JP2023028722A - 水硬性粉体用分散剤組成物 - Google Patents

水硬性粉体用分散剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023028722A
JP2023028722A JP2021134596A JP2021134596A JP2023028722A JP 2023028722 A JP2023028722 A JP 2023028722A JP 2021134596 A JP2021134596 A JP 2021134596A JP 2021134596 A JP2021134596 A JP 2021134596A JP 2023028722 A JP2023028722 A JP 2023028722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
copolymer
less
structural unit
hydraulic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021134596A
Other languages
English (en)
Inventor
慶彰 指原
Yoshiaki Sashihara
圭介 中村
Keisuke Nakamura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2021134596A priority Critical patent/JP2023028722A/ja
Publication of JP2023028722A publication Critical patent/JP2023028722A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】水硬性組成物の硬化体に優れた凍結融解抵抗性を付与できる水硬性粉体用分散剤組成物を提供する。【解決手段】構成単位として下記式(A1)で表される構成単位(A1)及び下記式(A2)で表される構成単位(A2)を含み、重量平均分子量が40,000以上60,000以下である共重合体(A)を含有する水硬性粉体用分散剤組成物であって、前記共重合体(A)は、構成単位(A1)及び構成単位(A2)の合計に対する構成単位(A2)の割合が20質量%以上28質量%以下であり、前記共重合体(A)は、分子量8,000以下の化合物の割合が5.0質量%以上15.0質量%以下である、水硬性粉体用分散剤組成物。(A1):-[CH2-C(R1a)(COOM1)]-(A2):-[CH2-C(R2a)(X1-O-(CH2CH2O)n1-R3a)]-【選択図】なし

Description

本発明は、水硬性粉体用分散剤組成物及び水硬性組成物に関する。
コンクリートなどの水硬性組成物の硬化体には、長年にわたる凍結と融解の繰り返しによって硬化体が徐々に劣化する現象がある。これは凍害と呼ばれ、硬化体中の余剰水や外部から浸入する水分が凍結によって膨張することによって生じるものである。水硬性組成物の硬化体の凍結融解改善を目的として空気連行剤(以下AE剤と称す)が使用されており、例えば、コンクリートに4%程度の気泡を連行することで凍害に対し有効な事が知られている(コンクリート便覧、87~95頁、日本コンクリート工学協会編、昭和51年5月刊行)。この目的で使用されるAE剤には、樹脂酸水溶性塩を始めとして各種の起泡性の高い界面活性剤が使用されている(コンクリート便覧、228~223頁、日本コンクリート工学協会編、昭和51年5月刊行)。しかし、従来のAE剤は、コンクリート調製(練り上がり)初期の気泡量は比較的正確に設定できるが、経時的に気泡量が変化することがあった。また、分散剤と併用した場合は、コンクリート中の気泡量が低下する場合があった。
従来、水硬性組成物に用いる混和剤を改良して、硬化体の凍結融解抵抗を向上させることが提案されている。例えば、特許文献1には、(A)特定のアクリル酸系共重合体、(B)特定のアクリル酸エステル系共重合体、(C)重量平均分子量が9,000以上18,000以下であるポリエチレングリコール、(D)多糖類又はそのアルキル化誘導体若しくはヒドロキシアルキル化誘導体の一部又は全部の水酸基の水素原子が、特定の疎水性置換基と特定のイオン性親水性基とで置換されてなる多糖誘導体を含有する、水硬性組成物用混和剤が開示されている。
特開2014-125397号公報
本発明は、水硬性組成物の硬化体に優れた凍結融解抵抗性を付与できる水硬性粉体用分散剤組成物を提供する。
本発明は、構成単位として下記式(A1)で表される構成単位(A1)及び下記式(A2)で表される構成単位(A2)を含み重量平均分子量が40,000以上60,000以下である共重合体(A)を含有する水硬性粉体用分散剤組成物であって、
前記共重合体(A)は、構成単位(A1)及び構成単位(A2)の合計に対する構成単位(A2)の割合が20質量%以上28質量%以下であり、
前記共重合体(A)は、分子量8,000以下の化合物の割合が5.0質量%以上15.0質量%以下である、
水硬性粉体用分散剤組成物に関する。
Figure 2023028722000001
〔式中、R1a及びR2aは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、R3aは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、Mは、水素原子又は塩となる対イオンを示し、Xは、炭素数1以上6以下の2価のアルキレン基、直接結合手又はカルボニル基を示し、n1は、平均付加モル数を示し、70以上170以下の数である。〕
また、本発明は、水硬性粉体、水、及び本発明の水硬性粉体用分散剤組成物を含有する、水硬性組成物に関する。
本発明によれば、水硬性組成物の硬化体に優れた凍結融解抵抗性を付与できる水硬性粉体用分散剤組成物が提供される。
