JP3914748B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報を用紙に出力する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近来、画像形成装置においては、画像処理の生産性、すなわち、単位時間当りの画像処理枚数の増加が求められている。これに伴い、画像形成部に用紙を連続的に給紙する場合には、用紙間隔を極力短縮し、或いは、用紙の搬送方向の端部を重畳させた状態で給紙する提案がなされており、この内容は例えば特開2000−7192、特開2000−15881等に開示されている。
【0003】
特開2000−7192の発明は、用紙が画像形成部を搬送されるとき、前後の用紙の間隔を無くして搬送するものである。特開2000−15881の発明は、先行する用紙の非記録領域に後続の用紙を重畳するようにしたものである。
【0004】
また、例えば、特願平11−239672号、特願2000−230153などに記載されているように、給紙トレイから画像形成部に至る用紙搬送路の途中に反転路を設け、この反転路に用紙反転手段を設け、給紙トレイから給紙されて画像形成部に搬送される用紙を反転路内でスイッチバックさせることにより、画像形成部へ送り込まれる用紙の間隔を短縮し、且つ、その間隔を一定にすることが本出願人から提案されている。
【0005】
一方、画像形成部を通過する用紙搬送路の下流側に複数の第一の分岐路と第二の分岐路とを分岐させ、その分岐点に用紙を第一又は第二の分岐路に案内する分岐部材を向き方向切り替え可能に設け、画像形成後の用紙を第一の分岐路に搬送するか、第二の分岐路に搬送するかを選択可能にした画像形成装置がある。
【0006】
用紙を所望の分岐路に搬送する例としては種々考えられるが、例えば、画像形成後の用紙をそのまま排紙トレイなどに向けて搬送する使用形態、画像形成後の用紙を表裏方向に反転させて排紙する使用形態、画像形成後の用紙を両面印刷のために画像形成部に向けて再給紙する使用形態、などの使用形態を選択する例が挙げられる。
【0007】
画像形成後の用紙を表裏方向に反転させて排紙する使用形態とは、印刷面を上にして排紙するか下に向けて排紙するかによって用紙を反転させて排紙することである。
【0008】
両面印刷の使用形態としては、給紙トレイに載置された未使用の用紙を画像形成部に給紙して画像を用紙の片面に印刷し、その片面に印刷された用紙を再給紙路に送り込み、両面交互給紙と称して給紙トレイからの給紙と再給紙路からの給紙とを交互に実行することが行われている。これも画像処理の生産性を高めることを目的とするものである。このように種々の使用形態を選択するために分岐路を選択する場合でも、画像処理の生産性を高めるために用紙の搬送方向の切り替え制御を速やかに行うことが要求されている。
【0009】
ここで、画像形成後の用紙を分岐させる従来の構造の一例を図12に基づいて説明する。図中、102は電子写真方式の画像形成部(図示せず)の一構成部品として機能する定着ローラ101である。給紙部(図示せず)から定着ローラ11に至る用紙搬送路102の端部は、用紙搬送路102の延長方向に延出する通常排紙路103と、下方に向かう反転搬送路104とが分離され、これらの通常排紙路103と反転搬送紙路104との分岐点には支点軸105を中心として回動方向に駆動される分岐爪106が設けられている。
【0010】
通常排紙路103の下流側の端部には回転駆動される排紙ローラ107が設けられている。反転搬送路104は、印刷面を逆にして排紙するために用紙Sをスイッチバックさせて排紙ローラ107まで導く反転排紙路108と、片面に印刷済みの用紙Sを画像形成部に向けて再給紙するための再給紙路109とに接続されている。そして、用紙Sの搬送状態を制御するために、通常排紙路103と反転搬送路104とには用紙センサ110,111が配置されている。また、反転搬送路104と反転排紙路108と再給紙路109とには搬送ローラ112,113,114,115が配置されている。再給紙路109の搬送ローラ115は、用紙Sを画像形成部に再給紙し、或いは用紙Sを反転排紙路108に向けてスイッチバックさせて搬送ローラ114に受け渡すことが可能なように回転方向が切り替えられるように構成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のように両面交互給紙を行う場合には、定着ローラ101から送り出された用紙Sを通常排紙路103と反転搬送路104とに交互に分岐させることになるが、分岐爪106上流側が変位するため、先行する用紙Sと後続の用紙Sとの間に間隔を開け、先行する用紙Sの後端が分岐爪106を通過し、後続の用紙Sが到達するまでの間に分岐爪106の向きを切り替えるようにしなければならない。
【0012】
したがって、分岐爪106の切替制御を頻繁に必要としない片面印刷モードにおける通常排紙の場合はともかくとして、両面交互給紙を行おうとする場合には用紙Sを重畳状態で給紙することができず、印刷の生産性を高める上で問題がある。
【0013】
本発明の目的は、印刷済みの用紙の分岐方向を分岐部材により切り替える場合に、分岐部材の替え動作時に分岐部材での用紙の受け入れを許容することにより、印刷の生産性向上に寄与することである。
【0014】
本発明の目的は、さらに、用紙を重畳する場合に、用紙の重畳位置を選択することにより、用紙にヘッダー又はフッダーなどの画像データ以外の情報を印字出力するスペースを確保するである。
