JP5784802B2 - 溶剤インク用インクジェット記録シート - Google Patents

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本発明は、溶剤インクなどの有機溶剤をインクの溶媒に用いたインクジェット記録方式に好適であり、表面の光沢性に優れた溶剤インク用記録シート及び/又は溶剤インクの吸収性と発色性に優れたインク用記録シートに関する。
インクジェット記録方式は、ディフレクション方式、キャビティ方式、サーモジェット方式、バブルジェット方式、サーマルインクジェット方式、スリットジェット方式、スパークジェット方式などに代表される種々の作動原理によって、インクの微小液滴を飛翔させて紙、不織布、フィルムなどを支持体としたインクジェット記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである。そして、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要などの長所があり、漢字を含め各種図形、カラー画像などの記録装置として種々の用途において急速に普及している。
特に、溶媒中にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの色材を各々含有させた多色インクを用いるインクジェット記録方式によって記録された画像は、製版方式による多色印刷と比較しても遜色のない記録画像を得ることが可能である。また、安価であることから、作成部数が少なくて済む用途においては、フルカラー画像記録分野にまで広く応用されている。
このようなインクジェット記録方式の大半は、水性又は水と親水性溶剤との混合溶媒中に各種の水溶性染料を溶解し、必要によって各種の添加剤を配合した水性インクを使用している。水性インクは、印字後の色調が鮮やかで明るく、インクドットのコントラストが大きく、またインク粘度の調整が容易であり、安全性が高いなどの利点を有する。しかしながら、色材として水溶性染料を選択していることから、1)インク溶媒に対する色材の溶解濃度を高めることが困難である、2)水への溶解性や画像の発色性と画像の保存安定性とを両立できる水性染料の設計が困難である、などの問題点を有している。
そこで、これらの諸問題を解決する手段として、色材として、例えば、染料系として分散染料、ナフトール染料、硫化染料、顔料としてはカーボンブラックや各種色顔料を用い、かつ、インク溶媒として、例えば、イソパラフィン類、エーテル類や可塑剤などの溶剤を用いた、溶剤インクが非常に有効であり、実用化がされている。
溶剤インクは、1)油溶性染料を溶剤中に高濃度に溶解又は分散することが容易であり、すなわち、銀塩写真に匹敵する高い画像濃度を実現することが可能である。2)基本的に、水性インクに比べて耐水性が良好である。3)水溶性染料と比較して、耐光性や耐オゾン性を考慮した染料の分子設計に自由度があることに優れる。さらに、4)インクジェット装置のヘッドノズルの目詰まりが起こり難くいなどの利点も備えている。このことから、特に耐光性、耐オゾン性が優れることから大判のPOPアート、広告・ディスプレイ用途で壁紙用途等に多用されている。要求品質としては、大判のディスプレイ用途では溶剤インクの印字適性の他に光沢感が求められている。
しかしその一方で、その光沢感、光沢度はその用途や見るものの嗜好により変化する。すなわち、光沢度が高い記録媒体だけで無く、表面の光沢がある程度抑制されたセミグロスタイプと呼ばれる記録媒体が望まれる場合がある。特に屋内で照明の強い状態で使用されるディスプレイ、ポスター用途で用いた場合に、光沢度が高いと、観賞する角度によって光が散乱し、見づらくなってしまうことがあり、記録画像の鮮明性を有しつつ光沢度を抑えたセミグロスタイプの記録シートも要望されている。さらに、広告・ディスプレイ用途で壁に貼って使用される場合には、古い広告の上に新しい広告を重ねて貼って使用されるために、下層の図柄が透けないように薄い基材を用いた場合でも、白色度を維持しつつ高い不透明度が必要とされる。
インクジェット記録方式に多く用いられる水溶性の染料及び顔料インク用のインクジェット記録用紙は、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速くて、印字ドットが重なった場合でもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくならないこと、インクドットの形状が真円に近く、かつ、その周辺が滑らかでぼやけないこと、白色度が高いことなどの要求を満たす必要がある。これらの要求を満たすために、インクジェット記録用紙は、支持体上にインク受理層を形成して、インクの定着性を向上させたものが一般的である。前記インク受理層は、印字した後に、多量の水又は水と親水性溶剤の混合溶媒を即座に吸収し、微量な水溶性インクを効率よく定着させることが主な目的となっており、低濃度で溶解された水性インクに対して効果を発揮するように設計されている。
