JP5783104B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
上述のように、数多くの電荷発生物質、結着樹脂など感光体材料が知られているが、その中から闇雲に高性能を有すると知られている材料を組み合わせて用いれば、優れた電子写真感光体特性を有し、かつ画像形成装置に使用した場合に、実際に所望する高画質な画像が得られる電子写真感光体を提供可能になるわけではない。特に近年、耐磨耗性の向上が望まれており、その一つの解決手段として、電荷輸送層に耐摩耗性に優れた結着樹脂を用いて、かつ電荷輸送物質の含有量を減少させ、結着樹脂の性能を極力損なわない手法がある。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は電気特性に優れ、かつ感光層の接着性も良好な電子写真感光体を提供すること、また該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ、および画像形成装置を提供することにある。
(1)導導電性支持体上に感光層を有し、該感光層が電荷発生物質と結着樹脂とを含む電子写真感光体において、該電荷発生物質が金属含有フタロシアニンであり、且つ、感光層中における電荷発生物質と同一層中に存在する結着樹脂の電荷発生物質に対する質量比が80wt%以上300wt%以下であり、且つ、該結着樹脂が、下記一般式[1]で表される部
分構造を有するポリエステルを含有することを特徴とする電子写真感光体(請求項1)。
を有するポリエステルを含有することを特徴とする(1)に記載の電子写真感光体(請求項2)。
(3)前記電荷輸送層がポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする(2)に記載の電子写真感光体(請求項3)。
以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真感光体(請求項4)。
(5)前記感光層中に下記一般式[2]で表されるポリアリレート樹脂が含有されること
を特徴とする(1)〜(2)に記載の電子写真感光体(請求項5)。
方は置換基を有するアリーレン基である。)
[電子写真感光体]
以下、本発明の電子写真感光体について詳述する。
本発明の電子写真感光体は、感光層に金属含有フタロシアニンと特定構造を有する結着樹脂を併用されることを必要とする。
金属含有フタロシアニンとは下記式[7]で示される、フタロシアニン環の中心に金属原子を含有する化合物である。
6°、24.1°、27.2°、または9.5°、9.7°、24.1°、27.2°に主たる回折ピークを有することが好ましく、分散時の安定性の面からは26.2°付近にはピークを有さないことが好ましい。上述したオキシチタニウムフタロシアニンのなかでも、7.3°、9.6°、11.6°、14.2°、18.0°、24.1°及び27.2°、又は7.3°、9.5°、9.7°、11.6°、14.2°、18.0°、24.2°及び27.2°に主たる回折ピークを有することがより好ましい。
本発明におけるCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルは以下の手法に基づき測定する。
粉末のX線回折スペクトルを測定するための測定装置は、CuKα線を線源とした集中光学系の粉末X線回折計であるPANalytical社製のPW1700を使用した。
測定条件は、X線出力40kV,30mA、走査範囲(2θ)3〜40°、スキャンステップ幅0.05°、走査速度3.0°/min、発散スリット1.0°、散乱スリット1.0°、受光スリット0.2mmとした。
該オキシチタニウムフタロシアニン結晶内においては、下記式[L]で表される塩素化オ
キシチタニウムフタロシアニンの割合が、下記式[M]で表される無置換オキシチタニウム
フタロシアニンに対して、マススペクトル強度比で、0.070以下であるものである。また、好ましくはマススペクトル強度比が0.060以下であり、より好ましくは0.055以下である。製造の際、非晶質化に乾式摩砕法を用いる場合は、0.02以上が好ましく、非晶質化にアシッドペースト法を用いる場合は、0.03以下が好ましい。塩素置換量は、特開2001−115054号公報の手法に基づいて測定する。
られ、より安定的なアモルファス、低結晶性オキシチタニウムフタロシアニンを得るにはアシッドペースト法がより好ましい。
シッドスラリー法より得られるオキシチタニウムフタロシアニンは明確な回折ピークを有さないアモルファスか、ピークは有するが、その強度が非常に弱く、半価幅の非常に大きいピークを有する低結晶性のものである。
アシッドスラリー法後に得られた含水ケーキをいったん乾燥させ、結晶変換時に新たに水を追加して用いても良いが、乾燥させてしまうと顔料と水との親和性が低下することから、乾燥させずにアシッドペースト法、アシッドスラリー法により得られた含水ケーキ中に含まれたものを用いて行うのが好ましい。
るブラッグ角( 2θ±0.2 °)28.1°に、主たる明瞭な回折ピークを有するものである。
また、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの粒径に制限は無いが、通常1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下である。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの塩素含有量にも制限は無いが、通常0.1重量% 以下であり、好ましくは塩素を実質上含ま
ないことが好ましい。
アシッドペースティング法により処理してペースト状の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る。この際、ハロゲン化ガリウムフタロシアニンとしては、例えば、クロロガリウムフタロシアニン、臭化ガリウムフタロシアニン、ヨウ化ガリウムフタロシアニンなどが使用できる。また、ハロゲン化ガリウムフタロシアニンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
アセトアミド、N − メチルホルムアミド、N − メチルアセトアミド、N − メチルプロピオアミド、ホルムアミド等のアミド系溶剤を分散剤として用いてミリング処理を行なうことにより、本発明の結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンが得られる。ハロゲン化ガリウムフタロシアニンの製造方法は任意であり、例えば、特開平6−93203号公報に記載されている方法によっても得られる。
前記の製造法では、凍結乾燥によって、含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンに含まれる水を昇華させることにより、目的とする結晶型を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンが得られるものと推察される。したがって、凍結乾燥の条件は水が昇華する条件である。例えば、含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを凍結させて、更に4Torr 以下
に減圧すれば、その後は室温でも昇華する。
前記の製造方法で使用できる装置の例を挙げると、金田理化製の凍結乾燥装置KFD−1に真空ポンプを接続したものを凍結乾燥に用いることができる。この装置では、水のトラップ部の温度を-20〜-110 ℃ の範囲で調整できる。この際、使用する真空ポンプの例
を挙げると、排気量100L/minで、到達真空度は10-4Torrのものを使用することができる。
感光体に用いる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために、適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸
化処理することにより形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100−300g/l、溶存アルミニウム濃度は2−15g/l、液温は15−30℃、電解電圧は10−20V、電流密度は0.5−2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3−6g/lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、25−40℃、好ましくは30−35℃で、また、フッ化ニッケル水溶液のpHは、4.5−6.5、好ましくは5.5−6.0の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることが出来る。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1−3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
下引き層に用いられる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒
子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素含む金属酸化物粒子が挙げられる。1種類の粒子のみを用いていてもよいし、複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。これらの金属粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることが出来る。また、複数の結晶状態のものが含有されていてもよい。
下引き層は、前記金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤などの公知の結着樹脂を用いることが出来る。これらは単独、もしくは硬化剤とともに硬化した形で使用できる。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。また、下引き層は、画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させ用いてもよい。
感光層は、上述の導電性支持体上に(前述の下引き層を設けた場合は下引き層上に)形成される。感光層は、電荷発生物質及び結着樹脂を含有する層であり、その形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質(本発明の電荷輸送物質を含む)とが同一層に存在し、それらがバインダー樹脂中に分散した単層構造のもの(以下適宜、「単層型感光層」という。)と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質(本発明の電荷輸送物質を含む)がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層を含む、二層以上の層からなる積層構造の機能分離型のもの(以下適宜、「積層型感光層」という)が挙げられるが、何れの形態であってもよい。
に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
本発明の電子写真感光体においての感光層は、下記一般式[1]で表される部分構造を有
