JP2001316876A - 測定装置およびメッキ装置 - Google Patents

測定装置およびメッキ装置

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JP2001316876A
JP2001316876A JP2000135178A JP2000135178A JP2001316876A JP 2001316876 A JP2001316876 A JP 2001316876A JP 2000135178 A JP2000135178 A JP 2000135178A JP 2000135178 A JP2000135178 A JP 2000135178A JP 2001316876 A JP2001316876 A JP 2001316876A
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wafer
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measuring
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Yoshihiro Boku
慶浩 朴
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体製造プロセスにおけるメッキ液槽に適
用される被処理ウエハの表面などについて、メッキ形成
を実際に進行させている状態でのメッキ液の流速、ウエ
ハ表面電位を計測する測定装置を提供すること。また、
この計測結果をみながらメッキ形成ユニットのメッキ形
成の電源およびメッキ液の流速を変えるポンプの両方ま
たは一方を制御し得るメッキ装置を提供すること。 【解決手段】 メッキ装置に適用できる程度にウエハの
形状と近似する形状を有し、半導体基板の面上に作り込
まれた微細機械的センサと微細電位センサの両方または
一方を具備する。メッキ装置は、ウエハ型の測定装置を
適用しかつメッキ形成のための電源とメッキ液を噴出す
るためのポンプとを具備する。測定装置により測定され
た物理量を処理し、処理された結果に基づく制御信号に
よりメッキ形成の電源およびポンプ出力の両方または一
方を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体の流速および
電位を測定する測定装置およびこの測定装置が適用され
るメッキ装置に係り、特に、半導体製造プロセスにおけ
るメッキ液槽に適用される被処理ウエハの表面などにつ
いて、メッキ液の流速、ウエハ表面電位を計測する測定
装置およびこの測定装置が適用されるメッキ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスにおけるメッキ工程
は、近年、半導体デバイスの微細化に伴い、気相状態で
の反応プロセスに代わりより頻繁に用いられるようにな
ってきている。
【0003】このようなメッキ工程において、被処理ウ
エハ面内でのメッキの膜質、膜厚の均一性を確保するこ
とは製造される半導体の品質を管理する上で重要な課題
である。
【0004】被処理ウエハ面に銅メッキを施す工程を説
明する。
【0005】被処理ウエハ面に銅メッキする場合、その
面には、電界メッキのカソードとなりメッキ形成の種
(シード)となる導電性の種付け層があらかじめ形成さ
れる。この種付け層は、例えば、数nmから200nm
程度の厚さで、後のメッキと違う材質と同じ材質の銅層
とを合わせ持つものである。
【0006】種付け層が形成された被処理ウエハは、例
えば硫酸銅をベースとするメッキ液が満たされたメッキ
液槽に浸されウエハの外周から種付け層へ電気導体の接
触を行ない電解メッキのための電気が供給される。メッ
キ液槽には、メッキ液に接して例えばりんを含む銅のア
ノード電極が配設される。なお、メッキ液槽に浸された
被処理ウエハ面に向けては、メッキ液の槽内均一性を保
つためメッキ液の流れが作られる方法もとられる。
【0007】これらの構成により、カソード、アノード
間に電気を供給するので、当初種付け層であったカソー
ドで銅の還元が生じ、銅がメッキとして種付け層上に形
成されるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、被処理ウエ
ハ面内でのメッキの膜質、膜厚の均一性を確保するため
には、被処理ウエハ面上でのメッキ条件が均一であるこ
とが必要である。メッキ条件とは、具体的には、主とし
て、メッキ液が被処理ウエハ面へぶつかる3次元的な流
速成分、およびメッキが形成されるカソードとその対向
電極であるアノードとによる電界により生じているカソ
