以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係るシート処理装置及びシート処理方法について説明をする。図1に示す用紙重ね送出装置100はシート処理装置の一例を構成し、1枚目のシート材の先端部に2枚目以降のシート材の先端部を重ね合わせ、束状態のシート材(以下で用紙Piという)を送出するものである。用紙重ね送出装置100は、取り込みローラ11、用紙検知センサ12、スイッチバック搬送部20、分岐部30、待機位置搬送部40及び制御部50から構成される。シート材には普通紙、厚紙、コート紙、薄紙、フィルム等が含まれ、紙種及び坪量の異なる用紙Piも含まれる。束状態の用紙Piは用紙束ともいう。
取り込みローラ11は、当該用紙重ね送出装置100の上流側に設けられる。ここで上流側とはシート材を取り込む給紙側であり、例えば、画像形成装置から記録された用紙Pi(i=1〜n)が排紙される側である。下流側とは用紙Piを送出する排紙側であり、例えば、用紙束が後処理される後処理装置の側である。取り込みローラ11の駆動源は、スイッチバック搬送部20と別個に設けてもよいが、スイッチバック搬送部20の搬送モータ23を兼用してもよい。
用紙検知センサ12はシート検知部の一例を構成し、取り込みローラ11の上流側に配置される。用紙検知センサ12は用紙Piの取り込みを検知して用紙検知信号S12を発生する。用紙検知信号S12は、例えば、用紙Piの先端部を検知すると、ロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がる(ONする)。用紙検知センサ12には、透過型や、反射型の光学センサが使用される。
スイッチバック搬送部20は第1のシート搬送部の一例を構成し、取り込みローラ11の下流側に配置される。スイッチバック搬送部20は用紙検知センサ12によって検知された用紙Piを取り込んで、当該用紙Piを所定の重ね合わせ位置に向けて搬送し、その後、重ね合わせ位置から所定の待機位置に反転搬送したり、当該用紙Piを反転搬送することなく、そのまま下流側へスルーパスする機能を有している。スイッチバック搬送部20は、スイッチバック搬送路21、正逆転ローラ22及び搬送モータ23を有している。
正逆転ローラ22はスイッチバック搬送路21の排紙口付近に設けられる。正逆転ローラ22は駆動ローラ及び従動ローラを有し、用紙Piをスイッチバック搬送路21内に取り込む際、及び、用紙送出時には、駆動ローラが時計方向に回転(正転:図中の矢印参照)される。用紙Piを待機搬送路内に送り込む際には、反時計方向に回転(逆転)される。
搬送モータ23はスイッチバック搬送部20の所定の位置に取り付けられ、正逆転ローラ22に接続され、正逆転ローラ22を所定の方向へ回転駆動する。もちろん、搬送モータ23を兼用して取り込みローラ11を回転駆動してもよい。搬送モータ23を1つ省略できるようになる。
分岐部30はスイッチバック搬送部20と待機位置搬送部40との間に設けられ、用紙Piを取り込む取り込み用の搬送路31と、用紙Piを待機させる待機用の搬送路32とを分岐する。分岐部30は例えば、長細い三角柱状の分岐部材33を有して構成されている。分岐部材33の三角柱状の鋭角部位で搬送路31と搬送路32とを分離するように構成されている。
もちろん、分岐部材33に図示しないソレノイド素子を取り付けて用紙Piの分岐制御を行ってもよい。例えば、用紙Piの取り込み時には、分岐部材33の鋭角部位を降下するようにして用紙Piを正逆転ローラ22へガイドする。用紙Piの待機時には、分岐部材33の鋭角部位を上昇させて用紙Piを待機位置搬送部40へガイドするようにするとよい。
なお、用紙Piに係る重ね合わせ位置は、分岐部材33の三角柱状の鋭角部位からスイッチバック搬送部20の正逆転ローラ22のニップ位置に至る範囲内であれば、どこでもよい。この範囲内の位置において、1枚目の用紙P1の先端部に2枚目以降の用紙P2,P3,P4・・・の先端部とが重ね合わさって、用紙束が送出できればよい。
この例で、分岐部30の右側には待機位置搬送部40が設けられる。待機位置搬送部40は、スイッチバック搬送部20によって待機位置に反転搬送された用紙Piを、用紙検知センサ12によって取り込みが検知された2枚目以降の用紙Piの取り込み検知時刻に基づいて、1枚目以降の用紙Piを待機位置から重ね合わせ位置に向けて搬送する。待機位置搬送部40は、待機搬送路41、2つの正逆転ローラ42,43及び搬送モータ44を有している。
