JPH07269410A - エンジンのシリンダブロック及びその製造方法 - Google Patents
エンジンのシリンダブロック及びその製造方法Info
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- JPH07269410A JPH07269410A JP6281986A JP28198694A JPH07269410A JP H07269410 A JPH07269410 A JP H07269410A JP 6281986 A JP6281986 A JP 6281986A JP 28198694 A JP28198694 A JP 28198694A JP H07269410 A JPH07269410 A JP H07269410A
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- cylinder block
- cylinder
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
- F02F1/02—Cylinders; Cylinder heads having cooling means
- F02F1/10—Cylinders; Cylinder heads having cooling means for liquid cooling
- F02F1/108—Siamese-type cylinders, i.e. cylinders cast together
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/16—Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
- F02B75/18—Multi-cylinder engines
- F02B2075/1804—Number of cylinders
- F02B2075/1816—Number of cylinders four
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
- F02F1/02—Cylinders; Cylinder heads having cooling means
- F02F1/10—Cylinders; Cylinder heads having cooling means for liquid cooling
- F02F2001/104—Cylinders; Cylinder heads having cooling means for liquid cooling using an open deck, i.e. the water jacket is open at the block top face
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- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
- Laser Beam Processing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 シリンダボアの真円度の低下を低く抑えつ
つ、効果的にシリンダブロックの剛性を向上させる。 【構成】 本発明に係るエンジンのシリンダブロック
は、シリンダボアを画成する内壁の回りにウォータジャ
ケットが形成されており、そのウォータジャケットがデ
ッキ面で連続していて前記ウォータジャケットの外側を
画成する外壁と前記内壁とがデッキ面で分離されてお
り、隣接するシリンダボア間で前記内壁が共有されてい
る複数気筒用のシリンダブロック本体において、隣接す
るシリンダボア間の位置のみで前記内壁と外壁とが連結
ピースで連結されている。これによって、シリンダブロ
ックの剛性が確保されるとともに、シリンダボアの周方
向の熱膨張特性がオープンデッキ型シリンダブロックの
熱膨張特性に近づくために、シリンダボアの真円度の悪
化を抑制できる。
つ、効果的にシリンダブロックの剛性を向上させる。 【構成】 本発明に係るエンジンのシリンダブロック
は、シリンダボアを画成する内壁の回りにウォータジャ
ケットが形成されており、そのウォータジャケットがデ
ッキ面で連続していて前記ウォータジャケットの外側を
画成する外壁と前記内壁とがデッキ面で分離されてお
り、隣接するシリンダボア間で前記内壁が共有されてい
る複数気筒用のシリンダブロック本体において、隣接す
るシリンダボア間の位置のみで前記内壁と外壁とが連結
ピースで連結されている。これによって、シリンダブロ
ックの剛性が確保されるとともに、シリンダボアの周方
向の熱膨張特性がオープンデッキ型シリンダブロックの
熱膨張特性に近づくために、シリンダボアの真円度の悪
化を抑制できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダボアを画成す
る内壁の回りにウォータジャケットが形成されており、
そのウォータジャケットがデッキ面で連続していて前記
ウォータジャケットの外側を画成する外壁と前記内壁と
がデッキ面で分離されており、しかも隣接するシリンダ
ボア間で内壁が共有されている、いわゆる、オープンデ
ッキ型の複数気筒用のシリンダブロック本体の補強技術
に関する。
る内壁の回りにウォータジャケットが形成されており、
そのウォータジャケットがデッキ面で連続していて前記
ウォータジャケットの外側を画成する外壁と前記内壁と
がデッキ面で分離されており、しかも隣接するシリンダ
ボア間で内壁が共有されている、いわゆる、オープンデ
ッキ型の複数気筒用のシリンダブロック本体の補強技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】オープンデッキ型シリンダブロックは、
ウォータジャケットがデッキ面において連続しており、
シリンダボアを取り囲むとともにウォータジャケットの
内側を定める内壁と、ウォータジャケットを外側から取
り囲む外壁とがデッキ面で完全に分離されている。この
オープンデッキ型シリンダブロックは、クローズドデッ
キ型シリンダブロックと異なり、ウォータジャケット用
の中子を使用しなくても鋳造できるために、鋳造作業を
簡略化するとともに、工程の簡略化も図ることができ
る。また、シリンダボアを画成する内壁が外壁によって
拘束されていないために、シリンダボアの真円度を高く
維持することができる。しかしながら、オープンデッキ
型シリンダブロックの場合、シリンダボアを画成し、あ
るいは取り囲む内壁が外壁によって支持されていないた
めに剛性が低いという問題がある。この問題を解決する
ために、デッキ面において内壁と外壁とを連結ピースで
連結して補強することにより剛性を高める技術が提案さ
れ、この技術が特開平1−118383号公報に記載さ
れている。
ウォータジャケットがデッキ面において連続しており、
シリンダボアを取り囲むとともにウォータジャケットの
内側を定める内壁と、ウォータジャケットを外側から取
り囲む外壁とがデッキ面で完全に分離されている。この
オープンデッキ型シリンダブロックは、クローズドデッ
キ型シリンダブロックと異なり、ウォータジャケット用
の中子を使用しなくても鋳造できるために、鋳造作業を
簡略化するとともに、工程の簡略化も図ることができ
る。また、シリンダボアを画成する内壁が外壁によって
拘束されていないために、シリンダボアの真円度を高く
維持することができる。しかしながら、オープンデッキ
型シリンダブロックの場合、シリンダボアを画成し、あ
るいは取り囲む内壁が外壁によって支持されていないた
めに剛性が低いという問題がある。この問題を解決する
ために、デッキ面において内壁と外壁とを連結ピースで
連結して補強することにより剛性を高める技術が提案さ
れ、この技術が特開平1−118383号公報に記載さ
れている。
【0003】このシリンダブロック2は、図15、図1
6に示されるように、一列に配列された複数のシリンダ
4(図では二個のみ記載している)を備えており、その
シリンダ4のボア4b(以下、シリンダボア4bとい
う。)を画成する内壁4wとシリンダブロック外壁3と
の間に冷却水を通すためのウォータジャケット6が形成
されている。図中8は、前記内壁4wと外壁3とをデッ
キ面で連結する連結ピースであり、シリンダブロック2
の長手方向(X軸方向)と幅方向(Y軸方向)から内壁
4wのデッキ面側端部と外壁3のデッキ面側端部とを連
結している。これによって、シリンダボア4bを画成す
る内壁4wのデッキ面側端部が外壁3に支持されること
になり、シリンダブロック2の剛性が向上する。
6に示されるように、一列に配列された複数のシリンダ
