JP5783218B2 - シリンダブロック及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、シリンダブロック及びその製造方法に関する。
シリンダブロックにおいて、隣接するシリンダボア間にスリットを形成し、このスリットに冷却水を流すことにより、シリンダブロックの冷却能を高める手法が知られている。特許文献1には、このように隣接するシリンダボア間に冷却水を流すためのスリットが形成されたシリンダブロックが開示されている。さらに、特許文献1では、スリットの上部に金属粉末を供給しながらレーザ溶接することにより蓋を成形し、シリンダブロックの強度を向上させている。
発明者は以下の課題を見出した。
特許文献1に開示された金属粉末から蓋を成形する手法は、加工に時間が掛かり、生産性に劣る。そのため、板状の蓋をシリンダブロックにレーザ溶接する方が、生産性の観点から好ましい。しかしながら、板状の蓋をシリンダブロックにレーザ溶接すると、シリンダブロックの溶接部から発生したガスが、ピンホールやブローホールなどの欠陥として溶接部に残留する虞があった。この傾向は、蓋の厚さが厚い程、すなわち、レーザ溶接の深さが深くなる程、顕著となる。
特許文献1に開示された金属粉末から蓋を成形する手法は、加工に時間が掛かり、生産性に劣る。そのため、板状の蓋をシリンダブロックにレーザ溶接する方が、生産性の観点から好ましい。しかしながら、板状の蓋をシリンダブロックにレーザ溶接すると、シリンダブロックの溶接部から発生したガスが、ピンホールやブローホールなどの欠陥として溶接部に残留する虞があった。この傾向は、蓋の厚さが厚い程、すなわち、レーザ溶接の深さが深くなる程、顕著となる。
本発明は、上記を鑑みなされたものであって、強度に優れるとともに溶接欠陥の発生が抑制されたリンダブロックを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るシリンダブロックの製造方法は、
複数のシリンダボアを備えたシリンダ部において、隣接する前記複数のシリンダボアの間に、冷媒を流すためのスリットを形成するステップと、
前記スリットに第1の蓋を設置し、当該第1の蓋を前記シリンダ部にレーザ溶接するステップと、
前記第1の蓋の上に第2の蓋を設置し、当該第2の蓋を前記シリンダ部に摩擦撹拌接合するステップと、を備えたものである。
このような構成により、強度に優れるとともに溶接欠陥の発生が抑制されたリンダブロックを提供することができる。
複数のシリンダボアを備えたシリンダ部において、隣接する前記複数のシリンダボアの間に、冷媒を流すためのスリットを形成するステップと、
前記スリットに第1の蓋を設置し、当該第1の蓋を前記シリンダ部にレーザ溶接するステップと、
前記第1の蓋の上に第2の蓋を設置し、当該第2の蓋を前記シリンダ部に摩擦撹拌接合するステップと、を備えたものである。
このような構成により、強度に優れるとともに溶接欠陥の発生が抑制されたリンダブロックを提供することができる。
前記第2の蓋の幅を、前記第1の蓋の幅よりも大きくすることが好ましい。このような構成により、第1の蓋のシリンダ部へのレーザ溶接を容易に行うことができる。
また、レーザ溶接するステップの前に、前記第1の蓋の両側面のそれぞれに、前記スリットの長手方向に延びた溝を複数設け、レーザ溶接するステップにおいて、前記第1の蓋の前記両側面を前記シリンダ部にレーザ溶接することが好ましい。このような構成により、レーザビームの吸収が抑制され、溶接深さを大きくすることができる。
また、レーザ溶接するステップの前に、前記第1の蓋の両側面のそれぞれに、前記スリットの長手方向に延びた溝を複数設け、レーザ溶接するステップにおいて、前記第1の蓋の前記両側面を前記シリンダ部にレーザ溶接することが好ましい。このような構成により、レーザビームの吸収が抑制され、溶接深さを大きくすることができる。