【0015】
本発明の目的は、さらに、先行する用紙と後続の用紙とが重畳する状態で分岐部材の方向切り替えを行い得るようにすることである。
【0016】
本発明の目的は、さらに、重畳されて連続して画像形成部から送り出される用紙の分岐方向を、第一、第二の分岐路に交互に切り替える場合でも、切り替えられた方向に用紙を円滑に分岐させることである。
【0017】
本発明の目的は、さらに、対の分岐部材によって用紙の先端を正確な分岐方向に向けることである。
【0018】
本発明の目的は、さらに、対の分岐部材を共通の分岐駆動部によって駆動することができるようにすることである。
【0019】
本発明の目的は、さらに、用紙の分岐方向を切り替える際に、用紙の折れ、用紙に筋状の傷を与えることを回避することである。
【0020】
本発明の目的は、さらに、片面印刷モードにおいて用紙をその印刷面の向きを反転させずに筐体の外部に排紙する通常排紙と、片面印刷モードにおいて用紙をその印刷面の向きを反転させて筐体の外部に排紙する反転排紙、或いは両印刷モードにおいて片面に印刷した用紙の画像形成部への再給紙、などの使用形態の選択を可能にすることである。
【0021】
本発明の目的は、さらに、画像形成部から重畳状態で送り出された用紙を分岐させて搬送する過程で、先行する用紙を後続の用紙から引き離すようにして、通紙される用紙の枚数、ジャム発生の有無などを正常に検出し得るようにすることである。
【0022】
本発明の目的は、さらに、用紙の端部を重畳させて画像形成部に搬送する用紙重畳搬送手段を容易に実現するである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、用紙に対して画像を出力する画像形成部と、用紙収納部に接続されて前記画像形成部を通過する用紙搬送路と、設定された枚数の用紙を互いに端部の一部を重畳させて連続的に前記用紙搬送路上を搬送する用紙重畳搬送手段と、前記画像形成部の下流側において前記用紙搬送路から分岐された第一の分岐路及び第二の分岐路と、前記画像形成部を通過する用紙を前記用紙搬送路から前記第一の分岐路又は前記第二の分岐路の何れかの方向に導くように分岐駆動部により向き方向が切り替えられる分岐部材と、前記分岐駆動部の切替動作を制御する分岐駆動部制御手段と、を具備し、前記分岐部材は、用紙搬送方向の上流側の端部を中心にして下流側が分岐方向に変位可能に設けられ、先行して前記画像形成部に送られる用紙に対して後続する用紙が重畳される上下位置を選択可能に制御する重畳位置制御手段を具備し、前記重畳位置制御手段は、前記分岐部材の切替動作に連動して用紙の先端が選択された前記第一の分岐路又は前記第二の分岐路側に位置するように用紙の端部を重畳する
【0024】
したがって、分岐部材は分岐方向の切替動作時に画像形成部から送り出される用紙の受け入れを許容する。
【0026】
さらに、用紙を重畳する場合に、用紙の重畳位置を選択することにより、用紙にヘッダー又はフッダーなどの画像データ以外の情報を印字出力するスペースを確保することが可能となる。
また、さらに、重畳されて連続して画像形成部から送り出される用紙の分岐方向を、第一の分岐路と第二の分岐路とに交互に切り替える場合でも、切り替えられた方向に用紙を円滑に分岐させることが可能となる。
【0027】
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記画像形成部を通過した用紙の後端が前記分岐部材を通過し終える前のタイミングで後続の用紙に対して前記分岐部材の向きを切り替えるように前記分岐駆動部の切替動作を制御する。
【0028】
したがって、分岐路の切り替えに際して先行する用紙と後続の用紙とが重畳する状態で分岐部材の方向切り替えを行うことが可能となる。
【0031】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一記載の発明において、前記分岐部材は用紙の両面に対向して対をなすように配列されている。
【0032】
したがって、用紙は分岐方向の切り替えにより先端が湾曲されても対の分岐部材によって先端を正確な分岐方向に向けることが可能となる。
【0033】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、用紙の両面に対向して対をなすように配列された分岐部材は一体に変位可能に設けられている。
【0034】
したがって、対の分岐部材を共通の分岐駆動部によって駆動することが可能となる。
【0035】
請求項記載の発明は、請求項1ないし記載の発明において、用紙搬送方向下流側となる分岐部材の端部における用紙の幅方向側側方には、前記分岐部材の変位動作に同期して変位して用紙に接触する回転体が回転自在に設けられている。
【0036】
したがって、用紙は回転体の半径以下の半径で屈曲されることがない。
【0037】
請求項記載の発明は、請求項1ないし記載の発明において、前記第一の分岐路は前記画像形成部が設けられた筐体の外部に向かう通常排紙路であり、前記第二の分岐路は前記用紙の表裏を反転させるための反転排紙路又は用紙を前記画像形成部に向けて案内するための再給紙路である。
【0038】
したがって、片面印刷モードにおいて用紙をその印刷面の向きを反転させずに筐体の外部に排紙する通常排紙と、片面印刷モードにおいて用紙をその印刷面の向きを反転させて筐体の外部に排紙する反転排紙、或いは両印刷モードにおいて片面に印刷した用紙の画像形成部への再給紙、などの使用形態を選択することが可能となる。
