JP5780475B2 - 異物混入検知装置 - Google Patents
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Description
地下タンク等の破損による外的要因と、誤操作等の人的要因と、事故や自然災害等による要因によって、燃料油に水が浸入することが考えられる。この様な各種要因により燃料油に水が混入してしまうと、水を含んだガソリンを車両に供給してしまうことになり、エンジンの始動不能を招き、燃焼不良によるノッキングの発生を惹起し、最悪の場合にはノッキング多発によるエンジンの破損という事態に至るという問題がある。
ここで、静電容量Cは C=(ε0・εs・S)/d (ただし、Sは電極の面積、ε0は真空の誘電率、εsは誘電体の誘電率、dは電極間の距離) なる式により求めることが出来る。
静電容量Cが大きいほど外乱の影響を小さくすることが出来るので、液体の性状を検出するのに有効である。
しかし、板状電極の面積を大きくすると、給油装置における燃料油の供給系統(配管やポンプユニット等の供給用機器)の内部に設置することは困難である。
また、板状電極の間隔を小さくすると、一対の板状電極間の領域の流体抵抗が大きくなり、また、ゴミその他の異物が滞留し易くなってしまうので、不都合である。
しかし、係る従来技術では、金属製の箱型ケーシングが必要であり、当該ケーシングを設置するだけのスペースを確保しなければならず、給油装置における燃料油の供給系統内部に設置することが困難である。
ここで水検知センサ(10B)は、水のみではなく、その他の異物の混入も検出可能であることが好ましい。
そのため、水を含んだガソリンを車両に供給してしまうことを防止して、エンジンの始動不能、燃焼不良によるノッキングの発生、エンジンの破損という事態に至ることを未然に防止することが出来る。
そして、網状電極(12B)間の間隔を狭くしても、抵抗が大きくなることはなく、静電容量を大きくして、ノイズの影響を小さくすることが出来る。
そして、漏れ電流によりセンサ(10B)の感度が上昇し過ぎてしまうことも防止される。
図1〜図8は本発明の参考例を示している。
先ず図1を参照して、本発明の参考例が適用される給油装置の概要を示す。
図1において、全体を符号100で示す給油装置は、給油所(ガソリンスタンド等)の地下に埋設した地下タンク1と、給油機構2と、給油ポンプと流量計から成るユニット3(給油用ユニット3)と、地下埋設配管4と、給油機構内配管5と、給油ホース6と、給油ノズル7を備えている。
給油機構内配管5は、給油用ユニット3と給油ホース6を接続している。そして給油ホース6の先端には、給油ノズル7が設けられている。
明確には図示されていないが、給油ノズル7は、給油機構2の外周パネルに設けたノズル掛け(図示せず)に係止されている。
本発明の参考例の異物混入検知装置(以下、「センサ」と言う)10は、図2において概要が示されている。そして図1において、センサ10(図2参照)は、地下埋設配管4、給油用ユニット3、給油機構内配管5の何れかに介装されている。
そしてセンサ10は、静電容量の変化により、水が混入することを検知することが出来る。燃料油と水は誘電率が大きく相違するので、燃料油に少量の水が混入しても、静電容量は大きく変化するためである。
そのため、燃料油が給油用ユニット3のポンプにおける回転体(図示せず)よりも地下タンク1側の領域、換言すれば当該回転体により均一に混合される位置よりも地下タンク1側の領域であっても、燃料油に異物(図示の実施形態では水)が混入した場合には、その旨及び混入率を正確に判断することが出来る。
図2〜図4において、センサ10は、円環状の枠体11と、一対の網状電極12と、静電容量演算装置13と、一対のケーブル14で構成されている。網状電極12は、その周縁部が、間隔を一定にするための枠体11により支持されている。図示されていないが、間隔を一定にするためのスペーサを、網状電極12、12間に配置しても良い。
図4で示す様に、円環状の枠体11の断面形状は凸状であり、その凸状の突出部11tは(円環の)半径方向内方を向いている。
一対の網状電極12は、枠体11における凸状突出部11tの両側部11s及び段部11aに当接して配置されている。
ここで、「網状」なる文言は、いわゆる「網の目」を有する形状のみならず、多数の貫通孔を有する形状をも包含する趣旨で用いられている。
静電容量Cは C=(ε0・εs・S)/d なる式により求められる。
ここで、静電容量Cが大きいほど外乱の影響を小さくすることが出来るので、液体の性状を検出するのに有効である。
