JP5780935B2 - 半導体ウェーハをメッキする装置及び方法 - Google Patents

半導体ウェーハをメッキする装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウェーハの堆積及び平坦化に関し、特に、局所堆積を利用して薄膜をより効果的に堆積させ、更に局所平坦化を可能にする装置及び方法に関する。
電気メッキは、十分に確立された堆積技術である。半導体製造技術において、電気メッキは、通常、単一ウェーハプロセッサにおいて、ウェーハを電解質に浸漬した状態で行われる。電気メッキ中、ウェーハは、通常、陽極の役割を果たす正荷電プレート(同じく電解質に浸漬)に対して負の電位又は接地電位で、ウェーハホルダに保持される。例えば、銅層を形成するには、電解質は、通常、約0.3M乃至約0.85MのCuSO4であり、pHは約0乃至約2(H2SO4により調整)で、堆積材料の品質を向上させる微量レベル(ppm単位の濃度)の独自の有機及び/又は無機添加物を含む。
メッキプロセス中には、均一なメッキを促進するために、通常、ウェーハを回転させる。メッキプロセス中に十分な膜厚が達成された後、ウェーハをメッキチャンバから別のチャンバへ移動させて脱イオン(DI)水中で濯ぎ、残存電解質をウェーハ表面から除去する。次に、裏面及びベベルエッジから不要な銅を除去するために、ウェーハには追加の湿式処理が施され、その後、更にDI水での濯ぎにより、湿式処理の残留化学物質を除去する。その後、ウェーハを乾燥させ、アニールした後で、化学機械平坦化(CMP)工程のための準備が整う。真空環境でウェーハを処理するのとは異なり、ウェーハ処理中の「湿式」工程には、追加的なDI水による濯ぎと乾燥ステップとが続く。電解質の希釈の問題及びハードウェア設計の複雑性増加のため、DI水による濯ぎは、通常、メッキチャンバ内では行われない。現在、ウェーハメッキツールの湿式処理ステーションの約50パーセントは、メッキ専用であり、ウェーハのスループットに大きな悪影響を与え、処理コストを増加させている。加えて、障壁層に対する直接的な銅メッキを可能にするために、表面活性化とメッキとの間の時間は、最小化する必要がある。表面活性化工程の有効性は、表面活性化後にウェーハを濯ぎ、ウェーハをメッキモジュールへ輸送するために要する追加的な時間によって制限される。湿式処理ステップ間の個別のDI水による濯ぎの量を除去又は低減することで、更に効率的な方法が提供される。
メッキプロセス中、ウェーハは、陰極の役割を果たし、ウェーハには電源を電気的に接続する必要がある。通常は、ウェーハホルダ又は支持部の多数の個別の接点により、ウェーハホルダをウェーハのエッジに電気的に接続する。こうした接点を介して提供された電流は、ウェーハを電気メッキするために利用される。従来のアプローチにおいて、メッキ電流は、均一な堆積を提供することを目的に、ウェーハの周囲で均一に分配される。均一な堆積には、通常、抵抗シード層を介したウェーハとの均一で一定な接触抵抗が必要となる。したがって、均一な堆積を提供するためには、基板との接点の清浄性及び再現性が確保されることが好ましい。場合によっては、接点の洗浄には、メッキ工程の生産性を更に制限する追加的なプロセスが必要となる。
バイポーラ効果は、銅電気メッキのもう一つの課題であり、接触抵抗が非常に高い時に観察される。バイポーラ効果は、メッキプロセスに湿式接触が使用される時に発生する。この効果は、接点の真下にある銅シード層のエッチングを誘発し、これにより、電気メッキ中にウェーハと電源との間の電気的接触を分断する。バイポーラ効果は乾式接触が使用される時に回避されるが、しかしながら、乾式接触方法には、複雑なシール設計が必要であり、信頼性の問題が生じやすい。半導体ウェーハ上の造作の寸法が縮小を続けるにつれ、銅シード層の厚さも、現在の約1000オングストロームから約400オングストローム未満へ減少することが予想されている。シード層の厚さの減少は、銅電気メッキプロセス中に空隙のないギャップ充填を可能にするために、造作の最上部に妥当なサイズの開口部を確保する上で必須となる。シード層の役割は電気メッキ中にメッキ電流をウェーハ全体に分布させることであるため、薄く抵抗の大きいシード層によって、ウェーハ外周の接点近くを均一にメッキするために設計されたチャンバには、大きな課題が持ち込まれる。末端効果として知られるこの効果は、現在の300mmウェーハのような大型のウェーハにおいて更に顕著となる。
したがって、必要なものは、バイポーラ効果なしで、半導体ウェーハの障壁層上に均一な電気メッキを提供する電気メッキシステムである。
大まかに言って、本発明は、メニスカスに基づくメッキプロセスを使用した局所電気メッキを提供する装置である。
なお、本発明がプロセス、装置、システム、デバイス、又は方法を含む多数の態様で実施可能であることは理解されたい。以下、本発明のいくつかの発明実施形態について説明する。
一実施形態では、ウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置が提供される。ウェーハは、陰極として荷電させることができる。電気メッキ装置は、ウェーハの表面上方又は下方に配置可能で、かつ、陽極として荷電させることが可能なメッキヘッドを含む。メッキヘッドは、ウェーハ及びメッキヘッドが荷電されている時、ウェーハの表面とメッキヘッドとの間での金属メッキを可能にできる。メッキヘッドは、更に、メッキヘッドとウェーハの表面との間に存在する電圧を感知可能な電圧センサ対と、電圧センサ対からデータを受領可能なコントローラとを備える。電圧センサ対から受領したデータは、メッキヘッドがウェーハの表面上方の位置に置かれた時に陽極により印加されるべき実質的に一定の電圧を維持するために、コントローラによって使用される。