しかし、この種のインク受理層は、油溶性染料を用いた溶剤インクには適していない。近年、溶剤インクにおいても前記の要求を満たすために、親油性であり、かつ、疎水性である合成非晶質シリカを使用し、必要によってバインダーと共に支持体上に塗工した、溶剤インクに適したインク受理層が形成されたインクジェット記録紙が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照。)。そして、特許文献1では非晶質シリカの、特許文献2では非晶質シリカ、アルミナの親油性を利用して、シリカ表面の細孔に溶剤インクの油性溶媒を取り込むことで記録画像の滲みを防止している。しかし、従来の水性インク用のインクジェット記録用紙とは異なり、溶剤インク用の記録シートに親油性、吸油性の高い合成非晶質シリカを特許文献1及び2に示される高配合比で用いた場合、光沢感が得られなく、更に、プリンターで画像出力を行ってもインクのドット径が小さくなり過ぎ、滲みは無く高精細な画像を得ることができても、画像の記録濃度が薄く、鮮明性の劣るものとなってしまう。さらに、特許文献1では染料非染着性樹脂として水溶性樹脂を一定量配合することを示唆しているが、水溶性樹脂は溶剤インクに対し膨潤、染着することができないため、特許文献1の配合量ではベタ印字を行った場合に画像にハジキやムラを生じる。
記録画像の鮮明性を得るために、前述の特許文献1及び特許文献2と異なり、インク受理層に比表面積が大きく、吸油量を抑えたシリカを用い、印字された油性インクのドット径を大きくすることで画像濃度を得る方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。光を散乱しないマット調の油性インクジェット用の記録媒体では、やはり画像の鮮明性が低く、鮮やかさに劣り、特にディスプレイ用途では致命的である。このような理由からセミグロスタイプの記録媒体が要望されている状況である。
また、近年では記録される画像に高級感、又は写真類似の品質を付与するために、その表面を平滑にして光沢層を設けることが行われているが、一方で、その光沢層の光沢度はその用途や見るものの嗜好によって変化する。すなわち、光沢度が高い記録媒体だけで無く、特に屋内でも照明の強い状態で使用されるディスプレイ、ポスター用途で用いた場合に、光沢度が高いと、観賞する角度によって光が散乱し、見づらくなってしまうことがあり、表面の光沢がある程度抑制されたセミグロスタイプと呼ばれる記録媒体が望まれる場合がある。
特開平10−250219号公報 特開2001−270238号公報 特開2005−96167号公報
したがって、本発明の目的は、溶媒としてイソパラフィン類、エーテル類、又はいわゆる可塑剤と呼ばれているような油性溶剤を用いた溶剤インクに対して、前述の従来技術の欠点を有さず、滲みを生じず、鮮明な記録画像が得られ、画像濃度が高く、画像の鮮明性にディスプレイ、広告ポスター、壁紙用途に適した光沢感を有すると共にインク吸収性、乾燥性を有するインクジェット記録シートを提供することにある。この溶剤インクに用いられる色材として、例えば、油溶性染料としてナフトール染料、アゾ染料、金属錯塩染料、アントラキノン染料、キノイミン染料、インジゴ染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、カーボニウム染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、フタロシアニン染料、ペリニン染料などを挙げることができる。また、顔料としては、カーボンブラックや各種色顔料が使用されており、また有機顔料として不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、ペリノン顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、ペリレン顔料、アニリンブラックを挙げることができる。
本発明者等は、溶剤インクジェット用記録シートの前記問題点について鋭意研究を重ねた結果、支持体の少なくとも一方の表面上に特定の樹脂を主体とする溶剤インク受像層を設けたインクジェット記録シートが、従来の油性インクジェット記録シートに要求される作用を有しつつ、特定の樹脂を主体とすることによって、光沢感を有し、鮮明な記録画像を得られることを見出した。
すなわち、本発明のインクジェット記録シートは、支持体の少なくとも一方の面に溶剤インク受像層を形成し、該受像層がポリメタクリル酸エステル樹脂を、該層を基準として40.0〜96.0質量%含有することで、高い光沢感を有し、インクジェットインクに対して良好な記録画像を得られるものである。また、溶剤インク受像層に合成非晶質シリカを一定量配合することによって、光沢感を調整し、更に優れたインク吸収性、乾燥性を得ることができる。その上、支持体と溶剤インク受像層との間に非晶質シリカを含有するインク受容層を設けることによって、更に良好なインク吸収性を得られることを見出した。