正逆転ローラ42は駆動ローラ及び従動ローラを有し、待機搬送路41の用紙出入り口付近に配設され、正逆転ローラ43も駆動ローラ及び従動ローラを有し、待機搬送路41の終端位置に配設される。正逆転ローラ42,43は、スイッチバック搬送路21内から待機搬送路41へ用紙Piを取り込む際に駆動ローラが反時計方向に回転(逆転:図中矢印参照)される。用紙Piを待機搬送路41からスイッチバック搬送路21へ送出力する際には、正逆転ローラ42,43の各々の駆動ローラが時計方向に回転(正転)される。
搬送モータ44は待機位置搬送部40の所定の位置に取り付けられ、2つの正逆転ローラ42,43に接続され、正逆転ローラ42,43を所定の方向へ回転駆動する。上述の搬送モータ23,44には、例えば、ブラシレスモータ(誘導電動機)が使用される。
制御部50は、順次、取り込みローラ11を介してスイッチバック搬送部20へ取り込まれる複数の用紙Piを重ね合わせ位置で、各々の用紙Piの先端部を重ね合わせるようにスイッチバック搬送部20及び待機位置搬送部40を制御する。制御部50は、例えば、基準クロック信号(以下CLK信号という)に基づいて動作する、A/D変換部51、カウンタ52、ROM(Read Only Memory)53、RAM(Random Access Memory)54、中央演算装置(Central Processing Unit:以下CPU55という)及びモータ制御部56を有して構成される。
制御部50には操作&表示部48が接続される。制御部50は、操作&表示部48の操作により、ROM53に記憶されているシステムプログラムDpや、各種処理プログラムを読み出してRAM54に展開し、展開されたシステムプログラムDpに従って、用紙重ね送出装置の動作を集中制御する。例えば、CPU55は、展開されたプログラムに従って、スイッチバック搬送部20及び待機位置搬送部40における用紙重ね送出制御を実行する。
操作&表示部48は、タッチパネル及びLCD(Liquid Crystal Display)から構成され、例えば、各種枚数重ねモードを設定するように操作される。この例では、1枚重ねモード、2枚重ねモード、3枚重ねモード及び4枚重ねモードが設定できるようになっている。ここに1枚重ねモードとは、最初の1枚の用紙P1が待機位置搬送部40に取り込まれた状態で、この1枚の用紙P1に更に1枚の用紙P2を外部から取り込んで、各々の先端部を重ね合わせて、合計2枚束状の用紙P1,P2を排紙する動作をいう。
2枚重ねモードとは、最初の1枚の用紙P1が待機位置搬送部40に取り込まれた状態で、この1枚の用紙P1に更に2枚の用紙P2,P3を外部から取り込んで、各々の先端部を重ね合わせて、合計3枚束状の用紙P1,P2,P3を排紙する動作をいう。
3枚重ねモードとは、最初の1枚の用紙P1が待機位置搬送部40に取り込まれた状態で、この1枚の用紙P1に更に3枚の用紙P2,P3,P4を外部から取り込んで、各々の先端部を重ね合わせて、合計4枚束状の用紙P1,P2,P3,P4を排紙する動作をいう。
4枚重ねモードとは、最初の1枚の用紙P1が待機位置搬送部40に取り込まれた状態で、この1枚の用紙P1に更に4枚の用紙P2,P3,P4,P5を外部から取り込んで、各々の先端部を重ね合わせて、合計5枚束状の用紙P1,P2,P3,P4,P5を排紙する動作をいう。
操作&表示部48は、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、各種枚数重ねモードの設定を含むボタン操作による操作データD48を制御部50に出力する。用紙重ね送出装置100を上流側の図示しない画像形成装置とタンデムに使用する場合は、操作データD48は画像形成装置から供給すればよいので、操作&表示部48を省略してもよい。
A/D変換部51はその入力側が用紙検知センサ12に接続され、その出力側はカウンタ52及びシステムバス57に接続される。A/D変換部51は用紙検知センサ12から用紙検知信号S12を入力し、用紙検知信号S12をアナログ・ディジタル変換して用紙検知データD12をカウンタ52及びCPU55に出力する。
カウンタ52は計数部の一例を構成し、待機位置で待機する用紙Piの枚数を計数する。例えば、カウンタ52はA/D変換部51から出力される用紙検知データD12に基づく用紙Piの枚数を計数して用紙枚数データD52を出力する。用紙枚数データD52はカウンタ52からCPU55に出力される。CPU55はカウンタ52から出力される用紙枚数データD52によって、待機時の用紙Piの枚数を認識でき、用紙Piの枚数に基づいて搬送モータ44の駆動開始タイミングをそれぞれ調整する。この調整によって、後続の用紙Piと待機中の用紙Piの先端部を再現性良く重ね合わせることができるようになる。
モータ制御部56は搬送モータ23,44に接続される。モータ制御部56はモータ駆動データD56に基づいて搬送モータ23,44を制御する。例えば、モータ制御部56はモータ駆動データD56をデコードしてモータ制御信号S23及びS44を生成する。モータ駆動データD56は、後続の用紙Piと待機中の用紙Piの先端部を再現性良く重ね合わせるためのデータであって、CPU55からモータ制御部56へ出力される。モータ制御信号S23は、モータ制御部56から搬送モータ23に出力される。