前記シリンダ部をアルミニウム合金のダイカスト鋳造により成形することが好ましい。また、前記第1及び第2の蓋をアルミニウム合金から構成することが好ましい。
本発明の一態様に係るシリンダブロックは、
複数のシリンダボアを備えたシリンダ部と、
冷媒を流すために、前記シリンダ部において隣接する前記複数のシリンダボアの間に形成されたスリットと、
前記スリットに設けられた第1の蓋と、
前記第1の蓋の上に設けられた第2の蓋と、を備え、
前記第1の蓋は前記シリンダ部にレーザ溶接され、
前記第2の蓋は前記シリンダ部に摩擦撹拌接合されたものである。
このような構成により、強度に優れるとともに溶接欠陥の発生が抑制される。
複数のシリンダボアを備えたシリンダ部と、
冷媒を流すために、前記シリンダ部において隣接する前記複数のシリンダボアの間に形成されたスリットと、
前記スリットに設けられた第1の蓋と、
前記第1の蓋の上に設けられた第2の蓋と、を備え、
前記第1の蓋は前記シリンダ部にレーザ溶接され、
前記第2の蓋は前記シリンダ部に摩擦撹拌接合されたものである。
このような構成により、強度に優れるとともに溶接欠陥の発生が抑制される。
前記第2の蓋の幅が、前記第1の蓋の幅よりも大きいことが好ましい。このような構成により、第1の蓋のシリンダ部へのレーザ溶接を容易に行うことができる。
また、前記第1の蓋の両側面のそれぞれに、前記スリットの長手方向に延びた溝を複数有することが好ましい。このような構成により、レーザビームの吸収が抑制され、溶接深さを大きくすることができる。
また、前記第1の蓋の両側面のそれぞれに、前記スリットの長手方向に延びた溝を複数有することが好ましい。このような構成により、レーザビームの吸収が抑制され、溶接深さを大きくすることができる。
前記シリンダ部はアルミニウム合金のダイカスト鋳造により成形されたことが好ましい。また、前記第1及び第2の蓋がアルミニウム合金からなることが好ましい。
本発明により、強度に優れるとともに溶接欠陥の発生が抑制されたリンダブロックを提供することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(実施の形態1)
まず、図1を参照して、実施の形態1に係るシリンダブロックについて説明する。図1は、実施の形態1に係るシリンダブロックの斜視図である。図1に示すように、実施の形態1に係るシリンダブロック10は、シリンダ部11、シリンダボアCB、ウォータジャケットWJを備えている。シリンダブロック10は、シリンダヘッド(不図示)とともにエンジンを構成する。シリンダブロック10の大部分は、アルミニウム合金のダイカスト鋳造により成形される。
まず、図1を参照して、実施の形態1に係るシリンダブロックについて説明する。図1は、実施の形態1に係るシリンダブロックの斜視図である。図1に示すように、実施の形態1に係るシリンダブロック10は、シリンダ部11、シリンダボアCB、ウォータジャケットWJを備えている。シリンダブロック10は、シリンダヘッド(不図示)とともにエンジンを構成する。シリンダブロック10の大部分は、アルミニウム合金のダイカスト鋳造により成形される。
なお、当然のことながら、図1に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。図1におけるxy平面は水平面を構成し、z軸方向が鉛直方向である。より具体的には、z軸のプラス方向が鉛直上向きとなる。また、図1に示したシリンダブロック10は、4つのシリンダボアCBを備えた4気筒エンジン用のものであるが、気筒数は適宜変更可能である。
シリンダ部11は、ダイカスト部11aとライナー部11bとを備えている。
ダイカスト部11aは、アルミニウム合金のダイカスト鋳造により成形される。ダイカスト部11aは、x軸方向において略等間隔に1列に配列された4つのシリンダボアCBの周囲を取り囲むように形成されている。ここで、ダイカスト部11aは、隣接するシリンダボアCBの間において繋がっている。すなわち、4つのシリンダボアCBを取り囲むダイカスト部11aは、一体に形成されている。