本発明の別の実施形態では、ウェーハの表面をメッキする方法が提供される。方法は、ウェーハの表面上でメッキメニスカスを形成するステップを備え、メッキメニスカスは金属材料のメッキを可能にする印加電荷を有し、更に、メッキメニスカスをウェーハ表面の位置に亘って移動させるステップと、メッキメニスカスの印加電荷を制御するステップとを備える。印加電荷は、メッキメニスカスをウェーハ表面の位置に亘って移動させる時に、メッキ層がウェーハ表面全体で実質的に均一となるように変化させる。
本発明の別の実施形態では、ウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置が提供される。ウェーハの表面上方に配置される構成となるメッキヘッドは、ウェーハの表面上に金属層をメッキするための陽極として荷電させることができる。メッキヘッドは、更に、メッキヘッドとウェーハの表面との間に第一の流体を提供できる。ウェーハの表面上方に配置される構成となる近接ヘッドは、メッキヘッドの経路に従い、ウェーハの表面を処理することができる。
本発明の別の実施形態では、ウェーハの表面を電気メッキするシステムが提供される。メッキヘッドは、ウェーハの表面上方に配置可能であり、陽極として荷電できる。メッキヘッドは、更に、ウェーハ及びメッキヘッドが荷電されている時にウェーハの表面とメッキヘッドとの間での金属メッキを可能にできる。メッキヘッドは、メッキヘッドとウェーハの表面との間に存在する電圧を感知可能な電圧センサ対と、電圧センサ対からデータを受領可能なコントローラとを備える。データは、メッキヘッドがウェーハの表面上方の位置に置かれた時に陽極により印加されるべき実質的に一定の電圧を維持するために、コントローラによって使用される。システムは、更に、ウェーハの表面の洗浄及び乾燥が可能な近接ヘッドと、処理中にウェーハを搬送して所定の位置に保持可能なウェーハハンドリング機構と、電気メッキシステムの動作を制御可能なコンピュータとを含む。
本発明の利点は無数に存在するが、最も顕著なものとして、実施形態は、局所メッキを可能にし、そのため、メッキの活性面積を低減し、化学交換を改善する。局所金属メッキは、障壁又はシード層全体に分布させる必要がある総メッキ電流を減少させ、これにより、抵抗層の効果を大幅に低減し、堆積の均一性を改善する。陽極によって印加される電圧の恒常的なモニタ及び制御は、メッキ工程を受けるウェーハの表面全体での均一な電流密度を提供する。同時的な前処理、メッキ、濯ぎ、及び乾燥手法は、処理を統合し、より効率的な方法を生み出す。例えば、前洗浄及びメッキプロセスを隣接した構成にすることで、局所処理の周囲条件を相対的に無酸素に維持できる。不活性ガスカーテンを使用して、前洗浄及びメッキプロセスステップ間に形成された活性表面領域の再酸化を防止できる。また、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
・形態1
ウェーハの表面をメッキする方法であって、
前記ウェーハの前記表面上に、金属材料のメッキを可能にする印加電荷を有するメッキメニスカスを形成するステップと、
前記メッキメニスカスを前記ウェーハ表面の位置に亘って移動させるステップと、
前記メッキメニスカスを前記ウェーハ表面の位置に亘って移動させる時に前記印加電荷が変化するように、前記メッキメニスカスの前記印加電荷を制御するステップと、を備え、
前記印加電荷を変化させることで、メッキ層が前記ウェーハ表面に亘り実質的に均一となるようにする、方法。
・形態2
形態1記載の方法であって、
前記印加電荷を制御する前記ステップは、前記メッキを実行する時に、前記ウェーハの前記表面のメッキ化学物質に対して、実質的に調節された電圧を提供する、方法。
・形態3
形態1記載の方法であって、
前記印加電荷を制御する前記ステップは、前記ウェーハの前記表面に亘って、メッキ化学物質を介して、実質的に均一な電流密度を提供する、方法。
・形態4
ウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
前記ウェーハの前記表面の上方に配置されるように構成されると共に、前記ウェーハの前記表面上に金属層をメッキするための陽極として荷電可能であり、更に、前記メッキヘッドと前記ウェーハの前記表面との間に第一の流体を提供可能なメッキヘッドと、
前記ウェーハの前記表面の上方に配置されるように構成されると共に、前記メッキヘッドの経路に従って前記ウェーハの前記表面を処理することが可能な近接ヘッドと、を備える、電気メッキ装置。
・形態5
形態4記載のウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
前記第一の流体は、電解質、DI水、及びメッキ化学物質の一つを含み、
前記第一の流体の電解特性は、前記ウェーハとの電気的結合を促進し、
前記ウェーハは、前記ウェーハの除外領域における電気的接触によって陰極として荷電される、電気メッキ装置。
・形態6
形態5記載のウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
前記メッキ化学物質は、銅材料、ニッケル材料、タリウム材料、タンタル材料、チタン材料、タングステン材料、コバルト材料、合金材料、又は複合金属材料を含む金属をメッキするための水溶液として定義される、電気メッキ装置。
・形態7
形態4記載のウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
前記近接ヘッドの下の前記流体は、イソプロピルアルコール(IPA)と、化学物質と、希釈化学物質と、脱イオン水とのうちの一つ以上である、電気メッキ装置。
・形態8
形態4記載のウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
前記メッキヘッドの下の面積は、局所メッキを定め、
