JP5774997B2 - 低dmsレベルの大麦由来飲料およびモルト由来飲料 - Google Patents
低dmsレベルの大麦由来飲料およびモルト由来飲料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5774997B2 JP5774997B2 JP2011538836A JP2011538836A JP5774997B2 JP 5774997 B2 JP5774997 B2 JP 5774997B2 JP 2011538836 A JP2011538836 A JP 2011538836A JP 2011538836 A JP2011538836 A JP 2011538836A JP 5774997 B2 JP5774997 B2 JP 5774997B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- barley
- mmt
- plant
- beverage
- malt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/10—Transferases (2.)
- C12N9/1003—Transferases (2.) transferring one-carbon groups (2.1)
- C12N9/1007—Methyltransferases (general) (2.1.1.)
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12C—BEER; PREPARATION OF BEER BY FERMENTATION; PREPARATION OF MALT FOR MAKING BEER; PREPARATION OF HOPS FOR MAKING BEER
- C12C1/00—Preparation of malt
- C12C1/18—Preparation of malt extract or of special kinds of malt, e.g. caramel, black malt
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12C—BEER; PREPARATION OF BEER BY FERMENTATION; PREPARATION OF MALT FOR MAKING BEER; PREPARATION OF HOPS FOR MAKING BEER
- C12C12/00—Processes specially adapted for making special kinds of beer
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/79—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
- C12N15/82—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
- C12N15/8241—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
- C12N15/8242—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits
- C12N15/8243—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits involving biosynthetic or metabolic pathways, i.e. metabolic engineering, e.g. nicotine, caffeine
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12C—BEER; PREPARATION OF BEER BY FERMENTATION; PREPARATION OF MALT FOR MAKING BEER; PREPARATION OF HOPS FOR MAKING BEER
- C12C2200/00—Special features
- C12C2200/01—Use of specific genetic variants of barley or other sources of fermentable carbohydrates for beer brewing
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Y—ENZYMES
- C12Y201/00—Transferases transferring one-carbon groups (2.1)
- C12Y201/01—Methyltransferases (2.1.1)
- C12Y201/01012—Methionine S-methyltransferase (2.1.1.12)
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Nutrition Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Cereal-Derived Products (AREA)
- Noodles (AREA)
- Alcoholic Beverages (AREA)
Description
(i)DMS特異的な風味が低レベルであるビールと;
(ii)エステル風味のプロファイルが改善されたビールと;
(iii)ビール生産に投入されるエネルギーの削減と;
(iv)ウォート生成におけるエネルギー消費の削減と
の問題に関する。
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
オオムギ植物体またはその一部から調製される飲料であって、前記飲料が30ppb未満のレベルの硫化ジメチル(DMS)を含有し、前記オオムギ植物体またはその一部が、メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)をコードする遺伝子において、機能的MMTの完全な喪失を引き起こす変異を保有する、飲料。
(項目2)
モルト飲料である、項目1に記載の飲料。
(項目3)
発酵モルト飲料である、項目1および2のいずれか一項に記載の飲料。
(項目4)
ビールである、項目1から3のいずれか一項に記載の飲料。
(項目5)
前記飲料が、25ppb未満、より好ましくは20ppb未満、なおより好ましくは15ppb未満、さらにより好ましくは10ppb未満、なおより好ましくは5ppb未満のDMSを含有し、例えば、検出可能なDMSを含有しない、項目1から4のいずれか一項に記載の飲料。
(項目6)
前記飲料が、20ppb未満のDMSを含有する、項目1から5のいずれか一項に記載の飲料。
(項目7)
前記飲料が、50ppb未満、好ましくは40ppb未満、より好ましくは30ppb未満、なおより好ましくは20ppb未満、さらにより好ましくは10ppb未満、なおより好ましくは5ppb未満のS−メチル−1−メチオニン(SMM)を含有し、なおより好ましくは検出可能なSMMを含有しない、項目1から6のいずれか一項に記載の飲料。
(項目8)
前記飲料が、30ppb未満、好ましくは25ppb未満、より好ましくは20ppb未満、なおより好ましくは15ppb未満、さらにより好ましくは10ppb未満、なおより好ましくは5ppb未満のDMSを含有し、なおより好ましくは検出可能なDMSを含有せず、および、50ppb未満、好ましくは40ppb未満、より好ましくは30ppb未満、なおより好ましくは20ppb未満、さらにより好ましくは10ppb未満、なおより好ましくは5ppb未満のSMMを含有し、なおより好ましくは検出可能なSMMを含有しない、項目1から7のいずれか一項に記載の飲料。
(項目9)
前記飲料が、20ppb未満のDMSおよび20ppb未満のSMMを含有し、好ましくは、5ppb未満のDMSおよび5ppb未満のSMMを含有する、項目1から8のいずれか一項に記載の飲料。
(項目10)
野生型のオオムギから、好ましくは栽培品種Powerから同じ方法で調製した飲料との比較において、いずれの飲料のエステルプロファイルも同様となるように調整した場合、熟練の試飲パネルが評価する新鮮さおよび/またはエステル風味についてより高いスコアを示す、項目1から9のいずれか一項に記載の飲料。
(項目11)
野生型のオオムギから、好ましくは栽培品種Powerから同じ方法で調製した飲料との比較において、熟練の試飲パネルが評価するエステル風味についてより高いスコアを示す、項目1から10のいずれか一項に記載の飲料。
(項目12)
メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)機能の完全な喪失を引き起こす、MMTをコードする遺伝子における変異を保有する、オオムギ植物体またはその一部。
(項目13)
前記変異が、前記MMTをコードする遺伝子のスプライス部位内にある、項目12に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目14)
前記MMTをコードする遺伝子における前記変異が、イントロンのスプライス部位内にある、項目12から13のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目15)
