JP5780465B2 - セメント硬化体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、セメント硬化体の製造方法に関する。
道路等の舗装コンクリート、特に、供用中の道路の補修に用いられるコンクリートやモルタルには、早期に交通を再開する必要性から、打設後短期間に強度が十分に得られることが求められる。
施工後短時間でセメント硬化物の強度を得るためには、従来から、超早強ポルトランドセメントや、超速硬セメントなどを用いたセメント組成物が用いられている。
超速硬セメントを用いたセメント組成物は、比較的短時間で実用強度が得られるが、短時間で硬化することから、流動性の確保が難しく、工場などで生コンクリートを製造して工事現場まで運搬することができない。そのため、現場に生コンクリートを製造するための混練設備を設置する必要が生じてコストがかかる上に、製造できる生コンクリートの量が制限されるため大規模工事には適していない。
超早強ポルトランドセメントは、超速硬セメントよりも流動性は維持できるものの、所定の実用強度を得るためには施工後24時間の養生が必要である。そのため、施工時間の短縮には限度があり、施工コストの低減にも限度がある。
前記のような超速硬性セメントや、超早強ポルトランドセメントを用いることなく、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントに、硬化促進剤を添加して短時間で実用強度を得られるセメント組成物を得ることが考えられている。
例えば、特許文献1には、硫酸リチウムを添加することでセメントの水和を促進し、セメント硬化体の硬化を促進することが記載されている。
また、流動性と短期間での実用強度とを確保するために、前記硫酸リチウムとポリカルボン酸などを含む減水剤を併用することが、特許文献2および3に記載されている。
特開2002−87867号公報 特開2004−2080号公報 特開2007−297242号公報
しかしながら、上記のような硬化促進剤および減水剤を添加しても、十分な流動性と短時間での実用強度とを得ることは困難であった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、流動性を比較的長く維持でき、且つ比較的短時間で実用強度が得られるセメント硬化体を低コストで製造することができるセメント硬化体の製造方法を提供することを課題とする。
メント組成物は、ポルトランドセメントと硫酸リチウムとポリカルボン酸系混和剤とが含有されているセメント組成物であって、
前記ポリカルボン酸系混和剤が、下記一般式(1)で表される単量体に由来する繰り返し単位と、下記一般式(2)で表される単量体に由来する繰り返し単位とを有する共重合体を含むものであり且つ前記ポルトランドセメントに対する前記共重合体の割合が0.3〜0.52質量%となるように含有されていることを特徴としている。
Figure 0005780465
(式中、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基を表す。nは、平均付加モル数を表し、10〜300の数である。)
上記セメント組成物によれば、前記のような共重合体を含むポリカルボン酸系混和剤を、重合体がポリトランドセメントに対して前記の割合になるように硫酸リチウムと共に混合することによって、混練後の流動性を比較的長く維持しつつ、施工後には比較的短時間で実用強度を有するセメント硬化体を得ることができる。
よって、工場等で生コンクリート等のセメントペーストを製造し施工現場まで運搬することができるため作業効率が良いと同時に、比較的短時間で実用強度が得られるため作業時間が短時間であり、低コストでセメント硬化体を施工することができる。
本発明に係るセメント硬化体の製造方法は、ポルトランドセメントとポリカルボン酸系混和剤とを混合した混合物に水を添加して混練した混練物に、硫酸リチウムを添加してセメント硬化体を製造する方法において、前記ポリカルボン酸系混和剤が、前記一般式(1)で表される単量体に由来する繰り返し単位と、前記一般式(2)で表される単量体に由来する繰り返し単位とを有する共重合体を含むものであり、前記硫酸リチウムを、水の添加後30分〜120分間の間に添加することを特徴としている。
本発明のセメント硬化体の製造方法によれば、ポルトランドセメントと前記ポリカルボン酸系混和剤とを混合した混合物に、水を添加して混練した混練物に、水の添加後30分〜120分間の間に硫酸リチウムを添加することによって、
混練後から施工するまでの間混練後の流動性を比較的長く維持しつつ、施工後には比較的短時間で実用強度が得られる。