ード上での微細な表面電圧の分布である。これらの流速
成分、および表面電圧分布をそろえるようにしてメッキ
処理をすることができれば必然的に被処理ウエハ面内で
のメッキの膜質、膜厚の均一性を確保することができ
る。
【0009】しかしながら、メッキ形成を実際に進行さ
せているその状態での上記の流速成分、および表面電圧
分布を測定する方法は現在のところ存在しない。現状で
は、メッキ工程を終えてから成膜された被処理ウエハを
計測・検査できるのみである。
【0010】すなわち、上記の流速成分、および表面電
圧分布は、現状では、ある時刻について知ることもメッ
キ形成時における時間的変化を知ることもできない。
【0011】メッキ工程を終えての成膜の計測・検査で
は、時間的・空間的に積分した結果が知れるのみであ
り、この結果から例えば具体的にメッキ工程のどの時間
帯のどの部位についてメッキの膜質、膜厚の均一性の阻
害要因が生じたのか知ることはできない。
【0012】したがって、メッキの膜質、膜厚の均一性
向上のための工程管理は、効率の期待できない計測・検
査に頼らざるを得なかった。
【0013】本発明は、このような状況を考慮してなさ
れたもので、半導体製造プロセスにおけるメッキ液槽に
適用される被処理ウエハの表面などについて、メッキ形
成を実際に進行させている状態でのメッキ液の流速、ウ
エハ表面電位を計測する測定装置を提供することを目的
とする。
【0014】また、半導体製造プロセスにおけるメッキ
液槽に適用される被処理ウエハの表面などについて、メ
ッキ形成を実際に進行させている状態でのメッキ液の流
速、ウエハ表面電位を時々刻々計測する測定装置を提供
することを目的とする。
【0015】また、半導体製造プロセスにおけるメッキ
液槽に適用される被処理ウエハの表面などについて、メ
ッキ形成を実際に進行させている状態でのメッキ液の流
速、ウエハ表面電位を計測し、この計測結果をみながら
メッキ形成ユニットのメッキ形成の電源およびメッキ液
の流速を変えるポンプの両方または一方を制御し得るメ
ッキ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る測定装置は、ウエハにメッキ形成工程
を施す装置に適用できる程度にウエハの形状と近似する
形状を有し、半導体基板の面上の一部部位に作り込まれ
た微細機械的センサと前記半導体基板の前記一部部位と
は異なる部位に作り込まれた微細電位センサの両方また
は一方を具備することを特徴とする。
【0017】この測定装置の形状は、メッキ形成工程を
施す装置に適用するウエハと近似する。これにより、測
定装置を、被処理ウエハの代わりにメッキ形成工程を施
す装置に載置し、メッキ形成工程を実際に動作させるこ
とができる。測定装置には、半導体基板の面上の一部部
位に微細機械的センサ、および微細電位センサの両方ま
たは一方が作り込まれている。したがって、メッキ形成
を実際に進行させている状態でのメッキ液の流速、ウエ
ハ表面電位を計測することができる。
【0018】また、さらに、前記半導体基板の面上に作
り込まれ、前記微細機械的センサまたは前記微細電位セ
ンサの検出出力を処理し保存する回路を具備することを
特徴とする。
【0019】半導体基板の面上に作り込まれたセンサの
検出出力の処理・保存回路を備えることで、センサの検
出出力に所定の処理を加え、さらに時間的に蓄積し保存
することができる。所定の処理には、アナログディジタ
ル変換、タイマー処理、演算処理などがある。時間的に
蓄積し保存するには、各種のディジタルメモリを用いる
ことができる。なお、このような回路は、マイクロエレ
クトロニクス技術を用いて半導体基板上に作ることがで
きる。これにより、メッキ形成を実際に進行させている
状態でのメッキ液の流速、ウエハ表面電位を時々刻々計
測し記憶することができる。
【0020】また、さらに、前記半導体基板の面上に作
り込まれ、前記回路に電気を供給する微細電池を具備す
ることを特徴とする。
【0021】微細電池により、上記の回路を動作させる
ための電源とする。この微細電池は、例えば、水素電池
とすることができる。このような微細電池は、マイクロ
エレクトロニクス技術を用いて半導体基板上に作ること
ができる。なお、このような上記の回路を動作させるた
めの電源電圧は、この測定装置の外周部に設けた電気的
接点を用いこれを介し外部から供給してもよい。
【0022】また、本発明に係るメッキ装置は、上記の
いずれかの測定装置と、前記測定装置を適用されかつメ
ッキ形成のための電源とメッキ液を噴出するためのポン
プとを具備するメッキ形成ユニットと、前記測定装置が
適用されたメッキ形成ユニットにおいて前記測定装置に
