JP2008111348A - シリンダブロックの形成方法、およびシリンダブロック - Google Patents

シリンダブロックの形成方法、およびシリンダブロック Download PDF

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Abstract

【課題】クローズドデッキタイプのシリンダブロックの形成作業が容易にできるようにする。
【解決手段】外部に向かって開く開口14を有する冷却水ジャケット12が形成されたシリンダブロック本体2をダイカスト鋳造により形成する。次に、冷却水ジャケット12の開口14の互いに対向する両開口縁部18に跨るよう連結板24を設ける。この連結板24を上記各開口縁部18に対し摩擦攪拌接合により連結させるようにする。冷却水ジャケット12をシリンダブロック本体2の外部に連通させる連通孔25を連結板24に形成した後、この連結板24を各開口縁部18に連結する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンにおける、いわゆるクローズドデッキタイプのシリンダブロックに関し、より詳しくは、冷却水ジャケットが形成されたダイカスト鋳造製のシリンダブロック本体と、このシリンダブロック本体の外端面に形成された上記冷却水ジャケットの開口において互いに対向する開口縁同士を連結する連結板とを備えたシリンダブロックの形成方法、およびシリンダブロックに関するものである。
エンジンにおけるシリンダブロックには、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、上記シリンダブロックは、いわゆるオープンデッキタイプであって、そのシリンダブロック本体はダイカスト鋳造されたものであり、このシリンダブロック本体にはシリンダヘッド側の外端面に一端部が開口する冷却水ジャケットが形成されている。この冷却水ジャケットの開口はシリンダ孔の周囲の全体にわたり形成されている。そして、上記開口は、上記シリンダヘッドに形成された他の冷却水ジャケットに連通させられる。
上記エンジンの駆動時には、上記冷却水ジャケットと他の冷却水ジャケットとを冷却水が流動させられ、これにより、上記シリンダブロック本体が冷却されるようになっている。
特開2005−113856号公報
ところで、上記従来の技術では、次のような問題点がある。即ち、上記したように冷却水ジャケットの開口はシリンダ孔の周囲の全体にわたり形成されている。このため、上記シリンダブロック本体において上記シリンダ孔と冷却水ジャケットとで挟まれた円筒形状部分は、上記シリンダブロック本体の下部に対し片持ち構造となっている。このため、この構造において、上記円筒形状部分の各部肉厚が厚くならないよう薄くしようとすると、この円筒形状部分には、強度と剛性とが不足しがちになるおそれがある。
そこで、上記シリンダブロックをいわゆるクローズドデッキタイプにすることが考えられる。
具体的には、上記開口を挟んで互いに対向する開口縁部同士を連結する連結板を設ける。そして、この連結板に、上記冷却水ジャケットの内部を上記シリンダブロック本体の外部である他の冷却水ジャケットに連通させる連通孔を形成し、上記連結板によって、上記円筒形状部分を補強することが考えられる。
ここで、第1に、上記連結板を含めたシリンダブロックにつき、金型を用いて一体的にダイカスト鋳造をすることが考えられる。そして、この場合には、上記連結板に対向する上記冷却水ジャケットの部分を鋳造するために、通常、上記金型とは別に砂中子を用いることが必要とされる。しかし、このような砂中子を用いると、鋳造後に砂中子の取り出しが必要になる。よって、このようなダイカスト鋳造によるシリンダブロックの形成作業は煩雑である。
そこで、第2に、まず、上記シリンダブロック本体のみをダイカスト鋳造し、このシリンダブロック本体の上記各開口縁部と上記連結板との接合部を、アーク溶接により互いに連結させることが考えられる。しかし、この溶接時には、大電流によって上記接合部が高温となることにより金属煙り(フューム)が生じて、周りを汚損するおそれを生じる。このため、上記溶接作業は、上記シリンダブロックの機械加工ラインとは別にする必要が生じて、この溶接作業は煩雑となりがちである。しかも、上記溶接は高温でなされるため、上記シリンダブロックの完成前における中間品には大きな歪が生じがちである。このため、この溶接後の中間品につき上記歪を除去する、という煩雑な作業が必要となる。よって、上記したアーク溶接によっても、上記シリンダブロックの形成作業は煩雑である。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、クローズドデッキタイプのシリンダブロックの形成作業が容易にできるようにすることである。