また本発明は、支持体上の溶剤インク受像層と反対の面に、少なくとも直接着色色顔料又は染料と非水溶性樹脂を含有するバックコート液を塗布し、JIS P 8149:2000「紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法」に規定する不透明度が97%以上で、かつ、溶剤インク受像層面がJIS P 8148:2001「紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に規定する白色度が83%以上としたインクジェット記録シートである。
本発明に係わるインクジェット記録シートは、このような構成によって、溶剤インクを用いたインクジェットプリンターで高画質な記録が可能であると共に、用いられる用途に合わせて高い光沢感を得ることができ、更に一定量の非晶質シリカを配合することによって光沢感を有しつつ、かつ、高いインク吸収性を得ることができる。また、支持体と溶剤インク受像層との間に少なくとも非晶質シリカ、水溶性高分子を含有するインク吸収層を設けることよって、より良好な溶剤インク吸収性が得ることができ、かつ、基材にプラスチックフィルム、合成繊維シートを用いた場合でもコックリングを抑制することが可能となる。ここでコックリングとは、インクジェット記録シートの支持体として用いられる上質紙、コーテッド紙などの天然パルプ同士の水素結合が、水性インクの溶媒(水)によって切断されて部分的に伸延するために波打つ現象をいう。また、溶剤インクであっても記録シートにプラスチックフィルムを用いた場合やインクの受容層に油溶性の樹脂を用いた場合には、印字を行った部分が膨潤し、コックリングを生じることがある。コックリングは、プリンターの搬送性やハンドリング性が低下するだけでなく、インクジェット記録方式のプロッターで出力される図面などの精密な記録が必要な場合や、特に近年における高画質な記録画像を得る場合には好ましい現象ではない。
さらに、非晶質シリカ、水溶性高分子接着剤を主体とする油性インク浸透防止層を支持体と溶剤インク受像層との間、又は支持体とインク受容層との間に設けることによって、コックリングを完全に抑えることができる。さらに、支持体上の溶剤インク受像層と反対の面にノニオン性着色顔料を用いたバックコート層を設けることによって、壁紙、ポスター用途で重ねて使用した場合の下層の図柄が透けるのを防止することができる。
次に本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
本発明の溶剤インク受像層は、ポリメタクリル酸エステル樹脂を主体に構成させて、溶剤インクの溶媒によってポリメタクリル酸エステル樹脂が膨潤し、染着することによって良好な記録画像を得るものである。中でもポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル及びポリメタクリル酸イソブチルから選択される少なくとも1種類の樹脂を用いることによって良好な記録画像を得ることができる。ポリメタクリル酸エステル樹脂の配合量としては要求される品質によって決定されるが、その範囲は溶剤インク受像層に対して35.0〜100.0質量%、殊に40.0〜96.0質量%であり、好ましくは50.0〜96.0質量%、より好ましくは60.0〜96.0質量%である。ポリメタクリル酸エステル樹脂の配合比が高い程、より高い光沢感を得ることができる。しかし、35.0質量%未満では、溶剤インクに対する樹脂の膨潤性が悪くインク吸収不良や滲みを生じ、また樹脂への染着性にも劣り鮮明画像を得られない。40.0質量%以上ある場合は、特に満足な鮮明画像が得られる。
本発明の溶剤インク受像層には、ポリメタクリル酸エステル以外の樹脂も配合できる。溶剤インクに対する膨潤性、染着性に優れるものとしては、塩化ビニル樹脂又はその共重合体が好適なものとして挙げることができる。また、塩化ビニル系樹脂がダイオキシンなどの安全性の問題から忌避されるケースもあることから、更に例を挙げれば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、若しくはこれらの各種重合体のカルボキシル基、カチオン性基等の官能基含有変性重合体ラテックス、それらのブレンドなどである。ただし、これらの樹脂は、ポリメタクリル酸エステル樹脂に比べ、溶剤インクに対しての膨潤性、染着性に劣るため、発明の効果を損なわない範囲で配合しなければならない。
特に従来の水性インクを用いるインクジェット記録紙で公知のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂は、塗工層強度の向上、液粘度の調整のし易さなどの点において有効である。しかし、前記水溶性樹脂は、基本的に溶剤インクとの親和性が無いため、満足な膨潤、染着が行われず、ハジキ状の印字ムラを生じ易いものである。したがって、溶剤インク受像層の強度及び塗液の粘度調整に用いる場合であっても、前記水溶性樹脂の配合量は溶剤インク受像層に対して5.0質量%未満であり、好ましくは2.5質量%未満である。