前記面積は、前記ウェーハ表面の全体よりも小さい、電気メッキ装置。
・形態9
形態8記載のウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
渦電流センサは、局所金属メッキのモニタを可能にする、電気メッキ装置。
本発明のその他の態様及び利点は、本発明の原理を例として示す添付図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになろう。
本発明による、電気メッキ装置の一実施形態を例示する図。 本発明による、洗浄コンポーネントを有する電気メッキ装置の例を提供する図。 本発明による、メッキ工程中の電気メッキ装置を例示する図。 本発明による、ウェーハと接触するメッキ装置の電気回路図。 本発明による、ウェーハ上方のメッキヘッドの詳細な側面図。 本発明による、ウェーハのエッジ上方を移動する際の動作中のメッキヘッドの詳細な側面図。 本発明による、ウェーハのエッジ上方を移動する際の動作中のメッキヘッドの上面図。 本発明による、ウェーハが動作中のメッキヘッドの下方に配置された際の電流密度を表すグラフ。 本発明による、ウェーハ上方を移動する際の動作中のメッキヘッドの側面図。 本発明の一実施形態による、電気メッキ工程用のウェーハ搬送装置の例を示す図。 本発明による、電気メッキ装置の別の実施形態を提供する図。 本発明の別の実施形態による、動作中の電気メッキシステムを例示する図。 本発明による、電気メッキシステムの別の実施形態を例示する図。 本発明の別の実施形態による、様々な段階の処理が可能な大型処理装置へのメッキシステムの統合を例示する図。 本発明による、電気メッキの例示的方法を提供するフローチャート図。 本発明の一実施形態による、電気メッキシステム用の動作方法のフローチャート。
本発明は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明により容易に理解されよう。この説明を容易にするために、同様の参照符号は同様の構造要素を示す。
ウェーハの表面を電気メッキする方法及び装置についての発明を開示する。本発明は、一般的に、半導体ウェーハの乾燥領域における電気的接触を提供し、同時に障壁上での均一な電気メッキを発生させる。電解質及び統合処理への露出時間を低減する目的で、統合された濯ぎプロセスが提供される。層の均一性を確保するために、本発明は、ウェーハとの単一点での乾式電気接触を実施し、同時に一定の電圧を維持し、これにより、電流密度をウェーハ全体で均一に分布させる。
以下の説明は、半導体技術のメッキ手法の分野に更なる進歩を提供する。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細について述べる。しかしながら、当業者は、こうした具体的な詳細の一部又は全部がなくとも本発明を実践し得ることを理解するであろう。別の例において、本発明を不必要に曖昧にしないために、周知のプロセスステップについては、詳細に説明していない。
図1は、本発明の一実施形態による、例示的な電気メッキ装置100の図である。ウェーハWは、ウェーハWのエッジ除外領域内に取り付けられたウェーハ後縁部の電気接点150aおよびウェーハ前縁部の電気接点150bに電気的に接続できる。電気接点150a及び150bは、ウェーハWのエッジ除外領域に取り付けるために、或いはウェーハWから分離するために、方向162で物理的に移動できる。エッジ除外領域は、ウェーハの外周に存在し、通常、200mm及び300mmウェーハでは、約1mm乃至約3mmである。電源は、陰極として機能させるために、電気接点150a及び150bを経由してウェーハWを負に荷電させる。
メッキヘッド110は、電源によって陽極として荷電させることが可能であり、ウェーハWの上方で懸架することが可能である。図示していないが、電気メッキ装置100は、ウェーハWがメッキヘッド110の上方になるように反転できる。メッキヘッド110は、ウェーハWの表面と接触していないが、しかしながら、ウェーハWに極めて近接して配置できる。メッキヘッド110は、ウェーハWの表面に亘って延びるバーとして構成してよい。メッキヘッド110は、アーム、オーバヘッドバー、或いはメッキヘッド110をウェーハWの表面上方に配置できる任意の適切なデバイスによって支持されてよい。ウェーハWは、シード層を有してよい。シード層は随意的なものだが、しかしながら、一部の実施形態は、電気メッキ工程を行う前にシード層を上部に形成することで恩恵を受ける場合がある。メッキする材料が銅である時、シード層は、通常、公知の手法を使用してスパッタリング又は堆積させ得る銅の薄層である。
メッキヘッド110は、ウェーハ後縁部の電気接点150aに向かってウェーハWの表面上方を相対方向160に進む際に、その経路にメッキ層103を残す。メッキ層103は、メニスカスに含有される電解質によって促進される電気化学反応を介して形成される。メニスカスは、メッキヘッド110とウェーハWとの間に定められた流体ボリュームである(下で更に詳細に説明する)。代替実施形態において、メッキ層103は、シード層ではない層の上に形成できる。こうした層の例は、障壁層又は他の何らかの層材料となり得る。メッキ層103は、銅、ニッケル、コバルト、ルテニウムのいずれか、上記記載金属の合金、或いは半導体用途に適した複合金属材料等、電気メッキが可能な任意の金属にしてよい。
メッキヘッド110は、あらゆる形でウェーハWを走査するようにプログラムできる。システムは例示的なものであり、ウェーハに極めて近接した位置へのヘッド(群)の移動を可能にする他の任意の適切なタイプの構成を利用してよいと理解されたい。好適な実施形態において、メッキヘッド110は、ウェーハWの一方の縁部から別の正反対のウェーハW縁部まで、直線的な形で移動してよい。例えば、半径方向運動、円運動、螺旋運動、又はジグザグ運動その他といった、その他の非線形運動を利用してもよい。例えば、ウェーハW及び接点150a及び150bを回転させる場合、メッキヘッド110は、ウェーハWの中心で動き始め、外側の縁部まで直線的に徐々に移動できる。