請求項1の発明は、全図に例示するように、外部に向かって開く開口14を有する冷却水ジャケット12が形成されたシリンダブロック本体2をダイカスト鋳造により形成し、上記冷却水ジャケット12の開口14の互いに対向する両開口縁部18に跨るよう連結板24を設け、この連結板24を上記各開口縁部18に対し摩擦攪拌接合により連結させるようにしたシリンダブロックの形成方法である。
請求項2の発明は、図1,2,4,5に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記冷却水ジャケット12をシリンダブロック本体2の外部に連通させる連通孔25を上記連結板24に形成した後、この連結板24を上記各開口縁部18に連結するようにしたものである。
請求項3の発明は、図1,2,4,5に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記連結板24を上記各開口縁部18に連結した後に、上記冷却水ジャケット12をシリンダブロック本体2の外部に連通させる連通孔25を上記連結板24に形成するようにしたものである。
請求項4の発明は、図3に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記連結板24を、上記冷却水ジャケット12の開口14の長手方向に列設される複数の板部材33で構成し、隣り合う両板部材33の間に上記連通孔25を形成するようにしたものである。
請求項5の発明は、図4,5に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記冷却水ジャケット12の開口14が形成されたシリンダブロック本体2の外端面7を全体的に一体的に覆う形状となるよう上記連結板24を形成し、この連結板24を上記開口縁部18に連結するようにしたものである。
請求項6の発明は、図2中三点鎖線で示すように、請求項1の発明に加えて、上記シリンダブロック本体2に上記シリンダ孔3を形成する際の前段階の中間孔3aを形成し、上記摩擦攪拌接合による上記シリンダブロック本体2と連結板24との接合部分32が少なくとも上記中間孔3aの内面に近接するところまで上記摩擦攪拌接合を施し、次に、上記中間孔3aの内面を機械加工し、上記シリンダブロック本体2と連結板24とが合い面とされていたところの上記接合部分32が上記シリンダ孔3の内面に現れるようこのシリンダ孔3を形成するようにしたものである。
請求項7の発明は、図4に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記冷却水ジャケット12の開口14が形成されたシリンダブロック本体2の外端面7に向かっての視線で見て(図4)、上記摩擦攪拌接合の終了点40を上記冷却水ジャケット12の開口14内における上記連結板24の部分に位置させるようにしたものである。
請求項8の発明は、全図に例示するように、外部に向かって開く開口14を有する冷却水ジャケット12が形成されたダイカスト鋳造によるシリンダブロック本体2と、上記冷却水ジャケット12の開口14の互いに対向する両開口縁部18に跨るように設けられる連結板24とを備え、この連結板24が上記各開口縁部18に対し摩擦攪拌接合により連結されているシリンダブロックである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、外部に向かって開く開口を有する冷却水ジャケットが形成されたシリンダブロック本体をダイカスト鋳造により形成し、上記冷却水ジャケットの開口の互いに対向する両開口縁部に跨るよう連結板を設け、この連結板を上記各開口縁部に対し摩擦攪拌接合により連結させるようにしたシリンダブロックの形成方法である。
即ち、シリンダブロックの形成作業をする際には、まず、上記シリンダブロック本体をダイカスト鋳造し、次に、このシリンダブロック本体に形成された冷却水ジャケットの開口の両開口縁部に連結板を連結すればよい。このため、上記連結板に対向する上記冷却水ジャケットの部分を形成するために、金型とは別に砂中子を用いる、ということは不要である。
しかも、上記両開口縁部への連結板の連結作業は摩擦攪拌接合によるものであって、これは、従来のアーク溶接に比べて低温でなされる。このため、第1に、この作業時に金属煙りが生じるということは防止される。よって、上記両開口縁部への連結板の連結作業は、上記シリンダブロックの機械加工ラインにてすることができる。また、第2に、上記両開口縁部への連結板の連結時の熱により、シリンダブロックの完成前における中間品に歪が生じる、ということは抑制され、この中間品についての歪の除去は不要、もしくは容易にできる。
