操作手段(第1クレジット投入ボタン47)が操作された場合に発生し、
前記特定操作手段が操作されたか否かの監視は、前記第1制御手段により行われることを特徴とする特徴C15又はC16に記載の遊技機。
特徴C17によれば、継続抽選処理が実行される第1制御手段において特定操作手段が操作されたか否かの監視が実行されるため、継続抽選処理の実行に際して第2制御手段から第1制御手段への情報の送信を必要としない。
特徴C18.前記第1制御手段は、前記特定契機が発生した場合に前記継続決定手段による前記継続抽選処理の結果に対応した結果対応情報(上乗せコマンド及び継続終了コマンド)を送信し、
前記第2制御手段は、当該結果対応情報を受信した場合、前記組合せの種類に対応する前記特典の付与態様による特典の付与を可能とすることを特徴とする特徴C15乃至C17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C18によれば、継続抽選処理が第1制御手段にて実行される構成であったとしても、特典の付与自体は第2制御手段にて一括管理することが可能となる。
特徴C19.前記特定遊技状態における前記特定契機の最低発生回数(最低操作回数)が設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C19によれば、特定遊技状態においては特定契機が少なくとも最低発生回数は発生することとなるため、特定遊技状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、特定契機が少なくとも最低発生回数は発生する構成であるため、ある程度以上の特典を遊技者に付与することが可能となる。
特徴C20.前記特定遊技状態における前記特典の内容が最低補償の内容の特典以上となるように、前記特定遊技状態における前記特定契機の最低発生回数が設定されていることを特徴とする特徴C19に記載の遊技機。
特徴C20によれば、最低発生回数との関係で最低補償の内容の特典を設定することが可能となる。
特徴C21.前記特典付与手段は、前記特典の付与として、遊技者にとって有利な有利遊技状態の継続ゲーム数を増加させるものであることを特徴とする特徴C1乃至C20のいずれか1に記載の遊技機。
特定契機の発生回数に応じて継続ゲーム数の増加分が増える遊技性において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴C22.開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、前記遊技回用の制御の開始又は前記遊技回用の制御の終了を阻止する阻止手段(主側MPU72におけるフリーズ処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C21のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C22によれば、遊技回用の制御の開始又は遊技回用の制御の終了が阻止された状態において特定遊技状態が生じることとなるため、遊技者を特定遊技状態における遊技に集中させることが可能となる。
なお、特徴C1〜C22の構成に対して、特徴A1〜A15、特徴B1〜B30、特徴C1〜C22、特徴D1〜D21、特徴E1〜E6、特徴F1〜F6、特徴G1〜G8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.特定遊技状態(第2上乗せ状態)において遊技者に特典を付与するための処理を実行する特典付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2202及びステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2302及びステップS2312の処理を実行する機能)と、
遊技者によりキャンセル操作が行われたことに基づいて前記特定遊技状態を途中で終了させる途中終了手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2101にて肯定判定をする機能及びサブ側MPU82におけるステップS2212の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2314の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2401にて肯定判定をする機能)と、
当該途中終了手段により前記特定遊技状態が途中で終了された場合、途中終了対応の特典の付与を可能とするための途中終了付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82における補償ゲーム数の決定処理及びステップS2209〜ステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2311〜ステップS2312の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、特定遊技状態を途中で終了可能であるため、特定遊技状態を早期に終了させたい遊技者の要望に応えることが可能となる。また、特定遊技状態が途中で終了された場合には途中終了対応の特典の付与が可能であるため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して特典の付与に関して救済措置を与えることが可能となる。
特徴D2.前記特定遊技状態における特典の付与態様を決定付ける複数種類のモード(第1継続モード〜第4継続モード、固定モード)の中から実行対象となるモードを決定する対象決定手段(主側MPU72におけるモード決定処理を実行する機能)を備え、
前記途中終了付与手段は、前記対象決定手段により決定されたモードの種類に応じた態様で、前記途中終了対応の特典を付与することを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、キャンセル操作が行われた場合における途中終了対応の特典の内容は実行対象となっているモードの種類に対応するものとなるため、実行対象のモードに対応させた内容で途中終了対応の特典を付与することが可能となる。よって、途中終了対応の特典の付与態様を多様化させることが可能となる。
特徴D3.前記特定遊技状態が開始された場合に前記モードを決定することが可能な決定期間を生じさせる手段(主側MPU72におけるステップS1705及びステップS1710の処理を実行する機能)と、
当該決定期間の後に前記特典を付与するための処理が実行される特典付与可能期間を生じさせる手段(主側MPU72における主側選択後処理を実行する機能)と、
を備え、
前記途中終了手段は、前記モードが決定されるまでは、前記キャンセル操作に基づく前記特定遊技状態の途中での終了を不可とすることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、モードの種類が決定されるまではキャンセル操作が無効化されるため、モードの種類に対応した内容での途中終了対応の特典の付与を確実に行うことが可能となる。