よって、短時間で強度が得られるセメント硬化体を低コストで施工することができる。
尚、本発明でいう、水の添加後とは、前記混合物に水を入れ終えた直後をいう。
すなわち、混合物に水を入れ終えた時間を0時間として、ここから30分から120分間の間に前記硫酸リチウムを添加する。
本発明によれば、施工時には比較的長時間流動性を維持することができ、且つ比較的短時間で強度が得られるセメント硬化体を低コストで製造することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態のセメント組成物は、ポルトランドセメントと硫酸リチウムとポリカルボン酸系混和剤とが含有されているセメント組成物であって、
前記ポリカルボン酸系混和剤が、下記一般式(1)で表される単量体に由来する繰り返し単位と、下記一般式(2)で表される単量体に由来する繰り返し単位とを有する共重合体を含むものであり且つ前記ポルトランドセメントに対する前記共重合体の割合が0.3〜0.52質量%となるように含有されているセメント組成物である。
Figure 0005780465
(式中、R1は、同一若しくは異なって、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基を表す。nは、平均付加モル数を表し、10〜300の数である。)
Figure 0005780465
(式中、Mは、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)。
前記ポルトランドセメントとしては、JISに規定されている普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメント等が挙げられる。
特に、早強ポルトランドセメントを用いることが施工性、強度発現性および経済性の観点から好ましい
前記ポリカルボン酸系混和剤としては、前記一般式(1)で表される単量体に由来する繰り返し単位(繰り返し単位(I))と、前記一般式(2)で表される単量体に由来する繰り返し単位(繰り返し単位(II))とを有するものであり、繰り返し単位(I)を与える単量体と繰り返し単位(II)を与える単量体を必須成分として含む単量体成分を共重合して製造することができる。
尚、上記ポリカルボン酸系混和剤に含まれる共重合体において、繰り返し単位(I)及び繰り返し単位(II)の共重合の形態としては、ランダム共重合、ブロック共重合、交互共重合等のいずれであってもよい。
前記一般式(1)において、R1は、同一若しくは異なっている、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基を表す。炭素数1〜18のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状であってもよい。
1としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基が挙げられる。中でも、水素原子が好ましい。
前記一般式(1)におけるオキシエチレン基の平均付加モル数であるnは、10〜300であり、好ましくは、15〜200であり、さらに好ましくは、25〜100である。
前記一般式(2)において、Mは、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。
一価の金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等が挙げられる。
二価金属原子としては、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等が挙げられる。
有機アミン基としては、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基、有機アンモニウム基等が挙げられる。
前記Mとしては、ナトリウム、カルシウムが好ましい。
前記共重合体において、繰り返し単位(I)と繰り返し単位(II)とその他の構成単位(III)の比率は、質量比で、繰り返し単位(I)/繰り返し単位(II)/その他の構成単位(III)=98〜2/2〜98/0〜50であることが好ましい。
より好ましくは、95〜50/5〜50/0〜50であり、さらに好ましくは、95〜70/5〜30/0〜50である。
尚、繰り返し単位(I)、繰り返し単位(II)及び構成単位(III)の合計は100質量%である。
構成単位(I)を与える単量体としては、3−メチル−2−ブテン−1−オールにエチレンオキシドの10〜300モル重合体を付加した化合物、3−メチル−2−ブテン−1−オールにエチレンオキシドの10〜300モル重合体を付加させた後、末端の水酸基をアルキル基で置換した化合物、3−メチル−2−ブテン−1−オールにポリエチレングリコールモノアルキルエーテルを反応させた化合物などが挙げられる。