この結果、上記クローズドデッキタイプのシリンダブロックの形成作業は容易にできる。
請求項2の発明は、上記冷却水ジャケットをシリンダブロック本体の外部に連通させる連通孔を上記連結板に形成した後、この連結板を上記各開口縁部に連結するようにしている。
このため、上記連通孔の形成作業は、上記シリンダブロック本体に影響されることなく、所望の作業空間において容易にすることができる。よって、その分、上記シリンダブロックの形成作業がより容易にできる。
請求項3の発明は、上記連結板を上記各開口縁部に連結した後に、上記冷却水ジャケットをシリンダブロック本体の外部に連通させる連通孔を上記連結板に形成するようにしている。
ここで、上記したように、開口縁部に連結された連結板は、上記シリンダブロック本体によって補強されて剛性が確保され、かつ、このシリンダブロック本体に対する相対位置が一定となるよう固定される。このため、上記シリンダブロック本体から見た所定の相対位置に上記連通孔を精度よく形成することが容易にできる。つまり、上記シリンダブロックの精度のよい形成作業が容易にできる。
請求項4の発明は、上記連結板を、上記冷却水ジャケットの開口の長手方向に列設される複数の板部材で構成し、隣り合う両板部材の間に上記連通孔を形成するようにしている。
ここで、特に、上記エンジンが多気筒で、上記シリンダブロック本体に複数のシリンダ孔が形成される場合には、上記連結板を一体的に形成しようとすると、この連結板の外形が大きくなって、高い寸法精度は確保し難くなる。このため、上記シリンダブロック本体への連結板の取り付け作業が煩雑になるおそれを生じる。
そこで、上記のように構成したのであり、これによれば、各板部材の寸法精度を向上させることができて、上記シリンダブロック本体への取り付けが容易にできる。つまり、シリンダブロックの形成作業がより容易にできる。
請求項5の発明は、上記冷却水ジャケットの開口が形成されたシリンダブロック本体の外端面を全体的に一体的に覆う形状となるよう上記連結板を形成し、この連結板を上記開口縁部に連結するようにしている。
このため、上記シリンダブロック本体の外端面を単なる平坦面とし、上記連結板を上記外端面に全体的に面接合する平板形状にすることができ、つまり、これらシリンダブロック本体と連結板とをそれぞれ単純な形状にできる。よって、これらシリンダブロック本体と連結板とのそれぞれの形成作業が容易にでき、これにより、シリンダブロックの形成作業がより容易にできる。
請求項6の発明は、上記シリンダブロック本体に上記シリンダ孔を形成する際の前段階の中間孔を形成し、上記摩擦攪拌接合による上記シリンダブロック本体と連結板との接合部分が少なくとも上記中間孔の内面に近接するところまで上記摩擦攪拌接合を施し、次に、上記中間孔の内面を機械加工し、上記シリンダブロック本体と連結板とが合い面とされていたところの上記接合部分が上記シリンダ孔の内面に現れるようこのシリンダ孔を形成するようにしている。
このため、上記シリンダ孔の開口縁部と連結板との互いの合い面において上記摩擦攪拌接合により互いに一体化されていない上記合い面の部分が、そのまま上記シリンダ孔内に露出する、ということは防止される。よって、このシリンダ孔の内面を全体的に平滑に仕上げることができ、この内面に対するピストンの摺動が円滑になされることとなって、エンジン性能上好ましい。
請求項7の発明は、上記冷却水ジャケットの開口が形成されたシリンダブロック本体の外端面に向かっての視線で見て、上記摩擦攪拌接合の終了点を上記冷却水ジャケットの開口内における上記連結板の部分に位置させるようにしている。
ここで、上記摩擦攪拌接合の終了点において、上記シリンダブロック本体や連結板から上記接合のための接合装置の摩擦回転子を抜き出すと、上記終了点には大きな凹みや貫通孔が生じがちとなる。このため、仮に、この終了点を不適切な場所に位置させたとすると、上記終了点における凹みや貫通孔が、上記シリンダブロックとシリンダヘッドとの間のシール性を阻害したり、上記連結板の強度や剛性を著しく低下させたりするおそれを生じる。
そこで、上記のように構成したのであり、これによれば、第1に、上記各開口縁部と連結板との連結部付近でガスケットが挟持された所謂シール部は上記終了点の影響を受けないため、上記シリンダブロックとシリンダヘッドとの間のシール性は良好に保たれる。また、第2に、上記終了点は、上記連結板の幅方向の中途部に形成されるため、この連結板の幅方向の端部に終了点が形成されることに比べて、上記各開口縁部に対する連結板の連結部の強度が上記終了点により阻害されるということは防止される。よって、上記連結板には所望の強度と剛性とが確保される。