【0039】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一記載の発明において、前記第一の分岐路には、通過する用紙の有無により異なる信号を出力する用紙センサと、この用紙センサと対向する位置では後続の用紙から先行する用紙を引き離すために前記画像形成部の線速より速い線速で駆動されて用紙を搬送する搬送部材とが設けられている。
【0040】
したがって、画像形成部から第一の分岐路まで重畳された用紙は、線速の速い搬送部材によって後続の用紙から引き離されるため重畳状態が解除される。これにより、用紙1枚毎の用紙センサの検出信号を基にして用紙の通過枚数及びジャム発生の有無を正常に検出することが可能となる。
【0041】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一記載の発明において、前記第二の分岐路には、通過する用紙の有無により異なる信号を出力する用紙センサと、この用紙センサと対向する位置では後続の用紙から先行する用紙を引き離すために前記画像形成部の線速より速い線速で駆動されて用紙を搬送する搬送部材とが設けられている。
【0042】
したがって、画像形成部から第二の分岐路まで重畳された用紙は、線速の速い搬送部材によって後続の用紙から引き離されるため重畳状態が解除される。これにより、用紙1枚毎の用紙センサの検出信号を基にして用紙の通過枚数及びジャム発生の有無を正常に検出することが可能となる。
【0043】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一記載の発明において、用紙収納部から前記画像形成部に至る前記用紙搬送路の途中に接続されてこの用紙搬送路を搬送される用紙が送り込まれる反転路と、前記反転路に送り込まれた用紙をスイッチバックさせて前記用紙搬送路の下流側に送り出すとともにその送り出しの最中に前記反転路への用紙の送り込みを許容する用紙反転手段と、を具備する。
【0044】
したがって、反転路と用紙反転手段とを駆使することにより、用紙の端部を重畳させて画像形成部に搬送する用紙重畳搬送手段を容易に実現することが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。図1はデジタル電子写真方式の画像形成部を備えた画像形成装置の全体構造を示す概略図、図2は画像形成部に用紙を搬送する状態を示す概略図、図3は分岐部材の周辺の構造を示す正面図、図4は用紙の重畳位置を示す説明図、図5は重畳位置制御手段の動作を示す説明図、図6は第一又は第二の分岐路の模式図、図7は分岐部材を駆動する分岐駆動部を示す正面図、図8及び図9は分岐部材の切替動作を説明する正面図である。
【0046】
この画像形成装置には図1に示すように、用紙が積層保持される用紙収納部である給紙トレイ1、用紙に画像形成を行う画像形成部2、画像形成が行われた用紙が排紙される排紙トレイ3等が設けられている。
【0047】
また、この画像形成装置には、給紙トレイ1から給紙された用紙Sを画像形成部2を通過させる用紙搬送路4が設けられている。給紙トレイ1には、積層保持された用紙を送り出すピックアップローラ5、ピックアップローラ5で送り出された用紙を一枚ずつに分離する給紙ローラ6及びリバースローラ7を備えた分離給紙手段8が設けられている。
【0048】
画像形成部2は、感光体ドラム9、この感光体ドラム9の表面を一様に帯電させる帯電器(図示せず)、感光体ドラム9上に静電潜像を書き込む潜像書き込み手段(図示せず)、感光体ドラム9上の静電潜像にトナーを付着させることによってトナー像を形成する現像器(図示せず)、現像後のトナー像を用紙上に転写させる転写ベルト10、用紙上に転写されたトナー像を定着させる定着ローラ11によって形成されている。
【0049】
用紙搬送路4上には、用紙センサ12、グリッパローラ13、用紙センサ14、入口ローラ15、反転分岐爪16、用紙センサ17、レジストローラ18、用紙センサ19、シンクロローラ20、搬送ローラ21等が配置されている。センサ12、14、17、19は、搬送される用紙を検出するためのものである。
【0050】
用紙搬送路4の途中であって入口ローラ15と反転分岐爪16とが配置されている箇所からは、用紙搬送路4上を搬送された用紙を反転させるために送り込まれる反転路22が接続されている。この反転路22上には、この反転路22に送り込まれた用紙Sをスイッチバックさせて用紙搬送路4へ送り出す送り出し状態と、反転路22から送り出されて先行する用紙Sと反転路22に送り込まれる後続の用紙Sとの少なくとも一部が重畳することを許容する開放状態とに切替自在な用紙反転手段23、反転路22に送り込まれた用紙Sのスキュー補正を行うジョガー24が設けられている。
【0051】
用紙反転手段23は、外周部の一部に軸心と平行に切欠部25が形成された断面D字形状の駆動ローラ26と、反転路22内に送り込まれた用紙Sを挟んで駆動ローラ26の切欠部25以外の外周面に当接されて従動回転する従動ローラ27とにより構成されている。駆動ローラ26は図示しないモータにより図1及び図2において時計方向に回転駆動される。従動ローラ27が駆動ローラ26の外周面に当接して駆動ローラ26が回転駆動されたときに、駆動ローラ26と従動ローラ27とで挟持されている用紙Sが反転路22から送り出される。駆動ローラ26の切欠部25が従動ローラ27に対向し、駆動ローラ26と従動ローラ27との間に隙間が生じた開放状態では、給紙トレイ1から反転路22内への用紙Sの送り込みが許容される。
【0052】
また、この画像形成装置には、画像形成部2における画像形成動作、分離給紙手段8、グリッパローラ13、入口ローラ15、レジストローラ18、シンクロローラ20、ジョガー24、用紙反転手段23等を、用紙センサ12、14、17、19や後述するその他の用紙センサの検出結果に応じて制御するマイクロコンピュータ構成の制御部(図示せず)が設けられている。そして、この画像形成装置には、制御部により実行される処理の一つとして、画像形成部2に送り込まれる前後の用紙Sの端部を重畳させる状態で用紙Sを搬送する用紙重畳搬送手段(図示せず)としての機能が用意されている。
【0053】
図1、図2に示すように、前述のシンクロローラ20を構成する駆動ローラ20aとこれに圧接された従動ローラ20bとは、上下移動自在に支持された昇降部材28により回転自在に支持されている。この昇降部材28はスプリング29により下方に付勢され、ソレノイド30を励磁したときに上昇する。このように昇降部材28の位置を上昇位置か下降位置かに選択することにより、先行して画像形成部2に送られる用紙Sに対して後続する用紙Sが重畳される上下位置を選択可能に制御する重畳位置制御手段が実現される。この重畳位置制御手段は、マイクロコンピュータ構成の制御部により実行される処理の一つとして用意されているもので、その制御動作について後述する。
【0054】
画像形成部2の下流側における用紙搬送路4の端部は、この例では通常排紙路として機能する第一の分岐路31と第二の分岐路32とに分岐されている。第一、第二の分岐路31,32の分岐点には、搬送される用紙Sの両面に対向して対をなすように配列された分岐部材33u,33dが支点軸34,35と一体に回動自在に支持され、これらの支点軸34,35には搬送ローラ36,37が回転自在に支持されている。
【0055】
第一の分岐路31の下流側の端部には、用紙センサ38と、その下流側に配置された搬送部材としての排紙ローラ39とが設けられている。
【0056】
第二の分岐路32は再給紙路40及び反転排紙路41に接続されている。再給紙路40は前述した反転路22の下側を通り、入口ローラ15側で上方に反転されて反転路22に接続されている。反転排紙路41は、再給紙路40の一部を共有し、その共有部分から入口ローラ15とは逆方向に分岐され第一の分岐路31の用紙センサ38が配置された部分に合流されている。第二の分岐路32には、用紙センサ42と搬送部材としての搬送ローラ43,44とが設けられている。再給紙路40には用紙センサ42aと回転方向が正逆切り替え可能な搬送部材としての搬送ローラ45が設けられている。反転排紙路41には搬送部材としての搬送ローラ46が設けられている。
【0057】
ここで、排紙ローラ39、搬送ローラ43〜46は、画像形成部2の線速、すなわち、感光体ドラム9、転写ベルト10、定着ローラ11の線速より速い線速で駆動されるように構成されている。図6は第一又は第二の分岐路31,32を直線経路で示した模式図である。図6において、第一の分岐路31とした場合のローラRは排紙ローラ39、センサSeは用紙センサ38に相当し、第二の分岐路32とした場合のローラRは搬送ローラ43、センサSeは用紙センサ42に相当する。何れの場合も定着ローラ11とローラRとの中心距離は最小サイズの用紙Sの長さより短く設定されている。
【0058】
図6において、Lは先行する用紙Sの後端が定着ローラ11のニップ部を離れた瞬間における用紙Sの後端からセンサSeまでの距離、L0は先行する用紙Sの後端が定着ローラ11のニップ部を離れた瞬間における用紙Sの重畳幅を示す距離である。そして、Vを定着ローラ11の線速(画像形成部2の線速)とし、VをローラRの線速とすると、
>L/(L−L0)V
の関係に設定されている。この設定により、画像形成部2までは用紙Sの両端を重畳させて搬送し、画像形成後は定着ローラ11より線速の速いローラRにより先行する用紙Sを後続する用紙Sから引き離し、用紙Sの重畳状態を解除する。これによって、センサSeが1枚毎に用紙Sの通過検出信号を出力することが可能となる。
【0059】
次に、図7に示すように、分岐部材33u,33dのそれぞれと一体に回動する支点軸34,35のそれぞれの端部にはアーム47,48の一端が固定的に連結され、これらのアーム47,48はリンク49により連結されている。アーム47はスプリング50により下方に付勢されているとともにソレノイド51に連結されている。すなわち、ソレノイド51を励磁すると、リンク49により連結されたアーム47,48が支点軸34,35とともに反時計方向に回動するため、分岐部材33u,33dは左端(用紙搬送方向下流側)が仮想線で示すように下向きに回動し、ソレノイド51への通電を遮断したときに、スプリング50の付勢力により、アーム47,48と支点軸34,35と分岐部材33u,33dとを実線で示す位置に復帰させる。分岐部材33u,33dは、実線により示す位置で用紙Sを第一の分岐路31に案内し、仮想線により示す位置で用紙Sを第二の分岐路32に案内する。
【0060】
本実施の形態における画像形成装置には、マイクロコンピュータ構成の制御部が実行する分岐駆動部制御手段(図示せず)の機能が用意されている。この分岐駆動部制御手段は、オペレータがキー入力操作を用いて選択した印刷モードを認識し、各部の動作及び用紙Sの搬送状態を監視して定められたタイミングでソレノイド51を励磁させることにより、分岐部材33u,33dを第一、第二の分岐路31,32の何れかに回動させるための機能である。
【0061】
次に、図4及び図5に基づいて重畳位置制御手段の制御動作について説明する。図5(a)は先行する用紙Sに対する後続の用紙Sの重畳位置が下側となる状態である。この状態のままで用紙Sを搬送すると、図4(b)に示すように、左側の先行する用紙Sの下側後端に後続の用紙Sの先端が重畳される。図5(a)の状態から、ソレノイド30(図1、図2参照)を励磁すると、図5(b)に示すように昇降部材28が上昇するので、後続の用紙Sは先行する用紙Sの搬送軌跡より高い搬送軌跡上を搬送される。このとき、後続する用紙Sの先端は先行する用紙Sにより上から押えられて仮想線に示すように下方に湾曲された状態から実線に示すように水平姿勢を維持する。これは用紙Sが自らの腰の強さによって伸張しようとすることによるものである。この状態でシンクロローラ20によって送り出された用紙Sは図5(c)に示すように下流側の搬送ローラ21に当接する。図5(d)はソレノイド30への通電を遮断しスプリング29の付勢力により昇降部材28を下降させた状態である。この状態では用紙Sの搬送軌跡が元の高さ(搬送ローラ21のニップ部の高さ)に下がり、搬送ローラ21によって画像形成部2に向けて搬送される。このときは、図4(a)に示すように、左側の先行する用紙Sの上側後端に後続の用紙Sの先端が重畳される。
【0062】
次に、全体の印刷の流れについて説明する。例えば、用紙Sの片面に画像を形成した印刷物を複数枚得る場合は印刷枚数を入力する。その後にスタートキーが押されると、図2に示すように、給紙トレイ1から次々と用紙Sが給紙される。これらの用紙Sは用紙搬送路4を画像形成部2に向けて搬送され、その途中で反転路22に送り込まれ、用紙反転手段23によりスイッチバックされて反転路22から送り出される。反転路22から送り出された用紙Sは、用紙搬送路4を経て画像形成部2に送り込まれ、用紙S上への画像形成が行われる。
【0063】
そして、反転路22内に送り込まれた用紙をスイッチバックさせるとき、反転路22への用紙の送り込み速度や反転路22からの用紙の送り出し速度、反転路22からの用紙の送り出しタイミングなどを制御することにより、スイッチバックされて画像形成部2に送り込まれる用紙Sは先端が先行する用紙Sに対して重畳される。
【0064】
オペレータによって設定されたモードが片面印刷モードの場合は、分岐部材33u,33dは分岐駆動部制御手段によって図1ないし図3及び図7の実線で示すように第一の分岐路31側に回動した状態に維持される。これにより、印刷された用紙Sは第一の分岐路31を経て排紙トレイ3の上に印刷面を上に向けて排紙される。
【0065】
このとき、用紙Sは定着ローラ11より速い線速で駆動される排紙ローラ39によって後続の用紙Sから引き離されるので、用紙センサ38は用紙Sが1枚通過する度にオンオフ信号が切り替わるため、その信号をカウントすることで通過した用紙Sの枚数を正確に検出することができる。
【0066】
片面印刷の場合でも、反転排紙モードが設定された場合は、分岐部材33u,33dは図7に仮想線で示すように下向きに切り替えられる。これにより、画像形成部2を通過した用紙Sは第二の分岐路32に分岐され、さらに搬送ローラ43,44,45により再給紙路40の一定の位置まで搬送された状態をセンサ42,42aの検出信号を基に認識すると、搬送ローラ45が逆転するため、用紙が反転排紙路41の搬送ローラ46に受け渡され、さらに、下流の搬送ローラ46から排紙ローラ39に受け渡される。
【0067】
このとき、用紙Sは定着ローラ11より速い線速で駆動される搬送ローラ43,44,45,46によって後続の用紙Sから引き離されるので、用紙センサ38,42,42a,39は用紙Sが1枚通過する度にオンオフ信号が切り替わるため、その信号をカウントすることで通過した用紙Sの枚数を正確に検出することができる。
【0068】
次に、両面印刷モードが設定され、かつ印刷枚数が複数枚設定された場合について説明する。複数枚の両面印刷物を得る場合、まず、前述のように給紙トレイ1から反転路22を経由して複数枚の用紙Sを連続的に画像形成部2に搬送して全ての用紙Sの片面に画像を印刷した後に、その片面に印刷済みの用紙Sの他方の面に画像を印刷する方式が従来からあるが、この方式は給紙サイクルが長くなるために印刷の生産性が低い。
【0069】
そこで、本実施の形態は、両面印刷の生産性を高めるために、両面交互給紙方式により印刷する状態で説明する。この両面交互給紙方式は、片面に印刷されて第二の分岐路32から再給紙路40に分岐された用紙Sと、給紙トレイ1から給紙された未使用の用紙Sとを交互に反転路22搬送し、この反転路22から片面に印刷した用紙Sと未使用の用紙Sとを交互に画像形成部2に供給する方式である。給紙トレイ1から反転路22への用紙Sの搬送と、反転路22から画像形成部2への用紙Sの搬送については、前述した動作と変わりないので説明を省略する。
【0070】
両面印刷モードが設定され、印刷枚数が複数枚設定されたことを認識した制御部では、全ての用紙センサ12,14,17,19,38,42,42aの検出信号により用紙Sの搬送状態、搬送枚数、ジャム発生の有無などを認識するので、画像形成部2を現在通過した用紙Sが何枚目であり、片面に印刷された用紙Sであるか、両面に印刷済みの用紙Sであるかの認識も行う。この認識により、用紙重畳搬送手段、重畳位置制御手段、分岐駆動部制御手段、のそれぞれの処理を実行する。
【0071】
用紙重畳搬送手段は、前述のように反転路22から用紙Sを重畳させて画像形成部2に搬送する。
【0072】
重畳位置制御手段は前述のように昇降部材28を選択的に上下させて重畳位置を決める。具体的には、上方に位置する第一の分岐路31に分岐させる用紙Sの場合は、昇降部材28を上昇させて、図4(a)に示すように、先行する左方の用紙S(第二の分岐路32に分岐させる用紙S)の上側に後続の用紙Sを重畳させる。下方に位置する第二の分岐路32に分岐させる用紙Sの場合は、昇降部材28を下降位置に位置させた状態に維持し、図4(b)に示すように、先行する左方の用紙S(第一の分岐路31に分岐させる用紙S)の下側に後続の用紙Sを重畳させる。
【0073】
分岐駆動部制御手段は、第一の分岐路31に用紙Sを分岐させる場合は、ソレノイド51を非励磁状態に維持し、図7に実線で示すように分岐部材33u,33dを上側に向く状態を維持する。これにより、用紙Sが第一の分岐路31に分岐される。第二の分岐路32に用紙Sを分岐させる場合は、ソレノイド51を励磁し、図7に仮想線で示すように分岐部材33u,33dを下側に向く状態を維持する。これにより、用紙Sは第二の分岐路32に分岐され、再給紙路40から反転路22に搬送される。
【0074】
このように、分岐駆動部制御手段は交互に分岐部材33u,33dの向きを切り替えるが、その切り替えのタイミングも制御する。すなわち、画像形成部2を通過した用紙Sの後端が分岐部材33u,33dを通過し終える前のタイミングで後続の用紙Sに対して分岐部材33u,33dの向きを切り替えるようにソレノイド51の切替動作を制御する。この切替動作のタイミングは用紙Sの長さによって異なるが、マイクロコンピュータ構成の制御部では、指定された用紙Sのサイズ情報も認識するので、そのサイズに応じて切替動作のタイミングを演算することは支障なく実行できる。
【0075】
このようにすることにより、分岐路31,32の切り替えに際して先行する用紙Sと後続の用紙Sとが重畳する状態で分岐部材33u,33dの方向切り替えを行うことが可能となる。図8は、第一の分岐路31を搬送中の用紙Sの後端が分岐部材33u,33dを通過する前のタイミングで分岐部材33u,33dを第二の分岐路32側(下方)に切り替えた状態を示す。この状態では、後続の用紙Sは先端が先行する用紙Sに重畳されているが、先行する用紙Sに対して重畳位置が下側の位置であるため、図9に示すように、第二の分岐路32に円滑に分岐される。
【0076】
図9は、第二の分岐路32を搬送中の用紙Sの後端が分岐部材33u,33dを通過する前のタイミングで分岐部材33u,33dを第一の分岐路31側(上方)に切り替えた状態を示す。この状態では、後続の用紙Sは先端が先行する用紙Sに重畳されているが、先行する用紙Sに対して重畳位置が上側の位置であるため、第一の分岐路31に円滑に分岐される。このように、用紙Sを重畳させた状態で分岐部材33u,33dの向きを切り替えることができる理由は、上流側が回動中心(支点軸34,35)となるために切替位置の変化に拘わらず上流側からの用紙Sを受け入れることができ、下流側の向きで分岐方向を切り替えることができるためである。
【0077】
さらに、分岐部材33u,33dは用紙Sの両面に対向して対をなすように配列されているので、用紙Sは分岐方向の切り替えにより先端が湾曲されても対の分岐部材33u,33dによって先端の向きが正確に向けられる。この場合、分岐部材33u,33dは、分岐部材33u,33dのそれぞれに固定されたアーム47,48同士がリンク49により連結されて一体に変位することが可能であるため、共通のソレノイド51によって駆動することができる。
【0078】
重畳位置制御手段は、両面交互給紙に際して、図4に示すように、先行する用紙Sに対する後続の用紙Sの重畳位置を上又は下に交互に切り替える制御を示すが、この制御は両面交互給紙以外にも有効に活用することができる。
【0079】
その例を次に示す。片面に画像を印刷した印刷物を複数枚得る場合、印刷の生産性を高めるために用紙Sの両端を重畳させて搬送することについては既に説明した通りである。この場合、ヘッダー、フッダー、或いは頁数の印刷を求められることがあるので、ヘッダーを印刷したり、用紙Sの先頭に頁を印刷する場合には、図4(a)に示すように、常に用紙Sの先頭が上側になるように重畳位置を選択し、フッダーを印刷したり、用紙Sの末尾に頁を印刷する場合には、図4(b)に示すように、常に用紙Sの後端が上側になるように重畳位置を選択することができる。これも重畳位置制御手段を具備することによる効果である。
【0080】
次に、本発明の第二の実施の形態を図10及び図11に基づいて説明する。図10及び図11は分岐部材の切替動作を説明する正面図である。
【0081】
本実施の形態は、用紙搬送方向下流側となる分岐部材33u,33dの端部における用紙Sの幅方向側側方に、分岐部材33u,33dの変位動作に同期して変位して用紙Sに接触する回転体33rを回転自在に設けた点である。それ以外の構成及び作用については、前記実施の形態における図8及び図9で説明した構成及び作用と同様であるので説明を省略する。
【0082】
したがって、搬送される用紙Sに接触する回転体33rが回転するため、用紙Sに対する抵抗を小さくすることできる。また、用紙Sの後端が分岐部材33u,33dを通過する前のタイミングで分岐部材33u,33dの向きを切り替えた場合でも、用紙Sは回転体33rの半径以下の半径で屈曲されることがないため、滑らかに湾曲させることができる。これにより、用紙Sが折れたり、用紙Sに筋状の傷を与えたりすることを回避することができる。
【0083】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、用紙搬送路から第一の分岐路又は第二の分岐路の何れかの方向に用紙を導く分岐部材は、用紙搬送方向の上流側の端部を中心にして下流側が分岐方向に変位可能に設けられているので、分岐部材は分岐方向の切替動作時に画像形成部から送り出される用紙の受け入れを許容する。これにより、印刷の生産性向上に寄与することができる。
【0084】
らに、用紙を重畳する場合に、用紙の重畳位置を選択することにより、用紙にヘッダー又はフッダーなどの画像データ以外の情報を印字出力するスペースを確保することができる。
またさらに、重畳されて連続して画像形成部から送り出される用紙の分岐方向を、第一の分岐路と第二の分岐路とに交互に切り替える場合でも、切り替えられた方向に用紙を円滑に分岐させることができる。
【0085】
請求項記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、画像形成部を通過した用紙の後端が分岐部材を通過し終える前のタイミングで後続の用紙に対して分岐部材の向きを切り替えるように分岐駆動部の切替動作を制御することにより、請求項1または2記載の場合と同様の効果を得ることができ、さらに、分岐路の切り替えに際して先行する用紙と後続の用紙とが重畳する状態で分岐部材の方向切り替えを行うことができる。
【0087】
請求項記載の発明によれば、請求項1ないしの何れか一記載の発明において、分岐部材は用紙の両面に対向して対をなすように配列されているので、請求項1ないしの何れか一記載の場合と同様の効果を得ることができ、さらに、用紙は分岐方向の切り替えにより先端が湾曲されても対の分岐部材によって先端を正確に分岐方向に向けることができる。
【0088】
請求項記載の発明によれば、請求項記載の発明において、用紙の両面に対向して対をなすように配列された分岐部材は一体に変位可能に設けられているので、請求項記載の場合と同様の効果を得ることができ、さらに、対の分岐部材を共通の分岐駆動部によって駆動することができる。
【0089】
請求項記載の発明によれば、請求項1ないしの何れか一記載の発明において、用紙搬送方向下流側となる分岐部材の端部における用紙の幅方向側側方には、分岐部材の変位動作に同期して変位して用紙に接触する回転体が回転自在に設けられているので、請求項1ないしの何れか一記載の場合と同様の効果を得ることができ、さらに、用紙は回転体の半径以下の半径で屈曲されることがないため、滑らかに湾曲される。これにより、用紙が折れたり、用紙に筋状の傷を与えたりすることを回避することができる。
【0090】
請求項記載の発明によれば、請求項1ないしの何れか一記載の発明において、第一の分岐路は画像形成部が設けられた筐体の外部に向かう通常排紙路であり、第二の分岐路は用紙の表裏を反転させるための反転排紙路又は用紙を画像形成部に向けて案内するための再給紙路であるので、請求項1ないしの何れか一記載の場合と同様の効果を得ることができ、さらに、片面印刷モードにおいて用紙をその印刷面の向きを反転させずに筐体の外部に排紙する通常排紙と、片面印刷モードにおいて用紙をその印刷面の向きを反転させて筐体の外部に排紙する反転排紙、或いは両印刷モードにおいて片面に印刷した用紙の画像形成部への再給紙、などの使用形態を選択することができる。
【0091】
請求項記載の発明によれば、請求項1ないしの何れか一記載の発明において、第一の分岐路には、通過する用紙の有無により異なる信号を出力する用紙センサと、この用紙センサと対向する位置では後続の用紙から先行する用紙を引き離すために画像形成部の線速より速い線速で駆動されて用紙を搬送する搬送部材とが設けられているので、請求項1ないしの何れか一記載の場合と同様の効果を得ることができ、さらに、画像形成部から第一の分岐路まで重畳された用紙は、線速の速い搬送部材によって後続の用紙から引き離されるため重畳状態が解除される。これにより、用紙1枚毎の用紙センサの検出信号を基にして用紙の通過枚数及びジャム発生の有無を正常に検出することができる。
【0092】
請求項記載の発明によれば、請求項1ないしの何れか一記載の発明において、第二の分岐路には、通過する用紙の有無により異なる信号を出力する用紙センサと、この用紙センサと対向する位置では後続の用紙から先行する用紙を引き離すために画像形成部の線速より速い線速で駆動されて用紙を搬送する搬送部材とが設けられているので、請求項1ないしの何れか一記載の場合と同様の効果を得ることができ、さらに、画像形成部から第二の分岐路まで重畳された用紙は、線速の速い搬送部材によって後続の用紙から引き離されるため重畳状態が解除される。これにより、用紙1枚毎の用紙センサの検出信号を基にして用紙の通過枚数及びジャム発生の有無を正常に検出することができる。
【0093】