本発明の溶剤インク受像層には、光沢感を調整する目的に親油性で多孔性である合成非晶質シリカを配合することができる。また、これによって溶剤インクに対しての吸収性、乾燥性の向上効果も得られる。その配合比率としては、溶剤インク受像層に対して20.0質量%以下であり、好ましくは15.0質量%であり、より好ましくは10質量%以下である。合成非晶質シリカと溶剤インク受像層の光沢感との関係としては、多量に配合するほど、光沢感は低くなるがインク吸収性、乾燥性に優れる。逆に、少量配合で有るほど、溶剤インク受像層の光沢感は高くなる。また、20.0質量%を超える場合には、インクの吸収性、乾燥性は優れるものの光沢感、印字濃度が低く、鮮明な画像が得られないばかりか、溶剤インク受像層の表面強度が劣ってしまう。また、非晶質シリカの平均粒子径としては、レーザー回折法による測定で6〜15μm、好ましくは8〜14μm、更に好ましくは8〜12μmである。6μm未満であると、光沢感を抑えるために多量のシリカを添加しなければならず、画像の鮮明性が劣るものとなる。また、15μmを超える場合は、手触りでの凹凸感が顕著になる。また、非晶質シリカ以外の無機顔料、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレーなどを用いた場合には、非晶質シリカに比べ、隠蔽力が高いため、記録画像部の鮮明性が著しく劣る。また、これらの無機顔料は、非晶質シリカに比べ、多孔性に劣ることから、光沢感の低下に比してインク吸収性を向上することができない。
本発明における溶剤インク受像層には発明を損なわない範囲で必要に応じて、架橋剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、分散剤、酸化防止剤、pH調整剤などを添加できる。さらに、色調を調整する着色顔料、染料、蛍光染料なども添加することが可能である。
本発明の溶剤インク受像層は、前記のような構成によって、該溶剤インク受像層表面のJIS P 8142:2005「紙及び板紙−75度鏡面光沢度試験方法」に規定する75°光沢度が15〜100%、好ましくは20〜100%、特に好ましくは25〜100%であることを特徴とするインクジェット記録シートである。そして、溶剤インク受像層の塗工量としては、乾燥後の質量で5.0〜45.0g/m、好ましくは5〜25.0g/m、更に好ましくは7.5〜22.5g/m、より好ましくは9.0〜20.0g/mである。5g/m未満では、溶剤インクの吸収が不十分であり、また光沢感も得られない。45.0g/mを超える場合は、塗工量に比してインク吸収性、光沢感は向上せず不経済であるだけでなく、コックリングが顕著になる。
本発明のインク受容層は、少なくとも合成非晶質シリカと水溶性高分子接着剤を含有するものである。これによって溶剤インクの溶媒分を吸収し、記録シート表面のインク乾燥性と記録シートのコックリングを抑制するものである。合成非晶質シリカの接着剤としては、非油溶性の水溶性高分子がコックリング抑制に適している。合成非晶質シリカとしては、一般的に沈降法又はゲル法シリカが挙げられ、多孔性でインクの吸収性が高く、鮮明な発色を可能とする。合成非晶質シリカの配合量としては、限定されるものではないが、インク受容層に占める割合として30〜70質量%が好ましく、より好ましくは40〜70質量%、更に好ましくは50〜68質量%である。合成非晶質シリカの平均粒子径としては、レーザー回折・散乱法による平均粒子径で1〜20μmが用いられるが、好ましくは3〜16μm、より好ましくは5〜12μmである。平均粒子径が1μm未満であると、塗工層の強度が大きく低下する問題があり、また塗工液の粘度も大きく上昇し製造工程での負担となる。また、20μmを超えると、表面の平滑性に劣り、インク受容層上に溶剤インク受像層を設けたときにも光沢感を得られないばかりでなく、用途によっては光沢感や表面保護のため、印字後に記録面の表面にラミネート処理、フィルムの貼合処理などを行う場合があるが、平滑性が低いために記録シートとラミネートフィルムとの間に空隙が生じるなどのトラブルが発生する。また、このインク受容層には、必要に応じてシリカ以外の微粒子も併用することが可能である。これらの微粒子としては、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の無機系微粒子、アクリル又はメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン−アクリル系、スチレン−ブタジエン系、ポリスチレン−アクリル系、ポリスチレン系、ウレタン系、ポリエステル系等の有機系微粒子など、一般に紙塗工に用いられている微粒子が挙げられるが、画像の記録鮮明性を考えた場合は合成非晶質シリカが好ましい。
インク受容層に用いる水溶性高分子接着剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルピロリドン及びその各種変性体、澱粉などが挙げられるが、価格の面からポリビニルアルコールが好ましい。鹸化度90モル%未満のいわゆる部分鹸化タイプは、塗膜耐水性に劣るほか、非常に泡立ち易く、通常の塗工装置では連続して美麗な塗工面を得難いことから、鹸化度としては90モル%以上のものが好ましい。配合量としてはインク受容層に占める割合として5.0〜30.0質量%が好ましく、より好ましくは7.5〜25.0質量%、更に好ましくは10.0〜20.0質量%である。
