JP5776250B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
液体吐出装置として、インク(液体の一種)を媒体(例えば紙)に吐出して媒体に画像を印刷するインクジェット式のプリンターが知られている。例えば、列方向にノズルが並んだノズル列を列方向と交差する交差方向に移動させながら、各ノズルからインクを吐出する吐出動作と、吐出動作の合間にノズル列の列方向の位置を移動させる移動動作とを行うプリンターが知られている。このようなプリンターにおいて、多数のラスタライン(交差方向に並ぶドット列)から構成された画像中に、交差方向に沿った筋状の濃度むらが見えることがある(例えば、特許文献1を参照)。この濃度むらの原因は、概ねノズルの加工精度に起因している。詳細に言えば、ノズル間でインクの吐出量のバラツキがある場合や、ノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成する位置(ドット形成位置)が、目標位置からずれている場合などに濃度むらが生じる。
この濃度むらを抑制する方法としては、補正用パターンを印刷し、これをスキャナー等の濃度測定装置で測定して濃度むらの原因のラスタラインを特定し、画像を本印刷する際には、ラスタライン毎に濃度の補正を行う方法がある。
特開2006−264298号公報
ところで、上述したような補正を行っていても、実際に媒体に印刷すると画像によっては、対応が十分でなく濃度むらの目立つ箇所がある場合があった。このように、濃度むらを確実に抑制するのは困難であった。
そこで、本発明は、濃度むらをより確実に抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
列方向にノズルが並んだノズル列を前記列方向と交差する交差方向に移動させつつ各ノズルから媒体に液体を吐出させる吐出動作と、前記吐出動作の合間に前記ノズル列を前記列方向に移動させる移動動作とを実行することによって、前記交差方向にドットが並んだドット列を前記列方向に複数形成するドット形成部と、
媒体に形成された複数のドット列のうち、濃度むらの有る箇所を指定する指定部と、
前記指定部に指定された前記箇所を含む複数のドット列の所定の領域を濃度むら領域に設定する設定部と、
前記指定部で指定された前記濃度むら領域の補正データであって、前記濃度むら領域の各ドット列とそれぞれ対応付けられたノズルを使用し、且つ、前記濃度むら領域の濃度むら部分の階調値を変更した補正データを複数作成する補正データ作成部と、
各補正データに基づいて、前記ドット形成部がそれぞれ媒体の前記交差方向に並べて形成した複数の補正画像の中から濃度むらの小さいものを選択する選択部と、
を有することを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
プリンター1の概略断面図である。 プリンター1のブロック図である。 各パスで形成されるラスタラインを示した模式図である。 ヘッド31の移動を説明するための説明模式図である。 ホストコンピューター110側の構成を示した説明図である。 図6A〜図6Cは濃度むらについての説明図である。 補正値取得処理の流れを示す図である。 補正用パターンCPの一例の説明図である。 ラスタライン毎の算出濃度を示すグラフである。 図10Aは第iラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。また図10Bは、第jラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。 メモリー63に記憶されたBRS補正テーブルを示す図である。 本実施形態における濃度むら調整処理の流れを示す図である。 ロール紙2の印刷領域Rに印刷された画像を示す図である。 濃度むら領域の指定画面の一例を示す図である。 補正データの説明図である。 ロール紙2に印刷される補正チャートの一例を示す図である。 選択画面の説明図である。 第2実施形態における表示装置120の表示画面の一例を示す図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
列方向にノズルが並んだノズル列を前記列方向と交差する交差方向に移動させつつ各ノズルから媒体に液体を吐出させる吐出動作と、前記吐出動作の合間に前記ノズル列を前記列方向に移動させる移動動作とを実行することによって、前記交差方向にドットが並んだドット列を前記列方向に複数形成するドット形成部と、
媒体に形成された複数のドット列のうち、濃度むらの有る濃度むら領域を指定する指定部と、
前記指定部で指定された前記濃度むら領域の補正データであって、前記濃度むら領域の各ドット列とそれぞれ対応付けられたノズルを使用し、且つ、前記濃度むら領域の濃度むら部分の階調値を変更した補正データを複数作成する補正データ作成部と、
各補正データに基づいて、前記ドット形成部がそれぞれ媒体に形成した複数の補正画像の中から濃度むらの小さいものを選択する選択部と、
を有することを特徴とする液体吐出装置が明らかとなる。
このような液体吐出装置によれば、実際に印刷対象の画像を媒体に形成したときに生じた濃度むらを確実に補正する補正データを適用することができる。よって、濃度むらをより確実に抑制することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記ドット形成部は、前記ドット形成部は、前記複数の補正画像を前記交差方向に並べて形成することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、複数の補正画像を同じ吐出動作で形成できる。
かかる液体吐出装置であって、前記ドット形成部は、前記複数の補正画像を前記交差方向に並べて形成できなくなった場合、前記ノズル列を前記列方向に移動させることにより、前記複数の補正画像を前記交差方向に並べるときの前記列方向の位置を変えることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、同一の印刷領域に補正画像をより多く形成できる。
かかる液体吐出装置であって、前記ドット形成部は、前記複数の補正画像を1頁に形成できない場合、複数頁に亘って形成することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、濃度むら領域の大きさにかかわらずに、多くの補正画像を形成できる。
かかる液体吐出装置であって、前記ドット形成部によって媒体に形成された画像を読み取る読取部を有し、前記指定部は、前記読取部の読み取り結果に基づいて、前記濃度むら領域を指定することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、濃度むら領域の指定を簡易に且つ確実に行うことができる。
かかる液体吐出装置であって、印刷対象の画像と、媒体に印刷された画像の前記読取部の読み取り結果を並べて表示する表示部をさらに有することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、濃度むら領域を判別しやすくすることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記ドット形成部によって媒体に形成された画像を読み取る読取部を有し、前記選択部は、前記読取部の読み取り結果に基づいて、複数の前記補正画像の中から濃度むらの小さいものを選択することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、最適なパターンを簡易に且つ確実に選択することができる。
以下の実施形態では、液体吐出装置としてラテラル方式のインクジェットプリンター(以下、プリンター1ともいう)とホストコンピューター110を有する印刷システムを例に挙げて説明する。
===プリンター1の構成例について===
プリンター1の構成例について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、プリンター1の概略断面図である。図2は、プリンター1のブロック図である。
なお、以下の説明において、「上下方向」、「左右方向」をいう場合は、図1に矢印で示した方向を基準として示すものとする。また、「前後方向」をいう場合は、図1において紙面に直交する方向を示すものとする。
また、本実施形態においては、プリンター1が画像を記録する媒体としてロール紙2(連続紙)を用いて説明する。