するポリエステルを有する結着樹脂を含有し、結着樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に前記金属含有フタロシアニンを少なくとも1種含有する電荷発生物質を分散させることにより塗布液を調整し、これを導電性支持体上に塗布し、電荷発生物質の微粒子と各種バインダー樹脂とを結着することにより形成される。
感光層に用いられる結着樹脂は、前記一般式[1]で表される部分構造を有するポリエス
テルを含有する。原因は定かではないが、前記一般式[1]で表される部分構造を有するこ
とで、多層との分子間相互作用が強くなることにより接着性が改良すると考えられる。含有量としては、前記一般式[1]で表される部分構造のモル比が、通常10mol%以下、好まし
くは8mol%以下、更に好ましくは7mol%以下である。通常2mol%以上、好ましくは3mol%以
上、更に好ましくは3.5mol%以上である。該ポリエステルは、前記一般式[1]で表される部分構造単独の繰り返し単位で表される重合体として用いることができるが、他成分との共重合体であることが好ましい。他成分の種類としては、通常1〜10種、好ましくは3〜7種
、更に好ましくは4〜6種の成分からなる共重合体が好ましい。具体的には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トルエン-2,5-ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、エ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族ジオールが挙げられ、その中でもテレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールが好ましい。これらのモル比率としては、テレフタル酸(20〜35%)、イソフタル酸(10〜25%)、エチレングリコール(20〜35%)、ネオペンチルグリコール(10〜25%)が好ましい。更に、テレフタル酸/イソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/ヒドロキシピバル酸の組成で、モル比率が27%/19%/28%/19%/7%であることが好ましい。他成分のモル比率は特に制限はないが、分子量制御の観点からジオール成分が通常30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは45%以上である。また、同様に分子量制御の観点から通常70%以下、好ましくは60%以下、更に好ましくは55%以下である。
他成分の構造単位を例示する。以下の構造は本発明をより具体的にするために例示するものであり、本発明の概念を逸脱しない限りは下記構造に限定されるものではない。
[電荷発生層]
積層型感光層(機能分離型感光層)の電荷発生層は、金属含有フタロシアニンを含有すると共に、前記一般式[1]で表される部分構造を有するポリエステルを含む結着樹脂を含
有する。また、電荷発生層は、その他バインダー樹脂や必要に応じて使用されるその他の成分を含有する。このような電荷発生層は、例えば、電荷発生物質及びバインダー樹脂を溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)、また、逆積層型感光層の場合には電荷輸送層上に塗布、乾燥して得ることができる。
として用いる染顔料としては、光感度の面から、フタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましく使用される。
電荷発生層と電荷輸送層を有する機能分離型感光体の電荷輸送層形成の際は、膜強度確保のためバインダー樹脂が使用される。電荷輸送層は、前記一般式[1]で表される部分構
造を有するポリエステルを含有していてもよい。
機能分離型感光体の電荷輸送層の場合、電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることが出来る。
単層型感光層は、金属含有フタロシアニン及び前記一般式[1]で表される部分構造を有
するポリエステルを含む結着樹脂を含有する。さらに他の電荷発生物質及び電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成することができる。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
。前記結着樹脂と電荷発生物質との配合比(質量)は、電荷発生物質100質量部に対して、80質量部以上、好ましくは90質量部以上、更に好ましくは100質量部以上であり、300質量部以下、好ましくは250質量部以下、更に好ましくは200質量部以下の範囲である。前記範囲が好ましい理由は、積層型感光層の場合と同様である。
単層型感光層の膜厚は、通常5.0μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、およびこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、およびこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。電荷輸送物質の割合は、通常バインダー樹脂に対して、10質量%以上であり、電子写真感光体の光減衰特性の面から、好ましくは30質量%以上であり、電子写真感光体の高速応答性の面から、より好ましくは40質量%以上であり、特に好ましくは50質量%以上である。耐刷性の観点から、好ましくは130質量%以下であり、より好ましくは100質量%以下であり、特に好ましくは80質量%以下である。
なお、以下の例示物は、電荷輸送物質の具体例であり、その他の電荷輸送物質は以下のものに限定されない。
バインダー樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等があげられる。これら樹脂は珪素試薬などで修飾されていてもよい。上記バインダー樹脂のうち、耐刷性の観点から、ポリアリレート樹脂が特に好ましい。また、接着性向上の観点から、電荷発生層の結着樹脂にポリエステルを含有し、電荷輸送層がポリアリレートを併用することが特に好ましい。この理由は定かではないが、同じエステル結合を有することで、互いの層間の相溶性や相互作用が大きくなるためであると思われる。
感光層に含まれる前記ポリアリレート樹脂の構造を以下に例示する。本例示は、本発明
の趣旨を明確にするために行うものであり、本発明の趣旨に反しない限りは例示される構造に限定されるものではない。感光層に含まれるポリアリレート樹脂は、例えば、上記一般式[2]で表される繰り返し構造を含むものであり、公知の方法により、例えば二価ヒドロキシアリール成分とジカルボン酸成分とにより製造することができる。
リーレン基の場合、感光層の接着性が悪いことから、Ar3とAr4のうちいずれか一方は置換基を有するアリーレン基である。
一般式[2]中、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、式[3]で表される構造、又は式[4]で表される構造を有する2価の有機残基を示す。式[3]中のR1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、若しくはアリール基、又はR1とR2とが結合して形成されるシクロアルキリデン基を示す。式[3]中のR1及びR2のアルキル基としては、炭素数は、通常10以下、好ましくは8以下、更に好ましくは4以下である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、製造コストの観点からメチル基が好ましい。アリール基としては、炭素数は、通常30以下、好ましくは20以下、更に好ましくは10以下である。具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、溶解性の観点からフェニル基が好ましい。また、式[3]中のR1とR2とが結合して形成されるシクロアルキリデン基としては、炭素数は、通常20以下、好ましくは15以下、更に好ましくは10以下である。シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基などが挙げられ、製造コストの観点からシクロヘキシリデン基が好ましい。さらに、式[4]中のR3は、アルキレン基、アリーレン基、又は式[5]で表される基を示す。式[4]中のR3のアルキレン基としては、炭素数は、通常10以下、好ましくは8以下、更に好ましくは4以下である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられ、製造コストの観点からメチレン基が好ましい。式[4]中のR3のアリーレン基としては、炭素数は、通常30以下、好ましくは20以下、更に好ましくは10以下である。具体的には、フェニレン基、テルフェニレン基などが挙げられ、溶解性の観点からフェニル基が好ましい。式[5]で表される基のR4及びR5は、それぞれ独立にアルキレン基を表す。R4及びR5のアルキレン基としては、R1
及びR2の説明と同様である。Ar5はアリーレン基を表す。Ar5のアリーレン基としては、炭素数は、通常30以下、好ましくは20以下、更に好ましくは10以下である。具体的には、フェニレン基、テルフェニレン基などが挙げられ、溶解性の観点からフェニレン基が好ましい。式[5]で表される基の中でも、下記式[7]で表される基が好ましい。これらの中でも、耐磨耗性の観点から、Xは、酸素原子であることが好ましい。
一般式[2]中、Yは、単結合、硫黄原子、酸素原子、又は式[6]で表される構造を有する2価の有機残基を示す。式[6]中のR6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はR6とR7とが結合して形成されるシクロアルキリデン基を表す。アリール基としては、炭素数は、通常30以下、好ましくは20以下、更に好ましくは10以下である。具体的には、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、感光層用バインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、フェニル基が好ましい。アルコキシ基としては、炭素数は、通常10以下、好ましくは7以下、更に好ましくは4以下である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、感光層用バインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、メトキシ基が好ましい。アルキル基としては、炭素数は、通常10以下、好ましくは8以下、更に好ましくは4以下である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、製造コストの観点からメチル基が好ましい。ポリアリレート樹脂を製造する際に用いる二価ヒドロキシアリール成分の製造の簡便性を勘案すれば、Yとして、単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、シクロヘキシリデンが好ましく、より好ましくは、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、シクロヘキシリデンであり、特に好ましくは−CH2−、−CH(CH3)−である。