前記MMTをコードする遺伝子における前記変異が、イントロンの5’末端塩基のG→A変異など、イントロンの5’側スプライス部位における変異である、項目12から14のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目16)
前記MMTをコードする遺伝子における前記変異が、イントロン2および5からなる群から選択されるイントロンの5’側スプライス部位における変異である、項目12から15のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目17)
前記MMTをコードする遺伝子における前記変異が、配列番号3の塩基番号3076のG→A変異である、項目12から16のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目18)
前記MMTをコードする遺伝子における前記変異が、配列番号16の塩基番号1462のG→A変異である、項目12から16のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目19)
前記変異の結果として、野生型MMTのN末端断片と、場合によって、野生型MMTには見出されないさらなるC末端配列とを含むMMTの切断形態をコードする遺伝子をもたらし、前記N末端断片が、配列番号6の最大で500、より好ましくは最大で450、なおより好ましくは最大で400、さらにより好ましくは最大で350、なおより好ましくは最大で320、さらにより好ましくは最大で311、または最大で288のN末端アミノ酸残基を含む、項目12から18のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目20)
前記変異が、前記MMTをコードする遺伝子内に未熟終止コドン、好ましくは、項目19に記載のMMTの切断形態のうちのいずれかをコードする遺伝子を結果としてもたらす終止コドンを導入する、項目12から19のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目21)
「オオムギ(Hordeum vulgare):8063系統」と称し、PTA−9543の表記で2008年10月13日にATCCへと寄託された植物体と、それらの子孫植物体とからなる群から選択される、項目12から17のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目22)
前記オオムギ植物体の前記一部が、穀粒(複数可)である、項目12から21のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目23)
(i)オオムギ植物体、および/またはオオムギ穀粒、および/またはオオムギ胚芽、および/またはオオムギ細胞、および/またはオオムギ組織を変異誘発し、これにより、M0世代のオオムギを得る工程と;
(ii)前記変異誘発されたオオムギ植物体、オオムギ穀粒、オオムギ細胞、オオムギ組織、および/またはオオムギ胚芽を、少なくとも2世代にわたり繁殖させ、これにより、Mx(ここで、xは、≧2の整数である)世代のオオムギ植物体を得る工程と;
(iii)前記Mx世代のオオムギ穀粒から葉組織を得る工程と;
(iv)前記穀粒またはそれらの一部におけるSMMレベルを決定する工程と;
(v)検出可能なSMMを欠く植物体を選択する工程と;
(vi)前記MMT遺伝子の少なくとも一部を配列決定する工程と;
(vii)前記MMTをコードする遺伝子における変異を保有する植物体を選択する工程と
を含む方法により作製されるか、またはこれらの工程を含む方法により作製される植物体の子孫である、項目12から22のうちのいずれかに記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目24)
項目12から23のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部から調製される、項目1から11のいずれか一項に記載の飲料。
(項目25)
項目12から23のいずれかに記載のオオムギ植物体またはその一部を含む組成物。
(項目26)
項目12から23のいずれかに記載のオオムギ植物体である加工オオムギ植物体またはその一部を含む植物生成物。
(項目27)
項目12から23のいずれかに記載のオオムギ植物体である加工オオムギ植物体またはその一部を含むモルト組成物である、項目26に記載の植物生成物。
(項目28)
前記オオムギ植物体の前記一部が、穀粒(複数可)である、項目27に記載のモルト組成物。
(項目29)
グリーンモルトおよびキルン乾燥モルトからなる群から選択される、項目27から28のいずれか一項に記載のモルト組成物。
(項目30)
粉砕モルトである、項目27から28のいずれか一項に記載のモルト組成物。
(項目31)
最大で200ppb、好ましくは最大で150ppb、より好ましくは最大で100ppb、なおより好ましくは最大で50ppb、例えば最大で25ppbの遊離DMSを含む、項目27から30のいずれかに記載のモルト組成物。
(項目32)
最大で1000ppb、好ましくは最大で500ppb、より好ましくは最大で150ppbのSMMを含む、項目27から31のいずれかに記載のモルト組成物。
(項目33)
最大で200ppbの遊離DMSおよび最大で1000ppbのSMMを含む、例えば最大で25ppbの遊離DMSおよび最大で150ppbのSMMを含む、項目27から32のいずれかに記載のモルト組成物。
(項目34)
項目12から23のいずれかに記載のオオムギ植物体またはその一部を用いるか、前記オオムギ植物体もしくはその一部、またはこれらの混合物から調製されたモルト組成物を用いて調製されたウォート組成物である、項目26に記載の植物生成物。
(項目35)
70℃を超えない温度、好ましくは69℃を超えない温度におけるマッシングを用いて生成させる、項目34に記載のウォート組成物。
(項目36)
最長で45分間、なおより好ましくは最長で30分間煮沸される、項目34から35のいずれか一項に記載のウォート組成物。
(項目37)
前記植物体の前記一部が、穀粒(複数可)である、項目34から36のいずれか一項に記載のウォート組成物。
(項目38)
前記モルト組成物が、項目27から33のいずれかに記載のモルト組成物である、項目34から37のいずれか一項に記載のウォート組成物。
(項目39)
項目34から38のいずれか一項に記載のウォート組成物であるか、または前記組成物から調製した飲料である、項目26に記載の植物生成物。
(項目40)
(i)項目12から23のいずれかに記載のオオムギ植物体またはその一部を含む組成物と;
(ii)項目27から33のいずれかに記載のモルト組成物と
の混合物から調製される組成物。
(項目41)
項目27から33のいずれか一項に記載のモルト組成物、または項目34から38のいずれか一項に記載のウォート組成物から調製される、項目1から11のいずれかに記載の飲料。
(項目42)
オオムギシロップ、モルトシロップ、オオムギ抽出物、およびモルト抽出物からなる群から選択される、項目26に記載の植物生成物。
(項目43)
30ppb未満のDMSを含有する飲料を作製する方法であって、
(i)項目12から23のいずれかに記載のオオムギ植物体またはその一部を含む組成物を調製する工程と;
(ii)(i)の組成物を飲料へと加工する工程と
を含み、これらにより、30ppb未満のDMSを含有する飲料を得る方法。
(項目44)
20ppb未満のDMS、なおより好ましくは5ppb未満のDMSを含有する飲料を作製する方法である、項目43に記載の方法。
(項目45)
工程(i)が、前記オオムギ植物体の穀粒またはその一部からモルト組成物を調製する工程を含む、項目43から44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記組成物を飲料へと加工する工程が、マッシング工程を含み、これによりウォート組成物を生成させる、項目43から45のいずれかに記載の方法。
(項目47)
前記マッシング工程が、70℃を超えない温度、好ましくは69℃を超えない温度におけるマッシングを用いて実施される、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記組成物を飲料へと加工する工程が、マッシング工程、ウォート濾過工程、およびスパージング工程を含み、これらによりウォート組成物を生成させる、項目43から47のいずれかに記載の方法。
(項目49)
前記組成物を飲料へと加工する工程が、前記ウォートを煮沸する工程を含み、前記ウォートが最長で45分間、なおより好ましくは最長で30分間煮沸される、項目46から48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記組成物を飲料へと加工する工程が、前記ウォートの発酵を含む、項目46から49のいずれかに記載の方法。
(項目51)
最大で200ppbの遊離DMSを含むモルト組成物を生成させる方法であって、
(i)項目22に記載の穀粒を供給する工程と;
(ii)前記穀粒をスティーピングする工程と;
(iii)前記スティーピングされた穀粒を、所定の条件下で発芽させる工程と;
(iv)発芽した穀粒を加熱処理する工程と
を含み、これらにより、最大で200ppbの遊離DMSを含むモルト組成物を生成させる方法。
(項目52)
MMT活性の完全な喪失を引き起こす、MMTをコードする遺伝子における変異を保有するオオムギ植物体を調製する方法であって、