4(図では二個のみ記載している)を備えており、その
シリンダ4のボア4b(以下、シリンダボア4bとい
う。)を画成する内壁4wとシリンダブロック外壁3と
の間に冷却水を通すためのウォータジャケット6が形成
されている。図中8は、前記内壁4wと外壁3とをデッ
キ面で連結する連結ピースであり、シリンダブロック2
の長手方向(X軸方向)と幅方向(Y軸方向)から内壁
4wのデッキ面側端部と外壁3のデッキ面側端部とを連
結している。これによって、シリンダボア4bを画成す
る内壁4wのデッキ面側端部が外壁3に支持されること
になり、シリンダブロック2の剛性が向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、オープ
ンデッキ型シリンダブロックの場合、内壁4wが外壁3
によってもともとは拘束されていないために、熱膨張が
生じても一様に膨張して高い真円度が維持し易い。しか
しながら、従来の補強技術によると、この利点が失われ
る。即ち、補強のため、図15、図16に示されるよう
に、内壁4wを外壁3に拘束してしまうと、内壁4wが
均等に熱膨張しなくなり、シリンダボア4bの真円度が
悪化してしまう。シリンダボア4bの真円度が悪化する
と、オイルリング(図示されていない)の追従性が悪化
してオイルの消費量が多くなるという問題がある。本発
明の技術的課題は、連結ピースの位置を工夫することに
よって、シリンダボアの真円度の低下を最小限に抑えつ
つ、シリンダブロックの剛性を高めることができる補強
技術を提案するものである。そして、その際に、連結ピ
ースが確実に内壁と外壁とに接続される製造方法も提案
するものである。
ンデッキ型シリンダブロックの場合、内壁4wが外壁3
によってもともとは拘束されていないために、熱膨張が
生じても一様に膨張して高い真円度が維持し易い。しか
しながら、従来の補強技術によると、この利点が失われ
る。即ち、補強のため、図15、図16に示されるよう
に、内壁4wを外壁3に拘束してしまうと、内壁4wが
均等に熱膨張しなくなり、シリンダボア4bの真円度が
悪化してしまう。シリンダボア4bの真円度が悪化する
と、オイルリング(図示されていない)の追従性が悪化
してオイルの消費量が多くなるという問題がある。本発
明の技術的課題は、連結ピースの位置を工夫することに
よって、シリンダボアの真円度の低下を最小限に抑えつ
つ、シリンダブロックの剛性を高めることができる補強
技術を提案するものである。そして、その際に、連結ピ
ースが確実に内壁と外壁とに接続される製造方法も提案
するものである。
【0005】
〔課題を解決するための請求項1に係る手段〕上記した
課題は、以下の特徴を有するエンジンのシリンダブロッ
クによって解決される。即ち、請求項1に係るエンジン
のシリンダブロックは、シリンダボアを画成する内壁の
回りにウォータジャケットが形成されており、そのウォ
ータジャケットがデッキ面で連続していて前記ウォータ
ジャケットの外側を画成する外壁と前記内壁とがデッキ
面で分離されており、隣接するシリンダボア間で前記内
壁が共有されている複数気筒用のシリンダブロック本体
において、隣接するシリンダボア間の位置のみで前記内
壁と外壁とが連結ピースで連結されている。 〔請求項1に記載された発明の作用〕本発明によると、
連結ピースはシリンダボア間の位置のみで内壁と外壁と
を連結している。この連結位置によると、シリンダボア
の周方向の熱膨張特性がオープンデッキ型シリンダブロ
ックの熱膨張特性に近づくことになる。このため、シリ
ンダボアの真円度の悪化を抑制することができる。さら
に、前記シリンダボアを画成する内壁が連結ピースによ
り外壁に連結されているために、シリンダブロックの剛
性も確保される。 〔請求項1に記載された発明の効果〕本発明によると、
シリンダボアの真円度の低下を低く抑えつつ、効果的に
シリンダブロックの剛性を高めることができる。
課題は、以下の特徴を有するエンジンのシリンダブロッ
クによって解決される。即ち、請求項1に係るエンジン
のシリンダブロックは、シリンダボアを画成する内壁の
回りにウォータジャケットが形成されており、そのウォ
ータジャケットがデッキ面で連続していて前記ウォータ
ジャケットの外側を画成する外壁と前記内壁とがデッキ
面で分離されており、隣接するシリンダボア間で前記内
壁が共有されている複数気筒用のシリンダブロック本体
において、隣接するシリンダボア間の位置のみで前記内
壁と外壁とが連結ピースで連結されている。 〔請求項1に記載された発明の作用〕本発明によると、
連結ピースはシリンダボア間の位置のみで内壁と外壁と
を連結している。この連結位置によると、シリンダボア
の周方向の熱膨張特性がオープンデッキ型シリンダブロ
ックの熱膨張特性に近づくことになる。このため、シリ
ンダボアの真円度の悪化を抑制することができる。さら
に、前記シリンダボアを画成する内壁が連結ピースによ
り外壁に連結されているために、シリンダブロックの剛
性も確保される。 〔請求項1に記載された発明の効果〕本発明によると、
シリンダボアの真円度の低下を低く抑えつつ、効果的に
シリンダブロックの剛性を高めることができる。
【0006】〔課題を解決するための請求項2に係る手
段〕このエンジンのシリンダブロックは、請求項1に記
載されたエンジンのシリンダブロックにおいて、隣接す
るシリンダボア間の内壁のデッキ面側端面に、前記ウォ
ータジャケットに連通するスリットが形成されており、
前記スリットの底面よりも下方で前記連結ピースが前記
内壁と外壁とを連結している。 〔請求項2に記載された発明の作用〕本発明によると、
シリンダボア間の内壁にはウォータジャケットに連通す
るスリットが形成されているために、隣合うシリンダボ
ア間にスリットを通して冷却水を流せるようになる。ま
た、連結ピースはスリットの底面よりも下の位置で内壁
と外壁とを連結しているため、前記連結ピースが前記ス
リットを流れる冷却水を妨げることはない。これによっ
て、シリンダボアの真円度の低下がさらに低く抑えられ
る。 〔請求項2に記載された発明の効果〕本発明によると、
請求項1に記載された発明と同様の効果を保有しつつ、
さらに、シリンダボアの真円度の低下を抑えることがで
きる。
段〕このエンジンのシリンダブロックは、請求項1に記
載されたエンジンのシリンダブロックにおいて、隣接す
るシリンダボア間の内壁のデッキ面側端面に、前記ウォ
ータジャケットに連通するスリットが形成されており、
前記スリットの底面よりも下方で前記連結ピースが前記
内壁と外壁とを連結している。 〔請求項2に記載された発明の作用〕本発明によると、
シリンダボア間の内壁にはウォータジャケットに連通す
るスリットが形成されているために、隣合うシリンダボ
ア間にスリットを通して冷却水を流せるようになる。ま
た、連結ピースはスリットの底面よりも下の位置で内壁
と外壁とを連結しているため、前記連結ピースが前記ス
リットを流れる冷却水を妨げることはない。これによっ
て、シリンダボアの真円度の低下がさらに低く抑えられ
る。 〔請求項2に記載された発明の効果〕本発明によると、
請求項1に記載された発明と同様の効果を保有しつつ、
さらに、シリンダボアの真円度の低下を抑えることがで
きる。
【0007】〔課題を解決するための請求項3に係る手
段〕このエンジンのシリンダブロックの製造方法は、請
求項2に記載のエンジンのシリンダブロックの製造方法
であり、連結ピースが接続される内壁の外側面、及び/
又は、外壁の内側面に、前記連結ピースの幅よりも広い
範囲で、デッキ面からスリットの底面レベル、あるいは
それより下のレベルまで到達する切欠きを形成する工程
と、前記連結ピースを前記内壁と外壁との間に挿入し、
その連結ピースの上面が前記切欠きの下端面とほぼ連続
する位置に位置決めする工程と、位置決めされた連結ピ
ースの溶接面が前記切欠きの下に位置する内壁の外側
面、及び/又は、外壁の内側面と面接触する部位に、前
記溶接面と平行方向から前記切欠きを通して高エネルギ
ービームを照射し、前記連結ピースを内壁、及び/又
は、外壁に溶接する工程と、を有している。 〔請求項3に記載された発明の作用〕本発明によると、
内壁の外側面、及び/又は、外壁の内側面には、前記連
結ピースの幅よりも広い範囲で、デッキ面からスリット
の底面レベル、あるいはそれより下のレベルまで到達す
る切欠きが形成される。そして、前記連結ピースはその
上面が前記切欠きの下端面とほぼ連続する位置に位置決
めされる。即ち、前記切欠きが形成されることにより、
位置決めされた連結ピースの上面よりも上側の内壁、及
び/又は、外壁では、その外側面、及び/又は、内側面
が切欠きの深さ分だけ連結ピースの溶接面の位置から後
退する。このため、連結ピースの溶接面と内壁の外側
面、及び/又は、外壁の内側面とが面接触する部位に、