請求項8の発明は、外部に向かって開く開口を有する冷却水ジャケットが形成されたダイカスト鋳造によるシリンダブロック本体と、上記冷却水ジャケットの開口の互いに対向する両開口縁部に跨るように設けられる連結板とを備え、この連結板が上記各開口縁部に対し摩擦攪拌接合により連結されたシリンダブロックである。
この発明は、前記請求項1と同様の技術的特徴を有しているため、この請求項1と同様の作用効果が生じる。
本発明のシリンダブロックの形成方法に関し、クローズドデッキタイプのシリンダブロックの形成作業が容易にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、外部に向かって開く開口を有する冷却水ジャケットが形成されたシリンダブロック本体をダイカスト鋳造により形成する。次に、上記冷却水ジャケットの開口の互いに対向する両開口縁部に跨るよう連結板を設け、この連結板を上記各開口縁部に対し摩擦攪拌接合により連結させるようにしている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1,2に従って説明する。
図1,2において、符号1はクローズドデッキタイプのシリンダブロックである。このシリンダブロック1は、水冷式多気筒(4気筒)4サイクルエンジンのシリンダの構成部品であり、アルミニウム合金からなる。
上記シリンダブロック1はダイカスト鋳造により形成されるシリンダブロック本体2を備えている。このシリンダブロック本体2には複数(4つ)のシリンダ孔3が形成され、これら各シリンダ孔3の軸心4は互いに平行に延びている。また、上記シリンダブロック本体2にはカムチェーンを内有するカムチェーン室5が形成されている。上記シリンダブロック本体2の軸方向の一端部側6の外端面7は上記軸心4に直交する平坦面とされている。上記外端面7にはシリンダヘッド8が不図示の締結具により締結可能とされる。
上記軸心4に沿った視線で見た上記シリンダブロック1の平面視(図1)で、上記シリンダブロック本体2の外縁部には、上記締結具用のボルト挿通孔9が複数形成されている。上記シリンダブロック本体2の外端面7とシリンダヘッド8との間にはステンレス製でビードを有するガスケット10が介設される。このガスケット10は、上記シリンダブロック本体2の外端面7のほぼ全面にわたり接合させられる。
上記シリンダブロック本体2には冷却水ジャケット12が形成されている。この冷却水ジャケット12は、上記シリンダブロック1の平面視で、上記シリンダ孔3群を全体的に取り囲むよう形成されている。上記シリンダブロック本体2の軸方向における上記冷却水ジャケット12の一端部は上記シリンダブロック本体2の一端部側6の外端面7に開口し、上記冷却水ジャケット12の他端部は上記シリンダブロック本体2の他端部側で閉じられて、有底とされている。
上記シリンダブロック本体2の外端面7に形成された上記冷却水ジャケット12の開口14は、上記シリンダブロック1の平面視で、上記シリンダ孔3群の周囲の全体にわたり形成されている。これにより、上記シリンダブロック本体2の一端部側6は、上記冷却水ジャケット12の外側に位置する外筒形状部16と、上記冷却水ジャケット12の内側に位置する内筒形状部17とを備えている。これら外、内筒形状部16,17は、上記シリンダブロック本体2の他端部側で互いに一体的に形成されている。
上記開口14の互いに対向する開口縁部18には、上記外端面7から一段下がった段差面19と、上記外端面7側から段差面19の外端縁に連なる縦向き壁20とによる凹所21が形成されている。上記段差面19は上記外端面7と平行に延び、上記縦向き壁20は上記軸心4と平行に延び、上記凹所21は、上記開口縁部18の全体にわたり形成されている。
上記シリンダブロック1は、上記したように互いに対向する両開口縁部18に跨るよう設けられる連結板24を備え、この連結板24はアルミニウム合金でなる。上記連結板24の幅方向の各端部は、それぞれ上記各凹所21に密接に嵌入させられ、かつ、この嵌入後に、後述するように上記シリンダブロック1に摩擦攪拌接合(摩擦攪拌溶接ともいう)させられる。上記シリンダブロック本体2の外端面7を基準としたシリンダブロック本体2の軸方向における段差面19の深さと、上記連結板24の厚さとは互いに同じとされている。このため、上記外端面7と連結板24の外面とは互いに面一である。
上記連結板24には、この連結板24の長手方向の複数位置に連通孔25が形成されている。また、これら各連通孔25に対応する不図示の孔が上記ガスケット10に形成されている。上記各連通孔25と上記ガスケット10の各孔とは、上記冷却水ジャケット12の内部を上記シリンダブロック本体2の外部であるシリンダヘッド8の冷却水ジャケットに連通させている。上記連結板24の長手方向の各部において、上記各連通孔25は、それぞれ上記ガスケット10と開口14とのそれぞれ幅方向ほぼ中央に位置している。