本実施形態に係るプリンター1(ドット形成部に相当する)は、図1及び図2に示すように、搬送ユニット20と、及び、該搬送ユニット20がロール紙2を搬送する搬送経路に沿って、給送ユニット10と、プラテン29と、巻き取りユニット90と、を有し、さらに、ヘッドユニット30と、キャリッジユニット40と、クリーニングユニットと、フラッシングユニット35と、ヒーターユニット70と、送風ユニット80と、これらのユニット等を制御しプリンター1としての動作を司るコントローラー60と、検出器群50と、を有している。
給送ユニット10は、ロール紙2を搬送ユニット20に給送するものである。この給送ユニット10は、ロール紙2が巻かれ回転可能に支持される巻軸18と、巻軸18から繰り出されたロール紙2を巻き掛けて搬送ユニット20に導くための中継ローラー19と、を有している。
搬送ユニット20は、給送ユニット10により送られたロール紙2を、予め設定された搬送経路に沿って搬送するものである。この搬送ユニット20は、図1に示すように、中継ローラー19に対して水平右方に位置する中継ローラー21と、中継ローラー21から見て右斜め下方に位置する中継ローラー22と、中継ローラー22から見て右斜め上方(ロール紙2が搬送される方向において、プラテン29から見て上流側)に位置する第一搬送ローラー23と、第一搬送ローラー23から見て右方(ロール紙2が搬送される方向において、プラテン29から見て下流側)に位置する第二搬送ローラー24と、第二搬送ローラー24から見て鉛直下方に位置する反転ローラー25と、反転ローラー25から見て右方に位置する中継ローラー26と、中継ローラー26から見て上方に位置する送り出しローラー27と、を有している。
中継ローラー21は、中継ローラー19から送られたロール紙2を、左方から巻き掛けて下方に向かって弛ませるローラーである。
中継ローラー22は、中継ローラー21から送られたロール紙2を、左方から巻き掛けて右斜め上方に向かって搬送するローラーである。
第一搬送ローラー23は、不図示のモーターにより駆動される第一駆動ローラー23aと、該第一駆動ローラー23aに対してロール紙2を挟んで対向するように配置された第一従動ローラー23bとを有している。この第一搬送ローラー23は、下方に弛ませたロール紙2を上方に引き上げ、プラテン29に対向する印刷領域Rへ搬送するローラーである。第一搬送ローラー23は、印刷領域R上のロール紙2の部位に対して画像記録がなされている期間、一時的に搬送を停止させるようになっている(すなわち、後述するように、ヘッド31が、左右方向及び前後方向へ移動しつつ、停止しているロール紙2の当該部位にインクを吐出することにより、当該部位に1ページ分の画像記録が成されることとなる)。なお、コントローラー60の駆動制御により、第一駆動ローラー23aの回転駆動に伴って第一従動ローラー23bが回転することによって、プラテン29上に位置させるロール紙2の搬送量(ロール紙の部位の長さ)が調整される。
搬送ユニット20は、上述したとおり、中継ローラー21、22と第一搬送ローラー23との間に巻き掛けたロール紙2の部位を下方に弛ませて搬送する機構を有している。このロール紙2の弛みは、コントローラー60により、不図示の弛み検出用センサーからの検出信号に基づき監視される。具体的には、中継ローラー21、22と第一搬送ローラー23との間において弛ませたロール紙2の部位を、弛み検出用センサーが検出した場合には、該部位に適切な大きさの張力が与えられていることになるため、搬送ユニット20はロール紙2を弛ませた状態で搬送することが可能となる。一方、弛み検出用センサーが弛ませたロール紙2の部位検出しない場合は、該部位に過剰な大きさの張力が与えられていることになるため、搬送ユニット20によるロール紙2の搬送が一時的に停止され、張力が適切な大きさに調整される。
第二搬送ローラー24は、不図示のモーターにより駆動される第二駆動ローラー24aと、該第二駆動ローラー24aに対してロール紙2を挟んで対向するように配置された第二従動ローラー24bとを有している。この第二搬送ローラー24は、ヘッドユニット30により画像が記録された後のロール紙2の部位を、プラテン29の支持面に沿って水平右方向に搬送した後に鉛直下方に搬送するローラーである。これにより、ロール紙2の搬送方向が転換されることになる。なお、コントローラー60の駆動制御により、第二駆動ローラー24aの回転駆動に伴って第二従動ローラー24bが回転することによって、プラテン29上に位置するロール紙2の部位に対して付与される所定の張力が調整される。
反転ローラー25は、第二搬送ローラー24から送られたロール紙2を、左側上方から巻き掛けて右斜め上方に向かって搬送するローラーである。
中継ローラー26は、反転ローラー25から送られたロール紙2を、左側下方から巻き掛けて上方に向かって搬送するローラーである。
送り出しローラー27は、中継ローラー26から送られたロール紙2を、左側下方から巻き掛けて巻き取りユニット90に送り出すようになっている。
このように、ロール紙2が各ローラーを順次経由して移動することにより、ロール紙2を搬送するための搬送経路が形成されることになる。なお、ロール紙2は、搬送ユニット20により、印刷領域Rと対応した領域単位で間欠的にその搬送経路に沿って搬送される(すなわち、印刷領域R上のロール紙2の部位に1ページ分の画像記録が成される毎に、間欠的な当該搬送が行なわれる)。
ヘッドユニット30は、搬送ユニット20により搬送経路上の印刷領域Rに(プラテン29上に)送り込まれたロール紙2の部位に、液体の一例としてのインクを吐出するためのものである。このヘッドユニット30は、ヘッド31とバルブユニット34とを有している。
ヘッド31は、その下面に、列方向にノズルが並んだノズル列を有している。本実施形態においては、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)等の色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯Nからなるノズル列を有している。各ノズル列の各ノズル♯1〜♯Nは、ロール紙2の搬送方向に交差する方向(列方向)に直線状に配列されている。これらの各ノズル列は、搬送方向に沿って相互に間隔をあけて平行に配置されている。
各ノズル♯1〜♯Nには、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって各色の各ノズル♯1〜♯Nから吐出される。
また、ヘッド31は、後述するように、前記搬送方向(すなわち、前記左右方向)と前記列方向(すなわち、前記前後方向)に往復移動することができるようになっている。
バルブユニット34は、インクを一時貯留するためのものであり、不図示のインク供給チューブを介してヘッド31に接続されている。このため、ヘッド31は、バルブユニット34から供給されたインクをノズルからプラテン29上に搬送されて停止された状態のロール紙2の部位に向けて吐出することにより、画像記録を行なうことができる。
キャリッジユニット40は、ヘッド31を移動させるためのものである。このキャリッジユニット40は、搬送方向(左右方向)に延びるキャリッジガイドレール41(図1に二点鎖線で示す)と、キャリッジガイドレール41に沿って搬送方向(左右方向)へ往復移動可能に支持されたキャリッジ42と、不図示のモーターとを有する。
キャリッジ42は、不図示のモーターの駆動により、ヘッド31と一体となって搬送方向(左右方向)へ移動するよう構成されている。また、キャリッジ42には、列方向(前後方向)に延びる不図示のヘッドガイドレールが設けられており、ヘッド31は、前記モーターの駆動により、当該ヘッドガイドレールに沿って列方向(前後方向)へ移動するよう構成されている。
クリーニングユニット(不図示)は、ヘッド31をクリーニングするためのものである。このクリーニングユニットは、ホームポジション(以下、HPと呼ぶ。図1参照)に設けられており、キャップと、吸引ポンプ等とを有している。ヘッド31(キャリッジ42)が搬送方向(左右方向)に移動してHPに位置すると、ヘッド31の下面(ノズル面)に不図示のキャップが密着するようになっている。このようにキャップが密着した状態で吸引ポンプが作動すると、ヘッド31内のインクが、増粘したインクや紙粉と共に吸引される。このようにして、目詰まりしたノズルが不吐出状態から回復することによってヘッドのクリーニングが完了する。