別の実施形態において、メッキヘッド110は、軌道を描いて周りながらウェーハW上方を進行することが可能であり、或いは、別の場合には、ウェーハの全ての部分を処理可能となる形でウェーハ上方を移動できる。運動も、ユーザの必要に応じて、任意の適切な指定された運動プロフィールにしてよい。移動中、メッキ動作は、均一な金属材料層をウェーハWの表面に送給することが望ましい。メッキヘッド110の動作に関する詳細は、下で更に詳しく説明する。
本明細書での使用において、局所金属メッキは、金属材料を堆積させるメッキヘッド110下方の領域を定めることが意図されている。図面に示したように(図1乃至3及び5乃至10)、メッキヘッド110の下方の面積は、ウェーハWの表面積全体より小さい。したがって、局所金属メッキは、一定の時点でメッキヘッド110の下でのみ発生する。ウェーハWの表面上での更なる金属メッキを達成するために、メッキヘッド110は、ウェーハWの別の表面領域を移動する。例示的な実施形態において、メッキヘッド110は、バーの形状で構成され、ウェーハWの表面全体で均一なメッキを保証する移動が可能である。代替として、ウェーハW上でのメッキヘッド110の移動は相対的であるため、メッキヘッド110を移動させる代わりに、ウェーハWと電気接点150a及び150bとを移動させることができる。
図2は、メッキヘッド110によってメッキ工程が実行された後、ウェーハWの洗浄、濯ぎ、及び乾燥が可能なメッキ装置の実施形態を提供する。工程中、メッキヘッド110は、ウェーハWの縁部及びウェーハの未メッキ領域101に向かって相対方向160に進む。洗浄されていないメッキ層103は、メッキヘッド110と、近接ヘッド130として知られる第二のヘッドとの間に位置する状態で図示されている。近接ヘッド130は、脱イオン水、化学物資、希釈化学物質、及びイソプロピルアルコールの一つ以上を供給可能な複数の投入部を有する。近接ヘッド130には複数の排出部も含まれ、排出部は、ウェーハWの表面から流体を除去できる。
近接ヘッド130は、メッキ層103を備えたウェーハWの領域の洗浄、濯ぎ、及び乾燥を行い、ウェーハWの表面から任意の残存電解質を除去できる。ウェーハ前縁部の電気接点150bに最も近いウェーハWの縁部に図示された乾燥メッキ領域105は、近接ヘッド130によって洗浄済みである。一実施形態において、ウェーハ前縁部の電気接点150bは、ウェーハの前縁部で実行される最初のメッキ工程中にウェーハWと接触しないように、方向162に移動させることができる。こうして150bとウェーハWとが分離する場合に、ウェーハ後縁部の電気接点150aをウェーハWと物理的に接触した状態にして、電気化学反応に必要な電流経路を提供する。
図3は、本発明によるウェーハメッキ装置の別の図を提供する。上の図1及び2において説明したように、メッキヘッド110は、ウェーハ後縁部の電気接点に向かってウェーハW上方を相対方向160に進む。工程中には、メッキヘッド110とウェーハWとの両方に接触するメッキメニスカス111が、メッキヘッド110の下に形成される。
メニスカスは、表面の上又は下、或いは表面間で、流体のカプセル化領域を維持するために、流体の表面張力勾配(STG)を利用する。近接ヘッドによって利用されるメニスカスの動作は、2002年9月30日提出の同時係属米国特許出願第10/261,839号「ウェーハ表面に極めて近接して保持した複数の入口及び出口を使用して半導体ウェーハ表面を乾燥させる方法及び装置」において開示されている。メッキメニスカス111は、ウェーハWへの電気的経路を完成させることが可能な電解質と、以下の図5乃至7において説明するようなメッキ工程に必要な材料とを含有する。メッキヘッド110及びメッキメニスカス111は、ウェーハの未メッキ領域101に向かって相対方向160に進み、メッキ済みだが濯ぎがされていないウェーハ部分103を残す。一実施形態において、メッキヘッド110の後方に続く近接ヘッド130は、脱イオン水(DI水)、イソプロピルアルコール(IPA)、及び真空のうち一つを提供する洗浄メニスカス131を有する。近接ヘッド130は、メッキ層103を含むウェーハの表面を洗浄し、乾燥メッキ領域105を残す。近接ヘッド130によって実行される洗浄は、随意的に濯ぎを含んでもよい。IPAの使用は、随意的なものであり、複数の排出部によって提供される真空がウェーハ表面の流体を除去する上で十分に強力であり、近接ヘッド130の移動が制御されている場合には必要ない。近接ヘッド130は、IPA境界内でのDI水の連続的な供給及び除去を提供することで、2002年12月24日提出の米国特許出願第10/330,843号「メニスカス、真空、IPA蒸気、乾燥マニホルド」において説明される形で動作できる。
本発明の別の実施形態において、メッキヘッド110の一部には、近接ヘッド130の特徴を組み込んでよく、これにより、メッキ層103を含むウェーハWの表面を洗浄するために必要となる別個のヘッド又はバーの必要性が排除される。上の図2及び図3において説明した近接ヘッド130は、更に、ウェーハWの効率的な濯ぎ及び乾燥が提供されるように、任意の適切な形でメッキヘッド110に取り付けてもよい。