図2において、不図示のクランプにより、上記凹所21への連結板24の嵌入状態が保持される。そして、上記各開口縁部18の縦向き壁20と連結板24の外縁部とが接合装置28による摩擦攪拌接合により連結され、これによりシリンダブロック1が形成される。
上記接合装置28は、上記軸心4と平行な軸心29回りで一方向に回転Aする摩擦回転子30を備えている。この摩擦回転子30を上記縦向き壁20と連結板24の外縁部との外方位置(図2中一点鎖線)から、これら20,24に跨るよう押し付ければ、これらの摩擦熱(300−400℃)により、それぞれ溶融して攪拌される(図2中梨地模様)。この状態を保ったままで、上記縦向き壁20と連結板24の外縁部との接合線に沿って上記摩擦回転子30を移動Bさせれば、これら20,24が順次溶接により接合される。符号32は、その接合部分である。なお、上記摩擦攪拌接合される予定の接合部分32は図2中二点鎖線で示している。
即ち、上記構成によれば、シリンダブロック1の形成作業をする際には、まず、上記シリンダブロック本体2をダイカスト鋳造し、次に、このシリンダブロック本体2に形成された冷却水ジャケット12の開口14の両開口縁部18に連結板24を連結すればよい。このため、上記連結板24に対向する上記冷却水ジャケット12の部分を形成するために、金型とは別に砂中子を用いる、ということは不要である。
しかも、上記両開口縁部18への連結板24の連結作業は摩擦攪拌接合によるものであって、これは、従来のアーク溶接に比べて低温でなされる。このため、第1に、この作業時に金属煙りが生じるということは防止される。よって、上記両開口縁部18への連結板24の連結作業は、上記シリンダブロック1の機械加工ラインにてすることができる。また、第2に、上記両開口縁部18への連結板24の連結時の熱により、シリンダブロック1の完成前における中間品に歪が生じる、ということは抑制され、この中間品についての歪の除去は不要、もしくは容易にできる。
この結果、上記クローズドデッキタイプのシリンダブロック1の形成作業は容易にできる。
また、前記したように、冷却水ジャケット12をシリンダブロック本体2の外部に連通させる連通孔25を上記連結板24に形成した後、この連結板24を上記各開口縁部18に連結するようにしている。
このため、上記連通孔25の形成作業は、上記シリンダブロック本体2に影響されることなく、所望の作業空間において容易にすることができる。よって、その分、上記シリンダブロック1の形成作業がより容易にできる。
上記の場合、連結板24を上記各開口縁部18に連結した後に、上記冷却水ジャケット12をシリンダブロック本体2の外部に連通させる連通孔25を機械加工により上記連結板24に形成するようにしてもよい。
ここで、上記したように、開口縁部18に連結された連結板24は、上記シリンダブロック本体2によって補強されて剛性が確保され、かつ、このシリンダブロック本体2に対する相対位置が一定となるよう固定される。このため、上記のように構成した場合には、シリンダブロック本体2から見た所定の相対位置に上記連通孔25を精度よく形成することが容易にできる。つまり、上記シリンダブロック1の精度のよい形成作業が容易にできる。
また、図2中三点鎖線で示すように、構成してもよい。
即ち、上記シリンダブロック本体2には、上記シリンダ孔3を形成する際の前段階として、このシリンダ孔3よりも径小の中間孔3aが形成される。また、上記両開口縁部18のうち、シリンダ孔3側の開口縁部18に形成された段差面19が、上記中間孔3aの開口縁部にまで連続的に延長されている。また、上記連結板24の上記中間孔3a側の端縁部も上記延長された段差面19上に沿って中間孔3aの内面と同じ位置まで延長されている。
そして、上記摩擦攪拌接合により上記シリンダブロック本体2における上記中間孔3aの開口縁部と連結板24の延長部とが接合される。この際、この接合による接合部分32が少なくとも上記中間孔3aの内面に近接するよう上記摩擦攪拌接合が施される。また、この場合、上記接合部分32の少なくとも一部分32aが上記中間孔3a内に突出状に露出するよう上記摩擦攪拌接合が施されている。
次に、上記中間孔3aの内面が切削、研摩など機械加工される。そして、この加工の際、上記シリンダブロック本体2と連結板24とが合い面とされていたところの上記接合部分32が上記シリンダ孔3の内面に現れるようこのシリンダ孔3が形成される。なお、上記中間孔3a内に接合部分32が大きく露出するまで、摩擦攪拌接合を施してもよい。