構成単位(II)を与える単量体としては、アクリル酸が挙げられる。
構成単位(III)を与える単量体としては、他の単量体の少なくとも1つと共重合可能な単量体であればよく、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜4のアルコールとのハーフエステル、ジエステル;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル、ジエステル;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル等が挙げられる。
前記共重合体を得るには、重合開始剤を用いて上記単量体成分を重合させればよく、重合は、溶媒中での重合や塊状重合等の公知の方法により行うことができる。
溶媒中での重合は回分式でも連続式でも行うことができ、その際使用される溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物の1種又は2種以上が好適である。原料単量体及び得られるポリアクリル酸系共重合体の溶解性並びにポリアクリル酸系共重合体の使用時の便宜性からは、水及び炭素原子数1〜4の低級アルコールよりなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。その場合、炭素原子数1〜4の低級アルコールの中でも、メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール等が特に有効である。
前記共重合体を得るために水媒体中で重合を行うときには、重合開始剤としてアンモニウム若しくはアルカリ金属の過硫酸塩又は過酸化水素等の水溶性の重合開始剤を使用することが好ましい。この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩、アスコルビン酸(塩)、ロンガリット等の促進剤を併用することもできる。また、低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物又はケトン化合物を溶媒とする重合には、ベンゾイルパーオキシドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を重合開始剤として用いることが好ましい。この際、アミン化合物等の促進剤を併用することもできる。
さらに、水−低級アルコール混合溶剤を用いる場合には、上記の種々の重合開始剤又は重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。重合温度は、用いる溶媒や重合開始剤により適宜定められるが、通常0〜120℃であり、30℃以上が好ましい。より好ましくは50℃以上である。また、100℃以下が好ましい。より好ましくは95℃以下である。
前記共重合体を得るために剛体また塊状重合を行うときには、通常では重合開始剤としてベンゾイルパーオキシドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物を用い、50〜200℃で行なわれる。
さらに、前記共重合体の分子量調節のために、次亜リン酸(塩)やチオール系連鎖移動剤を併用してもよい。
前記共重合体は前記各単量体成分を溶液中で重合させることによって、所定の共重合体濃度に調整することで、前記ポリカルボン酸系混和剤を得ることができる。
ポリカルボン酸系混和剤中の前記共重合体の濃度は0.3〜0.52質量%、好ましくは0.32〜0.40質量%程度であることが好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量としては、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下「GPC」という)によるポリエチレングリコール換算で、5000〜1000000が適当であるが、500000以下が好ましい。より好ましくは10000以上である。また、より好ましくは300000以下である。
(重量平均分子量測定条件)
機種:Waters LCM1
検出器:Waters 410 示差屈折検出器
解析ソフト:Waters MILLENNIUM Ver.2.18
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合液に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調整した溶離液を用いる。
溶離液流速:0.8ml/min