<水硬性粉体用分散剤組成物>
本発明では、共重合体(A)を用いることにより、水硬性組成物の硬化体に優れた凍結融解抵抗性を付与することができる。この理由は必ずしも明らかではないが、本発明者は次のように推察している。
本発明の共重合体(A)は、構成単位中に所定量の構成単位(A1)を含んでおり、且つ所定量の低分子領域の化合物を含んでいる。そのような構成単位の組成で且つ低分子の化合物は空気連行性に優れている。一方、共重合体(A)は、分散性に優れた分子量領域の化合物も一定量含んでいる。その結果、分散剤としての機能を維持しつつ、微細な空気を水硬性組成物中に連行でき、凍結融解性が向上するものと考えられる。環境への影響、コスト、物性などを考慮して、水硬性粉体の一部として、代替粉体、例えばフライアッシュを用いることもあるが、その場合は、空気連行性が低下する傾向がある。しかし、本発明の共重合体(A)は、フライアッシュを用いる場合でも空気連行性が低下しないので、凍結融解性に優れた硬化体を得ることができる。
共重合体(A)は、構成単位として下記式(A1)で表される構成単位(A1)及び下記式(A2)で表される構成単位(A2)を含み重量平均分子量が40,000以上60,000以下であり、構成単位(A1)及び構成単位(A2)の合計に対する構成単位(A2)の割合が20質量%以上28質量%以下であり、分子量8,000以下の化合物の割合が5.0質量%以上15.0質量%以下である。
Figure 2023028722000002
〔式中、R1a及びR2aは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、R3aは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、Mは、水素原子又は塩となる対イオンを示し、Xは、炭素数1以上6以下の2価のアルキレン基、直接結合手又はカルボニル基を示し、n1は、平均付加モル数を示し、70以上170以下の数である。〕
式(A1)中、R1aは、水素原子又はメチル基を示し、メチル基が好ましい。
式(A1)中、Mは、水素原子又は塩となる対イオンを示し、塩となる対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルカノールアンモニウムイオンなどが挙げられる。
式(A2)中、R2aは、水素原子又はメチル基を示し、メチル基が好ましい。
式(A2)中、R3aは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(A2)中、Xは、炭素数1以上6以下の2価のアルキレン基、直接結合手又はカルボニル基(CO基)を示し、カルボニル基(CO基)が好ましい。
式(A2)中、n1は、(CHCHO)の平均付加モル数を示し、70以上、好ましくは80以上、より好ましくは90以上、更に好ましくは100以上、好ましくは115以上、そして、170以下、好ましくは160以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは140以下、より更に好ましくは130以下、より更に好ましくは125以下の数である。
共重合体(A)は、構成単位(A1)及び構成単位(A2)以外の構成単位を任意に含んでいてもよい。任意の構成単位は、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、及びメタクリル酸ヒドロキシメチル、リン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル(HEMA-P)、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、及びこれらの塩、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩などの単量体の構成単位であってよい。更に、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-(メタ)アクリルアミド-2-メタスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-エタンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、スチレン、スチレンスルホン酸などの単量体の構成単位であってよい。
共重合体(A)は、水硬性組成物への練りあがり性付与の観点から、構成単位(A1)及び構成単位(A2)の合計に対する構成単位(A2)の割合が20質量%以上、好ましくは22質量%以上、そして、28質量%以下、好ましく26質量%以下である。なお、本発明では、共重合体(A)の構成単位の量は、共重合体(A)の合成に用いる単量体の仕込量に基づいて算出されたものであってよい。
また、共重合体(A)は、全構成単位中の構成単位(A1)及び構成単位(A2)の割合が、水硬性組成物の分散性付与の観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、そして、100質量%以下であり、100質量%であってもよい。
共重合体(A)は、分散性付与の観点から、重量平均分子量が40,000以上、好ましくは42,000以上、そして、60,000以下、好ましくは57,000以下である。共重合体(A)の重量平均分子量は、高速GPC装置(HLC-8320GPC) 東ソー株式会社、検出器:RI、カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(アニオン)、移動相:0.2Mリン酸バッファー/アセトニトリル=9/1、流量:1.0ml/min.、カラム温度:40℃、標準物質:ポリエチレングリコール)の条件のGPC法で測定されたものである。