また、搬送方向(左右方向)におけるHPとプラテン29との間には、フラッシングユニット35が設けられており、ヘッド31(キャリッジ42)が搬送方向(左右方向)に移動してフラッシングユニット35に対向する位置(以下、フラッシング位置と呼ぶ)に位置すると、ヘッド31は前記ノズル列に属する各ノズルからインクを吐出してフラッシングを行なうフラッシング動作を実行する。
プラテン29は、搬送経路上の印刷領域Rに位置するロール紙2の部位を支持するとともに、該部位を加熱するものである。このプラテン29は、図1に示すように、搬送経路上の印刷領域Rに対応させて設けられ、かつ、第一搬送ローラー23と第二搬送ローラー24との間の搬送経路に沿った領域に配置されている。そして、プラテン29は、ヒーターユニット70が発生させた熱の供給を受けることにより、ロール紙2の該部位を加熱することができる。
ヒーターユニット70は、ロール紙2を加熱するためのものであり、不図示のヒーターを有している。このヒーターは、ニクロム線を有しており、当該ニクロム線をプラテン29内部に、プラテン29の支持面から一定距離となるように配置させて構成されている。このため、ヒーターは、通電されることによってニクロム線自体が発熱し、プラテン29の支持面上に位置するロール紙2の部位に熱を伝導させることができる。このヒーターは、プラテン29の全域にニクロム線を内蔵させて構成されているため、プラテン29上のロール紙2の部位に対して熱を均一に伝導することができる。本実施形態において、プラテン上のロール紙2の部位の温度が45℃となるように、該ロール紙2の部位を均一に加熱する。これにより、該ロール紙2の部位に着弾されたインクを乾燥させることができる。
送風ユニット80は、プラテン29上のロール紙2に風を送るためのものである。この送風ユニット80は、ファン81とファン81を回転させるモーター(不図示)とを備えている。ファン81は、回転することにより、プラテン29上のロール紙2に風を送り、ロール紙2に着弾されたインクを乾燥させるためのものである。このファン81は、図1に示すように、本体部に設けられた開閉可能なカバー(不図示)に複数設けられている。そして、この各々のファン81は、カバーが閉じた際に、プラテン29の上方に位置して、当該プラテン29の支持面(当該プラテン29上のロール紙2)と対向するようになっている。
巻き取りユニット90は、搬送ユニット20により送られたロール紙2(画像記録済みのロール紙)を巻き取るためのものである。この巻き取りユニット90は、送り出しローラー27から送られたロール紙2を、左側上方から巻き掛けて右斜め下方へ搬送するための中継ローラー91と、回転可能に支持され中継ローラー91から送られたロール紙2を巻き取る巻き取り駆動軸92と、を有している。
コントローラー60は、プリンター1の制御を行なうための制御ユニットである。このコントローラー60は、図2に示すように、インターフェース部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64と、を有している。インターフェース部61は、外部装置であるホストコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行なうためのものである。CPU62は、プリンター1全体の制御を行なうための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従ったユニット制御回路64により各ユニットを制御する。
検出器群50は、プリンター1内の状況を監視するものであり、例えば、搬送ローラーに取り付けられて媒体の搬送などの制御に利用されるロータリー式エンコーダー、搬送される媒体の有無を検出する用紙検出センサー、キャリッジ42(又はヘッド31)の搬送方向(左右方向)の位置を検出するためのリニア式エンコーダーなどがある。
===プリンター1の動作例について===
上述した通り、本実施形態に係るプリンター1には、列方向(前後方向)にノズルが並んだノズル列を有するヘッド31が設けられている。そして、コントローラー60が、当該ヘッド31を搬送方向(左右方向)に移動させながら、ノズルからインクを吐出させ、搬送方向(左右方向)に沿ったラスタラインを形成することにより、印刷領域R上のロール紙2の部位に1ページ分の画像記録を行なう。
ここで、本実施形態に係るコントローラー60は、複数パス(6パス、8パス、16パス等)の印刷を実行する。すなわち、列方向における画像の解像度を高くするために、パス毎に列方向におけるヘッド31の位置を少しずつ変えて印刷を行なう。また、画像形成方法としては、例えば、公知のインターレース(マイクロウィーブ)印刷が実行される。
これについて、図3を用いてより具体的に説明する。図3は、8パスで印刷するケースにおいて各パスで形成されるラスタラインを示した模式図である。
図3の左側にはヘッド31のノズル列(ノズル)が表されており、当該ヘッド31(ノズル列)が搬送方向に移動しながらノズルからインクが吐出されることにより、ラスタラインが形成される。図に表されているヘッド31(ノズル列)の列方向における位置は、1パス目のときの位置であり、かかる位置を維持したままヘッド31(ノズル列)が搬送方向に移動すると、1パス目の印刷が実行され、図に表された3つのラスタライン(右端にパス1と書かれているラスタラインL1)が形成される。
そして、次に、ヘッド31(ノズル列)が列方向に移動して、移動後の位置を維持したままヘッド31(ノズル列)が搬送方向に移動すると、2パス目の印刷が実行され、図に表された2つのラスタライン(右端にパス2と書かれているラスタラインL2)が形成される。なお、インターレース(マイクロウィーブ)印刷が採用されているため、前記ラスタラインL1に隣接するラスタラインL2は、ラスタラインL1を形成するインクが吐出されたノズルとは異なるノズルから吐出されたインクにより形成されることとなる。そのため、ヘッド31(ノズル列)の列方向への移動距離は、ノズル間距離(例えば、1/180インチ)の1/8分(1/180×1/8=1/1440インチ)ではなく、これより大きな距離(以下では、この距離を距離dとする)となる。
以下、同様の動作が行なわれることにより、3〜8パス目の印刷が実行されて、図に表された残りのラスタライン(右端にパス3〜8と書かれているラスタラインL3〜L8)が形成される。このように、8パスでラスタラインが形成されることにより、列方向における画像の解像度を8倍(=1440÷180)の解像度とすることが可能となる。
なお、本実施形態においては、所謂双方向印刷が行なわれる。すなわち、1パス、3パス、5パス、7パス目の印刷が行なわれるときのヘッド31(ノズル列)の移動方向と2パス、4パス、6パス、8パス目の印刷が行なわれるときのヘッド31(ノズル列)の移動方向は互いに逆方向となる(後に、詳述する)。
以下では、プリンター1の動作例としてプリンター1の画像記録動作(換言すれば、印刷領域Rにドットを形成するときの動作)を説明するが、上述した8パスで印刷する図3のケースを例に挙げて説明する(以下の説明で、図3も随時参照する)。また、説明を分かり易くするために、ノズル列の数は(複数個ではなく)1つであることとして、説明を行なう。また、本実施形態においては、後述するように、画像記録動作の合間にフラッシング動作が行なわれる。
<プリンター1の画像記録動作とフラッシング動作について>
ここでは、プリンター1の画像記録動作例及び当該画像記録動作の合間に実行されるフラッシング動作例について、図3、図4を用いて説明する。図4は、ヘッド31の移動を説明するための説明模式図である。画像記録動作及びフラッシング動作を説明する前に、先ず、図4(の見方)について説明する。
図4には、印刷処理(すなわち、画像記録やフラッシングに係る一連の処理)が行なわれている間に、ヘッド31がどのように移動するかが示されている。ヘッド31は、便宜上、丸印で表され(図には、大きな丸と小さな丸があるが、双方の区別に意味は無い)、ヘッド31の移動が矢印で表されている。ここで、図中左右方向に向いた矢印は、搬送方向におけるヘッド31の移動を表し、上下方向に向いた矢印は、列方向におけるヘッド31の移動を表している。また、各矢印には、S1〜S21の符号が付けられているが、これは、以降の印刷処理の説明で用いられるステップ番号である。
また、パス1乃至パス8が付されているステップ番号があるが、これらのステップ番号はインクが吐出されることにより画像記録動作が実行されるステップを表している。