カラム温度:35℃
カラム:東ソー製 TSKgel GuardColumnSWXL+G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470
前記のような共重合体を含むポリカルボン酸系混和剤は、前記セメントに対して前記共重合体の濃度が、0.3〜0.52質量%、好ましくは0.32〜0.40質量%となるように混合されることが好ましい。
かかる含有量の範囲内であれば、流動性の十分な保持と、短時間での強度発現性を付与きるためである。
前記硫酸リチウムは、硬化促進剤として用いられる公知のものを適宜使用することができる。硫酸リチウムは粉末状あるいは水溶液の状態で添加することが好ましい。
硫酸リチウムは、前記セメントに対して、1.0〜6.0質量%、好ましくは2.0〜5.0質量%、さらに好ましくは2.0質量%添加されることは好ましい。
かかる含有量の範囲内であれば、短時間での強度発現性を付与できるためである。
本実施形態のセメント組成物には、さらに骨材を含んでいても良い。
骨材としては、公知の細骨材若しくは粗骨材のうちのいずれか一方、または、両方とも含まれていても良い。
前記粗骨材としては、例えば、砕石、川砂利、天然軽量粗骨材(パーライト、ヒル石等)、副産軽量粗骨材、人工軽量粗骨材、再生骨材等が挙げられる。
前記細骨材としては、例えば、川砂、山砂、海砂、天然軽量細骨材(パーライト、ヒル石等)等の天然細骨材や砕砂、人工軽量細骨材、高炉スラグ細骨材等の人工細骨材、副産軽量細骨材等が挙げられる。
前記骨材については、例えば、モルタル硬化体を施工する場合には細骨材を、セメント100質量部に対して0.5〜5.0質量部、好ましくは1.0〜3.0質量部程度配合することが流動性確保および材料分離抑制の観点から好ましい。
例えば、コンクリート硬化体を施工する場合には、セメント100質量部に対して細骨材を1.0〜3.0質量部、好ましくは1.2〜2.0質量部程度配合し、粗骨材を1.5〜4.0質量部、好ましくは2.0〜3.0質量部程度配合することが流動性確保および材料分離抑制の観点から好ましい。
本実施形態のセメント組成物には、さらに空気量調整剤、凝結遅延剤、流動化剤などの公知の添加剤が添加されていてもよい。
次に、本実施形態のセメント硬化体の製造方法について説明する。
本実施形態のセメント硬化体の製造方法は、ポルトランドセメントと前記ポリカルボン酸系混和剤とを混合した混合物に水を添加して混練した混練物に、硫酸リチウムを添加してセメント硬化体を製造する方法において、前記硫酸リチウムを、混練開始後30分〜120分間の間に添加するセメント硬化体の製造方法である。
具体的には、まず、前記ポルトランドセメントと前記ポリカルボン酸系混和剤と、必要に応じて細骨材および/または粗骨材とをミキサーなどの公知の混合装置を用いて混合して混合物を得る。
次に、前記混合物に水を添加する。
添加する水の量は、例えば、W/C(水/セメント比率)=25〜40質量%となるような量であることが好ましい。
前記混合物に水の全量を添加し終えたら直ちに混練を開始する。
混練は、公知の混練装置、例えば、二軸強制ミキサーND55型、太平洋機工社製を用いて温度20℃で混練することで行なうことができる。
前記混合物に水を入れ終えた時間を0時間として、水の添加後30分から120分間の間に、前記硫酸リチウムを添加する。
前記硫酸リチウムを添加してからさらに0.5〜1.5分間混練することで、セメントペーストとしての混練物を得ることができる。
前記セメントペーストは、施工までの間、すなわち混練終了から施工までの間は流動性を維持できるため、通常のセメントペーストと同様に、セメント工場で混練してからアジテート車などを用いて施工現場まで運搬することが可能である。
現場まで運搬されたセメントペーストは道路など目的の施工場所に施工されてセメント硬化体が得られる。
かかるセメント硬化体は、施工後に比較的短時間で所定の実用強度を発現するため、道路の舗装工事、補修工事などに用いた場合には、交通を止める時間が短時間ですみ、かかる用途に適している。
また、施工時間が短く且つ現場における混練設備も不要であるため、短時間で実用強度が得られるセメント硬化体の施工作業を、低コストで行なえる。
以下、本発明のセメント硬化体の製造方法にかかる実施例について説明する。
[ポリカルボン酸系混和剤濃度および硫酸リチウム添加時間の影響]
ポリカルボン酸系混和剤濃度および硫酸リチウムの添加時間による、セメントペーストの流動性および曲げ強度に対する影響について試験する。
<使用材料>
各実施例および比較例の方法で使用するセメント組成物(モルタル用)用の材料を表1に示す。
Figure 0005780465