(i)オオムギ植物体、および/またはオオムギ穀粒、および/またはオオムギ胚芽、および/またはオオムギ細胞、および/またはオオムギ組織を変異誘発し、これにより、M0世代のオオムギを得る工程と;
(ii)前記変異誘発されたオオムギ植物体、オオムギ穀粒、オオムギ細胞、オオムギ組織、および/またはオオムギ胚芽を、少なくとも2世代にわたり繁殖させ、これにより、Mx(ここで、xは、≧2の整数である)世代のオオムギ植物体を得る工程と;
(iii)前記Mx世代のオオムギ植物体から試料を得る工程と;
(iv)前記試料中におけるSMMレベルを決定する工程と;
(v)検出可能なSMM活性を欠く植物体を選択する工程と;
(vi)前記MMT遺伝子の少なくとも一部を配列決定する工程と;
(vii)前記MMT遺伝子における変異を保有する植物体を選択する工程と
を含み、これらにより、MMT活性の完全な喪失を引き起こす、前記MMTをコードする遺伝子における変異を保有するオオムギ植物体を得る方法。
(項目53)
(i)MMT活性の完全な喪失を引き起こす、MMTをコードする遺伝子における変異;および
(ii)リポキシゲナーゼ1活性の完全な喪失を引き起こす、リポキシゲナーゼ1をコードする遺伝子における変異
を保有するオオムギ植物体またはその一部。
(項目54)
前記MMTをコードする遺伝子における前記変異が、項目13から20のいずれか一項に記載の変異である、項目53に記載のオオムギ植物体またはその一部。
(項目55)
項目53から54のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部から調製される植物生成物。
(項目56)
飲料、好ましくはビールである、項目55に記載の植物生成物。
本発明は、以下の詳細な説明と、本出願の一部をなす添付の配列表(表10にまとめられる)から、より完全に理解することができる。前記表は、本明細書で説明される核酸およびポリペプチド、オリゴヌクレオチドプライマーの他、これらのポリペプチドの全部または実質的部分を表すポリペプチドをコードする核酸断片を含むcDNAクローンおよびgDNAクローンの呼称、ならびに対応する識別子(配列番号)を列挙する。配列の説明と、本明細書に添付される配列表とは、特許出願におけるヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列の開示を律する規則に準拠している。
以下の説明、図、および表では、多くの用語が用いられる。このような用語に所与の範囲を含め、本明細書および特許請求の範囲を記載する目的で、以下の定義を与える。
(i)一般にGTである、該イントロンの大半の5’側ジヌクレオチドからなる、5’側スプライス部位;または
(ii)一般にAGである、該イントロンの大半の3’側ジヌクレオチドからなる、3’側スプライス部位
であることが好ましい。
オオムギとは、植物の科である。野生オオムギ(Hordeum vulgare ssp. spontaneum)は、今日におけるオオムギの栽培形態の前駆体であると考えられる。野生状態から栽培状態へのオオムギの移行は、多数の遺伝子座における対立遺伝子の根本的な変化の頻度と符合したと考えられている。希少な対立遺伝子、および新規の変異イベントは、「オオムギ在来種」と称する栽培化された植物体集団内において新規の形質を迅速に確立した農耕民により、肯定的に選択された。これらは、野生オオムギより、新型栽培品種との遺伝子的類縁性がより密接である。19世紀後半まで、オオムギ在来種は、早期世代における無作為的な異種交配に由来する少数の植物体を含めた、近交系と交配分離種との高度にヘテロ接合型の混合体として存在した。該在来種の大半は、先進農業において、純粋系統の栽培品種により置き換えられている。中等レベルまたは高レベルの遺伝子的多様性が、残りの在来種を特徴付けている。当初、「新型オオムギ」栽培品種は、在来種からの選択を表していた。これらは後に、地理的起源が多様な純粋系統など、確立された純粋系統間における異種交配の継起的サイクルに由来した。最終的な結果は、多くの、おそらくはすべての先進農業における遺伝的基盤の顕著な狭小化であった。在来種と比較して、新型オオムギ栽培品種は、例えば、
(i)穀粒が皮裸性であること;
(ii)種子の休眠;
(iii)病害耐性;
(iv)環境忍容性(例えば、干ばつまたは土壌pHに対する耐性);
(v)リシンおよび他のアミノ酸の比率;
(vi)タンパク質含量;
(vii)窒素含量;
(viii)炭水化物組成;
(ix)ホルデイン組成
などであるがこれらに限定されない多くの特性が改善されている(Nevo、1992年; von Bothmer、1992年)。
本発明は、オオムギ植物体またはその一部から調製される飲料などの植物生成物であって、前記オオムギ植物体が、MMT遺伝子における、その結果として機能的MMT酵素の喪失、例えば、野生型オオムギにおける対応するレベルと比較して、好ましくは、本明細書の上記で説明した野生型オオムギ栽培品種のうちのいずれかと比較して、より好ましくは、野生型オオムギ栽培品種であるPrestigeと比較して、MMT活性の少なくとも90%の喪失、好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも99%、さらにより好ましくは少なくとも99.5%の喪失をもたらす変異を保有する植物生成物に関する。前記オオムギ植物体は、MMTをコードする遺伝子における、その結果としてMMT機能の完全な喪失をもたらす変異を有する最も好ましい。
本発明による機能的MMTを完全に喪失させたオオムギ植物体は、当業者に公知の任意の適切な方法により調製することができる。本発明のオオムギ植物体は、オオムギ植物体(またはその一部、例えば、オオムギ穀粒)を変異させる工程の後で、オオムギ植物体を、MMT活性を完全に喪失させた個体についてスクリーニングおよび選択する工程を含む方法により調製する。興味深いことに、一態様では、本発明が、前記オオムギ植物体の同定を可能とする、新規で極めて有効なスクリーニング法に関する。
(i)オオムギ植物体、および/またはオオムギ細胞、および/またはオオムギ組織、および/またはオオムギ穀粒、および/またはオオムギ胚芽を変異誘発し、これにより、M0世代のオオムギを得る工程と;
(ii)前記変異誘発されたオオムギ植物体、オオムギ穀粒、および/またはオオムギ胚芽を、少なくとも2世代にわたり繁殖させ、これにより、Mx(ここで、xは、≧2の整数である)世代のオオムギ植物体を得る工程と;
(iii)前記Mx世代のオオムギ植物体から試料を得る工程と;
(iv)前記試料中におけるSMMレベルを決定する工程と;
(v)試料が10ppb未満のSMM、好ましくは5ppb未満のSMMを含み、より好ましくは検出可能なSMMを含まない植物体を選択する工程と;
(vi)MMT遺伝子の少なくとも一部を配列決定する工程と;
(vii)MMT遺伝子における変異を保有する植物体を選択する工程と
を含み、これらにより、MMT遺伝子における、機能的MMTの完全な喪失を引き起こす変異を保有するオオムギ植物体を得る。
一態様では本発明が、オオムギ植物体またはその一部から調製される、DMSレベルの低い飲料または他の植物生成物であって、MMT遺伝子における、MMT機能の完全な喪失を引き起こす変異を保有する飲料または他の植物生成物に関する。興味深いことに、このような植物生成物は、一般に、含むDMSレベルが極めて低い。さらに、このような植物生成物はまた、一般に、含むSMMレベルも極めて低く、また、好ましくは、DMSOレベルも極めて低い。理論に拘束されることなく述べると、本出願者らは、オオムギおよびモルトに由来するSMMが不在である結果として、飲料中おいて、また、機能的MMT酵素の喪失を特徴とする前記オオムギから調製された他の植物生成物中においても、DMSレベルが極めて低くなることを認識する。MMT活性を完全に喪失させたオオムギ植物体から調製した飲料など、有用な植物生成物の例については、本明細書の下記で説明する。
(i)30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは15%未満、なおより好ましくは10%未満のDMS;および/または
(ii)30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは15%未満、なおより好ましくは、5%未満、例えば、2%未満など、10%未満のSMM
を含有することが好ましい。
(i)30ppb未満、好ましくは25ppb未満、より好ましくは20ppb未満、なおより好ましくは15ppb未満、さらにより好ましくは10ppb未満、なおより好ましくは5ppb未満のDMSを含有し、さらにより好ましくは、検出可能なDMSを含有せず;かつ/または
(ii)50ppb未満、好ましくは40ppb未満、より好ましくは30ppb未満、なおより好ましくは20ppb未満、さらにより好ましくは10ppb未満、なおより好ましくは5ppb未満のSMMを含有し、さらにより好ましくは検出可能なSMMを含有しない
ことが好ましい。
(i)MMTをコードする遺伝子における、MMT活性の完全な喪失を引き起こす変異を保有するオオムギ植物体に由来するオオムギ穀粒を供給する工程と;
(ii)前記穀粒をスティーピングする工程と;
(iii)該スティーピングされた穀粒を、所定の条件下で発芽させる工程と;
(iv)前記発芽した穀粒を乾燥させる工程と