特徴D4.前記特典付与手段は、前記特定遊技状態における実行対象のモードが継続モード(第1継続モード〜第4継続モード)である場合、特定契機(第1クレジット投入ボタン47の操作)が発生したことに基づいて遊技者に特典を付与するための処理を実行し、
当該遊技機は、前記実行対象のモードが前記継続モードである状況において前記特定契機が発生した場合に特定継続率で継続抽選処理(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2105の処理、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2405の処理、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS2509の処理)を行い、継続当選結果となった場合に前記特定遊技状態を継続させる継続決定手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2106にて肯定判定をする機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2406にて肯定判定をする機能、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS2510にて肯定判定をする機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、継続抽選処理の抽選結果に基づき継続する継続モードが存在しているため、当該継続モードにおいては遊技者は特定遊技状態が長く継続することを期待しながら遊技を行うこととなる。
特徴D5.前記途中終了付与手段は、前記特定契機の発生回数とは無関係に前記途中終了対応の特典の内容を決定することを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、特定契機の発生回数とは無関係に途中終了対応の特典が付与されるため、例えば誤って早期にキャンセル操作が行われた場合であってもその時点の特定契機の発生回数とは無関係に決定された途中終了対応の特典を付与することが可能となる。
特徴D6.前記特典付与手段は、前記実行対象のモードが前記継続モードである状況において前記継続抽選処理にて継続外れ結果となったタイミングに関係なく、最低補償の内容の特典以上となる内容の特典を付与するものであり、
前記途中終了対応の特典は、遊技者の有利度が前記最低補償の内容の特典以上に設定されていることを特徴とする特徴D4又はD5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、キャンセル操作が行われた場合には最低補償の内容の特典以上が遊技者に付与されるため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して最低限以上の特典を付与することが可能となる。
特徴D7.前記途中終了付与手段は、前記実行対象のモードが前記継続モードである状況において、前記途中終了対応の特典として、前記特典の付与態様と前記特定継続率との関係で導かれる特典内容の期待値よりも有利な特典を付与し得ることを特徴とする特徴D4乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、キャンセル操作が行われた場合であってもキャンセル操作を行うことなく特定遊技状態を継続した場合よりも有利な特典が付与され得るため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった場合であっても遊技者の想定以上の特典が付与される機会を担保することが可能となる。また、本構成によれば、敢えてキャンセル操作を行うという遊技性を追加することが可能となる。
特徴D8.前記継続モードにおける前記特定契機の最低発生回数(最低操作回数)が設定されていることを特徴とする特徴D4乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D8によれば、特定遊技状態においては特定契機が少なくとも最低発生回数は発生することとなるため、特定遊技状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、特定契機が少なくとも最低発生回数は発生する構成であるため、ある程度以上の特典を遊技者に付与することが可能となる。
特徴D9.前記特定契機が最低発生回数のみ発生して前記特定遊技状態が終了した場合における遊技者の利益が前記継続モードの種類がいずれであっても同一又は略同一となるように、前記特定契機の最低発生回数は前記継続モードの種類に対応させて設定されていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、所定の利益以上の特典が付与されるように各継続モードの最低発生回数が設定されているため、いずれの継続モードであっても特典の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴D10.前記継続モードにおける前記特典の内容が最低補償の内容の特典以上となるように、前記継続モードにおける前記特定契機の最低発生回数が設定されていることを特徴とする特徴D8又はD9に記載の遊技機。
特徴D10によれば、最低発生回数との関係で最低補償の内容の特典を設定することが可能となる。
特徴D11.前記最低補償の内容が前記継続モードの種類に関係なく一定となるように、前記特定契機の最低発生回数は前記継続モードの種類に対応させて設定されていることを特徴とする特徴D10に記載の遊技機。
特徴D11によれば、所定の利益以上の特典が付与されるように各継続モードの最低発生回数が設定されているため、いずれの継続モードであっても特典の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴D12.前記特典付与手段は、前記実行対象のモードが前記継続モードである状況において、前記継続抽選処理にて継続外れ結果となったタイミングに関係なく、最低補償の内容の特典(最低補償ゲーム数)以上となる内容の特典を付与するものであることを特徴とする特徴D4乃至D11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D12によれば、最低補償の内容の特典が付与されるため、継続当選結果となった場合に特定遊技状態が継続する構成であったとしても、遊技者に対してある程度の特典を担保することが可能となる。また、最低補償の内容の付与が担保されるため、特定継続率が相対的に低い組合せであっても遊技者が選択し得ることとなる。
特徴D13.前記最低補償の内容の特典は前記継続モードの種類に関係なく決定されることを特徴とする特徴D12に記載の遊技機。