高エネルギービームが照射されても、高エネルギービー
ムの広がり部分が連結ピースより上側で内壁の外側面、
及び/又は、外壁の内側面と干渉することはない。この
ため、高エネルギービームのエネルギーを溶接部位、即
ち、連結ピースの溶接面と内壁の外側面、及び/又は、
外壁の内側面とが面接触する部位に集中することがで
き、前記連結ピースを前記スリットの底面よりも下方に
おいて内壁、及び/又は、外壁に確実に溶接することが
できる。 〔請求項3に記載された発明の効果〕本発明によると、
連結ピースを前記スリットの底面よりも下方で内壁、及
び/又は、外壁に確実に溶接することができるために、
請求項2に記載されたエンジンのシリンダブロックを良
好に製造することができる。
段〕このエンジンのシリンダブロックの製造方法は、請
求項2に記載のエンジンのシリンダブロックの製造方法
であり、連結ピースが接続される内壁の外側面、及び/
又は、外壁の内側面に、前記連結ピースの幅よりも広い
範囲で、デッキ面からスリットの底面レベル、あるいは
それより下のレベルまで到達する切欠きを形成する工程
と、前記連結ピースを前記内壁と外壁との間に挿入し、
その連結ピースの上面が前記切欠きの下端面とほぼ連続
する位置に位置決めする工程と、位置決めされた連結ピ
ースの溶接面が前記切欠きの下に位置する内壁の外側
面、及び/又は、外壁の内側面と面接触する部位に、前
記溶接面と平行方向から前記切欠きを通して高エネルギ
ービームを照射し、前記連結ピースを内壁、及び/又
は、外壁に溶接する工程と、を有している。 〔請求項3に記載された発明の作用〕本発明によると、
内壁の外側面、及び/又は、外壁の内側面には、前記連
結ピースの幅よりも広い範囲で、デッキ面からスリット
の底面レベル、あるいはそれより下のレベルまで到達す
る切欠きが形成される。そして、前記連結ピースはその
上面が前記切欠きの下端面とほぼ連続する位置に位置決
めされる。即ち、前記切欠きが形成されることにより、
位置決めされた連結ピースの上面よりも上側の内壁、及
び/又は、外壁では、その外側面、及び/又は、内側面
が切欠きの深さ分だけ連結ピースの溶接面の位置から後
退する。このため、連結ピースの溶接面と内壁の外側
面、及び/又は、外壁の内側面とが面接触する部位に、
高エネルギービームが照射されても、高エネルギービー
ムの広がり部分が連結ピースより上側で内壁の外側面、
及び/又は、外壁の内側面と干渉することはない。この
ため、高エネルギービームのエネルギーを溶接部位、即
ち、連結ピースの溶接面と内壁の外側面、及び/又は、
外壁の内側面とが面接触する部位に集中することがで
き、前記連結ピースを前記スリットの底面よりも下方に
おいて内壁、及び/又は、外壁に確実に溶接することが
できる。 〔請求項3に記載された発明の効果〕本発明によると、
連結ピースを前記スリットの底面よりも下方で内壁、及
び/又は、外壁に確実に溶接することができるために、
請求項2に記載されたエンジンのシリンダブロックを良
好に製造することができる。
【0008】〔課題を解決するための請求項4に係る手
段〕このエンジンのシリンダブロックの製造方法は、請
求項2に記載のエンジンのシリンダブロックの製造方法
であり、前記連結ピースを前記内壁と外壁との間に挿入
し、所定位置に位置決めする工程と、位置決めされた連
結ピースと内壁、及び/又は、外壁との接触部分のうち
所定部位を狙って、デッキ面側から内壁、及び/又は、
外壁に対して斜めに高エネルギービームを照射し、前記
連結ピースを内壁、及び/又は、外壁に溶接する工程
と、を有している。 〔請求項4に記載された発明の作用〕本発明によると、
連結ピースと内壁、及び/又は、外壁との接触部分のう
ち所定部位を狙って、高エネルギービームがデッキ面側
から内壁、及び/又は、外壁に対して斜めに照射され
る。これによって、高エネルギービームの広がり部分が
内壁の外側面、及び/又は、外壁の内側面と干渉するこ
とがなくなり、請求項3に記載された発明のように、内
壁の外側面、及び/又は、外壁の内側面に切欠きを形成
する必要がなくなる。このため、前記切欠きの厚み分だ
け内壁、及び/又は、外壁の厚みを小さくすることがで
きる。 〔請求項4に記載された発明の効果〕本発明によると、
切欠きの厚み分だけ内壁、及び/又は、外壁の厚みを小
さくすることができるために、請求項2に記載されたエ
ンジンのシリンダブロックをコンパクトに製造すること
ができる。
段〕このエンジンのシリンダブロックの製造方法は、請
求項2に記載のエンジンのシリンダブロックの製造方法
であり、前記連結ピースを前記内壁と外壁との間に挿入
し、所定位置に位置決めする工程と、位置決めされた連
結ピースと内壁、及び/又は、外壁との接触部分のうち
所定部位を狙って、デッキ面側から内壁、及び/又は、
外壁に対して斜めに高エネルギービームを照射し、前記
連結ピースを内壁、及び/又は、外壁に溶接する工程
と、を有している。 〔請求項4に記載された発明の作用〕本発明によると、
連結ピースと内壁、及び/又は、外壁との接触部分のう
ち所定部位を狙って、高エネルギービームがデッキ面側
から内壁、及び/又は、外壁に対して斜めに照射され
る。これによって、高エネルギービームの広がり部分が
内壁の外側面、及び/又は、外壁の内側面と干渉するこ
とがなくなり、請求項3に記載された発明のように、内
壁の外側面、及び/又は、外壁の内側面に切欠きを形成
する必要がなくなる。このため、前記切欠きの厚み分だ
け内壁、及び/又は、外壁の厚みを小さくすることがで
きる。 〔請求項4に記載された発明の効果〕本発明によると、
切欠きの厚み分だけ内壁、及び/又は、外壁の厚みを小
さくすることができるために、請求項2に記載されたエ
ンジンのシリンダブロックをコンパクトに製造すること
ができる。
【0009】
〔第1実施例〕以下、図1〜図9に基づいて、本発明の
第1実施例に係るエンジンのシリンダブロック及びその
製造方法の説明を行う。ここで、図1は、本実施例に係
るエンジンのシリンダブロック10の全体平面図(正確
には、図2のI-I 矢視で示すように、デッキ面の直下位
置の断面を示している)であり、図2は、図1の II-II
矢視図である。また、図3は、図1の要部平面図、図4
は、図3の IV-IV 矢視図である。なお、シリンダブロ
ック10の長手方向をX軸方向、幅方向をY軸方向、高
さ方向をZ軸方向として以後の説明を行う。前記シリン
ダブロック10は、直列四気筒タイプのオープンデッキ
型シリンダブロック本体を連結ピース18により支持補
強したタイプのものであり、図1に示されるように、隣
合うシリンダ14のボア14b(以下、シリンダボア1
4bという)が内壁14wの一部を互いに共用した状態
で一列に配置されている。
第1実施例に係るエンジンのシリンダブロック及びその
製造方法の説明を行う。ここで、図1は、本実施例に係
るエンジンのシリンダブロック10の全体平面図(正確
には、図2のI-I 矢視で示すように、デッキ面の直下位
置の断面を示している)であり、図2は、図1の II-II
矢視図である。また、図3は、図1の要部平面図、図4
は、図3の IV-IV 矢視図である。なお、シリンダブロ
ック10の長手方向をX軸方向、幅方向をY軸方向、高
さ方向をZ軸方向として以後の説明を行う。前記シリン
ダブロック10は、直列四気筒タイプのオープンデッキ
型シリンダブロック本体を連結ピース18により支持補
強したタイプのものであり、図1に示されるように、隣
合うシリンダ14のボア14b(以下、シリンダボア1
4bという)が内壁14wの一部を互いに共用した状態
で一列に配置されている。
【0010】前記シリンダボア14bを画成する内壁1
4wと、前記シリンダブロック10の外壁13との間に
は、冷却水を通すためのウォータジャケット16が形成
されている。このウォータジャケット16はデッキ面1
0dにおいて連続しており、内壁14wと外壁13とは
完全に分離されている。また、各々のシリンダボア14
b間に位置する内壁14wには、その上端部に冷却水を
通すためのスリット14sがシリンダブロックの幅方向
(Y軸方向)に前記ウォータジャケット16と連通する
ように形成されている。なお、前記スリット14sは、
図2、図4に示されるように、シリンダブロックの幅方
向中央が最も深くなるように底面が円弧状に形成されて
いる。前記内壁14wの外側面14zには、図3、図4
に示されるように、各々のシリンダボア14b間及びそ
の近傍の位置に、デッキ面10dからスリット14sの
底面レベルまで到達する切欠き17が形成されており、
その切欠き17の下端面である段差部17dが前記スリ
ット14sの底面14jと連続するようになっている。
同様に、外壁13の内側面13zにも、前記内壁14w
の切欠き17に対向する位置に切欠き17と段差部17