を含み、これらにより、SMMおよび/またはDMSレベルの低いモルト組成物を生成させる。例えば、モルトは、Briggsら(1981年)およびHoughら(1982年)により説明される方法のうちのいずれかにより生成させることができる。
(i)MMTをコードする遺伝子における、MMT活性の完全な喪失を引き起こす変異を保有するオオムギ植物体またはその一部を含む組成物と;
(ii)MMTヌルの穀粒から調製されるモルト組成物と
の混合物により調製される組成物に関する。
(i)30ppb未満、好ましくは25ppb未満、より好ましくは20ppb未満、なおより好ましくは15ppb未満、さらにより好ましくは10ppb未満、なおより好ましくは5ppb未満のDSMを含有し、さらにより好ましくは、検出可能なDSMを含有せず;かつ/または
(ii)50ppb未満、好ましくは40ppb未満、より好ましくは30ppb未満、なおより好ましくは20ppb未満、さらにより好ましくは10ppb未満、なおより好ましくは5ppb未満のSMMを含有し、さらにより好ましくは検出可能なSMMを含有しない。
(i)アセトアルデヒド 1.20ppm±20%;
(ii)ギ酸エチル(Ethylformiate) 0.24ppm±20%;
(iii)酢酸エチル 23.40ppm±20%;
(iv)酢酸イソブチル 0.05ppm±20%;
(v)1−プロパノール 13.80ppm±20%;
(vi)イソブタノール 9.60ppm±20%;
(vii)酢酸イソアミル 3.43ppm±20%;
(viii)1−ブタノール 0.23ppm±20%;
(ix)イソアミルアルコール 52.00ppm±20%;
(x)ヘキサン酸エチル 0.13ppm±20%;
(xi)n−酢酸ヘキシル 0.01ppm±20%;
(xii)オクタン酸エチル 0.33 ppm±20%
に調整した場合、以下の特性(実施例7で説明する通りに判定される):
(i)「バランスの良さ」の特性(少なくとも2.5、好ましくは少なくとも2.7のスコア);
(ii)「新鮮さ」の特性(少なくとも2.5、好ましくは少なくとも2.7、より好ましくは少なくとも2.9、さらにより好ましくは少なくとも3.1のスコア);
(iii)「飲みやすさ」の特性(少なくとも2.5、好ましくは少なくとも2.7、より好ましくは少なくとも2.9、さらにより好ましくは少なくとも3.0のスコア);
(iv)「香ばしさ」の特性(少なくとも2.5、好ましくは少なくとも2.7、より好ましくは少なくとも2.9のスコア);
(v)「エステル」の特性(少なくとも2.5、好ましくは少なくとも2.7、より好ましくは少なくとも2.9、さらにより好ましくは少なくとも3.0のスコア);
(vi)「アルコール/溶媒」の特性(少なくとも1.5のスコア);
(vii)「花」の特性(少なくとも1.7,好ましくは少なくとも1.9のスコア);
(viii)「ホップ」の特性(少なくとも1.8のスコア);
より好ましくは、以下の特性(実施例7で説明する通りに判定される):
(i)「新鮮さ」の特性(少なくとも2.5、好ましくは少なくとも2.7、より好ましくは少なくとも2.9、さらにより好ましくは少なくとも3.1のスコア);
(ii)「飲みやすさ」の特性(少なくとも2.5、好ましくは少なくとも2.7、より好ましくは少なくとも2.9、さらにより好ましくは少なくとも3.0のスコア);
(iii)「香ばしさ」の特性(少なくとも2.5、好ましくは少なくとも2.7、より好ましくは少なくとも2.9のスコア);
(iv)「エステル」の特性(少なくとも2.5、好ましくは少なくとも2.7、より好ましくは少なくとも2.9、さらにより好ましくは少なくとも3.0のスコア)
のうち、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、なおより好ましくは少なくとも4つ、さらにより好ましくは少なくとも5つ、なおより好ましくはすべてのスコア値を示すことを特徴とすることが好ましい。
(i)専門家による試飲パネルが評価する場合、0〜5段階で少なくとも2.5の「新鮮さ」のスコア;および/または
(ii)専門家による試飲パネルが評価する場合、0〜5段階で少なくとも2.5の「飲みやすさ」のスコア;および/または
(iii) 専門家による試飲パネルが評価する場合、0〜5段階で少なくとも2.5の「香ばしい風味」のスコア;および/または
(iv)専門家による試飲パネルが評価する場合、0〜5段階で少なくとも2.5の「エステル風味」のスコア
を示すことが好ましい。
(i)発芽したMMTヌルの穀粒を含むモルト組成物を供給する工程と;
(ii)前記モルト組成物を飲料へと加工する工程と
を含み、これらにより、30ppb未満、好ましくは25ppb未満、より好ましくは20ppb未満、なおより好ましくは15ppb未満、さらにより好ましくは10ppb未満、なおより好ましくは5ppb未満のDMSを含有し、さらにより好ましくは、検出可能なDMSを含有しない飲料を得る方法にも関する。
植物生成物中におけるSMMおよびDMSの量は、任意の適切な方法により決定することができる。SMMは、本質的に、本明細書上記の節「機能的MMTを完全に喪失させたオオムギ植物体の調製」(この節では、オオムギ試料中におけるSMMレベルの決定について説明される)において説明した通りに決定することができる。したがって、SMMは、それをOPAなどの化合物へと連結し、例えば、UPLCシステムを用いることを介して、蛍光発光を決定することにより決定することができる。定量的な測定を行う場合は、SMMピークに対応するクロマトグラムの面積を決定することができる。
本発明によるMMTをコードする遺伝子における、MMT機能の完全な喪失を引き起こす変異を保有するオオムギ植物体を作製するには、任意の適切な変異誘発法により、例えば、オオムギ穀粒の化学的変異誘発(無作為的に変異を誘導することが公知である方法)を用いることにより、極めて多数のオオムギ変異体を調製することができる。オオムギの変異誘発は、任意の変異誘発化学物質を用いて実施することができる。しかし、オオムギの変異誘発は、穀粒をNaN3で処理し(図7を参照されたい)、生存する穀粒を発芽させた後、子孫植物体を解析することにより実施することが好ましい。M0世代と称する、変異誘発させた穀粒から成長する植物体世代は、任意の所与の変異について、ヘテロ接合体のキメラを含有する。自己授粉後に回収された子孫植物体を、M1世代と称するが、ここでは、所与の変異が、対応するヘテロ接合体およびホモ接合体へと分離する。
作物の育成は、新規の形質の導入と共に始まる、長期間にわたる過程として見ることができる。植物育種家の視点からすると、この工程は、農業形質の全体的プロファイルの所望の程度が、市販される現行の品種より劣る植物体を結果としてもたらす場合が多い。したがって、本発明の好ましい一実施形態では、MMT遺伝子における、機能的MMTの完全な喪失を引き起こす変異を保有する、農業的に有用なオオムギ植物体を提供することが目的である。
DMSはビールのエステル風味を隠す
硫黄に似た風味の調子を特徴付けることは、一般のビールのパネル試飲家の中でさえも、一般に難しいと考えられている。多くの場合、ビールの試飲パネリストは、硫黄の調子を特徴付けるために、専門的な硫黄の調子、例えば「メルカプタン」、「硫化水素」および「DMS」よりも、「硫黄の」という一般用語を使用する。
スクリーニングの準備、手法1
栽培品種Prestigeおよび栽培品種Sebastianのオオムギ植物体から採取した穀粒を、別々に、Kleinhofsら(1978年)によって提供された実験の詳細に従って、変異原NaN3と一緒にインキュベートした。この手順を選択したのは、オオムギのゲノムDNAにおいて点変異を誘発する可能性が公知であるからである。
当該実施例では、上記の実験と平行して、活性なMMT酵素を喪失したオオムギの実生を同定するための非常に高速のスクリーニング方法を確立するために試みを行った。植物体が、亜セレン酸Naを転換するための活性なMMTを含有すれば、前記実生が250μMの亜セレン酸Naの存在下で成長することができるという事実に基づいて、スクリーニングを設計して、前記濃度の亜セレン酸Naの存在下で成長が減少した実生を視覚的にスコア化した。実際的に述べると、NaN3変異誘発されたオオムギの栽培品種PrestigeのM3世代の、それぞれが20〜30の穀粒からなる22,704の穂を、250μMの亜セレン酸Naを補充し標準のVermeculite成長培地で満たしたプラスチックトレイ内においた。穂の穀粒を発芽させ、長さ約15cmの実生にまで発達させた。成長が減少したことを特徴とする、すなわち、実生の長さが<15cmである計812の植物体を、新しい土に移し、さらに発達させた。しかし、野生型レベルのSMMと比較することによって決定すると、MMT活性が低下したことが分かった前記植物体はなかった。したがって、上記のスクリーニング手法では変異体が得られず、したがって終了させた。
可能性のある変異体
それぞれ、計10,248および計3,858の、オオムギの栽培品種Prestigeおよび栽培品種SebastianのNaN3変異した穀粒を、野生型子実と比較するとSMM含有量が大いに減少したものを同定するために、SMM含有量についてスクリーニングした(実施例2の手法1を参照されたい)。M3世代の、可能性のある変異体が2つのみ同定された、すなわち、試料番号8,063の子実(栽培品種Prestigeに由来し、以下変異体8063と表示され、呼称は次の世代の子実に対しても使用される;図3B)、および試料番号14,018の子実(栽培品種Sebastianに由来し、以下変異体14018と表示され、呼称は、次の世代の子実に対しても使用される;図3Bに例示している)。各変異体の子実をM4世代まで繁殖させ、次いで収穫し、最終的に再分析した。その結果、変異体8063および変異体14018の子実が、極度に低いSMM含有量を有し、SMMを完全に喪失している可能性もあることが立証された。