より測定された物理量を処理する手段と、前記処理され
た結果に基づき制御信号を発生する手段とを有し、前記
発生された制御信号により前記電源および前記ポンプの
出力の両方または一方を制御することを特徴とする。
【0023】メッキ装置に上記の測定装置を適用すれ
ば、実際にメッキ処理を進行させている状態でのメッキ
液の流速、ウエハ表面電位を知ることができる。そこ
で、その計測結果に基づき制御信号を発生させる。制御
信号は、メッキ形成ユニットのメッキ形成のための電源
とメッキ液を噴出するためのポンプの両方または一方を
制御する。したがって、メッキ形成を実際に進行させて
いる状態でのメッキ液の流速、ウエハ表面電位を計測し
つつ、この計測結果をみながらメッキ形成ユニットのメ
ッキ形成の電源電圧およびメッキ液の流速を変えること
が可能となる。
【0024】ここで、制御信号は、例えば、メッキ液の
流速が被処理ウエハ面上でより一定になるような上記の
電源電圧、あるいは、被処理ウエハ面上での表面電位分
布がより一定になるようなポンプ出力の指令である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明において、微細機械的セン
サおよび微細電位センサは、マイクロエレクトロニクス
技術を用いて半導体基板上に作ることができる。これら
を測定装置面(ウエハ面に相当)の各位置に複数作り込
むことによりウエハ面上での空間的な分布を測定でき
る。
【0026】微細機械的センサは、より具体的には圧力
センサ、加速度センサなどであり、これらの検出出力に
よりメッキ液が測定装置(ウエハ面に相当)にぶつかる
流速を検出することができる。微細機械的センサの測定
原理は、例えば、対向電極を備える微細カンチレバーを
半導体基板上に形成し、与えられた衝撃により微細カン
チレバーが微動するのを対向電極との静電容量の変化に
より捉えるものである。
【0027】ここで、カンチレバーの形成方向をx、
y、z方向それぞれに備えれば3次元的に流速を測定で
きる。
【0028】微細電位センサは、例えば、アノード、カ
ソードからなる微細メッキ電極を半導体基板上に形成す
ることにより得られる。すなわち、両電極間の電圧、電
流変化を計測することにより微細メッキ電極のメッキ形
成の進行を知ることができる。これは、測定装置面上
(ウエハ面に相当)の表面電位を反映したものである。
【0029】以下、本発明の実施形態を図面を参照しな
がら説明する。
【0030】図1は、本発明の実施形態である測定装置
の外観を示す平面図である。同図に示すように、この測
定装置11は、半導体ウエハと同様の形状および材質を
有し、その面上には、センサが作り込まれている領域1
2、13、14、15、16、17が存在する。各領域
12〜17には、信号線および電源線18が接続され、
その他方は、測定装置11の一定の場所に設けられたス
ルーホール19から測定装置の裏面へ延び、裏面から外
部へ電気的にコンタクトできるようになっている。
【0031】なお、スルーホール19は、接続線形成
後、樹脂等で充填処理することによってふさぐこともで
きる。
【0032】各領域12〜17を設ける場所およびその
形状は、模式的に示すものであってこの図に示すものに
限られるわけではない。
【0033】この図の領域12は、縦方向(y方向)で
あって測定装置の半径方向の分布を計測するための領域
である。領域13は、横方向(x方向)であって測定装
置の半径方向の分布を計測するための領域である。領域
14は、測定装置の外周部を計測するための領域であ
る。領域15は、測定装置の中心部を計測するための領
域である。領域16は、測定装置の外周と中心との中ほ
どを計測するための領域である。領域17は、測定装置
の周方向の分布を計測するための領域である。
【0034】これら以外にも、例えば、測定装置の外周
と中心との中ほどであって周方向の分布を計測するため
の領域などを設けることもできる。さらには、これらの
ような特定の領域に測定センサを設けるのではなく、通
常の半導体チップが作り込まれるウエハのようにウエハ
ほぼ全面にわたりセンサ群とすることもできる。
【0035】また、図1のように特定の領域にセンサを
設ける場合には、センサを設けない領域については、表
面にメッキの種付け層を形成した状態のものとすること
ができる。
【0036】すなわち、この測定装置は、ウエハにメッ
キ形成工程を施す装置(以下、メッキ装置という。)に
適用して、メッキ形成を実際に進行させている状態にお
けるメッキ液の流速分布およびウエハの表面電位分布を
計測するものであるので、できるだけその状態に近い測
定装置とするためである。なお、この場合、測定により