特徴D13によれば、最低補償の内容の特典が組合せの種類に関係なく決定されるため、いずれの継続モードを遊技者が選択した場合であっても最低補償の内容の特典に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴D14.前記途中終了手段により前記特定遊技状態が途中で終了された場合、それまでの前記特定遊技状態の遊技内容との関係で導出される特典と、前記途中終了付与手段により決定された前記途中終了対応の特典とのうちいずれかが遊技者に付与されるようにする選択的付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2209の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2311の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D14によれば、キャンセル操作が行われた場合には、特定遊技状態のそれまでの遊技内容との関係で導出される特典と、それとは関係なく決定された途中終了対応の特典とのうちいずれかが遊技者に付与される。これにより、キャンセル操作時における特典の付与態様を多様化することが可能となる。
特徴D15.前記選択的付与手段は、前記導出される特典及び前記途中終了対応の特典のうち遊技者にとって有利な側の特典が遊技者に付与されるようにすることを特徴とする特徴D14に記載の遊技機。
特徴D15によれば、キャンセル操作が行われた場合であっても付与される特典の内容が遊技者にとって有利な内容となるようにすることが可能となる。
特徴D16.前記選択的付与手段は、前記導出される特典及び前記途中終了対応の特典のうち遊技者の選択操作によって選択された側の特典が遊技者に付与されるようにすることを特徴とする特徴D14に記載の遊技機。
特徴D16によれば、キャンセル操作が行われた場合において、いずれの特典が付与されるようにするのかを遊技者が選択するという遊技を生じさせることが可能となる。
特徴D17.前記キャンセル操作が行われる前においてその時点における前記導出される特典と前記途中終了対応の特典との有利度合の差を示唆する示唆手段(サブ側MPU82におけるステップS2303〜ステップS2304の処理を実行する機能及び画像表示装置66)を備えていることを特徴とする特徴D15又はD16に記載の遊技機。
特徴D17によれば、遊技者は示唆手段の内容との関係でキャンセル操作を実行するか否かを決定することが可能となる。これにより、キャンセル操作を行った場合における遊技性を高めることが可能となる。
特徴D18.前記キャンセル操作が行われない状況において前記特典の付与を可能とするための特定契機の発生の有無を特定する第1制御手段(主側MPU72)と、
前記途中終了対応の特典の内容を決定する第2制御手段(サブ側MPU82)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D18によれば、各制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、キャンセル操作が行われることなく特定遊技状態が完了した場合の特典、及びキャンセル操作が行われた場合の特典のいずれかを遊技者に付与することが可能となる。
特徴D19.前記第1制御手段は、
開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、前記遊技回用の制御の開始又は前記遊技回用の制御の終了を阻止する阻止手段(主側MPU72におけるフリーズ処理を実行する機能)と、
前記キャンセル操作が行われたか否かの監視を実行する監視実行手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2101の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2401の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D18に記載の遊技機。
特徴D19によれば、特定遊技状態にて遊技回用の制御の開始又は遊技回用の制御の終了が阻止されるようにするための制御を行う第1制御手段においてキャンセル操作が行われない状況での特定遊技状態の終了タイミングの特定を行うとともにキャンセル操作が行われたか否かの監視を実行する構成とすることで、第2制御手段から第1制御手段への情報の送信を必要としなくても第1制御手段において特定遊技状態の終了契機を把握することが可能となる。
特徴D20.前記特典付与手段は、前記特典の付与として、遊技者にとって有利な有利遊技状態の継続ゲーム数を増加させるものであることを特徴とする特徴D1乃至D19のいずれか1に記載の遊技機。
特定契機の発生回数に応じて継続ゲーム数の増加分が増える遊技性において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴D21.開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、前記遊技回用の制御の開始又は前記遊技回用の制御の終了を阻止する阻止手段(主側MPU72におけるフリーズ処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D21によれば、遊技回用の制御の開始又は遊技回用の制御の終了が阻止された状態において特定遊技状態が生じることとなるため、遊技者を特定遊技状態における遊技に集中させることが可能となる。
なお、特徴D1〜D21の構成に対して、特徴A1〜A15、特徴B1〜B30、特徴C1〜C22、特徴D1〜D21、特徴E1〜E6、特徴F1〜F6、特徴G1〜G8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.特定遊技状態(第2上乗せ状態)において遊技者に特典を付与するための処理を実行する特典付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2202及びステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2302及びステップS2312の処理を実行する機能)と、
遊技者によりキャンセル操作が行われたことに基づいて前記特定遊技状態を途中で終了させる途中終了手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2101にて肯定判定をする機能及びサブ側MPU82におけるステップS2212の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2314の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2401にて肯定判定をする機能)と、