請求項記載の発明によれば、請求項1ないしの何れか一記載の発明において、用紙収納部から画像形成部に至る用紙搬送路の途中に接続されてこの用紙搬送路を搬送される用紙が送り込まれる反転路と、この反転路に送り込まれた用紙をスイッチバックさせて前記用紙搬送路の下流側に送り出すとともにその送り出しの最中に前記反転路への用紙の送り込みを許容する用紙反転手段と、を具備するので、請求項1ないしの何れか一記載の場合と同様の効果を得ることができ、さらに、反転路と用紙反転手段とを駆使することにより、用紙の端部を重畳させて画像形成部に搬送する用紙重畳搬送手段を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態におけるデジタル電子写真方式の画像形成部を備えた画像形成装置の全体構造を示す概略図である。
【図2】画像形成部に用紙を搬送する状態を示す概略図である。
【図3】分岐部材の周辺の構造を示す正面図である。
【図4】用紙の重畳位置を示す説明図である。
【図5】重畳位置制御手段の動作を示す説明図である。
【図6】第一又は第二の分岐路の模式図である。
【図7】分岐部材を駆動する分岐駆動部を示す正面図である。
【図8】分岐部材の切替動作を説明する正面図である。
【図9】分岐部材の切替動作を説明する正面図である。
【図10】本発明の第二の実施の形態における分岐部材の切替動作を説明する正面図である。
【図11】分岐部材の切替動作を説明する正面図である。
【図12】画像形成後の用紙を分岐させる従来の構造の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 用紙収納部
2 画像形成部
4 用紙搬送路
22 反転路
23 用紙反転手段
31 第一の分岐路、通常排紙路
32 第二の分岐路
33u,33d 分岐部材
38 用紙センサ
39 搬送部材
40 再給紙路
41 反転排紙路
42 用紙センサ
43,44 搬送部材
51 分岐駆動部

Claims (9)

  1. 用紙に対して画像を出力する画像形成部と、
    用紙収納部に接続されて前記画像形成部を通過する用紙搬送路と、
    設定された枚数の用紙を互いに端部の一部を重畳させて連続的に前記用紙搬送路上を搬送する用紙重畳搬送手段と、
    前記画像形成部の下流側において前記用紙搬送路から分岐された第一の分岐路及び第二の分岐路と、
    前記画像形成部を通過する用紙を前記用紙搬送路から前記第一の分岐路又は前記第二の分岐路の何れかの方向に導くように分岐駆動部により向き方向が切り替えられる分岐部材と、
    前記分岐駆動部の切替動作を制御する分岐駆動部制御手段と、を具備し、
    前記分岐部材は、用紙搬送方向の上流側の端部を中心にして下流側が分岐方向に変位可能に設けられ
    先行して前記画像形成部に送られる用紙に対して後続する用紙が重畳される上下位置を選択可能に制御する重畳位置制御手段を具備し、
    前記重畳位置制御手段は、前記分岐部材の切替動作に連動して用紙の先端が選択された前記第一の分岐路又は前記第二の分岐路側に位置するように用紙の端部を重畳することを特徴とする画像形成装置
  2. 記分岐駆動部制御手段は、前記画像形成部を通過した用紙の後端が前記分岐部材を通過し終える前のタイミングで後続の用紙に対して前記分岐部材の向きを切り替えるように前記分岐駆動部の切替動作を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置
  3. 記分岐部材は用紙の両面に対向して対をなすように配列されていることを特徴とする請求項1ないしの何れか一記載の画像形成装置。
  4. 用紙の両面に対向して対をなすように配列された前記分岐部材は一体に変位可能に設けられていることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  5. 用紙搬送方向下流側となる前記分岐部材の端部における用紙の幅方向側側方には、前記分岐部材の変位動作に同期して変位して用紙に接触する回転体が回転自在に設けられていることを特徴とする請求項1ないしの何れか一記載の画像形成装置。
  6. 前記第一の分岐路は前記画像形成部が設けられた筐体の外部に向かう通常排紙路であり、前記第二の分岐路は前記用紙の表裏を反転させるための反転排紙路又は用紙を前記画像形成部に向けて案内するための再給紙路に接続されていることを特徴とする請求項1ないしの何れか一記載の画像形成装置。
  7. 前記第一の分岐路には、通過する用紙の有無により異なる信号を出力する用紙センサと、この用紙センサと対向する位置では後続の用紙から先行する用紙を引き離すために前記画像形成部の線速より速い線速で駆動されて用紙を搬送する搬送部材とが設けられていることを特徴とする請求項1ないしの何れか一記載の画像形成装置。
  8. 前記第二の分岐路には、通過する用紙の有無により異なる信号を出力する用紙センサと、この用紙センサと対向する位置では後続の用紙から先行する用紙を引き離すために前記画像形成部の線速より速い線速で駆動されて用紙を搬送する搬送部材とが設けられていることを特徴とする請求項1ないしの何れか一記載の画像形成装置。
  9. 用紙収納部から前記画像形成部に至る前記用紙搬送路の途中に接続されてこの用紙搬送路を搬送される用紙が送り込まれる反転路と、前記反転路に送り込まれた用紙をスイッチバックさせて前記用紙搬送路の下流側に送り出すとともにその送り出しの最中に前記反転路への用紙の送り込みを許容する用紙反転手段と、を具備することを特徴とする請求項1ないしの何れか一記載の画像形成装置。
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