測定装置面上には実際にメッキが形成されてしまうが、
メッキを除去することにより再び測定装置として用いる
ことができる。メッキを除去するには、電解エッチ、化
学的エッチなどを適宜用いることができる。
【0037】センサが作り込まれている各領域12〜1
7には、微細機械的センサおよび微細電位センサの両方
または一方が存在する。微細機械的センサは、圧力セン
サ、加速度センサなどである。微細電位センサは、例え
ば、微細なアノード電極、カソード電極を有するセンサ
である。
【0038】微細機械的センサにより、測定装置のその
領域に対しメッキ液がぶつかる衝撃を知ることができ
る。メッキ装置におけるメッキ液は、メッキ液槽内にお
けるメッキ液の均一性を維持するため、通常、カソード
であるウエハ面に向けてメッキ液を噴出するように流れ
を生成し、これによりメッキ形成を行う。
【0039】上記の衝撃はメッキ液の流速を反映したも
のであり、これにより、メッキ液が測定装置面(ウエハ
面に相当)にぶつかる流速を測定できる。
【0040】微細電位センサにより、測定装置面におけ
る電位分布を知ることができる。すなわち、微細メッキ
電極間の電圧、電流変化を計測することによりそのメッ
キ形成の進行がわかる。これは、測定装置面上(ウエハ
面に相当)の表面電位を反映したものだからである。
【0041】次に、上述した実施形態の測定装置をメッ
キ装置に載置し適用した場合の例について図5を参照し
て説明する。同図は、本発明による測定装置をメッキ装
置に載置し適用した場合の構成を模式的に示す図であ
る。
【0042】同図に示すように、この構成は、被処理ウ
エハの代わりに測定装置5を載置した載置台530、メ
ッキ液槽550、アノード電極560、電解膜540、
噴出管580、ポンプ511、メッキ用電源570を有
し、メッキ液槽550には、メッキ液を循環させる循環
配管590、510が配設されている。
【0043】ここで、測定装置5は、図1で説明した測
定装置11に相当し、測定装置の測定面520がウエハ
の被処理面に相当する。測定装置5には、図1における
測定装置11のスルーホール19に相当するスルーホー
ル512が設けられている。
【0044】測定装置5は、測定面520が下方に向く
ように載置台530に載置される。また、載置台530
には、測定装置5の測定面に形成された種付け層と電気
的接触を行う接点(図示省略)が存在し、接点はメッキ
用電源570の負側に電気的接続される。
【0045】アノード電極560は、メッキ液槽550
のメッキ液に浸漬されて噴出管560を介し固定され、
かつメッキ用電源570から正側の電気供給を受ける。
【0046】噴出管580は、メッキ液を底部側から上
面に向けて噴出させるもので、メッキ液槽550の底部
ほぼ中心からメッキ液槽550の深さ方向ほぼ中間まで
延びでおり、その下部にはメッキ液噴出用のポンプ51
1が配設される。
【0047】噴出管580の端部外周とメッキ液槽との
間には電解膜540が設けられ、電解メッキ時にアノー
ド電極から混入する異物がメッキ液面に浮上してメッキ
の障害になるのを防止する。
【0048】メッキ液槽550の底部の中心から偏心し
た位置にはメッキ液を循環させる循環配管590、51
0が配設され、図示しないポンプにより一方の配管から
メッキ液を吸い込み他方の配管からメッキ液を供給しメ
ッキ液を循環させる。
【0049】測定装置5による測定を行うためのメッキ
処理を行うときの動作について説明する。
【0050】まず、測定装置5が載置台530の所定位
置に載置される。測定装置5が載置されたら、ポンプ5
11により噴出管580からメッキ液の噴出を行ない、
かつ、メッキ用電源570により載置台530の電気接
点を介した測定面520とアノード電極560との間に
電気を供給する。
【0051】これにより、メッキ液に電解して存在する
金属イオンが被処理面520で還元され金属膜が形成さ
れる。すなわち、金属メッキが被処理面520になされ
る。
【0052】なお、図5に示すような測定面520とメ
ッキ液との関係(噴出管580による噴出流により接触
する関係)については、噴出流がない場合も接触する関
係となるように載置台530の高さを設定してもよい。
【0053】以上のようにしてメッキを施し、実際にメ
ッキ形成を進行させている状態において、測定面520
(ウエハの被処理面に相当)におけるメッキ液の流速分
布および表面電位分布を測定できる。
【0054】次に、図1で説明した領域11〜17内に
おける微細センサの配置について図2を参照して説明す
る。図2は、各センサ群ユニットの配置例を示す図であ
る。
【0055】同図に示すように、センサ群ユニット21