6〜Ar19はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、R8は水素原子又はアルキル基を表す。
上記ポリアリレート樹脂の中の二価ヒドロキシアリール残基となる二価ヒドロキシアリール成分は、下記一般式[10]で表されるが、好ましくは下記一般式[11]で表される。
具体的には、一般式[11]中のR8が水素原子の場合、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(3−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシフェニル)メタン、(3−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)メタン、(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタンが挙げられる。また、R8がメチル基の場合は、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタンが挙げられる。
一般式[10]で表される二価ヒドロキシアリール成分の具体例としては、3,3',
5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,4,3',5'−テトラメチル−3,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2',4,4'−テトラメチル−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エーテル、
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)シクロヘキサンが挙げられ、好ましくは、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサンである。あるいは、ビス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(3−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、さらには、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メトキシメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−メトキシエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−メトキシプロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ジメトキシメタン、等が挙げられる。
上記ポリアリレート樹脂の中のジカルボン酸残基であるジカルボン酸成分は、下記一般式[12]で表される。
好ましいジカルボン酸残基の具体的としては、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカル
ボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,3'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−
2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,3'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基等が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸成分の製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基がより好ましく、ジ
フェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基が特に好ましい。
4,4'−ジカルボン酸残基であり、特に好ましくは、イソフタル酸残基、テレフタル酸
残基であり、これらのジカルボン酸残基を複数組み合わせて用いることも可能である。
ポリアリレート樹脂の粘度平均分子量は、特に限定されないが、通常、10,000以上、好ましくは15,000以上、さらに好ましくは20,000以上であり、但し、通常、300,000以下、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下である。粘度平均分子量が過度に小さいと、感光層の機械的強度が低下し実用的ではない。また、粘度平均分子量が過度に大きいと、感光層を適当な膜厚に塗布形成する事が困難である。
感光層には、例えば成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤、増感剤等の添加剤を含有させてもよい。添加剤は、1種を単独で用いてもよ
く、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、2,2,4−トリメチル−6−ヒドロキシ−7−t−ブチルクロマン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−チオエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシアニソール、1−[2−{(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−[3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペラジル、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、等を挙げることができる。
<その他の機能層>
本発明の積層型感光体では、その最表層に、感光層の損耗を防止し、帯電器等からの発
生する放電物質等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けてもよい。保護層は導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることが出来る。
保護層に用いる結着樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることも出来る。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含有させても良い。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
例えば、積層型感光体の電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を使用時の温度において通常10mPa・s以上、好
ましくは50mPa・s以上、また、通常500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下の範囲とする。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行っても良い。
本発明の電子写真感光体を用いて画像形成を行う場合、潜像を現像するために現像剤であるトナーを用いる。このようにトナーを用いることにより、本発明の画像形成装置は高画質の画像を形成することができるようになっている。
トナーの形状は、トナーを構成する粒子群に含まれる各粒子の形状が、互いに近いものであって、球形に近いほどトナーの粒子内での帯電量の局在化が起こりにくく、現像性が均一になる傾向にあり、画像品質を高める上で好ましい。特に、トナーの形状が完全な球形に近い形状となれば、電子写真感光体との接触面積が小さくなり、トナーの転写率が高まり、トナーの消費量を低減することが可能となる場合がある。一方で、完全な球状トナーを作ることは製造上困難であり、トナーが高コスト化するため、一定以上の条件で球に近ければよく、完全な球である必要は無い。
円形度a=L0/L・・・・・・(X)
(式(X)中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは画像処理したときの粒子像の周囲長を示す。)
前記の円形度は、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
トナーは、上記の平均円形度を有する限り他に制限は無い。トナーの種類は、通常はその製造方法に応じて様々なものが得られるが、トナーとしては、いずれを用いることも可能である。
以下、トナーの製造方法とともに、そのトナーの種類を説明する。
いわゆる重合法によるトナーの製造方法としては、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法または水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法等を用いトナーを製造することが可能である。重合法トナーとしては、例えば、懸濁重合法トナー、乳化重合凝集法トナーなどが挙げられる。
懸濁重合法を用いてトナーを製造する場合、低軟化点物質を内包化せしめる具体的方法としては、水系媒体中での物質の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、さらに少量の極性の大きな樹脂または単量体を添加せしめることで低軟化点物質を外殻樹脂で被覆したいわゆるコア/シェル構造を有するトナーを得ることができる。トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件、例えば、ローターの周速・パス回数・撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状または、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより所定のトナーを得ることができる。
具体的には、スチレン、o(m−、p−)−メチルスチレン、m(p−)−エチルスチ
レン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。
本発明においては、コア/シェル構造を有するトナーを製造する場合、外殻樹脂で低軟化点物質を内包化せしめるため、外殻樹脂の他にさらに極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、シェル樹脂または単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが特に好ましい。仮に不飽和基を有する極性樹脂を含む場合においてはシェル樹脂層を形成する単量体と架橋反応が起き、特に、フルカラー用トナーとしては、極めて高分子量になり四色トナーの混色には不利となり好ましくない。
上述の最外殻樹脂層のガラス転移温度は、耐ブロックキング性のさらなる向上のため外殻樹脂層のガラス転移温度以上に設計されること、さらに定着性を損なわない程度に架橋されていることが好ましい。また、該最外殻樹脂層には帯電性向上のため極性樹脂や荷電制御剤が含有されていることが好ましい。
