JP5773921B2 - 型枠装置用の連結部材及び型枠装置 - Google Patents
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Description
また、各枠体の端部同士をゴム等の連結部材(パッキン)で封鎖することである程度の水密性を確保していることが多い。
また、トロによってコンクリート製品の角部が設計どおりの直線に形成されないという問題もあるため、使用後は端部間のトロを十分に掃除しておく必要があるが、この掃除に手間を要するという問題や、連結部材の劣化速度が早まり、頻繁に交換する必要が生じるという問題があった。
また、特許文献2には、バネ鋼製で弾性を有する断面L字状の連結部材(連結板)を外枠及び台座に取り付けた型枠装置が開示されている。
また、特許文献3には、弾力を有する断面略コ字状の連結部材(連結板)を外枠及び台枠に取り付けた型枠装置が開示されている。この連結部材は中央の平面部分をコンクリート製品の成形面として利用するものであり、いわば連結部材に枠体としての機能も持たせたものである。
すなわち、図7に示すように、特許文献1の連結部材100は断面L字状の2つの取付金具101、102の短辺101a、102a相互をウレタンゴム103で連結したものである。取付金具の長辺101b、102bを外枠104の端部に接合することで2つの外枠の端部における水密性を確保しているが、ウレタンゴムが屈曲して成形精度が低下するおそれがあるため、ウレタンゴムと取付金具(金属)とを溶着等により強固に密着させる必要があり、製造コストが高くなるという問題があった。
また、このような枠体としての使用にも耐えうる程度の品質を備えるウレタンゴムが高価なことも連結部材の製造コストが高くなる要因であった。
また、特許文献3の連結部材は弾力を有する連結部材を枠体の一部として機能させるものであるため、特許文献1と同様に注入したコンクリートの圧力等により平面部分(成形面)が外側に膨らんでしまい、コンクリート製品の成形精度が低下するという問題があった。また、断面が略コ字状であるため、特許文献2と同様に屈曲部分に負担がかかるという問題があった。
また、前記板状部材を第1本体部に固定するための第1座板及び第2本体部に固定するための第2座板を備え、前記板状部材を前記第1座板及び第2座板を介したボルト締めにより前記第1本体部及び第2本体部に固定することを特徴とする。
また、本発明のコンクリート製品成形用の型枠装置は上記連結部材を用いることを特徴とする。
ここで、両本体部は金属製であり、成形面も当然金属製となるため変形しにくく、従来のように成形面をゴム等の弾性や可撓性を有する部材で構成する場合と比較して、注入したコンクリートの圧力等の影響をほとんど受けずにコンクリート製品の成形精度を高めることができると共に連結部材の耐久性を向上させることができる。
さらに、板状部材が両成形面の角部にいわゆる裏当てとして固定配置されるので、トロの漏出を更に抑えることができる。
また、第1本体部と第2本体部は可撓性を有する板状部材で繋がっているのみなので、2つの枠体のコーナー角度の変化に柔軟に対応できる。
また、第1本体部及び第2本体部の断面が三角形状であり、型枠を閉じた状態で板状部材が平面状態になるように板状部材接触面を設計することにすれば、板状部材に屈曲箇所が存在しなくなるので、枠体の開閉等の影響による連結部材の耐久性低下を防止できる。また、型枠を閉じた状態、すなわち養生から脱型までの間、特に角部において板状部材と板状部材接触面とが完全に密着した状態を保つことができるので、板状部材と板状部材接触面との間にコンクリートが進入し得る程度のわずかな隙間も生じさせずに、コンクリート製品の角部の成形精度をより高めることができる。
また、第1座板及び第2座板を介したボルト締めにより板状部材を第1本体部及び第2本体部に固定することにすれば、板状部材の交換をボルトの脱着作業で行うことができるので、作業性を向上できる。
本発明の連結部材はコンクリート製品成形用の型枠装置に使用するものであり、成形するコンクリート製品の種類・用途は問わないが、本実施の形態では、擁壁のコーナーブロックを成形するための型枠装置を例にして説明する。
上述の通り、本実施の形態では連結部材10を、左右2つの外面成形枠6の端部同士を水密状態で連結するために使用する。