図4は、本発明の一実施形態による、メッキ装置の電気回路図を提供する。メッキヘッド110は、陽極として正に荷電され、メッキメニスカス111を介してウェーハWに電気的に接続される。メッキメニスカス111の伝導性は、流体に含有される電解質及び導体材料によって与えられる。メッキヘッド110とウェーハWとの間に形成されたメッキメニスカス111は、スイッチ155をウェーハ後縁部の電気接点150aの方向に入れて、接触させる時、ウェーハ後縁部の電気接点150aとの間でウェーハWの表面を電子が移動する電気的経路を提供する。電気接点150a及び150bは、負に荷電又は接地されており、陽極であるメッキヘッド110から陰極であるウェーハWへの電気回路を完成させる。単純に図示されているが、スイッチ155は、接点150a、150b、或いは150a及び150bの両方をつなぐことができる。スイッチ155は、メッキ工程中、メッキヘッド110がウェーハWの表面全体で相対方向160に進む際に、電気的接触を150aから150bへ増分的に移行させることができる。別の実施形態において、接点150a及び150bは、ウェーハWとの電気的接触又は分離を提供するために、(上の図1において説明したように)独立した物理的移動が可能である。
図5は、メッキヘッド110を中心とした電気メッキ装置の詳細図である。メッキ化学物質118は、メッキヘッド110内のリザーバに提供される。メッキ化学物質118は、銅メッキ用にしてよいが、しかしながら、特定の用途(即ち、必要な金属材料のタイプ)に応じて、その他のメッキ化学物質に置き換えてもよい。メッキ化学物質118は、金属、合金、又は複合金属材料を堆積させる水溶液として定義できる。一実施形態において、メッキ金属は、銅材料、ニッケル材料、タリウム材料、タンタル材料、チタン材料、タングステン材料、コバルト材料、合金材料、複合金属材料、その他のいずれか1つを含むことができるが、これに限られるものではない。メッキ溶液118は、MeX+1[錯体]+e-→MeX[錯体]の形態のウェーハW表面での反応を提供する。この場合、Meは、Cu等の金属イオンにすることが可能であり、xは2となる。錯化剤は、エチレンジアミン、アンモニア(NH3)、グルコヘプトン酸、又はその他にすることができる。
メッキヘッド110は、メッキ化学物質118を収容するリザーバの両側に陽極112を有する。電気化学反応のための電荷を提供する電源により、陽極112に電圧を印加してよい。上記のウェーハWとウェーハ後縁部の電気接点150aとの間の単一の乾式接触は、従来的な意味において放射対称ではない電流経路を提供する。メッキメニスカス111に含まれるメッキ化学物質118は、電解質溶液を提供し、これにより、ウェーハWの表面での反応は、陽極112に電荷を加えた時、Cu+2+2e-→Cuとなる。メッキヘッド110がウェーハ後縁部の電気接点150aに向かって相対方向160に進む際には、メッキヘッド110下方のメッキ工程を受ける領域において、均一な電流分布が実現される。
電源は、ウェーハ前縁部の電気接点150b及びウェーハ後縁部の電気接点150aに電気的に接続される。電気接点150a及び150bは、独立した制御及びウェーハWとの独立した接触が可能である。多孔性アプリケータ114は、メッキ化学物質118の真下に位置し、リザーバの基部を提供する。多孔性アプリケータ114は、メッキ化学物質118をリザーバから、メッキヘッド110とウェーハW表面との間の領域へ通過させることが可能な多孔性セラミック又はその他の適切な材料で構成される。適切な多孔性アプリケータ114の例は、2004年6月28日提出の同時係属米国特許出願第10/879,396号「電気メッキヘッド及びその操作方法」において説明されている。多孔性アプリケータ114は、実質的に垂直な入射角度で、陽極112からウェーハW表面への電流Iの流れを提供する。
多孔性アプリケータ114を通過するメッキ化学物質118は、好ましくは、メッキヘッド110下方のウェーハW上に存在する薄層として定められるメッキメニスカス111に閉じ込められる。メッキメニスカス111の厚さは、所望の用途に基づいて変化してよい。一例において、メニスカスの厚さは、約0.1mm乃至約10mmの範囲にしてよい。したがって、メッキヘッド110は、ウェーハ表面に近接して配置される。本明細書での使用において、「近接」は、メッキヘッド110下面とウェーハW表面との間の分離を定義し、分離は、流体メニスカスの形成を可能にする上で十分なものにするべきである。多孔性アプリケータ114は、ウェーハWの表面に近接するメッキメニスカス111において抵抗板として機能する。陽イオンは、リザーバと多孔性アプリケータ114との間の膜を介して導入される。
本発明によれば、メッキ材料は、メッキ化学物質118を含有するメッキメニスカス111において発生する化学反応によって形成される。メッキヘッド110内の陽極112に荷電することで、ウェーハWの表面での化学反応が促進される。メッキを可能にするために、電源による電気接点150aを介して陰極として荷電されたウェーハWにおいて、化学物質中のイオンの還元が行われる。化学反応によって、メッキ層103が形成される。反応副産物及び劣化した反応流体は、(上記のように)近接ヘッド130によって除去する。
更に図5を参照すると、メッキヘッド110がウェーハW表面上方を相対方向160に移動する時にメッキヘッド110の前方側にある電圧センサ対126は、電圧センサ121及び122間の電圧モニタデータをコントローラに提供する。同様に、メッキヘッド110の後縁部においても、第二のセンサ対128が、メッキヘッド110の後縁部での電圧センサ123及び124間の電圧モニタデータをコントローラに提供する。コントローラは、電圧センサ対126及び128からのフィードバックを受領し、電源によって陽極112と電気接点150a及び150bとに供給される電力を調節できる。電圧センサ対126及び128は、電流密度制御を提供可能なコントローラにデータを提供する。