内には、機械的センサセル22、23、24と、電位セ
ンサセル25、26とが存在する。機械的センサセル2
2、23、24は、それぞれ、横方向の衝撃を検出する
センサセル22、縦方向の衝撃を検出するセンサセル2
3、斜め方向の衝撃を検出するセンサセル24である。
【0056】電位センサセル25、26は、上記の機械
的センサセル22、23、24が占める位置を避けて設
けたものである。
【0057】このようなセンサ群ユニット21をセル化
して用意しておけば、測定装置11を製造する場合の設
計が容易になる。
【0058】なお、この例においては、機械的センサセ
ル22、23、24は、平面的な衝撃を検出すべく配置
されているが、これに限らず、3次元的に検出するよう
にすることもできる。3次元的に検出するには、例え
ば、対向電極を備える微細カンチレバーを半導体基板上
に形成し、与えられた衝撃により微細カンチレバーが微
動するのを対向電極との静電容量の変化により捉える。
ここで、カンチレバーの形成方向をx、y、z方向それ
ぞれに備えれば3次元的に検出ができる。
【0059】次に、上述した電位センサセル25、26
の構造について図4を参照して説明する。同図は、半導
体基板上に形成された電位センサセルの構造例を模式的
に断面として示す図である。
【0060】同図に示すように、この電位センサセル
は、絶縁化された膜に形成されたくぼみ410の対向す
る側壁をメッキのための電極420、430とするもの
である。電極420、430は、アノードおよびカソー
ドとなるものであり、測定中には、このカソード電極に
メッキを実際に形成させる。メッキ形成の進行速度は、
これらの電極間の電圧に対する電流変化でわかる。ま
た、メッキ形成の進行速度は、測定面の表面電位と、こ
れら電極間の電圧とに依存する。したがって、これらの
電極間の電圧に対する電流を検知することで、測定面の
表面電位を測定できることになる。
【0061】次に、本発明の実施形態である測定装置の
図1に示したものとは異なる実施形態について図3を参
照して説明する。図3は、本発明の別の実施形態である
測定装置の外観を示す平面図である。同図において、す
でに説明した要素には同一の符号を付してあり、さら
に、処理・保存回路31、32、33、34、35、3
6、および内部電池37、38、39、310、31
1、312を有する。
【0062】処理・保存回路31〜36は、各領域12
〜17の検出出力を処理し、保存するものである。内部
電池37〜312は、処理・保存回路31〜36の電源
となるものである。
【0063】また、処理・保存回路31〜36および内
部電池37〜312は、測定装置11上にマイクロエレ
クトロニクス技術を用いて作り込まれたものである。
【0064】処理・保存回路31〜36は、センサの検
出出力に所定の処理を加え、さらに時間的に蓄積し保存
する。所定の処理には、アナログディジタル変換、タイ
マー処理、演算処理などがある。時間的に蓄積し保存す
るには、各種のディジタルメモリを用いることができ
る。このような測定装置をメッキ装置に載置し適用する
ことで、メッキ形成を実際に進行させている状態でのメ
ッキ液の流速、ウエハ表面電位を時々刻々計測し記憶す
ることができる。
【0065】内部電池37〜312は、上記の回路を動
作させるための電源である。この微細電池は、例えば、
水素電池とすることができる。
【0066】この実施形態の測定装置11によれば、測
定中において測定装置11に対する外部からの情報伝送
と電源のための接続が不要になる。すなわち、測定装置
11をメッキ装置に適用し、測定したものをデータとし
て蓄積し、しかるのちメッキ装置から取り出し蓄積され
たデータを得るという測定方法が可能になり、なおメッ
キ装置への適用が簡便になる。
【0067】次に、これまで説明してきたような測定装
置をメッキ装置に適用し、メッキ装置のメッキのための
電源、およびメッキ液噴出のためのポンプをその測定結
果に基づき制御する実施形態について図6を参照して説
明する。同図は、ウエハ型の測定装置を適用してメッキ
のための電源、およびメッキ液噴出のためのポンプを制
御するメッキ装置の構成を示す模式図である。
【0068】まず、この装置により電解メッキを行う工
程について簡単に説明する。
【0069】同図に示すように、この装置M1では、全
体が密閉構造のハウジング41で覆われている。このハ
ウジング41は樹脂等の耐腐食性の材料で構成されてい
る。
【0070】ハウジング41の内側は概ね上下二段A、
Bに分かれた構造になっており、排気路を内蔵したセパ
レータ42により、セパレータ42の上側に位置する第
1の処理部Aと、セパレータ42の下側に位置する第2