変異体8063のMMT活性の測定
MMT酵素は、メチル基がSAMからMetへ移動し、SMMが形成されることを触媒する(図1B参照)。メチル基をトリチウムで標識した[3H]SAMを基質として使用して、活性炭によって残りの[3H]SAMを除去した後にシンチレーション計数することによって、前記メチル基の移動をモニターすることができる。活性炭は基質に結合するが、新たに合成された、標識されたSMM生成物には結合しない(Pimentaら、1995年)。これによって、変異体8063および栽培品種Prestigeそれぞれの苗条15ずつの抽出物における、MMTの活性、および実施例2に記載の通り決定したSMM含有量を検出することが可能になった。(図4)。データを検討することにより、野生型の穀粒において、変異体8063の子実にはない性質、MMTがSMMの形成を触媒したことが立証された。
変異体8063のヌルMMT穀粒のパイロット規模でのモルト製造および醸造
変異体8063のモルトおよび栽培品種Powerの参照モルトを用いたモルト製造および醸造分析は、
(i)スティーピングすること、グリーンモルトを生成すること、時には続いて
キルン乾燥してキルン乾燥モルトを得ることを含めた発芽させる工程と;
(ii)ウォートを調製する工程と;
(iii)ウォートを分離する工程と;
(iv)ウォートを煮沸する工程と;
(v)酵母Saccharomyces carlsbergensisを用いてウォートを発酵させる工程と;
(vi)ビールをラガーリングする工程と;
(vii)澄んだビールを濾過する工程と;
(viii)ビールを瓶詰めする工程
とを伴う。
ヌルMMTモルトで作られたビールのDMSおよびDMSPのレベル
ヌルMMTおよび栽培品種Powerのモルトから、実施例5に記載の通りビールを醸造した。モルト製造および醸造のプロセスの間、遊離のDMSおよびDMSPのレベルを、グリーンモルトおよびキルン乾燥モルトにおいて(図5A)、ならびに対応するスイートウォートおよび煮沸ウォート、さらには完成したビールにおいて決定した(図5B)。
ヌルMMTモルトを用いて醸造したビールの試飲
パイロット規模で生成した、ヌルMMTモルトを用いて醸造したビールを、プロのビールの試飲パネルがどのように評価するかを確立するために、DMSを4ppb含有することが測定されたビールについて、プロファイル試飲を行った。参照として、栽培品種Powerのモルトを使用して生成した、DMSが76ppbの通常のビールを使用した。
**2−メチル−1−ブタノール濃度とイソアミルアルコール濃度の和
(実施例8)
オオムギの栽培品種PrestigeにおいてMMTをコードする遺伝子の配列決定
野生型のオオムギ植物体と変異したオオムギ植物体の間のMMT活性の差異の根底にあるゲノム多様性を確立することを目的として、主な試みは、対応するオオムギ遺伝子の開始コドンから終止コドンにわたるDNA配列を決定することであった。オオムギのMMT遺伝子の、以前に知られていないゲノム配列を確立するために、最初の工程は、6日齢の、栽培品種Prestigeのオオムギの実生の葉からのゲノムDNA(gDNA)を、Plant DNA Isolation Kit(Roche、カタログ番号1667319)の供給業者によって提供された説明書に従って精製することであった。
**)「PCR生成物の末端」と表示された列に列挙されている断片の5’末端の配列
***)「PCR生成物の末端」と表示された列に示されている断片の3’末端の相補配列
**)「PCR生成物の末端」と表示された列に列挙されている断片の5’末端の配列
***)「RT−PCR生成物の末端」と表示された列に示されている断片の3’末端の相補配列
(実施例9)
オオムギの変異体8063のMMTをコードする遺伝子は、イントロン5
の5’スプライス部位において変異している
変異体8063のオオムギの実生では、MMT活性が存在しないこと(実施例4)と一致して、SMMの含有量が極度に少ない、またはSMMが含有されない(実施例3)。この知見に基づいて、MMTをコードする遺伝子における塩基置換が、オオムギ穀粒の最初のNaN3変異原処理によって引き起こされたかどうかを調査した。したがって、変異体8063のヌルMMT表現型についての分子基礎を確立するために、変異体8063の前記遺伝子を増幅し、クローニングし、配列決定するための試みを行った。
‡)変異体14018のRNA鋳型を使用するRT−PCR用
*)MMTのcDNA(配列番号4)についてと同様の塩基対の番号付け
**)「PCR生成物の末端」と表示された列に示されている断片の5’末端の配列
***)「PCR生成物の末端」と表示された列に示されている断片の3’末端の相補配列
(実施例10)
野生型MMTをコードする発現プラスミド
以下の2つの所見
(i)E.coli細胞はMMTおよびSMMを合成する能力を喪失している(Thanbicherら、1998年):
(ii)植物のMMTをE.coliにおいて合成することができる(Tagamountら、2002年)
により、
上述の細菌において変異したオオムギのMMTまたは切断型のオオムギのMMTを異種発現させることにより、それらのMMTが酵素活性を喪失していることを模擬実験または確認する新しい様式が可能になる。組換えと同様に、E.coliからの野生型オオムギのMMTは、そのような実験において陽性対照として機能すると思われ、課題は、オオムギのMMTを異種発現させるためのE.coli発現プラスミドを設計し、構築することであった。
**)プライマーセットによって定義されたように「RT−PCR生成物の末端」と表示された列に示されている断片の5’末端の配列。NdeI部位に下線を付した;翻訳開始コドンに二重下線を付した。
***)「RT−PCR生成物の末端」と表示された列に示されている断片の3’末端の相補配列。EcoRI部位に下線を付した。EcoRI部位を含む翻訳終止コドンをイタリック体で示している。
変異体8063の切断型MMTをコードする発現プラスミド
変異体8063のMMTをコードする遺伝子は、実施例9において、イントロン5の5’スプライス部位にG→A塩基転移を含有し、それによって2つの潜在的なスプライス部位が活性化され、その結果、それぞれが中途終止コドンを含有する3つの異常な転写物が発現する(図12B、C参照)ことが示された。
**)一本の下線は、それぞれ、順方向プライマーのSacII部位および逆方向プライマーのBamHI部位にしるしをつけるために使用した。二重下線は終止コドンを示す。
変異体8063の組換えMMT型は不活性である
MMT欠失型の変異体8063が酵素的に不活性であることを立証するために、BL21株のE.coli細胞を、プラスミドpET19b、pET19b−MMT、pET19b−Line8063−Prod3、およびpET19b−Line8063−Prod4で別々に形質転換し(図13参照)、その後、アンピシリンを含有する標準のLuria Broth(LB)培地5mL中で一晩繁殖させた。各培養物の1.25mLの一定分量を、新鮮なLB100mLに加え、細胞密度がOD600=0.6に達するまで37℃でインキュベートした。この時点で、異種タンパク質の発現を誘導するために、1MのIPTGを40μL加えた。20℃で一晩インキュベートした後、個々の培養物の細胞を、4℃、4,000rpmで20分間遠心分離することによって沈殿させた。細胞ペレットのそれぞれを、5mLのH2Oに再懸濁させ、次いで何回かの凍結と融解のサイクルにかけ、最終的に、約750ユニット/Lのヌクレアーゼ(Sigma、カタログ番号E8263−25KU)の存在下、37℃で30分間インキュベートして試料の粘度を低下させた。4℃、4,000rpm、30分間の長さで遠心分離した後、細胞溶解性タンパク質(液相中のタンパク質と定義される)を不溶性タンパク質(ペレット中のタンパク質と定義される)から分離するために、ペレットを、リゾチーム1mgを含有する2mLのH2Oに再懸濁させることによってさらに洗浄した。外界温度で5分間インキュベートした後、15mLのH2Oを添加することによって試料を希釈した。同様の洗浄−沈殿のサイクルを3回行った後、7Mの尿素、2mMのβ−メルカプトエタノールを含有する50mMのTris−Cl緩衝液、pH8.0を1mL用いてペレット中の封入体タンパク質を抽出した。
オオムギの変異体8063についてのモニタリングシステム
変異体8063のオオムギ穀粒を検出するための生化学的アッセイ(実施例2参照)に加えて、本実施例は、変異体の穀粒またはその生成物を同定するために設計した遺伝学的方法を記載する。当業者に公知の適切な改変と共に、この方法は、所与の植物生成物がオオムギの変異体8063を使用して調製されるかどうかを検出するためにも適用することができる。アッセイは、図15に例示した通りの、表7に列挙されているオリゴヌクレオチドプライマーセットの特性を持つ、変異体8063のMTT遺伝子の一塩基多型(SNP)、詳細には3076位におけるG→A変異を検出するための分析に基づいている。
**)変異体8063のMMTゲノム配列(配列番号8)についてと同様の塩基対の番号付け
***)変異体14018のMMTゲノム配列(配列番号19)についてと同様の塩基対の番号付け
****)「PCR生成物の末端」と表示された列に列挙された断片の5’末端の配列
*****)「PCR生成物の末端」と表示された列に示された断片の3’末端の相補配列
(実施例14)