図6Aに示すように、フィードバックメカニズムにより、本発明に従って、メッキヘッド110に加える電力のモニタ及び制御が可能となる。ウェーハWの縁部上方でのメッキヘッド110の移動中、電圧センサ対126及び128からのフィードバックにより、電源がメッキヘッド110へ分配する電力のモニタ及びその後の制御が可能となる。電圧センサ対126及び128からのデータを受領するコントローラは、ウェーハWが電圧センサ126の下を通過し始める際に、ウェーハWの存在を認識する。一実施形態において、ウェーハWは、方向162でウェーハWとの物理的接触から離れたウェーハ前縁部の電気接点150bを備えた支持部165に置かれる。ここで、ウェーハWの乾燥したエッジ除外領域内にあるウェーハ後縁部の電気接点150a(図1乃至5参照)に負の電荷を加える。メッキヘッド110がウェーハの縁部上方で相対方向160に移動する際には、メッキヘッド110によって定められた表面領域の抵抗率が低下するのに従って、一定の電圧を維持するために電流Iを増加させて、メッキ領域が前進してもメッキ工程は効果的に制御される。メッキヘッド110下方の領域での電流密度は、事実上、一定に維持される。コントローラは、更に、メッキヘッド110がウェーハWの部分的な上方にのみ配置されることを認識できる。
図6Bは、本発明による、メッキヘッド110がウェーハWの前縁部上方を移動する際の電気メッキ装置の上面図を提供する。図示したように、ウェーハ前縁部の電気接点150bは、ウェーハWに触れていない。メッキヘッド110の後縁部の電圧センサ対128は、ウェーハW上方を移動していない。メッキメニスカス111は、ウェーハWの一部の上に存在しており、したがって、ウェーハ後縁部の電気接点150aを介して、ウェーハWの表面全体に電流Iを導入している。電圧センサ対126は、電気メッキ工程を受けているウェーハWの領域の上方に存在する。コントローラ(図5及び6A参照)は、メッキヘッド110によって定められたウェーハWの領域に印加する電流Iの量を調節できる。
図6Cは、本発明による、メッキ工程を受けるウェーハWの表面全体に印加される電流の量をグラフで表現している。ウェーハの表面積と、電圧が一定に維持された間に印加される電流との関係は、V=IRによって規定される。グラフにおいて、x軸線は、ウェーハWの前縁部から後縁部までの距離を表し、更に、メッキヘッド110がウェーハWの表面を横断するために要した時間量も表現できる。曲線Xeの下の領域は、ウェーハの前縁部において印加された電流の量を表す。曲線Xcの下の領域は、ウェーハの中心、即ち、最大のウェーハ表面積がメッキヘッド110によって定められる時点で印加された電流の量を表す。コントローラによって受領される電圧センサ対126及び128からのデータ
は、図6Cに示したようなグラフ表現を提供する。メッキヘッド110がウェーハWを横断する際には、メッキ領域が前進しても、メッキ工程は効果的に制御される。電圧センサ対126及び128からデータを受領可能なコントローラは、ウェーハ表面に印加される電流がメッキヘッド110及びメニスカス111によって定められたウェーハWの表面積の大きさにおいて比例する状態を確保する。メッキヘッドによって定められた表面領域の抵抗率がウェーハWの中心に向けて減少し、中心から後縁部に向けて増加するのに従って、電流を増加させて一定の電圧を維持する。
電気接点150a及び150bの使用は、メッキヘッド110がウェーハWの中心を越える際に移行させる。均一な電流密度を維持するために、メッキヘッド110から最も距離のある電気接点を使用して、回路を完成させる。利用される接点がメッキヘッド110から直線で最も遠い時、電流場のラインは、最も均一になる(相対方向160に進むメッキヘッド110に垂直)。メッキヘッド110の下の領域における電流密度は、ウェーハ後縁部の電気接点150aからウェーハ前縁部の電気接点150bへの接点の切り替えにより、事実上、一定に維持される。
図7は、ウェーハW上方の動作中のメッキヘッド110の側面図である。メッキヘッド110は、ウェーハW後縁部に向かって相対方向160で移動を続ける際に、その経路にメッキ層103を残す。電流Iは、陽極112から、メッキ化学物質118を介し、多孔性アプリケータ114を介して、ウェーハWの表面に接触するメッキメニスカス111に達する。メッキメニスカスの電解質の特性により、メッキヘッド110の下での均一な電流分布が確保される。ウェーハW中心上方の電流経路は、多孔性アプリケータ114とメッキメニスカス111とを介して均一となる。
メッキヘッド110がウェーハWの一部を横断した後、(上の図2乃至3で説明した)近接ヘッド130は、その領域の洗浄及び乾燥を行う。メッキヘッド110がウェーハの中心近くの領域に進んだ時、乾燥メッキ領域105(図2及び3において乾燥メッキ領域105として図示)は、ウェーハ前縁部の電気接点150bに接触させることができる。ウェーハ前縁部の電気接点150bがウェーハと接触すると、ウェーハ後縁部の電気接点150aが取り外され、陰極であるウェーハWの表面での均一な電流分布を提供する単一の乾式接触が維持される。
ウェーハ後縁部の電気接点150aからウェーハ前縁部の電気接点150bへの移行中、150a及び150bに加える電荷は、注意深く制御する必要がある。ウェーハ前縁部の電気接点150bの物理的接触は、電源による150bへの電流の印加の前に形成される。メッキヘッド110がウェーハの中心を越えると、電流Iは、150aから150bへ移行し、一定の合計電流密度を維持する一方で、電圧センサ対126及び128に亘って一定の電圧を維持するために、後縁部150aの電流をゼロまで減少させ、同時に前縁部150bの電流を所望のレベルまで増加させる。本発明によれば、従来、接点の真下のメッキ材料のエッチングを引き起こすバイポーラ効果は、単一点での乾式電気接触の使用によって回避される。したがって、メッキ接点のハードウェアは、本発明において簡略化され、プロセスの制御及び信頼性が大幅に改善される。