の処理部Bとに仕切り分けられている。
【0071】そのため、第2の処理部B側から上側の第
1の処理部A側に汚れが拡散するのが防止される。
【0072】セパレータ42の中央には貫通孔65が設
けられており、この貫通孔65を介して後述するドライ
バ48に保持されたウエハWが第1の処理部Aと第2の
処理部Bとの間を行き来できるようになっている。
【0073】処理部Aと処理部Bとの境界にあたる部分
のハウジングには開口部とこの開口部を開閉するゲート
バルブ66が設けられている。このゲートバルブ66を
閉じるとメッキ処理ユニットM1内はその外側の処理空
間とは隔絶された空間となるので、メッキ処理ユニット
M1から外側の処理空間内への汚れの拡散が防止され
る。
【0074】第1の処理部AにはウエハWをほぼ水平に
保持して回転させる基板保持機構としてのドライバ48
が配設されている。このドライバ48はウエハWを保持
する保持部49と、この保持部49ごとウエハWをほぼ
水平面内で回転させるモータ50とから構成されてお
り、モータ50の外套容器にはドライバ48を支持する
支持梁51が取りつけられている。支持梁51の端はハ
ウジング41の内壁に対してガイドレール52を介して
昇降可能に取り付けられている。支持梁51は更にシリ
ンダ53を介してハウジング41に取りつけられてお
り、このシリンダ53を駆動することによりドライバ4
8の位置を上下できるようになっている。
【0075】具体的には図5に示すように、ドライバ4
8の位置はウエハWを搬出入するための搬送位置
(I)、ウエハW下面側の被処理面を洗浄する洗浄位置
(II)、スピンドライを行なうためのスピンドライ位
置(III)、およびウエハWをメッキ液に浸漬した状
態でメッキを行なうメッキ位置(IV)の主に4つの異
なる高さの間で上下動させる。
【0076】なお、ドライバ48の内部にはウエハWだ
けを昇降させる昇降機構(図示省略)が配設されてお
り、この昇降機構を作動させることにより、ドライバ4
8の高さを変えずにウエハWの高さだけをドライバ48
内部で変えることができる。
【0077】この昇降機構はウエハW下面外周縁部で接
触して電圧を印加するカソードコンタクト(図示省略)
と呼ばれる接点とウエハWとを接離させるときに作動さ
せるものであり、例えばカソードコンタクトを洗浄する
際にウエハWを上昇させて接点表面を露出させ、ノズル
から噴射された水により洗浄しやすくする。
【0078】第2の処理部Bには例えば硫酸銅などの、
銅メッキ用のメッキ液を収容するメッキバス54が配設
されている。
【0079】メッキバス54は二重構造になっており、
内槽54aの外側に外槽54bがほぼ同軸的に配設され
ている。メッキバス54は前述したドライバ48の真下
に配設されており、メッキ液で内槽54aを満たしたと
きには、メッキ液の液面がメッキ位置(IV)で停止さ
せたウエハWよりもメッキ液液面の方が高くなる高さに
内槽54aが固定されている。図示の状態では、メッキ
液はまだ内槽54aを満たしていない。
【0080】内槽54aの内部にはメッキ液を底部側か
ら上面に向けて噴出させる噴出管55が内槽54aの底
部ほぼ中心から内槽54aの深さ方向ほぼ中間付近まで
伸びており、噴出管55の周囲には電解メッキ処理時に
アノードとして機能する電極56が配設されている。噴
出管55の端部外周と内槽54aとの間にはメンブレン
フィルタ57が配設されており、電解メッキ時に電極5
6から混入する異物がメッキ液液面に浮上してメッキの
障害になるのを防止している。内槽54a底部の中心か
ら偏心した位置にはメッキ液を循環させるための循環配
管58,59が配設されており、図示しないポンプによ
りメッキ液を循環させ、循環配管59で吸い込んだメッ
キ液を循環配管58から供給するようになっている。
【0081】外槽54bは内槽54aの外壁面との間に
メッキ液の流れる流路62を形成している。さらに外槽
54bの底部には流路62に流れ込んだメッキ液を内槽
54a内に戻すための配管61が接続されている。この
配管61は前記噴出管55とポンプ60を介してつなが
っており、このポンプ60を作動させることにより内槽
54aから溢れ出して流路62、配管61に流れ込んだ
メッキ液を再び内槽54a内に戻すと共にウエハW下面
側の被処理面に向けて噴出できるようになっている。
【0082】第1の処理部Aにはクリーンルームのよう
に清浄な空気の流れを循環させる機構が配設されてい
る。
【0083】すなわち、ハウジング41の最上部には第
1の処理部Aに向けて空気を下向きに流すための空気吹
出口43が配設されており、この空気吹出口43には空
気を供給するための空気供給配管44が接続されてい