ダイカスト部11aは、アルミニウム合金のダイカスト鋳造により成形される。ダイカスト部11aは、x軸方向において略等間隔に1列に配列された4つのシリンダボアCBの周囲を取り囲むように形成されている。ここで、ダイカスト部11aは、隣接するシリンダボアCBの間において繋がっている。すなわち、4つのシリンダボアCBを取り囲むダイカスト部11aは、一体に形成されている。
ライナー部11bは、シリンダボアCBにおいてピストン(不図示)が気密性を保ちながら摺動するために設けられた円筒状の部材である。ライナー部11bは、例えば耐摩耗性に優れた鋳鉄などからなる。図1に示したシリンダブロック10では、4つのライナー部11bが、ダイカスト部11aに組み込まれており、それぞれ4つのシリンダボアCBの側壁を構成している。
ここで、ダイカスト部11aの上面(デッキ面:シリンダヘッドとの合わせ面)において隣接するシリンダボアCB間には、冷却水(冷媒)を流すためのスリット14が設けられている。図1に示すように、3つのスリット14は、いずれもy軸方向に延設され、両端においてウォータジャケットWJと連通している。スリット14に冷却水を流すことにより、シリンダ部11の冷却能を高めることができる。
さらに、スリット14の上部には蓋20が設けられている。この蓋20はダイカスト部11aに接合されているため、ダイカスト部11aの強度が向上する。また、蓋20はz軸方向に延びた貫通孔22を有している。この貫通孔22の内部を冷却水が流れる。実施の形態1に係るシリンダブロック10は、蓋20に1つの特徴を有している。蓋20の詳細については後述する。
ウォータジャケットWJは、シリンダ部11を冷却するための冷却水路である。図1に示すように、ウォータジャケットWJは、シリンダ部11の周囲を取り囲むように形成されている。また、ウォータジャケットWJは、シリンダブロック10の上面(デッキ面)において開放されている。すなわち、実施の形態1に係るシリンダブロック10は、オープンデッキタイプのシリンダブロックである。
次に、図2〜4を参照して、蓋20の詳細について説明する。図2〜4に示すように、蓋20は、ダイカスト部11aに接合された内蓋(第1の蓋)20a及び外蓋(第2の蓋)20bを備えている。図2は、図1のII−II断面図である。図3は、図1のIII−III断面図である。図4は、接合前の内蓋20a及び外蓋20bの斜視図である。
図2に示すように、スリット14の上部は、y軸方向の一端から他端まで(つまり全体が)蓋20に覆われている。ここで、内蓋20aは、y軸方向マイナス側の端部に、下側(z軸方向マイナス側)に突出した凸部24を備えている。そのため、図2に示すように、スリット14のy軸方向マイナス側の端部は、蓋20により塞がれている。一方、凸部24のy軸方向プラス側近傍には、内蓋20a及び外蓋20bを貫く貫通孔22が形成されている。そのため、ウォータジャケットWJからスリット14へ流入した冷却水は、スリット14内をy軸マイナス方向に流れ、貫通孔22を介して流出する。
なお、蓋20において、凸部24及び貫通孔22は、形成されていなくてもよい。また、図4において破線で示したように、貫通孔22は内蓋20a及び外蓋20bの接合後に形成される。すなわち、貫通孔22は接合前の内蓋20a及び外蓋20bには形成されていない。
なお、蓋20において、凸部24及び貫通孔22は、形成されていなくてもよい。また、図4において破線で示したように、貫通孔22は内蓋20a及び外蓋20bの接合後に形成される。すなわち、貫通孔22は接合前の内蓋20a及び外蓋20bには形成されていない。