1.重合反応後半、または終了後、反応系中に必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を溶解、分散したモノマーを添加し重合粒子に吸着させ、重合開始剤を添加し重合を行う方法。
3.必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を含有したモノマーからなる乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を乾式で機械的にトナー粒子表面に固着させる方法。
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、カラートナーの場合は、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに本発明において直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。
ゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。
本発明に用いられるトナー製造方法として懸濁重合を利用する場合には、用いる分散剤として、例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライト等が挙げられる。有機系化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースCカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が水相に分散させて使用される。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜10.0質量部を使用することが好ましい。
乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合、その製造工程としては、通常、重合工程、混合工程、凝集工程、融合工程、洗浄・乾燥工程を行う。即ち、一般的には乳化重合により重合体一次粒子を得て(重合工程)、その重合体一次粒子を含む分散液に、必要に応
じ、着色剤(顔料)、ワックス、帯電制御剤等の分散体を混合し(混合工程)、この分散液中に凝集剤を加えて一次粒子を凝集させて粒子凝集体とし(凝集工程)、必要に応じて微粒子等を付着する操作を行い、その後に融合させて粒子を得て(融合工程)、得られた粒子を洗浄、乾燥することにより(洗浄・乾燥工程)、母粒子が得られる。
重合体の微粒子(重合体一次粒子)としては、特に限定されない。したがって、液状媒体中で重合性単量体を、懸濁重合法、乳化重合法等により重合させて得られる微粒子、樹脂等の重合体の塊を粉砕することによって得られる微粒子のいずれを重合体一次粒子として用いてもよい。ただし、重合法、特に乳化重合法、なかでも乳化重合におけるシードとしてワックスを用いたものが好ましい。乳化重合におけるシードとしてワックスを用いると、重合体がワックスを包み込んだ構造の微粒子を重合体一次粒子として製造することができる。この方法によれば、ワックスをトナーの表面に露出させず、トナー内に含有させることができる。このため、ワックスによる装置部材の汚染がなく、また、トナーの帯電性を損なうこともなく、かつ、トナーの低温定着性や高温オフセット性、耐フィルミング性、離型性等を向上させることができる。
以下、ワックスをシードとして乳化重合を行い、これにより重合体一次粒子を得る方法について説明する。
ワックスとしては、この用途に用い得ることが知られている任意のものを用いることができる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;アルキル基を有するシリコーンワックス;低分子量ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂系ワックス;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン類;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸より得られるエステル類または部分エステル類;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステルなどが挙げられる。中でも、示差熱分析(DSC)による吸熱ピークを50〜100℃に少なくとも1つ有するものが好ましい。
が不十分となる可能性があり、多すぎると装置部材を汚染して画質の低下が生じる可能性がある。
乳化剤に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意のものを使用することができる。例えば、非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性のいずれの界面活性剤も用いることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート等のソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。
さらに、カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩類、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩類等が挙げられる。
これらの中でも、非イオン性界面活性剤、アニオン系界面活性剤が好ましい。なお、乳化剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、乳化剤の配合量も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、重合性モノマー100質量部に対して、乳化剤を、通常1〜10質量部の割合で用いる。
液状媒体としては、通常は水系媒体を用い、特に好ましくは水を用いる。ただし、液状媒体の質は液状媒体中の粒子の再凝集による粗大化にも関係し、液状媒体の導電率が高いと経時の分散安定性が悪化する傾向がある。したがって、液状媒体として水等の水系媒体を使用する場合、導電率を、通常10μS/cm以下、好ましくは5μS/cm以下となるように脱塩処理されたイオン交換水あるいは蒸留水を用いることが好ましい。なお、導電率の測定は、導電率計(横河電機社製のパーソナルSCメータモデルSC72と検出器SC72SN−11)を用いて25℃下で測定を行う。
この液状媒体に、乳化剤の存在下で前記ワックスを分散させることにより、ワックス微粒子を得る。乳化剤及びワックスを液状媒体に配合する順は任意であるが、通常は、まず乳化剤を液状媒体に配合し、その後、ワックスを混合する。また、乳化剤は連続的に液状媒体に配合してもよい。
上記のワックス微粒子を調製した後、液状媒体に、重合開始剤を配合する。重合開始剤としては本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。その例を挙げると、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物類;過酸化水素等の無機過酸化物類などが挙げられる。中でも、無機過酸化物類が好ましい。なお、重合開始剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比
率で併用してもよい。
また、重合開始剤の使用量にも制限は無く任意である。ただし、重合開始剤は、重合性単量体100質量部に対して、通常0.05〜2質量部の割合で用いられる。
上記のワックス微粒子を調製した後、液状媒体には、前記の重合開始剤の他に、重合性単量体を配合する。重合性単量体に特に制限は無いが、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド類、ブレンステッド酸性基を有する単量体(以下、単に「酸性モノマー」と略記することがある)、ブレンステッド塩基性基を有する単量体(以下、単に「塩基性モノマー」と略記することがある)等の単官能性モノマーが主として用いられる。また、単官能性のモノマーに多官能性のモノマーを併用することもできる。
また、(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
さらに、酸性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有するモノマー;スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有するモノマー;ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有するモノマーなどが挙げられる。
なお、酸性モノマー及び塩基性モノマーは、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。
ワックスをシードとして乳化重合を行う際には、酸性モノマー又は塩基性モノマーと、これら以外のモノマーとを併用するのが好ましい。酸性モノマー又は塩基性モノマーを併用することにより、重合体一次粒子の分散安定性を向上させることができるからである。
上記のワックス微粒子を調製した後、液状媒体には、前記の重合開始剤及び重合性単量体の他に、必要に応じて、連鎖移動剤、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤、保護コロイド、内添剤などの添加剤を配合する。これらの添加剤は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。また、これらの添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、保護コロイドとしては、この用途に用い得ることが知られている任意のものを使用することができる。具体例を挙げると、部分又は完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等などが挙げられる。
また、内添剤としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンワニス、フッ素系オイ
ル等のトナーの粘着性、凝集性、流動性、帯電性、表面抵抗等を改質するためのものが挙げられる。
ワックス微粒子を含む液状媒体に重合開始剤及び重合性単量体、並びに、必要に応じて添加剤を混合し、撹拌し、重合させることにより、重合体一次粒子を得る。この重合体一次粒子は、液状媒体中にエマルションの状態で得ることができる。
重合開始剤、重合性単量体、添加剤などを液状媒体に混合する順番に制限は無い。また、混合、撹拌の方法なども制限は無く、任意である。
さらに、重合(乳化重合反応)の反応温度も反応が進行する限り任意である。但し、重合温度は、通常50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、また、通常120℃以下、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下である。
測定下限 :0.0008μm
チャンネル数:52
測定時間 :100sec.