る。空気供給配管44の空気移動方法上流側は前記セパ
レータ42内の最上部側に埋設された空気路45とつな
がっている。セパレータ42の上面には空気を取り込む
ための空気取込口46が形成されており、第1の処理部
Aを流下してきた空気を取り込むようになっている。
【0084】また空気供給配管44の途中には空気を移
動させるためのファン(図示省略)やコンプレッサ47
が配設されており、空気取込口46で取り込んだ空気を
空気供給配管44を経由して空気吹出口43に送る。空
気吹出口43には空気中の埃や塵などを除去するための
フィルタ47が配設されており、空気吹出口43からセ
パレータ42の空気取り込み口46に向けて第1の処理
部A内を下向きに流れる清浄な空気のダウンフローを形
成している。このように内部で空気を清浄化し、この清
浄化された空気を図中下向きに流すことで処理部A内を
清浄な雰囲気に保っている。
【0085】一方、セパレータ42の下方には第2の処
理部が形成されている。この第2の処理部Bは前記第1
の処理部Aとは別個独立に形成された空間であり、第1
の処理部Aを流れる空気が第2の処理部Bに流れ込んだ
り、第2の処理部Bの空気が第1の処理部Aに流れ込む
ことはない。このように処理部B側から処理部A側に空
気が流れないようにすることで処理部A内を清浄雰囲気
に保っている。
【0086】セパレータ42の下側には排気口64が配
設されている。この排気口64は図示しない排気系につ
ながれており、第2の処理部Bの空気中に飛散したメッ
キ液の微粒子等をこの排気口64で吸い込んで排気とと
もにメッキ処理システム外へ排出する。このように処理
部Bの空気中に含まれる微粒子をメッキ処理システム外
へ排出することによりメッキ処理ユニット内やメッキ処
理システム内を清浄な雰囲気に維持している。
【0087】セパレータ42のうち、ドライバ48が出
入りする貫通口65の内壁下部には複数の洗浄ノズル6
3が配設されており、洗浄位置で停止したウエハWの下
面に向けて例えば純水を噴出して洗浄するようになって
いる。
【0088】なお、この貫通口65の部分に水平方向の
エアカーテンを形成することも可能である。例えば、セ
バレータ42の一方から清浄な空気を平面状に吹き出す
一方、吹出口の反対側に吸気口を設けてメッキバス54
の上部を通過してきた空気を吸引しシステム外へ排気す
る方法などが挙げられる。
【0089】このように処理部Aと処理部Bとの境界に
エアカーテンを形成することにより、メッキバス54か
らのメッキ液を含んだミストが処理部A側に拡散するの
を防止することができる。
【0090】また、このメッキ処理ユニットM1内には
温度調節装置や湿度調節装置を配設することも可能であ
る。その場合にはメッキ処理ユニットM1内を所定の温
度や湿度を維持するように制御されるので、メッキ液な
どのミストの発生を防止することができ、メッキ処理ユ
ニットM1内の空気が汚染されるのを防止している。
【0091】メッキ処理の工程を具体的に説明するに、
まず被処理ウエハWを搬入し、(IV)の位置で被処理
ウエハWをメッキ液に浸漬する。そして、被処理ウエハ
Wの種付け層をカソードにし、プレート56との間に電
気を供給し電解メッキを施す。所定の時間メッキ処理を
行った後、(II)の位置で被処理ウエハWの下面を洗
浄ノズル63からの洗浄液により洗浄する。さらに、
(III)の位置で被処理ウエハWをスピンドライす
る。
【0092】以上のようなメッキ工程を行う装置にウエ
ハ型の測定装置を適用し、ウエハ型の測定装置から取り
出した測定出力を処理部162に導き、処理部162の
出力を制御部163に導き、制御部163の出力をメッ
キ形成のための電源161およびメッキ液を噴出するポ
ンプ60に供給するようにしたものが、この実施形態の
主たる構成である。
【0093】制御部163は、電源161、ポンプ60
に出力指令を出す。この指令に基づき電源161、ポン
プ60は出力を出すよう動作する。制御部163には、
処理部162により演算等された結果が入力される。こ
の演算は、例えば、ウエハ型測定装置の測定面内におけ
る流速分布および表面電位分布の均一性を求めるもので
ある。したがって、この場合は、この均一性がより高く
なる方向に制御部が制御信号を出力することができる。
なお、制御部163は、ドライバ48を制御するように
することもできる。これによれば、ウエハ型測定装置の
回転方向の向きを変えその影響を調べることができる。
【0094】処理部162、制御部163の動作は、こ
れらに限られることはない。例えば、処理部162で
は、特定の測定領域について所定の仕様を満足するかを
演算することにすれば、制御部163の出力により、そ