また、フラッシング位置に位置する丸印の中に、白丸印と黒丸印が存在するが、黒丸印はフラッシング動作が行なわれることを意味している(逆に、白丸印はフラッシングが行なわれないことを意味している)。黒丸印には、S6、S11、S16の符号が付けられているが、これは、以降の印刷処理の説明で用いられるステップ番号である。
以下、図3、図4を参照しつつ、印刷処理について説明する。なお、当該印刷処理は、主としてコントローラー60により実現される。特に、本実施形態においては、メモリー63に格納されたプログラムをCPU62が処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明する各種の動作を行なうためのコードから構成されている。
前述した間欠的なロール紙2の搬送が行なわれてロール紙2が停止すると、印刷領域R上のロール紙2の部位に1ページ分の画像記録を行なうための印刷処理が開始される。
先ず、コントローラー60は、ヘッド31をHP位置から往方向(ロール紙2が搬送される方向において、上流側から下流側へ向かう方向)へ移動させる(ステップS1)。
やがて、ヘッド31が前述したフラッシング位置を通過すると(このときに、フラッシング動作は実行されない)、コントローラー60は、ヘッド31の往方向への移動を継続しつつ、ヘッド31にインクを吐出させて、1パス目の印刷を実行する(ステップS2)。そして、このことにより、図3に示されたラスタラインL1(パス1のラスタライン)が形成される。
ヘッド31が第一折り返し位置へ至ると、コントローラー60は、ヘッド31を列方向へ移動させる(ステップS3)。本実施形態においては、前記距離dだけヘッド31を移動させる。
その後、コントローラー60は、ヘッド31を復方向(ロール紙2が搬送される方向において、下流側から上流側へ向かう方向)へ移動させながら、ヘッド31にインクを吐出させて、2パス目の印刷を実行する(ステップS4)。そして、このことにより、図3に示されたラスタラインL2(パス2のラスタライン)が形成される。
ヘッド31がフラッシング位置(この位置は、第二折り返し位置でもある)へ至ると、コントローラー60は、ヘッド31を列方向へ移動させる(ステップS5)。本実施形態においては、前記距離dだけヘッド31を移動させる。
そして、移動が完了すると、コントローラー60は、ノズル列に属する各ノズルからインクを吐出してフラッシングを行なうフラッシング動作(第一フラッシング動作とする)をヘッド31に実行させる(ステップS6)。
次に、コントローラー60は、ステップS2乃至ステップS6の処理と同じ処理をさらに二度行なう(ステップS7乃至ステップS11、ステップS12乃至ステップS16)。一度目の処理において、3パス目の印刷(ステップS7)により図3に示されたラスタラインL3(パス3のラスタライン)が、4パス目の印刷(ステップS9)により図3に示されたラスタラインL4(パス4のラスタライン)が、それぞれ形成される。また、フラッシング動作(第二フラッシング動作、ステップS11)も実行される。
また、二度目の処理により、5パス目の印刷(ステップS12)により図3に示されたラスタラインL5(パス5のラスタライン)が、6パス目の印刷(ステップS14)により図3に示されたラスタラインL6(パス6のラスタライン)が、それぞれ形成される。また、フラッシング動作(第三フラッシング動作、ステップS16)も実行される。
次に、コントローラー60は、最後の2つのパスの印刷を実行する。すなわち、コントローラー60は、ヘッド31を往方向へ移動させながら、ヘッド31にインクを吐出させて、7パス目の印刷を実行する(ステップS17)。そして、このことにより、図3に示されたラスタラインL7(パス7のラスタライン)が形成される。ヘッド31が第一折り返し位置へ至ると、コントローラー60は、ヘッド31を列方向へ移動させる(ステップS18)。本実施形態においては、前記距離dだけヘッド31を移動させる。その後、コントローラー60は、ヘッド31を復方向へ移動させながら、ヘッド31にインクを吐出させて、8パス目の印刷を実行する(ステップS19)。そして、このことにより、図3に示されたラスタラインL8(パス8のラスタライン)が形成される。
ヘッド31がフラッシング位置へ至ると(このときに、フラッシング動作は実行されない)、コントローラー60は、ヘッド31の列方向における位置を元に戻す(ステップS20)。すなわち、ステップS3、S5、S8、S10、S13、S15、S18でヘッド31が移動した方向とは逆方向に、距離7dだけヘッド31を移動させる。
そして、コントローラー60は、ヘッド31をフラッシング位置からHP位置へ移動させることにより(ステップS21)、1ページ分の印刷処理を終了させる。
===ホストコンピューター側の構成について===
図5は、ホストコンピューター110側の構成を示した説明図である。ホストコンピューター110は、表示装置120及び入力装置130を備えている。また、ホストコンピューター110は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1に画像を印刷させるため、当該画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。表示装置120は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラムやプリンタードライバー等のユーザーインターフェースを表示する。入力装置130は、例えばキーボードやマウスであり、表示装置120に表示されたユーザーインターフェースに沿って、アプリケーションプログラムの操作やプリンタードライバーの設定等に用いられる。なお、本実施形態において、入力装置130は、指示部及び選択部に相当する。
ホストコンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、表示装置120にユーザーインターフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。又は、このプリンタードライバーは、インターネットを介してコンピュータ1100にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
なお、「印刷装置(液体吐出装置)」とは、狭義にはプリンター1を意味するが、広義にはプリンター1とホストコンピューター110とのシステムを意味する。また、本実施形態ではプリンター1とホストコンピューター110が別体であるが、これらの各部位が一体に構成されていてもよい。
===プリンタードライバーについて===
次に、プリンタードラバーが行う基本的な処理について説明する。
ホストコンピューター110では、搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバーやアプリケーションプログラムやプリンタードライバーなどのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバーは、アプリケーションプログラムやプリンタードライバーからの表示命令に従って、例えばユーザーインターフェース等を表示装置120に表示する機能を有する。アプリケーションプログラムは、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザーは、アプリケーションプログラムのユーザーインターフェースを介して、アプリケーションプログラムにより編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラムは、印刷の指示を受けると、プリンタードライバーに画像データを出力する。
プリンタードライバーは、アプリケーションプログラムから画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換し、印刷データをプリンター1に出力する。画像データは、印刷される画像の画素に関するデータとして画素データを有している。そして、この画素データは、後述する各処理の段階に応じて、その階調値等が変換され、最終的に前記印刷データの段階では、用紙上に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)に変換されている。なお、画素とは、インクを着弾させドットを形成する位置を規定するために、用紙上に仮想的に定められた方眼状の升目である。
印刷データは、プリンター1が解釈できる形式のデータであって、前記画素データと、各種のコマンドデータとを有するデータである。コマンドデータとは、プリンター1に特定の動作の実行を指示するためのデータであり、例えば搬送量を示すデータである。