インク受容層に用いる接着剤としては、非水溶性高分子接着剤を用いることもできる。例えば、塩化ビニル及びその共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、又はこれらの各種重合体のカルボキシル基、カチオン性基等の官能基含有変性重合体ラテックス、若しくはそれらのブレンドが適用可能である。
インク受容層には、本発明を損なわない範囲で必要に応じて、架橋剤、カチオン性樹脂、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、分散剤、酸化防止剤、pH調整剤などを添加できる。
本発明は、プラスチックフィルム、合成繊維などを支持体に用いた場合に、溶剤インクの溶媒が支持体を膨潤させることによって発生するコックリングを防ぐために、インク受容層とは別に水溶性高分子樹脂を主体としたインク浸透防止層を設けることもできる。インク浸透防止層は、支持体と溶剤インク受像層との間又は支持体とインク受容層との間に設ける。インク浸透防止層に用いる水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルピロリドン及びその各種変性体、澱粉などが挙げられるが、価格及び造膜性の面からポリビニルアルコールが好ましい。鹸化度90モル%未満のいわゆる部分鹸化タイプは、塗膜耐水性に劣るほか、非常に泡立ち易く、通常の塗工装置では連続して美麗な塗工面を得難いことから、鹸化度としては90モル%以上のものが好ましい。
インク浸透防止層には、本発明を損なわない範囲で必要に応じて、架橋剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、分散剤、酸化防止剤、pH調整剤などを添加できる。また、ブロッキング防止のために各種微粒子を配合することも可能である。さらに、色調を調整する着色顔料、染料、蛍光染料なども添加することが可能である。
本発明の支持体は、特に限定されるものではなく天然紙、プラスチックフィルム、合成紙、不織布、布、木材、金属薄膜などが挙げられ、用途に応じて選定される。用途によって基材にも耐水性を求める場合には、プラスチックフィルム又は合成繊維からなる合成紙、不織布シートの方が好ましい。プラスチックフィルムとしては、例えばポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロン、ビニロン、アクリルなどのプラスチックフィルム又はシートの貼り合わせたものが挙げられる。プラスチックフィルムは、強度の点から一軸乃至二軸延伸されていることが好ましい。不織布としては、ポリエチレン繊維をシート状に散布し、熱圧着させてシート状に形成したものなどが挙げられる。
本発明の支持体裏面に設けるバックコート層に用いる着色顔料は、ノニオン性に限定する。イオン性のある着色顔料は、凝集し易く色斑の原因となる。本発明における着色顔料を配合したバックコート層は、広告ポスター、壁紙用途などで重ね貼りしたときの下層の図柄が透けて見えるのを防止するためである。重ね貼りするときには、主に水溶性の接着剤が裏面に塗布されるため、着色顔料を支持体に固着する樹脂としては、非水溶性樹脂が好ましい。非水溶性樹脂としては、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックスが挙げられる。
また、先に記した着色顔料を配合したバックコート層を設けない場合であっても、一般的に公知のカール防止、浸透防止、摩擦適性改善など、目的に応じてバックコート層を設けることができる。
支持体上に構成するインク受容層、インク浸透防止層の塗工量は、記録シートの用途、及び本発明における層構成、使用する支持体によって異なるが、経済的にも不必要に多くする必要はない。そして、好適な例を挙げれば、乾燥後の質量でインク受容層は3.0〜20.0g/m、好ましくは4.0〜15.0g/m、より好ましくは5〜12g/mである。インク浸透防止層は、0.5〜10.0g/m、好ましくは1.0〜5.0g/mである。
支持体上に溶剤インク受像層、インク受容層、インク浸透防止層、バックコート層を設ける方法としては特に限定されるものではなく、従来公知のグラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式、バーコート方式などの塗工機によって設けることができる。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。また、実施例、参考例、比較例の質量%の値は、すべて乾燥後の固形分換算での数値を示すものとする。
[例1(参考例)]
<支持体の作成>
LBKP100部(カナディアンスタンダードフリーネス:CSF=500ml)のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン澱粉1.0部、タルク5.0部、酸性ロジンサイズ剤0.2部、液体硫酸バンド1部を添加し調製した紙料を長網式抄紙機で抄紙し、坪量110g/mの紙匹に酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)6%をサイズプレスにて乾燥塗工量が片面当たり1.5g/mとなるようにオンマシンで両面塗工し、シリンダードライヤーで乾燥して支持体を得た。