当該途中終了手段により前記特定遊技状態が途中で終了された場合、途中終了対応の特典の付与を可能とするための途中終了付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82における補償ゲーム数の決定処理及びステップS2209〜ステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2311〜ステップS2312の処理を実行する機能)と、
前記途中終了手段により前記特定遊技状態が途中で終了された場合、それまでの前記特定遊技状態の遊技内容との関係で導出される特典、及び前記途中終了付与手段により決定された前記途中終了対応の特典のうちいずれかが遊技者に付与されるようにする選択的付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2209の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2311の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、特定遊技状態を途中で終了可能であるため、特定遊技状態を早期に終了させたい遊技者の要望に応えることが可能となる。また、特定遊技状態が途中で終了された場合には途中終了対応の特典の付与が可能であるため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して特典の付与に関して救済措置を与えることが可能となる。
また、キャンセル操作が行われた場合には、特定遊技状態のそれまでの遊技内容との関係で導出される特典と、それとは関係なく決定された途中終了対応の特典とのうちいずれかが遊技者に付与される。これにより、キャンセル操作時における特典の付与態様を多様化することが可能となる。以上より、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴E2.前記選択的付与手段は、前記導出される特典及び前記途中終了対応の特典のうち遊技者にとって有利な側の特典が遊技者に付与されるようにすることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、キャンセル操作が行われた場合であっても付与される特典の内容が遊技者にとって有利な内容となるようにすることが可能となる。
特徴E3.前記選択的付与手段は、前記導出される特典及び前記途中終了対応の特典のうち遊技者の選択操作によって選択された側の特典が遊技者に付与されるようにすることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E3によれば、キャンセル操作が行われた場合において、いずれの特典が付与されるようにするのかを遊技者が選択するという遊技を生じさせることが可能となる。
特徴E4.前記キャンセル操作が行われる前においてその時点における前記導出される特典と前記途中終了対応の特典との有利度合の差を示唆する示唆手段(サブ側MPU82におけるステップS2303〜ステップS2304の処理を実行する機能及び画像表示装置66)を備えていることを特徴とする特徴E2又はE3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、遊技者は示唆手段の内容との関係でキャンセル操作を実行するか否かを決定することが可能となる。これにより、キャンセル操作を行った場合における遊技性を高めることが可能となる。
特徴E5.前記特典付与手段は、前記特典の付与として、遊技者にとって有利な有利遊技状態の継続ゲーム数を増加させるものであることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特定遊技状態にて有利遊技状態の継続ゲーム数が増加する遊技性において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴E6.開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、前記遊技回用の制御の開始又は前記遊技回用の制御の終了を阻止する阻止手段(主側MPU72におけるフリーズ処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E6によれば、遊技回用の制御の開始又は遊技回用の制御の終了が阻止された状態において特定遊技状態が生じることとなるため、遊技者を特定遊技状態における遊技に集中させることが可能となる。
なお、特徴E1〜E6の構成に対して、特徴A1〜A15、特徴B1〜B30、特徴C1〜C22、特徴D1〜D21、特徴E1〜E6、特徴F1〜F6、特徴G1〜G8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.特定遊技状態(第2上乗せ状態)において遊技者に特典を付与するための処理を実行する特典付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2202及びステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2302及びステップS2312の処理を実行する機能)と、
遊技者によりキャンセル操作が行われたことに基づいて前記特定遊技状態を途中で終了させる途中終了手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2101にて肯定判定をする機能及びサブ側MPU82におけるステップS2212の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2314の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2401にて肯定判定をする機能)と、
当該途中終了手段により前記特定遊技状態が途中で終了された場合、途中終了対応の特典の付与を可能とするための途中終了付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82における補償ゲーム数の決定処理及びステップS2209〜ステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2311〜ステップS2312の処理を実行する機能)と、
前記キャンセル操作が行われない状況において前記特典の付与を可能とするための特定契機の発生の有無を特定する第1制御手段(主側MPU72)と、
前記途中終了対応の特典の内容を決定する第2制御手段(サブ側MPU82)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、特定遊技状態を途中で終了可能であるため、特定遊技状態を早期に終了させたい遊技者の要望に応えることが可能となる。また、特定遊技状態が途中で終了された場合には途中終了対応の特典の付与が可能であるため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して特典の付与に関して救済措置を与えることが可能となる。