共重合体(A)は、微細空気連行性の観点から、分子量8,000以下の化合物の割合(以下、低分子比ともいう)が5.0質量%以上、好ましくは6.0質量%以上、そして、15.0質量%以下、好ましくは14.0質量%以下である。共重合体(A)の低分子比は、上記GPC法によるピーク面積の比率で測定されたものである。
本発明の水硬性粉体用分散剤組成物は、構成単位として下記式(B1)で表される構成単位(B1)及び下記式(B2)で表される構成単位(B2)を含み、全構成単位中の構成単位(B1)の割合が5質量%以上8質量%未満である共重合体(B)を含有することが好ましい。
Figure 2023028722000003
〔式中、R1b及びR2bは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、R3bは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、Mは、水素原子又は塩となる対イオンを示し、Xは、炭素数1以上6以下の2価のアルキレン基、直接結合手又はカルボニル基を示し、n2は、平均付加モル数を示し、5以上150以下の数である。〕
式(B1)中、R1bは、水素原子又はメチル基を示し、メチル基が好ましい。
式(B1)中、Mは、水素原子又は塩となる対イオンを示し、塩となる対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルカノールアンモニウムイオンなどが挙げられる。
式(B2)中、R2bは、水素原子又はメチル基を示し、メチル基が好ましい。
式(B2)中、R3bは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(B2)中、Xは、炭素数1以上6以下の2価のアルキレン基、直接結合手又はカルボニル基(CO基)を示し、カルボニル基(CO基)が好ましい。
式(B2)中、n2は、(CHCHO)の平均付加モル数を示し、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして、150以下、好ましくは140以下、より好ましくは130以下の数である。
共重合体(B)は、構成単位(B1)及び構成単位(B2)以外の構成単位を任意に含んでいてもよい。任意の構成単位は、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、及びメタクリル酸ヒドロキシメチル、リン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル(HEMA-P)、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、及びこれらの塩、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩を挙げることができる。更に、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-(メタ)アクリルアミド-2-メタスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-エタンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、スチレン、スチレンスルホン酸などの単量体の構成単位であってよい。共重合体(B)は、構成単位として、アクリル酸メチル及びアクリル酸ヒドロキシエチルから選ばれる単量体の構成単位を含んでいてもよい。
共重合体(B)は、全構成単位中の構成単位(B1)の割合が5質量%以上8質量%未満である。なお、本発明では、共重合体(B)の構成単位の量は、共重合体(B)の合成に用いる単量体の仕込量に基づいて算出されたものであってよい。
また、共重合体(B)は、水硬性組成物における低添加量での分散性の観点から、構成単位(B1)及び構成単位(B2)の合計に対する構成単位(B2)の割合が、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは98質量%未満、より好ましくは96質量%以下、更に好ましくは94質量%以下、より更に好ましくは92質量%以下である。
また、共重合体(B)は、全構成単位中の構成単位(B1)及び構成単位(B2)の割合が、好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以下、そして、100質量%以下であり、100質量%であってもよい。
共重合体(B)は、重量平均分子量が好ましくは30,000以上、より好ましくは40,000以上、そして、好ましくは10,0000以下、より好ましくは80,000以下である。共重合体(B)の重量平均分子量は、共重合体(A)と同じの方法で測定されたものである。
本発明の水硬性粉体用分散剤組成物が共重合体(B)を含有する場合、共重合体(A)の含有量と共重合体(B)の含有量との質量比である共重合体(A)/共重合体(B)は、微細空気連行性の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、そして、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である。
本発明の水硬性粉体用分散剤組成物は、共重合体(B)以外の任意成分として、例えば遅延剤、硬化促進剤、AE剤、膨張剤、起泡剤、増粘剤、流動化剤、発泡剤、防水剤、消泡剤などの成分などを含有することができる。
本発明の水硬性粉体用分散剤組成物は、フライアッシュを含有する水硬性粉体用、更にフライアッシュを水硬性粉体中30質量%以下含有する水硬性粉体用とすることができる。フライアッシュは、例えば、ブレーン値が4,000cm/g未満のフライアッシュが挙げられる。
<水硬性組成物>