dとが形成されている。
4wと、前記シリンダブロック10の外壁13との間に
は、冷却水を通すためのウォータジャケット16が形成
されている。このウォータジャケット16はデッキ面1
0dにおいて連続しており、内壁14wと外壁13とは
完全に分離されている。また、各々のシリンダボア14
b間に位置する内壁14wには、その上端部に冷却水を
通すためのスリット14sがシリンダブロックの幅方向
(Y軸方向)に前記ウォータジャケット16と連通する
ように形成されている。なお、前記スリット14sは、
図2、図4に示されるように、シリンダブロックの幅方
向中央が最も深くなるように底面が円弧状に形成されて
いる。前記内壁14wの外側面14zには、図3、図4
に示されるように、各々のシリンダボア14b間及びそ
の近傍の位置に、デッキ面10dからスリット14sの
底面レベルまで到達する切欠き17が形成されており、
その切欠き17の下端面である段差部17dが前記スリ
ット14sの底面14jと連続するようになっている。
同様に、外壁13の内側面13zにも、前記内壁14w
の切欠き17に対向する位置に切欠き17と段差部17
dとが形成されている。
【0011】そして、図5に示されるように、前記内壁
14wの切欠き17及び外壁13の切欠き17よりも下
方に連結ピース18が挿入されて、その連結ピース18
の上面18uが前記切欠き17の段差部17dに連続す
るように位置決めされる。ここで、前記連結ピース18
は、前記ウォータジャケット16の平面形状に倣うよう
に平面略矢羽根形をした板材であり(図3参照)、X軸
方向における幅は、各々のシリンダボア14b間の肉厚
14t以下の設定されている。また、連結ピース18の
厚みは、実働時にその連結ピース18に加わる応力に耐
えられるだけの強度を有する厚みに設定されている。な
お、前記連結ピース18の側面のうち、内壁14wの外
側面14z及び外壁13の内側面13zと面接触する面
が溶接面18zとなる。
14wの切欠き17及び外壁13の切欠き17よりも下
方に連結ピース18が挿入されて、その連結ピース18
の上面18uが前記切欠き17の段差部17dに連続す
るように位置決めされる。ここで、前記連結ピース18
は、前記ウォータジャケット16の平面形状に倣うよう
に平面略矢羽根形をした板材であり(図3参照)、X軸
方向における幅は、各々のシリンダボア14b間の肉厚
14t以下の設定されている。また、連結ピース18の
厚みは、実働時にその連結ピース18に加わる応力に耐
えられるだけの強度を有する厚みに設定されている。な
お、前記連結ピース18の側面のうち、内壁14wの外
側面14z及び外壁13の内側面13zと面接触する面
が溶接面18zとなる。
【0012】前記連結ピース18が予めきめられた位置
に位置決めされると、次に、図5に示されるように連結
ピース18の溶接面18zと内壁14wの外側面14z
との面接触部分、及び連結ピース18の溶接面18zと
外壁13の内側面13zとの面接触部分に、その溶接面
18zと平行方向からレーザビームBeが照射されて溶
接が行われる。ここで、前記切欠き17に設けられた段
差部17dの幅Lは、連結ピース18より上側で内壁1
4wの外側面14z及び外壁13の内側面13zがレー
ザビームBeの最外周ラインKと干渉しないような値に
設定される。また、前記段差部17dの長さは、図3に
示されるように、連結ピース18の溶接部分の長さより
も両側にほぼ寸法Lだけ余裕ができる長さに設定されて
いる。図6は、段差部17dの幅を狭くした分だけ切欠
き17の側面に傾斜を持たせ、レーザビームBeの最外
周ラインKと干渉しないようにした例を表している。こ
のようにして、前記内壁14wと外壁13とがシリンダ
ボア14b間の位置で連結ピース18によって連結され
る。
に位置決めされると、次に、図5に示されるように連結
ピース18の溶接面18zと内壁14wの外側面14z
との面接触部分、及び連結ピース18の溶接面18zと
外壁13の内側面13zとの面接触部分に、その溶接面
18zと平行方向からレーザビームBeが照射されて溶
接が行われる。ここで、前記切欠き17に設けられた段
差部17dの幅Lは、連結ピース18より上側で内壁1
4wの外側面14z及び外壁13の内側面13zがレー
ザビームBeの最外周ラインKと干渉しないような値に
設定される。また、前記段差部17dの長さは、図3に
示されるように、連結ピース18の溶接部分の長さより
も両側にほぼ寸法Lだけ余裕ができる長さに設定されて
いる。図6は、段差部17dの幅を狭くした分だけ切欠
き17の側面に傾斜を持たせ、レーザビームBeの最外
周ラインKと干渉しないようにした例を表している。こ
のようにして、前記内壁14wと外壁13とがシリンダ
ボア14b間の位置で連結ピース18によって連結され
る。
【0013】次に、本実施例に係るシリンダブロック1
0の製造方法の説明を行う。先ず、前述の直列四気筒タ
イプのオープンデッキ型シリンダブロック本体が鋳造に
より成形される。次に、図3、図4に示されるように、
シリンダボア14b間に位置する内壁14wの上端部に
冷却水を通すためのスリット14sが加工され、さら
に、ウォータジャケット16の両側壁面、即ち,内壁1
4wの外側面14zと外壁13の内側面13zには前述
の切欠き17が形成される。この状態で、予め加工され
ている連結ピース18がデッキ面10d側からウォータ
ジャケット16内に挿入されて、図1に示されるよう
に、各々のシリンダボア14b間の内壁14wと、それ
に対向する外壁13との間に位置決めされる。さらに、
図4、図5に示されるように、その連結ピース18の上
面18uが切欠き17に設けられた段差部17dに連続
するように位置合わせが行われる。ここで、前記切欠き
17の段差部17dは、スリット14sの底面とほぼ等
しい高さに形成されるために、その段差部17dと上面
18uが連続している連結ピース18は前記スリット1
4sよりも下に位置決めされることになる。この結果、
その連結ピース18がスリット14sを通過する冷却水
の流れを妨げることがなくなる。
0の製造方法の説明を行う。先ず、前述の直列四気筒タ
イプのオープンデッキ型シリンダブロック本体が鋳造に
より成形される。次に、図3、図4に示されるように、
シリンダボア14b間に位置する内壁14wの上端部に
冷却水を通すためのスリット14sが加工され、さら
に、ウォータジャケット16の両側壁面、即ち,内壁1
4wの外側面14zと外壁13の内側面13zには前述
の切欠き17が形成される。この状態で、予め加工され
ている連結ピース18がデッキ面10d側からウォータ
ジャケット16内に挿入されて、図1に示されるよう
に、各々のシリンダボア14b間の内壁14wと、それ
に対向する外壁13との間に位置決めされる。さらに、
図4、図5に示されるように、その連結ピース18の上
面18uが切欠き17に設けられた段差部17dに連続
するように位置合わせが行われる。ここで、前記切欠き
17の段差部17dは、スリット14sの底面とほぼ等
しい高さに形成されるために、その段差部17dと上面
18uが連続している連結ピース18は前記スリット1
4sよりも下に位置決めされることになる。この結果、
その連結ピース18がスリット14sを通過する冷却水
の流れを妨げることがなくなる。
【0014】このようにして、前記連結ピース18が所
定位置に位置決めされると、図5に示されるように、連
結ピース18の溶接面18zと内壁14wの外側面14
zとの面接触部分、及び連結ピース18の溶接面18z
と外壁13の内側面13zとの面接触部分に、その溶接
面18zと平行方向からレーザビームBeが照射されて
溶接が行われる。この結果、連結ピース18と内壁14
w及び外壁13の面接触部分に沿って深部まで溶接さ
れ、シリンダボア14bを画成する内壁14wの上部は
連結ピース18によって外壁13に連結される。これに
よって、シリンダブロック10の剛性が向上する。この
ように、本実施例に係るエンジンのシリンダブロック1
0及びその製造方法によると、連結ピース18はシリン
ダボア14b間の位置のみで内壁14wと外壁13とを
連結している。この連結位置によると、周方向の熱膨張
特性がオープンデッキ型シリンダブロックの熱膨張特性
に近づくことになる。このため、シリンダボア14bの
真円度の悪化を抑制することができる。さらに、前記シ
リンダボア14bを画成する内壁14wが連結ピース1
8により外壁13に連結されているために、シリンダブ
ロック10の剛性も確保される。即ち、真円度の低下の
程度を低く抑えつつ、効果的に剛性を高めることができ
る。
定位置に位置決めされると、図5に示されるように、連
結ピース18の溶接面18zと内壁14wの外側面14
zとの面接触部分、及び連結ピース18の溶接面18z