また、第1制御手段において特定契機の発生の有無が特定されるとともに第2制御手段において途中終了対応の特典の内容が決定されるため、各制御手段の処理負荷の軽減を図りながら、キャンセル操作が行われることなく特定遊技状態が完了した場合の特典、及びキャンセル操作が行われた場合の特典のいずれかを遊技者に付与することが可能となる。
特徴F2.前記第1制御手段は、
開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、前記遊技回用の制御の開始又は前記遊技回用の制御の終了を阻止する阻止手段(主側MPU72におけるフリーズ処理を実行する機能)と、
前記キャンセル操作が行われたか否かの監視を実行する監視実行手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2101の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2401の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、特定遊技状態にて遊技回用の制御の開始又は遊技回用の制御の終了が阻止されるようにするための制御を行う第1制御手段においてキャンセル操作が行われない状況での特定遊技状態の終了タイミングの特定を行うとともにキャンセル操作が行われたか否かの監視を実行する構成とすることで、第2制御手段から第1制御手段への情報の送信を必要としなくても第1制御手段において特定遊技状態の終了契機を把握することが可能となる。
特徴F3.前記第1制御手段は、
前記特定契機が発生した場合に特定継続率で継続抽選処理(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2105の処理、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2405の処理、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS2509の処理)を行い、継続当選結果となった場合に前記特定遊技状態を継続させる継続決定手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2106にて肯定判定をする機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2406にて肯定判定をする機能、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS2510にて肯定判定をする機能)と、
前記特定契機が発生した場合に前記継続決定手段による前記継続抽選処理の結果に対応した結果対応情報(上乗せコマンド及び継続終了コマンド)を送信する手段と、
を備え、
前記第2制御手段は、当該結果対応情報を受信した場合、前記特定契機の発生に基づく特典の付与を可能とするための処理を実行することを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、継続抽選処理が第1制御手段にて実行される構成であったとしても、特典の付与自体は第2制御手段にて一括管理することが可能となる。
特徴F4.前記特定契機は、特定操作手段(第1クレジット投入ボタン47)が操作された場合に発生し、
前記特定操作手段が操作されたか否かの監視は、前記第1制御手段により行われることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F4によれば、特定契機の発生の有無が特定される第1制御手段において特定操作手段が操作されたか否かの監視が実行されるため、特定契機の発生の有無の特定に際して第2制御手段から第1制御手段への情報の送信を必要としない。
特徴F5.前記特典付与手段は、前記特典の付与として、遊技者にとって有利な有利遊技状態の継続ゲーム数を増加させるものであることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
特定遊技状態にて有利遊技状態の継続ゲーム数が増加する遊技性において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴F6.開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、前記遊技回用の制御の開始又は前記遊技回用の制御の終了を阻止する阻止手段(主側MPU72におけるフリーズ処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F6によれば、遊技回用の制御の開始又は遊技回用の制御の終了が阻止された状態において特定遊技状態が生じることとなるため、遊技者を特定遊技状態における遊技に集中させることが可能となる。
なお、特徴F1〜F6の構成に対して、特徴A1〜A15、特徴B1〜B30、特徴C1〜C22、特徴D1〜D21、特徴E1〜E6、特徴F1〜F6、特徴G1〜G8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.特定遊技状態(第2上乗せ状態)において特定契機(第1クレジット投入ボタン47の操作)が発生したことに基づいて遊技者に特典を付与するための処理を実行する特典付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2202及びステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2302及びステップS2312の処理を実行する機能)と、
前記特定契機が発生した場合に特定継続率で継続抽選処理(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2105の処理、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2405の処理、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS2509の処理)を行い、継続当選結果となった場合に前記特定遊技状態を継続させる継続決定手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2106にて肯定判定をする機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2406にて肯定判定をする機能、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS2510にて肯定判定をする機能)と、
を備え、