センサ10における枠体11の直径Dは、その設置場所が、例えば、地下埋設配管4(図1参照)内であれば、地下埋設配管4の内径によって上限値が決まる。従って、一対の網状電極12において大きな静電容量Cを得るためには、一対の網状電極12間の距離dを小さく設定すればよい。
図2〜図4の本発明の参考例における一対の網状電極12であれば、網状電極12間の距離dを小さく設定しても、電極が網状であるため燃料油は容易に網状電極11の網の目を通過することが出来る。そのため、図2〜図4の網状電極12であれば、検知対象物である燃料油が当該電極12を通過する際の通過抵抗が大きくなってしまうことはない。
ここで、図5で示す様な一般的な板状電極12Pを用いたコンデンサ10Jを燃料油の供給配管内に配置する場合には、図6で示す様に、板状電極12Pは、燃料油の供給配管における流線Fに対して並行に配置せざるを得ない。燃料油供給配管の流線Fに対して直交する方向に板状電極12Pを配置すると、板状電極12Pが燃料油の流れをせき止めてしまうからである。
しかし、コンデンサ10Jの板状電極12Pの面積を大きくすると、給油装置における燃料油の供給系統(配管やポンプユニット等の供給用機器)の内部にコンデンサJを設置することが困難となる。
一方、板状電極12Pの間隔dを小さくすると、一対の板状電極12P間の領域における流体抵抗が大きくなり、且つ、ゴミその他の異物が滞留し易くなってしまうので、不都合である。
また、図2〜図4で示す本発明の参考例のセンサ10であれば、図8で示す様に、供給配管の燃料油の流線Fに直交する方向に網状電極12を配置しても、燃料油は網状電極12の「網の目」(或いは、多数の貫通口)を容易に通過することが出来るので、供給配管内において、図2〜図4のセンサ10を燃料油の流線Fに直交する方向に配置しても、燃料油の流れを妨げてしまうことはない。
さらに、燃料油は網状電極12の「網の目」(或いは、多数の貫通口)を抵抗なく通過することが出来るので、一対の網状電極12間の間隔dを狭くしても、燃料油の流れの抵抗は増加しない。換言すれば、図2〜図4で示す本発明の参考例のセンサ10であれば、燃料油の流れの抵抗を大きくすること無く、一対の網状電極間の間隔を狭くして電極間の静電容量を大きくすることが出来る。
これにより、図2〜図4で示す本発明の参考例に係るセンサ10であれば、静電容量を大きくして外乱の影響を小さくすると共に、燃料油の流れを妨げてしまうこと無く、その誘電率を正確且つ有効に検出することが出来る。
図9は、この実施形態で用いられるセンサ10Bを示している。
図2〜図4に示す参考例のセンサ10では、網状電極12は金属製の網状部材で構成されている。それに対して、この実施形態で用いられるセンサ10Bでは、図9では明確には図示されていないが、網状電極12Bを構成する金属製の網状部材が絶縁材で被覆されている。
水は不純物が混入した場合、導電体となる性質を有している。静電容量の計測は一般的には、不純物が混入した水に電流を流し、端子間電圧が上昇(或は、下降)する時間を計測して行う。この(不純物混入により水が導電体となった)場合、電極間に短絡電流が流れ、電化が蓄積されるまでの時間が長くなり、あたかも静電容量が増加した様に見える。
図10(A)は、電極12間に導電体が存在せず、短絡電流が流れない状態を模式的に示している。静電容量の測定は、図10(A)の状態で電極12間に電流を流し、端子間電圧が上昇(降下)する時間を計測することにより行われる。
一対の電極12間に導電性を有する液体が存在すると、燃料油、すなわち導電性液体により、電極12間が短絡されて、図10(B)で示す様に短絡電流(漏れ電流)が流れる。
短絡電流が流れると、見かけの静電容量が増加する(静電容量が増加した様に見えてしまう)。換言すると、短絡電流が流れると、電極間の静電容量の変化量に比較して、見かけの静電容量の変化量が大きくなる。
そして、見かけの静電容量の変化量が大きくなるため、燃料油に水が混入した場合の静電容量の変化も大きくなり、センサとしての感度が上昇する。
これに対して、網状電極12Bを絶縁体で被覆して、燃料油の導電性による漏れ電流を遮断して、図11で示す状態とすれば、網状電極12B間に漏れ電流が流れないので、見かけの静電容量の変化量が大きくなり過ぎることがない。そのため、センサの感度が良くなり過ぎることがなくなり、上述した誤検出が防止される。
係る理由により、図9のセンサ10Bでは、網状電極12Bを絶縁体で被覆している。
一対の網状電極12Bの双方を絶縁材で被覆しても、何れか一方の網状電極12Bのみを絶縁材で被覆しても、網状電極12B間に漏れ電流が流れないからである。