測定温度 :25℃
粒子透過性 :吸収
粒子屈折率 :N/A(適用しない)
粒子形状 :非球形
密度 :1g/cm3
分散媒種類 :WATER
分散媒屈折率:1.333
なお、測定時は、サンプル濃度指数が0.01〜0.1の範囲になるように粒子の分散体を液状媒体で希釈し、超音波洗浄器で分散処理した試料で測定する。そして、本発明にかかわる体積平均粒子径は、上記の体積粒度分布の結果を算術平均値として計測される。
重合体の軟化点及びガラス転移温度〔Tg〕は、重合体の種類およびモノマー組成比、分子量等を調整することによって前記範囲とすることができる。
前記の重合体一次粒子が分散したエマルジョンに、顔料粒子を混合し、凝集させることにより、重合体、顔料を含む凝集体(凝集粒子)のエマルジョンを得る。この際、顔料は、予め液状媒体に界面活性剤等を用いて均一に分散させた顔料粒子分散体を用意し、これを重合体一次粒子のエマルジョンに混合することが好ましい。この際、顔料粒子分散体の液状媒体として通常は水等の水系溶媒を使用し、顔料粒子分散体を水系分散体として用意する。また、その際には、必要に応じてワックス、帯電制御剤、離型剤、内添剤等をエマルジョンに混合してもよい。また、顔料粒子分散体の安定性を保持するために、上述した乳化剤を加えてもよい。
併用重合体粒子としては、例えば、懸濁重合や粉砕で得られた微粒子などが挙げられる。このような併用重合体粒子の材料としては樹脂を使用できるが、この樹脂としては、上述の乳化重合に供する単量体の(共)重合体の他に、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルブチラール、ビニルピロリドン等のビニル系単量体の単独重合体または共重合体、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂などの熱可塑性樹脂、及び、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。なお、これらの併用重合体粒子も、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。ただし、併用重合体粒子の割合は、重合体一次粒子及び併用重合体粒子の重合体の合計に対して、通常5質量%以下、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
このうち、黒色顔料として使用されるカーボンブラックは、非常に微細な一次粒子の凝集体として存在し、顔料粒子分散体として分散させたときに、再凝集によるカーボンブラック粒子の粗大化が発生しやすい。カーボンブラック粒子の再凝集の程度は、カーボンブラック中に含まれる不純物量(未分解有機物量の残留程度)の大小と相関が見られ、不純物が多いと分散後の再凝集による粗大化が顕著となる傾向を示す。
なお、カーボンブラックの紫外線吸光度(λc)は、次の方法で求める。即ち、まずカーボンブラック3gをトルエン30mLに十分に分散、混合させて、続いてこの混合液をNo.5C濾紙を使用して濾過する。その後、濾液を吸光部が1cm角の石英セルに入れて市販の紫外線分光光度計を用いて波長336nmの吸光度を測定した値(λs)と、同じ方法でリファレンスとしてトルエンのみの吸光度を測定した値(λo)とから、紫外線吸光度はλc=λs−λoで求める。市販の分光光度計としては、例えば島津製作所製紫外可視分光光度計(UV−3100PC)などがある。
さらに、マゼンタ顔料としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキウ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが用いられる。
具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、C.I.ピグメントバイオレット19等が好適に用いられる。
なお、顔料は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、顔料粒子分散体には、界面活性剤を含有させても良い。この界面活性剤に特に制限は無いが、例えば、乳化重合法の説明において乳化剤として例示した界面活性剤と同様のものが挙げられる。中でも、非イオン系界面活性剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類等のアニオン系活性剤、ポリマー系界面活性剤等が好ましく用いられる。また、この際、界面活性剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、顔料粒子分散体の液状媒体としては、通常は水系媒体を用い、好ましくは水を用いる。この際、重合体一次粒子及び顔料粒子分散体の水質は各粒子の再凝集による粗大化にも関係し、導電率が高いと経時の分散安定性が悪化する傾向がある。したがって、導電率を、通常10μS/cm以下、好ましくは5μS/cm以下となるように脱塩処理されたイオン交換水あるいは蒸留水を用いることが好ましい。なお、導電率の測定は、導電率計(横河電機社製のパーソナルSCメータモデルSC72と検出器SC72SN−11)を用いて25℃下で測定を行う。
また、重合体一次粒子を含有するエマルションに顔料を混合させる際、エマルションに
帯電制御剤を混合しても良い。
凝集方法に制限は無く任意であるが、例えば、加熱、電解質の混合、pHの調整等が挙げられる。中でも、電解質を混合する方法が好ましい。
なお、電解質は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
一方、加熱により凝集を行う場合、温度条件は凝集が進行する限り任意である。具体的な温度条件を挙げると、通常15℃以上、好ましくは20℃以上、また、重合体一次粒子の重合体のガラス転移温度〔Tg〕以下、好ましくは55℃以下の温度条件で凝集を行なう。凝集を行う時間も任意であるが、通常10分以上、好ましくは60分以上、また、通常300分以下、好ましくは180分以下である。
得られた凝集体は、そのまま次工程の樹脂被覆層を形成する工程(カプセル化工程)に進んでもよいし、引き続き液状媒体中で加熱による融合処理を行った後に、カプセル化工程に進んでもよい。そして、望ましくは、凝集工程の後に、カプセル化工程を行い、カプセル化樹脂微粒子のガラス転移温度〔Tg〕以上の温度で加熱して融合工程を行うのが、工程を簡略化でき、トナーの性能劣化(熱劣化など)を生じないので好ましい。
凝集体を得た後、当該凝集体には、必要に応じて樹脂被覆層を形成することが好ましい。凝集体に樹脂被覆層を形成させるカプセル化工程とは、凝集体の表面に樹脂被覆層を形成することにより、凝集体を樹脂により被覆する工程である。これにより、製造されるトナーは樹脂被覆層を備えることになる。カプセル化工程では、トナー全体が完全に被覆されない場合もあるが、顔料は、実質的にトナー粒子の表面に露出していないトナーを得ることができるようになる。この際の樹脂被覆層の厚さに制限は無いが、通常は0.01〜0.5μmの範囲である。
上記スプレードライ法により樹脂被覆層を形成する方法としては、例えば、内層を形成する凝集体と樹脂被覆層を形成する樹脂微粒子とを水媒体中に分散して分散液を作製し、分散液をスプレー噴出し、乾燥することによって、凝集体表面に樹脂被覆層を形成することができる。
また、前記液中粒子被覆法としては、例えば、内層を形成する凝集体と外層を形成する樹脂微粒子とを、水媒体中で反応あるいは結合させ、内層を形成する凝集体の表面に樹脂被覆層を形成させる方法である。
さらに、凝集体に対する樹脂微粒子の固着又は融合を効果的に行うためには、樹脂微粒子の粒径は、通常は、0.04〜1μm程度のものが好ましく用いられる。
ポリシロキサンワックスの含有量に制限は無いが、トナー中、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、また、通常2質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とする。樹脂被覆層中のポリシロキサンワックスの量が少なすぎると耐高温オフセット性が不十分となる可能性があり、多すぎると耐ブロッキング性が低下する可能性がある。
融合工程では、凝集体を加熱処理することにより、凝集体を構成する重合体の溶融一体化を行う。
また、凝集体に樹脂被覆層を形成してカプセル化樹脂微粒子とした場合には、加熱処理をすることにより、凝集体を構成する重合体及びその表面の樹脂被覆層の融合一体化がなされることになる。これにより、顔料粒子は実質的に表面に露出しない形態で得られる。
なお、加熱処理の時間は処理能力、製造量にもよるが、通常0.5〜6時間である。
上述した各工程を液状媒体中で行っていた場合には、融合工程の後、得られたカプセル化樹脂粒子を洗浄し、乾燥して液状媒体を除去することにより、トナーを得ることができる。洗浄及び乾燥の方法に制限は無く任意である。
トナーの体積平均粒径〔Dv〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任
意であるが、通常4μm以上、好ましくは5μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは8μm以下である。トナーの体積平均粒径〔Dv〕が小さすぎると画質の安定性が低下する可能性があり、大きすぎると解像度が低下する可能性がある。
さらに、トナーは、粒径5μm以下の個数分率が、通常15%以下、好ましくは10%以下であることが、画像カブリの改善に効果があるので、望ましい。
トナーのTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す場合がある)におけるピーク分子量のうち少なくとも1つは、通常1万以上、好ましくは2万以上、より好ましくは3万以上であり、通常15万以下、好ましくは10万以下、より好ましくは7万以下である。なお、THFはテトラヒドロフランのことを言う。ピーク分子量が何れも前記範囲より低い場合は、非磁性一成分現像方式における機械的耐久性が悪化する場合があり、ピーク分子量が何れも前記範囲より高い場合は、低温定着性や定着強度が悪化する場合がある。