モータ制御信号S44は、後続の用紙Piと待機中の用紙Piの先端部を再現性良く重ね合わせるための信号であって、モータ制御部56から搬送モータ44に出力される。この例では、重ね動作モードの設定に応じて、1枚重ねモード時には、モータ制御信号S44(1)が出力され、2枚重ねモード時には、モータ制御信号S44(2)が出力され、3枚重ねモード時には、モータ制御信号S44(3)が出力され、4枚重ねモード時には、モータ制御信号S44(4)が出力される。
CPU55は、待機位置搬送部40に順次、所定の位置で待機される複数の用紙Piの待機枚数に応じて複数枚重ね時の搬送開始タイミングを順次変更するように待機位置搬送部40を制御する。この例で、用紙Piは待機位置搬送部40に待機され、この用紙Piの待機枚数は、カウンタ52によって計数される。CPU55は、2枚目以降の用紙Piの取り込み検知時刻に基づいて、待機位置搬送部40により待機位置から重ね合わせ位置へ搬送される1枚目以降の用紙Piの搬送開始タイミングを変更(調整)する。
例えば、CPU55は、2枚目以降の用紙Piの取り込み検知位置から当該用紙Piが重ね合わせ位置に至る搬送時間を限度にして、カウンタ52によって計数された待機位置で待機する用紙Piの待機枚数が少ない場合の搬送開始タイミングに比べて、当該待機位置で待機する用紙Piが増える程、当該用紙Piの搬送開始タイミングを早めるように待機位置搬送部40を制御する。
続いて、図2〜図8を参照して、用紙重ね送出装置100の動作例(その1〜7)について説明する。この例では、1枚重ねモード、2枚重ねモード、3枚重ねモード及び4枚重ねモードを設定して用紙Pi(i=1〜5)を重ね合わせて送出する場合を挙げる。
図2Aに示す用紙重ね送出装置100によれば、取り込みローラ11及び正逆転ローラ22が駆動されて、1枚目の用紙P1をスイッチバック搬送部20に引き入れられる。このとき、用紙検知センサ12が用紙P1を検知する。その後、図2Bに示す用紙重ね送出装置100によれば、1枚目の用紙P1がスイッチバック搬送部20に到着する。到着時、用紙P1の後端部が、分岐部材33の三角柱状の鋭角部位の下流側に位置するようになる。
図3Aに示す用紙重ね送出装置100によれば、正逆転ローラ22及び正逆転ローラ42,43が駆動され、1枚目の用紙P1が反転搬送され、待機位置搬送部40に到達する。待機位置搬送部40に到達した用紙Piは待機シートである。これと共に、用紙検知センサ12が2枚目の用紙P2を検知する。
その後、図3Bに示す用紙重ね送出装置100によれば、取り込みローラ11及び正逆転ローラ22が駆動されて、2枚目の用紙P2(後続シート)がスイッチバック搬送部20に引き入れられると共に、2枚目の用紙P2を検知した時刻からX秒後に、正逆転ローラ42,43が駆動されて、1枚目の用紙P1(待機シート)のスイッチバック搬送部20への搬送を開始する。そして、1枚目と2枚目の用紙P1,P2の各々の先端部がスイッチバック搬送部20に到着し、用紙P1,P2の各々の先端部が重なり合う。
図4Aに示す用紙重ね送出装置100によれば、用紙P1,P2の各々の先端部が重なり合った状態で、正逆転ローラ22及び正逆転ローラ42,43が駆動され、重なり合い完了時、用紙P1及びP2の後端部が、分岐部材33の三角柱状の鋭角部位の下流側に位置するようになる。これにより、2枚束の用紙P1,P2を排紙できるようになる(1枚重ねモード)。
図4Bに示す用紙重ね送出装置100によれば、用紙P1,P2の各々の先端部が重なり合った2枚重ねの用紙束が正逆転ローラ22及び正逆転ローラ42,43によって、反転搬送されてスイッチバック搬送部20から待機位置搬送部40に到達する。これと共に、用紙検知センサ12が3枚目の用紙P3を検知する。
図5Aに示す用紙重ね送出装置100によれば、取り込みローラ11及び正逆転ローラ22が駆動されて、3枚目の用紙P3がスイッチバック搬送部20に引き入れられると共に、搬送開始タイミングがX秒からY秒に変更され、3枚目の用紙P3を検知した時刻からY秒後に、正逆転ローラ42,43によって、2枚束の用紙P1,P2がスイッチバック搬送部20への搬送を開始する。そして、1枚目〜3枚目の用紙P1,P2,P3の各々の先端部がスイッチバック搬送部20に到着し、用紙P1,P2,P3の各々の先端部が重なり合う。