と外壁13の内側面13zとの面接触部分に、その溶接
面18zと平行方向からレーザビームBeが照射されて
溶接が行われる。この結果、連結ピース18と内壁14
w及び外壁13の面接触部分に沿って深部まで溶接さ
れ、シリンダボア14bを画成する内壁14wの上部は
連結ピース18によって外壁13に連結される。これに
よって、シリンダブロック10の剛性が向上する。この
ように、本実施例に係るエンジンのシリンダブロック1
0及びその製造方法によると、連結ピース18はシリン
ダボア14b間の位置のみで内壁14wと外壁13とを
連結している。この連結位置によると、周方向の熱膨張
特性がオープンデッキ型シリンダブロックの熱膨張特性
に近づくことになる。このため、シリンダボア14bの
真円度の悪化を抑制することができる。さらに、前記シ
リンダボア14bを画成する内壁14wが連結ピース1
8により外壁13に連結されているために、シリンダブ
ロック10の剛性も確保される。即ち、真円度の低下の
程度を低く抑えつつ、効果的に剛性を高めることができ
る。
【0015】図7は、本実施例に係るシリンダブロック
10とオープンデッキ型シリンダブロック及びクローズ
ドデッキ型シリンダブロックの実働時(回転数5200rpm
、スロットルバルブ全開)のボアの真円度(上端から2
0mmの位置)を比較したグラフである。前記真円度は有
限要素法(FEM)を用いて変形次数列別に解析したデ
ータを使用している。ここで、本実施例に係るシリンダ
ブロック10では連結ピース18はシリンダ14の上端
から20mmの位置に固定されており、また、連結ピース1
8の厚みは8mm 、幅は8.5 mmに設定されている。なお、
比較例として示したクローズドデッキ型シリンダブロッ
クでは、連結ピースは、図15及び図16に示される位
置に固定されている。これらのグラフから明らかなよう
に、実働時には、本実施例に係るシリンダブロック10
のシリンダボア14bの真円度は、オープンデッキ型シ
リンダブロックのシリンダボアの真円度とほぼ等しくな
り、真円度の悪化が抑制される。
10とオープンデッキ型シリンダブロック及びクローズ
ドデッキ型シリンダブロックの実働時(回転数5200rpm
、スロットルバルブ全開)のボアの真円度(上端から2
0mmの位置)を比較したグラフである。前記真円度は有
限要素法(FEM)を用いて変形次数列別に解析したデ
ータを使用している。ここで、本実施例に係るシリンダ
ブロック10では連結ピース18はシリンダ14の上端
から20mmの位置に固定されており、また、連結ピース1
8の厚みは8mm 、幅は8.5 mmに設定されている。なお、
比較例として示したクローズドデッキ型シリンダブロッ
クでは、連結ピースは、図15及び図16に示される位
置に固定されている。これらのグラフから明らかなよう
に、実働時には、本実施例に係るシリンダブロック10
のシリンダボア14bの真円度は、オープンデッキ型シ
リンダブロックのシリンダボアの真円度とほぼ等しくな
り、真円度の悪化が抑制される。
【0016】図8は、本実施例に係るシリンダブロック
10とオープンデッキ型シリンダブロックおよびクロー
ズドデッキ型シリンダブロックの剛性を比較したグラフ
である。ここで、剛性は、有限要素法(FEM)を用い
て解析したデータを使用している。このグラフから明ら
かなように、本実施例に係るシリンダブロック10の剛
性は、クローズドデッキ型シリンダブロックの剛性に近
づくことが分かる。また、図9は、本実施例に係るシリ
ンダブロック10において使用された連結ピース18の
幅とシリンダボア14bの真円度との関係を表したグラ
フである。このグラフから明らかなように、連結ピース
18の幅がシリンダボア14b間の肉厚14tの二倍よ
りも大きくなると、シリンダボア14bの真円度が徐々
に悪化することが分かる。本実施例に係るシリンダブロ
ック10では、連結ピース18の幅は、シリンダボア1
4b間の肉厚14tよりも小さく設定されているため、
連結ピース18がシリンダボア14bの真円度に悪影響
を与えることはほとんどない。
10とオープンデッキ型シリンダブロックおよびクロー
ズドデッキ型シリンダブロックの剛性を比較したグラフ
である。ここで、剛性は、有限要素法(FEM)を用い
て解析したデータを使用している。このグラフから明ら
かなように、本実施例に係るシリンダブロック10の剛
性は、クローズドデッキ型シリンダブロックの剛性に近
づくことが分かる。また、図9は、本実施例に係るシリ
ンダブロック10において使用された連結ピース18の
幅とシリンダボア14bの真円度との関係を表したグラ
フである。このグラフから明らかなように、連結ピース
18の幅がシリンダボア14b間の肉厚14tの二倍よ
りも大きくなると、シリンダボア14bの真円度が徐々
に悪化することが分かる。本実施例に係るシリンダブロ
ック10では、連結ピース18の幅は、シリンダボア1
4b間の肉厚14tよりも小さく設定されているため、
連結ピース18がシリンダボア14bの真円度に悪影響
を与えることはほとんどない。
【0017】さらに、ウォータジャケット16の側壁
面、即ち、内壁14wの外側面14z及び外壁13の内
側面13zには、スリット14sの底面とほぼ等しい高
さの段差部17dを有する切欠き17が形成されてお
り、前記連結ピース18はその上面18uが前記段差部
17dとほぼ連続するように位置決される。このため、
連結ピース18がスリット14sよりも下、即ち、ウォ
ータジャケット16の奥に位置決めされたとしても、デ
ッキ面10d側から連結ピース18の溶接面18zと内
壁14wの外側面14z及び外壁13の内側面13zと
の面接触部分が容易に確認できる。したがって、シリン
ダブロック10のデッキ面10dの真上から前記溶接面
18zと平行にレーザ溶接が行えるようになり、面接触
部分の深部まで溶接が可能になる。ここで、本実施例で
は、各シリンダ14間にスリット14sを設け、さら
に、ウォータジャケット16の側壁面に切欠き17を設
けて、その段差部17dに連結ピース18の上面を合わ
せる最も好ましい例を示しているが、これに限定される
わけではなく、前記スリット14sや切欠き17がなく
ても本発明が成立することは言うまでもない。
面、即ち、内壁14wの外側面14z及び外壁13の内
側面13zには、スリット14sの底面とほぼ等しい高
さの段差部17dを有する切欠き17が形成されてお
り、前記連結ピース18はその上面18uが前記段差部
17dとほぼ連続するように位置決される。このため、
連結ピース18がスリット14sよりも下、即ち、ウォ
ータジャケット16の奥に位置決めされたとしても、デ
ッキ面10d側から連結ピース18の溶接面18zと内
壁14wの外側面14z及び外壁13の内側面13zと
の面接触部分が容易に確認できる。したがって、シリン
ダブロック10のデッキ面10dの真上から前記溶接面
18zと平行にレーザ溶接が行えるようになり、面接触
部分の深部まで溶接が可能になる。ここで、本実施例で
は、各シリンダ14間にスリット14sを設け、さら
に、ウォータジャケット16の側壁面に切欠き17を設
けて、その段差部17dに連結ピース18の上面を合わ
せる最も好ましい例を示しているが、これに限定される
わけではなく、前記スリット14sや切欠き17がなく
ても本発明が成立することは言うまでもない。
【0018】〔第2実施例〕以下、図10、図11に基
づいて本発明の第2実施例の説明を行う。ここで、図1
0は、本実施例に係るエンジンのシリンダブロック20
の要部平面図、図11は、図10のXI-XI 矢視図であ
る。前記シリンダブロック20は、第1実施例で使用さ
れた連結ピース28の両端部、即ち、溶接部分の平面形
状を曲線形状から直線のみからなる形状に変更するとと
もに、この連結ピース28の形状に合わせて、ウォータ
ジャケット26の側壁面、即ち、内壁24wの外側面2
4zと外壁23の内側面23zの形状を変更したもので
ある。また、前記連結ピース28の上面28uが切欠き
27の段差部27dと連続するように、内壁24wの外
側面24zと外壁23の内側面23zにその連結ピース
28を下から支える支持部29を設けたものである。
づいて本発明の第2実施例の説明を行う。ここで、図1
0は、本実施例に係るエンジンのシリンダブロック20
の要部平面図、図11は、図10のXI-XI 矢視図であ
る。前記シリンダブロック20は、第1実施例で使用さ
れた連結ピース28の両端部、即ち、溶接部分の平面形
状を曲線形状から直線のみからなる形状に変更するとと
もに、この連結ピース28の形状に合わせて、ウォータ
ジャケット26の側壁面、即ち、内壁24wの外側面2
4zと外壁23の内側面23zの形状を変更したもので
ある。また、前記連結ピース28の上面28uが切欠き