前記特典付与手段は、最低補償の内容の特典(最低補償ゲーム数)以上となる内容の特典を付与するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、特定契機が発生した場合に実行される継続抽選処理にて継続当選となった場合には特定遊技状態が継続されるため、遊技者はより長く特定遊技状態が継続することを期待しながら遊技を行うこととなる。これにより、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、特定遊技状態においては最低補償の内容以上の特典が付与されるため、継続当選結果となった場合に特定遊技状態が継続する構成であったとしても、遊技者に対してある程度の特典を担保することが可能となる。
特徴G2.前記特定遊技状態における特典の付与態様を決定付ける複数種類のモード(第1継続モード〜第4継続モード、固定モード)の中から実行対象となるモードを決定する対象決定手段(主側MPU72におけるモード決定処理を実行する機能)を備え、
前記最低補償の内容の特典は前記モードの種類に関係なく決定されることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、最低補償の内容の特典がモードの種類に関係なく決定されるため、いずれのモードであっても最低補償の内容の特典に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴G3.前記特定遊技状態における前記特定契機の最低発生回数(最低操作回数)が設定されていることにより、前記最低補償の内容以上の特典が付与されることを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、特定遊技状態においては特定契機が少なくとも最低発生回数は発生することとなるため、特定遊技状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、特定契機が少なくとも最低発生回数は発生する構成であるため、ある程度以上の特典を遊技者に付与することが可能となる。
特徴G4.前記特定遊技状態における特典の付与態様を決定付ける複数種類のモード(第1継続モード〜第4継続モード、固定モード)の中から実行対象となるモードを決定する対象決定手段(主側MPU72におけるモード決定処理を実行する機能)を備え、
前記モードの種類に対応させて前記最低発生回数が設定されていることを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
特徴G4によれば、各モードにおいて好ましい最低発生回数とすることが可能となる。
特徴G5.前記特定契機が最低発生回数のみ発生して前記特定遊技状態が終了した場合における遊技者の利益が前記モードの種類がいずれであっても同一又は略同一となるように、前記特定契機の最低発生回数は前記モードの種類に対応させて設定されていることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
特徴G5によれば、所定の利益以上の特典が付与されるように各モードの最低発生回数が設定されているため、いずれのモードであっても特典の付与に関して有利不利が生じないようにすることが可能となる。
特徴G6.遊技者によりキャンセル操作が行われたことに基づいて前記特定遊技状態を途中で終了させる途中終了手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS2101にて肯定判定をする機能及びサブ側MPU82におけるステップS2212の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2314の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2401にて肯定判定をする機能)と、
当該途中終了手段により前記特定遊技状態が途中で終了された場合、途中終了対応の特典の付与を可能とするための途中終了付与手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82における補償ゲーム数の決定処理及びステップS2209〜ステップS2210の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2311〜ステップS2312の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記途中終了対応の特典は、遊技者の有利度が前記最低補償の内容の特典以上に設定されていることを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G6によれば、特定遊技状態を途中で終了可能であるため、特定遊技状態を早期に終了させたい遊技者の要望に応えることが可能となる。また、特定遊技状態が途中で終了された場合には途中終了対応の特典の付与が可能であるため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して特典の付与に関して救済措置を与えることが可能となる。また、キャンセル操作が行われた場合には最低補償の内容の特典以上が遊技者に付与されるため、例えば誤ってキャンセル操作を行ってしまった遊技者に対して最低限以上の特典を付与することが可能となる。
特徴G7.前記特典付与手段は、前記特典の付与として、前記特定契機が発生した回数に応じた態様で前記継続ゲーム数を増加させるものであることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
特定契機の発生回数に応じて継続ゲーム数の増加分が増える遊技性において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴G8.開始条件が成立した場合に遊技回用の制御を開始し、終了条件が成立した場合に遊技回用の制御を終了する遊技回制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において、前記遊技回用の制御の開始又は前記遊技回用の制御の終了を阻止する阻止手段(主側MPU72におけるフリーズ処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G8によれば、遊技回用の制御の開始又は遊技回用の制御の終了が阻止された状態において特定遊技状態が生じることとなるため、遊技者を特定遊技状態における遊技に集中させることが可能となる。
なお、特徴G1〜G8の構成に対して、特徴A1〜A15、特徴B1〜B30、特徴C1〜C22、特徴D1〜D21、特徴E1〜E6、特徴F1〜F6、特徴G1〜G8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群〜上記特徴G群の各特徴に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。