支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させてインクジェット記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 100.0質量%
[例2(参考例)]
例1において、ポリメタクリル酸ブチル樹脂HK−960MCをポリメタクリル酸メチル樹脂(モビニール790)に変更した以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
[例3(参考例)]
例1において、溶剤インク受像層を乾燥質量で25.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
[例4(参考例)]
例1において、溶剤インク受像層を乾燥質量で5.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
[例5(参考例)]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 96.0質量%ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117) 4.0質量%
[例6(参考例)]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 60.0質量%スチレン−アクリル樹脂(ニチゴー・モビニール製モビニール972) 40.0質量%
[例7(参考例)]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させてインクジェット記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 60.0質量%塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(日信化学製ビニブラン278) 40.0質量%
[実施例8]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥重量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 47.5質量%スチレン−アクリル樹脂(ニチゴー・モビニール製モビニール972) 47.5質量%合成非晶質シリカ(グレース製P−612 平均粒子径12μm) 5.0質量%
[実施例9]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 47.5質量%スチレン−アクリル樹脂(ニチゴー・モビニール製モビニール972) 47.5質量%合成非晶質シリカ(グレース製74x5500 平均粒子径8μm) 5.0質量%
[実施例10]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 45.0質量%スチレン−アクリル樹脂(ニチゴー・モビニール製モビニール972 45.0質量%合成非晶質シリカ(グレース製74x5500 平均粒子径8μm) 10.0質量%
[実施例11]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 45.0質量%塩化ビニル−アクリル共重合樹脂(日信化学製ビニブラン278) 45.0質量%合成非晶質シリカ(グレース製74x5500 平均粒子径8μm) 10.0質量%
[例12(参考例)]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 40.0質量%スチレン−アクリル樹脂(ニチゴー・モビニール製モビニール972) 40.0質量%合成非晶質シリカ(グレース製74x5500 平均粒子径8μm) 20.0質量%
[例13(参考例)]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 80.0質量%合成非晶質シリカ(グレース製74x5500 平均粒子径8μm) 20.0質量%
[例14(参考例)]
(溶剤インク受容層)
例1において、基材上に次に示す溶剤インク受容層を乾燥質量で10.0g/mとなる様に設けた後、例1と同様のインク受像層を設けてインクジェット記録シートを得た。合成非晶質シリカ(グレース製74x5500 平均粒子径8μm) 66.7質量%ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117) 13.3質量%エチレン酢酸−ビニル共重合体(住友化学製スミカフレックス450) 13.3質量%カチオン樹脂(センカ製パピオゲンP−105) 6.7質量%
[実施例15]
例14において、溶剤インク受像層を実施例10と同様にした以外は、例14と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
[例16(参考例)]