本発明は、水硬性粉体、水、及び本発明の水硬性粉体用分散剤組成物を含有する、水硬性組成物に関する。本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体、水、共重合体(A)、及び任意に共重合体(B)を含有する水硬性組成物であってよい。本発明の水硬性組成物には、本発明の水硬性粉体用分散剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
水硬性粉体は、水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、セメント、石膏等が挙げられる。好ましくはセメントである。セメントとしては、普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等のセメントが挙げられる。また、セメント等に高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュームなどのポゾラン作用及び/又は潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が添加された高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等でもよい。
水硬性粉体はフライアッシュを含んでよい。
水硬性粉体中、フライアッシュの割合は、例えば、40質量%以下、更に30質量%以下、更に25質量%以下、更に20質量%以下であってよい。
フライアッシュのブレーン値は、好ましくは5000cm/g未満、より好ましくは4500cm/g以下である。ブレーン値とは、ブレーン比表面積測定法により測定された比表面積のことである。具体的には、フライアッシュのブレーン値は、セメントの物理試験方法(JIS R5201)に定められるブレーン空気透過装置を用いて測定する。
フライアッシュとしては、例えば、石炭火力発電所において微粉炭を燃焼する際、溶融した灰分が冷却されて球状となった微細粒子を電気集塵器等で捕集した副産物を用いることができる。
フライアッシュの主成分はシリカ(SiO)とアルミナ(Al)であり、この2つの無機質成分で例えば全体の70~80質量%を占める。その他、典型的には少量の酸化第二鉄(Fe)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)等を含有している。
フライアッシュの化学成分は、フライアッシュの総質量に対して、好ましくは、SiOが50~70質量%、Alが16~20質量%、Feが5~6質量%、CaOが1~3質量%である。フライアッシュの品質は、例えば、JIS A6201-2008(コンクリート用フライアッシュ)に規定されているフライアッシュI種、II種、III種、IV種のいずれかに該当する品質であってもよい。また、コストの観点から、SiOの割合が50質量%未満のフライアッシュを用いることもできる。
フライアッシュの強熱減量は、特に限定されないが、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。フライアッシュの強熱減量は、例えば、強熱減量試験法(JIS A6201(フライアッシュを950~1000℃の高温で加熱し、質量の減少率から強熱減量を、105℃で3時間乾燥し、恒温時の質量減少率から湿分を求め、フライアッシュの強熱減量から湿分を差し引いたものを未燃炭素量として算出)の方法で測定することができる。
フライアッシュの平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは15~25μmである。フライアッシュの平均粒径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での平均粒径、すなわち、メジアン径(D50)を意味する。
本発明の水硬性組成物は、水/水硬性粉体比が、好ましくは40質量%以上、より好ましくは42質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは48質量%以下である。ここで、水/水硬性粉体比は、水硬性組成物中の水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)であり、水の質量/水硬性粉体の質量×100により算出される。水/水硬性粉体比は、水の量と、水和反応により硬化する物性を有する粉体の量とに基づいて算出される。水硬性粉体が、ポゾラン作用を有する粉体、潜在水硬性を有する粉体、及び石粉(炭酸カルシウム粉末)から選ばれる粉体を含む場合、本発明では、それらの量も水硬性粉体の量に算入する。また、水和反応により硬化する物性を有する粉体が、高強度混和材を含有する場合、高強度混和材の量も水硬性粉体の量に算入する。これは、水硬性粉体の質量が関係する質量部や質量比などにおいても同様である。
本発明の水硬性組成物は、骨材を含有することが好ましい。骨材としては、細骨材及び粗骨材から選ばれる骨材が挙げられる。細骨材として、JIS A0203-2014中の番号2311で規定されるものが挙げられる。細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。また、粗骨材として、JIS A0203-2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材、粗骨材は種類の違うものを混合して使用してもよく、単一の種類のものを使用してもよい。
本発明の水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、水硬性組成物の強度の発現とセメント等の水硬性粉体の使用量を低減し、型枠等への充填性を向上する観点から、嵩容積は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上であり、そして、好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下である。嵩容積は、コンクリート1m中の粗骨材の容積(空隙を含む)の割合である。