図示の実施形態において、センサにおける水や異物の混入検知回路の計測周波数を早くする(一対の電極間における充電と放電の周期を短くする)ことにより、漏れ電流を小さくして、漏れ電流の影響を小さくすることが出来る。
ところが、図12に示す様に、検出回路の計測周波数を早くすれば、漏れ電流が流れる時間が短くなるために漏れ電流の総量が小さくなり(図12(B))、逆に検出回路の計測周波数を遅くすれば、漏れ電流が流れる時間が長くなるために漏れ電流の総量が大きくなる(図12(A))。
検出対象(燃料油の種類と異物の種類)、検出の目的に対応して、適正な放電と充電の周期(混入検知回路の計測周波数)が存在するので、当該適正な周期(周波数)をケース・バイ・ケースで決定することにより、より精度が高く、目的に合致した検出を行うことが出来る。
図12(A)、(B)において、「漏れ」は漏れ電流、「充電」は電極間への充電電流、「放電」は電極間からの放電電流を意味している。
混合燃料であるアルコール混合ガソリンについては公知である。当該アルコール混合ガソリンとして、例えば、E3(エタノール3%含有)、E5(エタノール5%含有)、E10(エタノール10%含有)等が用いられている。また、海外ではE23(エタノール23%含有)、E85(エタノール85%含有)等も利用されている。
ガソリンとエタノールでは誘電率が一桁異なるので、図示の実施形態を適用することにより、エタノール比率を演算することが出来る。これにより、異なる種類の燃料を誤って混合してしまう事態(いわゆる「コンタミ」)を防止することが出来る。
しかし、静電容量は温度依存があるため、絶対的な数値(エタノール比率)を知るには、温度センサと合わせて補正する必要がある。
図25において、実線は、センサにおける一対の網状電極の配置を燃料の流れの方向に対して並列に配置した静電容量であり、破線は、一対の網状電極の配置を燃料の流れの方向に対して直列に配置した静電容量である。
図14において、燃料油運搬手段であるタンクローリーの燃料油排出ホース(ローリホース)RHが二点鎖線で示されている。
ここで、ローリホースRHにおける地下タンク1側の端部RHeが、タンクローリー(図示を省略)のタンク側端部(図示を省略)よりも低い位置となるために、給油が終わり、タンクローリーのタンクの排出口のバルブ(図示を省略)を閉じると、ローリホースRH内の燃料油は、自重によって、地下タンク1側に排出される。
燃料油が排出されたローリホースRH及び後述するローリホース接続部9と地下タンク1を接続する配管8内は空気で満たされる。
ローリホースRHと地下タンク側のローリホース接続部9、或いは、ローリホース接続部9と地下タンク1を接続する配管8に、図示の実施形態に係るセンサを介装されているので、ローリホースRHから配管8中の領域に燃料油が滞留していれば、図示の実施形態に係るセンサで検出される静電容量が、空気中の静電容量とは異なる数値となる。
一方、ローリホースRHから配管8該配管中に燃料油が残存していない場合には、配管は空気で満たされていることになり、図示の実施形態に係るセンサで検出される静電容量が、空気中の静電容量と同等の値となる。
図示の実施形態に係るセンサで検出される静電容量が、空気中の静電容量とは異なる数値であれば、ローリホースRHから配管8に至る領域に燃料油が滞留しており、荷卸しが終了していないことが判明する。
一方、図示の実施形態に係るセンサで検出される静電容量が、空気中の静電容量と同等の数値であれば、ローリホースRHから配管8に至る領域には燃料油が残存しておらず、荷卸しが終了したことが判明する。
2・・・給油機構
3・・・給油用ユニット
4・・・地下埋設配管
5・・・給油機構内配管
6・・・給油ホース
7・・・給油ノズル
10B・・・水検知センサ
11・・・枠体
11a・・・段部
11s・・・両側部
11t・・・突出部
12B・・・網状電極
13・・・静電容量演算装置
Claims (1)
- 配管に静電容量式の水検知センサ(10B)を設けた給油装置の異物混入検知装置において、円環状の枠体(11)と、一対の金属製網状電極(12B)とを備え、前記円環状の枠体(11)の断面形状は凸状であって、当該凸状の突出部(11t)の両側部(11s)および段部(11a)に前記一対の金属製網状電極(12B)の固結部が間隔を一定にするために当接されており、当該一対の金属製網状電極(12B)の少なくとも一方が絶縁材で被覆されており、そして前記一対の金属製網状電極(12B)はそれぞれ一対のケーブル(14)で静電容量演算装置(13)に接続されていることを特徴とする異物混入検知装置。
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