プリンタードライバーは、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理などを行う。以下に、プリンタードライバーが行う各種の処理について説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙に画像を印刷する際の解像度(印刷するときのドットの間隔であり、以下では印刷解像度と言う)に変換する処理である。例えば、印刷解像度が720×720dpiに指定されている場合には、アプリケーションプログラム1104から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。その変換方法としては、例えば、画像データの解像度が、指定された印刷解像度よりも低い場合には、線形補間等を行って隣接する画素データ間に新たな画素データを生成し、逆に印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合で画素データを間引く等して、画像データの解像度を前記印刷解像度に揃える。なお、この画像データ中の各画素データは、RGB色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を有するデータである。以下、このRGBの階調値を有する画素データのことをRGB画素データと言い、また、これらRGB画素データから構成される画像データをRGB画像データと言う。
色変換処理は、前記RGB画像データの各RGB画素データを、CMYK色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を有するデータに変換する処理である。このCMYKは、プリンター1が有するインクの色である。以下、このCMYKの階調値を有する画素データのことをCMYK画素データと言い、これらCMYK画素データから構成される画像データのことをCMYK画像データと言う。この色変換処理は、RGBの階調値とCMYKの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタードライバーが参照することによって行われる。
ハーフトーン処理は、多段階の階調値を有するCMYK画素データを、プリンター1が表現可能な、少段階の階調値を有するCMYK画素データに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256段階の階調値を示すCMYK画素データが、4段階の階調値を示す2ビットのCMYK画素データに変換される。この2ビットのCMYK画素データは、各色について、例えば、「ドットの形成なし」、「小ドットの形成」、「中ドットの形成」、「大ドットの形成」を示すデータである。このようなハーフトーン処理には、例えばディザ法等が利用され、プリンター1がドットを分散して形成できるような2ビットのCMKY画素データを作成する。なお、このハーフトーン処理に用いる方法は、ディザ法に限るものではなく、γ補正法や誤差拡散法等を利用しても良い。
ラスタライズ処理は、ハーフトーン処理がなされたCMYK画像データを、プリンター1に転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データとしてプリンター1に出力される。
===濃度むらの抑制について===
次に、上記のプリンター1を用いて印刷する画像に生じる濃度むらと、当該濃度むらを抑制する方法について説明する。
以下の説明のため、「画素領域」と「ラスタライン領域」を設定する。画素領域とは、媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる。そして、1つの画素領域には、画像データを構成する1つの「画素」が対応する。また、「ラスタライン領域」とは、搬送方向に並ぶ複数の画素領域によって構成される媒体上の領域とする。1つのラスタライン領域には、データ上において搬送方向と対向する方向に画素が並んだ「画素列」が対応する。
<濃度むらについて>
先ず、濃度むらについて図面を参照しながら説明する。図6Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。理想的にドットが形成されるとは、画素領域の中心位置にインク滴が着弾し、そのインク滴が媒体上に広がって、画素領域にドットが形成されることである。各ドットが各画素領域に正確に形成されると、ラスタライン(搬送方向にドットが並んだドット列)がラスタライン領域に正確に形成される。
図6Bは、濃度むらが発生したときの説明図である。2番目のラスタライン領域に形成されたラスタラインは、ノズルから吐出されたインク滴の飛行方向のばらつきにより、3番目のラスタライン領域側に寄って形成されている。その結果、2番目のラスタライン領域は淡くなり、3列目のラスタライン領域は濃くなる。また、5番目のラスタライン領域に吐出されたインク滴のインク量は規定のインク量よりも少なく、5番目のラスタライン領域に形成されるドットが小さくなっている。その結果、5列目のラスタライン領域は淡くなる。
このように濃淡の違うラスタラインからなる印刷画像を巨視的に見ると、搬送方向に沿う縞状の濃度むらが視認される。この濃度むらは、印刷画像の画質を低下させる原因となる。
<濃度むらの抑制方法について>
以上のような濃度むらを抑制するための方策としては、画素データの階調値(指令階調値)を補正することが考えられる。つまり、濃く(淡く)視認され易いラスタライン領域に対しては、淡く(濃く)形成されるように、そのラスタライン領域を構成する単位領域に対応する画素データの階調値を補正すればよい。このため、ラスタライン毎に画素データの階調値を補正する濃度補正値Hを算出することになる。この濃度補正値Hは、プリンター1の濃度むら特性を反映した値である。
ラスタライン毎の濃度補正値Hが算出されていれば、前述したハーフトーン処理の実行に際してプリンタードライバーによって、その濃度補正値Hに基づいてラスタライン毎に画素データの階調値を補正する処理が行われる。この補正処理により補正された階調値で各ラスタラインが形成されると、当該ラスタラインの濃度が補正される結果、図6Cに示すように、印刷画像における濃度むらの発生が抑制されることになる。図6Cは、濃度むらの発生が抑制された様子を示す図である。
例えば、図6C中では、淡く視認される2番目と5番目のラスタライン領域のドット生成率が高くなり、濃く視認される3番目のラスタライン領域のドット生成率が低くなるように、各ラスタライン領域に対応する画素の画素データの階調値が補正される。このように、各ラスタライン領域のラスタラインのドット生成率が変更され、ラスタライン領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度むらが抑制される。
<濃度補正値Hの算出について>
図7は、補正値取得処理の流れを示す図である。なお、本実施形態のように多色印刷が可能なプリンター1を対象とする場合、各インク色についての補正値取得処理は同様の手順により実施される。以下の説明では、一のインク色(例えば、イエロー)についての補正値取得処理について説明する。
先ず、ホストコンピューター110が補正用パターンの印刷データをプリンター1に送信し、プリンター1が補正用パターンCPを媒体に形成する(S021)。この補正用パターンCPは、図8に示すように、5種類の濃度のサブパターンCSPで形成される。なお、図8は補正用パターンCPの一例の説明図である。
各サブパターンCSPは、帯状パターンであり、搬送方向に沿うラスタラインが列方向に複数並ぶことにより構成される。また、各サブパターンCSPは、それぞれ一定の階調値(指令階調値)の画像データから生成されたものであり、図8に示すように、左のサブパターンCSPから順に濃度が濃くなっている。この各サブパターンCSPに対する指令階調値を左から順にSa、Sb、Sc、Sd、Se(Sa<Sb<Sc<Sd<Se)と表記する。そして、例えば、指令階調値Saにて形成されたサブパターンCSPを、図8に示すように、CSP(1)と表記する。同様に、指令階調値Sb、Sc、Sd、Seにて形成されたサブパターンCSPを、それぞれCSP(2)、CSP(3)、CSP(4)、CSP(5)と表記する。
次に、ホストコンピューター110は、スキャナー(不図示)に補正用パターンCPを読み取らせ、その結果を取得する(S022)。スキャナーは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)に対応する3つのセンサーを有しており、補正用パターンCPに光を照射し、その反射光を各センサーによって検出する。