なお、トナーのピーク分子量は、測定装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社製)を用いて次の条件で測定される。
測定は、試料濃度(樹脂の濃度)を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF溶液を測定装置に50〜200μL注入して行う。試料(トナー中の樹脂成分)の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
また、トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分の測定は、以下のようにして行うことができる。即ち、試料(トナー)1gをTHF100gに加え25℃で24時間静置溶解し、セライト10gを用いて濾過し、濾液の溶媒を留去してTHF可溶分を定量し、1gから差し引いてTHF不溶分を算出することができる。
トナーの軟化点〔Sp〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、低エネルギーで定着する観点から、通常150℃以下、好ましくは140℃以下である。また、耐高温オフセット性、耐久性の点からは、軟化点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上である。
なお、トナーの軟化点〔Sp〕は、フローテスターにおいて、試料1.0gをノズル1mm×10mm、荷重30kg、予熱時間50℃で5分、昇温速度3℃/分の条件下で測定を行ったときの、フロー開始から終了までのストランドの中間点での温度として求めることができる。
なお、トナーのガラス転移温度〔Tg〕は、示差走査熱量計において、昇温速度10℃/分の条件で測定した曲線の転移(変曲)開始部に接線を引き、2つの接線の交点の温度として求めることができる。
トナーの軟化点〔Sp〕及びガラス転移温度〔Tg〕は、トナーに含まれる重合体の種類および組成比に大きく影響を受ける。このため、トナーの軟化点〔Sp〕及びガラス転移温度〔Tg〕は、前記の重合体の種類及び組成を適宜最適化することにより調整することができる。また、重合体の分子量、ゲル分、ワックス等の低融点成分の種類および配合量によっても、調整することが可能である。
トナーがワックスを含有する場合、トナー粒子中のワックスの分散粒径は、平均粒径として、通常0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上であり、また、上限は通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。分散粒径が小さすぎるとトナーの耐フィルミング性改良の効果が得られない可能性があり、また、分散粒径が大きすぎるとトナーの表面にワックスが露出しやすくなり帯電性や耐熱性が低下する可能性がある。
また、トナーに占めるワックスの割合は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上、更に好ましは4質量%以上、また通常20質量%以下、好ましくは15質量%以下である。ワックスが少なすぎると定着温度幅が不十分となる可能性があり、多すぎると装置部材を汚染して画質が低下する可能性がある。
トナーの流動性、帯電安定性、高温下での耐ブロッキング性などを向上させるために、トナー粒子表面に外添微粒子を添着させてもよい。
外添微粒子をトナー粒子表面に添着させる方法としては、例えば、上述したトナーの製造方法において、液状媒体中で二次凝集体と外添微粒子を混合した後、加熱してトナー粒子上に外添微粒子を固着させる方法;二次凝集体を液状媒体から分離、洗浄、乾燥させて得られたトナー粒子に乾式で外添微粒子を混合又は固着させる方法などが挙げられる。
圧縮剪断処理装置は、一般に、間隔を保持しながら相対的に運動するヘッド面とヘッド面、ヘッド面と壁面、あるいは壁面と壁面によって構成される狭い間隙部を有し、被処理粒子が該間隙部を強制的に通過させられることによって、実質的に粉砕されることなく、粒子表面に対して圧縮応力及び剪断応力が加えられるように構成されている。このような圧縮剪断処理装置としては、例えば、ホソカワミクロン社製のメカノフュージョン装置等が挙げられる。
また、外添微粒子としては、この用途に用い得ることが知られている公知のものが使用できる。例えば、無機微粒子、有機微粒子などが挙げられる。
ム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム等の炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化珪素等の窒化物、ホウ化ジルコニウム等のホウ化物、シリカ、コロイダルシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、タルク、ハイドロタルサイト等の酸化物や水酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の各種チタン酸化合物、リン酸三カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸イオンの一部が陰イオンによって置換された置換リン酸カルシウム等のリン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、滑石、ベントナイト、導電性カーボンブラックをはじめとする種々のカーボンブラック等を用いることができる。さらには、マグネタイト、マグへマタイト、マグネタイトとマグヘマタイトの中間体等の磁性物質などを用いてもよい。
これら外添微粒子の中では、特に、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、カーボンブラック等が好適に使用される。
また、これらの無機または有機微粒子の表面は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、シリコーンワニス、フッ素系シランカップリング剤、フッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤等の処理剤によって疎水化などの表面処理が施されていてもよい。なお、処理剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
トナーの帯電特性は、負帯電性であっても、正帯電性であっても良く、用いる画像形成装置の方式に応じて設定することができる。なお、トナーの帯電特性は、帯電制御剤などのトナー母粒子構成物の選択および組成比、外添微粒子の選択および組成比等により調整することができる。
また、キャリアの平均粒径は特に制限はないが、10〜200μmの平均粒径を有するものが好ましい。これらのキャリアは、トナー1質量部に対して5〜100質量部の割合で用いるのが好ましい。
なお、電子写真方式によるフルカラー画像の形成は、マゼンタ、シアン、イエローの各カラートナーおよび必要に応じてブラックトナーを用いて常法により実施することができる。
次に、本発明の電子写真感光体を用いたドラムカートリッジ、画像形成装置について、装置の一例を示す図1に基づいて説明する。
図1において、1はドラム状感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1はその回転過程で帯電手段3により、その表面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、ついで露光部4において像露光手段により潜像形成のための露光が行われる。形成された静電潜像は、次に現像手段5でトナー現像され、そのトナー現像像がコロナ転写手段6により給紙部から給送された転写体(紙など)7に順次転写されていく。像転写された転写体はついで定着手段8に送られ、像定着され、機外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段9により転写残りのトナーが除去され、除電手段10により除電されて次の画像形成のために清浄化される。
現像行程はカスケード現像、1成分絶縁トナー現像、1成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられる。トナーとしては、粉砕トナーの他に、懸濁造粒、懸濁重合、乳化重合凝集法等のケミカルトナーを用いることができる。特に、ケミカルトナーの場合には、4〜8μ程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化には好適に用いられる。
も良く、複数の定着方式を組み合わせた形で使用してもよい。
クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー、などが用いられる。
れ、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーが使用される場合が多い。
これらのプロセスのほかに、前露光工程、補助帯電工程のプロセスを有してもよい。
本発明においては、上記ドラム状感光体1、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素の内の複数のものをドラムカートリッジとして一体に結合して構成し、このドラムカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例えば、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の内、少なくとも1つをドラム状感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化とすることが出来る。
<感光体シートの製造>
[実施例1]
以下の手順に従い、電子写真感光体の1形態である感光体シートを作製した。初めに、下引き層用分散液は、次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、および、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの質量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