図5Bに示す用紙重ね送出装置100によれば、用紙P1,P2,P3の各々の先端部が重なり合った状態で、正逆転ローラ22及び正逆転ローラ42,43が駆動され、重なり合い完了時、用紙P1,P2及びP3の後端部が、分岐部材33の三角柱状の鋭角部位の下流側に位置するようになる。これにより、3枚束の用紙P1,P2,P3を排紙できるようになる(2枚重ねモード)。
図6Aに示す用紙重ね送出装置100によれば、用紙P1,P2,P3の各々の先端部が重なり合った3枚重ねの用紙束が正逆転ローラ22及び正逆転ローラ42,43によって、反転搬送されてスイッチバック搬送部20から待機位置搬送部40に到達する。これと共に、用紙検知センサ12が4枚目の用紙P4を検知する。
図6Bに示す用紙重ね送出装置100によれば、取り込みローラ11及び正逆転ローラ22が駆動されて、4枚目の用紙P4がスイッチバック搬送部20に引き入れられると共に、搬送開始タイミングがY秒からZ秒に変更され、4枚目の用紙P4を検知した時刻からZ秒後に、正逆転ローラ42,43によって、3枚束の用紙P1,P2,P3がスイッチバック搬送部20への搬送を開始する。そして、1枚目〜4枚目の用紙P1,P2,P3,P4の各々の先端部がスイッチバック搬送部20に到着し、用紙P1,P2,P3,P4の各々の先端部が重なり合う。
図7Aに示す用紙重ね送出装置100によれば、用紙P1,P2,P3,P4の各々の先端部が重なり合った状態で、正逆転ローラ22及び正逆転ローラ42,43が駆動され、重なり合い完了時、用紙P1,P2,P3及びP4の後端部が、分岐部材33の三角柱状の鋭角部位の下流側に位置するようになる。これにより、4枚束の用紙P1,P2,P3,P4を排紙できるようになる(3枚重ねモード)。
図7Bに示す用紙重ね送出装置100によれば、用紙P1,P2,P3,P4の各々の先端部が重なり合った4枚重ねの用紙束が正逆転ローラ22及び正逆転ローラ42,43によって、反転搬送されてスイッチバック搬送部20から待機位置搬送部40に到達する。これと共に、用紙検知センサ12が5枚目の用紙P5を検知する。
図8Aに示す用紙重ね送出装置100によれば、取り込みローラ11及び正逆転ローラ22が駆動されて、5枚目の用紙P5がスイッチバック搬送部20に引き入れられると共に、搬送開始タイミングがZ秒から0秒に変更され、5枚目の用紙P5を検知した時刻に、正逆転ローラ42,43によって、4枚束の用紙P1,P2,P3,P4がスイッチバック搬送部20への搬送を開始する。そして、1枚目〜5枚目の用紙P1,P2,P3,P4,P5の各々の先端部がスイッチバック搬送部20に到着し、用紙P1,P2,P3,P4,P5の各々の先端部が重なり合う。
図8Bに示す用紙重ね送出装置100によれば、用紙P1,P2,P3,P4,P5の各々の先端部が重なり合った状態で、正逆転ローラ22及び正逆転ローラ42,43が駆動され、重なり合い完了時、用紙P1,P2,P3,P4及びP5の後端部が、分岐部材33の三角柱状の鋭角部位の下流側に位置するようになる。これにより、5枚束の用紙P1,P2,P3,P4,P5を排紙できるようになる(4枚重ねモード)。
ここで、図1に示した用紙重ね送出装置100における正逆転ローラ42等の搬送開始タイミング例について説明する。図9に示すグラフは、用紙検知センサ12による用紙検知時刻と、各重ね動作モード時、の正逆転ローラ42等の搬送開始タイミングをまとめたものである。正逆転ローラ43も正逆転ローラ42と同様に制御するとよい。
この例では、用紙検知センサ12がONしてから用紙Piを重ねる枚数によって、搬送モータ44の動作タイミングが異なっている。図9において、縦軸は用紙Piの取り込み速度Vであり、取り込みローラ11、正逆転ローラ42に依存する速度である。取り込みローラ11は搬送モータ23に依存し、正逆転ローラ42は搬送モータ44に依存する。
図中の太い実線は用紙Piの取り込み速度Vであり、これを重ね合わせ時の目標速度Vmとする。横軸は、正逆転ローラ42をON(起動)してからの経過時間tである。t0は用紙検知センサ12が用紙Piを検知した時刻であり、t1は、用紙Piの重ね合わせ時刻である。用紙重ね送出装置100によれば、正逆転ローラ42が用紙Piを担って目標速度Vmに至るまでの経過時間が重ね枚数によって異なることが見出された。
図中の細い実線は、1枚重ねモード時の正逆転ローラ42の立ち上がり搬送速度特性であり、用紙検知センサ12が2枚目の用紙P2を検知した時刻t0からX秒後に、正逆転ローラ42が起動されて目標速度Vmに至るまでの搬送速度特性線である。この2枚目の用紙P2を検知した時刻t0からX秒後が、1枚重ねモード時の搬送開始タイミング(時刻tx)である。時刻txは時刻t0のCLK信号を基準にしてX秒をカウントする。