の仕様に対して電源161、ポンプ60にどれほどの余
裕があるかなどを調べることもできる。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る測定
装置によれば、ウエハの形状と近似する形状を有し、半
導体基板の面上の一部部位に作り込まれた微細機械的セ
ンサと前記半導体基板の前記一部部位とは異なる部位に
作り込まれた微細電位センサの両方または一方を具備す
るので、メッキ形成を実際に進行させている状態でのメ
ッキ液の流速、ウエハ表面電位を計測することができ
る。
【0096】また、本発明に係るメッキ装置によれば、
ウエハ型の測定装置が適用されたメッキ形成ユニットに
おけるこの測定装置による測定物理量を処理し、処理さ
れた結果に基づき制御信号を発生してメッキのための電
源およびメッキ液噴出ポンプの出力の両方または一方を
制御するので、メッキ形成を実際に進行させている状態
でのメッキ液の流速、ウエハ表面電位を計測しつつ、こ
の計測結果をみながらメッキ形成ユニットのメッキ形成
の電源電圧およびメッキ液の流速を変えることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である測定装置の外観を示す
平面図。
【図2】各センサ群ユニットの配置例を示す図。
【図3】本発明の別の実施形態である測定装置の外観を
示す平面図。
【図4】半導体基板上に形成された電位センサセルの構
造例を模式的に断面として示す図。
【図5】本発明による測定装置をメッキ装置に載置し適
用した場合の構成を模式的に示す図。
【図6】ウエハ型の測定装置を適用してメッキのための
電源、およびメッキ液噴出のためのポンプを制御するメ
ッキ装置の構成を示す模式図。
【符号の説明】
5 測定装置 11 測定装置 12、13、14、15、16、17 センサが作り
込まれている領域 18 信号線および電源線 19 スルーホール 21 センサ群ユニット 22、23、24 機械的センサセル 25、26 電位センサセル 31、32、33、34、35、36 処理・保存回
路 37、38、39、310、311、312 内部電
池 60 ポンプ 161 メッキ用電源 162 処理部 163 制御部 410 くぼみ 420 アノード 430 カソード 520 測定面 512 スルーホール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエハにメッキ形成工程を施す装置に適
    用できる程度にウエハの形状と近似する形状を有し、 半導体基板の面上の一部部位に作り込まれた微細機械的
    センサと前記半導体基板の前記一部部位とは異なる部位
    に作り込まれた微細電位センサの両方または一方を具備
    することを特徴とする測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の測定装置において、さら
    に、 前記半導体基板の面上に作り込まれ、前記微細機械的セ
    ンサまたは前記微細電位センサの検出出力を処理し保存
    する回路を具備することを特徴とする請求項1記載の測
    定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の測定装置において、さら
    に、 前記半導体基板の面上に作り込まれ、前記回路に電気を
    供給する微細電池を具備することを特徴とする請求項2
    記載の測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3記載のいずれか1項記
    載の測定装置と、 前記測定装置を適用されかつメッキ形成のための電源と
    メッキ液を噴出するためのポンプとを具備するメッキ形
    成ユニットと、 前記測定装置が適用されたメッキ形成ユニットにおいて
    前記測定装置により測定された物理量を処理する手段
    と、 前記処理された結果に基づき制御信号を発生する手段と
    を有し、 前記発生された制御信号により前記電源および前記ポン
    プの出力の両方または一方を制御することを特徴とする
    メッキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1619275A3 (en) * 2004-06-30 2008-12-24 Lam Research Corporation Apparatus and method for plating semiconductor wafers
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