オオムギの変異体14018のMMTをコードする遺伝子はイントロン2の5’スプライス部位において変異している
オオムギの変異体14018の発芽した穀粒の抽出物において極度に少ないレベルのSMMが発見された、またはSMMが全く発見されなかったことに従って、その植物体を、上記の実施例9において変異体8063について説明したのと同じ実験条件下で分析した。しかし、この場合は、野生型植物材料は、変異体14018を含む穀粒のバッチにおいてNaN3を用いて変異誘発するために栽培品種Sebastianが利用されたので、栽培品種Sebastianからのものであった。ヌルMMT表現型を引き起こす変異を同定するための実験を設計し、下記のように実施した。
変異体14018の切断型MMTを合成するためのプラスミドの発現
変異体14018由来の、3つの、切断型の組換えバージョンのMMTの合成を導く発現プラスミドを構築するための原理および戦略は、実施例11において変異体8063について説明したものと同様であった。簡潔に述べると、実験目的は、変異体14086の異常性のスプライシング事象により、不活性なMMTをコードする転写物が生成することを立証することであった。したがって、組換え型のひと続きの遺伝子は、生成物6、生成物7および生成物8(図16B、C参照)につながる異常性のスプライシング事象を反映している配列のタンパク質をコードするはずであり、その配列は、配列番号22、配列番号24および配列番号26に列挙されている。
**)数字は、隣の列に列挙されている対応する配列番号のヌクレオチド番号を指す。
変異体14018の組換えMMT型は不活性である
実施例12の手順に従い、変異体8063由来の構築物を変異体14018由来の構築物と置き換えた。E.coli細菌を、pET19b−Line14018−Prod6、pET19b−Line14018−Prod7およびpET19b−Line14018−Prod8(図17A〜D、図17Eに示している対応するアミノ酸のアラインメントを持つ)で形質転換したが、実施例12に記載の抗MMT抗体はMMTの変異体14018特異的な部分にはないひと続きの配列に対して生じたので、この実験では、ウェスタンブロット分析を除いた。
オオムギの変異体14018についてのモニタリングシステム
変異体14018のオオムギ穀粒を検出するための生化学的アッセイ(実施例2参照)に加えて、本実施例は、オオムギ変異体14018から調製された変異穀粒または植物生成物を同定するために設計した遺伝学的方法を記載する。この方法は、図19に例示した通りの、表9に列挙されているオリゴヌクレオチドプライマーセットの特性を持つ、変異体14018のMTT遺伝子の一塩基多型(SNP)、詳細には、1462位におけるG→A変異を検出するための分析に基づいている。
**)変異体14018のMMTゲノム配列(配列番号19)についてと同様の塩基対の番号付け
***)変異体8063のMMTゲノム配列(配列番号8)についてと同様の塩基対の番号付け
****)「PCR生成物の末端」と表示された列に列挙された断片の5’末端の配列
*****)「PCR生成物の末端」と表示された列に示された断片の3’末端の相補配列
Claims (28)
- オオムギ植物体またはその一部から調製される飲料であって、前記飲料が20ppb未満のレベルの硫化ジメチル(DMS)および20ppb未満のレベルのS−メチル−L−メチオニン(SMM)を含有し、前記オオムギ植物体またはその一部が、メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)をコードする遺伝子において、機能的MMTの完全な喪失を引き起こす変異を保有する、飲料。
- モルト飲料である、請求項1に記載の飲料。
- ビールである、請求項1または2のいずれか一項に記載の飲料。
- 前記飲料が、10ppb未満の硫化ジメチル(DMS)を含有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の飲料。
- 前記飲料が、10ppb未満のS−メチル−L−メチオニン(SMM)を含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の飲料。
- メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)機能の完全な喪失を引き起こす、MMTをコードする遺伝子における変異を保有する、オオムギ植物体またはその一部。
- 前記変異が、前記メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)をコードする遺伝子のスプライス部位内にある、請求項6に記載のオオムギ植物体またはその一部。
- 前記メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)をコードする遺伝子における前記変異が、配列番号3の塩基番号3076のG→A変異または配列番号16の塩基番号1462のG→A変異である、請求項6から7のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
- 前記変異の結果として、野生型メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)のN末端断片を含むMMTの切断形態をコードする遺伝子をもたらし、前記N末端断片が、配列番号6の最大で500のN末端アミノ酸残基を含む、請求項6から8のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
- 前記メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)の切断形態が、野生型MMTには見出されないさらなるC末端配列を含む、請求項9に記載のオオムギ植物体またはその一部。
- 前記オオムギ植物体が、「オオムギ(Hordeum vulgare):8063系統」と称し、PTA−9543の表記で2008年10月10日にATCCへと寄託された植物体と、それらの子孫植物体とからなる群から選択される、請求項6から10のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。
- 請求項6から11のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部から調製される、請求項1から5のいずれか一項に記載の飲料。
- 加工されたオオムギ植物体またはその一部を含む植物生成物であって、前記オオムギ植物体が請求項6から11のいずれかに記載のオオムギ植物体である、植物生成物。
- 前記植物生成物が、加工されたオオムギ植物体またはその一部を含むモルト組成物であり、前記オオムギ植物体が請求項6から11のいずれかに記載のオオムギ植物体である、請求項13に記載の植物生成物。
- 前記モルト組成物が粉砕モルトである、請求項14に記載の植物生成物。
- 前記植物生成物が、請求項6から11のいずれかに記載のオオムギ植物体またはその一部を用いるか、前記オオムギ植物体もしくはその一部、またはこれらの混合物から調製されたモルト組成物を用いて調製されたウォート組成物であり、前記ウォート組成物が20ppb未満のS−メチル−L−メチオニン(SMM)を含有する、請求項13に記載の植物生成物。
- 請求項14から16のいずれか一項に記載の植物生成物から調製される、請求項1から5のいずれかに記載の飲料。
- オオムギシロップ、モルトシロップ、オオムギ抽出物、およびモルト抽出物からなる群から選択される、請求項13に記載の植物生成物。
- 20ppb未満の硫化ジメチル(DMS)および20ppb未満のS−メチル−L−メチオニン(SMM)を含有する飲料を作製する方法であって、
(i)請求項6から11のいずれかに記載のオオムギ植物体またはその一部を含む組成物を調製する工程と;
(ii)(i)の組成物を飲料へと加工する工程と
を含み、これらにより、20ppb未満のDMSおよび20ppb未満のSMMを含有する飲料を得る方法。 - 最大で200ppbの遊離硫化ジメチル(DMS)を含むモルト組成物を生成させる方法であって、
(i)請求項6から11のいずれか一項に記載のオオムギ植物体の穀粒を供給する工程と;
(ii)前記穀粒をスティーピングする工程と;
(iii)前記スティーピングされた穀粒を、所定の条件下で発芽させる工程と;
(iv)発芽した穀粒を加熱処理する工程と
を含み、これらにより、最大で200ppbの遊離DMSを含むモルト組成物を生成させる方法。 - メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)活性の完全な喪失を引き起こす、MMTをコードする遺伝子における変異を保有するオオムギ植物体を調製する方法であって、
(i)オオムギ植物体、および/またはオオムギ穀粒、および/またはオオムギ胚芽、および/またはオオムギ細胞、および/またはオオムギ組織を変異誘発し、これにより、M0世代のオオムギを得る工程と;
(ii)前記変異誘発されたオオムギ植物体、オオムギ穀粒、オオムギ細胞、オオムギ組織、および/またはオオムギ胚芽を、少なくとも2世代にわたり繁殖させ、これにより、Mx(ここで、xは、≧2の整数である)世代のオオムギ植物体を得る工程と;
(iii)前記Mx世代のオオムギ植物体から試料を得る工程と;
(iv)前記試料中におけるS−メチル−L−メチオニン(SMM)レベルを決定する工程と;