図3、4に示すように、内蓋20aは、スリット14における冷却水路の幅と略同じ幅w1を有する板状部材である。一例として、内蓋20aの幅w1は1mm程度である。また、内蓋20aの接合部の高さh1は3.5mm程度である。内蓋20aは、ダイカスト部11aと同種のアルミニウム合金からなることが好ましい。
図3、4に示すように、内蓋20aの側面には、スリット14の長手方向(y軸方向)に伸びた複数の溝26が形成されている。各溝26は、内蓋20aの一端から他端まで形成されている。図3、4の例では、それぞれの側面に4本ずつ、断面半円状の溝26が形成されている。なお、溝26の本数は適宜決定される。また、溝26の断面形状は、特に限定されず、V字状、矩形状、多角形状、半楕円状などであってもよい。
図3に示された内蓋20aは、両側の側面においてスリット14の側壁(つまりダイカスト部11a)にレーザ溶接されている。溝26(すなわち空隙)によりレーザ光の吸収が抑制され、内蓋20aの下端(流水路の上端)まで溶接することができる。一例として、図4の拡大図に示す溝26のピッチP1は0.5mm程度、間隔D1は0.1mm程度、深さD2は0.2mm程度である。なお、図3に示したボア間距離Dは、エンジンの小型化及び高出力化に伴い、小さくなってきている。具体的には、例えばボア間距離Dは7〜8mm程度である。
図3、4に示すように、外蓋20bは、内蓋20aの幅w1よりも大きい幅w2を有する板材である。図4に示すように、外蓋20bは、幅w2、高さh2の単純な直方体形状を有している。一例として、外蓋20bの幅w2は2mm程度、高さh2は3mm程度である。外蓋20bも、ダイカスト部11aと同種のアルミニウム合金からなることが好ましい。図3に示された外蓋20bは、スリット14の側壁(つまりダイカスト部11a)に摩擦撹拌接合されている。
ここで、図5を参照して、本実施の形態の比較例について説明する。図5は、比較例に係るシリンダブロックの断面図である。図5は、実施の形態1に係る図3に対応する断面図である。図5に示すように、比較例に係るシリンダブロックでは、蓋20の全体がレーザ溶接されている。換言すると、比較例に係る蓋20は、実施の形態1に係る内蓋20aのみから構成されている。
具体的には、図5に示すように、比較例に係る蓋20は、スリット14における冷却水路の幅と略同じ幅w1を有する板状部材である。一例として、比較例に係る蓋20の幅は1mm程度である。また、比較例に係る蓋20の接合部の高さは6.5mm程度である。比較例に係る蓋20は、両側の側面に複数本(図5の例では8本ずつ)の溝26を有している。図5に示された蓋20は、両側の側面においてスリット14の側壁(つまりダイカスト部11a)にレーザ溶接されている。実施の形態1に係る内蓋20aの溝26と同様に、一例として、溝26のピッチは0.5mm程度、間隔は0.1mm程度、深さは0.2mm程度である。
上述の通り、比較例に係るシリンダブロックでは、蓋20の接合部(溶接部)の高さが大きい。そのため、レーザ溶接の際、接合相手であるダイカスト部11aから発生したガスが、ピンホールやブローホールなどの欠陥として溶接部に残留してしまうという問題があった。
これに対し、実施の形態1に係るシリンダブロック10では、蓋20を内蓋20a及び外蓋20bから構成している。そのため、内蓋20aの接合部(溶接部)の高さを小さくすることができる。その結果、レーザ溶接の際に発生するピンホールやブローホールなどの欠陥を抑制することができる。また、外蓋20bについては、ダイカスト部11aに対してレーザ溶接ではなく、摩擦撹拌接合される。摩擦撹拌接合は固相接合であって、ダイカスト部11aが溶融しないため、ピンホールやブローホールなどの欠陥は発生しない。このように、レーザ溶接と摩擦撹拌接合とを組み合わせることにより、実施の形態1に係るシリンダブロック10では、充分な強度が得られるとともに欠陥の発生を抑制することができる。