27の段差部27dと連続するように、内壁24wの外
側面24zと外壁23の内側面23zにその連結ピース
28を下から支える支持部29を設けたものである。
【0019】これによって、連結ピース28の両端面の
加工が容易になり、さらに、面精度も向上する。また、
連結ピース28と内壁24wの溶接線及び連結ピース2
8と外壁23の溶接線が直線となるために、溶接も行い
易くなる。さらに、連結ピース28は支持部29によっ
て下方から支持されるために、連結ピース28の上面2
8uを切欠き27の段差部27dと連続させる際の位置
合わせが容易になる。また、前記支持部29があること
により、溶接の際の溶融金属がウォータジャケット26
の内部に落下し難くなる。
加工が容易になり、さらに、面精度も向上する。また、
連結ピース28と内壁24wの溶接線及び連結ピース2
8と外壁23の溶接線が直線となるために、溶接も行い
易くなる。さらに、連結ピース28は支持部29によっ
て下方から支持されるために、連結ピース28の上面2
8uを切欠き27の段差部27dと連続させる際の位置
合わせが容易になる。また、前記支持部29があること
により、溶接の際の溶融金属がウォータジャケット26
の内部に落下し難くなる。
【0020】上記したように第1実施例、第2実施例は
下記の特徴を備えている。 1) シリンダボアの並び方向における連結ピースの幅
は、シリンダボア間の肉厚よりも小さい。 2) 内壁の外側面および外壁の内側面には、連結ピー
スの上面とほぼ連続する面を備える段差が形成されてい
る。 3) 内壁の外側面および外壁の内側面には、前記段差
の下方に連結ピースを下から支える支持部が形成されて
いる。 4) シリンダボア間で内壁が共用されているオープン
デッキ型シリンダブロックを成形する工程と、そのシリ
ンダブロックに形成されているウォータジャケット内
に、デッキ面側から連結ピースを挿入し、その連結ピー
スを外壁とシリンダボア間に位置する内壁との間に位置
決めする工程と、位置決めされた前記連結ピースの両端
面を前記外壁の内側面と内壁の外側面とにビーム溶接す
る工程とを有している。 5) 前記外壁の内側面と内壁の外側面とに上面を備え
る段差を形成する工程と、前記ウォータジャケット内に
デッキ面側から連結ピースを挿入して、その連結ピース
の上面が前記段差の上面と連続する位置で位置決めする
工程とを有している。 6) 前記連結ピースと内壁及び外壁との接続部分の平
面形状は、直線を組み合わせた形状からなる。
下記の特徴を備えている。 1) シリンダボアの並び方向における連結ピースの幅
は、シリンダボア間の肉厚よりも小さい。 2) 内壁の外側面および外壁の内側面には、連結ピー
スの上面とほぼ連続する面を備える段差が形成されてい
る。 3) 内壁の外側面および外壁の内側面には、前記段差
の下方に連結ピースを下から支える支持部が形成されて
いる。 4) シリンダボア間で内壁が共用されているオープン
デッキ型シリンダブロックを成形する工程と、そのシリ
ンダブロックに形成されているウォータジャケット内
に、デッキ面側から連結ピースを挿入し、その連結ピー
スを外壁とシリンダボア間に位置する内壁との間に位置
決めする工程と、位置決めされた前記連結ピースの両端
面を前記外壁の内側面と内壁の外側面とにビーム溶接す
る工程とを有している。 5) 前記外壁の内側面と内壁の外側面とに上面を備え
る段差を形成する工程と、前記ウォータジャケット内に
デッキ面側から連結ピースを挿入して、その連結ピース
の上面が前記段差の上面と連続する位置で位置決めする
工程とを有している。 6) 前記連結ピースと内壁及び外壁との接続部分の平
面形状は、直線を組み合わせた形状からなる。
【0021】〔第3実施例〕次に、図12〜図14に基
づいて本発明の第3実施例の説明を行う。ここで、図1
2は、本実施例に係るエンジンのシリンダブロック30
の要部詳細図(図14のXII 部詳細図)、図13は、前
記エンジンのシリンダブロック30の要部平面図、図1
4は、図13のXIV-XIV 矢視図である。本実施例では、
シリンダボア34bを画成する内壁34wとシリンダブ
ロック30の外壁33との連結に使用される連結ピース
38の形状を変更し、さらに、レーザービームBeを照
射する方法を改良することにより、第1実施例、第2実
施例において必要とされた内壁及び外壁の切欠き17,
27を不要にしている。
づいて本発明の第3実施例の説明を行う。ここで、図1
2は、本実施例に係るエンジンのシリンダブロック30
の要部詳細図(図14のXII 部詳細図)、図13は、前
記エンジンのシリンダブロック30の要部平面図、図1
4は、図13のXIV-XIV 矢視図である。本実施例では、
シリンダボア34bを画成する内壁34wとシリンダブ
ロック30の外壁33との連結に使用される連結ピース
38の形状を変更し、さらに、レーザービームBeを照
射する方法を改良することにより、第1実施例、第2実
施例において必要とされた内壁及び外壁の切欠き17,
27を不要にしている。
【0022】前記連結ピース38は、図13に示される
ように、ウォータジャケット36の平面形状に倣うよう
に平面略矢羽根形をした板材であり、X軸方向における
幅Fは各々のシリンダボア34b間の肉厚Eの二倍に設
定されている。さらに、連結ピース38の厚みは、実働
時にその連結ピース38に加わる応力に耐えられるだけ
の強度を有する厚みに設定されている。また、前記内壁
34wの外側面34z及び外壁33の内側面33zに溶
接される連結ピース38の側面38z(以下、溶接面3
8zという)は、図12(B)に示されるように、所定
角度αで傾斜している。さらに、連結ピース38のY軸
方向の長さはウォータジャケット36の幅よりも寸法2
Gだけ短く製作されている。
ように、ウォータジャケット36の平面形状に倣うよう
に平面略矢羽根形をした板材であり、X軸方向における
幅Fは各々のシリンダボア34b間の肉厚Eの二倍に設
定されている。さらに、連結ピース38の厚みは、実働
時にその連結ピース38に加わる応力に耐えられるだけ
の強度を有する厚みに設定されている。また、前記内壁
34wの外側面34z及び外壁33の内側面33zに溶
接される連結ピース38の側面38z(以下、溶接面3
8zという)は、図12(B)に示されるように、所定
角度αで傾斜している。さらに、連結ピース38のY軸
方向の長さはウォータジャケット36の幅よりも寸法2
Gだけ短く製作されている。
【0023】一方、内壁34wの外側面34z及び外壁
33の内側面33zはZ軸に平行に成形されており、さ
らに、スリット34sのレベルよりも下方には、図14
に示されるように、連結ピース38を水平に位置決めす
るための段差33d,34dが形成されている。そし
て、その連結ピース38が前記段差33d,34d上に
セットされた状態で、連結ピース38の上面38uはス
リット34sの底面34jの端部とほぼ等しい高さにな
る。また、連結ピース38は、前述のように、ウォータ
ジャケット36の幅よりも寸法2Gだけ短く製作されて
いるため、前記段差33d,34d上にセットされた状
態で、図12(A)に示されるように、連結ピース38
の最端部Mと内壁34wの外側面34z及び外壁33の
内側面33zとの間には寸法Gの余裕が生じる。さら
に、連結ピース38の溶接面38zは所定角度αで傾斜
しているため、その溶接面38zと内壁34wの外側面
34z及び外壁33の内側面33zとのなす角は所定角
度αとなる。ここで、前記内壁34wの外側面34z及
び外壁33の内側面33zはZ軸に平行であるため、連
結ピース38の溶接面38zはZ軸に対して角度αだけ
傾斜することになる。
33の内側面33zはZ軸に平行に成形されており、さ
らに、スリット34sのレベルよりも下方には、図14
に示されるように、連結ピース38を水平に位置決めす
るための段差33d,34dが形成されている。そし
て、その連結ピース38が前記段差33d,34d上に
セットされた状態で、連結ピース38の上面38uはス
リット34sの底面34jの端部とほぼ等しい高さにな
る。また、連結ピース38は、前述のように、ウォータ
ジャケット36の幅よりも寸法2Gだけ短く製作されて
いるため、前記段差33d,34d上にセットされた状
態で、図12(A)に示されるように、連結ピース38
の最端部Mと内壁34wの外側面34z及び外壁33の
内側面33zとの間には寸法Gの余裕が生じる。さら
に、連結ピース38の溶接面38zは所定角度αで傾斜
しているため、その溶接面38zと内壁34wの外側面
34z及び外壁33の内側面33zとのなす角は所定角
度αとなる。ここで、前記内壁34wの外側面34z及
び外壁33の内側面33zはZ軸に平行であるため、連
結ピース38の溶接面38zはZ軸に対して角度αだけ