図8は、電気メッキ装置の上面図を提供する。複数のウェーハWは、支持部165上において、相対方向160でメッキヘッド110の下に搬送してよい。近接ヘッド130は、メッキヘッド110によって実行される最初のメッキに続くウェーハWの洗浄のために、列を成してよい。一連のメッキヘッド110及び近接ヘッド130は、コンベヤベルトタイプの処理に似た形で、搬送機構に沿って配置してよい。他の適切なウェーハ搬送及びハンドリング機構を使用して、メッキプロセスの効率を支援してもよい。
図9は、電気メッキ装置の別の実施形態である。この実施形態において、メッキヘッド110及び近接ヘッド130は、ウェーハWの表面上方に配置可能なスピンドル220に取り付けられる。ウェーハWは、支持部165上に配置され、電気接点150a及び150bによって陰極として荷電できる。スピンドル220は、メッキヘッド110と近接ヘッド130とを支持し、ウェーハW上方の位置に配置するために相対方向160又は逆方向に移動できる。スピンドル220は、メッキ工程中、ウェーハWの表面全体を走査できる。スピンドル220は、メッキヘッドが相対方向160とは反対の方向でウェーハWを走査する場合に、近接ヘッド130がメッキヘッド110に続くように、メッキヘッド110及び近接ヘッド130を180度変えて再配置できる。メッキメニスカス111は、メッキヘッド110とウェーハWとの間に図示されており、一方、近接ヘッド130とウェーハWとの間に位置する洗浄メニスカス131は、メッキヘッド110に続いて図示されている。
図10Aは、本発明の一実施形態による電気メッキシステム500の図である。メッキヘッド110は、支持部165上に置かれたウェーハWの上方のヘッド搬送部185によって支持される。ウェーハ搬送部187は、ウェーハWをメッキヘッド110の下方に移動できる。コンピュータ350は、コントローラとも呼ばれ、メッキヘッド110に対するウェーハWの相対的移動を含め、電気メッキシステム500の動作を組織化できる。別の実施形態において、ヘッド搬送部185は、メッキヘッド110の経路に従ってウェーハWを洗浄可能な近接ヘッド130を装備できる。更に別の実施形態において、ヘッド搬送部185は、メッキヘッド110と近接ヘッド130との両方を支持するように構成された、上の図9において説明したようなスピンドル220を支持してよい。
別の実施形態では、図10Bに示したように、渦電流センサ230が電気メッキシステム500に統合される。渦電流センサ230は、ウェーハWの下の支持部165に配置された補助センサと共に、近接ヘッド130(図2、8、9、10A、10B)又はスピンドル(図9)に配置できる。渦電流センサ230は、コンピュータ350と通信する。渦電流センサ230は、金属層の存在及び厚さを判定し、特定のプロセスが完了する時期(例えば、終点)又はその任意の組み合わせを決定するために使用される。一実施形態において、メッキ層103の厚さは、メッキプロセス中に感知できる。このようにして、コンピュータと通信する渦電流センサ230により、制御された形での金属材料の付与が達成できる。簡単に図示しているが、渦電流センサ230の配置は、例示的なものに過ぎず、渦電流センサ230の適切な配置は、用途に応じて変化する。当然ながら、メッキ層103及び乾燥メッキ領域105の厚さを測定する他の手法も使用できる。渦電流センサ230の機能の更に詳細な説明については、2002年6月28日提出の米国特許出願第10/186,472号「半導体処理ツールへのセンサに基づく測定の統合」を参照可能である。
図11は、いくつかの段階のウェーハ処理が可能な大型の処理装置へのメッキシステムの統合を例示している。上の図1乃至10において説明した電気メッキ装置は、エッチングシステムと、洗浄システムと、化学機械平坦化システムと、堆積システムと、注入システムと、リソグラフィシステムと、マスキングシステムと、検査システムとにおいてウェーハを処理可能なウェーハ移送及び制御システムに統合できる。こうした処理ツールの統合は、空間効率に優れた形で(処理ツールの設置面積を限定して)マルチツール機能を提供するクラスタ構成又は他の適切な構成の物理的配置を含んでよい。こうしたプロセスの統合は、半導体製造の必要性と、様々な設備構成要素の互換性とに応じて変化してよい。通信に関するモジュール方式機器小委員会(MESC)及び一般装置モデル(GEM)といった半導体製造装置材料協会(SEMI)が制定した業界標準は、ウェーハ処理機器の統合を助ける。
図12は、本発明による電気メッキの方法を提供するフローチャート図である。上の図1乃至11において説明したような電気メッキ装置である場合、方法は、ステップ400において、メッキメニスカスがウェーハ表面の位置に亘って移動する時に開始される。メッキメニスカスは、メッキヘッドとウェーハ表面との間に形成される。メッキメニスカスは、上の図で説明したように、メッキ化学物質と電解質とを含有する。次に、ステップ404において、制御可能な形でメッキメニスカスに対して電荷が印加される。印加電荷は、電源によって陽極として荷電されたメッキヘッドによってメッキメニスカスに供給される。印加電荷は、電圧及び電流成分の両方を構成し、電気メッキプロセス中に電圧又は電流を実質的に調節することで制御し得る。ステップ408では、メッキメニスカスに対する印加電荷を変化させ、実質的に均一なメッキ層を確保する。印加電荷の調節により、均一な電流密度がウェーハ表面全体に印加される状態が確保される。
図13は、本発明による電気メッキシステム用の動作方法を提供するフローチャート図である。上の図1乃至11において説明したような電気メッキ装置の場合、オペレータ又は搬送システムは、シード層を備えたウェーハを提供する必要がある(ステップ502)。代替の実施形態において、ウェーハは、シード層が既に上に形成されていなくてもよい。ウェーハは、多数の形で、電気メッキ装置のウェーハ支持部に搬送してよい。ウェーハの搬送は、機械、真空、静電気、又はその他の形でウェーハを保持することで支援された一連の手動又は自動のロボット動作を含んでもよい。ウェーハには、その後、エッジ除外領域での電気的接触が提供される(ステップ504)。次に、ステップ506において、メッキヘッドは、ウェーハの所望のメッキ領域の上方に配置される。メッキヘッドの配置は、事前に定義してよく、自動化されたルーチンによって容易にしてよい。メッキヘッドは、ウェーハの表面全体を走査させてよい。