(v)検出可能なSMM活性を欠く植物体を選択する工程と;
(vi)前記MMT遺伝子の少なくとも一部を配列決定する工程と;
(vii)前記MMT遺伝子における変異を保有する植物体を選択する工程と
を含み、これらにより、MMT活性の完全な喪失を引き起こす、前記MMTをコードする遺伝子における変異を保有するオオムギ植物体を得る方法。 - 前記オオムギ植物体が、
(i)メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)活性の完全な喪失を引き起こす、MMTをコードする遺伝子における変異;および
(ii)リポキシゲナーゼ1活性の完全な喪失を引き起こす、リポキシゲナーゼ1をコードする遺伝子における変異
を保有する、請求項6から11のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部。 - 前記メチオニン−S−メチルトランスフェラーゼ(MMT)をコードする遺伝子における前記変異が、請求項7から9のいずれか一項に記載の変異のいずれか1つである、請求項22に記載のオオムギ植物体またはその一部。
- 請求項22から23のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部から調製される、請求項13から16または18のいずれか一項に記載の植物生成物。
- 飲料である、請求項24に記載の植物生成物。
- 前記飲料がビールである、請求項25に記載の植物生成物。
- 請求項22から23のいずれか一項に記載のオオムギ植物体またはその一部から調製される、請求項17に記載の飲料。
- ビールである、請求項27に記載の飲料。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DKPA200801708 | 2008-12-03 | ||
DK200801708 | 2008-12-03 | ||
PCT/DK2009/050315 WO2010063288A2 (en) | 2008-12-03 | 2009-12-01 | Barley and malt-derived beverages with low dms level |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012510277A JP2012510277A (ja) | 2012-05-10 |
JP2012510277A5 JP2012510277A5 (ja) | 2013-01-10 |
JP5774997B2 true JP5774997B2 (ja) | 2015-09-09 |
Family
ID=41137843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011538836A Active JP5774997B2 (ja) | 2008-12-03 | 2009-12-01 | 低dmsレベルの大麦由来飲料およびモルト由来飲料 |
Country Status (29)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9834760B2 (ja) |
EP (1) | EP2373154B1 (ja) |
JP (1) | JP5774997B2 (ja) |
KR (1) | KR101769525B1 (ja) |
CN (1) | CN102291982B (ja) |
AP (1) | AP3392A (ja) |
AR (1) | AR074430A1 (ja) |
AU (1) | AU2009321894B2 (ja) |
BR (1) | BRPI0922349B8 (ja) |
CA (1) | CA2744836C (ja) |
CL (1) | CL2011001307A1 (ja) |
EA (1) | EA029777B1 (ja) |
ES (1) | ES2586616T3 (ja) |
HK (1) | HK1162852A1 (ja) |
HR (1) | HRP20160874T1 (ja) |
HU (1) | HUE030303T2 (ja) |
IL (1) | IL213324A (ja) |
LT (1) | LT2373154T (ja) |
MX (1) | MX2011005619A (ja) |
MY (1) | MY187926A (ja) |
NZ (1) | NZ593605A (ja) |
PL (1) | PL2373154T3 (ja) |
PT (1) | PT2373154T (ja) |
SA (1) | SA109300713B1 (ja) |
SG (1) | SG171940A1 (ja) |
UA (1) | UA105197C2 (ja) |
UY (1) | UY32282A (ja) |
WO (1) | WO2010063288A2 (ja) |
ZA (1) | ZA201104844B (ja) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011150933A2 (en) | 2010-06-03 | 2011-12-08 | Carlsberg Breweries A/S | Energy saving brewing method |
US9587210B2 (en) | 2008-12-03 | 2017-03-07 | Carlsberg Breweries A/S | Energy saving brewing method |
AU2017288958B2 (en) * | 2016-07-01 | 2022-03-03 | Carlsberg Breweries A/S | Refined cereal-based beverages |
WO2018093285A1 (en) | 2016-11-18 | 2018-05-24 | Baltika Breweries - Part Of The Carlsberg Group | Method of producing a grain malt and the malt product obtained in this way |
JP7116536B2 (ja) * | 2017-10-17 | 2022-08-10 | サッポロビール株式会社 | ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法及びビールテイスト飲料の高級感を改善する方法 |
MX2020006853A (es) | 2017-12-28 | 2020-11-11 | Carlsberg As | Metodo para producir un extracto de cereal y metodo para procesar este extracto como una bebida. |
US11690341B2 (en) | 2017-12-28 | 2023-07-04 | Carlsberg A/S | Cereal plants with improved cell wall properties |
CN111801007A (zh) * | 2017-12-28 | 2020-10-20 | 嘉士伯有限公司 | 具有增加的水解酶活性的大麦 |
EA202091571A1 (ru) | 2017-12-28 | 2020-10-12 | Карлсберг А/С | Быстрые способы получения экстрактов зерновых культур |
MX2020011244A (es) * | 2018-04-25 | 2021-01-20 | Carlsberg As | Bebidas a base de cebada. |
CN112345654A (zh) * | 2019-08-06 | 2021-02-09 | 红塔烟草(集团)有限责任公司 | 一种基于色谱指纹图谱识别油斑烟污染源的方法 |
MX2022010777A (es) * | 2020-03-02 | 2022-11-30 | Carlsberg As | Plantas de cebada con elevada actividad de dextrinasa limite. |
CN112795545B (zh) * | 2021-01-29 | 2022-04-12 | 浙江大学 | 大麦HvHMT3基因及其应用 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8813249D0 (en) * | 1988-06-04 | 1988-07-06 | Carlsberg As | Method of brewing beer |
US5242694A (en) * | 1992-02-18 | 1993-09-07 | G. Heileman Brewing Company, Inc. | Process for brewing low carbohydrate near beer |
AU653472B2 (en) * | 1992-05-14 | 1994-09-29 | Joe White Maltings Limited | Malt production |
GB9722027D0 (en) | 1997-10-17 | 1997-12-17 | Melica Hb | Methods |