次に、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示し、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン10質量部を1,2−ジメトキシエタン150質量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作製した。こうして得られた160質量部の顔料分散液をテレフタル酸/イソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/ヒドロキシピバル酸(一般式[1])の組成モル比率が、27%/19%/28%
/19%/7%からなる共重合ポリエステルXの15質量%1,2−ジメトキシエタン溶液100質量部に加え、適量の1,2−ジメトキシエタンを加えて、最終的に固形分濃度4.0質量%の電荷発生層形成用塗布液を作製した。
次に、電荷輸送物質として特開2002−80432号公報中の実施例1に示された、下記式[14]で表わされる構造を主成分とする、幾何異性体の化合物群からなる混合物を50質量部、下記繰り返し構造からなるポリアリレートA(PAR-A、粘度平均分子量41,
000)100質量部、およびレベリング剤としてシリコーンオイル0.05質量部を、テトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒(テトラヒドロフラン80質量%、トルエン20質量%)640質量部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。
びVLの値の絶対値が小さいほど電気特性が良好であることを示す。電気特性の結果を表−1に示す。
前記<感光体シートの製造>で基体として用いた、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシートの代わりに、厚さ0.5mmのアルミ板を使用した以外は、前記<感光体シートの製造>と同様にして接着性試験用電子写真感光体PE1を作製した。
この接着性試験用電子写真感光体上に、NTカッターを用いて、5mm間隔で縦に3本、横に4本切り込みを入れ、2×3の6マスを作製した。その上からセロテープ(登録商標)(ニチバン製)を貼り付け、接着面に対し90゜に引き上げることで、感光層の接着性を試験した。これを5箇所行い、計30マスのうち、支持体上に残存した感光層のマス数の割合を残存率として評価した。残存したマス数が多いほど残存率は高く、良好である。結果を表−2に示す。
実施例1の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、共重合ポリエステルX(PES-X)を50質量部とし、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチ
ラール#6000C)を50質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSE2および接着性試験用感光体PE2を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、共重合ポリエステルX(PES-X)を50質量部とし、テレフタル酸/イソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチル
グリコールの組成モル比率が、25%/23%/26%/26%からなる共重合ポリエステルY(PES-Y)を50質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSE3および接着性試験用感光体PE3を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施
例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、共重合ポリエステルX(PES-X)を50質量部とし、テレフタル酸/イソフタル酸/エチレングリコール/ビスフェノー
ルAエチレンオキシドの組成モル比率が、25%/25%/23%/27%からなる共重合ポリエステルZ(PES-Z)を50質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シー
トSE4および接着性試験用感光体PE4を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、ポリカーボネートB(PCR-B)を100質量部とした以外は、実施例1と同様にし
て感光体シートSE5および接着性試験用感光体PE5を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例2の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、ポリカーボネートB(PCR-B)を100質量部とした以外は、実施例2と同様にし
て感光体シートSE6および接着性試験用感光体PE6を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例3の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、ポリカーボネートB(PCR-B)を100質量部とした以外は、実施例3と同様にし
て感光体シートSE7および接着性試験用感光体PE7を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例4の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、ポリカーボネートB(PCR-B)を100質量部とした以外は、実施例4と同様にし
て感光体シートSE8および接着性試験用感光体PE8を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1のオキシチタニルフタロシアニンの代わりに、A型のオキシチタニルフタロシアニンを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体シートSE9および接着性試験用感光
体PE9を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価
し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例5のオキシチタニルフタロシアニンの代わりに、A型のオキシチタニルフタロシアニンを用いた以外は、実施例5と同様にして感光体シートSE10および接着性試験用感光体PE10を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1のオキシチタニルフタロシアニンの代わりに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体シートSE11および接着性試験用感光体PE11を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、ポリアリレートC(PAR-C)を100質量量部とした以外は、実施例1と同様にし
て感光体シートSE12および接着性試験用感光体PE12を作製した。この感光体シートおよび
接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、ポリカーボネートD(PCR-D)を100質量部とした以外は、実施例1と同様にし
て感光体シートSE13および接着性試験用感光体PE13を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1で用いた電荷発生用塗布液の電荷発生物質と結着樹脂の割合を電荷発生物質100質量部に対して、結着樹脂を100質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSE14および接着性試験用感光体PE14を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例5で用いた電荷発生用塗布液の電荷発生物質と結着樹脂の割合を電荷発生物質100質量部に対して、結着樹脂を100質量部とした以外は、実施例5と同様にして感光体シートSE15および接着性試験用感光体PE15を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1で用いた電荷発生用塗布液の電荷発生物質と結着樹脂の割合を電荷発生物質100質量部に対して、結着樹脂を200質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSE16および接着性試験用感光体PE16を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例5で用いた電荷発生用塗布液の電荷発生物質と結着樹脂の割合を電荷発生物質100質量部に対して、結着樹脂を200質量部とした以外は、実施例5と同様にして感光体シートSE17および接着性試験用感光体PE17を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)を100質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSP1および接着性試験用感光体PP1を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、共重合ポリエステルY(PES-Y)を100質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSP2および接着性試験用感光体PP2を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様
に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、共重合ポリエステルZ(PES-Z)を100質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSP3および接着性試験用感光体PP3を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様