次に、ホストコンピューター110は、スキャナーによって取得された読取階調値に基づいて、各サブパターンCSPのラスタラインの濃度を算出する(S023)。以下、読取階調値に基づいて算出された濃度のことを算出濃度ともいう。
図9は、指令階調値がSa、Sb、ScのサブパターンCSPについてラスタライン毎の算出濃度を示すグラフである。図9の横軸は、ラスタラインの位置を示し、縦軸は、算出濃度の大きさを示している。図9に示すように、各サブパターンCSPは、それぞれ同一の指令階調値で形成されたにも関わらずラスタラインに濃淡が生じている。このラスタラインの濃淡差が、印刷画像の濃度むらの原因である。
次に、ホストコンピューター110は、各ラスタラインの濃度補正値Hを算出する(S024)。なお、濃度補正値Hは、指令階調毎に算出される。以下、指令階調Sa、Sb、Sc、Sd、Seについて算出された濃度補正値HのことをそれぞれHa、Hb、Hc、Hd、Heとする。濃度補正値Hの算出手順を説明するために、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)のラスタラインの算出濃度が一定になるように指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順を例に挙げて説明する。当該手順では、例えば、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)における全ラスタラインの算出濃度の平均値Dbtを、指令階調値Sbの目標濃度として定める。図9において、この目標濃度Dbtよりも算出濃度が淡い第iラスタラインでは、指令階調値Sbを濃くする方へ補正すれば良い。一方、目標濃度Dbtよりも算出濃度が濃い第jラスタラインでは、指令階調値Sbを淡くする方へ補正すれば良い。
図10Aは第iラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。また図10Bは、第jラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbを算出する手順についての説明図である。図10A及び図10Bの横軸は指令階調値の大きさを示し、縦軸は算出濃度を示している。
第iラスタラインの指令階調値Sbに対する濃度補正値Hbは、図10Aに示す指令階調値SbのサブパターンCSP(2)における第iラスタラインの算出濃度Db、及び、指令階調値ScのサブパターンCSP(3)における第iラスタラインの算出濃度Dc、に基づいて算出される。より具体的には、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)では、第iラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtよりも小さくなっている。換言すると、第iラスタラインの濃度は平均濃度よりも淡くなっている。仮に、第iラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtと等しくなるように該第iラスタラインを形成したいのであれば、該第iラスタラインに対応する画素データの階調値、すなわち、指令階調値Sbを、図10Aに示すように、第iラスタラインにおける指令階調値及び算出濃度の対応関係(Sb,Db)、(Sc,Dc)から直線近似を用いて、下記式(1)により算出される目標指令階調値Sbtまで補正すればよい。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Dbt−Db)/(Dc−Db)}・・(1)
そして、指令階調値Sbと目標指令階調値Sbtから、下記式(2)により、第iラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hが求められる。
Hb=ΔS/Sb=(Sbt−Sb)/Sb・・(2)
一方、第jラスタラインの指令階調値Sbに対する濃度補正値Hbは、図14Bに示す指令階調値SbのサブパターンCSP(2)における第jラスタラインの算出濃度Db、及び、指令階調値SaのサブパターンCSP(1)における第jラスタラインの算出濃度Da、に基づいて算出される。具体的には、指令階調値SbのサブパターンCSP(2)では、第jラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtよりも大きくなっている。仮に、第jラスタラインの算出濃度Dbが目標濃度Dbtと等しくなるように該第jラスタラインを形成したいのであれば、該第jラスタラインの指令階調値Sbを、図10Bに示すように、第jラスタラインにおける指令階調値及び算出濃度の対応関係(Sa,Da)、(Sb,Db)から直線近似を用いて、下記式(3)により算出される目標指令階調値Sbtまで補正すればよい。
Sbt=Sb+(Sb−Sa)×{(Dbt−Db)/(Db−Da)}・・(3)
そして、上記式(2)により、第jラスタラインについて指令階調値Sbを補正するための濃度補正値Hbが求められる。
以上のようにして、ホストコンピューター110は、ラスタライン毎に、指令階調値Sbに対する濃度補正値Hbを算出する。同様に、指令階調値Sa、Sc、Sd、Seに対する濃度補正値Ha、Hc、Hd、Heを、それぞれラスタライン毎に算出する。また、他のインク色についても、ラスタライン毎に、指令階調値Sa〜Seの各々に対する濃度補正値Ha〜Heを算出する。
その後、ホストコンピューター110は、濃度補正値Hのデータをプリンター1に送信し、プリンター1のメモリー63に記憶させる(S025)。この結果、プリンター1のメモリー63には、ラスタライン毎に5つの指令階調値Sa〜Seの各々に対する濃度補正値Ha〜Heをまとめた補正テーブル(以下、BRS補正テーブルともいう)が作成される。
図11は、メモリー63に記憶されたBRS補正テーブルを示す図である。前述した補正値取得処理をインク色毎に行うことによって、図11に示すように、BRS補正テーブルはインク色別に作成される。この結果、各インク色分のBRS補正テーブルが形成される。このBRS補正テーブルは、プリンター1を用いて画像を印刷する際に、当該画像の画像データを構成する各ラスタラインの階調値を補正するためにプリンタードライバーによって参照される。
そして、印刷を実行する際には、濃度補正値Hによって補正された濃度の画像が印刷されることになる。
例えば、ホストコンピューター110のプリンタードライバーは、各画素データの階調値(以下、補正前の階調値をSinとする)を、その画素データが対応するラスタラインの濃度補正値Hに基づいて補正する(以下、補正後の階調値をSoutとする)。
具体的には、あるラスタラインの階調値Sinが指令階調値Sa、Sb、Sc、Sd、Seの何れかと同じであれば、ホストコンピューター110のメモリーに記憶されている濃度補正値Hをそのまま用いることができる。例えば画素データの階調値Sin=Sbであれば、補正後の階調値Soutは次式によって求められる。
Sout=Sb×(1+Hb) ・・・(4)
一方、画素データの階調値が指令階調値Sa、Sb、Sc、Sd、Seと異なる場合、その周囲の指令階調値の濃度補正値を用いた補間に基づいて補正値を算出する。例えば指令階調値Sinが指令階調値Sbと指令階調値Scとの間の場合、指令階調値Sbの濃度補正値Hb、及び指令階調値Scの濃度補正値Hcを用いた線形補間により求めた補正値をH´とすると、指令階調値Sinの補正後の階調値Soutは次式によって求められる。
Sout=Sin×(1+H´) ・・・(4)´
こうして、ラスタラインごとに濃度補正処理が行なわれる。
このように、ラスタライン毎に濃度の補正を行うことによって濃度むらを低減することができる。
しかしながら、印刷対象の画像(以下、印刷対象画像ともいう)や、印刷条件(使用するインクなど)によっては、濃度むらを完全には抑制することができず、特定の場所で、筋状の濃度むらが発生してしまう場合がある。そこで、以下の実施形態では、濃度むらの更なる低減を図っている。以下、このように濃度むらを補正する処理のことを濃度むら調整処理とよぶ。
===濃度むら調整処理について===
図12は、本実施形態における濃度むら調整処理の流れを示す図である。