図中の破線は、2枚重ねモード時の正逆転ローラ42の立ち上がり搬送速度特性であり、用紙検知センサ12が3枚目の用紙P3を検知した時刻t0からY秒後に、正逆転ローラ42が起動されて目標速度Vmに至るまでの搬送速度特性線である。この3枚目の用紙P3を検知した時刻t0からY秒後が、2枚重ねモード時の搬送開始タイミング(時刻ty)である。時刻tyは時刻t0のCLK信号を基準にしてY秒をカウントする。
図中の一点鎖線は、3枚重ねモード時の正逆転ローラ42の立ち上がり搬送速度特性であり、用紙検知センサ12が4枚目の用紙P4を検知した時刻t0からZ秒後に、正逆転ローラ42が起動されて目標速度Vmに至るまでの搬送速度特性線である。この4枚目の用紙P4を検知した時刻t0からZ秒後が、3枚重ねモード時の搬送開始タイミング(時刻tz)である。時刻tzは時刻t0のCLK信号を基準にしてZ秒をカウントする。
図中の二点鎖線は、4枚重ねモード時の正逆転ローラ42の立ち上がり搬送速度特性であり、用紙検知センサ12が5枚目の用紙P5を検知した時刻t0と同時に、正逆転ローラ42が起動されて目標速度Vmに至るまでの搬送速度特性線である。この5枚目の用紙P5を検知した時刻t0と同時刻が、4枚重ねモード時の搬送開始タイミング(時刻t0)である。
これにより、2枚目以降の用紙P2,P3・・・の取り込み検知位置から当該用紙P2,P3・・・が重ね合わせ位置に至る搬送時間(t1−t0)を限度にして、カウンタ52によって計数された待機位置で待機する用紙P2が少ない場合の搬送開始タイミングに比べて、当該待機位置で待機する用紙P2,P3,P4等のように増える程、当該用紙P2,P3,P4の搬送開始タイミングを早めるように待機位置搬送部40を制御できるようになる(X>Y>Z>0)。
続いて、図10A〜Fを参照して、用紙重ね送出装置100における搬送モータ44の駆動開始タイミングについて説明する。図10A〜Fに示す動作タイムチャートは、用紙検知センサ12による用紙検知タイミングと、各重ね動作モード時の搬送モータ44の駆動開始タイミングをまとめたものである。
図10Aに示すCLK信号は、図1に示した制御部50を駆動する基準信号である。図10Bに示す用紙検知信号S12は、図1に示した用紙検知センサ12からA/D変換部51に出力される。用紙検知信号S12はロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がることで、用紙有り(用紙到達)を示す。用紙検知信号S12はハイ・レベルからロー・レベルへ立ち下がることで、用紙無し(用紙未到達)を示す。この例では、時刻t0のCLK信号を基準にして搬送開始タイミングが設定される。
図10Cに示すモータ制御信号S44(1)は、1枚重ねモード時に設定され、例えば、用紙検知信号S12の立ち上がりの時刻t0からX秒後に、ロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がる信号である。図10Dに示すモータ制御信号S44(2)は、2枚重ねモード時に設定され、例えば、用紙検知信号S12の立ち上がりの時刻t0からY秒後に、ロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がる信号である。
図10Eに示すモータ制御信号S44(3)は、3枚重ねモード時に設定され、例えば、用紙検知信号S12の立ち上がりの時刻t0からZ秒後に、ロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がる信号である。図10Fに示すモータ制御信号S44(3)は、4枚重ねモード時に設定され、例えば、用紙検知信号S12の立ち上がりの時刻t0と同時に、ロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がる信号である。
これらのモータ制御信号S44(1)〜(4)は、図10Aに示したCLK信号により管理され、図1に示したモータ制御部56から搬送モータ44に出力される。これにより、制御部50では、用紙検知センサ12から得られる用紙検知信号S12に基づいて、順次、取り込みローラ11を介してスイッチバック搬送部20へ取り込まれる複数の用紙Piを重ね合わせ位置で、各々の用紙Piの先端部を重ね合わせるようにスイッチバック搬送部20及び待機位置搬送部40を制御できるようになる。
続いて、図11を参照して、シート処理方法に関して用紙重ね送出装置100の制御例について説明する。用紙重ね送出装置100では、1枚目の用紙P1の先端部に2枚目以降の用紙P2,P3,P4,P5の先端部を重ね合わせ、最大5枚の用紙P1〜P5を束ねた用紙束を出力する場合を前提とする(用紙Pi:i=1〜n=5)。用紙検知センサ12はスイッチバック搬送部20へ取り込まれる用紙Piを検知して用紙検知信号S12を発生する。