上記のように構成すれば、シリンダ孔3の開口縁部18と連結板24との互いの合い面において上記摩擦攪拌接合により互いに一体化されいない上記合い面の部分が、そのまま上記シリンダ孔3内に露出する、ということは防止される。よって、このシリンダ孔3の内面を全体的に平滑に仕上げることができ、この内面に対するピストンの摺動が円滑になされることとなって、エンジン性能上好ましい。
なお、以上は図示の例によるが、上記エンジンは単気筒のものであってもよい。
以下の各図は、実施例2,3を示している。これら実施例2,3は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図3に従って説明する。
図3において、上記連結板24は、上記冷却水ジャケット12の開口14の長手方向に列設される複数の板部材33で構成されている。そして、上記連通孔25のうちの一部の連通孔25aが隣り合う両板部材33の間に形成され、他部の連通孔25bは上記板部材33に形成されている。
ここで、特に、上記エンジンが多気筒で、上記シリンダブロック本体2に複数のシリンダ孔3が形成される場合には、上記連結板24を一体的に形成しようとすると、この連結板24の外形が大きくなって、高い寸法精度は確保し難くなる。このため、上記シリンダブロック本体2への連結板24の取り付け作業が煩雑になるおそれを生じる。
そこで、上記のように構成したのであり、これによれば、各板部材33の寸法精度を向上させることができて、上記シリンダブロック本体2への取り付けが容易にできる。つまり、シリンダブロック1の形成作業がより容易にできる。
なお、隣り合う両板部材33の互いに対向する各端縁部を離間させて、これら両端縁部の間に、上記連通孔25を形成するようにしてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例3を添付の図4,5に従って説明する。
図4,5において、この実施例におけるシリンダブロック1は、水冷式単気筒エンジンのシリンダの構成部品である。このシリンダブロック1の上記連結板24は、上記シリンダブロック本体2の平坦面である外端面7を全体的に一体的に覆う平板形状となるよう形成されている。上記各開口縁部18に上記連結板24を連結させるに際しては、まず、上記シリンダブロック本体2の外端面7に対し連結板24を圧接具35により圧接させる。
図4,5中実線と一点鎖線とで示すように、上記圧接具35は、上記シリンダブロック本体2の軸方向において前記一端部側6とは反対方向に位置する他端部側36のいずれかの端面に当接する当接体35aと、上記連結板24の外面に当接する他の当接体35bと、上記両当接体35a,35bを互いに接近可能とさせる締結具35cとを備えている。この締結具35cを捻回操作して、上記両当接体35a,35bを互いに接近させれば、これら当接体35a,35bを介しシリンダブロック本体2の外端面7と連結板24とが互いに圧接させられる。
なお、図4,5中二点鎖線で示すように、上記圧接具35を次のように構成してもよい。即ち、上記締結具35cのボルトを油圧力で引張可能とする油圧シリンダ35dを設ける。そして、この油圧シリンダ35dの作動により、上記締結具35cのボルトに引張力を生じさせて、上記シリンダブロック本体2の外端面7に対し連結板24を一定の圧接力で圧接させる。
また、図5中三点鎖線で示すように、上記圧接具35を次のように構成してもよい。即ち、上記連結板24の一部を延出し、この延出部37と上記シリンダブロック本体2の他端部側36とに対し上記圧接具35を適用する。この場合、上記延出部37は、上記開口縁部18への連結板24の連結後に、切除される。
上記構成によれば、シリンダブロック本体2の外端面7は単なる平坦面とされ、上記連結板24は上記外端面7に全体的に面接合する平板形状とされ、つまり、シリンダブロック本体2と連結板24とは、それぞれ単純な形状とされている。よって、これらシリンダブロック本体2と連結板24とのそれぞれの形成作業が容易にでき、これにより、シリンダブロック1の形成作業がより容易にできる。
図4において、上記シリンダブロック本体2の外端面7に向かっての視線(上記軸心4に沿った視線)で見て、上記摩擦攪拌接合の開始点39は、上記外端面7の外端縁部とされる。一方、上記と同じ視線で見て、上記摩擦攪拌接合の終了点40は、上記冷却水ジャケット12の開口14の幅方向でのほぼ中央における上記連結板24の部分に位置させられている。