また、本発明の水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、好ましくは500kg/m以上、より好ましくは600kg/m以上、更に好ましくは700kg/m以上であり、そして、好ましくは1,000kg/m以下、より好ましくは900kg/m以下である。
また、本発明の水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、好ましくは800kg/m以上、より好ましくは900kg/m以上、更に好ましくは1,000kg/m以上であり、そして、好ましくは2,000kg/m以下、より好ましくは1,800kg/m以下、更に好ましくは1,700kg/m以下である。
本発明の水硬性組成物は、任意成分として、例えば、遅延剤、硬化促進剤、AE剤、膨張剤、起泡剤、増粘剤、流動化剤、発泡剤、防水剤、消泡剤などの成分などを含有することができる。
〔水硬性組成物の製造方法〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、本発明の水硬性粉体用分散剤組成物とを混合する、水硬性組成物の製造方法を提供する。本発明の水硬性組成物の製造方法は、水硬性粉体、水、共重合体(A)、及び任意に共重合体(B)を混合する水硬性組成物の製造方法であってよい。本発明の水硬性組成物の製造方法には、本発明の水硬性粉体用分散剤組成物及び水硬性組成物で述べた事項を適宜適用することができる。なお、本発明の水硬性粉体用分散剤組成物や水硬性組成物における各成分の含有量は、混合量に読み替えて本発明の水硬性組成物の製造方法に適用することができる。水硬性粉体と、水と、共重合体(A)と、任意の共重合体(B)との混合は、モルタルミキサー、強制二軸ミキサー等のミキサーを用いて行うことができる。
(1)コンクリートの調製
表1に示す共重合体(A)、共重合体(B)を用いて、表2の配合でコンクリートを製造した。具体的には、粗骨材(G)を強制二軸ミキサーに投入後、細骨材(S)、粗骨材(G)、セメント(C)を投入し攪拌を開始した。共重合体(A)、共重合体(B)及び水を混合して得た練り水(W)を、共重合体(A)、共重合体(B)の添加量(セメント100質量部に対する質量部)が表3の値となるように、ミキサーの攪拌開始と同時に投入した。開始から90秒後にミキサーからコンクリートを排出してコンクリートを得た。
Figure 2023028722000004
表には、各構成単位の単量体を示した。表中、ME(120)Eは、ω-メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート〔メタノールエチレンオキシド(平均付加モル数120)付加物・メタクリル酸エステル〕(一般式(A2)において、R2aがメチル基、Xがカルボニル基、n1が120、R3aがメチル基の化合物)である。
Figure 2023028722000005
表中の成分は以下のものである。また、W/Pは水/水硬性粉体比であり、PはCとFAの合計量である。
W:水道水
セメント(C):普通ポルトランドセメント(二種混合:太平洋セメント/住友大阪セメント=1/1、質量比) 密度3.16g/cm
フライアッシュ(FA):フライアッシュ(二種混合:三池産/響灘産=1/1(質量比))、ブレーン値4026cm/g、強熱減量4.68%、平均粒径20μm
細骨材(S):城陽産山砂 密度2.55g/cm
粗骨材(G):石灰砕石2010/石灰砕石1005=1/1、質量比) 密度2.72g/cm
(2)凍結融解抵抗性の評価
JIS A1148に準じて実施した。尚、試験方法はA法とした。10cm×10cm×40cmの型枠に、(1)で製造したコンクリートを打設し、24時間後に脱型する。その後、試験開始材齢である28日まで供試体を20±2℃の水槽において養生した。28日後、養生した供試体を(装置名:一槽式ブライン循環方式 凍結融解試験機、(株)マルイ製)を用いて、凍結融解抵抗性試験を実施した。凍結融解の1サイクルは5℃から-18℃まで降温した後、-18℃から5℃まで昇温するものとし、各サイクルにおける供試体の中心部の最高及び最低温度は、それぞれ5±2℃及び-18±2℃の範囲とした。凍結融解1サイクルに要する時間は、3時間以上、4時間以内とした。測定項目は、各供試体のJIS A1127によるたわみ振動の一次共鳴振動数及び質量とし、測定時期は、水中養生終了後の試験開始前及び36サイクルを超えない間隔で行った。測定は300サイクル以上を目安に実施した。この評価では、300サイクルを超えた時点で相対動弾性係数が80%以上のものを凍結融解抵抗性に優れると判断できる。
Figure 2023028722000006

Claims (8)

  1. 構成単位として下記式(A1)で表される構成単位(A1)及び下記式(A2)で表される構成単位(A2)を含み重量平均分子量が40,000以上60,000以下である共重合体(A)を含有する水硬性粉体用分散剤組成物であって、
    前記共重合体(A)は、構成単位(A1)及び構成単位(A2)の合計に対する構成単位(A2)の割合が20質量%以上28質量%以下であり、
    前記共重合体(A)は、分子量8,000以下の化合物の割合が5.0質量%以上15.0質量%以下である、
    水硬性粉体用分散剤組成物。
    Figure 2023028722000007

    〔式中、R1a及びR2aは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、R3aは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、Mは、水素原子又は塩となる対イオンを示し、Xは、炭素数1以上6以下の2価のアルキレン基、直接結合手又はカルボニル基を示し、n1は、平均付加モル数を示し、70以上170以下の数である。〕