例14において、支持体の裏面に次に示すバックコート層を1.0g/m塗布した以外は、例14と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(バックコート層)
色顔料(大日精化製TB708ブルー) 15.0質量%スチレン−ブタジエン系ラテックス(旭化成製P6030) 85.0質量%
[実施例17]
実施例15において、支持体の裏面に次に示すバックコート層を1.0g/m塗布した以外は実施例15と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(バックコート層)
色顔料(大日精化製TB708ブルー) 15.0質量%スチレン−ブタジエン系ラテックス(旭化成製P6030) 85.0質量%
[例18(参考例)]
例3において、支持体をポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製 クリスパーK2312 100μm厚、塗布面23面)とした以外は例3と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
[例19(参考例)]
例18において溶剤インク受像層を乾燥重量で45g/mとした以外は例18と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
[例20(参考例)]
例18において、支持体上に、次に示すインク浸透防止層を乾燥質量で2g/mとなるように塗工・乾燥させて形成した後、例18と同様にインク受像層を設けてインクジェット記録シートを得た。
<インク浸透防止層>
合成非晶質シリカ(グレース製P−612 平均粒子径12μm) 4.5質量%ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117) 90.5質量%酢酸ジルコニル(第一希元素化学製ジルコゾールZA−30) 4.5質量%消泡剤(サンノプコ製SNデフォーマー777) 0.50質量%
[比較例1]
例1において、溶剤インク受像層のポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC)をスチレン−アクリル樹脂(ニチゴー・モビニール製モビニール972)に変更した以外は例1と同様にして記録シートを得た。
[比較例2]
例1において、溶剤インク受像層のポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC)をポリビニルアルコール樹脂(クラレ製PVA117)に変更した以外は例1と同様にして記録シートを得た。
[比較例3]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にして記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 90.0質量%ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117) 10.0質量%
[比較例4]
例4において、溶剤インク受像層のポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC)を塩化ビニル−アクリル共重合体樹脂(日信化学製ビニブラン278)に変更した以外は例1と同様にして記録シートを得た。
[比較例5]
例1において、溶剤インク受像層を乾燥質量で2.5g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にして、記録シートを得た。
[比較例6]
例1において、溶剤インク受像層を乾燥質量で50.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にして記録シートを得た。
[比較例7]
例1において、支持体上に形成する次に示す溶剤インク受像層を乾燥質量で15.0g/mとなるように塗工・乾燥させた以外は例1と同様にして記録シートを得た。
(溶剤インク受像層)
ポリメタクリル酸ブチル樹脂(高松油脂製HK−960MC) 70.0質量%合成非晶質シリカ(グレース製74x5500) 30.0質量%
[比較例8]
例13において、溶剤インク受像層を設けなかった以外は例13と同様にして記録シートを得た。
実施例、参考例及び比較例で得られたインクジェット記録シート又は記録シートを次の方法で性能評価を行った。
(1)白紙光沢度の評価(光沢度)
得られたインク記録シート又は記録シートの白紙部について「GLOSS METER GM−26D」を用いてJIS P8142:2005に規定する75°光沢度を測定した。値が高いほど光沢感に優れる。
(2)インク吸収性の評価(吸収性)
有機溶剤系ソルベントインクを使用したインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製 JV−3)を用い、「高精彩カラーディジタル標準画像データ ISO/JIS−SCID JIS X 9201−1995準拠」における画像サンプルN2A「カフェテリア」を出力し、画像の乾燥具合・滲み具合からインクの吸収性を評価した。画像に滲みが無く吸収性に優れるものを◎、実用上問題の無いものを○、実用上に不安があるものを△、インクの吸収性、画像に滲み・ムラなどを生じ、実使用に問題があるものを×とした。