傾斜することになる。
【0024】前記連結ピース38が内壁34wと外壁3
3との間に挿入されて、段差33d,34d上にセット
されると、連結ピース38と内壁34wとの接触部分の
うち連結ピース38の最端部Mを狙って、図12(A)
に示されるように、レーザービームBeが照射される。
ここで、前記レーザービームBeは、連結ピース38の
溶接面38zと内壁34wの外側面34zとによって形
成される空間を通して連結ピース38の最端部Mに照射
される。このため、レーザービームBeが空間のほぼ中
央を通過するように、レーザー照射角はZ軸に対して角
度 0.5αに設定されている(図12(B)参照)。ま
た、レーザービームBeが連結ピース38の溶接面38
z及び内壁34wの外側面34zに干渉しないように、
レーザービームBeの広がり角βは角度αよりは小さく
設定される。
3との間に挿入されて、段差33d,34d上にセット
されると、連結ピース38と内壁34wとの接触部分の
うち連結ピース38の最端部Mを狙って、図12(A)
に示されるように、レーザービームBeが照射される。
ここで、前記レーザービームBeは、連結ピース38の
溶接面38zと内壁34wの外側面34zとによって形
成される空間を通して連結ピース38の最端部Mに照射
される。このため、レーザービームBeが空間のほぼ中
央を通過するように、レーザー照射角はZ軸に対して角
度 0.5αに設定されている(図12(B)参照)。ま
た、レーザービームBeが連結ピース38の溶接面38
z及び内壁34wの外側面34zに干渉しないように、
レーザービームBeの広がり角βは角度αよりは小さく
設定される。
【0025】一般的に、レーザービームBeの最外周ラ
インKと内壁34wの外側面34zの最上部との距離は
Pに、また、レーザービームBeの最外周ラインKと連
結ピース38の溶接面38zの最上部との距離はQに設
定される。そして、レーザービームBeの照射と同期し
てそのレーザービームBeの照射部位に連結ピース38
と等しい材質の線材(図示されていない)が供給され
る。これによって、線材が溶かされて連結ピース38と
内壁34wとの間の空間が埋められ、連結ピース38と
内壁34wとが溶接される。なお、前記連結ピース38
と外壁33との間の溶接も上記した方法と同様な方法で
実施される。
インKと内壁34wの外側面34zの最上部との距離は
Pに、また、レーザービームBeの最外周ラインKと連
結ピース38の溶接面38zの最上部との距離はQに設
定される。そして、レーザービームBeの照射と同期し
てそのレーザービームBeの照射部位に連結ピース38
と等しい材質の線材(図示されていない)が供給され
る。これによって、線材が溶かされて連結ピース38と
内壁34wとの間の空間が埋められ、連結ピース38と
内壁34wとが溶接される。なお、前記連結ピース38
と外壁33との間の溶接も上記した方法と同様な方法で
実施される。
【0026】このように本実施例によると、レーザービ
ームBeが内壁34wの外側面34z及び外壁33の内
側面33zに対して斜めに照射されため、レーザービー
ムBeの最外周ラインKが内壁34wの外側面34z及
び外壁33の内側面33zと干渉することがなくなる。
このため、第1、第2実施例のように、内壁及び外壁に
切欠き17,27を形成する必要がなくなり、前記切欠
き17,27の厚み分だけ内壁34w及び外壁33の厚
みを小さくすることができる。即ち、エンジンのシリン
ダブロック30をコンパクトに製造することが可能にな
る。また、連結ピース38の幅Fは各々のシリンダボア
34b間の肉厚Eの二倍に設定されているために、X軸
方向、ねじり方向の剛性が第1、第2実施例に記載され
たエンジンのシリンダブロックよりも向上している。な
お、連結ピース38の幅Fが前記肉厚Eの二倍に設定さ
れた場合におけるシリンダボア34bの真円度は、連結
ピース38の幅Fが前記肉厚Eに等しい場合の真円度か
らほとんど低下することはない。
ームBeが内壁34wの外側面34z及び外壁33の内
側面33zに対して斜めに照射されため、レーザービー
ムBeの最外周ラインKが内壁34wの外側面34z及
び外壁33の内側面33zと干渉することがなくなる。
このため、第1、第2実施例のように、内壁及び外壁に
切欠き17,27を形成する必要がなくなり、前記切欠
き17,27の厚み分だけ内壁34w及び外壁33の厚
みを小さくすることができる。即ち、エンジンのシリン
ダブロック30をコンパクトに製造することが可能にな
る。また、連結ピース38の幅Fは各々のシリンダボア
34b間の肉厚Eの二倍に設定されているために、X軸
方向、ねじり方向の剛性が第1、第2実施例に記載され
たエンジンのシリンダブロックよりも向上している。な
お、連結ピース38の幅Fが前記肉厚Eの二倍に設定さ
れた場合におけるシリンダボア34bの真円度は、連結
ピース38の幅Fが前記肉厚Eに等しい場合の真円度か
らほとんど低下することはない。
【0027】ここで、本実施例においては、溶接面38
zが所定角度αで傾斜している連結ピース38を使用し
て、レーザービームBeをその連結ピース38と内壁3
4w及び外壁33との空間を通して照射する例を説明し
た。しかしながら、この方法に限定されるわけではな
く、連結ピース38の溶接面38zを垂直に成形し、そ
の溶接面38zが内壁34wの外側面34z等に面接触
している状態で、レーザービームBeを予め決められた
レーザー照射角(例えば、図12における 0.5α)で所
定部位(例えば、図12における部位M)を狙って照射
する方法でも可能である。この方法によると、レーザー
ビームBeの出力をアップする必要があるが、レーザー
ビームBeの照射と同期して照射部位に線材を供給する
必要がなくなる。
zが所定角度αで傾斜している連結ピース38を使用し
て、レーザービームBeをその連結ピース38と内壁3
4w及び外壁33との空間を通して照射する例を説明し
た。しかしながら、この方法に限定されるわけではな
く、連結ピース38の溶接面38zを垂直に成形し、そ
の溶接面38zが内壁34wの外側面34z等に面接触
している状態で、レーザービームBeを予め決められた
レーザー照射角(例えば、図12における 0.5α)で所
定部位(例えば、図12における部位M)を狙って照射
する方法でも可能である。この方法によると、レーザー
ビームBeの出力をアップする必要があるが、レーザー
ビームBeの照射と同期して照射部位に線材を供給する
必要がなくなる。
【0028】また、本実施例においては、段差33d,
34dを使用して連結ピース38を内壁34wと外壁3
3の間の所定位置に位置決めする例を示したが、この方
法に限定されるわけではなく、連結ピース38の長さを
ウォータジャケット36の幅よりも若干長く製作して内
壁34wと外壁33の間の所定位置まで圧入する方法で
も可能である。これによって、連結ピース38を位置決
めするための前記段差33d,34dが必要なくなる。
さらに、本実施例では、連結ピース38と内壁34w、
及び連結ピース38と外壁33とを同じ方法で溶接する
例を示したが、一方を本実施例に示す方法で、他方を第
1、第2実施例に示す切欠き17,27を使用する方法
で溶接することも可能であることは言うまでもない。
34dを使用して連結ピース38を内壁34wと外壁3
3の間の所定位置に位置決めする例を示したが、この方
法に限定されるわけではなく、連結ピース38の長さを
ウォータジャケット36の幅よりも若干長く製作して内
壁34wと外壁33の間の所定位置まで圧入する方法で
も可能である。これによって、連結ピース38を位置決
めするための前記段差33d,34dが必要なくなる。
さらに、本実施例では、連結ピース38と内壁34w、
及び連結ピース38と外壁33とを同じ方法で溶接する
例を示したが、一方を本実施例に示す方法で、他方を第
1、第2実施例に示す切欠き17,27を使用する方法
で溶接することも可能であることは言うまでもない。
【図1】本発明の第1実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロックの全体平面図である。
ブロックの全体平面図である。
【図2】図1のII-II 矢視図である。
【図3】図1の要部平面図である。
【図4】図3のIV-IV 矢視図である。
【図5】連結ピースと内壁の外側面、及び外壁の内側面
とを溶接する様子を表す断面図である。
とを溶接する様子を表す断面図である。
【図6】連結ピースと内壁の外側面、及び外壁の内側面
とを溶接する様子を表す断面図である。
とを溶接する様子を表す断面図である。
【図7】本発明の第1実施例に係るシリンダブロックと
オープンデッキ型シリンダブロックおよびクローズドデ
ッキ型シリンダブロックの実働時におけるボアの真円度