ここで、摩擦撹拌接合のみでは、接合深さに限界があり、充分な強度が得られない。そのため、摩擦撹拌接合による接合深さの限界よりも下層においては、レーザ溶接により接合する必要がある。具体的には、図3、4に示した例では、摩擦撹拌接合による接合深さの限界が3mm程度であるため、摩擦撹拌接合によって接合する外蓋20bの高さh2を3mm程度としている。そして、充分な強度を得るための接合深さが全体として6.5mm程度であるため、レーザ溶接により接合する内蓋20aの接合部の高さh1を3.5mm程度としている。
次に、図6〜8を参照して、実施の形態1に係るシリンダブロックの製造方法について説明する。図6〜8は、実施の形態1に係るシリンダブロックの製造方法を説明するための断面図である。図6〜8は、いずれも図3に対応する断面図である。
まず、図6に示すように、シリンダブロック10の上面において隣接するシリンダボアCB間に、ロータリーカッターなどを用いることによりスリット14を形成する。上述の通り、スリット14の幅は、下側(z軸方向マイナス側)スリット14aでは狭く、上側(z軸方向プラス側)スリット14bでは広くなっている。一例として、まず、薄い刃を用いて、幅1.0mm程度、深さ9.5mm程度のスリットを形成する。これにより、下側スリット14aが形成される。その後、厚い刃を用いて、深さ3.0mm程度で、スリット上部の幅を幅2.0mm程度まで広げる。これにより、上側スリット14bが形成される。
次に、図7に示すように、図6に示した下側スリット14aに内蓋20aを設置する。ここで、内蓋20aの上面は、図6に示した上側スリット14bの底面と一致している。そして、内蓋20aとダイカスト部11aとの接触面(内蓋20aの側面)をレーザ溶接する。
ここで、図7に示すように、上側スリット14bの幅が内蓋20aの幅よりも大きいため、レーザビームLBを内蓋20aの側面に沿って(つまりz軸方向マイナス向きに)照射することができる。レーザビームLBは、内蓋20aの一端から他端まで、y軸方向に走査される。レーザビームLBとしては、例えばファイバレーザ、YAGレーザなどを用いることができる。レーザ出力は、例えば2〜8kw程度とすることができる。実験により、レーザ出力が大きい程、接合深さを大きくなることが確かめられた。一例として、レーザ出力が4kwであれば、5mm程度の接合深さが得られる。
また、上述の通り、内蓋20aの側面には、スリット14の長手方向(y軸方向)に伸びた複数の溝26が形成されている。この溝26(すなわち空隙)によりレーザビームLBの吸収が抑制され、内蓋20aの下端まで溶接することができる。さらに、レーザ溶接によりダイカスト部11aから発生するガスが、溝26を介して排出される。そのため、レーザ溶接によりダイカスト部11aから発生するガスによるピンホールやブローホールなどの欠陥が抑制される。
次に、図8に示すように、図6に示した上側スリット14bに外蓋20bを設置する。ここで、外蓋20bの上面は、シリンダ部11(ダイカスト部11a及びライナー部11b)の上面と一致している。そして、摩擦撹拌接合ツール30を高速回転させながら外蓋20bの上面から押し付け、外蓋20bをダイカスト部11aに摩擦撹拌接合する。摩擦撹拌接合ツール30は、例えばステンレスからなる円柱状の工具である。
最後に、孔開け加工により内蓋20a及び外蓋20bを貫く貫通孔22を形成する。
最後に、孔開け加工により内蓋20a及び外蓋20bを貫く貫通孔22を形成する。
実験により、摩擦撹拌接合ツール30の直径の半分程度が接合深さとなることが確かめられた。そのため、外蓋20bの高さは、摩擦撹拌接合ツール30の直径の半分以下とすることが好ましい。一方、外蓋20bの高さが大きい程、内蓋20aのレーザ溶接深さは小さくなり、好ましい。つまり、外蓋20bの高さは、摩擦撹拌接合ツール30の直径の半分程度とするのが好ましい。一例として、図3に示したボア間距離Dが7mmの場合、摩擦撹拌接合ツール30の直径は最大6mm程度となる。従って、摩擦撹拌接合ツール30の直径を6mmとすれば、外蓋20bの高さは3mmとなる。