CPU55は順次、スイッチバック搬送部20へ取り込まれる複数の用紙Piを重ね合わせ位置で重ね合わせる際に、待機位置搬送部40に待機される複数の用紙Piの待機枚数に応じて複数枚数重ね時の搬送開始タイミングを順次変更するように待機位置搬送部40を制御する。この例では、最後の用紙Piを待機側の用紙P1,P2,P3・・・等重ね合わせた後は、待機位置搬送部40に待機させることなくそのまま出力する場合を前提とする。以下で、1枚重ねモードから4枚重ねモードの場合を分けて説明する。
[1枚重ねモード]
図11に示すステップST1でCPU55は重ね動作モードの設定を入力する。この例で、重ね動作モードには、1枚重ねモード、2枚重ねモード、3枚重ねモード及び4枚重ねモードが準備され、ユーザが操作&表示部48を操作して1枚重ねモードをCPU55に設定するようになされる。ステップST2でCPU55は重ね動作モードの終了か否かに応じて制御を分岐する。
この例では、1枚重ねモードが設定されているので、図1に示した用紙検知センサ12が1枚目の用紙P1を検知する。用紙検知センサ12からA/D変換部51には、用紙到達を示すロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がる用紙検知信号S12が出力される。
ステップST3でCPU55は1枚目の用紙P1を取り込んで、待機位置搬送部40に待機させる。このとき、スイッチバック搬送部20では、用紙検知センサ12によって検知された1枚目の用紙P1を取り込んで所定の重ね合わせ位置に向けて搬送し、その後、重ね合わせ位置から所定の待機位置搬送部40に反転搬送する。これにより、1枚目の用紙P1が待機位置搬送部40で待機するようになる。
その後、ステップST4でCPU55は、1枚目の用紙P1に重ね合わせる後続側の用紙Piが重ね1枚目か、それ以外の重ね枚数かに応じて制御を分岐する。この例では、1枚重ねモードが設定されているので、ステップST5でスイッチバック搬送部20が重ね1枚目の用紙P2を取り込むと共に、ステップST6でCPU55は、用紙検知センサ12がONしてからX秒後に待機位置搬送部40の1枚目の用紙P1をスイッチバック搬送部20へ搬送開始する。
このとき、スイッチバック搬送部20では、用紙検知センサ12によって検知された、重ね1枚目の用紙P2を取り込んで所定の重ね合わせ位置に向けて搬送すると、用紙検知信号S12の立ち上がりの時刻t0からX秒後に、図10Cに示したロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がるモータ制御信号S44(1)が搬送モータ44に出力される。待機位置搬送部40では、搬送モータ44の回転に基づいて1枚目の用紙P1を待機位置から重ね合わせ位置に向けて搬送する。これにより、重ね合わせ位置で用紙P1の先端部と、用紙P2の先端部とが重ね合わされ、計2枚の用紙P1,P2を重ね合わせた用紙束を送出できるようになる(図4A参照)。その後、ステップST2でCPU55は1枚重ねモードの終了を検出して用紙重ね送出制御を終了する。
[2枚重ねモード]
また、ステップST1で2枚重ねモードが設定されている場合は、1枚重ねモードと同様にして、ステップST3でCPU55は1枚目の用紙P1を取り込んで、1枚目の用紙P1を待機位置搬送部40に待機させる。その後、ステップST4でCPU55は、1枚目の用紙P1に重ね合わせる後続側の用紙Piが重ね1枚目か、それ以外の重ね枚数かに応じて制御を分岐する。
この例では、1枚重ねモードと同様にして、ステップST5でスイッチバック搬送部20が重ね1枚目の用紙P2を取り込むと共に、ステップST6でCPU55は、用紙検知センサ12がONしてからX秒後に待機位置搬送部40の1枚目の用紙P1をスイッチバック搬送部20へ搬送開始する。これにより、重ね合わせ位置で用紙P1の先端部と、用紙P2の先端部とが重ね合わされ、計2枚の用紙P1,P2を重ね合わせた用紙束を待機位置搬送部40へ反転搬送できる状態となる。
この状態で、スイッチバック搬送部20が、計2枚の用紙P1,P2を重ね合わせ位置から待機位置搬送部40に反転搬送する。また、ステップST2でCPU55が2枚重ねモードの未終了を検出するので、ステップST3で、計2枚の用紙P1,P2を重ね合わせた用紙束を待機位置搬送部40で待機させるようになる。
その後、ステップST4でCPU55は、2枚の用紙P1,P2に重ね合わせる後続側の用紙Piが重ね1枚目か、それ以外の重ね枚数かに応じて制御を分岐する。この例では、重ね1枚目が終了しているので、後続側の用紙Piが重ね1枚目以外の重ね枚数に対応して、ステップST7に移行する。ステップST7でCPU55は、2枚の用紙P1,P2に重ね合わせる後続側の用紙P3が重ね2枚目か、それ以外の重ね枚数かに応じて制御を分岐する。
この例では、ステップST8に移行して、スイッチバック搬送部20が重ね2枚目の用紙P3を取り込むと共に、ステップST9でCPU55は、搬送開始タイミングをX秒からY秒に変更し、用紙検知センサ12がONしてからY秒後に待機位置搬送部40の用紙P1,P2をスイッチバック搬送部20へ搬送開始する。
このとき、スイッチバック搬送部20では、用紙検知センサ12によって検知された、重ね2枚目の用紙P3を取り込んで所定の重ね合わせ位置に向けて搬送すると、用紙検知信号S12の立ち上がりの時刻t0からY秒後に、図10Dに示したロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がるモータ制御信号S44(2)が搬送モータ44に出力される。
待機位置搬送部40では、搬送モータ44の回転に基づいて用紙P1,P2を待機位置から重ね合わせ位置に向けて搬送する。これにより、重ね合わせ位置で用紙P1,P2の先端部と、用紙P3の先端部とが重ね合わされ、計3枚の用紙P1,P2,P3を重ね合わせた用紙束を送出できるようになる(図5B参照)。その後、ステップST2でCPU55は2枚重ねモードの終了を検出して用紙重ね送出制御を終了する。
[3枚重ねモード]
また、ステップST1で3枚重ねモードが設定されている場合は、1枚重ねモードと同様にして、ステップST3でCPU55は1枚目の用紙P1を取り込んで、1枚目の用紙P1を待機位置搬送部40に待機させる。その後、ステップST4でCPU55は、1枚目の用紙P1に重ね合わせる後続側の用紙Piが重ね1枚目か、それ以外の重ね枚数かに応じて制御を分岐する。
この例では、1枚重ねモードと同様にして、ステップST5でスイッチバック搬送部20が重ね1枚目の用紙P2を取り込むと共に、ステップST6でCPU55は、用紙検知センサ12がONしてからX秒後に待機位置搬送部40の1枚目の用紙P1をスイッチバック搬送部20へ搬送開始する。これにより、重ね合わせ位置で用紙P1の先端部と、用紙P2の先端部とが重ね合わされ、計2枚の用紙P1,P2を重ね合わせた用紙束を待機位置搬送部40へ反転搬送できる状態となる。
この状態で、スイッチバック搬送部20が、計2枚の用紙P1,P2を重ね合わせ位置から待機位置搬送部40に反転搬送する。また、ステップST2でCPU55が3枚重ねモードの未終了を検出するので、ステップST3で、計2枚の用紙P1,P2を重ね合わせた用紙束を待機位置搬送部40で待機させるようになる。
その後、ステップST4でCPU55は、2枚の用紙P1,P2に重ね合わせる後続側の用紙Piが重ね1枚目か、それ以外の重ね枚数かに応じて制御を分岐する。この例では、重ね1枚目が終了しているので、後続側の用紙Piが重ね1枚目以外の重ね枚数に対応して、ステップST7に移行する。ステップST7でCPU55は、2枚の用紙P1,P2に重ね合わせる後続側の用紙P3が重ね2枚目か、それ以外の重ね枚数かに応じて制御を分岐する。この例では、重ね2枚目が終了しているので、ステップST10に移行し、CPU55は、後続側の用紙Piが重ね3枚目か、その以外の重ね枚数に対応して制御を分岐する。
この例では、ステップST11に移行して、スイッチバック搬送部20が重ね3枚目の用紙P4を取り込むと共に、ステップST12でCPU55は、搬送開始タイミングをY秒からZ秒に変更し、用紙検知センサ12がONしてからZ秒後に待機位置搬送部40の用紙P1,P2,P3をスイッチバック搬送部20へ搬送開始する。
このとき、スイッチバック搬送部20では、用紙検知センサ12によって検知された、重ね3枚目の用紙P4を取り込んで、所定の重ね合わせ位置に向けて搬送すると、用紙検知信号S12の立ち上がりの時刻t0からZ秒後に、図10Eに示したロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がるモータ制御信号S44(3)が搬送モータ44に出力される。
待機位置搬送部40では、搬送モータ44の回転に基づいて用紙P1,P2,P3を待機位置から重ね合わせ位置に向けて搬送する。これにより、重ね合わせ位置で用紙P1,P2,P3の先端部と、用紙P4の先端部とが重ね合わされ、計4枚の用紙P1,P2,P3,P4を重ね合わせた用紙束を送出できるようになる(図7A参照)。その後、ステップST2でCPU55は3枚重ねモードの終了を検出して用紙重ね送出制御を終了する。
[4枚重ねモード]
また、ステップST1で4枚重ねモードが設定されている場合は、1枚重ねモードと同様にして、ステップST3でCPU55は1枚目の用紙P1を取り込んで、1枚目の用紙P1を待機位置搬送部40に待機させる。その後、ステップST4でCPU55は、1枚目の用紙P1に重ね合わせる後続側の用紙Piが重ね1枚目か、それ以外の重ね枚数かに応じて制御を分岐する。