  2. 共重合体(A)は、全構成単位中の構成単位(A1)及び構成単位(A2)の割合が80質量%以上100質量%以下である、請求項1に記載の水硬性粉体用分散剤。
  3. 更に、構成単位として下記式(B1)で表される構成単位(B1)及び下記式(B2)で表される構成単位(B2)を含み、全構成単位中の構成単位(B1)の割合が5質量%以上8質量%未満である共重合体(B)を含有する、請求項1又は2に記載の水硬性粉体用分散剤組成物。
    Figure 2023028722000008

    〔式中、R1b及びR2bは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、R3bは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、Mは、水素原子又は塩となる対イオンを示し、Xは、炭素数1以上6以下の2価のアルキレン基、直接結合手又はカルボニル基を示し、n2は、平均付加モル数を示し、5以上150以下の数である。〕
  4. 共重合体(B)が、構成単位として、アクリル酸メチル及びアクリル酸ヒドロキシエチルから選ばれる単量体の構成単位を含む、請求項3に記載の水硬性粉体用分散剤組成物。
  5. 共重合体(A)の含有量と共重合体(B)の含有量との質量比である共重合体(A)/共重合体(B)が0.1以上0.8以下である、請求項3又は4に記載の水硬性粉体用分散剤組成物。
  6. 水硬性粉体、水、及び請求項1~5の何れか1項に記載の水硬性粉体用分散剤組成物を含有する、水硬性組成物。
  7. 水/水硬性粉体比が40質量%以上である、請求項6に記載の水硬性組成物。
  8. 水硬性粉体がフライアッシュを含む、請求項6又は7に記載の水硬性組成物。
JP2021134596A 2021-08-20 2021-08-20 水硬性粉体用分散剤組成物 Pending JP2023028722A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021134596A JP2023028722A (ja) 2021-08-20 2021-08-20 水硬性粉体用分散剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021134596A JP2023028722A (ja) 2021-08-20 2021-08-20 水硬性粉体用分散剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023028722A true JP2023028722A (ja) 2023-03-03

Family

ID=85331130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021134596A Pending JP2023028722A (ja) 2021-08-20 2021-08-20 水硬性粉体用分散剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023028722A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2762205T3 (es) Acelerador de endurecimiento para una composición hidráulica
US7670425B2 (en) Ultra high strength fiber-reinforced cement composition, ultra high strength fiber-reinforced mortar or concrete and ultra high strength cement additives
JP6359772B2 (ja) セメント用添加剤、セメント組成物、およびセメント用添加剤用原料
JP2007153652A (ja) Aeコンクリートの製造方法及びaeコンクリート
JP6324204B2 (ja) トンネル覆工用コンクリート組成物およびその製造方法
WO2012124716A1 (ja) 水硬性組成物用分散剤
RU2536898C2 (ru) Разжижающая смесь для композиции с основой из гидравлического вяжущего
JP5351472B2 (ja) 超高強度コンクリート用水硬性組成物
JP5351473B2 (ja) 超高強度コンクリート用水硬性組成物
JP4772004B2 (ja) 収縮低減機能と減水機能を併せ持つ一液型セメント用添加剤組成物及びセメント組成物
JP2023028722A (ja) 水硬性粉体用分散剤組成物
JP2019142732A (ja) 水硬性組成物及びコンクリート
JP6837824B2 (ja) 水硬性組成物
JP7239525B2 (ja) プレキャスト成形方法
JP2009040666A (ja) 自己流動性水硬性組成物ならびにそれを用いたスラリーおよび硬化物
JP6487273B2 (ja) 水硬性組成物用添加剤
JP7346512B2 (ja) 潜在性水硬性粉体含有水硬性組成物用の添加剤組成物
JP2023028708A (ja) 水硬性組成物用の分散剤組成物
JP7121775B2 (ja) 水硬性組成物用液状分散剤組成物
JP6146679B2 (ja) セメント組成物
JP5780465B2 (ja) セメント硬化体の製造方法
JP2022045979A (ja) 水硬性組成物
JP2023028723A (ja) 水硬性粉体用分散剤の製造方法
JP2023028709A (ja) 水硬性組成物用の流動性保持剤組成物
JP2017001897A (ja) 水硬性粉体用分散剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240612