図9は、実施の形態1に係るシリンダブロックの図3に対応する断面観察写真である。上述の通り、アルミニウム合金からなるダイカスト部11aに、幅1mm、高さ3.5mmのアルミニウム合金からなる内蓋20aをレーザ溶接した後、さらに幅2mm、高さ3mmのアルミニウム合金からなる外蓋20bを摩擦撹拌接合した。これにより、強度に優れるとともに溶接欠陥の発生が抑制されたリンダブロックが得られた。なお、内蓋20aと外蓋20bとの境界近傍に塑性流動領域が確認された。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
特に、上記実施の形態の説明において用いた種々の具体的数値は、当然のことながら適宜変更可能である。
特に、上記実施の形態の説明において用いた種々の具体的数値は、当然のことながら適宜変更可能である。
10 シリンダブロック
11 シリンダ部
11a ダイカスト部
11b ライナー部
14 スリット
14a 下側スリット
14b 上側スリット
20 蓋
20a 内蓋
20b 外蓋
22 貫通孔
24 凸部
26 溝
30 摩擦撹拌接合ツール
CB シリンダボア
LB レーザビーム
WJ ウォータジャケット
11 シリンダ部
11a ダイカスト部
11b ライナー部
14 スリット
14a 下側スリット
14b 上側スリット
20 蓋
20a 内蓋
20b 外蓋
22 貫通孔
24 凸部
26 溝
30 摩擦撹拌接合ツール
CB シリンダボア
LB レーザビーム
WJ ウォータジャケット
Claims (10)
- 複数のシリンダボアを備えたシリンダ部において、隣接する前記複数のシリンダボアの間に、冷媒を流すためのスリットを形成するステップと、
前記スリットに第1の蓋を設置し、当該第1の蓋を前記シリンダ部にレーザ溶接するステップと、
前記第1の蓋の上に第2の蓋を設置し、当該第2の蓋を前記シリンダ部に摩擦撹拌接合するステップと、を備えたシリンダブロックの製造方法。 - 前記第2の蓋の幅を、前記第1の蓋の幅よりも大きくする、
請求項1に記載のシリンダブロックの製造方法。 - レーザ溶接するステップの前に、
前記第1の蓋の両側面のそれぞれに、前記スリットの長手方向に延びた溝を複数設け、
レーザ溶接するステップにおいて、
前記第1の蓋の前記両側面を前記シリンダ部にレーザ溶接する、
請求項1又は2に記載のシリンダブロックの製造方法。 - 前記シリンダ部をアルミニウム合金のダイカスト鋳造により成形する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリンダブロックの製造方法。 - 前記第1及び第2の蓋をアルミニウム合金から構成する、
請求項4に記載のシリンダブロックの製造方法。 - 複数のシリンダボアを備えたシリンダ部と、
冷媒を流すために、前記シリンダ部において隣接する前記複数のシリンダボアの間に形成されたスリットと、
前記スリットに設けられた第1の蓋と、
前記第1の蓋の上に設けられた第2の蓋と、を備え、
前記第1の蓋は前記シリンダ部にレーザ溶接され、
前記第2の蓋は前記シリンダ部に摩擦撹拌接合された、シリンダブロック。 - 前記第2の蓋の幅が、前記第1の蓋の幅よりも大きい、
請求項6に記載のシリンダブロック。 - 前記第1の蓋の両側面のそれぞれに、前記スリットの長手方向に延びた溝を複数有する、
請求項6又は7に記載のシリンダブロック。 - 前記シリンダ部は、アルミニウム合金のダイカスト鋳造により成形された、
請求項6〜8のいずれか一項に記載のシリンダブロック。 - 前記第1及び第2の蓋は、アルミニウム合金からなる、
請求項9に記載のシリンダブロック。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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