を比較したグラフである。
オープンデッキ型シリンダブロックおよびクローズドデ
ッキ型シリンダブロックの実働時におけるボアの真円度
を比較したグラフである。
【図8】本発明の第1実施例に係るシリンダブロックと
オープンデッキ型シリンダブロックおよびクローズドデ
ッキ型シリンダブロックの剛性を比較したグラフであ
る。
オープンデッキ型シリンダブロックおよびクローズドデ
ッキ型シリンダブロックの剛性を比較したグラフであ
る。
【図9】連結ピースの幅とボアの真円度の関係を表した
グラフである。
グラフである。
【図10】本発明の第2実施例に係るエンジンのシリン
ダブロックの要部平面図である。
ダブロックの要部平面図である。
【図11】図10のXI-XI 矢視図である。
【図12】本発明の第3実施例に係るエンジンのシリン
ダブロックの要部詳細図である。
ダブロックの要部詳細図である。
【図13】本発明の第3実施例に係るエンジンのシリン
ダブロックの要部平面図である。
ダブロックの要部平面図である。
【図14】図13のXIV-XIV 矢視図である。
【図15】従来のエンジンのシリンダブロックの要部平
面図である。
面図である。
【図16】図15のXIII-XIII 矢視図である。
10 シリンダブロック 10d デッキ面 13 外壁 13z 外壁の内側面 14 シリンダ 14b シリンダボア 14w 内壁 14z 内壁の外側面 14t シリンダボア間の肉厚 14s スリット 16 ウォータジャケット 17 切欠き 17d 段差部(下端面) 18 連結ピース 29 支持部 38 連結ピース 33 外壁 34w 内壁 Be レーザービーム(高エネルギービーム)
フロントページの続き (72)発明者 安部 静生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 阿部 和佳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 シリンダボアを画成する内壁の回りにウ
ォータジャケットが形成されており、そのウォータジャ
ケットがデッキ面で連続していて前記ウォータジャケッ
トの外側を画成する外壁と前記内壁とがデッキ面で分離
されており、隣接するシリンダボア間で前記内壁が共有
されている複数気筒用のシリンダブロック本体におい
て、 隣接するシリンダボア間の位置のみで前記内壁と外壁と
が連結ピースで連結されていることを特徴とするエンジ
ンのシリンダブロック。 - 【請求項2】 請求項1に記載のエンジンのシリンダブ
ロックにおいて、 隣接するシリンダボア間の内壁のデッキ面側端面に、前
記ウォータジャケットに連通するスリットが形成されて
おり、 前記スリットの底面よりも下方で前記連結ピースが前記
内壁と外壁とを連結していることを特徴とするエンジン
のシリンダブロック。 - 【請求項3】 請求項2に記載のエンジンのシリンダブ
ロックの製造方法であり、 連結ピースが接続される内壁の外側面、及び/又は、外
壁の内側面に、前記連結ピースの幅よりも広い範囲で、
デッキ面からスリットの底面レベル、あるいはそれより
下のレベルまで到達する切欠きを形成する工程と、 前記連結ピースを前記内壁と外壁との間に挿入し、その
連結ピースの上面が前記切欠きの下端面とほぼ連続する
位置に位置決めする工程と、 位置決めされた連結ピースの溶接面が前記切欠きの下に
位置する内壁の外側面、及び/又は、外壁の内側面と面
接触する部位に、前記溶接面と平行方向から前記切欠き
を通して高エネルギービームを照射し、前記連結ピース
を内壁、及び/又は、外壁に溶接する工程と、を有する
ことを特徴とするエンジンのシリンダブロックの製造方
法。 - 【請求項4】 請求項2に記載のエンジンのシリンダブ
ロックの製造方法であり、 前記連結ピースを前記内壁と外壁との間に挿入し、所定
位置に位置決めする工程と、 位置決めされた連結ピースと内壁、及び/又は、外壁と
の接触部分のうち所定部位を狙って、デッキ面側から内
壁、及び/又は、外壁に対して斜めに高エネルギービー
ムを照射し、前記連結ピースを内壁、及び/又は、外壁
に溶接する工程と、を有することを特徴とするエンジン
のシリンダブロックの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6281986A JPH07269410A (ja) | 1994-02-10 | 1994-11-16 | エンジンのシリンダブロック及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-16390 | 1994-02-10 | ||
JP1639094 | 1994-02-10 | ||
JP6281986A JPH07269410A (ja) | 1994-02-10 | 1994-11-16 | エンジンのシリンダブロック及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07269410A true JPH07269410A (ja) | 1995-10-17 |
Family
ID=26352732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6281986A Pending JPH07269410A (ja) | 1994-02-10 | 1994-11-16 | エンジンのシリンダブロック及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07269410A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0869270A3 (de) * | 1997-04-05 | 1999-05-26 | VAW mandl & berger GmbH | Zylinderkurbelgehäuse mit geschweissten Brücken |
JP2009121346A (ja) * | 2007-11-15 | 2009-06-04 | Ahresty Corp | セミクローズドデッキ型シリンダブロックを製造する方法及びセミクローズドデッキ型シリンダブロック |
US9533378B2 (en) | 2012-03-08 | 2017-01-03 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Laser welding method and engine cooling structure |
US10408160B2 (en) | 2013-10-16 | 2019-09-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Cylinder block and manufacturing method thereof |
JP2022145264A (ja) * | 2021-03-19 | 2022-10-03 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関 |
-
1994
- 1994-11-16 JP JP6281986A patent/JPH07269410A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0869270A3 (de) * | 1997-04-05 | 1999-05-26 | VAW mandl & berger GmbH | Zylinderkurbelgehäuse mit geschweissten Brücken |
JP2009121346A (ja) * | 2007-11-15 | 2009-06-04 | Ahresty Corp | セミクローズドデッキ型シリンダブロックを製造する方法及びセミクローズドデッキ型シリンダブロック |
US9533378B2 (en) | 2012-03-08 | 2017-01-03 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Laser welding method and engine cooling structure |
US10408160B2 (en) | 2013-10-16 | 2019-09-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Cylinder block and manufacturing method thereof |
JP2022145264A (ja) * | 2021-03-19 | 2022-10-03 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |