JP3904455B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタや複写機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続した画像形成を行う場合に、画像形成される用紙の間隔を狭くして画像形成の生産性を高めるようにした画像形成装置として、特開2001−130812公報で本出願人が提案したものがある。
【0003】
この特開2001−130812公報に開示された画像形成装置は、用紙が給紙トレイから画像形成部に搬送される給紙用搬送路の途中に反転路を設け、給紙用搬送路を搬送される用紙を反転路に一旦送り込み、この反転路内でスイッチバックさせた後に画像形成部へ送り込むものである。そして、反転路内に送り込まれた用紙をスイッチバックさせるとき、反転路から給紙用搬送路へ送り出される先行の用紙と反転路へ送り込まれる後続の用紙との少なくとも一部を重畳させるようにしたので、反転路への用紙の送り込み速度や反転路からの用紙の送り出し速度、反転路からの用紙の送り出しタイミングなどを制御することにより、スイッチバックされて画像形成部へ送り込まれる用紙の間隔を小さくするとともに均一化することができる。これにより、給紙トレイから給紙する用紙の用紙間隔を狭くした場合において、給紙トレイからの給紙タイミングのバラツキや、反転路に至る搬送中における搬送速度のバラツキ等が生じても、画像形成部への用紙の送り込みを小さい間隔に精度良く維持することができ、画像形成装置における画像形成作業の生産性を高めることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、反転路を設けた上述の画像形成装置では、画像形成のスタートキーを押してから最初の1枚目の用紙への画像形成が終了するまでの時間(ファーストプリントタイム)が長くなる。これは、反転路を設けたことにより、給紙トレイから画像形成部に至る用紙の搬送距離が長くなり、給紙トレイから給紙された用紙が画像形成部まで搬送される時間が長くなるためである。
【0005】
また、ADF装置を用いて原稿を搬送しながらその原稿の画像を読取り、読取った各原稿の画像を一部ずつ画像形成する場合においては、給紙トレイから画像形成部までの用紙の搬送距離が長いと、原稿の読取りを開始する前に給紙トレイからの用紙の給紙を開始することになるため、原稿が無くなったことを検知したときには、存在しないその次の原稿に対応した用紙の給紙が既に開始されている。したがって、画像形成部を通過して排紙された最後の用紙は、画像形成されていない白紙になる。この白紙を給紙トレイに戻せば画像形成に用いることはできるが、1枚の白紙を給紙トレイに戻す作業は手間がかかって煩雑である。
【0006】
本発明の目的は、反転路を設けることにより画像形成作業の生産性を高めるようにした画像形成装置において、ファーストプリントタイムを短縮して画像形成作業の生産性をさらに高めることである。
【0007】
本発明の目的は、反転路を設けることにより画像形成作業の生産性を高めるようにした画像形成装置において、ADF装置で搬送される原稿の画像を読取りながら各原稿の画像を一部ずつ画像形成する場合に、最後の用紙が白紙状態で排紙されることを防止することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像形成装置は、用紙を積層保持する用紙収納部と、前記用紙収納部から用紙を1枚ずつ分離給紙する分離給紙手段と、給紙された用紙上に画像形成を行う画像形成部と、前記用紙収納部から前記画像形成部に至る給紙用搬送路と、前記給紙用搬送路の途中に接続されてこの給紙用搬送路を搬送される用紙が送り込まれる反転路と、前記反転路に送り込まれた用紙をスイッチバックさせて前記給紙用搬送路へ送り出す送り出し状態と、前記反転路から送り出されている先行する用紙と前記反転路に送り込まれる後続の用紙との少なくとも一部が重畳することを許容する開放状態とに切替自在な用紙反転手段と、前記反転路内に予め1枚の用紙を保持させる用紙保持手段と、を有し、前記反転路は上下方向に配列されて複数段設けられ、前記用紙保持手段はそれぞれの前記反転路に異なる種類の用紙を保持させるものである。
【0009】
したがって、用紙収納部に積層保持された用紙が分離給紙手段により一枚ずつ分離給紙されて給紙用搬送路を搬送され、給紙用搬送路を搬送された用紙は反転路に一旦送り込まれ、この反転路内で用紙反転手段によりスイッチバックされて反転路から給紙用搬送路へ送り出され、給紙用搬送路を経由して画像形成部へ送り込まれ、画像形成部においてその用紙上に画像形成が行われる。
【0010】
反転路内に送り込まれた用紙をスイッチバックさせるとき、給紙用搬送路へ送り出される先行の用紙と反転路へ送り込まれる後続の用紙とが少なくとも一部を重畳させた状態となるので、反転路への用紙の送り込み速度や反転路からの用紙の送り出し速度、反転路からの用紙の送り出しタイミングなどを制御することにより、スイッチバックされて画像形成部へ送り込まれる用紙の間隔を小さくすることができる。これにより、用紙収納部から給紙する用紙の用紙間隔を狭くした場合において、用紙収納部からの給紙タイミングのバラツキや、反転路に至る搬送中における搬送速度のバラツキ等が生じても、画像形成部への用紙の送り込みを小さい間隔に精度良く維持することができ、画像形成装置における画像形成作業の生産性を高めることができる。
【0011】
また、反転路内には用紙保持手段により予め1枚の用紙が保持されているので、反転路内に予め保持されている用紙を画像形成時の1枚目の用紙として画像形成部へ向けて搬送することにより、1枚目の用紙を用紙収納部から給紙する場合に比べてファーストプリントタイムを短縮することができ、画像形成作業の生産性がさらに高くなる。このことは、1枚の原稿に対する画像形成枚数が少ない場合に特に有効である。
【0012】
反転路内に1枚の用紙を予め保持する方法としては、前回の画像形成作業の終了時に行うようにしてもよく、又は、画像形成開始前のウォームアップ時に行うようにしてもよい。さらに、ADF装置を用いて原稿を搬送しながらその原稿の画像を読取り、読取った各原稿の画像を一部ずつ画像形成する場合において、原稿が無くなったことを検知したときに存在しない次の原稿に対応する用紙が既に搬送を開始されている場合には、その用紙を次回の画像形成に備えて予め保持することができる。
【0013】
用紙収納部が2つ以上存在し、それらの用紙収納部に異なる種類の用紙が積層保持されている場合において、反転路内に予め保持されている用紙と異なる種類の用紙を給紙して画像形成を行う場合に備えて、反転路内に予め保持されている用紙を排紙トレイ上に排紙する排紙手段を設ける必要がある。また、画像形成部を通過した用紙が両面印刷のために再給送される再給送路を有する画像形成装置であれば、排紙手段に代えて、反転路内に予め保持されていた用紙をその再給送路上に退避させる退避手段を設けてもよい。ここで、本発明及び以下の各発明において、「異なる種類の用紙」とは、サイズ又は向きの少なくとも一方が異なる用紙を意味する。
【0014】
さらに、用紙収納部が2つ以上存在し、それらの用紙収納部に異なる種類の用紙が積層保持されている場合には、どの用紙収納部に積層保持されている用紙を反転路に保持させるのかを決定する必要がある。予め、或る特定の用紙収納部に積層保持されている用紙を保持するように設定しておいてもよいが、使用頻度の高い種類の用紙や、画像形成部までの距離が最も長い用紙収納部に積層保持されている用紙とすることが好適である。どの種類の用紙を反転路に予め保持するのかということの判断に際して、過去の画像形成ジョブのデータから最も使用頻度の高い用紙の種類を判断する使用頻度判断手段を設けてもよい。
【0015】
画像形成部を通過した用紙が両面印刷のために再給送される再給送路を有する画像形成装置であれば、反転路内に予め1枚の用紙を保持するとともに、再給送路内にも予め1枚の用紙を保持させる第2の用紙保持手段を設けるようにしてもよい。反転路内に予め保持する用紙と再給送路内に予め保持する用紙とは、同じ種類の用紙又は異なる種類の用紙とのいずれでもよい。本発明及び以下の各発明において、「同じ種類の用紙」とは、サイズ及び向きが同じである用紙を意味する。
【0016】
ここで、給紙する用紙の長さが短い場合や、用紙収納部から画像形成部までの距離が特に長い場合には、反転路内に予め保持されていた用紙を最初に給紙して画像形成を行っても、その1枚目の用紙への画像形成が終了してから用紙収納部から最初に給紙された用紙が画像形成部に到達するまでの間隔が長くなり、画像形成作業の生産性を高めるうえで十分とは言えない。このような場合には、反転路と再給送路とにそれぞれ同じ種類の用紙を1枚ずつ保持しておき、それらの用紙を次々と給紙することにより、給紙する用紙の長さが短い場合や、用紙収納部から画像形成部までの距離が特に長い場合であっても、ファーストプリントタイムが短くなるとともに1枚目の用紙と2枚目の用紙との間隔が短くなるので、画像形成作業の生産性がさらに高くなる。
【0017】
また、反転路内に予め保持されていた用紙と再給送路内に予め保持されていた用紙とが異なる場合において、使用する用紙が反転路内に予め保持されていた用紙と同じ種類の用紙であれば、反転路内に予め保持されていた用紙を1枚目の用紙として画像形成を行い、ファーストプリントタイムを短縮できる。一方、使用する用紙が再給送路内に予め保持されていた用紙と同じ種類の用紙であれば、反転路内に予め保持されていた用紙を上述した排紙手段で排紙し又は上述した退避手段で退避させた後に、再給送路内に予め保持されていた用紙を1枚目の用紙として画像形成を行い、ファーストプリントタイムを短縮できる。
【0018】
また、請求項1記載の発明は、前記反転路は上下方向に配列されて複数段設けられ、前記用紙保持手段はそれぞれの前記反転路に異なる種類の用紙を保持させるものである。
【0019】
したがって、用紙収納部が2つ以上存在し、それらの用紙収納部に異なる種類の用紙が積層保持されている場合には、各用紙収納部に積層保持されているそれぞれ異なる種類の用紙を各反転路内に予め保持しておくことにより、反転路内に予め保持されている用紙を使用して画像形成を行う確率が高くなり、反転路内に予め保持されている用紙を使用して画像形成を行うことにより画像形成作業の生産性を高めることができる確率が高くなる。例えば、反転路が2つで、用紙収納部が3つである場合には、用紙の種類の使用頻度を考慮しないものとすれば、反転路内に予め保持されている用紙を使用して画像形成を行う確率が2/3となる。なお、反転路が1つで用紙収納部が3つの場合には、反転路内に予め保持されている用紙を使用して画像形成を行う確率は1/3と低くなる。
【0020】
各反転路内に予め保持される用紙は、使用頻度の高い種類の用紙や、画像形成部までの距離が長い用紙収納部に積層保持されている用紙とすることが好適である。どの種類の用紙を反転路に予め保持するのかということの判断に際して、過去の画像形成ジョブのデータから最も使用頻度の高い用紙の種類を判断する使用頻度判断手段を設けてもよい。
【0021】
反転路内に予め保持されている用紙と異なる種類の用紙を給紙して画像形成を行う場合には、反転路内に予め保持されていた用紙を上述した排紙手段で排紙し又は上述した退避手段で退避させるようにする。
【0022】
また、反転路が上下方向に配列された複数段設けられている場合、上下で隣接する2つの反転路においては、それらの反転路で用紙をスイッチバックさせるための用紙反転手段の一部を共用することができる。例えば、用紙反転手段として駆動ローラとその駆動ローラに接触して連れ回りされる従動ローラとを用いる場合、従動ローラを共用することができ、それにより、部品点数や部品の設置スペースの削減し、小型化を図ることができる。
【0023】
また、請求項2記載の発明は、用紙を積層保持する用紙収納部と、前記用紙収納部から用紙を1枚ずつ分離給紙する分離給紙手段と、給紙された用紙上に画像形成を行う画像形成部と、前記用紙収納部から前記画像形成部に至る給紙用搬送路と、前記給紙用搬送路の途中に接続されてこの給紙用搬送路を搬送される用紙が送り込まれる反転路と、前記反転路に送り込まれた用紙をスイッチバックさせて前記給紙用搬送路へ送り出す送り出し状態と、前記反転路から送り出されている先行する用紙と前記反転路に送り込まれる後続の用紙との少なくとも一部が重畳することを許容する開放状態とに切替自在な用紙反転手段と、前記反転路内に予め1枚の用紙を保持させる用紙保持手段と、を有し、前記反転路は上下方向に配列されて複数段設けられ、前記用紙保持手段はそれぞれの前記反転路に同じ種類の用紙を保持させるものである。
【0024】
給紙する用紙の長さが短い場合や、用紙収納部から画像形成部までの距離が特に長い場合には、1つの反転路に保持していた用紙を最初に給紙して画像形成を行っても、その1枚目の用紙への画像形成が終了してから用紙収納部から最初に給紙された用紙が画像形成部に到達するまでの間隔が長くなり、画像形成作業の生産性が低くなる。
【0025】
したがって、このような場合には、複数の反転路内にそれぞれ同じ種類の用紙を1枚ずつ予め保持しておき、それらの用紙を次々と給紙することにより、給紙する用紙の長さが短い場合や、用紙収納部から画像形成部までの距離が特に長い場合であっても、ファーストプリントタイムが短くなるとともに、1つの反転路から給紙された用紙と他の反転路から給紙された用紙との用紙間隔、及び、他の反転路から給紙された用紙と用紙収納部から最初に給紙された用紙との用紙間隔が短くなり、画像形成作業の生産性がさらに高くなる。
【0026】
請求項3記載の発明は、用紙を積層保持する用紙収納部と、前記用紙収納部から用紙を1枚ずつ分離給紙する分離給紙手段と、給紙された用紙上に画像形成を行う画像形成部と、前記用紙収納部から前記画像形成部に至る給紙用搬送路と、前記給紙用搬送路の途中に接続されてこの給紙用搬送路を搬送される用紙が送り込まれる反転路と、前記反転路に送り込まれた用紙をスイッチバックさせて前記給紙用搬送路へ送り出す送り出し状態と、前記反転路から送り出されている先行する用紙と前記反転路に送り込まれる後続の用紙との少なくとも一部が重畳することを許容する開放状態とに切替自在な用紙反転手段と、前記反転路内に予め1枚の用紙を保持させる用紙保持手段と、を有し、前記反転路は上下方向に配列されて複数段設けられ、前記用紙保持手段は1つの前記反転路を空にして他の前記反転路に用紙を保持させるものである。
【0027】
したがって、反転路内に保持されている用紙と同じ種類の用紙を給紙して画像形成を行う場合には、保持されている用紙を1枚目の用紙として画像形成することによりファーストプリントタイムを短縮することができる。また、反転路内に使用頻度の高い種類の用紙を保持しておくことにより、ファーストプリントタイムを短縮する頻度を高めることができる。一方、反転路に保持されていない種類の用紙を使用して画像形成を行う場合には、空になっている反転路を使用して画像形成部へ給紙する用紙をスイッチバックさせることができる。このため、反転路内に予め保持されている用紙を排紙トレイ上に排紙するための上述した排紙手段や、反転路内に予め保持されていた用紙を再給送路上に退避させるための上述した退避手段を設けることが不要となる。
【0028】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像形成装置において、前記反転路の出入口側に配置されていずれか一つの前記反転路に用紙が出入りすることを許容する切替位置へ切替自在な切替爪と、この切替爪を各切替位置へ切り替える切替機構とを有する。
【0029】
したがって、切替機構で切替爪の切替位置を切替えることにより、用紙が出入りする反転路の切替えを行うことができる。このため、用紙が出入りする反転路を切替えるための構造を簡単化することができ、しかも、これらの切替爪と切替機構とは小さい設置スペース内に設置することが可能であるので用紙が出入りする反転路を切替える構造の小型化を図ることができる。
【0030】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像形成装置において、いずれか一つの前記反転路に用紙が出入りすることが可能となる位置へ前記反転路を昇降させる昇降機構が設けられている。
【0031】
したがって、昇降機構で反転路を昇降させることにより、用紙が出入りする反転路を切替えることができる。さらに、昇降機構により反転路を昇降させることにより、反転路における用紙の出入口部分に段差が生じないようにすることができ、各反転路への用紙の出入りをスムーズに行わせることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。図1は中間転写体を備えた画像形成装置の構造を示す概略図、図2は入口ローラと分岐爪とを拡大して示す斜視図、図3は用紙反転手段の動作を説明する説明図、図4及び図5は連続して画像形成を行う場合の画像形成部への用紙の送り込み状態を説明する説明図、図6は反転路内に予め保持された用紙を使用して画像形成を行うことにより画像形成作業の生産性が高くなることを説明する説明図である。
【0033】
この画像形成装置には図1に示すように、用紙が積層保持される用紙収納部である給紙トレイ1、給紙された用紙上に画像形成を行うデジタル電子写真方式の画像形成部2、画像形成が行われた用紙が排紙される排紙トレイ3等が設けられている。また、この画像形成装置には、用紙が搬送される用紙経路が設けられており、この用紙経路は、給紙トレイ1から画像形成部2に至る部分が給紙用搬送路4a、画像形成部2から排紙トレイ3に至る部分が排紙用搬送路4b、画像形成部2から給紙用搬送路4aの途中に至る部分が再給送路4c、給紙用搬送路4aにおける再給送路4cとの接続箇所よりも用紙搬送方向の下流側に位置してこの給紙用搬送路4aの途中に接続された部分が反転路4dとされている。
【0034】
給紙トレイ1は画像形成装置に対して着脱自在に装着されており、画像形成装置内における給紙トレイ1の装着位置の近傍には、給紙トレイ1内に積層保持された用紙を送り出すピックアップローラ5、ピックアップローラ5で送り出された用紙を一枚ずつに分離給紙する分離給紙手段6が設けられている。分離給紙手段6は、用紙の給紙方向へ回転駆動されるフィードローラ7、トルクリミッタ(図示せず)を備えて用紙の給紙方向と逆方向への回転駆動力が伝達されるリバースローラ8等により構成されている。
【0035】
画像形成部2には、それぞれ異なる色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像を形成する4個の作像部9、これらの作像部9で作像された画像が転写される中間転写体10、中間転写体10上に転写された画像を用紙に転写する転写器11、用紙上に転写された画像を定着する定着器12等が設けられている。
【0036】
給紙用搬送路4a上には、搬送ローラ13、入口ローラ14、分岐爪15、搬送ローラ16、レジストローラ17、搬送される用紙を検知する各種センサ(図示せず)等が配置されている。
【0037】
入口ローラ14と分岐爪15とは給紙用搬送路4aと反転路4dとの接続箇所に配置されている。入口ローラ14は図2に示すように、複数個のローラ部14aを中心軸14bに固定した形状に構成されている。分岐爪15は、図2に示すように、反転路4dに送り込まれる用紙をガイドする第1ガイド面15aと、反転路4dから送り出される用紙をガイドする第2ガイド面15bと、第1ガイド面15aと第2ガイド面15bとに挟まれて反転路4dに向けて鋭角的に突出した分岐爪先端部15cとを有する略三角形に形成されている。そして、これらの分岐爪15は、入口ローラ14の中心軸14bの近傍にこの中心軸14bと平行に配置された支軸18に固定され、この支軸18は軸受(図示せず)により回動自在に軸支されている。支軸18の端部にはアーム19の一端が固定され、アーム19の他端にはスプリング20の一端が係止されている。スプリング20の付勢力は、分岐爪15を支軸18の回りに反時計回り方向へ回動させる向き、即ち、分岐爪先端部15cをローラ部14aの外周面より内側に入り込ませる向きに作用している。また、スプリング20の付勢力によりアーム19が回動する方向には、アーム19の回動位置を規制するためのストッパ21が設けられている。
【0038】
分岐爪15は、支軸18と共に支軸18の軸心回りに回動することにより、第1切替位置と、第2切替位置とに回動自在に設けられている。第1切替位置は、反転路4dに送り込まれる用紙が自らの腰の強さによりスプリング20の付勢力に抗して分岐爪15を時計回り方向へ回動させ、その用紙が入口ローラ14のローラ部14aの外周面と分岐爪15の第1ガイド面15aとの間を進行しているときの回動位置である。第2切替位置は、入口ローラ14のローラ部14aの外周面と分岐爪15の第1ガイド面15aとの間に用紙が存在せず、スプリング20の付勢力により回動したアーム19がストッパ21に当接したときの回動位置である。分岐爪15が第2切替位置に回動しているとき、分岐爪先端部15cはローラ部14aの外周面より内側に入り込み、反転路4dから送り出された用紙は第2ガイド面15bに沿って進行する。
【0039】
反転路4d上には用紙反転手段22が設けられており、この用紙反転手段22は図3に示すように、ステッピングモータ(図示せず)により間欠的に回転駆動される反転ローラ23と、反転路4dを挟んだ反転ローラ23に対向する位置に配置されて反転ローラ23の外周面に当接されることにより連れ回りされる従動ローラ24とから構成されている。反転ローラ23の外周部の一部には、従動ローラ24に対向したときに従動ローラ24の外周面との間に隙間を形成する切欠部23aが形成されている。また、この用紙反転手段22は、反転路4dに送り込まれた用紙をスイッチバックさせて給紙用搬送路4aへ送り出す送り出し状態と、反転路4dから送り出されている先行する用紙と反転路4dに送り込まれる後続の用紙との少なくとも一部が重畳することを許容する開放状態とに切替自在に設けられている。
【0040】
図3(b)は、反転ローラ23の外周面と従動ローラ24の外周面とが当接して反転ローラ23が矢印方向に回転駆動され、及び、従動ローラ24が矢印方向に連れ回りされる送り出し状態である。これにより、反転路4d内に送り込まれた用紙が反転ローラ23と従動ローラ24とにより挟持されてスイッチバックされ、給紙用搬送路4aへ送り出される。
【0041】
図3(a)は、切欠部23aが従動ローラ24に対向した状態で反転ローラ23の回転駆動が停止され、反転ローラ23と従動ローラ24との間に隙間が形成された開放状態である。これにより、反転路4dからの先行する用紙の送り出しと反転路4dへの後続の用紙の送り込みとが同時に行われ、先行する用紙と後続の用紙との少なくとも一部が反転路4d内で重畳する。
【0042】
画像形成部2を通過した用紙の搬送方向下流側における排紙用搬送路4bと再給送路4cとの分岐箇所には切替爪25が設けられている。この切替爪25はソレノイド(図示せず)の駆動により回動切替えされ、切替爪25の切替えにより、画像形成部2を通過した用紙が排紙用搬送路4b又は再給送路4cへ送り込まれる。排紙用搬送路4bへ送り込まれた用紙は排紙トレイ3上に排紙され、再給送路4cへ送り込まれた用紙は両面印刷のために再び画像形成部2へ送り込まれる。
【0043】
また、この画像形成装置には、画像形成部2における画像形成動作、分離給紙手段6、入口ローラ14、レジストローラ17、用紙反転手段22等を、用紙経路(給紙用搬送路4a、再給送路4c、反転路4d)上に配置された各種センサの検知結果や、操作パネル(図示せず)上に設けられた各種キーの操作結果に応じて駆動させるマイクロコンピュータの制御部(図示せず)が設けられている。そして、この画像形成装置には、制御部により実行される処理の一つとして、用紙保持手段が設けられている。この用紙保持手段は、反転路4d内に予め1枚の用紙A(図1参照)を保持させる処理である。
【0044】
反転路4d内に予め1枚の用紙Aを保持する方法としては、前回の画像形成作業の終了時に最後に給紙した用紙を反転路4d内で停止させるようにしてもよく、又は、画像形成開始前のウォームアップ時に給紙トレイ1内の最初の用紙を反転路4dまで搬送するようにしてもよい。さらに、ADF装置を用いて原稿を搬送しながらその原稿の画像を読取り、読取った各原稿の画像を一部ずつ画像形成する場合において、原稿が無くなったことを検知したときに存在しない次の原稿に対応する用紙が既に給紙トレイ1から搬送を開始されている場合には、その用紙を次回の画像形成に備えて予め反転路4d内に保持することができる。
【0045】
このような構成において、連続画像形成のモードに設定された後にプリントスタートキーが押されると、給紙トレイ1から次々と用紙が給紙され、これらの用紙は給紙用搬送路4a上を画像形成部2に向けて搬送され、その途中で、反転路4dに送り込まれてスイッチバックされ、前後及び表裏が逆向きとなる。反転路4dでスイッチバックされた用紙が画像形成部2に送り込まれると、画像形成部2においてその用紙に対する画像形成が行われる。
【0046】
反転路4dに送り込まれる用紙は、分岐爪15をスプリング20の付勢力に抗して押し上げ、分岐爪15の第1ガイド面15aと入口ローラ14のローラ部14aの外周面との間を通過して進行する。反転路4d内でスイッチバックされた用紙は、分岐爪15の第2ガイド面15bに沿って進行して給紙用搬送路4aへ送り出される。
【0047】
図4及び図5は、用紙を連続搬送して画像形成する場合の用紙の流れを説明する説明図である。先行する用紙aが反転路4dから給紙用搬送路4aへ送り出されている最中に、後続の用紙bが反転路4dに向けて搬送される(図4参照)。先行する用紙aは、最初、用紙反転手段22の反転ローラ23と従動ローラ24とに挟持されて搬送力を付与され、用紙反転手段22が図3(a)に示す開放状態で停止した後は搬送ローラ16に挟持されて搬送力を付与され、画像形成部2へ向けて搬送される。一方、後続の用紙bは、搬送ローラ13と入口ローラ14とにより搬送力を付与され、用紙反転手段22が図3(a)に示す開放状態となっているときに反転路4d内へ送り込まれる。そして、反転路4dへの用紙bの送り込みは、用紙反転手段22が開放状態となって用紙aが反転路4dから送り出されている最中に、反転路4d内で先行する用紙aと後続の用紙bとがその一部を重畳させるようにして行われる。
【0048】
ここで、反転路4d内に送り込まれた用紙をスイッチバックさせるとき、給紙用搬送路4aへ送り出される先行の用紙aと反転路4dへ送り込まれる後続の用紙bとが一部を重畳させた状態となるので、反転路4dへの用紙の送り込み速度や反転路4dからの用紙の送り出し速度、反転路4dからの用紙の送り出しタイミングなどを制御することにより、スイッチバックされて画像形成部2へ送り込まれる用紙の間隔を小さくすることができる。これにより、給紙トレイ1から給紙される用紙の用紙間隔を狭くした場合において、給紙トレイ1からの給紙タイミングのバラツキや、反転路4dに至る搬送中における搬送速度のバラツキ等が生じても、画像形成部2への用紙の送り込みを小さい間隔に精度良く維持することができ、画像形成装置における画像形成作業の生産性を高めることができる。
【0049】
つぎに、用紙保持手段により反転路4d内に1枚の用紙Aが予め保持されている場合について説明する。1枚の用紙Aが反転路4d内に予め保持されている場合には、画像形成を開始した場合、1枚目の用紙をこの反転路4d内に保持されている用紙Aとすることができる。
【0050】
図6は、4枚の用紙に対して画像形成を連続して行う場合における、プリント動作がスタート(給紙動作のスタート)してから、4枚目のプリントが終了するまでの時間を、反転路4d内に予め1枚の用紙Aが用紙保持手段により保持されている場合(図6(a))と、そのような用紙の保持が行われていない場合(図6(b))とを比較して示した説明図である。
【0051】
図6(a)に示すように、反転路4d内に予め1枚の用紙Aが保持されている場合には、画像形成される1枚目の用紙として、反転路4d内に予め保持されている用紙Aを用いることができる。給紙トレイ1から画像形成部2までの距離に比べて、反転路4dから画像形成部2までの距離は短いので、プリント動作がスタートしてから1枚目の用紙に対する画像形成が行われるまでの時間(ファーストプリントタイム)を短縮することができ、ひいては、全体(4枚目)の画像形成が終了するまでの時間を短縮することができ、画像形成作業の生産性を高めることができる。
【0052】
これに対し、図6(b)に示すように、そのような用紙の保持が行われていない場合には、1枚目の用紙は給紙トレイ1から給紙されるので、プリント動作がスタートしてから1枚目の用紙への画像形成が行われるまでの時間(ファーストプリントタイム)が長くなり、ひいては、全体(4枚目)の画像形成が終了するまでの時間が(a)の場合に比べて長くなる。
【0053】
つぎに、本発明の第2の実施の形態を図7及び図8に基づいて説明する。なお、先行して説明した他の実施の形態で説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する(以下の各実施の形態でも同じ)。
【0054】
本実施の形態の外観上の構造は第1の実施の形態と同じであり、異なる点は、反転路4d内に予め1枚の用紙Aを保持させる用紙保持手段が設けられていることに加え、再給送路4c内にも予め1枚の用紙Bを保持させる第2の用紙保持手段が設けられている点である。この第2の用紙保持手段は、用紙保持手段と同じように、制御部により実行される処理の一つとして設けられているものである。
【0055】
このような構成において、給紙する用紙の長さが短い場合には、第1の実施の形態で説明したように、反転路4d内に予め保持されていた用紙Aを最初に給紙して画像形成を行っても、その1枚目の用紙Aへの画像形成が終了してから給紙トレイ1から最初に給紙された用紙が画像形成部2に到達するまでの間隔“X”が長くなり、画像形成作業の生産性を高める上で十分とは言えない(図8(a)参照)。
【0056】
このような場合には、反転路4d内に予め1枚の用紙Aを保持しておき、さらに、再給送路4c内にも予め1枚の用紙Bを保持しておく。すると、連続画像形成のモードに設定された後にプリントスタートキーが押されると、最初に反転路4d内に予め保持されていた用紙Aが画像形成部2へ給紙され、その次に再給送路4c内に予め保持されていた用紙Bが画像形成部2へ給紙され、3枚目の用紙として給紙トレイ1から給紙された用紙が画像形成部2へ給紙される。このため、給紙トレイ1から画像形成部2までの距離に比べて再給送路4cから画像形成部2までの距離は短いので、給紙する用紙の長さが短い場合であっても、ファーストプリントタイムが短くなるとともに1枚目の用紙Aと2枚目の用紙Bとの間隔を短くすることができるので(図8(b)参照)、画像形成作業の生産性をさらに高めることができる。
【0057】
なお、このような第2の用紙保持手段を設けることが有効な場合としては、給紙する用紙の長さが短い場合のほかに、給紙トレイ1から画像形成部2までの距離が特に長い場合が挙げられる。給紙トレイ1から画像形成部2までの距離が特に長くなるのは、給紙トレイを複数有し、最も離れた位置の給紙トレイから給紙する場合である。
【0058】
つぎに、本発明の第3の実施の形態を図9に基づいて説明する。本実施の形態の外観上の構造が第1又は第2の実施の形態と異なる点は、給紙トレイ1が3段設けられ、各給紙トレイ1には異なる種類の用紙(サイズ又は向きの少なくとも一方が異なる用紙)が積層保持されている点である。
【0059】
さらに、本実施の形態が第1・第2の実施の形態と異なる他の点は、異なる種類の用紙を積層保持する3段の給紙トレイ1が設けられたことに伴い、制御部により実行される処理としての各種の手段が設けられている点である。各種の手段としては、排紙手段、退避手段、使用頻度判断手段である。
【0060】
排紙手段は、反転路4d内に予め保持されている用紙Aと異なる種類の用紙を給紙して画像形成を行う場合に、反転路4d内に予め保持されている用紙Aを排紙トレイ3上に排紙する処理である。
【0061】
退避手段は、反転路4d内に予め保持されている用紙Aと異なる種類の用紙を給紙して画像形成を行う場合に、反転路4d内に予め保持されている用紙Aを再給送路4c内に退避させる処理である。
【0062】
使用頻度判断手段とは、どの種類の用紙を反転路4d内に予め保持するのかということの判断に際して、過去の画像形成ジョブのデータから最も使用頻度の高い用紙の種類を判断する処理である。
【0063】
このような構成において、反転路4d内に予め保持された用紙Aと異なる種類の用紙を給紙して画像形成を行う場合には、その用紙Aを排紙手段により排紙トレイ3上に排紙した後、又は、その用紙Aを退避手段により再給送路4cに退避させた後に画像形成を行うことができる。したがって、用紙保持手段により反転路4d内に予め用紙Aが保持されている場合において、その用紙Aと異なる種類の用紙を給紙して画像形成を行う場合には、用紙保持手段を有しない場合と同じように画像形成を行うことができる。
【0064】
なお、用紙Aを退避手段で再給送路4c内へ退避させた場合には、その画像形成作業が終了した後に、再給送路4c内へ退避させた用紙Aを反転路4d内へ戻すようにする。
【0065】
また、どの種類の用紙を反転路4d内に予め保持するのかということの判断に際して、使用頻度判断手段でその時期に最も使用頻度の高い用紙の種類を判断してその用紙を反転路4d内に保持するようにしてもよい。これにより、反転路4d内に予め保持されている用紙Aはその時期においても最も使用頻度が高い用紙となり、画像形成時にファーストプリントタイムを短縮する頻度を高めることができる。なお、ここでいう「その時期」とは、その時点から過去の一定期間を意味し、例えば、過去100回のジョブが行われた期間、又は、過去50回のジョブが行われた期間などである。
【0066】
本発明の第4の実施の形態を図10ないし図13に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第1又は第2の実施と同じであり、異なる点は、反転路4dが上下方向に2段に配列されている点である。これらの反転路4d上にはそれぞれ用紙反転手段22が設けられている。各用紙反転手段22は、反転ローラ23と従動ローラ24とから構成されているが、従動ローラ24は、2つの用紙反転手段22において共用されている。
【0067】
2つの反転路4dの出入口側には、略三角形状に形成された切替爪26が配置されている。切替爪26は、図11ないし図13に示すように、下側の反転路4dに出入りする用紙をガイドする第1ガイド面26aと、上側の反転路4dに出入りする用紙をガイドする第2ガイド面26bと、第1ガイド面26aと第2ガイド面26bとに挟まれて分岐爪15に向けて鋭角的に突出したな切替爪先端部26cとを有する略三角形に形成されている。そして、これらの切替爪26は、入口ローラ14の中心軸14bの近傍にこの中心軸14bと平行に配置された支軸27に固定され、この支軸27は軸受(図示せず)により回動自在に軸支されている。支軸27の端部には、切替爪26を第1切替位置(図12参照)と第2切替位置(図13参照)とへ回動させる切替機構であるソレノイド(図示せず)が連結されている。切替爪26を第1切替位置へ回動させたとき、切替爪先端部26cが入口ローラ14のローラ部14aの外周面より内側に入り込んでいる。また、切替爪26を第2切替位置へ回動させたとき、切替爪先端部26cは分岐爪15の分岐爪先端部15cより上方位置に位置している。
【0068】
本実施の形態でも、上述した各実施の形態と同じように、反転路4d内に予め1枚の用紙を保持させる用紙保持手段が設けられている。この用紙保持手段による用紙の保持は、2つの反転路4dに異なる種類の用紙を保持してもよく、又は、2つの反転路4dに同じ種類の用紙を保持してもよく、又は、1つの反転路4dを空にして他の反転路4dのみに用紙を保持してもよい。
【0069】
ここで、用紙保持手段により用紙を保持する場合を含め、上側の反転路4dに対して用紙を出入りさせる場合には、図12に示すように、切替爪26を第1切替位置へ回動させておく。すると、上側の反転路4dに送り込まれる用紙は、図12(a)に示すように、分岐爪15の第1ガイド面15aと切替爪26の第2ガイド面26bとに沿って進行する。上側の反転路4dから送り出される用紙は、図12(b)に示すように、切替爪26の第2ガイド面26bと分岐爪15の第2ガイド面15bとに沿って進行する。
【0070】
また、用紙保持手段により用紙を保持する場合を含め、下側の反転路4dに対して用紙を出入りさせる場合には、図13に示すように、切替爪26を第2切替位置へ回動させておく。すると、下側の反転路4dに送り込まれる用紙は、図13(a)に示すように、分岐爪15の第1ガイド面15aと切替爪26の第1ガイド面26aとに沿って進行する。下側の反転路4dから送り出される用紙は、図13(b)に示すように、切替爪26の第1ガイド面26aと分岐爪15の第2ガイド面15bとに沿って進行する。
【0071】
このような構成において、本実施の形態においても上述した各実施の形態と同じように、画像形成部2に送り込まれる用紙を反転路4d内でスイッチバックさせることにより、給紙トレイ1から給紙される用紙の用紙間隔を狭くした場合において、給紙トレイ1からの給紙タイミングのバラツキや、反転路4dに至る搬送中における搬送速度のバラツキ等が生じても、画像形成部2への用紙の送り込みを小さい間隔に精度良く維持することができ、画像形成装置における画像形成作業の生産性を高めることができる。
【0072】
さらに、反転路4d内に用紙保持手段により予め1枚の用紙を保持しておき、反転路4d内に予め保持されている用紙を画像形成時の1枚目の用紙として画像形成部2へ向けて搬送することにより、1枚目の用紙を給紙トレイ1から給紙する場合に比べてファーストプリントタイムを短縮することができ、画像形成作業の生産性をさらに高めることができる。
【0073】
2つの反転路4dには、上述したように、異なる種類の用紙を保持してもよく、又は、同じ種類の用紙を保持してもよく、又は、1つの反転路4dを空にして他の反転路4dのみに保持してもよい。
【0074】
2つの反転路4dに異なる種類の用紙が保持されている場合には、反転路4d内に予め保持されている用紙を使用して画像形成を行う確率が高くなり、反転路4d内に予め保持されている用紙を使用して画像形成を行うことにより画像形成作業の生産性を高めることができる確率が高くなる。具体的には、反転路4dが2つで、給紙トレイ1が3つであるので、用紙の種類の使用頻度を考慮しないものとすれば、反転路4d内に予め保持されている用紙を使用して画像形成を行う確率が2/3となる。なお、反転路4dに予め保持されていない用紙を給紙して画像形成を行う場合には、いずれか一方の反転路4d内に予め保持されている用紙を、上述した排紙手段により排紙し、又は、上述した退避手段により退避させる。
【0075】
2つの反転路4dに同じ種類の用紙が保持されている場合には、それらの用紙を1枚目、及び、2枚目の用紙として給紙することができる。これにより、その種類の用紙の長さが短い場合や、その種類の用紙が積層保持されている給紙トレイ1から画像形成部2までの距離が特に長い場合であっても、ファーストプリントタイムを短くできるとともに、1枚目の用紙と2枚目の用紙との用紙間隔が長くなるということを防止でき、画像形成作業の生産性がさらに高くなる。なお、反転路4dに予め保持されていない用紙を給紙して画像形成を行う場合には、いずれか一方の反転路4d内に予め保持されている用紙を、上述した排紙手段により排紙し、又は、上述した退避手段により退避させる。
【0076】
1つの反転路4dが空にされて他の反転路4dにのみ用紙が保持されている場合には、反転路4d内に保持されている種類の用紙を給紙して画像形成を行う場合に、保持されている用紙を1枚目の用紙として画像形成することによりファーストプリントタイムを短縮することができる。また、反転路4d内に使用頻度の高い種類の用紙を保持しておくことにより、ファーストプリントタイムを短縮する頻度を高めることができる。
【0077】
一方、反転路4dに保持されていない種類の用紙を使用して画像形成を行う場合には、空になっている反転路4dを使用して用紙をスイッチバックさせることができる。このため、反転路4d内に予め保持されている用紙を排紙トレイ3上に排紙するための上述した排紙手段や、反転路4d内に予め保持されていた用紙を再給送路4c上に退避させるための上述した退避手段を設けることが不要となる。
【0078】
用紙を出入りさせる反転路4dを切替える構造は、ソレノイドの駆動により切替爪26を第1切替位置又は第2切替位置へ回動させる構造であり、しかも、これらの切替爪26とソレノイドとを小さい設置スペース内に設置することが可能であるので、用紙が出入りする反転路4dを切替える構造の簡単化及び小型化を図ることができる。
【0079】
つぎに、本発明の第5の実施の形態を図14に基づいて説明する。本実施の形態の基本的構造は第4の実施の形態と同じであり、2つの反転路4dが上下方向に配列されている。本実施の形態が第4の実施の形態と異なる点は、いずれか一つの反転路4dに用紙が出入りすることが可能となる位置へ反転路4dを昇降させる昇降機構28が設けられている点である。この昇降機構28は、その内側に反転路4dを形成された反転トレイ部29に連結されたベルト30、ベルト30を駆動させるモータ31により構成されている。
【0080】
このような構成において、モータ31を駆動させることにより反転トレイ部29(反転路4d)を昇降させることができ、用紙が出入りする反転路4dを切替えることができる。図13は、上側の反転路4dに対して用紙の出入りが可能となっている状態である。
【0081】
昇降機構28により昇降される反転路4dは水平状態を維持したまま昇降されるので、用紙が出入りする反転路4dにおける用紙の出入口部分に段差が生じないようにすることができ、各反転路4dへの用紙の出入りをスムーズに行わせることができる。
【0082】
【発明の効果】
請求項1乃至5記載の発明の画像形成装置によれば、画像形成部に送り込まれる前後の用紙を少なくともその一部を重畳させながら反転路内でスイッチバックさせることにより、画像形成部への用紙の送り込みを小さい間隔に精度良く維持することができ、画像形成装置における画像形成作業の生産性を高めることができる。さらに、反転路内に予め1枚の用紙を保持しておき、画像形成時にその用紙を1枚目の用紙として画像形成部へ送り込むことにより、1枚目の用紙を用紙収納部から給紙する場合に比べてファーストプリントタイムを短縮することができ、画像形成作業の生産性をさらに高めることができる。
【0083】
特に、請求項1記載の発明によれば、用紙収納部が2つ以上存在し、それらの用紙収納部に異なる種類の用紙が積層保持されている場合には、各用紙収納部に積層保持されているそれぞれ異なる種類の用紙を各反転路内に予め保持しておくことにより、反転路内に予め保持されている用紙を使用して画像形成を行う確率が高くなり、反転路内に予め保持されている用紙を使用して画像形成を行うことによりファーストプリントタイムを短縮して画像形成作業の生産性を高めることができる確率を高めることができる。
【0084】
また、請求項2記載の発明によれば、給紙する用紙の長さが短い場合や、用紙収納部から画像形成部までの距離が特に長い場合には、複数の反転路に予め保持されている用紙を次々と給紙して画像形成を行うことにより、ファーストプリントタイムを短くできるとともに、1つの反転路から給紙された用紙と他の反転路から給紙された用紙との用紙間隔、及び、他の反転路から給紙された用紙と用紙収納部から最初に給紙された用紙との用紙間隔を短くすることができ、画像形成作業の生産性をさらに高めることができる。
【0085】