US6326184B1 (en) * | 1998-09-15 | 2001-12-04 | Carlsberg A/S | Method of producing a composite fermented beverage using genetically modified yeast strains |
AU3005300A (en) | 1999-02-22 | 2000-09-04 | Michigan State University | Compositions and methods for altering sulfur content in plants |
EE05567B1 (et) * | 2000-12-29 | 2012-08-15 | Carlsberg Research Laboratory | Vähendatud aktiivsusega lipoksügenaas-1-ga oder |
US6660915B2 (en) * | 2000-12-29 | 2003-12-09 | Anna Christina Douma | Low lipoxygenase 1 barley |
WO2002088301A2 (en) | 2001-05-02 | 2002-11-07 | Gavish Galilee Bio Applications Ltd. | Increased methionine in transgenic plants expressing mutant cystathionine gamma-synthase |
CN1671833A (zh) * | 2002-07-25 | 2005-09-21 | 诺维信公司 | 糖化方法 |
JP4113795B2 (ja) | 2003-03-25 | 2008-07-09 | サッポロビール株式会社 | 大麦リポキシゲナーゼ−1遺伝子、大麦の選抜方法、麦芽アルコール飲料用原料及び麦芽アルコール飲料の製造方法 |
US7420105B2 (en) * | 2004-03-11 | 2008-09-02 | Carlsberg A/S | Barley for production of flavor-stable beverage |
DE202007005281U1 (de) * | 2007-04-11 | 2007-07-05 | Hertel, Marcus, Dipl.-Ing. | Vorrichtung zur Niedertemperaturwürzekochung |
-
2009
- 2009-12-01 LT LTEP09771493.5T patent/LT2373154T/lt unknown
- 2009-12-01 MY MYPI2011002520A patent/MY187926A/en unknown
- 2009-12-01 UA UAA201108391A patent/UA105197C2/ru unknown
- 2009-12-01 PL PL09771493T patent/PL2373154T3/pl unknown
- 2009-12-01 EP EP09771493.5A patent/EP2373154B1/en active Active
- 2009-12-01 AR ARP090104615A patent/AR074430A1/es active IP Right Grant
- 2009-12-01 US US13/132,765 patent/US9834760B2/en active Active
- 2009-12-01 UY UY0001032282A patent/UY32282A/es active IP Right Grant
- 2009-12-01 CA CA2744836A patent/CA2744836C/en active Active
- 2009-12-01 NZ NZ593605A patent/NZ593605A/xx unknown
- 2009-12-01 BR BRPI0922349A patent/BRPI0922349B8/pt active IP Right Grant
- 2009-12-01 AU AU2009321894A patent/AU2009321894B2/en active Active
- 2009-12-01 WO PCT/DK2009/050315 patent/WO2010063288A2/en active Search and Examination
- 2009-12-01 HU HUE09771493A patent/HUE030303T2/en unknown
- 2009-12-01 ES ES09771493.5T patent/ES2586616T3/es active Active
- 2009-12-01 SG SG2011040474A patent/SG171940A1/en unknown
- 2009-12-01 MX MX2011005619A patent/MX2011005619A/es active IP Right Grant
- 2009-12-01 KR KR1020117015363A patent/KR101769525B1/ko active IP Right Grant
- 2009-12-01 EA EA201170739A patent/EA029777B1/ru not_active IP Right Cessation
- 2009-12-01 JP JP2011538836A patent/JP5774997B2/ja active Active
- 2009-12-01 AP AP2011005761A patent/AP3392A/xx active
- 2009-12-01 PT PT97714935T patent/PT2373154T/pt unknown
- 2009-12-01 CN CN200980155247.8A patent/CN102291982B/zh active Active
- 2009-12-05 SA SA109300713A patent/SA109300713B1/ar unknown
-
2011
- 2011-06-02 CL CL2011001307A patent/CL2011001307A1/es unknown
- 2011-06-02 IL IL213324A patent/IL213324A/en active IP Right Grant
- 2011-06-30 ZA ZA2011/04844A patent/ZA201104844B/en unknown
-
2012
- 2012-04-11 HK HK12103567.3A patent/HK1162852A1/zh unknown
-
2016
- 2016-07-14 HR HRP20160874TT patent/HRP20160874T1/hr unknown
Also Published As
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5774997B2 (ja) | 低dmsレベルの大麦由来飲料およびモルト由来飲料 | |
JP5670347B2 (ja) | リポキシゲナーゼ活性を低減させたオオムギおよびそれらから調製した飲料 | |
JP6007174B2 (ja) | エネルギーを節約した醸造法 | |
US20170183611A1 (en) | Energy saving brewing method | |
BG107971A (bg) | Ечемик с понижена активност на липоксигеназа 1 | |
JP7410030B2 (ja) | 高められた加水分解酵素活性を有する大麦 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121113 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20121113 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140428 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140718 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140728 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140828 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20140828 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150224 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150427 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150623 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150702 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5774997 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |