JP2004331489A - ポリカルボン酸系セメント分散剤及びコンクリート二次製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 貫入抵抗値指数が55MPa以上かつスランプ保持指数が80%以上であるセメント組成物を与えるポリカルボン酸系セメント分散剤。
【選択図】 なし
Description
すなわち末端基が水素又は炭素数1〜3のアルキル基であり、オキシアルキレン基の付加モル数が50〜100であるポリアルキレングリコールエステル単量体を用いたコンクリート混和剤に関し、メトキシポリエチレングリコールアクリル酸エステル(EO付加モル数=75)とアクリル酸ナトリウムとを重合して得られる共重合体等が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、硬化遅延をより改善し、早期強度をより向上させることにより、例えば、好適にコンクリート二次製品に使用できるようにするための工夫の余地があった。
すなわちスルホン酸系単量体を必須成分として用いたセメント分散剤に関し、実施例として、2−スルホエチルアクリレートナトリウム、アクリル酸ナトリウム、及び、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数10個)の共重合体を用いたセメント分散剤が開示されている(例えば、特許文献7参照。)。しかしながら、このセメント分散剤においては、スランプロス防止性能を高めて、安定した作業性を確保することを目的とし、2−スルホエチルアクリレートナトリウムの含有量が多い共重合体が用いられている。したがって、スルホン酸基含有単量体の構造や含有量の点において、工場での生産性を高めるために、分散性や早期強度を向上し、例えば、コンクリート二次製品の製造に好適に用いることができるようにするための工夫の余地があった。
本発明はまた、上記ポリカルボン酸系セメント分散剤を使用し、かつ30℃以上の温度条件下で養生させる工程を含むコンクリート二次製品の製造方法でもある。
本発明は更に、上記ポリカルボン酸系セメント分散剤を使用し、かつ型枠の周囲を断熱材で覆って養生させる工程を含むコンクリート二次製品の製造方法でもある。
以下に、本発明を詳述する。
上記貫入抵抗値指数とは、20℃条件下での7時間後の貫入抵抗値を意味するが、貫入抵抗値とは、試験片の面に垂直に作用する荷重に対する抵抗性を示す指標であり、以下のようにして測定する。
(1)モルタル試験材料:貫入抵抗値指数測定に必要なモルタル試験片を得るためのモルタル調整は下記の材料を用いて、室温(20±2℃)で行う。
ヨーロッパ規格セメント(CEM I 52.5):500g
細骨材(セメント強さ試験用標準砂:JIS R5201、社団法人セメント協会製):1350g
本発明のセメント混和剤又は比較セメント混和剤、及び、消泡剤(商品名「MA404」、NMB社製、添加量:MA404の1質量%水溶液を、セメント質量に対して2質量%使用)を含むイオン交換水:200g
(2)モルタル調整方法:ホバート型モルタルミキサー(型番N−50、ホバート社製)に、ヨーロッパ規格セメント500g、及び、所定量(後述する測定方法に従って測定したフロー値が220±10mmの範囲になるために必要な添加量)のセメント混和剤を秤量してイオン交換水で希釈したもの200gを入れ、低速回転で30秒間混練した後、30秒間かけて細骨材1350gを投入する。投入後、中速回転に変更し、更に30秒間混練し、回転を停止した後、15秒間で壁面に付着したセメントをかき落とし、回転停止してから1分30秒後に再度中速回転で混練を再開し、1分間混練し、セメント組成物(モルタル)を得る。
(4)空気量の測定方法:調整したモルタルの容積を500mlとしたときの重量を測定し、用いた材料の比重から空気量を測定する。
(5)貫入抵抗値測定用供試体の調整方法:上記の方法で調整したモルタルを、プラスティック容器(パックエース250cc、テラオカ社製)に2回に分けて入れ、1回ごとにガラス棒で10回突付いた後、容器の底を手で軽く10回叩き、モルタル中の空気を抜く。その後、蓋をして容器を密閉し、供試体とする。
(6)貫入抵抗値指数測定方法:上記の方法で調整した供試体を20℃に保持してある恒温装置内に入れ、7時間静置した後、取り出し、JIS R5201に規定されているビカー針装置を用いて、貫入抵抗値を測定する。測定は2回ずつ行い、平均値を、本発明における貫入抵抗値指数とする。
スランプ保持指数(%)=100×(30分後のモルタルフロー値)/(初期モルタルフロー値)
により計算して求めることができる。なお、初期モルタルフロー値は、上述の測定方法に従って測定する。フロー値を測定した後、モルタルの全量を密閉容器内で所定時間、室温(20±2℃)で静置し、同様の操作を繰り返し、モルタルフローの経時変化を測定する。なお、モルタルに添加するセメント分散剤の添加量(セメントに対する固形分の質量%)は、初期モルタルフロー値が220±10mmの範囲になるために必要な添加量である。
上記(2)の形態においては、エステル中のアルキレンオキサイド(AO)鎖長がオキシアルキレン基の平均付加モル数として100〜200であることが好ましい。より好ましくは、100以上、125以下であり、更に好ましくは、100以上、110以下である。また、オキシアルキレン基はオキシエチレン基を主成分とすることが好ましい。より好ましくは、50モル%以上がオキシエチレン基であることであり、更に好ましくは、90モル%以上がオキシエチレン基であることである。最も好ましくは、オキシアルキレン基がすべてオキシエチレン基で構成されることである。
上記(4)の形態において、スルホン酸基含有単量体としては、分子中にスルホン酸基を有する単量体であれば特に限定されないが、下記一般式(5);
上記ポリオキシアルキレンエステル系構成単位(I)としては、下記一般式(6);
上記単量体(a)としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール類、シクロプロパノール等の炭素数3の脂環族アルコール類、及び、アリルアルコール等の炭素数3の不飽和アルコール類のいずれかに、炭素数2〜18のアルキレンオキサイド基を100〜200モル付加したポリオキシアルキレングリコール類、特にエチレンオキシドが主体であるポリオキシアルキレングリコール類と、アクリル酸とのエステル化物が好ましい。なお、「主体」とは、エチレンオキシドが単量体中に2種以上存在するときに、全アルキレンオキシドの存在数において、大半であるものであることを意味する。
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数1〜30の脂肪族アルコール類、シクロヘキサノール等の炭素数3〜30の脂環族アルコール類、及び、(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の炭素数3〜30の不飽和アルコール類のいずれかに、炭素数2〜18のアルキレンオキシド基を1〜300モル付加したアルコキシポリアルキレングリコール類、特にエチレンオキシドが主体であるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸とのエステル化物が好適である。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
ヘキサデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
なお、上記ポリカルボン酸系重合体の製造方法としては、重合開始剤を用いて上記構成単位(単量体成分)を共重合することが好ましい。共重合方法については、後述するとおりである。
養生温度については、30℃以上、250℃以下が好ましい。より好ましくは、50〜200℃である。コンクリート全体がこの温度範囲になる必要はなく、コンクリートの一番温度の高い部分が、養生期間中上記温度範囲にあればよい。30℃より低温では、脱型するまでの時間が多くかかり、また、250℃より高温では、コンクリート製品にひび割れ等が生じ、好ましくない。
またコンクリートを30℃以上で養生する方法にはいろいろあるが、例えば、打設したコンクリートの周囲を保温材で覆い、進行する水和熱によって昇温する方法、ボイラー等で発生させた蒸気を用いて常圧下加温加湿する常圧蒸気養生や圧力容器内で高温高圧の飽和蒸気を用いて行うオートクレーブ養生等が挙げられる。
断熱材は、公知の断熱材を使用することができ、例えば、コルク、綿、フェルト、発泡スチロール、発泡ウレタン等の有機系断熱材や、アスベスト、ガラスウール、スラグウール等の無機系断熱材等が挙げられる。
(養生させる工程)
なお、上記の養生は、コンクリートを型枠に流し込んだ後に、締め固め操作を経てから行ってもよい。締め固め方法にも種々の方法があるが、例えば、棒状の内部振動機、型枠又は型枠を置く台に取り付けた外部振動機等を用いて、コンクリートを締め固める「振動締固め」、コンクリートを打ち込んだ型枠を遠心機にのせて回転させて締め固める「遠心力締固め」や油圧装置等を用いてコンクリートに圧力をかけることによって締め固める「加圧締固め」等の方法が挙げられる。また、上記締め固め操作を経ないで、自己充填性のコンクリートである高流動コンクリートを型枠に流し込んでから、養生を行ってもよい。
また全単量体成分にしめる上記単量体(C)以外の単量体成分の好ましい質量割合としては、上記単量体(A)は、98〜40質量%であり、上記単量体(B)は、1〜50質量%であり、上記単量体(D)は、0〜10質量%である。
上記R7Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数であるnとしては、2以上、300以下であることが適当である。2未満であると、セメント粒子等を分散させるために充分な親水性、立体障害が得られないおそれがあるため、優れた流動性を得ることができないおそれがある。一方、300を超えると、共重合反応性が充分とはならないおそれがある。好ましくは、5以上であり、また、200以下である。より好ましくは、10以上であり、また、150以下であり、更に好ましくは、20以上であり、また、100以下である。なお、上記平均付加モル数とは、単量体1モル中において付加している当該オキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。
上記ポリアルキレングリコールエステル系単量体としてはまた、(アルコキシ)ポリエチレングリコール(ポリ)(炭素数2〜4のアルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステル類等が好適であり、具体例としては、上記単量体(a)において上述したのと同様である。
炭素数1〜22個のアルコールや炭素数1〜22のアミンに炭素数2〜4のオキシアルキレンを付加(付加モル数は、2以上300以下の数)させたアルキルポリアルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸系単量体とのハーフエステル、ジエステル;上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールを付加(付加モル数は、2以上300以下の数)したポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類。
上記不飽和モノカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基とカルボアニオンを形成しうる基とを1つずつ有する単量体であればよく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等;これらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩が好適である。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基を1つとカルボアニオンを形成しうる基を2つとを有する単量体であり、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等や、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アンモニウム塩等、又は、それらの無水物が好適である。
これらの中でも、セメント分散性能の向上という観点から、(メタ)アクリル酸;その一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩を用いることがより好適である。
上記コンクリート二次製品の製造方法に使用される共重合体において、上記一般式(5)で表される単量体(C)としては、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はこれの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩;2−ヒドロキシ−3−アリルオキシスルホン酸又はこれの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩;スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホブチル(メタ)アクリレート、等のスルホアルキル(C2〜C4)(メタ)アクリレート、又は、これらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩;イソプレンスルホン酸又は一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩が挙げられる。また、塩としては一価金属塩が好ましい。なお、これらの単量体(C)のナトリウム塩は、それぞれ下記一般式(8)〜(11)で表される。
スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン等のスチレン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ヘキセン、ヘプテン、デセン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類。
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アンモニウム塩。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチルエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物類。
上記共重合体の好ましい分子量範囲としては、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィーによるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)が3000〜500000である。重量平均分子量が3000未満では、分散剤の減水性において充分とはならないおそれがあり、また、500000を超える分子量では、分散剤の減水性及び流動性において充分とはならないおそれがある。より好ましくは、4000〜300000であり、更に好ましくは、5000〜100000であり、最も好ましくは、15000〜60000である。なお、上記重合体の重量平均分子量は、後述するGPC測定条件により測定される値である。
本発明のコンクリート二次製品の製造方法としては更に、上記共重合体によりポリカルボン酸系セメント分散剤を構成し、該セメント分散剤を使用する方法とすることが好ましい。なお、このポリカルボン酸系セメント分散剤を使用する形態については、後述するとおりである。
(共重合方法)
本発明において、ポリオキシアルキレンエステル系構成単位(I)と、カルボン酸系構成単位(II)とを有するポリカルボン酸系重合体や、単量体(A)と単量体(B)と単量体(C)とを含有する単量体成分を用いて導かれた共重合体の製造方法における共重合方法としては、例えば、溶液重合や塊状重合等の公知の重合方法により行うことができる。また、回分式でも連続式でも行うことができる。重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のパーオキサイドが好適である。また、促進剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物を併用することもできる。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合方法においては、連鎖移動剤も必要に応じて使用することができる。このような連鎖移動剤としては、公知のものを1種又は2種以上使用できるが、疎水性連鎖移動剤を用いることもできる。疎水性連鎖移動剤とは、炭素数3以上の炭化水素基をもつチオール化合物又は25℃の水に対する溶解度が10%以下の化合物が好適であり、上述した連鎖移動剤や、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2−メルカプトプロピオン酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;α−メチルスチレンダイマー、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、ターピノーレン等の不飽和炭化水素化合物が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数3以上の炭化水素基を有するチオール系連鎖移動剤を含むことが好ましい。
上記連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、連鎖移動剤を単独で反応容器へ導入してもよく、単量体成分を構成するオキシアルキレン基を有する単量体、溶媒等とあらかじめ混同しておいてもよい。
上記共重合方法により得られる共重合体は、そのままでも本発明のポリカルボン酸系セメント分散剤の主成分や、コンクリート二次製品の製造方法に使用される共重合体として用いられるが、必要に応じて、更にアルカリ性物質で中和して用いてもよい。アルカリ性物質としては、一価金属及び二価金属の水酸化物、塩化物及び炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アンモニウムを用いることが好ましい。
使用カラム:東ソー社製TSKguardcolumn SWXL+TSKge1 G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に酢酸でpH6.0に調整した溶離液溶液を用いる。
打込み量:0.5%溶離液溶液100μL
溶離液流速:0.8mL/min
カラム温度:40℃
標準物質:ポリエチレングリコール、ピークトップ分子量(Mp)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470
検量線次数:三次式
検出器:日本Waters社製 410 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 MILLENNIUM Ver.3.21
本発明のポリカルボン酸系セメント分散剤や、コンクリート二次製品の製造方法で使用される共重合体により構成されるポリカルボン酸系セメント分散剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスター等のセメント組成物に加えて用いることができる。上記セメント組成物としては、セメント、水、細骨材、粗骨材等を含む通常用いられるものが好適である。また、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム、液状シリカヒューム、石灰石等の微粉体を添加したものであってもよい。より好ましくは、コンクリートに使用することであり、該コンクリートと、上記セメント分散剤とを用いることにより、例えば、コンクリート二次製品を製造する形態が好適である。このようなコンクリート二次製品を製造する方法は、本発明の好ましい実施形態である
上記セメント分散剤は、公知のセメント添加剤(材)と併用することができる。このようなセメント添加剤(材)としては、以下のものが挙げられる。なお、公知のセメント添加剤(材)を用いる場合、本発明のポリカルボン酸系セメント分散剤(又はコンクリート二次製品の製造方法で使用される共重合体)と、公知のセメント添加剤(材)との配合質量比は、使用する公知のセメント添加剤(材)の種類、配合及び試験条件等の違いにより一義的には決められないが、それぞれ、固形分換算の比率として、1〜99/99〜1が好ましく、5〜95/95〜5がより好ましく、10〜90/90〜10が更に好ましい。
(3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又はデキストリン等のオリゴ糖、又はデキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカンジオール類等。
(20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
その他の公知のセメント添加剤(材)としては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等を挙げることができる。これら公知のセメント添加剤(材)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記セメント分散剤は、上述したセメント添加剤(材)の他に、例えば、コンクリート二次製品の分散性、早期強度等を向上させるものと併用させてもよい。
セメント分散剤(1)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水149.5部を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PGM−100AE:エチレンオキシドの平均付加モル数100個)55.29部、アクリル酸(AA)4.71部、水60部及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸0.49部を混合したモノマー水媒体液120.49部を4時間、並びに、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.69部を溶かした水溶液30部を5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量46500の重合体水溶液からなる本発明のセメント分散剤(1)を得た。
比較セメント分散剤(1)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水99.97部を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PGM−23AE:エチレンオキシドの平均付加モル数23個)113.3部、アクリル酸21.7部、水33.35部、30%水酸化ナトリウム水溶液0.4部及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸1.29部を混合したモノマー水媒体液168.75部を4時間、並びに、ペルオキソ二硫酸アンモニウム1.55部を溶かした水溶液30部を5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量19000の重合体水溶液からなる比較セメント分散剤(1)を得た。
比較セメント分散剤(2)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水90部を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で50℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(PGM−90E:エチレンオキシドの平均付加モル数90個)53.87部、メタクリル酸(MAA)6.13部、水90部、及び、連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸0.33部を混合したモノマー水媒体液150.33部を4時間、並びに、過酸化水素0.23部を溶かした水溶液30部及びL−アスコルビン酸0.3部を溶かした水溶液30部を5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて50℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量65200の重合体水溶液からなる比較セメント分散剤(2)を得た。
製造例1及び比較製造例1〜2で得たセメント分散剤の組成を以下の表1に示す。
本発明のセメント分散剤(1)、及び、比較のための比較セメント分散剤(1)、(2)をそれぞれ添加したモルタルを調整し、貫入抵抗値とフロー値を測定した。試験に使用した材料及びモルタル配合は以下の通りである。
(材料及びモルタル配合)
ヨーロッパ規格セメント(CEM I 52.5):500g
細骨材(社団法人セメント協会製セメント強さ試験用標準砂:JIS R 5201):1350g
本発明のセメント分散剤又は比較セメント分散剤、及び、消泡剤(商品名「MA404」、NMB社製、添加量:MA404の1質量%水溶液を、セメント質量に対して2質量%使用)を含むイオン交換水:200g
各セメント分散剤の添加量(セメントに対する固形分の質量%):表2に示した。
貫入抵抗値は、上記(貫入抵抗値指数の測定方法)で述べた方法で測定した。
貫入抵抗値測定用供試体を養生する方法は、以下の3種類の方法で行った。
A:モルタルをプラスティック容器に充填し、20℃に保持してある恒温装置内で静置。
B:モルタルをプラスティック容器に充填し、40℃に保った水浴中で静置。
C:モルタルをガラス容器に充填し、周りを発泡スチロールで断熱し、20℃の室内で静置。
貫入抵抗値の測定は、以下のようにした。
Aでは、5時間後、6時間後、7時間後に行った。
Bでは、3時間半後、Cでは5時間後に行った。
(フロー値)
フロー値(mm)は、モルタルの混練直後のフロー値、すなわち0分後のフロー値を求めた。
実施例1〜3では、本発明のセメント分散剤(1)を用い、実施例1では養生方法A、実施例2では養生方法B、実施例3では養生方法Cを採用して実験を行った。また、比較例1では、比較セメント分散剤(1)を用い、比較例2では、比較セメント分散剤(2)を用いて、共に養生方法Aで養生した。それぞれの結果を表2に示す。
表2より、実施例1で用いた本発明のポリカルボン酸系セメント分散剤(1)の貫入抵抗値指数は64.6MPaであることが分かる。
また表2の結果より、供試体を加熱したり(養生方法B)、周囲を断熱したり(養生方法C)することで、何も工夫しない場合(養生方法A)よりも、短い時間で高い貫入抵抗値を示すことが明らかである。すなわち、実施例1で用いたポリカルボン酸系セメント分散剤(1)を用いて、30℃以上の温度条件下で養生したり、型枠の周囲を断熱材で覆って養生したりすることで、脱型可能な強度を得るまでの時間を短縮することができ、型枠の回転を早め、生産性を向上することとなる。
実施例1については、0分後、15分後、30分後、45分後、60分後のフロー値(mm)を測定した。結果を表3に示す。
スランプ保持指数(%)=100×(30分後のモルタルフロー値)/(初期モルタルフロー値)
を用いて、スランプ保持指数を求めた結果、84.4%であった。
セメント分散剤(2)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水100.03gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PGM−23AE:新中村化学社製、NKエステル AM−230G、エチレンオキシドの平均付加モル数23個)112.98g、アクリル酸(AA)19.2g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS−Na)2.82g、水33.38g、30%水酸化ナトリウム水溶液0.37g及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸1.21gを混合したモノマー水媒体液168.75gを4時間、並びにペルオキソ二硫酸アンモニウム1.55gを溶かした水溶液30gを5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量17800の共重合体水溶液からなるセメント分散剤(2)を得た。
セメント分散剤(3)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水99.92gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PGM−23AE:新中村化学社製、NKエステル AM−230G、エチレンオキシドの平均付加モル数23個)106.76g、アクリル酸(AA)21.12g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS−Na)7.12g、水33.32g、30%水酸化ナトリウム水溶液0.43g及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸1.34gを混合したモノマー水媒体液168.75gを4時間、並びにペルオキソ二硫酸アンモニウム1.55gを溶かした水溶液30gを5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量15300の共重合体水溶液からなるセメント分散剤(3)を得た。
セメント分散剤(4)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水149.57gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PGM−100AE:エチレンオキシドの平均付加モル数100個)52.22g、アクリル酸(AA)4.7g、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(HAPS)3.07g、水60g、及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸0.43gを混合したモノマー水媒体液120.43gを4時間、並びにペルオキソ二硫酸アンモニウム0.69gを溶かした水溶液30gを5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量47100の共重合体水溶液からなるセメント分散剤(4)を得た。
セメント分散剤(5)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水149.47gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PGM−100AE:エチレンオキシドの平均付加モル数100個)52.22g、アクリル酸(AA)4.7g、スルホエチルメタクリレートのナトリウム塩(SEMS)3.07g、水60g、及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸0.1gを混合したモノマー水媒体液120.53gを4時間、並びにペルオキソ二硫酸アンモニウム0.69gを溶かした水溶液30gを5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量41400の共重合体水溶液からなるセメント分散剤(5)を得た。
セメント分散剤(6)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水149.9gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PGM−100AE:エチレンオキシドの平均付加モル数100個)52.22g、アクリル酸(AA)4.7g、イソプレンスルホン酸ナトリウム(IPS)3.07g、水60g、及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸0.1gを混合したモノマー水媒体液120.1gを4時間、並びにペルオキソ二硫酸アンモニウム0.69gを溶かした水溶液30gを5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量41900の共重合体水溶液からなるセメント分散剤(6)を得た。
比較セメント分散剤(3)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水99.97gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PGM−23AE:エチレンオキシドの平均付加モル数23個)113.3g、アクリル酸(AA)21.7g、水33.35g、30%水酸化ナトリウム水溶液0.4g及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸1.29gを混合したモノマー水媒体液168.75gを4時間、並びにペルオキソ二硫酸アンモニウム1.55gを溶かした水溶液30gを5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量19000の共重合体水溶液からなる比較セメント分散剤(3)を得た。
比較セメント分散剤(4)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水149.5gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PGM−100AE:エチレンオキシドの平均付加モル数100個)55.29g、アクリル酸(AA)4.71g、水60g、及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸0.49gを混合したモノマー水媒体液120.49gを4時間、並びにペルオキソ二硫酸アンモニウム0.69gを溶かした水溶液30gを5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量46500の共重合体水溶液からなる比較セメント分散剤(4)を得た。
比較セメント分散剤(5)の製造
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水339.6gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(PGM−25E:エチレンオキシドの平均付加モル数25個)333.6g、メタクリル酸(MAA)66.4g、水100g、及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸3.5gを混合したモノマー水媒体液503.5gを4時間、並びにペルオキソ二硫酸アンモニウム4.6gを溶かした水溶液46gを5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。さらに、この反応混合液のpHを30%水酸化ナトリウム水溶液で7になるように調節することにより、重量平均分子量23800の共重合体水溶液からなる比較セメント分散剤(5)を得た。
製造例2〜6及び比較製造例3〜5で得たセメント分散剤の組成を以下の表4に示す。
本発明のセメント分散剤(2)〜(6)、及び、比較のために比較セメント分散剤(3)〜(5)をそれぞれ添加したモルタルを調整し、貫入抵抗値及びフロー値を測定した。試験に使用した材料及びモルタル配合、貫入抵抗値及びフロー値、並びに、貫入抵抗値測定用供試体を養生する方法については、上述の通りである。なお、各セメント分散剤の添加量(セメントに対する固形分の質量%)を表5に示す。
表5より、本発明の共重合体から構成されるセメント分散剤(2)の貫入抵抗値指数は63.5MPa、セメント分散剤(3)の貫入抵抗値指数は70.5MPa、セメント分散剤(4)の貫入抵抗値指数は70.9MPa、セメント分散剤(5)の貫入抵抗値指数は55.9MPa、セメント分散剤(6)の貫入抵抗値指数は43.5MPaであることが分かる。
また表5の結果より、供試体を加熱したり(養生方法B)、周囲を断熱したり(養生方法C)することで、何も工夫しない場合(養生方法A)よりも、短い時間で高い貫入抵抗値を示すことが明らかである。すなわち、本発明の共重合体から構成されるセメント分散剤を用いて、30℃以上の温度条件下で養生したり、型枠の周囲を断熱材で覆って養生させたりすることで、脱型可能な強度を得るまでの時間を短縮することができ、型枠の回転を早め、生産性を向上することになる。
実施例10については、0分後、15分後、30分後、45分後、60分後のフロー値(mm)を測定した。結果を表6に示す。
スランプ保持指数(%)=100×(30分後のモルタルフロー値)/(初期モルタルフロー値)
を用いて、スランプ保持指数を求めた結果、108.5%であった。
なお、セメント分散剤(4)は、貫入抵抗値指数が70.9MPaであり、スランプ保持指数が108.5%であることから、本発明のポリカルボン酸セメント分散剤、すなわち、貫入抵抗値指数が55MPa以上かつスランプ保持指数が80%以上であるセメント組成物を与えるポリカルボン酸セメント分散剤であることが分かる。
Claims (7)
- 貫入抵抗値指数が55MPa以上かつスランプ保持指数が80%以上であるセメント組成物を与える
ことを特徴とするポリカルボン酸系セメント分散剤。 - 前記ポリカルボン酸系セメント分散剤は、下記一般式(1);
ことを特徴とする請求項1に記載のポリカルボン酸系セメント分散剤。 - 請求項1又は2に記載のポリカルボン酸系セメント分散剤を使用し、かつ30℃以上の温度条件下で養生させる工程を含む
ことを特徴とするコンクリート二次製品の製造方法。 - 請求項1又は2に記載のポリカルボン酸系セメント分散剤を使用し、かつ型枠の周囲を断熱材で覆って養生させる工程を含む
ことを特徴とするコンクリート二次製品の製造方法。 - 下記一般式(3);
全単量体成分にしめる該単量体(C)の質量割合が0.1質量%以上、35質量%以下である共重合体を
使用する
ことを特徴とするコンクリート二次製品の製造方法。 - 30℃以上の温度条件下で養生させる工程を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のコンクリート二次製品の製造方法。 - 型枠の周囲を断熱材で覆って養生させる工程を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のコンクリート二次製品の製造方法。
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