まず、ホストコンピューター110は、プリンター1に印刷対象となる画像(以下、印刷対象画像ともいう)の印刷データを送信する。プリンター1は、受信した印刷データに基づいて、前述したようにヘッド31を駆動させるとともにヘッド31の各ノズルからインクを吐出させる。こうして、ロール紙2の印刷領域Rに印刷対象画像を印刷する(S100)。
図13は、ロール紙2の印刷領域Rに印刷された画像を示す図である。本実施形態では図に示すように、画像の一部(図の灰色の部分)において、搬送方向に沿った濃度むらが生じている。なお、本実施形態では説明の簡略化のため、この濃度むらの箇所は単色で形成されている(すなわち、1つのノズル列で形成されている)こととする。
次に、ホストコンピューター110は、ディスプレイ等の表示部120に濃度むらの含まれる領域(以下、濃度むら領域ともいう)を指定するための画面を表示し、ユーザーに濃度むら領域を指定させる(図12、S101)。
図14は、濃度むら領域の指定画面の一例を示す図である。表示部120の画面には、印刷対象画像が表示されている。ユーザーは、この印刷対象画像と、実際にロール紙2に印刷された画像(図13)を比べて、濃度むらの箇所、及び、その箇所を含む領域(以下、濃度むら領域ともいう)を、例えばマウスなどの入力装置130によって表示部120の画面上で指定する。
本実施形態では、図に示すように、入力装置130による操作で、濃度むら領域の指定と濃度むらの箇所の指定を切り替えることができるようになっている。なお、同図では、濃度むらの箇所として指定された部分が斜線で示されている。また、濃度むら領域が斜線部分を囲む四角の範囲で示されている。濃度むら領域を指定する際に、濃度むら領域の指定範囲が小さすぎると、補正チャート(後述する)を形成したときに、濃度むらの有無がわかり難くなる。逆に、濃度むら領域の指定範囲が大きすぎると、印刷領域Rに形成できる補正チャートの数が少なくなってしまう。よって適切な範囲を指定することが望ましい。なお、本実施形態では、濃度むら領域をユーザーが指定するようにしているが、これには限られない。例えば、濃度むらの箇所を指定すると、その指定箇所を含む所定の領域(濃度むらの指定箇所の上下10ラスタライン分など)が自動的に濃度むら領域に設定されるようになっていてもよい。
ホストコンピューター110は、ユーザーによって指定された情報(濃度むらの箇所、領域)に基づいて、濃度むら領域の補正データを作成する(図12、S102)。
図15は、補正データの説明図である。図に示すように補正データDAはユーザーで指定された領域に対応する画像データである。ここでは説明の簡略化のため、濃度むら領域が5つのラスタライン(La〜Le)で構成されており、そのうちの1つのラスタライン(Lc:以下補正ラスタラインともいう)の濃度を調整する補正データDAを作成することとする。なお、前述したように、各ラスタラインはそれぞれヘッド31のノズル列のノズルと対応付けられている。そして、本実施形態では、補正ラスタラインであるラスタラインLcと対応付けられたノズル(すなわち、印刷対象画像の印刷時にラスタラインLcを形成したノズル)が、ラスタラインLcを形成するときのインクの吐出条件を変更する。
もし仮に、印刷対象画像を印刷したときに濃度むらが検出されたラスタラインLcと対応するノズル以外のノズルを使用して補正データDAを生成すると、実際に印刷対象画像を印刷する場合に、濃度むらの補正の効果が反映されなくなってしまう。これに対し、本実施形態では、印刷対象画像を形成したときに濃度むらが検出されたラスタラインLcと対応するノズルを必ず使用するようにして補正データDAを生成している。これにより、ノズルの吐出特性に応じた補正を行うことができ、濃度むらを確実に抑制できる。また、前述したように、濃度むらは、上下のラスタラインの影響も受ける。よって、本実施形態では、この領域のラスタラインは、全て印刷対象画像を印刷するときに使用されるノズルを使用するようにしている。
ホストコンピューター110は、濃度むら領域の5つのラスタライン(La〜Le)とそれぞれ対応付けられたノズルを用いて、且つ、補正ラスタラインLcのみ階調値を変えた補正データDAを複数作成する。補正ラスタラインLcの階調値は、例えば、全階調値(256階調)を補正データの数で等分した値がそれぞれ設定される。例えば8個のパターンを形成する場合は、34(=256/8)階調毎の補正データが作成される。
そして、ホストコンピューター110は、作成した補正データDAをロール紙2の印刷領域Rに並べて配置した印刷データをプリンター1に送信する。そして、プリンター1は、ホストコンピューター110から受信した印刷データに基づいて、ロール紙2の印刷領域Rに補正画像を複数配置した補正チャートの印刷を行う(図12、S103)。
図16は、ロール紙2に印刷される補正チャートの一例を示す図である。本実施形態のプリンター1では、搬送方向に関しては、ヘッド31の同じノズルを用いてパターン(補正画像)を複数形成できる。ただし、印刷領域Rにおいて搬送方向に印刷できるパターン数は限られている(本実施形態では3つ)。よって、搬送方向の同じ位置にパターンを印刷できなくなると、ヘッド31を列方向(例えば図の下側に)移動させて、再度、同じノズルを用いて続きのパターンの印刷を行う。本実施形態では補正ラスタラインLcの階調値が異なる6つの補正画像が印刷領域Rに印刷されている。
なお、ヘッド31が列方向に移動できる距離も限られている(例えば10cm程度)。よって、列方向に並べて形成できる補正画像の数も限られる。よって、印刷領域R(1頁)に補正画像を形成できなくなった場合、ロール紙2を間欠的に搬送方向に搬送し、次の印刷領域R(次の頁)に、続きのパターンを印刷するようにしてもよい。こうすることにより、濃度むら領域の大きさにかかわらず、多くの補正画像を印刷できる。
次に、ホストコンピューター110は、表示部120に補正チャートのパターンの選択画面を表示して、ユーザーに補正チャートの中から最適なパターンを選択させる(図12、S104)。
図17は、選択画面の一例の説明図である。ロール紙2に印刷された補正チャートの中から最も濃度むらの小さいパターンを、ユーザーが入力装置130によって画面上で選択できるようになっている。例えば、図ではパターンDが選択されている。
ホストコンピューター110は、パターンが選択されると、印刷画像の印刷データのうちの濃度むら領域のデータを、選択された補正画像のデータに変更する(図12、S105)。そして、印刷対象画像をロール紙2に印刷する際には、ホストコンピューター110は、濃度むら領域の部分のデータを置き換えた印刷データに基づいて、プリンター1に印刷を行わせる
以上、説明したように、本実施形態のプリンター1は列方向にノズルが並んだノズル列を搬送方向に移動させつつ各ノズルから媒体に液体を吐出させるパスと、パスの合間にノズル列を列方向に移動させる移動動作とを実行することによって、画像を形成している。このロール紙2の印刷領域Rに形成された画像のうち、濃度むらの有る領域を、ユーザーの操作によって入力装置130が指定する。ホストコンピューター110は、この指定された領域の各ラスタラインと対応付けられたノズルを用いて、且つ、補正ラスタラインLcの階調値を変えた補正データDAを複数作成し、この補正データDAに基づく複数の補正画像(補正チャート)をプリンター1で印刷する。そして、印刷した補正チャートの中から最も適した(すなわち、濃度むらの小さい)補正画像を、ユーザーの操作によって入力装置130が選択する。
こうすることにより、実際にロール紙2に画像を印刷したときの濃度むらについて、より正確な補正を行うことができるので、濃度むらをより確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、複数の補正画像を列方向と交差する搬送方向に並べて形成している。これにより、複数の補正画像を同一のパスで形成できる。
また、本実施形態では、搬送方向に補正画像を形成できなくなるとヘッド31の列方向の位置を変えて、搬送方向に補正画像を並べるときの列方向の位置を変えている(すなわわち、列方向にも画像を並べている)。こうすることにより、同一の印刷領域に補正画像をより多く形成することができる。
なお、本実施形態では、1つの印刷領域R(1頁)に補正画像を形成しているが、複数の印刷領域(複数頁)に亘って複数の補正画像を形成するようにしてもよい。こうすることにより、濃度むら領域の大きさにかかわらずに、多くの補正画像を形成することができる。
<第1実施形態の変形例>