図4(a)、(b)に示すように連結部材10は第1本体部20、第2本体部30、板状部材40、第1座板50及び第2座板60を備える。
板状部材接触面22、32は成形面21、31の角部側の端部から左右方向にのびる平面である。型枠装置1を閉じた段階で2つの板状部材接触面22、32がほぼ段差なく連続して一つの平面が形成されるように設計することが好ましいが、本実施の形態のように外面成形枠6のコーナー角度を自在に調節できる構造の場合は、型枠装置1を閉じた状態でできるだけ2つの板状部材接触面22、32で形成される面が平面に近い状態になるように設計することが好ましい。
枠体接合面23、33は、連結部材10を外面成形枠6に取り付けるために用いられ、成形面21、31に対して直交するように設計されている。本実施の形態では枠体接合面23、33と外面成形枠6の間にプレート70を介在させ、ボルト等の周知の締結手段によりこれらを連結しているが、プレート70を用いずに枠体接合面23、33を直接外面成形枠6に接合してもよい。
板状部材40の材質としては可撓性を有していれば特に制限されず、合成樹脂、プラスチック、金属、天然樹脂等であってもよいが、入手の容易さ、価格及び耐久性等を考慮すると合成樹脂製のゴムが好ましい。
板状部材40の固定方法としては、両板状部材接触面22、32同士が連続的に段差なく連続するように第1本体部20と第2本体部30を左右に並べた状態で、両板状部材接触面22、32に板状部材40の表面を接触させ、更に板状部材40の裏面に第1座板50及び第2座板60を配置し、その後方からボルト51、61によって固定すればよい。なお、第1本体部20及び第2本体部30には予めボルト51、61を受けるための雌ねじを上下方向に所定間隔で設けておき、さらに板状部材40にも予め雌ねじの位置に対応した開口を設けておくものとする。
この場合、例えば第1本体部20の枠体接合面23を台座部分に接合し、第2本体部30の枠体接合面33を外枠の下端部に接合すればよい。なお、第1本体部20の成形面21と第2本体部30の成形面31からなる角部が正面視した場合に外枠の軸支箇所と同軸上に位置するように設計するのが好ましい。
また、板状部材40を第1座板50及び第2座板60を介したボルト締めにより第1本体部20及び第2本体部30に固定するものとしたが、第1座板50及び第2座板60を備えない構成であってもよい。この場合には板状部材40を裏面側から直接ボルト等で固定することになるので、板状部材40の厚みを増加させたり、材料を変更する等の設計変更により、注入するコンクリートの圧力等の影響を受けて板状部材40が外側に膨らまない程度の固さ(撓みにくさ)を持たせるのが好ましい。
また、図6に示すように一本のボルト52、62で各座板50、60、板状部材40、各本体部20、30及びプレート70を外面成形枠6の端面に固定することにしてもよい。
2 基台
3 センタポスト
4 枢支軸
5 内面成形枠
6 外面成形枠(枠体)
7 固定手段
10 連結部材
20 第1本体部
21 成形面
22 板状部材接触面
23 枠体接合面
30 第2本体部
31 成形面
32 板状部材接触面
33 枠体接合面
40 板状部材
50 第1座板
51 ボルト
52 ボルト
60 第2座板
61 ボルト
62 ボルト
70 プレート
Claims (3)
- コンクリート製品成形用の型枠装置を構成する複数の枠体のうち2つの枠体の端部同士を水密状態で連結するための連結部材であって、
断面三角形状の金属製の第1本体部及び第2本体部と、
前記第1本体部と前記第2本体部との隙間を封鎖するべく両本体部間に掛け渡される可撓性を有する板状部材とを備え、
前記第1本体部及び第2本体部の各々が、コンクリート製品の角部を成形するための成形面と、前記板状部材に接触する板状部材接触面と、前記枠体に接合する枠体接合面の3つの面からなり、
前記型枠を閉じた状態において、前記板状部材が平面状態になることを特徴とする連結部材。
- 前記板状部材を第1本体部に固定するための第1座板及び第2本体部に固定するための第2座板を備え、
前記板状部材を前記第1座板及び第2座板を介したボルト締めにより前記第1本体部及び第2本体部に固定することを特徴とする請求項1に記載の連結部材。
- 請求項1又は2に記載の連結部材を用いたことを特徴とするコンクリート製品成形用の型枠装置。
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