ステップ508において、電源は、メッキに関与するメッキヘッドに対して電荷を印加する。電荷は、ウェーハ及びアームの移動中を含め、メッキの前の任意の時点で印加してよい。多孔性アプリケータは、ステップ510において、メッキヘッドとウェーハ表面との間に電解メッキ化学物質を供給する。メッキヘッド内の陽極によって印加された電荷は、電解メッキ化学物質を介して、回路を完成させるウェーハに伝送され、ステップ512において、材料がメッキされる。多孔性アプリケータは、実質的に垂直な入射角度で、ウェーハWの表面に電流Iの流れを供給する。印加電荷は、一定の電流密度がメッキ中のウェーハの全領域に亘って印加される状態を確保するために、メッキ位置に応じて調節される。
ステップ508及び510は、電気メッキプロセスに影響を与えることなく入れ替え得る。メッキを可能にする電気回路は、電解化学物質がウェーハの表面に接触するまで完成しない。電解メッキ化学物質は、電気化学反応によってメッキされる材料を決定する。使用したメッキ化学物質に応じて、様々な材料をメッキしてよく、例示的な実施形態では、銅メッキ化学物質を使用して、ウェーハに銅層をメッキしてよい。
以上、本発明について、いくつかの好適な実施形態の観点から説明してきたが、当業者は、上の明細書を読み且つ図面を検討することで、その様々な変形例、追加例、置換例、及び均等物を実現し得ることは理解されよう。例えば、本明細書で説明した電気メッキシステムは、例えば200mmウェーハ、300mmウェーハ、フラットパネル、その他といった、任意の形状及びサイズの基板に対して利用してよい。したがって、本発明は、請求される発明の本来の趣旨及び範囲に入るこうした全ての変形例、追加例、置換例、及び均等物を包含するものである。

Claims (9)

  1. ウェーハの表面をメッキする方法であって、
    メッキヘッドと前記ウェーハの前記表面との間に、金属材料のメッキを可能にする印加電流を有するメッキメニスカスを形成するステップと、
    前記メッキメニスカスを前記ウェーハ表面の位置に亘って移動させるステップと、
    前記メッキメニスカスを前記ウェーハ表面の位置に亘って移動させる時に前記印加電流が変化するように、前記メッキメニスカスの前記印加電流を制御するステップと、を備え、
    前記印加電流を変化させることで、メッキ層が前記ウェーハ表面に亘り実質的に均一となるようにする、方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、
    前記印加電流を制御する前記ステップは、前記メッキを実行する時に、前記ウェーハの前記表面のメッキ化学物質に対して、実質的に調節された電圧を提供する、方法。
  3. 請求項1記載の方法であって、
    前記印加電流を制御する前記ステップは、前記ウェーハの前記表面に亘って、メッキ化学物質を介して、実質的に均一な電流密度を提供する、方法。
  4. ウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
    前記ウェーハの前記表面の上方に配置されるように構成されると共に、前記ウェーハの前記表面上に金属層をメッキするための陽極として荷電可能であり、更に、メッキヘッドと前記ウェーハの前記表面との間に第一の流体メニスカスを提供可能であり、前記メッキヘッドと前記ウェーハの前記表面との間に印加する電流を変化させることが可能な前記メッキヘッドと、
    前記ウェーハの前記表面の上方に配置されるように構成されると共に、前記メッキヘッドの経路に従って前記ウェーハの前記表面を処理することが可能であり、更に、前記ウェーハの前記表面との間に第二の流体を提供可能な近接ヘッドと、を備える、電気メッキ装置。
  5. 請求項4記載のウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
    前記第一の流体メニスカスは、電解質を提供し、金属、合金、又は複合金属材料を堆積させる水溶液であるメッキ化学物質を含み、
    前記ウェーハは、前記ウェーハの除外領域における電気的接触によって陰極として荷電される、電気メッキ装置。
  6. 請求項5記載のウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
    前記金属は、銅材料、ニッケル材料、タリウム材料、タンタル材料、タングステン材料、コバルト材料のうちの一つ以上である、電気メッキ装置。
  7. 請求項4記載のウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
    前記第二の流体は、イソプロピルアルコール(IPA)と、化学物質と、希釈化学物質と、脱イオン水とのうちの一つ以上である、電気メッキ装置。
  8. 請求項4記載のウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、
    前記メッキヘッドの下の面積は、局所メッキが行われる領域を定め、
    前記面積は、前記ウェーハ表面の全体よりも小さい、電気メッキ装置。
  9. 請求項8記載のウェーハの表面を電気メッキする電気メッキ装置であって、さらに、
    前記局所メッキのモニタを可能にする渦電流センサを備える、電気メッキ装置。
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