に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例5の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)を100質量部とした以外は、実施例5と同様にして感光体シートSP4および接着性試験用感光体PP4を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例5の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、共重合ポリエステルY(PES-Y)を100質量部とした以外は、実施例5と同様にして感光体シートSP5および接着性試験用感光体PP5を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様
に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例5の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、共重合ポリエステルZ(PES-Z)を100質量部とした以外は、実施例5と同様にして感光体シートSP6および接着性試験用感光体PP6を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様
に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1のオキシチタニルフタロシアニンの代わりに、X型無金属フタロシアニンを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体シートSP7および接着性試験用感光体PP7を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1のオキシチタニルフタロシアニンの代わりに、X型無金属フタロシアニンを用い、さらに実施例1の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)を100質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSP8および接着性試験用感光体PP8を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1のオキシチタニルフタロシアニンの代わりに、X型無金属フタロシアニンを用い、さらに実施例1の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、共重合ポリエステルY(PES-Y)を100質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSP9および接着性試験用感光体PP9を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例
1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1のオキシチタニルフタロシアニンの代わりに、X型無金属フタロシアニンを用い、さらに実施例1の電荷発生層形成用塗布液に用いた結着樹脂を、共重合ポリエステルZ(PES-Z)を100質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSP10および
接着性試験用感光体PP10を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例5のオキシチタニルフタロシアニンの代わりに、X型無金属フタロシアニンを用いた以外は、実施例5と同様にして感光体シートSP11および接着性試験用感光体PP11を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例1で用いた電荷発生用塗布液の電荷発生物質と結着樹脂の割合を電荷発生物質100質量部に対して、結着樹脂を50質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSP12および接着性試験用感光体PP12を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
実施例5で用いた電荷発生用塗布液の電荷発生物質と結着樹脂の割合を、電荷発生物質100質量部に対して、結着樹脂を50質量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートSP13および接着性試験用感光体PP13を作製した。この感光体シートおよび接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−1および表−2に示した。
樹脂がフタロシアニンに対して100wt%以上の場合、高感度、低残留電位を実現しながら、良好な接着性も実現できることがわかる。実施例1及び比較例1の比較から金属フタロシアニンを用いた場合には、該ポリエステルを含んでも電気特性の変化はなく、比較例7及び比較例8の比較から無金属フタロシアニンを用いた場合には、該ポリエステルを含むと
電気特性が低下することがわかる。
[実施例18]
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、実施例1で用いた下引き層形成用塗布液、電荷発生層用塗布液および電荷輸送層用塗布液を、浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、0.15μm、0.4μm、21μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、感光体ドラム(DE1)を得た。
画像特性試験は、ヒューレットパッカード社製カラープリンターHP Color LaserJet 4650dn(クリーニングブレード、カウンター当接方式)を用いて行った。
作製した感光体ドラムとトナーとをシアン色用のプロセスカートリッジに装着し、このカートリッジをプリンターに装着した。温度10℃、湿度15%環境下(LL環境下と称することがある)で、10000枚の画像形成を行い、ゴースト、かぶり、濃度低下、フィルミング(FLと略することがある)、クリーニング不良(CLと略することがある)、膜減り性の評価を行った。結果を表−3に示す。
初期感光体ドラムの膜厚をFisher Scope膜厚計にて測定し、10000枚印刷後の膜厚を同じくFisher Scope膜厚計にて測定し、その差を測ることにより、1000枚あたりの膜減りを求めた。
[その他の評価]
また、クリーニング不良(CL)、フィルミング(FL)、画像品質について、以下の通りランク付けを行った。なお、カブリは目視評価により行った。
「クリーニング不良」項目
◎:まったくクリーニング不良が発生していない。
○:うっすらとクリーニング不良の発生が確認できるが、実用上使用可能なレベル。
△:クリーニング不良の発生が確認できるが、実用上使用可能なレベル。
×:全面にクリーニング不良が発生しており、実用上問題のあるレベル。
「フィルミング」項目
◎:まったくフィルミングが発生していない。
○:うっすらとフィルミングの発生が確認できるが、実用上使用可能なレベル。
△:フィルミングの発生が確認できるが、実用上使用可能なレベル。
×:全面にフィルミングが発生しており、実用上問題のあるレベル。
「画像品質」項目
◎:画像異常が全く観察されず良好である。
○:ゴースト、LL環境下での濃度不良、地肌部の汚れなどがわずかに観察されるが、実用上問題なく良好である。
△:ゴースト、LL環境下での濃度不良、地肌部の汚れなどが観察されるが、実用上使用可能なレベルである。
×:ゴースト、LL環境下での濃度不良、地肌部の汚れなどが明らかで、実用上問題がある。
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、実施例5で用いた下引き層形成用塗布液、電荷発生層用塗布液および電荷輸送層用塗布液を、浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ
、0.15μm、0.4μm、21μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、感光体ドラム(DE5)を得た。
ネートB(PCR-B)を使用したときよりも、膜減り性が良好であることがわかる。またクリ
ーニング、フィルミングに関しても、良好であることがわかる。
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラー
44 現像ローラー
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラー)
72 下部定着部材(定着ローラー)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (7)
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型電子写真感光体であって、該電荷発生層に一般式[1]で表される部分構造を有するポリエステルを含有す
ることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。 - 前記電荷輸送層がポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記結着樹脂中における、上記一般式[1]で表される部分構造のモル比が10mol%以下で
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 - 前記電荷輸送層中が下記一般式[2]で表されるポリアリレート樹脂を含有することを特
徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
方は置換基を有するアリーレン基である。)
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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