前記材料のうち、セメント、細骨材、空気量調整剤及び水については、表2に示すような混合比率となるように調整する。
ポリカルボン酸系混和剤は、主成分として含まれる共重合体成分のセメントに対する濃度が表3に示す各量になるように調整する。
Figure 0005780465
<製造方法>
前記各材料を用いてセメント硬化体を製造する方法について説明する。
まず、セメント、細骨材、ポリカルボン酸系混和剤、空気量調整剤を、混合装置(二軸強制ミキサーND55型、太平洋機工社製)に入れ、20℃、0.5分間混合する。
次に、前記混合物を混練装置(二軸強制ミキサーND55型、太平洋機工社製)に入れて、分量の水を注入し混練する。
水を注水後ただちに混練するが、この注水終了時を0時間とし、表3に示す硫酸リチウム添加時間までそれぞれ混練した後に、硫酸リチウムをセメントに対して2.0質量%となる量を添加する。
尚、比較例3、7、9、11については注水終了と同時に硫酸リチウムを添加する。
その後、さらに1.5分間混練して、各実施例および比較例のセメントペーストを得る。
<15打スランプフロー試験>
各実施例および比較例の方法で得られたセメントペーストの、混練終了直後、混練終了30分経過後、および60分経過後のフロー試験をJIS R 5201 「11.2フロー値の測り方」に準拠して行なった結果を表3に示す。
<曲げ強度試験>
各実施例および比較例の方法で得られたセメントペーストを用いてJIS A 1132に準拠して供試体(セメント硬化体)を作製し、温度20℃、湿度60%の条件で9時間放置した後の曲げ強度試験をJIS A 1106に準拠して行なった曲げ強度試験の結果を表3に示す。
Figure 0005780465
表3に示すように、各実施例のセメント硬化体の製造方法によるペーストは、混練終了から60分経過後でも、フロー値がいずれも150mm以上あり、流動性が高いことが明らかである。また、各実施例の方法で得られたセメント硬化体では9時間経過後の曲げ強度が3.5N/mm2以上であった。
以上のように、各実施例の方法で得られたセメント硬化体用のペーストは、混練後60分経過後にも高い流動性を維持しており、且つ施工後9時間で高い曲げ強度を発現できることが明らかである。
[硫酸リチウム濃度の影響]
次に硫酸リチウム濃度による、セメントペーストの流動性および曲げ強度に対する影響について試験する。
前記表1に示したセメント組成物用の材料を用いて、表4に示すような水セメント比、ポリカルボン酸系混和剤添加量および硫酸リチウム添加量となるような試験例1乃至7を前記と同様の製造方法で準備した。
尚、ポリカルボン酸系混和剤添加量および硫酸リチウムの添加量は、それぞれセメントに対する質量%である。
また、各水セメント比に対応するセメント、細骨材および空気調整剤の配合は表5に示す量である。
前記水セメント比は、混練時の流動性が一定になるように調整した。
各試験例について前記と同様に15打スランプフロー試験および曲げ強度試験を行った結果を表4に示す。
Figure 0005780465
Figure 0005780465
表4の結果から、硫酸リチウムの添加量が1.00〜6.00であるセメント組成物からなるセメントペーストでは、混練後60分経過後にも高い流動性を維持しており、且つ施工後9時間で高い曲げ強度を発現できることが明らかである。

Claims (2)

  1. ポルトランドセメントとポリカルボン酸系混和剤とを混合した混合物に水を添加して混練した混練物に、硫酸リチウムを添加してセメント硬化体を製造するセメント硬化体の製造方法において、
    前記ポリカルボン酸系混和剤が、下記一般式(1)で表される単量体に由来する繰り返し単位と、下記一般式(2)で表される単量体に由来する繰り返し単位とを有する共重合体を含むものであり、
    Figure 0005780465
    (式中、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基を表す。nは、平均付加モル数を表し、10〜300の数である。)

    Figure 0005780465
    (式中、Mは、水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)
    前記硫酸リチウムを、水の添加後30分〜120分間の間に添加することを特徴とするセメント硬化体の製造方法。
  2. 前記硫酸リチウムを、前記ポルトランドセメントに対して1.0〜6.0質量%含有されるように添加する請求項1に記載のセメント硬化体の製造方法。
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