また、請求項3記載の発明によれば、反転路内に保持されている用紙と同じ種類の用紙を給紙して画像形成を行う場合には、保持されている用紙を1枚目の用紙として画像形成することによりファーストプリントタイムを短縮することができる。一方、反転路に保持されていない種類の用紙を使用して画像形成を行う場合には、空になっている反転路を使用して画像形成部に給紙する用紙をスイッチバックさせることができ、反転路内に予め保持されていた用紙を排紙したり他の場所に退避させたりする手段や機構を不要として構造の簡単化を図ることができる。
【0086】
また、請求項4記載の発明によれば、用紙が出入りする反転路を切替えるための構造を簡単化することができ、しかも、これらの切替爪と切替機構とは小さい設置スペース内に設置することが可能であるので用紙が出入りする反転路を切替える構造の小型化を図ることができる。
【0087】
請求項5記載の発明によれば、昇降機構で反転路を昇降させることにより用紙が出入りする反転路を切替えた場合には、反転路における用紙の出入口部分に段差が生じないようにすることができ、各反転路への用紙の出入りをスムーズに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の画像形成装置の構造を示す概略図である。
【図2】入口ローラと分岐爪とを拡大して示す斜視図である。
【図3】用紙反転手段の動作を説明する説明図であり、(a)は開放状態、(b)は送り出し状態である。
【図4】連続して画像形成を行う場合の画像形成部への用紙の送り込み状態を説明する説明図である。
【図5】連続して画像形成を行う場合の画像形成部への用紙の送り込み状態を説明する説明図である。
【図6】反転路内に予め保持された用紙を使用して画像形成を行うことにより画像形成作業の生産性が高くなることを説明する説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の画像形成装置の構造を示す概略図である。
【図8】反転路内と再給送路内とに予め保持された用紙を使用して画像形成を行うことにより画像形成作業の生産性がさらに高くなることを説明する説明図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態の画像形成装置の構造を示す概略図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態の画像形成装置の構造を示す概略図である。
【図11】入口ローラと分岐爪と切替爪とを拡大して示す斜視図である。
【図12】上側の反転路内に用紙が出入りする場合における分岐爪と切替爪との回動位置を説明する説明図である。
【図13】下側の反転路内に用紙が出入りする場合における分岐爪と切替爪との回動位置を説明する説明図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態の画像形成装置の構造を示す概略図である。
【符号の説明】
1 用紙収納部
2 画像形成部
4a 給紙用搬送路
4d 反転路
6 分離給紙手段
22 用紙反転手段
26 切替爪
28 昇降機構
Claims (5)
- 用紙を積層保持する用紙収納部と、
前記用紙収納部から用紙を1枚ずつ分離給紙する分離給紙手段と、
給紙された用紙上に画像形成を行う画像形成部と、
前記用紙収納部から前記画像形成部に至る給紙用搬送路と、
前記給紙用搬送路の途中に接続されてこの給紙用搬送路を搬送される用紙が送り込まれる反転路と、
前記反転路に送り込まれた用紙をスイッチバックさせて前記給紙用搬送路へ送り出す送り出し状態と、前記反転路から送り出されている先行する用紙と前記反転路に送り込まれる後続の用紙との少なくとも一部が重畳することを許容する開放状態とに切替自在な用紙反転手段と、
前記反転路内に予め1枚の用紙を保持させる用紙保持手段と、を有し、
前記反転路は上下方向に配列されて複数段設けられ、前記用紙保持手段はそれぞれの前記反転路に異なる種類の用紙を保持させるものである画像形成装置。 - 用紙を積層保持する用紙収納部と、
前記用紙収納部から用紙を1枚ずつ分離給紙する分離給紙手段と、
給紙された用紙上に画像形成を行う画像形成部と、
前記用紙収納部から前記画像形成部に至る給紙用搬送路と、
前記給紙用搬送路の途中に接続されてこの給紙用搬送路を搬送される用紙が送り込まれる反転路と、
前記反転路に送り込まれた用紙をスイッチバックさせて前記給紙用搬送路へ送り出す送り出し状態と、前記反転路から送り出されている先行する用紙と前記反転路に送り込まれる後続の用紙との少なくとも一部が重畳することを許容する開放状態とに切替自在な用紙反転手段と、
前記反転路内に予め1枚の用紙を保持させる用紙保持手段と、を有し、
前記反転路は上下方向に配列されて複数段設けられ、前記用紙保持手段はそれぞれの前記反転路に同じ種類の用紙を保持させるものである画像形成装置。 - 用紙を積層保持する用紙収納部と、
前記用紙収納部から用紙を1枚ずつ分離給紙する分離給紙手段と、
給紙された用紙上に画像形成を行う画像形成部と、
前記用紙収納部から前記画像形成部に至る給紙用搬送路と、
前記給紙用搬送路の途中に接続されてこの給紙用搬送路を搬送される用紙が送り込まれる反転路と、
前記反転路に送り込まれた用紙をスイッチバックさせて前記給紙用搬送路へ送り出す送り出し状態と、前記反転路から送り出されている先行する用紙と前記反転路に送り込まれる後続の用紙との少なくとも一部が重畳することを許容する開放状態とに切替自在な用紙反転手段と、
前記反転路内に予め1枚の用紙を保持させる用紙保持手段と、を有し、
前記反転路は上下方向に配列されて複数段設けられ、前記用紙保持手段は1つの前記反転路を空にして他の前記反転路に用紙を保持させるものである画像形成装置。 - 前記反転路の出入口側に配置されていずれか一つの前記反転路に用紙が出入りすることを許容する切替位置へ切替自在な切替爪と、この切替爪を各切替位置へ切り替える切替機構とを有する請求項1ないし3のいずれか一記載の画像形成装置。
- いずれか一つの前記反転路に用紙が出入りすることが可能となる位置へ前記反転路を昇降させる昇降機構が設けられている請求項1ないし3のいずれか一記載の画像形成装置。
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