前述した実施形態では、濃度むらの箇所及び領域をユーザーが入力装置130を介して指定していたが、この変形例では、ホストコンピューター110が濃度むらの箇所及び領域の指定や、補正チャートのパターンの選択を行う。すなわち、この変形例では、ホストコンピューター110が指定部及び選択部に相当する。
第1実施形態の変形例では、印刷領域Rよりも搬送方向の下流側の搬送経路上に、ロール紙2に印刷された画像を読み取る不図示のスキャナー(読取部に相当する)を備えている。スキャナーは、ロール紙2の印刷領域Rに印刷された画像を読み取り、その読み取りデータをホストコンピューター110に送信する。ホストコンピューター110は、スキャナーの読み取りデータから濃度むらの有無を判定する。例えば、画像の平均濃度とラスタラインの濃度との色差ΔEをラスタライン毎に算出する。色差ΔEが閾値を超える場合(すなわち濃度むらが有る場合)は、前述の実施形態と同様に(例えばその上下10ラスタライン分の)濃度むら領域を指定し、その補正データDAを生成する。なお、補正データDAの生成及び補正チャートの印刷については前述の実施形態と同様であるので説明を省略する。
また、ホストコンピューター110は、補正チャートのスキャナーによる読み取りデータを受信し、そのデータに基づき、補正チャートの中で濃度のばらつきが最も小さいパターンを選択する。こうすることで、濃度むら領域の指定や、補正チャートの最適なパターンの選択を簡易に行うことができる。
===第2実施形態===
第2実施形態では、印刷対象の画像と、実際にロール紙2に印刷された画像を同時に表示することで、濃度むらの箇所を指定しやすくしている。
なお、プリンター1の構成、及び、ホストコンピューター110の構成やドット形成の動作は第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
第2実施形態では、印刷領域Rよりも搬送方向の下流側に、第1実施形態の変形例と同様のスキャナー(不図示)が設けられており、ロール紙2に印刷された画像を自動的に読み取ることが出来るようになっている。スキャナーは、ロール紙2の印刷された後の印刷領域Rの画像を読み取り、その読み取りデータをホストコンピューター110に送信する。ホストコンピューター110は、印刷対象画像と、スキャナーで読み取られた画像を表示装置120に並べて表示させる。
図18は、第2実施形態における表示装置120の表示画面の一例を示す図である。
図のように、表示部120の画面には、印刷対象画像と、ロール紙2に印刷された画像をスキャナーで読み取った画像とが表示されている。図18の左側の図は、印刷対象の画像(印刷対象画像)であり、図18の右側の図は、ロール紙2に印刷された画像のスキャナーによる読み取り結果(スキャン画像)である。図のように、実際に印刷された画像(スキャン画像)には濃度むらが発生している。
ユーザーは、表示装置120の画面上で印刷対象画像とスキャン画像を比較できるので、濃度むらの有る箇所や濃度むらの領域を簡易に指定することができる。
このように第2実施形態では、印刷対象画像とスキャン画像を表示装置120に並べて表示している。これにより、濃度むら領域の指定を容易に行うことができる。
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、主として液体吐出装置について記載されているが、液体吐出方法等の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<液体吐出装置について>
前述の実施形態では、液体吐出装置の一例としてインクジェットプリンターが説明されている。但し、液体吐出装置はインクジェットプリンターに限られるものではなく、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を吐出したりする液体吐出装置に具現化することもできる。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンターの実施形態だったので、インクをノズルから吐出しているが、このインクは水性でも良いし、油性でも良い。また、ノズルから吐出する液体は、インクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。
<吐出方式について>
前述の実施形態では、圧電素子(ピエゾ素子)を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<入力装置について>
前述の実施形態では、入力装置130としてマウスを用いていたがこれには限られない。例えば、キーボードであってもよいし、タッチパネルであってもよい。また、濃度むら領域の指定と、補正画像の選択をそれぞれ別の装置を用いて行うようにしてもよい。
1 プリンター、2 ロール紙、10 給送ユニット、18 巻軸、19 中継ローラー、20 搬送ユニット、21 中継ローラー、22 中継ローラー、23 第一搬送ローラー、23a 第一駆動ローラー、23b 第一従動ローラー、24 第二搬送ローラー、24a 第二駆動ローラー、24b 第二従動ローラー、25 反転ローラー、26 中継ローラー、27 送り出しローラー、29 プラテン、30 ヘッドユニット、31 ヘッド、34 バルブユニット、40 キャリッジユニット、41 ガイドレール、42 キャリッジ、50 検出器群、60 コントローラー、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリー、64 ユニット制御回路、70 ヒーターユニット、80 送風ユニット、81 ファン、90 巻き取りユニット、91 中継ローラー、92 巻き取り駆動軸、110 ホストコンピューター、120 表示装置、130 入力装置

Claims (6)

  1. 列方向にノズルが並んだノズル列を前記列方向と交差する交差方向に移動させつつ各ノズルから媒体に液体を吐出させる吐出動作と、前記吐出動作の合間に前記ノズル列を前記列方向に移動させる移動動作とを実行することによって、前記交差方向にドットが並んだドット列を前記列方向に複数形成するドット形成部と、
    媒体に形成された複数のドット列のうち、濃度むらの有る箇所を指定する指定部と、
    前記指定部に指定された前記箇所を含む複数のドット列の所定の領域を濃度むら領域に設定する設定部と、
    前記指定部で指定された前記濃度むら領域の補正データであって、前記濃度むら領域の各ドット列とそれぞれ対応付けられたノズルを使用し、且つ、前記濃度むら領域の濃度むら部分の階調値を変更した補正データを複数作成する補正データ作成部と、
    各補正データに基づいて、前記ドット形成部がそれぞれ媒体の前記交差方向に並べて形成した複数の補正画像の中から濃度むらの小さいものを選択する選択部と、
    を有することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記ドット形成部は、前記複数の補正画像を前記交差方向に並べて形成できなくなった場合、前記ノズル列を前記列方向に移動させることにより、前記複数の補正画像を前記交差方向に並べるときの前記列方向の位置を変える
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液体吐出装置であって、
    前記ドット形成部は、前記複数の補正画像を1頁に形成できない場合、複数頁に亘って形成する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の液体吐出装置であって、
    前記ドット形成部によって媒体に形成された画像を読み取る読取部を有し、
    前記指定部は、前記読取部の読み取り結果に基づいて、前記濃度むら領域を指定する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    印刷対象の画像と、媒体に印刷された画像の前記読取部の読み取り結果を並べて表示する表示部をさらに有する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の液体吐出装置であって、
    前記ドット形成部によって媒体に形成された画像を読み取る読取部を有し、
    前記選択部は、前記読取部の読み取り結果に基づいて、前記複数の補正画像の中から濃度むらの小さいものを選択する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
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