この例では、1枚重ねモードと同様にして、ステップST5でスイッチバック搬送部20が重ね1枚目の用紙P2を取り込むと共に、ステップST6でCPU55は、用紙検知センサ12がONしてからX秒後に待機位置搬送部40の1枚目の用紙P1をスイッチバック搬送部20へ搬送開始する。これにより、重ね合わせ位置で用紙P1の先端部と、用紙P2の先端部とが重ね合わされ、計2枚の用紙P1,P2を重ね合わせた用紙束を待機位置搬送部40へ反転搬送できる状態となる。
この状態で、スイッチバック搬送部20が、計2枚の用紙P1,P2を重ね合わせ位置から待機位置搬送部40に反転搬送する。また、ステップST2でCPU55が4枚重ねモードの未終了を検出するので、ステップST3で、計2枚の用紙P1,P2を重ね合わせた用紙束を待機位置搬送部40で待機させるようになる。
その後、ステップST4でCPU55は、2枚の用紙P1,P2に重ね合わせる後続側の用紙Piが重ね1枚目か、それ以外の重ね枚数かに応じて制御を分岐する。この例では、重ね1枚目が終了しているので、ステップST7に移行する。ステップST7でCPU55は、2枚の用紙P1,P2に重ね合わせる後続側の用紙P3が重ね2枚目か、それ以外の重ね枚数かに応じて制御を分岐する。この例では、重ね2枚目が終了しているので、ステップST10に移行し、CPU55は、後続側の用紙Piが重ね3枚目か、その以外の重ね枚数に対応して制御を分岐する。この例では、重ね3枚目が終了しているので、ステップST13に移行する。
ステップST13でCPU55は、スイッチバック搬送部20が重ね4枚目の用紙P5を取り込むと共に、CPU55は、搬送開始タイミングをZ秒から0秒に変更し、用紙検知センサ12がONすると共に、待機位置搬送部40の用紙P1,P2,P3,P4をスイッチバック搬送部20へ搬送開始する。
このとき、スイッチバック搬送部20では、用紙検知センサ12によって検知された5枚目の用紙P5を取り込んで所定の重ね合わせ位置に向けて搬送すると、用紙検知信号S12の立ち上がりの時刻t0と同時に、図10Fに示したロー・レベルからハイ・レベルに立ち上がるモータ制御信号S44(4)が搬送モータ44に出力される。
待機位置搬送部40では、スイッチバック搬送部20によって待機位置に反転搬送された用紙P1,P2,P3,P4を5枚目の用紙P5の取り込みの時刻t0に基づいて1枚、2枚、3枚、4枚目の用紙P1,P2,P3,P4を待機位置から重ね合わせ位置に向けて搬送する。これにより、重ね合わせ位置で用紙P1,P2,P3,P4の先端部と、用紙P5の先端部とが重ね合わされ、計5枚のP1,P2,P3,P4,P5を重ね合わせた用紙束を送出できるようになる(図8B参照)。その後、ステップST2でCPU55は4枚重ねモードの終了を検出して用紙重ね送出制御を終了する。
このように、実施形態としての用紙重ね送出装置100によれば、1枚目の用紙P1の先端部に2枚目以降の用紙P2,P3,P4,P5の先端部を重ね合わせ、計5枚のP1〜P5を重ね合わせた用紙束を出力する場合に、制御部50は、待機位置搬送部40に順次、待機される複数の用紙Piの待機枚数に応じて複数枚数重ね時の搬送開始タイミングを順次変更(X→Y→Z秒)するように当該待機位置搬送部40を制御する。
この制御によって、重ねる用紙Piの枚数の違いによって、揃え精度の低下が起こらず、重ね枚数が変わっても、同じ位置で再現性良く用紙Piを重ね合わせることができ、複数の用紙Piの先端部を重ね合わせた用紙束を送出できる。
上述の実施形態では、待機位置搬送部40に待機される複数の用紙Piの待機枚数に応じて複数枚数重ね時の搬送開始タイミングを順次変更する場合について説明したが、これに限られることはない。例えば、搬送開始タイミングを順次変更する場合において、スイッチバック搬送部20へ取り込まれる用紙Piの取り込み速度に基づいて待機位置搬送部40から重ね合わせ位置へ搬送される用紙Piの搬送速度を調整する場合であってもよい。
ここで、用紙Piの取り込み速度をvとすると、速度vは速度検知部で検知される。速度検知部には用紙検知センサ12を兼用することができ、制御部50では用紙検知センサ12から得られる用紙検知信号に基づいて速度vを演算する。その際の演算は、用紙Piの先端検知時刻t1と後端検知時刻t2の差分と、用紙Piの長さLからv=L/(t2−t1)求めればよい。
その場合でも、待機位置搬送部40で待機する用紙Piが少ない場合の搬送開始タイミングや搬送速度等に比べて、当該待機位置搬送部40で待機する用紙Piが増える程、当該用紙Piの搬送開始タイミングや搬送速度等を早めるように待機位置搬送部40を制御するようになされる。この搬送速度を調整する方法によっても、重ねる用紙Piの取り込み速度の違いによって、揃え精度の低下が起こらず、重ね枚数が変わっても、同じ位置で重ね合わせることができる。