ここで、上記摩擦攪拌接合の終了点40において、上記シリンダブロック本体2や連結板24から上記接合装置28の摩擦回転子30を抜き出すと、上記終了点40には大きな凹みや貫通孔が生じがちとなる。このため、仮に、この終了点40を不適切な場所に位置させたとすると、上記終了点40における凹みや貫通孔が、上記シリンダブロック1とシリンダヘッド8との間のシール性を阻害したり、上記連結板24の強度や剛性を著しく低下させたりするおそれを生じる。
そこで、上記のように構成したのであり、これによれば、第1に、上記各開口縁部18と連結板24との連結部付近でガスケット10が挟持された所謂シール部は上記終了点40の影響を受けないため、上記シリンダブロック1とシリンダヘッド8との間のシール性は良好に保たれる。また、第2に、上記終了点40は、上記連結板24の幅方向の中途部に形成されるため、この連結板24の幅方向の端部に終了点40が形成されることに比べて、上記各開口縁部18に対する連結板24の連結部の強度が上記終了点40により阻害されるということは防止される。よって、上記連結板24には所望の強度と剛性とが確保される。
実施例1を示し、シリンダブロックの平面図である。 実施例1を示し、図1のII−II線矢視断面図である。 実施例2を示し、図1の部分拡大相当図であって、作用説明図である。 実施例3を示し、図1に相当する図である。 実施例3を示し、図4のV−V線矢視断面図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
2 シリンダブロック本体
3 シリンダ孔
3a 中間孔
4 軸心
6 一端部側
7 外端面
8 シリンダヘッド
12 冷却水ジャケット
14 開口
18 開口縁部
24 連結板
25 連通孔
32 接合部分
32a 一部分
33 板部材
39 開始点
40 終了点
A 回転
B 移動

Claims (8)

  1. 外部に向かって開く開口を有する冷却水ジャケットが形成されたシリンダブロック本体をダイカスト鋳造により形成し、上記冷却水ジャケットの開口の互いに対向する両開口縁部に跨るよう連結板を設け、この連結板を上記各開口縁部に対し摩擦攪拌接合により連結させるようにしたことを特徴とするシリンダブロックの形成方法。
  2. 上記冷却水ジャケットをシリンダブロック本体の外部に連通させる連通孔を上記連結板に形成した後、この連結板を上記各開口縁部に連結するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの形成方法。
  3. 上記連結板を上記各開口縁部に連結した後に、上記冷却水ジャケットをシリンダブロック本体の外部に連通させる連通孔を上記連結板に形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの形成方法。
  4. 上記連結板を、上記冷却水ジャケットの開口の長手方向に列設される複数の板部材で構成し、隣り合う両板部材の間に上記連通孔を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの形成方法。
  5. 上記冷却水ジャケットの開口が形成されたシリンダブロック本体の外端面を全体的に一体的に覆う形状となるよう上記連結板を形成し、この連結板を上記開口縁部に連結するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの形成方法。
  6. 上記シリンダブロック本体に上記シリンダ孔を形成する際の前段階の中間孔を形成し、上記摩擦攪拌接合による上記シリンダブロック本体と連結板との接合部分が少なくとも上記中間孔の内面に近接するところまで上記摩擦攪拌接合を施し、次に、上記中間孔の内面を機械加工し、上記シリンダブロック本体と連結板とが合い面とされていたところの上記接合部分が上記シリンダ孔の内面に現れるようこのシリンダ孔を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの形成方法。
  7. 上記冷却水ジャケットの開口が形成されたシリンダブロック本体の外端面に向かっての視線で見て、上記摩擦攪拌接合の終了点を上記冷却水ジャケットの開口内における上記連結板の部分に位置させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの形成方法。
  8. 外部に向かって開く開口を有する冷却水ジャケットが形成されたダイカスト鋳造によるシリンダブロック本体と、上記冷却水ジャケットの開口の互いに対向する両開口縁部に跨るように設けられる連結板とを備え、この連結板が上記各開口縁部に対し摩擦攪拌接合により連結されていることを特徴とするシリンダブロック。
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