(3)印字均一性の評価(均一性)
有機溶剤系ソルベントインクを使用したインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製 JV−3)を用い、「高精彩カラーディジタル標準画像データ ISO/JIS−SCID JIS X 9201−1995準拠」における画像サンプルN6A「カラーチャート」を出力し、濃色ベタ印字部の均一性を評価した。画像にムラが無く均一性に優れるものを◎、実用上問題の無いものを○、ムラがあり実用上不安があるものを△、インク吸収ムラが酷く、及び/又はインクをはじく様なムラを生じ、実使用に問題があるものを×とした。
(4)印字濃度の評価(発色濃度)
有機溶剤系ソルベントインクを使用したインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製 JV−3)を用い、「高精彩カラーディジタル標準画像データ ISO/JIS−SCID JIS X 9201−1995準拠」における画像サンプルN6A「カラーチャート」を出力し、濃色部、ブラックの発色濃度を印字濃度計マクベス社製RD−19Iで測定した。印字濃度の数値が高い程、濃度が濃く、鮮やかであること示す。
(5)塗工層強度(強度)
3M製 scotchシーリングマスキングテープ79Hを溶剤インク受像層面に貼り付け、剥がしたときの塗工層の剥がれ具合を評価した。全く剥がれないものを◎、僅かに剥がれるが実用上問題の無いレベルを○、塗工層が部分的にテープの粘着面に取られ、実用上不安のあるものを△、全体的に剥がれたものを×とした。
(6)コックリングの評価(コックリング)
有機溶剤系ソルベントインクを使用したインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製 JV−3)を用い、「高精彩カラーディジタル標準画像データ ISO/JIS−SCID JIS9201−1995準拠」における画像サンプルN2A「カフェテリア」を出力した後、23℃、50%RH条件下に24時間放置した後、印字画像部のボコツキ状態を観察した。目視にて殆どボコツキの発生しなかったものを◎、若干ボコツキが発生したが実用上問題の無いものを○、ボコツキが発生し、実用上問題があるものを×とした。
(7)白色度
インク受像光沢層面について、日本電色工業製PF−10を用いてJIS P 8148:2001に規定する白色度を測定した。
(8)不透明度
インク受像光沢層面について、日本電色工業製PF−10を用いてJIS P 8149:2000に規定する不透明度を測定した。
Figure 0005784802
インクジェット記録シート及び記録シートの評価結果を表1に示す。実施例8〜11、15及び17で得られたインクジェット記録シートは、表1に示すように本発明に合致する物性値を有し、鮮明な発色性と広告・ポスター用途に適した光沢感を有し、印字後のコックリングも良好であった。また、合成非晶質シリカを溶剤インク受像層に配合することによって、用途に適した光沢感を得ながらインクの吸収性を更に向上させることが可能である。また、従来有機溶剤系のインクジェット用メディアに一般的に用いられてきた塩化ビニル系樹脂に比べ高い光沢感を得ることができ、かつ、用途によってダイオキシンなどの安全性を問題視する場合には非塩化ビニル系とすることが可能である。
一方、インク受像光沢層に所定の配合及び/又は塗工量としなかった場合のもの、所定の比較例8のように溶剤インク受像層を設けなかったものは、インク吸収性、印字均一性、発色濃度、コックリング、光沢度のいずれかに欠点を生じた。

Claims (2)

  1. 支持体の少なくとも一方の面に溶剤インク受像層を形成し、該受像層が、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル及びポリメタクリル酸イソブチル樹脂から選択される少なくとも1種類のポリメタクリル酸エステル樹脂を含有し、該層を基準としてポリメタクリル酸エステル樹脂を40.0〜96.0質量%含有し、レーザー回折法による測定で6〜15μmの平均粒子径を持つ非晶質シリカを5.0〜15.0質量%の量で含有しそして水溶性樹脂を含まないかあるいは5.0質量%未満の量で含有し、更に該層の乾燥時の塗工量が15.0〜45.0g/mであり、かつ、溶剤インク受像層表面のJIS P 8142:2005「紙及び板紙−75度鏡面光沢度試験方法」に規定する75°光沢度が25〜100%であることを特徴とする溶剤インク用インクジェット記録シート。
  2. 支持体と溶剤インク受像層との間に少なくとも非晶質シリカ、水溶性高分子接着剤を含有するインク受容層を設けたことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シート。
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